JP2015175730A - 放射線検出装置の修復方法及び製造方法、並びに撮像システム - Google Patents
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Abstract
【課題】発光が異常な異常部を含まないシンチレータ層を有する放射線検出装置の製造に有利な技術を提供する。【解決手段】 シンチレータ層に発光が異常な異常部を含む放射線検出装置の修復方法は、前記異常部を含む前記シンチレータ層の一部を除去する除去工程と、前記一部を除去することによって形成された前記シンチレータ層の欠損部にシンチレータ粒子、バインダー及び該バインダーの溶媒を含むペーストを充填する充填工程と、前記充填されたペーストを平坦化する平坦化工程と、前記ペーストを加熱して前記ペースト中の前記溶媒を除去する加熱工程と、を含む。【選択図】図3
Description
本発明は、放射線検出装置の修復方法及び製造方法、並びに撮像システムに関する。
従来のX線を検出するX線検出器に用いられるシンチレータ層として、ヨウ化セシウム、酸硫化ガドリニウム(GOS)が挙げられる。GOSシンチレータ層とフォトダイオードアレイを貼合わせたX線検出器は、比較的低コストであるが、中間層が介在することにより、光伝達効率が低下するといった問題がある。そのため、フォトダイオードアレイ上にGOSシンチレータ層を直接塗布することにより中間層を介さないで光伝達効率を向上させる直接塗布構成が検討されている。
特許文献1では、有機バインダー中に分散させたシンチレータの微粒子を含むシンチレータ層を光検出器の受光面に塗布されたX線検出器とその製造方法が提案されている。また、特許文献2では、感圧接着剤を含む結合剤組成物中に分散された、発光する粒子状の材料を含むシンチレータ素子と、フォトセンサのアレイとを備えたデジタルX線撮影用検出器が提案されている。前記シンチレータ素子が、前記フォトセンサのアレイ、又は、前記フォトセンサのアレイに光を導く光ファイバアレイのいずれかに、直接接着され且つ光学的に接触していることを特徴としている。
GOSシンチレータに代表されるシンチレータ粒子を含むシンチレータをスリットコートなどで直接センサパネルに塗布して形成した場合、形成されたシンチレータ層の一部に異常部が発生する場合がある。この異常部の形成要因としては、基板上に存在していた異物、あるいは塗布直後のシンチレータ層に付着した異物や、シンチレータ粒子の凝集などが挙げられる。異物またはシンチレータ粒子の凝集による異常部がシンチレータ層に存在すると、異常部で発光しなかったり、異常発光が生じたりすることがある。このような異常部が発生した場合には、従来技術では、シンチレータ層全体を剥離してシンチレータを再塗布していた。その結果、従来技術では、シンチレータ層全体の剥離とシンチレータの再塗布に伴うコスト増が生じていた。
そのため、シンチレータの膜全体を剥離せずに、異常部のみを部分的に修復する方法の確立が望まれていた。
本発明は、発光が異常な異常部を含まないシンチレータ層を有する放射線検出装置の製造に有利な技術を提供することを目的とする。
本発明の1つの側面は、光を検出するセンサ部を含むセンサパネルと、入射した放射線を光に変換するシンチレータ粒子及びバインダーを含み前記センサパネルの上に配置されたシンチレータ層と、を備え、前記シンチレータ層に発光が異常な異常部を含む放射線検出装置の修復方法であって、前記異常部を含む前記シンチレータ層の一部を除去する除去工程と、前記一部を除去することによって形成された前記シンチレータ層の欠損部にシンチレータ粒子、バインダー及び該バインダーの溶媒を含むペーストを充填する充填工程と、前記充填されたペーストを平坦化する平坦化工程と、前記ペーストを加熱して前記ペースト中の前記溶媒を除去する加熱工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、発光が異常な異常部を含まないシンチレータ層を有する放射線検出装置の製造に有利な技術を提供することができる。
以下、本発明の放射線検出装置の製造方法について、図面を参照しながら説明する。図1は放射線検出装置の断面図である。図1の(a)に示すように、基板106の上に光を検出する複数の光電変換素子(センサ部)105を有するセンサパネル103上に、センサ保護層104を介してシンチレータ層(蛍光体層)100が配置されている。シンチレータ層100は、シンチレータ(蛍光体)粒子101とそのバインダー102とを含む。
図1の(b)に示すように、シンチレータ層100の上には、絶縁層111、反射層110が形成されている。絶縁層111は、反射層110とシンチレータ層100との間で電気化学的腐食が発生することを抑制するものであり、ポリパラキシリレン等の有機絶縁材料やSiO2等の無機絶縁材料が使用されうる。反射層110は、シンチレータ層100で発生した光をセンサパネル103側に反射させるものであり、銀、Al等の高い光反射率と高い放射線透過率の材料が使用されうる。反射層110、絶縁層111、シンチレータ層100は、粘着層109を介してシンチレータ保護層108によって基板106上に封止されてシンチレータパネル107を構成する。シンチレータ保護層108は、シンチレータ層100を外部環境、特に湿度から保護するものであり、エポキシ樹脂、アクリル系樹脂等の水分透過率の低い材料が使用されうる。センサパネル103上には、フレキシブル配線板等の外部配線112が設置される。
シンチレータ粒子101の材料としては、賦活剤として微量のテルビウム(Tb)が添加された酸硫化ガドリニウム(GOS:Tb)を用いる。本発明ではシンチレータ層100を形成するシンチレータ粒子101の粒径は25μm以下、かつ粒度分布中央値が2μm以上12μm未満であることが望ましい。またシンチレータ層100を形成するシンチレータは、耐湿性や発光効率、熱プロセス耐性、残光性といった点から、一般式Me2O2S:Reで示される金属酸硫化物であることが望ましい。ここで、MeはLa、Y、Gdのいずれか、またReはTb、Sm、Eu、Ce、Pr、Tmの少なくとも1つである。
更にシンチレータ層100を形成するバインダー102は、光電変換素子の耐湿保護といった観点から、有機溶媒に溶解するものが使用される。例えば、後段のプロセスでベークアウトする必要がないため有機溶媒に可溶でかつチクソトロピックな特性を有するセルロース系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルブチラール溶剤系グレードなどのポリビニルアセタール系樹脂が使用される。セルロース系樹脂としては、エチルセルロース、ニトロセルロースが、アクリル系樹脂としては、ポリメチルメタアクリレートが使用される。またバインダー102は、2種類以上の組み合わせであっても構わない。バインダー102がシンチレータ粒子101を覆う膜厚が薄すぎると、接着面積が小さくなり、その分接着力も小さくなってしまう。そのため、バインダー102の膜厚は、少なくとも0.005μmが必要である。しかし、バインダー102の膜厚が大きすぎると、シンチレータ粒子101間を通って移動する光を遮断し、感度を低下させてしまう。したがって、接着力、感度の両面から、有効画素領域上に分布しているシンチレータ層100中におけるバインダー102の膜厚が決定される。センサパネル103は、基板106に形成されたセンサ部105を保護するセンサ保護層104を含みうる。
シンチレータ層100の製造方法について以下に説明する。まず、図2の(a)に示されるようにセンサ部105が形成された基板106の上にポリイミドからなる保護膜材料を塗布しこれを200℃で硬化させることによってセンサ保護層104を形成する。続いて、図2の(b)に示されるように、センサ保護層104の上に粒子状のシンチレータ層100を形成する。シンチレータ層100を形成する場合には、溶媒にバインダー102を溶かしたビヒクルにシンチレータ粒子101を混合し、分散させたシンチレータペーストを作製し、シンチレータペーストを真空脱泡する。シンチレータ層100をGOSの堆積層で形成する場合には、例えば、溶媒としてブチルカルビトールアセテートとターピネオールとの共溶媒を、バインダー102としてポリビニルブチラールを使用し得る。ビヒクルを構成するバインダー102と溶媒との組み合わせの例を、表1に示す。その後、スリットコーターにてシンチレータペーストを塗工して溶媒を130℃で乾燥することによって除去してシンチレータ層100を形成する。
このようにして形成されたシンチレータ層100に発光が異常な異常部が存在する場合に、シンチレータ層100の異常部113,114を含むシンチレータ層の一部を除去してシンチレータ層100を修復する修復方法について図3〜7を用いて以下説明する。図3〜7において、工程(b)〜(c)は、異常部を含むシンチレータ層の一部を除去する除去工程である。工程(e)、(i)は、異常部が除去された欠損部100’にシンチレータのペースト(第2ペースト)116を充填する充填工程である。ペースト116は、シンチレータ粒子、バインダー及びバインダーの溶媒を含む。工程(g)は、ペースト116が充填された欠損部100’の表面Sを平坦化する平坦化工程である。工程(h)は、充填されたペーストを加熱してペースト116中の溶媒を除去する加熱工程である。
<実施例1>
図3を用いて実施例1の修復方法について詳細に説明する。図3の(a)は上述の通りに作製したシンチレータ層100中に異物113あるいはシンチレータ粒子の凝集体114を有する放射線検出装置の断面図である。センサ部(複数の光電変換素子)105を有する基板106上にセンサ保護層104を介してシンチレータ層100が形成されている。
図3を用いて実施例1の修復方法について詳細に説明する。図3の(a)は上述の通りに作製したシンチレータ層100中に異物113あるいはシンチレータ粒子の凝集体114を有する放射線検出装置の断面図である。センサ部(複数の光電変換素子)105を有する基板106上にセンサ保護層104を介してシンチレータ層100が形成されている。
工程(b)で、シンチレータ層100上に存在する異物113またはシンチレータ粒子の凝集体114の周辺に、シンチレータ層100を形成するときに使用したペーストの溶媒115を接触させてシンチレータ層100中のバインダー102を溶解する。溶媒115は、例えば、ブチルカルビトールアセテートとターピネオールとの混合物である。この滴下した溶媒115によって、異物113またはシンチレータ粒子の凝集体114周辺のバインダー102を溶解させる。その後、工程(c)で、溶解し、柔らかくなった異物113またはシンチレータ粒子の凝集体114を含む部分をピンセットまたはスパチュラで取り除く。図3の(d)は、除去工程(b)〜(c)が行われた後の放射線検出装置の様子を示している。
次に、工程(e)で、異物113またはシンチレータ粒子の凝集体114を含む部分を除去することによって生じた欠損部100’に新たにシンチレータのペースト116を充填する。実施例1では、充填用のペースト(第2ペースト)116として、シンチレータ層100を形成するために使用されたシンチレータのペースト(第1ペースト)と同じ材料のものを使用する。シンチレータ層100に特性むらの発生や、欠損部100’の表面Sからのペースト116の侵入を防ぐために、ペースト116に含まれるシンチレータ粒子の粒径は、シンチレータ層100を形成するのに用いたシンチレータ粒子101と同程度としうる。充填工程(f)で充填されたペースト116により盛り上がった部位を平坦化し、加熱工程(h)で、充填されたペースト116を130℃で加熱し、溶媒を除去する。
<実施例2>
図4を用いて実施例2について説明する。実施例1と同様の工程によって異物113またはシンチレータ粒子の凝集体114を除去する。したがって、図4の(a)〜(d)は、図3の(a)〜(d)と同じである。実施例2では、次に塗布工程(i)で、欠損部100’の表面Sに撥油剤117を塗布する。撥油剤117は、例えば、フッ素系樹脂である。欠損部100’との界面Sに撥油剤117の被膜を形成することによって、充填用のペースト116に含まれる溶媒が界面Sからシンチレータ層100の内部に侵入することを防ぐことができる。例えば、充填用のペースト116が溶媒としてブチルカルビトールアセテートとターピネオールとを使用するとき、当該溶媒がバインダーとしてのポリビニルブチラールを溶解しながらシンチレータ層100内に侵入することを防止し得る。撥油剤117を塗布した後の、ペースト116の充填工程、充填されたペースト116の平坦化工程、充填されたペースト116の加熱工程を含む工程(e)〜(h)は、実施例1と同様である。加熱工程で形成されたシンチレータ層100は、異常部を含む一部が除去され欠損部が存在していたシンチレータ層の残部と充填されたペースト116によって形成されたシンチレータとの境界Sに撥油剤117の層を含んでいる。
図4を用いて実施例2について説明する。実施例1と同様の工程によって異物113またはシンチレータ粒子の凝集体114を除去する。したがって、図4の(a)〜(d)は、図3の(a)〜(d)と同じである。実施例2では、次に塗布工程(i)で、欠損部100’の表面Sに撥油剤117を塗布する。撥油剤117は、例えば、フッ素系樹脂である。欠損部100’との界面Sに撥油剤117の被膜を形成することによって、充填用のペースト116に含まれる溶媒が界面Sからシンチレータ層100の内部に侵入することを防ぐことができる。例えば、充填用のペースト116が溶媒としてブチルカルビトールアセテートとターピネオールとを使用するとき、当該溶媒がバインダーとしてのポリビニルブチラールを溶解しながらシンチレータ層100内に侵入することを防止し得る。撥油剤117を塗布した後の、ペースト116の充填工程、充填されたペースト116の平坦化工程、充填されたペースト116の加熱工程を含む工程(e)〜(h)は、実施例1と同様である。加熱工程で形成されたシンチレータ層100は、異常部を含む一部が除去され欠損部が存在していたシンチレータ層の残部と充填されたペースト116によって形成されたシンチレータとの境界Sに撥油剤117の層を含んでいる。
<実施例3>
図5を用いて実施例3について説明する。実施例1と同様の工程によって異物113またはシンチレータ凝集体114を除去する。実施例1では、充填用の(第2)ペースト116として、シンチレータ層100を形成するために使用された(第1)ペーストと同じ材料を含むものを使用した。そのため、充填用のペースト116中の溶媒がシンチレータ層100中のバインダーを溶解して充填用のペースト116がシンチレータ層100内に侵入することがありえた。
図5を用いて実施例3について説明する。実施例1と同様の工程によって異物113またはシンチレータ凝集体114を除去する。実施例1では、充填用の(第2)ペースト116として、シンチレータ層100を形成するために使用された(第1)ペーストと同じ材料を含むものを使用した。そのため、充填用のペースト116中の溶媒がシンチレータ層100中のバインダーを溶解して充填用のペースト116がシンチレータ層100内に侵入することがありえた。
そこで、実施例3では、充填用のペーストとして、シンチレータ層100中のバインダーを溶解しない組成のペースト118を使用することで、充填用のペースト118のシンチレータ層100内への侵入を防止する。したがって、実施例3では、充填用のペースト(第2ペースト)118中に使用される溶媒とバインダーとの組み合わせは、シンチレータ層100を形成するために使用されたペースト(第1ペースト)と異なる。使用される充填用のペーストの違いを除き、ペースト118の充填工程、充填されたペースト118の平坦化工程、平坦化されたペースト118の加熱工程を含む工程(e)〜(h)は、実施例1と同様である。
実施例3で使用可能な第1ペーストとその第1ペースト中のバインダーを溶解しない第2ペーストの組成の組合せの例を表2〜6に示す。加熱工程で形成されたシンチレータ層100は、欠損部が存在していた第1ペースト116によって形成されたシンチレータ層と第2ペースト118によって形成されたシンチレータとの境界Sを有している。
<実施例4>
図6を用いて実施例4について説明する。まず、工程(a)で、シンチレータ層100上に存在する異物113またはシンチレータ粒子の凝集体114の周辺に粘着物119を付着する。続いて、工程(b)〜(c)で、この粘着物119を引き剥がすことによって、異物113またはシンチレータ粒子の凝集体114を含む異常部を粘着物119と共にシンチレータ層100から剥がし取る。実施例4では、異物113またはシンチレータ粒子の凝集体114を取り除くのに、実施例1のようにピンセットまたはスパチュラを使用しない。したがって、実施例4では、ピンセットまたはスパチュラを使用することに伴うセンサ保護層104や基板106の損傷が発生することを回避し得る。異物113またはシンチレータ粒子の凝集体114を除去したあとの、シンチレータのペースト116の充填工程、充填されたペースト116の表面の平坦化工程、平坦化されたペースト116の加熱工程を含む工程(e)〜(h)は、実施例1と同様である。
図6を用いて実施例4について説明する。まず、工程(a)で、シンチレータ層100上に存在する異物113またはシンチレータ粒子の凝集体114の周辺に粘着物119を付着する。続いて、工程(b)〜(c)で、この粘着物119を引き剥がすことによって、異物113またはシンチレータ粒子の凝集体114を含む異常部を粘着物119と共にシンチレータ層100から剥がし取る。実施例4では、異物113またはシンチレータ粒子の凝集体114を取り除くのに、実施例1のようにピンセットまたはスパチュラを使用しない。したがって、実施例4では、ピンセットまたはスパチュラを使用することに伴うセンサ保護層104や基板106の損傷が発生することを回避し得る。異物113またはシンチレータ粒子の凝集体114を除去したあとの、シンチレータのペースト116の充填工程、充填されたペースト116の表面の平坦化工程、平坦化されたペースト116の加熱工程を含む工程(e)〜(h)は、実施例1と同様である。
<実施例5>
図7を用いて実施例5について説明する。図7の(a)は、第1ペースト120を基板106上にスリットコートした直後の、第1ペースト120が未乾燥である状態の放射線検出装置の断面図である。この未乾燥状態の第1ペースト120内に存在する異物113またはシンチレータ粒子の凝集体114をスパチュラあるいはピンセットを用いて除去する(図7の(b))。図7の(a)〜(b)の状態では、第1ペースト120は、溶媒を含んで柔軟である。したがって、異物113またはシンチレータ粒子の凝集体114を含む部分を容易に除去することができる。そのため、溶媒115を滴下して異物113またはシンチレータ粒子の凝集体114とその周囲を溶解させる手間を省くことができる。工程(c)で、異物113またはシンチレータ粒子の凝集体114が除去されて欠損部100’が残った状態の第1ペースト120を加熱して欠損部100’を有するシンチレータ層100を生成する。加熱後の工程(d)で、この欠損部100’に対し、実施例1〜3に示されるいずれかの操作を用いて第2ペースト116を充填する。その後、工程(e)で第2ペースト116を平坦化し、工程(f)で、第2ペーストを加熱して、異物113およびシンチレータ粒子の凝集体114のない平坦なシンチレータ層100を形成する。
図7を用いて実施例5について説明する。図7の(a)は、第1ペースト120を基板106上にスリットコートした直後の、第1ペースト120が未乾燥である状態の放射線検出装置の断面図である。この未乾燥状態の第1ペースト120内に存在する異物113またはシンチレータ粒子の凝集体114をスパチュラあるいはピンセットを用いて除去する(図7の(b))。図7の(a)〜(b)の状態では、第1ペースト120は、溶媒を含んで柔軟である。したがって、異物113またはシンチレータ粒子の凝集体114を含む部分を容易に除去することができる。そのため、溶媒115を滴下して異物113またはシンチレータ粒子の凝集体114とその周囲を溶解させる手間を省くことができる。工程(c)で、異物113またはシンチレータ粒子の凝集体114が除去されて欠損部100’が残った状態の第1ペースト120を加熱して欠損部100’を有するシンチレータ層100を生成する。加熱後の工程(d)で、この欠損部100’に対し、実施例1〜3に示されるいずれかの操作を用いて第2ペースト116を充填する。その後、工程(e)で第2ペースト116を平坦化し、工程(f)で、第2ペーストを加熱して、異物113およびシンチレータ粒子の凝集体114のない平坦なシンチレータ層100を形成する。
なお、実施例5では、工程(c)で、異物113またはシンチレータ粒子の凝集体114が除去されて欠損部100’が残った状態の第1ペースト120を加熱して欠損部100’を有するシンチレータ層100を生成した。しかし、工程(c)では、第1ペースト120を加熱せずに、工程(f)で、第2ペーストとともに第1ペーストを加熱して、シンチレータ層100を形成してもよい。
<実施例6>
実施例6は、実施例1〜5で製造された異物113およびシンチレータ粒子の凝集体114のない放射線検出装置を含む撮像システムに関する。図8に示すように、X線チューブ(放射線源)6050で発生した放射線(X線)6060は、患者あるいは被験者6061の胸部6062を透過し、放射線検出装置(イメージセンサ)6040に入射する。この入射したX線には患者6061の体内部の情報が含まれている。X線の入射に対応してシンチレータ層(シンチレータ)100は発光し、この発光をセンサパネル103のセンサ部(光電変換素子)105が光電変換して、電気的情報を得る。この電気的情報は、デジタルに変換され、信号処理部(イメージプロセッサ)6070により画像処理され、表示部(ディスプレイ)6080によって観察できる。
実施例6は、実施例1〜5で製造された異物113およびシンチレータ粒子の凝集体114のない放射線検出装置を含む撮像システムに関する。図8に示すように、X線チューブ(放射線源)6050で発生した放射線(X線)6060は、患者あるいは被験者6061の胸部6062を透過し、放射線検出装置(イメージセンサ)6040に入射する。この入射したX線には患者6061の体内部の情報が含まれている。X線の入射に対応してシンチレータ層(シンチレータ)100は発光し、この発光をセンサパネル103のセンサ部(光電変換素子)105が光電変換して、電気的情報を得る。この電気的情報は、デジタルに変換され、信号処理部(イメージプロセッサ)6070により画像処理され、表示部(ディスプレイ)6080によって観察できる。
また、イメージプロセッサ6070により画像処理された情報は、電話、LAN、インターネットなどのネットワーク6090等の伝送処理部により遠隔地へ転送できる。したがって、イメージプロセッサ6070により画像処理された情報は、別の場所のドクタールームなどの表示部(ディスプレイ)6081に表示したり、光ディスク等の記録部に保存したりすることができ、遠隔地の医師によって診断可能である。また、イメージプロセッサ6070により画像処理された情報は、フィルムプロセッサ6100によりフィルム6210に記録することもできる。
本発明の放射線検出装置は、医療用の放射線検出装置や、非破壊検査装置等の放射線を利用した医療用以外の分析、検査用途の装置への応用が可能である。
Claims (15)
- 光を検出するセンサ部を含むセンサパネルと、入射した放射線を光に変換するシンチレータ粒子及びバインダーを含み前記センサパネルの上に配置されたシンチレータ層と、を備え、前記シンチレータ層に発光が異常な異常部を含む放射線検出装置の修復方法であって、
前記異常部を含む前記シンチレータ層の一部を除去する除去工程と、
前記一部を除去することによって形成された前記シンチレータ層の欠損部にシンチレータ粒子、バインダー及び該バインダーの溶媒を含むペーストを充填する充填工程と、
前記充填されたペーストを平坦化する平坦化工程と、
前記ペーストを加熱して前記ペースト中の前記溶媒を除去する加熱工程と、
を含むことを特徴とする修復方法。 - 前記異常部は、異物または前記シンチレータ粒子の凝集体を含むことを特徴とする請求項1に記載の修復方法。
- 前記除去工程は、前記シンチレータ層の前記一部に溶媒を接触させて該一部のバインダーを溶解し、該バインダーが溶解された一部を前記シンチレータ層から除去することを特徴とする請求項1または2に記載の修復方法。
- 前記充填工程で使用するペーストは、前記シンチレータ層を形成するときに使用したペーストと同じであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の修復方法。
- 前記充填工程で使用するペーストの溶媒は、前記シンチレータ層を形成するバインダーを溶解しないことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の修復方法。
- 前記除去工程は、前記シンチレータ層の前記一部の表面に粘着物を付着し、該粘着物を剥ぎ取ることによって前記一部を前記シンチレータ層から除去することを特徴とする請求項1または2に記載の修復方法。
- 前記除去工程で形成された前記シンチレータ層の欠損部の表面に撥油剤を塗布する塗布工程を前記充填工程の前に含むことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の修復方法。
- 放射線検出装置の製造方法であって、
光を検出するセンサ部を含むセンサパネルの上に、入射した放射線を光に変換するシンチレータ粒子、バインダー及び該バインダーの溶媒を含む第1ペーストを塗布してシンチレータ層を形成する形成工程と、
発光が異常な異常部を含む前記シンチレータ層の一部を除去する除去工程と、
前記一部を除去することによって形成された前記シンチレータ層の欠損部にシンチレータ粒子、バインダー及び該バインダーの溶媒を含む第2ペーストを充填する充填工程と、
前記充填された第2ペーストを平坦化する平坦化工程と、
前記第2ペーストを加熱して前記第2ペースト中の溶媒を除去する加熱工程と、
を含むことを特徴とする製造方法。 - 前記異常部は、異物または前記シンチレータ粒子の凝集体を含むことを特徴とする請求項8に記載の製造方法。
- 前記第1ペーストと前記第2ペーストとは同じであることを特徴とする請求項8または9に記載の製造方法。
- 前記除去工程と前記充填工程との間に前記第1ペーストを加熱して前記第1ペースト中の溶媒を除去する工程を含むことを特徴とする請求項8ないし10のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記加熱工程で、前記第2ペーストに加えて前記第1ペーストを加熱して前記第1ペーストおよび前記第2ペースト中の溶媒を除去する工程を含むことを特徴とする請求項8ないし10のいずれか1項に記載の製造方法。
- 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の修復方法により修復され、前記異常部を含む前記一部が除去されたシンチレータ層の残部と前記ペーストから形成されたシンチレータとの境界を有するシンチレータ層を含む放射線検出装置と、
前記放射線検出装置からの信号を処理する信号処理部と、
前記信号処理部からの信号を表示するための表示部と、
前記放射線を発生させるための放射線源と、
を備えることを特徴とする撮像システム。 - 前記境界は、撥油剤の層で形成されることを特徴とする請求項13に記載の撮像システム。
- 請求項8ないし12のいずれか1項に記載の製造方法により製造され、前記異常部を含む前記一部が除去されたシンチレータ層の残部と前記ペーストから形成されたシンチレータとの境界を有するシンチレータ層を含む放射線検出装置と、
前記放射線検出装置からの信号を処理する信号処理部と、
前記信号処理部からの信号を表示するための表示部と、
前記放射線を発生させるための放射線源と、
を備えることを特徴とする撮像システム。
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---|---|---|---|
JP2014052433A JP2015175730A (ja) | 2014-03-14 | 2014-03-14 | 放射線検出装置の修復方法及び製造方法、並びに撮像システム |
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KR101829996B1 (ko) * | 2016-08-31 | 2018-02-19 | 경희대학교 산학협력단 | 페로브스카이트 화합물을 포함하는 신틸레이터를 구비한 엑스선 검출기 |
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-
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