JP2006141255A - 遺伝子変異を検出する方法 - Google Patents

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Toshihiro Yonekawa
俊広 米川
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Abstract

【課題】遺伝子多型の検出において、簡単に遺伝子変異を検出できる技術およびそれに用いる試薬を提供する。
【解決手段】Exo-proofreading 活性を利用して、核酸試料に含まれる遺伝子変異の検出を可能にするSNPタイピング法であり、増幅用プライマーを用いて特定の変異を含む標的核酸またはその断片を増幅させる工程、変異検出用プライマーを用いて前記増幅した核酸配列上のSNPを蛍光偏光法等で検出する工程を含み、さらに検出されたSNPが変異型か野生型かヘテロ型かを同定することを特徴とする、核酸試料中の変異を検出する方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、遺伝的変異や遺伝子多型の検出法に関する。さらには、野生型と変異型の同時検出法に関する。
ほ乳類等の多細胞生物、あるいは細菌やウイルス等の生物の遺伝子レベルにおいて、一定の頻度で見出される核酸の塩基配列上の何らかの差異は、遺伝子変異と呼ばれている。核酸の塩基配列上での差異とは、置換、挿入、欠失あるいは組み換えによって生じ、その塩基配列上の差異のうち、ある集団内で1%以上の頻度で存在する変異は、特に遺伝子多型と呼ばれている。
遺伝子多型の中でも、塩基配列上の一塩基の置換、挿入、欠失によって起きる多型を、特に一塩基多型(以下「 SNP(;Single Nucleotide Polymorphism ) 」と省略)と呼ばれている。SNPは、ヒトゲノムの中で最も出現頻度が高いため注目されている。すなわち、遺伝子多型の位置と変動に関する情報を集積し、個体の遺伝子を通常の表現型を有している野生型の遺伝子と比較した場合に、両者の遺伝子が同一かまたは異なるか等の表現型との関連性を解析することによって、多くの情報が得られる可能性があると期待されているからである。
また、遺伝子多型は、一定の頻度で集団に広がっていることから、全く形質の変化を伴わないものか、特に生存(生殖)に不利な形質ではなく、いわば体質といえる形質を左右しているものとして注目されている。例えば、糖尿病、高血圧症、肥満等の生活習慣病、リュウマチ、アレルギー等の免疫疾患、あるいは癌等の疾患に対する罹りやすさが、多型によって左右されていることが知られており、さらに、薬剤代謝(薬の効き方)やヒト白血球組織適合型抗原等も多型によって支配されていると考えられている。
医療現場では、個人の薬剤代謝に対する副作用に関連するSNPすなわち遺伝子の個人差を明らかにすることができれば、個人の遺伝子のタイプに応じた最適な薬剤を投与する治療法が確立でき、その結果、治療ミスや副作用を未然に防ぐことが可能となる。このような試みは、テーラーメード医療として位置付けられている。
テーラーメード医療の実現には、簡易・迅速・精確に遺伝子のSNPを検出する方法が求められており、これまでに様々な検出法が提案されている。遺伝子のSNPを検出することはSNPタイピング法と呼ばれており、これは、SNPが存在する位置の塩基を判別する方法であるが、SNPが未知かまたは既知かによって検出法が異なってくる。
ここで、SNPタイピング法の代表的なものを列挙する。
(1)対立遺伝子特異的プライマー( Allele Specific Primer ;以下「ASP」と省略)によるPCR法
変異型DNAでは増幅できないASPを、3’末端にSNPを感知するように設計されたPCRプライマーを用いて増幅させ、野生型と変異型のDNAにおけるPCR増幅産物を電気泳動によって区別する方法である。
(2)変性勾配ゲル電気泳動法
変性勾配ゲル(尿素等の無荷電の変性剤の濃度勾配をつけたゲル)において、変異型は野生型と異なる位置に電気泳動するという性質を利用する方法である。これは、核酸の変性剤による変性が、2本鎖DNA中にミスマッチが存在すると起こりやすくなり、それが電気泳動の移動度に反映するということを利用したものである。
(3)PCR−SSCP( Single Strand Conformation Polymorphism )法
標識されたPCRプライマーによって点変異近傍のDNA断片を増幅後加熱して変性 (1本鎖化) し、点変異によって変化している1本鎖DNAの立体構造をゲル電気泳動の差異によって検出する方法である。
(4)PCR−RFLP( Restriction Fragment Length Polymorphism )法
PCR増幅産物を、特定のDNA配列だけを切断する制限酵素の特徴を利用し、切断されるかされないかで、電気泳動により変異を検出する方法である。
(5)TaqMan PCR法
野生型または変異型にハイブリダイズする2種類のTaqManプローブを鋳型核酸にハイブリダイズさせ、別にPCRプライマーによって増幅させて、DNAポリメラーゼの5’ヌクレアーゼ活性によりプローブに標識した蛍光剤を遊離させる方法である。これは、各プローブの5’末端に結合している蛍光剤が異なるため、DNAが野生型または変異型かによって異なった蛍光を発することで、変異の検出が可能となる。
(6)Invader法
2種類の非蛍光標識プローブと1種類の蛍光標識プローブを用いた検出法である。TaqMan PCR法では、DNAポリメラーゼの5’ヌクレアーゼ活性を利用して蛍光標識プローブを切断するが、Invader法では、DNAの構造を認識して切断するという特殊なエンドヌクレアーゼ活性を有するクリーバーゼを利用する。この方法は、PCR等のようにDNAを増幅する必要がなく、クリーバーゼがSNPの検出およびシグナル増幅の両者の役割を担う。
(7)DNAチップによる検出法
オリゴヌクレオチドの塩基配列を少しずつ変化させて、数多くの類似する塩基配列を微小な区画に整列させることができるDNAチップを使用し、試料中のDNAの中から、チップ上のDNAとハイブイリダイズするものを蛍光標識により検出する。
このように、幾つかの検出法は、遺伝子増幅法として代表的なPCR法を利用した方法である。しかし、1塩基の違いのプライマーを用いた場合、完全に相補的なプライマーに比べて、塩基配列がプライマーと完全に相補的な塩基配列でなくてもしばしば相補鎖の合成が起きてしまう。そのため、1塩基の違いを区別するには、人為的にもう1ヶ所にミスマッチをいれる必要がある。しかし、この場合も配列の違いにより厳密な条件設定が必要であり、汎用技術には至っていない。また、PCRプライマーは、原理上2つの領域にしか設定できないため、類似した塩基配列からなる複数の遺伝子が同一の試料中に存在する場合、各遺伝子における変異や多型をPCR法に基づく増幅生成物の有無を指標として確認することはきわめて困難である。さらに、電気泳動を組み合わせた方法は簡易性の面からまた、TaqManプローブを用いた方法では、2種類の蛍光標識されたプローブの作製のためのコストが高いという課題がある。
DNAチップを利用した技術では、確かに、DNAチップ上の微細な空間の反応環境を制御することによって、わずかな塩基配列の相違に基づくハイブリダイズの有無を、検出できる。しかし、現実には、解析データの再現性が最大の課題とされている。DNAチップ上でのハイブリダイズの条件は、反応空間が微細なために、繊細な条件設定が求められる。一定の水準で再現性を維持するには、高度な技術と、細心の注意が要求される。加えて、現状ではDNAチップの価格が高いことも、解決が望まれる課題である。
近年、記述した技術とは別の対立遺伝子特異的プライマーを用いたPCR法が開示されている(特許文献1)。従来の、SNPを検出するためのPCRプライマーは、3’末端の塩基が鋳型と一致しない場合には増幅されないという性質を利用して、プライマーの3’末端に変異を感知できるように設計されたものであるが、この技術で使用するプライマーは、3’末端から2番目に変異を有するように設計され、さらに校正活性の強いα型DNAポリメラーゼと変異部位以外に人偽的ミスマッチ配列の導入等を組み合わせることで、飛躍的に高い多型識別能力を可能としている。
また、Exo-proofreading 活性を利用したPCR法が開示されている(非特許文献1、2)。Exo-proofreading 活性とは、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性による校正機能であり、DNAポリメラーゼによるDNA合成途中において、ミスマッチが起きた場合、DNAポリメラーゼのもつエキソヌクレアーゼ活性が、3’側からそのミスマッチ部分を取り除き、再びDNA合成を再開させるというものである。そこで、PCRプライマーの一方の3’側に蛍光剤を標識したプライマーを伸長させ、ミスマッチがあった場合、蛍光剤が遊離するという原理に基づいている。この方法では、該PCRプライマーがSNPタイピング用プライマーとなるが、このプライマーからミスリーディングした場合、その産物はさらにタイピング用プライマーの鋳型となってしまう。したがって、PCR法を利用する限り、根底となる問題は依然解決されず、さらに検出法に蛍光偏光を用いた場合には再現性が劣るため、増幅産物を精製して蛍光分析するという煩雑性がある。
我々は、近年開発された遺伝子増幅法であるLAMP( Loop−mediated isothermal amplification )法を利用したSNPタイピング法を開発した(特許文献2、非特許文献3)。これらの方法は、LAMP用に設計された対立遺伝子特異的プライマーを使用し、熱処理した血液検体からでも直接鋳型として検出することが可能であり、検体を採取してから30分程度で結果が得られるという簡易かつ迅速な方法である。しかし、対立遺伝子特異的プライマーの塩基配列の選定には多くの検討を要することから、多数のSNPをタイピングする系を確立するのにかなりの時間と労力を要する。
このように、従来のSNPを検出する技術は一長一短があり、精度の維持や経済的な面で解決が望まれていた。
WO01/042498号パンフレット WO01/034838号パンフレット B. Wegmuller, et al.「 Nucleic Acids Research 」1995年、23巻、2号、p.311-312 P. Cahill, et al.「 Genome Res. 」2003年、13巻、p.925-931 岩崎匡臣等「 GENOME LETTERS 」2003年、2巻、3号、p.119-126
本発明の目的は、従来のような煩雑な操作を必要とせず、簡単に遺伝子変異を検出できる技術およびそれに用いる試薬を提供することである。
本発明者は、上記問題を解決するために鋭意研究を行った結果、Exo-proofreading 活性を利用した、特にLAMP法による遺伝子多型の検出法を見出し、本発明を完成させた。本発明は、通常のLAMP法で使用されるプライマーに蛍光剤を標識させるだけで、他の特殊なプライマーを必要とせず、また、LAMP法の簡易・迅速性を維持したまま遺伝子変異特にSNPを検出することができる、Exo-proofreading 活性とLAMP法の組み合わせによる新規なSNPタイピング法である。
すなわち、本発明は以下の構成からなる。
(1)以下の工程を含むことを特徴とする核酸試料中の変異を検出する方法。
(a)核酸試料中の特定の変異部位を含む標的核酸またはその断片に、増幅用プライマー、変異検出用プライマーおよび少なくとも3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有する1種以上の核酸合成酵素を作用させ、前記標的核酸またはその断片を増幅させる工程、
(b)変異検出用プライマーの3’末端に検出剤が標識されている塩基が、標的核酸上の対応する塩基と相補的でなければ、検出剤と共に塩基が遊離し、前記プライマーが伸長する工程、または変異検出用プライマーの3’末端に検出剤が標識されている塩基が、標的核酸上の対応する塩基と相補的であれば、検出剤と共に塩基は遊離せずに、前記プライマーが伸長する工程、
(c)変異検出用プライマーの3’末端の検出剤が標識されている塩基の遊離の有無によって、変異を検出する工程。
(2)増幅用プライマーが、標的核酸またはその断片の、変異部位を含まない塩基配列領域と相補的な塩基配列を有している(1)記載の方法。
(3)増幅用プライマーが、標的核酸上の3’末端側からF3c、F2c、F1cという塩基配列領域を、5’末端側からR3、R2、R1という塩基配列領域を選択し、それぞれに相補的な塩基配列をF3、F2、F1、そしてR3c、R2c、R1cとしたときに、以下の(a)〜(d)から選ばれた塩基配列を有することを特徴とする(1)記載の方法。
(a)標的核酸のF2領域を3’末端側に有し、5’末端側に標的核酸のF1c領域を有する塩基配列、
(b)標的核酸のF3領域を有する塩基配列、
(c)標的核酸のR2領域を3’末端側に有し、5’末端側に標的核酸のR1c領域を有する塩基配列、
(d)標的核酸のR3領域を有する塩基配列。
(4)変異検出用プライマーが、変異部位を検出する塩基を3’末端に有し、かつ前記3’末端の塩基が検出剤で標識されている(1)記載の方法。
(5)変異検出用プライマーが、標的核酸上の3’末端側からF3c、F2c、F1cという塩基配列領域を、5’末端側からR3、R2、R1という塩基配列領域を選択し、それぞれに相補的な塩基配列をF3、F2、F1、そしてR3c、R2c、R1cとしたときに、標的核酸のF2c領域とR2領域の間の塩基配列と同一または相補的であり、かつ前記プライマーの3’末端の塩基に検出剤が標識されていることを特徴とする(1)または(4)記載の方法。
(6)変異検出用プライマーが、野生型検出用プライマーおよび/または変異型検出用プライマーである請求項1、4または5記載の方法。
(7)核酸試料中の配列特異的塩基を含む標的核酸またはその断片中に、増幅用プライマーおよび核酸合成酵素を作用させ、前記標的核酸またはその断片を増幅し、(4)〜(6)記載の変異検出用プライマーによって、増幅産物中の配列特異的塩基を検出する方法。
(8)核酸合成酵素が、鎖置換型活性を有するDNAポリメラーゼである(1)または(7)記載の方法。
(9)核酸合成酵素が、鎖置換型活性を有するDNAポリメラーゼと3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有するDNAポリメラーゼの混合物として使用される(1)または(7)記載の方法。
(10)3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有するDNAポリメラーゼが、PwoDNAポリメラーゼ、PfuDNAポリメラーゼ、PyrobestDNAポリメラーゼ、VentDNAポリメラーゼまたはDeepVentDNAポリメラーゼからなる群より選ばれる(9)記載の方法。
(11)標的核酸またはその断片を増幅させる工程が、等温増幅法である(1)または(7)記載の方法。
(12)等温増幅法が、LAMP法、ICAN法およびSDA法からなる群より選ばれた(11)記載の方法。
(13)検出剤が、蛍光剤である(1)、(4)または(5)記載の方法。
(14)蛍光剤が、TAMRA、TEXAS RED、ROX、FITC、Cy5、Cy3または量子ドットからなる群より選ばれる(13)記載の方法。
(15)検出工程が、蛍光偏光法、蛍光分光相関法、ポリエチレンイミン分離法、蛍光共鳴エネルギー移動法または表面プラズモン共鳴法からなる群より選ばれる(1)記載の方法。
(16)変異が、多型である(1)記載の方法。
(17)多型が、一塩基多型である(16)記載の方法。
(18)(15)記載の検出工程により、変異の有無を検出する方法。
(19)(15)記載の検出工程により、一塩基多型が、野生型、変異型もしくはヘテロ型のいずれかを同定する方法。
(20)増幅用プライマー、変異検出用プライマー、少なくとも3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有する1種以上の核酸合成酵素、基質および反応緩衝剤を含むことを特徴とする遺伝子変異の検出用試薬キット。
(21)増幅用プライマーが、標的核酸またはその断片の、変異部位を含まない塩基配列領域と相補的な塩基配列を有する(20)記載の試薬キット。
(22)変異検出用プライマーの3’末端の塩基に蛍光剤が標識されている(20)記載の試薬キット。
(23)変異検出用プライマーが、野生型検出用プライマーおよび/または変異型検出用プライマーである(20)または(22)記載の試薬キット。
(24)核酸合成酵素が、鎖置換型活性を有するDNAポリメラーゼを含む(20)記載の試薬キット。
(25)核酸合成酵素が、鎖置換型活性を有するDNAポリメラーゼおよび3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有するDNAポリメラーゼの混合物である(20)記載の試薬キット。
(26)(20)記載の試薬キットにより、変異の有無を検出する方法。
(27)(20)記載の試薬キットにより、一塩基多型が、野生型、変異型もしくはヘテロ型のいずれかを同定する方法。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、Exo-proofreading 活性をLAMP法に利用して、核酸試料に含まれる遺伝子変異の検出を可能にする方法であり、それにより個体の遺伝子変異の有無を、あるいは変異が多型の場合は、個体の遺伝子型が、野生型か変異型かあるいはヘテロ型を判定することが可能となる。
本発明において使用される「核酸試料」とは、動植物例えばヒトや家畜の遺伝子等の内在性のDNA、RNA等の核酸を含む生体試料や、細菌あるいはウイルスを含む微生物等の外来性の核酸を含む試料であり、血液、頭髪、細胞組織、汗、尿・糞等の排泄物、培養物等が挙げられる。また、部分的にあるいは完全に人工的の合成された核酸も本発明の核酸試料に含まれる。
本発明における「変異」とは、体細胞変異のみならず多型も含み、塩基配列のある部位において、個体間または個体内で2種以上の塩基が存在することをいい、一方を野生型、それとは異なる塩基を有するものを変異型という。そして、核酸の組合せにおいて、ある特定の塩基が相補的でない場合は、「ミスマッチ」という。
本発明において使用される「核酸試料」中の「変異」を含む標的核酸は、目的の配列情報を担う「変異」部位を含むものであれば、特に限定されず、例えば、特定遺伝子のエキソン、イントロンまたはプロモーターやゲノム配列等が挙げられる。
本発明の「 Exo-proofreading 活性 」とは、核酸増幅過程におけるDNAポリメラーゼの有する3’−5’エキソヌクレアーゼ活性による校正機能であり、合成または増幅工程途中において、ミスマッチが起きた場合、DNAポリメラーゼのもつエキソヌクレアーゼ活性が、3’側からそのミスマッチ部分を取り除き、再び増幅を開始させる。
本発明における核酸増幅法には、LAMP法、ICAN法、SDA法等の等温増幅法が挙げられるが、特にLAMP法が好適である。「LAMP法」は、本発明者らが開発した技術であり、鋳型となるヌクレオチドに自身の3’末端をアニールさせて相補鎖合成の起点とすると共に、このとき形成されるループにアニールするプライマーを組み合わせることにより、等温での相補鎖合成反応を可能とした核酸増幅法である。また、LAMP法では、プライマーの3’末端が常に試料に由来する領域に対してアニールするために、塩基配列の相補的結合によるチェック機構が繰り返し機能する。その結果、特異性の高い遺伝子配列の増幅反応を可能となる。
LAMP法で使用される「増幅用プライマー」は、鋳型核酸の塩基配列上の計6領域の塩基配列を認識する少なくとも4種類のオリゴヌクレオチドからなるプライマー(「インナープライマーF」、「インナープライマーR」、「アウタープライマーF」および「アウタープライマーR」)が使用されるが、増幅反応の進行に伴い、自己を鋳型としながら合成起点となる3’末端を有した、両端にそれぞれループ構造を有することを特徴とするダンベル型のヌクレオチドが形成される。そして、さらに、このダンベル構造の5’末端側のループ構造の一本鎖部分の塩基配列に相補的な塩基配列を持つプライマー(「ループプライマー」)を用いた場合、核酸合成の起点が増え、反応時間の短縮と検出感度の上昇を図ることができる。
ここで、「増幅用プライマー」の塩基配列は、標的核酸上の3’末端側からF3c、F2c、F1cという塩基配列領域を、5’末端側からR3、R2、R1という塩基配列領域を選択し、それぞれの相補的塩基配列をF3、F2、F1、そしてR3c、R2c、R1cとしたときに、インナープライマーFは「5’−F1c−F2−3’」、インナープライマーRは「5’−R1c−R2−3’」、アウタープライマーFは「5’−F3−3’」、そしてアウタープライマーRは「5’−R3−3’」となる。
本発明において、例えば、LAMP法によってSNPを検出する場合、前出の「ダンベル型」ヌクレオチドのループ構造またはステム構造を構成する塩基配列の領域に、SNPとして検出されるようにプライマーを設計する。すなわち、このプライマーにSNP検出用の塩基を挿入する。そして、このSNP検出用の塩基を挿入されたプライマーを「変異検出用プライマー」と呼ぶ。
本発明で使用される「変異検出用プライマー」は、「野生型検出用プライマー」または「変異型検出用プライマー」を意味し、「野生型検出用プライマー」とは、野生型の一塩基多型を含む塩基配列にアニールすることができ、かつ少なくとも3’末端の塩基が対応する野生型核酸の塩基と相補的な塩基を有するプライマーであり、また、「変異型検出用プライマー」とは、「野生型検出用プライマー」の少なくと3’末端の塩基のみが対応する野生型核酸の塩基と相補的でない塩基を有するプライマーである。
そして、「野生型検出用プライマー」と「変異型検出用プライマー」は、いずれもの3’末端の塩基に蛍光剤が標識されており、前記蛍光剤の種類としては、TAMRA、TEXAS RED、ROX、FITC、Cy5、Cy3または量子ドット等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
LAMP法による増幅反応には、 Bst DNAポリメラーゼ等の鎖置換型活性を有するDNA合成酵素が必要であるが、Bst DNAポリメラーゼは、 Exo-proofreading に必要な3’−5’エキソヌクレアーゼ活性が存在しないため、 Exo-proofreading 反応と増幅反応と同時に行うためには、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性のあるDNA合成酵素を共存させる必要がある。本発明で使用するLAMP法においては、Pwo DNAポリメラーゼが好適であるが、予め3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有するDNA合成酵素、例えば、PwoDNAポリメラーゼ、PfuDNAポリメラーゼ、PyrobestDNAポリメラーゼ、VentDNAポリメラーゼまたはDeepVentDNAポリメラーゼ等の中からスクリーニングし、好適なDNA合成酵素を適宜選択することが望ましい。また、鎖置換型のDNA合成酵素のうち、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を併せ持つDNAポリメラーゼであれば、1種類の酵素を使用しても構わない。
Bst DNAポリメラーゼと Exo-proofreading 活性の高いPwo DNAポリメラーゼの2種類のDNAポリメラーゼを使用した場合、Bst DNAポリメラーゼは、3’末端の塩基が標識されている変異検出用プライマーからはほとんど伸長反応を行うことができず、変異検出用プライマーからの伸長反応はほとんどPwo DNAポリメラーゼで行われるため、ミスリーディングの確率は非常に低いという利点がある。
ここで、Exo-proofreading によるSNPタイピングの原理を図1に示す。変異検出用プライマーは、3’末端の塩基のN部位が検出剤で標識されており、DNAポリメラーゼを作用させると伸長反応が起こるが、該プライマーの3’末端の塩基が、鋳型DNA上の塩基とミスマッチの場合には、DNAポリメラーゼの Exo-proofreading 活性(すなわち3’−5’エキソヌクレアーゼ活性による修復機構)により、該プライマーの3’末端の塩基が検出剤と共に切り出されるため、検出剤が標識されたヌクレオチドが遊離し、その結果、検出剤を含まないDNAが合成されることになる。一方、該プライマーの3’末端がマッチする塩基であれば修復機構は働かないため、検出剤が標識されたヌクレオチドは遊離せず、検出剤を含んだDNAが合成されることになる。
さらに、Exo-proofreadingによるSNPタイピングをLAMP法に適用させた場合の原理図を図2に示す。図2に示す通り、例えば、SNP(図中★印)部分が、ループ領域に存在できるようにプライマー配列を設計する。
本発明における増幅産物の検出は、LAMP法の簡易性を生かすために、均一系の検出が可能な蛍光偏光法が好適であるが、例えば、蛍光分光相関法、ポリエチレンイミン分離法、蛍光共鳴エネルギー移動法または表面プラズモン共鳴法等の他の核酸増幅検出法も適用可能である。蛍光偏光の数値は、その蛍光物質を含む分子の分子量を反映しているため、プライマーの3’末端に蛍光標識された塩基が、伸長したDNAに含まれているか、あるいは含まれてないかで判定できることになる。すなわち、鋳型がミスマッチの場合には、プライマーの蛍光剤は遊離するため、反応終了後の溶液には、「未反応の蛍光標識プライマー」と「(遊離した)蛍光標識された塩基」が含まれており、 「未反応の蛍光標識プライマー」しか含まない陰性対照( Negative Control;以下「NC」と省略)と比較すると蛍光偏光は同程度または小さくなる。一方、マッチした場合には、「未反応の蛍光標識プライマー」と「蛍光剤をDNA上に含む合成DNA」とが含まれているため、NCと比較すると蛍光偏光が大きくなる。
Exo-proofreading とLAMP法を組み合わせたSNPタイピング法を検証するするために、モデルとして、ヒトのアルコール代謝と密接な関係に関連するアセトアルデヒド脱水素酵素(以下「ALDH2」と省略)遺伝子のexon12に存在するSNPをターゲットとした検出法を検討した。以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
実施例1.プラスミドを鋳型としたLAMP法によるSNPsの検出
(1)プラスミドDNA試料の調製
ALDH2*1遺伝子はヒトゲノムを鋳型としてPCR法によって増幅し、pBluescript II にクローニングした。ALDH2*2遺伝子は、ALDH2*1遺伝子をもとに、site-directed mutagenesis により作製した。
(2)プライマーの合成
LAMP用プライマーとして、(配列番号1)で示される塩基配列から選ばれた塩基配列、またはそれと相補的な配列から選ばれた塩基配列として、以下の5種類のプライマーを設計した。また、タイピング用プライマーとして2種類を設計した。プライマーの合成は、DNA合成を専門に取り扱う機関に委託した。なお、野生型または変異型をタイピングするプライマーの3’末端の塩基には、各々蛍光物質TAMRAが塩基標識されている。
・LAMP用プライマー
インナープライマーF:5'-CCCCCAGCAGGCTGCAGGCATACACT-3' (配列番号2)
インナープライマーR:5'-CTGTTGGGGCTCAACAGACCCCAATCC-3' (配列番号3)
アウタープライマーF:5'-GGAGTTGGGCGAGT-3' (配列番号4)
アウタープライマーR:5'-TCCTGAACCTCTGGC-3' (配列番号5)
ループプライマー R:5'-TCTGCTGGTGGCTC-3' (配列番号6)
・タイピング用プライマー
W(15)T(野生型):5'-CACAGTTTTCACTT*-3'(*:dC-TAMRA) (配列番号7)
M(15)T(変異型):5'-CACAGTTTTCACTT*-3'(*:dT-TAMRA) (配列番号8)
ここで、図3にALDH2遺伝子のSNPを検出するためのプライマー設計の概念図を示すが、図中★印で示したSNP塩基は、ALDH2*1ではG、ALDH2*2ではAとなる。したがって、ALDH2*1にマッチするプライマーはW(15)Tで、ALDH2*2マッチするプライマーはM(15)Tとなる。
(3)試薬組成及び濃度
LAMP最終反応溶液25μL中の各試薬濃度が下記になるよう調整した。
・20mM Tris−HCl( pH8.8 )
・10mM KCl
・ 4mM (NH42SO4
・ 4mM MgSO4
・0.1% Tween20
・0.4mM each dNTP
・0.6M Betain
・ 8U Bst DNAポリメラーゼ( New England Biolab 社 )
・ 2U Pwo DNAポリメラーゼ( New England Biolab 社 )
・ 1ng 鋳型核酸
・LAMP用プライマー
1.6μM インナープライマーF(配列番号2)及びR(配列番号3)
0.2μM アウタープライマーF(配列番号4)及びR(配列番号5)
0.8μM ループプライマー R(配列番号6)
・タイピング用プライマー
0.8μM W(15)T(配列番号7)またはM(15)T(配列番号8)
(4)LAMP法による反応
0.2mLの専用チューブに、(1)で作製した鋳型核酸すなわちALDH2*1(G)遺伝子、ALDH2*2(A)遺伝子、そしてALDH2*1(G)遺伝子とALDH2*2(A)遺伝子両方を1:1で混在したもの(G/A)を各々8サンプルずつ、LAMP反応溶液25μLと共に加え、リアルタイム濁度検出装置LA−200( テラメックス社製 )で60℃で30分間インキュベーションし、LAMP反応を行った。次いで、反応を終了させるために80℃で5分間加熱処理を行った。なお、鋳型核酸を添加しないものをNC(陰性対照)とした。
(5)蛍光偏光による検出法
LAMP反応終了液に各反応液にメタノール8μLを添加したものを、384穴のプレートに移し、POLARION( TECAN 社 )を用い、530〜594nmにおける蛍光偏光度を測定した。
その結果を図4および図5に示す。図4は、各タイピング用プライマーを用いて、各鋳型核酸の増幅産物の蛍光偏光度を測定した結果である。タイピング用プライマーとしてW(15)T(G検出用プライマー)を用いて、G、Aを鋳型として測定した結果は、それぞれ146±10.2、16±5.8でであり、M(15)T(A検出用プライマー)を用いて、G、Aを鋳型として測定した結果は、それぞれ21±8.3、121±6.3であった。また、GとAの混合物を鋳型にした場合、G検出用では127±7.4、A検出用では93±6.7であり、再現性よくSNPの検出が可能であった。図5は、図4で、各鋳型核酸において、G検出用プライマーとA検出用プライマーから得たれた蛍光偏光度を、NCで規格化(NCに対する比)し、さらに各プライマーの比率したものである。その結果、算出された値からカットオフ値は、野生型(G/G)は0.5未満、ヘテロ型(G/A)は0.5以上1.5未満、変異型(A/A)は1.5以上と決定した。なお、カットオフ値の設定理由は、ALDH2*1を鋳型にした場合、A検出用プライマーで測定した蛍光偏光度は、G検出用プライマーで測定した蛍光偏光度の1/2以下であり、ALDH2*2を鋳型にした場合には、2倍以上であり、また、ALDH2*1とALDH2*2の混合物を鋳型にした場合には、ほぼ同等であったことによる。
実施例2.ヒトゲノムDNAを鋳型としたLAMP法によるSNPの検出
(1)ヒトゲノム遺伝子の調製
インフォームドコンセントに同意した健常人ボランティアから集められた頭髪サンプルからヒトゲノムDNAを抽出・精製した。なお、DNAの抽出は、ISOHAIR DNA 抽出キット( NIPPON GENE 社製 )を使用し、キットに添付されたプロトコールに基づいて実施した。
(2)プライマーの合成
実施例1.(2)と同様に実施した。
(3)試薬組成及び濃度
実施例1.(3)のプラスミドDNAの代わりに、ヒトゲノムDNAを用いた。その他は、同様に実施した。
(4)LAMP法による反応
ヒトゲノムDNA 1ngについて、実施例1.(4)と同様にLAMP反応を実施した。
(5)蛍光偏光による検出法
実施例1.(5)と同様に実施した。
その結果を図6および図7に示す。図6は、各タイピング用プライマーを用いて、各ボランティアのヒトゲノムの増幅産物の蛍光偏光度を測定した結果である。また、図7は、実施例1.同様に、蛍光偏光度をNCで規格化し、比率を求めたものである。実施例1.で設定したカットオフ値から変異型、ヘテロ型または変異型を判定すると、No1.および4はヘテロ型(G/A)、No.2は野生型(G/G)、No.3(A/A)は変異型と判定された。
比較例 PCR−RFLP法との比較
従来法Chao等の方法( Chao et al、「HEPATOLOGY」、25巻、p112、1997年 )によるALDH2遺伝子のタイピングを実施した。ヒトゲノムDNAを、ポリメラーゼ( TaKaRa ExTaq )を用い、キットに添付されたプロトコールに基づいて増幅した。すなわち、ゲノム試料40ng含むPCR反応液25μLを作製し、熱変性94℃で1分、アニーリング51℃で3分、ポリメラーゼ伸長反応72℃で1分を1サイクルとして計30サイクルの条件で、行った。反応装置は、MJ Research PTC-200 Thermocycler( MJ Research 社製 )を使用した。反応終了後、PCR増幅産物のうち2μL、37℃で1時間、制限酵素EcoRIで切断し、4%アガロースゲル電気泳動を行い、反応産物の確認を行った。なお、バンドの蛍光染色は、SYBR-GreenIを用いた。
その結果を表1に示すが、実施例2.で得られた結果は、比較例と完全に一致していた。このことより、本発明は、SNPタイピング法の一つとして有効と判断される。
Figure 2006141255
以上のように、本発明は、遺伝子変異を検出する場合において、従来のような煩雑な操作を必要とせず、簡単で、特異的に、変異を検出できる技術およびそれに用いる試薬を提供することによって、個体の遺伝子が、野生型か変異型かあるいはヘテロ型を判定することが可能となる。
Exo-proofreading によるSNPタイピングの原理図である。 Exo-proofreading によるSNPタイピングをLAMP法に適用させた場合の原理図である。 ALDH2遺伝子のSNPを検出するためのプライマー設計の概念図である。 クローン化したALDH2遺伝子を鋳型として、 Exo-proofreading LAMP反応を行った後の増幅産物の蛍光偏光度を測定したグラフである。 遺伝子型のカットオフ値を決定するためのグラフである。 ALDH2遺伝子タイピングを、ヒトゲノムDNAを鋳型として、 Exo-proofreading LAMP反応を行った後の増幅産物の蛍光偏光度を測定したグラフである。 ヒトゲノムDNAの遺伝子型を示すグラフである。

Claims (27)

  1. 以下の工程を含むことを特徴とする核酸試料中の変異を検出する方法。
    (a)核酸試料中の特定の変異部位を含む標的核酸またはその断片に、増幅用プライマー、変異検出用プライマーおよび少なくとも3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有する1種以上の核酸合成酵素を作用させ、前記標的核酸またはその断片を増幅させる工程、
    (b)変異検出用プライマーの3’末端に検出剤が標識されている塩基が、標的核酸上の対応する塩基と相補的でなければ、検出剤と共に塩基が遊離し、前記プライマーが伸長する工程、または変異検出用プライマーの3’末端に検出剤が標識されている塩基が、標的核酸上の対応する塩基と相補的であれば、検出剤と共に塩基は遊離せずに、前記プライマーが伸長する工程、
    (c)変異検出用プライマーの3’末端の検出剤が標識されている塩基の遊離の有無によって、変異を検出する工程。
  2. 増幅用プライマーが、標的核酸またはその断片の、変異部位を含まない塩基配列領域と相補的な塩基配列を有している請求項1記載の方法。
  3. 増幅用プライマーが、標的核酸上の3’末端側からF3c、F2c、F1cという塩基配列領域を、5’末端側からR3、R2、R1という塩基配列領域を選択し、それぞれに相補的な塩基配列をF3、F2、F1、そしてR3c、R2c、R1cとしたときに、以下の(a)〜(d)から選ばれた塩基配列を有することを特徴とする請求項1記載の方法。
    (a)標的核酸のF2領域を3’末端側に有し、5’末端側に標的核酸のF1c領域を有する塩基配列、
    (b)標的核酸のF3領域を有する塩基配列、
    (c)標的核酸のR2領域を3’末端側に有し、5’末端側に標的核酸のR1c領域を有する塩基配列、
    (d)標的核酸のR3領域を有する塩基配列。
  4. 変異検出用プライマーが、変異部位を検出する塩基を3’末端に有し、かつ前記3’末端の塩基が検出剤で標識されている請求項1記載の方法。
  5. 変異検出用プライマーが、標的核酸上の3’末端側からF3c、F2c、F1cという塩基配列領域を、5’末端側からR3、R2、R1という塩基配列領域を選択し、それぞれに相補的な塩基配列をF3、F2、F1、そしてR3c、R2c、R1cとしたときに、標的核酸のF2c領域とR2領域の間の塩基配列と同一または相補的であり、かつ前記プライマーの3’末端の塩基に検出剤が標識されていることを特徴とする請求項1または4記載の方法。
  6. 変異検出用プライマーが、野生型検出用プライマーおよび/または変異型検出用プライマーである請求項1、4または5記載の方法。
  7. 核酸試料中の配列特異的塩基を含む標的核酸またはその断片中に、増幅用プライマーおよび核酸合成酵素を作用させ、前記標的核酸またはその断片を増幅し、請求項4〜6記載の変異検出用プライマーによって、増幅産物中の配列特異的塩基を検出する方法。
  8. 核酸合成酵素が、鎖置換型活性を有するDNAポリメラーゼである請求項1または7記載の方法。
  9. 核酸合成酵素が、鎖置換型活性を有するDNAポリメラーゼと3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有するDNAポリメラーゼの混合物として使用される請求項1または7記載の方法。
  10. 3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有するDNAポリメラーゼが、PwoDNAポリメラーゼ、PfuDNAポリメラーゼ、PyrobestDNAポリメラーゼ、VentDNAポリメラーゼまたはDeepVentDNAポリメラーゼからなる群より選ばれる請求項9記載の方法。
  11. 標的核酸またはその断片を増幅させる工程が、等温増幅法である請求項1または7記載の方法。
  12. 等温増幅法が、LAMP法、ICAN法およびSDA法からなる群より選ばれた請求項11記載の方法。
  13. 検出剤が、蛍光剤である請求項1、4または5記載の方法。
  14. 蛍光剤が、TAMRA、TEXAS RED、ROX、FITC、Cy5、Cy3または量子ドットからなる群より選ばれる請求項13記載の方法。
  15. 検出工程が、蛍光偏光法、蛍光分光相関法、ポリエチレンイミン分離法、蛍光共鳴エネルギー移動法または表面プラズモン共鳴法からなる群より選ばれる請求項1記載の方法。
  16. 変異が、多型である請求項1記載の方法。
  17. 多型が、一塩基多型である請求項16記載の方法。
  18. 請求項15記載の検出工程により、変異の有無を検出する方法。
  19. 請求項15記載の検出工程により、一塩基多型が、野生型、変異型もしくはヘテロ型のいずれかを同定する方法。
  20. 増幅用プライマー、変異検出用プライマー、少なくとも3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有する1種以上の核酸合成酵素、基質および反応緩衝剤を含むことを特徴とする遺伝子変異の検出用試薬キット。
  21. 増幅用プライマーが、標的核酸またはその断片の、変異部位を含まない塩基配列領域と相補的な塩基配列を有する請求項20記載の試薬キット。
  22. 変異検出用プライマーの3’末端の塩基に蛍光剤が標識されている請求項20記載の試薬キット。
  23. 変異検出用プライマーが、野生型検出用プライマーおよび/または変異型検出用プライマーである請求項20または22記載の試薬キット。
  24. 核酸合成酵素が、鎖置換型活性を有するDNAポリメラーゼを含む請求項20記載の試薬キット。
  25. 核酸合成酵素が、鎖置換型活性を有するDNAポリメラーゼおよび3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有するDNAポリメラーゼの混合物である請求項20記載の試薬キット。
  26. 請求項20記載の試薬キットにより、変異の有無を検出する方法。
  27. 請求項21記載の試薬キットにより、一塩基多型が、野生型、変異型もしくはヘテロ型のいずれかを同定する方法。
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