JP2005148060A - 放射線検出装置、シンチレータパネル、及びその製造方法 - Google Patents

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岡田  聡
Tomoyuki Tamura
知之 田村
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Abstract

【課題】 蛍光体層表面上で完全に凹凸のなく、さらに蛍光体層内部に存在するスプラッシュのような異常成長部を非常に小さく制御し、特性の良好な放射線検出装置、又はシンチレータパネルを提供する。
【解決手段】 基板上に配列された複数の光電変換素子により構成された光電変換部を有するセンサーパネルと、センサーパネル上に設けられた放射線を前記光電変換素子が感知可能な光に変換するシンチレータとを含む放射線検出装置において、シンチレータは、柱状結晶構造を有するシンチレータ層の複数が積層構造を有して構成されている。また、シンチレータのうちの下層のシンチレータ層の表面を平坦化処理し、平坦化処理された表面を有するシンチレータ層上に他のシンチレータ層を堆積する。また、複数のシンチレータ層の層間に光透過性の中間層を設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、医療用、分析用の放射線撮影などに用いられる放射線検出装置、シンチレータパネルとその製造方法に関する。なお、本明細書では、X線、γ線等の電磁波も、放射線に含まれるものとして説明する。
従来、X線を光に変換する蛍光体層を有する放射線増感紙と感光層を有する放射線フィルムからなる放射線検出装置が一般的にX線写真撮影に使用されてきた。
しかし、最近、蛍光体層からなるシンチレータと、非晶質シリコン(a−Si)を用いた光電変換素子とスイッチ用薄膜トランジスタ(TFT)からなる2次元光検出器とを有する放射線検出装置が開発されている。この放射線検出装置は、フラットパネル検出器(FPD)として提案され、大面積で、且つ、デジタル化が可能な撮影装置である。得られるデータがディジタルデータであるため画像処理が容易であり、ネットワーク化したコンピュータシステムに取り込むことによってデータの共有化が図れ、画像ディジタルデータを光磁気ディスク等に保存すればフィルムを保存する場合に比べ保存スペースを著しく減少でき、過去の画像の検索が容易にできる利点がある。その際、医療用では、患者の被爆線量を低減させるためには、高感度で高鮮鋭な特性を有するデジタル放射線検出装置が必要とされる。
例えば、下記特許文献1においては、基板上にTlをドープしたCsIの柱状結晶を蒸着法により堆積して形成された蛍光体層からなるシンチレータを、光検出器に接合することにより、感度と信頼性を改善したデジタル放射線検出装置が開示されている。
また、下記特許文献2においては、複数の受光素子からなる受光部を有する受光素子アレイの受光素子上に、CsIの柱状結晶を蒸着法により堆積してシンチレータ層を形成し、そのシンチレータ層の表面、側面及び受光素子アレイのシンチレータ層の形成領域の周囲の領域を有機膜にて被覆してなる放射線検出装置が記載されている。この柱状構造のCsIからなる蛍光体層は、光の散乱が少なく、解像力を向上させることができる。
下記特許文献3,4には、下記特許文献1に記載されたものと同様な、基板上に柱状結晶を蒸着法により堆積して形成された蛍光体層からなるシンチレータを用いた放射線検出装置が開示されている。
図11は、下記特許文献3,4に記載された放射線検出装置の断面を示す。
図11において、110はシンチレータパネル(「蛍光板」とも呼ぶ)で、柱状結晶化した蛍光体よりなる蛍光体層(「シンチレータ層」とも呼ぶ)113と、蛍光体層113を支持するための基材111と、蛍光体層113で変換された光を後述するセンサーパネル(「光電変換パネル」とも呼ぶ)100側へ反射するアルミニウム薄膜よりなる反射層112と、それを保護するための保護層115と、蛍光体層113等を外気から保護する有機樹脂よりなる保護層114とを備えている。
また、図11において、100は光電変換パネルであり、ガラス基板101と、アモルファスシリコンを用いたフォトセンサー及びTFTからなる光電変換素子102が複数配されて構成された光電変換部と、光電変換部を保護する窒化シリコン等よりなる保護層104とを備えている。
さらに、光電変換パネル100と蛍光体板110とは、透明な接着剤よりなる接着層120により接着され、その周囲を封止材140によって封止している。ここで、解像力のばらつきを招かないようにするために、光が透過する各層の厚みを正確に制御する必要がある。特に、接着層120が厚くなりすぎないようにする必要があり、センサーパネル100と蛍光板110とは、接着層120を間に塗布した後に、全体をローラーでしごきながら、接着層120が厚くならないように接着している。
図11の上部から入射したX線が基材111、反射層112、及び保護層115を透過し、蛍光体層113で吸収された後、蛍光体層113は可視光を発光する。この可視光は、蛍光体層113中をセンサーパネル100側に進むので、拡散することなく、保護層114、接着層120、保護層104を通過して、光電変換部の光電変換素子102に入射する。
光電変換部では、入射した可視光が電気信号に変換され、スイッチングにより、配線部(図示しない)を通して外部に読み出される。こうして、図11に示す放射線検出装置により、入射するX線情報を2次元のデジタル画像に変換している。
ここで、高感度な放射線検出装置用の蛍光体層113の材料として、柱状結晶構造を有するハロゲン化アルカリ蛍光体が使われ始めている。このうち、特にその発光波長が光電変換素子の感度波長とマッチングするCsI(沃化セシウム):Tlが使われている。このCsI:Tlの最大発光波長は、500nm〜600nmである。ハロゲン化アルカリ蛍光体の成膜方法としては、蒸着法が用いられる。例えば CsI:Tlは、CsI(沃化セシウム)とTlI(沃化タリウム)を基材111上に共蒸着することによって得られる。柱状結晶構造を有する蛍光体層113の厚さは、例えば200μm〜450μmが知られている。蒸着によって得られる上記ハロゲン化アルカリ蛍光体は、蒸着工程後に発光量を上げるために、蛍光体層を200〜250℃の温度で加熱処理することが必要である。
このように蛍光体層113を柱状に結晶化させる際、ゴミ、蒸着時のスプラッシュ、基材111の表面粗さのばらつきなどによって、部分的に生じた異常成長により表面から高さ数10μmから数100μm程度の突起部116が形成される。この突起部116は、凸部とその周辺の凹部からなる凹凸部を成すもので、1)素子の破壊、2)保護層の破壊、3)気泡の混入、4)解像度の低下、などの問題を生ずるため、対策として、蛍光体を形成した後に表面の凹凸を軽減し、上記問題点を抑制するというものが、特許文献3,4に示されている。この結果、図11に示す突起部116の凹凸は軽減される。
図12は、突起部の凹凸が修正された状態を示す断面図である。
図11の突起部116は、修正された突起部117となっている。
特許第3126715号公報 特許第3029873号公報 特開2003−66196号公報 特開2002−243859号公報
しかしながら、上記シンチレータに発生するスプラッシュなどの異常成長により発生した凹凸(突起)を除去する方法において、蛍光体層を500μm以上に厚く形成すると、高さが最大150μm程度、大きさが直径1000μm以上と非常に大きな異常成長により発生した凹凸が形成される場合があった。
図13は、蛍光体の異常成長により形成される突起部を説明する詳細断面図である。
特に異物141から異常成長した凹凸部122では、巨大化された凹凸が形成される恐れがあった。
上記方法ではこのような巨大なスプラッシュを完全に除去することが困難で、蛍光体層の表面上に一部残存してしまうことにより公知例で述べている問題が完全に解決することができなかった。
また、蛍光体層の表面上には、スプラッシュが残っていなくとも、蛍光体層の内部には巨大なスプラッシュなどの異常成長部が存在しているため、公知例では述べていないが、蛍光体層の内部の異常成長部による問題として、異常成長部が存在する領域でのX線に対する輝度の低下と解像度劣化という問題が残存していた。
そこで、本発明は、シンチレータの蛍光体層表面上で完全に凹凸のなく、さらに蛍光体層内部に存在するスプラッシュのような異常成長部を非常に小さく制御し、特性の良好な放射線検出装置、又はシンチレータパネルを提供することを目的としている。
上述の課題を解決するため、本発明の放射線検出装置は、基板上に配列された複数の光電変換素子(102)により構成された光電変換部を有するセンサーパネル(100)と、
前記センサーパネル(100)上に設けられた放射線を前記光電変換素子が感知可能な光に変換するシンチレータ(130)とを含む放射線検出装置において、前記シンチレータ(130)は、柱状結晶構造を有するシンチレータ層の複数(131,132,135)が積層構造を有して構成されていることを特徴とする。
また、本発明のシンチレータパネルは、支持部材(111,112,115)と、
該支持部材(111,112,115)上に設けられた放射線を光に変換するシンチレータ(130)と、前記シンチレータ(130)は、柱状結晶構造を有するシンチレータ層の複数(131,132,135)が積層構造を有して構成されていることを特徴とする。
また、前記シンチレータ層(131)は、平坦化処理された表面(134a)を有することを特徴とする。
また、前記シンチレータ(130)は、複数の前記シンチレータ層(131,132,135)と、該複数のシンチレータ層(131,132,135)の層間に設けられた光透過性の中間層(138,139)と、が交互に積層構造を有して構成されることを特徴とする。
本発明の放射線検出装置の製造方法は、基板上に配列された複数の光電変換素子(102)により構成された光電変換部を有するセンサーパネル(110)上に、柱状結晶構造を有する第1のシンチレータ層(131)を堆積する第1の堆積工程と、前記第1のシンチレータ層(131)上に、柱状結晶構造を有する第2のシンチレータ層(132)を堆積する第2の堆積工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明のシンチレータパネルの製造方法は、支持部材(111,112,115)上に、柱状結晶構造を有する第1のシンチレータ層(131)を堆積する第1の堆積工程と、前記第1のシンチレータ層(131)上に、柱状結晶構造を有する第2のシンチレータ層(132)を堆積する第2の堆積工程、を有することを特徴とする。
また、前記第1の堆積工程の後に、前記第1のシンチレータ層(131)の表面に存在する突起(134)を平坦化する平坦化処理工程を有し、前記第2の堆積工程は、前記第1のシンチレータ層(131)の平坦化された表面(134a)上に前記第2のシンチレータ層(132)を堆積することを特徴とする。
また、前記第1の堆積工程の後に、前記第1のシンチレータ層(131)上に光透過性の中間層(138)を形成する工程を有し、前記第2の堆積工程は、前記第1のシンチレータ層(131)上に形成された前記中間層(138)に前記第2のシンチレータ層(132)を堆積することを特徴とする。
本発明により、シンチレータにおいて柱状結晶構造を有するシンチレータ層の複数が積層構造を有して構成されていることにより、蛍光体層表面上で完全に凹凸のなく、さらに蛍光体層内部に存在するスプラッシュのような異常成長部を非常に小さく制御することが可能となる。よって信頼性が高く、また解像度が高く、さらにデジタル画像の補正エラーの小さい、放射線検出装置、又はシンチレータパネルを得ることができる。
また、二次的な効果として、素子の破壊、保護層の破壊、気泡の混入などの問題点についてもさらに改善することができる。
以下、本発明に係る放射線検出装置、その製造方法、シンチレータパネル、及び放射線撮像システムを実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、前述の図11〜図13と同様の構成要素については同一符号を付してその説明を簡略化するか又は省略する。
本発明の基本概念は、前述した蛍光体及び光電変換パネルを有する放射線検出装置において、柱状結晶を有する蛍光体層(例えば、CsI:Tl)の蒸着途中に成長途中の異常成長部(凹凸部、突起部)を軽減するというものである。
〔実施形態1〕
実施形態1は、光電変換パネル(センサーパネル)に直接CsI:Tl(蛍光体層)を蒸着する場合(「直接蒸着タイプ」とも呼ぶ)の放射線検出装置及びその製造方法として、本発明を実施するものである。
図1に、本発明の実施形態1による放射線検出装置の断面を示す。
図1に示す放射線検出装置は、光電変換パネル100と、この光電変換パネル100上に直接蒸着して形成されるCsI:Tlからなる蛍光体層(シンチレータ)130と、この蛍光体層130上に形成される、保護層114、アルミニウム薄膜よりなる反射層112、及び保護層118とを有する。
図1に示す光電変換パネル100は、絶縁性を有する基板、例えばガラス基板101と、アモルファスシリコン(a−Si)を用いたフォトセンサー及びTFT(薄膜トランジスタ)からなる光電変換素子102が複数配されて構成された光電変換部と、光電変換部を保護する窒化シリコン等よりなる保護層104とを備えている。光電変換素子102は、フォトセンサー及びTFTを同一層で形成するものでも、互いに積層構造とするものでも、いずれでも適用可能である。
図1の上部から下部に向けて入射したX線が保護層118、反射層112、及び保護層114を透過し、蛍光体層130で吸収された後、蛍光体層130は可視光を発光する。この可視光は、蛍光体層130中を光電変換パネル100側に進むので、拡散することなく保護層104を通過して、光電変換部の光電変換素子102に入射する。光電変換素子102では、入射した可視光が電気信号に変換され、スイッチングにより、配線部(図示しない)を通して外部に読み出される。こうして、図1に示す放射線検出装置により、入射するX線情報を2次元のデジタル画像に変換している。
上記構成において、蛍光体層130は、最初の蒸着で柱状に結晶成長したCsI:Tlからなる第1蛍光体層(CsI:Tl初期の成長部)131を有する。この第1蛍光体層131には、正常に結晶成長した正常部133のほか、異常成長部134が含まれる。この異常成長部134は、光電変換パネル100の基板101に付着した異物141によって異常成長したもので、初期段階ではその表面134aに凹凸部である突起(図示しない)が形成される。この突起は、その後の突起処理工程において押し潰す等の処理により、平坦化される。このように異常成長部134の表面134aが平坦化された第1蛍光体層131上から再び蒸着を行うことによって、その上部にCsI:Tlからなる第2蛍光体層(CsI:Tl再蒸着での成長部)132がその柱径がそろった状態で成長する。
こうすることで、最終的には、異常成長が開始した場所においても正常部133に比べ、蛍光体層の充填率が際立って少ない状態ではない領域を作り出すことが可能となる。
実施形態1における蛍光体層の製造方法は、基本的には、1)蒸着工程、2)検査工程、3)突起処理工程、4)再蒸着工程の各製造フローで行うものである。ただし、2)検査工程は、必須の製造フローではなく、検査工程をすることなく蛍光体層の表面全体に対して、3)突起処理工程を施してもよい。ここで、突起処理工程、もしくは検査工程及び突起処理工程が本実施形態の蛍光体層の凹凸部を平坦化する工程を成す。これら各工程において、一度の突起処理で充分でない場合は、再蒸着工程、もしくは、検査、突起処理、及び再蒸着の2もしくは3工程を複数回繰り返しても良い。
図2に、放射線検出装置の製造工程のフローを示す。
ここで、図2に示したフローにおいて、破線で示した工程は必ずしも行わなければならないものではない。
図3(a)及び(b)に、本実施形態の放射線検出置の製造工程で用いる製造装置の概略断面を示す。
本製造装置は、全体的には2チャンバーで、蒸着チャンバー201と突起処理チャンバー202とで構成される。それぞれのチャンバー201,202には、バルブ213,214,215を介して真空ポンプ211,212が接続され、真空引きすることができる。突起処理チャンバー202には、押し用の平板241が仕切りゴムシート242によって繋がれ、突起処理チャンバー202を処理エリア251と加圧エリア252に仕切っている。加圧エリア252は、バルブ216を介して大気を投入可能となっている。以下、各工程について説明する。
(蒸着工程)
本蒸着工程は、柱状結晶構造の蛍光体層を蒸着により積層形成するものである。
蛍光体層の材料としては、ハロゲン化アルカリ金属、例えばCsI:Na、CsI:Tl、CsBrTl等が用いられる。この蛍光体材料は、光電変換素子の受光感度の波長に合わせて選択される。以下の実施形態では、蛍光体材料としてCsI:Tlを用いた場合を説明する。蛍光体の形成は、CsI:Tlの場合は、CsI(沃化セシウム)とTlI(沃化タリウム)の共蒸着によって柱状に結晶化して形成される。形成後、蛍光体層は、発光状態を安定にするため、例えば200℃で熱処理される。
蒸着工程において、図3(a)に示すとおり、最初の蒸着を蒸着チャンバー201で行う。この蒸着チャンバー201内において、ホルダー231に装着された光電変換パネル100に対し、CsIを入れたCsI用加熱ボート222とTlIを入れたTlI用加熱ボート221を加熱し、それぞれを通常の方法で蒸着する。この蒸着により、光電変換パネル100上に第1蛍光体層(CsI:Tl)131が柱状に結晶成長して形成される。このとき、突起処理チャンバー202は、バルブ214,215を開放し、全体を真空引きしておく。一定時間蒸着したら、一度止め、ゲートバルブ203を開放して、光電変換パネル100を装着したホルダー231を処理エリア251に移す(図3(b)のS1参照)。
(検査工程)
本検査工程は、上記蒸着工程で形成された蛍光体層の異常成長を始めた位置のアドレスを検査して特定するものである。
異常成長を始めたアドレスの特定は、ラインセンサーを用いて行う方法でよい。ライン
センサーで読み込んだ画像を解析し、異常位置を判定、そのアドレスを登録しておき、後の突起処理の工程で使用するという、一般の方法である。ただし、CsI:Tlは、潮解性が高いため、作業は低湿度の雰囲気にするのが望ましい。通常の作業エリアで行う際は、一般のクリーンルーム雰囲気である50%前後よりも下げ、かつ敏速に行う必要がある。特別のチャンバー内で行う際は、Nなどの水分を含まない不活性ガス下か、真空下の雰囲気で行うと作業時間を制限する必要はない。一方、後に述べるが、突起の処理において、アドレスの情報が必要ない場合は、この限りではない。
(突起処理工程)
本突起処理工程は、上記検査工程で特定された蛍光体層の異常成長のアドレス情報に基づいて、突起(凹凸)を処理して平坦化するものである。また、本突起処理工程は、上記検査工程を行わずに、蛍光体層の表面全面に対して、突起を処理して平坦化してもよい。
突起を処理する手段は、潰す、レーザー等を用い高温で溶融する、などの方法が良い。
例えば、突起を潰す場合は、突起のアドレス情報から、ひとつひとつアライメントを行って、専用の治具で押し潰す方法と、アドレスの情報は用いず、全面を平板で一括して押し潰すという方法とがある。前者は、突起の規模により、押し潰しの条件を合わせられるメリットがあるが、工数は多い。後者は、工数が極端に少ないが、突起毎に押し潰しの条件を合わせられない。それぞれの方法には、一長一短あるが、工程の要求事項に合わせて選択すればよい。
また、突起をレーザー等を用い、高温で溶融する場合は、アドレス情報は必要である。また、潰す場合に比べ、局所的に高温にさらされるため、この影響の少ない構成の場合に用いるべきである。
また、第1蛍光体層の突起(凹凸)を処理して平坦化するだけでなく、第1蛍光体層の突起を有する表面上に、表面を平坦化するために別途平坦化層を設けてもよい。本発明において、このような平坦化層を設ける工程も突起処理工程に含まれるものである。
突起処理工程の例を図3(b)を用いて説明する。
図3(b)に示すとおり、バルブ215のみを閉じ、続いてバルブ216を開放して大気を投入し、徐々に加圧エリアを大気圧の方向に加圧すると、押し用の平板241がホルダー231方向に押され、仕切りゴムシート242が伸びる(図2(b)の二点鎖線矢印S2参照)。これにより、そのまま光電変換パネル100上の第1蛍光体層(CsI:Tl)131を表面から押し付ける形になる。この逆側には、支えステージ243が配置されているので、そのままの圧力で第1蛍光体層(CsI:Tl)131を押し付け、突起が潰されることになる。
(再蒸着工程)
本再蒸着工程は、上記突起処理工程で平坦化された蛍光体層上または平坦化層上に再び蒸着を行うものである。
上記突起処理をした状態から再び蒸着を続ける場合は、通常の蒸着開始を行えばよく、特別な工夫を必要とするものではない。突起処理をした部分からは、正常に近い柱が成長する。正常部は、そのままの形で柱が成長する。また、再蒸着された蛍光体層の表面に対して、特許文献3,4及び突起処理工程で行われる平坦化処理を施してもよい。特許文献3に記載の蛍光体層の表面に対して平坦化処理施する方法や、特許文献4に記載の蛍光体層を保護層で被覆し、その保護層上から平坦化処理を施す方法を用いてもよい。
再蒸着工程の例としては、図3(a),(b)における装置において、光電変換パネル100を装着しているホルダー231を蒸着チャンバー201に戻し、光電変換パネル100上の第1蛍光体層131に対し、上記蒸着工程と同じ条件で再び蒸着してやればよい。これにより、突起処理された第1蛍光体層131上に第2蛍光体層(CsI:Tl)が形成される。ここで、突起処理された第1蛍光体層131上に第2の蛍光体層を形成する例を示したが、それに限定されるものでなく、例えば第1蛍光体層上に設けられた平坦化層上に第2蛍光体層を形成してもよい。
このような方法で本発明を実施すれば、蒸着途中の蛍光体(CsI:Tl)を大気にさらすことなく、作業を簡単に行うことが可能である。なお、このような一括して処理できる装置がない場合は、別々の装置を使用して行っても本発明を否定するものではない。
〔実施形態2〕
実施形態2は、基板にCsI:Tlを蒸着してシンチレータパネル(蛍光板)を形成し、該シンチレータパネルを光電変換パネルに貼り合わせる場合(「貼り合わせタイプ」とも呼ぶ)の放射線検出装置及びその製造方法として、本発明を実施するものである。
図4に、本発明の実施形態2による放射線検出装置の断面を示す。
図4に示す放射線検出装置は、光電変換パネル(センサーパネル)100及びシンチレータパネル110を有する。
光電変換パネル100は、ガラス基板101と、アモルファスシリコンを用いたフォトセンサー及びTFT(薄膜トランジスタ)からなる光電変換素子102が複数配されて構成された光電変換部と、光電変換部を保護する窒化シリコン等よりなる保護層104とを備える。
シンチレータパネル110は、柱状結晶化した蛍光体よりなる蛍光体層(シンチレータ)130と、蛍光体層130を支持するための基材111と、蛍光体層130で変換された光を光電変換パネル100側へ反射するアルミニウム薄膜よりなる反射層112と、それを保護するための保護層115と、蛍光体層130等を外気から保護する有機樹脂よりなる保護層114とを備える。
上記光電変換パネル100とシンチレータパネル110とは、接着層120により接着され、その周囲を封止材140によって封止している。ここで、解像力のばらつきを招かないようにするために、光が透過する各層の厚みを正確に制御する必要がある。特に、接着層120が厚くなりすぎないようにする必要があり、光電変換パネル100とシンチレータパネル110とは、接着層120を間に塗布した後に、全体をローラーでしごきながら、接着層120が厚くならないように接着されている。
図4の上部から下部に入射したX線が基材111、反射層112、及び保護層115を透過し、蛍光体層130で吸収された後、蛍光体層130は可視光を発光する。この可視光は、蛍光体層130の柱状結晶中をセンサーパネル100側に進むので、拡散することなく、保護層114、接着層120、保護層104を通過して、光電変換部の光電変換素子102に入射する。
光電変換素子102では、入射した可視光が電気信号に変換され、スイッチングにより、配線部(図示しない)を通して外部に読み出される。こうして、図4に示す放射線検出装置により、入射するX線情報を2次元のデジタル画像に変換している。
上記構成において、蛍光体層130は、最初の蒸着で柱状に結晶成長したCsI:Tlからなる第1蛍光体層(CsI:Tlの初期の成長部)131を有する。この第1蛍光体層131には、正常に結晶成長した正常部133のほか、異常成長部134が含まれる。この異常成長部134は、蒸着時に異常成長したもので、初期段階ではその表面134aに凹凸部である突起(図示しない)が形成される。この突起は、その後の突起処理工程においてレーザーで溶融する等の処理により、平坦化される。このように異常成長部134の表面134aが平坦化された第1蛍光体層131上から再び蒸着を行うことによって、その上部にCsI:Tlからなる第2蛍光体層(CsI:Tlの再蒸着での成長部)132がその柱径がそろった状態で成長する。
本実施形態の放射線検出装置は、上記のように形成された第1蛍光体層131及び第2蛍光体層132からなる蛍光体層(CsI:Tl)に保護層114を形成して全体として蛍光板110を作成した後、この蛍光板110を光電変換パネル100に貼り合わせて完成される。
図5(a)〜(c)に、本実施形態の放射線検出置の製造工程で用いる製造装置の概略断面を示す。
図5(a)〜(c)に示すように、本工程で用いる製造装置は、全体的に3チャンバーで、蒸着チャンバー301、バッファーチャンバー302、及び突起処理チャンバー303とで構成される。それぞれのチャンバー301,302,303には、バルブ313,314,315を介して真空ポンプ313,312が接続され、真空引きすることができる。突起処理用チャンバー303には、ラインセンサー321とレーザー照射装置322が設置されている。
以下に、図5(a)〜(c)を用いて、本実施形態における柱状結晶構造を有する蛍光体層の製造方法を説明する。
(蒸着工程)
図5(a)に示すとおり、最初の蒸着は実施形態1に説明したとおりである。すなわち、蒸着チャンバー301内において、ホルダー231に装着された基材111に対し、CsIを入れたCsI用加熱ボート222とTlIを入れたTlI用加熱ボート221を加熱し、それぞれを通常の方法で蒸着する。この蒸着により、基材111上に第1蛍光体層(CsI:Tl)131が柱状に結晶成長して形成される。
このとき、バッファーチャンバー302は、バルブ314を開放して真空引きしておく。
蒸着が終われば、図5(b)に示すとおり、ゲートバルブ331を開放し、基材111を装着したホルダー231をバッファーチャンバー302側に移す(二点鎖線矢印S11参照)。この状態で、バッファーチャンバー302の真空引きを止め、バルブ318を開放して、Nを投入して大気圧に戻す。
この段階で、突起処理チャンバー303は、あらかじめ大気圧状態でN雰囲気にしており、このままゲートバルブ332を開放し、図5(c)に示すとおり、基材111を装着したホルダー231を突起処理チャンバー303側に移動させる(二点鎖線矢印S12参照)。
ここで、突起処理チャンバー303をN雰囲気にする方法は、バルブ317、316を同時に開放してフローさせながらでもよいし、突起処理チャンバー303内にNを封入しておく方法でも良い。突起処理チャンバー303にバルブ315を介して真空ポンプ312を接続しているのは、封入の際のガス置換を容易に行うためである。
(検査及び突起処理工程)
次に、突起処理チャンバー303内において、ホルダー231に装着された基材111上の第1蛍光体層131に対し、突起の処理を行う。
突起の処理は、まずラインセンサー321で第1蛍光体層131の表面全体の光学画像を読み取り、その光学画像上のコントラストの違い等を画像処理することにより、第1蛍光体層131に形成されている異常成長部表面の突起部(凹凸部)を検出し、その位置を示すアドレス及びその大きさの情報を得る。そして、この情報に基づいて、突起部を溶融可能なレーザー照射条件のもとで、レーザー照射装置322から第1蛍光体層131上の異常成長部表面の突起部に対しレーザーを照射して溶融させ、その表面を平坦化させる処理を行うことで完了する。
(再蒸着工程)
再蒸着は、上記と逆の作業を行えばよい。すなわち、基材111を装着しているホルダー231をバッファーチャンバー302を介して蒸着チャンバー301に戻し、基材111上の第1蛍光体層131に対し、上記蒸着工程と同じ条件で再び蒸着してやればよい。これにより、突起処理された第1蛍光体層131上に第2蛍光体層(CsI:Tl)が形成される。
このような方法で本発明を実施すれば、蒸着途中の蛍光体(CsI:Tl)を湿度にさらすことなく、さらに、処理を行うことが可能である。
このような一括して処理できる装置がない場合は、別々の装置を使用して行っても本発明を否定するものではない。
なお、上記実施形態では、蛍光体層を下部の第1蛍光体層131と、その上部の第2蛍光体層132との二層で構成しているが、層数はこれに限定されず、二層以上であってもよい。例えば、第2蛍光体層132にも異常成長部が結晶成長しその表面に突起が形成される場合には、第1蛍光体層131と同様の蒸着途中での突起処理を行い、その処理後に新たに第3蛍光体層を再蒸着してもよい。
〔実施形態3〕
図6は、本発明の実施形態3による放射線検出装置の断面を示す。
本実施形態は、第2蛍光体層132に第1蛍光体層131と同様の蒸着途中での突起処理を行い、その処理後に新たに第3蛍光体層135を再蒸着する例である。第2蛍光体層132に発生した異常成長部136が結晶成長し、第2蛍光体層表面に突起が形成される場合には、第1蛍光体層131と同様の蒸着途中での突起処理工程を行い(異常成長部136の表面136aが平坦化される)、その処理後に新たに第3蛍光体層135を再蒸着することにより、表面を平坦化することが可能となる。
このように、蛍光体層を多層にして1層当たりの蛍光体層を厚みを小さくすることにより、発生しうる異常成長部136による突起も小さくなり、より良好な蛍光体層の表面の平坦性を得ることが可能となる。ここで、本実施形態における突起処理工程は、実施形態1及び2に説明した突起処理工程のいずれの方法を用いてもよい。
すなわち、上記実施形態では、蛍光体層表面の突起部(凹凸部)を平坦化する手段として、平板を用いて上部から突起部を押し潰す場合(実施形態1)と、レーザーで突起部を溶融する場合(実施形態2)を説明してあるが、本発明はこれに限らず、例えば、回転研磨機などにより突起部を研磨して除去したり、鋭利な切断手段により突起部を切り取ったりしてもよい。また、蛍光体層表面を検査する手段として、ラインセンサーを用いた場合(実施形態2)を説明しているが、本発明はこれに限らず、光源と光センサとを組み合わせて突起部からの乱反射を光センサで読み取ったりしてもよい。
〔実施形態4〕
図7に、本発明の実施形態4による放射線検出装置の断面を示す。
実施形態4は、センサーパネル(光電変換パネル)に直接CsI:Tl(蛍光体層)を蒸着する場合(「直接蒸着タイプ」とも呼ぶ)の放射線検出装置として、本発明を実施するものである。
図7に示す放射線検出装置は、光電変換パネル100と、この光電変換パネル100上に直接蒸着して形成されるCsI:Tlからなる蛍光体層(シンチレータ)130と、この蛍光体130上に形成される、保護層114、アルミニウム薄膜よりなる反射層(図示しない)、及び保護層(図示しない)とを有する。
図7に示す光電変換パネル100は、ガラス基板101と、アモルファスシリコン(a−Si)を用いたフォトセンサー及びTFT(薄膜トランジスタ)からなる光電変換素子102が複数配されて構成された光電変換部と、光電変換部を保護する窒化シリコン等よりなる保護層104とを備えている。光電変換素子102は、フォトセンサー及びTFTを同一層で形成するものでも、互いに積層構造とするものでも、いずれでも適用可能である。
図7の上部から下部に向けて入射したX線が保護層(図示しない)、反射層(図示しない)、及び保護層114を透過し、蛍光体層130で吸収された後、蛍光体層130は可視光を発光する。この可視光は、蛍光体層130の柱状結晶中を光電変換パネル100側に進むので、拡散することなく保護層104を通過して、光電変換部の光電変換素子102に入射する。光電変換素子102では、入射した可視光が電気信号に変換され、スイッチングにより、配線部(図示しない)を通して外部に読み出される。こうして、図7に示す放射線検出装置により、入射するX線情報を2次元のデジタル画像に変換している。
上記構成において、蛍光体層130は、最初の蒸着で柱状に結晶成長したCsI:Tlからなる第1蛍光体層(CsI:Tl初期の成長部)131を有する。この第1蛍光体層131には、正常に結晶成長した正常部133のほか、異常成長部134が含まれる。この異常成長部134は、光電変換パネル100の基板101に付着した異物によって異常成長したもので、初期段階ではその表面に凹凸部である突起(図示しない)が形成される。この突起は、第1蛍光体層上に設けられた光透過性の中間層138により表面凹凸が緩和され平坦化される。このように異常成長部134の表面が中間層138によって平坦化、その中間層138上から再び蒸着を行うことによって、その上部にCsI:Tlからなる第2蛍光体層(CsI:Tl再蒸着での成長部)132がその柱径がそろった状態で成長する。
上述したように、中間層138を介して多層構造となる第1蛍光体層131及び第2蛍光体層132を形成しているため、第1蛍光体層131で発生したスプラッシュなどの異常成長部134は中間層138で成長が中断し、かつ中間層138により第2蛍光体層が成長を開始する中間層138の表面は平坦な面となるため、異常成長部134が大型化することを抑え、また第2蛍光体層132における異常成長部136の発生を低減させることができる。さらに、中間層138上に形成された第2蛍光体層132に異常成長部136が発生しても、初期からの成長となり大きく成長する前に第2蛍光体層132の蒸着が終了するので、異常成長部136が大きく成長することがない蛍光体層を形成することができる。
中間層138の厚さとしては、シンチレータのX線特性である鮮鋭度を低下させず、かつ異常成長部の突起を緩和して平坦な面を得るに必要な厚みとして最適化された厚さが必要とされる。
中間層138の厚さは、蒸着条件により異常成長部134の大きさが異なるため一概には定められないが、放射線検出装置の鮮鋭度を低下させないためには、50μm以下、好ましくは30μm以下が望ましい。そして異常成長部134による突起が50μm以下で収まる蛍光体層の厚さとしては概略100〜300μm程度が実験的に得られている。
この中間層138の材質としては、蛍光体層で発する光の波長に対し透過性がよく、かつ蛍光体層形成後のアニール工程で加えられる150〜250℃程度の温度に耐えうる耐熱性を有し、かつ凹凸面に形成しても表面が平坦になることが必要とされる。
上記特性を有している中間層138の具体的な材料としては、有機物、無機物どちらでも使用できる。例えば、有機物では、オレフィン系樹脂、特にポリパラキシリレン樹脂(例えばスリーボンド社製、商品名パリレン、以下、パリレンと記す)、またはポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等があげられる。また無機物としては、酸化珪素、窒化珪素、及び酸化チタン等が使用できる。
この中間層138の形成方法としては、熱CVD、プラズマCVD、スパッタ等の真空成膜法、及び、スピンコート、スリットコート、ディプコート等の液体コーテング法により形成することができる。
また、この中間層は、1層だけでなく、2層以上の多層で積層構成されていても良い。
また、本発明における1層の蛍光体層の厚みは、上記に述べたように、蛍光体の材料、製法により異なるが、異常成長部134,136が大きく成長しない厚さとしては、100〜300μm程度の厚みが好ましい。また蛍光体層130全体の厚さとしては、放射線を効率よく吸収しかつ鮮鋭度の低下が使用範囲内とするために概略400〜700μmが好ましい。また、蛍光体層の厚みが100μmのときに発生しうる異常成長部134,136の厚さは20μm以下であるために、中間層138は少なくとも20μmの厚さを有することが好ましい。
蛍光体層130上には、蛍光体層130を外部環境から保護するための保護層114を蛍光体層130を被覆するよう形成することが望ましい。この保護層114としては、従来公知の材料と製法が使用できる。
さらに、保護層114上に反射層(図示しない)及び反射層保護層(図示しない)を積層することで蛍光体層から発する光を効率的に光検出器に収集するため配置することが従来知られており、本発明の装置に用いることが可能である。
さらに、このようにして得られた放射線検出装置の保護層114上から異常成長部136を修復することにより、異常成長部136による突起の高さをさらに低減することができるため、さらに高い効果が得ることができる。修復の具体的な方法としては、上記特許文献3又は4に示されているのと同様に、平板やローラーにより押し潰して平坦化する方法、機械的な削除(研磨、切削)する方法、レーザー照射によって除去又は溶解する方法がある。なお、保護層115は、上述した第2蛍光体層132の異常成長部136による突起を修復した後に設けても良い。
さらに、中間層138を、第1蛍光体層131の側面まで被覆するように構成し、中間層138の材料にパリレンを用いることによって、潮解性を有する第1蛍光体層131に対して耐湿保護性を有することが可能となる。また、さらに保護層114で第2蛍光体層132の側面まで、もしくは、第1蛍光体層131、中間層138、及び第2蛍光体層132を側面まで一括して被覆するように構成し、材料として特にパリレンを用いることによって潮解性を有する第1蛍光体層131及び第2蛍光体層132に対して耐湿保護性を有することが可能となる。上記構成は、中間層138、第2蛍光体層132が複数層交互に積層された構成に対しても同様な効果を有するものである。
以下に、本実施形態における放射線検出装置の製造方法について述べる。
厚さ1.0mm、大きさ500mm角のガラス基板101である無アルカリガラス基板上に、a−SiからなるフォトセンサーとTFTとからなる光電変換素子102が複数配されて構成された光電変換部を形成し、その上にSiNxよりなる保護層104を形成して光電変換パネル110を作製した。
次に、光電変換パネル110の上に、蒸着法によって沃化セシウム(以下、CsI)と沃化タリウム(以下、TlI)を、厚さ200μmとなるように蒸着し、柱状結晶構造を有する第1蛍光体層131(CsI:Tl)を形成した。形成された第1蛍光体層131の表面に最大直径300μmの異常成長部134が発生していた。
次に、第1蛍光体層131上にパリレンを熱CVD法により15μmの厚さで形成した。さらにパリレン上に溶媒に溶融させたポリイミド樹脂をスリットコート法により塗布して乾燥、硬化して厚さが20μmとなるように形成し、パリレンとポリイミドの2層構成からなる中間層138を形成した。
次に、中間層138上に第1蛍光体層131と同様な材料、方法により第2蛍光体層132を形成し、合計厚さ約500μmの蛍光体層130を形成した。形成後、第2蛍光体層132の表面には最大で直径350μm、高さ50μmの異常成長部136が発生していたが、第1蛍光体層131で発生した位置とは異なった場所に発生し連続性は認められなかった。
上記異常成長部136は、公知例の方法の押し潰しにより異常成長部136による突起の修復を行ったところ、平面上では、ほぼ突起が認められない状態に除去することができた。
最後に、蛍光体層130の表面及び側面を被覆するように保護層114を熱CVD法により得られるパリレンにより形成し、図7に示される放射線検出装置が得られた。
〔実施形態5〕
図8に、本発明の実施形態5による放射線検出装置の断面を示す。
実施形態5は、基板にCsI:Tlを蒸着してシンチレータパネルを形成し、該シンチレータパネルを光電変換パネルに貼り合わせる場合(貼り合わせタイプ)の放射線検出装置及びその製造方法として、本発明を実施するものである。
図8に示す放射線検出装置は、光電変換パネル(センサーパネル)100及びシンチレータパネル(蛍光板)110を有する。
光電変換パネル100は、ガラス基板101と、アモルファスシリコンを用いたフォトセンサー及びTFT(薄膜トランジスタ)からなる光電変換素子102が複数配されて構成された光電変換部と、光電変換部を保護する窒化シリコン等よりなる保護層104とを備える。
シンチレータパネル110は、柱状結晶化した蛍光体よりなる蛍光体層(シンチレータ)130と、蛍光体層130を支持するための基材111と、基材111と蛍光体層130との間に配され、蛍光体層130で変換された光を光電変換パネル100側へ反射するアルミニウム薄膜よりなる反射層(図示しない)と、反射層と蛍光体層130との間に配され、蛍光体層130の成長開始面となる蛍光体下地層(図示しない)と、蛍光体層130等を外気から保護する有機樹脂よりなる保護層114とを備える。
上記光電変換パネル100とシンチレータパネル110とは、接着層120により接着される。その周囲を封止材によって封止している。ここで、解像力のばらつきを招かないようにするために、光が透過する各層の厚みを正確に制御する必要がある。特に、接着層120が厚くなりすぎないようにする必要があり、光電変換パネル100とシンチレータパネル110とは、接着層120を間に塗布した後に、全体をローラーでしごきながら、接着層120が厚くならないように接着されている。
図8の上部から下部に入射したX線が基材111、反射層(図示しない)、及び蛍光体下地層(図示しない)を透過し、蛍光体層130で吸収された後、蛍光体層130は可視光を発光する。この可視光は、蛍光体層130の柱状結晶中をセンサーパネル100側に進むので、拡散することなく、保護層114、接着層120、保護層104を通過して、光電変換部の光電変換素子102に入射する。
光電変換素子102では、入射した可視光が電気信号に変換され、スイッチングにより、配線部(図示しない)を通して外部に読み出される。こうして、図8に示す放射線検出装置により、入射するX線情報を2次元のデジタル画像に変換している。
上記構成において、蛍光体層130は、最初の蒸着で柱状に結晶成長したCsI:Tlからなる第1蛍光体層(CsI:Tlの初期の成長部)131を有する。この第1蛍光体層131には、正常に結晶成長した正常部133のほか、異常成長部134が含まれる。この異常成長部134は、蒸着時に異常成長したもので、初期段階ではその表面134aに凹凸部である突起(図示しない)が形成される。この突起は、第1蛍光体層表面に設けられた光透過性の中間層138により表面凹凸が緩和され平坦化される。このように異常成長部134の表面が中間層138によって平坦化、その中間層138上から再び蒸着を行うことによって、その上部にCsI:Tlからなる第2蛍光体層(CsI:Tl再蒸着での成長部)132がその柱径がそろった状態で成長する。
上述したように、中間層138を介して多層構造となる第1蛍光体層131及び第2蛍光体層132を形成しているため、第1蛍光体層131で発生したスプラッシュなどの異常成長部134は中間層138で成長が中断し、かつ中間層138により第2蛍光体層が成長を開始する中間層138の表面は平坦な面となるため、異常成長部134が大型化することを抑え、また第2蛍光体層132における異常成長部136の発生を低減させることができる。さらに、中間層138上に形成された第2蛍光体層132に異常成長部136が発生しても、初期からの成長となり大きく成長する前に第2蛍光体層132の蒸着が終了するので、異常成長部136が大きく成長することがない蛍光体層を形成することができる。
本実施形態の放射線検出装置は、上記のように形成された第1蛍光体層131及び第2蛍光体層132からなる蛍光体層(CsI:Tl)に保護層114を形成して全体として蛍光板110を作成した後、この蛍光板110を光電変換パネル100に貼り合わせて完成される。
中間層138の厚さとしては、シンチレータのX線特性である鮮鋭度を低下させず、かつ異常成長部の突起を緩和して平坦な面を得るに必要な厚みとして最適化された厚さが必要とされる。
中間層138の厚さは、蒸着条件により異常成長部134の大きさが異なるため一概には定められないが、放射線検出装置の鮮鋭度を低下させないためには、50μm以下、好ましくは30μm以下が望ましい。そして異常成長部134による突起が50μm以下で収まる蛍光体層の厚さとしては概略100〜300μm程度が実験的に得られている。
この中間層138の材質としては、蛍光体層で発する光の波長に対し透過性がよく、かつ蛍光体層形成後のアニール工程で加えられる150〜250℃程度の温度に耐えうる耐熱性を有し、かつ凹凸面に形成しても表面が平坦になることが必要とされる。
上記特性を有している中間層138の具体的な材料としては、有機物、無機物どちらでも使用できる。例えば、有機物では、オレフィン系樹脂、特にポリパラキシリレン樹脂(パリレン)、またはポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等があげられる。また無機物としては、酸化珪素、窒化珪素、及び酸化チタン等が使用できる。
この中間層138の形成方法としては、熱CVD、プラズマCVD、スパッタ等の真空成膜法、及び、スピンコート、スリットコート、ディプコート等の液体コーテング法により形成することができる。
また、この中間層は、1層だけでなく、2層以上の多層で積層構成されていても良い。
また、本発明における1層の蛍光体層の厚みは、上記に述べたように、蛍光体の材料、製法により異なるが、異常成長部134,136が大きく成長しない厚さとしては、100〜300μm程度の厚みが好ましい。また蛍光体層130全体の厚さとしては、放射線を効率よく吸収しかつ鮮鋭度の低下が使用範囲内とするために概略400〜700μmが好ましい。また、蛍光体層の厚みが100μmのときに発生しうる異常成長部134,136の厚さは20μm以下であるために、中間層138は少なくとも20μmの厚さを有することが好ましい。
蛍光体層130上には、蛍光体層130を外部環境から保護するための保護層114を蛍光体層130を被覆するよう形成することが望ましい。この保護層114としては、従来公知の材料と製法が使用できる。
以下に本実施形態における放射線検出装置の製造方法について述べる。
厚さ1.0mm、大きさ500mm角のガラス基板101である無アルカリガラス基板上に、a−SiからなるフォトセンサーとTFTとからなる光電変換素子102が複数配されて構成された光電変換部を形成し、その上にSiNxよりなる保護層104を形成して光電変換パネル110を作製した。
次に、厚さ0.7mm、大きさ450mm角のアモルファスカーボンからなる基材111上に、スパッタ方法によりアルミニウム薄膜を1500Å形成し反射層とした。
次に、基材111を、蒸着装置の基板ホルダーに配置し、蒸着法によって沃化セシウム(以下、CsI)と沃化タリウム(以下、TlI)を、厚さ200μmとなるように蒸着し、柱状結晶構造を有する第1蛍光体層131(CsI:Tl)を形成した。形成された第1蛍光体層131の表面に最大直径300μmの異常成長部134が発生していた。
次に、第1蛍光体層131上にパリレンを熱CVD法により15μmの厚さで形成した。さらにパリレン上に溶媒に溶融させたポリイミド樹脂をスリットコート法により塗布して乾燥、硬化して厚さが20μmとなるように形成し、パリレンとポリイミドの2層構成からなる中間層138を形成した。
次に、中間層138上に第1蛍光体層131と同様な材料、方法により第2蛍光体層132を形成し、合計厚さ約500μmの蛍光体層130を形成した。形成後、第2蛍光体層132の表面には最大で直径350μm、高さ50μmの異常成長部136が発生していたが、第1蛍光体層131で発生した位置とは異なった場所に発生し連続性は認められなかった。
上記異常成長部136は、公知例の方法の押し潰しにより異常成長部136による突起の修復を行ったところ、平面上では、ほぼ突起が認められない状態に除去することができた。
次に、蛍光体層130の表面及び側面を被覆するように保護層114を熱CVD法により得られるパリレンにより形成し、シンチレータパネル110を得た。
最後に、アクリル系接着剤からなる接着層140を用いて、光電変換パネル100とシンチレータパネル110をロールラミネータにより熱ラミネートして貼り合わせて放射線検出装置を作製した。
〔実施形態6〕
上述した実施形態4,5においては、蛍光体層130が第1蛍光体層131と第2蛍光体層132の2層の蛍光体層と、その間に設けられた中間層138により構成された例を示したが、本発明はそれに限られるものではなく、蛍光体層が3層以上で、それらの間に複数の中間層が形成された形態でもよい。本実施形態では、蛍光体層が3層で、各々の蛍光体層の間に中間層が形成された放射線検出装置について説明する。
図9に、本発明の実施形態6における放射線検出装置の断面を示す。
実施形態6は、センサーパネル(光電変換パネル)に直接CsI:Tl(蛍光体層)を蒸着する場合(「直接蒸着タイプ」とも呼ぶ)の放射線検出装置として、本発明を実施するものである。
図9に示す放射線検出装置は、光電変換パネル100と、この光電変換パネル100上に直接蒸着して形成されるCsI:Tlからなる蛍光体層(シンチレータ)130と、この蛍光体130上に形成される、保護層114、アルミニウム薄膜よりなる反射層(図示しない)、及び保護層(図示しない)とを有する。
図9に示す光電変換パネル100は、ガラス基板101と、アモルファスシリコン(a−Si)を用いたフォトセンサー及びTFT(薄膜トランジスタ)からなる光電変換素子102が複数配されて構成された光電変換部と、光電変換部を保護する窒化シリコン等よりなる保護層104とを備えている。光電変換素子102は、フォトセンサー及びTFTを同一層で形成するものでも、互いに積層構造とするものでも、いずれでも適用可能である。
図9の上部から下部に向けて入射したX線が保護層(図示しない)、反射層(図示しない)、及び保護層115を透過し、蛍光体層130で吸収された後、蛍光体層130は可視光を発光する。この可視光は、蛍光体層130の柱状結晶中を光電変換パネル100側に進むので、拡散することなく保護層104を通過して、光電変換部に入射する。光電変換部では、入射した可視光が電気信号に変換され、スイッチングにより、配線部(図示しない)を通して外部に読み出される。こうして、図9に示す放射線検出装置により、入射するX線情報を2次元のデジタル画像に変換している。
上記構成において、蛍光体層130は、最初の蒸着で柱状に結晶成長したCsI:Tlからなる第1蛍光体層(CsI:Tl初期の成長部)131を有する。この第1蛍光体層131には、正常に結晶成長した正常部133のほか、異常成長部134が含まれる。この異常成長部134は、光電変換パネル100の基板101に付着した異物によって異常成長したもので、初期段階ではその表面に凹凸部である突起(図示しない)が形成される。この突起は、第1蛍光体層上に設けられた光透過性の中間層138により表面凹凸が緩和され平坦化される。このように異常成長部134の表面が第1の中間層138によって平坦化、その第1の中間層138上から再び蒸着を行うことによって、その上部にCsI:Tlからなる第2蛍光体層(CsI:Tl再蒸着での成長部)132がその柱径がそろった状態で成長する。この第2蛍光体層132には、正常に結晶成長した正常部133のほか、異常成長部136が含まれる場合がある。この異常成長部136は、第2蛍光体層132の表面の突起の原因となる。この突起は、第2蛍光体層上に設けられた第2の中間層139により表面凹凸が緩和され平坦化される。このように異常成長部136の表面が第2の中間層139によって平坦化、その第2の中間層139上から再び蒸着を行うことによって、その上部にCsI:Tlからなる第3蛍光体層(CsI:Tl再蒸着での成長部)135がその柱径がそろった状態で成長する。
上述したように、第1の中間層138、及び第2の中間層139を介して多層構造となる第1蛍光体層131、第2蛍光体層132、及び第3蛍光体層を形成しているため、第1蛍光体層131で発生したスプラッシュなどの異常成長部134は第1の中間層138で成長が中断し、かつ第1の中間層138により、第2蛍光体層が成長を開始する第2の中間層138の表面は平坦な面となるため、異常成長部136が大型化することを抑え、また第2蛍光体層132における異常成長部136の発生を低減させることができる。さらに、中間層138上に形成された第2蛍光体層132に異常成長部136が発生しても、初期からの成長となり大きく成長する前に第2蛍光体層132の蒸着が終了するので、異常成長部136が大きく成長することがない蛍光体層を形成することができる。上記効果は、第2の中間層139及び第3蛍光体層についても同様である。
以下に、本実施形態における放射線検出装置の製造方法について述べる。
厚さ1.0mm、大きさ500mm角のガラス基板101である無アルカリガラス基板上に、a−SiからなるフォトセンサーとTFTとからなる光電変換素子102が複数配されて構成された光電変換部を形成し、その上にSiNxよりなる保護層104を形成して光電変換パネル110を作製した。
次に、光電変換パネル110の上に、蒸着法によって沃化セシウム(以下、CsI)と沃化タリウム(以下、TlI)を、厚さ175μmとなるように蒸着し、柱状結晶構造を有する第1蛍光体層131(CsI:Tl)を形成した。形成された第1蛍光体層131の表面に最大直径230μm、高さ27μmの異常成長部134が発生していた。
次に、第1蛍光体層131上にパリレンを熱CVD法により15μmの厚さで形成した。さらにパリレン上に溶媒に溶融させたポリイミド樹脂をスリットコート法により塗布して乾燥、硬化して厚さが15μmとなるように形成し、パリレンとポリイミドの2層構成からなる第1の中間層138を形成した。
次に、第1の中間層138上に第1蛍光体層131と同様な材料、方法により第2蛍光体層132を形成し、合計厚さ約175μmの蛍光体層130を形成した。形成後、第2蛍光体層132の表面には最大で直径230μm、高さ27μmの異常成長部136が発生していたが、第1蛍光体層131で発生した位置とは異なった場所に発生し連続性は認められなかった。
次に、第2蛍光体層132上にパリレンを熱CVD法により15μmの厚さで形成した。さらにパリレン上に溶媒に溶融させたポリイミド樹脂をスリットコート法により塗布して乾燥、硬化して厚さが15μmとなるように形成し、パリレンとポリイミドの2層構成からなる第2の中間層139を形成した。
次に、第2の中間層139上に第1蛍光体層131と同様な材料、方法により第3蛍光体層135を形成し、合計厚さ約175μmの蛍光体層130を形成した。形成後、第2蛍光体層132の表面には最大で直径230μm、高さ27μmの異常成長部136が発生していたが、第2蛍光体層132で発生した位置とは異なった場所に発生し連続性は認められなかった。
上記異常成長部136は、公知例の方法の押し潰しにより異常成長部136による突起の修復を行ったところ、平面上では、ほぼ突起が認められない状態に除去することができた。
最後に、蛍光体層130の表面及び側面を被覆するように保護層114を熱CVD法により得られるパリレンにより形成し、図8に示される放射線検出装置が得られた。
本発明において、蛍光体層を蒸着する保護層もしくは中間層の表面に大気圧プラズマ処理等の表面改質処理を施し、蛍光体層との密着力をさせてもよい。表面改質処理の手段は、大気圧プラズマ処理以外にUV処理、オゾン処理、低圧プラズマ処理などの方法を用いてもかまわない。
〔実施形態7〕
図10に、本発明の実施形態7において放射線検出装置を放射線検出システムとして応用した例を示す。
放射線検出装置は、上記の実施形態1〜6の放射線検出装置である。
図10において、X線チューブ6050で発生したX線6060は患者あるいは被験者6061の胸部6062を透過し、図1に示したような放射線検出装置(イメージセンサ)6040に入射する。この入射したX線には患者6061の体内部の情報が含まれている。X線の入射に対応して放射線検出装置6040の蛍光体層は発光し、これを放射線検出装置6040の光電変換部が光電変換して、電気的情報を得る。この情報はデジタルに変換され信号処理手段となるイメージプロセッサ6070により画像処理されコントロールルームに有る表示手段となるディスプレイ6080で観察できる。
また、この情報は電話回線6090等の伝送処理手段により遠隔地へ転送でき、別の場所のドクタールームなど表示手段となるディスプレイ6081に表示もしくは光ディスク等の記録手段に保存することができ、遠隔地の医師が診断することも可能である。また記録手段となるフィルムプロセッサ6100によりフィルム6110に記録することもできる。
以上、本発明は、医療用のX線センサに応用することを説明したが、非破壊検査等のそれ以外の用途に応用した場合にも有効であり、医療用X線診断装置、非破壊検査装置などの放射線撮像システム、これに用いる放射線検出装置、その製造方法、蛍光体装置、その製造方法などの用途に適用できる。
本発明の実施形態1による放射線検出装置の断面図 本発明の実施形態1による放射線検出装置の製造工程のフローを示す図 (a),(b)は、本発明の実施形態1による放射線検出置の製造工程で用いる製造装置の概略断面図 本発明の実施形態2による放射線検出装置の断面図 (a)〜(c)は、本発明の実施形態2による放射線検出装置の製造工程で用いる製造装置の概略断面図 本発明の実施形態3による放射線検出装置の断面図 本発明の実施形態4による放射線検出装置の断面図 本発明の実施形態5による放射線検出装置の断面図 本発明の実施形態6による放射線検出装置の断面図 本発明の実施形態7において放射線検出装置を放射線検出システムとして応用した例を示す模式図 従来例の放射線検出装置の断面図 従来例の放射線検出装置における突起部の凹凸が修正された状態を示す断面図 従来例の放射線検出装置における蛍光体の異常成長により形成される突起部を説明する詳細断面図
符号の説明
100…光電変換パネル(センサーパネル)
102…光電変換素子
101…ガラス基板
104…保護層
110…シンチレータパネル(蛍光板)
111…基材
112…反射層
114…保護層
115…保護層
118…保護層
120…接着層
130…蛍光体層(シンチレータ)
131…第1蛍光体層
132…第2蛍光体層
133…正常部
134…異常成長部
134a…平坦化表面
135…第3蛍光体層
136…異常成長部
136a…平坦化表面
138…中間層(第1の中間層)
139…第2の中間層
141…異物

Claims (20)

  1. 基板上に配列された複数の光電変換素子により構成された光電変換部を有するセンサーパネルと、
    前記センサーパネル上に設けられた放射線を前記光電変換素子が感知可能な光に変換するシンチレータとを含む放射線検出装置において、
    前記シンチレータは、柱状結晶構造を有するシンチレータ層の複数が積層構造を有して構成されていることを特徴とする放射線検出装置。
  2. 前記シンチレータは、少なくとも前記光電変換部が配置された領域の前記センサーパネル上に堆積された柱状結晶構造を有する第1のシンチレータ層と、前記第1のシンチレータ層上に堆積された柱状結晶構造を有する第2のシンチレータ層と、により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の放射線検出装置。
  3. 前記第1のシンチレータ層は、平坦化処理された表面を有することを特徴とする請求項2に記載の放射線検出装置。
  4. 前記シンチレータは、複数の前記シンチレータ層と、該複数のシンチレータ層の層間に設けられた光透過性の中間層と、が交互に積層構造を有して構成されることを特徴とする請求項1に記載の放射線検出装置。
  5. 前記シンチレータは、前記第1のシンチレータ層と前記第2のシンチレータ層との間に光透過性の中間層を有することを特徴とする請求項2に記載の放射線検出装置。
  6. 前記中間層は、複数の光透過性膜の積層からなることを特徴とする請求項4に記載の放射線検出装置。
  7. 請求項1〜6に記載の放射線検出装置と、
    前記放射線検出装置からの信号を画像として処理する処理手段と、
    前記処理手段からの信号を記録する記録手段と、
    前記処理手段からの信号を表示する表示手段と、
    前記処理手段からの信号を伝送する伝送手段と、
    放射線を発生する放射線源とを備えたことを特徴とする放射線検出システム。
  8. 支持部材と、
    該支持部材上に設けられた放射線を光に変換するシンチレータと、
    前記シンチレータは、柱状結晶構造を有するシンチレータ層の複数が積層構造を有して構成されていることを特徴とするシンチレータパネル。
  9. 前記シンチレータは、前記支持部材上に堆積された柱状結晶構造を有する第1のシンチレータ層と、前記第1のシンチレータ層上に堆積された柱状結晶構造を有する第2のシンチレータ層と、により構成されていることを特徴とする請求項8に記載のシンチレータパネル。
  10. 前記第1のシンチレータ層は、平坦化処理された表面を有することを特徴とする請求項9に記載のシンチレータパネル。
  11. 前記シンチレータは、複数の前記シンチレータ層と、該複数のシンチレータ層の層間に設けられた光透過性の中間層と、が交互に積層構造を有して構成されることを特徴とする請求項8に記載のシンチレータパネル。
  12. 前記シンチレータは、前記第1のシンチレータ層と前記第2のシンチレータ層との間に光透過性の中間層を有することを特徴とする請求項9に記載のシンチレータパネル。
  13. 基板上に配列された複数の光電変換素子により構成された光電変換部を有するセンサーパネルと、
    請求項8に記載のシンチレータパネルと、
    前記センサーパネルと前記シンチレータパネルを貼り合わせるための接着層とを含むことを特徴とする放射線検出装置。
  14. 基板上に配列された複数の光電変換素子により構成された光電変換部を有するセンサーパネル上に、柱状結晶構造を有する第1のシンチレータ層を堆積する第1の堆積工程と、
    前記第1のシンチレータ層上に、柱状結晶構造を有する第2のシンチレータ層を堆積する第2の堆積工程と、を有することを特徴とする放射線検出装置の製造方法。
  15. 前記第1の堆積工程の後に、前記第1のシンチレータ層の表面に存在する突起を平坦化する平坦化処理工程を有し、
    前記第2の堆積工程は、前記第1のシンチレータ層の平坦化された表面上に前記第2のシンチレータ層を堆積することを特徴とする請求項14に記載の放射線検出装置の製造方法。
  16. 前記平坦化処理工程は、前記突起を押し潰すか、又は前記突起を溶融することにより行われることを特徴とする請求項15に記載の放射線検出装置の製造方法。
  17. 前記第1の堆積工程の後に、前記第1のシンチレータ層上に光透過性の中間層を形成する工程を有し、
    前記第2の堆積工程は、前記第1のシンチレータ層上に形成された前記中間層に前記第2のシンチレータ層を堆積することを特徴とする請求項14に記載の放射線検出装置の製造方法。
  18. 支持部材上に、柱状結晶構造を有する第1のシンチレータ層を堆積する第1の堆積工程と、
    前記第1のシンチレータ層上に、柱状結晶構造を有する第2のシンチレータ層を堆積する第2の堆積工程、を有することを特徴とするシンチレータパネルの製造方法。
  19. 前記第1の堆積工程の後に、前記第1のシンチレータ層の表面に存在する突起を平坦化する平坦化処理工程を有し、
    前記第2の堆積工程は、前記第1のシンチレータ層の平坦化された表面上に前記第2のシンチレータ層を堆積することを特徴とする請求項18に記載のシンチレータパネルの製造方法。
  20. 前記第1の堆積工程の後に、前記第1のシンチレータ層上に光透過性の中間層を形成する工程を有し、
    前記第2の堆積工程は、前記第1のシンチレータ層上に形成された前記中間層に前記第2のシンチレータ層を堆積することを特徴とする請求項18に記載のシンチレータパネルの製造方法。
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