JPWO2016006013A1 - 操舵制御装置、操舵制御システム、操舵制御方法、及び操舵制御プログラム - Google Patents

操舵制御装置、操舵制御システム、操舵制御方法、及び操舵制御プログラム Download PDF

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Abstract

本発明は、乗り物に設けられたハンドルの操作量を示すハンドル状態量に対応して乗り物の進行方向を制御する手動操舵モードと進行方向を自動で制御する強制自動操舵モードとを有し、手動操舵モード又は強制自動操舵モードに応じて、ハンドルに付加するハンドル制御量を制御する操舵制御装置において、手動操舵モードと強制自動操舵モードとを切り替える操舵モード選択手段と、操舵モード選択手段によって手動操舵モードが選択された場合に、乗り物の走行状態を示す情報に基づいてハンドルに付加するハンドル制御量を算出し、操舵モード選択手段によって強制自動操舵モードが選択された場合に、走行状態を示す情報に基づいて手動操舵モードにおいて算出するハンドル制御量とは異なる大きさのハンドル制御量を算出するハンドル制御量算出手段と、を備えることを特徴とする。

Description

本発明は、ステアバイワイヤ技術において、ハンドルを制御する操舵制御装置、操舵制御システム、操舵制御方法、及び操舵制御プログラムに関する。
現在、ハンドルと車輪とを機械的に分離したステアバイワイヤ技術(SBW: Steer−By−Wire)が開発されている。ステアバイワイヤは、ハンドルと車輪との間に機械的な結合がなく、ドライバーのハンドル操作に対応した電気信号によりモータを動かして車輪の向きを制御する。ステアバイワイヤは、荒い路面等でハンドルを取られることがなく、車輪をドライバーの指示通りの角度にキープし続けることができる。しかしながら、ハンドルと車輪とが機械的に接続されていないため、車両の速度や車輪の角度に応じて地面から伝わる力がハンドルに伝わらず、ドライバーに対して違和感を生じ、操作しにくいものとなっていた。そこで、車両の速度等の走行状態の情報に基づいてハンドルに擬似的な力を付加する技術がある(例えば、特許文献1)。
特開2012−232676号公報
一方で、近年、緊急操舵回避支援システム(Autonomous Emergency Steering System)が開発されている。緊急操舵回避支援システムは、例えば、車両の前方に突然障害物が現れたような場合に、自動で車両の進行方向を制御して衝突を回避するシステムである。このように、自動で車両の進行方向を制御する場合に、ドライバーの操舵に関わらず車両の進行方向を制御するモードを強制自動操舵モードという。強制自動操舵モードは、ドライバーの操作によらず、強制的に適用される。
特許文献1に記載された操舵制御装置のように、ステアバイワイヤ技術を用いた車両においては、ハンドルと車輪とが機械的に接続されておらず、擬似的にハンドルに力を伝えるので、手動で車両の進行方向を制御するモード(以下、手動操舵モードとする)適用時と同じようにハンドルに力を付加したのでは、ドライバーが強制自動操舵モードに移行したことに気づくことができない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、ハンドルを介して、強制自動操舵モードが適用されていることをドライバーに伝えることを目的とする。
本発明の操舵制御装置は、乗り物に設けられたハンドルの操作量を示すハンドル状態量に対応して前記乗り物の進行方向を制御する手動操舵モードと前記進行方向を自動で制御する強制自動操舵モードとを有し、前記手動操舵モード又は前記強制自動操舵モードに応じて、前記ハンドルに付加するハンドル制御量を制御する操舵制御装置において、前記手動操舵モードと前記強制自動操舵モードとを切り替える操舵モード選択手段と、前記操舵モード選択手段によって前記手動操舵モードが選択された場合に、前記乗り物の走行状態を示す情報に基づいて前記ハンドルに付加するハンドル制御量を算出し、前記操舵モード選択手段によって前記強制自動操舵モードが選択された場合に、前記走行状態を示す情報に基づいて前記手動操舵モードにおいて算出するハンドル制御量とは異なる大きさのハンドル制御量を算出するハンドル制御量算出手段と、を備えることを特徴とする。
本発明の操舵制御システムは、乗り物に設けられたハンドルと、前記ハンドルの操作量を示すハンドル状態量に対応して前記乗り物の進行方向を制御する手動操舵モードと該進行方向を自動で制御する強制自動操舵モードとを有し、前記手動操舵モード又は前記強制自動操舵モードに応じて、前記ハンドルに付加するハンドル制御量を算出する操舵制御手段と、前記操舵制御手段で算出したハンドル制御量に基づいて、前記ハンドルにハンドル制御量を付加するハンドル制御量付加手段と、を備える操舵制御システムにおいて、前記操舵制御手段は、前記手動操舵モードと前記強制自動操舵モードとを切り替える操舵モード選択手段と、前記操舵モード選択手段によって前記手動操舵モードが選択された場合に、前記乗り物の走行状態を示す情報に基づいて前記ハンドルに付加するハンドル制御量を算出し、前記操舵モード選択手段によって前記強制自動操舵モードが選択された場合に、前記走行状態を示す情報に基づいて前記手動操舵モードにおいて算出するハンドル制御量とは異なる大きさのハンドル制御量を算出するハンドル制御量算出手段と、を備えることを特徴とする。
本発明の操舵制御方法は、乗り物に設けられたハンドルの操作量を示すハンドル状態量に対応して前記乗り物の進行方向を制御する手動操舵モードと前記進行方向を自動で制御する強制自動操舵モードとを選択する操舵モード選択ステップと、前記操舵モード選択ステップにより前記手動操舵モードが選択された場合に、前記乗り物の走行状態を示す情報に基づいて前記ハンドルに付加するハンドル制御量を算出し、前記操舵モード選択ステップにより前記強制自動操舵モードが選択された場合に、前記走行状態を示す情報に基づいて前記手動操舵モードにおいて算出するハンドル制御量とは異なる大きさのハンドル制御量を算出するハンドル制御量算出ステップと、前記ハンドル制御量算出ステップで算出したハンドル制御量に基づいて、前記ハンドルにハンドル制御量を付加するハンドル制御量付加手段を制御するハンドル制御量付加ステップと、を有することを特徴とする。
本発明の操舵制御プログラムは、乗り物に設けられたハンドルの操作量を示すハンドル状態量に対応して前記乗り物の進行方向を制御する手動操舵モードと前記進行方向を自動で制御する強制自動操舵モードとを選択する操舵モード選択ステップと、前記操舵モード選択ステップにより前記手動操舵モードが選択された場合に、前記乗り物の走行状態を示す情報に基づいて前記ハンドルに付加するハンドル制御量を算出し、前記操舵モード選択ステップにより前記強制自動操舵モードが選択された場合に、前記走行状態を示す情報に基づいて前記手動操舵モードにおいて算出するハンドル制御量とは異なる大きさのハンドル制御量を算出するハンドル制御量算出ステップと、前記ハンドル制御量算出ステップで算出したハンドル制御量に基づいて、前記ハンドルにハンドル制御量を付加するハンドル制御量付加手段を制御するハンドル制御量付加ステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明によれば、乗り物の進行中に強制自動操舵モードに切り替わった場合に、手動操舵モードで付加するハンドル制御量とは異なる大きさのハンドル制御量をハンドルに付加するので、ハンドルを介してドライバーに強制自動操舵モードに切り替わったことを認識させることができる。
実施の形態1に係る操舵制御システムの構成図。 実施の形態1に係る操舵制御システムに用いられるハンドルの例である。 実施の形態1に係る操舵制御装置の構成図である。 実施の形態1に係る手動操舵モード時における進行方向量とハンドル状態量の対応関係の例である。 ハンドル状態量再設定手段の動作を説明するための図である。 実施の形態1に係る操舵制御システムの動作フローチャートである。 実施の形態2に係る操舵制御システムの動作を説明する図である。 実施の形態3に係る操舵制御システムの効果を説明する図である。
実施の形態1.
以下、図1から図6を用いて、実施の形態1に係る操舵制御システムについて説明する。図1は実施の形態1に係る操舵制御システムの構成図である。実施の形態1に係る操舵制御システムは、ハンドル1、ハンドル状態量検出手段2、ハンドル制御量付加手段3、進行方向制御手段4、外部情報取得手段5、車速検出手段6a、加速度検出手段6b、進行方向検出手段7、及び操舵制御装置8(操舵制御手段8)から構成される。
ハンドル1は、進行方向を入力するインタフェースであって、ドライバーが操作することにより、後述する進行方向制御手段4を制御することができる。なお、ハンドル1は自動車のハンドルに限られない。図2は、実施の形態1に係る操舵制御システムに用いられるハンドルの例である。ハンドル1は、図2(a)に示すような一般的な自動車の操舵輪でもよいし、図2(b)に示すような、船の舵であってもよいし、さらには、図(c)に示すような形状のものでもよい。また、ハンドル1は、これらに限られず、図2(d)〜(f)のように、レバー形状及びつまみ形状のものでもよい。すなわち、ハンドル1は、ドライバーの所望の進行方向を回転量、又は移動量等の操作量で表すことが可能なものであればよく、形状及びデザインは図2に記載するものに限られない。以下の説明において、車両を例として説明するが、本発明に係る操舵制御システムは、船舶、航空機等、進行方向を制御する乗り物であれば適用可能である。
ハンドル状態量検出手段2は、ドライバーに操作されたハンドル1のハンドル状態量を検出する手段である。ハンドル状態量とは、ハンドル1の操作量を示す情報である。例えば、本実施の形態に係る操舵制御システムが自動車に搭載されている場合、ハンドル状態量は、図2(a)に示すように、直進を示すハンドル状態(中立の位置)を0とし、右回転を正の向きとした情報θ[rad]で表される。なお、図(e)(f)のようなハンドルの場合については、中立の位置から右方向への移動距離θ[m]で表される。
ハンドル制御量付加手段3は、後述する操舵制御装置8からの信号に従い、ハンドル1にハンドル制御量を付加する手段である。ハンドル制御量は、ハンドルを制御するために付加する力又はトルクである。ハンドル制御量付加手段3は、例えばモータや、ハンドル1に接続されるシャフト(図示せず)を挟み込み摩擦を生じさせることによりハンドル制御量を生む摩擦手段(図示せず)等がこれに該当する。操舵制御装置8からの信号で表されるハンドル制御量は、ハンドルを制御するために付加する力又はトルクとしたが、摩擦手段(図示せず)であれば正の値で表され、モータである場合には、回転方向に応じて正負のトルクとして表される。図2の(a)〜(d)に示すような回転式のハンドルの場合には、ドライバーから離れる方向に向かうベクトルを軸として右回りに回転させるハンドル制御量が正、ドライバーから離れる方向に向かうベクトルを軸として左回りに回転させるハンドル制御量が負のハンドル制御量となり、図2の(e)(f)に示すような左右方向に可動するハンドルであれば、ドライバーから見て右側に付加するハンドル制御量を正、左側に付加するハンドル制御量を負で表現することができる。ハンドル制御量付加手段3は、上記したハンドル制御量の情報に基づいてハンドル1にハンドル制御量を付加する。なお、ハンドル制御量は、ハンドル制御量付加手段3がハンドル1に付加するハンドル制御量を識別することが可能であれば、どのように定義してもよい。
進行方向制御手段4は、車両の進行方向を制御する手段である。また、進行方向制御手段4は、モータ41、シャフト42、アーム43、及び車輪44から構成される。モータ41は、操舵制御装置8からの信号に基づいて駆動し、シャフト42をこのシャフト42の軸方向に駆動する。また、車輪44は、シャフト42とアーム43を介して接続され、シャフト42の変位により、左右に向きを変える。
外部情報取得手段5は、車両の周囲の物体までの距離、路面の状態等を外部情報として検出する手段である。例えば、外部情報は、電波式測距装置(Radio Detecting and Ranging又はRadar)、光学式測距装置(light Detection and Ranging又はLIDAR)、音波式測距装置(Sound Navigation and Ranging又はSONAR)、等による周囲の物体までの距離の情報、又はカメラ等の撮像手段による画像情報がこれに該当する。なお、外部情報取得手段5は、上記装置のうち複数種類を併用してもよい。
車速検出手段6aは、車両の対地速度を測定する手段である。例えば、速度メータの速度計測に用いられる回転数センサ等がこれにあたる。
加速度検出手段6bは、車両の前後方向及び上下方向の加速度を検出するセンサである。
進行方向検出手段7は、進行方向制御手段4によって制御される車両の進行方向量を検出する手段である。ここで進行方向量とは、進行方向制御手段4によって制御される進行方向の変化量を示す情報である。例えば、進行方向量は、自動車が直進する際の前輪の状態を0とし、右旋回を正とした前輪の向きの回転量である。
操舵制御装置8は、ハンドル状態量検出手段2から取得したハンドル状態量に基づいて、進行方向制御手段4を制御し、車両の進行方向を変更する。また、操舵制御装置8は、車両の車速、加速度、進行方向量、及びハンドル状態量等の情報に基づいて、ハンドル制御量付加手段3を制御し、ハンドル1にハンドル制御量を付加する。なお、以下の説明において、車両の車速、加速度、進行方向量、及びハンドル状態量のうち少なくとも1つを含む情報をまとめて走行状態情報とする。以下、図3を用いて、操舵制御装置8の構成について詳細に説明する。図3は、実施の形態1に係る操舵制御装置の構成図である。なお、操舵制御装置8は、銅線による電気通信、光ファイバによる光通信、アンテナによる無線通信等によって、各手段から情報を取得することが可能であるが、歯車等を介し機械的に接続し、部品の回転量や遷移量を計測する手段を用いて情報を取得するようにしてもよい。
操舵制御装置8は、操舵モード選択手段81、進行方向決定手段82、ハンドル制御量算出手段83、乖離量算出手段84、及びハンドル状態量再設定手段85を備える。なお、図3に示す操舵モード選択手段81、進行方向決定手段82、ハンドル制御量算出手段83、乖離量算出手段84、及びハンドル状態量再設定手段85の機能は、ハードウェアによって実現しても良いし、コンピュータに所定のプログラムを実行させることによって実現してもよい。
操舵モード選択手段81は、手動操舵モードと強制自動操舵モードとを切り替える手段である。手動操舵モードとは、ドライバーによるハンドル1の操作に対応して進行方向制御手段4を制御するモードである。また、強制自動操舵モードとは、ドライバーのハンドル1の操作にかかわらず、自動で進行方向制御手段4を制御するモードである。手動操舵モードと強制自動操舵モードとの切り替えの判定には、様々な形態が考えられる。切り替えの判定の一例として、操舵モード選択手段81は、車両走行中に外部情報取得手段5から周囲の障害物との距離を示す外部情報を受け、現在の車速と進行方向量では回避できない距離に障害物が存在すると判定した場合に手動操舵モードから強制自動操舵モードに切り替える。また、強制自動操舵モードから手動操舵モードへの切り替えの判定には、例えば、後述する乖離量算出手段84により、ハンドル状態量と進行方向量との対応がとれたと判断された場合に強制自動操舵モードから手動操舵モードに切り替える。操舵モード選択手段81は、操舵モードを切り替えた場合に、手動操舵モード又は強制自動操舵モードを示す操舵モード情報を後述する進行方向決定手段82及びハンドル制御量算出手段83に出力する。操舵モード選択手段81が手動操舵モードを選択するか強制自動操舵モードを選択するかによって、後述する進行方向決定手段82及びハンドル制御量算出手段83の動作が変わる。
進行方向決定手段82は、手動操舵モードにおいて、ハンドル状態量検出手段2からハンドル状態量を取得し、対応する進行方向に車両が進むよう進行方向制御手段4を制御する。具体的には、進行方向決定手段82は、進行方向量とハンドル状態量との対応関係がプログラムされており、ハンドル状態量検出手段2からハンドル状態量の情報を取得することにより、進行方向制御手段4の進行方向量を決定することができる。それゆえ、ドライバーは、ハンドル1を操作してハンドル状態量を変化させることで進行方向を定めることができる。図4は、実施の形態1に係る手動操舵モード時における進行方向量とハンドル状態量の対応関係の例である。図4(a)は、ハンドル状態量と進行方向量の対応関係の一例である。ハンドル状態量をθ、進行方向量をφとすれば、θ=f1(φ)、φ=f1 -1(θ)という関係が成り立つ。図4(b)は、ハンドル状態量と進行方向量の対応関係が他のパラメータ(ここでは、車速検出手段6aから得た対地速度)に依存して決まる場合の一例であり、ハンドル状態量をθ、進行方向量をφ、対地速度をvとすれば、θ=f2(φ,v)、φ=f3(θ,v)という関係が成り立つ。ここで、f1( )、f2( )、f3( )は関数を表し、-1は逆関数を表す。すなわち、進行方向決定手段82は、ハンドル状態量検出手段2からハンドル状態量θを取得すれば、進行方向量φを決定することができる。なお、逆に進行方向取得手段7から進行方向量φを取得すれば、対応するハンドル状態量θについて求めることも可能である。本実施の形態において、進行方向決定手段82は、ハンドル状態量θ及び進行方向量φの対応関係に依存する他のn個のパラメータを用いてもよい。このn個のパラメータをそれぞれρ1、ρ2、・・・、ρnとすれば、θ=F1(φ,ρ12,・・・,ρn)、φ=F2(θ,ρ12,・・・,ρn)という関係が成り立つ。ここで、F1( )は進行方向量からハンドル状態量を算出する関数を、F2( )はハンドル状態量から進行方向量を算出する関数を示している。各パラメータは、例えば、加速度検出手段6bで検出した車両の前後方向における加速度、車両の上下方向における加速度、又はハンドル状態量検出手段2から得たハンドル状態量等の走行状態情報がこれにあたる。
一方で、進行方向決定手段82は、強制自動操舵モードにおいて、外部情報取得手段5から取得した外部情報、車速検出手段6aから検出した車速、又は進行方向制御手段4から取得した進行方向量等の走行状態情報に基づいて、進行方向制御手段4を制御する。すなわち、車両走行中に、周囲の障害物との距離を把握して衝突しないように自動で進行方向制御手段4を制御する。
ハンドル制御量算出手段83は、手動操舵モード及び強制自動操舵モードにおいて、走行状態情報に基づいて、ハンドル1に付加するハンドル制御量を決定する。手動操舵モードにおいて、ハンドル制御量算出手段83のハンドル制御量算出方法には様々な方法が存在するが、一例として、ハンドル制御量算出手段83は、走行状態情報として、ハンドル状態量検出手段2からハンドル状態量を、車速検出手段6aから車速に関する情報を取得し、予め定められた対応関係に基づいてハンドル1に付加するハンドル制御量を決定する。そのハンドル状態量と車速とハンドル制御量との間の関係は、例えば、ハンドル状態量が大きく、車速が小さくなる程にハンドル制御量が大きくなるものとされる。ただし、ハンドル状態量と車速とハンドル制御量との関係は、この例に限られるものではなく、設計者によって何らかの関係性を予めハンドル制御量算出手段83が記憶しておけばよい。なお、ハンドル制御量算出手段83のハンドル制御量算出方法は、ハンドル状態量や車速に応じたものに限定されず、車両のヨーレート検出手段(図示せず)及び加速度検出手段6b等から取得した値に応じてハンドル制御量を決定してもよい。ハンドル制御量決定手段83は、決定したハンドル制御量の情報をハンドル制御量情報としてハンドル制御量付加手段3に出力する。なお、ハンドル制御量付加手段3は、内部又は外部のバッテリー(図示せず)からハンドル制御量情報に応じた駆動電流を受けてハンドル1にハンドル制御量を付加する。以上のように、ハンドル制御量算出手段83は、手動操舵モード時に走行状態情報に基づいてハンドル制御量を決定するが、このとき決定するハンドル制御量をτ0[Nm]とする。このハンドル制御量τ0は、車両の走行状態によって変化する変数である。
一方で、強制自動操舵モードにおいて、ハンドル制御量算出手段83は、手動操舵モードにおけるハンドル制御量の算出方法に基づいて算出されたハンドル制御量とは異なるハンドル制御量を算出し、ハンドル制御量付加手段3に付加させる。本実施の形態においては、ハンドル制御量算出手段83は、手動操舵モードで算出されるハンドル制御量τ0を2倍したハンドル制御量2τ0を算出し、ハンドル制御量付加手段3にハンドル1に対してハンドル制御量を付加させる。すなわち、ハンドル制御量算出手段83の算出するハンドル制御量は、手動操舵モードと強制自動操舵モードにおいて、車両が同じ走行状態で同じ走行状態情報を受けた場合、手動操舵モードにおけるハンドル制御量よりも強制自動操舵モードにおけるハンドル制御量が2倍となるようにハンドル制御量を算出する。このように構成することで、ドライバーは、手動操舵モードから強制自動操舵モードに切り替わった際に、ハンドル1のハンドル制御量の変化を感じ取り、ハンドル1を介して強制自動操舵モードに切り替わったことを認識することができる。本実施の形態において、ハンドル制御量算出手段83は、強制自動操舵モードにおいて、手動操舵モードで算出されるハンドル制御量τ0を2倍したハンドル制御量をハンドル制御量付加手段3に付加させるものとしたが、手動操舵モードで算出されるハンドル制御量τ0の1/2倍のハンドル制御量を付加させてもよい。このように構成しても、ドライバーは手動操舵モードから強制自動操舵モードに切り替わった際に、ハンドル1のハンドル制御量の変化を感じ取り、ハンドル1を介して強制自動操舵モードに切り替わったことを認識することができる。また、本実施の形態においては、強制自動操舵モードにおいて、手動操舵モードで算出されるハンドル制御量τ0よりも大きい又は小さいハンドル制御量をハンドル1に付加できればよく、限りなく小さいハンドル制御量、例えば0.01τ0を与えることやロックすること等も可能である。
乖離量算出手段84は、ハンドル状態量と進行方向量との乖離の有無及び乖離量を算出する。具体的には、手動操舵モードにおいてハンドル1のハンドル状態量と、進行方向制御手段4の進行方向量とが対応した関係にあることは既に述べたが、強制自動操舵モード時においては、ドライバーのハンドル操作とは無関係に進行方向制御手段4の進行方向量が決定されるため、図4に示すようなハンドル状態量と進行方向量との関係にはならず、ハンドル状態量と進行方向量に乖離が生じ得る。この乖離の大きさを乖離量と定義する。乖離量算出手段84は、進行方向検出手段7が検出した進行方向量に対応するハンドル状態量とハンドル状態量検出手段2が取得したハンドル状態量との乖離及び乖離量を算出し、乖離の有無を判断する。
例えば、手動操舵モード時において、図4(a)に示したようなハンドル状態量θと進行方向量φとの対応関係がある場合において、ハンドル状態量はθ=f1(φ)となり、算出すべき乖離δ及び乖離有無dは、δ=θ-f1(φ)、d=1(|δ|≧ε)、d=0(|δ|<ε)と表すことができる。ここでεは、乖離δから乖離有無dを判断するための閾値である。乖離有無dは、1が乖離有り、0が乖離なしを表す。また、乖離量算出手段84は、乖離有無の情報を操舵モード選択手段81に出力する。これにより、操舵モード選択手段81は、乖離無しの情報を乖離量算出手段84から取得して強制自動操舵モードから手動操舵モードに切り替えることができる。なお、乖離δは、「δ=θ-f1(φ)」(φ進行方向量、θハンドル状態量)と定義したが、乖離の度合いを定量的に表現できるならば、いかように定義してもよく、例えば、乖離δは、δ=f1(φ)−θと定義してもよい。
ハンドル状態量再設定手段85は、強制自動操舵モード時にハンドル状態量検出手段2のハンドル状態量を再設定する手段である。図5は、ハンドル状態量再設定手段の動作を説明するための図である。例えば、図5に示したハンドル1は、ハンドル状態量が2π[rad](360°)毎に同様の外観となる。このようなハンドル1を搭載した車両に本実施の形態に係る操舵制御装置8を用いた場合、ハンドル状態量が異なる場合であっても、ハンドル1の外観が同様のものとなる場合がある。ハンドル状態量再設定手段85は、操舵制御装置8が受けたハンドル状態量が同様の外観となる場合、すなわち、図5(b)の例においては、ハンドルが2π[rad]+θ回転した場合に図5(a)と同様の外観となるため、操舵制御装置8内部の記憶手段(図示せず)に記憶されたハンドル状態量をθに再設定する。操舵制御装置8は、再設定されたハンドル状態量に基づいて、ハンドル制御量の算出を行う。なお、ハンドル状態量再設定手段85は、図2(b)に示したハンドル1に対しても適用可能であり、このハンドルはπ/4[rad]毎に外観が同様のものとなる。このように、ハンドル状態量再設定手段85の再設定は、回転式のハンドルであって、回転させることにより特定の周期で同じ外観のものとなるハンドル1であれば適用可能である。また、ハンドル状態量再設定手段85は、操舵制御装置8内に設けられ、ハンドル状態量検出手段2から受けたハンドル状態量を再設定するものとしたが、ハンドル状態量検出手段2内に設けられ、ハンドル状態量検出手段2が検出したハンドル状態量を再設定するように構成してもよい。なお、本実施の形態において、ハンドル状態量の再設定は必要に応じて適用すればよく、必ずしも適用しなくともよい。
次に、図6を用いて実施の形態1に係る操舵制御システムの動作(実施の形態1に係るプログラムの処理手順)について説明する。図6は、実施の形態1に係る操舵制御システムの動作フローチャートである。以下の説明において、強制自動操舵モード時のハンドル制御量を、手動操舵制御モード時の2倍とする例を用いて説明する。
ST1において、操舵モード選択手段81は、所定時間間隔で外部情報取得手段5から外部情報及び車速検出手段6aからの車速の情報、ハンドル状態量検出手段2からハンドル状態量を取得し、現在の車速と進行方向量では回避できない距離に障害物が存在するかを判定し、障害物を回避できないと判定した場合にはST2の処理を実行する。一方操舵モード選択手段81は、障害物を回避できると判定した場合には、ST7の処理を実行する。
ST2において、操舵モード選択手段81は、障害物を回避できないと判定した場合には、強制自動操舵モードに切り替えることを示す操舵モード情報を進行方向決定手段82及びハンドル制御量算出手段83に出力する。
ST3において、進行方向決定手段82は、強制自動操舵モードを示す操舵モード情報を取得し、車両の進行方向を自動制御する。具体的には、車両の走行状態を示す車速、加速度、進行方向量等の走行状態情報を用いて、進行方向を決定し、進行方向情報として進行方向制御手段4に出力する。進行方向制御手段4は、進行方向情報に基づいて、モータ41を駆動させ、車輪44の向きを制御する。
ST4において、操舵制御装置8が車両の進行方向を自動制御している間に、ハンドル1にハンドル制御量を付加する。具体的には、操舵モード選択手段81から強制自動操舵モードを示す操舵モード情報を取得したハンドル制御量算出手段83は、車両の走行状態を示す車速、加速度、進行方向量、及びハンドル状態量等の走行状態情報を用いて、手動操舵モード時におけるハンドル制御量τ0を算出し、この値を2倍したハンドル制御量2τ0をさらに算出する。なお、ハンドル制御量等の走行状態情報は、操舵制御装置8内の記憶手段(図示せず)に一時的に記憶される。
ST5において、ハンドル制御量算出手段83は、ハンドル制御量2τ0を示すハンドル制御量情報をハンドル制御量付加手段3に出力する。ハンドル制御量付加手段3は、ハンドル制御量情報に基づいてハンドル制御量2τ0をハンドル1に付加する。
ST6において、乖離量算出手段84は、進行方向検出手段7から得た進行方向量とハンドル状態量検出手段2から得たハンドル状態量とに基づいて、乖離有無を算出する。操舵制御装置8は、乖離量算出手段84により乖離有りと判断した場合には、ST2の動作に戻る。一方で、操舵制御装置8は、乖離量算出手段84により乖離無しと判断した場合には、ST7の動作を実行する。
ST7において、操舵モード選択手段81は、手動操舵モードを示す操舵モード情報を進行方向決定手段82及びハンドル制御量算出手段83に出力する。
ST8において、進行方向決定手段82は、ハンドル状態量検出手段2からハンドル状態量を取得し、図4に示すような対応関係に基づいて進行方向量を決定する。また、決定した進行方向量を進行方向制御手段4に出力して、進行方向量を制御させる。一方で、ハンドル制御量算出手段83は、走行状態情報に基づいて、ハンドル制御量τ0を算出して、ハンドル制御量情報としてハンドル制御量付加手段3に出力する。ハンドル制御量付加手段3は、ハンドル制御量情報に基づいて、ハンドル1にハンドル制御量τ0を付加する。操舵制御装置8は、以上の操作が終了した後、ST1に戻り、再度操舵モードの選択を行う。
以上のように、実施の形態1に係る操舵制御システムは、乗り物の進行中に強制自動操舵モードに切り替わった場合に、手動操舵モードで付加するハンドル制御量とは異なる大きさのハンドル制御量をハンドル1に付加するので、ハンドルを介してドライバーに強制自動操舵モードに切り替わったことを認識させることができる。
なお、本実施の形態の説明において、ハンドル制御量算出手段83は、強制自動操舵モードにおいて手動操舵モードで算出されるハンドル制御量τ0を2倍、1/2倍、0.01倍等にする例を示したが、これに限られず、手動操舵モードから強制自動操舵モードに切り替わったことをドライバーが認識できるようにハンドル制御量を手動操舵モード時と異なるものとすればよく、これらの数値に限られない。以下の実施の形態においても同様である。
本実施の形態の説明において、操舵制御装置8は乖離量算出手段84が乖離無しと判定した場合に、強制自動操舵モードから手動操舵モードに切り替えるものとしたが、これに限られず、ドライバーが車両内に設けられた強制自動操舵モードを解除するためのスイッチを押すことによって、強制自動操舵モードから手動操舵モードに切り替えるように構成してもよいし、予め決められたハンドル操作をドライバーが行った場合に強制自動操舵モードから手動操舵モードに切り替えるように構成してもよい。また、強制自動操舵モードから手動操舵モードに切り替える条件として、乖離量算出手段84が乖離無しと判定することに加えて、将来衝突すると判定した障害物が車両から一定以上の距離をとるか又は当該障害物を認識しなくなったことをもう一つの条件とすることも可能である。この例の場合、操舵モード選択手段81は、外部情報取得手段5からの外部情報に基づいて、将来衝突すると判定した障害物が車両から一定以上の距離をとるか又は当該障害物を認識しなくなったと判定した場合に、手動操舵モードを選択する。
また、強制自動操舵モード以外に複数の操舵モードが存在する場合も考えられる。例えば、上記した以外の操舵モードとして、任意自動操舵モードがある。任意自動操舵モードとは、外部情報取得手段5によって車両の周囲の物体の位置、路面の状態を検出し、車両が物体を避けつつ目的地を目指す進路をとるために必要な進行方向量を算出し、算出した進行方向量と対応関係にあるハンドル状態量となるようにハンドル1に付加するハンドル制御量を決定する操舵モードである。任意自動操舵モードは、例えば、駐車支援システム(Parking Assist System)がこれに該当する。本発明の説明において、任意自動操舵モードは、強制自動操舵モードとは異なり、ドライバーのハンドル操作によって手動操舵モードに切り替えられるものとする。この任意自動操舵モードが設定されている状態においても、本実施の形態において説明した強制自動操舵モードに切り替えることは可能である。例えば、操舵モード選択手段がハンドル状態量によって決定される進行方向量をオーバーライドしなければ物体との衝突を避けられないと判断した場合に、任意自動操舵モードから強制自動操舵モードに切り替えることが可能である。また、強制自動操舵モードが解除された場合は、強制自動操舵モードの直前に選択されていた操舵モードを設定すればよい。このように構成すると、例えば、任意自動操舵モードから強制自動操舵モードに切り替えられ、強制自動操舵モードが解除された場合には、強制自動操舵モードの直前に選択されていた任意自動操舵モードに自動で切り替えることができる。
なお、本実施の形態においては、手動操舵モード時のハンドル制御量と強制自動操舵モード時のハンドル制御量とを異なるものとするようにしたが、当然、手動操舵モード時のハンドル制御量と強制自動操舵モード時のハンドル制御量とを同じにすることも可能である。このように構成することで、手動操舵モード時と強制自動操舵モード時の操舵感を同じものとすることができる。
実施の形態2.
実施の形態2に係る操舵制御システムは、強制自動操舵モードにおいて、乖離量算出手段84が算出した乖離量が大きくなる方向又は小さくなる方向のどちらにハンドル1が回されているかを判断し、これに応じてハンドル1に付加するハンドル制御量を決定することを特徴とする。以下、実施の形態2に係る操舵制御システムについて説明する。なお、以下の説明において、図1及び図3に示した構成と同じものに関しては同じ符号を付して説明を省略する。
本実施の形態においては、乖離量算出手段84は必須の構成となる。図3において、乖離量算出手段84は、強制自動操舵モードにおいて、所定時間間隔で乖離量を算出する。算出した乖離量は、ハンドル制御量算出手段83に出力する。
ハンドル制御量算出手段83は、強制自動操舵モードにおいて、乖離量算出手段84から得た乖離量と走行状態情報に基づいて、ハンドル制御量情報を算出する。具体的には、ハンドル制御量算出手段83は、ハンドル状態量を取得し、乖離量が大となる方向にハンドル1が回されているか否かを判定する。ハンドル制御量算出手段83は、乖離量が大となる方向にハンドル1が回されていると判断した場合、手動操舵モードで算出されるハンドル制御量τ0を2倍したハンドル制御量2τ0を算出し、このハンドル制御量2τ0の情報をハンドル制御量情報としてハンドル制御量付加手段3に出力する。ハンドル制御量付加手段3は、ハンドル制御量情報に基づいて、ハンドル1にハンドル制御量を付加する。
図7は、実施の形態2に係る操舵制御システムの動作を説明する図である。図7において、(a)(b)は車両Aの進行方向に対応するハンドル1の状態を示す。車両Aは、障害物Xを検出し、強制自動操舵モードで(b)の方向に進行方向を変える。このとき、(b)における車両の進行方向量に対応するハンドル状態量は、(b)に示すハンドル1の向きである。しかしながら実際には、ドライバーによりハンドル1が操作されているため、ハンドル1の向きは(b)と同様の方向とは限らない。例えば、(c)に示すように、実際のハンドル状態が直進を示す方向である場合、ハンドル制御量算出手段83は、(c)に示すハンドル状態から(b)に示すハンドル状態となる方向にハンドル1を回転させた場合には、乖離量が小さくなり、逆の方向に回すと乖離量が大きくなる。本実施の形態においては、(b)のハンドル1のハンドル状態量から遠ざかる方向にドライバーによってハンドル1が操作され、乖離量が増加する場合には、ハンドル1に付加するハンドル制御量を2倍とする。
乖離δとハンドル状態量とハンドル制御量の関係例を以下に示す。ハンドル制御量付加手段3がモータである場合、手動操舵モード時におけるハンドル制御量付加手段3が付加するハンドル制御量をτ0[Nm]、強制自動操舵モード時のハンドル制御量をτmとすると、ハンドル状態量θの一階時間微分θ’、乖離量算出手段84が算出した乖離δ、及び付加するハンドル制御量τmの関係は、「θ'<0かつδ<0ならばτm=2τ0」、「θ'<0かつδ>0ならばτm=τ0」、「θ'>0かつδ<0ならばτm=-τ0」、「θ'>0かつδ>0ならばτm=-2τ0」となる。一方で、ハンドル制御量付加手段3が摩擦手段である場合、「θ'<0かつδ<0ならばτm=2τ0」、「θ'<0かつδ>0ならばτm=τ0」、「θ'>0かつδ<0ならばτm=τ0」、「θ'>0かつδ>0ならばτm=2τ0」となる。
さらに、ハンドル制御量算出手段83は、ハンドル状態量を取得し、乖離量が小さくなる方向にハンドル1が回された場合に、手動操舵モードで算出されるハンドル制御量τ0を1/2倍したハンドル制御量1/2τ0を算出し、このハンドル制御量1/2τ0の情報をハンドル制御量情報としてハンドル制御量付加手段3に出力するように構成してもよい。
なお、本実施の形態に係る操舵制御システムは、乖離量が大きくなる方向にハンドル1が操作された時だけ手動操舵モード時のハンドル制御量τ0を2倍した値を強制自動操舵モード時のハンドル制御量とするように構成してもよいし、乖離量が小さくなる方向にハンドル1が操作された時だけ手動操舵モード時のハンドル制御量τ0を1/2倍して強制自動操舵モード時のハンドル制御量としてもよい。さらに、乖離量が大きくなる場合及び小さくなる場合の両方について適用することも可能である。
さらに、本実施の形態に係る操舵制御システムにおいて、手動操舵モード時のハンドル制御量に比べて大きい又は小さいハンドル制御量をハンドル1の操作方向に応じて決定したが、強制自動操舵モード時における乖離量が大きくなる方向にハンドル1が操舵された場合には、ハンドル1の乖離量が小さくなる方向にハンドル1が操舵された場合よりも大きいハンドル制御量を付加するように構成することも可能である。例えば、強制自動操舵モード時において、乖離量が小さくなる方向にハンドル1が操舵された場合には、乖離量が大きくなる方向に操舵された場合の1/2倍のハンドル制御量を付加し、乖離量が大きくなる方向にハンドル1が操舵された場合には、乖離量が小さくなる方向にハンドル1が操作された場合の2倍のハンドル制御量を付加するように構成してもよい。
このように、実施の形態2に係る操舵制御システムは、乖離量が大きくなる方向にハンドル1が操作された場合には、ハンドル1のハンドル制御量を大きくし、乖離量が小さくなる方向にハンドル1が操作された場合には、ハンドル1のハンドル制御量を小さくするので、ドライバーに対して強制自動操舵モードで制御される進行方向を知らせることができる。
さらに、強制自動操舵モードにおいて、手動操舵モード時のハンドル制御量に対して大きい又は小さいハンドル制御量をハンドル1に付加することによって、ドライバーに手動操舵モードから強制自動操舵モードに切り替わったことを認識させることができる。
実施の形態3
以下、実施の形態3に係る操舵制御システムについて説明する。実施の形態3に係る操舵制御システムは、強制自動操舵モードにおいて、ドライバーがハンドル1を操舵しているか否かを検出する操舵検出手段(図示せず)を備え、ハンドル1を操舵していない場合に、ハンドル1に付加するハンドル制御量をゼロとし、最後に操舵をやめた際のハンドル状態量と、進行方向量とが対応した状態で手動に切り替えることを特徴とする。なお、実施の形態3に係る操舵制御システムの説明において、図1及び図3と同じ構成については同様の符号を付して説明を省略する。なお、本実施の形態においては、強制自動操舵モード時には、ドライバーのハンドル操作によって強制自動操舵モードが解除されないことを前提とする。
操舵検出手段は、ドライバーによりハンドル1が操舵されているか否かを検出する。操舵の有無を判断する具体的な手段は、様々な構成とすることが可能であるが、例えば、ハンドル1に装着されるタッチセンサ等がこれに該当する。タッチセンサは、ドライバーがハンドル1に触れた場合に操舵有りを検出し、さもなければ操舵無しを検出する。本実施の形態においては、操舵検出手段が操舵無しを検出したことが前提となる。
ハンドル制御量算出手段83は、操舵検出手段から操舵の有無の情報を取得し、操舵無しと判定した場合に、ハンドル制御量をゼロとする。
続いて、本実施の形態に係る操舵制御システムの効果について説明する。図8は、実施の形態3に係る操舵制御システムの効果を説明する図である。図8の説明において、各(a)、(b)、(c)のハンドル状態は、強制自動操舵モード時における実際のハンドル状態を示す。図8に示すように、車両Aは、本実施の形態に係る操舵制御システムにより障害物Xを検出して(a)に示す位置で強制自動操舵モードに切り替わったものとする。続いて、ドライバーは、(b)の位置において、ハンドル1を(b)に示すように左方向に回した時点で強制自動操舵モードであることに気づき、ハンドル1から手を放したとする。その後、ドライバーがハンドル1を操作することなく自動で車両の進行方向が制御され、(b)以降で初めてハンドル状態量と車両の進行方向量が対応したのが(c)の位置であるものとする。このとき、乖離量算出手段84は、乖離有無の情報を操舵モード選択手段81に出力する。これにより、操舵モード選択手段81は、乖離無しの情報を乖離量算出手段84から取得して強制自動操舵モードから手動操舵モードに切り替える。したがって、ハンドル状態量と進行方向量とが対応づけられた状態で手動操舵モードに切り替えることができる。よって、本実施の形態に係る操舵制御システムを用いれば、ドライバーが最後に操舵をやめた際のハンドル状態と進行方向の対応が取れた状態で手動操舵モードに切り替わることが担保される。
なお、実施の形態3に係る操舵制御システムは、操舵検出手段によりハンドル1が操舵されていないことが検出された場合に、ハンドル1を中立位置に戻す方向にハンドル制御量を付加するように構成してもよい。このとき、中立位置に戻す方向に付加するハンドル制御量は、少なくとも、ハンドル1をドライバーが操舵していない状態で動かすことが可能なハンドル制御量(以下、ハンドル制御量τ2とする)であればよい。このように構成することで、ハンドル1は、ドライバーが最後に操舵をやめた際のハンドル状態から自動で直進を表すハンドル状態に戻り、車両の進行方向も直進方向となった状態で手動操舵モードに切り替わることが担保される効果がある。なお、この例の場合、ハンドル制御量付加手段3はモータのようなハンドル1を右方向又は左方向に回転可能な手段であるものとする。
さらに、実施の形態3に係る操舵制御システムは、操舵検出手段によりハンドル1が操舵されていないことが検出された場合に、乖離量検出手段84から得た乖離量が小さくなる方向、すなわち、図4に示すようなハンドル制御量と進行方向量とが対応するような方向にハンドル制御量τ2を付加し、ハンドル制御量を制御してもよい。このように構成することによって、強制自動操舵モードにおいてドライバーが最後に操舵をやめた際のハンドル状態から進行方向に対応する方向にハンドル1が回されることとなり、ハンドル状態を通じてドライバーが強制自動操舵モードで決定される進行方向を認識することができる。この例の場合においても、ハンドル制御量付加手段3はモータのようなハンドル1を右方向又は左方向に回転可能な手段であるものとする。
本実施の形態においても、ハンドル状態量再設定手段85を適用することが可能である。すなわち、ハンドル状態量再設定手段85は、操舵制御装置8が取得するハンドル状態量を乖離量が小さくなるように再設定する。例えば、図2(a)に示すハンドル1が3π/2[rad]右回りに回転しており、操舵制御装置8がハンドル1の中立位置にハンドル1を制御する場合に、ハンドル状態量再設定手段85は、ハンドル状態量検出手段2から取得したハンドル状態量3π/2[rad]を-π/2[rad]に再設定する。このように、ハンドル状態量再設定手段85を適用することで、ハンドル制御量付加手段3が回転させるハンドル1の回転量を少なくすることが可能である。例えば、図2(a)に示すハンドル1が3π/2[rad]右回りに回転しており、操舵制御装置8がハンドル1の中立位置にハンドル1を制御する場合に、ハンドル1を3π/2[rad]左回りに戻すよりも、π/2[rad]右回りに回転させる方がハンドル1の回転量が少なく、乖離量を短時間で減少させることができる。
なお、本実施の形態における操舵検出手段は、タッチセンサを例として説明したが、ハンドル1に発光器及び受光器を取り付け、発光器が発信した光を受光器が感知しなければ操舵有りとし、さもなければ操舵無しとする構成が可能である。あるいは、操舵検出手段は、ドライバーがハンドル1を操作した際にハンドル1にかかる力(運転者操舵量)が閾値以上となった場合に、ハンドル1が操舵されていると検出する手段であってもよい。具体的には、ハンドル1が回転形式の操舵輪である場合(例えば、図4(a)〜(c))、右回転を正の向きとする回転量θ[rad]をハンドル状態量とし、ドライバーから遠ざかる方向のベクトルを軸として右回りを正とするハンドル制御トルクτm[Nm]をハンドル制御量とし、運転者から遠ざかる方向のベクトルを軸として右回りの向きを正とする運転者操舵トルクτ[Nm]を運転者操舵量とすれば、運転者操舵量は、「τ=I(d2θ/dt2)-τm-τf」として算出される。ここでI[kgm2]は、ハンドル1において操舵輪及び軸によって構成される可動部の慣性モーメントであり、τf[Nm]は、ハンドルの軸や歯車等によって生じる摩擦トルクである。また、ハンドル1が左右に動かすつまみである場合、右向きを正とした変位量θ[m]をハンドル状態量とし、右向きを正とするハンドル制御力Fm[N]をハンドル制御量とし、さらに右向きを正とする運転者操舵力F[N]を運転者操舵量とすれば、運転者操舵量は、「F=m(d2θ/dt2)-Fm-Ff」として算出される。ここでm[kg]は、ハンドル1においてつまみ及びつまみと接続された部品によって構成される可動部の質量であり、Ff[N]は、ハンドルの軸や歯車等によって生じる摩擦力である。このように運転者操舵量を算出してから、運転者操舵量の大きさが閾値以上となれば操舵有りとし、さもなければ操舵無しとする構成が可能である。なお、ここでτfやFfによって摩擦を考慮したが、摩擦の影響が無視できる程小さい場合は、上式においてτfやFfの項を省略することができる。また、摩擦による影響を含めた上でハンドル制御量(τmやFm)を計算することで、上式におけるτfやFfの項を省略することも可能である。
本実施の形態においても、複数の操舵モードが適用可能である。例えば、任意自動操舵モードから強制自動操舵モードに切り替えられ、乖離量検出手段84が乖離無しを検出した場合には、強制自動操舵モードを解除し、強制自動操舵モードの直前に選択されていた任意自動操舵モードに自動で切り替えるように構成する。任意自動操舵モードはドライバーのハンドル操作により手動操舵モードに切り替えられるので、車両の進行方向とハンドル状態量とが対応した状態で任意のタイミングでドライバーにより手動操舵モードに切り替えることができるという効果がある。また、強制自動操舵モード時に、乖離量検出手段84が乖離無しを検出したことを切り替えの必須条件とし、その他の条件により強制自動操舵モードから任意自動操舵モードに切り替えるように構成してもよい。すなわち、強制自動操舵モード時に乖離量検出手段84が乖離無しを検出しない限り、任意自動操舵モードには切り替えないということも可能である。このように構成することで、安全が担保された状態で強制自動操舵モードから任意自動操舵モードに切り替えることが可能となる。
以上のように、実施の形態3に係る操舵制御システムは、ドライバーによってハンドル1の操舵がされなくなってからハンドル1のハンドル制御量をゼロ又は中立位置の方向にハンドル制御量を付加し、乖離量検出手段84が乖離無しを検出した場合に強制自動操舵モードから手動操舵モードに切り替えるので、ハンドル状態量と進行方向量との対応がとれた状態で手動操舵モードに切り替えることが可能となり、強制自動操舵モード終了後に違和感なく運転を継続することが可能となる。
このように、実施の形態1から実施の形態3に係る操舵制御システムは構成されるが、上記説明において、乗り物は、車両、船舶、航空機等、ドライバーがハンドル1によって方向を制御するものを含む。
実施の形態1から実施の形態3に係る操舵制御システムにおいて、ハンドル状態量は、ハンドル1の操作量を示す情報として、図2(a)に示すように、直進を示すハンドル状態(中立の位置)を0とし、右回転を正の向きとした情報θ[rad]で表されるものとした。しかし、ハンドル状態量は、左回転を正の向きとしたり、直進を表すハンドル状態を0として、回転量の大きさと、左右を表す1ビットのデータの組み合わせによってハンドル状態量を表すことも可能である。また、ハンドル1の回転量だけでなく回転速度についてもハンドル状態量に含むことも可能である。この場合は、回転量と回転量の一階時間微分の組み合わせをハンドル状態量とする。また、ハンドル1内部に回転運動を直線運動に変換する機構(歯車等)を設け、変換後の直線運動における変位量をハンドル状態量とすることもできる。
実施の形態1から実施の形態3に係る操舵制御システムにおいて、進行方向量は、直進を表す前輪の状態を0とし右旋回を正とした前輪の回転量を例に説明したが、少なくとも直進を0とした場合に、車両の進行方向を示すものであればよい。例えば、前輪が2輪以上あり前輪の向きの回転量が異なる制御をする車両に関しては、進行方向量は車両の進行方向の変化量と一致する特定の前輪の回転量としてもよいし、ヨーレート、曲率のような他の物理量としてもよい。また、前輪に加え後輪の向きの回転量やダンパの強度を制御する車両においても、進行方向量としてヨーレートや曲率を使用してもよい。進行方向制御手段4は、航空機においては、エンジンの出力、フラップの角度、方向蛇の向き等を制御する装置がこれに該当する。この場合、進行方向量は、例えば、ヨーレート等を用いることができる。また、船舶においては、進行方向制御手段4は、スクリュープロペラの向きや舵板の向きを制御する装置がこれに該当する。この場合においても、進行方向量はヨーレート等を用いることができる。ヨーレート以外にも、直進、右旋回、及び左旋回を表すデータと、回転半径の組み合わせを、進行方向量とすることもできる。このように、進行方向制御手段4は車両の進行方向を制御する任意の構成とすることができ、進行方向量は車両の進行方向の変化量を表現する任意のデータとすることができる。
乖離有無dは、閾値εを用いて「δ=θ-f1(φ)、d=1(|δ|≧ε)、d=0(|δ|<ε)」により乖離の有無を判断したが、ハンドル状態量を量子化された一定数の数値で代表させ、その上でθとf1(φ)が同値となった場合に乖離無し、そうでない場合に乖離有りとして算出することもでき、また事前にθとf1(φ)の組み合わせに対する乖離有無のデータマップを保持しておきそれを参照することで算出することもでき、乖離有無を表現できるならば、いかように定義してもよい。
1 ハンドル、2 ハンドル状態量検出手段、3 ハンドル制御量付加手段、4 進行方向制御手段、5 外部情報取得手段、6a 車速検出手段、6b 加速度検出手段、7 進行方向検出手段、8 操舵制御装置、41 モータ、42 シャフト、43 アーム、44 車輪

Claims (13)

  1. 乗り物に設けられたハンドルの操作量を示すハンドル状態量に対応して前記乗り物の進行方向を制御する手動操舵モードと前記進行方向を自動で制御する強制自動操舵モードとを有し、前記手動操舵モード又は前記強制自動操舵モードに応じて、前記ハンドルに付加するハンドル制御量を制御する操舵制御装置において、
    前記手動操舵モードと前記強制自動操舵モードとを切り替える操舵モード選択手段と、
    前記操舵モード選択手段によって前記手動操舵モードが選択された場合に、前記乗り物の走行状態を示す情報に基づいて前記ハンドルに付加するハンドル制御量を算出し、
    前記操舵モード選択手段によって前記強制自動操舵モードが選択された場合に、前記走行状態を示す情報に基づいて前記手動操舵モードにおいて算出するハンドル制御量とは異なる大きさのハンドル制御量を算出するハンドル制御量算出手段と、
    を備えることを特徴とする操舵制御装置。
  2. 前記ハンドルのハンドル状態量と前記乗り物の進行方向との乖離量を算出する乖離量算出手段を備え、
    前記ハンドル制御量算出手段は、
    前記強制自動操舵モードにおいて、前記乖離量算出手段により算出された乖離量が大きくなる方向に前記ハンドルが操作された場合に、前記手動操舵モードにおいて算出するハンドル制御量よりも大きい大きさのハンドル制御量を算出することを特徴とする請求項1に記載の操舵制御装置。
  3. 前記ハンドルのハンドル状態量と前記乗り物の進行方向との乖離量を算出する乖離量算出手段を備え、
    前記ハンドル制御量算出手段は、
    前記強制自動操舵モードにおいて、前記乖離量算出手段により、前記乖離量が小さくなる方向に前記ハンドルが操作された場合に、前記手動操舵モードにおいて算出するハンドル制御量よりも小さい大きさのハンドル制御量を算出することを特徴とする請求項1に記載の操舵制御装置。
  4. 前記ハンドルのハンドル状態量と前記乗り物の進行方向との乖離量を算出する乖離量算出手段を備え、
    前記操舵モード選択手段は、
    前記強制自動操舵モードにおいて、前記乖離量算出手段により乖離無しと判定された場合に前記手動操舵モードに切り替えることを特徴とする請求項1に記載の操舵制御装置。
  5. 前記ハンドルの操作の有無を検出する操舵検出手段を備え、
    前記ハンドル制御量算出手段は、
    前記操舵検出手段により前記ハンドルが操作されていないことが検出された場合に、前記ハンドル制御量をゼロとすることを特徴とする請求項4に記載の操舵制御装置。
  6. 前記ハンドルの操作の有無を検出する操舵検出手段を備え、
    前記ハンドル制御量算出手段は、
    前記操舵検出手段により前記ハンドルが操作されていないことが検出された場合に、前記ハンドルが中立な位置に向かう方向のハンドル制御量を算出することを特徴とする請求項4に記載の操舵制御装置。
  7. 前記ハンドルの操作の有無を検出する操舵検出手段を備え、
    前記ハンドル制御量算出手段は、
    前記操舵検出手段により前記ハンドルが操作されていないことが検出された場合に、前記乖離量算出手段で算出された乖離量が小さくなる方向のハンドル制御量を算出することを特徴とする請求項4に記載の操舵制御装置。
  8. 前記ハンドルは、回転することにより特定周期で同じ外観となる回転式のハンドルであって、
    前記乖離量算出手段により算出する乖離量が小さくなるように前記ハンドル状態量を再設定するハンドル状態量再設定手段を備え、
    前記ハンドル制御量算出手段は、前記ハンドル状態量再設定手段により再設定されたハンドル状態量に基づいて前記ハンドル制御量を算出することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の操舵制御装置。
  9. 乗り物に設けられたハンドルの操作量を示すハンドル状態量に対応して前記乗り物の進行方向を制御する手動操舵モードと前記進行方向を自動で制御する強制自動操舵モードとを有し、前記手動操舵モード又は前記強制自動操舵モードに応じて、前記ハンドルに付加するハンドル制御量を制御する操舵制御装置において、
    前記手動操舵モードと前記強制自動操舵モードとを切り替える操舵モード選択手段と、
    前記ハンドルのハンドル状態量と前記乗り物の進行方向との乖離量を算出する乖離量算出手段と、
    前記操舵モード選択手段によって前記手動操舵モードが選択された場合に、前記乖離量が小さくなる方向に前記ハンドルが操作されたときよりも前記乖離量が大きくなる方向に前記ハンドルが操作されたときの方が大きい大きさのハンドル制御量を算出するハンドル制御量算出手段と、
    を備えることを特徴とする操舵制御装置。
  10. 前記ハンドル状態量と前記乗り物の進行方向との乖離量を算出する乖離量算出手段を備え、
    前記進行方向を自動で制御するとともに前記ハンドルの状態を前記進行方向に対応するように制御し、前記ハンドルが操作された場合に前記手動操舵モードに切り替わる任意自動操舵モードを有し、
    前記操舵モード選択手段は、
    前記強制自動操舵モードにおいて、前記乖離量算出手段により算出した乖離量が乖離無しと判定されない限り前記任意自動操舵モードに切り替えないことを特徴とする請求項1に記載の操舵制御装置。
  11. 乗り物に設けられたハンドルと、
    前記ハンドルの操作量を示すハンドル状態量に対応して前記乗り物の進行方向を制御する手動操舵モードと該進行方向を自動で制御する強制自動操舵モードとを有し、前記手動操舵モード又は前記強制自動操舵モードに応じて、前記ハンドルに付加するハンドル制御量を算出する操舵制御手段と、
    前記操舵制御手段で算出したハンドル制御量に基づいて、前記ハンドルにハンドル制御量を付加するハンドル制御量付加手段と、を備える操舵制御システムにおいて、
    前記操舵制御手段は、
    前記手動操舵モードと前記強制自動操舵モードとを切り替える操舵モード選択手段と、
    前記操舵モード選択手段によって前記手動操舵モードが選択された場合に、前記乗り物の走行状態を示す情報に基づいて前記ハンドルに付加するハンドル制御量を算出し、
    前記操舵モード選択手段によって前記強制自動操舵モードが選択された場合に、前記走行状態を示す情報に基づいて前記手動操舵モードにおいて算出するハンドル制御量とは異なる大きさのハンドル制御量を算出するハンドル制御量算出手段と、
    を備えることを特徴とする操舵制御システム。
  12. 乗り物に設けられたハンドルの操作量を示すハンドル状態量に対応して前記乗り物の進行方向を制御する手動操舵モードと前記進行方向を自動で制御する強制自動操舵モードとを選択する操舵モード選択ステップと、
    前記操舵モード選択ステップにより前記手動操舵モードが選択された場合に、前記乗り物の走行状態を示す情報に基づいて前記ハンドルに付加するハンドル制御量を算出し、
    前記操舵モード選択ステップにより前記強制自動操舵モードが選択された場合に、前記走行状態を示す情報に基づいて前記手動操舵モードにおいて算出するハンドル制御量とは異なる大きさのハンドル制御量を算出するハンドル制御量算出ステップと、
    前記ハンドル制御量算出ステップで算出したハンドル制御量に基づいて、前記ハンドルにハンドル制御量を付加するハンドル制御量付加手段を制御するハンドル制御量付加ステップと、
    を有することを特徴とする操舵制御方法。
  13. 乗り物に設けられたハンドルの操作量を示すハンドル状態量に対応して前記乗り物の進行方向を制御する手動操舵モードと前記進行方向を自動で制御する強制自動操舵モードとを選択する操舵モード選択ステップと、
    前記操舵モード選択ステップにより前記手動操舵モードが選択された場合に、前記乗り物の走行状態を示す情報に基づいて前記ハンドルに付加するハンドル制御量を算出し、
    前記操舵モード選択ステップにより前記強制自動操舵モードが選択された場合に、前記走行状態を示す情報に基づいて前記手動操舵モードにおいて算出するハンドル制御量とは異なる大きさのハンドル制御量を算出するハンドル制御量算出ステップと、
    前記ハンドル制御量算出ステップで算出したハンドル制御量に基づいて、前記ハンドルにハンドル制御量を付加するハンドル制御量付加手段を制御するハンドル制御量付加ステップと、
    をコンピュータに実行させることを特徴とする操舵制御プログラム。
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