JP4425490B2 - 反射型液晶表示装置の製造方法 - Google Patents

反射型液晶表示装置の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射型液晶表示装置及びその製造方法に関し、特に凹凸を有する反射板を備えた反射型液晶表示装置を対象とする。
【0002】
【従来の技術】
反射型液晶表示装置は、バックライトを使用しないため、薄型、軽量及び低消費電力化が可能である。
反射型液晶表示装置は、大きく分けて、光シャッター層、色付け層及び光反射層の3層から構成されるが、周囲光を効率良く利用して明るい表示を得ることが最も重要である。前記3層の中でも特に光反射層は、光の利用効率だけでなく視角特性等にも大きな影響を与える。従って、光反射層の最適化が明るい反射型液晶表示装置を実現する上で最も重要となり、明るい光反射層を得る検討がなされている。
【0003】
また、照明装置としてフロントライト構造を備えた反射型液晶表示装置が開発されている。
【0004】
従来、光反射層には、複数の凹凸を面内に散りばめて構成した反射板が使用されている。この技術は、例えば、特開平9−258219号公報、特開平11−295750号公報、特開平5−232465号公報等に開示されている。
【0005】
更に、光シャッター層に二色性色素を混入したゲスト・ホスト方式または偏光板を1枚使用した1枚偏光板方式を採用することにより、前者では明状態では非常に明るい表示、後者では非常に高いコントラスト表示をそれぞれ得ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
光反射層に複数の凹凸を形成する方式においては、高い反射率を得ることができる反面、フォトリソグラフィを用いて前記凹凸を形成しており、製造プロセスが煩雑である。
【0007】
更にこの場合、露光条件により形状が変化すると反射特性が大きく変化するため、製造プロセスのマージンが狭いという問題がある。これを改善する方式として反射電極と熱膨張率の異なる薄膜樹脂層を用いることでプロセスを簡略化する方式が特開平5−80327号公報に開示されている。
【0008】
しかしながら、本方式においては有機膜形成後、加熱スパッタにより金属膜を形成することにより表面凹凸を形成するものである。この方式を用いる場合、真空中での加熱工程により、有機膜からの脱ガス等により、反射膜の膜質変化や反射膜に反射特性を低下する微小な凹凸が形成されるおそれがあり、実用的なプロセスでは無い。また、当該開示内容を見る限りでは、2次元的な凹凸形状が開示されており、この様な凹凸により、全方位にわたる高い反射特性が得られるとは考え難い。
【0009】
また、特開2000−193807号公報では、主鎖にフッ素脂肪族環構造を有するフッ素樹脂を用いて、有機膜に微細な凹凸形状を形成する技術が開示されている。しかしながら、本例では特殊な樹脂を用いる上に350℃と高温でのベーク工程が付加される。更に本例では、この樹脂自体に感光性が無いため、TFTに用いる場合、別途、レジストを塗布してフォトリソグラフィー工程により、コンタクトホールを形成する必要があり、製造プロセスの簡略化が図られていない。
【0010】
更に、前述の特開平5−80327号公報、及び特開2000−193807号公報においては、反射板に必要な光学特性が開示されておらず、実用的な技術ではないと考えられる。
【0011】
また、光シャッター層に二色性色素を混入したゲスト・ホスト方式を採用する場合、暗状態ではゲスト・ホスト液晶のコントラストが低いため、反射効率が高い拡散反射板を用いた場合には著しい光漏れが発生する。表示特性のコントラストとしては良好な値を得ているが、見た目には良い表示が得られていない。
【0012】
このとき、拡散反射板と1枚偏光板方式を組み合わせて表示を行うと、暗状態では良好な表示が得られるが、今度は明状態で偏光板による光吸収のために明るさが不十分となるという問題が生じる。
【0013】
また、照明装置としてフロントライト構造を備えた反射型液晶表示装置では、界面が多く、この界面での反射が表示品質、特にコントラストの低下を招いていた。同様に、タッチパネルを備える場合、更に界面が増加するため、フロントライトとタッチパネル両方を備えた反射形液晶パネルは実現が困難とされてきた。この対策として、フロントライトとタッチパネルを一体化し、反射界面を減らす構造が考えられているが、フロントライトと組み合わせた場合、タッチパネルに用いられる透明導電膜までが導光路となり、特定帯域(B,R)の吸収が問題となるため、実現できなかった。
【0014】
また更に、一般的なプリズム型導光板では、導光板から観視者側に直接出射する漏れ光成分が発生し、これによるコントラスト低下、及び表面に付着したゴミを目立ちやすくなる等の不具合がある。これは導光板プリズム面のうち、急斜面側から透過する成分であり、遮光することで対策可能であることは判明しているが、この導光板プリズム面は同時にパネル照明光を生成する面であり、漏れ光体策のための遮光とパネル照明とを両立することは困難であった。
【0015】
このように、反射型液晶表示装置は薄型、軽量及び低消費電力化が可能であるという利点を有する反面、製造プロセスの煩雑化や製造プロセスマージンの狭窄化を招き、しかも反射特性を向上させることが困難であるという深刻な問題がある。
【0016】
そこで本発明は、真にプロセスの簡略化、歩留まり向上、製造コストの削減を実現でき、更に、安定して高い反射特性を実現できる反射層を形成し、信頼性の高い反射型液晶表示装置を実現する製造方法を提供することを目的とする。
【0017】
更に本発明は、高い反射特性を有する反射層を有し、明度の高い表示を可能とした信頼性の高い反射型液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基板上に樹脂層を介して反射層(反射電極)が形成されてなる反射型液晶表示装置及びその製造方法を対象とする。
【0019】
本発明の反射型液晶表示装置の製造方法は、前記樹脂層に第1の熱処理を施す工程と、前記樹脂層の厚み方向及び面内方向の少なくとも一方向について熱的変形特性に分布を持たせる工程と、前記樹脂層に、前記第1の熱処理よりも高い温度で第2の熱処理を施して前記樹脂層の表面に凹凸を形成する工程と、前記樹脂層上に、当該樹脂層の前記凹凸を反映した表面形状の前記反射層を形成する工程とを含み、前記樹脂層の熱的変形特性の分布を調節し、当該樹脂層の前記凹凸形状を所望に制御することを特徴とする。
【0020】
本発明の反射型液晶表示装置の製造方法の別の側面は、前記樹脂層に第1の熱処理を施す第1の工程と、前記樹脂層の厚み方向及び面内方向の少なくとも一方向について熱的変形特性に分布を持たせる第の工程と、前記樹脂層に、前記第1の熱処理よりも高い温度で第2の熱処理を施して前記樹脂層の表面に凹凸を形成する第の工程と、前記樹脂層上に、当該樹脂層の前記凹凸を反映した表面形状の前記反射層を形成する第の工程とを含み、前記第の工程において、前記樹脂層に当該樹脂と熱的変形特性の異なる部位を設けることにより、前記第の工程における前記樹脂層の前記凹凸形状を制御することを特徴とする。
【0021】
本発明の反射型液晶表示装置の製造方法の別の側面は、前記樹脂層に第1の熱処理を施す第1の工程と、前記樹脂層に熱的変形特性に分布を持たせる第の工程と、前記樹脂層に、前記第1の熱処理よりも高い温度で第2の熱処理を施して前記樹脂層の表面に凹凸を形成する第の工程と、前記樹脂層上に、当該樹脂層の前記凹凸を反映した表面形状の前記反射層を形成する第の工程とを含み、前記第の工程において、前記樹脂層の表面に所定の露光エネルギーの光を照射することにより当該樹脂層の厚み方向について収縮率の分布を形成し、前記第の工程で形成される前記樹脂層の前記凹凸形状を制御することを特徴とする。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した好適な諸実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは、反射型液晶表示装置及びその製造方法を開示する。
【0033】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態による反射型液晶表示装置の概略構成を示す断面図である。
この反射型液晶表示装置は、背面側の絶縁基板1と表示側の透明基板2との間に液晶層3が設けられ、絶縁基板1に反射層(反射電極)4が形成され、表示側から入射した外光が反射電極4の表面で反射され、液晶層3を通過して再度表示側に出射される構造とされている。
【0034】
絶縁基板1上には、不図示の走査線に接続されるゲート電極5と、絶縁層6と、半導体層7及びデータ線に接続されるドレイン電極8及びソース電極9とが形成される。更に、樹脂層10上に、画素電極である反射電極4が形成され、反射電極4はコンタクト孔CHを介してソース電極9に接続される。樹脂層10及び反射電極4上にはポリイミド等からなる配向膜11が形成される。樹脂層10の表面には、後述するように形状制御された凹凸パターンが形成されており、当該凹凸を反映してその上に形成される反射電極4の表面にも凹凸が形成される。
【0035】
表示側の透明基板2には、全面にITO(酸化インジウムを主成分とする材料)等の透明電極12と配向膜13が一方の面に、偏光板14が他方の面にそれぞれ形成される。そして、表示側の配向膜13と背面側の配向膜11との間に液晶層3が挿入される。液晶層3の液晶分子の配向方向は、配向膜11,13の表面形状やその特性に応じた方向となる。
【0036】
−凹凸(マイクログルーブ)の形成−
本実施形態の骨子は、マイクログルーブを形成するに際して、感光性樹脂の熱的変形特性の分布を調節し、当該感光性樹脂の前記凹凸形状を所望に制御することにある。
具体的には、感光性樹脂を露光する際の照射エネルギーを調節する方法、更にこのときに任意のマスクパターンを用いる方法、例えばTFT基板の表面に設けられる各構成要素の少なくとも1種を形成する際に、当該構成要素(ゲート電極、CF電極、画素電極、コンタクト孔など)を利用して、当該構成要素の個数、形状、配置の少なくとも1つを所望に設定する方法、基板の表面を選択的にエッチングして前記基板に凹凸パターンを形成する方法等が好適であり、これらの方法により樹脂層の熱的変形特性の分布を調節し、樹脂層の凹凸形状を制御する。
【0037】
ここでは先ず、感光性樹脂を露光する際の照射エネルギーを調節する方法について例示する。凹凸形成方式について従来との製造プロセスと本発明の製造プロセスをそれぞれ図2に示す。
【0038】
従来の形成プロセスでは、図2(a)〜(e)に示すように、TFT素子21が形成されたTFT基板22上に突起形成用樹脂のレジスト23を塗布した後、フォトリソグラフィーにより突起24を形成する。その後、平坦化樹脂25を形成して凹凸25の平均傾斜角度を最適化し、フォトリソグラフィーによりコンタクトホールCHを形成し、Alからなる反射電極26を形成する。このように従来では、図3(a)のように、2回の樹脂形成プロセス、2回のフォトリソグラフィーをそれぞれ必要としていた。
【0039】
これに対して本実施形態では、図2(f)〜(i)に示すように、レジスト等の感光性樹脂27を塗布した後、フォトリソグラフィー工程によりコンタクトホールCHを形成後、160℃未満の温度でポストベークし、その後、コンタクトホールCHを形成する際の通常露光条件以上の照射エネルギーのUV光(好ましくはDUV(Deep UV)光を照射して感光性樹脂27に熱的変形特性に分布を持たせた後、ポストベーク温度以上の熱処理を行うことで感光性樹脂27の表面に例えば皺上の凹凸(マイクログルーブ)28を形成し、Alからなる反射電極26を形成する。
【0040】
以上のように、本実施形態により、図3(b)のように、1回の樹脂形成プロセス、1回のフォトリソグラフィーを行えばよく、製造プロセスを大幅に短縮することができ、凹凸形成用のフォトマスクも必要ない。更に、樹脂膜厚、ベーク条件、UVキュア条等のプロセス条件を制御することにより、マイクログルーブの平均傾斜角度を制御できることを見出した。これにより、従来技術よりも高い反射特性を持つ反射型液晶表示装置を実現することが可能となる。
【0041】
ここで、本実施形態においては、絶縁層UVキュアの代替処理として酸、アノレカリ溶液、4級アンモニウム塩溶液、HMDS等の薬液を用いた化学反応によっても実現可能である。
【0042】
図4に、膜厚とUVキュア条件を変化させた場合のマイクログルーブ(Alを膜厚200nmに形成後)の顕微鏡写真を示す。
図示のように、UVキュアの照射エネルギーが低くなるに従い、マイクログルーブの凹凸形状が小さくなっていることがわかる。更に、UVキュア条件を低くするとマイクログルーブは発生しなくなることがわかる、また、膜厚(最終ベーク後のレジスト膜厚)の依存性もあり、膜厚が薄いほどマイクログルーブの凹凸形状が小さくなることがわかる。
【0043】
図5に、UVキュアの照射エネルギーを5200mJ/cm2で一定にした条件において、レジスト膜厚を変化した場合のマイクログルーブ(Alを膜厚200nmに形成後)の顕微鏡写真を示す。
図示のように、膜厚が薄くなるに従い、表面凹凸の高低差、表面凹凸の平均傾斜角が低くなることがわかる。この中でも、平均傾斜角が反射特性を決める重要なパラメータである。
【0044】
図6に平均傾斜角(傾斜角分布を正規分布とした場合)の反射率のシミュレーション結果を示す。
図示のように、平行光、積分球(拡散光源)ともに平均傾斜角度15°以下でないと反射効率が劣ることがわかる。よって、上記マイクログルーブに関しても、平均傾斜角が15°以下とする必要がある。
【0045】
実測データとして図5に示したマイクログルーブ電極を用いて作製した反射パネル(一枚偏光板構造)の積分球での反射特性を図7に示す。また、比較のため、ポストベーク無し(他は同一条件)の反射パネルの特性を示す。
図示のように、今回作製したパネルに関しては平均傾斜角11°と13°において高い反射特性が得られていることがわかる。また、ポストベーク無しでは、反射特性が低い結果となった。更に、ポストベーク無しでは、最終ベーク後に脱ガスによる欠陥が発生しており、本発明においてポストベーク処理が重要であることがわかった。但し、最終ベークに関しては、ポストベーク以上の温度が必要であり、特に信頼性を考慮すると、配向膜形成温度以上の温度によるベークが必要と考えている。
【0046】
以上の検討より、レジスト膜厚、ポストベーク条件、UVキュア条件により、マイクログルーブの平均傾斜角等を制御できることを見出した。更に、本実施形態の場合、マイクログルーブの平均傾斜角度15°以下、好ましくは8°以上13°以下とすることで高い反射特性を持った反射型液晶表示装置が実現する。
【0047】
−具体的な作製例−
[作製例1]
以下に示す作製条件により反射パネルを試作した。
感光性樹脂:LC200(シブレイ製汎用レジスト)
スピナーを使用し、1回目を350rpmで3秒、2回目を800rpmで20秒とした。
プリベーク:90℃で30分間
パネルを全面露光することにより膜厚を変化させた。
ポストベーク:120℃で40分間
UVキュア:ORC製UV照射装置を用いて5200mJ/cm2(ORC製センサUV25で測定)
レジスト最終ベーク:200℃で40分間
反射材:Alを膜厚200nm(抵抗加熱で蒸着)
【0048】
前記各条件で作製した反射電極を用いて液晶パネルを作製し、積分球を用いて反射特性を評価した。その結果、図7に示すように、従来技術よりも優れた反射特性を持つ反射型液晶パネルを実現できた。
【0049】
[作製例2]
作製例2では、パターン露光を行う場合においても適用可能である。
以下に示す作製条件は、感光性樹脂をハーフ露光した後、パターンを熱ダレさせ、これにより所望する反射特性を持った反射電極を形成する方式である。この方式をTFT基板に採用する場合、露光は2回必要となるが、樹脂形成は一度でよいという利点がある。但し、反射特性が露光条件、熱弛れ条件に大きく依存する問題がある。これを改善する方策として、ハーフ露光にマイクログルーブ形成プロセスを付加する方式を考えた。以下に作製条件を示す。
【0050】
感光性樹脂:LC200(シブレイ製汎用レジスト)
スピナーを使用し、1回目を350rpmで3秒、2回目を800rpmで20秒とした。
プリベーク:90℃で30分間
フォトマスク(八角形、四角形、十字、五角形、ドーナツ、三角形、楕円、扇、八の字、パターン無し領域(ここで、パターン無し部がマイクログルーブのみ形成する領域である):大型露光機を使用し、コンタクト露光した(露光条件は同一)。
現像:50秒間
ポストベーク:120℃で40分間
UVキュア:5200mJ/cm2(マイクログルーブ形成条件)
UVキュア:1300mJ/cm2(マイクログルーブ非形成条件:熱ダレ防止)ハーフ露光条件で最適化
レジスト最終ベーク:200℃で40分間
反射材:Alを膜厚200nm(抵抗加熱で蒸着)
【0051】
前記各条件で形成した反射電極を用いて液晶パネルを作製し、積分球を用いて反射特性を評価した。その結果、図8に示すように、ハーフ露光方式にマイクログルーブ形成条件を付加することにより、安定した高い反射特性を持つ反射パネルを作製できることがわかる。但し、最高の反射特性を示したのはパターン形成無し部によるマイクログルーブのみの領域であることがわかる。
【0052】
[作製例3]
作製例3においては、図9に示すように、平坦基板にマイクログルーブを形成する場合、ハーフ露光により区画分離した方が、区画分離をしない場合に比較して、マクロで見たときの均一性が向上することを見出した。
【0053】
図10にハーフ露光による区画分離に対するマイクログルーブ形成の一例の顕微鏡写真を示す。
図示のように、ハーフ露光によりマイクログルーブを分離形成できることがわかる。また、区画形状、分離深さ(露光条件)によりマイクログルーブの形状を制御できることを見出した。
【0054】
[作製例4]
作製例3で示した区画分離に関しては、ハーフ露光の必要は必ずしも必要ではなく、基板面に凹凸の段差を形成することにより、感光性樹脂に膜厚分布を付与することによっても、マイクログルーブを分離形成したり、形状の制御が可能であることを見出した。
【0055】
図11に作製例4でマイクログルーブを形成した様子の顕微鏡写真を示す。
ここでは、TFT基板にAFP750(クラリアントジャパン社製)を塗布し、プリベーク処理の後、ステッパを用いて、コンタクトホールを露光し、現像、ポストベークを135℃、80分間の条件で行った後、UVキュアとして2600mJ/cm2を照射した後、200℃でレジストを最終ベークし、マイクログルーブを形成した。
【0056】
図11に示すように、基板上の構成要素であるデータバスライン、ゲートライン、Csラインの上において、マイクログルーブが分離形成していることがわかる。これは、データバス、ゲートライン、Csライン上において、レジスト膜厚が薄くなり、分離されるためである。
【0057】
図12に、前記基板にAl電極をスパッタ、フォトリソグラフィーで画素電極を形成したTFT基板とCF基板とを用いて作製した一枚偏光板方式のTFT駆動反射型液晶装置の顕微鏡写真を示す。
図示のように、データバス、ゲートライン、Csライン上だけでなく、コンタクトホール近傍においてマイクログルーブが変形していることがわかる。これは、コンタクトホールの大きさ、形状、配置、個数により、反射電極表面の凹凸形状を制御することが可能であることを示している。
【0058】
実際に作製した反射型パネルと他社の特性比較を表1に示す。
表1より、点光源を用いた30°入射方式においても、拡散光源を用いた積分球の測定においても、他社より、高い反射特性を示すことがわかる。
【0059】
【表1】
Figure 0004425490
【0060】
[作製例5]
TFT基板における構成要素であるゲート電極、Cs電極(ゲート電極と同一層)、データ電極等の電極層、層間絶縁膜層の配置、形状を制御することにより、マイクログルーブの形状を制御することができる。
【0061】
図13に一例を示す。(a)は、ゲート電極31、Cs電極32、データ電極33、TFT素子34が形成されてなる通常のTFT基板を示し、(b)は、ゲート電極31及びCs電極32のパターニングの際に斜め方向に線上構造物36を2本形成した例、(c)は、(b)と同様に円上構造物37をn個形成した例、(d)は、データ電極33と平行に線上構造物36を2本形成した例、(e)は、(c)と同様に円上構造物37を2個形成した例、(f)は、データ電極33と平行にn本、ゲート電極33と平行にn本の線上構造物36を形成した例、(g)は、斜め方向に線上構造物36を4本形成した例を、それぞれ示す。
【0062】
図示のように、ゲート電極31、Cs電極32(ゲート電極31と同一層)、データ電極33の各構成要素形成の際にこれらの材料を用いて構造物を形成し、画素領域に段差を形成することにより、感光性樹脂表面に発生するマイクログルーブを制御できる。この場合、各構成要素と同時に構造物をパターニングするため、工程数は変わらない。これにより、反射特性に指向性を持たせたり、マイクログルーブ方位での液晶の配向制御が可能となる。
【0063】
[作製例6]
作製例5における段差形状をTFT基板を選択的にエッチングすることで形成しても、同様にマイクログルーブの制御が可能である。
【0064】
[作製例7]
TFT基板のドレイン電極(データ電極と同一層)と反射電極を電気的に接合するコンタクト孔の大きさ、形状、配置、個数により、反射電極表面の凹凸形状を制御することができる。
【0065】
図14に一例を示す。(a)は、ゲート電極31、Cs電極32、データ電極33、TFT素子34及びコンタクト孔38が形成されてなる通常のTFT基板を示し、(b),(e),(f)がコンタクト孔38の個数を変えた例、(c),(d),(g),(h)がコンタクト孔38の形状を変えた例を、それぞれ示す。
【0066】
図14に示すように、コンタクト孔38の大きさ、形状、配置、個数を制御することでも、感光性樹脂表面に発生するマイクログルーブを制御できる。
【0067】
[作製例8]
本発明のマイクログルーブを形成した反射電極の表面において、液晶は溝に沿って配向することが確認できており、この特性を用いることで、水平配向、垂直配向、ハイブリッド配向(HAN)において、配向膜面にラビング処理等、特に配向処理を施すこと無しに、ランダム配向型の反射液晶表示装置を実現でき、パネル形成プロセスの簡略化を図ることもできる。
【0068】
以上説明したように、本実施形態によれば、真にプロセスの簡略化、歩留まり向上、製造コストの削減を実現でき、更に、安定して高い反射特性を実現できる反射電極を形成し、明度の高い表示を可能とした信頼性の高い反射型液晶表示装置を実現することが可能となる。
【0069】
(第2の実施形態)
本実施形態の反射型液晶表示装置の概略構成は、図1と同様である。
【0070】
−凹凸(マイクログルーブ)の形成−
本実施形態の骨子は、樹脂層に熱処理を施して樹脂層の表面に凹凸を形成するに際して、樹脂層に当該樹脂と熱的変形特性の異なる部位を設けることにより、前記凹凸形状を所望に制御することにある。
【0071】
具体的には、樹脂層内に熱的変形特性の異なる微粒子を分散する方法、前記樹脂層内に熱的変形特性の異なる他の樹脂層を積層することにより、前記部位を形成する方法、樹脂層内に熱的変形特性の異なる他の樹脂層を所定形状にパターン形成することにより、前記部位を形成する方法、樹脂層に部分的処理(例えば、樹脂層に選択的にエネルギー線を照射し、又は前記エネルギー線の照射強度を変化させる。)を施し、熱的変形特性の異なる部位を形成する方法等が好適である。また、樹脂層の凹凸形状としては、その稜線形状が、直線状、曲線状、ループ状、分岐状の少なくとも1種からなるように制御する。
【0072】
−具体的な作製例−
[作製例1]
ここでは、図15に示すように、ガラス基板101に、直径約1μmのSiO2粒子103を分散したノボラック系の感光性樹脂102を塗布し、160℃でポストベークした後、イメージ露光条件以上の照射エネルギーでUV光を照射して、感光性樹脂102内に熱的変形特性が異なる領域を形成する。続いて、ポストベーク温度以上の温度で熱処理を施すことにより、熱的変形特性が異なる微粒子103が核となって感光性樹脂102の表面に微細な皺状の凹凸104を形成する。そして、感光性樹脂102上にAl等の反射層(不図示)を形成し、凹凸104の形状を反映した表面を有する反射板を作製する。
【0073】
[作製例2]
ここでは、図16に示すように、感光性樹脂102と熱的変形特性が異なる層105を感光性樹脂102内に積層する。そして、160℃でポストベークした後、イメージ露光条件以上の照射エネルギーでUV光を照射して、感光性樹脂102内に熱的変形特性が異なる領域を形成する。続いて、ポストベーク温度以上の温度で熱処理を施すことにより、各層の熱的変形特性が異なるため、これに制御されて感光性樹脂102の表面に微細な微細な皺状の凹凸104が形成される。その後、感光性樹脂102上にAl等の反射層(不図示)を形成し、凹凸104の形状を反映した表面を有する反射板を作製する。
【0074】
[作製例3]
ここでは、図17に示すように、感光性樹脂102内に感光性樹脂102と熱的変形特性が異なる樹脂106をパターニングして積層する。パターニングするパターン形状は回折を防止するために、ランダムであることが好ましい。そして、160℃でポストベークした後、イメージ露光条件以上の照射エネルギーでUV光を照射して、感光性樹脂102内に感光性樹脂102と熱的変形特性が異なる領域を形成する。続いて、ポストベーク温度以上の温度で熱処理を施すことにより、各樹脂の熱的変形特性が異なるため、これに制御されて感光性樹脂102の表面に微細な微細な皺状の凹凸104が形成される。その後、感光性樹脂102上にAl等の反射層(不図示)を形成し、凹凸104の形状を反映した表面を有する反射板を作製する。
【0075】
[作製例4]
ここでは、図18に示すように、感光性樹脂に選択的に紫外線を照射して、熱的変形特性の異なる領域107を形成する。そして、160℃でポストベークした後、イメージ露光条件以上の照射エネルギーでUV光を照射して、感光性樹脂102内に熱的変形特性が異なる領域を形成する。続いて、ポストベーク温度以上の温度で熱処理を施すことにより、各領域の熱的変形特性が異なるため、これに制御されて感光性樹脂102の表面に微細な微細な皺状の凹凸104が形成される。その後、感光性樹脂102上にAl等の反射層(不図示)を形成し、凹凸104の形状を反映した表面を有する反射板を作製する。
【0076】
以上説明したように、本実施形態によれば、感光性樹脂表面の皺状の凹凸をきめ細かく制御形成することにより、表示のざらつきを抑制し、真にプロセスの簡略化、歩留まり向上、製造コストの削減を実現でき、更に、安定して高い反射特性を実現できる反射電極を形成し、明度の高い表示を可能とした信頼性の高い反射型液晶表示装置を実現することが可能となる。
【0077】
(第3の実施形態)
本実施形態の反射型液晶表示装置の概略構成は、図1と同様である。
【0078】
−凹凸(マイクログルーブ)の形成−
本実施形態の骨子は、樹脂層に熱的変形特性に分布を持たせる際に、樹脂層の表面に所定の露光エネルギーの光を照射することにより当該樹脂層の厚み方向について収縮率の分布を形成し、樹脂層の凹凸形状を制御することにある。具体的には、前記露光エネルギーを1000mJ/cm2以上の値とすることが好適である。
【0079】
−具体的な作製例−
[作製例1]
ここでは、ガラス基板201上に収縮率が異なるレジストを樹脂層として積層し、200℃で60分間ベークしてレジスト表面に凹凸が発生する様子を調べた。その結果、図19のように収縮率が大きい層202の上に収縮率が小さい層203を設けた場合には表面に凹凸が発生したが、収縮率が小さい層203の上に収縮率が大きい層202を設けた場合には凹凸が発生しなかった。
【0080】
図20に示すように、収縮率が大きい層202で発生した応力が収縮率の小さい層203に影響し、上部の収縮率が小さい層203で変形が発生する。一方、収縮率が小さい層203が下にある場合、応力がほとんど発生しないため上部の収縮率が大きい層202に影響を及ぼさないため、変形が発生しない。
【0081】
[作製例2]
ガラス基板上に塗布したノボラック系フォトレジストに、4000mJ/cm2の紫外線(UV)を照射し、表面付近のレジストを架橋反応させた。レジスト表面付近のノボラック樹脂は図21のように酸化反応で高分子化する。高分子化したノボラックは高分子化していないノボラックよりも収縮率が小さいため、レジスト表面では収縮率が小さく、レジスト内部では収縮率が高いというような収縮率の分布を形成することができる。
【0082】
[作製例3]
0.7mm厚ガラス基板上にレジストAFP750(クラリアントジャパン社製)を3μm厚で塗布し、クリーンオーブンを用いて90℃で30分間ベークすることでレジスト内の溶媒を蒸発させた。このガラス基板にUVを0〜6500mJ/cm2照射した。UV照射後、クリーンオーブンを用いて200℃で60分間ベークした際のレジストの形状を顕微鏡観察した結果を図22に示す。
図示のように、2600mJ/cm2以上のエネルギーのUVを照射することでレジスト表面に凹凸が発生していることがわかる。
【0083】
UV照射前のベーク温度(時間は30分間に固定)及びUV照射量を変化させて、レジスト表面に凹凸が発生する様子を調べた。その結果を図23に示す。
図示のように、特定の条件下で凹凸が発生し、UV照射前のベーク温度135℃以下且つUV照射量1000mJ/cm2以上で凹凸が発生することがわかる。
【0084】
UV照射量を3900mJ/cm2に固定し、UV照射前及びUV照射後のベーク温度を変化させた場合の凹凸が発生する様子を調べた結果を図24に示す。
UV照射前のベーク温度を135℃以下にし、UV照射前よりもUV照射後のベーク温度を高くすることで凹凸が発生することがわかる。しかし、UV照射前のベークを90℃以下にすると、図25のように気泡が発生していることが判明した。これはレジスト内の溶媒を完全に蒸発させていないためである。
【0085】
UV照射前のベーク温度と気泡の発生状況について調べた結果を表2に記載する。表2より、UV照射前のベークが90℃以上であれば気泡が発生しないことがわかった。よって、90〜135℃の温度範囲でベークを行うことで気泡の発生による欠陥の無い均一な凹凸を形成できることが判明した。
【0086】
【表2】
Figure 0004425490
【0087】
[作製例4]
レジスト膜厚を変化させた場合の凹凸について調べた。回転数を800〜5000rpmで変化させてガラス基板上にレジストAFP750(粘度30cP)を塗布し、ベークを90℃で30分間行った。ベーク処理後、UVを3900mJ/cm2照射し、最後にベークを200℃で1時間行った。
【0088】
作製した凹凸の顕微鏡写真を図26に示す。
図示のように、スピナーの回転数が増加するに従って凹凸の振幅及び周期が小さくなっていることがわかる。粘度を変えた40CP,15CPのレジストAFP750を用いた場合でも同様に、膜厚の減少と共に凹凸の振幅及び周期が小さくなる現象が見られた。
【0089】
レジスト表面に形成した凹凸上にアルミニウム(Al)を200nmの膜厚に蒸着させて反射板を作製した。反射板と0.7mm厚ガラス基板とをイマージョンオイル(屈折率1.53)で光学接触させて、積分球を用いて反射特性を測定した。液晶とガラス基板の屈折率は共に1.5程度であるため、反射板上にガラス基板を光学接触させたことで近似的な反射型液晶表示装置を構成したことになる。
【0090】
反射率の測定結果を図27に示す。
但し、同図の横軸には非接触式3次元形状測定装置(菱光社製)を用いて測定したレジスト膜厚を用いた。図示のように、レジスト膜厚が1.5〜4μmの範囲で60%以上の反射率が得られていることがわかる。新聞の紙面における反射率が約60%であることから、レジスト膜厚を1.5〜4μmにすることで、明るい反射型液晶表示装置を実現できることが判明した。
【0091】
[作製例5]
レジストLC−200,S1808(共にSipley社製)を用いて凹凸の発生の有無を調べた結果、作製例1の結果と同様の結果を得た。LC−200,S1808及びAFP750ではレジスト内のノボラック樹脂の構造が異なるが、いずれも微細な凹凸が発生したことから、ノボラック樹脂系であれば凹凸を実現できることが確認できた。
【0092】
また、感光剤を取り除いたAFP750を用いて同様の実験を行ったが、感光剤の無いレジストを用いても凹凸が発生した。これにより、レジスト内の感光剤は凹凸の発生に必要ではなく、ノボラック樹脂によって凹凸が発生することが確認できた。
【0093】
[作製例6]
0.7mm厚ガラス基板上にレジストAFP750を3μm厚で塗布し、クリーンオーブンを用いて90℃で30分間ベークした後、UVを3900mJ/cm2照射した。UV照射後、クリーンオーブンを用いて200℃で60分間ベークすることで凹凸を作製した。凹凸上にアルミニウムを300nm製膜して反射板を形成した。作製した反射板と透明電極1TO付きガラス基板を、4μm径スペーサを用いて図28のような液晶セルを作製した。
【0094】
但し、液晶はチッソ社製FT−5045を用い、図28のように0.7mm厚ガラス基板前面に偏光板及び1/4波長板を貼りつけた。この液晶セルを室内で観察した結果、良好な明表示が得られた。
【0095】
電圧を印加させたところ暗状態が得られ、明状態及び暗状態のコントラストが大きいことが確認できた。積分球を用いて印加電圧を変化させた場合の反射率を測定した結果を図29に示す。図示のように、反射率30%、コントラスト18の良好な表示が得られていることが確認された。
【0096】
[作製例7]
0.7mm厚ガラス基板上にレジストAFP750を3μm厚で塗布し、90℃で30分間ベークした後、直径10μmの円形のパターンがランダムに配置されたマスクを用いてUVを32mJ/cm2照射した、UV照射後にレジスト膜を現像液MF319に浸して円形パターンを形成した。基板を120℃で40分ベークしてレジスト内の現像液を完全に蒸発させた後、UVを1300mJ/cm2及び2600mJ/cm2照射した。その後200℃で1時間ベークして凹凸を形成させた。
【0097】
ベーク後のパターニングされたレジスト基板の顕微鏡写真を図30に示す。
写真より、円形パターン上に微細なしわ状の凹凸が発生していることがわかる。しかしながら、円形パターンを形成する際のUV照射量を80mJ/cm2にして同実験を行ったところ、微細な凹凸が発生しないことが反面した。
【0098】
そこで、パターニングにおけるUV照射量と微細形状の発生状況について調べた。結果を表3に、80mJ/cm2及び35mJ/cm2照射した基板の顕微鏡写真を図31にそれぞれ示す。
表3より、凹凸のパターニングを60mJ/cm2以下の露光エネルギーで行えば、パターニングされた凹凸状に微細な形状が発生することがわかった。
【0099】
【表3】
Figure 0004425490
【0100】
[作製例8]
図32に示すように、ガラス基板301上にストライプ状の凹凸302(高さ0.5μm、幅15μm)を形成し、この上にレジスト層304(AFP750)を塗布した。90℃で30分ベークした後、3900mJ/cm2のUVを照射し、200℃で1時間ベークした。
【0101】
ベーク後に発生する微細形状の顕微鏡写真を図33に示す。
但し、図33には比較のためにレジスト膜下に凹凸を形成していない場合の微細形状写真を併せて載せた。レジスト膜下に凹凸が存在している部分ではレジストに表面に段差ができ、レジスト内部の応力の加わり方が異なるため、微細形状が周辺と異なる形になる。
【0102】
以上説明したように、本実施形態によれば、真にプロセスの簡略化、歩留まり向上、製造コストの削減を実現でき、更に、安定して高い反射特性を実現できる反射電極を形成し、明度の高い表示を可能とした信頼性の高い反射型液晶表示装置を実現することが可能となる。
【0103】
(第4の実施形態)
本実施形態の反射型液晶表示装置の概略構成は、図1と同様である。但し本例では、液晶層として液晶に二色性色素を混入したゲスト・ホスト液晶層を用いる。
【0104】
−凹凸(マイクログルーブ)の形成−
本実施形態の骨子は、反射層を、その前面に光吸収性が方位依存性を有する光吸収層が設けられ、平行光を入射した際の入射面内における反射光散乱幅に入射光の方位依存性を有するように構成し、前記反射光散乱幅が最大である方位と前記光吸収層の光吸収が最大または最小となる方位がほぼ一致するように調節することにより、反射層表面の凹凸形状を制御することにある。
【0105】
−具体的構成−
[作製例1]
図34に示すように、(a)円パターン、(b)楕円パターン、(c)台形パターン、(d)繭形パターン、及び(e)皺パターンからなる拡散反射板を作製した。
円、楕円、台形及び繭形パターンは以下の方法で作製した。
0.7mm厚ガラス基板上にレジストAFP750(Shipley社製)を3μm厚で塗布し、円、楕円、台形または繭形パターンがランダムに配置されたマスクパターンを用いて、露光エネルギー80mJ/cm2で露光する、これを現像後、135℃で40分間ベークし、各パターンを熱でなだらかにして傾斜を制御した。その後、200℃で1時間のベークを行ってレジストを完全に硬化させ、レジストにAlを約200nm厚に真空蒸着して反射板を作製した。
【0106】
また、皺パターンは、0.7mm厚ガラス基板にレジストAFP750を3μm厚で塗布し、露光エネルギー3900mJ/cm2の紫外線を照射した。紫外線照射後、135℃で90分ベークを行いレジスト表面に微細な椴を発生させた。その後、最終ベーク200℃で1時間を行い、レジスト上にAlを約200nm厚に真空蒸着して反射板を作製した。
【0107】
但し、皺パターンを特定の方向に多く発生させるために、ガラス基板上に長方形のITOを構成した。
このようなパターンにすることでITOの長方形辺と平行な方向(方位0〜180°及び90〜270°方向)の皺が多く発生した。
【0108】
これらの反射板に平行光を入射させ、入射角を変化させた場合の0°方向の反射特性を測定した。
反射特性の測定結果を図35に示す。
図示のように、円パターンでは方位依存性が見られないが、楕円、台形、繭形及び雛パターンでは方位によって反射特性が大きく異なっていることがわかる、すなわち、楕円、台形及び繭形パターンでは長軸方向よりも短軸方向の散乱幅が大きくなり、皺パターンではITOの長方形辺と平行な方向の散乱幅がそれ以外の方向よりも大きくなることが判明した。
【0109】
[作製例2]
n型液晶MJ95785(Merck社製)に二色性色素MA981103(三菱化学社製)を混入し、コントラスト5を得るために色素濃度を変化させた場合の液晶層のツイスト角と反射率の関係を調べた。
【0110】
結果を図36に示す。
図示のように、セル厚が薄くなるほど明るい反射率が得られ、180°ツイストまたは330°ツイストで最大の反射率が得られることがわかる。しかしながら、330°ツイストを実現すると電圧反射率特性にヒステリシスを有するため、一般的にはツイスト角を240°程度以下とする必要がある。そこで、ゲスト・ホスト液晶をセル厚3μmとし、上下基板の方位0°方向にパラレルラビング処理を行うことで180°ツイスト構造とした場合の反射型ゲスト・ホスト液晶の明状態及び暗状態の視角特性を調べた。
【0111】
結果を図37に示す。
明状態では方位0。方向と方位90°方向で反射特性が変化しないために反射特性の方位依存性が無いが、一方で暗状態では方位0°方向と方位90°方向で大きく特性が異なることがわかる。即ち、暗状態では光吸収特性に方位依存性を持ち、方位90°よりも方位0°の方が大きな入射角での吸収が大きくなっている。
【0112】
作製例1で作製した楕円等のパターンは反射特性に方位角依存性が存在する。図38のように、180°ツイストさせたゲスト・ホスト液晶を考える。入射角θ、方位角φから入射する光強度をI0(θ,φ)、入射角θ、方位角φから入射する光のゲスト・ホスト層透過率をT(θ,φ)、入射角θ、方位角φの光が0°方向に反射する際の反射板反射率をR(θ,φ)とする。反射型ゲストホストにおいて入射角0、方位角φで入射する光が0°方向に反射される際の光強度I(θ,φ)は次のように表される。
【0113】
I(θ,φ)=I0(θ,φ)・T(θ,φ)・R(θ,φ)・T(θ=0°,φ=0°) …(1)
【0114】
反射型液晶表示装置を使用する環境は、様々な方向から光が入射するため、入射角θで入射する光は実際には全方位から入射することを想定する必要がある。入射角θの光が全方位から入射する場合、全方位にわたって(1)式を積分すればよいが、近似的には方位φとそれと直交する方位φ+90°の平均値で表すことができる(値をより正しくするには、方位の数を増やして平均化すればよい)。
【0115】
例えば楕円の場合、方位0°と180°、90°と270°はほとんど等しいので、(2)式のように方位0°方向と方位90°方向の和で全方位からの光を近似できる。
I(θ,全φ)≒(1/2)I0(θ,φ=0°)・T(θ=0°,φ=0°)・[T(θ,φ=0°)・R(θ,φ=0°)+T(θ,φ=90°)・R(θ,φ=90°) …(2)
【0116】
そこで、楕円パターンの拡散反射板とゲストホスト液晶を組み合わせた場合について、(2)式から反射率を見積もった。楕円長軸とラビング方向を等しくした場合(ケース1)、楕円短軸とラビング方向を等しくした場合(ケース2)、円形反射板を用いた場合(ケース3)について、(2)式から反射率を計算した結果を表4に示す。表4には反射率及びコントラストを計算した。表より、楕円パターンの方が円形パターンよりもコントラストが高くなり、特にケース2の条件では大幅なコントラスト増が見られることがわかる。
【0117】
【表4】
Figure 0004425490
【0118】
即ち、図38に示すように、楕円短軸とラビング方向を等しくすることで大幅なコントラスト増が得られることがわかった。
ケース1〜3の場合について実際にセルを作製した。液晶MJ95785に二色性色素MA981103を4.3wt%混合し、ねじれピッチが8μmになるようにカイラル材CB−15(Merck社製)の混入量を調節した。このゲスト・ホスト液晶を4μm径スペーサを用いたセルに封入することでセルを実現した。
【0119】
反射型液晶表示装置を使用する環境を考慮して積分球を使用して反射特性及びコントラストを測定した。結果を表5に示す。表5より、実際のセルにおいてケース2のようにセルを構成することで従来行われたケース3の場合よりもコントラストが高くなることが確認できた。
【0120】
【表5】
Figure 0004425490
【0121】
拡散反射板の凹凸パターンとして台形、繭形及び皺パターンを用いた場合も同様の結果が得られ、ゲスト・ホスト液晶の軸と反射板の方位を良好に組み合わせることで高いコントラスト特性を得ることができた。
【0122】
[作製例3]
偏光板G1220DU(日東電工社製)の入射光角度特性を測定した結果を図39に示す。但し、方位0°は偏光板吸収軸方向、方位90°は透過軸方向とした。
図示のように、透過軸方向(方位90°)は広い角度範囲で吸収軸方向(方位0。)よりも高い透過率を有していることがわかる。そこで、本偏光板を楕円パターンと光学接触させ、積分球を用いて反射率を測定した。
【0123】
測定結果を表6に示す。但し、楕円パターン長軸方向と偏光板吸収軸方向を一致させた場合をケース1、楕円パターン短軸方向と偏光板透過軸方向を一致させた場合をケース2とした。表6より、ケース1のほうがケース2よりも高い反射率を実現できることが確認できた。
【0124】
【表6】
Figure 0004425490
【0125】
そこで、図40に示すように、拡散反射板401上に液晶層402(FT−5045LE(チッソ社製))、λ/4板403、λ/2板404、及び偏光板405(G1220DU)を積層して、1枚偏光板方式の反射型液晶表示装置を作製した。積分球を用いて測定した反射率及びコントラスト特性を表7に示す。
【0126】
【表7】
Figure 0004425490
【0127】
ここで、楕円パターンの長軸方向と偏光板吸収軸方向を一致させた場合をケース1、楕円パターン短軸方向と偏光板透過軸方向を一致させた場合をケース2、円形パターン拡散反射板を用いた場合をケース3とした。表7より、ケース1において従来例に対応するケース3と比較して反射率が若干増加していることがわかる。即ち、偏光板を用いた方式においても偏光板の軸と反射板の方位を良好に組み合わせることで反射率の改善が実現した。
【0128】
以上説明したように、本実施形態によれば、安定して高い反射特性を実現できる反射電極を形成し、明度の高い表示を可能とした信頼性の高いゲスト・ホスト方式及び1枚偏光板方式の反射型液晶表示装置を実現することが可能となる。
【0129】
(第5の実施形態)
本実施形態では、照明装置としてフロントライト構造を備えた反射型液晶表示装置を例示する。
【0130】
本実施形態の骨子は、フロントライトと偏光板の間に低屈折率材料を配置し、導光成分を残しつつ、正規の成分が反射されないようにすることにある。
同様に、タッチパネルとフロントライトの間に低屈折率材料を配置し、反射率を十分抑えつつ導光が透明導電膜に入射しないようにする。
更に、導光板プリズム面のうち、急斜面側に低屈折率層を介して遮光層を形成することにより、導光板としての機能を損なわずに漏れ光を遮断できるようにする。
【0131】
−具体的構成例−
[作製例1]
図41は、作製例1の反射型液晶表示装置の概略構成を示す断面図である。
図中、501は冷陰極管、502はリフレクタ、503は導光板、504は円偏光板、505は反射型液晶パネル、506は低屈折率層をそれぞれ表している。
【0132】
導光板503は、屈折率n=1.49のアクリル樹脂をプレス成形して作製した。導光板503の表面は、平坦面から、又は平坦面と平行に第1の角度で立ち上がる第1の傾斜面と、第1の傾斜面と隣接して形成され、第1の角度よりも大きな第2の角度で立ち下がる第2の傾斜面とにより形成されている。ここでは図示のように、面503Aが前記第2の傾斜面に相当し、入射面503Dと面503C(前記平坦面に相当する)はほぼ垂直、面503Cと面503B(前記第1の傾斜面に相当)は2°、面503Aとは45°としている。なお、面503Cと面503Bは平行(0°)としても良い。
【0133】
円偏光板504は導光板側から偏光板とλ/4位相差板とを積層したものである。
低屈折率層506は屈折率n=1.34のフッ素樹脂フッ素樹脂サイトップ(旭硝子社製)を用いた。
【0134】
冷陰極管501から出射した光は、リフレクタ502を介して導光板503の入射面503Dに入射する。導光板内に入射した光線507Aは面3Dの法線、即ち面503Cに対して±42°の光線として導光板内を進む。このうち、面3Bに入射した成分は全て全反射し、面503A,503Cに向かう成分507B,507Cとなる。光線507Bは面503Aでも全反射し、図示のようにほぼ垂直に液晶パネル505に進む。光線507Cのうち、面503Cへの入射角が64°以上の成分は全反射し、再び導光板内を進む。光線507Aのうち、直接面503Cに向かう成分は前記507Bと等価なため、同様に再び導光する成分、液晶パネルに到達する成分となる。
【0135】
一方、面503Cへの入射角が64°以下の成分はほぼ透過して低屈折率層6、円偏光板504を経て液晶パネル505に入射する。しかしながら、液晶パネル、偏光板の特性から、これらの成分は表示には寄与しない。
【0136】
一方、外部照明光507Dは導光板503から入射して液晶パネル5を照明するが、前記したように導光板503、円偏光板504、反射型液晶パネル505は低屈折率層506を介して密着しており、従来構造で問題となっていた、導光板界面503C、偏光板界面504Aによる反射を大幅に低減できている。このため、本作製例で用いた液晶パネルでは、
液晶パネルのみの時 コントラスト20
従来構造のフロントライト適用の時 〃 5
本発明のフロントライトを適用した時 〃 12
と、大幅なコントラスト向上が得られた。
【0137】
[作製例2]
図42は、作製例2の反射型液晶表示装置の概略構成を示す断面図である。
図中、作製例1と同じ部材については同じ番号を用いているため、説明は省略する。
【0138】
作製例1では、全ての部材を密着させる事で界面反射を抑えたが、本作製例では導光板部と液晶パネル部とを分離した上で作製例1と同等の効果が得られるようにしている。
【0139】
図示のように、導光板503には低屈折率層506を介して円偏光板504が密着してある。この部分での作用は作製例1と等価である。但し、面503Aで反射した後垂直に近い角度で導光板を出射する成分507B、及び外部からの照明成分507Dは、円偏光板界面504B、液晶パネル界面505Aを通過する際、従来例どおりの反射成分を生じる。
【0140】
しかしながら、本作製例では、前記507B,507D共に円偏光板を通過した後に反射され、再度円偏光板504に入射する。この際円偏光板の作用により、前記円変更板に再入射光線は吸収されるため、従来例のようにコントラストを低下させることはない。
【0141】
なお、本作製例では一貫して円偏光板としているが、これは偏光板とλ/4位相差板を貼り合せたものである。但し、λ/4位相差板としては通常のλ/4位相差板とλ/2位相差板とを組み合わせたものでも良い。この場合、λ/4位相差板の公差・波長依存性・入射角依存性をλ/2位相差板により補償できるため、より効果的である。
【0142】
[作製例3]
図43は、作製例3の反射型液晶表示装置の概略構成を示す断面図である。
図中、508は透明導電膜であり、導光板表面全面に形成してある。この透明導電膜には周辺部に電位測定用の端子が取り付けられており(不図示)、各点での電位変化から座標入力を行うタッチパネルとして機能している。タッチパネルの動作・原理については、本発明の原理とは関係ないため、省略する。他の部材については作製例1とほぼ同じものであり、同じ番号を用いているため、説明は省略する。
【0143】
タッチパネルと反射型液晶表示装置を一体化する際、従来例の説明にも記したように透明導電膜の吸収が問題となる。一方で、フロントライト、タッチパネル共に液晶パネルの上(観視者側)に配置する必要があり、且つ、表示品位の低下を防ぐためには、光学的に独立した構成とはできないといった問題があった。
【0144】
本発明者らは、表示光・外部照明光の反射を抑えつつ、導光板内を反射しつつ進む光線が透明導電膜内部を通過しないように検討を行った結果、作製例1,2と同じく、導光板と透明導電膜の間に低屈折率層を配置し密着して配置することで導光成分を確保しつつ表示光・外部照明光による反射を抑えることができることを見出した。本作製例では導光板上にフッ素樹脂コーティングを行った後に、ITO膜を蒸着により形成することで実現している。このように作製した導光板では、光源から導光板内に入射した成分は一部が低屈折率層を通過してITO層に到達するが、多くは導光板と低屈折率層の間の界面で全反射することから、従来問題となっていたITOの吸収の問題も大幅に緩和され、フロントライトとタッチパネルの一体化が可能となる。
【0145】
但し、大型の表示装置の場合、本作製例の構成においてもITOの吸収が問題となることがある。前記のように光源から入射した光線のうち、一部はITO層に達して導光するためである。そのため本発明者らは、その対策として以下に示す構成を案出した。その一例を図44に示す。
【0146】
図中、511は顔料層を示す。それ以外の部分については図43と同じものである。顔料層511は図示したように低屈折率層506と透明導電膜層508の間に密着して配置されている。本作製例ではB帯域を15%、R帯域を25%吸収する顔料としている。これは本作製例で用いた透明導電膜層の吸収スペクトルを補正するために必要な吸収量にあたる。このように構成することで透明導電膜層に到達する光線が、前記透明導電膜の吸収により色バランスがくずれても補正することができ、表示品質を落とすことなく大型のタッチパネル一体型の表示装置が実現できる。
【0147】
また、このタッチパネル一体型のフロントライトは、作製例1,2と同様に円偏光板、及び液晶パネルとの一体化をすることで、より高い表示品位が可能となる。
【0148】
なお、スペーサ、対向ITO基板を追加すれば抵抗膜方式のタッチパネルも可能となることは言うまでもない。
【0149】
[作製例4]
図45は、作製例4の反射型液晶表示装置の概略構成を示す断面図である。
本例は、作製例3の他の構成例であり、より簡易な製法で作製可能とするためのものである。
【0150】
図中、509はPETフィルム上にITOを蒸着したものである。PETフィルムのITOと反対側には屈折率1.3のシール状糊(以下、低屈折率糊と称する)が全面に塗布されている。これを導光板503に貼る際、面503Bは前記のようにほとんど水平であるため、PETフィルムと面503Bとは低屈折率糊を介して密着する。
【0151】
一方、面503Aは急斜面であり、急激に高さが変化しているため面503Bのようには密着できず、間に空隙(空気層)が入ることとなる。このため、面503Aでは、従来の導光板と同様の作用により効率よくパネル側に光を配光する。
【0152】
ITOを平坦なPETフィルム上に形成した後に導光板に貼り合せることで同等の効果が実現できるため、工程歩留まりの向上が期待できる。
【0153】
[作製例5]
図46(a)は、作製例1の反射型液晶表示装置の概略構成を示す断面図である。
図中、510は遮光層、509はPETフィルムを表し、それ以外の部分は前出の作製例と同じであり説明は省略する。
【0154】
本発明者らが先にした発明では、図52に示すように、導光板503上の面503Aに低屈折率層を介して遮光層510を配置したが、この際遮光層510を形成するために斜め露光によるパターンニングを行っていた。この作製法では、精度良く遮光層510を形成できる一方で製造にかかる時間が長く、それが高コストを招いていた。そのため、低コストで同等の効果が得られる方式を考案したのが本作製例である。
【0155】
本作製例では低屈折率層を介して遮光層10を配置する手段として、作製例4と同様PETフィルムを貼り付ける手法を用いた。
図46(b)にPETフィルムの断面図を示す。図中の記号は図46(a)と同じである。前出のPETフィルム上に低屈折率接着層、遮光層の順に形成してある。遮光層510は黒色インクを印刷により形成している。従来の発明と異なり、平面上に形成するため、従来からの手法である印刷法が使えるようになった。このシートを導光板上に張り合わせる。この際、遮光層が面503A上に位置するように、位置合わせの工程が必要となるが、従来の斜め露光・パターンニングの工程に比べて非常に短時間且つ簡便な設備で実現できるため、低コスト化が図れる。
【0156】
遮光層510と面503Aは、図示のように、密着しないため、間には空気層が存在する。従って面503Aに入射した光線は従来のフロントライトの場合と同様、全反射によりパネル側に配光される。一方、面503Aを透過する漏れ光成分は、面503A出射後に遮光層510に入射し吸収されるため、観視者側に出射し表示品位を低下させることもない。またパネルから反射された表示光も同時に遮光してしまうが、斜面503Aと503Bとではその大きさが30倍以上も異なる事からほとんど影響はない。また、観視者側から見た場合、遮光層自体は非常に狭い領域にしか存在しないため、気になることもなく、また黒輝度を下げる働きもあることからコントラスト向上の効果もある。
【0157】
なお、従来の発明でも述べたように、遮光層としては、反射体、吸収体、及び反射層と吸収層の積層物が用いることができる。反射体を用いることにより、従来の漏れ光をパネルに向けて照明光としてリサイクルでき、より明るい表示が可能となる。同様にプリズム側に反射層、観視者側に吸収層を設ける構成では、前記の明るい表示と高いコントラストが同時に実現できるため、非常に効果が高い。これらの場合でも本作製例の手法によれば、印刷するインクを変更するだけで対応可能である。
【0158】
[作製例6]
図47は、作製例6の反射型液晶表示装置の概略構成を示す断面図である。
図中、512はスリット状の散乱層を表し、それ以外の部分は前出の作製例と同じであり説明は省略する。前記作製例では、導光板入射面503Dから入射した光線のうち、一部の成分は導光せず偏光板側に出射している。前記のようにこれらの成分は表示品質を著しく悪くする事はないが、照明系として効率が悪く、特に消費電力を下げる必要がある場合には問題であった。そのため、本作製例では導光板内に入射した光線を整形することにより効率向上を実現する。
【0159】
図中、スリット状散乱層512は、アクリル系樹脂内にTiO2微粒子を分散させた層と透明なアクリル樹脂の層を交互に積層したものであり、面3Dから入射した光線を図中右方向に向かう成分が多い光線に変換する。
【0160】
これにより、従来では導光板一低屈折率層間の界面で全反射せずに透過していた成分を、全反射できる成分に変換することができ、効率向上が図れる。
【0161】
この構成は、図46に示すように、導光板入射面と密着しない構造でも実現可能である。特に散乱指向性要素(不図示)が空気中に配置されており、指向性を強化した後に導光板内に入射することから、前記の指向性付与は小さくてもよく、構造の簡易化が可能となる。
【0162】
図49に前記散乱指向性要素の断面例を示す。
同様に、図50に示すように、導光板の入射側形状を変形することでも実現可能である。前記導光板一低屈折率層間の界面で全反射せずに透過していた成分は、導光板底面503Cに対する入射角度の小さな成分であり、従って、光源に近い場所で面503C(及び503B)に入射する。この面が図示したように末広がりの形状となることで、反射後の光線は、面503Cに平行に近い角度になる。このため、この末広がり部分を適度に配置することで導光板入射光を低屈折率層で全反射しない成分の少ない光線とすることができる。
【0163】
この構成でも前記作製例と同様、導光板と一体化する必要は必ずしもない(してもよい)。例えば、図51に示すような構成が挙げられる。
【0164】
以上説明したように、本実施形態によれば、フロントライトを備えた反射型液晶パネルの性能向上に大きな効果を発揮できる。
【0165】
以下、本発明の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0166】
(付記1)基板上に樹脂層を介して反射層が形成されてなる反射型液晶表示装置の製造方法であって、
前記樹脂層の厚み方向及び面内方向の少なくとも一方向について熱的変形特性に分布を持たせる工程と、
前記樹脂層に熱処理を施して前記樹脂層の表面に凹凸を形成する工程と、
前記樹脂層上に、当該樹脂層の前記凹凸を反映した表面形状の前記反射層を形成する工程とを含み、
前記樹脂層の熱的変形特性の分布を調節し、当該樹脂層の前記凹凸形状を所望に制御することを特徴とする反射型液晶表示装置の製造方法。
【0167】
(付記2)前記樹脂層の前記凹凸が皺形状であることを特徴とする付記1に記載の反射型液晶表示装置の製造方法。
【0168】
(付記3)前記樹脂層の熱的変形特性の分布を調節するに際して、
任意のマスクパターンを用い、露光時間を調節して前記樹脂層を露光することにより、当該樹脂層の膜厚に分布を持たせて、前記樹脂層の前記凹凸形状を制御することを特徴とする付記1又は2に記載の反射型液晶表示装置の製造方法。
【0169】
(付記4)前記基板の表面に設けられる各構成要素の少なくとも1種を形成する際に、当該構成要素を利用して、当該構成要素の個数、形状、配置の少なくとも1つを所望に設定することにより前記樹脂層の熱的変形特性の分布を調節し、前記樹脂層の前記凹凸形状を制御することを特徴とする付記1〜3のいずれか1項に記載の反射型液晶表示装置の製造方法。
【0170】
(付記5)基板上に樹脂層を介して反射層が形成されてなる反射型液晶表示装置の製造方法であって、
前記樹脂層の厚み方向及び面内方向の少なくとも一方向について熱的変形特性に分布を持たせる第1の工程と、
前記樹脂層に熱処理を施して前記樹脂層の表面に凹凸を形成する第2の工程と、
前記樹脂層上に、当該樹脂層の前記凹凸を反映した表面形状の前記反射層を形成する第3の工程とを含み、
前記第1の工程において、前記樹脂層に当該樹脂と熱的変形特性の異なる部位を設けることにより、前記第3の工程における前記樹脂層の前記凹凸形状を制御することを特徴とする反射型液晶表示装置の製造方法。
【0171】
(付記6)前記樹脂層の前記凹凸を、その稜線形状が、直線状、曲線状、ループ状、分岐状の少なくとも1種からなるように形成することを特徴とする付記5に記載の反射型液晶表示装置の製造方法。
【0172】
(付記7)前記樹脂層内に熱的変形特性の異なる他の樹脂層を所定形状にパターン形成することにより、前記部位を形成することを特徴とする付記5又は6に記載の反射型液晶表示装置の製造方法。
【0173】
(付記8)前記樹脂層に部分的処理を施し、熱的変形特性の異なる部位を形成することを特徴とする付記5又は6に記載の反射型液晶表示装置の製造方法。
【0174】
(付記9)基板上に樹脂層を介して反射層が形成されてなる反射型液晶表示装置の製造方法であって、
前記樹脂層に熱的変形特性に分布を持たせる第1の工程と、
前記樹脂層に熱処理を施して前記樹脂層の表面に凹凸を形成する第2の工程と、
前記樹脂層上に、当該樹脂層の前記凹凸を反映した表面形状の前記反射層を形成する第3の工程とを含み、
前記第1の工程において、前記樹脂層の表面に所定の露光エネルギーの光を照射することにより当該樹脂層の厚み方向について収縮率の分布を形成し、前記第3の工程で形成される前記樹脂層の前記凹凸形状を制御することを特徴とする反射型液晶表示装置の製造方法。
【0175】
(付記10)前記所定の露光エネルギーを1000mJ/cm2以上の値とすることを特徴とする付記9に記載の反射型液晶表示装置の製造方法。
【0176】
(付記11)前記第1の工程の前に、前記樹脂層に熱処理を施す第4の工程を含むことを特徴とする付記9又は10に記載の反射型液晶表示装置の製造方法。
【0177】
(付記12)前記第1の工程の前に、前記樹脂層をパターニングすることを特徴とする付記9〜11のいずれか1項に記載の反射型液晶表示装置の製造方法。
【0178】
(付記13)前記第1の工程の前に、前記基板上に凹凸パターンを形成することを特徴とする付記9〜12のいずれか1項に記載の反射型液晶表示装置の製造方法。
【0179】
(付記14)基板と、
前記基板上に形成され、厚み方向及び面内方向の少なくとも一方向について分布の異なる領域を構成するように制御されてなる凹凸を有する樹脂層と、
前記樹脂層上に形成され、当該樹脂層の前記凹凸を反映した表面形状を有する反射層と
を含むことを特徴とする反射型液晶表示装置。
【0180】
(付記15)前記樹脂層の前記凹凸が皺形状であることを特徴とする付記14に記載の反射型液晶表示装置。
【0181】
(付記16)前記基板の表面に設けられる各構成要素について、少なくとも1種の前記構成要素の個数、形状、配置の少なくとも1つが所望に設定されており、当該設定に対応して前記凹凸形状の分布の異なる領域が形成されていることを特徴とする付記14又は15に記載の反射型液晶表示装置。
【0182】
(付記17)前記基板がTFT基板であり、前記樹脂層の前記凹凸形状の制御に利用する前記構成要素が前記TFT基板上に形成された金属層、絶縁層、半導体層のいずれか1つ以上であることを特徴とする付記16に記載の反射型液晶表示装置。
【0183】
(付記18)前記基板がTFT基板であり、前記樹脂層の前記凹凸形状の制御に利用する前記構成要素が当該基板上の電極と前記反射層とを接続するコンタクト孔であることを特徴とする付記16に記載の反射型液晶表示装置。
【0184】
(付記19)前記樹脂層の前記凹凸の平均傾斜角が8°以上13°以下の値であることを特徴とする付記14〜18のいずれか1項に記載の反射型液晶表示装置。
【0185】
(付記20)基板と、
前記基板上に形成された樹脂層であって、当該樹脂と熱的変形特性の異なる部位を有してなり、前記樹脂及び前記部位の熱的変形特性に制御されて厚み方向及び面内方向の少なくとも一方向について形成された凹凸を有する樹脂層と、
前記樹脂層上に形成され、当該樹脂層の前記凹凸を反映した表面形状を有する反射層と
を含むことを特徴とする反射型液晶表示装置。
【0186】
(付記21)前記樹脂層の前記凹凸は、その稜線形状が、直線状、曲線状、ループ状、分岐状の少なくとも1種からなるように形成されていることを特徴とする付記20に記載の反射型液晶表示装置。
【0187】
(付記22)前記部位は、樹脂層内に熱的変形特性の異なる微粒子が分散されてなるものであることを特徴とする付記20又は21に記載の反射型液晶表示装置。
【0188】
(付記23)前記部位は、前記樹脂層内に熱的変形特性の異なる他の樹脂層が積層されてなるものであることを特徴とする付記20又は21に記載の反射型液晶表示装置の製造方法。
【0189】
(付記24)前記部位は、前記樹脂層内に熱的変形特性の異なる他の樹脂層が所定形状にパターン形成されてなるものであることを特徴とする付記20又は21に記載の反射型液晶表示装置の製造方法。
【0190】
(付記25)基板と、
前記基板上に形成された樹脂層であって、
表面に凹凸を有する樹脂層と、
前記樹脂層上に形成され、当該樹脂層の前記凹凸を反映した表面形状を有する反射層とを含み、
前記樹脂層の前記凹凸は、前記樹脂層の表面に所定の露光エネルギーの光が照射されることにより当該樹脂層の厚み方向について収縮率の分布が形成され、当該収縮率の分布に対応して形成されてなるものであることを特徴とする反射型液晶表示装置。
【0191】
(付記26)基板と、
前記基板上に形成された樹脂層であって、
表面に凹凸を有する樹脂層と、
前記樹脂層上に形成され、当該樹脂層の前記凹凸を反映した表面形状を有する反射層とを含み、
前記反射層は、その前面に光吸収性が方位依存性を有する光吸収層が設けられ、平行光を入射した際の入射面内における反射光散乱幅に入射光の方位依存性を有していると共に、
前記反射光散乱幅が最大である方位と前記光吸収層の光吸収が最大または最小となる方位がほぼ一致することを特徴とする反射型液晶表示装置。
【0192】
(付記27)前記光吸収層がゲスト・ホスト液晶からなり、前記反射光散乱幅が最大となる方位に配向処理が施されてなることを特徴とする付記26に記載の反射型液晶表示装置。
【0193】
(付記28)前記反射層と前記光吸収層の間に、液晶層及び1枚以上の位相差板が設けられていることを特徴とする付記26に記載の反射型液晶表示装置。
【0194】
(付記29)前記反射層の前記凹凸形状は、長方形、楕円形、台形、繭形、皺状から選ばれた1種、またはこれらの組み合わせからなるものであることを特徴とする付記26〜28のいずれか1項に記載の反射型液晶表示装置。
【0195】
(付記30)平坦面から、又は平坦面と平行に第1の角度で立ち上がる第1の傾斜面と、前記第1の傾斜面と隣接して形成され、前記第1の角度よりも大きな第2の角度で立ち下がる第2の傾斜面とにより形成される凸部を複数備えた導光板と、
前記導光板の側面に配置される光源を備えた照明装置と、
前記導光板の下部に対向配置される反射型液晶パネルと、
前記導光板と前記反射型液晶パネルの液晶層との間に配置された偏光板と、
前記偏光板と前記導光板との間に配置され、前記導光板よりも屈折率の低い低屈折率層とを含み、
前記導光板、前記低屈折率層、前記偏光板、及び前記反射型液晶パネルが、隣接する各々の間に空隙を挿まずに配置されていることを特徴とする反射型液晶表示装置。
【0196】
(付記31)平坦面から、又は平坦面と平行に第1の角度で立ち上がる第1の傾斜面と、前記第1の傾斜面と隣接して形成され、前記第1の角度よりも大きな第2の角度で立ち下がる第2の傾斜面とにより形成される凸部を複数備えた導光板と、
前記導光板の側面に配置される光源を備えた照明装置と、
前記導光板の下部に対向配置される反射型液晶パネルと、
前記導光板と前記反射型液晶パネルの液晶層との間に配置された偏光板と、
前記偏光板と前記導光板との間に配置され、前記導光板よりも屈折率の低い低屈折率層とを含み、
前記偏光板と前記反射型液晶パネルとが空隙を挿んで配置されるとともに、前記導光板、前記低屈折率層、及び前記偏光板が隣接する各々の間に空隙を挿まずに配置されていることを特徴とする反射型液晶表示装置。
【0197】
(付記32)前記偏光板が円偏光板であることを特徴とする付記31又は32に記載の反射型液晶表示装置。
【0198】
(付記33)前記円偏光板は、直線偏光板と1/4波長の位相差板とからなるものであることを特徴とする付記32に記載の反射型液晶表示装置。
【0199】
(付記34)前記導光板に、光の指向性を向上させる光学要素が配置されていることを特徴とする付記30〜33のいずれか1項に記載の反射型液晶表示装置。
【0200】
(付記35)前記光の指向性を向上させる光学要素が、前記光源と前記導光板との間に配置されており、
前記導光板と前記光の指向性を向上させる光学要素とが、光学的に離間して配置されていること特徴とする付記34に記載の反射型液晶表示装置。
【0201】
(付記36)導光板と、
前記導光板の側面に配置される光源と、
前記導光板の表面に形成された低屈折率層と、
前記低屈折率層の前記導光板と反対側に設けられた透明導電性膜と
を含むことを特徴とする照明装置。
【0202】
(付記37)導光板と、
前記導光板の側面に配置される光源と、
前記導光板の表面に形成された透明導電性膜と、
前記導光板と前記透明導電性膜との間に形成された特定の波長帯域の光を吸収する光吸収層と
を含むことを特徴とする照明装置。
【0203】
(付記38)導光板と、
前記導光板の側面に配置される光源と、
前記導光板の表面に形成された低屈折率層と、
前記低屈折率層の前記導光板と反対側に形成された特定の波長帯域の光を吸収する光吸収層と、
前記光吸収層の前記導光板と反対側に形成された透明導電性膜と
を含むことを特徴とする照明装置。
【0204】
(付記39)前記透明導電性膜が、InO及びSnOxを含む膜であり、
前記光吸収層の吸収率が、前記透明導電性膜の吸収と合わせて、R,G,Bでほぼ等しくなるように調整されてなることを特徴とする付記36〜38のいずれか1項に記載の照明装置。
【0205】
(付記40)前記低屈折率層と前記透明導電性膜とが、前記導光板よりも観視者側に配置された透明部材の前記導光板側の面上に形成されており、
前記低屈折率層と前記導光板とが、少なくとも一部の領域で密着していることを特徴とする付記36又は38に記載の照明装置。
【0206】
(付記41)前記低屈折率層、前記透明導電性膜、及び前記光吸収層が、前記導光板よりも観視者側に配置された透明部材の前記導光板側の面上に形成されており、
前記低屈折率層と前記導光板とが、少なくとも一部の領域で密着していることを特徴とする付記38又は39に記載の照明装置。
【0207】
(付記42)平坦面から、又は平坦面と平行に第1の角度で立ち上がる第1の傾斜面と、前記第1の傾斜面と隣接して形成された前記第1の角度よりも大きな第2の角度で立ち下がる第2の傾斜面とにより形成される凸部を複数備えた導光板と、
前記導光板の側面に配置される光源と、
前記導光板上に少なくとも一部の領域で密着して配置された透明部材と、
前記透明部材の前記第2の斜面近傍に設けられた遮光層と
を含むことを特徴とする照明装置。
【0208】
(付記43)前記透明部材と前記導光板との間に設けられ、両者と密着してなる低屈折率層を含むことを特徴とする付記42に記載の照明装置。
【0209】
(付記44)前記導光板に、光の指向性を向上させる光学要素が配置されていることを特徴とする38〜43のいずれか1項に記載の照明装置。
【0210】
(付記45)前記光の指向性を向上させる光学要素が、前記光源と前記導光板との間に配置されており、
前記導光板と前記光の指向性を向上させる光学要素とが、光学的に離間して配置されていること特徴とする付記44に記載の照明装置。
【0211】
【発明の効果】
本発明の反射型液晶表示装置の製造方法によれば、真にプロセスの簡略化、歩留まり向上、製造コストの削減を実現でき、更に、安定して高い反射特性を実現できる反射層を形成し、信頼性の高い反射型液晶表示装置を実現することが可能となる。
【0212】
本発明の反射型液晶表示装置によれば、高い反射特性を有する反射層を有し、明度の高い表示を可能とし、高信頼性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態による反射型液晶表示装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】凹凸形成方式について従来との製造プロセスと本発明の製造プロセスをそれぞれ示す断面図である。
【図3】凹凸形成方式について従来と本発明のマスクパターンを示す断面図である。
【図4】膜厚とUVキュア条件を変化させた場合のマイクログルーブ(Alを膜厚200nmに形成後)の顕微鏡写真である。
【図5】UVキュアの照射エネルギーを5200mJ/cm2で一定にした条件において、レジスト膜厚を変化した場合のマイクログルーブ(Alを膜厚200nmに形成後)の顕微鏡写真である。
【図6】平均傾斜角(傾斜角分布を正規分布とした場合)の反射率のシミュレーション結果を示す特性図である。
【図7】作製例1の反射特性を評価した結果を示す特性図である。
【図8】作製例2の反射特性を評価した結果を示す特性図である。
【図9】ハーフ露光により区画分離した様子及び区画分離しない様子を示す顕微鏡写真である。
【図10】ハーフ露光による区画分離に対するマイクログルーブ形成の一例を示す顕微写真である。
【図11】作製例4でマイクログルーブを形成した様子を示す顕微鏡写真である。
【図12】基板にAl電極をスパッタ、フォトリソグラフィーで画素電極を形成したTFT基板とCF基板とを用いて作製した一枚偏光板方式のTFT駆動反射型液晶装置の顕微鏡写真である。
【図13】ゲート電極、Cs電極、データ電極等の電極層、層間絶縁膜層の配置、形状を制御することにより、マイクログルーブの形状を制御する様子を示す平面図である。
【図14】ドレイン電極と反射電極を電気的に接合するコンタクト孔の大きさ、形状、配置、個数により、反射電極表面の凹凸形状を制御する様子を示す平面図である。
【図15】作製例1の樹脂層の概略構成を示す断面図である。
【図16】作製例2の樹脂層の概略構成を示す断面図である。
【図17】作製例3の樹脂層の概略構成を示す断面図である。
【図18】作製例4の樹脂層の概略構成を示す断面図である。
【図19】作製例1の樹脂層の概略構成を示す模式図である。
【図20】収縮率の凹凸形状に与える影響を示す模式図である。
【図21】ノボラック樹脂の酸化による架橋例を示す模式図である。
【図22】レジスト表面を示す顕微鏡写真である。
【図23】レジスト表面に凹凸が発生する様子を調べた結果を示す特性図である。
【図24】UV照射前及びUV照射後のベーク温度を変化させた場合の凹凸が発生する様子を調べた結果を示す特性図である。
【図25】レジストに気泡が発生した様子を示す顕微鏡写真である。
【図26】レジスト表面を示す顕微鏡写真である。
【図27】反射率の測定結果を示す特性図である。
【図28】作製した液晶セルの概略構成を示す断面図である。
【図29】積分球を用いて印加電圧を変化させた場合の反射率を測定した結果を示す特性図である。
【図30】ベーク後のパターニングされた基板を示す顕微鏡写真である。
【図31】80mJ/cm2及び35mJ/cm2照射した基板を示す顕微鏡写真である。
【図32】ガラス基板を示す斜視図である。
【図33】ベーク後に発生する微細形状を示す顕微鏡写真である。
【図34】作製例1の拡散反射板のパターンを示す平面図である。
【図35】反射特性の測定結果を示す特性図である。
【図36】液晶層のツイスト角と反射率の関係を調べた結果を示す特性図である。
【図37】反射型ゲスト・ホスト液晶の明状態及び暗状態の視角特性を調べた結果を示す特性図である。
【図38】180°ツイストさせたゲスト・ホスト液晶を示す模式図である。
【図39】偏光板の反射特性を示す特性図である。
【図40】作製された1枚偏光板方式の反射型液晶表示装置の概略構成を示す断面図である。
【図41】作製例1の反射型液晶表示装置の概略構成を示す断面図である。
【図42】作製例2の反射型液晶表示装置の概略構成を示す断面図である。
【図43】作製例3の反射型液晶表示装置の概略構成を示す断面図である。
【図44】作製例3の反射型液晶表示装置の概略構成を示す断面図である。
【図45】作製例4の反射型液晶表示装置の概略構成を示す断面図である。
【図46】作製例5の反射型液晶表示装置の概略構成を示す断面図である。
【図47】作製例6の反射型液晶表示装置の概略構成を示す断面図である。
【図48】作製例6の反射型液晶表示装置の概略構成を示す断面図である。
【図49】散乱指向性要素の構造を示す断面図である。
【図50】作製例6の反射型液晶表示装置の概略構成を示す断面図である。
【図51】作製例6の反射型液晶表示装置の概略構成を示す断面図である。
【図52】比較例の反射型液晶表示装置の概略構成を示す断面図である。
【符号の説明】
21,34 TFT素子
22 TFT基板
23,304 レジスト
31 ゲート電極
32 Cs電極
33 データ電極
36 線上構造物
37 円状構造物
38 コンタクト孔
101 基板
102 樹脂層
103 SiO2粒子
104 皺状の凹凸
105 熱的変形特性が異なる層
106 熱的変形特性が異なる樹脂
107 熱的変形特性が異なる領域
201,301 ガラス基板
202 収縮率の大きい層
203 収縮率の小さい層
304 ストライプ状凹凸
401 拡散反射板
402 液晶
403 λ/4板
404 λ/2板
405 偏光板
501 冷陰極管
502 リフレクタ
503 導光板
504 円偏光板
505 反射型液晶パネル
506 低屈折率層

Claims (6)

  1. 基板上に樹脂層を介して反射層が形成されてなる反射型液晶表示装置の製造方法であって、
    前記樹脂層に第1の熱処理を施す工程と、
    前記樹脂層の厚み方向及び面内方向の少なくとも一方向について熱的変形特性に分布を持たせる工程と、
    前記樹脂層に、前記第1の熱処理よりも高い温度で第2の熱処理を施して前記樹脂層の表面に凹凸を形成する工程と、
    前記樹脂層上に、当該樹脂層の前記凹凸を反映した表面形状の前記反射層を形成する工程とを含み、
    前記樹脂層の熱的変形特性の分布を調節し、当該樹脂層の前記凹凸形状を所望に制御することを特徴とする反射型液晶表示装置の製造方法。
  2. 前記樹脂層の前記凹凸が皺形状であることを特徴とする請求項1に記載の反射型液晶表示装置の製造方法。
  3. 基板上に樹脂層を介して反射層が形成されてなる反射型液晶表示装置の製造方法であって、
    前記樹脂層に第1の熱処理を施す第1の工程と、
    前記樹脂層の厚み方向及び面内方向の少なくとも一方向について熱的変形特性に分布を持たせる第の工程と、
    前記樹脂層に、前記第1の熱処理よりも高い温度で第2の熱処理を施して前記樹脂層の表面に凹凸を形成する第の工程と、
    前記樹脂層上に、当該樹脂層の前記凹凸を反映した表面形状の前記反射層を形成する第の工程とを含み、
    前記第の工程において、前記樹脂層に当該樹脂と熱的変形特性の異なる部位を設けることにより、前記第の工程における前記樹脂層の前記凹凸形状を制御することを特徴とする反射型液晶表示装置の製造方法。
  4. 前記樹脂層の前記凹凸を、その稜線形状が、直線状、曲線状、ループ状、分岐状の少なくとも1種からなるように形成することを特徴とする請求項3に記載の反射型液晶表示装置の製造方法。
  5. 基板上に樹脂層を介して反射層が形成されてなる反射型液晶表示装置の製造方法であって、
    前記樹脂層に第1の熱処理を施す第1の工程と、
    前記樹脂層に熱的変形特性に分布を持たせる第の工程と、
    前記樹脂層に、前記第1の熱処理よりも高い温度で第2の熱処理を施して前記樹脂層の表面に凹凸を形成する第の工程と、
    前記樹脂層上に、当該樹脂層の前記凹凸を反映した表面形状の前記反射層を形成する第の工程とを含み、
    前記第の工程において、前記樹脂層の表面に所定の露光エネルギーの光を照射することにより当該樹脂層の厚み方向について収縮率の分布を形成し、前記第の工程で形成される前記樹脂層の前記凹凸形状を制御することを特徴とする反射型液晶表示装置の製造方法。
  6. 前記所定の露光エネルギーを1000mJ/cm2以上の値とすることを特徴とする請求項5に記載の反射型液晶表示装置の製造方法。
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