JP2006162379A - 放射線像変換パネルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】画質の良好な放射線画像を与える放射線像変換パネルの製造方法を提供する。
【解決手段】1)支持体上に気相堆積法により蓄積性蛍光体層を形成する工程、2)該蓄積性蛍光体層の表面前面に放射線を照射したのち蛍光体層表面から放射線画像を読み取って、蛍光体層の表面の放射線画像情報を得る工程、3)該放射線画像から点欠陥(微小突起部)を検出し、蓄積性蛍光体層表面の微小突起部に関する情報を抽出する工程、および4)該微小突起部情報に基づいて該蓄積性蛍光体層表面を平坦化処理する工程を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、蓄積性蛍光体を利用する放射線画像記録再生方法に用いられる放射線像変換パネルの製造方法に関するものである。
X線などの放射線が照射されると、放射線エネルギーの一部を吸収蓄積し、そののち可視光線や赤外線などの電磁波(励起光)の照射を受けると、蓄積した放射線エネルギーに応じて発光を示す性質を有する蓄積性蛍光体(輝尽発光を示す輝尽性蛍光体等)を利用して、この蓄積性蛍光体を含有するシート状の放射線像変換パネルに、被検体を透過したあるいは被検体から発せられた放射線を照射して被検体の放射線画像情報を一旦蓄積記録した後、パネルにレーザ光などの励起光を走査して順次発光光として放出させ、そしてこの発光光を光電的に読み取って画像信号を得ることからなる、放射線画像記録再生方法が広く実用に供されている。読み取りを終えたパネルは、残存する放射線エネルギーの消去が行われた後、次の撮影のために備えられて繰り返し使用される。
放射線画像記録再生方法に用いられる放射線像変換パネル(蓄積性蛍光体シートともいう)は、基本構造として、支持体とその上に設けられた蓄積性蛍光体層とからなるものである。ただし、蓄積性蛍光体層が自己支持性である場合には必ずしも支持体を必要としない。また、蛍光体層の上面(支持体に面していない側の面)には通常、保護層が設けられていて、蛍光体層を化学的な変質あるいは物理的な衝撃から保護している。
蓄積性蛍光体層としては、蓄積性蛍光体とこれを分散状態で含有支持する結合剤とからなるもの、気相堆積法や焼結法によって形成される結合剤を含まないで蓄積性蛍光体の凝集体のみから構成されるもの、および蓄積性蛍光体の凝集体の間隙に高分子物質が含浸されているものなどが知られている。特に気相堆積法は、蛍光体またはその原料を蒸着、スパッタリングなどにより基板表面に堆積させて、柱状結晶構造の蛍光体層を形成するものである。形成された蛍光体層は蛍光体のみからなり、蛍光体の柱状結晶間には空隙が存在するため、励起光の進入効率や発光光の取出し効率を上げることができるので高感度であり、また励起光の平面方向への散乱を防ぐことができるので高鮮鋭度の画像が得られる。
放射線画像記録再生方法(および放射線画像形成方法)は上述したように数々の優れた利点を有する方法であるが、この方法に用いられる放射線像変換パネルにあっても、できる限り高感度であってかつ画質(鮮鋭度、粒状性など)の良好な画像を与えるものであることが望まれている。
一般に、放射線像変換パネルの蓄積性蛍光体層の表面に微小の凹凸があったり、あるいは層厚分布が不均一であると、再生した放射線画像に濃度のムラが生じて画質が低下する。例えば、微小の突起の先端では発光光が散乱して広がるために感度が低下して画像濃度が薄くなり、また相対的に層厚が厚い部分では感度が高くなって画像濃度が濃くなる。特に、前述した蒸着法などの気相堆積法では、柱状結晶の成長過程で蛍光体結晶が局所的に異常に成長することがあり、この異常成長した結晶(異常結晶)は蛍光体層表面に微小の突起部を形成して、放射線画像上で点欠陥として視認できるようになる。例えば、蛍光体層の層厚500μm程度に対して高さ20〜50μm程度の突起部が生じうる。その結果、各種の診断や検査に支障を来すことになる。
さらに、蛍光体層の蓄積性蛍光体が吸湿性である場合には突起先端から水分を吸収して劣化が起こり易い。また、吸湿による劣化を防ぐために蛍光体層を防湿性の樹脂フィルム等で封止すると、突起によりフィルムに傷が付いたり破損することがある。
また、樹脂フィルムに傷が付いたり破損したりするまでに至らなかったとしても、突起部が存在することにより、突起部の周辺のフィルムも斜めに持ち上げられ、余分な空気が混入したりする。このため、突起部のみならず、その周辺でも発光光や励起光の散乱を生じ、より大きな点欠陥として診断や検査に支障を来すことになる。
特許文献1には、使用した蛍光体の少なくとも30重量%を基板上に蒸着させた後、得られた蛍光体層を研磨剤で研磨して層厚を均一にすることからなる蛍光体層の製造方法が開示されている。
特許文献2には、基板上に気相堆積法により形成された輝尽性蛍光体層を有する放射線像変換パネルであって、輝尽性蛍光体層が柱状結晶からなり、柱状結晶の先端部からなる蛍光体層の表面が平坦化処理されている放射線像変換パネルが開示されている。平坦化処理方法として、蛍光体層表面に連続膜を形成する方法、蛍光体層表面全体を押圧、研磨または溶融処理する方法が記載されている。
特許文献3には、放射線を光に変換する波長変換体と、該波長変換体で変換された光を検知するセンサとを貼り合わせる放射線検出装置の製造方法において、該波長変換体と該センサとを貼り合わせる前に、波長変換体の表面の凹凸を小さくする製造方法が開示されている。具体的には、柱状結晶化した蛍光体からなる蛍光体層の表面に光を照射しながらセンサで検知して突起部の位置を特定し、位置特定した突起部の高さを顕微鏡により測定して、高さが一定以上の突起部を押圧、研磨または切断などにより除去することが記載されている。
国際公開第WO 02/20868A1号パンフレット 特許第3398406号公報 特開2002−243859号公報
本発明は、画質の良好な放射線画像を与える放射線像変換パネルの製造方法を提供することにある。
また、本発明は、高画質の放射線画像を与え、かつ防湿性および耐傷性が向上した放射線像変換パネルの製造方法を提供することにもある。
本発明者は、前述した問題について検討を重ねた結果、放射線像変換パネルの製造過程で蓄積性蛍光体層のベタ画像(被検体を介さない直接の放射線画像)を得ることにより、蛍光体層表面の突起部の有無や層厚分布についての情報を実際の使用に即して高精度で得ることができ、そしてこれに基づいて的確に蛍光体層を平坦化処理できることを見い出し、本発明に到達したものである。
従って、本発明は第一に下記の工程を含む放射線像変換パネルの製造方法にある。
1)支持体上に気相堆積法により蓄積性蛍光体層を形成する第一工程、
2)該蓄積性蛍光体層の表面全体に放射線を照射したのち蓄積性蛍光体層表面から放射線画像を読み取って、蛍光体層の表面の放射線画像情報を得る第二工程、
3)該放射線画像から点欠陥部として現われる微小突起部を検出し、蓄積性蛍光体層表面の微小突起部に関する情報を抽出する第三工程、および
4)該微小突起部情報に基づいて該蓄積性蛍光体層表面を平坦化処理する第四工程。
また、本発明は第二に下記の工程を含む放射線像変換パネルの製造方法にある。
1)支持体上に気相堆積法により蓄積性蛍光体層を形成する第一工程、
2)該蓄積性蛍光体層の表面全体に放射線を照射したのち蛍光体層表面から放射線画像を読み取って、蛍光体層の表面の放射線画像情報を得る第二工程、
3)該放射線画像から感度分布を作成し、蓄積性蛍光体層の層厚分布情報を得る第三工程、および
4)該層厚分布情報に基づいて該蓄積性蛍光体層表面を平坦化処理する第四工程。
本発明の製造方法によれば、蓄積性蛍光体層のベタ画像を利用することにより、蛍光体層の突起部の位置、更には高さおよび/または層厚分布についての情報を高精度で得ることができる。また、これらの情報は実際に放射線像変換パネルにより得られる放射線画像と同様の放射線画像から抽出されるので、実用に適っている。そして、この情報に基づいて蛍光体層の平坦化処理を的確に行うことができる。よって、突起部や層厚分布が不均一な蛍光体層を高精度で、かつ時間的にもコスト的にも効率良く平坦化処理することができる。本発明の方法により製造された放射線像変換パネルは、画像ムラの無い高画質の放射線画像を与え、更には防湿性および耐傷性が向上する。
さらに、上記工程の後に放射線像変換パネルを防湿性フィルムで封止する工程を加えれば、高精度に平坦化された蛍光体層の表面を封止することが可能となるため、従来の製法に基づき防湿性フィルムで封止した放射線像変換パネルに比べて、突起部の存在による突起部周辺の持ち上がりが非常に少なくなることから、蒸着時の結晶の異常成長の影響を最小限に抑えた、高品質の放射線像変換パネルを提供することが可能になる。
本発明の第一の製造方法において、第三工程で微小突起部に関する情報は微小突起部の位置情報であることが好ましい。あるいは、第三工程で微小突起部に関する情報は微小突起部の位置及び高さ情報であることが好ましい。また、第四工程で、蓄積性蛍光体層表面を平坦化処理して微小突起部の高さを10μm以下にすることが好ましい。
本発明の第二の製造方法において、第四工程で、蓄積性蛍光体層表面を平坦化処理して層厚分布を±10%以内にすることが好ましい。
本発明の第一及び第二の製造方法において、第四工程で、平坦化処理は研磨処理であることが好ましい。さらに、第四工程の後に、蓄積性蛍光体層を防湿性フィルムで封止することが好ましい。
以下に、本発明の放射線像変換パネルの第一の製造方法について、図1に示すフローチャートに従って説明する。
図1は、本発明の第一の製造方法の工程の代表的な例を示すフローチャートである。
(1)蒸着による蓄積性蛍光体層の形成
蓄積性蛍光体としては、波長が400〜900nmの範囲の励起光の照射により、300〜500nmの波長範囲に輝尽発光を示す輝尽性蛍光体が好ましい。そのうちでも、基本組成式(I):

IX・aMIIX’2・bMIIIX”3:zA ‥‥(I)

で代表されるアルカリ金属ハロゲン化物系輝尽性蛍光体は特に好ましい。ただし、MIはLi、Na、K、Rb及びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属を表し、MIIはBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Ni、Cu、Zn及びCdからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属又は二価金属を表し、MIIIはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga及びInからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素又は三価金属を表し、そしてAはY、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Mg、Cu及びBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素又は金属を表す。X、X’およびX”はそれぞれ、F、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表す。a、bおよびzはそれぞれ、0≦a<0.5、0≦b<0.5、0<z<1.0の範囲内の数値を表す。
なお、本発明において蓄積性蛍光体は上記の輝尽性蛍光体に限定されるものではなく、公知の各種の蓄積性蛍光体を使用することができる。
蒸発源として上記の輝尽性蛍光体またはその原料を用いて一元蒸着または多元蒸着(共蒸着)により、蛍光体の蒸着膜を形成することができる。具体的には、一もしくは二以上の蒸発源を抵抗加熱器または電子線の照射により加熱して蒸発させ、基板(支持体)表面にこの蒸気を蛍光体を形成させながら堆積させる。その際に、蒸着装置内の真空度としては、0.1〜10Pa程度の中真空度、もしくは1×10-5〜1×10-2Pa程度の高真空度を用いる。また、基板を加熱してもよいし、あるいは冷却してもよい。基板温度は、一般には20乃至350℃の範囲にあり、好ましくは100乃至300℃の範囲にある。蛍光体の堆積速度、すなわち蒸着速度は、一般には0.1乃至1000μm/分の範囲にあり、好ましくは1乃至100μm/分の範囲にある。なお、蒸着を複数回に分けて行って二層以上の蛍光体層を形成することもできる。
(2)熱処理
蒸着終了後に蒸着膜を熱処理(アニール処理)することが望ましい。熱処理は、一般には100℃乃至300℃の温度で0.5乃至3時間かけて行い、好ましくは150℃乃至250℃の温度で0.5乃至2時間かけて行う。熱処理雰囲気としては、不活性ガス雰囲気、もしくは少量の酸素ガス又は水素ガスを含む不活性ガス雰囲気が用いられる。これにより、蛍光体の柱状結晶がほぼ厚み方向に成長した蛍光体層が得られる。蛍光体層は蛍光体のみからなり、蛍光体の柱状結晶と柱状結晶の間には空隙が存在する。蛍光体層の層厚は、目的とする放射線像変換パネルの特性、蒸着法の実施手段や条件などによっても異なるが、通常は50μm〜1mmの範囲にあり、好ましくは200μm〜700μmの範囲にある。
なお、基板は、必ずしも放射線像変換パネルの支持体を兼ねる必要はなく、蛍光体層形成後、蛍光体層を基板から引き剥がし、別に用意した支持体上に接着剤を用いるなどして接合して、支持体上に蛍光体層を設ける方法を利用してもよい。
(3)ベタ画像の作成
支持体上の蓄積性蛍光体層全面に、被検体を介さないで直接X線等の放射線を照射することにより、ベタ画像撮影を行う。次に、公知の放射線画像情報読取装置を用いて、蛍光体層表面に励起光を照射し、蛍光体層表面から放出される発光光をラインセンサ等の光検出器で検出することにより、蛍光体層から放射線画像情報を読み取って蛍光体層のベタ画像を得る。
この際に、ベタ画像と実際の蛍光体層との位置合せのために、支持体もしくは蛍光体層の表面の画像形成に関与しない端部に、マーカーを設けておくことが望ましい。マーカーは、位置精度の点から2箇所以上に設けることが好ましく、また、認識の容易さの点から基板表面に設けることが好ましい。
図2は、マーカーの付設例を示す概略上面図である。図2(a)は、支持体11とその上に形成された蓄積性蛍光体層12とからなる蛍光体シート10を示し、支持体11の相対する端部2箇所にマーカー13a、13bが設けられている。蓄積性蛍光体層12表面には突起部14a、14bが存在する。図2(b)は、蛍光体シート10のベタ画像20を示す。ベタ画像20上には、マーカー画像21a、21bおよび点欠陥22a、22bが現れている。
(4)突起部の位置情報の抽出
図2に示したように、得られたベタ画像から画像濃度の差異に基づいて点欠陥を検出し、点欠陥(すなわち、突起部)の位置についての情報を得る。基準となるマーカーからの(X,Y)座標で突起部の位置を表すことができる。
なお、突起部のサイズが読み取り時の画素サイズまたは再生時の画像サイズを越えるほど大きい(例えば、200μmより大きい)場合には、平坦化処理しても画像化したときに点欠陥として残るので、一般的には平坦化処理を含む以降の工程を行わない。
(5)突起部の平坦化処理
突起部の位置情報に基づいて突起部を平坦化処理する。突起部の高さは、平坦化処理するときにリアルタイムで基準面からの高さを計測することにより求めることができる。計測手段としては、レーザ変位計や触針式ストッパーを使用することができる。あるいは、平坦化処理前に、位置決定した各突起部の高さ(図4参照)を光学式顕微鏡を用いて求めてもよい。
平坦化処理としては、乾式又は湿式研磨、押圧、溶融など公知の各種の処理を利用することができる。例えば、乾式研磨処理は、固定した研磨機でもしくは研磨機自体を回転または振動させて蛍光体層表面の突起部を研磨して削り取る。湿式研磨処理は、アルコール等の蛍光体不溶性の液体を使用して摩擦係数を小さくしながら蛍光体層表面の突起部を研磨する。あるいは、水等の蛍光体可溶性の液体を使用して仕上げ研磨を行ってもよい。押圧処理は、ローラなどの押圧器具を用いて突起部を押し潰す。溶融処理は、蛍光体の融点程度に加熱した板またはローラを突起部に押しつけて溶融させる。これらのうちで、処理の容易さおよびコストの点から好ましいのは研磨処理であり、防湿施策の容易さの点から特に好ましいのは乾式研磨処理である。本発明においては、平坦化処理により突起部の高さを10μm以下にすることが好ましい。
図3は、乾式研磨処理の一例を示す概略断面図であり、図4は、図3の部分拡大図である。支持体11とその上に形成された蛍光体層12とからなる蛍光体シート10を矢印40の方向に搬送しながら、突起部の位置情報および高さ情報に基づいて所定の位置で好適な時間、回転研磨機50をテープ51で矢印60の方向に回転させることにより、蛍光体層12表面の突起部14(高さh)のみが削り取られる。
図5は、乾式研磨処理の別の例を示す概略断面図である。支持体11と蛍光体層12とからなる蛍光体シート10を矢印40の方向に搬送しながら、突起部の位置情報および高さ情報に基づいて所定の位置で好適な時間、回転研磨機70をテープ71で矢印80の方向に回転させることにより、蛍光体層12表面の突起部のみが削り取られる。
図6は、押圧処理の一例を示す概略断面図である。突起部の位置情報および高さ情報に基づいて、支持体11と蛍光体層12とからなる蛍光体シート10の突起部14を押圧器具90で押圧することにより、突起部14のみが押し潰される。
(6)蛍光体層表面の清掃
研磨処理等の平坦化処理により生じた突起部の破片、および/またはこれまでの工程で蓄積性蛍光体層表面に付いたゴミを吸引したり、送風して吹き飛ばすことなどにより取り除いて、蛍光体層表面を清浄にする。
(7)フィルム封止
防湿性フィルムを、蓄積性蛍光体層を覆うようにして支持体に接着剤を用いて接着することにより、蛍光体層を密封封止することが好ましい。これにより、吸湿による蓄積性蛍光体の劣化を防ぐことができる。防湿性フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートやポリカーボネートなどの透明樹脂フィルム;透明樹脂フィルムにSiO2、Al23、SiC等の無機物質からなる薄層を積層したもの;および透明なガラス板を用いることができる。
上述した本発明の製造工程により、図7に示すように、蓄積性蛍光体層表面の突起部が平坦化され、そして蛍光体層が支持体と防湿性フィルムとで封止された放射線像変換パネルを製造することができる。
図7は、本発明の方法により製造された放射線像変換パネルの一例を示す概略断面図である。放射線像変換パネル100は、支持体11、蓄積性蛍光体層15、および防湿性フィルム16からなる。
図8は、本発明の第一の製造方法の工程の別の例を示すフローチャートである。図8に示す製造工程では、蛍光体層(蒸着膜)の熱処理工程が突起部の位置情報の抽出工程の後に行われる。
熱処理工程はあるいは、突起部の平坦化処理工程の後に行うこともできる。また、蛍光体層表面の清掃工程は突起部の平坦化処理工程の前に行うこともできる。
図1の放射線像変換パネルの製造方法では、(1)蒸着工程にて蛍光体層の形成方法として蒸着法を用いたが、本発明にはスパッタリング法、化学蒸着(CVD)法など他の気相堆積法も利用することができる。さらに、塗布法や焼結法などその他公知の各種の方法も利用することができる。
また、(4)突起部の位置情報の抽出工程では、ベタ画像から突起部の位置情報のみを抽出したが、突起部の位置情報と共に、画像濃度から突起部の高さ情報を抽出することもできる。これにより、製造工程全体に要する時間及びコストを下げることができる。あるいは、ベタ画像を画像信号として得て、得られた画像信号に好適な演算処理を施すことにより、これらの情報を自動的に抽出することも可能である。さらに、抽出した情報を平坦化処理のための処理装置に入力して、蛍光体層の平坦化処理を自動化することも可能である。自動化により、製造時間及びコストをより一層下げることができる。
なお、図1に示した本発明の製造方法において、(2)熱処理、(6)蛍光体層表面の清掃および(7)フィルム封止の各工程は必須の工程ではなく、省略することができる。さらに、本発明においては製造過程で公知の各種の補助層を付設したり、各種の処理を施して様々な構成の放射線像変換パネルを製造することができる。
次に、本発明の第二の製造方法について、図9に示すフローチャートに従って説明する。
図9は、本発明の第二の製造方法の工程の代表的な例を示すフローチャートである。また、図10は、本発明の第二の製造方法の工程の別の例を示すフローチャートである。
(1)蒸着による蓄積性蛍光体層の形成、及び(2)熱処理
前述した第一の製造方法と同様にして、支持体上に蓄積性蛍光体の蒸着膜を形成し、次いでこれを熱処理にかける。なお、熱処理工程は、図8に示したように層厚分布情報の抽出工程の後に行うこともできる。
(3)ベタ画像の作成
前述した第一の製造方法と同様にして、蓄積性蛍光体層全面に被検体を介さないで直接放射線を照射してベタ画像撮影を行った後、公知の読取装置を用いて蛍光体層から放射線画像情報を読み取って蛍光体層のベタ画像を得る。図2に示したように、支持体もしくは蛍光体層の表面端部にマーカーを設けておくことが望ましい。
(4)層厚分布情報の抽出
得られたベタ画像から画像濃度に対応した感度分布を作成する。感度分布は、ベタ画像の各位置における画像濃度を測定することにより得ることができる。あるいは、蓄積性蛍光体層から放射線画像情報を読み取る際に、位置と感度(発光量)とからなるデータとして得ることもできる。各位置は基準となるマーカーからの(X,Y)座標で表すことができる。一般に蓄積性蛍光体層の感度は層厚に比例するので、感度分布を蛍光体層の層厚分布に換算して層厚分布情報を得る。また、ベタ画像を画像信号として得て、得られた画像信号に好適な演算処理を施すことにより、層厚分布情報を自動的に抽出することも可能である。
(5)蓄積性蛍光体層の平坦化処理
蓄積性蛍光体層の層厚分布情報に基づいて蛍光体層の全面に渡って平坦化処理を行う。平坦化処理としては、前述した各種の平坦化処理を利用することができる。例えば、乾式研磨処理では、図3に示したように、蛍光体シート10を矢印40の方向に搬送しながら回転研磨機50で蛍光体層12全面を層厚分布情報に基づいて研磨する。
図11は、蛍光体層全面を押圧処理する例を示す概略断面図である。支持体11とその上に形成された蓄積性蛍光体層18とからなる蛍光体シート17全面を、押圧器具91を用いて一定の圧力で押圧することにより、層厚の厚い部分が押し潰されて蛍光体層18の層厚分布が均一になる。押圧は、数回に分けて行ってもよい。
好ましい平坦化処理は乾式研磨処理であり、蛍光体層全面に渡って層厚分布に対応させて研磨処理を行う。本発明においては、平坦化処理により層厚分布を基準となる層厚の±10%以内にすることが好ましい。
(6)蛍光体層表面の清掃、及び(7)フィルム封止
前述した第一の製造方法と同様にして、蓄積性蛍光体層表面の研磨破片やゴミを除去して清浄にする。次いで、蛍光体層を防湿性フィルムで密封封止する。
上述した本発明の製造工程により、蓄積性蛍光体層が平坦化され、そして蛍光体層が支持体と防湿性フィルムとで封止された放射線像変換パネルを製造することができる(図7参照)。
本発明においては、上述した第一の製造方法と第二の製造方法とを組み合わせて実施することもできる。すなわち、蓄積性蛍光体層のベタ画像から突起部の位置、更には高さ情報と層厚分布情報の両方を得、これに基づいて蛍光体層表面を平坦化処理して、突起部が無く層厚が均一な蛍光体層を得ることができる。
下記表1に、蓄積性蛍光体層表面の突起部を検出するのに、本発明のベタ画像を利用する方法と、従来の目視観察による方法および公知の光学顕微鏡を使用する方法とを、精度、計測時間およびコストについて比較した結果を示す。
表1
───────────────────────────────
精度 計測時間 コスト
───────────────────────────────
ベタ画像(本発明) 極めて高い 短い 低い
───────────────────────────────
目視観察 不充分 非常に短い 非常に低い
光学顕微鏡 高い やや長い 高い
───────────────────────────────
本発明の第一の製造方法の工程の代表例を示すフローチャートである。 マーカーの付設例を示す概略上面図である。 乾式研磨処理の一例を示す概略断面図である。 図3の部分拡大図である。 乾式研磨処理の別例を示す概略断面図である。 押圧処理の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る放射線像変換パネルの一例を示す概略断面図である。 本発明の第一の製造方法の工程の別例を示すフローチャートである。 本発明の第二の製造方法の工程の代表例を示すフローチャートである。 本発明の第二の製造方法の工程の別例を示すフローチャートである。 蛍光体層全面を押圧処理する例を示す概略断面図である。
符号の説明
10、17 蛍光体シート
11 支持体
12、15、18 蓄積性蛍光体層
13a、13b マーカー
14、14a、14b 突起部
16 防湿性フィルム
20 ベタ画像
21a、21b マーカー画像
22a、22b 点欠陥
40 搬送方向
50、70 回転研磨機
90、91 押圧器具
100 放射線像変換パネル

Claims (10)

  1. 1)支持体上に気相堆積法により蓄積性蛍光体層を形成する第一工程、
    2)該蓄積性蛍光体層の表面全体に放射線を照射したのち蓄積性蛍光体層表面から放射線画像を読み取って、蛍光体層の表面の放射線画像情報を得る第二工程、
    3)該放射線画像から点欠陥部として現われる微小突起部を検出し、蓄積性蛍光体層表面の微小突起部に関する情報を抽出する第三工程、および
    4)該微小突起部情報に基づいて該蓄積性蛍光体層表面を平坦化処理する第四工程、
    を含む放射線像変換パネルの製造方法。
  2. 第三工程において、微小突起部に関する情報が微小突起部の位置情報である請求項1に記載の放射線像変換パネルの製造方法。
  3. 第三工程において、微小突起部に関する情報が微小突起部の位置及び高さ情報である請求項1に記載の放射線像変換パネルの製造方法。
  4. 第四工程において、蓄積性蛍光体層表面を平坦化処理して全ての微小突起部の高さを10μm以下にする請求項1乃至3のいずれかの項に記載の放射線像変換パネルの製造方法。
  5. 第四工程において、平坦化処理が研磨処理である請求項1乃至4のいずれかの項に記載の放射線像変換パネルの製造方法。
  6. 第四工程の後、更に蓄積性蛍光体層を防湿性フィルムで封止する請求項1乃至5のいずれかの項に記載の放射線像変換パネルの製造方法。
  7. 1)支持体上に気相堆積法により蓄積性蛍光体層を形成する第一工程、
    2)該蓄積性蛍光体層の表面全体に放射線を照射したのち蛍光体層表面から放射線画像を読み取って、蛍光体層の表面の放射線画像情報を得る第二工程、
    3)該放射線画像から感度分布を作成し、蓄積性蛍光体層の層厚分布情報を得る第三工程、および
    4)該層厚分布情報に基づいて該蓄積性蛍光体層表面を平坦化処理する第四工程、
    を含む放射線像変換パネルの製造方法。
  8. 第四工程において、蓄積性蛍光体層表面を平坦化処理して層厚分布を±10%以内にする請求項7に記載の放射線像変換パネルの製造方法。
  9. 第四工程において、平坦化処理が研磨処理である請求項7または8に記載の放射線像変換パネルの製造方法。
  10. 第四工程の後、更に蓄積性蛍光体層を防湿性フィルムで封止する請求項7乃至9のいずれかの項に記載の放射線像変換パネルの製造方法。
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JP2015184205A (ja) * 2014-03-25 2015-10-22 富士フイルム株式会社 放射線検出装置および放射線検出装置の製造方法

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