JP4986358B2 - ミスマッチエンドヌクレアーゼをコードする核酸分子およびその使用方法 - Google Patents

ミスマッチエンドヌクレアーゼをコードする核酸分子およびその使用方法 Download PDF

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Description

【0001】
米国特許法第202条(c)は、国立衛生研究所、交付番号、NIH CA71426からの基金を用いて一部なされた、本明細書に記載の発明において米国政府が一の権利を有することを承認するものである。
【0002】
(技術分野)
本発明は標的とする核酸中の変異を検出するための物質および方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、ミスマッチ特異的ヌクレアーゼをコードする核酸分子および遺伝的疾患および癌の遺伝的スクリーニングを容易にする該酵素の使用方法を提供する。この方法はまた、遺伝的多形態の検出にも有用である。
【0003】
(従来技術)
本発明の属する分野における現状をより十分に記載するために、数冊の刊行物をカッコ内の数字によって本願において引用する。これらの文献の完全な書誌的事項は、本明細書の終わりに見出される。これらの各刊行物の内容を出典明示することで本明細書の一部とみなす。
遺伝子内のヌクレオチドの配列は、その最も頻繁なものが、塩基対置換、フレームシフト変異および欠失または挿入である、数種類の方法のうちのいずれかで変異的に改変させるか、または「ミスマッチ」させることができる。これらの変異は放射線照射および変異誘発性化学物質などの環境因子によって誘発することができ;複製の間にDNAポリメラーゼによって偶発的にエラーに付される。DNA複製の信頼性は維持されないため、多数のヒト病態が起る。嚢胞性線維症、鎌状赤血球貧血およびある種の癌がDNA中の1個の塩基の変化により惹起され、異常的または非機能的蛋白の合成がもたらされる。
【0004】
植物の高成長速度および植物中のDNAインターカレーターの存在量はミスマッチおよびフレームシフト障害の傾向の増大を示唆する。植物および真菌は、DNAおよびRNAの両者を攻撃する豊富な一本鎖特異的ヌクレアーゼを有することが知られている(9−14)。これらのうちいくらかは、ウスチラゴ・マイディス(Ustilago maydis)のヌクレアーゼαと同様に、DNA組換えの間の遺伝子変換の一部を形成することが示唆されている(15、16)。これらのヌクレアーゼのうち、アスペルギルス・オリズエ(Aspergillus oryzue)から由来のS1ヌクレアーゼ(17)、およびペニシリウム・シトリナム(Penicillium citrinum)から由来のP1ヌクレアーゼ(18)、およびビグナ・ラジアタ(Vigna radiata)の子孫から由来のマン・ビーン(Mung Bean)ヌクレアーゼ(19−22)が最も特徴付けられている。S1、P1およびマン・ビーン・ヌクレアーゼは主にpH5.0付近で活性なZn蛋白であるのに対して、ヌクレアーゼαはpH8.0で活性である。バルキーな付加物の修復の場合、DNA障害の一本鎖性特性が、植物酵素、SPヌクレアーゼによって使用されていたようである。ホウレン草から精製されたヌクレアーゼSPは一本鎖DNase、RNaseであって、中性のpHにてTC6−4二量体およびシスプラチン障害のDNAを切断できる(23、24)。
【0005】
エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)における、塩基置換および不対合DNAループの障害は、メチル化指向性ロングパッチ修復システムによって修復される。このマルチ酵素システムにおける蛋白は、MutH、MutLおよびMutSを含む(1、2)。このシステムは効果的であるが、C/C障害および4個よりも長いヌクレオチドのDNAループは修復されない。MutSおよびMutL蛋白は、細菌からヒトに至るまで保存されており、高等生物で同様の修復作用を遂行できるようである。MutS/MutLシステムによって十分に修復されないいくらかの障害、およびショートパッチ修復システムがより望ましい遺伝子変換について、新規な能力を有する他のミスマッチ修復システムが必要である。
【0006】
現在、変異分析に関する最も直接的な方法はDNA配列決定法であるが、それは最も骨が折れかつ費用もかかる。あらゆる実験試料で関連している可能性のある領域を配列決定するのは、通常、実用的ではない。それよりも、ある型の予備的スクリーニング法を用いて、変異を含有する試料のみを配列決定するために同定して標的とすることが一般的である。一本鎖立体配座多型(SSCP)は、天然ポリアクリルアミドゲルでの一本鎖野生型および変異体の配列間の移動度の差に基づいて、広範に使用されるスクリーニング法である。他の方法は天然ゲル(ヘテロ二本鎖分析)または変性ゲル(変性勾配ゲル電気泳動)での野生型/変異体ヘテロ二本鎖(対照ホモ二本鎖と比較)における移動度の相違に基づいている。試料調製は、これらのアッセイにおいて、比較的容易なわけであるが、電気泳動では、変異を含有する標的を同定するための基礎を形成する微妙であることが多い移動度の相違を生じさせるために、極めて正確な条件が必要とされる。もう一つ別の臨界的パラメーターは、スクリーニングすべき標的領域の大きさである。一般に、SSCPを使用して、約200−300塩基より長くない標的領域がスクリーニングされる。単一塩基の変異を検出するSSCPの信頼性は多少不確実であるが、200より小さい塩基の標的では恐らく70〜90%の範囲であろう。標的領域の大きさが増加するほど、検出率は減少し、例えば、長さが183bpの標的についての87%から307bpの標的についての57%までという一つの研究がある(35)。一工程でより長い領域をスクリーニングする能力は、いずれの変異スクリーニング法の有用性をも高めるであろう。
【0007】
現在用いられているスクリーニング技術のもう一つの型は、点変異を含有する実験用標的とハイブリッド形成する野生型プローブの間で形成されたヘテロ二本鎖中の不対合塩基の切断に基づいている。また、ミスマッチにおいてプローブの切断によって得られるサブフラグメントは、全長の切断されていないプローブと大きさが一般的に有意に異なり、しかも標準ゲルシステムで容易に検出されるので、切断生成物はゲル電気泳動によっても分析される。ミスマッチ切断は、化学的に(四酸化オスミウム、ヒドロキシルアミン)またはRNaseAを用いる毒性の小さな酵素代替物にて遂行されてきた。頻度はあまり大きくないが、内因的mRNA標的中の変異についてスクリーニングするために、またはPCRにより増幅されたDNA標的中の変異を検出するために、RNaseA切断アッセイも用いられた。50%を超える変異検出率が最初のRNaseスクリーニング法について報告されている(36)。
DNA中の変異を検出するより新しい方法は、相補的標的核酸にハイブリダイズする2つの隣接するオリゴヌクレオチドを共有結合させるDNAリガーゼに依存する。ミスマッチはライゲーションの部位で起きなければならない。オリゴヌクレオチドに依存する他の方法に関しては、ハイブリダイゼーションでの塩濃度および温度が非常に重要である。もう一つの考慮すべき事項は、DNA濃度に対する添加される酵素の量である。
【0008】
前記した方法は、正常配列または野生型配列などの、80%を超えるバックグラウンド核酸で汚染されている核酸中の塩基変化を信頼性をもっては検出できない。汚染問題は、例えば、循環中で悪性細胞が極少量存在する場合の癌検出において重要である。今日用いられている方法は、臨床的状況において実際上適用されるべき十分な感度に欠ける。
ミスマッチ修復酵素を用いた遺伝子変異の検出法は、LuChangおよびHsuによって記載されている。WO93/20233を参照のこと。誤対合A/G残基を認識するMutY遺伝子の産物は、全ての塩基対ミスマッチにおいてニックを入れることができる「あらゆる型の酵素」として文献中に記載されたもう一つ別の酵素と組み合わせて使用されている。酵素は挿入および欠失を検出しない。また、あらゆる型の酵素は異なるミスマッチを異なる効率にて認識し、その活性はフランキングDNA配列によって悪影響を受け得る。従って、この方法は、所定のDNA分子中で生じ得る種々の変異を検出するための、ミスマッチ修復酵素および/またはDNAグリコシラーゼの組み合わせのカクテルに依存する。
【0009】
(発明の開示)
本発明は標的とされるポリヌクレオチド鎖中の変異またはミスマッチを検出するための物質および方法を提供する。ミスマッチエンドヌクレアーゼをコードする核酸分子およびその使用方法を開示する。本発明の核酸分子によりコードされるエンドヌクレアーゼを、標的とされる核酸鎖中の対合している塩基の改変をスクリーニングし、同定することを促進するゲルアッセイ系と組み合わせて用いて検出を行う。配列番号:1の配列を有する核酸の利用能は、かかるアッセイに用いるための多量の精製されたCEL I酵素の調製を容易にする。
本発明の好ましい具体例において、約43kDaで、長さが309個のアミノ酸のセルリから由来のエンドヌクレアーゼ蛋白をコードする、配列番号:1の配列を有する単離された核酸分子が提供される。このエンドヌクレアーゼ蛋白は複数のへリックスドメインおよびフレキシブルなカルボキシ末端領域を含む。核酸はDNAまたはcDNAのいずれであってもよい。
【0010】
本発明のゲノムクローンを単離するためのDNA分子もまた提供される。かかる配列はイントロンおよびエキソンを含むCEL I遺伝子の同定およびクローン化を促進し、そのエキソンがCEL I蛋白をコードし、配列番号:1の核酸と特異的にハイブリッド形成する。配列番号:1の核酸より転写される単離されたRNA分子もまた本発明の範囲内にある。
本発明のもう一つ別の態様において、a)配列番号:2の蛋白またはポリペプチドをコードする配列;b)a)の相補的配列をコードする配列;b)図2に示されるヌクレオチドの配列;およびc)a)またはb)の配列のいずれかのフラグメントを含む、ポリヌクレオチドが開示されている。
本発明の好ましい具体例において、約10個および約200個の間の長さのヌクレオチドの、配列番号:1と特異的にハイブリッド形成する、オリゴヌクレオチドが提供される。
もう一つ別の具体例において、単離されたCEL I蛋白に対して免疫学的に特異的な抗体が提供される。該抗体はモノクローナルでもポリクローナルでもよい。
【0011】
配列番号:1を含むプラスミドおよびベクターもまた本発明の範囲内にある。一の具体例において、ベクターはレトロウイルスベクターとすることができる。
本発明の好ましい具体例において、上記したプラスミドまたはベクターを宿主細胞中に導入することができる。この目的に適する宿主細胞は、限定されるものではなく、細菌細胞、植物細胞、昆虫細胞、原核生物細胞、真菌細胞および哺乳動物細胞を包含する。
配列番号:1を含むトランスジェニック動物は本発明の中に含まれており、哺乳動物環境中でCEL I活性を評価するにおいて有用性を有する。
本発明の核酸を用いる方法も提供される。一の具体例において、CEL I調節活性について試験化合物をスクリーニングする方法が提供される。CEL Iをコードする核酸を発現する宿主細胞が提供される。その場合、宿主細胞をCEL I活性を調節すると思われる化合物と接触させ;CEL I調節活性をCEL Iのエンドヌクレアーゼ活性における変化により評価される。
【0012】
本発明の特に好ましい具体例において、一本鎖ポリヌクレオチドの標的配列を含むポリヌクレオチドとハイブリッド形成可能なポリヌクレオチドの変異していない配列との関係で、一本鎖ポリヌクレオチドの標的配列中の変異を測定する方法が開示されている。該配列を増幅させ、検出可能なマーカーで標識化し、相互にハイブリッド形成させ、配列番号:1の配列を有する核酸に対して>60%の同一性を有する核酸分子によりコードされる植物エンドヌクレアーゼに曝し、変異の存在について分析する。もう一つ別の具体例において、エンドヌクレアーゼはCEL Iであり、配列番号:1によりコードされる。配列番号:1の配列を有する核酸の利用能は、上記した方法において用いるための、多量のCEL Iエンドヌクレアーゼの産生を促進することである。CEL Iに対して60%より大きな配列同一性を有する具体的なエンドヌクレアーゼは、ジンニア(Zinnia)からのZEN1、アラビドピス(Arabidopis)からのBFN1およびデイリリーからのDSA6によりコードされる。
【0013】
CEL Iに対応するミスマッチ特異的ヌクレオチドが14種以上の植物種で検出されている。したがって、さらに多くの植物が配列番号:2と高いパーセンテージの同一性を有する蛋白を産生するヌクレアーゼ遺伝子を含有すると考えられる。このようにCEL I様活性を生成するためにこれらのオルトログヌクレアーゼ配列を使用することは本発明に関連すると考えられる。コード化されたCEL Iヌクレアーゼおよびそのオルトログは以下の活性:i)ハイブリッド形成された配列の間のすべてのミスマッチの検出;ii)約100bpと約3kbの間の長さのポリヌクレオチド鎖における配列の違いの認識;およびiii)隣接するポリヌクレオチド配列により惹起される実質的な副作用のない標的ポリヌクレオチド配列中の変異の認識;を有する。
DNA分子およびcDNA分子は上記した方法にて評価することができる。該方法を用いて、遺伝的疾患および癌の素因に関連するDNA中の変化を同定するためのスクリーニングアッセイに供することができる。
本発明のもう一つ別の具体例において、エンドヌクレアーゼ活性有するCEL Iのイソ酵素が提供される。そのCEL Iイソ酵素は39kdの分子量を有し、セルリから単離される。
【0014】
本発明のパラメーターをより明瞭に述べるために、以下の定義を用いる:
「エンドヌクレアーゼ」なる語はDNAを内部で切断できる酵素をいう。
「塩基対ミスマッチ」なる語は、ワトソンおよびクリック塩基対合規則に従って核酸中で通常は形成されない塩基対の組合せを示す。例えば、DNA中に一般的に見られる塩基、すなわちアデニン、グアニン、シトシンおよびチミジンで扱う場合、塩基対ミスマッチとは、DNA中に通常見られるA−TおよびG−C対以外の塩基組合せである。本明細書に記載されるように、ミスマッチは、例えば、シトシン残基が本来の対合パートナーであるグアニンに対抗するように向かいのもう一つ別のシトシンに見られる、C/Cを意味するように示すことができる。
「DNA挿入または欠失」なる語は、挿入および欠失した塩基の領域にわたり相補性が維持されないような、DNAの2つの鎖間における「マッチした」塩基の存在または不存在をいう。
【0015】
「相補的」なる語は、実質的に正常な塩基対合特性を示す2つのDNA鎖をいう。しかしながら、相補的DNAは1以上のミスマッチを含有していてもよい。
「隣接する核酸配列」なる語は、エンドヌクレアーゼ切断部位に対して5’側および3’側にある隣接する核酸配列をいう。
「多重分析」なる語は、前記の方法によるプールされたDNA試料の同時アッセイをいう。
C>Tは、ミスマッチを生じさせるシトシン残基の代わりにチミジン残基を用いることを示す。ミスマッチまたは多型を生じさせるもう一つ別の塩基の代わりにいずれかの塩基を不適当に用いることもこのように示すことができる。
N,N,N',N'-テトラメチル-6-カルボキシルローダミン(TAMRA)は、DNA分子量標準を標識するのに用いる蛍光染料であり、該標準は、順次、自動DNA配列決定によって分析されるDNAについての内部標準として利用される。
プライマーは、6-カルボキシフルオレセイン(6-FAM)で蛍光標識することができる。別法として、プライマーは、4,7,2',7'-テトラクロロ-6-カルボキシフルオレセイン(TET)で標識することもできる。他の代替DNA標識法は、当該技術分野で知られており、本発明の範囲内にあると考えられる。
【0016】
本明細書中で用いる「核酸」または「核酸分子」は、一本鎖または二本鎖のいずれかのDNAまたはRNA分子をいい、一本鎖とした場合、その相補的配列の分子は線状または環状形態のいずれであってもよい。核酸分子について述べる場合、個々の核酸の配列または構造はその配列を5’から3’の方向にて示す通常の取り決めに従って記載する。本発明の核酸に関して、時に「単離された核酸」なる語を使用する。この語が、DNAに用いられる場合、それが由来する生物の天然に存在するゲノム中でそれが直ぐ隣接する配列から分離されたDNA分子をいう。例えば、「単離された核酸」は、プラスミドまたはウイルスベクターのようにベクターに挿入されたDNA分子、あるいは原核生物もしくは真核生物細胞または宿主生物のゲノムDNAに取り込まれたDNA分子を含むことができる。
RNAに用いられる場合、「単離された核酸」なる語は、主に、上記した単離されたDNA分子によりコードされるRNA分子をいう。また、この語はそれがその自然な状態(すなわち、細胞または組織中の状態)にて結合している他の核酸から十分に分離されているRNA分子をいう。単離された核酸(DNAまたはRNAのいずれか)はさらに生物学的手段または合成手段により直接産生され、その生成の間に存在する他の成分から分離されている分子をいう。
【0017】
核酸の特定の配列の「自然対立遺伝子変種」、「変異体」および「誘導体」とは、自然にまたは設計のいずれかにより、配列または構造において変化を有していてもよいが、個々の配列に密接に関係付けられる核酸配列をいう。密接に関係付けられるとは、ヌクレオチドの配列の少なくとも60%、多くの場合で85%より多くが、個々の配列番号を用いて言及される核酸配列の所定の長さにわたって対合していることを意味する。密接に関係付けられる核酸配列間のヌクレオチド配列における変化または違いとは、個々の核酸配列の自然における正常な複製または重複の過程の間に起る配列中のヌクレオチド変化として表すことができる。核酸の調節領域におけるアミノ酸コドンまたは配列を変化させるなどの、特定の目的のために、別の変形を具体的に設計し、その配列中に導入してもよい。このような個々の変形は種々の変異誘発技法を用いてインビトロにて行ってもよく、あるいは変形を誘発または選択する個々の選択条件下に置かれた宿主生物において生じさせることができる。このように具体的に生成された配列の変種を原配列の「変異体」または「誘導体」ということができる。
【0018】
個々の配列に言及する際の「%類似性」、「%同一性」および「%相同性」なる語は、ウィスコンシン大学のGCGソフトウェアプログラムに示されるように用い、以下にさらに詳述する。
本発明はまた、本発明のCEL Iポリペプチドまたは蛋白の活性部分、フラグメント、誘導体および機能的もしくは非機能的模倣体を包含する。CEL Iポリペプチドの「活性部分」とは、全長のCEL Iポリペプチドよりも短いが、測定可能な生物学的活性を保持するペプチドを意味する。
CEL Iポリペプチドの「フラグメント」または「部分」とは、少なくとも約5個ないし7個の連続したアミノ酸の、少なくとも約7個ないし9個の連続したアミノ酸であることも多い、典型的には少なくとも約9個ないし13個の連続したアミノ酸の、最も好ましくは少なくとも約20個ないし30個またはそれ以上の連続したアミノ酸のアミノ酸残基の鎖を意味する。CEL Iポリペプチドの「誘導体」またはそのフラグメントとは、蛋白のアミノ酸配列を変えることにより、例えば、蛋白をコードする核酸を操作するか、または蛋白それ自体を改変することにより修飾されたポリペプチドを意味する。このような天然アミノ酸配列の誘導体は、1個またはそれ以上のアミノ酸の挿入、付加、欠失または置換を含んでいてもよく、原型のCEL Iポリペプチドの本質的活性を改変していてもいなくてもよい。
【0019】
CEL Iポリペプチドの異なる「変種」が自然に存在する。これらの変種は蛋白をコードする遺伝子のヌクレオチド配列における違いにより特徴付けられる対立遺伝子であってもよく、あるいは異なるRNAプロセッシングまたは翻訳後修飾を含んでいてもよい。当業者は単一または複数のアミノ酸置換、欠失、付加または変換を有する変種を産生することができる。これらの変種は、とりわけ、(a)1個またはそれ以上のアミノ酸残基が保存または非保存アミノ酸で置換された変種、(b)1個またはそれ以上のアミノ酸がCEL Iポリペプチドに付加された変種、(c)1個またはそれ以上のアミノ酸が置換基を含む変種、および(d)CEL Iポリペプチドが、例えば、抗体についてのエピトープ、ポリヒスチジン、ビオチン部分などの、CEL Iポリペプチドに有用な特性を付与することのできる、融合パートナー、蛋白タグまたは他の化学的部分などのもうひとつ別のペプチドまたはポリペプチドと融合している変種を包含することができる。本発明の他のCEL Iポリペプチドは、保存または非保存位置のいずれかで、ある種から由来のアミノ酸残基が他の種の対応する残基と置き換えられている変種を包含する。もう一つ別の具体例において、非保存位置にあるアミノ酸残基は保存または非保存残基と置換されている。遺伝的(抑圧、欠失、変異など)、化学的および酵素的技法を含む、これら変種を得るための技法は当業者に知られている。
【0020】
別の核酸プロセッシング形態および別の翻訳後修飾形態を含むかかる対立遺伝子変種、アナログ、フラグメント、誘導体、変異体および修飾体がCEL Iポリペプチドのいずれかの生物学的特性を保持しているCEL Iポリペプチドの誘導体をもたらす範囲にまで、それらは本発明の範囲に含まれる。
本明細書で用いる「オルトログ」なる語は、ポリペプチド産物がCEL Iをコードする配列と60%より大きな同一性を有し、遺伝子産物がCEL Iと類似する三次元構造および生化学活性を有する、核酸配列によりコードされるヌクレアーゼをいう。本発明の方法におけるかかるオルトログによりコードされるヌクレアーゼの使用を本発明では意図するものである。代表的なオルトログはZEN1、BFN1およびDSA6を包含するが、限定されるものではない。
本明細書で用いる「機能的」なる語は、核酸またはアミノ酸配列が上記したアッセイまたは目的について機能的であることを意味する。
【0021】
特定のヌクレオチドまたはアミノ酸に言及する際の「本質的に…からなる」という語は、所定の配列番号の特性を有する配列を意味する。例えば、アミノ酸は配列に言及して用いる場合、この語はその配列それ自体を含み、該配列の基本的および新規な特徴に影響を及ぼさない修飾分子を含む。
「レプリコン」はいずれかの遺伝的因子、例えば、それ自身の制御下で大きく複製することのできる、プラスミド、コスミド、バクミド、ファージまたはウイルスである。レプリコンはRNAまたはDNAのいずれであってもよく、一本鎖または二本鎖のいずれであってもよい。
「ベクター」はプラスミド、コスミド、バクミド、ファージまたはウイルスなどのレプリコンであり、結合した配列または因子の複製が起るように別の遺伝的配列または因子(DNAまたはRNAのいずれかの)が結合していてもよい。
【0022】
「発現オペロン」とは、プロモーター、エンハンサー、翻訳開始シグナル(例えば、ATGまたはAUGコドン)、ポリアデニル化シグナル、ターミネーターなどの転写および翻訳調節配列を有し、宿主細胞または生物にてポリペプチドをコードする配列の発現を促進することのできる核酸セグメントをいう。
本明細書で用いる「オリゴヌクレオチド」なる語は、本発明のプライマーおよびプローブをいい、2個またはそれ以上の、好ましくは3個以上のリボ−またはデオキシリボヌクレオチドを含む核酸分子と定義される。オリゴヌクレオチドの正確な大きさは、種々の因子に、およびオリゴヌクレオチドの個々の用途および使用によるであろう。
【0023】
本明細書で用いる「プローブ」なる語は、該プローブに対して相補的な配列を有する核酸とアニーリングする能力を有するか、あるいは該核酸と特異的にハイブリダイズする能力を有する、精製された制限酵素消化物にあるように天然に存在するか、または合成的に産生されるかの、RNAまたはDNAのいずれかであるオリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチドまたは核酸をいう。プローブは一本鎖または二本鎖のいずれであってもよい。プローブの正確な長さは、温度、プローブの供給源およびその方法の用途を含む、多くの因子に依存する。例えば、標的配列の複合性に依存する診断的用途の場合、オリゴヌクレオチドプローブは、典型的には、15−25またはそれ以上のヌクレオチドを有するが、ヌクレオチドの数はより少なくてもよい。本発明におけるプローブは、個々の標的核酸配列の異なる鎖と「実質的に」相補的であるように選択される。このことは、所定の一連の条件下で、プローブがその各々の標的鎖と「特異的にハイブリダイズする」かまたはアニールしなければならないことを意味する。したがって、プローブ配列は標的の正確な相補的配列を反映する必要はない。例えば、プローブ配列の残りを標的鎖に対して相補的としながら、非相補的ヌクレオチドフラグメントをプローブの5’または3’末端に付着させてもよい。別法として、非相補的塩基またはより長い配列をプローブ中に散在させることができるが、そのプローブ配列は標的とする核酸の配列と十分な相補性を有し、それと特異的にアニールすることを条件とする。
【0024】
「特異的にハイブリダイズする」なる語は、当該分野にて一般に使用される所定の条件下で、特異的なハイブリダイゼーションを可能とするように十分に相補的な(時に、「実質的に相補的な」という)配列の2つの一本鎖核酸分子間の結合をいう。とりわけ、この語はオリゴヌクレオチドと本発明の一本鎖DNAまたはRNA分子中に含まれる実質的に相補的な配列とのハイブリダイゼーションをいう。ただし、オリゴヌクレオチドと一本鎖核酸の非相補的配列とのハイブリダイゼーションを除く。
【0025】
本明細書にて用いる「プライマー」なる語は、適当な環境下に置かれた場合に、鋳型依存的核酸合成のイニシエーターとして機能的に作用しうる、生物学的システムに由来するか、制限酵素の消化により生成されるか、または合成的に生成される、RNAまたはDNAのいずれかの、一本鎖または二本鎖のいずれかの、オリゴヌクレオチドをいう。適当な核酸鋳型、核酸の適当なヌクレオシド三リン酸先駆体、ポリメラーゼ酵素、適当なコファクターおよび適当な温度およびpHなどの条件に付されると、該プライマーはヌクレオチドの付加によってその3’末端から伸長し、ポリメラーゼの作用または類似する活性により、プライマー伸長産物を生成することができる。プライマーの長さは個々の条件および適用要件に応じて変化させることができる。例えば、診断に用いる場合、オリゴヌクレオチドプライマーの長さは、典型的には、ヌクレオチドが15−25個またはそれ以上である。プライマーは、所望の伸長産物の合成を作動させるのに、すなわちポリメラーゼまたは類似酵素による合成の開始における使用のために適宜並列してプライマーの3’ヒドロキシル部分を提供するのに十分な方法にて所望の鋳型鎖とアニールできるように、所望の鋳型に対して十分に相補的でなければならない。プライマー配列が所望の鋳型の正確な相補体である必要はない。例えば、非相補的ヌクレオチド配列を別の相補的プライマーの5’末端に結合させてもよい。別法として、非相補的塩基をオリゴヌクレオチドプライマー配列内に散在させることもできる;ただし、そのプライマー配列は伸長産物を合成するための鋳型−プライマー複合体を機能的に提供するために所望の鋳型鎖の配列との十分な相補性を有することを条件とする。
【0026】
本明細書中では、時に、「単離された蛋白」または「単離かつ精製された蛋白」なる語を用いる。この語は主として本発明の単離された核酸分子の発現により産生される蛋白をいう。この語はまた、「実質的に純粋な」形態にて存在するように、それと自然に結合した他の蛋白から十分に分離されている蛋白をいう。「単離された」とは、他の化合物または物質との人工的または合成的混合物、あるいは基本的な活性を干渉しない不純物の存在を排除することを意味するものではなく、例えば、精製が不完全なため、安定化剤を添加したため、または、例えば免疫原性調製物もしくは医薬上許容される調製物と化合させたことを利用として、それらの物質が存在してもよい。
「実質的に純粋な」なる語は、所定の物質(例えば、核酸、オリゴヌクレオチド、蛋白など)を少なくとも50−60重量%で含む調製物をいう。該調製物は、より好ましくは少なくとも75重量%の、最も好ましくは90−95重量%の所定の化合物を含む。純度は所定の化合物に適する方法(例えば、クロマトグラフィー、アガロースまたはポリアクリルアミドゲル電気泳動、HPLC分析など)により測定する。
【0027】
「成熟蛋白」または「成熟ポリペプチド」とは、ポリ蛋白先駆体からの蛋白分解工程などのその発生の過程の間にポリペプチドに対して通常発生するいずれかのプロセッシング事象の後に、ポリペプチドの配列を有する一のポリペプチドを意味する。成熟蛋白の配列または境界を示すにおいて、成熟蛋白の配列の第1のアミノ酸をアミノ酸残基1と称する。
【0028】
「タグ」、「タグ配列」または「蛋白タグ」なる語は、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチドまたはアミノ酸、ペプチドもしくは蛋白のいずれかの化学的部分、あるいは別の配列に付加した場合に、特に検出または単離においてその配列に対して付加的な有用性を提供するかまたは有用な特性を付与する他の化学的部分をいう。このように、例えば、ホモポリマー核酸配列または捕獲オリゴヌクレオチドに相補的な核酸配列をプライマーまたはプローブ配列に付加し、その後の伸長産物またはハイブリッド形成した産物の単離を容易にすることができる。蛋白タグの場合、ヒスチジン残基(例えば、4ないし8個の連続的ヒスチジン残基)を蛋白のアミノ−またはカルボキシ−末端のいずれかに付加し、キレート金属クロマトグラフィーによる蛋白の単離を容易にすることができる。また、特異的抗体分子と反応するエピトープまたは結合決定因子を提示するアミノ酸配列、ペプチド、蛋白または融合パートナーまたは他の分子(例えば、フラッグエピトープ、c−mycエピトープ、インフルエンザAウイルスの膜貫通蛋白、ヘマグルチニン蛋白、蛋白A、セルロース結合ドメイン、カルモデュリン結合蛋白、マルトース結合蛋白、キチン結合ドメイン、グルタチノンS−トランスフェラーゼなど)を蛋白に付加し、アフィニティーまたはイムノアフィニティークロマトグラフィーなどの操作により蛋白の単離を容易にすることができる。化学タグ部分はビオチンのような分子を包含し、それを核酸または蛋白のいずれかに付加し、アビジン試薬などとの相互作用により単離または検出を容易にすることができる。多くの他のタグ部分が知られており、当業者であれば想定することができ、それらも本発明の範囲内にあると考えられる。
【0029】
「トランスフォーム」、「トランスフェクト」、「トランスデュース」なる語は、核酸を細胞または宿主生物中に導入するいずれかの方法または手段をいい、同じ意味を伝えるのに互換的に用いることができる。かかる方法は、トランスフェクション、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、PEG−融合などを包含するが、これに限定されるものではない。
導入された核酸は、被験者の細胞または組織体の核酸中に組み込まれても(共有結合しても)組み込まれなくてもよい。細菌、酵母、植物および動物細胞においては、例えば、導入された核酸をエピソーム因子または独立的レプリコン、例えばプラスミドとして維持することができる。また、導入された核酸は被験者の細胞または組織体の核酸中に組み込まれるようになり、かかる細胞または組織体中で安定して維持され、さらに被験者の細胞または組織体の子孫細胞または組織体に継代または受け継がれる。別の意味で、導入された核酸は被験者の細胞または宿主の組織体中に単に一時的に存在してもよい。
【0030】
「クローン」または「クローン細胞集団」は単細胞または有糸分裂により共通の祖先から由来の細胞の集団である。
「細胞系」は数代にわたってインビトロにて安定した成長能を有する一次細胞または細胞集団のクローンである。
「免疫応答」は、機能性免疫系を有する宿主にて、蛋白抗原などの抗原により生成されるいずれかの反応を意味する。免疫応答は、自然における体液性、すなわち、イムノグロブリンまたは抗体の産生に関与するか、または種々のB型およびT型リンパ球、樹状突起細胞、マクロファージ、抗原提示細胞などに関与する、自然での細胞性のいずれかの応答、あるいはその両方である。免疫応答はまた、サイトカイン、リンホカインなどの種々のエフェクター分子の産生または合成を包含する。免疫応答は、インビトロおよび種々の細胞または動物系の両方にて測定することができる。
「抗体」または「抗体分子」は、固有の抗原に結合する、抗体およびそのフラグメントを含む、いずれかのイムノグロブリンである。この語は、ポリクローナル、モノクローナル、キメラおよび二重特異性抗体を包含する。本明細書で用いる場合、抗体または抗体分子は、無傷のイムノグロブリン分子およびイムノグロブリン分子の免疫学的に活性な部分、例えば、Fab、Fab’、F(ab’)2およびF(v)のような当該分野にて知られている部分の両方を意図するものである。
【0031】
(図面の簡単な記載)
図1A−1Dは精製されたCEL IおよいCEL IIのSDSポリアクリルアミドゲル分析を示す。図1A:レーン1、片側にKDaで示される分子量標準。レーン2、1μgの同種CEL I酵素。パネルBおよびCはEndo H処理によるCEL IおよびCEL II蛋白バンドの移動性の変化を試験する。パネルBの試料は単にCEL Lだけを含有する。パネルCの試料はCEL IとCEL IIの混合物を含有する。パネルDはスルフヒドリル還元した後の同種CEL Iの移動性の変化を示す。図1B:レーン1、Endo H。レーン2、分子量標準。レーン3、同種CEL I、約30ng。レーン4、Endo Hで消化されたCEL I。図1C:レーン1、Endo H。レーン2、分子量標準。レーン3、少量のCEL IIを含む精製されたCEL I。レーン4、Endo Hで消化されたCEL IおよびCEL II。図1D:精製されたCEL Iを、SDS試料バッファー中、1%β−メルカプトエタノールの存在(レーン2)または不存在(レーン3)下で2分間煮沸した。レーン1、分子量標準。H=Endo H。I=CEL I、II=CEL II。
【0032】
図2はCEL IのcDNA(配列番号:1)およびアミノ酸配列(配列便号:2)を示す。エドマン分解法により測定されたアミノ酸配列を太文字で示す。それらはN−末端配列:WSKEGHVMTCQIAQDLLEPEAAHAVKMLLPDYANGXLSSLXVWP;GluC消化物からの内部ペプチド:XSWLQDVE;トリプシン消化物からの内部ペプチド:CDDISTCANKYAKEおよびLACNWGYKからなる。DSA6、BFN1およびZEN1と同じ残基に下線を付す。保存されているcys残基の下に#を付す。P1ヌクレアーゼの3つのZn原子についてのリガンドであることがわかった9個の保存されている残基の下に+を付す。
【0033】
図3はジンスキャンプログラムで起動するパーキンエルマー自動DNAシーケンサーを用いた変異検出分析物の、CEL I変異検出についてのMg++およびpHの効果を示す、ゲル影像の写真である。基材はT−G多形性を含有するBRCA1遺伝子エキソン5の235bpPCR産物である。それを5’末端でトップストランドにて6−FAM(ブルー)で標識し、ボトムストランドをTET(グリーン)で標識する。基材を0.5ユニットのCEL Iと一緒に45℃で30分間インキュベートし、ついで図6に記載されるように分析した。レーン5における156ntでのバンド(標識「ブルーカット」)は6−FAM−標識ストランド上のCEL Iミスマッチ特異的カッティングに対応し、80ヌクレオチドでのバンド(標識「グリーンカット」)はTET−標識ストランド上のそのミスマッチ特異的カッティングに相当する。各レーンにてゲル影像の底部にあるバンドは内部サイズ標準を示す。
【0034】
図4A−4FはCEL IおよびヤエナリヌクレアーゼによるRF−I DNAのニッキングを示す。アッセイは3mM MgClの存在下(充実記号)または不存在下(中空記号)にある。パネルA、CおよびEはpH5.5でのアッセイである。パネルB、DおよびFはpH7.5でのアッセイである。
【0035】
図5A−5CはCEL Iおよびヤエナリヌクレアーゼによる変性仔ウシ胸腺DNAの可溶化を示す。アッセイは3mM MgClの存在下(充実記号)または不存在下(中空記号)にある。丸はpH5.5でのアッセイである。四角はpH7.5でのアッセイである。パネルA、BおよびCで試験した酵素は、各々、MBN−A、MBN−BおよびCEL Iである。CEL Iの一本鎖ヌクレアーゼ活性の一単位は同種CEL Iの32ngに等しい(パネルCにおける20分までの初速度から明らかなように、3.1x10単位の一本鎖ヌクレアーゼ/酵素1mg)。
【0036】
図6A−6IはCEL IおよびMBNにより媒介されるミスマッチ検出を含む電気泳動図である。PE−バイオシステム自動DNAシーケンサーにおけるジンスキャンフラグメント分析の電気泳動図を示す。BRCA1遺伝子のPCR産物の2色蛍光性へテロ二本鎖を実験操作に記載されているように調製した。縦軸、蛍光単位;横軸、ヌクレオチドのDNA長。パネルA、DおよびGにおいては、DNAを7ngのMBN−Aと一緒にインキュベートした。パネルB、EおよびHにおいては、DNAを11ngのMBN−Bと一緒にインキュベートした。パネルC、FおよびIにおいては、DNAを10pgのCEL Iと一緒にインキュベートした。これらの反応を、3mM MgClを含むバッファーI中、37℃で30分間行った。パネルA、BおよびCにおいて、基材は4nt欠失を含有する387bpへテロ二本鎖であった。パネルD、EおよびFにおいて、基材はC−T塩基置換ミスマッチを含有する323bp産物であった。パネルG、HおよびIにおいて、基材は一方のストランドにおいてC挿入を含有する402bpヘテロ二本鎖であった。パネルA、BおよびCの各々のパネルにおいて、129ntでのピークは6−FAM−標識したストランド上の4塩基挿入でのカッティングに相当し;258ntでのピークはTET−標識したストランド上の4塩基挿入でのカッティングに相当する。パネルD、E、GおよびHにおいて、2種のMBNによるミスマッチ特異的カッティングは見られない。パネルFにおいて、183ntでのピークは6−FAM−標識したストランド上のCEL I−ミスマッチ特異的カッティングに相当し、142ntでのピークはTET−標識したストランド上のミスマッチ−特異的カッティングに相当する。パネルIにおいて、252ntでのピークはTET−標識したストランド上のエクストラヘリカルGでのCEL I特異的カッティングに相当する。
【0037】
図7はCEL IおよびヤエナリヌクレアーゼによるRNAの可溶化を示す。トルラ酵母を、3mM MgClの存在下、pH5.5(A)およびpH7.5(B)で、0.7ngのMBN−1(充実記号)と一緒に、または16ngのCEL I(中空記号)と一緒にインキュベートする。
【0038】
図8はCEL I精製フラクションのポリアクリルアミドゲル分析を示すゲルである。酵素を精製する各工程からの略等量のCEL I活性を有するCEL Iのアリコートを、還元剤の不存在の下で、SDSゲルバッファー中で煮沸し、実験的操作にて詳説されるようにSDSポリアクリルアミドゲル上に溶かした。再生後、ヌクレアーゼはゲル中に埋め込んだ変性DNAを消化した。消化されないDNAをトルイジンブルー0で染色し、ヌクレアーゼの位置についての負の影像を得た。レーン1:分子量マーカー;レーン2:緩衝化されたセルリジュース;レーン3:25%硫酸アンモニウム分別上澄;レーン4:80%硫酸アンモニウム分別ペレット;レーン5:ConAセファロースカラムに入れる試料;レーン6:ConAセファロースカラムからの溶出液;レーン8:ホスホセルロースP−11カラムからの溶出液;レーン9:フェノールセファロースカラムからの溶出液;レーン10:MonoQカラムからのフラクション11および12のプール。
【0039】
図9Aおよび9Bは、一対のゲルであって、炭水化物部分を除去する前後で、SDSゲルから再生されたCEL I、CELII蛋白によるミスマッチ基材での切断を示す。CEL IおよびCEL II蛋白バンドをSDSゲルから削除し、実験操作にて記載されるように再生した。その再生した酵素を用いて、BRCA1遺伝子のエキソン20の402bpの蛍光標識したPCR産物を消化した。レーン1−6はエキソン20にミスマッチのない野生型DNA試料から調製されたホモ二本鎖である。レーン7−12においては、試料中にあるこの配列の異型接合的特性のため、PCR産物は1つのストランドがG残基挿入体を含有するヘテロ二本鎖である。エクストラヘリカルG残基の3’側でCEL Iを削除して、「挿入されたGの削除」として図示される、グリーンバンドを生成する。レーン1および7:CEL I処理を施していない基材;レーン2および8:精製された未変性のCEL Iによる基材の削除;レーン3および9:43kDaCEL IバンドのEndoH消化によって始められる再生された29kDaCEL Iポリペプチドバンドによる基材の削除;レーン4および10:39kDaCEL IIバンドのEndoH消化によって始められる再生された37kDaCEL IIポリペプチドバンドによる基材の削除;レーン5、6、11および12:再生された43kDaCEL Iバンドによる基材の削除。
【0040】
図10はCEL Iアミノ酸配列の同種配列とのクルスタル・ダブリュ・アライメントを示す。同種配列のジンバンク受入番号を括弧内に示す。1:(P24021)アスペルギルス・オリザエのヌクレアーゼP1;2:(P24289)ペニシリウム・シトリナムのヌクレアーゼP1;3:CEL IcDNAアミノ酸配列;4:(AB003131)ジンニア・エレガンスからのZEN1エンドヌクレアーゼ;5:(AF082031)ヘルモカルリス雑種品種のデイリリー老化関連蛋白(DSA6);6:(U90264)アラビドピス・タリアナの二機能性ヌクレアーゼBFN1。Clustal W Multiple Sequence Alignement Kim C. Worley, Human Genome Centoer- Baylor College of Medcine(http://dot. imgen. bcm. tmc. edu: 9331/cqi-bin/multi-align/multi-algin.p1.)。P1ヌクレアーゼの別の構造(Volbeda,A., Lahm,A., Sakiyama,F.およびSuck,D. EMBO J.(1991)10:1607−1618およびRomier,C., Dominguez,R., Lahm,A., Dahl,O., およびSuck, D.(1998)Proteins: Structure, Function and Genetics 32:414−424)が示されている。3つのZn原子と結合する9個の残基を太文字で示す。これらの残基に対応するZn原子をアライメントの下に示す。
【0041】
(発明を実施するための最良の形態)
DNA複製の間の正しい塩基配列の維持についての酵素的基礎は、イー・コリ(E.coli.)で広範に研究されてきた。この生物は4ヌクレオチド長までの挿入/欠失と同様にヘミメチル化DNA中の種々のDNA塩基対ミスマッチを訂正するミスマッチ修復経路を進化させてきた。この経路を欠く細胞はより頻繁に変異し、それゆえに、当該遺伝子は、MutS、MutLおよびMutH等と呼ばれる。MutS蛋白はミスマッチに結合し、MutHはA残基がメチル化されていない鎖上のGATC部位でDNAを切断するエンドヌクレアーゼである。MutLは、修復の間にMutHおよびMutSとの複合体を形成する。MutSおよびMutLの相同物は多くの系で存在するが、MutHは存在しない。酵母において、MSH2(MutS相同物)はそれ自体がミスマッチに結合できるが、2つのMutL相同物(MLHおよびPMS1)とMSH2の複合体が観察されている。ヒト相同物hMSH2は、長さが14個までのヌクレオチドのより大きなDNA挿入体に結合するように進化し、そのことはヒトのマイクロサテライト繰返し単位でのミスアライメントなどの機構により頻繁に生じている。これらのヒト相同物のいずれか1つにおける変異は非ポリープ性結腸癌の遺伝的形式に関与していることがわかった(27、28)。
【0042】
セルリは、光感作性インターカレーターであるソラレンを組織グラム当たり40μgを超えて含有する(3)。必然的に、セルリは挿入、欠失および他のソラレン・フォトアダクツ(photoadduct)の障害の修復について高い能力を有する可能性がある。障害部位における一本鎖性は、塩基置換およびDNAループ障害に共通する。以下の例におけるデータは、セルリがこれらの潜在的な変異誘発性の事象に対処するために豊富なミスマッチ−特異的エンドヌクレアーゼをコードする核酸配列を有することを示す。
【0043】
セルリから単離したCEL Iは、塩基置換ミスマッチおよびDNA変形の部位で極めて特異的にDNAを切断する、既知の最初の真核生物性ヌクレアーゼである。該酵素は、活性のためにMg++およびZn++を必要とし、pH最適値を中性pHとする。本発明者らはCEL Iを見かけの等質性に対して33000倍精製した。重要な改良点は、精製バッファー中にα−メチルマンノシドを用いて糖蛋白の内因的レクチンとの凝集を克服したことである。同種CEL IについてのSDSゲル電気泳動バンドを、その炭水化物部分を除去しまたは除去することなく、抽出し、再生し、ミスマッチ切断特異性を有することを明らかにした。CEL Iポリペプチドの28%のアミノ酸配列を決定した後、そのCEL IcDNAをクローンした。潜在的オルトログはアラビドプシスのBFN1、ジンニアのZEN1およびデイリリーのDSA6の遺伝子によりコードされると推定されるヌクレアーゼである。CEL IのS1およびP1ヌクレアーゼとの相同性は極めて低い。CEL Iのヌクレアーゼ活性を、S1ヌクレアーゼの最も近い植物オルトログである、ヤエナリヌクレアーゼと比較して特徴付け、これらの酵素が触媒的に異なることを確立した。ミスマッチ基材における一本鎖性はCEL Iにより認識される主たる特徴ではないようである。CEL Iを中性pH最適値の、マグネシウムを刺激し、ミスマッチ二本鎖を認識するヌクレアーゼの新規なファミリーとして示し、S1スーパーファミリーの範囲内にあることを提案する。
【0044】
I.CEL Iコード化核酸分子、CEL I蛋白およびそれに対する抗体の調製
A.核酸分子
本発明のCEL Iエンドヌクレアーゼをコードする核酸分子は、2つの一般的方法:(1)適当なヌクレオチドトリホスフェートから合成;または(2)生物学的な供給源から単離する方法により調製することができる。両方共、当該分野にてよく知られたプロトコルを利用する。
配列番号:1の配列を有する略全長のcDNAなどのヌクレオチド配列情報の有効性は本発明の単離された核酸分子のオリゴヌクレオチド合成による調製を可能とする。合成によるオリゴヌクレオチドは、アプライド・バイオシステムズ・380A DNA シンセサイザーまたは同様の装置を用いるホスホルアミダイト法により調製することができる。得られた構築物は当該分野にて公知の方法、例えば高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)により精製することができる。本発明のDNA分子などの長い二本鎖ポリヌクレオチドは、現行のオリゴヌクレオチド合成方法に特有のサイズ制限から、段階中に合成しなければならない。かくして、例えば、2.4kbの二本鎖分子は適当な相補性の数個のより小さなセグメントとして合成してもよい。こうして得られた相補的セグメントを、各セグメントが隣接するセグメントで結合するのに適する粘着末端を有するようにして、アニールすることができる。DNAリガーゼの存在下で粘着末端をアニールすることにより隣接するセグメントをライゲートし、完全な2.4kbの二本鎖分子を構築することができる。こうして構築された合成によるDNA分子をついでクローンし、適当なベクターにて増幅させてもよい。CEL Iをコードする核酸配列は当該分野にて公知の方法を用いて適当な生物学的供給源から単離することができる。好ましい具体例において、cDNAクローンはセルリ起源のcDNA発現ライブラリーから単離される。もう一つ別の具体例において、cDNA配列により提供される配列情報を用いて、CEL Iをコードするゲノムクローンを単離してもよい。別法として、CEL I遺伝子中にある所定の配列に対応するオリゴヌクレオチドプローブを用い、CEL Iと相同性を有するcDNAまたはゲノムクローンを他の植物種から単離することもできる。
【0045】
本発明によれば、配列番号:1の蛋白コード化領域と適当なレベルの配列相同性を有する核酸は、適当なストリンジェントなハイブリダイゼーションおよび洗浄条件を用いて同定することができる。例えば、5xSSC、5xデンハート試薬、0.5−1.0%SDS、100μg/mlの変性した分画サケ精子DNA、0.05%ピロリン酸ナトリウムおよび0.50%までのホルムアミドを含むハイブリダイゼーション溶液を用いて行ってもよい。37−42℃で少なくとも6時間ハイブリダイゼーションを行う。ハイブリダイゼーションに付した後、フィルターを以下の条件:(1)2xSSCおよび0.5−1%SDS中、室温で5分間;(2)2xSSCおよび0.1%SDS中、室温で15分間;(3)1xSSCおよび1%SDS中、37℃で30分ないし1時間;(4)30分毎に溶液を変えながら、1xSSCおよび1%SDS中、42−65℃で2時間;で洗浄する。
特定の配列相同性の核酸分子間でハイブリダイゼーションを達成するために必要とされるストリンジェントな条件を算定するための一の共通の式は(サムブロックら、1989):
Tm=81.5℃+16.6Log[Na+]+0.41(%G+C)−0.63(%ホルムアミド)−600/二本鎖中の#bp
で示される。
【0046】
上記した式の一例として、[Na+]=[0.368]および50%ホルムアミドを用い、GC含量が42%で、プローブの塩基の大きさが平均200である場合、Tmは57℃である。DNA二本鎖のTmは相同性が1%減少する毎に1−1.5℃減少する。かくして、約75%よりも大きな配列同一性を有する標的は42℃のハイブリダイゼーション温度を用いて観察される。このような配列は本発明の核酸配列と実質的に相同であると考えられる。
上記したように、ハイブリダイゼーションおよび洗浄のストリンジェンシーは、主に溶液の塩濃度および温度に依存する。一般に、2つの核酸分子のアニーリング速度を最大にするために、ハイブリダイゼーションを、通常、そのハイブリッドの計算されたTmよりも20−25℃低い塩および温度の条件で行う。洗浄条件は標的についてのプローブの同一性の程度についてできる限りストリンジェントでなければならない。一般に、洗浄条件はそのハイブリッドのTmよりも約12−20℃低いように選択される。本発明の核酸について、中度のストリンジェンシーのハイブリダイゼーションを、42℃での、6xSSC、5xデンハート溶液、0.5%SDSおよび100μg/mlの変性サケ精子DNA中のハイブリダイゼーションおよび2xSSCおよび0.5%SDS中、55℃で15分間の洗浄として定義する。高度のストリンジェンシーのハイブリダイゼーションを、42℃での、6xSSC、5xデンハート溶液、0.5%SDSおよび100μg/mlの変性サケ精子DNA中のハイブリダイゼーションおよび1xSSCおよび0.5%SDS中、65℃で15分間の洗浄として定義する。非常に高度のストリンジェンシーのハイブリダイゼーションを、42℃での、6xSSC、5xデンハート溶液、0.5%SDSおよび100μg/mlの変性サケ精子DNA中のハイブリダイゼーションおよび0.1xSSCおよび0.5%SDS中、65℃で15分間の洗浄として定義する。
【0047】
本発明の核酸はいずれか都合のよいクローニングベクター中のDNAとして維持することができる。好ましい具体例においては、クローンを、適当なイー・コリ宿主細胞に遺伝されている、プラスミドクローニング/発現ベクター、例えばpBluescript(ストラタジーン、La Jolla、CA)中に維持する。CEL I遺伝子をコードする本発明のゲノムクローンはラムダファージFIX II(ストラタジーン)中に維持することができる。
本発明のCEL Iコード化核酸分子はcDNA、ゲノムDNA、RNAおよびそのフラグメントを包含し、それらは一本鎖または二本鎖のいずれであってもよい。かくして、本発明は、配列番号:1の配列を有するcDNAの選択されたセグメントなどの、本発明の核酸分子の少なくとも1つの配列とハイブリッド形成することのできる配列を有する、オリゴヌクレオチド(DNAまたはRNAのセンスまたはアンチセンスストランド)を提供する。かかるオリゴヌクレオチドはCEL I遺伝子を検出または単離するためのプローブとして有用である。
【0048】
これらの配列の変種(例えば、対立遺伝子変種)がセルリ集団に存在し、本発明のオリゴを設計および/または利用する場合にそれらを考慮しなければならないことが理解されるであろう。したがって、本明細書に開示されているCEL I配列または各遺伝子またはRNA転写物上の特定の位置を標的とするオリゴについてのそのような変種を包含することも本発明の範囲内にある。かかる変種を含めることに関して、本明細書では、「天然の対立遺伝子変種」なる語を、所定のDNA集団中に存在するであろう、種々の特異的ヌクレオチド配列およびその変種をいうのに用いる。コードされた蛋白中に同類または中立アミノ酸置換を生じさせる遺伝的多形態がかかる変種の例である。加えて、「実質的に相補的」なる語は、標的配列と完全に対合することができないが、そのミスマッチが記載されている条件下でオリゴのその標的配列とのハイブリッド形成能に著しく影響を与えない、オリゴ配列をいう。
かくして、そのコード化配列は配列番号:1で示されるものであってもよく、あるいはこの配列の変異体、変種、誘導体または対立遺伝子であってもよい。該配列は、図示されている配列の1個またはそれ以上のヌクレオチドが1回またはそれ以上の付加、挿入、欠失および置換の変化により図示されている配列と異なるものであってもよい。ヌクレオチド配列に対する変化は、遺伝的コードによって測定されるように、蛋白レベルでアミノ酸変化をもたらしてもよく、もたらさなくてもよい。
【0049】
かくして、本発明の核酸は、アミノ酸配列が同じポリペプチドをコードする、配列番号:1に示される配列と異なる配列を包含する。
他方において、そのコードされるポリペプチドは配列番号:2に示されるアミノ酸配列と1またはそれ以上のアミノ酸残基が異なるアミノ酸配列を含むことができる。さらには、配列番号:2に示される配列のアミノ酸配列変異体、変種、誘導体または対立遺伝子である、ポリペプチドをコードする核酸が本発明によって提供される。かかるポリペプチドをコードする核酸は配列番号:1に示されるコード化配列と60%以上の同一性、約70%以上の同一性、約80%以上の同一性、約90%以上の同一性または約95%以上の同一性を示す可能性がある。
本発明は目的とする核酸を得る方法であって、配列番号:1に示される配列の一部または全部あるいは相補的配列を有するプローブの標的核酸へのハイブリダイゼーションを含む方法を提供する。一般に、ハイブリダイゼーションを行い、続いて連続的なハイブリダイゼーションの同定および該プローブとハイブリッド形成した核酸の単離を行う。その操作はPCRの1またはそれ以上の工程を含んでいてもよい。
【0050】
そのようなオリゴヌクレオチドプローブまたはプライマー、ならびにその全長配列(および変異体、対立遺伝子、変種および誘導体)は、核酸を含有する試験化合物をCEL Iの対立遺伝子、変異体または変種の存在についてスクリーニングするのに有用であり、一の植物から得られた試料からの標的配列とハイブリッド形成するプローブを試験する。ハイブリダイゼーションの条件は非特異的結合を最小限とするように調節することができるが、ストリンジェントないし中程度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件を用いることが好ましい。当業者であれば、サムブロックら(1989)およびアウスベルら(1992)などのテキストブックで助成されるように、かかるプローブを容易に設計し、それらを標識し、ハイブリダイゼーション反応に適する条件を工夫することができる。
【0051】
ある好ましい具体例において、配列番号:1に示される配列のフラグメント、またはエンドヌクレアーゼ活性と関連するいずれかの対立遺伝子である本発明のオリゴヌクレオチドは、少なくとも約10個のヌクレオチドの長さ、より好ましくは少なくとも約15個のヌクレオチドの長さ、より好ましくは少なくとも約20個のヌクレオチドの長さである。かかるフラグメントそれ自身も、個々に、本発明の態様を示す。フラグメントおよび他のオリゴヌクレオチドを検討されているようにプライマーまたはプローブとして用いてもよいが、試験試料中でのCEL Iヌクレアーゼの相同体をコードする配列の存在を測定することと関連する方法にて(例えば、PCRにより)生成することもできる。
【0052】
B.蛋白
CEL Iは塩基置換ミスマッチおよびDNA変形の部位で高特異的にDNAを切断する最初に同定された真核生物性ヌクレアーゼである。本発明の全長CEL I蛋白は、既知の方法に従い、種々の方法にて調製することができる。該蛋白は、全内容を出典明示により本明細書の一部とする、米国特許第5869245号に記載されるように、適当な供給源、例えばセルリから精製することができる。しかしながら、この方法は少量の蛋白がいつでも所定の細胞型にて存在する可能性があるため好ましい方法ではない。CEL Iをコードする核酸分子を利用し、当該分野にて公知の方法をインビトロ発現方法を用いて蛋白を産生することができる。例えば、cDNAまたは遺伝子を適当なインビトロ転写ベクター、例えばインビトロ転写用のpSP64またはpSP65にクローンし、つづいて適当な無細胞翻訳系、例えば小麦胚芽またはウサギ網状赤血球溶菌物中の無細胞翻訳に付してもよい。インビトロ転写および翻訳系は、例えば、プロメガ・バイオテック、マジソン、ウィスコンシン州、またはBRL、ロックビル、メリーランド州から入手可能である。
【0053】
また、好ましい具体例によれば、適当な原核生物または真核生物系にて発現させることにより、より多量のCEL Iを産生することができる。例えば、配列番号:1を有するcDNAなどのDNAの一部または全部をイー・コリなどの細菌細胞中での発現に適合するプラスミドベクター中に挿入することができる。かかるベクターは、宿主細胞(例えば、イー・コリ)でのDNAの発現に不可欠な調節因子を含み、それをDNAの発現を可能とするように位置付ける。このような発現に必要な調節因子は、プロモーター配列、転写開始配列および、所望によりエンハンサー配列を含む。
【0054】
組換え原核生物または真核生物系での遺伝子発現により産生されるCEL Iは当該分野にて知られた方法に従って精製することができる。好ましい具体例においては、市販されている発現/分泌系を用い、それにより組換え蛋白を発現させ、その後に宿主細胞から分泌させて周辺培地から容易に精製することができる。発現/分泌ベクターを使用しないならば、別の方法は、組換え蛋白にあるいはN−末端またはC−末端に6−8個のヒスチジン残基のタグを付した組換え蛋白を単離するためのニッケルカラムに特異的に結合する抗体との免疫学的相互作用によるなどの、アフィニティー分離により組換え蛋白を精製することを包含する。別のタグはFLAGエピトープまたはヘマトグルチニンエピトープを含んでいてもよい。このような方法は、一般に、技術者により用いられている。
【0055】
上記した方法により調製された、本発明のCEL I蛋白は標準的方法により分析することができる。例えば、かかる蛋白を既知の方法に従ってアミノ酸配列分析に付してもよい。
アミノ酸配列の変種、対立遺伝子、誘導体または変異体であるポリペプチドもまた本発明により提供される。一の変種、対立遺伝子、誘導体または変異体であるポリペプチドは、1個またはそれ以上のアミノ酸の1回またはそれ以上の付加、置換、欠失および挿入により配列番号:2に示されるアミノ酸配列と異なる配列を有していてもよい。このような好ましいポリペプチドはCEL I機能を有し、すなわち、1またはそれ以上の次の特性:誤対合したヘテロ二本鎖DNAを切断する特性;その配列が配列番号:2に示されているポリペプチドと反応性を有する抗体との免疫学的交差反応特性;その配列が配列番号:2に示されるポリペプチドとエピトープを共有する特性(例えば、2つのポリペプチドの間の免疫学的交差反応性により決定されるような特性)を有する。
【0056】
配列番号:2に示されるアミノ酸配列のその変種、対立遺伝子、誘導体または変種であるポリペプチドは、その図示されている配列と約35%以上の、約40%以上の、約50%以上の、約60%以上の、約70%以上の、約80%以上の、約90%以上の、または約95%以上の配列同一性を共有するアミノ酸配列を含んでいてもよい。個々のアミノ酸配列の変種は、1個、2個、3個、4個、5−10個、10−20個、20−30個、30−40個、40−50個、50−100個、100−150個または150個より多くのアミノ酸の挿入、付加、置換または欠失により、配列番号:2に示されるアミノ酸配列と異なっていてもよい。アミノ酸の「相同性」の場合、この相同性は(例えば、アルゴリズムGAP(ジェネティっク・コンピューター・グループ、マディソン、WI)を用いて測定されるような、アミノ酸類似性の確立された原理に従って)同一性または類似性であると理解することができる。GAPは、2つの完全な配列を整列させるために、対合の数を最大にし、ギャップの数を最小とする、ニードルマンおよびウォンシュのアルゴリズムを用いる。一般に、ギャップ創製ペナルティ=12およびギャップ排除ペナルティ=4のデフォルトパラメーターが用いられる。GAPの使用が好ましいが、BLAST(アルツチェルら(1990)J.Mol.Biol. 215:405−410);FASTA(ピアーソンおよびリプマン(1998)PNAS USA 85:2444−2448)またはスミス・ウォーターマンアルゴリズム(スミスおよびウォーターマン(1981)J.Mol.Biol. 147:195−197)を含むが、これらに限定されるものではない、通常、デフォルトパラメーターを利用する、他のアルゴリズムを用いてもよい。本明細書における「相同性」および「相同的」なる語の使用は、比較された配列間の必然的な進化論的関係を含むものではない。これらの語は「相同的組換え」なる句中にあるように用いられ、すなわち、該用語は単に2つのヌクレオチド配列が適当な条件下で組み換えるのに十分に類似していることを要求しているにすぎない。
【0057】
本発明のポリペプチドは、その活性または機能に影響を及ぼす、あるいは調節する分子についてスクリーニングするのに用いることができる。かかる分子は検索の目的に有用である。
本発明はまた、本発明の蛋白に免疫特異的に結合する能力を有する抗体を提供する。CEL Iに定方向性のポリクローナル抗体は標準的方法に従って調製することができる。好ましい具体例においては、CEL Iの種々のエピトープと免疫特異的に反応する、モノクローナル抗体を調製する。モノクローナル抗体は標準的プロトコルを倣うケラーおよびミルスタインの一般的方法により調製することができる。CEL Iと免疫特異的に相互作用するポリクローナルまたはモノクローナル抗体を、かかる蛋白を同定し、精製するのに利用することができる。例えば、抗体が免疫特異的に相互作用する蛋白のアフィニティ分離のために該抗体を利用することができる。また、抗体を用いて、蛋白および他の生物学的分子の混合物を含有する試料から蛋白を免疫沈降させることもできる。抗−CEL Iの別の使用を以下に記載する。
【0058】
本発明に係る抗体は多くの方法にて修飾することができる。実際、「抗体」なる語は要求される特異性のある結合ドメインを有する結合物質を含むものとして解釈されるべきである。かくして、本発明は、合成分子およびその形状が分子を抗原またはエピトープに結合させることのできる抗体の形状を模倣する分子を含め、抗体フラグメント、抗体の誘導体、機能的等価体および相同体を含む。
抗原または他の結合パートナーとの結合能を有する代表的な抗体フラグメントは、VL、VH、C1およびCH1ドメインを含むFabフラグメント;VHおよびCH1ドメインを含むFdフラグメント;抗体のシングルアームのVLおよびVHドメインを含むFvフラグメント;VHドメインを含むdAbフラグメント;単離されたCDR領域およびF(ab’)2フラグメント、ヒンジ領域にてジスルフィド結合により連結された2つのFabフラグメントを含む2価フラグメントである。一本鎖Fvフラグメントも含まれる。
【0059】
II.CEL Iコード化核酸、CEL I蛋白およびそれに対する抗体の使用 CEL Iが変異体スクリーニングアッセイに役立つように用いることができるDNAエンドヌクレアーゼであるのは明らかである。具体的には、本発明のCEL I分子を遺伝的スクリーニングアッセイに役立つように用いて特定の遺伝的障害の危険性があるかもしれない患者を同定することができる。かかる障害は、鎌状赤血球貧血、嚢胞性線維症、リソソーム貯蔵性疾患および患者を癌に罹患しやすくする遺伝的変異を包含するが、これらに限定されるものではない。
加えて、本発明のCEL I核酸、蛋白およびそれに対する抗体を検索手段として用いてもよく、DNA認識および修復反応に親密に関与する他の蛋白を同定することができる。CEL IのDNA認識および修復能力を生物学的に解明することで、患者の癌および遺伝的疾患への傾向を評価するこれら新規なスクリーニングアッセイを開発することが容易になるであろう。
【0060】
A.CEL Iコード化核酸
本発明に係る種々の目的のためにCELコード化核酸を用いてもよい。CEL Iコード化DNA、RNAまたはそのフラグメントをCEL I様蛋白をコードする遺伝子の存在および/または発現を検出するためのプローブとして用いてもよい。CEL Iコード化核酸をかかるアッセイのためにプローブとして利用することができる方法は、(1)インサイチューハイブリダイゼーション;(2)サザーンハイブリダイゼーション;(3)ノーザンハイブリダイゼーション;および(4)ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などの雑多な増幅反応、を包含するが、これらに限定されるものではない。
また、本発明のCEL Iコード化核酸を、他の植物および動物種から由来の関連する遺伝子を同定するためのプローブとして利用することもできる。当該分野にてよく知られているように、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーを調節して核酸プローブと相同性が種々の程度の相補的配列をハイブリダイズさせることができる。すなわち、CEL Iコード化核酸を用いてCEL Iとの関連性が種々の程度である他の遺伝子を同定かつ特徴付けるのに役立て、それによりDNAミスマッチ認識系をさらに特徴付けることができる。加えて、上記した核酸を用いてCEL Iと相互作用する蛋白をコードする遺伝子を(例えば、「相互作用トラップ」技法により)同定することもでき、それによりDNAミスマッチ認識に関与する化合物の同定がさらに促進されるはずである。
【0061】
また、CEL Iをコードする核酸分子またはそのフラグメントを用いてCEL Iの産生を制御し、それによりDNAミスマッチ認識反応に関与させるのに利用可能な蛋白の量を調節することもできる。CEL I蛋白の生理学的な量における変化は、DNAミスマッチ認識に関与する他の蛋白因子の活性に劇的に影響を及ぼすかもしれない。
CEL Iをコードする核酸の利用可能性は、CEL I遺伝子またはその変異した配列の一部または全部を有する実験室用マウスの系統の生成を可能とする。かかるマウスは哺乳動物環境においてCEL I活性を評価するためのインビボモデルを提供することができる。実験室用マウスにてトランス遺伝子を導入する方法は当業者に周知である。3通りの一般的方法は:1.レトロウイルスベクターをコードする目的とする外来遺伝子を初期胚子に組み入れる方法;2.DNAを新たに受精させた卵子の生殖核中に注入する方法;3.遺伝的に操作された胚子幹細胞を初期胚子に組み込む方法、を包含する。上記したトランスジェニックマウスの生成はCEL IがDNAミスマッチ認識にて果たす役割を分子的に解明することを容易にするであろう。
【0062】
「動物」なる語は、本明細書にて、ヒトを除く、あらゆる脊椎動物を含むのに用いる。該用語はまた、胚子および胎児段階を含め、発達のあらゆる段階における個々の動物を包含する。「トランスジェニック動物」は、標的化組み換えまたは組換えウイルスのマイクロ注入もしくは感染によるような、細胞下レベルで計画的な遺伝的操作により、直接的または間接的に、改変されているかまたは受理した遺伝的情報を有する1またはそれ以上の細胞を含有するいずれかの動物をいう。「トランスジェニック動物」なる語は伝統的な雑種形成またはインビトロ受精を含めることを意味するものではなく、むしろ1またはそれ以上の細胞が組換えDNA分子により改変されているか、または受理している動物を含むことを意味するものである。この分子は具体的に染色体中にランダムに組み入れられた一定の遺伝子座を標的としてもよく、あるいは染色体外にDNAを複製してもよい。「生殖細胞系トランスジェニック動物」なる語は、遺伝的改変または遺伝的情報が生殖細胞系に導入されており、それにより遺伝的情報を子孫に伝達する能力が付与されているトランスジェニック動物をいう。実際、かかる子孫がそのような改変または遺伝的情報のいくらかまたは全てを有するならば、それら子孫もまたトランスジェニック動物である。
【0063】
B.CEL I蛋白および抗体
本発明のCEL Iをコードする核酸の発現を通して産生される、精製されたCEL I蛋白またはそのフラグメントを用いてポリクローナルまたはモノクローナル抗体を産生することができ、それらはまた植物細胞におけるCEL I(またはCEL Iを含有する複合体)の存在および蓄積についての敏感な検出試薬として供することもできる。組換え技法により、CEL I蛋白の一部または全部を含有する融合蛋白を発現させることができる。この全長蛋白または該蛋白のフラグメントを用いて、該蛋白の種々のエピトープに特異的なモノクローナル抗体のアレイの生成に供することができる。それによって、細胞における該蛋白の検出により一層の感受性を提供することができる。
【0064】
CEL Iに免疫学的に特異的なポリクローナルまたはモノクローナル抗体を該蛋白の検出または定量のために設計された種々のアッセイにて用いることができる。かかるアッセイは、(1)フローサイトメトリック分析;(2)植物細胞におけるCEL Iの免疫化学的位置測定;および(3)種々の細胞からの抽出物のイムノブロット分析(例えば、ドットブロット、ウェスタンブロット)を包含する。加えて、上記したように、抗−CEL IをCEL Iおよびそのオルトログの精製(例えば、アフィニティカラム精製、免疫沈降)に用いることもできる。
CEL I蛋白はまた、上記した遺伝的スクリーニングアッセイに供するように用いることができる。
上述した記載から、本発明のCEL Iコード化核酸、CEL I発現ベクターおよび抗−CEL I抗体が、多量のCEL I蛋白を産生し、CEL I遺伝子発現を検出し、DNA損傷の認識に関与する遺伝子と蛋白の相互作用を評価することを目的としてCEL I蛋白の蓄積を変えるために用いることができることが理解できる。
【0065】
以下のプロトコルは本発明の実施を容易にするために提供される。
プラスミドDNApUC19を、製造業者の指示に従って、QIAGEN Maxi Kitを用いてDH5宿主細胞から単離した。仔ウシ胸腺DNAをシグマより入手し、プロテイナーゼK消化とフェノール抽出のサイクルを繰り返すことにより精製した(9)。クロマトグラフィー樹脂およびカラムをファルマシア・バイオテックより購入した。トルイジンブルーOおよびポンキュウ(Ponceau)Sをシグマから入手した。EndoHはニューイングランド・バイオラボから入手した。ホスホセルロースP11をホワットマンから入手した。
【0066】
CEL Iの精製
工程はすべて4℃で行った。ヌクレアーゼ活性をRF−1(複製型I)ニッキングアッセイ(10)を用いてモニター観察した。
工程1:粗抽出物の調製−
105キログラムのセルリの茎をジュースエキストラクターを用いて均質にした。その汁を集めて(合計79.34L)バッファーA(100mMトリス塩酸、pH7.7、100μM PMSF)の組成物中に適合させた。固体(NHSOをゆっくりと、穏やかに攪拌して、最終濃度が25%飽和となるまで該汁に加えた。30分後、その懸濁液を27000xgで1.5時間遠心分離に付した。上澄(合計70.56L)をプールし、(NHSOの濃度を80%飽和に調整した。30分間攪拌した後、その混合物を27000xgで2時間遠心分離に付した。ペレットをバッファーB(0.1Mトリス塩酸、pH7.7、0.5M KCl、100μM PMSF)中に再び懸濁させ、バッファーBに対して完全に透析させた。
【0067】
工程2:コンカナバリンA−セファロース4Bアフィニティークロマトグラフィー−
100mlの(ジメチルスベリミダート架橋した)ConA樹脂をボトル中の7.71mLの試料に加え、それを緩やかに一夜回転させた。その樹脂を2.5cm径のカラムに充填した。CEL I活性を含まないフロースルーフラクションを捨てた。CEL Iを0.3M α−メチルマンノシドを含有する200mlのバッファーBで4℃で溶出させた。ヌクレオチド活性がもはや溶出されなくなるまで、溶出工程を10回以上繰り返した。溶出液を合し、バッファーC(50mM トリス塩酸、pH8.0、5mM α−メチルマンノシド、0.01%トリトンX−100および100μM PMSF)に対して透析させた。
【0068】
工程3:DEAE−セファセルクロマトグラフィー−
工程2の透析した試料(合計2.5L)を、バッファーCで予め平衡にした5cm径の400mlのBEAE−セファセルカラムに加えた。その後の工程をFPLCを用いて行った。該カラムを400mlのバッファーCで洗浄した。CEL Iを50mM α−メチルマンノシド含有の10mMから1MまでのKClの線状勾配の1LのバッファーCを用いて5ml/分の流速で溶出させ、つづいて1M KClおよび50mM α−メチル−マンノシド含有の400mlのバッファーCを用いて8ml/分の流速で溶出させた。活性が最大のCEL Iフラクションをプールし、バッファーD(25mM リン酸カリウム、pH7.0、5mM α−メチルマンノシド、0.01%トリトンX−100および100μM PMSF)に対して透析させた。
【0069】
工程4:ホスホセルロースP−11クロマトグラフィー−
工程3の透析したCEL Iプール(120ml)を、5cm径の400mlのP−11樹脂を充填したカラムに加えた。該カラムは5ml/分の流速のバッファーDで予め平衡にした。試料を負荷した後、該カラムを50mM α−メチル−マンノシド含有の625mlのバッファーDを用いて5ml/分の流速で洗浄した。CEL Iを50mM α−メチルマンノシド含有の20mMから1MまでのKClの線状勾配の800mlのバッファーDを用いて5ml/分の流速で溶出させた。該カラムをさらに1M KClおよび50mM α−メチル−マンノシド含有の400mlのバッファーDを用いて8ml/分の流速で溶出させた。活性が最大のフラクションをプールし、1.5M (NHSO含有のバッファーE(50mM リン酸カリウム、pH7.0、5mM α−メチルマンノシド、0.01%トリトンX−100および100μM PMSF)に対して透析させた。
【0070】
工程5:フェニルセファロースCL−4Bクロマトグラフィー−
工程4の透析したCEL Iプール(480ml)を、5cm径の400mlのフェニルセファロースCL−4Bを充填したカラムに加えた。該カラムは5ml/分の流速の1.5M (NHSO含有のバッファーEで予め平衡にした。試料を添加した後、該カラムを1.5M (NHSOおよび50mM α−メチル−マンノシド含有の400mlのバッファーEを用いて5ml/分の流速で洗浄した。CEL Iを50mM α−メチルマンノシド含有の1.5Mから0Mまでの(NHSOの塩の線状逆勾配の500mlのバッファーEを用いて5ml/分の流速で溶出させた。活性が最大のフラクションをプールし、バッファーF(50mM トリス塩酸、pH8.0、5mM α−メチルマンノシド、0.01%トリトンX−100および100mM PMSF)に対して透析させた。
【0071】
工程6:モノQアニオン−交換クロマトグラフィー−
ファルマシアの予め充填されているモノQHR16/10カラムをバッファーFで完全に洗浄して平衡状態にした。工程5からの透析したCEL Iプール(336ml)を5ml/分の流速で加え、つづいて100mlの50mM α−メチルマンノシド含有のバッファーFを10ml/分の流速で加えた。CEL Iを50mM α−メチルマンノシド含有の0から1MまでのKClの線状勾配の250mlのバッファーFを用いて2ml/分で溶出させた。
【0072】
工程7:SMARTシステムを用いるスーパーデックス75サイズ排除クロマトグラフィー−
工程6の活性なフラクション、フラクション11および12を合し、セントリコン(Centricon)3の遠心分離性濃縮装置を用いて濃縮した。濃縮した酵素のアリコートを、50mM α−メチルマンノシド含有のバッファーG(50mM トリス塩酸、pH8.0、100mM KCl、10μM ZnCl、0.01%トリトンX−100および100μM PMSF)で平衡にした予め充填されているスーパーデックス75PC3.2/30カラムに加えた。50mM α−メチル−マンノシド含有の5mlのバッファーGを用いてCEL Iを0.05ml/分の流速で溶出させた。活性フラクションの純度をSDS−PAGEでチェックした。付加的な蛋白バンドがある場合、フラクションをプールし、濃縮し、CEL Iが見かけ上均一になるまで、同じサイズ排除クロマトグラフィーを用いて再び精製した。
【0073】
SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)
SDSでのポリアクリルアミドゲル電気泳動を以前に記載されているように実施した(11)。ゲルコードブルー染色試薬(ピアーズ)を用いることで蛋白バンドを検出した。蛋白バンドの分子量を蛋白標準の分子量に対するその相対的電気泳動移動度を半対数プロットを用いることで決定した。活性ゲルアッセイは本質的に記載どおりに行った(12−13)。
【0074】
N−結合したオリゴヌクレオチドのCEL LからのEndoH除去
CEL Iを0.5%SDS中で100℃で10分間変性させた。適量のEndoHを加え、反応物をG5バッファー(50mMクエン酸ナトリウム、pH5.5)中37℃で一夜インキュベートした。
【0075】
CEL IのSDS−PAGEからの再生
この方法は以前に報告されている方法(13−14)の変形である。CEL Iフラクションを2本の並行するレーンのSDS−PAGEに充填した。電気泳動に付した後、ゲルが2本のレーンに間に分けられた。ゲルの半分をゲルコードブルースタイン試薬(ピアース)で染色し、ついで染色されていない他の半分と整列させた。染色されていないゲル中のCEL Iバンドに対応するゲルスライスを取りだし、溶出バッファー(50mM トリス塩酸、pH7.5、180mM NaCl、0.1% SDS、0.1mg/ml BSA)を用い、試料当たり20mAで2時間、アミコンモデル57005電気溶出装置を用いて溶出した。溶出後、試料をセントリコン3ユニットを用いることで濃縮した。遠心分離を7000xgで一夜行った。試料の体積を測定し、4倍容量の蒸留アセトン(−20℃)を加えた。試料をドライアイス−エタノール浴中で30分間インキュベートし、ついで14000xgで10分間遠心分離した。沈降した蛋白を20%の希釈および再生溶液(50mM トリス塩酸、pH7.5、10%グリセロール、100mM NaCl、10mlのMgCl、5mM CaCl、2μM ZnClおよび0.1mg/ml BSA)および80%のアセトンからなる、バッファーで洗浄した。試料を14000xgで10分間再び沈殿させた。上澄を捨てた。遠心管を10分間逆さにすることにより残りのアセトンをデカント処理した。ペレットを少なくとも10分間風乾させた。ついで、20μlの再生溶液(6M グアニジン−塩酸、50mM トリス塩酸、pH7.5、10%グリセロール、100mM NaCl、10mlのMgCl、5mM CaCl、2μM ZnClおよび0.1mg/ml BSA)を用いてそのペレットを溶かした。室温で20分間インキュベートした後、1mlの希釈および再生溶液を加え、室温で12時間蛋白をさらに再生させた。
【0076】
ミスマッチエンドヌクレアーゼアッセイ
以前に報告されているようにミスマッチエンドヌクレアーゼアッセイを行った(8)。簡単に言えば、一方が野生型であり、他方がBRCA1遺伝子のエキソン20にC挿入するための異型接合型である2つの個体、からのゲノムDNAを用いてPCR産物を増幅させた。順方向プライマーを6−FAM(ブルー)で5’−標識し、逆方向プライマーをTET(グリーン)で5’−標識した。BRCA1遺伝子における挿入体の位置は5382nt位置である。得られたヘテロ二本鎖はエクストラヘリカルCまたはエクストラヘリカルGを含有する402bpのPCR産物を提供する。50ngの蛍光標識された基材を、20mM HEPES、pH7.5、10mM KCl、3mM MgClの20μlの反応体積にて、CEL Iと共に45℃で30分間インキュベートした。反応を報告されているように処理し(8)し、ABI377DNAシーケンサー上の変性34cmウェル−ツー−リードの6%ポリアクリルアミドゲルに充填し、ジンスキャン3.1ソフトウェア(パーキン−エルマー)を用いて分析した。結果をゲルイメージとして表示する。
【0077】
配列決定するためのCEL I試料の調製
精製したCEL I試料を10%SDS−PAGE分析に付した。電気泳動に付すと、ゲル中にある蛋白は、ウェスタン移動装置(ノベックス)を用いることによりイモビロン−PSQ PVDF膜に電気泳動的に移動する。トランスファーバッファーは12mM トリズマベース、96mM グリシンおよび20%メタノールを含有した。トランスファー条件は25V(定常電圧)で1時間であった。次に、膜を水で徹底的に洗浄し、ポンキュウSで染色した。CEL Iバンドを取りだし、水で脱染色し、自動式エドマン分解反応によりN−末端および内部ペプチドをマイクロ配列決定するためにロックフェラー大学の蛋白/DNAテクノロジーセンターに送った。まずN−末端配列が決定された(15)。残りの蛋白フラクションをトリプシンまたはGluCのいずれかで消化した。消化したペプチドをHPLCで精製し、エドマン分解法を用いて配列決定した(16)。
【0078】
CEL ImRNAのcDNAのクローニング
植物RNA調製についてのフェノールSDS法(17)を用いて、全RNAを新鮮なセルリから調製した。ストラタジン製のプロスターファーストストランドRT−PCRキットを用いて第1鎖cDNAを合成した。変性PCRプライマーを純粋なCEL I蛋白のエドマン分解分析により決定されたアミノ酸配列から選択し、アンプリタックDNAポリメラーゼを利用してCEL IcDNAを2つのセグメントに増幅するのに用い、DNAを配列決定するためにイー・コリ中にてクローンした。その2つのフラグメントがCEL I蛋白の読み枠の大部分を提供した。5’および3’RACE法(クローンテック・マラトン・cDNA増幅キット)を用い、CEL IcDNAの5’および3’コード化領域および非翻訳領域(UTR)を得た。そのcDNAの真正を確認するために、5’UTRにおけるプライマーと、3’UTRにおけるプライマー、2つのPCRプライマーを設計した。増幅のための高復元性PfuDNAポリメラーゼを用い、セルリRNAの新たな調製物から由来のCEL IcDNAを一のフラグメントとして増幅させるためにこれらの2つのプライマーを利用した。新たな配列をイー・コリにてクローンさせた。そのDNA配列から、同じアミノ酸について別のコドンを付与する1個のヌクレオチドが違うことを除いて、以前のcDNA配列の真正を確認した。
【0079】
ヤエナリ・ヌクレアーゼの供給源
ヤエナリ・ヌクレアーゼ(MBN)を、ファルマシア・バイオテック、#27−0912より購入する(本明細書中、「MBN−A」と称する)か、または以前に報告されている(18)ように精製した(本明細書中、「MBN−B」と称する)。MBNアッセイ条件および蛋白濃度は種々の実験室で異なり、この実験における定量にいくらか影響するかもしれない。製造者のアッセイ条件では1.64x10ユニット/mgの比活性を有するが、我々のアッセイ条件では1.42x10ユニット/mgである、均質なMBN−AをFPLC精製した。該酵素はSDS PAGEにて単一バンドを示す。MBN−Bはコワルスキーによる最初のMBNの古い調製物であり、本明細書に記載のアッセイ条件にて4x10ユニット/mgの比活性を有する。該酵素は、非還元SDS PAGEにて約39kDaの単一バンドとして現れた(データを示していない)。一単位のMBN−A一本鎖DNase活性は我々のアッセイにおいて酵素0.7ngに等しい。
【0080】
RF−Iニッキングアッセイ
1.1μgのpPK201/ネコ(pUC19プラスミド誘導体、pPC19についてのデータは示されておらず、同様である)を、所定の量のMBNまたはCEL Iと一緒に37℃で30分間、3mM MgClの存在下または不存在下、30μlの容量のバッファーH(20mM 酢酸ナトリウム、pH5.5、10mM KCl)またはバッファーI(20mM HEPES、pH7.5、10mM KCl)中にてインキュベートした。反応を停止させるために、5μlの停止溶液(50mM トリス塩酸、pH6.8、3% SDS、4.5%β−メルカプトエタノール、30%グリセロールおよび0.001%ブロモフェノールブルー)を加えた。24μlの最終混合物を0.8%アガロースゲルに負荷した。電気泳動および臭化エチジウムで染色した後、そのゲルの写真を撮影し、IS−1000デジタルイメージングシステム(アルファ・インノテック・コーポレイション)を用いて原板をスキャンした。IS−1000v2.02ソフトウェアを用いてRF−Iバンドを定量した。
【0081】
一本鎖DNaseアッセイ
DNAの可溶化アッセイは以前に報告されているアッセイと同様であった(19)。50μgの熱変性仔ウシ胸腺DNA(カルバイオケム#2618、プロナーゼ処理、フェノール抽出および透析を繰り返して精製した)を、100μlのバッファーHまたはバッファーI中、3mM MgClと共にまたは無しで、0.7ngのMBN−Aまたは1.9ngのMBN−B、あるいは16ngのCEL Iと共にインキュベートした。指定される時間に、0.2N塩酸中の100μlの冷たい20mM LaClを加えて反応を停止させた。遠心分離(21000xg、40分)に付した後、分光光度計を用いて上澄の260nmでの吸光度を測定し、酸−可溶性となったDNAの量を測定した。
【0082】
ミスマッチエンドヌクレアーゼアッセイ
ミスマッチエンドヌクレアーゼアッセイを以前に報告されているように行った(8)。簡単に言えば、BRCA1遺伝子中の3つの異なるエキソンにおける特定の変化について異型接合的である、個体のゲノムDNAを用いてPCR産物を増幅させた。順方向プライマーを6−FAM(ブルー)で5’−標識し、逆方向プライマーをTET(グリーン)で5’−標識した。BRCA1遺伝子におけるミスマッチの位置は、300nt、4184nt、4421ntおよび5382nt位置である。それらは、各々、エキソン5におけるTからGへの塩基置換、エキソン11における4個の塩基の欠失、エキソン13におけるC−Tの多型およびエキソン20におけるC挿入に相当する。4個の得られたヘテロ二本鎖はT/CまたはG/A塩基置換ミスマッチを含有する235bpのPCR産物、4個の塩基ループを含有する387bpのPCR産物、C/AまたはT/G塩基置換ミスマッチのいずれかを含有する323bpの生成物、およびエクストラヘリカルCまたはエキストラヘリカルGを含有する402bpの産物を提供する。50ngの蛍光標識されたヘテロ二本鎖を、3mM MgClの存在下または不存在下でバッファーIの20μlの反応体積にて、7ngのMBN−A、または11ngのMBN−B、または10pgのCEL I(0.3ユニット)と共に37℃または45℃で30分間インキュベートした。反応を報告されているように処理し(8)し、ABI377シーケンサー上の変性34cmウェル−ツー−リードの6%ポリアクリルアミドゲルに充填し、ジンスキャン3.1ソフトウェア(パーキン−エルマー)を用いて分析した。結果をゲルイメージの各レーンのピーク特性として表示する(図6)。
【0083】
一本鎖RNaseアッセイ
50μgの精製したトルラ酵母RNA(アミコン#7120)を、3mM MgClを含む、100μlのバッファーHまたはバッファーI中、0.7ngのMBN−Aまたは16ngのCEL Iと共に37℃でインキュベートした。指定された時間に、13μlの冷たい3M酢酸ナトリウム(pH5.2)および282μlのエタノールを添加した。該混合物を−20℃に一夜置いた。遠心分離(21000xg、45分)に付してRNAを沈殿させた後、分光光度計を用いて上澄の260nmでの吸光度を測定し、可溶性となったRNAの量を測定した。
以下の実施例は本発明をさらに詳しく記載するために提供される。これらの実施例は本発明を実施するために現時点で考えられる最良の形態を示すものであり、それらは本発明を説明するが、何ら発明を限定するものではない。
【0084】
実施例I
CEL Iの精製
CEL Iを、緩衝セルリ汁におけるその比活性よりも33,000倍を超えて均質に精製した。表1は、セルリの茎105kgからのCEL Iの精製の概要を示す。CEL Iの活性バンドは、活性ゲルアッセイによって判定されるように精製の全体にわたって同一サイズのものである。図8を参照のこと。全ての精製工程の間に同時精製する2つのヌクレアーゼバンドがある。本発明者らは、副バンドが主バンドに由来しないことを以下に示す。CEL Iと命名された主ヌクレアーゼ活性は、SDS PAGE上で43KDaで移動する(図1A)。39KDaでの副活性は、本発明者らがCEL IIと命名した推定イソ酵素であり(図1C、レーン3)、ミスマッチで切断可能でもある。
【0085】
【表1】
Figure 0004986358
【0086】
実施例2
CEL IおよびCEL IIの等電点
少量のCEL IIを含有するCEL Iの試料を等電点電気泳動ゲル(pH3〜10、ノベックス(Novex)から)上に負荷した。ゲルを染色した後、標準(ビオ−ラド(Bio-Rad))との比較によりCEL IおよびCEL IIのpIを得た。CEL IバンドのpIは6.0〜6.5であり、CEL IIバンドのpIは6.5〜6.8であった(データは示さない)。Endo HによってN結合オリゴ糖を最小限度にした後、43KDa主セルリヌクレアーゼバンドは29KDa位置にシフトし(図1BおよびC、レーン4)、39KDa副セルリヌクレアーゼバンドは37KDa位置にシフトした(図1C、レーン4)。CEL IIがCEL Iの分解産物であるならば、endo H処理後、そのポリペプチド長さは、29KDaと等しいかまたはそれ未満であろう。
【0087】
実施例3
還元剤のCEL Iに対する効果
CEL IバンドのSDS−PAGE分析のために試料バッファーにおいて1%メルカプトエタノールを用いると、CEL Iは上方にシフトした(図1D、レーン2)が、無傷であった。また、DTTを試験し、同様の結果を得た(データは示さない)。最も簡単な解釈は、CEL Iポリペプチドが主鎖中に破損を含まないということである。代わりに、ジスルフィド結合が分解され、結果として、還元状態で酵素がより伸長され、故に、電気泳動移動度が遅くなった。
【0088】
実施例4
均質なCEL IおよびCEL IIの再生
10%SDS−PAGEから個々のセルリヌクレアーゼバンドを切除し、上記のとおり溶離した。これらのバンドは、43KDaバンド、39KDaバンド、およびEndo H消化後のそれらの対応するバンドを包含した。溶離した酵素フラクションを濃縮し、再生した。プラスミドニッキングアッセイを行って、再生試料が全ての活性ヌクレアーゼであることが示された。図9を参照のこと。Endo H消化の前または後の再生CEL IおよびEndo H消化後のCEL IIは、ミスマッチ基質でDNAを切開することができた。この実験では、切開されたミスマッチはG残基挿入である。この実験は、ゲル溶離および再生工程におけるタンパク質の回収率および活性の不確定性のために、必ず定性的である。しかしながら、データは、CEL IおよびCEL IIが均質であり、各々がDNAミスマッチで切開することができ、CEL IおよびCEL II上のほとんどの炭水化物が活性に対して必須ではないという結論を増強する。
【0089】
実施例5
CEL I cDNAのクローニング
プロテイン/ディエヌエー・テクノロジー・センター・オブ・ザ・ロックフェラー・ユニバーシティ(Protein/DNA Technology Center of the Rockefeller University)により実施されたEdman分解によって同定されたCEL IのN末端のアミノ酸配列および3つの他の内部タンパク質溶解ペプチドを太文字で図2に示す。同定された72アミノ酸はCEL Iポリペプチドの約28%であり、cDNA配列において完全に明らかにされた。リーダー配列を有しないCEL Iは、274アミノ酸残基からなる、計算された分子量が31,440.2であるタンパク質である。SDS PAGEで測定された43KDaの見掛けの分子量と比較して、CEL Iは、炭水化物27重量%である。
【0090】
CEL I cDNAアミノ酸配列の、NCBI(20)でのPSI−Blastプログラムによるジェンバンク(Genbank)におけるホモログとのアラインメントにより、CEL Iがアスペルギルス(Aspergillus)S1ヌクレアーゼ(受入番号P24021、273アミノ酸の27%)およびP1ヌクレアーゼ(受入番号P24289、277アミノ酸の30%)に対して比較的低い同一性を有することが明らかになった。図10を参照のこと。しかしながら、植物におけるCEL Iの全てのホモログのうち3つは非常に高度の同一性を有することが明白である。すなわち、ZEN1(受入番号AB003131、269アミノ酸の80%同一性)、DSA6(受入番号AF082031、271アミノ酸の73%同一性)、BFN1(受入番号U90264、274アミノ酸の72%同一性)。本発明者らは、残りのホモログが全て45%同一性またはそれ以下の範囲であるので、これらの3つのタンパク質がおそらくCEL Iのオルソログであると考える。さらにまた、CEL Iおよびこれらの3つのオルソログの配列をP1ヌクレアーゼの二次構造に重ね合わせると、これらの4つの推定オルソログの間の配列差異のほとんどが連続したヘリックスを連結する可動性ループ領域(図10)および可動性COOH末端領域にある。かくして、これらのオルソログがCEL Iの酵素特性を有し、S1ヌクレアーゼの触媒特性および基質特異性を有しないと考えられる。
【0091】
実施例6
CEL IのMg++およびpH依存性
【化1】
Figure 0004986358
塩基置換のミスマッチでのCEL I切開の自動DNAシークエンサー分析のゲル画像を図3に示す。レーン1−4は、CEL Iを用いないモック反応である。全長235ntのPCR産物が画像の上部に見られ、不完全PCR産物が下方に分散されたバンドとして見られる。レーン5において、CEL I、Mg++およびpH7.5の存在下、156ntのブルー切開バンドおよび80ntのグリーン切開バンドが表示したとおりに観察される。Mg++の不在下またはpH5.5では(レーン6−8)、ミスマッチ特異的切開は有意ではない。この実験はまた、レーン1−4において見られる不完全PCR副産物が、レーン5−8において、特に、レーン5の条件下で、CEL Iによって排除される程度を例示している。
【0092】
実施例7
CEL IおよびMBNのRF−Iニッキング活性
超コイルプラスミド複製型I(RF−I)DNAは、ヌクレアーゼによって攻撃され得る二重ヘリックスにおいて不安定性を有する局所領域を示す。第1ニックによって超ヘリックス応力が除去され、DNAは、もはや、ほとんどの一本鎖ヌクレアーゼに対する基質ではない。pH7.5に対するpH5.5でのMBNおよびCEL IのRF−Iニッキング活性を図4に示す。パネルAおよびBは、Mg++の存在下および不在下における2種類のpHでのMBN−AによるRF−Iのニッキングを比較する。パネルAにおいて、初期キネティクスの条件下で、3mM Mg++によるMBNの阻害は約90%である。RF−Iの約70%が、pH5.5で30分間、MBN−A 7pgによりニック処理される。パネルBにおいて、MBN−A 7ngは、pH7.5で30分間、RF−Iの約20%をニック処理することができるだけである。パネルCおよびDにおいてMBN−Bについて同様の結果が得られた。pH5.5についてはパネルEにおいて、およびpH7.5についてはパネルFにおいて、CEL I RF−Iニッキング活性の同様の比較が示される。該データは、CEL IのRF−Iニッキングが、Mg++の存在下ではMg++の不在下におけるよりも約2倍活性であることを示している。5pgデータ点を比較すると、CEL Iは、pH7.5ではpH5.5におけるよりも2倍活性である。
【0093】
実施例8
CEL IおよびMBNの一本鎖DNase活性
変性精製子牛胸腺DNAのMBNおよびCEL Iによる消化を図5に示す。比較を容易にするために、アッセイが類似範囲の総活性で行われるような種々の量のMBNおよびCEL Iを用いた。MBN−A、MBN−B、およびCEL Iに用いた酵素の量は、各々、0.7ng、1.9ngおよび16ngであった。pH7.5でのMBNによる活性の喪失はパネルAおよびBにおいて明白である。一本鎖DNAに対する活性についてのMBNのMg++阻害もまた観察される。対照的に、CEL Iは、Mg++の存在下では不在下におけるよりも活性である。重要なことには、各酵素の最高活性条件についてパネルAおよびCにおける初期キネティクスを比較すると、pH5.5でMg++の不在下におけるMBN−Aの一本鎖ヌクレアーゼ比活性は、pH5.5でMg++の存在下におけるCEL Iについてよりも約32倍高いと考えられる(タンパク質1mg当たり可溶化DNA 4.46×10gに対してタンパク質1mg当たり可溶化DNA 1.42×10g/分)。
【0094】
実施例9
CEL IおよびMBNのミスマッチエンドヌクレアーゼ活性
ミスマッチを含有するDNA二重鎖のMBNおよびCEL Iによるニッキングを図6に示す。四塩基ループを有するミスマッチをpH7.5でCEL IおよびMBNの両方の調製物によってニック処理する(A、B、C)。この反応では、より多量のMBNが必要であったことに注目する。しかしながら、CEL Iよりも1000倍多い酵素でさえ、MBNは一塩基ミスマッチでの塩基置換で特異的にニック処理することができない(D、E、GおよびH)。pH7.5におけると同一の量のMBNタンパク質をpH5.5でDNA基質と一緒にインキュベートすると、基質はほとんど完全に消化される(データは示さない)。より少ない、より適当な量のMBNをpH5.5でDNA基質と一緒にインキュベートすると、ミスマッチ特異的ニッキングは全く見られない(データは示さない)。CEL Iは、塩基置換ミスマッチ(パネルF)およびヘリックス外ヌクレオチド(パネルI)でニック処理する。パネルFにおいて、位置183ntでのブルーピークはヘテロ二重鎖の6−FAM標識鎖上のミスマッチの3'側のニックに対応し、位置142ntでのグリーンピークはTET標識鎖上のミスマッチの3'側のニックに対応する。他のブルーピークのいくつかは、CEL Iによる非特異的切断である;長時間、またはより多くのCEL I酵素と一緒に、該反応をインキュベートすると、これらのミスマッチ非特異的ピークはほとんどが除去されるが、ミスマッチ特異的ピークは残っている(図3)ということに注目するのは重要である。理由は、これらのバックグランドバンドが、しばしば、2本のDNA鎖が適正に塩基対形成しないPCR産物の非特異的ヘテロ二重鎖であるということである。これらの二重鎖は非特異的位置でCEL Iによってニック処理され、それらのシグナルは拡散される。パネルIにおいて、252ntでのグリーンピークは、PCR産物のTET標識鎖上のヘリックス外Gの3'側のニックに対応する。6−FAM標識鎖上のヘリックス外Cのニックに対応するブルーピークは、位置151ntであると予想されるが、示されていない。CEL Iは、その5'末端付近の6−FAM標識鎖をニック処理し、色素を除去し、それにより該アッセイにおいてブルーピークを評価することができなくなる。別法として、挿入体C基質を挿入体G基質によってより競争させることができた。
【0095】
実施例10
CEL IおよびMBNのRNase活性
S1およびCEL Iに共通の性質は、文献において「糖非特異的」または「二機能性」と称される特徴であるRNAおよびDNAの両方を消化する能力である。本発明者らは、RNA上でのMBNおよびCEL Iの比活性を、それらのDNase活性に匹敵する条件を用いて比較した。ここで取り組む特定の問題は、RNase活性がpH依存性であるか否か、および、RNaseおよびDNaseの比活性が各酵素について類似しているか否かということである。本発明者らのアッセイは、RNAの可溶性ヌクレオチドおよび短いRNAフラグメントへの消化を測定する。MBN−AのRNase活性の比活性(図7A)は、その一本鎖DNase活性(図5A)に匹敵する。CEL Iの比活性は、pH5.5においてTorula Yeast RNA上でMBN−Aの50分の1である。この値は、基質として変性子牛胸腺DNAを用いて、CEL Iが比活性においてMBN−Aの約32分の1であるという本発明者らの発見と一致する。RNaseとしてのCEL Iは、pH7.5ではpH5.5よりも僅かに活性である。これは、CEL Iの一本鎖DNase活性についての観察結果と反対であるが、差異は小さい。かくして、pH5.5でのMBN、ならびにpH5.5およびpH7.5でのCEL Iは、DNAよりもRNAを優先することを示さなかった。MBN−Aは、pH5.5におけると同一の比活性をもってpH7.5でRNAを消化した(図7)。これは、MBN−AがpH7.5で一本鎖DNAを消化する能力がほとんどないことと著しく対照的である(図5A)。MBN−BのRNase活性について同様の結果が得られた(データは示さない)。
【0096】
検討
糖タンパク質の精製
本発明者らは、非常に豊富なCEL Iを産生する精製プロトコールを従前に記載したが、該酵素は、SDS PAGEゲル上で単一バンドであると考えられなかった(8)。汚染源を同定するために、本発明者らは、アラビドプシスシ・カルス(Arabidopsis callus)での精製を繰返し、同一の凝集の課題を観察した。本発明者らは、最も純粋なフラクションに対するマウス抗体を調製し、アラビドプシスcDNA発現ライブラリー(21)からの2種類の遺伝子(受入番号AC001645、遺伝子PID:g2062157およびPID:g2062159)の同定されたクローンに対する該抗血清を用いた(未発表データ)。これらのクローンは、ConA様レクチンとして機能することが知られているブラッシカ・ナプス(Brassica napus)の2つのジャスモネート誘発性タンパク質に対して非常に相同であることが判明した(受入番号CAA72271、475アミノ酸において62%の同一性)(22)。かかるレクチンは、アラビドプシスにおける30を超える遺伝子によってコードされ、精製されるべき糖タンパク質がレクチンよりも豊富でない場合に問題となり得る。本発明のプロトコールにおけるバッファー中のマンノースの存在は、この障害を克服し、CEL Iの均質な調製物を提供した。
【0097】
CEL Iアミノ酸配列のアラインメント
CEL Iアミノ酸配列のジェンバンクにおける全てのS1ホモログとのアラインメント(図10)において、普遍的に保存された残基は、ポリペプチドの種々の領域に位置する、N末端トリプトファン残基、5個のヒスチジン残基、および3個のアスパルテート残基である(図2)。P1ヌクレアーゼのX線結晶構造によって明らかにされるように、これらの9個の残基は一緒に3個のZn++原子を結合する(23−24)。触媒活性部位の保存は、これらのヌクレアーゼがホスホジエステル結合の開裂について同一のメカニズムを有することを示唆しており、触媒ドメインを形成するために酵素構造の保存を必要とする。基質優先度の差異は基質認識のメカニズムにあり、触媒作用とは区別されていて、S1ファミリーヌクレアーゼは一本鎖核酸に対して特異的であるが、CEL Iはミスマッチヘテロ二重鎖に対して高い特異性を示す。種々の基質の認識を可能にする配列は、あまり保存されないアミノ酸配列に存する。CEL IおよびS1型ヌクレアーゼの触媒的差異を良好に定義するために、本発明者らは、植物において最もよく特徴付けられたS1ヌクレアーゼのオルソログであるCEL IとMBNとを注意深く対照した。
【0098】
CEL Iおよびマングビーン(Mung bean)ヌクレアーゼのpH依存性
プラスミドpUC19のRF−Iにおいて、超コイル化は、ヌクレアーゼに対する基質となり得る一本鎖化領域を誘発する。さらにまた、複製起点のような領域はステム−ループ構造を形成することが知られている。超コイルプラスミドには不安定化配列があることも示された(25)。図4のデータにより、MBNはpH5.5ではpH7.5におけるよりも1000倍を超えて素早くRF−Iをニックするが、CEL IはpH7.5ではpH5.5におけるよりも活性であることが証明された。
【0099】
酸性pHでのMBNのRF−I切断に対する>1000倍高い活性は、酵素の触媒メカニズムの作用である。酸性pHでのRF−Iニッキングの速度をより速くする別の因子は、酸性pHでのプラスミドの部分巻き戻しであり、それによって、より大きい一本鎖化性向を生じる。中性pHでプラスミドRF−Iに対して活性なCEL Iの場合、RF−Iの部分巻き戻しがCEL Iの結合により生じることが推測される。また、CEL Iはプラスミドにおける一本鎖化を認識していない。理由は、CEL Iの一本鎖DNAの消化がpH5.5ではpH7.5におけるよりも活性である(図5)にもかかわらず、CEL IのRF−IニッキングがpH5.5ではpH7.5ほど活性ではない(図4)ということである。
【0100】
CEL Iが基質として変性DNAを用いると、CEL Iの比活性は酸性pHでMBN−Aの20分の1であり(図5C)、Mg++の存在下におけるpH7.5では非常に僅かに改善されるだけである。不安定化ヘリックスの認識を反映するRF−Iニッキングにおいて、CEL I比活性は、pH5.5ではMBN−Aの2分の1に過ぎないが、CEL Iは、pH7.5では1000倍活性である(図4)。さらにまた、CEL Iは、MBN−Aよりも700倍高い比活性で4個のヘリックス外塩基を含有するミスマッチヘテロ二重鎖をニック処理する(図6A、B、C)。最後に、CEL Iだけは塩基置換でDNAをニックすることができる。したがって、CEL Iが主として一本鎖DNaseではないことが明らかである。さらにまた、一本鎖化自体は、CEL Iがミスマッチ基質において認識するものではない。
【0101】
活性CEL IおよびMBNにおけるMg++の役割
pH5.5でのMBNによるRF−Iニッキングの初期速度は、Mg++によって約10〜20倍抑制される。対照的に、CEL Iは、全てアッセイ条件下でMg++によって刺激される。RF−IのCEL Iニッキングは、両方のpHにおいてMg++の存在下で有意に増大する。RF−Iニッキングアッセイ自体によって、Mg++の効果がプラスミドDNA構造に対するものであるかまたは酵素に対するものであるかを区別することは可能ではない。基質としての一本鎖DNAに関して、基質超ヘリックス性に対するMg++の効果は含まれないので、酵素に対するMg++の効果はおそらく低かった。変異検出アッセイに関して、Mg++が二本鎖DNAにおけるミスマッチでの最適なCEL I切開に必要とされることが明らかである(図3)。CEL IおよびMBNがホスホジエステル結合開裂のために同一の触媒メカニズムを用いるとすれば、それらの差異は基質が認識される程度にある。Mg++の役割は、基質認識のための構造的役割にあるが、DNA加水分解にはない(26)。最後に、MBNおよびCEL Iは、共に、RNaseであることが観察される。意外にも、MBNは、主として、中性pHでは、DNase活性よりも少なくとも1000倍大きいRNase活性を有するRNaseである。
【0102】
かくして、MBNおよびCEL Iが、構造的に関連するヌクレアーゼのS1スーパーファミリーの範囲内の2つの異なる酵素ファミリーを表すことが明らかである。P1ヌクレアーゼの高分解能X線構造は、二本鎖ヘリックスがP1 DNA結合グローブに適合し得ないことを示した(21−22)。
【0103】
すなわち、CEL Iは、ミスマッチ認識ヌクレアーゼの固有のファミリーの例であると考えられる。加えて、著しい配列類似性に基づいて、CEL Iオルソログ配列は、CEL Iについて本明細書で記載した変異検出のためのアッセイ方法において有利に用いられると考えられる。
【0104】
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【0105】
本発明のある好ましい実施態様を上記にて記載し、具体的に例示したが、本発明はかかる実施態様に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載される本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく種々の変更を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 精製されたCEL IおよいCEL IIのSDSポリアクリルアミドゲル分析を示す。
【図2】 CEL IのcDNA(配列番号:1)およびアミノ酸配列(配列便号:2)を示す。
【図3】 ゲルイメージの写真であって、変異検出分析物のCEL I変異検出についてのMg++およびpHの効果を示す。
【図4】 CEL IおよびヤエナリヌクレアーゼによるRF−I DNAのニッキングを示す。
【図5】 CEL Iおよびヤエナリヌクレアーゼによる変性仔ウシ胸腺DNAの可溶化を示す。
【図6】 CEL IおよびMBNにより媒介されるミスマッチ検出を含む電気泳動図を示す。
【図7】 CEL IおよびヤエナリヌクレアーゼによるRNAの可溶化を示す。
【図8】 CEL I精製フラクションのポリアクリルアミドゲル分析を示す。
【図9】 一対のゲルであって、炭水化物部分を除去する前後で、SDSゲルから再生されたCEL I、CELII蛋白によるミスマッチ基材での切断を示す。
【図10】 CEL Iアミノ酸配列の同種配列とのクルスタル・ダブリュ・アライメントを示す。
【配列表】
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Claims (23)

  1. 配列番号:1の配列を含む核酸分子であって、その核酸分子がセルリ由来のエンドヌクレアーゼ蛋白をコードし、そのコードされた蛋白が複数のα−へリックスドメインおよびフレキシブルなカルボキシ末端領域を含む、単離された核酸分子。
  2. DNAである、請求項1記載の核酸分子。
  3. cDNAである、請求項2記載のDNA分子。
  4. 請求項1記載の核酸分子より転写される単離されたRNA分子。
  5. a)配列番号:2のアミノ酸配列を含むエンドヌクレアーゼをコードする配列;または
    b)配列番号:1と90%以上の同一性を有する配列であって、エンドヌクレアーゼをコードする配列
    を含む、核酸分子。
  6. 配列番号:1の配列である、請求項1記載の核酸分子。
  7. 長さが1個ないし200個のオリゴヌクレオチドであって、配列番号:1で示される核酸分子を検出するためのプローブまたはプライマーであり、配列番号:1で示される核酸分子と特異的にハイブリダイズする、オリゴヌクレオチド。
  8. 配列番号:2の配列を有するエンドヌクレアーゼをコードする核酸分子。
  9. 請求項8記載の核酸分子によりコードされる単離された蛋白に対して免疫学的に特異的な抗体。
  10. モノクローナルである、請求項9記載の抗体。
  11. ポリクローナルである、請求項9記載の抗体。
  12. 配列番号:1の配列を含むプラスミド。
  13. 配列番号:1の配列を含むベクター。
  14. 配列番号:1の配列を含むレトロウイルスベクター。
  15. 配列番号:1の配列を有する核酸分子を含む宿主細胞。
  16. 細菌、真菌、哺乳動物、昆虫および植物細胞からなる群より選択される、請求項15記載の宿主細胞。
  17. 配列番号:1の配列を有する核酸分子を含むトランスジェニック動物。
  18. CEL I調節活性について試験化合物をスクリーニングする方法であって、
    a)配列番号:2の配列を含む、CEL Iエンドヌクレアーゼを発現する宿主細胞を得;
    b)該宿主細胞をCEL I活性を調節すると思われる化合物と接触させ;および
    c)CEL Iのエンドヌクレアーゼ活性における変化により評価されるようなCEL I調節活性を測定すること
    を含む、方法。
  19. 一本鎖ポリヌクレオチドの標的配列を含むポリヌクレオチドとハイブリダイズ可能なポリヌクレオチドの変異していない配列を基準にして、該標的配列中の変異を測定する方法であって、該配列を増幅させ、検出可能なマーカーで標識化し、相互にハイブリダイズさせ、配列番号:2のアミノ酸配列を含む、エンドヌクレアーゼに曝し、変異の存在を分析する方法。
  20. エンドヌクレアーゼがセルリ由来である、請求項19記載の方法。
  21. ポリヌクレオチドがDNAである、請求項19記載の方法。
  22. ポリヌクレオチドがcDNAである、請求項19記載の方法。
  23. 配列番号:2のアミノ酸配列を有する、単離されたCEL Iエンドヌクレアーゼ。
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