JP2008014853A - 放射線像変換パネルおよび放射線像変換パネルの製造方法 - Google Patents

放射線像変換パネルおよび放射線像変換パネルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】蛍光体層の表面に突起もしくはこれに起因する凹部が発生した場合に、これが原因で、画像上に現れる点欠陥のような画質低下を防止可能とした放射線像変換パネル、およびこのような高品位な画像が得られる放射線像変換パネルの製造方法を提供すること。
【解決手段】真空チャンバ内で、気相堆積法により基板上に蛍光体層を形成して製造される放射線像変換パネルであって、前記蛍光体層の表面に発生した突起もしくはこれに起因する凹部が補修処理されていることを特徴とする放射線像変換パネル、並びにその製造方法。なお、上記補修処理は、蒸着終了後(熱処理工程の前に)、最初に蛍光体層表面の清浄化を行う前に行うことが好ましい。
【選択図】図5

Description

本発明は、コンピューテッドラジオグラフィー(CR)等で放射線画像の記録(撮影)を行う際に用いられる放射線像変換パネルおよび放射線像変換パネルの製造方法に関し、特に、柱状結晶からなる蛍光体層(いわゆる、輝尽性蛍光体層)表面に発生する点欠陥などの画質低下が少なく高品位な画像が得られる放射線像変換パネルおよび放射線像変換パネルの製造方法に関する。
放射線(X線,α線,β線,γ線,電子線および紫外線等)の照射を受けると、この放射線エネルギの一部を蓄積し、その後、可視光などの励起光の照射を受けると、蓄積されたエネルギに応じた輝尽発光を示す蛍光体が知られている。この蛍光体は、輝尽性蛍光体(蓄積性蛍光体)と呼ばれ、医療用途などの各種の用途に利用されている。
例えば、この輝尽性蛍光体の膜(輝尽性蛍光体層)を有する放射線像変換パネルを利用する放射線画像情報記録再生システムが知られており、例えば、富士写真フイルム(株)製のFCR(Fuji Computed Radiography)システムとして実用化されている。
この放射線画像情報記録再生システムでは、人体などの被写体を介してX線等を照射することにより、放射線像変換パネル(輝尽性蛍光体層)に被写体の放射線画像情報を記録する。記録後に、放射線像変換パネルをレーザ光等の励起光で2次元的に走査して輝尽発光を生ぜしめ、この輝尽発光光を光電的に読み取って画像信号を得、この画像信号に基づいて再生した画像を、CRTディスプレイや液晶ディスプレイ(LCD)などの表示装置または写真感光材料などの記録材料等に、被写体の放射線画像として出力する。
放射線像変換パネルは、通常、輝尽性蛍光体の粉末を、バインダ等を含む溶媒に分散してなる塗料を調製して、この塗料をガラスまたは樹脂製のパネル状の支持体に塗布し、乾燥することによって、作製される。
これに対し、真空蒸着またはスパッタリング等の真空成膜法(気相成膜法)によって、支持体に輝尽性蛍光体層(以下、単に蛍光体層ともいう)を形成してなる蛍光体パネルも知られている。真空成膜法による蛍光体層は、真空中で形成されるので不純物が少なく、また、輝尽性蛍光体以外のバインダなどの成分が殆ど含まれないので、性能のバラツキが少なく、しかも発光効率が非常に良好であるという優れた特性を有している。さらに、蛍光体層が蛍光体の柱状構造で形成されるため、鮮鋭度の高い良好な画質が得られる。
また、放射線像変換パネルにおいては、読み取り時にちり(塵)またはほこり(埃)などのゴミや異物が付着した場合、および製造時に塵または埃などの異物が混入した場合、さらには、製造時に得られる画像に欠陥が生じる虞がある。このため、このような画像の欠陥の発生を抑制するために、種々の技術が開示されている(特許文献1〜特許文献3参照)。
特許文献1には、蓄積性蛍光体シートのクリーニング機構が設けられた放射線画像読取装置が開示されている。この特許文献1のクリーニング機構は、回転クリーニングローラ対と、除電ブラシ対とを有するものである。
特許文献1の放射線画像読取装置においては、クリーニング機構により、蛍光体シートの表面に付着した異物を除去するとともに、表面の電荷を除去する。これにより、電荷による放射線画像の影響や、塵埃の付着による放射線画像の悪影響を取り除いている。
また、特許文献2の放射線画像読取装置は、放射線画像の記録された蓄積性蛍光体パネルを搬送する搬送系が、蓄積性蛍光体パネルの両面側に位置するように配置された複数の弾性ベルトを備えるものである。
特許文献2の放射線画像読取装置においては、複数の弾性ベルトを駆動し複数の弾性ベルトの間に挟まれた蓄積性蛍光体パネルを搬送する。これにより、蓄積性蛍光体パネルを搬送する際に傷が付くこと、またひずみが生じ経年劣化してしまうことを防止し、さらには、搬送中に蓄積性蛍光体パネルに塵,ゴミ,埃などの異物が付着することを防止するものである。この特許文献2においても、蛍光体層へのゴミの付着を防止し、画像読み取り時に生じる画像の劣化を未然に防止することができる。
画像欠陥の発生する原因としては、この他にも、従来、ヒロック(Hillock:異常突出)が知られている。これは、図10に示す放射線像変換パネル200のように、通常は、柱状結晶206が成長し、この柱状結晶206により輝尽性蛍光体層(蛍光体層)204が構成され、また、蛍光体層204の表面204aは略均一な高さとなるものが、ゴミ等に影響されて生ずるものである。
すなわち、基板202上に蛍光体層204を形成する際に、基板204にゴミ208がある場合、このゴミ208を起点として異常成長結晶206aが起き、結果として蛍光体層204において、この表面204aから突出したヒロック(Hillock)Hが生じる。このような異常成長結晶206aにより、得られる画像において、本来黒である画像が白くなる点欠陥が生じる。このように、ゴミ,埃などの混入を抑制しない場合には、必ずしも欠陥が少ない高品位な画像が得られる放射線像変換パネルを製造することができるとは限らない。
これに対しては、特許文献3に、放射線検出装置の波長変換体(いわゆる、蛍光体層)の表面に発生したヒロック(Hillock)等の突起を、その位置,突出高さを検査して、その結果に基づいて、必要に応じて上記突起等を除去するようにした技術が開示されている。なお、この技術における突起の除去方法としては、閾値以上の突出高さを有する突起を、押しつぶしたり、削ったり、切り取ったりすることによって、所定高さ(例えば、50μm)以下にすることが示されている。
特開平5−72656号公報 特開平11−344781号公報 特開2002−243859号公報
しかしながら、特許文献1の放射線画像読取装置および特許文献2の放射線画像読取装置においては、画像の読み取り時に、付着するゴミを取り除くものであり、放射線像変換パネルにゴミが混入している場合には、対処できないという問題点がある。
また、特許文献3においては、種々の方法により、波長変換体(蛍光体層)の表面に発生した突起の高さを所定値内に調整してはいるものの、この技術では、以下に説明するように、蛍光体層の表面に発生した突起のすべてに対して、十分な対応を取ることは困難である。
すなわち、前述のヒロック(Hillock)のような突起は、蒸着終了後、種々の処理過程(表面清浄化つまりゴミ除去処理,熱処理等)を経る過程における取り扱い中に、特に上記ゴミ除去処理において脱落する場合があり、この場合、脱落後の蛍光体層の表面には、上記突起の抜け落ちた後の凹部(穴)が形成される。
このような穴が形成されると、その周辺では、蛍光体層の膜厚の急峻な変化が生じることになり、前述のような点欠陥が生じる原因となる。
つまり、蒸着終了後の蛍光体層の表面に前述のヒロック(Hillock)のような突起が発生した場合には、突起それ自体のみならず、この突起が後段の各種処理工程の間において脱落することによって発生する凹部という点欠陥が生じる原因をも含むこととなる。
そして、従来の感覚では、このような「突起」と「凹部」という、少なくとも形状から見た場合には全く異なる不具合要因に対しては、それぞれに対して、対応策を講じる必要があると考えられていた。
すなわち、上記不具合要因の前者(突起)に対しては、先に示した特許文献3に示されているような押しつぶしたり、削ったり、切り取ったりすることによって、所定高さ以下にする方法が適用可能であるが、後者(凹部)に対しては、この方法では対応することはできないと考えられていた。
本発明者は、上述のような状況への対応策を鋭意研究した結果、上記不具合要因の前者(突起),後者(凹部)に対して略同じ程度に有効な、画像上に点欠陥が発生することを防止可能な技術を具体化することに成功し、本出願を行うに至ったものである。
本発明の目的は、前記従来技術に基づく問題点を解消し、蛍光体層の表面に突起等が発生した場合、さらには、この突起が脱落した後が凹部となる等の原因で、画像上に現れる点欠陥のような画質低下を防止可能とした放射線像変換パネル、およびこのような高品位な画像が得られる放射線像変換パネルの製造方法を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、真空チャンバ内で、気相堆積法により基板上に蛍光体層を形成して製造される放射線像変換パネルであって、前記蛍光体層の表面に発生した突起もしくはこれに起因する凹部が補修処理されていることを特徴とする放射線像変換パネルを提供するものである(請求項1)。
本発明に係る放射線像変換パネルにおいては、後述するように、上記蛍光体層の表面に発生した突起もしくはこれに起因する比較的小さな凹部(具体的には、上記突起の脱落した後の凹部)が実質的に同じ補修方法によって補修されることがその特徴である。
また、本発明の第2の態様は、真空チャンバ内で、気相堆積法により基板上に蛍光体層を形成した後に、形成された蛍光体層を熱処理する工程を含む放射線像変換パネルの製造方法であって、堆積が終了した後(熱処理工程の前)に、前記蛍光体層の表面に発生した突起もしくはこれに起因する凹部を補修することを特徴とする放射線像変換パネルの製造方法を提供するものである(請求項2)。
本発明に係る放射線像変換パネルの製造方法においても、上記蛍光体層の表面に発生した突起もしくはこれに起因する比較的小さな凹部(上記突起の脱落した後の凹部)が実質的に同じ補修方法によって補修されることがその特徴である。
ここで、上記製造方法にはさらに前記蛍光体層の表面を清浄化(すなわち、ゴミ除去)する清浄化工程を含み、前記補修は、堆積が終了した後に、最初に前記清浄化工程を実施するまでの間に実施することが好ましい(請求項3)。これは、清浄化処理により、突起の脱落に起因する新たな凹部が発生する場合があるので、それを防止するためである。
また、前記補修は、前記突起もしくはこれに起因する凹部を上方から押圧することにより行うことが好ましい(請求項4)。ここでの押圧力は、いうまでもなく、押圧して上記突起を蛍光体層中に押し込むに足りる強度であることが必要であり、また、蛍光体層自体を損傷することがない強度であることが必要である。具体的には、押圧力は0.1〜5.0kgfとするのが好ましい。
また、前記補修における押圧は、先端形状が曲面で構成される治具を用いて行うことが好ましく(請求項5)、この治具として、その先端形状が球面で構成されるものを用いることが好ましく(請求項6)、さらに、上記治具の先端形状が半径1mm〜10mmの球面で構成されるものを用いることが好ましい(請求項7)。
上述の治具は、原理的には、押圧時にその先端位置が蛍光体層の表面(平均表面)に一致する位置とすることが好ましいが、実際には制御上の制約で、その先端位置が蛍光体層中に幾分入り込むようにせざるを得ないことから、規定されているものである。
すなわち、上述の治具の先端位置が蛍光体層の表面に達していない場合には十分な押圧効果が得られず好ましくないので、安全側をとって、このように蛍光体層中に幾分入り込むように作用させるのがよい。この際には、蛍光体層の表面近傍の部分を押圧により変形させる(凹ませる)ので、その変形が蛍光体層の膜厚の急峻な変化を引き起こさないために、治具の先端形状に関して上述のような配慮が必要となる。
また、前記補修は、前記突起を取り除き(もしくは、何らかの要因により突起が自然に脱落して)、そこに生じた孔を所定の補修用材料で埋めることにより行うことも好ましい(請求項8)。
ここからは、突起が脱落した後に形成される凹部(この凹部の形状は、一般に鋭いもの:すなわち、蛍光体層の膜厚に急峻な変化をもたらすもの)となるので、それに対して特に有効な方法として挙げているものである。
ここで、前記補修において孔を埋める際には、補修用材料として、蛍光体層を構成する材料を用いることが好ましい(請求項9)。また、前記補修用材料として、前記形成された蛍光体層を構成する材料と同じ材料を用いることが好ましい(請求項10)。
これらは上述の膜圧差を解消する材料として、既存の蛍光体層とできるだけ特性の近似する材料を使うことを推奨するものである。
さらに、前記蛍光体層が、輝尽性蛍光体から構成される蛍光体層であることが好ましい(請求項11)。
これまで説明してきたように、点欠陥をなくすることに対する厳しい要求や、これに必要とされる蛍光体層の急峻な膜厚変動の抑制は、実際上、医療用に用いられる輝尽性蛍光体層を有する放射線像変換パネルに対するものである。すなわち、本発明に係る放射線像変換パネルの製造方法は、輝尽性蛍光体が用いられる場合に最大の効果を発揮するものとなる。
前記補修用材料は、粉末状態で用いてもよく(請求項12)、また、バインダーに溶解した状態で用いてもよい(請求項13)。さらに、前記形成された蛍光体層が柱状結晶により構成されるものである場合においては、前記補修用材料として、別の位置にある柱状結晶を移植して用いることも好ましい(請求項14)。
これらの方法は、いずれも蛍光体層に形成された凹部(穴)の補修方法として有効に用い得る方法であり、それぞれ、特徴を持った方法であるので、例えば、凹部(穴)の位置や数、あるいは大きさや深さによって適宜使い分けるようにすることが好ましい。
本発明に係る放射線像変換パネルは、真空チャンバ内で、気相堆積法により基板上に蛍光体層を形成した後に、形成された蛍光体層を熱処理して製造される放射線像変換パネルであって、前記蛍光体層の表面に発生した突起もしくはこれに起因する凹部が補修処理されている構成としたことにより、形成された蛍光体層に画像を記録した際に点欠陥等の画質低下の発生を防止することが可能になるという効果が得られる。
また、本発明に係る放射線像変換パネルの製造方法によれば、上述のような優れた放射線像変換パネルを製造することが可能になるという顕著な効果が得られる。
以下、本発明に係る放射線像変換パネルの製造方法について、添付の図面に示される好適実施形態を基に詳細に説明する。
図1(a)は、本発明に係る放射線像変換パネルの製造方法に用いられる放射線像変換パネル製造装置の一実施形態を示す模式的断面図であり、同(b)は、図1(a)に示す放射線像変換パネル製造装置の模式的側断面図である。
図1に示す放射線像変換パネル製造装置(以下、単に製造装置ともいう)10は、蓄積性蛍光体(母体)となる材料と、付活剤(賦活剤:activator)となる材料とを別々に蒸発する二元の真空蒸着によって、基板70の表面70dに蓄積性蛍光体からなる輝尽性蛍光体層(以下、蛍光体層という)を形成して、(蓄積性)放射線像変換パネルを製造する装置である。
このような製造装置10は、基本的に、真空チャンバ12と、基板保持搬送機構14と、加熱蒸発部(抵抗加熱手段)16と、真空ポンプ(真空排気手段)18と、ガス導入ノズル19と、制御部20とを有して構成される。なお、本実施形態に係る製造装置10は、これ以外にも、公知の真空蒸着装置が有する各種の構成要素を有してもよいのは、もちろんである。例えば、真空チャンバ12内の真空度を測定する真空計(図示せず)を有し、制御部20に接続されている。
なお、本実施形態において、基板70は、基板ホルダ39に収納されて基板保持搬送機構14に基板ホルダ39ごと保持され、真空チャンバ12内にセットされて直線搬送されるものである。
また、ここでは、基板ホルダ39は、基板70をその側面から挿入して内部に係止して保持する形で保持するように構成されているものである。
また、本発明は、図1に示すような二元の真空蒸着装置に限定はされず、全ての成膜材料を混合して蒸発源に収納する一元の真空蒸着を行う装置であってもよく、あるいは、三元以上の真空蒸着を行う装置であってもよいが、好ましくは、複数の成膜材料を別々の蒸発源に収納する、二元あるいはそれ以上の多元の真空蒸着装置である。
また、本実施形態においては、好適な一例として、蛍光体成分となる臭化セシウム(CsBr)と、付活剤成分となる臭化ユーロピウム(EuBr(xは、通常、2〜3であり、特に2が好ましい)とを成膜材料として用い、抵抗加熱による二元の真空蒸着を行って、基板70に蓄積性蛍光体であるCsBr:Euからなる蛍光体層を成膜して、放射線像変換パネルを作製する。
また、成膜中に不活性ガスの導入を行うためのガス導入ノズル19を有する製造装置10は、好ましくは、一旦、真空チャンバ12内を高真空度まで排気した後、排気を行いつつガス導入ノズル19によって不活性ガスを導入して真空チャンバ12内を0.1Pa〜10Pa程度の真空度(以下、中真空という)とし、この中真空下で、加熱蒸発部16において抵抗加熱によって成膜材料(臭化セシウムおよび臭化ユーロピウム)を加熱蒸発して、基板保持搬送機構14によって基板70を直線状に搬送(以下、直線搬送という)しつつ、真空蒸着による基板70への蛍光体層の成膜を行う。
また、本発明においては、蛍光体層を形成する輝尽性蛍光体として、各種のものが利用可能であるが、例えば、下記の輝尽性蛍光体が好ましく例示される。
例えば、米国特許第3859527号の明細書に記載されている輝尽性蛍光体である、「SrS:Ce,Sm」、「SrS:Eu,Sm」、「ThO:Er」、および「LaS:Eu,Sm」。
特開昭55−12142号公報に開示される、「ZnS:Cu,Pb」、「BaO・xAl:Eu(但し、0.8≦x≦10)」、および、一般式「MIIO・xSiO:A」で示される輝尽性蛍光体。
(上記式において、MIIは、Mg,Ca,Sr,Zn,CdおよびBaからなる群より選択される少なくとも一種であり、Aは、Ce,Tb,Eu,Tm,Pb,Tl,BiおよびMnからなる群より選択される少なくとも一種である。また、0.5≦x≦2.5である。)
特開昭55−12144号公報に開示される、一般式「LnOX:xA」で示される輝尽性蛍光体。
(上記式において、Lnは、La,Y,GdおよびLuからなる群より選択される少なくとも一種であり、Xは、ClおよびBrの少なくとも一種であり、Aは、CeおよびTbの少なくとも一種である。また、0≦x≦0.1である。)
特開昭55−12145号公報に開示される、一般式「(Ba1−x、M2+ )FX:yA」で示される輝尽性蛍光体。
(上記式において、M2+は、Mg、Ca,Sr,ZnおよびCdからなる群より選択される少なくとも一種であり、Xは、Cl,BrおよびIからなる群より選択される少なくとも一種であり、Aは、Eu,Tb,Ce,Tm,Dy,Pr,Ho,Nd,YbおよびErからなる群より選択される少なくとも一種である。また、0≦x≦0.6であり、0≦y≦0.2である。)
特開昭59−38278号公報に開示される、一般式「xM(PO・NX:yA」または「M(PO・yA」で示される輝尽性蛍光体。
(上記式において、MおよびNは、それぞれ、Mg,Ca,Sr,Ba,ZnおよびCdからなる群より選択される少なくとも一種であり、Xは、F,Cl,BrおよびIからなる群より選択される少なくとも一種であり、Aは、Eu,Tb,Ce,Tm,Dy,Pr,Ho,Nd,Yb,Er,Sb,Tl,MnおよびSnからなる群より選択される少なくとも一種である。また、0≦x≦6、0≦y≦1である。)
一般式「nReX・mAX’:xEu」または「nReX・mAX’:xEu,ySm」で示される輝尽性蛍光体。
上記式において、Reは、La,Gd,YおよびLuからなる群より選択される少なくとも一種であり、Aは、Ba,SrおよびCaからなる群より選択される少なくとも一種であり、XおよびX’は、それぞれ、F,Cl,およびBrからなる群より選択される少なくとも一種である。また、1×10−4<x<3×10−1であり、1×10−4<y<1×10−1であり、さらに、1×10−3<n/m<7×10−1である。
特開昭61−72087号公報に開示される、一般式「MX・aMIIX’・bMIIIX'':cA」で示されるアルカリハライド系輝尽性蛍光体。
上記式において、Mは、Li,Na,K,RbおよびCsからなる群より選択される少なくとも一種であり、MIIは、Be,Mg,Ca,Sr,Ba,Zn,Cd,CuおよびNiからなる群より選択される少なくとも一種の二価の金属であり、MIIIは、Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Al,GaおよびInからなる群より選択される少なくとも一種の三価の金属であり、X,X’およびX''は、F,Cl,BrおよびIからなる群より選択される少なくとも一種であり、Aは、Eu,Tb,Ce,Tm,Dy,Pr,Ho,Nd,Yb,Er,Gd,Lu,Sm,Y,Tl,Na,Ag,Cu,BiおよびMgからなる群より選択される少なくとも一種である。また、0≦a<0.5であり、0≦b<0.5であり、0<c≦0.2である。
特開昭56−116777号公報に開示される、一般式「(Ba1−X、MII )F・aBaX:yEu,zA」で示される輝尽性蛍光体。
上記式において、MIIは、Be,Mg,Ca,Sr,ZnおよびCdからなる群より選択される少なくとも一種であり、Xは、Cl,BrおよびIからなる群より選択される少なくとも一種であり、Aは、ZrおよびScの少なくとも一種である。また、0.5≦a≦1.25であり、0≦x≦1であり、1×10−6≦y≦2×10−1であり、0<z≦1×10−2である。)
特開昭58−69281号公報に開示される、一般式「MIIIOX:xCe」で示される輝尽性蛍光体。
上記式において、MIIIは、Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,YbおよびBiからなる群より選択される少なくとも一種の三価の金属であり、Xは、ClおよびBrの少なくとも一種である。また、0≦x≦0.1である。)
特開昭58−206678号公報に開示される、一般式「Ba1−xFX:yEu2+」で示される輝尽性蛍光体。
上記式において、Mは、Li,Na,K,RbおよびCsからなる群より選択される少なくとも一種であり、Lは、Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Gd,Tb,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Al,Ga,InおよびTlからなる群より選択される少なくとも一種の三価の金属であり、Xは、Cl,BrおよびIからなる群より選択される少なくとも一種である。また、1×10−2≦x≦0.5であり、0≦y≦0.1であり、さらに、aはx/2である。
特開昭59−75200号公報に開示される、一般式「MIIFX・aMX’・bM’IIX''・cMIII・xA:yEu2+」で示される輝尽性蛍光体。
上記式においてMIIは、Ba,SrおよびCaからなる群より選択される少なくとも1種であり、Mは、Li,Na,K,RbおよびCsからなる群より選択される少なくとも一種であり、M’IIは、BeおよびMgの少なくとも一方の二価の金属であり、MIIIは、Al,Ga,InおよびTlからなる群より選択される少なくとも一種の三価の金属であり、Aは、金属酸化物であり、X,X’およびX''は、それぞれ、F,Cl,BrおよびIからなる群より選択される少なくとも一種である。また、0≦a≦2であり、0≦b≦1×10−2であり、0≦c≦1×10−2であり、かつ、a+b+c≧10−6であり、さらに、0<x≦0.5であり、0<y≦0.2である。)
特に、優れた輝尽発光特性を有し、かつ、本発明の効果が良好に得られる等の点で、特開昭59−38278号公報に開示されるアルカリハライド系輝尽性蛍光体は好ましく例示され、中でも特に、Mが、少なくともCsを含み、Xが、少なくともBrを含み、さらに、Aが、EuまたはBiであるアルカリハライド系輝尽性蛍光体は好ましく、その中でも特に、一般式「CsBr:Eu」で示される輝尽性蛍光体が好ましい。
本実施形態において、真空チャンバ12は、鉄,ステンレス,アルミニウム等で形成される、真空蒸着装置で利用される公知の真空チャンバ(ベルジャー,真空槽)である。
真空チャンバ12の一方の側面12bには、真空ポンプ18がディフューザ18aを介して接続されている。この真空ポンプ18は、例えば、油拡散ポンプが用いられる。なお、真空ポンプ18は、特に限定されるものではなく、必要な到達真空度を達成できるものであれば、真空蒸着装置で利用されている各種のものが利用可能である。一例として、クライオポンプ,ターボモレキュラポンプ等を利用することができ、さらに補助として、クライオコイル等を併用してもよい。なお、蛍光体層を成膜する製造装置10においては、真空チャンバ12内の到達真空度は、8.0×10−4Paより高い真空度が得られるものであることが好ましい。
また、真空チャンバ12の上記側面12bに対向する他方の側面12cには、扉13が開閉自在に設けられている。
本実施形態においては、扉13を開けて、真空チャンバ12内に基板70の搬入、および成膜材料の搬入などが行われる。また、扉13を閉じ、真空チャンバ12を閉塞して真空蒸着などが行われる。
ガス導入ノズル19も、ボンベとの接続手段およびガス流量の調整手段等を有する(もしくは、これらに接続される)、真空蒸着装置またはスパッタリング装置等で用いられている公知のガス導入手段であり、前記中真空での真空蒸着による蛍光体層の成膜を行うために、アルゴン(Ar)ガス,窒素ガスまたはその他の希ガス等の不活性ガスを真空チャンバ12内に導入する。この不活性ガスとは、真空蒸着の際に、基板70および蛍光体層と反応しないガスのことである。
このガス導入ノズル19の開口部(ガス導入口)19aを介して、不活性ガスが真空チャンバ12内に導入される。ガス導入ノズル19(開口部19a)は、例えば、加熱蒸発部16の近傍、かつ真空チャンバ12の底面12aに設けられている。
基板保持搬送機構14は、基板70を基板ホルダ39ごと保持して、直線搬送するものであり、図2に模式的に示すように、駆動手段22と、リニアモータガイド24と、基板保持手段26とから構成される。なお、図2(a)は、図1(a)に示す放射線像変換パネル製造装置の基板保持搬送手段を示す模式的平面図、同(b)は、図1に示す放射線像変換パネル製造装置の基板保持搬送手段を示す模式的正面図、同(c)は、図1に示す放射線像変換パネル製造装置の基板保持搬送手段を示す模式的側面図である。
駆動手段22は、基板保持手段26を基板70の搬送方向Mに移動(往復動)させるもので、基板70の搬送方向Mに延在して保持部材30によって回転自在に軸支されるネジ軸32aと、このネジ軸32aに螺合するナット部32bからなるボールネジ32と、前記ネジ軸32aを回転するモータ34とからなる、ボールネジを用いる公知の直線状の移動機構である。
なお、本発明において、駆動手段はボールネジ32とモータ34とを利用するものに限定はされず、シリンダを利用する搬送手段,モータとモータによって回転されるリング状のチェーンを用いる搬送手段など、必要な耐熱性を有するものであれば、公知の直線状の移動(搬送)手段が、各種利用可能である。
リニアモータガイド(以下、LMガイドという)24は、駆動手段22による基板保持手段26(すなわち、基板70)の直線搬送を補助するもので、ガイドレール24aと、長手方向に移動自在に上記ガイドレール24aに係合する係合部材24bとからなる、公知のリニアモータガイドである。
ガイドレール24aは、基板70の搬送方向Mに延在して、前記ネジ軸32aを中心とする対象位置に離間して2本が配置され、共に、真空チャンバ12の天井面に固定される。一方、係合部材24bは、各ガイドレール24aに2つずつ係合するように、合計4つが基板保持手段26(後述する基台36の上面)に固定される。
基板保持手段(以下、単に保持手段ともいう)26は、基板ホルダ39ごと基板70を保持して、前記LMガイド24によって案内されつつ前記駆動手段22によって直線状で移動されるものであり、基台36と、保持機構38と、防熱部材40とから構成される。
基台36は、製造装置10が適正に設置された状態で水平となる長方形状の平板状部材である。
基台36の上面の中心には、前記ボールネジ32のナット部32bが固定され、また、基台36の上面の2本の対角線上の対称位置には、2本のガイドレール24aの間隔に応じて前記LMガイド24の係合部材24bが固定される。
保持機構38は、取付部材38aと保持部材38bとから構成され、基台36の角部に4つが配置される。
取付部材38aは、矩形の断面略C字状の形状を有するものである。この取付部材38aは、C字開放部を内側に向けて、搬送方向Mと直交方向の外方からC字天井面の一部を基台36の角部に載置して、基台36に垂下するようにして固定される。従って、保持手段26は、基台36の下部には、基台36の面積よりも広い空間を有している。
保持部材38bは、下端に基板ホルダ39(基板70)の保持手段を有するものであり、取付部材38aに垂下して固定される。すなわち、基板ホルダ39(基板70)を保持する保持機構38は、基台36に角部近傍で垂下される。
本実施形態において、保持部材38bによる基板ホルダ39(基板70)の保持方法には特に限定はなく、治具等を用いる方法、静電気を利用する方法、吸着を利用する方法等、上面から板状物を保持する公知の方法が各種利用可能である。また、基板70への蛍光体層の蒸着領域等に応じて可能であれば、治具等を用いて、下方から基板ホルダ39(基板70)の四隅を押さえる保持手段、下方から基板ホルダ39(基板70)の四辺を押さえる保持手段等を利用してもよい。
また、取付部材38aと保持部材38bとの間にスペーサを入れる、ネジによる調整手段を設ける、シリンダによる昇降手段を設ける等の方法で、保持部材38bの下端位置すなわち基板70を保持/搬送する高さを調整可能にしてもよい。
前述のように、基台36は、駆動手段22によって直線搬送される。従って、基板保持搬送機構14は、保持機構38によって例えば、基板ホルダ39(基板70)の四隅近傍を保持し、保持手段26を駆動手段22によって搬送することにより、基板70を基板ホルダ39ごと直線搬送する。
ラインセンサ等による放射線画像の読み取りが想定される放射線像変換パネルの蛍光体層には、±3%以内、好ましくは±2%以内の高い膜厚分布均一性が要求される。
本実施形態においては、上述このように基板70を直線搬送しつつ、抵抗加熱による中真空の真空蒸着によって蛍光体層を形成することにより、結晶性が良好で、膜厚分布均一性の高い蛍光体層の形成を実現している。
ここで、本発明に係る製造方法で好適に形成される前記各種の蓄積性蛍光体からなる蛍光体層、特にアルカリハライド系蓄積性蛍光体からなる蛍光体層、中でも特にCsBr:Euからなる蛍光体層を、真空蒸着によって形成(成膜)する際には、一旦、系内を高い真空度に排気した後、排気を維持した状態でArガスまたは窒素ガス等の不活性ガスを系内に導入して、0.1〜10Pa、特に0.5〜3Pa程度の中真空度として蛍光体層を形成するのが好ましい。
これにより、良好な柱状の結晶構造を有する蛍光体層を形成することができ、輝尽発光特性および画像鮮鋭性が優れた放射線像変換パネルを製造することができる。
本実施形態に係る製造装置10は、基本的に、このような中真空での蛍光体層の形成を行うものであり、ガス導入ノズル19(開口部19a)から真空チャンバ12内に不活性ガスを導入しつつ中真空で抵抗加熱によって真空蒸着を行う。
本実施形態に係る製造装置10においては、基板ホルダ39ごと基板70を直線搬送しつつ真空蒸着によって蛍光体層の形成を行うことにより、基板70表面における移動速度を全面的に均一にできる。
具体的には、搬送方向Mと直交する方向Hにおける成膜材料の蒸発量を均一にするだけで、基板70の全面的に均一に成膜材料の蒸気を暴露することができ、簡易な蒸発源の位置設定でも、膜厚分布均一性の高い蛍光体層を形成できる。しかも、直線搬送の往復搬送を行って成膜を行うことにより、微量成分であるユーロピウム(付活剤)の蛍光体層中における分散状態も、好適にできる。
なお、本発明において、必要な膜厚の蛍光体層を形成できれば、成膜中における基板70の直線搬送は、1回の直線搬送でも、1回の往復動(往復搬送)でも、往復動を複数回行ってもよい。また、基板の搬送経路は、おおむね直線状であれば、多少、ジグザグ状であっても、波打つような経路であってもよい。
一般的に、同じ膜厚であれば、加熱蒸発部16の上部の通過回数が多い程、膜厚分布均一性を高くできるので、複数回の往復動を行って蛍光体層を形成するのが好ましい。また、往復動の回数は、蛍光体層の目的膜厚または目的とする膜厚分布均一性等に応じて、適宜、決定すればよく、最後の搬送は一方向でもよい。直線搬送の搬送速度にも、特に限定はなく、LMガイド24の速度限界、往復動の回数、目的とする蛍光体層の膜厚等に応じて、適宜、決定すればよい。
基板ホルダ39(基板70)を保持する保持手段26において、上面にボールネジ32のナット部32bおよびLMガイド24の係合部材24b等が固定される基台36の直下には、防熱部材40が配置される。ここで、前述のように、図示例の製造装置10においては、略C字状の取付部材38aを用いて保持部材38bを基台36から垂下した状態で固定することにより、基台36の下部に基台36よりも広い空間を有している。これを利用して、図示例においては、防熱部材40の面積を基台36の面積より大きくして、充分な余裕を持って基台36の下面全面を防熱部材40で覆っている。
防熱部材40は、後述する加熱蒸発部16(蒸発源)に対して基台36を覆うことにより、加熱蒸発部16からの輻射熱等によって、LMガイド24の係合部材24bおよびボールネジ32のナット部32bが加熱されるのを防止するものである。
先の説明から明らかなように、高い輝尽発光特性および画像鮮鋭性を実現可能な優れた結晶構造を有し、かつラインセンサによる高精度な放射線画像の読み取りが可能な膜厚均一性に優れた放射線像変換パネルを製造するためには、基板ホルダ39(基板70)を直線搬送しつつ、抵抗加熱による中真空での真空蒸着を行う必要がある。
ここで、周知のように、LMガイド24の係合部材24bおよびボールネジ32のナット部32bには、円滑な移動を可能にするためにボールが組み込まれ、また、ボールの円滑な回転を可能にするために、グリス等の潤滑剤が注入される。また、ボールを有さなくても、円滑な駆動を可能にするために、通常、駆動手段および搬送ガイド手段の摺動部にはグリス等の潤滑剤が注入される。
防熱部材40には、特に限定はなく、加熱蒸発部16からの輻射熱を遮蔽して、係合部材24bおよびナット部32b、またさらに基台36が加熱されることを防止できれば、各種のものが利用可能である。一例として、ステンレス板,鋼板,アルミニウム板,モリブデン板等が例示される。なお、固定方法は、防熱部材40に応じて、適宜、決定すればよい。
また、必要に応じて、防熱部材40に接触するパイプに冷水を流す、板材(防熱部材40)の内部をくり抜いて水を流す等の手段によって、防熱部材40の冷却手段を設けてもよい。
前述のように、図示例においては、好ましい態様として、防熱部材40は基台36よりも大きな面積を有し、LMガイド24の係合部材24bおよびボールネジ32のナット部32bが固定される基台36の下面全面を覆って配置される。しかしながら、本発明は、これに限定はされず、例えば、LMガイド24の係合部材24bに対応する領域、あるいはさらにボールネジ32のナット部32bに対応する領域のみを、加熱蒸発部16に対して防熱部材で覆ってもよい。
但し、係合部材24bおよびナット部32bの加熱をより好適に防止するためには、図示例のように、これらに熱を伝達する可能性のある部材は、加熱蒸発部16に対して可能な限り防熱部材40で覆うのが好ましい。
図1に戻って、説明を続ける。
真空チャンバ12の下方には、加熱蒸発部16が配置される。
加熱蒸発部16は、抵抗加熱によって蛍光体層を形成するための成膜材料である臭化セシウムおよび臭化ユーロピウムを蒸発させる部位である。この加熱蒸発部16により成膜材料を加熱・蒸発させることにより、臭化セシウムおよび臭化ユーロピウムの蒸気(成膜材料蒸気)からなる蒸着場が形成される。
前述のように、製造装置10は、好ましい態様として、蛍光体成分である臭化セシウムと、付活剤成分である臭化ユーロピウムとを、独立して加熱蒸発する、二元の真空蒸着を行うものである。従って、加熱蒸発部16には、臭化セシウム用(蛍光体用)の蒸発源となるルツボ(容器)50、および、臭化ユーロピウム用(付活剤用)の蒸発源となるルツボ(容器)52が配置される。
このようなルツボ50および52は、真空蒸着における抵抗加熱蒸発源用のルツボと同様、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)などの高融点金属で形成され、電極(図示省略)から通電されることにより自身が発熱し、充填された成膜材料を加熱/溶融して、蒸発させるものである。
また、本発明において、抵抗加熱用の電源(加熱制御手段)には、特に限定はなく、サイリスタ方式,DC方式,熱電対フィードバック方式等、抵抗加熱装置で用いられる各種の方式が利用可能である。また、抵抗加熱を行う際の出力にも特に限定はなく、使用する成膜材料,ルツボの形成材料の抵抗値または発熱量等に応じて、適宜、設定すればよい。
蓄積性蛍光体において、付活剤と蛍光体とは、例えばモル濃度比で0.0005/1〜0.01/1程度と、蛍光体層の大部分が蛍光体である。
そのため、図示例においては、蒸発量(消費量)の多い臭化セシウム(蛍光体用)のルツボ50は、円筒状(ドラム型)の大型のルツボを用いている。このルツボ50は、ドラムの側面に、ドラムの軸線方向に延在するスリット状の開口を有し、この開口に一致して、開口と同形状の上下開口面を有する四角筒状のチムニー50aを蒸気排出部として設けている。
他方、蒸発量(消費量)の少ない臭化ユーロピウム用(付活剤用)のルツボ52は、ここでは、日本バックスメタルクルーシブルタイプ真空蒸着用蒸発源CE−2を用いている。このルツボは素材としてTaを用いており、その周囲をヒータで覆い、さらにその周囲を断熱材であるアルミナで覆った構造を有している。また、ルツボは、間接加熱方式で加熱される。
このようなスリット状のチムニーを有するルツボを用いることにより、ルツボ内における局所加熱または異状加熱によって突沸が生じた際に、成膜材料が不意にルツボから飛び出して周囲または基板70に付着して、汚染することを防止できる。特に、抵抗加熱を利用する中真空の蒸着では、前述のように、基板70と蒸着源とを近接して配置する必要があるので、その効果は大きい。
ここで、製造装置10においては、ルツボ50および52を、基板70の搬送方向Mと直交する方向H(以下、配列方向Hという)に複数配列することにより、配列方向Hにおける成膜材料の蒸発量を均一にして、直線搬送される基板70の全面に均一に成膜材料蒸気を供給して、例えば、膜厚分布均一性が±3%以下の蛍光体層を形成している。なお、各ルツボは、離間させるか、または絶縁材の挿入等によって、互いに熱絶縁状態にある。
加熱蒸発部16の模式的平面図である図3に示すように、図示例においては、一例として、臭化セシウム用のルツボ50は、円筒(ドラム)の軸線方向を配列方向Hに一致して、6つが配列されている。ルツボ50において、電極は円筒の端面に形成されており、個々のルツボ50で独立して電源に接続される。また、各ルツボ50に対応して、臭化セシウムの蒸発量を測定するための水晶振動子センサ54が配置され(図1(a),(b)では、装置の全体構成を明瞭にするために省略している)、この蒸発量の測定結果に応じて、ルツボ50への通電量が制御される。なお、蒸発量の制御は、温度センサによって行ってもよい。
他方、ボート型のルツボである臭化ユーロピウム用のルツボ52も、長手方向を配列方向Hに一致して、6つが配列される。ルツボ52も、配列方向Hの両端に電極が形成され、個々に独立した電源が接続される。
図示例においては、好ましい態様として、1つのルツボ50とルツボ52とを対として、すなわち、蛍光体の成膜材料である臭化セシウムの1つの蒸発源と付活剤の成膜材料である臭化ユーロピウムの1つの蒸発源を対として、両者が基板70の直線搬送方向Mに並ぶように配置し、さらに、より好ましい態様として、両者を装置およびルツボの構成上、可能な限り近接して配置している。
このような構成とすることにより、母体となる臭化セシウム蒸気中に、臭化ユーロピウム蒸気を充分に分散して、微量成分であるユーロピウム(付活剤)を蛍光体層中に均一に分散し、輝尽発光特性等の良好な蛍光体層を形成できる。
また、ルツボ50の列およびルツボ52の列においては、共に、配列されるルツボは、装置およびルツボの構成上、可能な限り配列方向Hに近接して配置され、かつルツボの列は、基板70の配列方向Hのサイズを充分に包含する長さとするのが好ましい。
このような構成とすることにより、配列方向Hにおける成膜材料の蒸発蒸気量を均一にして、より膜厚分布均一性の高い蛍光体層を形成することができる。
このような配列方向Hへのルツボの列は、1つであってもよく、図示例のように2列であってもよく、さらに、3列以上であってもよい。
ここで、複数列のルツボの列を有する場合には、各ルツボの列は、基板70の搬送方向Mから見た際に、他のルツボの列の成膜材料蒸気の排出口(前記スリット状のチムニー)の配列方向Hの間隙を、互いに埋めるように配置するのが好ましく、さらに、異なる列で成膜材料蒸気の排出口が搬送方向Mに重ならないように配置するのがより好ましい。いい換えれば、搬送方向Mから見た際に、各ルツボの列で、成膜材料蒸気の排出口が互い違いとなるようにするのが好ましい。図示例においては、配列方向Hへの2列のルツボの列において、搬送方向Mから見た際に、一方のルツボ列の電極位置に他方のルツボ列の蒸気排出口が位置するように、各ルツボの列を配列している。
このような構成とすることにより、配列方向Hにおける成膜材料の蒸発蒸気量を均一にして、より膜厚分布均一性の高い蛍光体層を形成することができる。
さらに、配列方向Hへのルツボの列を複数有する場合には、搬送方向Mの外側に蒸発量の多い臭化セシウム(付活剤)用のルツボ50の列を位置するのが好ましい。
このような構成とすることにより、蒸発量の多い臭化セシウムの蒸発量センサを、搬送方向Mに対してルツボの列の外側の開いている空間に配置することができ、すなわち、蒸発量センサの選択自由度、製造装置10の設計自由度を向上することができる。
なお、図示は省略するが、製造装置10の加熱蒸発部16は、全ルツボを水平方向の4方で囲む、ルツボの最上部よりも高い四角筒状の防熱板が配置され、かつ、この防熱板の上部開放面を閉塞/開放自在に、成膜材料蒸気を遮蔽するためのシャッタ(図示せず)が配置される。
本実施形態においては、基板70は、例えば、金属または合金からなるものであり、薄い板状部材またはシート部材である。また、基板70の材質は、特に限定されるものではなく、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、ステンレス鋼、銅、クロムまたはニッケルなどを用いることができる。なお、本実施形態においては、基板70は、アルミニウムまたはアルミニウム合金により構成されることが好ましい。
また、基板70としては、ガラス、セラミックス、カーボン、PET(ポリエチレンテレフタレート),PEN(ポリエチレンナフタレート),ポリイミド等、放射線像変換パネルで利用されている各種のシート状の基板を全て利用することができる。
次に、製造装置10を用いた本実施形態に係る放射線像変換パネルの製造方法について詳細にその動作を説明する。
本実施形態に係る放射線像変換パネルの製造方法においては、最終的には、図8に示すような基板70と、この基板70上に形成された蛍光体層72と、この蛍光体層72上に形成され、蛍光体層72を封止する防湿保護層74とを有する放射線像変換パネル80を製造するが、その前段の工程では、まず、基板70上に蛍光体層72を形成する。
予め、基板70を基板ホルダ39(図1(a)参照)にセットしておく。
次に、基板70を基板ホル39ごと、プラズマ洗浄装置(図示せず)にセットし、基板70の表面70d(蛍光体層72の形成面)をプラズマ洗浄する。
次に、真空チャンバ12の扉13を開き、真空チャンバ12を大気開放状態にし、基板保持搬送機構14の保持手段26(図2(b)参照)の保持部材38bに基板ホルダ39ごと基板70を保持する。
次に、全てのルツボ50に臭化セシウムを、全てのルツボ52に臭化ユーロピウムを所定量まで充填した後、すなわち、成膜材料を真空チャンバ12内にセットした後、シャッタ(図示せず)を閉じる。
次いで、真空ポンプ18を駆動して真空チャンバ12内を排気し、真空チャンバ12内が、例えば、8×10−4Paとなった時点で、排気を継続しつつ、ガス導入ノズル19によって開口部19aを経て真空チャンバ12内に、例えば、Arガスを導入して、真空チャンバ12内の圧力を、例えば、1.0Paに調整し、さらに、抵抗加熱用の電源を駆動して全てのルツボ50およびルツボ52に通電して成膜材料を加熱する。
その後、予め設定した所定時間(例えば、60分)が経過したら、シャッタを開放し、次いで、モータ34を駆動して、所定速度での基板70の直線搬送を開始し、基板70の表面70dへの蛍光体層72の形成を開始する。
形成する蛍光体層72の膜厚等に応じて設定された所定回数の直線搬送の往復動が終了したら、基板70の直線搬送を停止し、シャッタを閉塞し、抵抗加熱用の電源を切り、ガス導入ノズル19によるArガスの導入を止める。
次に、窒素ガスまたは乾燥空気を真空チャンバ12内に導入して、真空チャンバ12内を大気圧とする。すなわち、大気開放状態とする。
次いで、真空チャンバ12の扉13を開き、蛍光体層72を形成した基板70を基板ホルダ39ごと取り出し、作業台に運ぶ。
前述のように、本実施形態に係る放射線像変換パネルの製造方法においては、蛍光体層72を形成した基板70、すなわち蛍光体シート(蛍光体層を有する基板)に熱処理を行う前に、突起もしくはこれに起因する凹部を補修することが特徴的動作である。
すなわち、図4に示すように、蛍光体シートが形成されると(ステップ90)、蛍光体シートを基板ホルダ39から取り外し、その表面を検査し、前述したような突起もしくはこれに起因する凹部が存在した場合には、これを補修する(ステップ92)。この補修は、蛍光体層72の形成が終了した後に、最初に蛍光体層の表面を清浄化するまでの間に実施するものである。なお、ここでの検査並びに補修方法の詳細については後述する。熱処理装置内において所定の熱処理(アニール)を施す(ステップ96)。
また、熱処理前に、蒸着が終了した蛍光体シートを所定の温湿度条件下に保管すること(以下、加湿処理という)により放射線照射に対する感度を上昇させることができることから、ステップ92における突起もしくはこれに起因する凹部の補修が完了した蛍光体シートを、熱処理装置による熱処理(アニール)の前段において、所定の条件で加湿処理する(図4中のステップ94)ことが好ましい。この詳細についても後述する。
以下、まず、突起もしくはこれに起因する凹部の補修について、図5〜図7に基づいて説明する。なお、図5は、前述のヒロック(Hillock)のような突起(以下、単に突起という)100が存在する場合にこれを押圧して押しつぶすことにより補修する例、図6は、比較的小さな突起などが抜け落ちて急峻な凹部120が存在する場合にこれを押圧して押しつぶすことにより補修する例を示している。
また、図7は、当初は突起100が存在したものが何らかの原因で脱落した結果形成された比較的大きな(図6の場合との比較)急峻な凹部120が存在する場合に、この凹部に所定の補修用材料を充填して補修する例を示している。
以下に説明する補修工程においては、実際に補修を行う前に蛍光体シート(蛍光体層)の表面を検査して、そこに存在する突起の位置を知る必要がある。この検査は、例えば、蛍光体シートの表面を目視により検査する方法で好適に実施し得る。また、補修に際して必要となる突起の位置の情報は、例えば、X−Yテーブルと組み合わせた顕微鏡により取得することができる。
まず、図5に示す例では、蛍光体シート(以下、蛍光体層72という)の表面を検査して、そこに突起100が存在するか否か検査する。突起100の存在が確認された場合には(図5(a)参照)、その位置に押圧手段110を位置付けして(図5(b)参照)、この押圧手段110を所定の押圧力で降下させ(図5(c)参照)、突起100を蛍光体層72中に完全に埋め込むようにし、その後に押圧手段110を上昇させて(図5(d)参照)、補修処理を終了する。
ここでは、上述の押圧手段110として、円柱の先端部(図5中では下端部)を比較的大きな半径(R=10mm)を有する球面状にしたものを用いており、所定の押圧力(ここでは、2kgf)でゆっくり押圧するようにしている。なお、この押圧時の速度については、蛍光体層72を構成する材料等によって変更する場合もあるので、実験により定めることが好ましい。
また、図5(d)では、突起100が蛍光体層72中に押し込まれる際に、その上面がわずかに凹んだ形になった状態で示されているが、これは、押圧手段110の先端部が球面状に形成されていることによるものであり、このような形にすることで、蛍光体層72の膜厚の急峻な変化の発生を防止できるという効果が得られるものである。
図6は、図5に示した場合とは少し異なり、比較的小さな突起などが抜け落ちて急峻な凹部120が存在する場合に、これを図5に示したと同様に押圧して押しつぶすことにより補修する例を示している。
従来は、このような割合に小さな凹部の補修に際して押圧して押しつぶすという発想はなかったが、実際上は極めて有効であることが確認されている。
本実施例では、蛍光体層72の表面を検査して、そこに凹部120が存在するか否か検査する。凹部120の存在が確認された場合には(図6(a)参照)、その位置に押圧手段110を位置付けして(図6(b)参照)、この押圧手段110を所定の押圧力で降下させ(図6(c)参照)、凹部120を蛍光体層72中で平均化するようにようにし、その後に押圧手段110を上昇させて(図6(d)参照)、補修処理を終了する。
次に、図7に示す例は、前述の通り、当初は突起100が存在したものが、何らかの原因で脱落(図7(a)参照)した結果として形成された比較的大きな急峻な凹部130が存在する場合(図7(b)参照)に、この凹部130に所定の補修用材料140(図7(c)参照)を充填して補修する例を示している。
ここで、補修用材料140としては、種々のものが用い得る。
具体的には、補修用材料140として、蛍光体層72を構成している材料そのものを用いることが好ましいことはいうまでもないが、本発明は必ずしもそれには限定されず、蛍光体層72を構成している材料とできるだけ特性の近似する材料を使うこと、さらには、広く蛍光体層を構成する材料と同じ材料を用いることが可能である。
なお、補修用材料140として、輝尽性蛍光体を用いる場合もあるが、この場合には、輝尽性蛍光体の放射線に対する感度並びに波長依存性、および、読み出しようの励起光に対する感度並びに発光強度等を勘案して、主剤(蛍光体層の形成材料)と付活剤との組み合わせにも配慮することが好ましい。
また、上述の補修用材料140を充填する方法について説明する。
補修用材料140としては、一般に粉末状のものが用いられることが多いが、この材料を凹部130に充填する際には、この粉末状のままで充填する方法、あるいはバインダー等の液体に溶解(もしくは分散)した状態にして充填する方法が実施可能である。
また、特別な場合として、中真空下での気相堆積法等により製造される、蛍光体層が柱状結晶から構成される蛍光体シートにおいては、他の場所から切り出した柱状結晶の一部を、上述の充填部分に適用することも可能であり、この場合には、工学的特性を含めて、極めて高度に特性の揃った充填(補修)が可能である。
上記実施形態に係る放射線像変換パネルの製造方法によれば、蛍光体シートが形成された後に、蛍光体層の表面に発生した突起もしくはこれに起因する凹部を補修するようにしたことにより、画像上に現れる点欠陥のような画質低下を防止可能とした放射線像変換パネル、およびこのような高品位な画像が得られる放射線像変換パネルの製造方法を実現できるという効果が得られる。
ところで、先に説明した通り、蒸着が終了した蛍光体シートを所定の温湿度条件下に保管することにより放射線照射に対する感度を上昇させることができる。この現象は、今回本発明者が定量的に把握したもので、これにより、蛍光体シートの放射線照射に対する感度を上昇させる具体的な適用への手がかりが得られたものである。
実用上有効と考えられる温湿度条件としては、蛍光体シートを、温度20℃〜50℃、相対湿度30%〜80%の環境で5分〜1週間保管するという条件が、一つの目安となる。ただし、この条件は、蛍光体シートを構成する輝尽性蛍光体の種類や蒸着条件、さらには、保管後における熱処理の条件等に影響されることもあると考えられる。
以下、前述の製造装置10を用いて製造した放射線像変換パネルを例として、本実施形態に係る放射線像変換パネルの製造方法について詳細にその動作を説明する。
なお、製造装置10を用いた蒸着方法によって放射線像変換パネルを製造する過程に関しては、先に説明した動作と同様であるので、以下の説明では、形成された放射線像変換パネル(蛍光体層)についての突起もしくはこれに起因する凹部の補修が終了したものとして説明を行う。
上に例示した方法によって突起もしくはこれに起因する凹部の補修が終了した蛍光体シートは、さらなるゴミ,埃などの付着を防止するため、必要に応じて防塵カバーを装着した状態で、熱処理装置内において所定の条件で熱処理(アニール)される。
熱処理が終了し、十分に冷却された状態の蛍光体シートは、次に、次工程の防湿保護層74(図8参照)を形成する防湿保護層形成装置(図示せず)まで搬送する。そして、蛍光体層72の上に、例えばディスペンサー等を用いて接着剤を塗布し、接着層76を形成する。
次いで、例えば、ロール状に巻回された防湿保護フィルム(図示せず)を引き出して、熱ラミネーション法により、上記接着層76の上に防湿保護フィルムを貼り付けて、外縁を基板70の溝70bに植設した枠70cの上縁部に密着させて防湿保護層74(図8参照)を形成する。このようにして、図8に示す放射線像変換パネル80を製造することができる。
なお、防湿保護層74としては、予め接着剤が塗布された保護フィルムを用いて形成することもできる。
また、防湿保護層74を構成する防湿保護フィルムとしては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に、SiO膜とSiOとPVA(ポリビニルアルコール)とのハイブリット層とSiO膜との3層を形成してなる防湿保護層74が例示される。これ以外にも、ガラス板(フィルム),ポリエチレンテレフタレートまたはポリカーボネート等の樹脂フィルム、樹脂フィルムにSiO,Al,SiCなどの無機物質が堆積したフィルム等も好ましく例示される。
なお、PETフィルム上に、SiO膜/SiOとPVAとのハイブリット層/SiO膜の3層を形成した防湿保護層74において、例えば、SiO膜は、スパッタリング法を用いて、SiOとPVAのハイブリット膜は、PVAとSiOの比率が1:1となるようにゾル・ゲル法を用いて、それぞれ形成すればよい。
また、防湿保護層74は、40℃の温度で相対湿度が90%の環境下において、透湿度が0.2〜0.6(g/(m・day))であることが好ましい。
ここで、前述の加湿処理工程について補足説明しておく。
通常は、真空チャンバ内における蛍光体層の形成終了後、特別な処理を施すことなく、所定の時間経過後に蛍光体層の感度上昇を目的とする熱処理(アニール)を行っているが、本発明者は、熱処理前に蛍光体層を20℃〜50℃、相対湿度30%〜80%の環境で5分〜1週間保管する工程(すなわち、加湿処理工程)を経ることで、蛍光体層の感度上昇を実現できることを見出し、この工程を追加することを、実質上、基本とするようにしたものである。
以下、具体的な実施例を挙げ、本発明をより詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではないのはいうまでもない。
ここでは、図1に示した実施形態に係る製造装置(放射線像変換パネル製造装置)を用いて、放射線像変換パネル(蛍光体シート)を作製した。
本実施例に示す放射線像変換パネル(蛍光体シート)は、蒸着終了までの工程に関しては通常の工程と全く同様であり、蒸着終了後における突起もしくはこれに起因する凹部の補修処理を追加した点が、特徴となっているものであることは前述の通りである。
基板70を基板ホルダ39にセットした状態で、基板ホルダ39ごと基板70をプラズマ洗浄装置にセットした。そして、プラズマ洗浄装置により、圧力が1PaのArガス雰囲気下、電力が500W、時間が60秒の条件でArプラズマを発生させて基板70表面の洗浄を行った後、基板ホルダ39ごと基板70を真空チャンバ12内の基板保持搬送機構14の基板保持手段26にセットした。
次に、CsBr蒸発源(成膜材料)およびEuBr蒸発源(成膜材料)を真空チャンバ12内の加熱蒸発部16の抵抗加熱用のルツボ(容器)50、52に充填した。
ここでは、蒸発源(成膜材料)として、純度が4N以上の臭化セシウム(CsBr)粉末、および純度が3N以上の臭化ユーロピウム(EuBr)の溶融品を用意した。EuBr溶融品は、酸化を防ぐため十分なハロゲン雰囲気としたチューブ炉中にて、白金製ルツボに粉体を入れ、温度800℃に加熱して溶融、冷却後、炉から取り出して作製したものを用いている。各原料中の微量元素をICP−MS法(誘導結合高周波プラズマ分光分析−質量分析法)により分析した結果、CsBr中のCs以外のアルカリ金属(Li,Na,K,Rb)はそれぞれ10質量ppm以下であり、アルカリ土類金属(Mg,Ca,Sr,Ba)などの他の元素は、2質量ppm以下であった。また、EuBr中のEu以外の希土類元素は各々20質量ppm以下であり、他の元素は10質量ppm以下であった。これらの原料は、吸湿性が高いので、露点−20℃以下の乾燥雰囲気を保ったデシケータ内で保管し、使用直前に取り出すようにした。
なお、ここでは、基板70と加熱蒸発部16との距離は100mmとし、基板70を直線搬送しながら、蛍光体層72を形成した。
CsBr蒸発源およびEuBr蒸発源(成膜材料)を抵抗加熱用のルツボ(容器)50、52に充填した後に、真空チャンバ12の、扉13を閉じて真空チャンバ12を閉塞し、真空ポンプ18を駆動して真空チャンバ12内を排気し、真空チャンバ12内が、例えば、8×10−4Paとなった時点で、排気を継続しつつ、ガス導入ノズル19によって開口部19aを経て真空チャンバ12内に、例えば、Arガスを導入して、真空チャンバ12内の圧力を、例えば、1.0Paに調整した。
なお、ここで用いた蒸着工程の諸条件の詳細は、以下の通りである。
前述の3種類の基板の処理のそれぞれが終了した後に、真空チャンバ12内を8×10−4Paの真空度まで排気後、Arガスを所定量導入して1.0Paの真空度とした。
そして、基板70と加熱蒸発部16(ルツボ50およびルツボ52)との間に設けられたシャッタを閉じた状態で、各蒸発源(CsBrおよびEuBr)をそれぞれ抵抗加熱装置で加熱溶融させた。加熱開始から60分経過後、まず、ルツボ50側のシャッタだけを開いて、基板70の直線搬送を開始し、基板70の表面にCsBr蛍光体母体を堆積させた。
次いで、ルツボ50側のシャッタを開いてから所定時間が経過した後に、ルツボ52側のシャッタも開いて、CsBr蛍光体母体の上へのCsBr:Eu輝尽性蛍光体の堆積を開始した。
なお、堆積速度は6μm/分とした。また、加熱蒸発部16の各々の抵抗加熱装置の抵抗電流を調整して、輝尽性蛍光体層におけるEu/Csのモル濃度比が、0.003/1となるように制御した。
蒸着終了後、抵抗加熱装置の電源を切り、Arガスの導入を停止した。
次に、真空チャンバ12内に窒素ガスまたは乾燥空気を導入し、真空チャンバ12内を大気圧にした。そして、扉13を開けて、真空チャンバ12内から基板70を基板ホルダ39ごと取り出した。
これにより、基板70の表面70dには、蛍光体の柱状結晶が略垂直方向に延びて密に林立した構造の蛍光体層72が形成された。なお、蛍光体層72の厚さは700μmであり、蛍光体層72が形成されている面積は400mm×400mmであった。
これに続く処理工程の詳細を、図10に示す。この図10は、先に示した図4を詳細化したものである。
ステップ152(図4中のステップ92に対応する)では、蒸着(気相堆積:ステップ159(図4中のステップ90に対応する))時に発生した突起(前述のヒロック)もしくはこれに起因する凹部を検査し、次工程である蛍光体層表面の清掃を行う前にその補修処理工程を行った。
ここでは、前述の押圧手段110として、ステンレス製の円柱の先端部が半径:R=4mmの球面状のものを用い、押圧手段110の押圧力は1.5kgf、降下速度は0,01m/sとしている。
なお、この補修処理工程は、専用の密閉されたケース内で行っている。
補修処理工程が完了した蛍光体シートは、次に表面清掃工程(ステップ154)に送られる。この表面清掃工程も専用のケース内で行われる。
具体的には、エアーブロー方式のゴミ除去手段を用いて、蛍光体シート表面の清掃を行う。なお、ここでの清掃用エアーの噴出速度は20m/sとしている。
次に、蛍光体シートについて、加湿処理を施す(ステップ156(図4中のステップ94に対応する))。加湿処理の条件は、温度:30℃、相対湿度:60%rh、時間:6hrとしている。この表面清掃工程も専用のケース内で行われる。
次に、加湿処理を施された蛍光体シートについて、感度を上げるために、温度200℃で2時間、熱処理(ステップ158(図4中のステップ96に対応する))を行った。
なお、熱処理工程においては、まず、蛍光体シートをガス導入可能な真空加熱装置の中に入れ、ロータリーポンプにより真空加熱装置内を約1Paまで減圧し、蛍光体シートに吸着している水分等の除去を行った。
次に、真空加熱装置内を加熱し、そして、N(窒素)ガスを真空加熱容器内に流して、Nガスフロー雰囲気とした。上述の如く、温度200℃、時間2時間の熱処理条件で熱処理を行った。熱処理後、真空加熱装置から蛍光体シートを取り出し、大気中で冷却した。
次いで、蛍光体シート表面の清掃(ステップ160)を行った後、研磨工程(ステップ162)に送る。研磨工程囚虜後に、さらに蛍光体シート表面の清掃(ステップ164)を行った後、放射線像変換パネルへの加工を行う(ステップ166)。
放射線像変換パネルへの加工工程では、まず、蛍光体シートの蛍光体層72が形成されていない領域に、例えば、ディスペンサー等を用いて接着剤を塗布した。
次いで、ロール状に巻回された防湿保護フィルムを引き出し、熱ラミネーション法により、蛍光体層72の上に防湿保護フィルムを貼り付けて、外縁を基板の表面に密着させて防湿保護層74を形成した。
このようにして、放射線像変換パネルを作製した。
本実施例においては、上述のように作製した放射線像変換パネルについて、放射線画像として、一様画像を取得し、この放射線画像(一様画像)における点欠陥を調べた。
ここでの放射線像変換パネルにより得られた放射線画像(一様画像)の点欠陥の測定方法について説明する。
先ず、放射線像変換パネルの表面全面に、タングステン管球を用い、管電圧が80kVのX線を線量10mR(2.58×10−6C/kg)で照射した後、ラインスキャナ方式の画像読取装置(波長が660nmの半導体レーザ光を照射し、放射線像変換パネルの表面から放射された輝尽発光光を、ライン状に受光素子が配置されたCCDで受光するもの)で読み取り、読み取った光(受光した光)を電気信号に変換して、放射線画像として一様画像を得た。この放射線画像(一様画像)をレーザプリンタによりフィルム上に可視像として出力した。
次に、各放射線像変換パネルについて、得られたフィルムに記録された放射線画像(一様画像)について、シャウカステンを用いて放射線画像(一様画像)の中心部の10cm×10cmの範囲(10cm□:100cm)において、白く抜けた点を点欠陥としてその個数を目視により数えた。このようにして、点欠陥の個数を測定した。
10枚の放射線像変換パネルについて測定した結果では、点欠陥の個数は、1枚当たり0〜2個で、すべて実用に供しうる品質を有することが確認された。
このように、本発明の放射線像変換パネルの製造方法においては、欠陥が少ない高品位な画像が得られる放射線像変換パネルを製造することができた。
なお、本発明は上記実施形態並びに実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいことはいうまでもない。
(a)は、本発明の放射線像変換パネルの製造方法に用いられる放射線像変換パネル製造装置の一実施形態を示す模式的断面図であり、(b)はその模式的側断面図である。 (a)は、図1(a)に示す放射線像変換パネル製造装置の基板保持搬送手段を示す模式的平面図であり、(b)は、図1(a)に示す放射線像変換パネル製造装置の基板保持搬送手段を示す模式的正面図であり、(c)は、図1(a)に示す放射線像変換パネル製造装置の基板保持搬送手段を示す模式的側面図である。 図1(a)に示す放射線像変換パネル製造装置の加熱蒸発部を示す模式的平面図である。 一実施形態に係る放射線像変換パネルの製造方法における、突起もしくはこれに起因する凹部の補修過程を含む工程の概要を示すフロー図である。 一実施形態に係る放射線像変換パネルの製造方法における突起の補修状況を示す模式側面図である。 一実施形態に係る放射線像変換パネルの製造方法における凹部の補修状況を示す模式側面図である。 一実施形態に係る放射線像変換パネルの製造方法における突起に起因する凹部の補修状況を示す模式側面図である。 一実施形態の放射線像変換パネルの製造方法により製造された放射線像変換パネルを示す模式的断面図である。 実施例に係る放射線像変換パネルの製造工程の全体を説明するフロー図である。 放射線像変換パネルにおける点欠陥の発生を説明する模式図である。
符号の説明
10 放射線像変換パネル製造装置(製造装置)
12 真空チャンバ
14 基板保持搬送手段
16 加熱蒸発部
18 真空ポンプ
19 ガス導入ノズル
20 制御部
22 駆動手段
24 LMガイド
26 (基板)保持手段
30 保持部材
32 ボールネジ
34 モータ
36 基台
38 保持機構
40 防熱部材
50,52 ルツボ
70 基板
70b 基板の溝
70c 枠
70d 基板の表面
72 輝尽性蛍光体層(蛍光体層)
74 防湿保護層
76 接着層
80 放射線像変換パネル
100 突起
110 押圧手段
120 (急峻な)凹部
130 (大きな急峻な)凹部
140 補修用材料

Claims (14)

  1. 真空チャンバ内で、気相堆積法により基板上に蛍光体層を形成して製造される放射線像変換パネルであって、
    前記蛍光体層の表面に発生した突起もしくはこれに起因する凹部が補修処理されていることを特徴とする放射線像変換パネル。
  2. 真空チャンバ内で、気相堆積法により基板上に蛍光体層を形成した後に、形成された蛍光体層を熱処理する工程を含む放射線像変換パネルの製造方法であって、
    堆積が終了した後に、前記蛍光体層の表面に発生した突起もしくはこれに起因する凹部を補修することを特徴とする放射線像変換パネルの製造方法。
  3. さらに前記蛍光体層の表面を清浄化する清浄化工程を含み、
    前記補修は、堆積が終了した後に、最初に前記清浄化工程を実施するまでの間に実施する請求項2に記載の放射線像変換パネルの製造方法。
  4. 前記補修は、前記突起もしくはこれに起因する凹部を上方から押圧することにより行う請求項2または3に記載の放射線像変換パネルの製造方法。
  5. 前記補修における押圧は、先端形状が曲面で構成される治具を用いて行う請求項4に記載の放射線像変換パネルの製造方法。
  6. 前記治具の先端形状が球面で構成されるものを用いる請求項5に記載の放射線像変換パネルの製造方法。
  7. 前記治具の先端形状が半径1mm〜10mmの球面で構成されるものを用いる請求項6に記載の放射線像変換パネルの製造方法。
  8. 前記補修は、前記突起を取り除き、そこに生じた孔を所定の補修用材料で埋めることにより行う請求項2または3に記載の放射線像変換パネルの製造方法。
  9. 前記補修において孔を埋める際には、補修用材料として、蛍光体層を構成する材料を用いる請求項8に記載の放射線像変換パネルの製造方法。
  10. 前記補修用材料として、前記形成された蛍光体層を構成する材料と同じ材料を用いる請求項9に記載の放射線像変換パネルの製造方法。
  11. 前記蛍光体層が、輝尽性蛍光体から構成される蛍光体層である請求項2〜10のいずれかに記載の放射線像変換パネルの製造方法。
  12. 前記補修用材料を、粉末状態で用いる請求項8〜11のいずれかに記載の放射線像変換パネルの製造方法。
  13. 前記補修用材料を、バインダーに溶解した状態で用いる請求項8〜11のいずれかに記載の放射線像変換パネルの製造方法。
  14. 前記形成された蛍光体層が柱状結晶により構成されるものである場合においては、前記補修用材料として、別の位置にある柱状結晶を移植して用いる請求項8〜11のいずれかに記載の放射線像変換パネルの製造方法。
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