JPWO2015182524A1 - シンチレータパネル、放射線画像検出装置およびその製造方法 - Google Patents

シンチレータパネル、放射線画像検出装置およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、簡便な方法によって蛍光体の発光光の散乱を顕著に抑制し、必要十分な強度の発光光を得ることで鮮明性に優れる画像を得ることが可能な、信頼性の高いシンチレータパネルを提供することを目的とする。本発明は、基板、および、蛍光体粉末を含有する蛍光体層を備え、上記蛍光体層が、表面に複数のくぼみを有し、上記くぼみの開口部の面積Aが、500〜70000μm2であり、上記蛍光体層の厚みTと、上記くぼみの深さDとの比であるD/Tが、0.1〜0.9である、シンチレータパネルを提供する。

Description

本発明は、シンチレータパネル、放射線画像検出装置およびその製造方法に関する。
従来、医療現場において、フィルムを用いた放射線画像が広く用いられてきた。しかし、フィルムを用いた放射線画像はアナログ画像情報であるため、近年、コンピューテッドラジオグラフィ(computed radiography:CR)やフラットパネル型の放射線ディテクタ(flat panel detector:以下、「FPD」)等のデジタル方式の放射線画像検出装置が開発されている。
FPDには、直接方式と間接方式とがあるが、間接方式においては放射線を可視光に変換するために、シンチレータパネルが使用される。シンチレータパネルは、ヨウ化セシウム(CsI)または酸硫化ガドリニウム(GOS)等の蛍光体を含有する蛍光体層を構成要素として備えており、照射された放射線に応じて蛍光体が可視光を発光して、その発光光をTFTやCCDで電気信号に変換することにより、放射線の情報をデジタル画像情報に変換する。
蛍光体層を形成する方法としては、ペースト状の蛍光体粉末の塗布膜を蛍光体層とする方法が簡便であるが、塗布膜内部で蛍光体の発光光が散乱してしまい、画像の鮮明性は極めて低いものであった。このため、蛍光体の発光光の散乱を抑制して、発光光を高効率に利用すべく、大粒径の蛍光体からなる蛍光体層と小粒径の蛍光体からなる蛍光体層とを交互に配置する方法(特許文献1)、蛍光体層を区画するための隔壁を設ける方法(特許文献2〜4)、蒸着法でCsI等の柱状結晶構造の蛍光体を形成し、蛍光体の発光光をTFTやCCDに誘導することでS/N比を改善する方法(特許文献5および6)等が提案されている。
特開2003−215253号公報 特開平5−60871号公報 特開2011−188148号公報 特開2011−007552号公報 特開2012−242355号公報 特開2013−117547号公報
しかしながら、蛍光体粒径の相違する層を交互に設ける方法や、隔壁を設ける方法では、蛍光体の発光光の散乱を十分に抑制することができず、必要な強度の発光光が得られないのが現状であった。また、柱状結晶構造のCsI等を蛍光体層とする方法では、柱状結晶構造の化学的安定性が低いことや、異物混入によるパネル画質の劣化が生じ易いことが問題視されていた。
そこで本発明は、簡便な方法によって蛍光体の発光光の散乱を顕著に抑制し、必要十分な強度の発光光を得ることで鮮明性に優れる画像を得ることが可能な、信頼性の高いシンチレータパネルを提供することを目的とする。
上記の課題は、以下の技術手段のいずれかによって達成される。
基板、および、蛍光体粉末を含有する蛍光体層を備えたシンチレータパネルであって、上記蛍光体層が、表面に複数のくぼみを有し、上記くぼみの開口部の面積Aが、500〜70000μmであり、上記蛍光体層の厚みTと、上記くぼみの深さDとの比であるD/Tが、0.1〜0.9である、シンチレータパネル。
上記のシンチレータパネルを具備する、放射線画像検出装置。
上記のシンチレータパネルと、該シンチレータパネルの上記くぼみに対向する光電変換素子を備える検出基板と、を具備する、放射線画像検出装置の製造方法であって、(A)上記くぼみと上記光電変換素子との位置合わせ工程、および、(B)上記シンチレータパネルと上記検出基板との貼り合せ工程、を備える、放射線画像検出装置の製造方法。
本発明によれば、簡便な方法により蛍光体の発光光の散乱を顕著に抑制して、必要十分な強度の発光光を確保することで鮮明性の極めて高い画像を実現可能な、信頼性に優れるシンチレータパネルを提供することができる。
本発明のシンチレータパネルの一態様を具備する、放射線画像検出装置の構成を、模式的に表した断面図である。 本発明のシンチレータパネルの一態様の構成を、模式的に表した斜視図である。 本発明のシンチレータパネルの一態様を具備する、放射線画像検出装置の構成を、模式的に表した断面図である。 本発明のシンチレータパネルの一態様を具備する、放射線画像検出装置の構成を、模式的に表した断面図である。 本発明のシンチレータパネルの一態様を具備する、放射線画像検出装置の構成を、模式的に表した断面図である。 本発明のシンチレータパネルの一態様の構成を、模式的に表した断面図である。 隔壁を有する本発明のシンチレータパネルの一態様を具備する、放射線画像検出装置の構成を、模式的に表した断面図である。 隔壁を有する本発明のシンチレータパネルの一態様の構成を、模式的に表した斜視図である。 隔壁を有する本発明のシンチレータパネルの一態様における、隔壁、緩衝層および基板を模式的に表した断面図である。 隔壁を有する本発明のシンチレータパネルの一態様の構成を、模式的に表した断面図である。
本発明のシンチレータパネルは、基板、および、蛍光体粉末を含有する蛍光体層を備え、上記蛍光体層が、表面に複数のくぼみを有し、上記くぼみの開口部の面積Aが、500〜70000μmであり、上記蛍光体層の厚みTと、上記くぼみの深さDと、の比であるD/Tが、0.1〜0.9であることを特徴とする。
以下に、図を用いて本発明のシンチレータパネルの具体的な構成について説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
図1、3〜5および7は、本発明のシンチレータパネルを具備する放射線画像検出装置の構成を、模式的に表した断面図である。図2および8は、本発明のシンチレータパネルの構成を模式的に表した斜視図である。放射線画像検出装置1は、シンチレータパネル2、検出基板3および電源部13からなる。
シンチレータパネル2は、基板4、および、基板4の上に形成された蛍光体粉末を含有する蛍光体層7を備える。蛍光体層7は、表面に複数のくぼみを有している。
検出基板3は、基板12上に、光電変換素子とTFTとからなる画素が2次元状に形成された光電変換層10、および、出力層11を有する。シンチレータパネル2の出光面と、検出基板3の光電変換層10とを、接着層9を介して接着または密着させることで、放射線画像検出装置1が構成される。この際、前記光電変換素子の画素と前記蛍光体層表面の1個以上のくぼみが対応するようにする。一つの画素に1個のくぼみが対応してもかまわないし、一つの画素に2個以上のくぼみが対応してもかまわない。光電変換素子の1画素に対応する蛍光体層のくぼみの数が均一であることが好ましい。
放射線画像検出装置1に入射した放射線は、蛍光体層7に含有される蛍光体に吸収されて、可視光が放射される。このようにして、蛍光体から放射される光を、以下、「蛍光体の発光光」と呼ぶ。光電変換層10に到達した蛍光体の発光光は、光電変換層10で光電変換され、出力層11を通じて、電気信号として出力される。
シンチレータパネルの基板の材質としては、例えば、放射線の透過性を有するガラス、セラミック、半導体、高分子化合物または金属が挙げられる。ガラスとしては、例えば、石英、ホウ珪酸ガラスまたは化学的強化ガラスが挙げられる。セラミックとしては、例えば、サファイア、チッ化珪素または炭化珪素が挙げられる。半導体としては、例えば、シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素、ガリウム燐またはガリウム窒素が挙げられる。高分子化合物としては、例えば、セルロースアセテート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、トリアセテート、ポリカーボネートまたは炭素繊維強化樹脂が挙げられる。金属としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅または金属酸化物が挙げられる。
なお、シンチレータパネルの持ち運びの利便性の点でシンチレータパネルの軽量化が進められていることから、基板の厚さは2.0mm以下が好ましく、1.0mm以下がより好ましい。また、蛍光体の発光光を高効率に利用するため、反射率の高い基板が好ましい。好ましい基板の材料としては、ガラスまたは高分子化合物が挙げられる。特に、好ましい例として、高反射ポリエステル基板が挙げられる。高反射ポリエステル基板としては、放射線の透過性が高く、かつ、低比重であることから、ボイドを含む白色ポリエステル基板がさらに好ましい。
基板の上に蛍光体層を形成する。蛍光体層は、蛍光体粉末を含有する。ここで蛍光体粉末とは、平均粒子径D50が40μm以下の蛍光体をいう。蛍光体としては、例えば、CsI、CsBr、GdS(以下、「GOS」)、GdSiO、BiGe12、CaWO、LuS、YS、LaCl、LaBr、LaI、CeBr、CeIまたはLuSiOが挙げられる。発光効率を高めるために、蛍光体に賦活剤を添加しても構わない。賦活剤としては、例えば、ナトリウム(Na)、インジウム(In)、タリウム(Tl)、リチウム(Li)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、ナトリウム(Na)、テルビニウム(Tb)、セリウム(Ce)、ユーロピウム(Eu)またはプラセオジム(Pr)が挙げられるが、化学的安定性が高く、かつ発光効率が高いため、GOSにTbを添加したTb賦活GOS(GOS:Tb)が好ましい。
蛍光体粉末は、球状、扁平状または棒状等であることが好ましい。蛍光体の平均粒子径D50は、0.1〜40μmであることが好ましく、より好ましくは1.0〜25μmであり、さらに好ましくは1.0〜20μmである。一方で、D50が0.1μm未満であると、蛍光体の表面欠陥により十分な発光が得られない場合がある。また、D50が40μmを超えると、光電変換素子ごとの検出強度の変動が大きく、鮮明な画像が得られない場合がある。
蛍光体粉末の平均粒子径D50は、粒度分布測定装置(例えば、MT3300;日機装株式会社製)を用いて、水を満たした試料室に蛍光体粉末を投入し、300秒間超音波処理を行った後に測定をすることができる。
蛍光体層は、その表面に複数のくぼみを有する。ここで蛍光体層の表面とは、蛍光体層において、基板と反対側に位置する面をいう。蛍光体層が有するくぼみによって、蛍光体の発光光をそこで集光させることができ、発光光の散乱を抑止することが可能となるため、より鮮明な画像を得ることができる。また、蛍光体層がくぼみを有することによって、蛍光体の発光光が光電変換層に到達するまでの蛍光体による光吸収が低減され、発光光を高効率に利用することができる。
蛍光体層が有するくぼみの形状としては、例えば、図1または図3〜5に示すものが挙げられる。
蛍光体層のくぼみは、開口部の面積Aが、500〜70000μmである必要がある。面積Aが500μm未満であると、蛍光体の発光光をくぼみで集光させることができず、発光光の散乱を抑止することができない。一方で、面積Aが70000μmを超えると、くぼみが光電変換素子の画素サイズよりも大きくなることにより、画素ごとの検出光量にバラツキが発生するため、鮮明な画像が得られない。
面積Aは、レーザー顕微鏡(例えば、VK−9500;キーエンス株式会社製)を用いて、倍率20倍で、基板に対して垂直上方向から蛍光体層をスキャンした画像を解析して求めることができる。より具体的には、スキャンした画像において、くぼみを無作為に5点選択し、それぞれの開口部の形状に応じて面積を求めるために数学的に必要な長さ(例えば、開口部の形状が正円であれば、その直径;開口部の形状が正方形であれば、一辺の長さ)を測定して、各開口部の面積を求めた上で、5点の平均値を算出して求めることができる。
図6に本発明のシンチレータパネルの一態様を、模式的に表した断面図を示す。シンチレータパネル2において、基板4の上に厚みTの蛍光体層7が形成されている。蛍光体層7は、表面に複数のくぼみを有している。くぼみの開口部の最大幅をW、深さをDとする。また、互いに隣接するくぼみ同士の間隔をピッチPとする。ここで、隣接するくぼみ同士の間隔とは、あるくぼみの開口部の中心点から隣接するくぼみの中心点までの距離のことを言う。
くぼみの開口部の最大幅Wは、30〜300μmであることが好ましく、40〜250μmであることがより好ましく、40〜150μmであることがさらに好ましい。開口部の最大幅Wが30μm未満であると、くぼみに蛍光体の発光光を集光させることができず、発光光の散乱を抑止して鮮明な画像を得ることができない場合がある。一方で、開口部の最大幅Wが300μmを超えると、光電変換素子の画素ごとの検出光量のバラツキが発生するため、鮮明な画像が得られない場合がある。
くぼみの開口部の最大幅Wは、レーザー顕微鏡(例えば、VK−9500;キーエンス株式会社製)を用いて、倍率20倍で、基板に対して垂直上方向から蛍光体層をスキャンした画像を解析して求めることができる。より具体的には、スキャンした画像において、くぼみを無作為に5点選択し、それぞれの開口部の形状に応じた数学的に必要な長さ(例えば、開口部の形状が正円であれば、その直径;開口部の形状が正方形であれば、その対角線の長さ)について、5点の平均値を算出して求めることができる。
蛍光体層の厚みTは、120〜1000μmが好ましく、120〜500μmであることがより好ましく、120〜350μmであることがさらに好ましい。蛍光体層の厚みTが120μm未満であると、放射線を十分に可視光に変換することができず、必要な強度の発光光が得られない場合がある。一方で、蛍光体厚みTが1000μmを超えると、放射線が最先に照射される、放射線の照射方向側に存在する蛍光体の強度の高い発光光が光電変換層にまで到達せず、発光光を高効率に利用することができない場合がある。さらには多量の蛍光体粉末が必要となり、シンチレータパネルのコストが増加してしまう。
蛍光体層の厚みTは、以下の方法により測定することができる。まず、蛍光体層を無作為に選択したくぼみのない位置で、基板に対して垂直方向に切断する。その断面を、光学顕微鏡(例えば、OPTISHOT;ニコン株式会社製)を用いて、倍率20倍で観察した画像において測定位置を無作為に5点選択し、それぞれの測定位置における蛍光体層の高さを測定する。この操作を5回繰り返し、得られた高さの値のすべて(5×5)の平均値を、蛍光体層の厚みTとする。
蛍光体層のくぼみの深さDは、レーザー顕微鏡(例えば、VK−9500;キーエンス株式会社製)を用いて、倍率20倍で、基板に対して垂直上方向から蛍光体層をスキャンした画像を解析して求めることができる。より具体的には、スキャンした画像において、くぼみを無作為に5点選択し、基板に対して垂直方向における、それぞれの開口部から最深部までの距離の平均値を算出してくぼみの深さDを求めることができる。
蛍光体層の厚みTと、蛍光体層のくぼみの深さDと、の比であるD/Tは、0.1〜0.9である必要があるが、0.2〜0.8であることが好ましい。D/Tが0.1未満であると、放射線を十分に可視光に変換することができず、必要な強度の発光光が得られない。また、くぼみで集光された蛍光体の発光光が基板側に漏れて、光電変換層に到達せず、発光光の利用効率が低下する。一方で、D/Tが0.9を超えると、くぼみに蛍光体の発光光を集光させることができず、発光光の散乱を抑止して鮮明な画像を得ることができない。
蛍光体層は、表面に500〜50000個/cmのくぼみを有することが好ましく、さらに1200〜15000個/cmのくぼみを有することがより好ましい。くぼみの数が500個/cm未満であると、光電変換素子の1画素に対応する蛍光体層のくぼみの数のバラツキが大きくなり、鮮明な画像を得ることができない場合がある。一方で、くぼみの数が50000個/cmを超えると、くぼみで蛍光体の発光光を集光させることができず、さらには蛍光体粉末の量が低下するため、必要な強度の発光光が得られない場合がある。
蛍光体層が有するくぼみの数は、光学顕微鏡(例えば、OPTISHOT;ニコン株式会社製)を用いて、倍率20倍で、基板に対して垂直上方向から蛍光体層をスキャンした画像を解析して求めることができる。より具体的には、スキャンした画像において、無作為に10箇所選択した1mmの領域におけるくぼみの数をそれぞれ測定し、その平均値を1cm当たりの値に変換して求めることができる。
互いに隣接するくぼみ同士のピッチPは、対応する光電変換素子のピッチに応じて適宜変更すればよいが、50〜350μmの範囲が好ましく、50〜280μmの範囲がより好ましい。また、隣接するくぼみ同士のピッチPは、前記範囲内における一定値であることが好ましい。すなわち、蛍光体層が有するくぼみは、光電変換素子の1画素当たりに対応するくぼみの数を均一にするため、50〜350μmの範囲における一定の値で等間隔に配置されていることが好ましい。ピッチPが50μm未満であると、くぼみで蛍光体の発光光を集光することができない場合がある。一方で、ピッチPが350μmを超えると、光電変換素子の1画素当たりに1つ以上のくぼみを対応させることが困難となる場合がある。ピッチPは、50〜280μmの範囲における一定値であることがより好ましい。
互いに隣接するくぼみ同士のピッチPは、レーザー顕微鏡(例えば、VK−9500;キーエンス株式会社製)を用いて、倍率20倍で基板に対して垂直上方向から蛍光体層をスキャンした画像を解析して求めることができる。より具体的には、スキャンした画像において、くぼみの開口部の中心点から隣接するくぼみの中心点までの距離を、無作為に10点測定し、その平均値を算出してくぼみのピッチPとする。
蛍光体層が有するくぼみの形状は、基板に対して水平方向のくぼみの断面の面積が開口部において最大であり、くぼみの深さDが大きくなっても該水平方向の面積が変化しないか、または、深さDが大きくなるにつれ、該水平方向の面積が小さくなるような形状であることが好ましい。蛍光体層が有するくぼみの形状は、開口部を底面とする略円錐状等が好ましい。ここで略円錐状の「略」とは、くぼみの形状が厳密な意味での円錐である必要はなく、底面(くぼみの開口部形状)が楕円であったり、頂点(くぼみの最深部形状)が図2に示すように丸みを帯びていたりしても構わないことを意味する。くぼみがそのような形状であることにより、くぼみで集光された発光光がくぼみの内部に閉じ込められることなく、発光光を高効率に利用することができる。
基板の上に蛍光体層を形成する方法としては、基板上に、蛍光体粉末を含有するペースト、すなわち蛍光体ペーストを塗布して、塗布膜を形成する方法が挙げられる。このようにして得られた蛍光体ペーストの塗布膜に、くぼみを形成することにより、表面に複数のくぼみを有する蛍光体層を得ることができる。塗布膜を得るための蛍光体ペーストの塗布方法としては、例えば、スクリーン印刷法、バーコーター、ロールコーター、ダイコーターまたはブレードコーターが挙げられる。
蛍光体ペーストは、有機バインダーを含有しても構わない。有機バインダーとしては、例えば、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、メチルセルロース、ポリエチレン、ポリメチルシロキサンもしくはポリメチルフェニルシロキサン等のシリコン樹脂、ポリスチレン、ブタジエン/スチレンコポリマー、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、ポリアミド、高分子量ポリエーテル、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体、ポリアクリルアミドまたはアクリル樹脂が挙げられる。
蛍光体ペーストは、有機溶媒を含有しても構わない。蛍光体ペーストが有機バインダーを含有する場合、有機溶媒はその良溶媒であり、水素結合力が大きいことが好ましい。そのような有機溶媒としては、例えば、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアルコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、テルピネオール、ベンジルアルコール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、ジヒドロターピネオール、γ−ブチロラクトン、ジヒドロターピニルアセテート、3−メトキシ−3−メチル−メチルブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキシレングリコールまたはブロモ安息香酸が挙げられる。
蛍光体ペーストは、その粘度を調整するため、増粘剤、可塑剤または沈降防止剤を含有しても構わない。
蛍光体ペーストの塗布膜にくぼみを形成する方法としては、例えば、エッチング法、金型プレス法、サンドブラスト法、感光性ペースト法などが挙げられる。特に、くぼみに対応する凸型のパターンを形成した金型をプレス機を用いて蛍光体ペースト塗布膜に押し込む方法が、工程数が少なく、蛍光体ペースト材料の選択性が高く、くぼみを形成した後の蛍光体ペースト塗布膜への不純物の混入を抑えることができるため、好ましい。金型の材料は、金属でも、セラミックでも、樹脂でも良いが、透明もしくは白色のセラミックが好ましい。また、金型に形成される凸型のパターンは、上記のとおりくぼみに対応するものであるので、目的とするくぼみの形状およびピッチに合わせて形成する。具体的には、上記の好ましいくぼみの形状およびピッチに合わせて、金型の凸型パターンを形成することが好ましい。
具体的には、蛍光体ペースト塗布膜上に凸型パターンを形成した金型を0.1〜100MPaでプレスすることが好ましく、0.3〜10MPaでプレスすることが、より好ましい。さらに、金型でプレスする際に、25〜200℃に加熱することにより、好適に蛍光体ペースト塗布膜にくぼみを形成することができる。
シンチレータパネルは、さらに、蛍光体層を複数のセルに区画する隔壁を有することが好ましい。
図7は、隔壁を有する態様のシンチレータパネルを具備する放射線画像検出装置の構成を、模式的に表した断面図である。図7に示すシンチレータパネル2は、基板4、基板4の上に載置された隔壁6、および、隔壁6により複数のセルに区画された、蛍光体層7を備える。蛍光体層7は、やはり複数のくぼみを有している。
基板4と隔壁6の間には、緩衝層5が形成されていることが好ましい。緩衝層5を形成することにより、隔壁6の安定的な形成が可能になる。また、この緩衝層5の可視光に対する反射率を高くすることにより、蛍光体層7が含有する蛍光体粉末の発光光を、高効率に検出基板上3の光電変換層10に到達させることができる。
さらに、隔壁6により区画された各セル内に、反射率の高い反射層8を形成することで、蛍光体層7が含有する蛍光体粉末の発光光を、高効率に検出基板3の光電変換層10に到達させることができる。
蛍光体層は隔壁により区画されているので、検出基板3に格子状に配置された光電変換素子の画素の大きさおよびピッチと、シンチレータパネル2の隔壁により区画されたセルの大きさおよびピッチとを対応させて、光電変換層10における光電変換素子を配置することで、蛍光体の発光光の散乱が隣接するセルに影響するのを防ぐことができる。
隔壁の高さhは、120〜1000μmであることが好ましく、160〜500μmであることがより好ましい。高さhが1000μmを超えると、隔壁形成が困難になる場合がある。一方で、高さhが120μm未満であると、蛍光体粉末の量が低下するため、必要な強度の発光光が得られない場合がある。
隔壁の形状は、検出基板が備える光電変換素子の画素の形状に合わせて適宜選択すればよいが、図8に示すような、格子状が好ましい。格子状に区画されたセルの開口部の形状としては、例えば、正方形、長方形、平行四辺形または台形が挙げられるが、発光光の強度がより均質になることから、正方形が好ましい。
格子状の隔壁において、互いに隣接する隔壁間の距離であるピッチP’は、50〜1000μmであることが好ましい。ピッチP’が50μm未満であると、隔壁形成が困難となる場合がある。一方で、ピッチP’が1000μmを超えると、鮮明な画像が得られない場合がある。
隔壁の底部の幅Wbは、15〜150μmであることが好ましい。隔壁の50%高さ位置の幅Wmは、15〜120μmであることが好ましい。隔壁の75%高さ位置の幅Wsおよび隔壁の頂部幅Wtは、80μm以下であることが好ましい。幅Wbおよび幅Wmが15μm未満であると、隔壁の欠損等が生じ易い。一方で、幅Wbが150μmを超えるか、または、幅Wmが120μmを超えると、蛍光体粉末の量が低下するため、必要な強度の発光光が得られない場合がある。幅WsおよびWtが80μmを超えると、蛍光体の発光光の進行が阻害されて、光電変換層に到達せず、発光光の利用効率が低下する場合がある。なお、幅Wbとは、図9に示すように、隔壁をその高さ方向に、かつ、長手方向に垂直に切断した際の断面における、隔壁と、基板または緩衝層とが接する位置における隔壁の幅をいう。ここで、格子状の隔壁においてはピッチP’の半分位置において切断する。また幅Wmとは、同断面における、高さが隔壁の高さhの50%の位置における隔壁の幅をいう。幅Wsとは、同断面における、高さが隔壁の高さhの75%の位置における隔壁の幅をいう。幅Wtとは、同断面における、高さが隔壁の高さhの90%の位置における隔壁の幅をいう。高さh、幅Wb、幅Wm、幅Wsおよび幅Wtは、隔壁の断面をSEMで観察して3箇所以上測定し、それらの平均値を算出して求めることができる。なお、隔壁の断面は、蛍光体の発光光を効率良く光電変換層に到達させるため、隔壁の底部から頂部に向かってその幅が減衰する形状、すなわち、図7および図9に示されるようなテーパー形状であることが好ましい。
隔壁の材質としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂もしくはエポキシ系樹脂等の樹脂、ガラスまたは金属が挙げられる。生産性および機械的強度の観点から、ガラスを主成分とすることが好ましい。ここでガラスを主成分とするとは、隔壁に占めるガラスの割合が60質量%以上であることをいう。当該割合は、70質量%以上であることがより好ましい。
隔壁を形成する方法としては、例えば、エッチング法、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、金型転写法または感光性ペースト法が挙げられる。高精細の隔壁を得るため、感光性ペースト法が好ましい。
感光性ペースト法とは、基板上に、感光性有機成分を含有する感光性ペーストを塗布し、感光性ペースト塗布膜を形成する塗布工程と、得られた感光性ペースト塗布膜を、所望の開口部を有するフォトマスクを介して露光する露光工程と、露光後の感光性ペースト塗布膜の現像液に可溶な部分を、溶解除去する現像工程と、を備える、隔壁の形成方法をいう。
また、上記感光性ペースト内に低融点ガラス粉末を含有せしめ、現像工程後の感光性ペーストパターンを高温に加熱して有機成分を分解留去すると共に、低融点ガラスを軟化および焼結させ、隔壁を形成する焼成工程をさらに備えることも好ましい。
焼成工程における加熱温度は、500〜700℃が好ましく、500〜650℃がより好ましい。加熱温度が500℃以上であると、有機成分が完全に分解留去されると共に、低融点ガラス粉末が軟化および焼結される。一方で、加熱温度が700℃を超えると、基板等の変形が大きくなる場合がある。
感光性ペーストは、有機成分と無機粉末とを含有することが好ましい。感光性ペーストに占める無機粉末の割合は、30〜80質量%が好ましく、40〜70質量%がより好ましい。無機粉末の割合が30質量%未満であると、すなわち有機成分が過多であると、焼成工程における収縮率が大きくなり、隔壁の欠損が生じ易い。一方で、無機粉末の含有量が80質量%を超えると、すなわち有機成分が過小であると、感光性ペーストの安定性や塗布性に悪影響を及ぼすばかりでなく、無機粉末の分散性が低下して隔壁の欠損が生じ易い。また、無機粉末に占める低融点ガラス粉末の割合は、50〜100質量%が好ましい。低融点ガラス粉末の割合が50質量%未満であると、焼結が不十分となり、隔壁の強度が低下する場合がある。
低融点ガラス粉末の軟化温度は、480℃以上が好ましい。軟化温度が480℃未満であると、有機成分が分解留去されないままガラス中に残存してしまい、着色等の原因となる場合がある。焼成工程における加熱温度を考慮すれば、低融点ガラスの軟化温度は480〜700℃が好ましく、480〜640℃がより好ましく、480〜620℃がさらに好ましい。
低融点ガラスの軟化温度は、示差熱分析装置(例えば、差動型示差熱天秤TG8120;株式会社リガク製)を用いて、サンプルを測定して得られるDTA曲線から、吸熱ピークにおける吸熱終了温度を接線法により外挿して算出することができる。より具体的には、アルミナ粉末を標準試料として、示差熱分析装置を室温から20℃/分で昇温して、測定サンプルとなる低融点ガラス粉末を測定し、DTA曲線を得る。得られたDTA曲線より、吸熱ピークにおける吸熱終了温度を接線法により外挿して求めた軟化点Tsを、低融点ガラスの軟化温度とすることができる。
低融点ガラスの熱膨張係数は、40〜90×10−7(/K)が好ましい。熱膨張係数が90×10−7(/K)を超えると、得られるシンチレータパネルの反りが大きくなり、発光光のクロストーク等によって画像の鮮明度が低下する場合がある。一方で、熱膨張係数が40×10−7(/K)未満であると、低融点ガラスの軟化温度が十分に低くならない場合がある。
ガラスを低融点化するための含有成分としては、例えば、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化亜鉛またはアルカリ金属酸化物が挙げられる。酸化リチウム、酸化ナトリウムおよび酸化カリウムからなる群から選ばれるアルカリ金属酸化物の含有割合によって、低融点ガラスの軟化温度を調整することが好ましい。
低融点ガラスに占めるアルカリ金属酸化物の割合は、2〜20質量%とすることが好ましい。アルカリ金属酸化物の割合が2質量%未満であると、低融点ガラスの軟化温度が高くなって、焼成工程で高温での加熱が必要となり、基板にゆがみが生じたり、隔壁に欠損が生じたりし易い。一方で、アルカリ金属酸化物の割合が20質量%を超えると、焼成工程において低融点ガラスの粘度が過度に低下し、得られる隔壁の形状にゆがみが生じ易い。また、得られる隔壁の空隙率が過度に小さくなり、得られるシンチレータパネルで必要な強度の発光光が得られない。
低融点ガラスはアルカリ金属酸化物に加えて、高温での粘度の調整のために、酸化亜鉛を3〜10質量%含有することが好ましい。酸化亜鉛の割合が3質量%未満であると、低融点ガラスの高温での粘度が過度に高くなる。一方で、酸化亜鉛の割合が10質量%を超えると、低融点ガラスのコストが上昇する。
さらに、低融点ガラスは、上記のアルカリ金属酸化物および酸化亜鉛に加えて、酸化ケイ素、酸化ホウ素、酸化アルミニウムおよびアルカリ土類金属の酸化物等を含有させることにより、低融点ガラスの安定性、結晶性、透明性、屈折率および熱膨張特性等を調整することが可能である。アルカリ土類金属の酸化物としては、マグネシウム、カルシウム、バリウムおよびストロンチウムからなる群から選ばれる酸化物を含有することが好ましい。
好ましい低融点ガラスの組成の一例を以下に示す。
アルカリ金属酸化物:2〜20質量%
酸化亜鉛:3〜10質量%
酸化ケイ素:20〜40質量%
酸化ホウ素:25〜40質量%
酸化アルミニウム:10〜30質量%
アルカリ土類金属酸化物:5〜15質量%。
低融点ガラス粉末の平均粒子径D50は、1.0〜4.0μmであることが好ましい。平均粒子径D50が1.0μm未満であると、低融点ガラス粉末が凝集して分散性が低下し、ペーストの塗布性に悪影響を及ぼす場合がある。一方で、平均粒子径D50が4.0μmを超えると、隔壁表面の凹凸が大きくなり、その欠損の原因となり易い。
低融点ガラス粉末をはじめとする無機粉末の平均粒子径D50は、粒度分布測定装置(例えば、MT3300;日機装株式会社製)を用いて、水を満たした試料室に無機粉末を投入し、300秒間超音波処理を行った後に測定をすることができる。
焼成工程における収縮率の制御や隔壁形状の保持のため、感光性ペーストは、無機粉末としてフィラーをさらに含有することも好ましい。ここで、フィラーとは、700℃でも軟化しない無機粉末である。フィラーとしては、高融点ガラスまたは酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタンもしくは酸化ジルコニウム等のセラミックス粒子が好ましい。ただし、無機粉末に占めるフィラーの割合は、低融点ガラスの焼結が阻害されないよう、50質量%未満であることが好ましい。またフィラーの平均粒子径D50は、0.1〜4.0μmであることが好ましい。
感光性ペーストが含有する感光性有機成分としては、例えば、感光性モノマー、感光性オリゴマー、感光性ポリマーまたは光重合開始剤が挙げられる。ここで、感光性モノマー、感光性オリゴマーおよび感光性ポリマーとは、活性な炭素−炭素2重結合を有し、活性光線の照射によって光架橋または光重合等が生じ、化学構造が変化するモノマー、オリゴマーおよびポリマーをいう。
感光性モノマーとしては、例えば、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基またはアクリルアミド基を有する化合物が挙げられるが、多官能アクリレート化合物または多官能メタクリレート化合物が好ましい。有機成分に占める多官能アクリレート化合物および多官能メタクリレート化合物の割合は、架橋密度を向上させるため、10〜80質量%が好ましい。
感光性オリゴマーおよび感光性ポリマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸またはこれらの酸無水物等のカルボキシル基含有モノマーと、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニルまたは2−ヒドロキシアクリレート等のモノマーと、を共重合した、カルボキシル基を有する共重合体が挙げられる。活性な炭素−炭素2重結合をオリゴマーまたはポリマーに導入する方法としては、例えば、オリゴマーまたはポリマー中のメルカプト基、アミノ基、水酸基もしくはカルボキシル基に対して、グリシジル基もしくはイソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドもしくはアリルクロライドまたはマレイン酸等のカルボン酸を反応させる方法が挙げられる。
なお、ウレタン構造を有するモノマーまたはオリゴマーを用いることにより、焼成工程における加熱開始後に応力緩和が生じ、パターン欠損しにくい感光性ペーストを得ることができる。
光重合開始剤とは、活性光線の照射によってラジカルを発生する化合物をいう。光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジル、ベンジルメトキシエチルアセタール、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンゾスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンザルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、1−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(O−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシプロパントリオン−2−(O−ベンゾイル)オキシム、ミヒラーケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、N−フェニルチオアクリドン、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホルフィン、過酸化ベンゾイン、エオシンまたはメチレンブルー等の光還元性の色素とアスコルビン酸もしくはトリエタノールアミン等の還元剤との組合せが挙げられる。
感光性ペーストがカルボキシル基を有する共重合体を含有する場合、アルカリ水溶液への溶解性が向上する。カルボキシル基を有する共重合体の酸価は、50〜150mgKOH/gが好ましい。酸価が150mgKOH/g以下であると、現像許容幅が広くなる。一方で、酸価が50mgKOH/g以上であると、未露光部の現像液に対する溶解性が低下せず、低濃度の現像液を用いて細幅な隔壁パターンを得ることができる。カルボキシル基を有する共重合体は、側鎖にエチレン性不飽和基を有することが好ましい。エチレン性不飽和基としては、例えば、アクリル基、メタクリル基、ビニル基またはアリル基が挙げられる。
感光性ペーストが含有する低融点ガラス粉末の平均屈折率n1と、感光性有機成分の平均屈折率n2とは、−0.1≦n1−n2≦0.1の関係を満たすことが好ましく、−0.01≦n1−n2≦0.01の関係を満たすことがより好ましく、−0.005≦n1−n2≦0.005の関係を満たすことがさらに好ましい。これらの条件を満たすことにより、露光工程において、低融点ガラス粉末と感光性有機成分との界面における光散乱が抑制され、より高精細のパターンを形成することが可能となる。
低融点ガラス粉末の平均屈折率n1は、ベッケ線検出法により測定することができる。より具体的には、25℃での波長436nm(g線)における屈折率測定を5回行い、その平均値をn1とすることができる。また、感光有機成分の平均屈折率n2は、感光性有機成分のみで形成された塗膜をエリプソメトリーにより測定することにより求めることができる。より具体的には、25℃での波長436nm(g線)における屈折率測定を5回行い、その平均値をn2とすることができる。
感光性ペーストの製造方法としては、例えば、無機粉末および感光性有機成分に、必要に応じて有機溶媒等を加えて、3本ローラーまたは混練機で均質に混合分散する方法が挙げられる。
感光性ペーストの粘度は、例えば、無機粉末、増粘剤、有機溶媒、重合禁止剤、可塑剤または沈降防止剤の添加によって適宜調整することができる。感光性ペーストの粘度は、2〜200Pa・sであることが好ましい。感光性ペーストをスピンコート法で塗布する場合には2〜5Pa・sであることが好ましく、スクリーン印刷法により1度の塗布で膜厚10〜40μmの塗布膜を得る場合には、50〜200Pa・sであることが好ましい。
感光性ペーストを用いた隔壁の製造方法の一例を以下に示す。基板上の全面または一部に、感光性ペーストを塗布して感光性ペースト塗布膜を形成する。塗布の方法としては、例えば、スピンコート法、スクリーン印刷法またはバーコーター、ロールコーター、ダイコーターもしくはブレードコーターを用いる方法が挙げられる。感光性ペースト塗布膜の厚さは、例えば、塗布回数、スクリーンのメッシュまたは感光性ペーストの粘度によって適宜調整することができる。
得られた感光性ペースト塗布膜の露光は、フォトマスクを介して露光する方法が一般的であるが、レーザー光などで直接描画して露光をしても構わない。露光光としては、例えば、近赤外線、可視光線または紫外線が挙げられるが、紫外線が好ましい。紫外線の光源としては、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプまたは殺菌灯が挙げられるが、超高圧水銀灯が好ましい。露光条件としては、例えば、1〜100mW/cmの出力の超高圧水銀灯を用いた、0.01〜30分間の露光が挙げられる。
露光後の感光性ペースト塗布膜における、露光部分と未露光部分との現像液に対する溶解度差を利用して未露光部分を溶解除去し、必要に応じて水洗(リンス)および乾燥をすることで、隔壁のパターンが得られる。現像の方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ブラシ法または超音波法が挙げられるが、隔壁の高さhが300μmを超える場合には、スプレー法または超音波法が好ましい。
超音波法とは、未露光部分を超音波により溶解除去する方法をいう。未露光部分のみならず、露光部分の硬化が不十分な半硬化部分にも現像液が浸食して溶解反応が進むので、より細幅である隔壁のパターンを形成することができる。なお、現像後の水洗(リンス)に超音波法を用いても構わない。
未露光部分および露光部分への現像液の侵食の程度をそれぞれ適当なものとするため、超音波法における超音波の周波数は、20〜50kHzが好ましい。基板の単位面積当たりの超音波の強度(ワット密度)は、40〜100W/cm2が好ましい。超音波の照射時間は、20〜600秒が好ましく、30〜500秒がより好ましく、60〜300秒がさらに好ましい。
感光性ペーストが、カルボキシル基を有する共重合体等の酸性基を有する化合物を含有する場合、アルカリ水溶液を現像液とすることができる。アルカリ水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、もしくは水酸化カルシウム等の無機アルカリの水溶液またはテトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、モノエタノールアミンもしくはジエタノールアミン等の有機アルカリの水溶液が挙げられる。焼成工程における分解留去が容易であることから、有機アルカリ水溶液が好ましい。有機アルカリ水溶液の濃度は、未露光部分および露光部分の溶解の程度をそれぞれ適当なものとするため、0.05〜5質量%が好ましく、0.1〜1質量%がより好ましい。現像時の温度は、工程管理の観点から、20〜50℃が好ましい。
焼成工程を適用する場合、上記のようにして得られた隔壁のパターンを、空気、窒素または水素等の雰囲気下の焼成炉で焼成する。焼成炉としては、例えば、バッチ式の焼成炉またはベルト式の連続型焼成炉が挙げられる。
低融点ガラスを含む隔壁のパターンを焼成した場合、低融点ガラスを含む無機粉末は、焼成工程において軟化および焼結されて互いに融着しているが、その間には空隙が残存している。隔壁に含まれる、この空隙の存在比率は、焼成工程の加熱温度によって調整することができる。隔壁全体に占める空隙の割合、すなわち空隙率は、蛍光体の発光光の効果的な反射と、隔壁の強度とを両立させるため、2〜25体積%が好ましく、5〜25体積%がより好ましく、5〜20体積%がさらに好ましい。空隙率が2%未満であると、隔壁の反射率が低くなり、シンチレータパネルの発光量が低下する場合がある。一方で、空隙率が25%を超えると、隔壁の強度が不足する場合がある。
空隙率は、隔壁の断面を精密研磨した後に電子顕微鏡で観察して測定することができる。より具体的には、空隙と、それ以外の無機粉末由来の部分とを2階調に画像変換し、隔壁の断面に占める空隙の面積割合を空隙率とすることができる。
隔壁と基板との間には、焼成工程における応力緩和のため、緩衝層を形成することが好ましい。緩衝層の材質としては、緩衝層の反射率を高めるため、低融点ガラスまたはセラミックスが好ましい。低融点ガラスとしては、隔壁を形成するための感光性ペーストが含有するものと同様のものが挙げられる。セラミックスとしては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウムまたは酸化ジルコニウムが挙げられる。なお、蛍光体の発光光が緩衝層を透過しないよう、波長550nmの光についての緩衝層の反射率は、60%以上であることが好ましい。
緩衝層は、有機成分と、低融点ガラス粉末またはセラミック粉末等の無機粉末とを溶媒に分散したペーストを基板に塗布および乾燥して塗布膜を形成し、焼成をすることで形成できる。焼成温度は、500〜700℃が好ましく、500〜650℃がより好ましい。
シンチレータパネルは、蛍光体層と隔壁との間に、凹形状の反射層を備えることが好ましい。ここで凹形状とは、各セル内の反射層の上面、すなわち基板と反対側に位置する面が、基板側に向かってへこんでいる状態をいう。隔壁により区画された各セル内に凹形状の反射層を形成することで、蛍光体の発光光を反射させて、発光光が隔壁側に漏れるのを低減することができる。
反射層の材質としては、放射線を透過し、かつ蛍光体の発光光である波長300〜800nmの可視光を反射する材料を使用することができる。劣化が少ないため、銀、金、アルミニウム、ニッケルもしくはチタン等の金属または酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムもしくは酸化亜鉛等のセラミックが好ましい。
凹形状の反射層の厚みは、0.01〜50μmが好ましく、0.1〜20μmがより好ましい。反射層の厚みが0.01μm以上であると、反射率が高くなる。一方で、反射層の厚みが50μmを超えると、蛍光体粉末の量が低下するため、発光光が弱くなる。
凹形状の反射層の厚みは、隔壁をその高さ方向に、かつ、長手方向に垂直になるように切断した際の断面において、反射層の断面の厚みをSEMで3箇所以上測定し、それらの平均値を算出して求めることができる。ここで、格子状の隔壁においてはピッチP’の半分位置において切断する。
反射膜の形成方法としては、例えば、真空製膜法、メッキ法、ペースト塗布法またはスプレーによる噴射が挙げられる。
ペースト塗布法の具体例としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムまたは酸化亜鉛等の白色セラミックの粉末と、エチルセルロース樹脂またはポリビニルブチラール樹脂等のバインダー樹脂と、有機溶剤とからなる反射層ペーストを、隔壁で区画されたセル内に充填し、乾燥する方法が挙げられる。
シンチレータパネルが隔壁を有する場合においては、隔壁の上から蛍光体ペーストを塗布し、隔壁で区画されたセルに蛍光体ペーストを充填する。
蛍光体ペーストを各セル内に充填する方法としては、例えば、スクリーン印刷法、バーコーター、ロールコーター、ダイコーターまたはブレードコーターが挙げられる。真空下で蛍光体ペーストを充填するか、または、蛍光体ペーストを充填後に真空下で一定時間放置することで、画像の欠陥の原因となる、蛍光体層のボイドの発生を抑制することができる。
この態様において、蛍光体層の表面にくぼみを形成する方法としては、例えば、蛍光体ペーストをセルに充填した後、該蛍光体ペーストを乾燥する方法が挙げられる。この場合、蛍光体ペーストの粘度、蛍光体ペーストの固形分比率、または、乾燥の条件等を管理することで、蛍光体層が有するくぼみを任意の形状にすることができる。この場合、蛍光体ペースト粘度は、10〜500Pa・sが好ましい。また蛍光体ペーストの固形分比率とは、蛍光体ペースト全体に占める、乾燥で留去されない成分の割合をいう。蛍光体ペーストの固形分比率は、5〜95体積%が好ましい。なお、乾燥の方法としては、例えば、熱風乾燥またはIR乾燥が挙げられる。
このようなシンチレータパネルの一態様を、模式的に表した断面図を図10に示す。蛍光体層のくぼみの開口部の面積Aは、前記のようにして求めることができる。また、高さが隔壁の高さhの50%の位置における開口部面積をAm、高さが隔壁の高さhの75%の位置における開口部面積をAsとする。AmおよびAsは、開口部面積Aと同様に測定することができる。
また、蛍光体ペーストの塗布膜にくぼみを形成する別の方法としては、例えば、蛍光体ペーストをセルに充填した後に、その表面を突起物でプレスする方法が挙げられる。
なお、シンチレータパネルが隔壁を有する場合においては、各セルに、1個ずつのくぼみが形成されていても構わないし、複数のくぼみが形成されていても構わない。
隔壁を有するか否かに関わらず、蛍光体層は、蛍光体粉末の充填密度が異なる、複数の層から構成されていることが好ましい。蛍光体粉末の充填密度が最も高い層、すなわち高充填密度蛍光体層は、反射率が高い。高充填密度蛍光体層は、放射線の照射方向が基板側である場合、基板側に位置していることが好ましい。また、隔壁により区画された各セル内に凹形状の高充填密度蛍光体層を形成することで、蛍光体の発光光を反射させて、発光光が隔壁側に漏れるのを低減することができる。蛍光体層の充填密度は、蛍光体ペーストを乾燥後の塗布膜の厚さが300μmとなるように塗布し、常圧下100℃のIR乾燥炉で2時間乾燥して形成した蛍光体ペースト塗布膜の単位体積当たりの質量から算出することができる。高充填密度蛍光体層の充填密度は、3.0g/cm以上が好ましく、4.0g/cm以上がより好ましい。
このようにして得られたシンチレータパネルと、検出基板とを、該シンチレータパネルの前記くぼみを有する蛍光体層と、該検出基板に設けられた光電変換素子とが対向するように設置し、前記くぼみと前記光電変換素子との位置合わせを行う位置合わせ工程および該シンチレータパネルと該検出基板とを接着層を介して接着する貼り合せ工程を経て、放射線画像検出装置を得ることができる。
くぼみを形成したシンチレータパネル2と、光電変換素子を形成した検出基板3に位置合わせの方法としては、特に限定されないが、最も輝度が高く、画像にモアレが発生しないように位置を合わせることが好ましい。
隔壁を有さない態様のシンチレータパネル2と、検出基板3との位置合わせ工程の一例を挙げる。シンチレータパネル2側には、蛍光体層表面の四隅に、画素部に設けたくぼみの形状とは異なる形状のくぼみをアライメントマークとして形成する。ここで、アライメントマークの形状は、特に限定されないが、くぼみの形状が略円錐状である場合、例えば十字状などが好ましい。検出基板3側にはシンチレータパネル2側と対応したアライメントマークを形成する。シンチレータパネル2のアライメントマークと、検出基板3のアライメントマークを位置合わせすることにより、蛍光体層表面のくぼみと光電変換素子の位置を合わせることができる。アライメントマークは、光電変換層の検出領域よりも外側の領域に形成することが好ましい。
隔壁を有する態様のシンチレータパネル2と、光電変換素子を形成した検出基板3との位置合わせ工程の一例を挙げる。シンチレータパネル2側には、隔壁を形成した領域の四隅に、隔壁形状と異なる形状もしくは大きさを有する補助隔壁をアライメントマークとして形成する。ここで、補助隔壁の形状は、特に限定されないが、隔壁の形状が格子状である場合、例えば楕円状などが好ましい。検出基板3側には、シンチレータパネル2側と対応したアライメントマークを形成する。シンチレータパネル2の補助隔壁と、検出基板3のアライメントマークを位置合わせすることにより、蛍光体層表面のくぼみと光電変換素子の位置を合わせることができる。補助隔壁は、光電変換層の検出領域よりも外側の領域に形成することが好ましい。
位置合わせ工程の後、シンチレータパネルと検出基板とを接着層を介して接着することにより、放射線画像検出装置を得る。検出基板に粘着シートの貼り付け、または粘着剤の塗布を行うことで接着層を形成する。接着層の厚みは、0.5〜30μmの範囲であることが好ましい。接着層の厚みが0.5μm未満であると、接着力が低いため好ましくない。一方、接着層の厚みが30μmより大きい場合、蛍光体層の発光光が接着層内を透過する際に、光が拡散するため、画像の鮮明性が下がる。
蛍光体層の発光光は、接着層を透過した後に、光電変換素子で検出されるため、接着層の材料は、蛍光体の発光波長における光吸収が少ないことが好ましい。接着層の具体例としては、特に限定されないが、透明ポリエステルフィルムの両面にアクリル樹脂を塗布した粘着シートなどが挙げられる。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(隔壁用感光性ペーストの作製)
38質量部の有機溶媒に、24質量部の感光性ポリマー、6質量部の感光性モノマーx、4質量部の感光性モノマーy、6質量部の光重合開始剤、0.2質量部の重合禁止剤および12.8質量部の紫外線吸収剤溶液を添加し、80℃で加熱溶解した。得られた溶液を冷却した後、粘度調整剤を9質量部添加して、隔壁用有機溶液を得た。
具体的な材料は以下のとおりである。
感光性ポリマー : 質量比がメタクリル酸/メタクリル酸メチル/スチレン=40/40/30の共重合体のカルボキシル基に対して、0.4当量のグリシジルメタクリレートを付加反応させたもの(重量平均分子量43000;酸価100)
感光性モノマーx : トリメチロールプロパントリアクリレート
感光性モノマーy : テトラプロピレングリコールジメタクリレート
光重合開始剤 : 2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1(IC369;BASF社製)
重合禁止剤 : 1,6−ヘキサンジオール−ビス[(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート])
紫外線吸収剤溶液 : γ―ブチロラクトン0.3質量%溶液(スダンIV;東京応化工業株式会社製)
有機溶媒 : γ−ブチロラクトン
粘度調整剤: フローノン(登録商標)EC121(共栄社化学株式会社製)
このようにして得られた60質量部の隔壁用有機溶液に、30質量部の低融点ガラス粉末および10質量部の高融点ガラス粉末を添加して3本ローラー混練機で混練し、隔壁用感光性ペーストを得た。
具体的な組成等は以下のとおりである。
低融点ガラス粉末 : SiO 27質量%、B 31質量%、ZnO 6質量%、LiO 7質量%、MgO 2質量%、CaO 2質量%、BaO 2質量%、Al 23質量% ; 軟化温度588℃ ; 熱膨張係数68×10−7 (/K); 平均粒子径D50 2.3μm
高融点ガラス粉末 : SiO 30質量%、B 31質量%、ZnO 6質量%、MgO 2質量%、CaO 2質量%、BaO 2質量%、Al 27質量% ; 軟化温度790℃ ; 熱膨張係数32×10−7(/K) ; 平均粒子径D50 2.3μm
(緩衝層用ペーストの作製)
95質量部の上記隔壁用感光性ペーストに、5質量部の酸化チタン粉末(平均粒子径D50 0.3μm)を添加して混練し、緩衝層用ペーストを得た。
(反射層ペーストAの作製)
5質量部の有機バインダー(エチルセルロース(100cP))を、80質量部の有機溶媒(テルピネオール)に80℃で加熱溶解した有機溶液に、15質量部のルチル型酸化チタン(平均粒子径D50 0.25μm)を添加して混練し、反射層ペーストAを得た。
(反射層ペーストBの作製)
5質量部の有機バインダー(エチルセルロース(100cP))を、60質量部の有機溶媒(テルピネオール)に80℃で加熱溶解した有機溶液に、35質量部のルチル型酸化チタン(平均粒子径D50 0.25μm)を添加して混練し、反射層ペーストBを得た。
(反射層ペーストCの作製)
5質量部の有機バインダー(エチルセルロース(14cP))を、80質量部の有機溶媒(テルピネオール)に80℃で加熱溶解した有機溶液に、15質量部のルチル型酸化チタン(平均粒子径D50 0.25μm)を添加して混練し、反射層ペーストCを得た。
(蛍光体ペーストAの作製)
30質量部の有機バインダー(エチルセルロース(7cp);比重1.1g/cm)を、70質量部の有機溶媒(テルピネオール、比重0.93g/cm)に80℃で加熱溶解し、有機溶液1を得た。また蛍光体粉末として、平均粒子径D50が10μmのTb賦活GdS(GdS:Tb、比重7.3g/cm)を準備した。
15質量部の有機溶液1に、85質量部の蛍光体粉末を混合して、蛍光体ペーストAを得た。蛍光体ペーストAを用いて形成した蛍光体層の充填密度は、4.0g/cmであった。
(蛍光体ペーストB〜Hの作製)
表1に示す組成で、有機溶液1の作製と同様の方法により有機溶液2〜6を作製した。次に、表2に示す組成で、蛍光体ペーストAの作製と同様の方法により蛍光体ペーストB〜Hを作製した。
Figure 2015182524
Figure 2015182524
(比較例1)
100mm×100mmの白色PETフィルム基板(E6SQ;東レ株式会社製)上に、上記蛍光体ペーストAを乾燥後の塗布膜の厚さが300μmになるようにダイコーターで塗布し、100℃のIR乾燥炉で2時間乾燥して、蛍光体ペースト塗布膜すなわちベタ塗りの蛍光体層を形成し、シンチレータパネルを得た。得られたシンチレータパネルについての各パラメータを、表3に示す。
得られたシンチレータパネルを、検出基板であるFPD(PaxScan3030;Varian社製)にセットして、放射線画像検出装置を作製した。管電圧80kVpの放射線を、シンチレータパネルの基板側から照射して、シンチレータパネルの発光強度をPaxScan3030で検出したところ、十分な発光強度が得られた。以下、この比較例1の発光強度の値を100として相対評価をした。また、鉛製のMTFチャートを介して、同様に管電圧80kVpの放射線をシンチレータパネルの基板側から照射し、得られた画像データ処理を行い、画像鮮明性の尺度であるMTFを算出した。以下、この比較例1のMTFの値を画像鮮明性100として相対評価をした。
(実施例1)
100mm×100mmの白色PETフィルム基板(E6SQ;東レ株式会社製)上に、上記蛍光体ペーストAを乾燥後の塗布膜の厚さが300μmになるようにダイコーターで塗布し、100℃のIR乾燥炉で2時間乾燥して、蛍光体ペースト塗布膜すなわちベタ塗りの蛍光体層を形成した。
複数の凸状パターン(半径50μm、高さ270μmの略円錐状)が縦横ともピッチ194μmの二次元マトリクス状に形成され、かつ、該複数の凸状パターンの4隅に、それぞれ線幅50μmの十字状パターンが形成されたアルミナ(熱膨張係数71×10−7(/K))製の成形型を準備した。上記のように形成した蛍光体層に対し、前記成形型を温度80℃で押し当てて、蛍光体層の表面にくぼみを形成し、表面に複数のくぼみを有する蛍光体層を備えるシンチレータパネルを得た。得られたシンチレータパネルについての各パラメータを、表3に示す。
得られたシンチレータパネルの十字状くぼみを、FPD(PaxScan3030)のアライメントマークに合わせてセットして、放射線画像検出装置を作製した。管電圧80kVpの放射線を、シンチレータパネルの基板側から照射して、シンチレータパネルの発光強度をPaxScan3030で検出したところ、比較例1における発光強度である100に対して、102というより高い発光強度が得られた。また、鉛製のMTFチャートを介して、同様に管電圧80kVpの放射線をシンチレータパネルの基板側から照射して、得られた画像データ処理を行い、MTFを算出したところ、比較例1における画像鮮明性100に対して、105というより高い数値を示した。
(実施例2)
凸状パターンの高さを240μmに変更した以外は、実施例1と同様の方法によりシンチレータパネルを得て、実施例1と同様の評価をした。シンチレータパネルについての各パラメータおよび評価結果を、表3に示す。以下、実施例3〜19および比較例2〜4についても同様。
(実施例3)
凸状パターンの高さを200μmに変更した以外は、実施例1と同様の方法によりシンチレータパネルを得て、実施例1と同様の評価をした。
(実施例4)
凸状パターンの高さを150μmに変更した以外は、実施例1と同様の方法によりシンチレータパネルを得て、実施例1と同様の評価をした。
(実施例5)
凸状パターンの高さを100μmに変更した以外は、実施例1と同様の方法によりシンチレータパネルを得て、実施例1と同様の評価をした。
(実施例6)
凸状パターンの高さを40μmに変更した以外は、実施例1と同様の方法によりシンチレータパネルを得て、実施例1と同様の評価をした。
(実施例7)
凸状パターンの半径を15μmに変更した以外は、実施例4と同様の方法によりシンチレータパネルを得て、実施例1と同様の評価をした。
(実施例8)
凸状パターンの半径を30μmに変更した以外は、実施例4と同様の方法によりシンチレータパネルを得て、実施例1と同様の評価をした。
(実施例9)
凸状パターンの半径を70μmに変更した以外は、実施例4と同様の方法によりシンチレータパネルを得て、実施例1と同様の評価をした。
(実施例10)
凸状パターンの半径を90μmに変更した以外は、実施例4と同様の方法によりシンチレータパネルを得て、実施例1と同様の評価をした。
(実施例11)
凸状パターンのピッチを縦横ともピッチ127μmに変更した以外は、実施例8と同様の方法によりシンチレータパネルを得た。
このシンチレータパネルを、FPD(PaxScan2520;Varian社製)にセットして放射線画像検出装置を作製し、実施例1と同様の評価をした。
(実施例12)
凸状パターンのピッチを縦横ともピッチ83μmに変更した以外は、実施例8と同様の方法によりシンチレータパネルを得た。
このシンチレータパネルを、FPD(PaxScan3024;Varian社製)にセットして放射線画像検出装置を作製し、実施例1と同様の評価をした。
(実施例13)
蛍光体ペースト塗布膜の厚みを500μmに、凸状パターンのピッチを縦横ともピッチ42μmに、凸状パターンの高さを200μmに、それぞれ変更した以外は、実施例7と同様の方法によりシンチレータパネルを得て、実施例12と同様の評価をした。
(実施例14)
凸状パターンのピッチを縦横ともピッチ582μmに、凸状パターンの高さを100μmに、変更した以外は、実施例9と同様の方法によりシンチレータパネルを得て、実施例1と同様の評価をした。なお、得られた画像には、周期的なノイズが見られた。
(実施例15)
蛍光体ペースト塗布膜の厚みを150μmに、凸状パターンの半径を30μmに、凸状パターンの高さを30μmに、それぞれ変更した以外は、実施例1と同様の方法によりシンチレータパネルを得て、実施例1と同様の評価をした。
(実施例16)
蛍光体ペースト塗布膜の厚みを500μmに、凸状パターンの半径を50μmに、凸状パターンの高さを200μmに、それぞれ変更した以外は、実施例1と同様の方法によりシンチレータパネルを得て、実施例1と同様の評価をした。
(実施例17)
凸状パターンの形状を、縦横ともピッチ194μm、半径50μm、高さ150μmの円柱状に変更した以外は、実施例1と同様の方法によりシンチレータパネルを得て、実施例1と同様に評価をした。
(実施例18)
凸状パターンの形状を、縦横ともピッチ194μm、1辺の長さ100μm、高さ150μmの正四角柱に変更した以外は、実施例1と同様の方法によりシンチレータパネルを得て、実施例1と同様の評価をした。
(実施例19)
凸状パターンの形状を、縦横ともピッチ194μm、1辺の長さ100μm、高さ150μmの正四角錐に変更した以外は、実施例1と同様の方法によりシンチレータパネルを得て、実施例1と同様の評価をした。
(実施例20)
上記蛍光体ペーストGを乾燥後の塗布膜の厚さが50μmになるようにスクリーン印刷機(マイクロテック製;スクリーン版は#350POLメッシュ)を用いて全面ベタ印刷し、100℃のIR乾燥炉で1時間乾燥した後、上記蛍光体ペーストAを蛍光体ペースト塗布膜の合計厚みが230μmとなるように塗布し、100℃のIR乾燥炉で1時間乾燥させて、充填密度の異なる多層構造の蛍光体ペースト塗布膜を形成した。
塗布膜の表面に実施例5と同様の方法によりくぼみを形成し、表面に複数のくぼみを有する蛍光体層を備えるシンチレータパネルを得て、実施例1と同様の評価をした。
(実施例21)
上記蛍光体ペーストGを乾燥後の塗布膜の厚さが50μmになるようにダイコーターで塗布した後、上記蛍光体ペーストAを蛍光体ペースト塗布膜の合計厚みが230μmとなるように塗布し、100℃のIR乾燥炉で1時間乾燥させて、充填密度の異なる多層構造の蛍光体ペースト塗布膜を形成した。
塗布膜の表面に実施例6と同様の方法によりくぼみを形成し、表面に複数のくぼみを有する蛍光体層を備えるシンチレータパネルを得て、実施例1と同様の評価をした。
(実施例22)
上記蛍光体ペーストGを乾燥後の塗布膜の厚さが50μmになるようにダイコーターで塗布した後、上記蛍光体ペーストAを蛍光体ペースト塗布膜の合計厚みが150μmとなるように塗布し、100℃のIR乾燥炉で1時間乾燥させて、充填密度の異なる多層構造の蛍光体ペースト塗布膜を形成した。
塗布膜の表面に実施例15と同様の方法によりくぼみを形成し、表面に複数のくぼみを有する蛍光体層を備えるシンチレータパネルを得て、実施例1と同様の評価をした。
(実施例23)
上記蛍光体ペーストGを乾燥後の塗布膜の厚さが50μmになるようにダイコーターで塗布した後、上記蛍光体ペーストAを蛍光体ペースト塗布膜の合計厚みが330μmとなるように塗布し、100℃のIR乾燥炉で2時間乾燥させて、充填密度の異なる多層構造の蛍光体ペースト塗布膜を形成した。
塗布膜の表面に実施例5と同様の方法によりくぼみを形成し、表面に複数のくぼみを有する蛍光体層を備えるシンチレータパネルを得て、実施例1と同様の評価をした。
(比較例2)
凸状パターンの高さを280μm、半径を70μmに変更した以外は、実施例1と同様の方法によりシンチレータパネルを得て、実施例1と同様の評価をした。
(比較例3)
凸状パターンの半径を10μmに変更した以外は、実施例4と同様の方法によりシンチレータパネルを得て、実施例1と同様の評価をした。
(比較例4)
凸状パターンの半径を160μmに変更した以外は、実施例4と同様の方法によりシンチレータパネルを得て、実施例1と同様の評価をした。なお、得られた画像には、周期的なノイズが見られた。
Figure 2015182524
(比較例5)
100mm×100mmのガラス基板(ソーダガラス;熱膨張係数90×10−7(/K)、基板厚さ0.7mm)上に、感光性ペーストを乾燥後の塗布膜の厚さが450μmになるようにダイコーターで塗布し、100℃のIR乾燥炉で4時間乾燥して、感光性ペースト塗布膜を形成した。得られた感光性ペースト塗布膜を、所望の隔壁パターンに対応する開口部を有するフォトマスク(縦横ともピッチ194μm、線幅20μmの格子状開口部を有するクロムマスク)を介して、露光量500mJ/cmの超高圧水銀灯で露光した。露光後の感光性ペースト塗布膜を、現像液として35℃の0.5質量%エタノールアミン水溶液を用いて圧力1.5kg/cm2で420秒間シャワー現像し、さらに現像液に含浸したまま40kHz、100W/cmの超音波を240秒間照射し、圧力1.5kg/cm2でシャワー水洗してから、120℃で10分間乾燥して、格子状の感光性ペーストパターンを形成した。得られた感光性ペーストパターンは空気中、585℃で15分間焼成し、表4に示すような断面形状を有する、格子状の隔壁を形成した。
形成した隔壁に、蛍光体ペーストAをスクリーン印刷機(マイクロテック製;蛍光体スキージ使用;スクリーン版は#200SUSメッシュ)を用いて全面ベタ印刷を繰り返し、デシケータで真空処理し、60℃のIR乾燥器で60分間加熱処理を行った後、ゴムスキージで溢れた蛍光体ペーストをかき取った。その後100℃の熱風乾燥オーブンで40分間乾燥し、表5に示すような蛍光体層を形成し、シンチレータパネルを得た。
得られたシンチレータパネルを、FPD(PaxScan3030;Varian社製)にセットして、放射線画像検出装置を作製した。管電圧80kVpの放射線を、シンチレータパネルの基板側から照射して、シンチレータパネル40Bの発光強度をPaxScan3030で検出したところ、十分な画像が得られた(以下、この発光強度の値を100として相対評価をする)。また、鉛製のMTFチャートを介して、同様に管電圧80kVpの放射線をシンチレータパネルの基板側から照射し、得られた画像データ処理を行い、MTFを算出した(以下、このMTFの値を画像鮮明性100して相対評価をとする)。
(実施例24)
100mm×100mmのガラス基板(ソーダガラス;熱膨張係数90×10−7(/K)、基板厚さ0.7mm)上に、感光性ペーストを乾燥後の塗布膜の厚さが450μmになるようにダイコーターで塗布し、100℃のIR乾燥炉で4時間乾燥して、感光性ペースト塗布膜を形成した。得られた感光性ペースト塗布膜を、所望の隔壁パターンに対応する開口部を有するフォトマスク(縦横ともピッチ194μm、線幅20μmの格子状開口部を有するクロムマスク)を介して、露光量500mJ/cmの超高圧水銀灯で露光した。露光後の感光性ペースト塗布膜を、現像液として35℃の0.5質量%エタノールアミン水溶液を用いて圧力1.5kg/cm2で420秒間シャワー現像し、さらに現像液に含浸したまま40kHz、100W/cmの超音波を240秒間照射し、圧力1.5kg/cm2でシャワー水洗してから、120℃で10分間乾燥して、格子状の感光性ペーストパターンを形成した。得られた感光性ペーストパターンは空気中、585℃で15分間焼成し、表4に示すような断面形状を有する、格子状の隔壁を形成した。
形成した隔壁に、蛍光体ペーストAをスクリーン印刷機(マイクロテック製;蛍光体スキージ使用;スクリーン版は#200SUSメッシュ)を用いて全面ベタ印刷を繰り返し、デシケータで真空処理した後、ゴムスキージで溢れた蛍光体ペーストをかき取った。その後100℃の熱風乾燥オーブンで40分間乾燥し、表5に示すような開口部が円形のくぼみを有する蛍光体層を形成し、シンチレータパネルを得た。
得られたシンチレータパネルを、FPD(PaxScan3030;Varian社製)にセットして、放射線画像検出装置を作製した。管電圧80kVpの放射線を、シンチレータパネルの基板側から照射して、シンチレータパネル24Bの発光強度をPaxScan3030で検出したところ、比較例5における発光強度である100に対して、103というより高い発光強度が得られた。また、鉛製のMTFチャートを介して、同様に管電圧80kVpの放射線をシンチレータパネルの基板側から照射して、得られた画像データ処理を行い、MTFを算出したところ、比較例5における画像鮮明性100に対して、101というより高い数値を示した。
(実施例25)
上記蛍光体ペーストBを用いて、熱風乾燥オーブンの温度を120℃にした以外は、実施例24と同様の方法によりシンチレータパネルを得て、実施例24と同様の評価をした。シンチレータパネルについての各パラメータおよび評価結果を、表4および表5に示す。以下、実施例26〜40および比較例6についても同様。
(実施例26)
上記蛍光体ペーストCを用いて、熱風乾燥オーブンの温度を120℃にした以外は、実施例24と同様の方法によりシンチレータパネルを得て、実施例24と同様の評価をした。
(実施例27)
上記蛍光体ペーストDを用いて、熱風乾燥オーブンの温度を140℃にした以外は、実施例24と同様の方法によりシンチレータパネルを得て、実施例24と同様の評価をした。
(実施例28)
上記蛍光体ペーストCを用いて、熱風乾燥オーブンの温度を200℃にした以外は、実施例24と同様の方法によりシンチレータパネルを得て、実施例24と同様の評価をした。
(実施例29)
上記蛍光体ペーストCを用いて、熱風乾燥オーブンの温度を160℃にした以外は、実施例24と同様の方法によりシンチレータパネルを得て、実施例24と同様の評価をした。
(実施例30)
上記蛍光体ペーストCを用いて、熱風乾燥オーブンの温度を90℃にして80分乾燥させた以外は、実施例24と同様の方法によりシンチレータパネルを得て、実施例24と同様の評価をした。
(実施例31)
実施例24と同様の方法により、100mm×100mmのガラス基板に格子状の隔壁を形成した。形成した隔壁に、上記反射層ペーストCをスクリーン印刷機(マイクロテック製;蛍光体スキージ使用;スクリーン版は#200SUSメッシュ)を用いて全面ベタ印刷を数回繰り返し、隔壁で区画されたセルに反射層ペーストCを充填した。その後、デシケータで真空処理した後、ゴムスキージでセルから溢れた反射層ペーストをかき取った。その後40℃のIR乾燥炉で120分間乾燥し、隔壁で区画された各セル内の底面に厚み10μmの反射層を形成した。
その後、実施例24同様の方法により蛍光体層を形成し、シンチレータパネルを得て、実施例24と同様の評価をした。
(実施例32)
実施例24と同様の方法により、100mm×100mmのガラス基板に格子状の隔壁を形成した。形成した隔壁に、上記反射層ペーストAをスクリーン印刷機(蛍光体スキージ使用;スクリーン版は#200SUSメッシュ)を用いて全面ベタ印刷を数回繰り返し、隔壁で区画されたセルに反射層ペーストAを充填した。その後、デシケータで真空処理した後、ゴムスキージでセルから溢れた反射層ペーストをかき取った。その後160℃の熱風乾燥オーブンで60分間乾燥し、隔壁で区画された各セル内の全面に厚み10μmの凹形状の反射層を形成した。
その後、実施例24同様の方法により蛍光体層を形成し、シンチレータパネルを得て、実施例24と同様の評価をした。
(実施例33)
上記反射層ペーストBを用い、反射層の厚みを30μmにした以外は、実施例32同様の方法によりシンチレータパネルを得て、実施例24と同様の評価をした。
(実施例34)
上記蛍光体ペーストCを用いて、熱風乾燥オーブンの温度を120℃にした以外は、実施例32と同様の方法によりシンチレータパネルを得て、実施例24と同様の評価をした。
(実施例35)
上記蛍光体ペーストDを用いて、熱風乾燥オーブンの温度を140℃にした以外は、実施例32と同様の方法により、シンチレータパネルを得て、実施例24と同様の評価をした。
(実施例36)
100mm×100mmのガラス基板上に、実施例24と同様の方法により感光性ペースト塗布膜を形成した。得られた感光性ペースト塗布膜を、フォトマスクを縦横ともピッチ127μm、線幅15μmの格子状開口部を有するクロムマスクに、露光量を350mJ/cmに、それぞれ変更した以外は、実施例24と同様の方法により露光した。露光後の感光性ペースト塗布膜を、現像液として35℃の0.5質量%エタノールアミン水溶液を用いて圧力1.5kg/cm2で500秒間シャワー現像し、さらに現像液に含浸したまま40kHz、100W/cmの超音波を400秒間照射し、圧力1.5kg/cm2でシャワー水洗してから、実施例24と同様の方法により格子状の隔壁を形成した。
その後、実施例32と同様の方法により反射層を形成し、蛍光体ペーストEを用いて、熱風乾燥オーブンの温度を140℃にした以外は、実施例26と同様の方法により蛍光体層を形成し、シンチレータパネルを得た。
このシンチレータパネルを、FPD(PaxScan2520;Varian社製)にセットして、放射線画像検出装置を作製し、実施例24と同様の評価をした。
(実施例37)
実施例35と同様の方法により得たシンチレータパネルに、さらに上記蛍光体ペーストFをスクリーン印刷機(蛍光体スキージ使用;スクリーン版は#165SUSメッシュ)を用いて全面ベタ印刷し、デシケータで真空処理した後、100℃の熱風乾燥オーブンで40分間乾燥し、表5に示すような2層目の蛍光体層を形成し、蛍光体層が、蛍光体粉末の充填密度が異なる、複数の層から構成されているシンチレータパネルを得て、実施例24と同様の評価をした。
(実施例38)
上記蛍光体ペーストGを用いた以外は、実施例35と同様の方法により、シンチレータパネルを得て、実施例24と同様の評価をした。
(実施例39)
実施例38と同様の方法により得たシンチレータパネルに、さらに上記蛍光体ペーストHをスクリーン印刷機(蛍光体スキージ使用;スクリーン版は#165SUSメッシュ)を用いて全面ベタ印刷し、デシケータで真空処理した後、80℃の熱風乾燥オーブンで40分間乾燥し、表5に示すような2層目の蛍光体層を形成し、蛍光体層が、蛍光体粉末の充填密度が異なる、複数の層から構成されているシンチレータパネルを得て、実施例24と同様の評価をした。
(実施例40)
100mm×100mmのガラス基板(ソーダガラス;熱膨張係数90×10−7(/K)、基板厚さ0.7mm)上に、上記緩衝層用ペーストを15μmバーコーターで塗布し、乾燥した後に、超高圧水銀灯で500mJ/cmの全面光照射を行い、厚さ12μmの緩衝層用ペースト塗布膜を形成した。
次に、該緩衝層用ペースト塗布膜の上に、実施例24と同様に、感光性ペーストパターンを形成した。このようにして得られた感光性ペーストパターンが形成されたガラス基板を空気中、585℃で15分間焼成することによって、緩衝層用ペースト塗布膜および感光性ペーストパターンの焼成を行い、緩衝層および表4に示すような断面形状を有する格子状の隔壁を有するガラス基板を形成した。
以下、実施例32と同様の方法により、シンチレータパネルを得て、実施例24と同様の評価をした。
(比較例6)
100mm×100mmのガラス基板上に、実施例24と同様の方法により格子状の隔壁を形成した。
その後、上記蛍光体ペーストFを用いた以外は、実施例24と同様の方法により蛍光体層を形成し、シンチレータパネルを得て、実施例24と同様の評価をした。
Figure 2015182524
Figure 2015182524
1 放射線画像検出装置
2 シンチレータパネル
3 検出基板
4 基板
5 緩衝層
6 隔壁
7 蛍光体層
8 反射層
9 接着層
10 光電変換層
11 出力層
12 基板
13 電源部

Claims (8)

  1. 基板、および、蛍光体粉末を含有する蛍光体層を備えたシンチレータパネルであって、
    前記蛍光体層が、表面に複数のくぼみを有し、
    前記くぼみの開口部の面積Aが、500〜70000μmであり、
    前記蛍光体層の厚みTと、前記くぼみの深さDとの比であるD/Tが、0.1〜0.9である、シンチレータパネル。
  2. 前記蛍光体層が、表面に500〜50000個/cmのくぼみを有する、請求項1記載のシンチレータパネル。
  3. 隣接する前記くぼみ同士のピッチPが、50〜350μmの範囲における一定値であり、
    前記くぼみの開口部の最大幅Wが、30〜300μmである、請求項1または2記載のシンチレータパネル。
  4. さらに、前記蛍光体層を区画する隔壁を有する、請求項1〜3のいずれか一項記載のシンチレータパネル。
  5. さらに、前記蛍光体層と前記隔壁との間に、凹形状の反射層を備える、請求項4記載のシンチレータパネル。
  6. 前記蛍光体層が、前記蛍光体粉末の充填密度が異なる、複数の層から構成されている、請求項1〜5のいずれか一項記載のシンチレータパネル。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項記載のシンチレータパネルを具備する、放射線画像検出装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項記載のシンチレータパネルと、該シンチレータパネルの前記くぼみに対向する光電変換素子を備える検出基板と、を具備する、放射線画像検出装置の製造方法であって、(A)前記くぼみと前記光電変換素子との位置合わせ工程、および、(B)前記シンチレータパネルと前記検出基板との貼り合せ工程、を備える、放射線画像検出装置の製造方法。
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