JP2010274880A - 車両の走行制御装置および車両の走行制御方法 - Google Patents

車両の走行制御装置および車両の走行制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】車両が障害物に接触することを回避するための走行制御を行う際に、運転者に与える違和感を低減する。
【解決手段】リスク分布演算部34は、検出した障害物の情報と、検出した車両の運動状態とに基づいて、回避軌道について、軌道直交方向に延在する範囲におけるリスクを演算する。そして、制御抑制量演算部37は、リスク分布演算部34で演算したリスクより、回避軌道に追従する走行制御量(基本走行制御量)の制御抑制量を算出する。さらに、走行制御量演算部38は、回避軌道選択部36によって選択された回避軌道に追従する走行制御量を、演算した制御抑制量を考慮して演算する。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両の走行制御装置およびその制御方法に関する。
従来より、車両の走行状況および運転者の操作状況に応じて、車両が障害物に接触することを回避するために車両の運動状態の制御(走行制御)を行う手法が知られている。例えば、特許文献1には、操舵制御により障害物を回避する制御手法が開示されている。具体的には、この制御手法は、車両が障害物回避動作を開始してから障害物回避領域へ進入するまでの間で行い、予め設定された操舵モードで操舵を行うプログラム操舵制御と、車両が該障害物回避領域へ進入した後に行い、走行レーン情報に基づいて車両を障害物回避領域の走行レーンに沿って走行させるフィードバック操舵制御とから構成されている。ここで、プログラム操舵制御は、車両と障害物との相対距離と、車両の障害物に対する相対車速とに基づいて行われる。
特開平7−160994号公報
しかしながら、特許文献1に開示された手法によれば、運転者自身が認識する外界の状況に応じた運転者の操舵と、制御介入による操舵との間にギャップが生じることがあり、この場合、運転者に対して違和感を与えてしまう虞がある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両が障害物に接触することを回避するための走行制御を行う際に、運転者に与える違和感を低減することである。
かかる課題を解決するために、本発明は、回避軌道を処理対象として、障害物および車両運動状態に基づいて、回避軌道と略直交方向に延在する所定範囲における障害物との接触可能性をリスクとして演算する。また、走行制御手段は、複数の回避軌道の中から運転者の操舵操作に適合する回避軌道に基づいて自車両を走行制御する。この場合、演算されたリスクに応じて、走行制御手段による走行制御が抑制される。
本発明によれば、実際の軌道と、選択した回避軌道とに偏差が生じていても、リスクが小さい場合には、走行制御による操舵介入量が小さくなる。そのため、運転者自身が認識する外界の状況に応じた運転者の操舵と、制御介入による操舵との間に生じるギャップが抑制される。これにより、運転者が覚える違和感の低減を図ることができる。
第1の実施形態にかかる車両の走行制御装置10が適用された車両を模式的に示す説明図 コントローラ30の機能的な構成を示すブロック図 第1の実施形態にかかる走行制御方法を示すフローチャート 回避軌道の説明図 障害物周辺のリスク分布を示す説明図 リスクRと制御抑制量Gsupとの対応関係を示す説明図 第2の実施形態にかかる車両の走行制御装置10のコントローラ30を機能的に示すブロック図 第2の実施形態にかかる走行制御方法を示すフローチャート 第3の実施形態にかかる走行制御方法を示すフローチャート 第4の実施形態にかかる車両の走行制御装置10のコントローラ30を機能的に示すブロック図 第4の実施形態にかかる走行制御方法を示すフローチャート 操舵トルクTと制御抑制量Rとの対応関係を示す説明図 第5の実施形態にかかる車両の走行制御装置10のコントローラ30を機能的に示すブロック図 第5の実施形態にかかる走行制御方法を示すフローチャート 軌道偏差の説明図
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる車両の走行制御装置10が適用された車両を模式的に示す説明図である。この車両の走行制御装置10は、車両が障害物に接触することを回避するために車両の運動状態の制御(走行制御)を行う装置であり、検出系、コントローラ30およびアクチュエータ50,51を主体に構成されている。
レーダ20は、車両の進行方向における物体までの距離および位置を検出する。レーダ20としては、レーザレーダやミリ波レーダなどを用いることができる。例えば、レーダ20としてレーザレーダを用いた場合、このレーダ20は、車両前方にレーザ光を照射し、前方に存在する物体からの反射光を受光系で受光する。そして、レーダ20は、レーザ発射時点と反射光の受光時点との時間差を検出することにより、車両と物体との間の距離および位置を検出する。
カメラ21は、車両前方を撮像することにより、撮像画像を画像処理装置22に出力する。画像処理装置22は、カメラ21からの撮像画像を処理することにより、前方に存在する物体や道路環境等の走行環境情報を検出する。
ヨーレートセンサ23は、車両1に発生するヨーレートを検出する。Gセンサ24は、車両の前後方向(車長方向)の加速度(以下「前後加速度」という)を検出するとともに、車両の横方向(車幅方向)の加速度(以下「横加速度」という)を検出する。車輪速センサ25は、車両1の各車輪の回転速度を検出することにより、車両の速度(車速)を検出する。
操舵角センサ26は、運転者が操作するハンドルの回転角を操舵角として検出する。この操舵角は、直進走行に対応するハンドルの中立状態を基準として、左方向または右方向といった操舵方向とともに操舵角を検出する。操舵トルクセンサ27は、運転者のハンドル操作によって加えられる操舵トルクを検出する。この操舵トルクは、直進走行に対応するハンドルの中立状態を基準として、左方向または右方向といった操舵方向とともに操舵トルクを検出する。
図2は、コントローラ30の機能的な構成を示すブロック図である。コントローラ30は、システム全体を統合的に制御する機能を担っており、制御プログラムに従って動作することにより、車両の走行状態を制御する。コントローラ30としては、CPU、ROM、RAM、I/Oインターフェースを主体に構成されたマイクロコンピュータを用いることができる。このコントローラ30は、検出系によって検出される各種の情報に基づいて、種々の演算を行い、この演算結果に応じた制御信号をアクチュエータ50,51に出力することにより、車両の運動状態の制御(走行制御)を行う。
コントローラ30は、これを機能的に捉えた場合、障害物検出部31、運動状態検出部32、回避軌道生成部33、リスク分布演算部34、操作量検出部35、回避軌道選択部36、制御抑制量演算部37、走行制御量演算部38および走行制御部39を有している。
障害物検出部31は、レーダ20から検出信号を読み込むとともに、画像処理装置22から処理結果を読み込む。障害物検出部31は、読み込んだ情報に基づいて、自車両と接触する可能性のある物体を障害物として検出する(障害物検出手段)。障害物検出部31による検出結果は、回避軌道生成部33およびリスク分布演算部34にそれぞれ出力される。
運動状態検出部32は、ヨーレートセンサ23、Gセンサ24および車輪速センサ25から検出信号をそれぞれ読み込む。運動状態検出部32は、読み込んだ各情報から車両の運動状態を検出する(運動状態検出手段)。運動状態検出部32による検出結果は、回避軌道生成部33およびリスク分布演算部34にそれぞれ出力される。
回避軌道生成部33は、障害物の検出結果と車両の運動状態とに基づいて、障害物との接触を回避するための回避軌道を複数生成する(回避軌道生成手段)。回避軌道生成部33によって生成された複数の回避軌道は、回避軌道選択部36およびリスク分布演算部34に出力される。
リスク分布演算部34は、障害物の検出結果と車両の運動状態とに基づいて、リスクを演算する(リスク演算手段)。このリスクは、自車両の進行方向(回避軌道)と略直交方向(以下「軌道直交方向」という)に延在する所定範囲における障害物との接触可能性を示す指標である。このリスクの演算方法の詳細については後述する。本実施形態において、リスク分布演算部34は、生成された個々の回避軌道に対応して、リスクをそれぞれ演算する。リスク分布演算部34によって演算された個々の回避軌道に対応するリスクは、制御抑制量演算部37に対して出力される。
操作量検出部35は、操舵角センサ26および操舵トルクセンサ27から検出信号をそれぞれ読み込む。操作量検出部35は、読み込んだ情報に基づいて、運転者による運転操作を検出する(運転操作検出手段)。操作量検出部35による検出結果は、回避軌道選択部36に対して出力する。
回避軌道選択部36は、運転者の運転操作に基づいて、生成された複数の回避軌道のなかから、運転者の運転操作に適合する回避軌道を選択する(回避軌道選択手段)。回避軌道選択部36によって選択された回避軌道は、制御抑制量演算部37および走行制御量演算部38にそれぞれ出力される。
制御抑制量演算部37は、選択された回避軌道とリスクとに基づいて、制御抑制量を演算する(抑制手段)。制御抑制量は、後述する走行制御量演算部38が演算する、選択された回避軌道に追従するための走行制御量(基本走行制御量)について、これを抑制するために必要な制御量である。換言すれば、制御抑制量演算部37によって演算される制御抑制量に応じて、走行制御部39による走行制御が抑制されることとなる。制御抑制量演算部37によって演算された制御抑制量は、走行制御量演算部38に対して出力される。
走行制御量演算部38は、選択された回避軌道と制御抑制量とに基づいて、選択された回避軌道を自車両が走行するための走行制御量を演算する。走行制御量演算部38によって演算された走行制御量は、走行制御部39に出力される。
走行制御部39は、走行制御量に基づいて、アクチュエータ50,51を制御することにより、走行制御、具体的には、車両の運動状態を制御する(回避制御)。
操舵アクチュエータ50は、例えば、ハンドルにアシストトルクを付与する電動アクチュエータであり、この操舵アクチュエータ50を制御することにより、車輪に任意の操舵角を付与させて車両の操舵動作を行うことができる。ブレーキアクチュエータ51は、例えば、車両のホイールシリンダに供給される制動液圧を制御するアクチュエータであり、このブレーキアクチュエータ51を制御することにより、車輪に制動力を発生させて車両の制動動作を行うことができる。
図3は、第1の実施形態にかかる走行制御方法を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、車両のイグニッションスイッチがオンされると呼び出され、所定の周期でコントローラ30によって実行される。
ステップ10(S10)において、障害物検出部31は、レーダ20と画像処理装置22とからの入力情報に基づいて、車両が走行可能な領域(以下「走行路」という)と、走行路内に存在する物体とを検出する。なお、走行路等の検出方法は本願発明の出願時点で既に公知であるので詳細な説明は省略する。走行路の検出方法については、例えば、特許第3521860号公報に開示されているので、必要ならば参照されたい。
ステップ11(S11)において、障害物検出部31は、ステップ10における検出結果に基づいて、車両と接触する可能性がある物体(以下「障害物」という)が走行路内に存在するか否かを判別する。なお、障害物の検出方法は本願発明の出願時点で既に公知であるので詳細な説明を省略する。障害物の検出方法については、例えば、特開2000−207693号公報に開示されているので、必要ならば参照されたい。このステップ11において肯定判定された場合、すなわち、障害物が存在する場合には、ステップ12(S12)に進む。一方、ステップ11において否定判定された場合、すなわち、障害物が存在しない場合には、ステップ10の処理に戻る。
ステップ12において、障害物検出部31は、障害物と自車両との間の距離および障害物と自車両との相対速度に基づいて、ステップ11の処理により確認された障害物に自車両が接触するまでの時間を接触予測時間Tttcとして算出する。障害物と自車両との間の距離はレーダ20からの入力情報により算出でき、自車両と障害物の相対速度は例えば算出された距離を時間微分することによって算出することができる。
ステップ13(S13)において、回避軌道生成部33は、接触予測時間Tttcが予め設定された第1の判定時間Tth1以下であるか否かを判別する。このステップ13において肯定判定された場合、すなわち、接触予測時間Tttcが第1の判定時間Tth1以下である場合には、ステップ14(S14)に進む。一方、ステップ13において否定判定された場合、すなわち、接触予測時間Tttcが第1の判定時間Tth1以下でない場合には、ステップ10の処理に戻る。
接触予測時間Tttcが第1の判定時間Tth1以下でない場合、換言すれば、自車両が障害物に接触するまでの時間が比較的長い場合には、一般に、その後の運転者による車両操作によって障害物との接触が回避される可能性がある。したがって、接触を回避するための走行制御を実行する必要性がなくなる可能性が高い。そのため、ステップ13の判定処理では、このような判断を行うための第1の判定時間Tth1が、実験やシミュレーションを通じて設定されている。これより、走行制御を実行する必要性がないようなシーンであるにも係わらず、後述する走行制御が実行されることを抑制することができる。そのため、コントローラ30の処理負荷の低減を図ることができる。
ステップ14において、回避軌道生成部33は、検出された障害物と、検出された自車両の運動状態とに基づいて、障害物との接触を回避するための走行軌道を回避軌道として複数生成(算出)する。本実施形態において、回避軌道生成部33は、図4に示すように、操舵によって障害物との接触を回避する回避軌道をそれぞれ生成する。具体的には、右方向への操舵によって障害物との接触を回避する回避軌道R1と、左方向への操舵によって障害物との接触を回避する回避軌道R2とをそれぞれ生成する。同図において、「C」は自車両を示し、「O」は矢印方向(軌道直交方向)に移動する障害物を示す。回避軌道の生成において、回避軌道生成部33は、走行路の範囲から外れる回避軌道や、運転者による自車両への操作では障害物との接触を回避できない回避軌道は生成しない。
回避軌道R1,R2を生成する場合、回避軌道生成部33は、自車両の運動状態と自車両のタイヤ特性とに基づいて、障害物との接触を回避するために自車両に付与すべき横加速度を設定する。そして、回避軌道生成部33は、設定された横加速度によって障害物との接触を回避できるか否かを判別する。障害物との接触を回避可能と判断した場合、次に、回避軌道生成部33は、横加速度のみを通じた走行制御(すなわち、操舵のみの走行制御)による回避軌道を走行路の範囲内で算出する。一方、障害物との接触を回避不可能と判断した場合、回避軌道生成部33は、横加速度とともに、必要最低限の制動力を通じた走行制御による回避軌道を走行路の範囲内で算出する。制動力に関しても自車両のタイヤ特性を考慮した上限値を設定しておき、この上限値を超える制動力が必要となる場合には、回避軌道生成部33は、回避軌道を算出しない。なお、横加速度のみを通じた走行制御による回避軌道を算出した場合であっても、自車両が障害物の近くを通過する際にはできるだけ車速を落として通過した方が一般的に安全であるので、タイヤ特性の上限値を超えない範囲の制動力を付加した回避軌道を算出してもよい。
ステップ15(S15)において、リスク分布演算部34は、検出した障害物と、検出した自車両の運動状態とに基づいて、リスクを作成する。ここで、リスクの作成方法について説明する。図5(a)に示すように、リスク分布演算部34は、各パラメータμ,ρ,v,Tttcに基づいて、平均値が(μ+v*Tttc)で、分散がρの正規分布N(μ+v*Tttc、ρ)を障害物周辺のリスク分布として作成する。ここで、μは、自車両座標系における障害物の中心位置であり、ρは、軌道直交方向における障害物の幅である。また、vは、軌道直交方向における障害物の移動速度である。なお、障害物周辺のリスク分布は、例えば、同図(b)に示すように、(μ+v*Tttc)を中心として、ρの半分の長さよりも長い半径方向の領域において、中心位置からの距離に応じて段階的にリスクが低くなるように設定してもよい。リスク分布演算部34は、障害物周辺のリスク分布の演算を、回避軌道と略直交方向に延在する所定範囲の障害物について行い、これにより、リスクを作成する。リスクの作成は、個々の回避軌道毎に行われる。
ステップ16において、回避軌道選択部36は、運転者による何らかの操作があったか否かを判断する。回避軌道選択部36は、操作量検出部35において検出される操作量、具体的には、操舵角を参照して、運転者による操舵操作が行われたか否かを判断する。操舵操作の有無の判断方法は、例えば、ステップ14において回避軌道が算出されたタイミングにおける操舵角から、左右いずれの方向に操舵角が変化したか否かを検出するといった如くである。また、単に操舵方向だけでなく、回避軌道が算出されたタイミングにおける操舵角を基準として、操舵角変化が所定のしきい値以上生じたか否かを判断してもよい。さらに、操舵角変化の代わりに、操舵角速度または操舵角加速度が所定のしきい値以上変化したことを判断してもよい。このステップ16において否定判定された場合、すなわち、運転者による操作がない場合には、ステップ17(S17)に進む。一方、ステップ16において肯定判定された場合、すなわち、運転者による操作があった場合には、ステップ18(S18)に進む。
ステップ17において、回避軌道選択部36は、ステップ12の処理により算出された接触予測時間Tttcが、接触予測時間Tth2以上であるか否かを判断する。ここで、図4の地点P1,P2に示すように、各回避軌道に追従する走行制御を行うための制御開始地点は、回避軌道に応じて異なる。上述の接触予測時間Tth2は、制御開始地点が障害物から最も近い位置となる回避軌道について、その制御開始地点に車両が到達した際の接触予測時間である(図4に示す例では、地点P2における接触予測時間)。このステップ17において肯定判定された場合、すなわち、接触予測時間Tttcが接触予測時間Tth2以上である場合には、ステップ16の処理に戻る。一方、ステップ17において否定判定された場合、すなわち、接触予測時間Tttcが接触予測時間Tth2よりも小さい場合には、ステップ18の処理に進む。
ステップ18において、回避軌道選択部36は、生成されている複数の回避軌道のなかから、回避軌道を選択する。具体的には、回避軌道選択部36は、運転者によって操作が行われている場合には、回避軌道R1とR2の候補の中から、運転者の操作に適合する回避軌道を選択する。一方、運転者によって操作が行われていない場合には、運転者が操作を開始する地点が、いずれの回避軌道R1,R2に関する制御開始地点P1,P2よりも障害物に近い状態となる。そこで、回避軌道選択部36は、回避軌道R1,R2の候補の中から、制御開始地点P1,P2が最も障害物に近い回避軌道を選択する。
ステップ19(S19)において、制御抑制量演算部37は、ステップ18で選択された回避軌道に対応するリスクより、制御抑制量を演算する。具体的には、制御抑制量演算部37は、図6(a)に示すように、制御抑制量GsupとリスクRとの対応関係を実験やシミュレーションを通じて予め取得しておくことにより、これをマップあるいは関数化した演算式として保持している。制御抑制量演算部37は、マップを用いてリスクRに応じた制御抑制量Gsup、或いは、wrを重みとしてGsup=wr/RよりリスクRに応じた制御抑制量Gsupを求める。また、リスク分布を図5(b)のように段階的に設定する場合には、図6(b)に示すように、リスクRの大きさに応じて段階的に制御抑制量Gsupを算出してもよい。リスクRが大きい場合には、障害物への接触の可能性(リスク)が高いため、回避軌道に追従する走行制御に対して、その制御抑制量を大きくしないのが望ましい。一方、リスクが小さい場合には、障害物への接触の可能性が低いため回避軌道を追従する走行制御に対し、その制御抑制量を大きくすることが望ましい。
ステップ20(S20)において、走行制御量演算部38は、車両の走行制御を行うための走行制御量を演算する。具体的には、走行制御量演算部38は、回避軌道選択部36によって選択された回避軌道に車両を追従させるための走行制御量を基本走行制御量として演算し、この基本走行制御量を制御抑制量Gsupに基づいて抑制した制御量を走行制御量として演算する。例えば、回避軌道に車両を追従させる目標操舵角θdと、現在の操舵角θtとの偏差と、重みWと、制御抑制量Gsupとから、回避軌道に車両を追従させる走行制御量Gを演算する場合、G=W(θt−θd)−Gsupとして走行制御量を算出するといった如くである。また、例えば、現在の自車両進行方向との回避経路の接線とのヨー角差Δθyと、重みαと、制御抑制量Gsupと、制御抑制重みβとに基づいて、G=α・Δθy−β・Gsupとして走行制御量Gを求めてもよい。
ステップ21(S21)において、走行制御部39は、算出された走行制御量に基づいて、回避軌道選択部36が選択した回避軌道を車両が追従するようアクチュエータ50,51を制御する。具体的には、走行制御部39は、操舵アクチュエータ50を制御して、回避軌道へ追従するような操舵角を車輪に付与する。また、ステップ14において回避軌道を生成した際に、選択された回避軌道が横加速度を付与するのみでは回避が不可能と判断されている場合、走行制御部39は、ステップ14で算出した必要最低限の制動力が発生するようにブレーキアクチュエータ51を制御する。
ステップ22(S22)において、障害物検出部31は、障害物に対する回避が終了し、障害物との接触の可能性がなくなったか否かを判断する。このステップ22において肯定判定をされた場合、すなわち、接触の可能性が無いと判断された場合には、ステップ10へ戻る。この場合、走行制御部39は、回避軌道選択部36が選択した回避軌道に車両を追従させる走行制御を終了する。一方、ステップ22において否定判定をされた場合、すなわち、接触の可能性があると判断された場合には、ステップ19に示す処理に戻る。
このようの本実施形態において、リスク分布演算部34は、検出した障害物の情報と、検出した車両の運動状態とに基づいて、回避軌道について、軌道直交方向に延在する範囲におおけるリスクを演算する。そして、制御抑制量演算部37は、リスク分布演算部34で演算したリスクより、回避軌道に追従する走行制御量(基本走行制御量)の制御抑制量を算出する。さらに、走行制御量演算部38は、回避軌道選択部36によって選択された回避軌道に追従する走行制御量を、演算した制御抑制量を考慮して演算する。
かかる構成によれば、実際の軌道と、選択した回避軌道とに偏差が生じていても、リスクが小さい場合には、制御抑制量が大きくなるので、走行制御による操舵介入量が小さくなる。そのため、運転者自身が認識する外界の状況に応じた運転者の操舵と、制御介入による操舵との間に生じるギャップが抑制される。これにより、運転者が覚える違和感の低減を図ることができる。特に、回避制御開始時においては、障害物までの距離が長いためにリスクが小さく、走行制御による操舵介入量が小さくなることが多い。そのため、運転者は制御開始時において、回避の向きと開始タイミングに加えて、操舵の量も自分の意図した実操舵の通りであると感じる頻度が増えるので、運転者の違和感を覚える機会を低減できる。
また、本実施形態において、走行制御として制動制御を行う場合には、操作量検出部35によって運転者による自車両の操作が検出された後に制動制御を実行することが好ましい。接触を回避する操作時に、操舵制御がなされることに関する違和感に対して、制動制御がなされることに関する違和感は小さい。また、接触回避時においては十分な制動操作を行うことができない運転者が多い。したがって、制動制御に関しては、運転者の操舵操作検出後に自動的に行ったとしても、運転者は違和感を覚えることも少なく、また安全に障害物を回避することが可能となる。
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態にかかる車両の走行制御装置10のコントローラ30を機能的に示すブロック図である。本実施形態にかかる車両の走行制御装置10およびその制御方法が、第1の実施形態のそれと相違する点は、選択された回避軌道のみを対象としてリスクを演算することである。なお、第1の実施形態と重複する説明は省略することとし、以下相違点を中心に説明を行う。本実施形態において、リスク分布演算部34には、回避軌道選択部36によって選択された回避軌道の情報が入力されている。
図8は、第2の実施形態にかかる走行制御方法を示すフローチャートである。本実施形態の制御方法では、第1の実施形態と比較して、ステップ15の処理が、ステップ18の処理とステップ19の処理との間に実行される。具体的には、ステップ18に続くステップ15において、リスク分布演算部34は、ステップ18において選択された回避軌道のみを対象として、そのリスクを演算する。リスク分布演算部34は、第1の実施形態に示すように、リスク分布を作成し、このリスク分布に基づいて、ステップ18において選択された回避軌道に対応するリスクを演算する。
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、リスクを演算することにより、実際の軌道と選択した回避軌道とに偏差が生じていても、リスクが小さい場合には、走行制御による操舵介入量が小さくなる。そのため、運転者自身が認識する外界の状況に応じた運転者の操舵と、制御介入による操舵との間に生じるギャップが抑制される。これにより、運転者が覚える違和感の低減を図ることができる。特に、回避制御開始時においては、障害物までの距離が長いためにリスクが小さく、走行制御による操舵介入量が小さくなることが多い。そのため、運転者は制御開始時において、回避の向きと開始タイミングに加えて、操舵の量も自分の意図した実操舵の通りであると感じる頻度が増えるので、違和感を覚える機会を低減できる。
また、本実施形態によれば、リスク分布演算部34は、選択された後の1つの回避軌道に対してのみリスクを演算することなる。そのため、コントローラ30での演算処理量の低減を図ることができる。
(第3の実施形態)
図9は、第3の実施形態にかかる走行制御方法を示すフローチャートである。本実施形態にかかる車両の走行制御装置10およびその制御方法が、第2の実施形態のそれと相違する点は、制御処理の手順である。なお、第2の実施形態と重複する説明は省略することとし、以下相違点を中心に説明を行う。
第3の実施形態にかかる制御方法では、第2の実施形態と比較して、ステップ22において否定判定された場合、ステップ15の処理に戻るようになっている。すなわち、ステップ18において回避軌道選択部36が回避軌道を選択した後、ステップ15において第2の実施形態と同様に選択された回避軌道に関してリスクの演算を行う。その後、第2の実施形態と同様にステップ22まで処理を進め、ステップ22において否定判定がなされた場合には、ステップ15に戻る。そして、ステップ15において、リスク分布演算部34は、選択された回避軌道に対応するリスクを再度演算する。
本実施形態によれば、第2の実施形態と同様に、リスクを演算することにより、実際の軌道と選択した回避軌道とに偏差が生じていても、リスクが小さい場合には、走行制御による操舵介入量が小さくなる。そのため、運転者自身が認識する外界の状況に応じた運転者の操舵と、制御介入による操舵との間に生じるギャップが抑制される。これにより、運転者が覚える違和感の低減を図ることができる。特に、回避制御開始時においては、障害物までの距離が長いためにリスクが小さく、走行制御による操舵介入量が小さくなることが多い。そのため、運転者は制御開始時において、回避の向きと開始タイミングに加えて、操舵の量も自分の意図した実操舵の通りであると感じる頻度が増えるので、違和感を覚える機会を低減できる。
また、本実施形態によれば、自車両が回避軌道に追従するよう走行制御がなされている間もリスクが更新される。これにより、環境の変化に応じてリスクが更新されるため、より状況に即した走行制御抑制量を決定することができる。
(第4の実施形態)
図10は、第4の実施形態にかかる車両の走行制御装置10のコントローラ30を機能的に示すブロック図である。以下、第1の実施形態と重複する説明は省略することとし、以下相違点を中心に説明を行う。本実施形態では、操作量検出部35で検出した操舵操作量が、制御抑制量演算部37に対しても入力されている。例えば、操作量検出部35は操舵トルクセンサ27から入力される運転者の操舵トルクを、操作量として制御抑制量演算部37へ出力する。
図11は、第4の実施形態にかかる走行制御方法を示すフローチャートである。本実施形態では、第1の実施形態と比較して、ステップ18とステップ19との間にステップ23の処理が新設されている。ステップ23において、操作量検出部35は、運転者の操作量を検出し、制御抑制量演算部37へ出力する。例えば、操作量検出部35は、操舵トルクセンサ27から読み込んだ運転者の操舵トルクTを制御抑制量演算部37へ出力する。
ステップ23に続くステップ19において、制御抑制量演算部37は、ステップ18で選択された回避軌道に対応するリスクと、操舵トルクTとにより、制御抑制量を演算する。例えば、運転者の操舵トルクをT、回避軌道に対応するリスクをR、操舵トルクTに基づいて算出した制御抑制量をGsupt、接触危険度Rに基づいて算出した制御抑制量をGsuprとする。制御抑制量演算部37は、wt、wrを重みとしてGsupt=wt*T2、Gsupr=wr/Rより制御抑制量Gsupt,Gsuprを演算し、これらから最終的な制御抑制量GsupをGsup=Gsupt*Gsuprとして演算する。この場合、制御抑制量演算部37は、図12(a)に示すように、操舵トルクTと制御抑制量Rとの対応関係を実験やシミュレーションを通じて予め取得しておくことにより、これをマップあるいは関数化した演算式として保持している。また、例えば、操舵トルクTに基づいて算出する制御抑制量Gsuptは操舵トルクTの増加に対して段階的に増加させてもよい。
本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、リスクを演算することにより、実際の軌道と選択した回避軌道とに偏差が生じていても、リスクが小さい場合には、走行制御による操舵介入量が小さくなる。そのため、運転者自身が認識する外界の状況に応じた運転者の操舵と、制御介入による操舵との間に生じるギャップが抑制される。これにより、運転者が覚える違和感の低減を図ることができる。特に、回避制御開始時においては、障害物までの距離が長いためにリスクが小さく、走行制御による操舵介入量が小さくなることが多い。そのため、運転者は制御開始時において、回避の向きと開始タイミングに加えて、操舵の量も自分の意図した実操舵の通りであると感じる頻度が増えるので、違和感を覚える機会を低減できる。
また、本実施形態によれば、制御抑制量演算部37は、さらに、運転者が入力した操舵トルクの大きさに応じて制御抑制量を変更する。そのため、運転者が積極的に操舵する意思がある場合は、走行制御の制御力を抑制して運転者の意図を尊重できるため制御による違和感をより低減できる。
(第5の実施形態)
図13は、第5の実施形態にかかる車両の走行制御装置10のコントローラ30を機能的に示すブロック図である。第5の実施形態にかかる車両の走行制御装置10およびその制御方法が、第4の実施形態のそれと相違する点は、軌道偏差に応じた走行制御を行うことにある。以下、第4の実施形態と重複する説明は省略することとし、以下相違点を中心に説明を行う。
本実施形態では、図13に示すように、コントローラ30の機能に、軌道偏差検出部40が追加されている。軌道偏差検出部40には、運動状態検出部32によって検出された運動状態と、回避軌道選択部36において選択された回避軌道がそれぞれ入力されている。軌道偏差検出部40は、自車両の運動状態と、選択された回避軌道とに基づいて、自車両の実軌道と、選択した回避軌道との偏差を検出する(軌道偏差検出手段)。軌道偏差検出部40によって検出された偏差は、走行制御量演算部38に対して出力される。
図14は、第5の実施形態にかかる走行制御方法を示すフローチャートである。本実施形態において、ステップ23の処理とステップ19の処理との間にステップ24の処理が新設されている。ステップ24において、軌道偏差検出部40は、自車両の運動状態と、選択された回避軌道とに基づいて、自車両の実軌道と、選択した回避軌道との偏差を検出する。例えば、運動状態検出部32は、回避軌道を選択したタイミングからのヨーレートセンサ23、Gセンサ24および車輪速センサ25の情報に基づいて、車両モデルを用いた演算を行うことにより、自車両の中心位置Pvを推測する。つぎに、軌道偏差検出部40は、図15に示すように、自車両の中心位置Pvを通る、回避軌道選択部36が選択した回避軌道Lの法線のうち、選択された回避軌道と自車両の中心位置Pvとの距離が最も短いものを選び、その距離を算出する。算出した距離を偏差Eとして走行制御量演算部38に出力する。この距離は、選択した回避軌道に対して右側の偏差なのか、もしくは左側の偏差なのかを区別するため、符号をつけるのが望ましい。なお、この偏差Eの求め方は一例であり、例えば、現在の運動状態を一定区間維持した場合の自車両中心位置の予測軌道と、選択された回避軌道との平均距離偏差を偏差Eとしてもよい。また、中心位置は車両の重心位置としてもよい。
ステップ24に続くステップ19において、走行制御量演算部38は、軌道偏差検出部40によって検出された偏差Eと、制御抑制量演算部37によって演算された制御抑制量Gsupとに基づいてアクチュエータ50,51を制御する走行制御量Gを算出する。走行制御量演算部38は、例えば、重みをweとした場合、走行制御量GをG=we*E−Gsupとして求め、この走行制御量Gに基づいてアクチュエータ50,51を制御する。
本実施形態によれば、第4の実施形態と同様に、リスクを演算することにより、実際の軌道と選択した回避軌道とに偏差が生じていても、リスクが小さい場合には、走行制御による操舵介入量が小さくなる。そのため、運転者自身が認識する外界の状況に応じた運転者の操舵と、制御介入による操舵との間に生じるギャップが抑制される。これにより、運転者が覚える違和感の低減を図ることができる。特に、回避制御開始時においては、障害物までの距離が長いためにリスクが小さく、走行制御による操舵介入量が小さくなることが多い。そのため、運転者は制御開始時において、回避の向きと開始タイミングに加えて、操舵の量も自分の意図した実操舵の通りであると感じる頻度が増えるので、違和感を覚える機会を低減できる。
また、本実施形態によれば、走行制御量演算部38は選択された回避軌道に対する偏差のみに基づいて走行制御量を演算するため、走行制御量の絶対値が小さくなり、これにより、運転者が覚える違和感の低減を図ることができる。また、制御抑制量演算部37によって演算された制御抑制量に基づいて走行制御量が抑制されているようなシーンにおいても、車両は緩やかに選択した回避軌道に近づくことになる。このため、運転者は車幅方向において1本の目標とする回避軌道に向かって誘導されていると感じ、その結果、1本の目標とする回避軌道を認識することができる。したがって安全な回避軌道を認識することができ、運転者は安心感を得ることができる。
操舵アクチュエータ50は、操舵制御として車両の進行方向を変更せしめる手段であればよい。また、ブレーキアクチュエータ51は、車両制動装置の一例であり、ほかの手段で制動を行ってもよい。
なお、上述した各実施形態において、コントローラ30の障害物検出部31は、自車両の前方に存在する障害物を検出する機能を担うものであるが、広義において、レーダ20、カメラ21および画像処理装置22も同様の機能を担う手段として機能する。また、運動状態検出部32は、自車両の運動状態を検出する機能を担うものであるが、広義において、ヨーレートセンサ23、Gセンサ24、車輪速センサ25も同様の機能を担う手段として機能する。さらに、操作量検出部35は、運転者による自車両の操作を検出する機能を担うものであるが、広義において、操舵角センサ26および操舵トルクセンサ27も同様の機能を担う手段として機能する。
10…走行制御装置
20…レーダ
21…カメラ
22…画像処理装置
23…ヨーレートセンサ
24…Gセンサ
25…車輪速センサ
26…操舵角センサ
27…操舵トルクセンサ
30…コントローラ
31…障害物検出部
32…運動状態検出部
33…回避軌道生成部
34…リスク分布演算部
35…操作量検出部
36…回避軌道選択部
37…制御抑制量演算部
38…走行制御量演算部
39…走行制御部
40…軌道偏差検出部
50…操舵アクチュエータ
51…ブレーキアクチュエータ

Claims (9)

  1. 自車両の前方に存在する障害物を検出する障害物検出手段と、
    自車両の運動状態を検出する運動状態検出手段と、
    前記自車両の運動状態を参照して、前記障害物に自車両が接触することを回避するための回避軌道を複数生成する回避軌道生成手段と、
    運転者による自車両の操作を検出する運転操作検出手段と、
    前記複数の回避軌道の中から、前記運転者による自車両の操作に適合する回避軌道を選択する回避軌道選択手段と、
    前記回避軌道選択手段によって選択された回避軌道に基づいて自車両を走行制御する走行制御手段と、
    前記回避軌道を処理対象として、前記障害物検出手段および前記運動状態検出手段の検出結果に基づいて、当該回避軌道と略直交方向に延在する所定範囲における前記障害物との接触可能性をリスクとして演算するリスク演算手段と、
    前記リスク演算手段によって演算されるリスクに応じて、前記走行制御手段による走行制御を抑制する抑制手段と
    を有することを特徴とする車両の走行制御装置。
  2. 前記運転操作検出手段は、運転者のハンドル操作によって加えられる操舵トルクを検出しており、
    前記抑制手段は、さらに、前記運転操作検出手段が検出した操舵トルクに応じて、前記走行制御手段による走行制御を抑制することを特徴とする請求項1に記載された車両の走行制御装置。
  3. 自車両の実軌道と、前記回避軌道選択手段によって選択された回避軌道との軌道偏差を検出する軌道偏差検出手段をさらに有し、
    前記走行制御手段は、前記軌道偏差検出手段によって検出された軌道偏差を減少させるように自車両を走行制御することを特徴とする請求項1または2に記載された車両の走行制御装置。
  4. 前記回避軌道生成手段は、右方向への操舵によって障害物との接触を回避する回避軌道と、左方向への操舵によって障害物との接触を回避する回避軌道とを生成することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載された車両の走行制御装置。
  5. 前記回避軌道選択手段は、前記運転操作検出手段によって運転者による右方向への操舵操作が検出された場合、右方向への操舵によって障害物との接触を回避する回避軌道を選択し、
    前記運転操作検出手段によって運転者による左方向への操舵操作が検出された場合、左方向への操舵によって障害物との接触を回避する回避軌道を選択することを特徴とする請求項4に記載された車両の走行制御装置。
  6. 前記回避軌道選択手段は、運転者による操作がないと判断した場合、制御の開始地点が最も障害物に近い回避軌道を選択することを特徴とする請求項4または5に記載された車両の走行制御装置。
  7. 前記回避軌道生成手段は、操舵制御のみの走行制御では障害物との接触を回避できないと判断した場合には、操舵制御とともに制動制御によって障害物との接触を回避する回避軌道を生成することを特徴とする請求項4から6のいずれか一項に記載された車両の走行制御装置。
  8. 前記走行制御手段は、走行制御として制動制御を行う場合、前記運転操作検出手段によって運転者による自車両の操作が検出された後に当該制動制御を実行することを特徴とする請求項7に記載された車両の走行制御装置。
  9. 自車両の運動状態を参照して、前記障害物に自車両が接触することを回避するための回避軌道を複数生成し、
    前記複数の回避軌道の中から、前記運転者による自車両の操作に対応する回避軌道を選択し、
    回避軌道を処理対象として、前記障害物および車両の運動状態に基づいて、当該回避軌道と略直交方向に延在する所定範囲における前記障害物との接触可能性をリスクとして演算し、
    前記選択された回避軌道に基づいて自車両を走行制御するとともに、当該走行制御の際に、演算されたリスクに応じて走行制御を抑制することを特徴とする車両の走行制御方法。
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