JP2004085716A - 導光体、導光体の製造方法、および液晶表示装置 - Google Patents

導光体、導光体の製造方法、および液晶表示装置 Download PDF

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Akitsugu Hatano
波多野 晃継
Yotaro Hatamura
畑村 洋太郎
Masayuki Nakao
中尾 政之
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Abstract

【課題】ゴミによって発生するバックライトおよびそのバックライトを用いる液晶表示装置の製品不良を減少させる導光体と、その導光体の製造方法と、その導光体を用いることにより製品不良を減少させて、製造コストの上昇を抑えることが可能な液晶表示装置とを提供する。
【解決手段】フィルム、およびそのフィルム上に形成された偏光素子層が設けられている偏光素子3と、偏光素子3のフィルムが接合されている導光層4とを有しており、偏光素子3のフィルムおよび導光層4を接合(熱圧着など)することによって、ゴミによって発生する製品不良を防止した。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、偏光素子が設けられている導光体、その導光体の製造方法、およびその導光体を備えた液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は、他の表示装置と比べて、薄型で軽量なものであり消費電力が小さいという特長がある。その特長を生かして、ワードプロセッサ、ノートブック型のパーソナルコンピュータ、携帯情報端末、およびワークステーションなどの各種商品に、液晶表示装置は広く応用されている。
【0003】
従来の液晶表示装置、例えば透過型の液晶表示装置においては、透光性の基板上に、縞状に配置された配線(ストライプ状配線)を形成した画素基板、赤色、緑色、および青色のカラーフィルタ層を形成したカラーフィルタ基板、ならびに上記の両基板間に液晶層を挟み込んでいる透過型の液晶パネルと、透過型の液晶パネルを駆動する駆動回路と、白色光を発光するバックライトとを備えている。また、反射型の液晶パネルでは、液晶パネルの表面に、照明用としてフロントライトが設置されている。
【0004】
上記、液晶パネルと駆動回路とバックライトとを備えて構成されている液晶表示装置では、バックライトからの白色光が、液晶パネルの各画素に配置されたカラーフィルタにより赤色、緑色、および青色に変換されると共に、画像データに対応した駆動回路からの駆動制御信号により、液晶パネルの液晶層に印加される電圧が制御される。上記変換と制御とによって、各色光の強度が変調され、画像データに対応したカラーの画像を表示することができる。特に、薄膜トランジスタ(thin film transistor)(以下、「TFT」と記す)などの能動素子をスイッチング素子として用い、画素をマトリクス状に配置したアクティブマトリクス型の液晶表示装置は、高い表示品位が求められる商品に使われている。
【0005】
液晶表示装置に用いられるバックライトとしては、エッジライト方式のバックライトが多く用いられている。一般にエッジライト方式のバックライトは、光源と、透明な導光体と、光源からの光が導光体の端(エッジ)から導光体に入射するように光源の周囲に配置した光源用の反射シートと、導光体の上面に配置された光拡散シートおよびレンズシートと、導光体の下面に光散乱用微粒子を含んだインクを印刷して形成したドットパターンと、導光体の下面から出てくる光を上方に反射する反射板とで構成されている。なお、ここで言う「導光体の上面」とは、導光体から光が出射する面のことである。また、「導光体の下面」とは、導光体の上面と反対側に位置する面のことである。
【0006】
上記の光源としては、冷陰極管などの線状光源、発光ダイオードなどが用いられる。ドットパターンおよび反射シートは、光を導光体の上面に出射させるように機能する。光拡散シートは、導光体の上面に出てきた光を拡散し、ドットパターンが見えなくなるようにして面全体が均一な輝度になるように機能する。レンズシートは、必要に応じて表示装置の表示面における正面輝度を向上させるために、導光体の上面で光拡散シートにより拡散する拡散光を、表示面の正面方向に効率よく集光するように構成されている。
【0007】
上記のように、バックライト、特に、バックライトにおける導光体の部分には、導光体、各種光学シートなどの多数の部品が必要である。そのため、バックライトにおける導光体の部分は、導光体や各種光学シートなどの部品を重ね合わせ、それら部品を組み立てることにより構成されている。
【0008】
また、液晶表示装置では、液晶の配向の変化を可視化させるため、一定方向に振動する光が必要である。その一定方向に振動する光を取得するために、液晶表示装置では、偏光素子(偏光板)が用いられている。偏光素子には、粘着剤層や接着剤層といった接着層が備えられている。その接着層は、通常、偏光素子の表面に積層されている。また、その偏光素子を液晶表示装置で使用するときは、接着層によって、液晶表示装置の構成部品、例えば液晶パネルなどに、偏光素子を貼り付ける。上記偏光素子を貼り付ける前は、その偏光素子における接着層の表面に、ラミネートが貼り付けられている。そして、偏光素子の貼り付けは、そのラミネートを剥がした後に行われる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のバックライトおよび液晶表示装置においては、次のような問題点がある。上記のように、バックライトには多くの部品が用いられている。特に、バックライトにおける導光体の部分は、導光体や各種光学シートなどの部品を重ね合わせ、それら部品を組み立てることにより構成されている。そのため、ゴミが付着および入り込むことによって、バックライトの製品不良が発生するという問題点がある。
【0010】
上記のように、バックライトに悪影響を与えて製品不良を引き起こすゴミは、大きく2つに大別できる。その1つは、バックライト組み立て時のゴミである。もう1つは、バックライト組み立て後のゴミである。なお、ここに言う「バックライト組み立て時のゴミ」とは、主として、バックライトにおける導光体の部分を組み立てる時のゴミを指す。また、「バックライト組み立て後のゴミ」とは、主として、バックライトにおける導光体の部分を組み立てた後のゴミを指す。
【0011】
バックライト組み立て時のゴミとしては、例えば、静電気により引き寄せられるゴミが挙げられる。例えば、光学シートの1つとして偏光素子を貼り付けるとき、偏光素子の接着層の表面にあるラミネートを剥がすと、静電気が発生する。その静電気によって引き寄せられるゴミは、バックライトの製品不良を引き起こす。
【0012】
バックライト組み立てた後のゴミとしては、例えば、導光体の組み立て部分にゴミが入り込み、製品不良が発生することなどが挙げられる。上記のようにバックライトの部品数は多く、部品数の増加にともなって、ゴミが入り込む可能性のある組み立て部分も増加する。
【0013】
上記のようにバックライトの製品不良が発生すると、当然、液晶表示装置の製品不良が増加して、液晶表示装置の製造コストが上昇するという問題点がある。
【0014】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、ゴミによって発生するバックライトおよびそのバックライトを用いる液晶表示装置の製品不良を減少させる導光体と、その導光体の製造方法と、その導光体を用いることにより製品不良を減少させて、製造コストの上昇を抑えることが可能な液晶表示装置とを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の導光体は、上記課題を解決するために、一定の場所に光を導く導光体において、フィルム、およびそのフィルム上に形成された偏光素子層が設けられている偏光素子と、偏光素子のフィルムが接合されている導光層とを有することを特徴としている。
【0016】
上記構成によれば、本発明の導光体は、偏光素子と導光層とを有している。その偏光素子は、フィルムとそのフィルム上に形成された偏光素子層とにより構成されている。そして、偏光素子のフィルムは、導光層に接合されている。
【0017】
従来のバックライトの導光体部分は、上記のように、導光体と各種光学シートなどの部品とを集めて、重ね合わせ、組み立てて構成されている。そのため、組み立て時におけるゴミの付着と、組み立て後における組み立て部分へのゴミの入り込みとによって、製品不良が発生していた。
【0018】
上記のような製品不良の発生を解決するため、上記偏光素子のフィルムと導光層とを接合させることにより、導光体への部品の一体化を行った。このような導光体への部品の一体化により、ゴミが入り込む可能性のある組み立て部分が減少する。つまり、上記一体化によって、バックライトに悪影響を与えて製品不良を引き起こすゴミのうち、バックライト組み立てた後のゴミは、入り込む部分が減少する。
【0019】
その結果、バックライト組み立て後のゴミが引き起こす製品不良を減少させることができる。もちろん、組み立て後における組み立て部分へのゴミの入り込みが減少すると、製品不良率が低減して、歩留まりが向上する。さらに、バックライトを用いる液晶表示装置の製造において、バックライトにおける導光体部分の製造を、連続して一貫生産することができるので、生産工程数を削減することができる。つまり、導光体、導光体を組み込んだバックライト、および導光体を組み込んだ液晶表示装置の組み立て工程が削減できるので、液晶表示装置のコストを削減することができる。
【0020】
また、本発明の導光体は、上記構成に加えて、偏光素子のフィルムと導光層とを接合するための接合層を有し、一定の場所に導かれる光が通過しない場所に、接合層が設けられていることを特徴としている。
【0021】
上記構成によれば、導光体は一定の場所に光を導く。その光が通過しない場所に、接合層が設けられている。なお、一定の場所に導かれる上記光が通過しない場所という文言のうち、「一定の場所に導かれる上記光」とは、導光体を用いて一定の場所に導きたい光を意味する。
【0022】
例えば、導光体を液晶表示装置に用いた場合、液晶表示装置の表示のために用いる光が「一定の場所に導かれる上記光」ということになる。つまり、この例で言うと、「一定の場所に導かれる上記光が通過しない場所」とは、液晶表示装置の表示には影響しない場所ということを意味する。
【0023】
また、液晶表示装置の場合、一定の場所に導かれる上記光が通過しない場所に、接合のための接合層が設けられているとは、次のような例を挙げることができる。例えば、偏光素子のフィルムと導光層とを接合するとき、そのフィルムと導光層との端部にのみ接合層を設けることが挙げられる。なお、ここで言う「フィルムと導光層との端部」は、液晶表示装置の表示には影響しない場所である。このような端部にのみ接合層を設けて、例えば、偏光素子のフィルムと導光層とを、端部から徐々にローラーなどで押しつけて密着させることによって、上記接合をすることができる。
【0024】
また、上記構成によれば、接合層を用いて偏光素子を導光層に貼り付ける場合に、接合層は、一定の場所に導かれる上記光が通過しない場所にだけ設けられている。つまり、バックライト組み立て時において、仮に、一定の場所に導かれる上記光が通過しない場所にゴミが付着および入り込んだとしても、バックライトの製品不良となる確率は低い。
【0025】
その結果、上記効果に加えて、バックライト組み立て時のゴミによって発生する偏光素子の貼り付け不良と、そのゴミによるバックライトの製品不良とを減少させることができる。
【0026】
なお、熱圧着や熱溶着又は同一工程での接着剤を塗布して、上記接合層を形成することが好ましい。このように接合層を形成すると、従来問題となっていた、偏光素子からラミネートを剥がす工程を省略することができるからである。もちろん、偏光素子からラミネートを剥がす工程を省略すると、静電気によるゴミの吸い寄せを防止することができる。
【0027】
また、上記接合層に接着剤を用いる場合、透明な導電性材料(ITO、SnOなど)を、上記のような場所に設けられた接合層の接着剤に混合することは、静電気によるゴミの吸着の減少に効果的である。そのため、ITO、SnOなどの透明な導電性材料を、上記接着剤に混合してもよい。なお、ITOとは、インジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide)のことである。また、SnOとは、二酸化スズのことである。
【0028】
また、本発明の導光体は、上記構成に加えて、偏光素子のフィルムと導光層との接合のための接着層を有し、その接着層は、透明な導電性材料を含んでいることを特徴としている。
【0029】
上記構成によれば、接着層は、ITO、SnOなどの透明な導電性材料を含んでいる。接着層に上記導電性材料を用いると、静電気の発生を防止することができ、さらに、静電気によるゴミの吸着を減少させることができる。
【0030】
その結果、上記効果に加えて、バックライト組み立て時において静電気の発生を防止して、バックライト組み立て時のゴミによって発生する偏光素子の貼り付け不良と、そのゴミによるバックライトの製品不良とを減少させる導光体を提供することができる。
【0031】
また、本発明の導光体は、上記構成に加えて、偏光素子のフィルムと導光層とが、熱圧着により接合されていることを特徴としている。
【0032】
上記構成によれば、偏光素子のフィルムと導光層とが熱圧着により接合されている。そのため、接合層(接着層)を用いずに、偏光素子のフィルムと導光層とを接合することができる。つまり、偏光素子に接合層(接着層)が不要となり、接合層のラミネートを剥がす工程を省くことができる。
【0033】
その結果、上記効果に加えて、バックライト組み立て時において静電気の発生を防止して、バックライト組み立て時のゴミによって発生する偏光素子の貼り付け不良と、そのゴミによるバックライトの製品不良とを減少させる導光体を提供することができる。
【0034】
なお、上記のように偏光素子のフィルムおよび導光層を互いに熱圧着するためには、偏光素子のフィルムおよび導光層の材料として、例えば樹脂材料などを用いる。具体的に言うと、導光層の材料としては、例えば、ポリオレフィン、アクリル、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)を用いることができる。また、偏光素子のフィルムの材料としては、TAC(トリアセテート)、PES(ポリエーテルサルホン(polyether sulphone))を用いることができる。
【0035】
また、本発明の導光体は、上記構成に加えて、光の指向性を制御する回折光学素子が設けられており、その回折光学素子は、ホログラムにより形成されていることを特徴としている。
【0036】
従来、特開平6−123884号公報(公開日:1994年5月6日)、特開平8−286043号公報(公開日:1996年11月1日)において、レンズなどの光学素子が設けられている導光体が開示されている。また、そのレンズなどの光学素子は、屈折現象を用いた光学素子である。
【0037】
それに対して、本発明の導光体には、上記構成によれば、ホログラムにより形成された回折光学素子が設けられている。そのため、回折現象特有の効果を得ることができる。例えば、屈折現象を用いた光学素子であるレンズでは、1つの領域に1つのレンズしか配置することができない。当然、1つの領域に1つのレンズを配置したときに得られる効果しか得ることができない。例えば、斜め方向から入射する光は、レンズでけられてしまい、その光を集光することができない。
【0038】
しかし、体積ホログラムにより形成された回折光学素子を用いると、1つの領域に複数のレンズを配置したのと同様の効果を得ることができる。このため、体積ホログラムにより形成された回折光学素子を用いると、従来のレンズでは集光できなかった斜め方向から入射する光を集光することができる。
【0039】
また、レリーフ型ホログラムにより形成された回折光学素子を用いると、屈折現象を用いた光学素子であるレンズを用いる場合と比べて、光利用効率を高めることができる。
【0040】
その結果、上記効果に加えて、従来の導光体と比較して、集光効率が高いまたは光利用効率が高い導光体を得ることができる。
【0041】
また、本発明の導光体は、上記構成に加えて、偏光素子層には、一定周期の金属パターンが設けられていることを特徴としている。
【0042】
上記構成によれば、偏光素子層には、一定周期の金属パターンが設けられている。上記金属パターンが設けられた偏光素子層は、例えば、金属パターンの金属を樹脂などに混ぜて、それをフィルム上で硬化させることによって、形成することができる。また、上記金属パターンが設けられた偏光素子層は、微細形状の型転写によっても形成することができる。
【0043】
また、金属パターンは導電性を有するため、静電気によるゴミの吸着を防止することができる。さらに、金属は比較的耐熱性の高い材料であるため、偏光素子層に金属パターンを用いた偏光素子は、熱圧着に適している。なお、金属パターンと樹脂とによって偏光素子層を形成している場合においても、熱圧着するときに用いる熱を考慮して樹脂を選択すると、熱圧着に適した偏光素子を容易に作製することができる。
【0044】
その結果、上記効果に加えて、静電気によるゴミの吸着を防止でき、熱圧着による接合に適した偏光素子を取得することができる。
【0045】
また、本発明の導光体は、上記構成に加えて、偏光素子層の金属パターンの幅とその金属パターン間の間隔とが、100nm以下であることを特徴としている。
【0046】
上記構成によれば、偏光素子層の金属パターンの幅と、その金属パターン間の間隔とが、100nm(100ナノメートル)以下である。金属パターンの幅と、その金属パターン間の間隔とを100nm以下にすると、その偏光素子層を有する偏光素子は、良好な偏光性能を得る。
【0047】
また、偏光素子層の金属パターンの幅と、その金属パターン間の間隔とが100nm以下であるものは、金属パターンの金属を樹脂などに混ぜて樹脂を硬化させる方法でも、微細形状の型転写による方法でも形成することができる。
【0048】
その結果、上記効果に加えて、金属パターンによる偏光素子の偏光性能を向上させることができる。
【0049】
また、本発明の導光体の製造方法は、フィルム、およびそのフィルム上に形成された偏光素子層が設けられている偏光素子と、偏光素子のフィルムが接合されている導光層と、上記接合のための接着層とを有し、一定の場所に光を導く導光体の製造方法であって、偏光素子のフィルムまたは導光層に対して接着層を形成した直後に、偏光素子のフィルムと導光層とを接合させることを特徴としている。
【0050】
上記方法によれば、偏光素子のフィルムまたは導光層に対して接着層を形成した直後に、偏光素子のフィルムと導光層とを接合させる。つまり、この方法によれば、接合前における上記接着層の表面に、保護フィルムを設ける必要はない。なお、ここで言う「保護フィルム」とは、接着層の表面にあるラミネートを含むものである。つまり、保護フィルムとは、接着層の保護などのために、接合(接着)前に、接着層の表面に設けられているフィルムのことである。
【0051】
なお、上記、「偏光素子のフィルムまたは導光層に対して接着層を形成した直後に、偏光素子のフィルムと導光層とを接合させる」とは、もちろん、接着層を形成してすぐに偏光素子のフィルムと導光層とを接合させることを含む。しかし、「偏光素子のフィルムまたは導光層に対して接着層を形成した直後に、偏光素子のフィルムと導光層とを接合させる」の「直後」には、ある範囲の時間の経過も含むものとする。具体的には、上記接着層を形成してから、接合不良を引き起こすようなゴミが接着層の表面に吸い寄せられることがなく、さらに、正常な接合が可能であるという範囲の時間の経過後に、偏光素子のフィルムと導光層とを接合しても良い。
【0052】
また、上記接合に使用可能な接着剤としては、例えば、絶縁性の接着剤、導電性の接着剤などがある。さらに、透明な導電性材料(ITO、SnOなど)を上記接着剤に混合することは、静電気によるゴミの吸着を減少させるのに効果的である。
【0053】
その結果、偏光素子を貼り付けるときに、接着層の表面にあるラミネートを剥がす工程を省略でき、偏光素子の貼り付け不良を減少させる導光体を提供することができる。
【0054】
また、本発明の導光体の製造方法は、上記に記載の導光体を製造する方法であって、金属微粒子を含む樹脂をフィルム上に塗布するステップと、樹脂を未硬化状態に保持したまま、磁界によって金属微粒子を整列させるステップと、その整列後に樹脂を硬化させ、整列した金属微粒子を固定することにより、金属パターンを有する偏光素子層をフィルム上に形成するステップとを含むことを特徴としている。
【0055】
上記方法によれば、フィルム、およびそのフィルム上に形成された偏光素子層が設けられている偏光素子を、容易に作製することができる。特に、一定周期の金属パターンが設けられている偏光素子層、および、偏光素子層の金属パターンの幅とその金属パターン間の間隔とが100nm以下である偏光素子層を、容易に作製することができる。また、この方法で製造する導光体用の偏光素子は、金属パターンにより形成されているため、上記熱圧着による接合に適している。
【0056】
その結果、偏光素子の貼り付け不良を減少させる導光体の製造が容易となる、導光体の製造方法を提供することができる。
【0057】
また、本発明の液晶表示装置は、上記に記載の導光体を備えていることを特徴としている。
【0058】
上記構成によれば、ゴミによる製品不良を防止できる導光体を、本発明の液晶表示装置は備えている。また、熱圧着によって、導光体の導光層に偏光素子を貼り付けることができる。熱圧着によって偏光素子を導光層に貼り付けると、従来のように、偏光素子に接着層を設けて、その接着層の表面にあるラミネートを剥がす工程を省くことができる。その工程を省くことにより、静電気の発生を防止して、偏光素子の貼り付け不良を減少させる導光体を、本発明の液晶表示装置は備えている。
【0059】
また、一定の場所に導かれる上記光が通過しない場所に接着層が設けられている導光体を、上記液晶表示装置は備えている。つまり、液晶表示装置の表示に影響しない場所に接着層が設けられている導光体を、上記液晶表示装置は備えている。また、静電気によるゴミの吸着が防止されている接着層、つまり、透明な導電性材料を含む接着層を有する導光体を、上記液晶表示装置は備えている。
【0060】
その結果、上記導光体を用いることにより製品不良を減少させて、製造コストの上昇を抑えることが可能な液晶表示装置とを提供することができる。
【0061】
また、本発明の液晶表示装置は、上記構成に加えて、上記に記載の導光体と、縞状に配置された配線が設けられている液晶パネルとを有し、偏光素子層に設けられている金属パターンの幅、およびその金属パターン間の間隔が、上記縞状に配置された配線における配線間の間隔の300分の1以下であることを特徴としている。
【0062】
上記構成によれば、本発明の液晶表示装置は、縞状に配置された配線(ストライプ状配線)が設けられている液晶パネルを有する。縞状に配置された配線(ストライプ状配線)とは、ストライプ状に配置された配線であり、その配線は、電極を含むものとする。また、縞状に配置された配線は、すべての部分が直線的であってもよく、部分的に曲がっているところを含んでいてもよい。
【0063】
また、縞状に配置された配線における配線間の間隔とは、同じ方向に設けられた配線間の間隔のことであり、例えば、縦方向に縞状に設けられた配線では、縦方向に設けられた配線と、その隣りにある縦方向に設けられた配線との間隔を指す。
【0064】
また、上記構成によれば、偏光素子層に設けられている金属パターンの幅、およびその金属パターン間の間隔が、上記縞状に配置された配線における配線間の間隔の300分の1以下である。このように、縞状に配置された配線における配線間の間隔と比べて、上記金属パターンの幅とその金属パターン間の間隔とを大幅に小さくすると、もし上記金属パターンおよび上記縞状に配置された配線とによってモアレ縞が発生しても、そのモアレ縞を、人間の目では確認できないものとすることができる。
【0065】
その結果、上記効果に加えて、上記偏光素子が設けられている導光体を液晶表示装置に用いたとき、モアレ縞によって表示品位が低下しない液晶表示装置を提供することができる。
【0066】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について説明すれば、以下の通りである。なお、本発明は、下記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0067】
〔実施の形態1〕
本実施の形態における導光体および液晶表示装置の構成を、図1に示す。液晶表示装置22は、液晶パネル1と照明装置2とによって構成されている。
【0068】
液晶パネル1は、照明装置2側から順に言えば、アクティブマトリクス基板16と、液晶層17と、カラーフィルタ基板21とを備えている。液晶層17は、カラーフィルタ基板21とアクティブマトリクス基板16との間に設けられている。
【0069】
アクティブマトリクス基板16には、照明装置2側に、絶縁性基板11が設けられており、第1配線パターン12(走査配線)と、絶縁層13と、第2配線パターン14(信号配線)と、図示していない画素電極とが、絶縁性基板11に積層されている。なお、アクティブマトリクス基板16内には、TFT素子が設けられている。
【0070】
カラーフィルタ基板21には、照明装置2側から順に、対向電極18と、カラーフィルタ19と、絶縁性基板20とが設けられている。
【0071】
また、第1配線パターン12と第2配線パターン14とは、絶縁層13を介して直交するように配置されている。つまり、第1配線パターン12および第2配線パターン14は、縞状に配置された配線である。なお、縞状に配置された配線における配線間の間隔とは、同じ方向に設けられた配線間の間隔のことである。例えば、縦方向に縞状に設けられた配線を、第1配線パターン12とする。そのとき、縞状に配置された配線における配線間の間隔とは、第1配線パターン12の1つと、その隣りにある第1配線パターン12との間隔のことである。なお、液晶パネル1の光出射側には、図示していないが偏光板が配置されている。
【0072】
照明装置2は、液晶表示装置22のバックライトとして用いられており、導光体7と光源10とによって構成されている。導光体7は、液晶パネル1と光源10との間に配置されている。また、導光体7には、光源10側から順に、光拡散層6、ホログラム層5、導光層4、および偏光素子3が積層されている。つまり、偏光素子3、導光層4、ホログラム層5、および光拡散層6は、導光体7に一体化されている。
【0073】
偏光素子3は、フィルムと、そのフィルム上に形成された偏光素子層とを有している。そして、導光体7は、フィルム、およびそのフィルム上に形成された偏光素子層が設けられている偏光素子3と、偏光素子3のフィルムが接合されている導光層4とを有している。
【0074】
上記のように光学部品、例えば、偏光素子3、光拡散層6、ホログラム層5、などを導光体7に一体化すると、ゴミが入り込む可能性のある組み立て部分が減少する。つまり、一体化によって、バックライトに悪影響を与えて製品不良を引き起こすゴミのうち、照明装置2の組み立て後のゴミは、入り込む部分が減少する。
【0075】
また、本実施の形態における導光体7は、その偏光素子3のフィルムと導光層4とは、熱圧着により接合されている。つまり、偏光素子3のフィルムと導光層4とを接合するために、接合層および接着層は用いられていない。
【0076】
導光層4は、樹脂材料で構成することができる。導光層4の樹脂材料としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。なお、本実施の形態の導光層4は、ポリオレフィン樹脂により構成されている。また、偏光素子3のフィルムには、TAC(トリアセテート)フィルムを用いた。上記のように、偏光素子3のフィルムおよび導光層4は、互いに熱圧着が可能な材料で作られており、互いに熱圧着されている。
【0077】
ホログラム層5は、導光層4の光源10側に作製されている。また、上記偏光素子3は、縞状の金属パターンがフィルム上に形成されたものである。光源10は、線状光源8および反射板9によって構成されている。線状光源8としては、例えば冷陰極管などを用いることができる。また、導光体7は、光源10の光を液晶パネル1に導き、液晶表示装置22の表示を良好なものとする。
【0078】
光拡散層6は、次のようにして作製することができる。PET(polyethyleneterephthalate:ポリエチレンテレフタレート)フィルム上にアクリル樹脂のビーズを混合した光硬化性樹脂を塗布して硬化させ、光拡散フィルムを形成する。この光拡散フィルムをホログラム層5に熱圧着させることによって、光拡散層6を導光体7に一体化させる。なお、この光拡散フィルムは、導光層4に熱圧着させる構成として、光拡散層6を導光体7に一体化させてもよい。
【0079】
次に、照明装置2が発光する光について説明する。照明装置2においては、線状光源8が照射した光は、直接または反射板9に反射した後に、光拡散層6へ入射する。光拡散層6へ入射した光は、平面内の光強度分布が大きい、つまり、光強度分布が均一でない。しかし、光拡散層6は、その入射した光を種々の方向に拡散させることによって、光拡散層6の出射側での面内の光強度分布を均一にする。
【0080】
光拡散層6から出射した光は、ホログラム層5によって光の指向性が制御される。つまり、ホログラム層5は、そのような光の指向性を制御することにより、照明装置2における正面方向の光の輝度を向上させる。ホログラム層5を出射した光は、導光層4を通過し、偏光素子3に入射する。
【0081】
偏光素子3では、TM偏光は透過し、TE偏光は反射され光源方向に戻される。しかし、光拡散層6および反射板9で再度反射することにより、戻されたTE偏光の偏光方向は変化して、その偏光方向が変化した光は、偏光素子3に入射する。そのため、光の利用効率を向上させることができ、従来に比べて明るい照明装置2を構成することができる。上記の照明装置2を用いることにより、部品点数を削減することができ、液晶表示装置22の製造コストの低減をすることができる。
【0082】
次に、導光体7におけるホログラム層5について説明する。本実施の形態において、ホログラム層5は、レリーフ型ホログラムにより形成された回折光学素子で構成されている。
【0083】
次に、ホログラム層5の作製方法について詳細に説明する。ホログラム層5の作製方法は、以下のステップからなる。つまり、(1)計算機ホログラム(Computer−Generated Hologram:CGH)手法を用いて回折パターンの形状を決定するステップと、(2)計算により得られた回折パターンを用いてフォトマスクを形成するステップと、(3)そのフォトマスクを用いて原版を作製するステップと、(4)その原版を用いて金型を形成するステップと、(5)金型を押しつけて樹脂を硬化させることによって、回折パターンの転写を行うステップとからなる。ステップ(5)の回折パターンの転写によって、ホログラム層5を導光層4に形成することができる。次に、上記ステップを詳細に説明する。
【0084】
ステップ(1)においては、計算機ホログラム手法を用いて、入射光を集光する機能が生じる回折パターンの形状を計算により導出する。その回折パターンの形状を計算する方法としては、例えば、光線追跡法、反復計算法、直接位相計算法などが挙げられる。光線追跡法とは、回折光学素子に入射するビームの回折光を光線追跡して、所望の回折パターンが得られるように位相分布を最適化する方法のことである。反復計算法とは、回折光学素子の位相分布をフーリエ変換して得られる回折パターンと所望のパターンと差が小さくなるように反復計算する方法のことである。直接位相計算法とは、回折光学素子の位相分布を直接計算する方法のことである。
【0085】
ステップ(2)においては、まず、金属膜を形成した基板上にフォトレジストを塗布したものに、上記ステップ(1)で得た回折パターンを、電子ビームにより直接描画する。なお、基板上に形成した金属膜とは、例えばクロム膜が挙げられる。また、基板とは、例えばガラス基板が挙げられる。次に、その描画したものをエッチング工程に通すことによって、フォトマスクを形成する。
【0086】
ステップ(3)においては、まず、上記ステップ(2)で得たフォトマスクを感光材料に露光する。なお、本実施の形態においては、感光材料にフォトレジストを用いた。次に、その露光したフォトレジストを現像して、フォトマスクのパターン形状が形成された原版を得る。
【0087】
ステップ(4)においては、まず、上記ステップ(3)で得た原版の表面に金属製の薄膜を形成する。その薄膜の形成は、例えば、蒸着などの方法により行う。次に、金属製の薄膜を形成したものを電極として金属をメッキして、その後、剥離して金型を得る。なお、本実施の形態においては、ニッケル製の金型を得た。
【0088】
ステップ(5)においては、まず、ホログラム層5が形成される物(本実施の形態では導光層4)に樹脂を塗布する。次に、上記ステップ(4)で得た金型を樹脂に押しつける。次に、樹脂を硬化させて金型を剥離することにより、回折パターンの転写を行う。なお、本実施の形態においては、樹脂に紫外線硬化性樹脂を用いた。また、導光層4は、ポリオレフィン樹脂からなるものを用いた。さらに、紫外線を照射することによって、樹脂を硬化させた。なお、このステップ(5)では、紫外線硬化性樹脂以外の樹脂を用いてもよい。例えば、熱可塑性樹脂を用いて、冷却することによって樹脂を硬化させる方法としてもよい。なお、ここで形成された回折パターン形状は、可視光を回折するためのμmオーダー以下の微細パターンであり、その微細パターンが全面に形成されている。
【0089】
次に、図2を用いて、導光層4に一体化させることにより偏光素子3となる偏光素子38(図2(g)参照)の作製方法の概略を説明する。偏光素子38は、下記のように、微細形状の型(転写用の型)を用いて形成される。
【0090】
偏光素子38の作製方法は、以下のステップ、つまり、(A)土台の上に酸化膜を形成するステップと、(B)酸化膜上にレジストパターンを形成するステップと、(C)酸化膜をエッチングすることにより、エッチングされた酸化膜と土台とからなる原版を得るステップと、(D)エッチングされた酸化膜と土台とからなる物を用いて転写用の型を得るステップと、(E)その転写用の型にレジスト層を形成するステップと、(F)フィルム上にある金属膜上にレジスト層を移すステップと、(G)金属膜をエッチングしてレジスト層を除去することにより、フィルム上に形成された偏光素子を得るステップとからなる。以下にこれらステップを、図2を用いて説明する。
【0091】
ステップ(A)においては、まず、土台30を準備する。土台30には、例えば、シリコンウエハなどを用いることができる。次に、土台30の上に、熱酸化により酸化膜31を形成する。
【0092】
ステップ(B)においては、まず、酸化膜31上にレジスト層を形成する。レジスト層は、例えば、ポリメチルメタアクリレート(polymethylmethacrylate:PMMA)をスピンコートにより塗布し、焼成することにより得られる。次に、電子線描画装置を用いて、電子ビームで線幅50nm、スペース(間隔)50nmのストライプパターンを、レジスト層全面に描画露光する。次にキシレンを用いて現像を行い、レジストパターン32を形成する。上記手順によって、酸化膜31が土台30上に形成され、さらにレジストパターン32が酸化膜31上に形成される(図2(a)参照)。
【0093】
ステップ(C)においては、まず、レジストパターン32をエッチングマスクとして、フッ酸を用いて酸化膜31をエッチングする。そのエッチング後、レジストパターン32を除去する。なお、本実施の形態においては、酸素プラズマのアッシングにより、レジストパターン32を除去した。上記手順により、エッチングされた酸化膜31が土台30の表面に形成されている原版33を得る(図2(b)参照)。
【0094】
ステップ(D)においては、まず、ステップ(C)で作製した原版33の外周部分に型枠(図示せず)を密着させる。次に、硬化するゴム材料を、型枠内にある原版33に流し込み、硬化させる。本実施の形態においては、シリコーンゴム材料のポリジメチルシロキサン(PDMS)に硬化剤を加えたものを、硬化するゴム材料として用いた。次に、ゴム材料を硬化させることにより、原版33の形状をゴム材料に写し取る(図2(c)参照)。次に、原版33よりゴム材料を剥離して、転写用の型34を得る(図2(d)参照)。
【0095】
ステップ(E)においては、マイクロコンタクトプリント法により、次のようにしてレジスト層35を形成した。まず、レジスト層を形成するための溶液を準備する。次に、その溶液を、転写用の型34の転写面となる型34の凸部端面に浸透させて、その転写面の表面にレジスト層35を形成する(図2(e)参照)。なお、レジスト層を形成するための溶液とは、例えば、OTS(オクタデシルトリクロロシラン)の溶液などが挙げられる。本実施の形態においては、OTSをヘキサン溶媒で希釈した溶液を、レジスト層35の形成に用いた。
【0096】
ステップ(F)においては、フィルム37上の全面に金属膜36を形成したものに、ステップ(E)で得た転写面に形成されたレジスト層35を移す。具体的には、転写面に形成されたレジスト層35を金属膜36に密着させて、次に、転写用の型34を金属膜36から離すことにより、レジスト層35を金属膜36上に形成する(図2(e)および図2(f)参照)。なお、本実施の形態においては、フィルム37にはTAC(トリアセテート)フィルムを、金属膜36にはクロム膜を用いた。そのクロム膜としては、例えば、スパッタ成膜により成膜したクロム膜を用いることができる。
【0097】
ステップ(G)においては、まず、エッチング液を用いて金属膜36をエッチングする。次に、レジスト層35を除去して、エッチングされた金属膜36がフィルム37上に形成された偏光素子38を得る(図2(g)参照)。なお、本実施の形態では、金属膜36をクロム膜としたので、エッチング液には、硝酸第2セリウムアンモニウムと過塩素酸とからなるクロムエッチング液を用いた。このようして、一定周期の金属パターンとしての金属膜36は、フィルム37上に形成される。
【0098】
上記の方法で形成した偏光素子38を導光層4の一方の面に接着させることにより、偏光素子38は偏光素子3となる。つまり、偏光素子3を導光体7に一体化することができる。
【0099】
上記金属膜36の金属材料として、本実施の形態においてはクロムを用いた。しかし、金属膜36の金属材料、つまり偏光素子3の金属材料として、タングステン、モリブデンなどの他の金属材料を用いても良い。
【0100】
また、偏光素子3のエッチングされた金属膜36(金属パターン)の幅は、10nm〜100nmの範囲から選択することが好ましい。また、偏光素子の金属パターンにおける繰り返し周期は、20nm〜200nmの範囲から選択することが好ましい。このように偏光素子3の金属膜36(金属パターン)の幅と繰り返し周期とを設定することにより、偏光性能を得ることができる。
【0101】
次に、液晶表示装置におけるモアレ縞について説明する。モアレ縞は、下記の条件に合致したときに発生する。つまり、液晶パネル1において、縞状に配置された配線における配線間の間隔(配線ピッチ)が規則的に配置され、回折光学素子および偏光素子の周期的なパターンが上記配線の間隔に対して近接したときに、モアレ縞は発生する。
【0102】
しかし、回折光学素子および偏光素子の周期的なパターンをμmオーダー以下の微細パターンとすれば、モアレ縞は人間の目では見えないものとなるため、モアレ縞を抑えることができる。具体的に言うと、ホログラムにより回折光学素子を形成すると、回折光学素子のパターン形状をμmオーダー以下の微細パターンとすることができるため、その回折光学素子を液晶表示装置に用いても、モアレ縞は発生しない。また、偏光素子層の金属パターンの幅とその金属パターン間の間隔とが100nm以下である偏光素子を液晶表示装置に用いても、モアレ縞は発生しない。
【0103】
また、配線のパターンに対して、別の周期的なパターン、例えば偏光素子層などのパターンを近接させた場合に、その別の周期的パターン間の間隔が、配線の間隔の1/3の整数倍、または整数分の1のとき、モアレ縞の周期が無限大となる。そのようにモアレ縞の周期が無限大となった場合、モアレ縞は、人間の目では見えなくなり、結果的にモアレ縞を抑えることができる。
【0104】
本実施の形態においては、液晶パネル1は、15型のXGAパネルである。そのため、液晶パネル1において、縞状に配置された配線における配線間の間隔(配線ピッチ)は、約100μmである。また、ホログラム層5のパターン形状サイズは2桁程度小さく、偏光素子3のパターン形状は4桁程度小さい。なお、本実施の形態では、偏光素子層に設けられている金属パターンの幅、およびその金属パターン間の間隔が、上記縞状に配置された配線における配線間の間隔の1000分の1以下とした。その結果、モアレ縞により表示品位が低下することのない、良好な表示が可能な液晶表示装置を得ることができる。
【0105】
また、液晶パネルの配線間の間隔が、約30μmのものに、本実施形態の導光体を用いても、モアレ縞により表示品位が低下することのない、良好な表示が可能な液晶表示装置を得ることができている。このとき、本実施の形態では、偏光素子層に設けられている金属パターンの幅、およびその金属パターン間の間隔が、上記配線間の間隔の300分の1以下である。
【0106】
次に、偏光素子38の貼り付けについて説明する。上記のように、偏光素子38は、エッチングされた金属膜36(金属パターン)がフィルム37上に形成されているという構成となっている。このような偏光素子38を導光層4の一方の面に接着させる場合、偏光素子38のフィルム37と導光層4とを樹脂材料で形成すると、偏光素子38のフィルム37と導光層4とを熱圧着で貼り付けることができる。本実施の形態のように、偏光素子38のフィルム37をTACフィルム、導光層4をポリオレフィン樹脂で構成すると、偏光素子38のフィルム37と導光層4とを熱圧着で貼り付けることができる。
【0107】
従来、偏光素子の貼り付けには、偏光素子における接着層の表面を覆うラミネートを剥がす工程が必要であった。そして、そのラミネートを剥がすと、静電気が発生する。さらに、その静電気によりゴミが吸い寄せられて、偏光素子の貼り付け不良が発生するという問題点があった。
【0108】
しかし、上記のように、偏光素子38のフィルム37と導光層4とを熱圧着により貼り付けると、偏光素子(偏光板)貼り付けにおいて、従来なされていたラミネートを剥がす工程をなくすことができる。そのラミネートを剥がす工程をなくすことにより、当然、その工程により発生する静電気の発生をなくすことができる。その結果、ラミネートを剥がす工程により発生した静電気による貼り付け不良をなくすことができる。
【0109】
〔実施の形態2〕
本発明における他の実施の形態について説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0110】
図3に、本発明の他の実施の形態における液晶表示装置を示す。液晶表示装置47は、液晶パネル1および照明装置40により構成されている。照明装置40は、導光体41と反射板45と光源46とにより構成されている。本実施の形態においては、光源46を白色発光ダイオードとした。また、導光体41は、液晶パネル1と反射板45との間に配置されている。
【0111】
導光体41は、偏光素子42と、導光層43と、回折光学素子であるホログラム層44とによって構成されている。導光層43には、一方の面(反射板45側)にホログラム層44が、他方の面(液晶パネル1側)に偏光素子42が形成されている。つまり、ホログラム層44および偏光素子42は、導光体41に一体化されている。また、液晶パネル1側から見て導光体41の背面には、反射板45が配置されている。
【0112】
また、光源46は、導光体41の端(エッジ)に配置されている。そのような配置によって、光源46からの光は、導光体41の端から導光体41に入射するように構成されている。
【0113】
作製した照明装置40では、光源46から出射された光は、導光層43の中を、他層との界面で反射しながら伝搬する。この伝搬する光のうちホログラム層44に斜めに入射した光は、液晶パネル1の表示面に対し垂直方向を中心としてほぼ±30〜40度方向の範囲に反射される。その反射した光は、導光体41を通過して、偏光素子42に入射する。こうして光の指向性を制御し、正面方向の輝度を向上させるように機能する。また、ホログラム層44で反射されず透過した光は、反射板45で反射する。その反射した光は、導光体41を通過して、偏光素子42に入射する。つまり、ホログラム層44で反射されず透過した光は、反射板45での反射によって、有効に使用される。
【0114】
偏光素子42では、TM偏光は透過し、TE偏光は反射されてホログラム層44方向に戻される。しかし、そのホログラム層44方向に戻された光は、反射板45で再度反射する。その反射により光の偏光方向は変化し、さらに、その光は偏光素子42に入射する。そのため、光の利用効率を向上させることができ、従来に比べて明るい照明装置40を構成することができる。
【0115】
次に、ホログラム層44の作製について説明する。ホログラム層44とは、体積ホログラムにより形成された回折光学素子により構成されている。その体積ホログラムは、レーザなどの光源から照射された光を照射することにより生じた干渉縞、具体的に言うと、赤色光を選択的に垂直方向に反射する干渉縞、緑色光を選択的に垂直方向に反射する干渉縞、および青色光を選択的に垂直方向に反射する干渉縞という3つの干渉縞を、感光材料に記録するという方法で作製する。下記にその方法を詳細に説明する。
【0116】
ホログラム層44は、次のようにして作製する。図4に示すように、記録用の光源であるレーザ照射器52から照射した光(レーザ光)を、ビームスプリッタ53に照射する。なお、本実施の形態においては、レーザ照射器52から照射した光は、アルゴンレーザ(波長514.5nm)である。
【0117】
ビームスプリッタ53に照射された光は、ビームスプリッタ53により2つの光に分けられ、1つの光はミラー54に、残りの1つの光はミラー55に照射される。ミラー54に照射された光は、ミラー54に反射して、ホログラム記録用感光材料を有する透明フィルム51の一方の面に照射される。ミラー55に照射された光は、同様に、ミラー55に反射して、透明フィルム51の他方の面に照射される。このように、ミラー54およびミラー55からの2つの光(平行光束)は、ミラー54およびミラー55により角度が調整されて、透明フィルム51に照射される。このように、ミラー54およびミラー55を使って両者間の角度を調整した状態で2つの平行光束を透明フィルム51に照射して、透明フィルム51の両側から光を干渉させる。その干渉により、透明フィルム51に、斜めまたは水平の干渉縞を記録する。
【0118】
上記透明フィルム51への光の照射により生じた干渉縞を感光材料に記録することによって、透明フィルム表面に対して垂直方向に選択的に赤色光を反射するホログラムを得る。さらに、同一の感光材料に、記録用光源の角度を再調整して照射し、透明フィルム表面に対して垂直方向に選択的に緑色光を反射する干渉縞を記録する。続けて、同一の感光材料に、記録用光源の角度を再調整して照射し、透明フィルム表面に対して垂直方向に選択的に青色光を反射する干渉縞を記録する。これら3つの干渉縞を多重記録した、反射型の体積ホログラム(体積ホログラムフィルム)を得ることができる。
【0119】
なお、本実施の形態においては、上記透明フィルム51には、ホログラム記録用感光材料としてオムニデックス352(デュポン(株)製)が透明フィルムに塗布されたものを用いた。
【0120】
また、本実施の形態においては、ホログラム記録用光源としては、上記のようなアルゴンレーザを用いた。しかし、ホログラム記録用光源として、He−Neレーザ、Krレーザなどを用いることも可能である。
【0121】
ここで作製した体積ホログラムは、斜め方向から入射した白色光をフィルム面に対してほぼ垂直に反射することができる。この体積ホログラムフィルムを導光層43の一方の面に接着させることにより、ホログラム層44を作製する。
【0122】
体積型のホログラムは、上記のように、露光により形成したホログラムのフィルムを、導光層43に貼り付けることにより形成することができる。そのため、簡便な装置でホログラム層44を形成することができる。
【0123】
次に、導光体41に設けられている偏光素子42の作製方法について説明する。偏光素子42の作製方法とは、(a)金属微粒子を含む樹脂をフィルム上に塗布するステップと、(b)樹脂を未硬化状態に保持したまま、磁界によって金属微粒子を整列させるステップと、(c)その整列後に樹脂を硬化させて、整列した金属微粒子を固定させるステップとを含む方法である。この方法により、金属微粒子が整列したラインとスペースとを有する偏光素子を得ることができる。以下、この方法を詳細に説明する。
【0124】
ステップ(a)においては、まず、金属微粒子を低粘度の樹脂中に分散させたものを準備する。次に、図5〜図7に記載のスロット型塗布装置62を用いて、金属微粒子を低粘度の樹脂中に分散させたものを、フィルム61の上に塗布して、樹脂層63を形成する。この段階においては、樹脂を未硬化状態に保持する。なお、本実施の形態においては、金属微粒子としてコバルトからなる金属微粒子を用いた。また、樹脂層63には光硬化性樹脂を用いた。また、フィルム61には絶縁性フィルムを用いた。
【0125】
なお、上記「コバルトからなる金属微粒子」としては、そのコバルト微粒子の直径が、下限値は3nm以上、上限値は50nm以下のものを用いるのが良い。また、コバルト微粒子の他に、ニッケル、鉄や希土類のサマリウム(Sm)、ネオジウム(Nd)、ディスプロニウム(Dy)等の磁性材料単体や前記磁性材料との合金、化合物からなる微粒子を用いることができる。例えば、クロムやタングステンやモリブデン等の金属と磁性材料との合金、化合物からなる微粒子を用いることができる。
【0126】
ステップ(b)においては、図6および図7に示すように、樹脂層63を、磁気ヘッドアレイ64の上に運搬し、通過させる。磁気ヘッドアレイ64では、磁界が形成されている。そのため、磁気ヘッドアレイ64の上を樹脂層63が通過することにより、磁気ヘッドアレイ64の磁界を用いて、樹脂層63にある金属微粒子を整列させる。
【0127】
図6および図7に示すように、樹脂層63が形成されているフィルム61は、フィルム搬送機構により、微小磁気ヘッドを複数個直列に並べた磁気ヘッドアレイ64の上を通過する。フィルム61が磁気ヘッドアレイ64の上を通過しているとき、金属微粒子は、磁気ヘッドアレイ64による磁界に沿って直線状に整列する。
【0128】
ステップ(c)においては、用いた樹脂に合わせて、樹脂層63の樹脂を硬化させる。本実施の形態においては、樹脂層63には光硬化性樹脂を用いた。そのため、未硬化状態の樹脂層63に、光源65からの光を照射することによって、樹脂を硬化させた。上記ステップ(b)で整列した金属微粒子は、このようにステップ(c)において樹脂を硬化させることにより、金属パターンとして固定される。つまり、このステップ(c)は、金属微粒子を整列させた後に樹脂を硬化させ、整列した金属微粒子を固定することによって、金属パターンを有する偏光素子層をフィルム上に形成するステップである。
【0129】
フィルム61の搬送機構は、図7に示すように、ロール66に巻かれたフィルム61が巻き取りロール67に巻き取られるまでの間に、上記のような樹脂層63の形成と、樹脂層63中の金属微粒子の整列と、その整列後に樹脂層63の樹脂の硬化とを完了させて、偏光素子層が形成されるようになっている。なお、偏光層形成工程中のフィルム61は、上部ローラー69で搬送ベルト68に押さえつけられている。その押さえつけにより、搬送ベルト68と密着して、フィルム61は搬送される。そのような搬送により、フィルム61のたわみとしわとを防止している。
【0130】
ここで作製した偏光素子を形成したフィルム61を、カット装置(図示していない)を用いて一定のサイズにカットして、導光層43の一方の面に接着させ、偏光素子42を形成した。
【0131】
このようにして作製した導光体41と、反射板45と光源46とを組み合わせて照明装置40を構成し、さらに液晶パネル1と組み合わせることで液晶表示装置47が構成される。
【0132】
〔実施の形態3〕
本発明におけるさらに他の実施の形態について説明する。上記実施の形態1および2においては、偏光素子のフィルムと導光層とが、熱圧着により接合されているもの(接合層および接着層を用いずに接合されているもの)を説明した。本実施の形態では、熱圧着以外の、偏光素子のフィルムと導光層との接合について説明する。
【0133】
本実施の形態における一定の場所に光を導く導光体は、一定の場所に導かれる上記光が通過しない場所に、接合のための接合層が設けられている。
【0134】
なお、本実施の形態では、上記導光体を液晶表示装置に用いたので、液晶表示装置を例に説明する。本実施の形態の液晶表示装置においては、液晶表示装置の表示のために用いる光が通過しない場所に、接合のための接合層を設けている。そのような場所に接合のための接合層を設けて、偏光素子のフィルムと導光層とを接合する様子を、図8に示す。
【0135】
図8には、偏光素子3と導光層4とを示している。また、それら偏光素子3および導光層4は、矢印で示す端部のみが、接合層で接合されている。また、偏光素子3とは、フィルムとそのフィルム上に形成された偏光素子層とが設けられている偏光素子である。そして、図8に示すように、導光層4と偏光素子3のフィルムの端部のみ接合させておき、端部から徐々にローラー80で押し付け密着させながら、導光層4と偏光素子3のフィルムとの周辺のみを貼り付ける。ここでは接合層を形成するために、接着剤を用いている。また図示していないが、周辺への接着剤塗布はディスペンサーで行い、接着材を塗布しながら連続して貼り付けている。このような貼り付けにより、偏光素子3のフィルムと導光層4とを接合することができる。なお、ここで言う「導光層4と偏光素子3のフィルムとの周辺」は、液晶表示装置において表示に影響しない領域である。上記のように、端部から徐々にローラー80で押し付け密着させながら接合する方法としては、例えばラミネートが挙げられる。
【0136】
なお、上記のように押しつけて密着させることによる接合の場合において、導光体にホログラムを用いているときは、ホログラムの形状が変形することもあるため、ホログラムの形状が変形しない程度にローラー80の圧力を減圧して貼り付けることが好ましい。
【0137】
このように偏光素子が接合された導光体を液晶表示装置に用いたとき、この接合層が形成されている端部は、液晶表示装置の表示に影響を与えない領域とする。このように、液晶表示装置の表示に影響を与えない領域だけに接合層を設けると、仮に接合層で発生する静電気によるゴミが接合層の貼り付け面に入り込んでも、そのゴミは液晶表示装置の表示に影響を与えない。
【0138】
なお、上記接合層に用いる接着剤に、透明な導電性材料(ITO、SnOなど)を混合すると、接合層における静電気の発生を減少させることができるため、静電気によるゴミの吸着の減少に効果的である。そのため、一定の場所に導かれる上記光が通過しない場所に設けられている上記接合層は、透明な導電性材料(ITO、SnOなど)を含んで構成されてもよい。
【0139】
また、周辺の接合層に接着剤を用いず、熱圧着や熱溶着により接合してもよい。この場合、ローラーにヒーターを組み込むことで、押し付けと貼り付けを同時に行うことができ、工程の簡素化ができる。また、ここでは周辺部全体に接合層を形成したが、端部のみに接合層を形成してもよい。
【0140】
また、本実施の形態の導光体を、フィルム、およびそのフィルム上に形成された偏光素子層が設けられている偏光素子と、偏光素子のフィルムが接合されている導光層と、上記接合のための接着層とを有し、上記接着層は、透明な導電性材料を含んでいるという構成としてもよい。つまり、ITO、SnOなどの透明な導電性材料を接着層に含ませて、静電気の発生を防止してもよい。このように静電気の防止が可能となると、静電気によるゴミの吸着を減少させることができるため、偏光素子の貼り付け不良は減少する。
【0141】
また、偏光素子のフィルムまたは導光層に対して接着層を形成した直後に、偏光素子のフィルムと導光層とを接合させるという方法により、導光体を製造してもよい。つまり、接着層を形成後、すぐに、偏光素子のフィルムおよび導光層の接合を行うという方法である。なお、ここに記載したように、接着層を形成後、すぐに接合を行うことが好ましい。しかし、ここで言う「接着層を形成した直後に、偏光素子のフィルムと導光層とを接合する」の「直後」には、ある範囲の時間の経過を含むものとする。具体的には、上記接着層を形成してから、接合不良を引き起こすようなゴミが接着層の表面に吸い寄せられることがなく、さらに、正常な接合が可能であるという範囲の時間の経過後に、偏光素子のフィルムと導光層とを接合しても良い。
【0142】
また、このような接合において、接着層として使用可能な接着剤としては、例えば、絶縁性の接着剤、導電性の接着剤などがある。また、透明な導電性材料(ITO、SnOなど)を上記接着剤に混合すると、静電気の発生を減少させることができ、さらに、静電気によるゴミの吸着を減少させることができる。
【0143】
なお、本発明は、上記の実施の形態1ないし3に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上記各実施の形態においては、感光材料を用いて光の干渉縞を屈折率の差として書き込む方法により、ホログラム素子を作成した。しかし、ホログラム素子の作製法としては、その他に、UV硬化樹脂、透明プラスチックなどを用い、ブレーズド格子およびグレーティングで作製する方法などがある。
【0144】
また、上記各実施の形態においては、ホログラム層を導光層の一方のみに形成している。しかし、必要な機能を追加するために、導光層の両側にホログラム層を形成しても良い。また、偏光素子の上部にホログラム層を形成しても良い。ホログラム層にレンズ機能を持たせ、画素開口部に効率良く光が入射できるようにすることにより、光利用効率がよく明るい液晶表示装置を構成することができる。
【0145】
また、上記に記載の導光体の製造方法は、偏光素子の製造方法としても利用可能である。具体的に言うと、金属微粒子を含む樹脂をフィルム上に塗布するステップと、樹脂を未硬化状態に保持したまま、磁界によって金属微粒子を整列させるステップと、その整列後に樹脂を硬化させ、整列した金属微粒子を固定することにより、金属パターンを有する偏光素子層をフィルム上に形成するステップとを含むことを特徴とする偏光素子の製造方法として、本発明を利用することが可能である。つまり、ここに記載の偏光素子の製造方法は、導光体用の偏光素子の製造方法に限定されず、一般の偏光素子の製造方法としても利用可能である。この方法によれば、液晶表示装置に使用するのに好ましい偏光素子(例えば熱圧着に好ましい偏光素子)を、容易に製造することができるという効果を奏する。
【0146】
【発明の効果】
本発明の導光体は、以上のように、フィルム、およびそのフィルム上に形成された偏光素子層が設けられている偏光素子と、偏光素子のフィルムが接合されている導光層とを有するという構成である。
【0147】
それゆえ、バックライト組み立て後のゴミが引き起こす製品不良を減少させるという効果を奏する。また、液晶表示装置のコストを削減することができるという効果を奏する。
【0148】
また、本発明の導光体は、上記構成に加えて、偏光素子のフィルムと導光層とを接合するための接合層を有し、一定の場所に導かれる光が通過しない場所に、接合層が設けられているという構成である。
【0149】
それゆえ、上記効果に加えて、バックライト組み立て時のゴミによって発生する偏光素子の貼り付け不良と、そのゴミによるバックライトの製品不良とを減少させることができるという効果を奏する。
【0150】
また、本発明の導光体は、上記構成に加えて、偏光素子のフィルムと導光層との接合のための接着層を有し、その接着層は、透明な導電性材料を含んでいるという構成である。
【0151】
それゆえ、上記効果に加えて、バックライト組み立て時において静電気の発生を防止して、バックライト組み立て時のゴミによって発生する偏光素子の貼り付け不良と、そのゴミによるバックライトの製品不良とを減少させる導光体を提供できるという効果を奏する。
【0152】
また、本発明の導光体は、上記構成に加えて、偏光素子のフィルムと導光層とが、熱圧着により接合されているという構成である。
【0153】
それゆえ、上記効果に加えて、バックライト組み立て時において静電気の発生を防止して、バックライト組み立て時のゴミによって発生する偏光素子の貼り付け不良と、そのゴミによるバックライトの製品不良とを減少させる導光体を提供できるという効果を奏する。
【0154】
また、本発明の導光体は、上記構成に加えて、光の指向性を制御する回折光学素子が設けられており、その回折光学素子は、ホログラムにより形成されているという構成である。
それゆえ、上記効果に加えて、従来の導光体と比較して、集光効率が高いまたは光利用効率が高い導光体を得ることができるという効果を奏する。
【0155】
また、本発明の導光体は、上記構成に加えて、偏光素子層には、一定周期の金属パターンが設けられているという構成である。
【0156】
それゆえ、上記効果に加えて、静電気によるゴミの吸着を防止でき、熱圧着による接合に適した偏光素子を取得できるという効果を奏する。
【0157】
また、本発明の導光体は、上記構成に加えて、偏光素子層の金属パターンの幅とその金属パターン間の間隔とが、100nm以下であるという構成である。
【0158】
それゆえ、上記効果に加えて、金属パターンによる偏光素子の偏光性能を向上させることができるという効果を奏する。
【0159】
また、本発明の導光体の製造方法は、フィルム、およびそのフィルム上に形成された偏光素子層が設けられている偏光素子と、偏光素子のフィルムが接合されている導光層と、上記接合のための接着層とを有し、一定の場所に光を導く導光体の製造方法であって、偏光素子のフィルムまたは導光層に対して接着層を形成した直後に、偏光素子のフィルムと導光層とを接合させるという方法である。
【0160】
それゆえ、偏光素子を貼り付けるときに、接着層の表面にあるラミネートを剥がす工程を省略でき、偏光素子の貼り付け不良を減少させる導光体を提供することができるという効果を奏する。
【0161】
また、本発明の導光体の製造方法は、上記に記載の導光体を製造する方法であって、金属微粒子を含む樹脂をフィルム上に塗布するステップと、樹脂を未硬化状態に保持したまま、磁界によって金属微粒子を整列させるステップと、その整列後に樹脂を硬化させ、整列した金属微粒子を固定することにより、金属パターンを有する偏光素子層をフィルム上に形成するステップとを含むという方法である。
【0162】
それゆえ、偏光素子の貼り付け不良を減少させる導光体の製造が容易となる、導光体の製造方法を提供することができるという効果を奏する。
【0163】
また、本発明の液晶表示装置は、上記に記載の導光体を備えているという構成である。
【0164】
それゆえ、上記導光体を用いることにより製品不良を減少させて、製造コストの上昇を抑えることが可能な液晶表示装置とを提供することができるという効果を奏する。
【0165】
また、本発明の液晶表示装置は、上記構成に加えて、上記に記載の導光体と、縞状に配置された配線が設けられている液晶パネルとを有し、偏光素子層に設けられている金属パターンの幅、およびその金属パターン間の間隔が、上記縞状に配置された配線における配線間の間隔の300分の1以下であるという構成である。
【0166】
それゆえ、上記効果に加えて、上記偏光素子が設けられている導光体を液晶表示装置に用いたとき、モアレ縞によって表示品位が低下しない液晶表示装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態における液晶表示装置を示す断面図である。
【図2】(a)ないし(g)は、本発明の実施の形態における偏光素子の製造工程を示す模式図である。
【図3】本発明の他の実施の形態における液晶表示装置を示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態における体積ホログラムにより形成された回折光学素子の製造方法を示す模式図である。
【図5】本発明の他の実施の形態における、偏光素子の製造工程を示す斜視図である。
【図6】上記偏光素子の製造工程(図5)の続きを示す斜視図である。
【図7】上記偏光素子の製造工程(図5および図6)を示す模式図である。
【図8】本発明の実施の形態における、導光体の導光層と偏光素子のフィルムとの接合方法を示す模式図である。
【符号の説明】
1  液晶パネル
2  照明装置
3  偏光素子
4  導光層
5  ホログラム層
6  光拡散層
7  導光体
12  第1配線パターン
14  第2配線パターン
17  液晶層
22  液晶表示装置
36  金属膜
37  フィルム
38  偏光素子
40  照明装置
41  導光体
42  偏光素子
43  導光層
44  ホログラム層
47  液晶表示装置
51  透明フィルム
61  フィルム
63  樹脂層

Claims (11)

  1. 一定の場所に光を導く導光体において、
    フィルム、およびそのフィルム上に形成された偏光素子層が設けられている偏光素子と、
    偏光素子のフィルムが接合されている導光層とを有することを特徴とする導光体。
  2. 偏光素子のフィルムと導光層とを接合するための接合層を有し、一定の場所に導かれる光が通過しない場所に、接合層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の導光体。
  3. 偏光素子のフィルムと導光層との接合のための接着層を有し、その接着層は、透明な導電性材料を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の導光体。
  4. 偏光素子のフィルムと導光層とが、熱圧着により接合されていることを特徴とする請求項1に記載の導光体。
  5. 光の指向性を制御する回折光学素子が設けられており、
    その回折光学素子は、ホログラムにより形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の導光体。
  6. 偏光素子層には、一定周期の金属パターンが設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の導光体。
  7. 偏光素子層の金属パターンの幅とその金属パターン間の間隔とが、100nm以下であることを特徴とする請求項6に記載の導光体。
  8. フィルム、およびそのフィルム上に形成された偏光素子層が設けられている偏光素子と、偏光素子のフィルムが接合されている導光層と、上記接合のための接合層とを有し、一定の場所に光を導く導光体の製造方法であって、
    偏光素子のフィルムまたは導光層に対して接合層を形成した直後に、偏光素子のフィルムと導光層とを接合させることを特徴とする導光体の製造方法。
  9. 請求項1から7のいずれか1項に記載の導光体を製造する方法であって、
    金属微粒子を含む樹脂をフィルム上に塗布するステップと、
    樹脂を未硬化状態に保持したまま、磁界によって金属微粒子を整列させるステップと、
    その整列後に樹脂を硬化させ、整列した金属微粒子を固定することにより、金属パターンを有する偏光素子層をフィルム上に形成するステップとを含むことを特徴とする導光体の製造方法。
  10. 請求項1から7のいずれか1項に記載の導光体を備えていることを特徴とする液晶表示装置。
  11. 請求項6または7に記載の導光体と、
    縞状に配置された配線が設けられている液晶パネルとを有し、
    偏光素子層に設けられている金属パターンの幅、およびその金属パターン間の間隔が、上記縞状に配置された配線における配線間の間隔の300分の1以下であることを特徴とする液晶表示装置。
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