JP2007163283A - 放射線検出装置及びその製造方法並びに放射線検出システム - Google Patents

放射線検出装置及びその製造方法並びに放射線検出システム Download PDF

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Abstract


【課題】 軽量且つ薄型の放射線検出装置及びその製造方法並びに放射線検出システムを提供すること。
【解決手段】 光電変換部106を有するセンサーパネル101と、センサーパネル101の上に配置された、放射線を光電変換部106が感知可能な第1の光に変換する波長変換体102と、センサーパネル101を挟んで波長変換体102と対向する位置に配置された、前記第1の光を吸収し且つ第2の光を前記光電変換部に導光する波長選択性導光層103と、センサーパネル101と波長選択性導光層103との間に配置された、前記第2の光を拡散させる拡散層104と、を備えることを特徴とする放射線検出装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、放射線検出装置及びその製造方法並びに放射線検出システムに係り、特に、医療診断機器、非破壊検査機器等に用いられる放射線検出装置及びその製造方法並びに放射線検出システムに関する。
従来より、光電変換素子の特性変動やS/N低下を改善するために、光電変換素子に光を照射する発光層又は光電変換素子に照射する光を導光する導光層が設けられた放射線検出装置が知られている(特許文献1を参照)。
図7は、従来の放射線検出装置700の断面図である。センサパネル701には、光電変換素子に対向する位置に蛍光体層702が形成されている。センサパネル701は、ガラス基板上に、配線部、光電変換部、電極取り出し部、センサーパネル表面を保護する保護層を配置して構成されている。
センサパネル701の裏面側には、光源としての発光層704又は光源からセンサーパネル裏面に光を導光する導光層704が設けられている。さらに、光源の光をセンサパネル701にムラなく伝播するために拡散層705が設けられている(特許文献2、3を参照)。
さらに、蛍光体層702からの光が反射して再度光電変換素子に入射することによって発生するノイズを低減するために、蛍光波長を吸収する蛍光体光吸収層706が設けられることが知られている(特許文献2、3を参照)。
特開2002−040144号公報 米国特許第5973327号 米国特許第6655675号
しかしながら、従来の放射線検出装置は、拡散層や蛍光体光吸収層を追加しているため、放射線検出装置全体が厚くなり、可搬用途で使用するには大きさ、重さともに不向きであるという問題があった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、軽量且つ薄型の放射線検出装置及びその製造方法並びに放射線検出システムを提供することを目的とする。
本発明の第1の側面は、放射線検出装置に係り、光電変換部を有するセンサーパネルと、前記センサーパネルに配置された、放射線を前記光電変換部が感知可能な第1の光に変換する波長変換体と、前記センサーパネルを挟んで前記波長変換体と対向する位置に配置された、前記第1の光を吸収し且つ第2の光を前記光電変換部に導光する波長選択性導光層と、前記センサーパネルと前記波長選択性導光層との間に配置された、前記第2の光を拡散させる拡散層と、を備えることを特徴とする。
本発明の第2の側面は、放射線検出装置の製造方法に係り、センサーパネルを形成する工程と、放射線を前記光電変換部が感知可能な第1の光に変換する波長変換体を前記センサーパネルに形成する工程と、前記第1の光を吸収し且つ第2の光を前記光電変換部に導光する波長選択性導光層を前記センサーパネルを挟んで前記波長変換体と対向する位置に形成する工程と、を含み、前記波長変換体を形成する工程の後で且つ前記波長選択性導光層を形成する工程の前に、前記第2の光を拡散させる拡散層を前記センサーパネルと前記波長選択性導光層との間に形成する工程を含むことを特徴とする。
本発明の第3の側面は、放射線検出システムに係り、上記の放射線検出装置と、前記放射線検出装置からの信号を処理する信号処理手段と、前記信号処理手段からの信号を記録する記録手段と、前記信号処理手段からの信号を表示する表示手段と、前記信号処理手段からの信号を伝送する伝送処理手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、軽量且つ薄型の放射線検出装置及びその製造方法並びに放射線検出システムを提供することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態に係る放射線検出装置について図面を用いて詳細に説明する。なお、本発明の好適な実施の形態において、放射線には、X線、α線、β線、γ線などの電磁波が含まれる。
図1は、本発明の好適な実施形態に係る放射線検出装置の構成を示す図である。本実施形態に係る放射線検出装置100は、センサーパネル101を有しており、センサーパネル101には波長変換体102が形成され、センサーパネル101を挟んで波長変換体102と対向する位置には波長選択性導光層103が形成されている。放射線検出装置100はまた、センサーパネル101と波長選択性導光層103との間に拡散層104を有する。
センサーパネル101は、基板105を有しており、基板105上には各種の構成要素が形成されている。例えば、基板105上には、光電変換部106、光電変換部106に接続された配線部107、配線部107に接続された電極取り出し部(電極パッド部)108等が形成されている。また、光電変換部106及び配線部107の上には、第1の保護層109が形成されている。
波長変換体102は、第1の保護層109(又は後述するする第2の保護層110)の上に形成されている。波長変換体102は、放射線を光電変換部106が感知可能な波長帯域の第1の光に変換するシンチレータで構成されている。波長変換体層102の形成方法としては、波長変換体層102を第1の保護層109(又は第2の保護層110)の上に直接形成してもよいし、支持基板上に波長変換体層102を形成し、これを貼り合わせることによって形成してもよい。波長変換体層101の材料としては、GdS:Tb等の粒子波長変換体やハロゲン化アルカリ波長変換体等を用いることが好ましい。また、波長変換体層101の材料としては、蒸着により形成可能なCsI:Na、CsI:Tl、NaI:Tl、LiI:Eu、KI:Tl等のハロゲン化アルカリ柱状結晶構造を有する波長変換体を用いることがより好ましい。波長変換体102が放射線の照射によって発光する波長領域は、400−600nmである。波長変換体102の波長は、光電変換部106の感度波長に合わせて設定される。また、波長変換体層102の密着性を向上させるために、第1の保護層109(又は第2の保護層110)の表面に表面処理を施すことが望ましい。このような表面処理としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、UV照射処理等を用いることができる。波長変換体102の表面は、防湿性、遮光性に優れた保護層111で覆われることが好ましい。
波長選択性導光層103は、センサーパネル101を挟んで波長変換体102と対向する位置に配置され、光電変換部106が感知可能な第1の光とは波長帯域が異なる第2の光を光電変換部106に導光する。さらに、波長選択性導光層103は、光電変換部106が感知可能な第1の光を吸収する。第1の光を吸収するのは、波長変換体102からの光のうち光電変換部106で確保されなかった漏れ光がセンサーパネル101の裏面で反射し、再度、光電変換部106に入射してノイズとなることを防止するためである。このようなノイズを防止するためには、波長変換体102の発光波長光を吸収する層が必要である。
本発明の好適な実施の形態では、波長変換体102の発光波長光を吸収する機能を波長選択性導光層103で兼ねることによって、放射線検出装置100の厚さを薄くし、かつ、放射線検出装置100を軽量化することができる。波長選択性導光層103は、センサーパネル101の側面に配置された光源からの光を導光する。波長選択性導光層103の光源としては、LED光源、冷陰極管、EL光源等、フラットパネルのバックライトに使用できる光源であれば、いずれを用いてもよい。特に、コストが安く薄く形成することが可能なLED光源が好ましい。例えば、青色LED(465−475nm)、青緑色LED(493−498nm)、緑色LED(520−535nm)、黄色LED(590nm)、橙色LED(611nm)、赤色LED(630nm、644nm、660nm)を用いることができる。また、LED光源としては、これらのLEDの他、各色を混合した白色LED等を用いることができる。図3は、白色LED光源の発光波長強度を示す図である。白色LED光源では、450−500nm、500−600nm、600−700nmの3つの領域に蛍光体発光波長ピークが存在する。従って、白色LED光源であれば、波長変換体102から光を吸収する波長選択性導光板103があっても、他の領域での発光があるので、光源としての役割を効率良く果たすことができる。
波長選択性導光板103の材料としては、波長変換体102の発光波長領域よりも少なくとも広い領域で光を吸収可能な材料を用いることが好ましい。波長変換体102がCsI(Tl)の場合には、500〜550nm付近にブロードなピークが存在する。従って、このような材料としては、例えば、有機色素を用いることが好ましい。具体的には、例えば、CsI(Tl)からの発光光を吸収するマゼンタ色の染料・顔料(色素)を樹脂に溶融又は分散させた樹脂を成型した、所謂マゼンタフィルターを用いることができる。このような樹脂としては、成型が容易であるものが好ましく、光学特性に優れているアクリル樹脂を用いることがより好ましい。波長変換体102の発光光を全て吸収することが好ましいが、全ての発光光を吸収できなくてもよい。この場合、波長変換体102からの発光光は、センサーパネル101の裏面で反射して、再度、光電変換部106に到達するまでに波長選択性導光板103を2度通過する。そのため、大きな減衰効果が得られるため、実質的には極めて低いノイズレベルにまで戻り光を低減することができる。
波長選択性導光板103に用いられる樹脂に色素を含有させる方法としては、例えば、波長選択性導光板103の導光板を成型する樹脂に対し、色素を0.1重量%〜10重量%含有させる方法を用いることができる。樹脂の成型方法としては、インジェクション法やキャスティング法を用いることができる。色素の耐光性を向上させるために、アミニウム塩化合物又はジイモニウム塩化合物等の耐光性改良剤を色素の重量に対して1−30重量%含有させる方法を用いることができる。
また、波長選択性導光層103からの光は、光電変換部106の特性変動を改善するために照射されるため、適量な照射光量が必要である。従って、波長選択性導光層103が吸収する波長領域は、可能な限り波長変換体102からの発光光の波長領域と一致することが好ましい。従って、波長選択性導光層103の光源からの発光光を吸収しないか、或いは、波長選択性導光層103の光源の発光波長領域が拡散層104の波長吸収領域より広いことが好ましい。
波長変換体102としてCsIヨウ化セシウムを用いる場合には、図4に示すように、550−650nmの領域に蛍光体発光波長ピークが存在する。従って、同波長領域を吸収する波長選択性導光板103を選択し、逆に光源として波長変換体102の発光ピークとは異なる発光波長をもつ、青色LED(465−475nm)、橙色LED(611nm)や、特に望ましくは、赤色LED(660nm)などが好適である。また、各色を混合した白色LED等を用いてもよい。
同様にして、波長変換体102がGOS酸化硫化ガドリニウムであれば 図5のように細い発光波長ピークが存在する。従って、同波長領域を吸収する波長選択性導光板103を選択し、波長変換体102の発光ピークとは異なる発光波長をもつ全てのLEDを光源として用いることができる。例えば、青色LED(465−475nm)、青緑色LED(493−498nm)、黄色LED(590nm)、橙色LED(611nm)、赤色LED(630nm、644nm、660nm)などの他、各色を混合した白色LED等を用いることができる。
基板105としては、波長選択性導光層103から導光された光が透過するガラス等の絶縁性基板を用いることが好ましい。
光電変換部106は、基板105上に1次元又は2次元状に配置されている。光電変換部106は、光電変換素子とスイッチング素子で構成される。光電変換素子としては、例えば、pnフォトダイオード、pinフォトダイオード、MISセンサ等のフォトセンサーを用いることができる。また、スイッチング素子としては、TFT(Thinfilmtransistor:薄膜トランジスタ)等を用いることができる。光電変換素子をスイッチング素子と共に用いて画素が構成されている。また、光電変換部106の材料としては、例えば、アモルファスシリコン、ポリシリコン、単結晶シリコン又は有機材料等を用いることができる。光電変換部106の材料として、単結晶シリコンを用いる場合には、光電変換素子として、CCDやCMOSセンサ等を用いることもできる。
第1の保護層109は、光電変換部106及び配線部107を覆い、これらを保護する。第1の保護層109の材料としては、例えば、窒化シリコン等を用いることができる。第1の保護層109の上には、必要に応じて、第2の保護層110を設けてもよい。第1の保護層109又は第2の保護層110としては、例えば、SiN、TiO2 、LiF、Al2 3 、MgO等を用いることができる。これらの他、ポリフェニレンサルファイド樹脂、フッ素樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミドイミド樹脂を用いることができる。さらに、これらの他、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコン樹脂等を用いることができる。第1の保護層109又は第2の保護層110は、放射線照射時に波長変換体102で変換された光が通過することから、波長変換体102が放出する光の波長に対し、高い透過率を示すものが好ましい。
拡散層104は、センサーパネル101と波長選択性導光層103との間に配置され、波長選択性導光層103により導光される第2の光を拡散させる。第2の光を拡散させるのは、光を拡散させてセンサーパネル101面内の光量ムラを低減し、光電変換部106の特性変動及びS/Nを改善するために、センサーパネル101に一様に光を照射するためである。
拡散層104の厚さとしては、波長選択効果及び拡散効果が満足されるのであれば、どのような厚みでもよいが、パネルの可搬性や軽量化のために厚みがより薄いことが好ましく、例えば0.2mm〜10mmが好ましく、2〜6mmがより好ましい。
拡散層104に拡散効果をもたせるためには、例えば、拡散層104の表面を粗面にする方法を用いることができる。これによって、波長選択性導光層103から拡散層104に進行してきた光が効率的に分散され、波長選択性導光層103からの光のムラを低減することができる。拡散層104の表面を粗面にして拡散効果を得る場合、センサーパネル101の裏面に配置された波長選択性導光層103から入射する光を拡散させるために、拡散層104のセンサーパネル101側の面を粗面にすることが好ましい。このような粗面を形成する方法としては、例えば、サンドブラスト、エッチング等を用いることができる。このような粗面の平均粗さとしては、Rz=2〜20μmであることが好ましい。拡散層104の拡散層としての効果は、波長選択性導光層103から導光された光をより均一にすることを目的としているため、面粗度は面内で均一であることが好ましい。
また、拡散層104に拡散効果をもたせるためには、拡散層104に光拡散機能を有する光拡散粒子を分散・含有させてもよい。光拡散粒子の大きさは、例えば、5〜200μmであることが好ましく、5〜30μmであることがより好ましい。光拡散粒子の材料としては、例えば、ポリポロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂などの樹脂材料、さらには一般的に知られているガラス粒子や酸化チタン粒子のような金属微粒子等を用いることができる。拡散層104の拡散層としての効果は、波長選択性導光層103から導光された光をより均一にすることを目的としているため、光拡散粒子は面内で均一に拡散されることが好ましい。拡散層104の厚さ方向に対しては、光拡散粒子が全層に均一に分散されてもよいが、波長選択性導光層103からの光が減衰しないように、センサパネル101の近傍の含有量が高くなるように拡散粒子を充填してもよい。なお、拡散粒子の含有量は、拡散層104自体の自己保持性を考慮すると30%vol以下であることが好ましい。
また、図2に示すように、波長選択性導光層103に反射層201を配置してもよい。反射層201は、波長選択性導光層103の表面に波状、プリズム状などの形状を有する所謂マイクロリフレクター形状を形成してもよいし、反射性インクでマイクロドット印刷を施してもよい。また、異なる反射機能をもつ層を形成することによっても反射機能を付加することがきる。例えば、反射性の粒子を含有する樹脂フィルムを貼り付けて設けてもよい。具体的には、一般に知られている白PETフィルムを貼り付けることで容易に形成することができる。また、例えば、センサーパネル101を支持する筐体が波長選択性導光層103からの光を反射するような反射面をもつ支持体であれば、直接この筐体に積層することによって反射層201の機能を付加できる。反射層201は、波長選択性導光層103の光源の光を効率良く導光させるために使用するものであって、波長選択性導光層103の下面を覆うように形成されることが好ましい。さらに波長選択性導光層103の光源の下面を覆うように形成されることがより好ましく、さらに波長選択性導光層103の導光層の側面を覆うように形成されることが更に好ましい。従って、反射層201の材料としては、印刷インク、樹脂フィルム等の被覆が容易な材料が望ましい。
また、放射線検出装置100には、波長変換体102の上に耐湿保護層、反射層を兼ねた防湿保護層111を設けてもよく、防湿保護層111は、電磁シールド層を兼ねてもよい。このような耐湿保護層111は、波長変換体102をその上部表面から側面にかけて覆うように形成され、波長変換体102がセンサーパネル101の表面と外部から遮断されるように少なくとも端部がセンサーパネル101の表面に直接形成されることが望ましい。
波長変換体102に設けられる反射層は、波長変換体102からの光を反射し、且つ、外部からの水分の浸入を防止する材料が望ましく、特に金属材料が望ましい。具体的には、Al、Ag、Cr、Cu、Ni、Ti、Mg、Rh、Pt及びAu等の反射率の高い金属が望ましい。さらに、この反射層には、剛性保護の目的で樹脂層(不図示)を積層することが望ましい。
また、放射線検出装置100において、センサーパネル101の電極取り出し部108には、駆動用もしくは検出用集積回路ICが実装されたフレキシブル回路基板(不図示)の端子部が異方導電性接着剤(不図示)を介して貼り合わされる。
以下、本発明の好適な実施の形態に係る放射線検出装置の製造方法について説明する。なお、本実施形態に係る製造方法における、各構成の配置、材料、性質、大きさ、製法等は、上述した放射線検出装置の各構成で説明したものを適用することが可能である。
先ず、図1に示すようにセンサーパネル101を形成する。具体的には、基板105上に光電変換部106及び配線部107並びに電極取り出し部108を形成する。
次いで、センサーパネル101の上に第1の保護層109を形成し、さらにその上に波長変換体102を形成する。ここで、必要があれば、第1の保護層109上に第2の保護層110を形成してもよい。
次いで、第1の保護層109(又は第2の保護層110)上に表面処理を施す。例えば、表面処理としてプラズマ処理を用いる場合、大気圧プラズマ洗浄装置を用いて、反応管幅75mm、被照射距離5mm、操作速度75mm、出力0.8kwで行うことができる。
次いで、第1の保護層109(又は第2の保護層110)の画素領域に対応する位置に波長変換体102を形成する。波長変換体102としては、例えば、CsI:Tl(タリウム活性化ヨウ化セシウム)等を厚さ500μmで蒸着することができる。
次いで、波長変換体102の上に保護層111を積層する。保護層111としては、例えば、Al40μm、PET50μmを積層してなるAl/petシートのAl面側に、厚さ100μmのアクリル粘着シートを配置した構成を用いることができる。
次いで、表面をサンドブラスト法等により粗面とした拡散層104を形成する。なお、上述したように、拡散層104に拡散効果をもたせるためには、拡散層104に光拡散機能を有する光拡散粒子を分散・含有させてもよい。
次いで、波長選択性導光層103を拡散層104に重ね合わせる。ここで、波長選択性導光層103の裏面に反射層201(例えば、白PETフィルム(厚さ188μm)等)を形成してもよい。波長選択性導光板103の作製方法としては、まず、ポリメチルメタアクリレート前駆体に触媒性色素を1重量%含有させた樹脂溶液を、2枚のガラスからなるキャスティングセル内に注入する。次いで、130℃でキャスティング成型し、厚さ4mmのPMMA(ポリメチルメタアクリレート)を有する導光板を作製する。導光板の透過率は、例えば、波長540nmで10%、波長650nmで80%である。
次いで、センサーパネル101上の電極取り出し部104に、異方導電性接着剤(不図示)を介してフレキシブル回路基板(不図示)の端子部を熱圧着し、放射線検出装置を得る。
[応用例]
図6は本発明の好適な実施の形態に係る放射線検出装置を放射線撮影システムに応用したシステム図である。
本放射線撮影システムの特徴は、以下の点である。すなわち、X線発生源としてのX線チューブ6050で発生したX線6060は、患者あるいは被検体6061の胸部などの観察部分6062を透過し、放射線検出装置100、200に入射する。この入射したX線6060には被検体6061の内部の情報が含まれている。X線6060の入射に対応して放射線検出装置100、200は電気的情報を得る。この情報はデジタル信号に変換され、信号処理手段としてのイメージプロセッサ6070により画像処理され制御室(コントロールルーム)にある表示手段としてのディスプレイ6081で観察可能となる。
画像処理された情報は、電話回線や無線6090等の伝送処理手段により遠隔地などへ転送でき、ディスプレイ6081に表示されたり、フィルムなどに出力されたりして、コントロールルームとは別の場所の遠隔地にいる医師が診断することも可能である。このようにして、ドクタールームで得られた情報は、フィルムプロセッサなどの記録手段としての記録部6100により光ディスク、光磁気ディスク、磁気ディスクなどの各種記録材料を用いた記録媒体に記録や保存することもできる。また、フィルム又は紙などの記録媒体6110に記録や保存することもできる。
以上説明したように、本発明の好適な実施の形態に係る放射線検出装置及び放射線撮影システムによれば、波長変換体光源からの漏れ光が原因となるノイズの発生を低減し、波長選択性導光層より導光される光によって、光電変換部の特性を向上させることができる。
また、放射線検出装置の積層構造の簡略化が可能となり、放射線検出装置の構成層が薄くなるため、装置及びシステム全体の軽量・薄型化が可能となる。その結果、低コストで耐久性の高い放射線検出装置及び放射線撮影システムを実現することができる。
本発明の好適な実施形態に係る放射線検出装置の構成を示す断面図である。 本発明の好適な実施形態に係る他の放射線検出装置の構成を示す断面図である。 白色LED光源の発光波長強度を示す図である。 CsIヨウ化セシウムの発光波長ピークを示す図である。 GOS酸化硫化ガドリニウムの発光波長ピークを示す図である。 本発明の応用例に係る放射線撮影システムの構成を示す概念図である。 従来の放射線検出装置の構成を示す断面図である。
符号の説明
100 放射線検出装置
101 センサーパネル
102 波長変換体
103 波長選択性導光層
104 拡散層
106 光電変換部

Claims (10)

  1. 光電変換部を有するセンサーパネルと、
    前記センサーパネルに配置された、放射線を前記光電変換部が感知可能な第1の光に変換する波長変換体と、
    前記センサーパネルを挟んで前記波長変換体と対向する位置に配置された、前記第1の光を吸収し且つ第2の光を前記光電変換部に導光する波長選択性導光層と、
    前記センサーパネルと前記波長選択性導光層との間に配置された、前記第2の光を拡散させる拡散層と、
    を備えることを特徴とする放射線検出装置。
  2. 前記波長選択性導光層は、前記第1の光の発光波長領域よりも広い領域で光を吸収可能であることを特徴とする請求項1に記載の放射線検出装置。
  3. 前記波長選択性導光層は、前記第2の光の発光波長領域よりも狭い領域で前記第1の光を吸収することを特徴とする請求項1に記載の放射線検出装置。
  4. 前記波長選択性導光層は、有機色素を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の放射線検出装置。
  5. 前記色素は、耐光性改良剤を含むことを特徴とする請求項4に記載の放射線検出装置。
  6. 前記耐光性改良剤は、アミニウム塩化合物又はジイモニウム塩化合物を含むことを特徴とする請求項5に記載の放射線検出装置。
  7. 前記波長選択性導光層に配置された反射層を更に備えることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の放射線検出装置。
  8. 前記波長変換体を覆う保護膜を更に備えることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の放射線検出装置。
  9. センサーパネルを形成する工程と、
    放射線を前記光電変換部が感知可能な第1の光に変換する波長変換体を前記センサーパネルに形成する工程と、
    前記第1の光を吸収し且つ第2の光を前記光電変換部に導光する波長選択性導光層を前記センサーパネルを挟んで前記波長変換体と対向する位置に形成する工程と、
    を含み、
    前記波長変換体を形成する工程の後で且つ前記波長選択性導光層を形成する工程の前に、前記第2の光を拡散させる拡散層を前記センサーパネルと前記波長選択性導光層との間に形成する工程を含むことを特徴とする放射線検出装置の製造方法。
  10. 請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の放射線検出装置と、
    前記放射線検出装置からの信号を処理する信号処理手段と、
    前記信号処理手段からの信号を記録する記録手段と、
    前記信号処理手段からの信号を表示する表示手段と、
    前記信号処理手段からの信号を伝送する伝送処理手段と、
    を備えることを特徴とする放射線検出システム。
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