JP2002303673A - 放射線検出装置及びそれを用いた放射線撮像システム - Google Patents

放射線検出装置及びそれを用いた放射線撮像システム

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JP2002303673A
JP2002303673A JP2001104700A JP2001104700A JP2002303673A JP 2002303673 A JP2002303673 A JP 2002303673A JP 2001104700 A JP2001104700 A JP 2001104700A JP 2001104700 A JP2001104700 A JP 2001104700A JP 2002303673 A JP2002303673 A JP 2002303673A
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layer
radiation
columnar
substrate
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Kazumi Nagano
和美 長野
Tomoyuki Tamura
知之 田村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光検出器の画素に対応して形成された蛍光体
層が、その形状による特性を効率よく放射線検出に反映
できる反射層を形成した放射線検出装置を提供する。 【解決手段】 半導体光検出素子106上の各画素と対
応する位置の蛍光体基板101上に、柱状もしくは台形
もしくは紡錘形からなる蛍光体層102を設ける。蛍光
体層102の上に反射層形成材103を形成する。溶融
により、蛍光体表面に一様に反射層105を形成する。
接着層110を介して半導体光検出素子106に張り合
わせ、放射線検出装置を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光体で放射線を
光に変換して、さらに光電変換する放射線検出装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、蛍光体(波長変換体)で放射線を
光に変換し、さらに光電変換する間接型の放射線検出装
置においては、半導体光検出素子を用いた多種類のもの
が提案されている。図5〜7に、従来知られている放射
線検出装置の概略断面図を示す。
【0003】図5は、X線入射側に平板状からなる蛍光
体層402を設置し、入射したX線が平板状蛍光体40
2中で光に変換され、この変換された光が半導体光検出
素子406の各画素405に入射することによって電気
信号に変換されるように構成されている。
【0004】図6は、さらに凹部が形成されたパネル状
の蛍光体保護基板501に蛍光体を充填することにより
柱状にした蛍光体層502を形成し、この柱状蛍光体5
02を半導体光検出素子506の各画素505に対応す
るように分離して設置する。そして入射したX線を画素
ごとに分離した柱状蛍光体502中で光に変換させ、こ
の変換した光が半導体光検出素子の各画素505に入射
することによって電気信号に変換されるように構成され
ている。このような構成例は、例えば特開平5−608
71号公報に開示されている。また柱状蛍光体層を形成
する方法として平板状に形成した蛍光体層をレーザー等
で切削して形成する方法が、例えば、特開平9−615
36号公報に開示されている。
【0005】図7は、図6の蛍光体保護基板501を上
面蛍光体保護基板601と蛍光体保護部材602から形
成したものである。
【0006】これらの従来例に於いては、蛍光体層から
発した蛍光を効率良くより多く半導体光検出素子に導入
するために、蛍光体層と接するように反射層を設けるこ
とが知られている。図5の従来例のように蛍光体層が板
状である場合は、蛍光体層402と蛍光体基板401の
間にスパッタ法や蒸着法のほかに金属箔を設けるなどの
一般的に知られている反射層を設ける公知な方法や、蛍
光体基板が反射層を兼ねているような構成が提案されて
いる。
【0007】図6および図7の従来例のように蛍光体層
が柱状もしくは台形状もしくは紡錘形をなすように形成
されたX線検出装置の構成において反射層を設ける方法
としては、主にスパッタや蒸着が用いられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成の場合、蛍光体層を基板に形成してから蛍光体
層上に反射層を設けるにしても、蛍光体保護部材を形成
してそこに反射層を設けてから蛍光体を充填するにして
も、蛍光体柱状部のアスペクト比が高いため、スパッタ
や蒸着で反射層を形成する際に、 1.柱状の側面及び底面部の反射層が薄くなり十分な反
射率が得られない、 2.反射層の厚膜化が難しい、 等の問題があった。特に蛍光体柱状部のアスペクト比が
4以上になると非常に困難であった。
【0009】より高い感度と鮮鋭度が得られることを目
的として、蛍光体層を柱状もしくは台形状もしくは紡錘
形をなすように蛍光体を構成したにも関わらず、従来例
においては、蛍光体層全表面にわたって良質な反射層を
形成することが困難であったため、反射層の十分な効果
が発揮されずにいた。
【0010】放射線検出装置においては、より検出効率
を高める構造が常に求められている。
【0011】そこで本発明は、光検出器の画素に対応し
て形成された蛍光体層が、その形状による特性をさらに
効率よく放射線検出に反映できるように改良された反射
層を形成した放射線検出装置を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、本発明は、入射した放射線を光に変換する波長変換
体層と、この光を光電変換して出力する光検出器とを有
する放射線検出装置において、光検出器の各画素に対応
した位置に形成された蛍光体層が柱状もしくは台形状も
しくは紡錘形に形成された蛍光体粒子からなり、この柱
状蛍光体層間の距離をa、高さをb、とするとき、b/
aが4以上であって、少なくともこの柱状蛍光体層表面
全面に反射層が設けられ、この柱状蛍光体層に設けられ
た反射層が、蛍光体層上で金属が溶融して形成されてい
ることを特徴とする放射線検出装置である。さらに上記
蛍光体層および反射層が焼結工程を経て同時に構成され
ていることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0014】図1〜3は、本発明の放射線検出装置の構
造及び製造工程を示す、概略断面図である。まず、基板
107上に薄膜トランジスタ(=TFT)やフォトダイ
オードからなる光検出のための画素108が二次元配列
されている半導体光検出素子106を作成する。素子表
面には、耐湿性、機械特性の向上のために樹脂等の保護
層を設けても良い。
【0015】次に図1〜3(a)に示すように、蛍光体
(波長変換体)形成用の基板101上に蛍光体層を形成
する。上記素子上の各画素と対応する位置に、柱状もし
くは台形もしくは紡錘形からなる蛍光体層102を設け
る。まず、そのために蛍光体ペーストを作成する。ペー
ストの作成方法としては、一般的に公知な方法であれば
いずれの方法でも良く、X線の照射によって蛍光を発す
る蛍光体粒子を、例えば有機樹脂と有機溶媒からなるビ
ヒクルに、三本ロール、混練り機、ビーズミル分散機、
ボールミル分散機などによって分散させて、ペースト状
に調整することができる。ペーストには、ジブチルフタ
レート、ジオクチルフタレート等のフタル酸エステルか
らなる可塑剤を加えても良いし、さらに蛍光体粒子の分
散性改良効果、消泡効果、チキソ性効果を付与するため
の添加剤を加えても良い。これらの有機材料は、蛍光体
層の焼成工程で分解するがその際にカーボン、無機物等
の残渣が残らない材料が望ましい。
【0016】蛍光体基板に蛍光体層を設ける方法として
は、公知の塗布方法であって柱状もしくは台形もしくは
紡錘形の蛍光体層を形成できる方法であればいずれの方
法でも良い。例えば、半導体光検出素子に平板状に蛍光
体を設けた後、各画素に対応する部分に柱状に蛍光体層
をレーザー等で切除して形成するものであっても良い
し、柱状もしくは台形もしくは紡錘形になるように多層
印刷等で形成しても良い。蛍光体層の形成方法として
は、一般的に公知な方法であれば何れの方法でも良く、
たとえば、スピンコート法、スプレー印刷、スクリーン
印刷、ダイコーター法、ナイフコーター法等が用いられ
る。
【0017】また、蛍光体層を形成後に仮焼成を行っ
て、形状を形成するために使用した樹脂を燃焼させる工
程を設けても良い。
【0018】次に図1〜3(b)に示すように、蛍光体
層102の上に反射層形成材103を形成する。反射層
形成材103は、図1のように蛍光体基板上の蛍光体層
全面を覆うように設けても良いし、図2,3のように蛍
光体基板に設けられた蛍光体層と同じ高さで、基板露出
面のみを覆うように形成し、その後、図2,3(d)に
示すように、蛍光体形成基板を反転して用いても良い。
反射層形成材を設ける方法としては、公知の塗布方法で
あって、すでに形成されている蛍光体層の形状を崩さず
に形成可能な方法であれば何れの方法でも良く、スピン
コート法、スプレー印刷、スクリーン印刷、ダイコータ
ー法、ナイフコーター法等が用いられる。また図2の例
のような場合には、蛍光体基板面にあらかじめ反射層を
設けるか、もしくは蛍光体基板そのものが反射層となり
うるような素材を選択し、その基板上に蛍光体層を形成
すると、蛍光体から発する蛍光をより効率良く半導体光
検出素子106に導くことができる。
【0019】反射層形成材は塗布などの方法により形成
されるので、高いアスペクト比、特にこれまで、良質な
反射層を形成することが困難であったアスペクト比4以
上を持つ柱状蛍光体層の間部分も十分に覆うことができ
る。さらに、反射層となる金属が溶融するような高温に
することにより樹脂および溶剤は燃焼して無くなり、含
有されている反射粒子が溶融さらに焼結し、図1,2
(c)に示すように、蛍光体表面に一様に反射層被膜を
形成する。従って、スパッタ法や蒸着法では十分に被膜
を形成することができなかった柱状部の底面部や壁面部
にも十分に被膜を形成することができるため、蛍光体よ
り発した蛍光をより確実に反射する層を蛍光体層表面全
面に形成することができる。またスパッタ法や蒸着法は
成膜速度が遅いので反射層を厚く設けることが困難であ
ったが、本発明では反射層形成材を大量に形成すること
によって、反射層を厚く形成することができるので、反
射ムラがなくなり、かつ反射層形成を容易に行うことが
できる。また、スパッタ法や蒸着法は、数多くのサンプ
ルに同時に成膜することが容易ではないが、本発明では
焼結工程を大型炉で行うことにより、同時に大量のサン
プルを作成することが可能になるので、サンプル当たり
のタクトタイムを大幅に短縮することが可能になる。
【0020】さらに、蛍光体基板に形成された蛍光体層
および反射層を、高温炉等の加熱装置等で蛍光体の焼結
温度以上に加熱するならば、柱状化した蛍光体が一体化
して焼結されることによって大粒径/細密充填になり、
蛍光体自体の充填率が大きく向上する。また形状を形成
するために用いられている樹脂バインダーは、蛍光体層
に存在していれば樹脂であるため光を吸収するが、焼結
時の高温により樹脂が燃焼して無くなるため、蛍光体よ
り発光された光が樹脂バインダーによって吸収されて減
衰することがなくなり、さらに発光効率が向上する。さ
らに、蛍光体を高温長時間であらかじめ仮焼結し、その
後、金属膜を形成してさらに焼成し、蛍光体をより緻密
な焼結体とすることにより、さらに発光効率を向上させ
ることができる。
【0021】また、反射層形成により、より多くの発光
量を得ることができるので、さらに量子検出効率の高い
放射線検出装置を提供することが可能になる。反射層形
成材に用いられる反射粒子としては、一般に反射層とし
て用いられる材料であればいずれでもよく、特に蛍光体
層で発生した光をより効率良く半導体光検出素子に導入
するために、各蛍光体の発光波長をより多く反射する材
質を選択することが望ましい。また、蛍光体層と同時に
焼結する場合は、使用する蛍光体層の焼結温度に近い温
度で溶融・焼結するように数種類の金属粒子を混合して
反射層が形成される温度を調整しても良い。
【0022】上記反射層形成材を設けた蛍光体層を反射
層のみ焼成する工程においては、反射層形成粒子は蛍光
体層表面で焼結体となる。焼成工程では、金属材料によ
り焼成温度、時間が異なるが、例えば、Au、Ag、P
d等の微粒子金属の場合には300℃前後の温度で15
〜20分保持することにより焼結体が形成される。
【0023】上記反射層形成材を設けた蛍光体層を焼成
する工程においては、蛍光体粒子は、固相反応または液
相反応によって粒子同士が結合し焼結体となる。反射層
形成粒子もまた同様にして、蛍光体層表面で焼結体とな
る。焼成工程では、蛍光体材料により焼成温度、時間が
異なり、例えば、Gd22Sの場合には1300℃前後
の温度で5〜20時間保持することにより焼結体が形成
される。また、結晶成長、固相反応が促進し焼成温度を
低く、時間を短くすることができるために、蛍光体塗布
液調合の際に予め蛍光体粉体に融剤を添加しておいても
よい。しかし過剰に融剤を加えることにより蛍光体層の
光透過率が低下し、光検出器に達する光量が低下する場
合があるため、融剤の添加量は必要最低限に控えること
が好ましい。融剤としては、アルカリ、アルカリ土類金
属の低融点化合物が使用でき、蛍光体材料により異な
り、例えば、Gd22Sの場合には、NaCO3を融剤
として添加することができる。
【0024】図1に示すように反射層が形成された蛍光
体形成基板を、基板側が半導体光検出素子に接するよう
に設ける場合は、蛍光体基板は透過率の高いもの、特に
蛍光体層から発する蛍光の波長に対して透過率の高いも
のが望ましい。また、図2に示すように反射層が形成さ
れた蛍光体形成基板を、基板側が半導体光検出素子に接
しない向き(X線入射側)に設ける場合は、蛍光体基板
はX線が吸収されない材料が好ましい。また、蛍光体基
板自体が反射層を兼ねるような材料を使用すれば、蛍光
体層形成面に反射層を改めて設ける必要がなく望まし
い。また、図3に示すように反射層形成材が焼結後も柱
状蛍光体間を充填するように形成されると、蛍光体層の
機械的強度を増すことになりさらに望ましい。
【0025】上記のようにして、反射層および蛍光体層
を形成した蛍光体基板を、図1(d)及び図2,3
(e)に示すように、接着層110を介して半導体光検
出素子106に張り合わせ、本発明の放射線検出装置を
得ることができる。
【0026】(蛍光体)本発明の蛍光体層に使用される
蛍光体としては、X線の照射によって蛍光を発する通常
使用される蛍光体であれば、何れでもよく、Gd2
2O:Tb、Y22S:Tb、(Gd、Y)22S:T
b、La22S:Tb等の酸硫化物希土類蛍光体、La
OBr:Tm、LaOBr:Tb等の酸臭化物希土類蛍
光体、BaFCl:Eu、BaFBr:Eu、BaF
I:Eu等のバリウムハライド蛍光体、GdTaO4
Tb、YTaO4:Tm、CaWO、等が挙げられる。
【0027】(蛍光体基板)本発明で蛍光体を形成する
蛍光体基板としては、焼結温度に耐える素材であればい
ずれの素材でも使用することができ、例えばチタン、
鉄、ニッケル等の金属、さらにこれら金属の酸化を防ぐ
ために表面に酸化珪素等の酸化防止層を形成した上記金
属、さらに酸化アルミニウム、酸化チタン、PLZT等
のセラミックス、アモルファスカーボン、または石英ガ
ラス等が使用できる。
【0028】(ペースト有機樹脂)本発明で蛍光体を形
成するためのバインダー樹脂として使用される有機樹脂
としては、ペースト作成に一般的に公知な樹脂であれ
ば、何れの樹脂でも良く、例えば、エチルセルロース、
ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート、
セルロースアセテートプロピオネートなどのセルロース
系樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、
ポリイミド樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、
ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹
脂、ポリビニルアルコール樹脂、アルキッド樹脂、フェ
ノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ロジン樹脂、
尿素樹脂、高融点脂肪酸等の汎用されている有機ビヒク
ル(バインダー)等が挙げられる。
【0029】(ペースト有機溶媒)本発明で使用される
有機溶剤としては、公知であり一般的に用いられている
ものであって、有機樹脂、その他の添加剤を良く溶解す
る溶剤であれば何でも良い。例えば、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジ
プロピレングリコールなどのグリコール類、エチレング
リコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノ
エチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレング
リコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エチレングリコ
ールモノアリルエーテル、エチレングリコールドデシエ
ーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、
エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレング
リコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベン
ジルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリ
コールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモ
ノブチルエーテルなどのグリコールエーテル、ジエチレ
ングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール
モノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエー
テルなどのグリコールエーテル類とそのアセテート類、
アジピン酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、コハク酸ジ
メチル等の2塩基酸のジエステル塩、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケト
ン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノンなどのケト
ン類、キシレン、トルエン、エチルベンゼンなどの芳香
族類、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、ブタノール、α−テルピネオール、β−テルピネオ
ール、カルペオール、メンタジオール、トリデシルアル
コールなどのアルコール類、2,2,4−トリメチル−
1,3−ペンタンジオールモノ(2−メチルプロパネー
ト)、メチル−3−メトキシプロピオネート、酢酸エチ
ル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、
酢酸メトキシブチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢
酸シクロヘキシル、酢酸ベンジル、プロピオン酸エチ
ル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソブチル、プ
ロピオン酸イソアミルなどのエステル類、ジメチルアセ
トアミド、ジメチルホルムアミド等の公知の溶剤が挙げ
られ、これらを一種類または二種類以上を混合して用い
てもよい。
【0030】(ペースト添加剤)また添加剤として、分
散性や、ペーストの印刷性を向上させる目的で、必要に
応じて公知の消泡剤、チキソトロピー付与剤、レベリン
グ剤、分散剤を添加することができる。
【0031】(反射層形成材)また、本発明の反射層形
成材に使用される材料としては、反射性を有する粒子が
含有された溶液または樹脂からなる材料が望ましい。
【0032】また、反射層形成材の体積が焼結後も柱状
蛍光体層間を充填するように、反射層形成材ペースト
に、セラミック材料を添加しても良い。セラミック材料
は、一般的なセラミックであって、蛍光体焼結温度で蛍
光体と同時に焼結が進んで極端に体積が減少する材料で
なければよい。形状としては、反射層形成材を形成する
ときに柱状蛍光体層の壁面にペーストが付着し、焼結時
に蛍光体壁面に反射層を形成することを阻害しない形状
が好ましく、特に粒子状が好ましい。
【0033】反射粒子は、溶融して被膜を形成するもの
であれば、金属粒子であってもそれ以外の化合物であっ
て良い。また、含有される材料は単一種類であっても、
多種類にわたる材料の混合物であっても良い。例えば、
Au、Ag、Cu、Al、Ni、Tiなどが挙げられ
る。特に、使用される蛍光体層の発光波長領域での反射
率が高い物質が好ましく、例えば、蛍光体がGd2
2S:Tbであれば、波長400〜600nmにおいて
反射が高い Ag、Al、Au等の金属が望ましい。
【0034】また、反射層形成材の溶媒としては、反射
粒子粉末の分散が可能であれば、樹脂材料であっても有
機溶剤であっても良い。例えば、有機溶剤と微粒子金属
からなるパーフェクトゴールド、パーフェクトシルバー
(真空冶金株式会社製)等があげられる。また、樹脂材
料としては、粒子含有が可能な樹脂として一般的に公知
な材料であればいずれの樹脂でもよく、例えば、上記ペ
ースト用バインダー樹脂として挙げられている樹脂など
が挙げられる。また、樹脂には粘度の調整または分散性
の改良のために適当な溶剤が加えられていても良い。ま
た、溶剤だけで分散するのであれば、一般的に微粒子の
分散溶剤として公知な溶剤であればいずれでもよく、た
とえばテルピネオール、トルエン、キシレン、ミネラル
スピリットなどが挙げられる。
【0035】(接着剤)また本発明に用いられる接着剤
としては、一般に知られている公知な接着剤であればよ
く、特に蛍光発光波長において透過率の高い接着剤が望
ましい。例えば、アクリル樹脂接着剤、エチレン−酢ビ
共重合体、塩ビ−酢ビ共重合体、エポキシ樹脂、ポリウ
レタン、ポリクロロプレン、ニトリルゴム、シアノアク
リレートなどの接着剤などが挙げられる。
【0036】以下、実施例及び比較例により、本発明を
より詳細に説明する。本発明はこれらの実施例によって
限定されるものではない。なお、以下の説明で質量部と
は、各成分の質量比を表す。
【0037】[実施例1] (蛍光体層ペースト) Gd22S:Tb(平均粒径8μm) 75質量部 エチルセルロース 3質量部 ステアリン酸 1質量部 テルピネオール 20質量部 キシレン 12質量部 (蛍光体基板) 石英ガラス 厚み 0.7mm 上記蛍光体層材料を混合し三本ロールで混練りして、蛍
光体層用ペーストを得た。蛍光体基板上に蛍光体層用ペ
ーストを160μm角のピッチに140μmの柱状に蛍光
体基板を半導体光検出素子上に設置した場合の各画素に
対応する位置に、スクリーン印刷多層刷で形成した。7
0℃オーブンで20分乾燥し、面積140μm角、高さ
250μmの柱状蛍光体層を設けた。
【0038】(反射層形成材) Au002α(真空冶金株式会社) 蛍光体層を形成した蛍光体層基板に上記反射層形成材を
スピンコートし、厚さ5μmの反射層形成材を設けた。
これを、高温炉で300℃、20分焼成した。
【0039】(接着剤) ワールドロックNO.XSG−5(協立化学産業株式会
社) 蛍光体層を反射層上に形状保持のための保護層を設け、
蛍光体基板接着剤を介して半導体光検出素子に張り合わ
せ放射線検出装置を得た。
【0040】[実施例2]実施例1と同様に蛍光体層を
形成した。これを高温炉で1200℃、5時間仮焼成し
た。その後反射層形成材を形成した。これを、さらに高
温炉で1200℃、1時間焼成した。さらに、実施例1
と同様にして放射線検出装置を得た。
【0041】[実施例3]蛍光体基板にセラミック基板
を用い、実施例1と同様に蛍光体層を形成した。蛍光体
基板の蛍光体層の設けられていない部分に反射層形成材
をスクリーン印刷で形成した。印刷高さは蛍光体層と反
射層形成材ともに275μmとした。これを、高温炉で
1200℃、7時間焼成した。
【0042】(接着剤) ワールドロックNO.XSG−5(協立化学産業株式会
社) 反射層および蛍光体層が設けられた蛍光体基板を、蛍光
体層が接着剤に接するようにして半導体光検出素子に張
り合わせ、放射線検出装置を得た。
【0043】[比較例]実施例1と同様にして、蛍光体
基板に柱状蛍光体層を設けたあと、スパッタ法によりA
u反射膜を設けた。 スパッタ装置:ハイレートスパッタ装置AMF−40(真空機器工業製) スパッタ条件:到達真空度 1.4×10−4Pa以上 成膜圧力 0.6Pa 1分 to 0.5Pa 0.5分 Ar流量 30mL/min あとは実施例2と同様にして張り合わせ、放射線検出装
置を得た。
【0044】実施例1,2及び比較例において反射層を
形成する工程まで終了した基板を用意し、柱状蛍光体を
劈開して走査型電子顕微鏡SEMで観察した。 SEM:S−570(日立製作所製)加速電圧15Kv 蛍光体層の表面に設けられた各反射層の厚みの測定結果
を表1に示す。
【0045】
【表1】 実施例1,2及び比較例について感度、鮮鋭度を測定し
た結果を表2に示す。測定は、厚さ100mmの水ファ
ントムを通して、X線装置の管電圧100kVのX線で
撮影した。感度は比較例の感度を100とし、鮮鋭度は
空間周波数2本/mmにおけるMTF値を求めて、比較
例の値を100としたときの相対値で示す。
【0046】
【表2】 図4は、本発明による放射線検出装置のX線診断システ
ムへの適用例を示したものである。
【0047】X線チューブ6050で発生したX線60
60は患者あるいは被験者6061の胸部6062を透
過し、放射線検出装置(イメージセンサ)6040に入
射する。この入射したX線には被験者6061の体内部
の情報が含まれている。X線の入射に対応して蛍光体
(波長変換体)によって可視光に変換し、これを光電変
換して、電気信号を得る。この電気信号はデジタル変換
されイメージプロセッサ6070により画像処理され制
御室のディスプレイ6080で観察できる。
【0048】また、この画像情報は電話回線6090等
の伝送手段により遠隔地へ転送でき、別の場所のドクタ
ールームなどディスプレイ6081に表示もしくは光デ
ィスク等の保存手段に保存することができ、遠隔地の医
師が診断することも可能である。またフィルムプロセッ
サ6100によりフィルム6110に記録することもで
きる。
【0049】以上の実施形態では、X線撮像システムを
例に説明したが、放射線を光に変換し、この光を光電変
換する装置構成としても、同様である。なお、放射線と
はX線以外のα,β,γ線等を含む。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、光検出
器の画素に対応した位置におおよそ柱状に分離した波長
変換体層を有することによる特性の向上に加え、少なく
とも柱状波長変換体層表面全面に金属が溶融して形成さ
れた良質な反射層を有しているので、乱反射が少なく反
射層による光の収集効率が高い。また焼結により一体化
された柱状焼結体によって空隙率の小さな波長変換体層
が得られ発光量も多くなる。このことによりさらに量子
検出効率の高い放射線検出装置を提供することが可能に
なる。また、反射層を波長変換体層焼成時に同時に形成
することができるので、反射層形成コストの大幅な低減
をはかることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は、本発明の放射線検出装置の
構造及び製造工程を示す概略断面図である。
【図2】(a)〜(e)は、本発明の放射線検出装置の
構造及び製造工程を示す概略断面図である。
【図3】(a)〜(e)は、本発明の放射線検出装置の
構造及び製造工程を示す概略断面図である。
【図4】本発明による放射線検出装置のX線診断システ
ムへの適用例を示す図である。
【図5】従来の放射線検出装置の概略断面図である。
【図6】従来の放射線検出装置の概略断面図である。
【図7】従来の放射線検出装置の概略断面図である。
【符号の説明】
101 蛍光体基板 102 蛍光体 103 反射層形成層 104 焼結蛍光体 105 反射層 106 半導体光検出素子 107 基板 108 画素 109 蛍光体保護部材 110 接着層 401 蛍光体基板 402 板状蛍光体 403 接着層 404 基板 405 画素 406 半導体光検出素子 501 蛍光体保護基板 502 柱状蛍光体 504 基板 505 画素 506 半導体光検出素子 601 上面蛍光体保護基板 602 蛍光体保護部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 5/32 H01L 31/00 A 7/18 27/14 K Fターム(参考) 2G088 EE01 FF02 GG16 GG19 GG20 JJ05 JJ10 JJ37 KK32 4M118 AA01 AB01 BA05 CA02 CA11 CB11 CB20 GA10 5C024 AX12 AX16 BX00 CX41 CY47 5C054 CA02 CC04 HA12 5F088 AA01 BA01 BB07 EA04 HA09 LA08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射した放射線を光に変換する波長変換
    体層と、この光を光電変換して出力する光検出器とを有
    する放射線検出装置において、 前記光検出器の各画素に対応した位置におおよそ柱状に
    形成された波長変換体を有し、 前記各柱状波長変換体間の距離をa、高さをb、とする
    とき、b/aが4以上であって、少なくとも前記柱波長
    変換体層表面全面に反射層が設けられていることを特徴
    とする放射線検出装置。
  2. 【請求項2】 前記柱状波長変換体に設けられた反射層
    が、波長変換体層上で金属が溶融して形成されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の放射線検出装置。
  3. 【請求項3】 前記各柱状波長変換体が、一体化された
    柱状焼結体からなることを特徴とする請求項1または2
    記載の放射線検出装置。
  4. 【請求項4】 被験者または被験物に放射線を照射する
    ための放射線源と、 この放射線を検出する請求項1ないし3のいずれかに記
    載の放射線検出装置と、 この検出された信号をデジタル変換して画像処理する画
    像処理手段と、 この処理された画像を表示する表示手段とを備えること
    を特徴とする放射線撮像システム。
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