JP2003215253A - 放射線検出装置とその製造方法および放射線検出システム - Google Patents

放射線検出装置とその製造方法および放射線検出システム

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JP2003215253A
JP2003215253A JP2002014200A JP2002014200A JP2003215253A JP 2003215253 A JP2003215253 A JP 2003215253A JP 2002014200 A JP2002014200 A JP 2002014200A JP 2002014200 A JP2002014200 A JP 2002014200A JP 2003215253 A JP2003215253 A JP 2003215253A
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phosphor
radiation
layer
photoelectric conversion
phosphor layer
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Tomoyuki Tamura
知之 田村
Kazumi Nagano
和美 長野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度、高鮮鋭度、高S/N、低電気ノイ
ズ、安価な放射線検出装置を得る。 【解決手段】 放射線を光に変換する蛍光体層7と、蛍
光体層で変換された光を電気信号に変換する複数の光電
変換素子2からなる光検出器とを有する放射線検出装置
において、蛍光体層7は、大粒径な蛍光体粒子と小粒径
な蛍光体粒子を含む第1の蛍光体領域8と、小粒径な蛍
光体粒子を含む第2の蛍光体領域9とが光検出器の面に
垂直な方向に交互に配置され一体化されることで構成さ
れてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射線検出装置と
その製造方法、および放射線検出システムに関し、特
に、X線撮影などに用いられる放射線検出装置とその製
造方法、および放射線検出システムに関する。
【0002】なお、本明細書では、放射線は紫外光,可
視光,赤外光等の光、X線,α線,β線,γ線などの放
射線等を含むものである。
【0003】
【従来の技術】従来、X線蛍光体が内部に備えられた蛍
光スクリーンと両面塗布感剤とを有するX線フィルムシ
ステムが一般的にX線写真撮影に使用されてきた。しか
し、最近、X線蛍光体層と2次元光検出器とを有するデ
ジタル放射線検出装置の画像特性が良好であること、デ
ータがデジタルデータであるためネットワーク化したコ
ンピュータシステムに取り込むことによってデータの共
有化が図れる利点があることから、デジタル放射線検出
装置について盛んに研究開発が行われている。
【0004】これらデジタル放射線検出装置の中でも、
高感度で高鮮鋭な装置として、特開平5−60871号
公報に開示されているように、光検出器の各光電変換素
子に対応するように所定のピッチで基板に形成された複
数の凹部に蛍光体を埋め込んで構成された蛍光体埋め込
みパネルと複数の2次元で形成された光電変換素子及び
TFT等の電気素子が配置されている光電変換素子間隙
からなる光検出器とを、凹部と光電変換素子が対をなす
位置に貼りあわせて一体化した放射線検出装置が知られ
ている。
【0005】蛍光体埋め込みパネルに入射した放射線
は、分離した蛍光体層にて可視光に変換され、この蛍光
体層ごとに発生した可視光が検出器の各光電変換素子に
入射し電気信号に変換されることにより、この放射線検
出装置は高鮮鋭な特性を有する。
【0006】また、特開平9−61536号公報には、
放射線検出装置の光検出器の全面に蛍光体層を形成した
後に、光検出器の各光電変換素子間の蛍光体層をレーザ
ー光により溝状に除去することにより蛍光体層を柱状で
各光電変換素子に分離する手法が開示されている。こう
して製造された放射線検出装置は高鮮鋭な特性を有する
ことが知られている。
【0007】さらに、これら放射線検出装置の感度を向
上させる目的で、柱状で分離した蛍光体層の表面に、金
属薄膜による光反射膜を設ける構成が特開平9−615
36号公報において開示されている。また、その柱構造
の壁面に光反射膜を設ける方法は、蒸着方法により設け
る方法が開示されている。
【0008】しかし、上記従来技術で作製された柱状で
分離した蛍光体層の間は、未発光領域があるため、同じ
蛍光体材料、同じ厚さで形成された間隙のない蛍光体層
に比べ鮮鋭度は良好であるが感度が低くなる課題があっ
た。
【0009】また、感度を増加させるために分離した蛍
光体層厚さを大きくすることが考えられるが、蛍光体埋
め込みパネルの凹部を非常に深く作製すること、及びレ
ーザー光を蛍光体層の非常に深くまで到達させ溝を形成
することが困難であり、ある高さ以上溝の深さを大きく
できないため、感度をある程度以上大きくすることは困
難であった。
【0010】さらに、蛍光体埋め込みパネルは樹脂もし
くはガラス製であり、また上記レーザーで作製された蛍
光体層の溝は空隙であるため放射線を透過させてしま
い、その下に位置するセンサ回路や半導体素子にノイズ
発生等の悪影響を及ぼすという課題があった。
【0011】そこで、上記課題を解決するため、放射線
を光に変換する蛍光体層と、前記蛍光体層で変換された
光を電気信号に変換する複数の光電変換素子からなる光
検出器とを有する放射線検出装置において、前記蛍光体
層は、大粒径な蛍光体粒子からなる第1の蛍光体領域
と、小粒径な蛍光体粒子からなる第2の蛍光体領域とが
前記光検出器の面に垂直な方向に交互に配置され一体化
されることで構成されてなる高感度、高鮮鋭、低ノイズ
である放射線検出装置が提案されている。
【0012】この放射線検出装置は、前記公知例に比べ
光電変換素子間隙も蛍光体で充填されているため、間隙
部分も発光に大きく寄与し感度の向上が得られ、発光し
た光はほとんど間隙の両隣の素子にのみ入射するために
鮮鋭度を劣化させることなく、放射線は蛍光体により吸
収され、その下に位置するセンサ回路や半導体素子に悪
影響を及ぼすことはない。
【0013】さらに、蛍光体層は印刷製法により形成す
ることができるため、非常に安価な放射線検出装置を提
供することができるという利点がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記放
射線検出装置を作製する方法において、第1の蛍光体領
域の間隙に第2の蛍光体領域を形成する際に気泡を少な
く均一に蛍光体を詰め込むためには、製造工程を真空中
で行うことや超音波振動を加えながら蛍光体を詰め込む
等の特殊な工夫が必要であり、工程上高価な装置が必要
であった。
【0015】さらに、上記第1、第2の蛍光体領域を作
製する最も安価で容易なパターニング方法であるスクリ
ーン印刷法を用いた場合、蛍光体含有の印刷ペーストの
チキソトロピック性(ペーストに加える応力が小さい場
合には、ペースト粘度が高粘度で応力が大きい場合はペ
ースト粘度が極端に小さくなると言う性質)はその蛍光
体粒径に反比例するため、大粒径蛍光体粒子含有の印刷
ペーストを用いて印刷により柱状に蛍光体層を形成しよ
うとするとチキソトロピック性が不十分なために蛍光体
層が自重により広がり(以下、印刷だれと称する。)、
上記第1の蛍光体領域の柱状で分離した蛍光体の体積の
ばらつきが大きくなるために、蛍光体層の発光量の場所
むらが大きくなる、すなわち蛍光体層によるノイズが増
加するという問題が生じた。
【0016】そこで、本発明は、高感度で高鮮鋭な放射
線検出装置であり、製造が安価であり、かつ、蛍光体領
域の面積のばらつきが小さいため蛍光体層の発光量の場
所によるばらつきが小さい、すなわち感度のばらつきの
小さい放射線検出装置を提供する。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本願
発明の放射線検出装置は、放射線を光に変換する蛍光体
層と、前記蛍光体層で変換された光を電気信号に変換す
る複数の光電変換素子からなる光検出器とを有する放射
線検出装置において、前記蛍光体層は、前記蛍光体層を
形成する蛍光体粒子が、少なくとも平均粒径が大粒径な
蛍光体粒子と前記に比べて小粒径な蛍光体粒子からなる
蛍光体粒子を含む第1の蛍光体領域と、前記第1の領域
の大粒径な蛍光体粒子に比べて小粒径な蛍光体粒子のみ
1種類の平均粒径からなる蛍光体粒子を含む第2の蛍光
体領域とが前記光検出器の面に垂直な方向に交互に配置
され一体化されることで構成されてなることを特徴とす
る。
【0018】また、前記第1の蛍光体領域は、少なくと
も2種類の平均粒径の粒子からなる蛍光体粒子が混合さ
れた状態で形成されていることを特徴とする放射線検出
装置である。
【0019】さらに、前記第1の蛍光体領域は、少なく
とも大粒径な蛍光体粒子を含む蛍光体粒子からなる部分
と小粒径な蛍光体粒子からなる部分が光電変換素子に平
行な方向に交互に積層されていることを特徴とする放射
線検出装置である。
【0020】さらに、前記第1の蛍光体領域は前記光電
変換素子上に形成され、前記第2の蛍光体領域は前記光
電変換素子間隙上に形成されてなることを特徴とする放
射線検出装置である。
【0021】また、放射線を光に変換する蛍光体層と、
前記蛍光体層で変換された光を電気信号に変換する複数
の光電変換素子とを有する放射線検出装置の製造方法に
おいて、前記光電変換素子上に直接、第1及び第2の蛍
光体領域を形成し蛍光体層とすることを特徴とする放射
線検出装置の製造方法である。
【0022】また、放射線を光に変換する蛍光体層を有
する第1の基体と、前記蛍光体層で変換された光を電気
信号に変換する複数の光電変換素子とを有する第2の基
体とを貼り合せる放射線検出装置の製造方法であって、
各光電変換素子と前記第1の蛍光体領域とが一対一に対
応するように位置合わせした状態で前記第1の基体と前
記第2の基体とを貼り合せることを特徴とする放射線検
出装置の製造方法である。
【0023】また、放射線を光に変換する蛍光体層と、
前記蛍光体層で変換された光を電気信号に変換する複数
の光電変換素子とを有する放射線検出装置の製造方法に
おいて、前記蛍光体層は、コーティング法、特にスクリ
ーン印刷によって形成されていることを特徴とする放射
線検出装置の製造方法である。
【0024】また、本発明の放射線検出装置と前記放射
線検出装置からの信号を処理する信号処理手段と前記信
号処理手段からの信号を記録するための記録手段と、前
記信号処理手段からの信号を表示するための表示手段
と、前記信号処理手段からの信号を伝送するための伝送
処理手段と、前記放射線を発生させるための放射線源と
を具備することを特徴とする放射線検出システム。
【0025】すなわち、本発明は、前記蛍光体層を形成
する蛍光体粒子が、少なくとも大粒径な蛍光体粒子と前
記に比べて小粒径な蛍光体粒子からなる蛍光体粒子を含
む第1の蛍光体領域と、前記第1の領域の大粒径な蛍光
体粒子に比べて小粒径な蛍光体粒子のみ1種類の平均粒
径からなる蛍光体粒子を含む第2の蛍光体領域とが前記
光検出器に垂直な方向に交互に配置され一体化された蛍
光体層であるため、大粒径の蛍光体粒子を含む第1の蛍
光体領域の光の散乱係数と小粒径のみの蛍光体粒子から
なる第2の蛍光体領域での光の散乱係数が異なり、これ
らの蛍光体領域の界面において光反射を引き起こし反射
面として機能するため、蛍光体層で発生した光が散乱せ
ずに光電変換素子に導くことが可能となるため、非常に
高鮮鋭度を有する放射線検出装置等の放射線検出装置を
得ることができる。
【0026】本発明の蛍光体層は印刷製法により形成す
ることができるため、非常に安価な放射線検出装置を提
供することができ、前記第1の蛍光体領域を形成するた
めの印刷ペーストは、小粒径粒子を含んでいるために印
刷上十分なチキソトロピック性が得られ、印刷だれが非
常に小さくすることができるため、分離した大粒径蛍光
体粒子を含む蛍光体層の面積のばらつきを小さくでき、
蛍光体層の発光量の場所によるばらつきが小さい、すな
わち感度のばらつきの小さい放射線検出装置が得られ
る。
【0027】さらに、本発明の蛍光体層の前記第1の蛍
光体領域は、少なくとも大粒径な蛍光体粒子を含む蛍光
体粒子からなる部分と小粒径な蛍光体粒子からなる部分
が光電検出器に平行な方向に交互に積層され、また印刷
の際に小粒径な蛍光体粒子からなる部分は空隙率が約3
0%程度存在するため、大粒径蛍光体粒子含有の印刷ペ
ーストを用いて印刷した印刷物中の溶剤を吸収する機能
を有することができ、そのためチキソトロピック性が不
十分である大粒径蛍光体含有の印刷ペーストが自重によ
り広がりことを抑制することができ、大粒径蛍光体粒子
を含む蛍光体層の面積のばらつきが小さいため蛍光体層
の発光量の場所によるばらつきが小さい、すなわち感度
のばらつきの小さくS/Nの高い放射線検出装置であ
り、また製造する際に小粒径な蛍光体を含む印刷ペース
トを印刷する際に位置合わせの必要が無いため、パター
ン欠陥の少ない安価な放射線検出装置を提供することが
できる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面に基づいて説明する。
【0029】(実施形態1)図1は、本発明の実施形態
の放射線検出装置の断面図である。図1には、1〜4か
らなる光検出器と5〜7からなるシンチレータとを示し
ている。図2は、図1のシンチレータの断面図である。
【0030】図1において、1はガラス基板などの絶縁
性を有する光検出器用基板、2は非晶質シリコンよりな
る半導体薄膜を用いた光検知用の光電変換素子であり、
この光電変換素子間隙3には光電変換素子からの電荷の
読み出しを制御するTFT等の半導体素子が配置され、
4は光検出器内部の半導体素子を保護する半導体保護層
であり、これらによって光検出器を構成している。この
際、光電変換素子2は、それぞれ100〜200μm角
の大きさで20〜60μm程度の間隙で配置している。
【0031】また、図1,図2において、7は各光電変
換素子2に対応して放射線を光に変換する蛍光体粒子を
含む蛍光体層であり、蛍光体層7は大粒径と小粒径の粒
子からなる蛍光体を含む領域(第1の蛍光体領域)8と
小粒径粒子のみからなる蛍光体を含む領域(第2の蛍光
体領域)9とからなる。
【0032】第1の蛍光体領域8は光電変換素子2上に
配置され、第2の蛍光体領域9は光電変換素子間の間隙
上に配置されている場合最も効率的に蛍光体層から出た
光が光電変換素子に入射するため好ましいがその限りで
はない。
【0033】第1の蛍光体領域8は必ずしも光電変換素
子と一致し同一の面積である必要はないが光電変換素子
より極端に大きくなると鮮鋭度が低下し、また極端に小
さくすると光電変換素子の間隙の面積率が増えるため発
光量が小さくなるため好ましくない。
【0034】第1の蛍光体領域8の寸法としては、光電
変換素子の一辺の1/5〜4倍程度が発光量と鮮鋭度を
極端に低下させない寸法であり好ましい。
【0035】光電変換素子の間隙に配置される第2の蛍
光体領域9の幅は、素子間隙と同等程度以下であれば蛍
光体層の発光量が大きくできるが、幅が小さくなると拡
散反射が小さくなることと製造上の困難さが増すため、
これらを考慮した最適値を設計すればよいが、10μm
から50μm程度が適している。
【0036】6は蛍光体層7で変換された光を効率よく
光電変換素子2へ伝送するための光反射層であり、5は
蛍光体層と光反射層の蛍光体保護層であり、これらによ
ってシンチレータを構成している。
【0037】図3は、図1のシンチレータを拡大した断
面図である。この際、第1の蛍光体領域8は、大粒径蛍
光体粒子と小粒径蛍光体粒子の混合体からなる。
【0038】また蛍光体層7の厚みは、蛍光体の材料に
より異なるが、放射線を効率よく吸収するために概略5
0〜500μmとしている。
【0039】蛍光体粒径とその発光量の関係は、正の相
関が認められ、粒径が大きくなると発光量も増加する。
特に粒径が1μmより小さくなると、発光量は急激に低
下するため蛍光体層として使用することが困難となる。
しかし、1μm以上の範囲では、粒径と共に発光量が増
加し5μm以上では微増となる。また粒子が20μmよ
り大きくなると蛍光体粒子の製造上、蛍光体粒子に不純
物が入る割合が徐々に増加し50μmを越えると不純物
の影響により発光量が低下する。そのため本発明の大粒
径蛍光体粒子の粒径としては、5μm以上50μm以下
が望ましい。
【0040】また、印刷製法により形成する際の印刷ペ
ーストとしては、印刷上十分なチキソトロピック性が得
られるために、小粒径な蛍光体粒子を含むことが必要で
あるが、その粒子の粒径としては、5μm以下の粒径の
粒子を含むことにより印刷に必要なチキソトロピック性
を得ることができる。
【0041】以上より、光電変換素子2上に形成される
第1の蛍光体領域8の蛍光体粒子は、5μm以上で50
μm以下の範囲の平均粒径の大粒径蛍光体粒子と1μm
以上で5μm以下の範囲の平均粒径の小粒径蛍光体粒子
を含むことが望ましい。
【0042】第2の蛍光体領域9の小粒径蛍光体粒子の
平均粒径としては、第1の蛍光体領域8の平均粒径より
小さいことが拡散反射を得るため必要であり、発光とチ
キソトロピック性が得られる範囲での粒径であることが
望ましいことから1μm以上5μm以下の粒径が望まし
い。さらに、光電変換素子の寸法が100〜200μm
角であることを考慮すると第1の蛍光体領域8中の大粒
径粒子の粒径は、光電変換素子寸法より小さく、好まし
くは1/5以下であることが望ましいことから、30μ
m以下が望ましい。すなわち、第1の蛍光体領域8の蛍
光体粒子が5μm以上30μm以下及び1μm以上で5
μm以下の範囲の平均粒径の粒子を含むこと、第2の蛍
光体領域9の蛍光体粒子が、1μm以上5μm以下であ
ることが望ましい。
【0043】光反射層5は、X線吸収の少ない光反射性
金属薄膜または光反射性微粒子が含有された樹脂フィル
ムが使用できるが、高い鮮鋭度を得るためには光反射性
微粒子が透明性の良い樹脂中に分散された樹脂フィルム
からなる光反射層の方が好ましく、さらには上記光反射
性微粒子として蛍光体粒子を使用すればX線により発光
をするため感度が向上し好ましい。光反射層5の光反射
性微粒子と透明樹脂との光学特性として、光反射性微粒
子と透明樹脂との屈折率差が大きく、透明樹脂の光吸収
率が小さいことが望ましい。
【0044】また、半導体保護層4は、透過率が大きく
なる厚さであれば良いが、できるだけ薄い方が、輝度、
鮮鋭度を高めることができるために好ましいので、ここ
では概略20μm以下としている。
【0045】また、蛍光体保護層5は蛍光体層7の保護
ができX線吸収が小さければどのような材料、形体でも
よいが、製造の容易性を考慮すると、樹脂フィルムが好
ましい、さらに光反射層6を兼ねていてもよい。
【0046】蛍光体層7は、例えば以下のように作製さ
れる。まずCaWO、GdS:Tb、BaSO
:Pb等の蛍光体材料からなる蛍光体粒子に透明樹
脂、溶剤及び必要に応じて分散剤、消泡剤等の添加剤を
加え混合し、蛍光体塗布液を作製する。
【0047】ここで、蛍光体塗布液に混合されている有
機材料としては、コーティング又はスクリーン印刷で使
われている有機材料が使用でき、バインダー樹脂として
は、ニトロセルロース、酢酸セルロース、エチルセルロ
ース、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、
ポリエステル、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリル樹
脂、ポリウレタン等の樹脂もしくは、これら樹脂のモノ
マーが使用できる。
【0048】さらに、有機溶剤としては、例えばメタノ
ール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコ
ール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、
酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステル類、トルエン、キ
シレン等の環状炭化水素類、ブチルカルビトール、テル
ピネオール等の有機溶剤及び水が使用できる。
【0049】さらにまた、ジブチルフタレート、ジオク
チルフタレート等のフタル酸エステルからなる可塑剤を
加えても良い。さらに蛍光体粉分散性改良効果、消泡効
果、チキソ性効果を付与するための添加剤を加えても良
い。
【0050】第1の蛍光体領域8を形成するための蛍光
体塗布溶液中の蛍光体、バインダー、溶剤の割合は、コ
ーティング方法により異なるが、例えば印刷製法を用い
た場合には下記割合で混合することにより印刷適性がよ
い塗布溶液が得られる。
【0051】 蛍光体 100重量部 バインダー 2〜20重量部 溶剤 20〜100重量部 その後、この塗布液を光検出器上に、印刷手法、例えば
凸版印刷、平板印刷、凹版(グラビア)印刷、スクリー
ン印刷、等により光電変換素子パターンと同形状にパタ
ーン印刷することにより第1の蛍光体領域8を形成でき
る。位置精度が良く、蛍光体塗布液を厚く塗ることがで
きる方法としては、スクリーン印刷が最も適している。
【0052】また、他の方法として、光検出器上に蛍光
体を全面に形成し、その後、光電変換素子2以外の領域
上に形成された蛍光体をレーザー光等により除去する事
により第1の蛍光体領域8を形成することも可能であ
る。
【0053】つぎに、第1の蛍光体領域8の間隙に、第
2の蛍光体領域9を形成する方法を以下に説明する。ま
ず、上述と粒径のみ異なる蛍光体粒子に透明樹脂、溶剤
及び必要に応じて可塑剤、分散剤、消泡剤等の添加剤を
加え混合し、第2の蛍光体領域9の塗布液とする。
【0054】この塗布液を上述の光検出器上に形成され
た第1の蛍光体領域の間隙に、印刷手法、例えば凸版印
刷、平板印刷、凹版(グラビア)印刷、スクリーン印
刷、等によりパターン印刷することにより第2の蛍光体
領域9を形成できる。印刷後にこれを乾燥または硬化さ
せて、溶液中の溶剤を蒸発させることにより、第2の蛍
光体領域9が形成され第1の蛍光体領域8と一体化され
蛍光体層7が形成できる。また、一回のコーティングと
乾燥だけで、第1の蛍光体領域8の間隙を十分埋めるこ
とがができない場合には、複数回のコーティングと硬化
または乾燥とを繰り返し行えばよい。
【0055】上述の第1の蛍光体領域の印刷と第2の蛍
光体領域の印刷とを繰り返し行い所望の厚さの蛍光体層
を得ることができる。
【0056】光反射層6は、金属薄膜、例えばアルミニ
ウム、金、チタン、ニッケル、白金、パラジウム等の単
一金属またはそれらの合金をスパッタ、蒸着等の成膜方
法により形成できる、または、高屈折率である、金、
銀、チタン、アルミニウム、白金、パラジウム等の金
属、もしくはこれらの合金からなる微粒子、酸化珪素、
酸化チタン、酸化アルミニウム等の金属酸化物微粒子に
バインダーとして透明樹脂材料を混合した材料をコーテ
ィング法により形成してもよい。上記透明樹脂として
は、特にニトロセルロース、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルブチラール、アクリル樹脂は透明性が良いため
好ましい。光反射層6の光反射性微粒子用バインダー樹
脂材料としては、さらに、低粘度という点から上記透明
樹脂のモノマー、オリゴマーまたはプレポリマー、さら
に蛍光体層との密着を考慮するとこれら蛍光体層に使用
しているバインダー樹脂のモノマー、オリゴマーまたは
プレポリマーがさらに好ましい。これら材料をコーティ
ング後に重合または架橋させ光反射層6を形成すること
ができる。また光反射層6は第2の蛍光体領域の材料を
用いてコーティングにより形成することで密着性の良い
光反射層が得られる。
【0057】上記のように形成された蛍光体層7及び光
反射層6の上に蛍光体保護層5を形成することで本実施
形態の放射線検出装置が製造される。
【0058】蛍光体保護層5は、X線吸収の小さい材料
であれば使用でき、樹脂フィルム、例えばポリエステル
フィルム、塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフィ
ルム等、もしくはガラス等の無機基板等、もしくはアル
ミニウム等の金属が使用できる。
【0059】なお、蛍光体保護層5は、必ずしも形成す
ることが必須でなく、光反射層6が蛍光体保護層5を兼
ねてもよい。
【0060】(実施形態2)図4は、本発明の他の実施
例を示す図1のシンチレータを拡大した断面図である。
この際、第1の蛍光体領域8は、少なくとも大粒径蛍光
体粒子からなる層10と小粒径蛍光体粒子からなる層1
1の積層体からなる。
【0061】図4を構成する蛍光体粒子等の材料は、図
3を構成する材料と同じでも良いし、第1の蛍光体層に
おいて大粒径蛍光体粒子のみからなる材料を用いても良
い。製造方法は、実施形態1と同じように第1の蛍光体
領域8を形成した後、第2の蛍光体領域9を形成するた
めの印刷ペーストを印刷することにより形成するが、第
2の蛍光体層用材料を第1の蛍光体領域8の間隙部分だ
けではなく全面にベタで印刷することが実施形態1との
相違点である。
【0062】その後、第1の蛍光体層の塗布と第2の蛍
光体層の塗布を繰り返し所定の膜厚が得られるまで行う
ことにより図4のシンチレータを作製することができ
る。
【0063】(実施形態3)図5は、本発明の他の実施
形態を示す図である。12は実施例1,2の蛍光体層7
の下面に配置した下面蛍光体保護層、13は下面蛍光体
保護層12と半導体保護層4とを接続する接着層であ
る。なお、図5において、図1と同一構成部材には同一
符号を付している。
【0064】ここで、接着層13及び下面蛍光体保護層
12は、透過率が大きくなる厚さであれば良いが、でき
るだけ薄い方が、輝度、鮮鋭度を高めることができるた
めに好ましいので、ここでは概略20μm以下としてい
る。
【0065】図5に示す放射線検出装置は、以下のよう
にしてシンチレータを作製する。すなわち、蛍光体保護
層5上に、必要に応じて光反射層6を形成し、該光反射
層6上に蛍光体層7を形成し、光透過性の高い樹脂フィ
ルム、例えばポリエステルフィルム、塩化ビニルフィル
ム、ポリカーボネートフィルム等もしくはガラス等の無
機基板等の下面蛍光体保護層12を貼り合わせシンチレ
ータとする。その後、蛍光体層7の第1の蛍光体領域8
と各光電変換素子2を位置合わせした状態で、接着層1
3を介してシンチレータと光検出器とを接続する。
【0066】図5に示す放射線検出装置の第2の蛍光体
領域9をコーティング方法で形成した場合には、第2の
蛍光体領域9の塗布液が第1の蛍光体領域8の間隙のみ
ならず上面、すなわち、蛍光体層7の下面蛍光体保護層
12側にも薄く形成されることになる。この状態で第2
の蛍光体領域9の塗布液を乾燥または硬化させて、下面
蛍光体保護層12を形成すると、蛍光体層7の下面蛍光
体保護層12側に形成される小粒径蛍光体部と同じ材料
からなる層が反射層の役割をして、蛍光体層7で発生し
た光の光電変換素子2への到達量が少なくなり、鮮鋭度
も低下してしまうため、必ずしも必須ではないがこの部
分を除去することでより特性のよい放射線検出装置を得
ることができる。
【0067】蛍光体層7の上面に形成された、第2の蛍
光体領域9と同じ材料からなる層を除去する方法は、機
械的に削り取る方法もしくは化学的に溶解して除去する
方法がある。機械的に削り取る方法では、削り取られた
第2の蛍光体領域9の材料が粉状に周囲に散乱する。こ
の第2の蛍光体領域9材料の粉が蛍光体層に付着するの
を防止するには、第2の蛍光体領域9の樹脂のみを溶解
する溶剤により蛍光体層の上面の第2の蛍光体領域9材
料を除去する方法の方が望ましい。
【0068】具体的方法としては、放射線検出装置をス
ピンコーターに乗せて回転させながら、その上から第2
の蛍光体領域9の樹脂のみを溶解する溶剤を滴下するこ
とで均一に所定の除去ができる。
【0069】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面に基づ
いて説明する。
【0070】(実施例1)図1、図2及び図3に示す放
射線検出装置の作製方法を以下に述べる。
【0071】厚さ1.0mmの光検出器用基板1である
無アルカリガラス基板上に、非晶質シリコン光電変換素
子2とTFT等の電気素子からなる光電変換間隙を形成
し、その上にSiNxよりなる半導体保護膜3を形成し
て光検出器を作製した。
【0072】第1の蛍光体領域8用の塗布溶液として平
均粒径20μmのGdS:Tbを70重量部、平
均粒径3μmのGdS:Tbを30重量部、エチ
ルセルロース3重量部、テルピネオール20重量部、キ
シレン10重量部をサンドミルで混合、分散し塗布溶液
を作製した。
【0073】次に印刷用スクリーン版として、版枠55
0mm角、パターンエリア230mm角、開口パターン
のピッチ160μm、開口パターンの大きさ120μm
角の寸法で板厚40μmからなるニッケル製スクリーン
版(商品名 メタル箔マスク:ソノコム株式会社製)を
用意した。
【0074】上記塗布溶液とスクリーン版とを用いて、
印刷装置(MT−550TV:マイクロテック社製)に
て印刷を行い、各光検出器の光電変換素子2に一致して
第1の蛍光体領域8を形成した。スクリーン印刷条件と
しては、スキージスピード100mm/sec、印圧
2.0kg/cm、乾燥条件としては、80℃、3分で
作製を行った。パターンの寸法130μm角、膜厚35
μmの印刷パターンが得られた。
【0075】次に、第2の蛍光体領域9用の塗布溶液と
して平均粒径3μmのGdS:Tbを100重量
部、エチルセルロース3重量部、テルピネオール20重
量部、キシレン10重量部をサンドミルで混合、分散し
塗布溶液を作製した。
【0076】印刷用スクリーン版として、版枠550m
m角、パターンエリア230mm角、ピッチ160μ
m、幅35μmの格子状のパターン(印刷物が上記第1
の蛍光体領域の間隙を埋めるようなパターン)で325
メッシュ、線径16μmからなるステンレスメッシュ版
(商品名 SS325−16:ソノコム株式会社製)を
用意した。
【0077】上記塗布溶液とスクリーン版とを用いて、
印刷装置(MT−550TV:マイクロテック社製)を
用いて、上記第1の蛍光体領域の間隙に塗布溶液を充填
するように印刷を行い、第2の蛍光体領域9を形成し
た。スクリーン印刷条件、乾燥条件は、上記と同じであ
る。一層の乾燥後の厚さは12μmであるため3回の重
ね刷り印刷を行うことで35μm厚みの第2の蛍光体領
域9を得ることができ、上記第1の蛍光体領域と同じ厚
さであるため概略平坦な厚さ35μmの蛍光体層7を得
た。
【0078】第1の蛍光体領域と第2の蛍光体領域がそ
れぞれ重なるように位置合わせしながら上記工程を10
回繰り返し行うことにより厚さ350μmの蛍光体層7
を得ることができた。
【0079】最後に、蛍光体層6を保護と光反射層5を
兼ねて上記蛍光体層の上に200μm厚みの白顔料混合
したポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製;
商品名 ルミラーE22)を、蛍光体保護層5として熱
ラミネートすることによって、放射線検出装置を製造し
た。
【0080】(実施例2)図1、図2及び図3に示す放
射線検出装置の作製方法を以下に述べる。
【0081】厚さ1.0mmの光検出器用基板1である
無アルカリガラス基板上に、非晶質シリコン光電変換素
子2とTFT等の電気素子からなる光電変換間隙を形成
し、その上にSiNxよりなる半導体保護膜3を形成し
て光検出器を作製した。
【0082】第1の蛍光体領域8用の塗布溶液として平
均粒径20μmのGdS:Tbを70重量部、平
均粒径3μmのGdS:Tbを30重量部、エチ
ルセルロース10重量部、テルピネオール20重量部、
キシレン10重量部をサンドミルで混合、分散し塗布溶
液を作製した。
【0083】次に印刷用スクリーン版として、版枠55
0mm角、パターンエリア230mm角、開口パターン
のピッチ160μm、開口パターンの大きさ120μm
角の寸法で板厚40μmからなるメタル版(商品名 メ
タル箔マスク:ソノコム株式会社製)を用意した。
【0084】上記塗布溶液とスクリーン版とを用いて、
印刷装置(MT−550TV:マイクロテック社製)に
て印刷を行い、各光検出器の光電変換素子2に一致して
第1の蛍光体領域8を形成した。スクリーン印刷条件と
しては、スキージスピード100mm/sec、印圧
2.0kg/cm、乾燥条件としては、80℃、3分で
作製を行った。パターンの寸法130μm角、膜厚35
μmの印刷パターンが得られた。
【0085】次に、第2の蛍光体領域9用の塗布溶液と
して平均粒径3μmの蛍光体粒子を100重量部、ポリ
ビニルアルコール5重量部、純水110重量部、イソプ
ロピルアルコール10重量部をサンドミルで混合、分散
し塗布溶液を作製した。
【0086】この第2の蛍光体領域9用の塗布溶液をド
クターブレードコーターにより大粒径蛍光体部7の上に
塗布した。その後、80℃、3分の乾燥を行った。3回
繰り返しコーティングと乾燥を行うことで、光電変換素
子の間隙および第1の蛍光体領域8を覆い厚さ50μm
の平坦な面の蛍光体層を形成できた。
【0087】第1の蛍光体領域と第2の蛍光体領域がそ
れぞれ重なるように位置合わせしながら上記工程を7回
繰り返し行うことにより厚さ350μmの蛍光体層7を
得ることができた。
【0088】最後に、蛍光体層6を保護と光反射層5を
兼ねて上記蛍光体層の上に200μm厚みの白顔料混合
したポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製;
商品名 ルミラーE22)を、蛍光体保護層5として熱
ラミネートすることによって、放射線検出装置を製造し
た。
【0089】(実施例3)図3に示すように、光検出器
用基板1である無アルカリガラス基板上に、非晶質シリ
コンを有する光電変換素子2とTFT等の電気素子から
なる光電変換間隙を形成し、その上にSiNxよりなる
半導体保護膜3を形成することによって、光検出器を作
製した。
【0090】一方、厚さ2mmのアモルファスカーボン
基板製の上面蛍光体保護層4上に、スパッタリングによ
り0.3μmの金薄膜を形成し光反射層5とした。
【0091】次に、その上に第1の蛍光体領域と第2の
蛍光体領域を実施例1と同様に形成した。
【0092】さらに、蛍光体層7を保護するために、蛍
光体層7の上に6μm厚みのポリエチレンテレフタレー
トフィルムからなる下面保護層12をラミネートして、
シンチレータとした。
【0093】蛍光体層7を含むシンチレータと光検出器
とを位置合わせを行い、図5に示す構成になるように、
接着層13であるアクリル系接着剤(協立化学社製;商
品名ワールドロックNO.XSG−5)により接続し
て、放射線検出装置を製造した。
【0094】上記、実施例1〜3で作製したシンチレー
タの断面を走査型顕微鏡により観察した結果、印刷だれ
は発生していないことが確認でき、第1の蛍光体領域と
第2の蛍光体領域の面積のばらつきは非常に小さいこと
が確認できた。
【0095】(比較例)実施例1における第1の蛍光体
領域8用の塗布溶液の組成を、平均粒径20μmのGd
S:Tbを100重量部、エチルセルロース3重
量部、テルピネオール20重量部、キシレン10重量部
をサンドミルとした以外、他は実施例1と同じように放
射線検出装置を作製した。
【0096】以上のように作製した放射線検出装置の特
性を測定した結果を表1に示す。ここで感度ばらつきは
感度の場所による標準偏差を示す、また感度は比較例を
10000とした。
【0097】
【表1】
【0098】表1より、蛍光体の発光量の場所によるば
らつきが減少したことにより、感度ばらつきが減少し、
感度/感度ばらつきで計算したS/Nは、比較例に比べ
大きな値を得ることができた。
【0099】次に、本発明による放射線検出装置を用い
たX線検出システムについて説明する。
【0100】図6は本発明による放射線検出装置のX線
診断システムへの応用例を示したものである。
【0101】X線チューブ6050で発生したX線60
60は患者あるいは被験者6061の胸部6062を透
過し、シンチレータを上部に実装した光電変換装置60
40(放射線検出装置)に入射する。この入射したX線
には患者6061の体内部の情報が含まれている。X線
の入射に対応してシンチレータは発光し、これを光電変
換して、電気的情報を得る。この情報はデジタルに変換
されイメージプロセッサ6070により画像処理され制
御室のディスプレイ6080で観察できる。
【0102】また、この情報は電話回線6090等の伝
送処理手段により遠隔地へ転送でき、別の場所のドクタ
ールームなどディスプレイ6081に表示もしくは光デ
ィスク等の記録手段に保存することができ、遠隔地の医
師が診断することも可能である。またフィルムプロセッ
サ6100等の記録手段によりフィルム6110に記録
することもできる。
【0103】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、蛍光体
層が大粒径な蛍光体粒子と小粒径な蛍光体粒子からなる
蛍光体層と小粒径な蛍光体粒子からなる蛍光体層が光検
出器の面に垂直な方向に交互に配置され一体化された蛍
光体層であるため、蛍光体層の製造上発生する場所によ
る体積のばらつきが減少し放射線検出装置の感度ばらつ
きが減少しS/Nが向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の放射線検出装置の断面図
である。
【図2】図1の蛍光体層の上面図である。
【図3】図1の断面図のシンチレータ部分の拡大図であ
る。
【図4】本発明の実施形態2の放射線検出装置の断面図
のシンチレータ部分の拡大図である。
【図5】本発明の実施形態3の放射線検出装置の断面図
である。
【図6】本発明による放射線検出装置のX線診断システ
ムへの応用例を示したものである。
【符号の説明】
1 光検出器用基板 2 光電変換素子 3 光電変換素子間隙 4 半導体保護層 5 蛍光体保護層 6 光反射層 7 蛍光体層 8 第1の蛍光体領域 9 第2の蛍光体領域 10 大粒径蛍光体部 11 小粒径蛍光体部 12 下面蛍光体保護層 13 接着層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G088 EE01 FF02 FF04 FF05 FF06 GG19 JJ05 JJ09 JJ37 4M118 AA10 AB01 BA05 CA14 CB11 FB03 FB09 FB13 GA10

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射線を光に変換する蛍光体層と、前記
    蛍光体層で変換された光を電気信号に変換する複数の光
    電変換素子からなる光検出器とを有する放射線検出装置
    において、 前記蛍光体層は、前記蛍光体層を形成する蛍光体粒子
    が、少なくとも大粒径な蛍光体粒子と前記に比べて小粒
    径な蛍光体粒子からなる蛍光体粒子を含む第1の蛍光体
    領域と、前記第1の領域の大粒径な蛍光体粒子に比べて
    小粒径な蛍光体粒子からなる第2の蛍光体領域とが前記
    光検出器の面に垂直な方向に交互に配置され一体化され
    ることで構成されてなることを特徴とする放射線検出装
    置。
  2. 【請求項2】 前記第1の蛍光体領域は、少なくとも平
    均粒径が大粒径な蛍光体粒子と前記に比べて小粒径な蛍
    光体粒子からなる蛍光体粒子が混合された状態で形成さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載の放射線検出
    装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の蛍光体領域は、少なくとも大
    粒径な蛍光体粒子を含む蛍光体粒子からなる部分と小粒
    径な蛍光体粒子からなる部分が光検出器に平行な方向に
    交互に積層されていることを特徴とする請求項1に記載
    の放射線検出装置。
  4. 【請求項4】 前記蛍光体層は、少なくとも蛍光体粒子
    と有機材料とを含んでいることを特徴とする請求項1か
    ら3のいずれか1項に記載の放射線検出装置。
  5. 【請求項5】 前記大粒径な蛍光体粒子の平均粒径が5
    μm以上50μm以下、前記小粒径の蛍光体粒子の平均
    粒径が1μm以上5μm未満であることを特徴とする請
    求項1から4のいずれか1項に記載の放射線検出装置。
  6. 【請求項6】 前記蛍光体層の上部に、光反射層を形成
    することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に
    記載の放射線検出装置。
  7. 【請求項7】 前記第1の蛍光体領域は前記光電変換素
    子上に形成され、前記第2の蛍光体領域は前記光電変換
    素子間隙上に形成されてなることを特徴とする請求項1
    から6のいずれか1項に記載の放射線検出装置。
  8. 【請求項8】 放射線を光に変換する蛍光体層と、前記
    蛍光体層で変換された光を電気信号に変換する複数の光
    電変換素子からなる光検出器とを有する放射線検出装置
    の製造方法において、 前記光電変換素子上に直接、第1及び第2の蛍光体領域
    を形成し、前記蛍光体層とすることを特徴とする請求項
    1から7のいずれか1項に記載の放射線検出装置の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 放射線を光に変換する蛍光体層を有する
    第1の基体と、前記蛍光体層で変換された光を電気信号
    に変換する複数の光電変換素子からなる光検出器とを有
    する第2の基体とを貼り合せる放射線検出装置の製造方
    法であって、 各光電変換素子と前記第1の蛍光体領域とが一対一に対
    応するように位置合わせした状態で前記第1の基体と前
    記第2の基体とを貼り合せることを特徴とする請求項1
    から7のいずれか1項に記載の放射線検出装置の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 前記蛍光体層がコーティング法によっ
    て形成されていることを特徴とする請求項1から7のい
    ずれか1項に記載の放射線検出装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記コーティングがスクリーン印刷で
    あることを特徴とする請求項10に記載の放射線検出装
    置の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1から7のいずれか1項に記載
    の放射線検出装置と、 前記放射線検出装置からの信号を処理する信号処理手段
    と、 前記信号処理手段からの信号を記録するための記録手段
    と、 前記信号処理手段からの信号を表示するための表示手段
    と、 前記信号処理手段からの信号を伝送するための伝送処理
    手段と、 前記放射線を発生させるための放射線源とを具備するこ
    とを特徴とする放射線検出システム。
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