WO2015129026A1

WO2015129026A1 - ロボットハンド、ロボット、およびワークハンドリング方法

Info

Publication number: WO2015129026A1
Application number: PCT/JP2014/055067
Authority: WO
Inventors: 掃部　雅幸; 裕規 ▲高▼山
Original assignee: 川崎重工業株式会社
Priority date: 2014-02-28
Filing date: 2014-02-28
Publication date: 2015-09-03
Also published as: CN106061689A; CN106061689B

Abstract

「ロボットハンド（4）は、アーム（2）先端に装着されるハンド基部（5）と、第１開閉方向（D1）に移動可能にハンド基部（5）に設けられた一対の可動ユニット（6）と、一対の可動ユニット（6）を第１開閉方向（D1）に開閉駆動する可動ユニット駆動手段（7）と、第１開閉方向（D1）に直交する第２開閉方向（D2）に移動可能に一対の可動ユニット（6）のそれぞれに設けられた一対のワーク把持部材（8）と、一対のワーク把持部材（8）を第２開閉方向（D2）に開閉駆動するワーク把持部材駆動手段（9）と、を備える。ロボットハンドによる保持が難しいワークでも、ワークの損傷などを確実に防止しつつ支障なくハンドリングできるロボットハンドを提供することができる。」

Description

ロボットハンド、ロボット、およびワークハンドリング方法

　本発明は、ロボットのアームの先端に装着され、ワークを保持するためのロボットハンド、同ロボットハンドを備えたロボット、および同ロボットを用いたワークハンドリング方法に関する。

　従来、ロボットハンドでワークを保持して搬送する産業用ロボットが知られており、典型的には多関節型ロボットがあげられる。多関節型ロボットにおいては、複数のアーム部材が関節を介して順次相互に連結されてロボットアームが構成され、このロボットアームの先端にロボットハンドが装着されている。

　多関節型ロボット、例えば多関節型ロボットは、ロボットアームの先端に装着されたロボットハンドの移動に高い自由度を有している。多関節型ロボットは、ロボットハンドの移動に高い自由度を有しているため、製造ラインの自動化などを目的として様々な現場で用いられている。

　例えば、エアコンの製造ラインにおいても、産業用ロボットの導入による自動化の要求があり、具体的には、放熱パネルをロボットでハンドリングしたいという要求がある。

特開２０００－６１８７５号公報特開２００６－２１２７１２号公報

　ところが、エアコンの放熱パネルは、ロボットハンドによる把持が難しい構造を有している。

　図１４乃至図１８は、製造途中におけるエアコンの放熱パネル１００を示している。これらの図から分るように、放熱パネル１００は、互いに対向して離間配置された一対のエンドプレート１０１と、一対のエンドプレート１０１の間に互いにわずかに離間して並べられた多数の放熱板１０２（図１８）と、一対のエンドプレート１０１および多数の放熱板１０２のそれぞれを貫通して延在する複数のＵ字状冷却管１０３と、を有している。

　各エンドプレート１０１からは、Ｕ字状冷却管１０３のＵ字側の端部と直管側の端部とが外方に突出している。各エンドプレート１０１は比較的厚い金属プレートで構成されている。一方、各放熱板１０２は、比較的薄い金属プレートで構成されている。複数の放熱板１０２は、放熱パネル１００の各側面において外部に露出している。

　上述したように放熱パネル１００の放熱板１０２は、比較的薄い金属プレートで構成されると共に、放熱パネル１００の各側面において外部に露出しているため、吸着型のロボットハンドでこれらの側面を保持しようとしても、吸着可能な平面部分（真空状態を形成できる部分）が存在しない。また、挟持型のロボットハンドで放熱パネル１００のこれらの側面を保持してハンドリングすると、放熱板１０２はその強度が十分ではないため、ロボットハンドで挟持した際に、或いはハンドリング時に作用した力によって、放熱板が変形してしまう可能性がある。

　このため、放熱板１０２が露出した側面の部分以外の部分で放熱パネル１００を保持する必要があるが、上述したように各エンドプレート１０１からはＵ字状冷却管１０３のＵ字側の端部および直管側の端部が外方に突出して突出部１０４を形成している。このため、吸着型のロボットハンドでエンドプレート１０１の部分を保持しようとしても、Ｕ字状冷却管１０３の突出部１０４が邪魔をして保持することが困難である。また、挟持型のロボットハンドでエンドプレート１０１の部分を保持しようとしても、同様にＵ字状冷却管１０３の突出部１０４が邪魔をして保持することが困難である。

　上記の通り、エアコンの放熱パネル１００は、その構造上、従来のロボットハンドでは把持することが困難若しくは不可能であった。また、エアコンの放熱パネル１００に限らず、ロボットハンドによる吸着対象部分や把持対象部分が極めて限定されている、或いは存在しないワークを、如何にして保持するかが問題である。

　本発明は、上述した事情を考慮してなされたものであって、エアコンの放熱パネルのようにロボットハンドによる保持が難しいワークでも、ワークの損傷などを確実に防止しつつ、ワークを支障なくハンドリングすることができるロボットハンド、同ロボットハンドを備えたロボット、および同ロボットを用いたワークハンドリング方法を提供することを目的とする。

　上記課題を解決するために、第１の特徴による本発明は、ロボットのアームの先端に装着され、ワークを保持するためのロボットハンドにおいて、前記アームの先端に装着されるハンド基部と、第１開閉方向に移動可能に前記ハンド基部に設けられた一対の可動ユニットと、前記一対の可動ユニットのうちの少なくとも一方を前記第１開閉方向に駆動する可動ユニット駆動手段と、前記第１開閉方向に直交する第２開閉方向に移動可能に前記一対の可動ユニットのそれぞれに設けられた二組の一対のワーク把持部材と、前記一対のワーク把持部材のうちの少なくとも一方を前記第２開閉方向に駆動するワーク把持部材駆動手段と、を備えたことを特徴とする。

　第２の特徴による本発明は、第１または第２の特徴による本発明において、前記可動ユニット駆動手段は、前記一対の可動ユニットが互いに最も離間した非把持位置と、前記一対の可動ユニットが互いに最も近接した把持位置と、を切り換えるように構成されている、ことを特徴とする。

　第３の特徴による本発明は、第１または第２の特徴による本発明において、前記ワーク把持部材駆動手段は、前記一対のワーク把持部材が互いに最も離間したワーク把持部材開位置と、前記一対のワーク把持部材が互いに最も近接したワーク把持部材閉位置と、を切り換えるように構成されている、ことを特徴とする。

　第４の特徴による本発明は、第１乃至第３のいずれかの特徴による本発明において、前記ワークは、互いに離間して対向する各ワーク表面から突出する複数の突出部を有し、前記一対のワーク把持部材は、前記各ワーク表面から突出する前記複数の突出部のうちの一対の突出部を把持するように構成されている、ことを特徴とする。

　第５の特徴による本発明は、第４の特徴による本発明において、前記ワークは、それぞれが前記ワーク表面を含む一対のエンドプレートと、前記一対のエンドプレートの間に互いに離間して並べられた複数の放熱板と、前記一対のエンドプレートおよび前記複数の放熱板のそれぞれを、それらの厚み方向に貫通して延在する複数の冷却管と、を有し、前記複数の突出部は、前記一対のエンドプレートのそれぞれから外方に突出した前記複数の冷却管の一部である、ことを特徴とする。

　第６の特徴による本発明は、第４または第５の特徴による本発明において、前記ワーク把持部材に、前記ワークを把持する際に前記突出部の少なくとも一部を受け入れる受入れ部が形成されている、ことを特徴とする。

　第７の特徴による本発明は、第１乃至第６のいずれかの特徴による本発明において、前記ワークを、その保持に先立って位置決めするためのワーク位置決め手段をさらに備えたことを特徴とする。

　第８の特徴による本発明は、第７の特徴による本発明において、前記ワーク位置決め手段は、前記第１開閉方向に移動可能に前記ハンド基部に設けられた一対のワーク当接部材と、前記一対のワーク当接部材を前記第１開閉方向に駆動するワーク当接部材駆動手段と、を有する、ことを特徴とする。

　第９の特徴による本発明は、第８の特徴による本発明において、前記一対のワーク当接部材のそれぞれは、前記一対の可動ユニットのそれぞれに設けられ、前記ワーク当接部材駆動手段は、前記可動ユニット駆動手段で構成されている、ことを特徴とする。

　第１０の特徴による本発明のロボットは、第１乃至第９のいずれかの特徴によるロボットハンドと、前記ロボットハンドが先端に装着されたアームと、を備えたことを特徴とする。

　第１１の特徴による本発明は、第１０の特徴によるロボットを用いて、互いに離間して対向する各ワーク表面から突出する複数の突出部を有するワークをハンドリングする方法であって、前記アームを駆動して前記一対のワーク把持部材を前記ワーク表面から突出する前記複数の突出部のうちの一対の突出部の側方近傍に配置する第１工程と、前記可動ユニット駆動手段を駆動して前記一対の可動ユニットを閉方向に移動させ、これにより前記一対のワーク把持部材を前記ワーク表面に近接させる第２工程と、前記ワーク把持部材駆動手段を駆動して前記一対のワーク把持部材を閉方向に移動させ、これにより前記一対のワーク把持部材によって前記一対の突出部を把持する第３工程と、前記アームを駆動して前記ロボットハンドで保持した前記ワークをハンドリングする第４工程と、を備えたことを特徴とする。

　第１２の特徴による本発明は、第７乃至第９のいずれかの特徴によるロボットハンドがアームの先端に装着されたロボットを用いて、互いに離間して対向する各ワーク表面から突出する複数の突出部を有するワークをハンドリングする方法であって、前記ワーク位置決め手段を用いて、前記ワークをその保持に先立って位置決めするワーク位置決め工程と、前記ロボットハンドで前記ワークを保持してハンドリングするワークハンドリング工程と、を備え、前記ワークハンドリング工程は、前記アームを駆動して前記一対のワーク把持部材を前記ワーク表面から突出する前記複数の突出部のうちの一対の突出部の側方近傍に配置する第１工程と、前記可動ユニット駆動手段を駆動して前記一対の可動ユニットを閉方向に移動させ、これにより前記一対のワーク把持部材を前記ワーク表面に近接させる第２工程と、前記ワーク把持部材駆動手段を駆動して前記一対のワーク把持部材を閉方向に移動させ、これにより前記一対のワーク把持部材によって前記一対の突出部を把持する第３工程と、前記アームを駆動して前記ロボットハンドで保持した前記ワークをハンドリングする第４工程と、を有する、ことを特徴とする。

　本発明によれば、エアコンの放熱パネルのようにロボットハンドによる保持が難しいワークであっても、ワークの把持やハンドリングの際のワークへの損傷を確実に防止しつつ、ワークを支障なくハンドリングすることができる。

本発明の一実施形態によるロボットハンドを備えたロボットをワークと共に示した斜視図。ワーク把持状態にある図１に示したロボットハンドをワークと共に示した下面図。ワーク把持状態にある図１に示したロボットハンドをワークと共に示した正面図。ワーク把持状態にある図１に示したロボットハンドをワークと共に示した側面図。ワーク把持状態にある図１に示したロボットハンドをワークと共に示した他の側面図。ワーク位置決め状態にある図１に示したロボットハンドをワークと共に示した下面図。ワーク位置決め状態にある図１に示したロボットハンドをワークと共に示した正面図。図１に示したロボットハンドの可動ユニット駆動手段の概略構成を示した模式図。図１に示したロボットハンドのワーク把持部材駆動手段の概略構成を示した模式図。図１に示したロボットによるワークのハンドリング動作を説明するための模式図。図１に示したロボットハンドによるワーク位置決め動作を説明するための模式図。図１に示したロボットハンドによるワーク位置決め動作を説明するための他の模式図。図１に示したロボットハンドによるワーク把持動作を説明するための模式図。図１に示したロボットハンドによるワーク把持動作を説明するための他の模式図。図１に示したロボットハンドによるワーク把持動作を説明するための他の模式図。図１に示したロボットによって所定の載置台に縦置きに載置されたワークの一部を拡大して示した図。エアコンの放熱パネル（ワーク）の側面を示した図。エアコンの放熱パネル（ワーク）の他の側面を示した図。エアコンの放熱パネル（ワーク）の端面を示した図。エアコンの放熱パネル（ワーク）の他の端面を示した図。エアコンの放熱パネル（ワーク）の一部を拡大して示した図。

　以下、本発明の一実施形態によるロボットハンドを備えたロボットについて、図面を参照して説明する。なお、本実施形態によるロボットハンドは、エアコンの放熱パネルのハンドリングに適したものである。

　図１に示したように本実施形態によるロボット１は、多関節型ロボットであり、そのアーム２の手首軸３にロボットハンド４が装着されている。

　ロボットハンド４は、アーム２の手首軸３に装着されたハンド基部５を有する。ハンド基部５には、第１開閉方向Ｄ１に移動可能に一対の可動ユニット６が設けられている。一対の可動ユニット６は、可動ユニット駆動手段７によって第１開閉方向Ｄ１に開閉駆動される。第１開閉方向Ｄ１は、アーム２の手首軸３の回転軸線に直交する方向である。なお、第１開閉方向Ｄ１は、アーム２の手首軸３の回転軸線に直交する方向でなくても良い。

　一対の可動ユニット６のそれぞれには、第１開閉方向Ｄ１に直交する第２開閉方向Ｄ２に移動可能に、一対のワーク把持部材８がそれぞれ設けられている。第２開閉方向Ｄ２は、アーム２の手首軸３の回転軸線に直交する方向である。一対のワーク把持部材８は、ワーク把持部材駆動手段９によって第２開閉方向Ｄ２に開閉駆動される。

　ワーク把持部材８は細長部材（フィンガー状部材）で構成されており、ワーク把持部材８の先端部には、ワークであるエアコンの放熱パネル１００のＵ字状冷却管１０３の突出部１０４を把持する際にその少なくとも一部を受け入れる受入れ部１０が形成されている。なお、受入れ部１０の形状は、図１に示したような凹状でも良く、或いはＬ字状（フック状）とすることもできる。

　一対の可動ユニット６のそれぞれには、さらに、放熱パネル１００をその保持に先立って位置決めするためのワーク位置決め手段１１が設けられている。ワーク位置決め手段１１は、一対の可動ユニット６と一体に第１開閉方向Ｄ１に駆動される一対のワーク当接部材１２を有する。

　ワーク当接部材１２は、アングル部材によって構成されている。一対のアングル部材は、それらの折曲形状の内側面を互いに対向させて配置されている。アングル部材の折曲線１３は、第１開閉方向Ｄ１に直交する方向で且つ第２開閉方向Ｄ２に平行な方向に延在している。

　可動ユニット駆動手段７は、一対のワーク当接部材１２を第１開閉方向Ｄ１に開閉駆動するためのワーク当接部材駆動手段を兼ねている。すなわち、一対のワーク当接部材１２は一対の可動ユニット６にそれぞれ設けられているので、可動ユニット駆動手段７によって一対の可動ユニット６を第１開閉方向Ｄ１に駆動することにより、同時に一対のワーク当接部材１２が第１開閉方向Ｄ１に駆動される。

　図２乃至図５は、ワーク把持状態にあるロボットハンド４をワーク１００と共に示している。ワーク把持状態においては、ロボットハンド４の４本のワーク把持部材８によって、放熱パネル１００のＵ字状冷却管１０３の４つの突出部１０４が把持される。この状態では、ワーク当接部材１２は、放熱パネル１００から離間した退避位置にある。

　図６および図７は、ワーク位置決め状態にあるロボットハンド４をワーク１００と共に示している。ワーク位置決め状態においては、ロボットハンド４の一対のワーク当接部材１２を、放熱パネル１００の、対角に位置する一対の隅部に当接して、これにより放熱パネル１００が所定の位置に位置決めされる。この状態では、ワーク把持部材８は、放熱パネル１００から離間した退避位置にある。

　図８に示したように、可動ユニット駆動手段７は、サーボモータ１４と、サーボモータ１４により駆動されるボールスクリュー１５と、サーボモータ１４の出力軸をボールスクリュー１５に連結する駆動ベルト１６とを有する。

　可動ユニット駆動手段７によって、一対の可動ユニット６が互いに最も離間した非把持位置と、一対の可動ユニット６が互いに最も近接した把持位置と、を切り換えることができる。

　ここで、可動ユニット駆動手段７をサーボモータ１４で構成することにより、可動ユニット６の第１開閉方向Ｄ１への駆動をロボット制御にて柔軟に行なうことが可能となる。放熱パネル１００は、Ｕ字状冷却管１０３の延在方向（放熱板１０２の積層方向）における剛性が少ないため、その方向への可動ユニット６の柔軟な制御は、ロボットハンド４で放熱パネル１００を保持する際の放熱パネル１００の損傷を確実に防止する上で有利である。

　また、既に述べたように可動ユニット駆動手段７は、一対のワーク当接部材１２を第１開閉方向Ｄ１に開閉駆動するためのワーク当接部材駆動手段を兼ねているが、上記の通りサーボモータ１４で可動ユニット駆動手段７を構成することにより、１つの駆動源（サーボモータ１４）によって、ワーク当接部材１２の駆動とワーク把持部材８の駆動とを円滑に行なうことができる。

　なお、可動ユニット駆動手段７を、二位置のエアシリンダで構成した場合には、非把持位置は開位置であり、本実施形態のようにサーボモータ１４等で構成した場合には、非把持位置は把持位置よりも開いた任意の位置である。また、可動ユニット駆動手段７を、二位置のエアシリンダで構成した場合には、把持位置は閉位置であり、本実施形態のようにサーボモータ１４等で構成した場合には、把持位置はワークを把持した状態となる位置である。

　図９に示したように、ワーク把持部材駆動手段９は、エアシリンダ１７と、エアシリンダ１７のピストンを一対のワーク把持部材８に連結するリンク機構１８とを有する。一対のワーク把持部材８は、リニアガイド１９によって第２開閉方向Ｄ２に移動可能に支持されている。ワーク把持部材駆動手段９によって、一対のワーク把持部材８が互いに最も離間したワーク把持部材開位置と、一対のワーク把持部材８が互いに最も近接したワーク把持部材閉位置と、を切り換えることができる。

　なお、ワーク把持部材駆動手段９の構成としては、単にエアシリンダを２つ対向配置して、各エアシリンダで各ワーク把持部材８を駆動するようにしても良い。或いは、各ワーク把持部材８を駆動するための作動流体の流路を、ブロック内に内蔵させることにより、ワーク把持部材駆動手段９を構成することもできる。

　なお、変形例としては、ワーク把持部材駆動手段９として、図８に示したサーボモータ１４等から成る駆動機構を採用しても良い。また、可動ユニット駆動手段７として、図９に示したエアシリンダ１７等から成る駆動機構を採用しても良い。

　また、図８に示した可動ユニット駆動手段７において、サーボモータ１４の出力軸とボールスクリュー１５との連結を、駆動ベルト１６に代えてギヤで行っても良い。また、図９に示したワーク把持部材駆動手段９において、リニアガイド１９に代えて、ロッド・アンド・ボールブッシュを採用することもできる。

　また、図８に示した可動ユニット駆動手段７においては、一対の可動ユニット６の両方をサーボモータ１４によって駆動するようにしているが、一対の可動ユニット６のうちの一方はアーム２の動作で動かし、他方の可動ユニット６のみをサーボモータ１４（或いはエアシリンダ等の他の駆動源）によって駆動するようにしても良い。

　同様に、図９に示したワーク把持部材駆動手段９においても、一対のワーク把持部材８のうちの一方はアーム２の動作で動かし、他方のワーク把持部材８のみをエアシリンダ１７（或いはサーボモータ等の他の駆動源）によって駆動するようにしても良い。

　次に、上述したロボット１を用いてエアコンの放熱パネル１００をハンドリングする方法の一例について、図面を参照して説明する。

　本例によるワークハンドリングにおいては、図１０（ａ）、（ｂ）に示したように、第１の載置台２０に横置きに載置された放熱パネル１００を、ロボット１を用いて第２の載置台２１に縦置きに載置する。

　まず初めに、第１の載置台２０に横置きに載置された放熱パネル１００を、ロボットハンド４のワーク位置決め手段１１を用いて、第１載置台２０の載置面上で所定の位置に位置決めする（ワーク位置決め工程）。

　すなわち、図１１Ａに示したように、一対のワーク当接部材１２を開位置とした状態で、アーム２を駆動して、放熱パネル１００の、対角に位置する一対の隅部の近傍に一対のワーク当接部材１２を配置する。

　そして、図１１Ｂに示したように、可動ユニット駆動手段７を駆動して一対のワーク当接部材１２を閉位置に移動させる。これにより、一対のワーク当接部材１２が、放熱パネル１００の一対の隅部に当接される。このとき、放熱パネル１００の原位置が所定の位置からずれていた場合には、一対のワーク当接部材１２で挟み込まれる際に放熱パネル１００が所定の位置に移動する。

　このように第１の載置台２０上で放熱パネル１００を所定の位置に位置決めしたら、可動ユニット駆動手段７を駆動して一対のワーク当接部材１２を開位置に移動させ、放熱パネル１００を解放すると共に、アーム２を駆動して一対のワーク当接部材１２を放熱パネル１００から離間させる。

　次に、さらにアーム２を駆動して、ロボットハンド４の姿勢を、ワーク位置決め動作用の姿勢から、ワーク把持動作用の姿勢に切り換える。すなわち、ワーク位置決め動作においてはワーク当接部材１２が放熱パネル１００の方を向いていたが、ワーク把持動作においては、ワーク把持部材８が放熱パネル１００の方を向くようにアーム２を駆動する。

　そして、図１２Ａに示したように、２組の一対のワーク把持部材８（合計４本）を、放熱パネル１００のＵ字状冷却管１０３の複数の突出部１０４のうちの一対の突出部の側方近傍に配置する（第１工程）。

　このとき、Ｕ字状冷却管１０３のＵ字状端部から成る突出部１０４においては、Ｕ字状端部の内側に各ワーク把持部材８が挿入される。このように、Ｕ字状端部の内側という限られた領域にワーク把持部材８を挿入する必要があるが、これに先立ってワーク位置決め工程にて放熱パネル１００を所定の位置に正確に位置合わせしてあるので、ワーク把持部材８をＵ字状端部の内側に支障なく挿入することができる。

　次に、図１２Ｂに示したように、可動ユニット駆動手段７を駆動して一対の可動ユニット６を第１開閉方向Ｄ１における閉方向に移動させる。これにより、２組の一対のワーク把持部材８を放熱パネル１００の各端面に近接させる（第２工程）。

　次に、図１２Ｃに示したように、ワーク把持部材駆動手段９を駆動して一対のワーク把持部材８を第２開閉方向Ｄ２における閉方向に移動させる。これにより、一対のワーク把持部材８によって一対の突出部１０４を把持する（第３工程）。

　このようにしてロボットハンド４によって放熱パネル１００を保持した状態で、アーム２を駆動して、放熱パネル１００を第１の載置台２０から持ち上げて、鉛直反転させながら第２の載置台２１に縦置きに載置する（第４工程）。

　図１３に示したように、第２の載置台２１の載置面には複数の位置決め用突起２２が設けられている。ロボット１によって放熱パネル１００を第２の載置台２１に載置する際には、放熱パネル１００のＵ字状冷却管１０３のＵ字状端部が、第２の載置台２１の位置決め用突起２２で位置決めされるようにする。このとき、図１３から分るように、ロボットハンド４のワーク把持部材８は、第２の載置台２１の位置決め用突起２２に干渉しない位置でＵ字状冷却管１０３の突出部１０４を把持している。これにより、放熱パネル１００を第２の載置台２１に載置する際に、ワーク把持部材８と位置決め用突起２２とが干渉することを防止できる。

　以上述べたように本実施形態によるロボットハンド４を備えたロボット１によれば、細長部材から成る４本のワーク把持部材８によって、放熱パネル１００の放熱板１０２のような強度の弱い部分ではなく、十分な強度を有するＵ字状冷却管１０３の突出部１０４を把持することができるので、放熱板１０２に損傷を与えることなく放熱パネル１００を適切にハンドリングすることができる。

　また、ワーク位置決め手段１１を用いて、ワーク把持工程に先立って放熱パネル１００を位置決めすることができるので、Ｕ字状冷却管１０３のＵ字状端部の内側という限られた領域であっても、アーム２を駆動してワーク把持部材８を正確にその中に挿入することができる。さらに、ワークの位置を検出するためのセンサや、ワーク位置決め用のワーク仮受け手段などが不要になるという利点もある。

　また、ワーク当接部材１２と一対のワーク把持部材８とを同じ可動ユニット６に設けるようにしたので、２組の一対のワーク把持部材８を第１開閉方向Ｄ１に駆動する動作と、一対のワーク当接部材１２を第１開閉方向Ｄ１に駆動する動作の両方を、共通の可動ユニット駆動手段７によって行うことができる。

　また、ワーク位置決め動作を行う際のロボットハンド４の姿勢と、ワーク把持動作を行う際のロボットハンド４の姿勢とを、ロボット１のアーム２を用いて切り換えるようにしたので、姿勢切換え用の外部軸を別途設ける必要がない。

　１　ロボット
　２　ロボットのアーム
　３　アームの手首軸
　４　ロボットハンド
　５　ハンド基部
　６　可動ユニット
　７　可動ユニット駆動手段
　８　ワーク把持部材
　９　ワーク把持部材駆動手段
　１０　ワーク把持部材の受入れ部
　１１　ワーク位置決め手段
　１２　ワーク当接部材
　１３　ワーク当接部材を構成するアングル部材の折曲線
　１４　可動ユニット駆動手段のサーボモータ
　１５　可動ユニット駆動手段のボールスクリュー
　１６　可動ユニット駆動手段の駆動ベルト
　１７　ワーク把持部材駆動手段のエアシリンダ
　１８　ワーク把持部材駆動手段のリンク機構
　１９　ワーク把持部材駆動手段のリニアガイド
　２０　ワーク横置きの第１の載置台
　２１　ワーク縦置きの第２の載置台
　２２　第２の載置台の位置決め用突起
　１００　エアコン用の放熱パネル
　１０１　放熱パネルのエンドプレート
　１０２　放熱パネルの放熱板
　１０３　Ｕ字状冷却管
　１０４　Ｕ字状冷却管の突出部

Claims

　ロボットのアームの先端に装着され、ワークを保持するためのロボットハンドにおいて、
　前記アームの先端に装着されるハンド基部と、
　第１開閉方向に移動可能に前記ハンド基部に設けられた一対の可動ユニットと、
　前記一対の可動ユニットのうちの少なくとも一方を前記第１開閉方向に駆動する可動ユニット駆動手段と、
　前記第１開閉方向に直交する第２開閉方向に移動可能に前記一対の可動ユニットのそれぞれに設けられた二組の一対のワーク把持部材と、
　前記一対のワーク把持部材のうちの少なくとも一方を前記第２開閉方向に駆動するワーク把持部材駆動手段と、を備えたロボットハンド。
　前記可動ユニット駆動手段は、前記一対の可動ユニットが互いに最も離間した非把持位置と、前記一対の可動ユニットが互いに最も近接した把持位置と、を切り換えるように構成されている、請求項１または２に記載のロボットハンド。
　前記ワーク把持部材駆動手段は、前記一対のワーク把持部材が互いに最も離間したワーク把持部材開位置と、前記一対のワーク把持部材が互いに最も近接したワーク把持部材閉位置と、を切り換えるように構成されている、請求項１または２に記載のロボットハンド。
　前記ワークは、互いに離間して対向する各ワーク表面から突出する複数の突出部を有し、前記一対のワーク把持部材は、前記各ワーク表面から突出する前記複数の突出部のうちの一対の突出部を把持するように構成されている、請求項１乃至３のいずれか一項に記載のロボットハンド。
　前記ワークは、それぞれが前記ワーク表面を含む一対のエンドプレートと、前記一対のエンドプレートの間に互いに離間して並べられた複数の放熱板と、前記一対のエンドプレートおよび前記複数の放熱板のそれぞれを、それらの厚み方向に貫通して延在する複数の冷却管と、を有し、前記複数の突出部は、前記一対のエンドプレートのそれぞれから外方に突出した前記複数の冷却管の一部である、請求項４記載のロボットハンド。
　前記ワーク把持部材に、前記ワークを把持する際に前記突出部の少なくとも一部を受け入れる受入れ部が形成されている、請求項４または５に記載のロボットハンド。
　前記ワークを、その保持に先立って位置決めするためのワーク位置決め手段をさらに備えた請求項１乃至６のいずれか一項に記載のロボットハンド。
　前記ワーク位置決め手段は、前記第１開閉方向に移動可能に前記ハンド基部に設けられた一対のワーク当接部材と、前記一対のワーク当接部材を前記第１開閉方向に駆動するワーク当接部材駆動手段と、を有する、請求項７記載のロボットハンド。
　前記一対のワーク当接部材のそれぞれは、前記一対の可動ユニットのそれぞれに設けられ、
　前記ワーク当接部材駆動手段は、前記可動ユニット駆動手段で構成されている、請求項８記載のロボットハンド。
　請求項１乃至９のいずれか一項に記載のロボットハンドと、
　前記ロボットハンドが先端に装着されたアームと、を備えたロボット。
　請求項１０記載のロボットを用いて、互いに離間して対向する各ワーク表面から突出する複数の突出部を有するワークをハンドリングする方法であって、
　前記アームを駆動して前記一対のワーク把持部材を前記ワーク表面から突出する前記複数の突出部のうちの一対の突出部の側方近傍に配置する第１工程と、
　前記可動ユニット駆動手段を駆動して前記一対の可動ユニットを閉方向に移動させ、これにより前記一対のワーク把持部材を前記ワーク表面に近接させる第２工程と、
　前記ワーク把持部材駆動手段を駆動して前記一対のワーク把持部材を閉方向に移動させ、これにより前記一対のワーク把持部材によって前記一対の突出部を把持する第３工程と、
　前記アームを駆動して前記ロボットハンドで保持した前記ワークをハンドリングする第４工程と、を備えたワークハンドリング方法。
　請求項７乃至９のいずれか一項に記載のロボットハンドがアームの先端に装着されたロボットを用いて、互いに離間して対向する各ワーク表面から突出する複数の突出部を有するワークをハンドリングする方法であって、
　前記ワーク位置決め手段を用いて、前記ワークをその保持に先立って位置決めするワーク位置決め工程と、
　前記ロボットハンドで前記ワークを保持してハンドリングするワークハンドリング工程と、を備え、
　前記ワークハンドリング工程は、
　　前記アームを駆動して前記一対のワーク把持部材を前記ワーク表面から突出する前記複数の突出部のうちの一対の突出部の側方近傍に配置する第１工程と、
　　前記可動ユニット駆動手段を駆動して前記一対の可動ユニットを閉方向に移動させ、これにより前記一対のワーク把持部材を前記ワーク表面に近接させる第２工程と、
　　前記ワーク把持部材駆動手段を駆動して前記一対のワーク把持部材を閉方向に移動させ、これにより前記一対のワーク把持部材によって前記一対の突出部を把持する第３工程と、
　　前記アームを駆動して前記ロボットハンドで保持した前記ワークをハンドリングする第４工程と、を有する、ワークハンドリング方法。