JP4614193B2 - 反射型ディスプレイ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスプレイ装置とその製造方法に関し、特に表示のための光源として内蔵光源を有さず、外部よりの光を利用する反射型ディスプレイ装置とその製造方法に関わる。
【0002】
【従来の技術】
従来より反射型ディスプレイの代表的なものとして反射型液晶ディスプレイがある。反射型液晶ディスプレイは、液晶層と、液晶層を挟む一対の基板と、表示面とは反対側の基板上に配置される光反射板とから構成される。周囲光は表示面側基板に入射し、液晶層を透過した後、反射板で反射され、さらに液晶層を再度透過してから表示面側の基板を透過して出射される。反射型液晶ディスプレイの多くは、表示面側基板の上に偏光板を配置しており、液晶層の液晶分子の配向状態を制御して、配向状態の違いに応じて入射光の偏光状態を変えて、明表示あるいは暗表示を得る。PC−GH型あるいはPD−LC型など偏光板のない液晶ディスプレイもある。液晶以外の反射型ディスプレイとしては、エレクトロクロミックディスプレイ、電気泳動ディスプレイあるいは、ツイストボールディスプレイなどがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
反射型液晶ディスプレイの場合、入射光はかならず液晶層内を2回通過し、その際に光エネルギの一部を失う。また、表示側基板と液晶層との界面、反射側基板と液晶層との界面など異なる構成要素間での界面が多く存在するために、それらの界面で反射や干渉などが起こり、やはり光エネルギの一部を失う。これらの個々の損失分はそれほど大きくはないが、全体を総計すると無視できない程度の大きな損失量となる。また、偏光板を使用する反射型液晶ディスプレイでは、偏光板を2回通過すると、元の光のエネルギの半分を失うことになる。これらの光の損失のために、光源の利用効率が低下する。
【0004】
偏光板を用いない反射型液晶ディスプレイは、コントラストが高くないという問題がある。PC−GH反射型液晶ディスプレイではコントラスト改善のために、二色性色素の添加量を増加すると明るさが大きく低下する。PD−LC反射型液晶ディスプレイでは、元来高いコントラストを得にくいが、コントラストを高くするためにセル厚を熱くするとレスポンスが著しく低下するという問題がある。
【0005】
エレクトロクロミックディスプレイは、明るく自然な反射表示を行えるが、コントラストが低く、寿命が短く、レスポンスが遅いという問題を有する。電気泳動ディスプレイやツイストボールディスプレイはコントラストが低く、駆動電圧が比較的高いという問題がある。
【0006】
反射型ディスプレイは周囲からの限られた光量を有効に生かして表示をする必要があることから、上記のような損失は解決すべき問題である。
【0007】
本発明の目的は、明表示での光の利用効率を相当に改善して明るく従来の反射型液晶ディスプレイよりも優れた表示特性を得ることのできる反射型ディスプレイとその製造方法とを提供することである。
【0008】
本発明の反射型ディスプレイは、透明基板と、該透明基板の一方の面に配置され凹凸面を有するマイクロプリズムと、該マイクロプリズムの凹凸面と接触する能動層であって、外部よりの制御信号に応じてその屈折率が前記マイクロプリズムの屈折率と同じ値を持つ状態と、異なる値を持つ状態とのいずれかに選択的に変化する該能動層と、前記透明基板と前記マイクロプリズムと前記能動層とを透過してきた光を前記透明基板側に戻らないようにする構造とを有し、前記能動層は、屈折率が互いに異なる複数の物質の複合体を含み、前記複数の物質の内、少なくとも一つの屈折率が前記マイクロプリズムの屈折率と同じであり、外部よりの電気、磁気、圧力、音波、熱、光、電磁波のすくなくともいずれかのエネルギ形態の制御信号に応じて、前記マイクロプリズムとの界面付近の屈折率が変化する。
【0010】
【実施例】
次に、本発明による反射型ディスプレイの構造と製造方法の実施例の幾つかについて以下に図1から図5を参照しつつ詳しく説明する。
【0011】
図1は、本発明による反射型ディスプレイの三つの実施例の構造を説明するために模式的に示した断面図である。図1(a)に示す反射型ディスプレイは、表示面側基板(以下、上側基板と称する。)1と、上側基板1の裏面に配置されたマイクロプリズム2と、該マイクロプリズム2の凹凸面と接触する能動層3と、表示面とは反対側の基板(以下、下側基板と称する。)4と、下側基板4の表面に形成された光吸収層5と、上側基板1の表面に形成された光散乱板6とから構成される。
【0012】
能動層3は、マイクロプリズム2の凹凸面と接触していて、外部の制御部7より与えられる制御信号8に応じてその屈折率がマイクロプリズム2の屈折率と同じ値を持つ状態と、異なる値を持つ状態とのいずれかに選択的に変化する材料を含む。能動層3については後でさらに詳細に説明をする。光吸収層5は、上側基板1とマイクロプリズム2と能動層3とを透過してきた光が上側基板1側に戻らないように吸収する役目を持つ。
【0013】
明表示の場合には、マイクロプリズム2と能動層3との界面付近の能動層3の屈折率がマイクロプリズム2の屈折率と異なるように制御して界面で入射光が全反射するようにする。黒表示の場合には、マイクロプリズム2と能動層3との界面付近の能動層3の屈折率がマイクロプリズム2の屈折率と同じになるように制御することによって、マイクロプリズム2を透過した光が能動層3中に入射し、最後に吸収層5で吸収される。従って、明表示では、全反射時のいくらかの損失を無視すると原理的には入射光のほとんど全光エネルギを表示に利用できるので、明るさが著しく改善される。
【0014】
上側基板1に用いる材料はガラス、プラスチック、フィルムなど透明な材料であれば何でもよい。但し、その厚みは解像度のことを考慮して薄い方が望ましく、1mm以下がよいが、さらに好ましくは0.3mm以下が推奨される。実際にこの実施例のディスプレイを製造した場合では0.3mmの厚みのガラス上側基板1を作製した。
【0015】
下側基板4に用いる材料は上側基板1の材料よりも選択の範囲がより広く、ガラスなどの透明材料の基板以外にも、金属、半導体などの不透明基板も用いることができる。また、厚みについても特に制限はないが、ディスプレイ全体を薄く作りたい場合には、できるだけ薄くつくる。実際にこの実施例のディスプレイを製造した場合では0.3mmの厚みのガラスの下側基板4を作製した。
【0016】
散乱板6は、微粒子分散型など、一般的に反射型液晶ディスプレイで用いられているものでよい。マイクロプリズム2については後で説明する。吸収層5はブラックマトリックスに用いられる黒の顔料やカーボンブラックなど、光を殆ど反射せず、光を吸収する材料でよい。実際にこの実施例のディスプレイを製造した場合では、吸収層5として液晶ディスプレイのブラックマトリックスに用いられる黒の顔料(富士フィルムオーリン社製COLOR MOSAIK CK)を用いた。吸収層5の代りに光が反射して元に(上側基板方向)戻らないような構造あるいは性質の光透過層を設けてもよい。
【0017】
能動層3には、屈折率が互いに異なる複数の媒質もしくは、屈折率異方性を有する媒質体が入れてある。能動層3は、外部よりの電気、磁気、圧力、音波、熱、光、電磁波の少なくともいずれかのエネルギ形態の制御信号8あるいは放射に応じて、マイクロプリズム2との界面付近の屈折率が変化するもので、マイクロプリズム2の屈折率と同じ屈折率の値と、その値と異なる屈折率の二つの状態の間で変化するものであればよい。なお、「同じ屈折率」とは入射光に対して実質的な光学的界面を形成しない値であればよい。「異なる屈折率」とは、好ましくは全反射を生じ得る屈折率差Δnを有するものであり、Δn>0.3が好ましい。Δn>0.5であれば全反射を生じさせるためにさらに好ましい。
【0018】
図1(b)は、図1(a)の散乱板6の代りに、偏光板9とその上に反射防止膜10が配置されている。それ以外は図1(a)と同一である。図1(c)は、上側基板1の表面にはなにも配置されず、それ以外は図1(a)と同じである。
【0019】
次に、マイクロプリズム2を形成する方法も含めて、反射型ディスプレイの製造方法の第1の実施例について図3と図2を参照して説明する。
【0020】
図3(a)において、上側基板となる透明基板1の一方の面に透明な感光性レジスト膜20を塗布する。この感光性レジスト膜20をフォトリソグラフ処理してマイクロプリズム2(図1参照)に加工する。一方、光吸収層5を形成した面を有する下側基板4をマイクロプリズム2を形成した基板1と対向させて所定のすきまをあけて重ねあわせる。さらに、能動層3となる能動物質を基板間のすきまに注入してマイクロプリズム2の凹凸面と接触させて反射型ディスプレイができる。
【0021】
図4は、マイクロプリズムの形状例を示す。図4(a)はストライプ状に長く、横方向断面が台形のマイクロプリズム2を示す。図4(b)は頂上を切り落としたピラミッド形状のマイクロプリズム2を示す。図4(c)は頂上を切り落とした円錐形状のマイクロプリズム2を示す。なお、これらの形状における頂部の平坦面はホトリソグラフィの容易さのために存在するものであり、作製が可能であればない方が良い。
【0022】
次に、マイクロプリズム2の形成方法についてさらに詳細に説明する。図4(a)、(b)のマイクロプリズムを作製する場合のネガレジストを用いたフォトリソグラフ工程には、図2(a)に示すような露光用の光(紫外線も含む)を透過する開口部(あるいは光透過部)11がストライプ状であるフォトマスク、および(b)に示すような開口部13が格子状のフォトマスクを使用すればよい。なお、図2(a)、(b)で斜線で示した部分12,14は、露光用の光を透過しない遮光領域である。ポジレジストの場合は遮光部と透光部が逆になる。
【0023】
開口部11,13の線幅は、露光光源の紫外線の波長以上であればよく、0.5μmから10μmの間か、さらに好ましくは1μmから5μmの寸法のものを用いるとよい。製作例では開口部が3μm線幅のマスクを用いた。遮光領域12,14の幅は、作ろうとするマイクロプリズムの厚さ、レンズの角度などに依存して選択されるが、0.5μmから100μmの範囲がよく、さらに好ましくは2μmから20μm幅のものが用いられるとよい。製作例では、5μm厚で45°傾斜を持つマイクロプリズムの製作に、遮光領域が10μm線幅のマスクを用いた。
【0024】
図4(c)のマイクロプリズムを作製する場合のフォトリソグラフ工程には、図2(c)に示すような露光用の光(紫外線も含む)を透過する開口部(あるいは光透過部)15がドット状であるフォトマスクを使用すればよい。なお、図2(c)でドット15以外の部分16は、露光用の光を透過しない遮光領域である。ドット15の形状は、円形が望ましいが、三角形、四角形、五角形他の多角形でもよい。円形のドット15の直径は、露光光源の紫外線の波長以上であればよく、0.5μmから10μmの間か、さらに好ましくは1μmから5μmの寸法のものを用いるとよい。製作例では開口部が3μm直径の円形ドットを形成したマスクを用いた。
【0025】
ドットパターン15の配置状態は、作ろうとするマイクロプリズムの厚さ、レンズの角度などに依存して選択されるが、全ドット15の全体に対する面積比が1%から50%の範囲がよく、さらに好ましくは3%から20%のものが用いられるとよい。そして、ドットの配列は偏りがなく均等になるのが好ましい。但し、規則的な配置よりもランダムな配置の方が出来上がったマイクロプリズムの光散乱性はよい。製作例では、5μm厚で45°傾斜を持つマイクロプリズムの製作に、ドット領域の面積比が10%のマスクを用いた。
【0026】
次に、マイクロプリズムの作製工程について詳しく説明する。図3はマイクロプリズム2を上側基板1上に形成する方法の実施例の各工程を順に示したものである。この場合、フォトマスクは図2(a)あるいは(b)のパターンのものを使用する。
【0027】
図3(a)において、ガラス基板1上に感光性レジスト膜20を形成する。感光性レジスト膜の材料としては、たとえばJSR製オプトマーNN700,MFR−310あるいは富士フィルムオーリン製CSPシリーズなどの光硬化型レジストで透明性の高い材料を用いる。感光性レジスト膜20の形成方法としては、スピンコート、ロールコートあるいはダイコート等により行う。レジスト膜20の厚みは、0.5μmから50μmの間がよく、さらに好ましくは1μmから10μmとするとよい。製作例ではJSR製オプトマーNN700(屈折率1.53)をスピンコート法にて5μm厚で透明基板1の上に形成した。
【0028】
次に、感光性レジスト膜20を形成した基板を、90°Cで20分間プリベークしてから、図3(b)に示すように、フォトマスク30を介してレジスト膜20を紫外線(UV)により露光する。基板1とフォトマクス30とを紫外線照射方向に対して傾けて露光する。基板1の水平面に対する傾き角をθとする。図2(a)のストライプパターンのフォトマクスクの場合、図3(b)に示すように、最初基板1を右下がりにθだけ傾けて露光する。点線の部分だけが露光される。次に、逆に図3(c)に示すように、基板1を左下がりにθだけ傾けて露光する。レジストの斜線の領域が露光されたことになる。マイクロプリズムの頂角を90°にする場合には、θ≦±45°の条件で露光する。なお、基板1を水平に配置し、露光光源の光入射角度を基板面に対して傾けても同様な効果が得られる。
【0029】
露光後、基板を現像処理すると、露光部分だけが残り、さらにポストベークにより完全に固化させると、図4(a)に示すような断面が台形状で細長いマイクロプリズム2が基板1上に形成される。
【0030】
図2(b)の格子状のフォトマスクを使用する場合には、図3(b)と(c)に示すような傾き方向の互いに逆な露光工程を、平面上のx軸方向とそれに直交するy軸方向とでそれぞれ行う。そして、露光後、基板を現像処理すると、露光部分だけが残り、さらにポストベークにより完全に固化させると、図4(b)に示すような逆ピラミッド状のマイクロプリズム2が基板1上に多数形成される。
【0031】
マスクの紫外線透過部(開口部)13の線幅が比較的広い場合か、もしくは感光性レジスト層の厚さが薄い場合には、x軸方向とy軸方向のそれぞれについて、θ=45°とθ=−45°の2回だけ紫外線を照射すればよい。マスクの紫外線透過部13の線幅が狭くなるにつれて、もしくは感光性レジスト層の厚さがより厚くなるにつれて、x軸方向とy軸方向のそれぞれについて、θ≦±45°で照射する条件のθの値を小さくするとよい。例えば、θ=0や、θ=±15°や、θ=±30°などとする。もし、さらにマスクの紫外線透過部の線幅に対して感光性レジスト層の厚みが著しく厚い場合には、θ=45°から−45°までの間をスキャンしながら連続的に露光してもよい。
【0032】
マイクロプリズムの頂角を変えたい場合には、基板1の傾き角度θを所望の頂角に応じて適宜調整すればよい。また、頂角に異方性を持たせたい場合(方向により頂角が異なる)は、照射方向によって傾き角θを異ならせて露光する。
【0033】
実際に作製した例では、マスクの紫外線透過部の線幅が3μmで遮光領域の幅が10μmで、感光性レジスト層の厚みが5μmとし、θ=45°、22.5°、0°、−22.5°、−45°の計5回紫外線光を照射した。照射条件は、それぞれ315nm波長で光強度が100mJ/m2の紫外線で行った。露光後、基板を現像処理して、さらにポストベークによりマイクロプリズム2を形成した。
【0034】
現像後のレジスト膜の光透過率が低い場合、前面紫外線照射を強い露光条件で行ってもよい。実際に作製した例では、露光した基板をDMOAP0.5%水溶液中に30秒間浸漬させて現像を行い、ポストベークは220°Cで1時間行った。その結果、高さ5μmで頂角が90°のマイクロプリズムを形成できた。
【0035】
一方、図2(c)のドット状のフォトマスクを使用する場合には、図3(b)に示すような傾きθを与えたままで、基板を紫外線照射方向を軸として平面内(x−y軸面)を回転させながら露光を行う。そして、露光後、基板を現像処理すると、露光部分だけが残り、さらにポストベークにより完全に固化させると、図4(c)に示すような頂部が少し平らな円錐状のマイクロプリズム2が基板1上に多数形成される。
【0036】
マイクロプリズムの頂角を90°にする場合には、θ≦±45°の条件で基板をまわしながら露光する。マスクの紫外線透過部16の間隔が比較的広い場合か、もしくは感光性レジスト層の厚さが薄い場合には、θ=45°に固定した状態で、基板を1回転させながら紫外線を照射すればよい。マスクの紫外線透過部16の間隔が狭くなるにつれて、もしくは感光性レジスト層の厚さがより厚くなるにつれて、θ≦±45°で照射する条件のθの値を小さくするとよい。例えば、θ=0(この場合基板の回転は不要)や、θ=15°や、θ=30°などとする。もし、さらにマスクの紫外線透過部の幅に対して感光性レジスト層の厚みが著しく厚い場合には、θ=45°から0°までの間をらせん状にスキャンしながら連続的に露光してもよい。
【0037】
マイクロプリズムの頂角を変えたい場合には、基板1の傾き角度θを所望の頂角に応じて適宜調整すればよい。また、頂角に異方性を持たせたい場合(方向により頂角が異なる)は、基板の回転を半周あるいは1/4周で止めればよい。
【0038】
実際に作製した例では、マスクの紫外線透過部のドット15の直径が3μmで遮光領域16が面積比で約90%で、感光性レジスト層の厚みが5μmとし、θ=45°と、22.5°の計2回紫外線光を基板をまわしながら照射し、最後に0°方向から基板をまわさずに照射した。照射条件は、それぞれ315nm波長で光強度が100mJ/m2の紫外線で行った。露光後、基板を現像処理して、さらにポストベークによりマイクロプリズム2を形成した。
【0039】
次に、反射型ディスプレイの製造方法の第2の実施例について図5を参照して説明する。この実施例は、図3で説明した実施例とは紫外線の露光工程が異なる。また基板は傾けずに露光する。それ以外は、図3の実施例と基本的に同様である。
【0040】
図5の実施例では、露光光源はレーザ光のようなコヒーレント光を使用する。図5(a)において、上側基板となる透明基板1の一方の面に透明な感光性レジスト膜20を塗布する。次に、図5(b)に示すように、フォトマスク30を介してレーザ光でレジスト膜20を露光する。フォトマスク30は図2(a)、(b)、(c)のいずれであっても、照射方法は同一である。
【0041】
フォトマスク30を通過したコヒーレント光は干渉作用によって、基板を傾けることなくプリズム形状にレジスト膜に光強度の強弱を与えることができる。ここで用いる感光性レジスト膜の材料は、前述の実施例のものでよく、またホログラフィックな材料、例えばデュポン製OMINDEX HRF150,HRF600でもよい。後者の場合には、光源は紫外線でなく可視光線でもよい。
【0042】
次に、以上説明したすべての実施例に適用できる屈折率異方性を利用した能動層3の構成で、液晶技術を利用したものを説明する。液晶材料を能動層3に利用する場合には、図1の(b)の偏光板9を使用するディスプレイ構成を採用する。
【0043】
能動層3の液晶配向状態としては、水平配向で液晶材料の比誘電率異方性Δεが正のタイプと、垂直配向でΔεが負のタイプの構成を作製した。液晶材料の複屈折率Δnはなるべく大きな材料が好ましいため、おおむね0.25以上の高Δn材料を選択した。
【0044】
マイクロプリズム2の屈折率と液晶の屈折率は液晶分子が水平もしくは垂直の時に、互いに等しくなる材料を選択した。電圧無印加時(水平配向タイプ)もしくは電圧印加時(垂直配向タイプ)にマイクロプリズム界面付近の液晶分子のダイレクタ方向が偏光板9の透過軸と平行になるように配向処理を行う。ラビングにおける繊維の押込量は通常数百μmあり、数十μm以下の高さのマイクロプリズム表面の配向処理に問題は生じないと考えられる。指向性を有さない散乱板を用いたときの30°光入射・法線方向測定時の特性は、0−20Vのon−off電圧の時、反射率40%(標準白色板を100%とする。)、コントラスト比10程度であった。反射率はマイクロプリズムや散乱板に指向性を与えることなどにより向上させることができる。
【0045】
さらに能動層3の別の構成として、屈折率が互いに異なる複数の媒体を利用する方法について説明する。この場合、図1(a)、(c)の構造のように偏光板を用いる必要はない。
【0046】
屈折率が異なる材料としては、空気や窒素等の気体、水、有機溶媒、及びこれらの溶媒に微粒子や磁性体を分散した材料などがあげられる。複数の異なる材料の内、少なくとも一つの材料はマイクロプリズム2の屈折率と等しい屈折率を持つものを選択する。これらの複数の材料の複合体からなる能動層3に電気、磁気、圧力、音波、熱、光、電磁波のすくなくともいずれかのエネルギ形態の制御信号あるいは放射を与えることによって、マイクロプリズム2との界面付近の屈折率を変えるようにする。
【0047】
例えば、ベンゼン等の有機溶媒の中に、TiO2等の微粒子を1〜30%程度均一に分散し、電気泳動現象を利用して微粒子をマイクロプリズム2との界面に集めることができる。このように能動層3を電気的に制御すれば、マイクロプリズムとの界面付近の屈折率をマイクロプリズム2の屈折率と同じにしたり、異ならせたり制御することができる。
【0048】
もし、微粒子が磁性流体であれば、磁気を能動層3に加えることによって磁性流体を移動させることができ、磁気的にマイクロプリズム2との界面付近の屈折率を制御できる。
【0049】
また、マイクロプリズム2表面に、水などをはじく性質の膜を形成することにより、マイクロプリズム2の界面には気体が、それ以外の部分には液体が分離して配置される構成の能動層3を作成する。この能動層3にピエゾ効果あるいは超音波やペン圧などにより圧力を加えて気体を移動させることによりマイクロプリズム界面付近の屈折率を制御することができる。指向性を有さない散乱板を用いたときの30°光入射・法線方向測定時の特性は、0−20Vのon−off電圧の時、反射率73.7%(標準白色板を100%とする。)、コントラスト比11程度の非常に優れた特性を示した。その特性は図6に示すようにコピー紙とほぼ同等である。反射率はマイクロプリズムや散乱板に指向性を与えるなどにより向上させることができる。
【0050】
上述の反射型ディスプレイは、マイクロプリズムの形を適宜調整することにより視角補償など、ディスプレイの光学的な特性を改善することもできる。また、複数のフォトリソグラフ工程や特殊な材料装置を用いることなくマイクロプリズムが作製可能である。上述の反射型ディスプレイは、コンピュータ用ディスプレイや映像装置などあらゆる用途の表示装置、児童用玩具、紙にかわる電子ノートなどに使用できるであろう。
【0051】
以上、実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせが可能なことは当業者に自明であろう。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、明表示には能動層に光を導入することなく、全反射条件を使うために、従来の反射型ディスプレイに比較して、非常に優れた反射表示特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の三つの実施例による反射型ディスプレイの断面図である。
【図2】 反射型ディスプレイのマイクロプリズムを形成する工程で使用される三種類のフォトマスクのパターンを示す概略平面図である。
【図3】 本発明の実施例による反射型ディスプレイの製造工程を説明する断面図である。
【図4】 本発明の実施例による反射型ディスプレイの三種類のマイクロプリズムの形状を示す斜視図である。
【図5】 本発明の他の実施例による反射型ディスプレイの製造工程を説明する断面図である。
【図6】 実施例による反射型ディスプレイの反射スペクトルをコピー紙、再生紙の反射スペクトルと比較して示すグラフである。
【符号の説明】
1 透明基板
2 マイクロプリズム
3 能動層
4 基板
5 吸収層
6 散乱板
7 制御部
8 制御信号
9 偏光板
10 反射防止膜
11、13,15 開口部(光透過部)
12,14,16 遮光部
20 感光性レジスト膜
30 フォトマスク

Claims (5)

  1. 透明基板と、該透明基板の一方の面に配置され凹凸面を有するマイクロプリズムと、該マイクロプリズムの凹凸面と接触する能動層であって、外部よりの制御信号に応じてその屈折率が前記マイクロプリズムの屈折率と同じ値を持つ状態と、異なる値を持つ状態とのいずれかに選択的に変化する該能動層と、前記透明基板と前記マイクロプリズムと前記能動層とを透過してきた光を前記透明基板側に戻らないようにする構造とを有し、前記能動層は、屈折率が互いに異なる複数の物質の複合体を含み、前記複数の物質の内、少なくとも一つの屈折率が前記マイクロプリズムの屈折率と同じであり、外部よりの電気、磁気、圧力、音波、熱、光、電磁波のすくなくともいずれかのエネルギ形態の制御信号に応じて、前記マイクロプリズムとの界面付近の屈折率が変化する反射型ディスプレイ。
  2. 透明基板と、該透明基板の一方の面に配置され凹凸面を有するマイクロプリズムと、該マイクロプリズムの凹凸面と接触する能動層であって、白表示の場合には、前記マイクロプリズムと前記能動層との界面で光が全反射するようにし、黒表示の場合には、前記マイクロプリズムを透過した光が前記能動層に入射するように外部よりの制御信号により光学特性を変化させる該能動層と、前記透明基板と前記マイクロプリズムと前記能動層とを透過してきた光を前記透明基板側に戻らないようにする構造とを有し、前記能動層は、屈折率が互いに異なる複数の物質の複合体を含み、前記複数の物質の内、少なくとも一つの屈折率が前記マイクロプリズムの屈折率と同じであり、外部よりの電気、磁気、圧力、音波、熱、光、電磁波のすくなくともいずれかのエネルギ形態の制御信号に応じて、前記マイクロプリズムとの界面付近の屈折率が変化する反射型ディスプレイ。
  3. 前記透明基板と前記マイクロプリズムと前記能動層とを透過してきた光を前記透明基板側に戻らないようにする構造が、光吸収層である請求項1あるいは2記載の反射型ディスプレイ。
  4. 前記光吸収層は、黒系あるいは青系の顔料と、カーボンブラックの少なくともいずれかを含む請求項3記載の反射型ディスプレイ。
  5. 前記透明基板と前記マイクロプリズムと前記能動層とを透過してきた光を前記透明基板側に戻らないようにする構造が、光を前記透明基板側以外へ透過させる光透過層である請求項1あるいは2記載の反射型ディスプレイ。
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