JP4213214B2 - ミスマッチエンドヌクレアーゼおよび標的ポリヌクレオチド鎖中突然変異の同定におけるその使用 - Google Patents
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Description
本出願は、1996年6月5日に出願された米国出願第08/658,322号の一部継続出願であり、ことに出典明示してその全開示を本明細書の一部とみなす。
発明の分野
本発明は、標的核酸中の突然変異の検出用の物質および方法に関する。さらに詳細には、本発明は、新規なミスマッチ特異的ヌクレアーゼおよび遺伝性疾患および癌の遺伝的スクリーニングを促進する該酵素の使用方法を提供する。また、当該方法は、遺伝的多型の検出に有用である。
発明の背景
本出願では、本発明が属する技術分野の水準をより十分に記述するために、いくつかの刊行物がカッコ内の数字によって引用される。これらの文献の完全な書誌的事項は、本明細書の終わりに見出される。これらの各刊行物の開示は、ここに出典明示して、本明細書の一部とみなす。
遺伝子内のヌクレオチド配列は、その最も頻繁なものが、塩基対置換、フレームシフト突然変異および欠失または挿入である、いくつかの方法のうちいずれかで突然変異的に改変させ、または「ミスマッチとする」ことができる。これらの突然変異は、放射線および突然変異原性化学薬品のごとき環境要因によって誘導でき;複製間にDNAポリメラーゼによって偶然にエラーが起こる。DNA複製の信頼性は維持されないので、多数のヒト疾患状態が発生する。DNA中での単一の塩基変化によって、嚢胞性繊維症、鎌状赤血球貧血およびある種の癌が生じる結果、異常型もしくは非機能的蛋白質が合成される。
植物の高成長速度および植物中のDNAインターカレーターの豊富さは、ミスマッチおよびフレームシフト障害の傾向の増大を示唆する。植物および真菌は、DNAおよびRNAの両者を攻撃する豊富な一本鎖特異的ヌクレアーゼを有することが知られている(9〜14)。これらのうちいくらかは、Ustilago maydisのヌクレアーゼαのように、DNA組換えの間に、遺伝子変換に加坦することが提案されている(15、16)。これらのヌクレアーゼのうち、Aspergillus oryzueからのS1ヌクレアーゼ(17)、およびPenicillium citrinumからのP1ヌクレアーゼ(18)、およびVigna radiataの芽からのリョクトウ(緑豆、Mung Bean)・ヌクレアーゼ(19〜22)は、最も特徴付けられている。S1、P1およびリョクトウ・ヌクレアーゼは、主にpH5.0付近で活性なZn蛋白質であり、一方、ヌクレアーゼαはpH8.0で活性である。DNA障害の一本鎖性特性は、バルキーな付加的修復に関して、植物酵素、SPヌクレアーゼによって使用されているらしい。ホウレン草から精製されたヌクレアーゼSPは、一本鎖DNアーゼ、RNアーゼであって、全ての中性pHにてTC6-4二量体およびシスプラチン障害においてDNAを切断できる(23、24)。SPがミスマッチにおいてDNAを切断できるか否かは未だ知られていない。
Escherichia coliでは、塩基置換および不対合DNAループの障害は、メチル化指向性ロングパッチ修復システムによって修復される。このマルチ酵素システムにおける蛋白質には、MutH、MutLおよびMutSが含有まれる(1、2)。このシステムは有効であるが、C/C障害および4ヌクレオチドよりも長いDNAループは修復されない。MutSおよびMutL蛋白質は、細菌からヒトに至るまで保存されており、高等生物で同様の修復役割を遂行できるらしい。MutS/MutLシステムによって十分に修復されないいくらかの障害、およびショートパッチ修復システムがより望ましい遺伝子変換について、新規な能力を有する他のミスマッチ修復システムが必要である。
現在、突然変異分析に関する最も直接的な方法は、DNA配列決定であるが、それは最も骨が折れかつ高価でもある。全ての実験試料ごとに潜在的に関係する領域を配列決定するのは、通常、実用的ではない。それよりも、普通は、いくつかのタイプの予備的スクリーニング法を用いて、突然変異を含む試料のみを配列決定するために同定し標的化する。一本鎖立体配座多型(SSCP)は、天然ポリアクリルアミドゲルでの一本鎖野生型および突然変異体の配列間の移動度の差に基づく、広範に使用されるスクリーニング法である。他の方法は、天然ゲル(ヘテロデュプレックス分析)または変性ゲル(変性勾配ゲル電気泳動)での野生型/突然変異体ヘテロデュプレックス(対照ホモデュプレックスと比較)における移動度の相違に基づいている。これらのアッセイでは、試料の調製は比較的容易であるが、突然変異を含む標的を同定するための基礎を形成するしばしは微妙な移動度の相違を生じさせるには、電気泳動には非常に正確な条件が必要とされる。もう一つの大変重要なパラメーターは、スクリーニングすべき標的領域のサイズである。一般に、SSCPを使用して、約200〜300塩基より長くない標的領域をスクリーニングする。単一塩基の突然変異を検出するSSCPの信頼性は多少不確実であるが、200塩基より小さい標的については恐らく70〜90%の範囲であろう。標的領域のサイズが増加するほど、検出率は下降し、例えば、長さが183塩基対の標的についての87%から307塩基対の標的の57%までという一つの研究がある(35)。単一の工程で、より長い領域をスクリーニングする能力は、いずれの突然変異スクリーニング法の有用性をも高めるであろう。
現在用いられているスクリーニング技術のもう一つのタイプは、点突然変異を含む実験用標的に対してハイブリダイズする野生型プローブ間で形成されたヘテロデュプレックス中の不対合塩基の切断に基づいている。また、ミスマッチにおいてプローブの切断によって生じるサブフラグメントは、全長非切断プローブとサイズが一般的に有意に異なり、しかも標準ゲルシステムで容易に検出されるので、切断生成物はゲル電気泳動によっても分析される。ミスマッチ切断は、化学的に(四酸化オスミウム、ヒドロキシルアミン)またはRNアーゼAを用い毒性の小さい酵素代替物にてのいずれかで遂行されてきた。頻度は大変小さいが、RNアーゼA切断アッセイも、PCRにより増幅されたDNA標的中の突然変異につき検出するために、内因性mRNA標的中の突然変異をスクリーニングするのに使用されてきた。50%を超える突然変異検出率が、オリジナルのRNアーゼスクリーニング法について報告されている(36)。
DNA中の突然変異を検出するより新しい方法は、相補的標的核酸にハイブリダイズする2つの隣接するオリゴヌクレオチドを共有結合させるDNAリガーゼに依拠する。ミスマッチは、連結反応の部位で生じなければならない。オリゴヌクレオチドに依拠する他の方法に関しては、ハイブリダイゼーションでの塩濃度および温度が非常に重要である。もう一つの考慮すべき事柄は、DNA濃度に対する添加される酵素の量である。
前記した方法は、正常または野生型配列のごとき、80%を超えるバックグラウンド核酸で汚染された核酸中の塩基変化を信頼性をもっては検出できない。汚染問題は、例えば、循環中で悪性細胞が極少量存在する癌検出において重要である。今日用いられている方法は、臨床的状況において実際上適用されるべき十分な感度に欠ける。
ミスマッチ修復酵素を用いた遺伝子突然変異の検出法は、LuChangおよびHsuによって記載されている。WO93/20233参照。誤対合A/G残基を認識するMutY遺伝子の産物は、全ての塩基対ミスマッチにおいてニックを入れることができる「全タイプ酵素」として文献中に記載されたもう一つの酵素と組み合わせて使用されている。当該酵素は、挿入および欠失を検出しない。また、全タイプ酵素は、異なるミスマッチを異なる効率にて認識し、その活性は、フランキングDNA配列によって悪影響を受け得る。従って、この方法は、所与のDNA分子中で生じ得る種々の突然変異を検出するには、ミスマッチ修復酵素およびDNAグリコシラーゼのカクテルに依存する。
しばしば、臨床的状況において突然変異またはミスマッチの性質は不明であるので、特異的DNAグリコシラーゼの使用は除外される。従って、フランキングDNA配列に関係なく、同等の効率にて全てのミスマッチを認識したり、挿入および欠失も検出する能力のある単一酵素のシステムに対する要望が存在する。大量の試料を必要とせず、毒性化学薬品の使用も必要とせず、骨が折れ高価でもなく、その上、ミスマッチだけでなくDNAの欠失および挿入も検出する能力のある、単一の塩基対ミスマッチを検出するのに、敏感で正確なアッセイを有することは有益であろう。
所与のDNA分子中の突然変異の位置の同定を促進するであろう方法とカップリングさせたそのようなシステムは、遺伝的スクリーニング応用について明らかに有利であろう。この新規な突然変異検出システムを提供するのが本発明の目的である。
発明の概要
本発明は、標的ポリヌクレオチド鎖中の突然変異またはミスマッチの検出のための物質および方法を提供する。標的核酸鎖中の改変された塩基対合のスクリーニングおよび同定を促進するゲルアッセイシステムと組み合わせて、新規なエンドヌクレアーゼを用いて、検出が達成される。
本発明の一つの態様により、標的DNAまたはRNA中の突然変異またはミスマッチの検出に有用な新規な植物由来ヌクレアーゼが提供される。セロリー、例えば、(Apium graveolens var. dulce)は、挿入的/欠失的DNAループ障害およびミスマッチにつき高度に特異的である豊富な量の本発明のヌクレアーゼを含有する。ここにCEL Iと命名される本酵素は、ミスマッチヌクレオチドの3’側のホスホジエステル結合で切断する。CEL Iは、実質上均質となるように、約10,000倍精製された。
本発明の好ましい具体例において、標的配列を含めたポリヌクレオチドとハイブリダイズできるポリヌクレオチドの非変異配列を参照として、一本鎖哺乳類ポリヌクレオチドの標的配列中の突然変異を検出する方法が提供される。該配列は、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)によって増幅され、検出マーカーで標識され、相互にハイブリダイズさせ、本発明のCEL Iに曝露させ、突然変異の存在につきゲル上で分析される。
本発明の植物由来エンドヌクレアーゼは、特性の独特の組合せを有する。これらは、本発明の方法を実施するにおいて形成されるハイブリダイズした配列間の全ての可能なミスマッチを検出し;かくハイブリダイズした配列間のポリヌクレオチドループおよび挿入を認識し;当該ハイブリダイズした鎖間の多型を検出し;長さが約100bpおよび3kb間のポリヌクレオチド鎖中の配列相違を認識し、フランキングDNA配列の実質的な有害作用なくして標的ポリヌクレオチド配列中のかかる突然変異を認識する能力を含む。
植物ベースのエンドヌクレアーゼである本発明のCEL Iは、セロリーに対して特有というのではない。機能的に類似する酵素活性が14の異なる植物種において示されている。従って、本酵素は植物界で保存されているようで、セロリー以外の植物から精製することもできる。セロリー以外の植物からの本エンドヌクレアーゼ活性を精製する手順は当業者によく知られており、本発明の範囲内にあるものと考えられる。かかる酵素は、例えば、本発明に従って、植物種Arabidosis thalianaから実質的に均質になるまで精製された。ARA Iと命名されるこの新規酵素は、その酵素活性が、CEL Iと同様であり、従って、本発明の遺伝的突然変異スクリーニングアッセイに役立てるために用いることもできる。
植物ベースのエンドヌクレアーゼは、植物界に限定されるものではなく、他の生物形態中にも同様に見出すこともできる。かかる酵素は、セロリー中のCEL Iの機能と同様の機能を発揮し、またはDNA代謝の他の特別な段階に適合させることもできる。かかる酵素またはそれらをコードする遺伝子は、CEL Iと同一または類似に機能できるように酵素活性を生じさせるように使用または修飾することもできる。また、かかる遺伝子の単離およびその修飾も本発明の範囲内のものである。
本発明のもう一つの具体例において、前記方法は、DNAリガーゼ、DNAポリメラーゼまたはその組合せと併用し、それにより、非特異的DNA切断が減少する。
本発明のさらにもう一つの具体例において、多重分析として本明細書で引用される技術によって、本発明の前記の酵素および方法を用いて多数の試料の同時分析が実施される。
本発明のパラメーターをより明確に記述するために、以下の定義を供する:
「エンドヌクレアーゼ」なる用語は、DNAを内部で切断できる酵素をいう。
「単離された核酸」なる用語は、それが由来する生物の天然に生じるゲノム中の通常直ぐ隣接する(5’および3’方向)配列から分離されたDNAまたはRNA分子をいう。
「塩基対ミスマッチ」なる用語は、ワトソンおよびクリック塩基対合規則に従って核酸中で通常は形成されない塩基対の組合せを示す。例えば、DNA中に一般的に見出される塩基、すなわちアデニン、グアニン、シトシンおよびチミジンを扱う場合、塩基対ミスマッチは、通常DNA中に見出されるA−TおよびG−C対以外の塩基組合せである。本明細書に記載されたごとく、例えば、シトシン残基が、本来の対合パートナーであるグアニンに対抗して、もう一つのシトシンに対して見出されることを意味するC/Cのごときミスマッチが示され得る。
「DNA挿入または欠失」なる熟語は、挿入および欠失した塩基の領域にわたり相補性が維持されないような、DNAの2つの鎖間における「マッチした」塩基の存在または不存在をいう。
「相補的」なる用語は、実質的に正常な対合特性を呈する2つのDNA鎖をいう。しかしながら、相補的DNAは1以上のミスマッチを含み得る。
「ハイブリダイゼーション」なる用語は、2つの相補的DNA鎖間で起こる水素結合をいう。
「フランキング核酸配列」なる熟語は、エンドヌクレアーゼ切断部位に対して5’側および3’側にある隣接する核酸配列をいう。
「多重分析」なる用語は、前記の方法によるプールされたDNA試料の同時アッセイをいう。
「実質的に純粋な」なる用語は、注目する物質の少なくとも50〜60重量%を含む調製物をいう。より好ましくは、調製物が注目する物質の少なくとも75重量%、最も好ましくは、90〜99重量%を含む。純度は、蛋白質の場合はクロマトグラフィー法、アガロースまたはポリアクリルアミドゲル電気泳動、HPLC分析などを含めた、精製すべき物質に適切な方法によって測定される。
C>Tは、ミスマッチを生起するチミジン残基に代えてのシトシン残基の置換を示す。ミスマッチまたは多型を生起するもう一つに代えてのいずれかの塩基の不適当な置換もこのように示すこともできる。
N,N,N’,N’-テトラメチル-6-カルボキシルローダミン(TAMRA)は、DNA分子量標準を標識するのに用いる蛍光染料であり、該標準は自動DNA配列決定によって分析されるDNAについての内部標準として利用される。
プライマーは、6-カルボキシフルオレセイン(6-FAM)で蛍光標識することができる。別法として、プライマーは、4,7,2’,7’-テトラクロロ-6-カルボキシフルオレセイン(TET)で標識することもできる。他の代替DNA標識法は、当該技術分野で知られており、本発明の範囲内にあると考えられる。
CEL Iは、実質的に均質となるように精製され、かくして、アミノ末端ペプチドの配列決定は、対応する特異的オリゴヌクレオチドプローブを供してセロリーからの酵素のクローニングを促進すると考えられる。遺伝子のクローニングおよび配列決定に続き、いずれかの数の組換えDNAシステムにおいて該遺伝子を発現させることができる。この手順は当業者によく知られており、本発明の範囲内にあると考えられる。
図面の簡単な記載
図1は、精製酵素CEL Iのドデシル硫酸ナトリウム(SDS)ポリアクリルアミドゲル分析の結果を示す。分子量マーカーの位置を片側に示す。Tは、分解ゲルの先端を示す。
図2は、本発明に従って核酸分析を行うのに用いたある種のヘテロデュプレックスDNA基質を示す。図2Aは、5’-Pまたは3’-OHのいずれかの末端にて標識できる64量体を示す。本分析で参照として用いられたヌクレオチド位置を、ヌクレオチド挿入数とは無関係に頂部鎖中のXにおいて示す。挿入された配列および基質の番号は表中に示す。図2Bは、本分析で用いられたミスマッチ塩基対基質を示し、種々の誤対合基質を生じるように付表中におけるごとく変化させたヌクレオチドYおよびZが何であるかも共に示す。
図3は、異なる基質中のCEL I切断に対する温度の影響を示すオートラジオグラムである。
図4は、一ヌクレオチドのDNAループにおけるCEL Iの相対的切断優先性を示すオートラジオグラムである。図4Aは、X=Gに加えて、X=Cもまた、2つの代替塩基対合立体配座を可能とすることを示す。図4Bは、基質の底部鎖が16レーン中の#10のC/Cミスマッチにおけるごとく、CEL I切断に対して受容能があることを示す。
図5は、単一らせん外ヌクレオチドのDNAミスマッチにおける精製CEL I切断のAmpliTaq DNAポリメラーゼ媒介刺激を示す、変性15%ポリアクリルアミドゲルのオートラジオグラムである。Fは、頂部鎖の5’末端(*)で標識された64ヌクレオチド長の全長基質を示す。パネル5A、5Bおよび5Cでは、DNAポリメラーゼの存在または不存在下で、CEL Iの量を変えて基質を処理した。
図6は、AmpliTaq DNAポリメラーゼの存在または不存在下でのらせん外G残基におけるCEL I切断の至適pHを示すオートラジオグラムである。頂部パネルは、AmpliTaq DNAポリメラーゼの不存在下でのCEL I活性を示す。底部のパネルは、ポリメラーゼの存在下でのCEL I活性を示す。
図7は、AmpliTaq DNAポリメラーゼの存在下での精製CEL Iによる塩基置換ミスマッチの認識を示すオートラジオグラムである。(I)は、ミスマッチヌクレオチドの3’側のホスホジエステル結合における一次切断部位を示す。パネル7Aは、CEL IおよびDNAポリメラーゼ双方の存在下での基質の一切断を示す。パネル7Bでは、CEL Iは省略した。
図8は、過剰な野生型DNAの存在下、プールされたDNA試料中の突然変異を認識するCEL Iの能力を示すオートラジオグラムである。レーン3、5、6、10、11,12および13は、野生型ヘテロデュプレックスを含有する単一試料を含む。レーン4および6は、AG欠失を含む。レーン8および9は、11塩基対ループを有する基質を含む。前記の試料をプールし、CEL Iで処理した。この「多重分析」の結果をレーン14に示す。
図9は、過剰な野生型DNAの存在下で突然変異を認識するCEL Iの能力を示すオートラジオグラムである。1、2、3、4、10または30のヘテロデュプレックス化放射性同位体標識PCR産物(BRCA1遺伝子のエクソン2から増幅された)を単一反応管中でCEL Iに曝露し、生成物を6%ポリアクリルアミドゲルで泳動させた。レーン1および2は、CEL Iの不存在下での陰性対照の泳動である。レーン3ないし11は、野生型非変異ヘテロデュプレックスの量を増やしつつ存在させたときに、AG欠失を有する1つの試料を含む。
図10は、BRCA1遺伝子およびその遺伝子中のエクソン境界の模式的代表的なダイアグラムを示す。
図11は、PCR増幅およびCEL Iでの処理に続いての、BRCA1の11Dエクソン中の5塩基欠失の位置決定を示す、試料のヒストグラムである。スパイクは、ミスマッチ部位でのCEL Iによる切断によって生じた特異的サイズのDNAフラグメントを示す。パネルAは、BRCA1のヌクレオチド3177でアニールされた6-FAM標識化プライマーで得られた結果を示す。パネルBは、エクソン11およびエクソン12間のイントロン内に73塩基アニールされたTET標識プライマーで得られた結果を示す。パネルCは、TAMRA内部レーンサイズ標準を表す。突然変異の位置は、DNAの両鎖上で評価できることに注意されたし。
図12は、PCR増幅およびCEL Iでの処理に続いての、BRCA1の11Cエクソン中の2154位でのナンセンス突然変異、A>Tおよびヌクレオチド2201での多型C>Tの位置決定を示す試料のヒストグラムである。ナンセンス突然変異の部位に対応して、パネルAは、塩基#700でスパイクを示し、パネルBは、#305でスパイクを示す。パネルCは、TAMRA内部レーン標準である。
図13は、本発明の方法を用いてエクソン11A中の突然変異の存在について分析した4つの異なる試料から得られた結果を示す。6-FAM試料からの結果を示す。パネルAは、ヌクレオチド2430での多型T>Cおよびヌクレオチド2731でのもう一つの多型C>Tの部位に対応する#483位での第2のスパイクを示す。パネルBは、パネルA中に記載された第2の多型のみを示す。パネルCは、多型または突然変異を示さない。パネルDは、パネルAで見られる2つの多型を示す。
図14は、Arabidopsis thalianaのARA Iミスマッチエンドヌクレアーゼについての精製スキームを示すゲルを示す。レーン1:フレンチ・プレス(French Press)によって破壊された細胞の粗抽出物; レーン2:25%〜85%飽和硫酸アンモニウム分別; レーン3:Con A−セファロースアフィニティーカラム、ARA Iは、α-メチルマンノシドにより溶出させた; レーン4:ホスホセルロースP−11カラムのARA Iピーク; レーン5:DEAE Sephacelアニオン交換カラムのARA Iピーク。分子量標準は、レーン中にて「S」で示す。
図15は、ARA Iが精製スキームを通じてミスマッチ基質を切断することを示す変性DNA配列決定ゲル分析のオートラジオグラムを示す。レーン番号は、図14中の精製工程のそれらに対応する。パネルA、B、Cは、各々、基質#2、基質#4および基質#18(非ミスマッチ対照基質)のARA I切断を示す。F=全長、I=ARA I切断。
図16は、ARA Iベースのミスマッチ検出アッセイの模式的ダイアグラムである。
図17は、ミスマッチを含むヘテロデュプレックスに対するARA Iのヌクレオチド内分解活性のジーンスキャン分析から得られたデータの図解である。
図18は、BRCA1遺伝子のエクソン19の野生型対立遺伝子を用いる一連の対照反応が関与する、ARA I対CEL Iのジーンスキャン突然変異検出の比較を示す。DNAの本フラグメントはいずれの突然変異も含まず、従って、ミスマッチニッキングは観察されなかった。パネルAおよびBは、7ngのCEL Iで処理され、AmpliTaq DNAポリメラーゼによってミスマッチ切断において刺激された2つの鎖を示す。B=(6-FAM);G=(TET)。パネルCおよびDは、AmpliTaq DNAポリメラーゼよる刺激なくして、20ngの精製ARA Iで処理された2つの鎖である。パネルEおよびFは、AmpliTaq DNAポリメラーゼの存在によってミスマッチ切断の間に刺激された20ngのARA Iで処理された2つの鎖を示す。
図19は、BRCA1遺伝子のエクソン19中のCEL IおよびARA Iミスマッチ検出活性の並べたジーンスキャン分析を示す。パネルAおよびBは、0.5ユニットのAmpliTaq DNAポリメラーゼの存在下における、7ngのCEL Iを用いるミスマッチ切断を示す。パネルCおよびDは、AmpliTaq DNAポリメラーゼなくしての、20ngのARA IによるAヌクレオチド欠失ミスマッチの切断を示す。パネルEおよびFは、0.5ユニットのAmpliTaq DNAポリメラーゼの存在下によってミスマッチ切断中に刺激された2ngのARA Iによる同一基質の切断を示す。検出された全ての突然変異および多型は、自動化配列決定により確認された。これらの結果は、CEL I突然変異検出法と同様にARA IがSSCPまたはDNA配列決定で検出するのが困難である突然変異を同定できることを示唆する。
図20は、BRCA1遺伝子のエクソン2の野生型対立遺伝子を使用する一連の対照反応のシリーズを含む、ARA I対CEL Iのジーンスキャン突然変異検出の比較を示す。図18におけるごとく、本遺伝子セグメントは、いずれの突然変異も含まず、かくして、ミスマッチニッキングは観察されない。パネルAおよびBは、0.5ユニットのAmpliTaq DNAポリメラーゼによってミスマッチ切断中で刺激された7ngのCEL Iで処理された2つの鎖を示す。パネルCおよびDは、AmpliTaq DNAポリメラーゼによる刺激なくして、20ngの精製ARA Iで処理された2つの鎖を示す。パネルEおよびFは、AmpliTaq DNAポリメラーゼの存在によるミスマッチ切断のために刺激された20ngのARA Iで処理された2つの鎖を示す。パネルGおよびHは、0.5ユニットのAmpliTaq DNAポリメラーゼの存在によってミスマッチ切断のために刺激された2ngのARA Iで処理された2つの鎖を示す。
図21は、BRCA1遺伝子のエクソン2中のCEL IおよびARA Iミスマッチ検出のジーンスキャン分析を示す。パネルAおよびBは、0.5ユニットのAmpliTaq DNAポリメラーゼの存在における7ngのCEL IによるAG−欠失ミスマッチ切断を示す。パネルCおよびDは、AmpliTaq DNAポリメラーゼなくしての、20ngのARA IによるAGヌクレオチド欠失ミスマッチの切断を示す。パネルEおよびFは、0.5ユニットのAmpliTaq DNAポリメラーゼの存在によってミスマッチ切断において刺激された20ngのARA Iによる同一基質の切断を示す。パネルGおよびHは、0.5ユニットのAmpliTaq DNAポリメラーゼの存在によるミスマッチ切断において刺激された2ngのARA Iによる同一基質の切断を示す。
図22は、ARA IおよびCEL Iのそれと同様のミスマッチエンドヌクレアーゼ活性が、10種の他の植物の抽出物に存在することを示すオートラジオグラムである。
図23は、ARA IおよびCEL Iと同様のミスマッチエンドヌクレアーゼ活性が、11種の他の植物の抽出物に存在することを示すオートラジオグラムである。
発明の詳細な記載
DNA複製の間の正しい塩基配列の維持についての酵素的基礎は、E.coli.で広範に研究されてきた。本生物は、4ヌクレオチド長までの挿入/欠失と同様にヘミメチル化DNA中の種々のDNA塩基対ミスマッチを訂正するミスマッチ修復経路を進化させてきた。この経路を欠く細胞はより頻繁に突然変異し、それゆえに、当該遺伝子は、MutS、MutLおよびMutH等と呼ばれる。MutS蛋白質は、ミスマッチに結合し、MutHは、A残基がメチル化されていない鎖上のGATC部位でDNAを切断するエンドヌクレアーゼである。MutLは、修復の間にMutHおよびMutSとで複合体を形成する。MutSおよびMutLの相同物は多くの系で存在するが、MutHは存在しない。酵母において、MSH2(MutS相同物)は、それ自体ミスマッチに結合できるが、2つのMutL相同物(MLHおよびPMS1)プラスMSH2の複合体が観察されている。ヒト相同物hMSH2は、ヒトのマイクロサテライト繰返しでの誤整列のごときメカニズムによりしばしば生起する14ヌクレオチド長までより大きなDNA挿入に結合するように進化してきた。ループ修復におけるhMLH1の役割は不明である。これらのヒト相同物のいずれか1つにおける突然変異は非ポリープ性結腸癌の遺伝的形式の原因であることが示された(27、28)。
セロリーは、光感作性インターカレーターであるソラレンを組織グラム当たり40μgを超えて含有する(3)。必然的に、セロリーは挿入、欠失および他のソラレン・フォトアダクツ(photoadduct)の障害の修復について高い能力を有するであろう。障害部位における一本鎖性は、塩基置換およびDNAループ障害に共通する。以下の例におけるデータは、セロリー、Arabidopsis thalianaおよび他の植物種が、これらの潜在的な突然変異誘発性の事象に対処するために豊富なミスマッチ−特異的エンドヌクレアーゼを有することを示す。
CEL Iによるミスマッチ部位での切断は、DNAポリメラーゼの存在によって顕著に刺激されることが判明した。単一ヌクレオチド挿入を含むDNAループでは、CEL I基質優先性は、A≧G>T>Cである。塩基置換ミスマッチ塩基対については、CEL I基質優先性は、C/C≧C/A〜C/T≧G/G>A/C〜A/A〜T/C>T/G〜G/T〜G/A〜A/G>T/Tである。CEL Iは、pH6ないしpH9の広範囲のpH至適を示す。ループ切断と比較して程度は低いが、CEL Iは一本鎖DNアーゼでもあり、弱いエキソヌクレアーゼである。CEL Iは、他のヌクレアーゼと比較して、新規な生化学的活性を有する。リョクトウ・ヌクレアーゼは一本鎖DNアーゼおよびRNアーゼである39kdのヌクレアーゼであり、脱安定化領域およびDNAループでDNAをニックする能力を有する(19〜22)。しかしながら、それは5.0においてpH至適を有する。リョクトウ・ヌクレアーゼ活性が、CEL Iの場合におけるDNAポリメラーゼによって刺激され得るか否かは知られていない。従って、CEL Iおよびリョクトウ・ヌクレアーゼは相違する酵素であるらしい;しかしながら、このことはまだ最終的に確認されていない。
CEL I活性のAmpliTaq DNAポリメラーゼ刺激の原因となるメカニズムは、現在不明である。一つの可能性は、DNAポリメラーゼが、ミスマッチでのCEL I切断によって生成する3’-OH基に高い親和性を有し、単にその部位での競合によってCEL Iを置換するということである。CEL Iは、異なるミスマッチでの切断により生成される3’-OH末端に異なる親和性を有し、それにより、AmpliTaq DNAポリメラーゼがその活性を刺激できる程度を低下させるかも知れない。DNA修復において修復エンドヌクレアーゼを置換するためのDNAポリメラーゼの使用は、UvrABCエンドヌクレアーゼメカニズムについても観察された(25)。UvrABCエンドヌクレアーゼは、DNAポリメラーゼIが存在しないと代謝回転しないことが示されている。CEL I活性を刺激できるin vivoでの蛋白質因子は、DNAポリメラーゼに限られないかもしれない。DNAヘリカーゼ、DNAリガーゼ、3’-5’エキソヌクレアーゼまたはDNA末端に結合する蛋白質はその機能を遂行する可能性がある。
5’-標識基質は、変性ポリアクリルアミドゲルにてCEL I切断バンドを示すのに使用できることに注意することが重要である。最近、推定ヒト全型ミスマッチ切断活性(24)がヒト・トポイソメラーゼIに関連することが示された。3’末端にDNAニックがある共有結合酵素-DNA中間体の形成によるミスマッチニッキングの後、この酵素は5’-標識基質からそれ自体を放出することができない(26)。本共有結合蛋白質-DNA複合体は、変性ポリアクリルアミドゲルに移動してバンドを形成することができない。CEL Iミスマッチニッキングは5’-標識基質に関して示されてきた。従って、CEL Iは、トポイソメラーゼI様ヒト全型ミスマッチ修復活性の植物同等体ではない。
CEL Iは、コンカナバリンA−セファロース樹脂へのその強い結合および過ヨウ素酸シッフ糖蛋白質染料でのCEL Iの染色によって判断して、マンノピラノシル糖蛋白質であるらしい。知られている限り、修復酵素は、糖蛋白質であるとは示されていない。糖蛋白質は、細胞から細胞膜上に分泌されるかあるいは細胞小器官内へ分泌されることがしばしば見出されている。しかしながら、糖蛋白質は重要な機能のために核に存在することも示されている。アレチネズミ繊維腫細胞が熱ショック処理に付されると、100kDaのストレス糖蛋白質のレベルが核中で増加することが知られている(27)。ヒト細胞中のRNAポリメラーゼIIについての転写因子は、N-アセチルグルコサミン残基で修飾されることが見出されている(28、29)。最近、鉄-結合性糖蛋白質のラクトフェリンが、ヒト細胞の核中のDNAと結合し、配列特異的に転写を活性化することが見出された(30)。いくらかのウィルスで感染した細胞の核は、ウイルス糖蛋白質を含有することが知られている(31〜33)。糖蛋白質が核膜上または核膜孔のみならず核の内側で存在することが知られているこれらの例は、グリコシル化蛋白質が核中で重要であるかも知れないことを示す傾向にある。CEL Iは、DNA修復に関係できる糖蛋白質の例であるらしい。
セロリー・ミスマッチエンドヌクレアーゼCEL Iの性質は、一本鎖ヌクレアーゼのそれと類似している。CEL Iに最も適合する基質は、DNAループおよびC/Cミスマッチのごとき塩基置換ミスマッチである。対照的に、4ヌクレオチドを超えるループおよびC/Cミスマッチは、E.coli mutHLSミスマッチ修復システムにおける最悪適合の基質である(1、2)。従って、CEL Iは新規なミスマッチエンドヌクレアーゼ活性を有する酵素である。
より詳細に本発明を記述するために以下の実施例を提供する。本発明を実施するのに現在考えられる最良の態様を記載するこれらの実施例は例示的なものであることを意図し、本発明を限定するものではない。
実施例 I
CEL Iの精製
2つの異なるCEL I調製物を下記のごとく作成した。それらの特性は、純度が低い調製物(Mono Q画分)がCEL I活性を刺激できる蛋白質因子を含有できることを除いて同様である。
(i)CEL I Mono Q画分の調製
ワーリングブレンダー中で、10μMフッ化フェニルメタンスルホニル(PMSF)を含む0.1M Tris−HCl pH7.0の緩衝液(緩衝液A)100mlでセロリー茎100グラムを4℃にて2分間ホモジナイズした。混合物を遠心によって清澄化し、上清を-70℃で貯蔵した。FPLC Mono Q HR5/10カラムでのアニオン交換クロマトグラフィーによって抽出物を分画した。結合したCEL Iヌクレアーゼ活性を約0.15M KClにて塩の直線勾配で溶出させた。
(ii)高度に精製されたCEL Iの調製
4℃のセロリー7kgをジューサーで抽出し、10×緩衝液Aで調整して、1×緩衝液Aの最終濃度とした。抽出物を25%ないし85%飽和硫酸アンモニウム沈殿工程で濃縮した。最終ペレットを250mlの緩衝液Aに溶解し、緩衝液A中の0.5M KClに対して透析した。10mlのコンカナバリンA−セファロース樹脂(Sigma)で4℃にて溶液を一晩インキュベートした。スラリーを直径2.5cmのカラムに詰め、緩衝液A中の0.5M KClで洗浄した。結合したCEL Iを65℃にて緩衝液A中の0.3Mα-Dマンノース、0.5M KClの60mlで溶出させた。CEL Iは、25mM KPO4、10μM PMSF、pH7.4の溶液(緩衝液B)に対して透析し、緩衝液B中で平衡化したホスホセルロースカラムに適用した。結合した酵素を緩衝液B中のKClの直線勾配で溶出させた。このカラムからのCEL I活性のピークを、さらに、0.2M KCl,1mM ZnCl2,10μM PMSF,50mM Tris−HCl pH7.8中Superose 12 FPLC カラムにてサイズ分画した。このゲル濾過からのCEL Iピークの中央を、本研究で精製CEL Iとして使用した。約34000ダルトンの蛋白質バンドは、図1に示すごとく、15%ポリアクリルアミドゲルSDS PAGEゲル上で、Superose 12画分の5mgのCEL Iをクーマシーブルー染色または炭水化物染色(過ヨウ素酸シッフ塩基染色キット、SIGMA Chemicals(5))で視覚化すると目で視えた。おおよそ36000ダルトンの第2のバンドもゲル中で見えた。両バンドを糖蛋白質特異的染料で染色した。2つのバンドで観察された微妙な移動度の相違は、異なるグリコシル化のためかも知れない。あるいは、それらは、CEL Iで共精製する調製物中では汚染物質であるのかも知れない。
蛋白質測定
試料の蛋白質濃度は、ビシンコニン酸蛋白質アッセイによって測定した(4、Pierce)。
CEL I酵素の精製に続き、実験用および臨床用DNA基質の突然変異分析を適当なゲルシステムで行った。CEL Iは、種々のミスマッチ、欠失および挿入においてDNAを認識し、それを切断した。以下の実施例は、より詳細に、本発明に従い突然変異分析を行った方法を記載する。
実施例 II
種々のミスマッチを含むヘテロデュプレックスの調製
64塩基対長のDNAヘテロデュプレックス基質は、JonesおよびYeung(34)に報告された同様の方法を用いて調製されたミスマッチ塩基対またはDNAループを含むように構築した。DNAループは、図2に示したごとく異なるヌクレオチドおよび種々のループサイズで構成される。DNAデュプレックスは、4つの末端のうち一つで標識し、そのため誤対合ヌクレオチドでのDNAエンドヌクレアーゼ切断は、変性DNA配列決定ゲル上で切形DNAバンドとして同定できた。オリゴヌクレオチドは、Applied Biosystems DNAシンセサイザーで合成し、50℃にて7M尿素の存在下、変性PAGEゲルを用いて精製した。精製一本鎖オリゴヌクレオチドは、適当な相手方鎖とハイブリダイズさせた。ミスマッチを含むか含まないDNAデュプレックスは、非変性PAGEゲルを用いて精製した。DNAは、AMICONモデル57005電気溶出機のCentriconユニット中、電気溶出法を用いることによってゲルスライスから溶出させた。このユニットの上方貯蔵器は改造して、クロス-汚染を予防するため防水隔壁を含ませた。
実施例 III
ミスマッチエンドヌクレアーゼアッセイ
実施例IIに記載した50ないし100fmolの5’[32P]-標識基質を20mM Tris−HCl pH7.4,25mM KCl,10mM MgCl2中のMono Q CEL I調製物と共に0℃ないし80℃の温度で30分間インキュベートした。0.5ないし2.5ユニットのAmpliTaq DNAポリメラーゼをヌクレアーゼアッセイ反応液に加えた。示す場合、10μM dNTPを(図2および5)反応混合液に含ませた。20μlの反応は、1.5%SDS、47mM EDTAおよび75%ホルムアミド+トラッキング染料の10μlを添加して停止させ、7M尿素中、50℃にて変性15%PAGEゲルで分析した。オートラジオグラムを用いて放射性バンドを可視化した。化学的DNA配列決定ラダーをサイズマーカーとして含ませた。同一レーンでの切断バンドおよびDNA配列決定ラダーの共-電気泳動によって、切断部位を正確に決定した。
実施例 IV
単一ヌクレオチドDNAループおよびヌクレオチド置換でのCEL I切断活性に対する温度の影響
セロリー抽出物のMono Qクロマトグラフィーから溶出したCEL I画分は、単一らせん外グアニン(基質#2)またはチミジン残基(#3)を持つDNAループを含むDNAヘテロデュプレックスを特異的にニックすることが見出されたが、図3に示されたごとき完全に塩基対合したDNAデュプレックス#1ではそうではなかった。これらの実験において、約6000Ci/ミリモルのγ-[32P]ATPおよびT4ポリヌクレオチドキナーゼで各々を標識したヘテロデュプレックス#2(レーン3〜9)、#3(レーン10〜16)、完全に塩基対合したデュプレックス#1(レーン17〜23)および一本鎖DNA基質(レーン24〜30)の50fmolを、20mM Tris−HCl pH7.4,25mM KCl,10mM MgCl2中のCEL I調製物のMono Q画分0.5μl(10μg)と共に種々の温度にて30分間インキュベートした。各20μlの反応物をキシレンシアノールおよびブロモフェノールブルーを含有する1.5%SDS、47mM EDTAおよび75%ホルムアミドの10μlの添加によって終了させた。試料10μlを、約50℃にて15%ポリアクリルアミドゲル、7M尿素変性DNA配列決定ゲルに負荷し、従前に報告されている(7)ごとく電気泳動分離およびオートラジオグラフィーに付した。G+AおよびTの化学的配列決定反応を記載された(7)ごとくに行い、サイズマーカーとして使用した。CEL I切断は、約35ヌクレオチド長のバンドを生じた。線は、切断バンドの位置から参照配列決定ラダー中のエンドヌクレアーゼによってニックされたホスホジエステラーゼ結合(IおよびII)まで引いた。5’-標識基質については、ヌクレアーゼがヌクレオチドの5’側をニックし、3’-OH末端を生成する場合、切形バンドは、化学的DNA配列決定反応生成物レーン中のそのヌクレオチドのバンドより半ヌクレオチドの間隔だけゆっくりと泳動する(34)。
基質#2は、挿入されたGがCGCG配列内にあるので、2つの立体配座にて塩基対合できる。従って、このデュプレックスが:
とハイブリダイズする場合、第2または第3のヌクレオチド位置いずれかにおけるG残基は不対合となり得、おそらく立体配座はらせん外となる。
従って、2つのミスマッチ切断バンドが観察され、各々は不対ヌクレオチドの直ぐ3’側のホスホジエステル結合に関連付けられる。図3、レーン3〜9参照。このズレは、GまたはCがミスマッチ頂部鎖にある場合にのみ標的配列中に生じ得る。従って、基質#3中の非対T残基は、基質#2から誘導された上方バンドと同一の相対的位置で1つの切断バンドを与えた。図3、レーン10〜16参照。これらのゲル移動度は、デオキシリボース部位上の3’-OH基の生成と一致する(6)。CEL Iは、バンド強度の増大によって示されるごとく温度が45℃に至るまで活性が増加する。図3参照。しかしながら、65℃ないし80℃では、DNAデュプレックスの変性のために特異性が減少する。
実施例 V
CEL Iの相対的切断優先性
各DNAデュプレックスでの単一エンドヌクレアーゼ切断があるか否かを確認するために、図3に記載された実験を、頂部鎖の3’末端で標識されたDNAにて繰り返した。もし、ただ一つの切断部位があったなら、5’または3’末端で標識された基質によって明らかにされた最初の切断位置は同一のホスホジエステル結合であるはずである。これらの実験では、基質を、約6000Ci/ミリモルまで、[32P]α-dCTP、冷dGPTおよびDNAポリメラーゼIのクレノウフラグメントで3’末端にて標識した。試料調製、変性ゲル分解およびオートラジオグラム分析は,単一温度の37℃にて30分間、10μgのCEL I Mono Q画分で50fmoleの基質をインキュベートした以外は、図3に記載したのと同一である。基質#4および#5についてのDNA配列決定ラダーをレーン1〜4に示し、使用したDNA配列を図示した。レーン5〜8は、インキュベーションの間酵素はなかった。レーン9〜12は、各々、基質#2、#4、#5、#3のミスマッチエンドヌクレアーゼ切断である。線は、切断バンドの位置から参照配列決定ラダー中のエンドヌクレアーゼによってニックされたホスホジエステル結合(I)に至るまで描いた。レーン13および14は、正確に切断位置を決定するための化学的DNA配列決定ラダーと共にCEL I切断バンドの共電気泳動を示す。基質#2、#3、#4および#5についての相対的切断優先性は、3’標識基質につき図4に示す。図4のレーン9〜12における切断バンドの移動度は、切断反応が不対合ヌクレオチドの直ぐ3’側のホスホジエステル結合で生じたことを示す。従って、切断部位は、5’または3’末端いずれかにて標識した基質と同一である。DNA切断が同一の結合位置で生じることが見出されるという事実は、基質DNAが5’末端または3’末端で標識されたかどうかに拘らず、CEL IがDNAグリコシラーゼでないことを示す。DNAグリコシラーゼメカニズムは、2つのDNA基質中のDNA切断位置を1塩基離れさせるであろう。というのは、塩基はDNAグリコシラーゼによって切除されるためである。
切断部位の正確な決定は、基質#2の標識頂部鎖のT残基の化学的配列決定反応物(レーン13)とレーン9のCEL I切断生成物とを混合し、同一レーンで分析されたレーン14における例のごとくに行った。3’-標識基質については、ヌクレアーゼがヌクレオチドの3’側をニックし、5’PO4末端を生成する場合、切形バンドは、化学的DNA配列決定反応生成物レーンにおけるそのヌクレオチドのバンドと共に泳動する(7)。さらに、化学的DNA配列決定のサイズ標準に対するゲル移動度は、DNAニックが5’−リン酸化末端を生じたことを示す(6)。単一ヌクレオチド挿入を持つDNAループについて、ヌクレアーゼ特異性は、A≧G>T>Cである。図4Aにおいて、5’ないし3’エキソヌクレアーゼ活性の少量がこのCEL I調製物中に存在することが分かる。
CEL Iが頂部鎖中の一つのヌクレオチドのDNAループから横切って底部の鎖中で切断できるか否か、またはループを含む鎖のニッキングがニックから横切る第2のCEL I切断に導くこともできるか否かを試験するために、基質#2中の不対合ヌクレオチドを含まない底部鎖を3’末端にて標識し、CEL Iの存在下でインキュベートした。図4のレーン9に見られる、頂部鎖におけるらせん外ヌクレオチド、または基質#2の頂部鎖中にCEL Iによって作られたDNAニックは、底部鎖の有意なニッキングに至らなかった(レーン18)。DNA配列効果が、底部鎖ではなく上部鎖におけるCEL I切断に有利であるかも知れない可能性に対する対照として、CEL Iをレーン15および16のC/Cミスマッチ基質中の底部鎖の切断について試験した。CEL Iがレーン16中に存在した場合、ミスマッチ切断がなされた。
修復エンドヌクレアーゼの切断部位の特徴付けにおいては、1つまたは2つの切断が各障害のためになされたか否かを判断することは重要である。これは、DNAデュプレックスの4つの末端で、標識されている障害含有基質を用いることによって通常は達成される。この試験は、底部鎖では切断がほとんど不在のため3つの標識基質を用いることによって基質#2の分析中で満足される。図3、レーン4〜7および図4、レーン9の各々において、5’標識および3’標識基質の両者の本基質の切断を比較した。切断部位は、両ケースにおいて誤対合ヌクレオチドの3’側であることが見出された。基質#2について底部鎖上の切断の欠如は、図4のレーン18で示された。有意な底部鎖切断が生じなかったので、この場合、5’標識基質のみ必要であった。
実施例 VI
DNAループ誤対合における切断に対するAmplitaq DNAポリメラーゼの効果
CEL I活性はDNAポリメラーゼの存在によって刺激される。図5では、単一ヌクレオチドループ基質におけるCEL I切断は、いずれのヌクレオチドがループ中に存在するかに依存してAmpliTaq DNAポリメラーゼによって種々の程度刺激された。AmpliTaq DNAポリメラーゼ刺激を説明するためには、CEL Iの異なる量を用いることが必要であった。らせん外Cおよびらせん外T基質での切断の刺激は、図5AおよびBに最良に示され(それぞれのパネルにおいて、レーン9とレーン4とを、レーン10とレーン5とを比較せよ)、そこでは、より高いCEL Iレベルがそれらの誤対合での良好な切断を示すために必要である。CEL Iについて最も良好な基質に属するらせん外Gおよびらせん外A基質については、AmpliTaq DNAポリメラーゼ刺激は、図5のごとくCEL Iの大変低いレベルを用いて、最良に示すことができる。図5中のCEL IのAmpliTaq刺激の量を定量し、表Iに示した。
オートラジオグラムは、AMBISデンシトメーターで2次元的に定量し、各バンドにおけるシグナルの量はカウントとして与えた。
実施例 VII
CEL I活性の至適pH
らせん外G基質についてのCEL IのpH至適は、AmpliTaq DNAポリメラーゼの不存在または存在下で調べた。CEL I(9.5ng)を、pH5〜6.5(イミダゾール)およびpH7〜9.5(Tris−HCl)の緩衝液の20μl反応液中の基質100fmolと共に37℃で30分間インキュベートした。使用する場合、0.5ユニットのAmpliTaq DNAポリメラーゼを、各々、頂部(−ポリメラーゼ)または底部パネル(+ポリメラーゼ)に存在させた。図6に示すごとく、CEL IはpH5.0ないし9.5で活性であることが判明し、約pH7.5を中心として広域pH至適を示した(頂部パネル)。AmpliTaq DNAポリメラーゼが存在する場合、切断は、全pH範囲にわたって刺激された(底部パネル)。該アッセイ法は、初期の反応速度を用いず、従って、CEL IのこのpHプロフィールの定量的結論を除外した。しかしながら、酵素が中性pH範囲で大変良く働くことは明らかである。
実施例 VIII
塩基対置換におけるCEL Iによる切断
また、ミスマッチ基質の他の組合せは、CEL Iにより認識され、各DNAデュプレックスの2つのDNA鎖の一つ上で切断される。これらの基質のいくらかは、DNAループを含むものと比較して、ほとんど有効に切断されない;従って、37℃の代わりに45℃をインキュベーションで用いた。頂部鎖の5’末端が標識された基質を本研究で用いた。図7のオートラジオグラムは、C残基を含むミスマッチが、C/AおよびC/Tよりもしばしば良好なC/Cにてのミスマッチ基質であることを示す。これらのミスマッチにおける切断は、2つの代替切断位置を生じる傾向にあり、一つはミスマッチC残基の3’側のホスホジエステル結合におけるものであり、一つは3’方向にさらに1ヌクレオチド取り除かれたホスホジエステル結合におけるものである。代替切断部位が、もう一つのDNA配列内という関係においてこれらのミスマッチにつき観察されるであろうか否かは、調べられていない。この現象の一つの可能な説明は、他の塩基−置換についてよりもC残基を含むミスマッチの隣のより大きな塩基対の脱安定化であろう。あるいは、特異的ミスマッチヌクレオチドは、3’側へ1位置だけシフトするのかも知れない。というのは、次のヌクレオチドもまた、C残基であって、2つの残基は、反対のDNA鎖中のG残基との対合においてそれらの役割を交換できるからである。塩基置換ミスマッチ塩基対については、頂部鎖に関してAmpliTaq DNAポリメラーゼの存在下でのCEL I特異性は、C/C≧C/A〜C/T≧G/G>A/C〜A/A〜T/C>T/G/〜G/T〜G/A〜A/G>T/Tである(図7A)。真正細菌DNAポリメラーゼは、通常でないDNA構造にて切断することが知られている(8)ので、試験は、AmpliTaq DNAポリメラーゼそれ自体が図7で用いられた13基質にて切断するかどうかを決定するために行った。オートラジオグラムの延長された曝露下で、AmpliTaq DNAポリメラーゼによるミスマッチ切断は観察されなかった(図7B)。
実施例 IX
CEL Iを用いたDNA突然変異の検出および多重分析
ミスマッチ検出のためのCEL Iの感度を、プールされたDNA試料の突然変異を検出するその能力によって示す。DNAは、Fox Chase Cancer Centerで遺伝子スクリーニングを受けた個人の末梢血リンパ球から得た。試料は、肺癌のみ、卵巣癌のみ、肺/卵巣癌症候群の家系から、または非肺/卵巣癌対照試料から得た。BRCA1のエクソン2につき特異的な非標識プライマーを用いて、当該遺伝子のこの領域をPCRした。エクソン2の野生型PCR産物を、ガンマ32P−ATPで標識した。略言すると、10ピコモルのPCR産物を、Wizard手順によって精製した(Promega)。次いでエクソン2の野生型PCR産物を、30μl 1×キナーゼ緩衝液(70mM Tris−HCl(pH7.6),10mM MgCl2,5mM ジチオトレイトール)中のT4キナーゼおよび6000Ci/ミリモルの15ピコモルのガンマ32P−ATPを用い、37℃で1時間リン酸化した。反応は、1μl 0.5M EDTAで停止させた。反応容量は、1×STE緩衝液(100mM NaCl,20mM Tris−HCl,pH7.5,10mM EDTA)で50μlとし、Pharmacia Probe Quantカラムを通して処理した。次いで、標識化DNA(100μl中1pmol/μl)を、個々の非標識PCR増幅実験試料とのハイブリダイゼーションで使用した。各個人の試料について、100fmolの非標識PCR増幅産物を、CEL I反応緩衝液(25mM KCl,10mM MgCl2,20mM Tris−HCl,pH7.5)中の200fmolの32P−標識野生型PCR産物と共にインキュベートした。変性および再生に続き、ヘテロデュプレックス放射性同位体標識PCR産物を、1×CEL反応緩衝液中でCEL Iに37℃にて30分間曝露し、10μl停止混合液(75%ホルムアミド、47mM EDTA、1.5%SDS,キシレンシアノールおよびブロモフェノールブルー)の添加により停止させた。ヘテロデュプレックスは、個々に酵素で処理するか(レーン4〜13)、あるいは1つの試験管にプールし(レーン14)、処理した。反応生成物を、7M尿素を含有する15%アクリルアミドゲルに負荷し、結果を図8に示す。分析した10試料のうち、2つはAG欠失を含み(レーン4および7)、2つは11塩基対ループを含み(レーン8および9)、他の6つは野生型であった(レーン5,6,10,11,12および13)。AG欠失におけるCEL Iによる切断の結果、2つのバンドが形成され、一方は頂部鎖からおおよそ151ヌクレオチドであり、他方は底部鎖から112ヌクレオチドにおけるものであった(レーン4および7)。11塩基対ループにおけるCEL Iによる切断の結果、頂部鎖から147ヌクレオチドにおける1つのバンド、および底部鎖中の109ヌクレオチドにおける一群のバンドが形成された(レーン8および9)。レーン1、2および3は、陰性対照としてCEL Iに曝露されなったDNAを含有し、レーン15は、64および34塩基対のヌクレオチドマーカーを含有する。当該ゲルのレーン14に見られるごとく、試料をプールし、同時にCEL Iに曝露した場合、酵素は、特異性を喪失することなく全ての前記リストの突然変異において切断した。また、野生型試料のPCR産物は、非特異的DNAニッキングを示さなかった。
プールされたDNA試料において突然変異を検出するCEL Iの能力をさらに説明するために、1、2、3、5、10または20のヘテロデュプレックスの標識PCR産物(BRCA1遺伝子のエクソン2から再度増幅したもの)を単一の反応管中にてCEL Iに曝露し、生成物を7M尿素を含有する6%ポリアクリルアミドゲルで泳動させた。試料を増幅し、前記のごとく放射性同位体標識した。各プールは、突然変異(AG欠失)を有する1つの試料のみを含有するものであった。各プールの他の試料は野生型であった。レーン1および2は、CEL Iに曝露されていない対照試料を含有するものであった。突然変異が存在したプール試料において、CEL Iは、過剰の野生型、非突然変異のDNAの存在下で、酵素の感度を示すPCR産物を矛盾なく切断した(レーン4、5、6、7、8、9および11)。対照として、突然変異を含まないヘテロデュプレックス化PCR産物を分析し、出現した突然変異に対応するバンドを切断するものはなかった(図9、レーン3および10)。
実施例 X
ハイリスク家系から得られた試料におけるCEL Iによる突然変異および多型の検出
BRCA1遺伝子におけるエクソンにつき特異的なPCRプライマーセットは、Fox Chase Cancer Centerで合成された。BRCA1の遺伝子配列は知られている。エクソンの境界および対応する塩基番号を表IIに示す。所望の配列を増幅するためのプライマーは、Current Protocols in Molecular Bioloqv,Ausubelら編,John WileyおよびSons,Inc.(1995)に記載されている方法に従い当業者によって容易に設計され得る。これらのプライマーは、各PCR反応において、一方のプライマーは、蛍光標識である6-FAMで5’末端にて標識されるが、他方のプライマーは、もう一つの色標識であるTETで同様に標識されるように計画した。従って、PCR産物は、いずれの鎖におけるDNAニッキング事象も独立して観察でき、測定物を確証されるように2つの色で標識した。結果の概要を表IIIに示す。
図10は、BRCA1遺伝子に存在するエクソンの模式図を示す。ハイリスク家系の個人からの末梢血試料を集め、DNAを単離した。PCR産物をElongase(BRL)を用いて増幅し、Wizard PCR Preps(Promega)を用いて精製した。DNAを94℃に加熱し、1×CEL I緩衝液(20mM Tris−HCl pH7.4,25mM KCl,10mM MgCl2)中でゆっくり冷却して、ヘテロデュプレックスを形成させた。該ヘテロデュプレックスを0.2μlのCEL Iおよび0.5ユニットのAmpliTaqと共に、20μl 1×CEL I緩衝液中で45℃にて30分間インキュベートした。反応を1mMフェナンスロリンで停止させ、45℃にてさらに10分間インキュベートした。試料をCentricepカラム(Princeton Separations)を通して処理し、乾燥した。1μlのABI負荷緩衝液(25mM EDTA,pH8.0,50mg/mlブルーデキストラン)、4μlの脱イオン化ホルムアミドおよび0.5μlのTAMRA内部レーン標準を乾燥したDNAペレットに添加した。試料を90℃にて2分間加熱し、次いで負荷に先立って氷で急冷した。次いで、試料を34cmの読み取り易い4.25%変性アクリルアミドゲルに負荷し、GENESCAN 672ソフトウェアを用いてABI 373シーケンサーで分析した。本実験試料における6-FAM標識プライマーは、BRCA1 cDNAのヌクレオチド3177(11D領域)におけるものであり、TET標識プライマーは、エクソン11およびエクソン12間のイントロン中の73ヌクレオチドであった。各スパイクは、突然変異または多型が存在するCEL Iによるヘテロデュプレックスの切断によって生じるDNAバンドの存在を示す。一方のスパイクは、ミスマッチ部位の3’側から頂部鎖の5’側の6-FAM標識へ至るCEL Iで生じたフラグメントのサイズを示す。他方のスパイクは、ミスマッチの3’側から5’側のTET標識に至る底部鎖中の対応するフラグメントを示す。2つのフラグメントの総和は、PCR産物の長さよりも一塩基長いものに等しい。6-FAMパネルは、6-FAM標識からの塩基#645におけるスパイクを示し、TETパネルは、TET標識からの塩基#483におけるスパイクを示し、両者は、BRCA1 cDNAのヌクレオチド3819における5塩基欠失の部位に対応する(図11)。
もう一つの個人におけるエクソン11の分析は、BRCA1 cDNAのヌクレオチド1454における6-FAM標識プライマーを用いて行った(図12)。TET標識プライマーは、ヌクレオチド2459(11C領域)におけるものであった。PCR増幅産物を前記のごとく増幅し、調製した。この個体では、6-FAMパネルは、塩基#700におけるスパイクを示し、TETパネルは、#305でのスパイクを示し、各スパイクは、BRCA1 cDNAのヌクレオチド2154でのA>Tのナンセンス突然変異における各DNA鎖中のCEL I切断部位に対応する。また、BRCA1 cDNAのヌクレオチド2201での多型C>Tの部位に対応して、6-FAMパネルは、塩基#747におけるスパイクを示し、TETパネルは、#258でのスパイクを示す。ナンセンス突然変異および多型は、ABI 377シーケンサーを用いてこの特別の試料(KO−11)の配列決定によって確認された。また、星印を付したスパイクは、酵素のない対照レーン中に存在し、PCR産物のバックグラウンドを表す。
ある個人は、図10の模式図中のエクソン11、領域11Aのもう一つの領域に突然変異を有する。BRCA1 cDNAのヌクレオチド2248における6-FAM標識プライマーおよびヌクレオチド3290におけるTET標識プライマーを用いてエクソン11の本領域を増幅した。増幅に続き、試料を前記のごとく処理した。4つの6-FAMパネルは、4つの異なる個人の試料でのCEL I反応を示す。図13A中の第1のパネル、試料#KO−2は、ヌクレオチド2430における多型T>Cの部位に対応する#182における1つのスパイクを示し、第2のスパイクは、ヌクレオチド2731におけるもう一つの多型C>Tの部位に対応するヌクレオチド#483における1つのスパイクを示す。第2のパネル、図13Bの試料#KO−3は、第2の多型のみを示す。第3のパネル、図13Cの試料KO−7は、多型を示さない。第4のパネル、図13Dの試料#KO−11は、2つの多型に対応する2つのスパイクを示す。本試料、KO−11が前記のごとくヌクレオチド1454〜2459に対応するエクソン11Cの領域においてナンセンス突然変異および多型につき陽性を示すことに注目することは興味深い。
表IVは、本発明のCEL Iによって検出された突然変異を囲む5’および3’フランキング配列を記載する。網羅的ではないが、これらの突然変異および多型を囲む種々のフランキング配列から、ミスマッチDNAヘテロデュプレックスのCEL I感受性および認識がフランキング配列によって悪影響を受けないであろうことが分かる。
上記の例から分かるように、CEL Iの利用は、臨床的状況における突然変異の分析の間に他のミスマッチ修復システムを使用する方法よりも明確な利点を有する。これらの利点を表Vにまとめる。
実施例 XI
上記のごとく、多くの植物種は、有効なエンドヌクレアーゼ酵素を合成する。本発明に従って、新規なエンドヌクレアーゼ、ARA IをArabidopsis thalianaから単離した。このエンドヌクレアーゼは、多くの点でCEL Iとかなり類似する。Arabidopsis thalianaは、植物分子生物学および生化学での研究についてモデル系を提供すると考えられる。Arabidopsis系の利点は、約26日間の短期のライフサイクル、植物の小さなサイズ、ゲノムの二倍体性質、およびとりわけ、最も高等な植物および動物と比較して小さいサイズのゲノムを含む。7×107塩基対におけるArabidopsisゲノムは、E.coli(4×106塩基対)のそれより約10倍だけ大きいに過ぎず、ミスマッチエンドヌクレアーゼの遺伝子クローニングおよび遺伝子操作を、共に約2×109塩基対を含む高等植物およびヒトにおけるよりも実質的に容易にする。従って、ArabidopsisにおけるミスマッチエンドヌクレアーゼARA Iの発見および突然変異検出を行うためにARA Iを使用する能力は、突然変異検出においてこれらのミスマッチエンドヌクレアーゼの適用に導く重要なステップである。
高度に精製されたARA Iの調製
ARA Iの精製手順は、CEL Iについて開示したものと非常に類似する。これは、2つの酵素が実質的に同様であることをデータが示すので予期されないというのではない。
Arabidopsis thalianaの生態型Columbiaのカルス250gを最小塩寒天上で増殖させ、凍結保存した。該カルスを、ワーリングブレンダー中、緩衝液A(10μM フッ化フェニルメタンスルホニル(PMSF)を有する0.1M Tris−HCl,pH8.0)に再懸濁した。懸濁細胞を、French Pressure cellを2回通して粉砕して、粗溶解物を得た。粗溶解物を遠心により清澄化し、上清を、4℃にて、固体硫酸アンモニウムで硫酸アンモニウム中25%飽和に調整した。2時間後、溶液を遠心し、上清を硫酸アンモニウム中85%飽和に調整した。溶液を再度遠心し、ペレットを0.5M NaClを含有する160mlの緩衝液Aに溶解した。5mlのCon A樹脂をこの溶液に添加し、混合物を4°にて3時間一晩揺動させた。スラリーを直径2.5cmのカラムに充填し、緩衝液A中の0.5M KClで洗浄した。結合したARA Iを、4℃にて、緩衝液A中の0.5M α-メチルマンノシド、0.5M NaClの約60mlで溶出させた。溶出したARA Iを緩衝液B(25mM KPO4,10μM PMSF,pH7.4)の溶液に対して透析し、緩衝液Bで平衡化したホスホセルロースカラムに適用した。結合した酵素を、緩衝液B中のKCl勾配で溶出させた。P−11からの溶出ピークを、緩衝液Aに対して透析し、Mono Qアニオン交換体のカラムを通過させて濃縮した。Mono Q段階から溶出したARA Iは数千倍精製されたが、調製物はまだ均一ではなかった。
種々の精製工程の蛋白質組成物を、4%ないし20%ポリアクリルアミド勾配SDSゲル電気泳動によって分析した。図14に示されるゲルにおいて、レーンは、以下の通りである。1.抽出調製、2.硫酸アンモニウム沈殿、3.Con−Aセファロースアフィニティーカラムクロマトグラフィー、4.ホスホセルロースP−11クロマトグラフィー;および5.DEAEセファセルアニオン交換カラムでの最終精製はARA Iの10,000倍を超える精製を生じる。ゲル中の蛋白質は、クーマシーブルー R−250で染色して視覚化した。
PCR産物を、AmpliTaq(Perkin-Elmer)を用いて増幅し、Wizard PCR Preps(Promega)を用いて精製した。該DNAを、94℃に加熱し、1×ARA I緩衝液(20mM Tris−HCl,pH7.4,25mM KCl,10mM MgCl2)中でゆっくり冷却して、ヘテロデュプレックスを形成させた。ヘテロデュプレックスは、0.2μlARA I(0.01μg)および0.5ユニットのAmplitaq(Perkin-Elmer)を含有する20μlの1×ARA I緩衝液中、45℃にて30分間インキュベートした。反応を1mMフェナンスロリンで停止させ、45℃にてさらに10分間インキュベートした。試料を、Centricepカラム(Princeton Separations)を通して処理し、乾燥した。1μlのABI負荷緩衝液(25mM EDTA,pH8.0,50mg/mlブルーデキストラン)、4μlの脱イオン化ホルムアミドおよび0.5μlのTAMRA内部レーン標準を乾燥したDNAペレットに添加した。試料を90℃で2分間加熱し、次いで、負荷に先立って氷で急冷した。次いで、試料を34cmの読み取り易い4.25%変性アクリルアミドゲルに負荷し、GENESCAN 672ソフトウェアを用いてABI 373シーケンサーで分析した。電気泳動物の縦軸は相対的蛍光単位である。電気泳動図の横軸はヌクレオチド単位でのDNA長である。
精製を通じて、ARA Iによって触媒されたミスマッチエンドヌクレアーゼ活性の存在は容易に観察できた。図15は、ARA I−切断ミスマッチ基質の変性DNA配列決定ゲル分析のオートラジオグラムを示す。ゲル中のレーンは、図14に示した精製ARA Iの種々の段階を含むレーンに対応する。図15において、パネルA、B、Cは、各々、らせん外Gヌクレオチドを有する基質#2、らせん外Aヌクレオチドを有する基質#4、ミスマッチのない対照基質の基質#18のARA I切断を示す。Fは、全長基質をいい、一方、Iは、35ヌクレオチド長フラグメントを生成したARA I切断基質をいう。
ジーンスキャン(GeneScan)標的の調製
ジーンスキャン標的は、CEL I研究において記載したごとくに調製した。
肺/卵巣癌の危険性が高い個人からの末梢血を集め、単離したDNAは、PCR鋳型として用いた。BRCA1遺伝子中のエクソンにつき特異的なPCRプライマーを、順方向プライマーの5’末端に6-FAM染料を、および逆方向プライマーの5’末端にTET染料を持たせて合成した。エクソンについてのPCR産物をハイブリダイズさせてヘテロデュプレックスを形成させ、ARA Iと反応させた。ABI 373自動DNAシーケンサーによって産物を分解し、GENESCAN 672ソフトウェアで解析した。
ARA Iミスマッチ検出の模式的ダイアグラムを図16に示す。野生型BRCA1対立遺伝子および突然変異体BRCA1対立遺伝子(本例中ではAG欠失を有する)のPCR産物を混合した。加熱による変性、再アニーリングの後、ヘテロデュプレックスが形成され、そのうちいくつかでは、過剰のAG塩基が頂部鎖中でループを形成した。他のものにおいては、過剰のCT塩基が底部鎖中にループを形成した。ループ鎖は、DNAフラグメントを生成させるのに用いる各プライマーの5’末端に色素マーカーを持たせることによって色標識した。ARA Iは、CEL Iによるミスマッチ切断と同様に、ミスマッチの3’側でループを切断する。その結果、切形青色(6-FAM)バンドおよび切形緑色(TET)バンドが生じる。これらの2つのバンドの長さは、独立してフラグメント中の突然変異の位置を正確に指摘する。
ミスマッチを含むヘテロデュプレックスのARA I切断に基づくジーンスキャン分析から得られたデータの実例を図17に示す。ARA I処理したDNAフラグメントの分解は、Perkin Elmerの自動DNAシーケンサー モデル373にて変性ポリアクリルアミドゲル中で行う。変性ポリアクリルアミドゲルにおいて、最速の泳動蛍光シグナルは、残存するPCRプライマーである。2つのARA Iフラグメント、一つは青色(6-FAM)および一つは緑色(TET)、がそれらの各サイズ位置にて続く。最もゆっくりと移動するバンドは、非切断全長PCR産物である。これらのバンドを、ジーンスキャンソフトウェアによって、図17の底部のフルオログラム中のピークとして表す。同一レーン内の赤色の分子量標準(TAMRA)泳動を用いて、ジーンスキャンソフトウェアは青色バンドおよび緑色バンドのサイズを同定する。PCR産物の2つの着色端部からのARA Iで生じたフラグメントの長さは、突然変異の位置を独立して正確に指摘する。
図18〜21は、これまでの実施例に記載した同一BRCA1遺伝子PCR産物を用い、ARA I対CEL Iのジーンスキャン突然変異検出の同時比較を供する。データから分かるように、CEL IおよびARA Iは、試験した基質に対して同一の酵素活性を有するらしい。従って、CEL IのようにARA Iは、DNAにおける突然変異の同定を促進するのに使用できる重要な新しいエンドヌクレアーゼである。それ自体、当該酵素は、遺伝的スクリーニングアッセイにおいて利用される試薬の蓄積に貴重な付加を提供する。
実施例 XII
Arabidopsis中のミスマッチエンドヌクレアーゼは、事実ほとんどの植物において、セロリーのCEL Iにつき主張したのと実質的に同様であるという主張の支持において、Arabidopsis以外に10種の植物の抽出物によるミスマッチ検出についてのデータを示す。示された植物抽出物は、すなわち、アルファルファ、リョクトウ、キャベツ、カリフラワー、チヤハ
レタス、パセリ、白菜、トマトおよびブロッコリーの抽出物は、ワーリングブレンダーにて1部の植物を1部の緩衝液Aと共にホモジナイズすることによって作成した。図22に示すごとく、粗ホモジネートの1μlを頂部鎖5’ 32P標識基質#4(らせん外A基質)でアッセイした。レーンG+AおよびTは、頂部鎖中の正確な切断部位を決定するのに用いたマキサムギルバート(MaxamGilbert)DNA配列決定ラダーである。ミスマッチエンドヌクレアーゼ切断は、レーン1ないし11で見える35ヌクレオチド長のフラグメントを生成した。活性は、これらの植物の根、苗条、茎、葉、花、および果実に見られ、これは遍在する性質を示す。レーン1〜11に対応するレーン12〜22は、ミスマッチでない基質#1を用いて陰性対照を示す。チャハ
は、セロリーの茎に似たベトナムの植物であり、ヌクレアーゼが豊富である。
ARA IおよびCEL Iと同様のミスマッチエンドヌクレアーゼ活性の遍在する性質をさらに示すために、一群の11植物の抽出物(図22からの全ての植物+アスパラガスを含む)を酵素活性につき分析した。図23を参照。図22で同定された植物抽出物を用いてミスマッチ基質#2(らせん外G基質)を切断した。1μlの粗ホモジネートを、頂部鎖5’ 32P標識基質#2でアッセイした。レーンG、G+A、C、およびTは、頂部鎖中の正確な切断部位を決定するのに用いるMaxamGilbertDNA配列決定ラダーである。ミスマッチエンドヌクレアーゼ切断は、レーン1ないし17で見える34および35ヌクレオチド長のフラグメントを生成した。ミスマッチ基質中の2つの連続したG残基におけるミスマッチのズレのために、2つのバンドが、ミスマッチ切断につき見られた。活性は、これらの植物の根、苗条、茎、葉、花、および果実に見られた。レーン12−22は、ミスマッチのない基質#1以外はレーン2〜11に対応する。
レーン14〜17は、4つの植物からのミスマッチエンドヌクレアーゼ活性は、CEL IおよびARA Iと同様にマンノシル蛋白質であることが示されることを説明する。これらの活性を、ConA−セファロース樹脂に結合させ、次いで、マンノース緩衝液で溶出させた。レーン18〜21は、ミスマッチを有しない基質#1を用いた以外はレーン14〜17の対照である。糖蛋白質のミスマッチ切断能力、活性の豊富およびマンノシル性質の点から、CEL IおよびARA Iミスマッチエンドヌクレアーゼは、実質的に同様であることが図22および23から明らかである。
上記の記載例および実施例は、本発明の好ましい具体例に関する。他の具体例は、当業者に明白であるかもしれない。従って、本発明は、記載および例示された詳細な具体例に限定されるものではなく、本発明の精神を逸脱することなく修飾または変形することができ、その全範囲は添付の請求の範囲によって明らかにされる。
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Claims (20)
- 一本鎖ポリヌクレオチドの標的配列を含めたポリヌクレオチドとハイブリダイズできるポリヌクレオチドの突然変異していない配列を参照として、一本鎖ポリヌクレオチドの標的配列における突然変異を測定する方法であって、ここに、それらの配列を増幅し、検出マーカーで標識し、相互にハイブリダイズさせ、エンドヌクレアーゼに曝露し、該突然変異の存在につき分析し、ミスマッチエンドヌクレアーゼを用いることを特徴とし、
該エンドヌクレアーゼの活性が、
a)該ハイブリダイズした配列間の全ミスマッチを検出すること;
b)長さが100bpおよび3kb間のポリヌクレオチド鎖における配列相違を認識すること;および
c)フランキングポリヌクレオチド配列によって引き起こされる実質的悪影響なしに、標的ポリヌクレオチド配列中の該突然変異を認識することよりなり、
ここに、該エンドヌクレアーゼはセロリー抽出物、Arabidopsis thaliana抽出物、アルファルファ抽出物、パセリ抽出物、白菜抽出物、トマト抽出物、ブロッコリー抽出物、リョクトウ抽出物、チャハ抽出物、カリフラワー抽出物、キャベツ抽出物、アスパラガス抽出物、およびレタス抽出物よりなる群から選択される抽出物内に含まれる該方法。 - 該エンドヌクレアーゼがCEL Iである請求項1記載の方法。
- 該ポリヌクレオチドがDNAである請求項1記載の方法。
- 該エンドヌクレアーゼに曝露された配列を、DNAリガーゼ、DNAポリメラーゼ、DNAヘリカーゼ、3’−5’DNAエキソヌクレアーゼ、DNA末端に結合するDNA結合蛋白質およびこれらの蛋白質の組合せよりなる群が選択される蛋白質にも曝露し、それにより非特異的DNA切断を減少させる請求項2記載の方法。
- 該エンドヌクレアーゼに曝露された配列を、DNAポリメラーゼにも曝露する請求項1記載の方法。
- 標的DNAが多重グリッド上で分析される請求項2記載の方法。
- 該ポリヌクレオチドがcDNAである請求項2記載の方法。
- 該配列がDNA配列決定ゲル上で分析され、それにより、DNA配列決定分子量マーカーに対する、標的DNA鎖中の突然変異の位置を同定する請求項1記載の方法。
- 該突然変異が癌について遺伝子的スクリーニングの手段として測定される請求項1記載の方法。
- 該突然変異が出産欠陥をもたらす遺伝的変化の検出手段として測定される請求項1記載の方法。
- 一本鎖ポリヌクレオチドの標的配列を含めたポリヌクレオチドとハイブリダイズできるポリヌクレオチドの突然変異していない配列を参照として、一本鎖ポリヌクレオチドの標的配列における突然変異を測定する方法であって、ここに、それらの配列を増幅し、検出マーカーで標識し、相互にハイブリダイズさせ、エンドヌクレアーゼに曝露し、該突然変異の存在につき分析し、ミスマッチエンドヌクレアーゼを用いることを特徴とし、該エンドヌクレアーゼの活性が、
a)該ハイブリダイスした配列間の全ミスマッチを検出すること;
b)長さが100bpおよび3kb間のポリヌクレオチド鎖において配列相違を認識すること;
c)フランキングポリヌクレオチド配列によって引き起こされる実質的悪影響なしに、標的ポリヌクレオチド配列中の該突然変異を認識すること;
d)該ハイブリダイズした配列間のポリヌクレオチドループおよび挿入を認識すること;および
e)DNA多型または他の突然変異も存在する標的ポリヌクレオチド配列中の該突然変異を認識することよりなり、
ここに該エンドヌクレアーゼがCEL Iである該方法。 - 一本鎖ポリヌクレオチドの標的配列を含めたポリヌクレオチドとハイブリダイズできるポリヌクレオチドにおける突然変異していない配列を参照して、一本鎖哺乳類ポリヌクレオチドの標的配列中の突然変異を測定するためのミスマッチエンドヌクレアーゼの粗精製物であって、
a)該ハイブリダイスした配列間の全ミスマッチを検出し;
b)長さが100bpおよび3kb間のポリヌクレオチド鎖における配列相違を認識し;および
c)フランキングポリヌクレオチド配列によって引き起こされる実質的悪影響なしに、標的ポリヌクレオチド配列中の該突然変異を認識するのに有効的であり、
ここに、該エンドヌクレアーゼはセロリエンドヌクレアーゼ、Arabidopsis thalianaエンドヌクレアーゼ、アルファルファエンドヌクレアーゼ、パセリエンドヌクレアーゼ、白菜エンドヌクレアーゼ、トマトエンドヌクレアーゼ、ブロッコリーエンドヌクレアーゼ、リョクトウエンドヌクレアーゼ、チャハエンドヌクレアーゼ、カリフラワーエンドヌクレアーゼ、キャベツエンドヌクレアーゼ、アスパラガスエンドヌクレアーゼ、およびレタスエンドヌクレアーゼよりなる群から選択され、
該エンドヌクレアーゼは0.1M Tris−HCl,pH8.0および10μMフッ化フェニルメタンスルホニルで1:1の比でホモジナイズされた植物抽出物の形態であり、該エンドヌクレアーゼはマンノシル残基を含み、ConA−セファロース樹脂に結合し、マンノース緩衝液で溶出でき、該溶出したエンドヌクレアーゼは、ハイブリダイズしたDNA鎖におけるミスマッチを認識する該エンドヌクレアーゼの粗精製物。 - 該溶出したエンドヌクレアーゼが、25mM KPO4、10μM フッ化フェニルメタンスルホニルで平衡化したホスホセルロースカラムに適用され、KClの直線勾配で溶出され、Superose 12 FPLC カラムにて分画され、50mM Tris−HCl pH7.8中の0.2M KCl,1mM ZnCl2,10μM フッ化フェニルメタンスルホニルで溶出される請求項12記載のエンドヌクレアーゼの粗精製物。
- 該エンドヌクレアーゼが該ハイブリダイズした配列間のポリヌクレオチドループおよび挿入を認識する請求項12記載のエンドヌクレアーゼの粗精製物。
- DNA多型またはもう一つの突然変異も存在する標的ポリヌクレオチド配列中の該突然変異を認識する請求項12記載のエンドヌクレアーゼの粗精製物。
- 一本鎖ポリヌクレオチドの標的配列を含めたポリヌクレオチドとハイブリダイズできるポリヌクレオチドにおける突然変異していない配列を参照して、一本鎖哺乳類ポリヌクレオチドの標的配列中の突然変異を測定するためのミスマッチエンドヌクレアーゼであって、
a)該ハイブリダイスした配列間の全ミスマッチを検出し;
b)長さが100bpおよび3kb間のポリヌクレオチド鎖における配列相違を認識し;および
c)フランキングポリヌクレオチド配列によって引き起こされる実質的悪影響なしに、標的ポリヌクレオチド配列中の該突然変異を認識するのに有効的であり、
ここに、該エンドヌクレアーゼは0.1M Tris−HCl,pH8.0および10μM フッ化フェニルメタンスルホニルで1:1の比でホモジナイズされた植物抽出物の形態であり、該エンドヌクレアーゼはマンノシル残基を含み、ConA−セファロース樹脂に結合し、マンノース緩衝液で溶出でき、該溶出したエンドヌクレアーゼは、ハイブリダイズしたDNA鎖におけるミスマッチを認識し、
該溶出したエンドヌクレアーゼは、25mM KPO 4 、10μM フッ化フェニルメタンスルホニルで平衡化したホスホセルロースカラムに適用され、KClの直線勾配で溶出されSuperose 12 FPLC カラムにて分画され、50mM Tris−HCl pH7.8中の0.2M KCl,1mM ZnCl 2 ,10μM フッ化フェニルメタンスルホニルで溶出され、
該エンドヌクレアーゼは34,000〜36,000ダルトンの見掛けの分子量を有するCEL Iである該エンドヌクレアーゼ。 - 一本鎖ポリヌクレオチドの標的配列を含めたポリヌクレオチドとハイブリダイズできるポリヌクレオチドにおける突然変異していない配列を参照して、一本鎖哺乳類ポリヌクレオチドの標的配列中の突然変異を測定するためのミスマッチエンドヌクレアーゼであって、
a)該ハイブリダイスした配列間の全ミスマッチを検出し;
b)長さが100bpおよび3kb間のポリヌクレオチド鎖における配列相違を認識し;および
c)フランキングポリヌクレオチド配列によって引き起こされる実質的悪影響なしに、標的ポリヌクレオチド配列中の該突然変異を認識するのに有効的であり、
ここに、該エンドヌクレアーゼは0.1M Tris−HCl,pH8.0および10μM フッ化フェニルメタンスルホニルで1:1の比でホモジナイズされた植物抽出物の形態であり、該エンドヌクレアーゼはマンノシル残基を含み、ConA−セファロース樹脂に結合し、マンノース緩衝液で溶出でき、該溶出したエンドヌクレアーゼは、ハイブリダイズしたDNA鎖におけるミスマッチを認識し、
該溶出したエンドヌクレアーゼは、25mM KPO 4 、10μM フッ化フェニルメタンスルホニルで平衡化したホスホセルロースカラムに適用され、KClの直線勾配で溶出され、Superose 12 FPLC カラムにて分画され、50mM Tris−HCl pH7.8中の0.2M KCl,1mM ZnCl 2 ,10μM フッ化フェニルメタンスルホニルで溶出され、
該エンドヌクレアーゼは35,000ダルトンの見掛けの分子量を有するARA Iである該エンドヌクレアーゼ。 - 少なくとも75重量%の純度を有する請求項12記載のエンドヌクレアーゼの粗精製物。
- 少なくとも75重量%の純度を有する請求項16記載のエンドヌクレアーゼ。
- 少なくとも75重量%の純度を有する請求項17記載のエンドヌクレアーゼ。
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