JPWO2016017029A1 - 部品装着方法および部品装着装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、部品供給位置で部品を挟持して採取し、基板上で部品を開放して基板の所定位置に部品を装着する複数の爪部を有して、部品供給位置と基板との間を移動可能に装架された部品装着具を用いる部品装着方法であって、既に基板に装着された装着済み部品に対して、部品を開放するときの複数の爪部の位置および開放動作が干渉しないように、複数の爪部が挟持する部品の挟持箇所を決定する。これによれば、基板上で部品を開放するときの複数の爪部の位置および開放動作が装着済み部品に干渉することを回避して、当該の部品を装着できるようになる。

Description

本発明は、基板に複数の部品を装着する部品装着方法および部品装着装置に関し、より詳細には、部品を挟持する部品装着具が装着済み部品に干渉することを回避する方法および装置に関する。
多数の部品が実装された基板を生産する機器として、半田印刷機、部品実装機、リフロー炉、基板検査機などがある。これらの機器を連結して基板生産ラインを構築する場合が多い。通常、部品実装機は、基板搬送装置、部品供給装置、および部品移載装置を備える。部品移載装置は、部品供給装置から採取した部品を位置決めされた基板まで搬送して装着する部品装着具、および部品装着具を駆動する駆動機構を有している。部品装着具の代表例に、負圧を利用して部品を吸着するタイプの吸着ノズルがある。従来、吸着ノズルが部品を吸着する吸着ポジションは、各部品の形状に基づいて予め定められている。通常、各部品の吸着ポジションは部品のボディの中心とされ、これにより、部品が重心の上方で吸着されるので、吸着動作および装着動作が安定する。
この種の部品実装機において、吸着ノズルの外径が吸着する部品よりも大きいと、吸着ノズルが基板上で装着動作するときに干渉不具合の発生するおそれがある。つまり、吸着ノズルの部品からはみ出た部分が装着済み部品に干渉するおそれがある。このような吸着ノズルの干渉を回避する技術例が特許文献1および2に開示されている。
特許文献1の部品実装方法は、実装部品の側端面から保持具(吸着ノズル)がはみ出し、かつ実装位置に隣接して既設部品(装着済み部品)がある場合に、保持具が既設部品に干渉しないためのオフセット量を求め、保持具が実装部品を保持するときに部品供給部(部品供給位置)と保持具とをオフセット量だけオフセットする。これによれば、部品同士が狭間隔の実装条件であっても、干渉を回避でき、生産性の低下を抑えることができる、とされている。特許文献2の表面実装機も、特許文献1の技術に類似した干渉予防処理制御手段を備えている。
特開2002−335097号公報 特許第4896757号公報
ところで、部品装着具には、吸着ノズルの他にも、複数の爪部で部品を挟持するタイプの装着具、通称メカチャックノズルがある。また、負圧による吸着と爪部での挟持とを選択して機能させるタイプの装着具、換言すれば、吸着ノズルとメカチャックノズルとを併せ持つ装着具(通称OFクロウノズル)がある。メカチャックノズルにおいて、部品の側面を挟持する複数の爪部は、必ず部品からはみ出し、装着時の開放動作で拡がりさらに一層大きく部品からはみ出す。したがって、メカチャックノズルの装着済み部品への干渉は、特許文献1および2に開示された吸着ノズルの干渉と比較して、予想される発生頻度が高くなりがちであり、回避方法も難しい。
また、特許文献1および2に開示された吸着ノズルでは部品の1箇所の吸着ポジションが定められるのに対して、メカチャックノズルでは、部品の複数の挟持箇所が定められる。つまり、メカチャックノズルと部品との相対な位置関係を指定する方法は、吸着ノズルの場合と異なる。このため、吸着ノズルが装着済み部品に干渉することを回避する技術をそのままメカチャックノズルに流用しても、必ずしも効果的とは言えない。例えば、メカチャックノズルの一対の爪部が長方形部品の2つの短辺を挟持すると装着済み部品に干渉するが、2つの長辺を挟持することにより干渉を回避できる場合がある。このような回避方法は、1箇所の吸着ポジションを指定する方法では表現できない。
本発明は、上記背景技術の問題点に鑑みてなされたものであり、複数の爪部で部品を挟持する部品装着具を用いる場合に、基板上で部品を開放するときの複数の爪部の位置および開放動作が装着済み部品に干渉することを回避して、当該の部品を装着できるようにする部品装着方法を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する請求項1に係る部品装着方法の発明は、部品供給位置で部品を挟持して採取し、基板上で前記部品を開放して前記基板の所定位置に前記部品を装着する複数の爪部を有して、前記部品供給位置と前記基板との間を移動可能に装架された部品装着具を用いる部品装着方法であって、既に前記基板に装着された装着済み部品に対して、前記部品を開放するときの前記複数の爪部の位置および開放動作が干渉しないように、前記複数の爪部が挟持する前記部品の挟持箇所を決定する。
請求項6に係る部品装着装置の発明は、部品供給位置で部品を挟持して採取し、基板上で前記部品を開放して前記基板の所定位置に前記部品を装着する複数の爪部を有して、前記部品供給位置と前記基板との間を移動可能に装架された部品装着具を備える部品装着装置であって、既に前記基板に装着された装着済み部品に対して、前記部品を開放するときの前記複数の爪部の位置および開放動作が干渉しないように、前記複数の爪部が挟持する前記部品の挟持箇所を決定する挟持箇所決定手段をさらに備える。
請求項1に係る部品装着方法の発明によれば、装着する部品の形状、各部寸法、および基板上の装着座標位置に基づいて、複数の爪部が挟持する部品の挟持箇所を仮に定めることができる。そして、基板上で部品を開放するときの複数の爪部の位置および開放動作の座標範囲を求め、装着済み部品に干渉するか否かを判定できる。判定の結果、干渉しない場合には、仮に定めた挟持箇所を採用でき、干渉する場合には、仮に定めた挟持箇所を変更して干渉しないように最終的な挟持箇所を決定できる。これにより、干渉を回避して、当該の部品を装着できるようになる。
請求項6に係る部品装着装置の発明によれば、請求項1に係る部品装着方法の発明を実施することができる。したがって、請求項6に係る部品装着方法の発明でも、請求項1に係る方法の発明と同様の効果が生じる。
メカチャックノズル(部品装着具)の構成を説明する正面図である。 長方形部品の標準挟持箇所を例示説明する平面図である。 ボディから端子部がはみ出している部品の標準挟持箇所を例示説明する平面図である。 メカチャックノズルの一対の爪部が部品の標準挟持箇所を挟持すると、装着済み部品に対して干渉するときを例示説明する基板の平面図である。 部品の挟持箇所を標準挟持箇所から変更して干渉を回避する機能を例示説明する基板の平面図である。 生産ジョブデータのデータ構造の一部を概念的に示した図である。 基板シーケンスデータの最適化および干渉回避の演算処理フローを示す図である。
本発明の第1実施形態の部品装着方法について、図1〜図5を参考にして説明する。まず、第1実施形態の部品装着方法に用いる部品実装機およびメカチャックノズル1の構成について説明する。図面は省略するが、部品実装機は、基板搬送装置、部品供給装置、および部品移載装置などで構成されている。基板搬送装置は、基板を搬入して部品装着位置に位置決めし、部品が装着された基板を搬出する。部品供給装置は、部品供給位置に順次部品を供給する。部品供給装置は、例えば、列設される複数のフィーダ装置からなる。
部品移載装置は、部品供給装置の部品供給位置から採取した部品を位置決めされた基板まで搬送して、基板上の所定の装着座標位置に装着する。部品移載装置は、吸着ノズルおよびメカチャックノズル1、装着ヘッド9、およびX−Y駆動機構などで構成される。吸着ノズルおよびメカチャックノズル1は、装着ヘッド9に交換可能に取り付けられる。これに限定されず、吸着ノズルおよびメカチャックノズル1は、別々の装着ヘッドに取り付けられてもよいし、1つの装着ヘッドに並べて取り付けられてもよい。装着ヘッド9は、X−Y駆動機構に移動可能に装架されている。X−Y駆動機構は、装着ヘッド9を水平2方向に駆動して、吸着ノズルおよびメカチャックノズル1を部品供給位置と基板との間で移動させる。
図1は、メカチャックノズル1の構成を説明する正面図である。メカチャックノズル1は、複数の爪部で部品を挟持する本発明の部品装着具の一実施例である。図示されるように、メカチャックノズル1は、装着ヘッド9の下側に装架される。メカチャックノズル1は、本体部2、エア駆動部3、挟持機構部4、および一対の爪部51、52などで構成されている。
本体部2は、本体基部21、取付フランジ部22、および揺動支承部24からなる。本体基部21は、直方体形状の部材である。本体基部21の上側に、円板状の取付フランジ部22が一体的に設けられている。取付フランジ部22の上面には、複数の位置決め突部23が立設されている。各位置決め突部23は、装着ヘッド9の下面に穿設された複数の位置決め穴91にそれぞれ嵌入する。取付フランジ部22は、ねじ留めやクランプ機構や負圧を利用した吸着などの方法で装着ヘッド9に着脱可能に取り付けられる。これにより、装着ヘッド9に対するメカチャックノズル1の回転位置および高さ位置が決められる。また、取付フランジ部22の上面は、装着ヘッド9の下面に密着して気密を保つ。本体基部21の下側の前部および後部から下方に向けて、前後一対の揺動支承部24が張設されている。揺動支承部24の下端寄りに、支承点25が設けられている。
エア駆動部3は、本体基部21の内部に設けられている。エア駆動部3は、エアシリンダ31、エアピストン32、およびエア流路36からなる。エアシリンダ31は、上側に底部を有して下方に開口する有底円筒状の部材である。エアピストン32は、エアシリンダ31内を上下に摺動するピストン部材33、およびピストン部材33から下方に延在する駆動部材34により形成されている。エアシリンダ31およびピストン部材33により、気密性を有するシリンダ室35が区画されている。エアシリンダ31の底部を貫き上方に向けて、エア流路36が形成されている。エア流路36は、取付フランジ部22の上面にまで達し、さらに、装着ヘッド9のエア給排路92に連通している。エア流路36は、装着ヘッド9に設けられた図略のエア給排部からシリンダ室35へとエアを供給し、逆方向にエアを排出する。
挟持機構部4は、本体基部21の下側の前後一対の揺動支承部24の間に配設されている。挟持機構部4は、水平リンク部材41、左右一対の垂直リンク部材42、43、および一対のフィンガ部材44、45からなるリンク機構である。水平リンク部材41は、図1の紙面左右方向に延在している。水平リンク部材41の中間部分は、エアピストン32の駆動部材34の下端に固定されている。水平リンク部材41の両端に、それぞれ水平支承点411、412が設けられている。左右一対の垂直リンク部材42、43は、垂直方向に延在している。垂直リンク部材42、43のそれぞれの上端は、水平支承点411、412に支承されている。垂直リンク部材42、43のそれぞれの下端に、垂直支承点421、431が設けられている。
一対のフィンガ部材44、45のそれぞれは、「く」字状に屈折した部材である。一対のフィンガ部材44、45のそれぞれの屈折箇所に、揺動支点441、451が設けられている。2つの揺動支点441、451は、図1の紙面表裏方向に並んで、揺動支承部24の支承点25に支承されている。一対のフィンガ部材44、45は、交差して配置される。すなわち、第1のフィンガ部材44は、上端が図中の左側の垂直リンク部材42の垂直支承点421に支承され、下部が図中の右下方に延在している。第2のフィンガ部材45は、上端が図中の右側の垂直リンク部材43の垂直支承点431に支承され、下部が図中の左下方に延在している。一対のフィンガ部材44、45は、各揺動支点441、451を中心にして揺動する。
一対のフィンガ部材44、45の下部は「八」字状に広がっている。一対のフィンガ部材44、45の下部の向かい合う面に、それぞれ爪部51、52がねじ留め固定されている。一対の爪部51、52は、挟持する部品の種類など応じて交換可能とされている。
シリンダ室35にエアが供給されて加圧されると、エアピストン32が下降して水平リンク部材41を押し下げる。水平リンク部材41および左右一対の垂直リンク部材42、43は、揃って下降し、一対のフィンガ部材44、45の各上端を押し下げる。第1のフィンガ部材44は、図中の反時計回りに揺動し、第2のフィンガ部材45は、図中の時計回りに揺動する。これにより、一対の爪部51、52は、相互の間隔が広がって開放動作する。図1において、一対の爪部51、52の開放状態が示されており、爪部51、52間の開放寸法Lmである。
逆に、シリンダ室35のエアが排出されて減圧されると、エアピストン32が上昇して水平リンク部材41を引き上げる。水平リンク部材41および左右一対の垂直リンク部材42、43は、揃って上昇し、一対のフィンガ部材44、45の各上端を引き上げる。第1のフィンガ部材44は、図中の時計回りに揺動し、第2のフィンガ部材45は、図中の反時計回りに揺動する。これにより、一対の爪部51、52は、相互の間隔が狭まり、部品を挟持して採取する。なお、一対の爪部51、52の開閉動作は、エア駆動部3以外の駆動機構、例えばモータや電磁ソレノイドなどにより駆動されてもよい。
次に、第1実施形態の部品装着方法について説明する。第1実施形態の部品装着方法では、基板に装着された装着済み部品に対して、メカチャックノズル1が部品を開放するときの一対の爪部51、52の位置および開放動作が干渉しないように、一対の爪部51、52が挟持する部品の挟持箇所を決定する。第1実施形態の部品装着方法は、コンピュータのソフトウェアによる演算処理機能によって実現されており、基板の生産が開始される以前に実施される。コンピュータが第1実施形態の部品装着方法を実施した演算結果は、コンピュータから部品実装機の制御部に受け渡される。これにより、部品実装機の部品移載装置は、干渉を回避して部品を装着できるようになる。
第1実施形態の部品装着方法において、一対の爪部51、52に通常挟持される標準挟持箇所が、それぞれの部品のボディの側面に定められている。各部品の標準挟持箇所は、ボディ中心データ、および標準角度データを用いて規定される。ボディ中心データは、部品のボディの中心の位置を示す。標準角度データは、ボディの中心を基準として標準挟持箇所が位置する方向角度を示す。方向角度の基準は、部品外形の長辺方向をX軸方向とし、ボディの中心から見てX軸の正方向および負方向に2個の爪部51、52が位置する場合を方向角度0°とする。したがって、ボディの中心から見てY軸の正方向および負方向に2個の爪部51、52が位置する場合の方向角度90°となる。
上記した標準挟持箇所について、具体例を用いて説明する。図2は、長方形部品P1の標準挟持箇所R1、R2を例示説明する平面図である。長方形部品P1において、ボディの外形は部品外形に一致している。したがって、長方形部品P1のボディ中心データは、図示される部品外形の中心C1の位置を表す。また、長方形部品P1の標準角度データは、方向角度0°と規定されている。したがって、部品外形の中心C1を通ってX軸に平行な補助線AL1を描いてやると、補助線AL1と部品外形面との交点が標準挟持箇所R1、R2になる。標準挟持箇所R1、R2は、長方形部品P1の短辺の中点の側面に位置する。仮に、長方形部品P1の標準角度データが方向角度90°と規定されていれば、標準挟持箇所U1、U2は、長方形部品P1の長辺の中点の側面に位置する。このように、部品P1の中心C1を挟むように両側から挟持すると、部品P1の姿勢が安定して、採取動作(挟持動作)および装着動作(開放動作)が安定化する。
また、図3は、ボディP21から端子部P22がはみ出している部品P2の標準挟持箇所R3、R4を例示説明する平面図である。部品P2は、背の高いボディP21から3つの低背の端子部P22が非対称形状にはみ出して形成されている。したがって、部品P2において、ボディP21の外形は部品外形に一致していない。なお、ボディP21からはみ出す部位は、端子部P22に限定されない。一対の爪部51、52で部品P2を挟持するとき、採取動作および装着動作を安定化するために、ボディP21の側面を挟持する。
部品P2の部品外形の中心C2は、装着座標位置を指定する用途に用いられる。これに対して、部品P2のボディ中心データは、長方形のボディP21の中心C3の位置を表す。部品P2の標準角度データは、方向角度0°と規定されている。したがって、ボディP21の中心C3を通ってX軸に平行な補助線AL2を描いてやると、補助線AL2とボディ外形面との交点が標準挟持箇所R3、R4になる。なお、部品実装機の制御部は、部品外形の中心C2に対するボディP21の中心C3の偏移量、すなわち中心偏移量を把握して、部品の装着動作に反映する。
コンピュータは、通常は、メカチャックノズル1の一対の爪部51、52が部品P1、P2の標準挟持箇所R1〜R4を挟持するように、部品供給位置での採取条件を決定する。ただし、一対の爪部51、52が部品P1、P2の標準挟持箇所R1〜R4を挟持すると、装着済み部品に対して干渉するときは例外である。この場合、コンピュータは、部品P1、P2の挟持箇所を標準挟持箇所R1〜R4から変更して干渉を回避するように、部品供給位置での採取条件を決定する。
上記したコンピュータの機能について、具体例を用いて説明する。図4は、メカチャックノズル1の一対の爪部51、52が部品の標準挟持箇所を挟持すると、装着済み部品に対して干渉するときを例示説明する基板Kの平面図である。また、図5は、部品の挟持箇所を標準挟持箇所から変更して干渉を回避する機能を例示説明する基板Kの平面図である。具体例では、大型部品P11、2個の長方形部品P12、P13、および2個の六角形部品P14、P15を記載した順序で基板Kに装着する。2個の長方形部品P12、P13および2個の六角形部品P14、P15は、メカチャックノズル1を用いて装着される。
長方形部品P12、P13のボディ中心データは、部品外形の中心C12、C13を表す。さらに、長方形部品P12、13の標準角度データは、方向角度0°と規定されている。この規定によれば、長方形部品P12、P13の標準挟持箇所は、2つの短辺の側面になる。また、六角形部品P14、P15のボディ中心データは、部品外形の中心C14、C15を表す。さらに、六角形部品P14、P15の標準角度データは、方向角度90°と規定されている。この規定によれば、六角形部品P14、P15の標準挟持箇所は、X軸に平行する2つの側面になる。
コンピュータは、各部品P11〜P15の形状、各部寸法、および基板K上の装着座標位置に基づいて、図4に示される部品配置状況を把握できる。図4において、最初に装着される大型部品P11が装着済み部品P11として実線で示され、2番目以降に装着される部品P12〜P15が破線で示されている。図示されるように、大型部品P11の図中の右側に2個の長方形部品P12、P13が並んで配置され、大型部品P11の図中の下側に2個の六角形部品P14、P15が並んで配置される。
さらに、コンピュータは、2番目以降に装着される部品P12〜P15の各ボディ中心データおよび各標準角度データに基づいて、部品P12〜P15を開放するときの一対の爪部51、52の位置(標準挟持箇所)および開放動作の座標範囲を求めることができる。図4において、一対の爪部51、52の位置および開放動作の座標範囲は、向かい合う一対の等脚台形で示されている。一対の等脚台形の位置関係は、図1に示された開放寸法Lmに対応している。
図4に示されるように、一対の爪部51、52が長方形部品P12の標準挟持箇所を挟持すると、装着済み部品P11に対して一方の爪部が干渉する。また、一対の爪部51、52が六角形部品P14の標準挟持箇所を挟持すると、装着済み部品P11に対して一方の爪部が干渉する。一対の爪部51、52が長方形部品P13および六角形部品P15の標準挟持箇所を挟持しても、干渉は発生しない。そこで、コンピュータは、干渉が発生する長方形部品P12および六角形部品P14を対象とし、挟持箇所を標準挟持箇所から変更して、図5に示されるように干渉を回避する。また、コンピュータは、干渉が発生しない長方形部品P13および六角形部品P15では、標準挟持箇所を挟持すると決定する。
挟持箇所を標準挟持箇所から変更するとき、コンピュータは、挟持中心偏移データおよび角度データの少なくとも一方の変更を行う。挟持中心偏移データは、部品のボディの中心から偏移した挟持中心の偏移量を示すデータである。挟持中心偏移データは、X軸方向の偏移量、およびY軸方向の偏移量を用いて表すことができ、これに限定されない。X軸方向およびY軸方向の偏移量の少なくとも一方がゼロでない非ゼロデータでは、ボディの中心から挟持中心が偏移する。角度データは、挟持中心を基準として挟持箇所が位置する方向角度を示すデータである。
挟持箇所を標準挟持箇所から変更しないとき、コンピュータは、挟持中心偏移データをゼロデータとする。つまり、コンピュータは、X軸方向およびY軸方向の偏移量を共にゼロとする。さらに、コンピュータは、角度データを標準角度データに一致させる。ここまでの説明で分かるように、コンピュータは、本発明の挟持箇所決定手段に相当する。
図5の具体例で、コンピュータは、長方形部品P12に関する挟持中心偏移データのX軸方向の偏移量をゼロとし、Y軸方向の偏移量Y1とする。これにより、長方形部品P12の部品外形の中心C12からY軸方向に偏移量Y1だけ挟持中心W12が偏移する。また、コンピュータは、長方形部品P12に関する角度データを標準角度データに一致させる。すると、長方形部品P12を挟持する一対の爪部51、52の位置および開放動作の座標範囲がY軸方向にY1だけ移動して、干渉が回避される。上記した挟持中心偏移データは、部品供給位置での採取条件に適用される。これにより、部品供給位置における長方形部品P12と一対の爪部51、52との相対位置関係が通常から偏移量Y1だけ変化して、採取動作が行われる。
なお、コンピュータは、長方形部品P12に関する挟持中心偏移データをゼロデータとし、角度データを方向角度90°に変更してもよい。この場合、一対の爪部51、52の挟持箇所は、長方形部品P12の2つの長辺の側面に移動することになる。そして、長方形部品P13は未だ装着されていないので、一対の爪部51、52の干渉が回避される。
さらに、コンピュータは、六角形部品P14に関する挟持中心偏移データをゼロデータとし、角度データの方向角度150°として基準角度データの方向角度90°と異なるようにする。これにより、六角形部品P14を挟持する一対の爪部51、52の挟持箇所は、標準挟持箇所の側面から反時計回りに隣接する側面に移動して、干渉が回避される。上記した角度データは、部品供給位置での採取条件に適用される。これにより、部品供給位置における六角形部品P14と一対の爪部51、52との相対角度関係が通常から60°(=150°−90°)だけ変化して、採取動作が行われる。
第1実施形態の部品装着方法は、部品供給位置で部品を挟持して採取し、基板上で部品を開放して基板の所定位置に部品を装着する一対の爪部51、52を有して、部品供給位置と基板との間を移動可能に装架されたメカチャックノズル1を用いる部品装着方法であって、既に基板Kに装着された装着済み部品P11に対して、部品P12〜P15を開放するときの一対の爪部51、52の位置および開放動作が干渉しないように、一対の爪部51、52が挟持する部品P12〜P15の挟持箇所を決定する。
これによれば、装着する部品P12〜P15の形状、各部寸法、および基板K上の装着座標位置に基づいて、一対の爪部51、52が挟持する部品P12〜P15の挟持箇所を仮に標準挟持箇所と定めることができる。そして、基板K上で部品P12〜P15を開放するときの一対の爪部51、52の位置および開放動作の座標範囲を求め、装着済み部品P11に干渉するか否かを判定できる。判定の結果、干渉しない場合には、標準挟持箇所を採用でき、干渉する場合には、標準挟持箇所を変更して干渉しないように最終的な挟持箇所を決定できる。これにより、干渉を回避して、部品P12〜P15を装着できるようになる。
さらに、第1実施形態の部品装着方法において、部品は、一対の爪部51、52に通常挟持される標準挟持箇所が規定されており、一対の爪部51、52が部品P12、P14の標準挟持箇所を挟持すると、装着済み部品P11に対して一対の爪部51、52の位置および開放動作の少なくとも一方が干渉するときに、部品P12、P14の挟持箇所を標準挟持箇所から変更して干渉を回避する。
これによれば、通常は採取動作および装着動作を安定化できる標準挟持箇所を使用し、干渉が発生するときに限り挟持箇所を標準挟持箇所から変更する。したがって、採取動作および装着動作の安定性を維持しつつ、確実に干渉を回避できる。
さらに、第1実施形態の部品装着方法において、部品P12〜P15の標準挟持箇所は、部品P12〜P15のボディの側面に定められており、かつ、ボディの中心(部品外形の中心C12〜C15)を示すボディ中心データ、およびボディの中心を基準として標準挟持箇所が位置する方向角度を示す標準角度データを用いて規定され、部品P12、P14の挟持箇所は、部品P12のボディの中心(部品外形の中心C12)から偏移した挟持中心W12の偏移量を示す挟持中心偏移データ、および挟持中心を基準として挟持箇所が位置する方向角度を示す角度データを用いて規定され、部品P13、P15の挟持箇所を標準挟持箇所から変更しないときに、挟持中心偏移データをゼロデータとし、かつ、角度データを標準角度データに一致させ、部品P12、P14の挟持箇所を標準挟持箇所から変更するときに、挟持中心偏移データを非ゼロデータとする挟持中心変更、および、角度データを標準角度データと異なるデータにする角度変更の少なくとも一方の変更を行う。
これによれば、基板K上の部品配置状況に則して挟持中心変更および角度変更の少なくとも一方を行うので、効果的な回避方法を選択して確実に干渉を回避できる。また、はみ出し部位のある部品P2においても、ボディP21を挟持することで採取動作および装着動作の安定性を維持しつつ、確実に干渉を回避できる。
さらに、メカチャックノズル1を備える部品移載装置と、挟持箇所決定手段に相当するコンピュータとの組合せは、本発明の実施形態の部品装着装置を構成する。そして、実施形態の部品装着装置は、第1実施形態の部品装着方法を実施できる。したがって、実施形態の部品装着装置でも、第1実施形態の部品装着方法と同様の効果が生じる。
次に、第2実施形態の部品装着方法について説明する。第2実施形態の部品装着方法に用いる部品実装機およびメカチャックノズル1の構成は、第1実施形態と同様である。第2実施形態の部品装着方法では、メカチャックノズル1の一対の爪部51、52が装着済み部品に干渉するときに、第1方法と第2方法とを比較して、干渉を回避する方法を決定する。第1方法とは、第1実施形態で説明した部品の挟持箇所を標準挟持箇所から変更する方法である。第2方法とは、複数の部品の装着順序を変更する方法である。
まず、基板を生産する際の制御の根幹となる生産ジョブデータについて説明する。図6は、生産ジョブデータのデータ構造の一部を概念的に示した図である。生産ジョブデータは、基板シーケンスデータを基本とし、部品シェイプデータやノズルスペックデータなどの多数のデータが有機的に連結されて構成されている。これらのデータは、1箇所に集中的に保持されていてもよく、あるいは複数箇所に分散して保持され相互にアクセス可能となっていてもよい。当然ながら、第2実施形態の部品装着方法の演算処理を行うコンピュータは、生産ジョブデータを保持し、あるいは、生産ジョブデータにアクセス可能となっている。
基板シーケンスデータは、生産する基板Kの種類ごとに制作される。基板シーケンスデータには、基板Kに装着する複数の部品の種類、装着順序、部品供給位置、および装着座標位置が定められている。また、部品供給位置での採取条件を決定するために必要な挟持中心偏移データおよび角度データも基板シーケンスデータに規定されている。後述するように、基板シーケンスデータは、コンピュータが実施する最適化および干渉回避の演算処理によって最終的に決定される。
基板シーケンスデータ中の部品の種類に対応して、部品シェイプデータが連結されている。部品シェイプデータは、部品の種類ごとに固有なデータであり、複数の基板シーケンスデータに対して共用化される。部品シェイプデータには、部品名称、各部寸法、および使用ノズルなどが示されている。なお、使用ノズルは、当該の部品を採取するために標準的に使用するノズルである。さらに、標準挟持箇所を示すボディ中心データ、標準角度データ、および中心偏移量も、部品シェイプデータに規定されている。
部品シェイプデータ中の使用ノズルに対応して、ノズルスペックデータが連結されている。ノズルスペックデータは、ノズルの種類ごとに固有なデータであり、複数の部品シェイプデータに対して共用化される。ノズルスペックデータには、ノズル名称や各部寸法などが示されている。例えば、メカチャックノズル1のノズルスペックデータには、一対の爪部51、52が開放したときの開放寸法Lmや、閉じたときの最小離間寸法などが示されている。また例えば、吸着ノズルのノズルスペックデータには、吸着開口部の大きさなどが示されている。
コンピュータは、基板の生産を開始する以前に、基板シーケンスデータの最適化および干渉回避の演算処理を行う。図7は、基板シーケンスデータの最適化および干渉回避の演算処理フローを示す図である。図7のステップS1で、コンピュータは、通常の生産の最適化により基板シーケンスデータSD0を作成する。通常の生産の最適化とは、メカチャックノズル1の装着済み部品への干渉を考慮することなく、装着サイクルタイムを最短化することを意味する。装着サイクルタイムとは、基板に複数の部品の全数を装着するために必要になると予想される時間である。装着サイクルタイムは、部品移載装置の装着ヘッド9における吸着ノズルとメカチャックノズル1との交換時間や、各ノズルの部品採取時間、移動時間、および部品装着時間などの合計値になる。したがって、装着サイクルタイムは、複数の部品の装着順序や、部品供給装置の複数の部品供給位置における部品の種類の並び順などに依存する。通常の生産の最適化は、公知の各種技術を応用して実施することができる。
次にステップS2で、コンピュータは、基板シーケンスデータSD0に基づいて部品の装着を実施したときに、メカチャックノズル1の装着済み部品への干渉が発生するか否かを判定する。干渉が発生しない場合、コンピュータは、ステップS3に進み、基板シーケンスデータSD0の採用を決定して、演算処理フローを終了する。干渉が発生する場合、コンピュータは、ステップS4に進み、装着順序の変更により干渉を回避できるか否かを判定する。コンピュータは、干渉を回避できる場合にはステップS5に進み、干渉を回避できない場合にはステップS7に進む。
ステップS5で、コンピュータは、基板シーケンスデータSD0から装着順序を変更して干渉を回避し、再度最適化を実施した後、基板シーケンスデータSD2を作成する。再度の最適化では、装着順序を変更した結果として、装着ヘッド9の移動経路に無駄な部分が発生していないか調査する。仮に無駄な部分が発生していれば、干渉回避の可能な範囲内でさらに、部品の装着順序や部品の種類の並び順などを変更する。ステップS5の演算処理は、本発明の第2方法に相当する。コンピュータは、続くステップS6で、基板シーケンスデータSD2に基づいて部品の装着を実施したときの第2装着サイクルタイムT2を推定し、その後ステップS7に進む。
ステップS7で、コンピュータは、挟持箇所の変更により干渉を回避できるか否かを判定する。コンピュータは、干渉を回避できる場合にはステップS8に進み、干渉を回避できない場合にはステップS10に進む。ステップS8で、コンピュータは、基板シーケンスデータSD0から挟持箇所を変更して干渉を回避し、再度最適化を実施して基板シーケンスデータSD1を作成する。挟持箇所の変更方法は、第1実施形態で説明済みである。また、再度の最適化では、挟持箇所を変更した後に、装着ヘッド9の移動経路の無駄、およびメカチャックノズル1の動作の無駄などを解消する。ステップS8の演算処理は、本発明の第1方法に相当する。コンピュータは、続くステップS9で、基板シーケンスデータSD1に基づいて部品の装着を実施したときの第1装着サイクルタイムT1を推定し、その後ステップS10に進む。
ステップS10で、コンピュータは、第1装着サイクルタイムT1および第2装着サイクルタイムT2の有無を調査する。第1装着サイクルタイムT1のみが有る場合、コンピュータは、ステップS11に進み、基板シーケンスデータSD1の採用を決定して、演算処理フローを終了する。第2装着サイクルタイムT2のみが有る場合、コンピュータは、ステップS12に進み、基板シーケンスデータSD2の採用を決定して、演算処理フローを終了する。第1装着サイクルタイムT1および第2装着サイクルタイムT2の両方が有る場合、コンピュータは、ステップS13に進み、第1装着サイクルタイムT1と第2装着サイクルタイムT2とを大小比較する。コンピュータは、第1装着サイクルタイムT1のほうが小さければステップS11に進み、そうでなければステップS12に進む。これにより、コンピュータは、装着サイクルタイムが小さい側の基板シーケンスデータの採用を決定できる。
第1装着サイクルタイムT1および第2装着サイクルタイムT2がともに無い場合、コンピュータは、ステップS14に進み、異常時処理を実施して演算処理フローを終了する。異常時処理では、例えば、干渉を回避できない旨を報知する。この場合、装着順序の変更および挟持箇所の変更では干渉を回避できない。したがって、特殊なメカチャックノズルを用いる、あるいは、基板上の部品配置を設計変更するなどの対策が必要となる。
第2実施形態の部品装着方法において、部品の標準挟持箇所は、部品の形状に関する諸量を保持する部品シェイプデータ中に、ボディ中心データおよび標準角度データとして規定されている。また、部品の実際の挟持箇所は、基板に装着する複数の部品の装着順序および装着座標位置を定めた基板シーケンスデータ中に、挟持中心偏移データおよび角度データとして規定される。
これによれば、標準挟持箇所は、部品の種類ごとに固有な部品シェイプデータに規定され、基板の種類に依存して変化し得る実際の挟持箇所は、それぞれの基板シーケンスデータに個別に規定される。したがって、実際の挟持箇所の変化に関係なく部品シェイプデータは1種類だけでよいので、データの管理が容易であり誤りが発生しない。これに比較して、従来技術では実際の挟持箇所が部品シェイプデータに規定されていた。したがって、実際の挟持箇所が変化するたびに、新しい部品シェイプデータを制作する必要があった。このため、1種類の部品でありながら複数の部品シェイプデータが混在し、データの管理が煩雑となって誤りが発生しがちであった。
さらに、第2実施形態の部品装着方法において、基板に複数の部品を装着する所要時間を装着サイクルタイムとし、一対の爪部51、52が部品の標準挟持箇所を挟持すると、装着済み部品に対して一対の爪部51、52の位置および開放動作の少なくとも一方が干渉するときに、部品の挟持箇所を標準挟持箇所から変更する第1方法(ステップS8)により干渉を回避する場合の第1装着サイクルタイムT1を推定し、基板シーケンスデータに定められた複数の部品の装着順序を変更する第2方法(ステップS5)により干渉を回避する場合の第2装着サイクルタイムT2を推定し、第1装着サイクルタイムT1および第2装着サイクルタイムT2のうち短時間の側の方法を採用する。
これによれば、装着済み部品に対する一対の爪部51、52の干渉を回避するために適正な方法を採用して、装着サイクルタイムを短時間化できる。したがって、干渉を回避しつつ、良好な生産効率を確保できる。
なお、第1実施形態で、干渉が発生したときに挟持中心偏移データをゼロデータのままとして、メカチャックノズル1を専用メカチャックノズルに取り替える別法により挟持箇所を変更するようにしてもよい。専用メカチャックノズルは、メカチャックノズル1の本体部2に対する一対の爪部51、52の配設位置を偏移量Y1だけ平行移動(図1の紙面表裏方向に移動)したものである。また、第1実施形態で説明したメカチャックノズル1は、複数の爪部で部品を挟持する部品装着具の一実施例であり、異なる構成の部品装着具を使用してもよい。本発明は、その他にも様々な変形や応用が可能である。
1:メカチャックノズル(部品装着具) 2:本体部
3:エア駆動部 4:挟持機構部 51、52:爪部
9:装着ヘッド
Lm:開放寸法 K:基板 P1:長方形部品
P2:部品 P21:ボディ P22:端子部
P11:大型部品(装着済み部品)
P12、P13:長方形部品 P14、P15:六角形部品
C1、C2、C12〜C15:部品外形の中心
C3:部品のボディの中心
R1〜R4:標準挟持箇所
W12:挟持中心 Y1:偏移量

Claims (6)

  1. 部品供給位置で部品を挟持して採取し、基板上で前記部品を開放して前記基板の所定位置に前記部品を装着する複数の爪部を有して、前記部品供給位置と前記基板との間を移動可能に装架された部品装着具を用いる部品装着方法であって、
    既に前記基板に装着された装着済み部品に対して、前記部品を開放するときの前記複数の爪部の位置および開放動作が干渉しないように、前記複数の爪部が挟持する前記部品の挟持箇所を決定する部品装着方法。
  2. 前記部品は、前記複数の爪部に通常挟持される標準挟持箇所が規定されており、
    前記複数の爪部が前記部品の前記標準挟持箇所を挟持すると、前記装着済み部品に対して前記複数の爪部の位置および開放動作の少なくとも一方が干渉するときに、前記部品の挟持箇所を前記標準挟持箇所から変更して干渉を回避する請求項1に記載の部品装着方法。
  3. 前記部品の標準挟持箇所は、前記部品のボディの側面に規定されており、かつ、前記ボディの中心を示すボディ中心データ、および前記ボディの中心を基準として前記標準挟持箇所が位置する方向角度を示す標準角度データを用いて規定され、
    前記部品の挟持箇所は、前記部品のボディの中心から偏移した挟持中心の偏移量を示す挟持中心偏移データ、および前記挟持中心を基準として前記挟持箇所が位置する方向角度を示す角度データを用いて規定され、
    前記部品の挟持箇所を前記標準挟持箇所から変更しないときに、前記挟持中心偏移データをゼロデータとし、かつ、前記角度データを前記標準角度データに一致させ、
    前記部品の挟持箇所を前記標準挟持箇所から変更するときに、前記挟持中心偏移データを非ゼロデータとする挟持中心変更、および、前記角度データを前記標準角度データと異なるデータにする角度変更の少なくとも一方の変更を行う請求項2に記載の部品装着方法。
  4. 前記部品の標準挟持箇所は、前記部品の形状に関する諸量を保持する部品シェイプデータに規定され、
    前記部品の挟持箇所は、前記基板に装着する複数の部品の装着順序および装着座標位置を定めた基板シーケンスデータに規定される請求項2または3に記載の部品装着方法。
  5. 前記基板に前記複数の部品を装着する所要時間を装着サイクルタイムとし、
    前記複数の爪部が前記部品の前記標準挟持箇所を挟持すると、前記装着済み部品に対して前記複数の爪部の位置および開放動作の少なくとも一方が干渉するときに、
    前記部品の挟持箇所を前記標準挟持箇所から変更する第1方法により前記干渉を回避する場合の第1装着サイクルタイムを推定し、
    前記基板シーケンスデータに定められた前記複数の部品の装着順序を変更する第2方法により前記干渉を回避する場合の第2装着サイクルタイムを推定し、
    前記第1装着サイクルタイムおよび前記第2装着サイクルタイムのうち短時間の側の方法を採用する請求項4に記載の部品装着方法。
  6. 部品供給位置で部品を挟持して採取し、基板上で前記部品を開放して前記基板の所定位置に前記部品を装着する複数の爪部を有して、前記部品供給位置と前記基板との間を移動可能に装架された部品装着具を備える部品装着装置であって、
    既に前記基板に装着された装着済み部品に対して、前記部品を開放するときの前記複数の爪部の位置および開放動作が干渉しないように、前記複数の爪部が挟持する前記部品の挟持箇所を決定する挟持箇所決定手段をさらに備える部品装着装置。
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