JP2005328758A - 核酸増幅方法及びこれを利用した一塩基多型の解析 - Google Patents

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Abstract

【課題】 プライミングサイトにSNPが存在する場合でも、アレルの違いでPCR増幅量が変動しない、より汎用的なSNP解析法を提供すること。
【解決手段】 少なくとも1つの変異部位を含む標的核酸上の特定領域に対して、前記特定領域に相補的にハイブリダイズし、かつ前記変異部位の予測されるいずれの配列に対しても非相補な配列を有するオリゴヌクレオチドを用意し、前記オリゴヌクレオチドを前記標的核酸にハイブリダイズさせ、相補鎖合成反応を行うことを特徴とする核酸増幅方法、及び前記核酸増幅方法を利用した一塩基多型の解析方法。
【選択図】 図4

Description

本発明は、核酸増幅方法及びこれを利用した一塩基多型の解析に関する。より詳しくは、プライミングサイトに存在する多型の影響を受けることなく核酸を増幅する方法、該核酸増幅方法を利用した一塩基多型の解析方法、及びそれらの方法に用いられるキットに関する。
ヒトゲノム全配列解読プロジェクトの終了宣言が2003年4月になされ、ヒトの基本設計図であるゲノム配列情報が利用可能になった。今後はゲノム配列情報を活用して、疾患研究に関連する遺伝子の発現や遺伝疫学的なアプローチを用いた疾患関連遺伝子多型の探索が急速に進んでいくものと考えられる。遺伝子多型には、SNP(1個の塩基が他の塩基に置き換わっているもの)やVNTR(繰り返し単位が数塩基から数十塩基のもの)、マイクロサテライト多型(繰り返し単位が2〜4塩基のもの)、さらに塩基の欠失や挿入がある。
なかでもSNPは遺伝子多型全体の90%以上を占めるため、疾病素因や投薬時の薬物耐性や薬物効力の推測に有用な情報を得ることができると考えられている。SNPは1,500塩基に1個程度と高頻度に存在することに加えて、アレル(特定遺伝子の塩基型のことで、SNPでは特定配列位置での配列多様性を意味する)の種類が少ない(ほとんどが二種類の塩基配列)ためタイピングが容易である。有効なSNPを探索するためには、多検体・多種類のSNPを高速で解析する技術が必要であり、現在までにハイスループットを目指した多くのSNP解析手法が開発され、実用化されている。
発明者らも、すでに疾病との因果関係が明らかにされている有用なSNPを個々の検体で解析することに適した手法として、日本国の政府関連機関であるエネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託研究においてBAMPER(Bioluminometric Assay coupled with Modified Primer Extension Reactions)法の原理を確立し(非特許文献1参照)、実用化に向けた研究を行っている。BAMPER法は生物発光を利用したSNP解析技術である。すなわち、SNPアレル(塩基型)に対応する2種類のプローブを用いて伸長反応を行うと、SNPの塩基型に一致するプローブを用いた場合にのみ伸長反応が進行する。BAMPER法では、その際に生成するピロリン酸をATPに変換し、ルシフェリン・ルシフェラーゼ反応で発光させ、この発光を測定することにより、数分間でSNPの塩基型を判定することができる。BAMPER法は、試薬を加えるだけのシンプルな反応系と、簡単な光学系の発光測定装置でSNP解析ができるため、臨床現場から一般の研究室まで広く使用できる。
BAMPER法を含む多くのSNP解析法では、ゲノムから検査したいSNPを含む領域をPCRで増幅したものを試料として用いる。そして、このPCR産物からDNAシーケンシングでSNP型を判定したり、あるいは標的SNPの配列位置が3’末端に一致するように設計したプライマー(プローブ)による相補鎖伸長反応(相補鎖合成反応)を行い、相補鎖合成産物の有無を電気泳動で解析してSNP型の判定を行う(特許文献1参照)か、BAMPER法のように生物発光によりSNP型の判定を行う。
こうしたゲノムあるいはPCR産物を鋳型としたPCRや相補鎖合成反応では、特定のDNA配列からなるプライミングサイトにプライマー(プローブ)が相補的に結合することで、増幅や相補鎖合成反応が進行する。しかし、このときゲノムは一対からなることに起因する問題が発生する。すなわち、多型を形成するような生殖で増える生物(すなわち単為生殖ではない)は、部分的に異なるアレルからなる一対のゲノムを持つ。そのため、こうした部分的に配列が異なる部位(そのうちの90%がSNPであると言われている。)をプライミングサイトに選ぶと、プライマー(プローブ)に完全相補なアレルは適切に増幅されるが、プライマー(プローブ)と部分的に異なる他方のアレルの増幅量は少なくなる。これは、一般に17〜28塩基からなるプライマー(プローブ)では1塩基異なるだけでハイブリダイゼーション効率が低下するためである。わずか1塩基の違いでもゲノムのプライミングサイトのホールディングは異なる上、プライマー(プローブ)がハイブリダイズした後の安定度も低くなるため、反応条件によっては、ゲノム対のうち片方のアレルのみが優先的に増幅されることが起こりうる。こうして、プライミングサイトに存在する他のSNPの一方のアレルが優先的に増幅されると、解析対象であるSNPのアレルを正確に判定することができなくなる。
これに対し、一般的には、SNPを含まない領域をプライミングサイトに選ぶという解決法がある。しかしながら、プライミングサイトの設定にあたっては、実際には自己ホールディングやプライマー対のTmをそろえなければならない等の制約があるため、困難が多い。また、遺伝子によってはSNPが多数に存在するものもあり、SNP部位を含まないようにプライミングサイトを設定することが出来ないケースもある。そのため、SNPを含まない領域をプライミングサイトに選ぶことは、汎用的な解決法とはいえない。
また、プライマーとしてのオリゴヌクレオチド合成時に両者のアレルに相補となるように2種の塩基を混合して合成したり、あらかじめ完全相補のオリゴヌクレオチドを2種合成して混合して用いる解決法もある。この場合、配列が異なる2種のプライマーを競合的に反応させることになるが、ハイブリダイゼーションにおける熱力学的パラメーターを完全にそろえることは難しいため、基本的に対象SNPのアレルの量比の決定を原理とするSNP判定にとって誤差要因となりうる。こうした問題はSNP判定に限らず、プライマー(プローブ)をハイブリダイズさせ、伸長反応(相補鎖合成反応)を行わせるDNAポリメラーゼ反応一般に存在する。
一方、特開平11-276179号及び特開10-75786号には、種別鑑定や分類のために用いられる、任意の塩基(N)を含むプライマー配列が開示されている(特許文献2及び3)。しかしながら、これらは特定されない塩基を任意塩基(N)として記載したプライマーであって、予測される配列のいずれに対しても非相補な配列を用いることを意図したものではない。
特開平02-042999号公報(特許番号第2853864号) 特開平11-276179号公報 特開平10-75786号公報 Guo-hua Zhou,et al., Nucleic Acid research, 29, e93 (2001)
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、プライミングサイトにSNPが存在する場合でも、アレルの違いでPCR増幅量が変動しない、より汎用的なSNP解析法を提供することを目的とする。
発明者らは、プライミングサイト中のSNPの2種のアレルのいずれにも同じようにハイブリダイズするプライマーではなく、SNP部分にはハイブリダイズしないようなプライマーを用いることでプライミングサイト中に存在するSNPの影響を排除することを考えた。
すなわち、本発明は、少なくとも1つの変異部位を含む標的核酸上の特定領域に対して、前記特定領域に相補的にハイブリダイズし、かつ前記変異部位の予測されるいずれの配列に対しても非相補な配列を有するオリゴヌクレオチドを用意し、前記オリゴヌクレオチドを前記標的核酸にハイブリダイズさせ、相補鎖合成反応を行うことを特徴とする、核酸増幅方法を提供する。
前記核酸増幅方法において、前記オリゴヌクレオチドは標的核酸に45〜55℃の温度でハイブリダイズさせることが好ましく、特に47〜52℃の温度でハイブリダイズさせることがより好ましい。
前記変異部位の予測されるいずれの配列に対しても非相補な配列は、前記オリゴヌクレオチド中において、その3’末端から3〜15塩基目に配置されていることが好ましい。
前記非相補な配列は、変異部位の予測されるいずれの配列に対しても非相補な塩基のほか、塩基とはハイブリダイズしないスペーサーであってもよい。なお、前記塩基には天然の塩基のほか修飾塩基も含まれる。
前記オリゴヌクレオチドにおいて、標的核酸にハイブリダイズする部分の長さは通常17塩基以上、好ましくは17〜28塩基長程度である。
ある態様において、本発明の核酸増幅方法は、標的一塩基多型の近傍、特に標的一塩基多型の3’側に存在する他の変異の影響を排除するために有用である。すなわち、本発明は、本発明の核酸増幅方法によって得られる増幅産物の量を解析することにより、前記標的核酸上に存在する前記変異とは異なる一塩基多型のタイピングを行うことを特徴とする一塩基多型の解析方法を提供する。この方法では、前記オリゴヌクレオチドの3’末端又は3’末端から2番目の塩基が、解析対象である一塩基多型に対応するように設計されている。
前記一塩基多型の解析方法において、一塩基多型のタイピングは、たとえば以下の工程を含む生物発光を利用した方法(BAMPER法:前掲)によって行われる。
1)前記相補鎖合成反応によって生じるピロリン酸をATPに変換し;
2)得られるATPと酵素を利用して発光反応を行わせ;そして
3)前記発光反応で生じる発光量から増幅産物の量を解析し、一塩基多型のタイピングを行う。
別な態様において、前記核酸増幅方法は、一塩基多型解析の試料調製として行われる、当該一塩基多型を含む核酸断片のPCR増幅において、そのプライミングサイトに標的一塩基多型とは異なる変異が存在する場合に有用である。すなわち、本発明はまた、本発明の核酸増幅方法によって得られる増幅産物を鋳型として、前記標的核酸上に存在する前記変異とは異なる一塩基多型のタイピングを行うことを特徴とする一塩基多型の解析方法を提供する。
前記方法では、その3’末端又は3’末端から2番目の塩基が前記一塩基多型部位に対応するように設計されたオリゴヌクレオチドプローブを前記増幅産物にハイブリダイズさせて相補鎖合成反応を行い、得られる増幅産物の量を解析することにより前記一塩基多型のタイピングを行う。前記一塩基多型のタイピングは、たとえば前述したBAMPER法によって行うことができる。
ある態様において、前記オリゴヌクレオチドプローブは、さらに標的核酸上のプローブ設定領域に存在する前記一塩基多型とは異なる変異に対して、当該変異部位の予測されるいずれの配列に対しても非相補な配列を有するオリゴヌクレオチドである。こうした構造を有するプローブを用いれば、プローブ設定領域に存在する他の変異(一塩基多型等)の影響を排除して、正確な一塩基多型のタイピングを行うことができる。
本発明はまた、前記した核酸増幅方法や一塩基多型の解析方法に用いられるキットを提供する。前記キットは、少なくとも1つの変異部位を含む標的核酸上の特定領域に対し、前記特定領域に相補的にハイブリダイズし、かつ前記変異部位の予測されるいずれの配列に対しても非相補な配列を有するオリゴヌクレオチドプライマー又はプローブを含む。
あるいは前記キットは、一塩基多型と該一塩基多型とは異なる少なくとも1つの変異部位を含む標的核酸上の特定領域に対し、前記特定領域に相補的にハイブリダイズし、かつ前記変異部位の予測されるいずれの配列に対しても非相補な配列を有するオリゴヌクレオチドであって、その3’末端又は3’末端から2番目の塩基が前記一塩基多型部位に対応するように設計されたオリゴヌクレオチドプローブを含む。
本発明によれば、DNAポリメラーゼによる相補鎖合成反応において、プライミングサイトに一塩基多型等の変異が存在しても、その影響を受けることなく相補鎖合成反応を行うことができる。したがって、相補鎖合成反応において、一方のアレルに由来する核酸断片だけが優先的に増幅され、他方のアレルに由来する核酸断片が少なくなる現象を防止して、各アレルに由来する核酸断片を本来の量比を維持したまま標的核酸を増幅することができる。本発明の方法を利用すれば、標的SNP近傍に存在する他のSNPの影響を受けることなく、当該標的SNPのタイピングを正確に行うことが可能となる。
以下、図面を参照しながら、本発明について詳細に説明する。
1.核酸増幅方法
本発明の核酸増幅方法は、少なくとも1つの変異部位を含む標的核酸上の特定領域に対して、前記特定領域に相補的にハイブリダイズし、かつ前記変異部位の予測されるいずれの配列に対しても非相補な配列を有するオリゴヌクレオチド(プライマー又はプローブ)による核酸合成反応を利用した核酸増幅方法である。なお、相補的にハイブリダイズするとは、本発明で導入される特定の非相補な配列以外は特定領域に対して相補的な塩基配列を有することと同義である。本発明の方法は、プライミングサイト(プライマーもしくはプローブ設定領域)に一塩基多型等の変異が存在する場合でも、当該変異の影響を受けることなく、鋳型核酸を増幅することができる。こうした本発明の効果を、図2〜図4を用いて説明する。
図2の配列11は、Welner Helicase Gene の一部である。一塩基多型のタイピングに先立って、解析対象である標的SNP18を含むゲノム領域を予めプライマー12とプライマー13でPCR増幅するとする。図2に示されるように、プライマー13がハイブリダイズするゲノム配列上のプライミングサイトには他のSNPは存在しない。しかし、プライマー12がハイブリダイズするプライミングサイトには標的SNPとは異なる他のSNP14(SNP14はY、すなわちCとTのアレルを有する)が存在する。
図3に示すように、SNP14がC/Tヘテロザイゴートであるゲノムを通常のプライマー12と13を用いてPCR増幅すると、SNP14部位の配列が異なる2対のゲノム(11-1と11-1’及び11-2と11-2’)に対し、プライマー12と13が共通にハイブリダイズする。プライマー13がハイブリダイズする領域にはSNPが存在しないため、プライマー13は11-1’と11-2’に対し、熱力学的に同じ結合乗数(一般的にはTm:メルティング温度)で結合する。しかし、プライマー12がハイブリダイズする領域にはSNP14-1とSNP14-2が存在し、プライマー12はSNP14-2に対して非相補となる。そのため、プライマー12は11-1よりも11-2に対して結合の熱力学的安定性が低下し、SNP14-2を有するアレルのPCR産物量31-2は、SNP14-1を有するアレルのPCR産物量31-1よりも少なくなる。
もちろん、これはPCRの最初の反応で生じる問題であって、プライミングサイトの塩基が14-3のようにプライマー配列に相補な形に置換される2回目以降の反応では生じない。一般に、こうしたSNPがプライマーの3’末端から2塩基以内にあると非相補なアレルの増幅産物が相補なアレルの10%以下に低下する(配列にもよるが)ことが経験的に知られている。SNP位置がプライマーの3’末端から11塩基離れている図2のケースでは、プライミングサイトがATリッチな配列のため、非相補なアレルの増幅産物が完全相補なアレルの60%程度まで低下する。増幅率の違いはプライマーのアニール温度や塩強度にも強く依存するが、上述の熱力学的安定性から、鋳型DNAに対して非相補塩基の存在するプライマーは完全相補なプライマーに比べて、得られる増幅産物量が一般に低下する。
図4に示すように、本発明では、プライミングサイトに存在するSNP14-1及び14-2のいずれの配列に対しても非相補な配列を有するオリゴヌクレオチドプライマー(又はプローブ)12-1を用いて核酸合成反応を行う。プライマー12-1はSNP14-1ともSNP14-2とも非相補であり、熱力学的に同じ結合乗数で結合する。そのため、PCR反応はプライミングサイトに存在するSNPの影響を受けず、結果としてPCR産物量41と42はほぼ等量となる。
2.一塩基多型(SNP)の解析
本発明の核酸増幅方法は、たとえば、SNP解析に先立って行う当該SNPを含む核酸断片のPCR増幅において、プライミングサイトに存在する他のSNPの影響を排除するために有用である。
また、本発明の核酸増幅方法は、標的SNPの近傍、特に標的SNPの3’側に存在する他のSNPの影響を排除するために有用である。
さらに、SNP解析に先立って行う当該SNPを含む核酸断片のPCR増幅において、プライミングサイトに存在する他のSNPの影響を排除し、かつ、標的SNPの近傍、特に標的SNPの3’側に存在する他のSNPの影響を排除する場合にも有用である。
3.相補鎖合成反応の最適条件
以下、本発明の核酸増幅方法、又は一塩基多型の解析方法における相補鎖合成反応の最適条件について説明する。
(1)アニール温度
本発明のオリゴヌクレオチド(プライマー又はプローブ)は、鋳型核酸に非相補な配列(ミスマッチ)の導入によりTm値が低下し、そのためPCR産物量が減少することが考えられる。この問題を解決するために、本発明の核酸増幅方法では鋳型核酸とオリゴヌクレオチド(プライマー又はプローブ)のハイブリダイゼーションは、通常よりも低い温度、すなわち45〜55℃で行うことが好ましく、47〜52℃で行うことが特に好ましい。
(2)オリゴヌクレオチドの塩基長
オリゴヌクレオチド(プライマー又はプローブ)への鋳型非相補な配列(ミスマッチ)の導入は、当該プライマーのTm値を下げるため、導入されるミスマッチがあまり多くなると鋳型とのハイブリダイゼーション効率が下がってしまう。基本的には、ミスマッチの導入は10塩基に1個程度が望ましく、28塩基長のプライマーであれば、2ヶ所程度までの導入が好ましい。もし、近傍にSNPが集中し、ミスマッチを多数導入しなければならない場合には、ミスマッチが1つ増えるごとに、完全相補なプライマーやプローブ長に対して5’側を1〜3塩基ほど長くすればよい。
オリゴヌクレオチド内にミスマッチが1つ又は2つ程度であれば、当該オリゴヌクレオチドの鋳型核酸とハイブリダイズする領域の長さは通常17塩基長、特に17〜28塩基長程度が好ましい。ここで、「鋳型核酸とハイブリダイズする領域の長さ」とは、プライマー(又はプローブ)に、鋳型核酸配列にハイブリダイズしない配列が含まれる場合、その配列は前記塩基長には含まないことを意味する。たとえば、LAMP法のF1プライマーのように、鋳型相補的なF1c配列に鋳型非相補なF2配列が付加したプライマー(F1c+F2)では、F1部分の配列が17〜28塩基長ということになる。
(3)非相補配列(ミスマッチ)の導入位置
ミスマッチの導入位置は特に限定されないが、プライマー(又はプローブ)の3’末端から3〜15目に導入されることが、本発明の目的上好ましい。
(4)非相補配列(ミスマッチ)の種類
本発明のオリゴヌクレオチド(プライマー又はプローブ)に導入されるミスマッチは、鋳型核酸の変異部位の配列とハイブリダイズできない構造であれば特に限定されない。そのようなミスマッチとしては、ゲノム中の4種類の塩基のうち、変異部位の配列(塩基)のいずれとも非相補な塩基を用いることができる。たとえば該当するプライミングサイト中のSNPがAとGのアレルである場合はミスマッチとしてT又はCを用いることができる。前記塩基は修飾塩基であってもよい。
あるいは、変異部位の配列(塩基)と有効な水素結合を形成しない構造体をスペーサーとして用いてもよい。本発明にかかるスペーサーとは、対応する鋳型配列(塩基)と有効な水素結合を形成せず、単に隣接する塩基間を連結するための構造体を意味する。したがって、1つの配列となり得る。前記スペーサーは天然のものでも、非天然のものであってもよい。具体的には、図1に示すような、リン酸ジエステル結合の間が側鎖の無いグリセル基である構造体や、リン酸ジエステル結合の間が塩基の無いリボースあるいは2−デオキシリボースである構造体等を用いることができる。
(5)相補鎖合成反応
本発明の相補鎖合成反応は、PCRに限定されず、ICAN法、LAMP法、LCR法、NASBA法、ASP-PCR法等、公知のいずれの核酸合成方法であってもよい。例えば、ICAN法ではRNA/DNAキメラプライマーが用いられるが、ミスマッチの導入により標的SNP以外の変異の影響を排除するという本発明の原理は適用できる。LAMP法においても、前述のとおり、F1プライマー中の鋳型核酸にハイブリダイズするF1c領域の構造に本発明の原理を適用することにより同様の効果を得ることができる。NASBA法においても、プロモーター領域の導入に本発明の原理を応用することができる。
(6)一塩基多型(SNP)のタイピング
SNPのタイピングは、3’末端又は3’末端から2番目の塩基が標的SNPに対応するように設計されたプローブからの相補鎖合成産物(増幅産物)の量を、電気泳動法や生物発光(BAMPER法)を利用して測定することにより実施できる。タイピングの詳細については、後述の実施例や前掲の文献(Guo-hua Zhou,et al., Nucleic Acid research, 29, e93 (2001))を参照されたい。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
機材及び試薬:
以下のすべての実施例で使用した機材と試薬を説明する。伸長反応用の温調器にはサーマルサイクラーであるDNA Engine Tetrad (MJ RESEARCH)を使用した。PCR産物の確認にはマイクロチップ電気泳動解析システムSV1210(日立電子エンジニアリング)を使用した。オリゴ合成はシグマジェノシスに委託した。DNAポリメラーゼはアマシャムバイオテック社製、その他の試薬は一般的な市販品を使用した。ゲノムはボランティアより提供された血液から精製をしたものを用いた。実験手法は、特に記載しない限り、Cold Spring Harbor Laboratory PressのMolecular Cloning (Second edition) 1989出版に従った。
PCR条件:
PCR反応条件は次のとおりである。96ウェル PCRプレートに1×10-20 mol/μlに調製したゲノム試料1μlを加え、氷上に置く。2.5 ユニット/μlの Taq.DNA ポリメラーゼ(QIAGEN社)を0.2 μl、2.5 mMのdNTPsを4μl、25 pmol/μlのプライマー組を各0.8μlを混合する。各ウェルあたり100μlとなるように滅菌水で調製する。上記各容量は同じ比率で変更することが可能で、たとえばPCRは50μlスケールでもよい。ウェルを粘着シートでシーリングし、サーマルサイクラーにセットする。ゲノムを変性させるため、94℃で2分間加熱した後、94℃で30秒間、57℃で300秒間、72℃で1分間のサーマルサイクルを35〜40回繰り返す。
PCR産物の電気泳動解析:
PCR産物量の測定は、マイクロチップ電気泳動解析システムSV1210(日立電子エンジニアリング)により解析した。試薬キットはi-SDNA12キット(日立電子エンジニアリング製)を使用した。このシステムは、解析範囲が10-500bpで内部標準マーカの塩基長と量から目的PCR産物の長さと量を自動的に算出できる。すべての実施例において、マニュアルに従い、PCR反応液1μlを解析した。
実施例1:
一塩基多型(SNP)のタイピングの試料として、標的SNP近傍領域をPCR増幅する際に、当該PCRのプライミングサイトに別なSNPが存在する場合に本発明を適用したケースについて図2〜8を用いて説明する。
図2に示される配列11(配列番号1)は、標的SNP18を含む鋳型ゲノムの部分配列(ここでは、センス鎖の配列を5’末端側から3’末端側の方向に記載)であり、この領域を含む配列はNCBIのデータベース(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)のアクセッションナンバーAC009563(Welner Helicase Gene)から得ることができる。SNP18のタイピングの試料として、まずプライマー12(配列番号2)とプライマー13(配列番号3)を用いて、標的SNP18を含むゲノム配列領域をPCR増幅する。しかしながら、プライマー12の配列に対応するプライミング領域には標的SNP18とは別のSNP14が存在する。SNP14の塩基はY、すなわち塩基Cと塩基Tの2つのアレルが存在し、このSNP部位の個体の遺伝子型としては、T/Tホモザイゴート、C/Cホモザイゴート、及びT/Cへテロザイゴートの3種が考えられる。
(1)通常のプライマーによるSNP領域の増幅(図3及び図5参照)
まず、鋳型のSNP14に対応する塩基がCのアレルに対応したプライマー12とプライマー13でPCRを行う場合について説明する。鋳型となるゲノム遺伝子は、SNP14の塩基がC(相補鎖ではG)、あるいはT(相補鎖ではA)であることをあらかじめ確認したヒトゲノム遺伝子を使用し、PCR条件は上記に従うものとする。
図5に示される2つの配列11-2と11-3は、それぞれ前記SNP14の塩基がCである遺伝子とTである遺伝子について、配列11の相補鎖(アンチセンス鎖)の一部を示したものである。相補鎖配列11-2では、SNP14に対応する配列14-1はGであるため、プライマー12は12-1のように完全に相補にハイブリダイズする。しかし、相補鎖配列11-3では、SNP14に対応する配列14-1はAであるため、プライマー12は12-2のように鋳型に対しSNP14-2の部位が非相補となる。このため12-2の状態は12-1の状態に比べ熱力学的な安定性が低下する。結果として、PCR産物を電気泳動で解析すると12-2の状態で得られるサンプルの産物ピーク52の量は12-1の完全相補な状態で得られる産物ピーク51の量の1/2程度だった。
このようなPCR産物を鋳型としてSNP18のSNP解析を行うと、正確なSNP判定をすることはできない。図3を参照しながら、たとえばSNP14がT/Cヘテロザイゴートであるケースを考えてみる。図3に示すよう、一方のアレル(11-1と11‐1’)ではSNP14(14-1)の塩基はC(相補鎖側はG)でSNP18の塩基はT(相補鎖側はA)である。他方のアレル(11-2と11-2’)ではSNP14(14-2)の塩基はT(相補鎖側はA)でSNP18の塩基はT(相補鎖側はA)である。図5の結果から明らかなように、このゲノムでプライマー12と13を用いたPCR反応を行うと、SNP14の塩基がCである一方のアレルでは、他方のアレルよりも多くの増幅産物が得られる。PCR反応は、1対のゲノムをそれぞれ分けて増幅していないため、両者の増幅産物を区別することはできない。したがって、一方のアレルのみ優先的に増幅される状態でSNP18を測定することになる。
(2)本発明のプライマーによるSNP領域の増幅
次に、SNP14がT/Cヘテロザイゴートであるゲノムについて、本発明のプライマーを用いてPCR反応で増幅する場合を図4及び図6を用いて説明する。
図4に示すように、プライマー12-1は、標的ゲノムのSNP部位14-1と14-2に対していずれも非相補となる塩基A:アデニン(14-5)を使用している。塩基14-5は、ゲノム側のSNP部位14-1と14-2のいずれともハイブリダイズできないものであればよいため、塩基Aの代りに図1に示すスペーサーを用いてもよい。本発明のプライマーは、プライミングサイトにSNPが存在する場合でも標的ゲノムに熱力学的に一定量ハイブリダイズすることができる。その結果、図4の41と42に示すように、いずれのアレルも同じ割合で増幅することができる。
図6に本発明のプライマー61-1及び61-2(ともに、配列番号4)を用いたPCR増幅の例を示す。プライマー61-1及び61-2は、SNP部位14-1に対応する配列62の位置に図1に示す構造体1(R1=H、R2=H)のスペーサー(ここでは#で表す)を配置して構成されている。プライマー61-1及び61-2は、いずれも鋳型のSNP14-1とSNP14-2に対して非相補であるため安定にハイブリダイズすることはできないが、その熱力学的な安定性は等価である。結果として、本発明のプライマー61-1及び61-2を用いた時のPCR産物を電気泳動で解析すると、それぞれ同程度の産物ピーク63と65が得られた。すなわち、本発明のプライマーを用いてPCR反応を行えば、プライミングサイトにSNPが存在しても、SNP部位の塩基が異なるアレルを同じように増幅できることが確認された。
(3)アニール温度の調整
一般に非相補な配列をプライマー内に挿入すると、アニール温度が下がりPCR産物の量が減る問題が新たに生じる。この問題は、プライマーと鋳型ゲノムのアニール温度を低くすることにより解決できる。実際、図5や図6のPCR反応はアニール温度を55℃で行っているため、図6の電気泳動分離によるPCR産物ピーク63と65は、図5の増幅が少ない方の増幅産物ピーク52とほぼ等しい値となっている。
図7に、本発明のプライマーを用いたPCR反応をアニール温度50℃で行った結果を示す。アニール温度以外の条件は図6のPCR反応と全く同じである。図7のPCR産物ピーク63-1と65-1から、アニール温度を5℃低くすることで、より多くのPCR産物が得られることが確認できた。
すなわち、プライミングサイトにSNPが存在する場合であっても、プライマー配列中のSNPに対応する塩基を当該SNP部位の塩基とハイブリダイズしない非相補な塩基あるいはスペーサーで置換したプライマーを用い、かつアニール温度を通常のアニール温度より5〜10℃程度低くすることにより、当該プライミングサイト内のSNPの影響を受けずに、しかも増幅産物の量を減らすことなくPCRを行えることが確認された。
(4)SNPタイピング
最後に、上記(1)及び(2)のPCR産物を用いた標的SNP18の判定結果を示す。まず、PCR反応時のプライマーやdNTPsを除去するため、セファデックスG100を用いたゲル濾過(又は限外濾過膜でもよい)によりPCR産物を精製した。なお、PCR産物は酵素的なクリーンアップにより精製してもよく、その場合は以下の手順で行えばよい。PCR反応後の溶液5μlに1 unit/μlの濃度のshrimp alkaline phosphataseを0.7μl、10 unit/μlのexonuclease Iを0.06μl、10×PCR buffer(Amersham Pharmacia社製品)を0.3 μl、滅菌水3.94μlを混合する。37℃で40分間インキュベートによる酵素分解反応を行った後、80℃で15分間加熱により先の酵素を失活させる。なお、この酵素的なクリーンアップの後に、セファデックスG25かG50によるゲル濾過や限外ろ過を行えばさらに精製度を上げることができる。
上記のようにして精製したPCR産物にSNP判定用プローブ(配列番号5)をハイブリダイズさせて相補鎖伸長反応を行った。図2のように、このときプローブの3’末端がちょうどSNP18の位置に来るようにプローブ19を設計する。プローブの3’末端がDNA鎖11のSNP18の配列に相補であればDNAポリメラーゼによる相補鎖合成反応が起きる。相補でなければ相補鎖合成反応は起きないか、起きたとしても少ない量しか相補鎖合成されない。たとえば、SNP18の塩基がCである場合、プローブの3’末端がGのプローブでは相補鎖合成が起きるが、末端がAのプローブでは相補鎖合成反応が起き難い。反対に、SNP18の配列がTである場合は、プローブの3’末端がAのプローブでは相補鎖合成が起きるが、末端がGのプローブでは相補鎖合成反応が起き難い。このため3’末端がAとGのプローブで別々に伸長反応が起きるかどうかを調べることでSNP18のタイプを知ることができる。
図2のように、このときプローブの3’末端がちょうどSNP18の位置に来るようにプローブ19を設計する。プローブの3’末端がDNA鎖11のSNP18の配列に相補であればDNAポリメラーゼによる相補鎖合成反応が起きる。相補でなければ相補鎖合成反応は起きないか、起きたとしても少ない量しか相補鎖合成されない。たとえば、SNP18の配列がCであるなら、プローブの3’末端がGのときのみ相補鎖合成が起きるが、末端がAのプローブでは相補鎖合成反応がおきづらい。反対に、SNP18の配列がTである場合は、プローブの3’末端がAのときのみ相補鎖合成が起きるが、末端がGのプローブでは相補鎖合成反応がおきづらい。このため3’末端がAとGのプローブで別々に伸長反応が起きるかどうかを調べることでSNP18がどちらのタイプであるかを知ることができる。
伸長反応は、相補鎖合成時に生成するピロリン酸を酵素(ピルビン酸オルトホスホジキナーゼ)でATPに変換し、このATP量をルシフェリン/ルシフェラーゼの系により定量することによっても検出できる。この場合の具体的操作を示す。まず、上記のように相補鎖合成反応液を酵素クリーンアップした後、4℃まで冷却しておく。この反応液を96ウェル PCRプレート(白色)に2μl分注する。プローブ19(5 pmol/μl)を1μl添加する。あらかじめ5 unit/μl のTaq.DNA ポリメラーゼ0.0275 μlと、5 mM dNTPs 0.04 μlを混合し、 1.0μlとなるように滅菌水で調製した溶液を1.0μl加える。ミネラルオイルを4 μl重層する。94℃10秒間と55℃10秒間のサイクルを5回行った後、25℃まで冷却する。あらかじめ25℃にしておいた発光試薬(ピロリン酸をATPに変換し、ATPをルシフェリンとルシフェラーゼを使用して検出する生物発光検出キット(キッコーマン株式会社))を10μlずつ加え、ピペッティングにより混合し、ルミノメーターで検出する。これにより伸長反応が起きたかどうかをピロリン酸の量に依存する発光強度として容易に検出することができる。
図8に、通常のプライマー12-1と13を用いて得られたPCR産物を鋳型とした場合のSNP18の解析結果81と、プライマー内のSNP対応部位を予測されるSNP14-1と14-2とはいずれも非相補なスペーサー62で置換した本発明のプライマー61-1(又は61-2)と13を用いて得られたPCR産物を鋳型とした場合のSNP18の解析結果82を示す。通常のプライマー12-1と13を用いた場合、鋳型アレルのSNP14の塩基により増幅産物の量が異なるため、T/Cヘテロザイゴートのグループの分散が大きく、T/TホモザイゴートやC/Cホモザイゴートのグループとの境界が明確ではない(図8の解析結果81)。一方、本発明のプライマーでPCRを行い、そのPCR増幅産物を試料として用いた場合のSNP解析結果82ではT/Cヘテロザイゴートのグループ、T/TホモザイゴートやC/Cホモザイゴートのグループ間の境界が明確であり、判定精度99.7%以上(6σ以上)が確保できていた(図8の解析結果82)。
上記はPCRを用いた増幅の一例であるが、NASBA法やローリングサイクル法、など、鋳型に相補なオリゴヌクレオチドプライマー(プローブ)をハイブリダイズさせて相補鎖合成反応を行わせる増幅法にも広く適用できる。
実施例2:
特定の位置の一塩基多型のタイピングにおける相補鎖伸長反応において、プローブがハイブリダイズする鋳型DNAに他の標的SNPとは別のSNPが存在する場合に本発明を用いたケースについて図9を用いて説明する。
図9に示されるCYP1A1遺伝子の配列91(配列番号6)は、標的SNP92を含む鋳型ゲノムの部分配列(ここでは、センス鎖の配列を5’末端側から3’末端側の方向に記載)であり、この部分を含む一般的なゲノム領域の配列はNCBIのデータベース(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)のアクセッションナンバーX02612から得ることができる。SNP92の塩基はY、すなわち塩基Aと塩基Gの2つのアレルが存在する。標的のSNP92の近傍には他のSNP93と94が存在する。SNP93の塩基はM、すなわち、塩基Aと塩基Cの2つのアレルが存在する。また、SNP94の塩基はS、すなわち、塩基Gと塩基Cの2つのアレルが存在する。
まず、実施例1と同様にSNP92をはさむ一対のプライマー99-1(配列番号7)と99-2(配列番号8)を用いてPCRを行い、標的SNP92を含むゲノム配列領域91を増幅した。次いで実施例1に記載した方法に従い、酵素的なクリーンアップによりPCR産物を精製した。次いで、精製したPCR産物に、SNP判定用プローブ95(配列番号9)をハイブリダイズさせて相補鎖伸長反応を行った。プローブ95の3’末端96は、SNP92の位置に対応する。したがって、プローブ85は、3’末端96の塩基がCのプローブとTのプローブの2種類を用意した。
プローブの3’末端がDNA鎖91のSNP92の配列に相補である場合はDNAポリメラーゼによる相補鎖合成反応が起きる。一方、非相補な場合は相補鎖合成反応は起きないか、起きたとしても少ない量である。したがって、3’末端がCとTの2種類のプローブで別々に伸長反応が起きるかどうかを調べることにより、SNP92がどちらのタイプであるかを知ることができる。
伸長反応が起きたかどうかは、実施例1に記載した方法に従い、相補鎖合成時に生成するピロリン酸をピルビン酸オルトホスホジキナーゼでATPに変換し、このATP量をルシフェリン/ルシフェラーゼの系により定量した。しかし、この標的SNPのタイピングにおいて、プローブがハイブリダイズする鋳型DNA側に他のSNP94(GかC)が存在することで問題が生じる。
図9に示すように、SNP94は解析対象である標的SNP92から4塩基下流に位置し、プローブの3’末端から5塩基目に位置することになる。このため、SNP94に対応するプローブ配列97がSNP94と非相補な場合(たとえばSNP94がGで対応するプローブ配列97がGである場合)、プローブ末端96が標的SNP92に相補であっても、当該プローブによる伸長反応はプローブ配列97の非相補性により50〜70%程度低下する(図10参照)。
また、SNP94に対応するプローブ配列97がSNP94と非相補な場合(たとえばSNP94がGで対応するプローブ配列97がGである場合)で、かつプローブ末端96も標的SNP92に非相補なケースでは、当該プローブによる伸長反応産物は両者が完全相補な場合の10%以下に低下する。
一方、SNP94に対応するプローブ配列97がSNP94と相補な場合(たとえばSNP94がCで対応するプローブ配列97がGである場合)で、かつプローブ末端96も標的SNP92に相補な場合は、当然のことながら信号強度は100%となる。
しかし、SNP94に対応するプローブ配列97がSNP94と相補な場合(たとえばSNP94がCで対応するプローブ配列97がGである場合)で、プローブ末端96が標的SNP92に非相補なケースでは、当該プローブによる伸長反応産物は両者が完全相補な場合の10%以下に低下する。
このため、SNP94に対応するプローブ配列97がSNP94と非相補なケースでは、SNP96が相補でホモザイゴートの場合をヘテロザイゴートと誤認する可能性がある。また、SNP96が実際はヘテロザイゴートであるにもかかわらず、一方の信号強度が低く出るためにホモザイゴートと誤る可能性もある。
さらに本ケースにおける実際の遺伝子多型頻度は不明であるが、近傍に存在するSNPは連鎖している場合が多く、すなわちSNP94に対応するプローブ配列97がメジャーアレルとすると、非相補となるマイナーアレルとは非相補となるが、このとき、SNP96のいずれかのアレルが挙動を同じくし、すなわち片方のアレルが見かけ上検出されなくなる可能性もある。
本発明のプローブを用いることにより、上記いずれのケースについても正確にSNPの多型判定ができる。これを図9と図10を用いて説明する。なお、図9に示すゲノム配列のSNP92がAの時にSNP94はCであり、SNP92がGのときSNP97はGになる頻度が高い。
たとえば、図9でゲノム中の92がAの時に94はCとする、92がGのとき97はGになる頻度が高いとする。図10の横軸は、上段がSNP92がとりうるアレルの可能性92’(左からA/Aホモザイゴート、A/Gヘテロザイゴート、G/Gホモザイゴート)であり、中段はSNP92とリンクしているSNP94がとりうるアレルの可能性94’(左からC/Cホモザイゴート、C/Gヘテロザイゴート、G/Gホモザイゴート)である。なおかつ各多型において使用したプローブの3’末端配列を96’、97’としてあらわした。縦軸は得られた発光信号強度を表す。ここでたとえば通常のプローブでなんら対策を講じないもので、94のSNPのメジャーアレルに相補な97をGとしてプローブを作成したとしよう。プローブ中の97の配列がGでゲノム中の94がGの場合は前記したとおり信号強度が低く出る傾向にある。92の配列AとGに対応するプローブの3’末端96の塩基型がTとCのプローブでSNP解析を行うと(図10の190-1ではプローブ3’末端配列を193に記載)、本来A/Gヘテロザイゴートであるべき例192ではプローブの塩基型Cに対する信号が低めに出る。92(191)の配列がGのとき、94の配列はGとなるが、プローブ中の97配列にはGしか用いていないのでここが非相補となり、十分なプローブ伸長反応が起きづらくなっているためである。これを回避するために、本発明のプローブ中の合成オリゴヌクレオチド中の当該一塩基多型に対応する塩基が、鋳型ポリヌクレオチドの中にある一塩基多型のすべての配列に対して非相補な塩基で構成される構造としたときの例として、プローブ中のSNP94に対応する配列97をCでもGでもないTにしたときの結果を190-2に示す。A/Aホモザイゴートである194、A/Gヘテロザイゴートである195、ホモザイゴートであるべき196ともに正しい結果を得ることができていた。また、図1記載の1(ここでは#で表す;R1=H,R2=H)あるいは5の構造(ここでは&で表す;R3=H,R4=H)のようにSNP94に対応するプローブ部分97をスペーサーに置き換えた場合の結果をそれぞれ190-3、190-4に示す。いずれのケースでも正しい結果が得られていた。
本発明を適応すれば、プローブ中に他のSNP部位がかかる場合でしかもそれが3’末端近傍であっても正確に対象SNPの判定が可能であるというメリットがある。このように本発明では、あらかじめ分かった位置に一塩基多型が存在する配列に対し自在にプローブを設計することができ、特にポリメラーゼを用いた相補鎖合成反応を行う際に該当する一塩基多型によるプローブハイブリダイゼーションの安定性の差を考慮すること無くプローブを設計できるメリットがある。ここでも実施例1と同様にアニール温度を従来の通常よりも5〜10℃程度低めにすることで、両プローブ間の反応効率を均一にすることも可能であった。
実施例3:
実施例2でプライマー99-1と99-2を用いてPCRにより増幅させたDNA断片91 中に存在するSNP96を検出する方法として、蛍光標識をしたプローブを用いることも可能である。プローブのデザインやハイブリ条件、伸長反応条件は95とまったく同じであるが、3’末端に来るべき2種類のSNPに対応して、5’末端に2色の蛍光標識がなされている。SNP92がAのときにはプローブ95の5’末端を570nmの発光波長を持つCy3で、92がGのときには95の5’末端を649nmの発光波長を持つCy5で標識したものをPCR産物にハイブリさせて、波長を検出することによりSNP型の判定を行ったところいずれのケースでも正しい結果が得られていた。ここでは波長が違う2種の蛍光体を用いて同時に検出を行っているが、1種類の蛍光体でSNP型を別々に測定してもよい。発売されている蛍光体は多くの種類が知られており、使用する測定装置の特性によって使用者が任意の蛍光体を選ぶこともできる。また実施例1と同様にアニール温度を従来の通常よりも5〜10℃程度低めにすることで、両プローブ間の反応効率を均一にすることも可能である。
実施例4:
実施例2で用いたプライマー99-1とプローブ95を組み合わせてPCRを行うことも可能である。SNP92を検出するプローブ95は実施例2と同様に2種類使い、PCRによるDNA増幅を行う。96が92に完全にマッチしているときのみに増幅が起こり、増幅産物の有無を電気泳動により確認することにより簡単にSNP型の判定を行うことができる。ここでも実施例1と同様にアニール温度を従来の通常よりも5〜10℃程度低めにすることで、両プローブ間の反応効率を均一にすることも可能である。
実施例5:
実施例3で用いた蛍光標識プローブを固層表面上に固定して、マイクロアレイとして用いることも可能である。ただしプローブの98の位置の塩基を本来のAからTに変えてある。これは、比較的低温でハイブリダイズを行うことを考慮し、プローブの高次構造を壊すためである。試料として91記載のゲノムで92と94のSNP配列がすべての組み合わせで得られる信号強度を比べた。ハイブリダイゼーション温度は50℃、0.2M NaCl・10mM Tris-HClpH7.5でおこなう。実施例2と同様に実際の遺伝子多型頻度は不明であるが距離の離れていないSNPの場合では両者の塩基タイプがリンクしているケースが多く、すなわちSNP94に対応するプローブ配列97をメジャーアレルであるほうに設定すると、94のマイナーアレルとは非相補となるが、このとき、SNP96のいずれかのアレルが挙動を同じくし、すなわち片方のアレルだけが見かけ上検出されなくなる可能性も、本発明のプローブを用いることにより回避される。
一般的なプローブを用いるとSNP92とSNP94の配列(塩基)に依存する形で完全相補、1塩基非相補2種、2塩基非相補のケースが存在し、信号強度がこの順に低下し、2塩基非相補では完全相補の場合に比べて信号強度が40%程度まで低下することになる。これに対し、本発明を適用したケースでは、いずれも信号強度の違いは相対的に8%の誤差内に抑えられ、SNP判定結果において標的SNP近傍の他のSNPの影響を排除できることが確認された。
本発明の方法によれば、標的核酸上に存在する変異に影響されることなく相補鎖合成反応(核酸増幅)を行うことができる。したがって、本発明は、標的核酸上のプライミングサイトにSNPが存在する場合の核酸断片増幅や、標的SNP近傍に他のSNPが存在する場合のSNPタイピングに好適に利用できる。
図1は、スペーサーの例を示す。 図2は、実施例1の標的SNP近傍領域の配列(AC009563の一部)を示す。 図3は、従来の方法によるPCR増幅の説明図である。 図4は、本発明の方法によるPCR増幅の説明図である。 図5は、従来の方法によるPCR増幅の結果を示す。 図6は、本発明の方法によるPCR増幅の結果を示す。 図7は、本発明の方法によるPCR増幅の結果を示す。 図8は、本発明の方法による520検体のSNP判定結果を示す。 図9は、相補鎖合成反応によるSNP判定の説明図である。 図10は、相補鎖合成反応によるSNP判定結果を示す。190-1は従来の方法によるSNP判定結果、190-2、190-3、190-4は本発明の方法によるSNP判定結果である。
符号の説明
1、5:スペーサー
2〜4:スペーサーの部分構造
11:標的SNP近傍領域の配列(AC009563の一部)
11-1、11-2:配列11の相補鎖の部分配列
11-1’、11-2’:配列11の部分配列
12、12-1、12-2、13:プライマー
14、14-1、14-2、14-3、14-4: SNP又は当該SNPに対応する配列
16:プライマー伸長方向
17:プライマー伸長方向
18、18-1、18-2:標的SNP又は当該SNPに対応する配列
19:SNPタイピング用プローブ
31-1、31-2: PCR増幅産物(通常の方法)
41、42:PCR増幅産物(本発明の方法)
51、52:PCR増幅産物の電気泳動ピーク(本発明の方法)
61-1、61-2:本発明のプライマー
62、64:SNP14に対応する配列
63、63-1、65、65-1: PCR増幅産物の電気泳動ピーク(本発明の方法)
81、82:SNP解析結果
91:標的SNP近傍領域の配列(X02612の一部)
92:標的SNP
92’:SNP92がとりうるアレル
93、94:標的SNP近傍のSNP
94’:SNP94がとりうるアレル
95:SNPタイピング用プローブ
96:標的SNPに対応する配列
97:SNP94に対応する配列
96’、97’:プローブの3’末端配列
98:ミスマッチ導入部位
99-1、99-2:プライマー
190-1: SNP解析結果(通常の方法)
190-2、190-3、190-4: SNP解析結果(本発明の方法)
191〜196:信号強度
配列番号1−SNP(図2中SNP14で示される)
−SNP
−SNP(図2中SNP18で示される)
配列番号2−人工配列の説明:合成DNA(プライマー)
配列番号3−人工配列の説明:合成DNA(プライマー)
配列番号4−人工配列の説明:合成DNA(本発明のプライマー)
−A又はGと結合できない塩基又はスペーサー
配列番号5−人工配列の説明:合成DNA(プローブ)
配列番号6−SNP(図9中SNP93で示される)
−SNP(図9中SNP92で示される)
−SNP(図9中SNP94で示される)
配列番号7−人工配列の説明:合成DNA(プライマー)
配列番号8−人工配列の説明:合成DNA(プライマー)
配列番号9−人工配列の説明:合成DNA(本発明のプローブ)

Claims (14)

  1. 少なくとも1つの変異部位を含む標的核酸上の特定領域に対して、前記特定領域に相補的にハイブリダイズし、かつ前記変異部位の予測されるいずれの配列に対しても非相補な配列を有するオリゴヌクレオチドを用意し、前記オリゴヌクレオチドを前記標的核酸にハイブリダイズさせ、相補鎖合成反応を行うことを特徴とする、核酸増幅方法。
  2. 前記オリゴヌクレオチドを標的核酸に45〜55℃の温度でハイブリダイズさせることを特徴とする、請求項1に記載の核酸増幅方法。
  3. 前記オリゴヌクレオチドを標的核酸に47〜52℃の温度でハイブリダイズさせることを特徴とする、請求項1に記載の核酸増幅方法。
  4. 前記変異部位の予測されるいずれの配列に対しても非相補な配列が、前記オリゴヌクレオチドの3’末端から3〜15塩基目に配置されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の核酸増幅方法。
  5. 前記非相補な配列が、変異部位の予測されるいずれの配列に対しても非相補な塩基又はスペーサーである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の核酸増幅方法。
  6. 前記オリゴヌクレオチドにおいて、標的核酸にハイブリダイズする部分の長さが17〜28塩基長である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の核酸増幅方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の核酸増幅方法によって得られる増幅産物の量を解析することにより、前記標的核酸上に存在する前記変異とは異なる一塩基多型のタイピングを行う方法であって、前記オリゴヌクレオチドの3’末端又は3’末端から2番目の塩基が、前記一塩基多型に対応するように設計されていることを特徴とする一塩基多型の解析方法。
  8. 前記一塩基多型のタイピングが、以下の工程を含むことを特徴とする、請求項7に記載の一塩基多型の解析方法:
    前記相補鎖合成反応によって生じるピロリン酸をATPに変換し;
    得られるATPと酵素を利用して発光反応を行わせ;そして
    前記発光反応で生じる発光量から増幅産物の量を解析し、一塩基多型のタイピングを行う。
  9. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の核酸増幅方法によって得られる増幅産物を鋳型として、前記標的核酸上に存在する前記変異とは異なる一塩基多型のタイピングを行うことを特徴とする一塩基多型の解析方法。
  10. その3’末端又は3’末端から2番目の塩基が前記一塩基多型部位に対応するように設計されたオリゴヌクレオチドプローブを前記増幅産物にハイブリダイズさせて相補鎖合成反応を行い、得られる増幅産物の量を解析することにより前記一塩基多型のタイピングを行うことを特徴とする、請求項9に記載の一塩基多型の解析方法。
  11. 前記一塩基多型のタイピングが、以下の工程を含むことを特徴とする、請求項10に記載の一塩基多型の解析方法:
    前記相補鎖合成反応によって生じるピロリン酸をATPに変換し;
    得られるATPと酵素を利用して発光反応を行わせ;そして
    前記発光反応で生じる発光量から増幅産物の量を解析し、一塩基多型のタイピングを行う。
  12. 前記オリゴヌクレオチドプローブが、さらに標的核酸上のプローブ設定領域に存在する前記一塩基多型とは異なる変異に対して、当該変異部位の予測されるいずれの配列に対しても非相補な配列を有するオリゴヌクレオチドであることを特徴とする、請求項9〜11のいずれか1項に記載の一塩基多型の解析方法。
  13. 少なくとも1つの変異部位を含む標的核酸上の特定領域に対し、前記特定領域に相補的にハイブリダイズし、かつ前記変異部位の予測されるいずれの配列に対しても非相補な配列を有するオリゴヌクレオチドプライマー又はプローブを含む、核酸増幅用又は一塩基多型解析用キット。
  14. 一塩基多型と該一塩基多型とは異なる少なくとも1つの変異部位を含む標的核酸上の特定領域に対し、前記特定領域に相補的にハイブリダイズし、かつ前記変異部位の予測されるいずれの配列に対しても非相補な配列を有するオリゴヌクレオチドであって、その3’末端又は3’末端から2番目の塩基が前記一塩基多型部位に対応するように設計されたオリゴヌクレオチドプローブを含む、一塩基多型解析用キット。
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