JP2016149443A - 放射線検出素子、放射線検出器および核医学診断装置ならびに放射線検出素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体を用いた放射線検出素子において、検出素子としての特性を損なうことなく、使用に伴う特性の劣化を抑制することが可能な放射線検出素子および放射線検出器ならびに放射線検出素子の製造方法を提供する。【解決手段】放射線検出素子10として、半導体層20と、半導体層20の対向する2面に形成された金属膜30A,30Bと、電圧印加により金属膜30A,30Bの半導体層20と接触する表層に形成された耐食性に優れた導電性酸化物層32および非導電性反応物34と、その他の表層部に形成された導電性酸化物層32とを備えた素子を用いる。【選択図】 図1
Description
本発明は、使用に伴う劣化が抑制された放射線検出素子、放射線検出器および核医学診断装置ならびに放射線検出素子の製造方法に関するものである。
TlBr等のタリウムハロゲン化物を用いた放射線検出器として、例えば特許文献1に記載された検出器がある。この特許文献1には、ハロゲン化タリウム結晶を用いた放射線検出素子において、対向する2つの面にタリウム金属電極を有するハロゲン化タリウム放射線検出素子が記載されている。
近年、単光子放射断層撮像装置(SPECT:Single Photon Emission Computed Tomography)やX線を用いたコンピュータ断層撮影(CT:Computed Tomography)において、半導体検出器の利用が注目されている。
従来、これらの装置にはX線あるいはガンマ線を受けると発光するシンチレータと、その光を増幅する光電子増倍管の組み合わせが使用されていた。これに対し、シンチレータを半導体検出器に置き換えることで入射した光子のエネルギーについての情報が得られるようになり、医学的検査の効率化や取得画質の改善に利用することができる。
半導体検出器の原理は、半導体結晶を強い電場に置いた状態で放射線を入射させ、放射線と半導体結晶との相互作用により生じる電荷キャリア(電子と正孔)が電場により移動する過程を電気信号として取り出すものである。
また、検出対象となる放射線は広いエネルギー範囲に及んでおり、特に単光子放射断層撮像装置で使用されるようなガンマ線はエネルギーが高く、物質を透過しやすい。このため、効率よく検出するには素子の厚みを増す必要がある。これより、半導体検出器を構成する元素の原子番号が大きく、また高密度であるほど放射線を止めるのに必要な厚みは低減できるため、検出器を作製する際に有利となる。
重い元素を含む半導体材料としては、例えばタリウムのハロゲン化物がある。特に臭化タリウムは、原子番号81のタリウムと原子番号35の臭素から構成され、密度も7g/cm3以上と高く、さらにバンドギャップエネルギーも約2.7eVと大きく、その上室温動作も可能であることから有望視されている。
このような放射線の検出に利用される半導体素子においては、使用に伴い特性が劣化していくという問題が存在する。この半導体素子の劣化の原因のうち、一つはポーラリゼーションと呼ばれる現象である。これは電荷キャリアが半導体素子表面の電極付近に集積することで内部電場が中和され、電荷キャリアの移動が抑制されるものである。ポーラリゼーションについては、特許文献1に記載の方法のように、電圧の印加方向を定期的に逆転させることで解決を図ることが試みられている。
もう一つの劣化は、ハロゲンなどの化学的に活性な元素を含む半導体材料を使用した場合に、電極が腐食される現象によるものである。これは、腐食電流によって定常的に電流が流れるため、放射線の入射により生じる微小な電気信号を検出できなくなってしまう、という劣化である。更に、この腐食が進行することで電極を構成する元素が半導体結晶の内部に拡散し、これが電荷キャリアに対してトラップとして働くことで半導体素子の検出特性を劣化させる、という問題がある。
このような電極の腐食に伴う問題を解決するためには電極の耐食性を向上させればよい。しかし、同時に電極の導電性および機械的強度についても考慮する必要がある。もし電極の導電性が十分に確保されない場合、放射線による電気信号が減衰して検出素子としての特性が損なわれる。また機械的強度が低い場合は温度変化や振動などにより電極が破損する恐れがある。
本発明はこのよう問題に鑑みなされたものであって、半導体を用いた放射線検出素子において、検出素子としての特性を損なうことなく、使用に伴う特性の劣化を抑制することが可能な放射線検出素子、放射線検出器および核医学診断装置ならびに放射線検出素子の製造方法を提供する。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本発明は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、放射線検出素子であって、半導体層と、この半導体層の1つの面に形成された第1金属膜と、前記半導体層の前記第1金属膜が形成された面に対向する面に形成された第2金属膜とを備え、前記第1金属膜と前記第2金属膜とのうち少なくともいずれか一方の金属膜は、前記半導体層と接する表層部分に導電性酸化物および非導電性反応物を有することを特徴とする。
本発明は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、放射線検出素子であって、半導体層と、この半導体層の1つの面に形成された第1金属膜と、前記半導体層の前記第1金属膜が形成された面に対向する面に形成された第2金属膜とを備え、前記第1金属膜と前記第2金属膜とのうち少なくともいずれか一方の金属膜は、前記半導体層と接する表層部分に導電性酸化物および非導電性反応物を有することを特徴とする。
本発明によれば、放射線検出用の半導体素子において電極の腐食を防止し、長期間に渡り素子としての特性を維持することが可能となる。
以下に本発明の放射線検出素子、放射線検出器および核医学診断装置ならびに放射線検出素子の製造方法の実施例を、図面を用いて説明する。
<第1の実施例>
本発明の放射線検出素子および放射線検出器ならびに放射線検出素子の製造方法の第1の実施例を、図1乃至図3を用いて説明する。
本発明の放射線検出素子および放射線検出器ならびに放射線検出素子の製造方法の第1の実施例を、図1乃至図3を用いて説明する。
図1は本実施例における放射線検出素子の概略図、図2は本実施例における放射線検出素子を用いて放射線計測を行う放射線検出器の回路構成の模式図、図3は本発明の第1実施例におけるバイアス電圧印加プロファイルの一例を示すグラフである。
(放射線検出素子の構成)
図1に示すように、放射線検出素子10は、半導体層20と、半導体層20の1つの面に形成された第1金属膜30Aと、半導体層20の第1金属膜30Aが形成された面に対向する面に形成された第2金属膜30Bとを備えている。
図1に示すように、放射線検出素子10は、半導体層20と、半導体層20の1つの面に形成された第1金属膜30Aと、半導体層20の第1金属膜30Aが形成された面に対向する面に形成された第2金属膜30Bとを備えている。
半導体層20は、臭化タリウムの単結晶からなる層である。
第1金属膜30Aおよび第2金属膜30Bは、半導体層20に対して電圧を印加するための電極である。放射線検出素子10の半導体層20における一つの面に第1金属膜30Aが、この第1金属膜30Aが形成された面に対抗する面に第2金属膜30Bが備えられており、イリジウムからなる膜厚20〜500nm程度の膜である。
この第1金属膜30Aおよび第2金属膜30Bの表層のうち、半導体層30と接する表層部分には導電性酸化物層32としてイリジウム酸化物および非導電性反応物34として臭化イリジウムからなる層が形成されており、その他の表層部分には導電性酸化物としてイリジウム酸化物からなる導電性酸化物層32が形成されている。
(回路構成)
次に、図2を用いて本実施例における放射線検出素子10を用いた放射線検出器について以下説明する。
次に、図2を用いて本実施例における放射線検出素子10を用いた放射線検出器について以下説明する。
図2に示すように、放射線検出器101は、放射線検出素子10の片方の第1金属膜30Aに高圧電源発生装置120が接続されている。この高圧電源発生装置120は、例えば+400Vの電圧を放射線検出素子10の第1金属膜30Aに対して印加するための装置である。
放射線検出素子10の第1金属膜30Aに対向する面に形成されている第2金属膜30Bは抵抗121を介して接地されており、放射線検出素子10の対向する電極間には400Vの電位差が発生するようになっている。
電圧印加中に放射線検出素子10で放射線が検出されると、放射線のエネルギーによって生成した電荷がこの電位差によって移動することで、第2金属膜30Bに誘導電荷が誘起される。この電荷は、第2金属膜30Bに接続されているカップリングコンデンサ122を通して電荷有感型前置増幅器123へ入力される。電荷有感型前置増幅器123は、微小な電荷である放射線検出信号を電圧に変換・増幅する。この放射線検出信号は、後段の信号処理装置124に入力される。
信号処理装置124では、入力された放射線検出信号に対して処理回路でさらに波形整形・ピークホールド・アナログデジタル変換などの処理を行い、データ処理装置によってエネルギースペクトルなどの情報へと処理する。この処理後のエネルギースペクトルなどの情報を表示装置などに出力し、表示させる。
なお、高圧電源発生装置120によって半導体層20に印加する電圧の極性を変えて−400Vとし、同じ時間だけ電圧を印加するようにしてもよい。この場合、高圧電源発生装置120の出力が+400Vの場合と−400Vの場合とで電荷有感型前置増幅器123に入力される放射線信号の極性が逆になることから、高圧電源発生装置120の出力する電圧の極性に対応して電荷有感型前置増幅器123の処理を切り替えることが望ましい。
(放射線検出素子の作製方法)
次に、本実施例の放射線検出素子10の製造方法について説明する。
次に、本実施例の放射線検出素子10の製造方法について説明する。
まず、臭化タリウムからなる単結晶インゴットを準備し、これを半導体層20の作製に用いる。多結晶体やアモルファスの半導体では電荷キャリアの移動速度が小さいことから、特に単結晶が好適である。また、後に形成する電極は、結晶の表面状態に非常に敏感であるため、単結晶の加工に際しては十分な配慮が必要である。更に、半導体結晶中や結晶表面に存在する歪や格子欠陥も同様に電荷キャリアに対してトラップとして働くため、放射線検出素子10に限らず、半導体層20は適切な方法で加工される必要がある。
単結晶インゴットは内周刃切断機により0.5〜5mmの厚さに切断し、ウエハとする。
その後、切断したウエハ表面を研磨により20〜500μm除去し、平坦面とする。この研磨による表面除去量を少なくするほど材料の利用効率が増すが、ウエハ表面には内周刃切断加工によって加工劣化層と呼ばれる多量の歪が存在する領域が存在し、これが残存すると電荷キャリアの集積を招き結果として検出特性の劣化および電極の腐食を促進する要因となる。また、臭化タリウムなどのタリウムハロゲン化物は非常にやわらかく、他の材料に比べて加工劣化層が厚くなりやすいため、最低でも20μm以上の除去量を確保することが望ましい。また、あまり荒い研磨剤粒子を使用するとウエハ表面に過度な応力を引き起こし、逆に加工劣化層を導入してしまうため、研磨剤の粒子径は50μm以下に抑えることが望ましい。
研磨により平滑面となったウエハの表面に、電子ビーム真空蒸着装置により第1金属膜30Aおよび第2金属膜30Bとしてイリジウム膜を形成する。膜厚は、あまり薄いと十分な導電性および耐久性を確保できなくなるが、逆に厚すぎると膜の応力により半導体層20に応力を引き起こし、検出特性の劣化や膜の剥離をまねく恐れがある。これらのことを考慮して、膜厚は20〜500nm程度とすることが好ましい。また、蒸着の際には蒸着源であるイリジウムの温度を蒸着に十分な蒸気圧まで昇温する必要があるが、イリジウムは融点、沸点ともに非常に高く、十分な蒸気圧を得るには高温にする必要があるため、蒸着に際して強い輻射が生じ、被蒸着物の温度が上がりやすい。しかし高温で金属膜を形成すると、形成された金属膜は冷却時に収縮してウエハとの間に応力を生じさせることから好ましくない。従って、蒸着作業中は被蒸着物の温度をモニターしておき、200℃近くまで昇温した場合には一旦蒸着を中止し、被蒸着物の温度が十分に下がってから再開することで所定の膜厚を得ることが好ましい。
次いで、イリジウム膜蒸着後のウエハに対し、外周刃を備えたダイシングソーにより小片へと分割する。その切断に際しては切削水が必要となるが、臭化タリウムはわずかに水溶性であるため、そのまま切断すると電極の剥離が生じる。これは、金属膜30A,30Bには多数のピンホールが存在するため、そこから切削水が浸透して金属膜30A,30B下部の結晶を溶解させるためである。従って、ウエハの表面を耐水性の保護材で覆った状態で切断する。切断後は保護材を有機溶媒によって数回洗浄して除去する。
この段階においては、電極である金属膜30A,30Bと半導体層20が直接接触した状態であり、そのまま検出器として使用するよりも耐食性をより向上させることが望ましい。そのため、半導体層20と金属膜30A,30Bの間に導電性酸化物層32および非導電性反応物34を形成することで電極の耐食性を向上させる。導電性酸化物としては、特にイリジウム酸化物が高い耐食性と導電性を兼ね備えているため好適である。ただし、導電性酸化物は脆性であるため、金属膜30A,30B全体を導電性酸化物層32に置き換えてしまうと機械的強度に問題が生じる。これより、少なくとも半導体層20と金属膜30A,30Bの間に導電性酸化物層32を形成させる必要がある。これは電極に電圧をかけ、アノード側での酸化を促進する方法を用いることで実現できる。
具体的には、大気中で素子の上面と下面にある金属膜30A,30Bに導電ゴムを押し当て、図3に示すようなプロファイルでバイアス電圧を印加する。すなわち、バイアス電圧を0ボルトから400ボルトまで、1秒間に1ボルトの割合で昇圧し、400ボルトで1分間保持する。次いで、一旦バイアス電圧を0とし、その後バイアス電圧の極性を反転させて初回と同様の条件で電圧の昇圧と保持を行なう。
この電圧印加処理を行うことにより、アノード側の電極において大気中の酸素による金属膜30A,30Bの酸化が生じ、金属膜30A,30Bの表層に酸化イリジウムからなる導電性酸化物層32が形成される。金属膜30A,30Bには多数のピンホールが存在するため、これを通じて酸素が拡散して半導体層20と金属膜30A,30Bとの界面でも酸化が進行する。
ただし、酸素の供給が十分に行われない箇所も生じることがあり、この部分では金属膜30A,30Bと半導体層20が反応することで臭化イリジウムなどの非導電性反応物34が形成され、それ以上の反応は生じなくなる。すなわち非導電性反応物34は不動態層として機能する。この部位での導電性は失われるものの、周囲の正常部位により電荷キャリアの捕集が行われるため、検出器としての使用に際して問題は生じない。また、反応する金属膜30A,30Bの量は少ないため、半導体層20の検出特性への影響は僅かである。
なお、バイアス電圧を0ボルト〜400ボルトまで急激に昇圧すると、導電性酸化物層32の形成に必要な酸素の供給が十分に行われず非導電性反応物34が形成される箇所が増加する。加えて、非導電性反応物34が安定な厚さになる前に絶縁破壊を起こし、金属膜30A,30Bと半導体層20の間の反応が継続して生じてしまう場合がある。このため、昇圧の割合は1秒間あたり50ボルト以下に抑えることが好ましい。そして非導電性反応物34が一旦安定な厚さまで成長すれば、それ以降は急激に昇圧を行っても絶縁破壊は生じない。
こうして得られた放射線検出素子10は、図1に示すように導電性酸化物層32と非導電性反応物34によって金属膜30A,30Bと半導体層20が隔てられているため、使用中の金属膜30A,30Bと半導体層20の反応が防止され、長期間にわたってその特性を保持することが可能である。
また、検出対象である放射線は大きなエネルギーを持つことから、特に大きい線量について長時間の検出を行った場合には導電性酸化物層32や非導電性反応物34が損傷し、金属膜30A,30Bと半導体層20の反応が進行する可能性がある。このような場合には、再びバイアス電圧を1秒間当たり1ボルトの割合で昇圧して印加することで、損傷部分で再び導電性酸化物層32を形成してそれ以上の反応が生じなくなる。これにより素子10を安定な状態に復帰させることが出来る。
この素子10を放射線検出に用いた結果、122keVの入射ガンマ線に対して10%以上のエネルギー分解能を維持した状態で動作可能な期間は1000時間以上であった。また、10時間ごとにバイアス電圧を一旦0にしてからふたたび1秒間当たり1ボルトの割合で昇圧し損傷を修復させる操作を行った場合、動作可能な期間は2000時間以上であった。
<第2の実施例>
本発明の放射線検出素子および放射線検出器ならびに放射線検出素子の製造方法の第2の実施例について以下説明する。図1乃至図3と同じ構成には同一の符号を示し、説明は省略する。以下の実施例においても同様とする。
本発明の放射線検出素子および放射線検出器ならびに放射線検出素子の製造方法の第2の実施例について以下説明する。図1乃至図3と同じ構成には同一の符号を示し、説明は省略する。以下の実施例においても同様とする。
本実施例は、実施例1の構成に対して導電性酸化物および非導電性反応物の形成のためのバイアス電圧の印加方向の反転工程を省略した構成である。
第1の実施例における導電性酸化物層32と非導電性反応物34とを形成するための金属膜30A,30Bを形成した素子10に対してバイアス電圧を印加する工程では、アノード側では導電性酸化物の形成と非導電性反応物の形成が生じるが、反対側のカソード側ではこれらは形成されない。これは、カソード電極側ではより貴な電位となり金属膜の酸化反応が抑制されるためである。そのため、素子を検出器として動作させる際に、電荷キャリア収集のためのバイアス電圧の方向が常に一定である場合は、片側の電極のみに導電性酸化物と非導電性酸化物を形成させるだけでも十分な寿命を確保でき、結果として製造工程を一部省略できる。以下、実施例1と異なる点について説明する。
実施例1と同様の条件でダイシングソーによる切断,洗浄までを行った後の素子10に対し、大気中で素子10の上面と下面に導電ゴムを押し当て、バイアス電圧を0ボルト〜400ボルトまで、1秒間にボルトの割合で昇圧し、400ボルトで1分間保持する。そしてバイアス電圧を反転させずに処理を完了させる。
この素子を用いて導電性酸化物と非導電性反応物を形成させたときと同じ方向に電圧を印加して電荷キャリアを収集し、放射線を検出した。その結果、122keVの入射ガンマ線に対して10%以上のエネルギー分解能を維持した状態で動作可能な期間は1000時間以上であった。これに対して、導電性酸化物と非導電性反応物を形成させたときと逆のバイアス方向で電荷キャリアを収集した場合に動作可能な期間は100時間以下であった。
このように、本実施例では、ポーラリゼーションの解消などのために、電荷キャリア収集のための印加電圧の方向を交互に反転させながら使用することが想定される場合には適していないが、製造工程が一部省略されていることから第1の実施例に対してより安価に素子を製造することが可能であり、放射線の検出目的に応じて適宜適切な方法を用いればよい。
<第3の実施例>
本発明の放射線検出素子および放射線検出器ならびに放射線検出素子の製造方法の第3の実施例を図4および図5を用いて説明する。
本発明の放射線検出素子および放射線検出器ならびに放射線検出素子の製造方法の第3の実施例を図4および図5を用いて説明する。
図4は本実施例における分割電極を有する放射線検出素子と配線基板との概略の一例を示す図、図5は本実施例における分割電極を有する放射線検出素子と配線基板とを接続した後の概略の一例を示した図である。
本実施例の素子12は、実施例1の構成に対して、金属膜30A,30Bを電気的に複数に分割した構成である。
素子12の金属膜が各々電気的に分割されていることにより、放射線の入射位置に対応した電極から応答が生じる。これを利用することで放射線の入射位置を算出することができるため、特に放射線信号の画像化を行う際の画質向上に有用である。しかし、電極が多くなるほど配線の密度が高まり、また装置への組み込みも難しくなることから、これら実装上の問題についても考慮することが望まれる。以下、実施例1と異なる点について説明する。
実施例1と同様の条件で研磨を行ったウエハに対し、イリジウムを100nm蒸着する。これに実施例1と同様の条件でバイアス処理を施し、導電性酸化物と非導電性反応物を形成させる。
次に、ウエハをダイシングソーにより周囲を四角形に切断すると共に、ウエハの表面から深さ0.1mmの分割溝44を5mmピッチで刻む。また裏面においても同様の条件で分割溝44を刻む。こうして形成した分割溝44によって各々が電気的に分割された金属膜からなる分割電極42を備えた素子12を得ることができる。
次いで、分割電極42のそれぞれから個別の信号を検出するには、独立した導線を各金属膜に接続する必要があるが、一般的に用いられるワイヤボンディングでは柔らかい半導体層の変形を引き起こすため適用し難い。そのため、図4のように多数の貫通孔54の開いた配線基板50を分割電極42の上にのせ、貫通孔54からカーボンペーストなどの導電性接着剤46を注入して図5のように固定する。
ここで、配線基板50にはフレキシブルプリント基板など薄いものを用いると放射線の減衰が抑えられるため好適である。ただし、導電性接着剤46と素子12の半導体層が接触した状態で電圧を印加すると反応が進行し、検出特性の劣化を招くことから、導電性接着剤46は分割電極42の上にのみ塗布することが望ましい。また、金属膜表層に導電性酸化物および非導電性反応物を形成させていない状態で導電性接着剤46を塗布した場合も、ピンホールを通じて半導体層と接触し検出特性の劣化を招くことから、できれば避けることが望ましい。
配線基板50のそれぞれの貫通孔54は内部配線52により配線基板50端部の接続端子56まで配線されているため、外部回路との接続を容易に行うことが可能となる。
このような本実施例の素子12は、放射線の入射方向をコリメータなどで調整することがその構成上望ましい。
<第4の実施例>
本発明の放射線検出素子および放射線検出器ならびに放射線検出素子の製造方法の第4の実施例を図6を用いて説明する。
本発明の放射線検出素子および放射線検出器ならびに放射線検出素子の製造方法の第4の実施例を図6を用いて説明する。
図6は本実施例における酸素雰囲気中処理装置の概略の一例を示す図である。
本実施例は、実施例1の構成に対し、導電性酸化物および非導電性反応物の形成のためにバイアス電圧を徐々に印加する際に素子14が置かれる環境を大気から酸素ガス雰囲気に変更した構成である。
バイアス電圧を徐々に印加した場合に金属膜の表層部に導電性酸化物が形成されるためには、金属膜のピンホールを介して酸素が拡散する必要がある。しかし通常の大気において酸素が占める割合は2割程度である。そのためより高い濃度の酸素雰囲気中でバイアス電圧を印加すれば、酸素の供給が促進され、より高速かつ高い割合で導電性酸化物を形成させることが可能となる。また、通常の大気に含まれる水蒸気などによる影響も排除できることから、安定して処理を行うことができる。以下、実施例1と異なる点について説明する。
実施例1と同様の条件でダイシングソーによる切断,洗浄までを行った後の素子14を、図6に示すような密閉容器70内に入れて固定治具72の間に置く。その後、電源装置76に対して導線78により電気的に接続された導電ゴム74を素子14の上面と下面に押し当てた状態とする。
その後、密閉容器70とガス配管82によって接続された真空ポンプ86により密閉容器70内部を一旦真空とし、その後にバルブ84を操作して酸素ガス供給装置80から濃度99.5%の酸素ガスを内部が1気圧になるまで導入する。
つぎに、電源装置76により素子14に対してバイアス電圧を印加する。例えば、0ボルト〜400ボルトまで1秒間に10ボルトの割合で昇圧し、400ボルトで1分間保持する。次いで、一旦バイアス電圧を0とし、その後バイアス電圧の極性を反転させて初回と同様の条件で昇圧と保持を行う。実施例1よりも素子14の周囲の酸素濃度が高いため、バイアス電圧の昇圧速度を1秒間に10ボルトとしても正常に導電性酸化物を形成でき、酸素が不足して非導電性反応物となる割合も低減できる。これは金属膜と半導体層の反応が少ないことを示しており、金属膜を構成する元素が半導体層中に拡散することも抑制できるためより高いエネルギー分解能が得られやすい。
こうして得られた素子14を放射線検出に用いた。その結果、122keVの入射ガンマ線に対して5%以上のエネルギー分解能を維持した状態で動作可能な期間は1000時間以上、同様に10%以上のエネルギー分解能を維持した状態で動作可能な期間は2000時間以上であった。
<第5の実施例>
本発明の放射線検出素子および放射線検出器ならびに放射線検出素子の製造方法の第5の実施例について以下説明する。
本発明の放射線検出素子および放射線検出器ならびに放射線検出素子の製造方法の第5の実施例について以下説明する。
本実施例は、実施例1の構成に対して、導電性酸化物を半導体層の表面に直接形成する構成である。
実施例1では半導体層の表面に金属膜を形成し、金属膜の一部を酸化することで導電性酸化物を得ている。これに対し、半導体層の表面に金属膜を構成する金属の導電性酸化物を直接形成することでその厚みを増し、耐食性を向上させることが可能となる。なお、この際に、導電性酸化物を構成する金属の一部が半導体層のハロゲンと反応して非導電性反応物が形成される。
ここで、導電性酸化物として一般的に用いられているものに亜鉛、インジウム、スズ等を含む酸化物がある。これらの元素は周期表でそれぞれ12,13,14族の元素であり、13族元素であるタリウムと性質が近い。このため、これらの酸化物とタリウムハロゲン化物の間で交換反応が生じやすい。そして交換反応によりタリウムと入れ替わって半導体層中に取り込まれた亜鉛、インジウム、スズなどの原子は電荷キャリアを補足するトラップとして働くため、検出器としての特性を低下させる。また、酸化物を構成する元素としてタリウムを使用した場合、交換反応による問題は生じないものの、導電性酸化物である酸化タリウムは大気中の水分と反応して導電性の無い水酸化タリウムに変化していくため、長期間の使用は難しい。これらのことから、導電性酸化物に12,13,14族の元素を使用することはあまり望ましくない。以下、実施例1と異なる点について説明する。
実施例1と同様の条件で研磨までを行った後のウエハに対し、高周波イオンプレーティング法により酸化イリジウムを堆積させて導電性酸化物の層を形成する。この層を厚くするほど耐食性向上に有利であるが、電子ビーム蒸着に比べてウエハの温度が上がりやすいこと、および厚い導電性酸化物は脆くクラックが生じやすいことから、100nm以下の厚さとすることが好ましい。また、100nm以下でも導電性酸化物のみでは振動や温度変化によりクラックが生じる恐れがあるため、引き続き金属状態のイリジウムを蒸着することで金属膜を形成する必要がある。金属膜は厚いほど機械的強度が向上するが、あまり厚くしすぎると半導体層へ応力を及ぼすため、膜厚は20〜500nm程度が好ましい。
以降は実施例1と同様の条件でダイシングソーによる切断,洗浄を行い、素子とした。
得られた素子をそのまま検出器として利用した場合、122keVの入射ガンマ線に対して10%以上のエネルギー分解能を維持した状態で動作可能な期間は800時間以上であった。
また、こうして得られた素子は金属膜と半導体層の間の反応が抑制されるため、そのまま検出器として利用することも可能であるが、さらに長い寿命を得るために実施例1と同様の条件でバイアス電圧を徐々に印加して導電性酸化物と非導電性反応物を形成させることが好ましい。
このようにバイアス電圧を徐々に印加して導電性酸化物と非導電性反応物を更に形成させた素子では、動作可能な期間は2000時間以上であった。
<第6の実施例>
本発明の放射線検出素子および放射線検出器ならびに放射線検出素子の製造方法の第6の実施例を図7を用いて説明する。
本発明の放射線検出素子および放射線検出器ならびに放射線検出素子の製造方法の第6の実施例を図7を用いて説明する。
図7は本実施例における半導体層の材質と動作時間との関係の一例を示した図である。
本実施例は、実施例1の構成に対して、半導体結晶の構成材を臭化タリウムからフッ化タリウム、塩化タリウム、ヨウ化タリウムにそれぞれ変更した構成である。
これらのハロゲン化物はそれぞれ融点が異なり、フッ化タリウム、塩化タリウム、ヨウ化タリウム、臭化タリウムの順に融点が高くなる。融点が低いほど帯域溶融法による高純度化処理が容易になるため、より高純度の結晶が得やすい。一方で、ハロゲンであるフッ素、塩素、臭素、ヨウ素は、原子番号の小さいものほど反応性が高いため金属膜とより激しく反応する。そのため、半導体層に含まれるハロゲンの種類によって使用可能な寿命も異なる。以下、実施例1と異なる点について記述する。
半導体結晶としてフッ化タリウム、塩化タリウム、ヨウ化タリウムの3種類を用いて、それぞれ実施例1と同様の方法で素子を作製した。これらの場合、金属膜30A,30Bの表層部には、導電性酸化物としてイリジウム酸化物が形成され、非導電性反応物としてそれぞれフッ化イリジウム、塩化イリジウム、ヨウ化イリジウムが形成される。
これらの素子を放射線検出に用いた結果、図7に示すような結果が得られた。図7に示すように、フッ化タリウムと塩化タリウムの場合には半導体層の純度が高いことからエネルギー分解能が3%以上の状態で使用可能であった。これに対し、フッ素または塩素の反応性が高いため、その使用可能期間は短く、劣化が進行しやすいことからにエネルギー分解能が10%以上の状態を維持できる時間も比較的短いことが確認された。
一方、臭化タリウムおよびヨウ化タリウムについてはエネルギー分解能が3%以上となる期間は無かったものの、臭素またはヨウ素の反応性が低いために劣化が進行しにくく、エネルギー分解能が10%以上で使用できる期間は比較的長いことが確認された。
これらの結果より、その寿命は比較的短いものの、特にエネルギー分解能を優先する用途にはフッ化タリウムまたは塩化タリウムが好適である。一方、寿命を優先する用途には臭化タリウムまたはヨウ化タリウムが適する。
また、臭化タリウムはヨウ化タリウムよりも密度が高いことから、より少ない体積でも放射線に対する感度を維持しやすいため、検出器の小型化が必要な場合にはより適している。
<第7の実施例>
本発明の放射線検出素子および放射線検出器ならびに放射線検出素子の製造方法の第7の実施例について以下説明する。
本発明の放射線検出素子および放射線検出器ならびに放射線検出素子の製造方法の第7の実施例について以下説明する。
本実施例は、実施例1の構成に対して、金属膜の構成材質をイリジウムからロジウムへと変更した構成である。
イリジウムは耐食性に優れるものの、その融点が高く、蒸着の際に蒸着対象材の温度が上昇しやすい。このため、冷却のために蒸着の中断が必要な場合がある。これに対して、ロジウムはイリジウムより融点が約700℃低いため、ロジウムを使用することで蒸着対象材の温度上昇を抑えることができる。また酸化ロジウムは酸化イリジウムと同様に高い耐食性と導電性を兼ね備えていることから好適に利用できる。以下、実施例1と異なる点について説明する。
実施例1と同様の条件で研磨したウエハに対して、電子ビーム真空蒸着装置により金属膜としてロジウムの膜を500nmの厚さで形成する。このとき蒸着対象材の温度上昇は200℃以下であり、蒸着を中断する必要はない。
本実施例の場合、金属膜30A,30Bの表層部には、導電性酸化物としてロジウム酸化物が形成され、非導電性反応物としてフッ化ロジウムが形成される。
以降は実施例1と同様の条件で処理を行い、得られた素子を放射線検出に用いた。その結果、122keVの入射ガンマ線に対して10%以上のエネルギー分解能を維持した状態で動作可能な期間は900時間以上であった。
ロジウムの価格はイリジウムの価格を上回ることが多いものの、蒸着に必要な量は多くないことから生産性を優先する場合には好適に利用することができる。
<第8の実施例>
本発明の放射線検出素子および放射線検出器ならびに放射線検出素子の製造方法の第8の実施例を図8を用いて説明する。
本発明の放射線検出素子および放射線検出器ならびに放射線検出素子の製造方法の第8の実施例を図8を用いて説明する。
図8は本実施例における保護膜を有する放射線検出素子の概略の一例を示す図である。
本実施例では、実施例1の構成に加えて、素子16の表面を防湿性の皮膜で保護する構成である。
素子を使用して放射線を検出する場合、アルファ線や低エネルギーのガンマ線などは透過力が小さいため、放射線を素子に直接入射させた場合に検出感度は最も高くなる。しかし劣悪な環境で使用される場合には、環境中の水分や粉塵などの影響で劣化が促進されるため、素子の表面の保護が必要となる。そのためには、絶縁性かつ化学的に安定な皮膜を素子の表面に形成する必要がある。一方で、臭化タリウムなどのハロゲン化物は反応性が高いため、一般的に用いられるシリコーンなどの材料では反応してしまい、逆に劣化が促進されるため、適切な材料を使用する必要がある。以下、実施例1と異なる点について記述する。
実施例1と同様の条件でバイアス電圧の印加処理までを終えた素子16を絶縁性基板90の上に固定する。素子16の下面側の電極16Bをカーボンペーストなどの導電性接着剤96Bにより絶縁性基板90の上に固定し、さらに導電性接着剤96Bの一部を絶縁性基板90の孔を通って下部金属板98と電気的に接触させる。
一方、素子16の上面側の電極16Aを、絶縁性基板90の下部に設置された下部金属板92と導線94を介して電気的に接続し、導線94を素子16の上面側の電極16Aに導電性接着剤96Aにより固定する。
この状態のままで、上面に粘着面を有するテープ102の上に貼り付け、保護膜成分を溶解させた溶媒に浸漬させる。保護膜成分としては、高い化学的安定性を有するフッ素系樹脂が適するが、通常は溶媒に溶解させることが難しい。そのため、溶解性を高める効果のある非晶質構造を有するパーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)重合体やテトラフルオロエチレン−パーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)共重合体を溶質とし、フッ素系溶媒を用いて溶解させて浸漬液とすることが好適である。
浸漬後、下部金属板92,98をテープ102に貼り付けたまま120℃で加熱し、溶媒を揮発させることで図8のように表面にフッ素樹脂からなる保護膜100を形成させる。この方法では下部金属板92,98の下面には保護膜100が形成されないため、テープ102から外した後はそのまま下部金属板92,98を介して電極16A,16Bを外部回路へ電気的に接続することが可能となる。
また、さらに堅牢な保護膜100が必要な場合には、テープ102を剥離する前にエポキシなどの液状樹脂で覆い、その後硬化させることで、素子16を機械的にも保護することが可能となる。ただし、フッ素樹脂からなる保護膜は他の樹脂と接着しにくいため、事前にプライマーによる下処理を行っておくことが好ましい。
こうして得られた保護膜を有する素子16は、温度40℃かつ湿度90%の環境で放射線検出に用いた場合、122keVの入射ガンマ線に対して10%以上のエネルギー分解能を1000時間以上にわたって維持した。なお、保護膜を有しない通常の素子の場合、10%以上のエネルギー分解能を維持する時間は100時間以下であった。
<第9の実施例>
本発明の放射線検出素子および放射線検出器ならびに放射線検出素子の製造方法の第9の実施例について以下説明する。
本発明の放射線検出素子および放射線検出器ならびに放射線検出素子の製造方法の第9の実施例について以下説明する。
本実施例は、実施例1の構成に対して、金属膜の作製方法を蒸着法から塗布法へと変更した構成である。
蒸着による金属膜作製は、均質かつ厚さの制御された膜を得やすいものの、真空装置や大容量の電源などが必要であり、設備についての負担が大きい。一方、金属膜の構成成分を含む液を塗布し乾燥させることで成膜できれば簡易な設備で製造が可能となる。以下、実施例1と異なる点について説明する。
実施例1と同様の条件で研磨を行ったウエハを、粒径500nm以下のイリジウムナノ粒子を含む溶液に浸漬させる。その後溶液からウエハを取り出して塗布を行い、これを120℃で1時間乾燥させることで金属膜を形成させる。使用するナノ粒子は粒径が小さいほど半導体層を均一に覆いやすくなるが、あまり小さいとナノ粒子同士の凝集が生じやすくなるため、粒径は1nm以上であることが好ましい。また、溶液が水系の場合は半導体層の溶解を招くため、イソプロパノールなどの有機溶媒系とすることが好ましい。
その後は実施例1と同様の条件で処理を行い、得られた素子を放射線検出に用いた。その結果、122keVの入射ガンマ線に対して10%以上のエネルギー分解能を維持した状態で動作可能な期間は1000時間以上であった。
このように、本実施例では高価なナノ粒子溶液を使用するものの、特別な設備を必要としないため小規模な生産に際しては好適である。
<核医学診断装置>
次に、図9および図10を用いて、本実施例による放射線検出器を用いた核医学診断装置の構成について説明する。
次に、図9および図10を用いて、本実施例による放射線検出器を用いた核医学診断装置の構成について説明する。
図9および図10は、本発明の一実施例による放射線検出器を用いた核医学診断装置の構成図である。
最初に、図9を用いて、核医学診断装置として、単光子放射断層撮像装置(SPECT撮像装置)600に本実施例の放射線検出器101を適用した場合について説明する。
図9において、SPECT撮像装置600は、中央部分に円柱状の計測領域602を取り囲むようにして、2台の上下に位置した放射線検出ブロック601A,601Bと、回転支持台606と、ベッド131と、画像情報作成装置603を備えている。
ここで、上側に位置する放射線検出ブロック601Aは、複数の放射線計測ユニット611と、ユニット支持部材615と、遮光・電磁シールド613とを備えている。放射線計測ユニット611は、複数の放射線検出器101と、基板612と、コリメータ614とを備えている。また、下部に位置する放射線検出ブロック601Bも同様の構成である。また、画像情報作成装置603は、データ処理装置132と、表示装置133とから構成されている。
放射線検出ブロック601A,601Bは、回転支持台606において周方向に180度ずれた位置に配置されている。具体的には、それぞれの放射線検出ブロック601A,601Bの各ユニット支持部材615(一方のみ図示)が、周方向に180度隔てた位置で回転支持台606に取り付けられる。そして、ユニット支持部材615に、基板612を含む複数の放射線計測ユニット611が着脱可能に取り付けられている。
複数の放射線検出器101は、コリメータ614で仕切られる領域Kに、基板612に取り付けられた状態で多段にそれぞれ配置される。コリメータ614は、放射線遮蔽材(例えば、鉛、タングステン等)から形成され、放射線(例えば、γ線)が通過する多数の放射線通路を形成している。
全ての基板612およびコリメータ614は、回転支持台606に設置された遮光・電磁シールド613内に配置される。この遮光・電磁シールド613は、γ線以外の電磁波の放射線検出器101等への影響を遮断している。
このようなSPECT撮像装置600では、放射性薬剤を投与された被検体Hが載置されるベッド131が移動され、被検体Hは、一対の放射線検出ブロック601A,601Bの間に移動される。そして、回転支持台606が回転されることによって、各放射線検出ブロック601A,601Bが被検体Hの周囲を旋回して検出が開始される。
そして、放射性薬剤が集積した被検体H内の集積部(例えば、患部)Dからγ線が放出されると、放出されたγ線がコリメータ614の放射線通路を通って対応する放射線検出器101に入射する。そして、放射線検出器101は、γ線検出信号を出力する。このγ線検出信号は、γ線のエネルギー毎にデータ処理装置132によってカウントされ、その情報等が表示装置133に表示される。
なお、図9において、放射線検出ブロック601A,601Bは、回転支持台606に支えられながら、太い矢印で示したように回転し、被検体Hとの角度を変えながら、撮像および計測を行う。また、放射線検出ブロック601A,601Bは、細い矢印で示したように上下に移動可能であり、被検体Hとの距離を変えることができる。
このようなSPECT撮像装置600に用いられた検出器101として、図2に示すような回路構成であり、半導体層20と、半導体層30と接する表層部分には導電性酸化物としてイリジウム酸化物および非導電性反応物34として臭化イリジウムからなる膜が形成されており、その他の表層部分には導電性酸化物としてイリジウム酸化物からなる膜が形成されている第1金属膜30Aおよび第2金属膜30Bとを備えている放射線検出素子10を備えた放射線検出器が用いられている。
次に、図10を用いて、核医学診断装置として、PET撮像装置700に本実施例の放射線検出器101を適用した場合について説明する。
本実施例の放射線検出器101は、SPECT撮像装置600に限られることではなく、核医学診断装置としての、ガンマカメラ装置、PET撮像装置等に対しても用いることができる。
図10において、陽電子放出型断層撮像装置(PET撮像装置)700は、中央部分に円柱状の計測領域702を有する撮像装置701と、被検体Hを支持して長手方向に移動可能なベッド131と、画像情報作成装置703を備えて構成される。なお、画像情報作成装置703は、データ処理装置132および表示装置133を備えて構成されている。
撮像装置701には、計測領域702を取り囲むようにして、前記の放射線検出器101を多数搭載した基板Pが配置されている。
このようなPET撮像装置700では、データ処理機能を有するデジタルASIC(デジタル回路用のApplication Specific Integrated Circuit、デジタル回路用の特定用途向け集積回路、図示せず)等を備え、γ線のエネルギー値、時刻、放射線検出器101の検出チャンネルID(Identification)を有するパケットが作成され、この作成されたパケットがデータ処理装置132に入力されるようになっている。
検査時には、被検体Hの体内から放射性薬剤に起因して放射されたγ線が、放射線検出器101によって検出される。すなわち、PET撮像用の放射性薬剤から放出された陽電子の消滅時に、一対のγ線が約180度の反対方向に放出され、多数の放射線検出器101のうち別々の検出チャンネルで検出される。検出されたγ線検出信号は、該当する前記デジタルASICに入力されて、前記したように信号処理が行われ、γ線を検出した検出チャンネルの位置情報およびγ線の検出時刻情報が、データ処理装置132に入力される。
そして、データ処理装置132によって、1つの陽電子の消滅により発生した一対のγ線を1個として計数(同時計数)し、その一対のγ線を検出した2つの検出チャンネルの位置を、それらの位置情報を基に特定する。また、データ処理装置132は、同時計数で得た計数値および検出チャンネルの位置情報を用いて、放射性薬剤の集積位置、すなわち腫瘍位置での被検体Hの断層像情報(画像情報)を作成する。この断層像情報は表示装置133に表示される。
このようなPET撮像装置700に用いられた放射線検出器101として、図2に示すような回路構成であり、半導体層20と、半導体層30と接する表層部分には導電性酸化物としてイリジウム酸化物および非導電性反応物34として臭化イリジウムからなる膜が形成されており、その他の表層部分には導電性酸化物としてイリジウム酸化物からなる膜が形成されている第1金属膜30Aおよび第2金属膜30Bとを備えている放射線検出素子10を備えた放射線検出器が用いられている。
なお、本発明の放射線検出器、およびそれを搭載した核医学診断装置は、長期間安定して使用可能であり、かつ小型化および価格低減を図ることができる。
<その他>
なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記の実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記の実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
10,12,14,16…放射線検出素子、
16A,16B…電極、
20…半導体層、
30A,30B…金属膜、
32…導電性酸化物、
34…非導電性反応物、
42…分割電極、
44…分割溝、
46…導電性接着剤、
50…配線基板、
52…内部配線、
54…貫通孔、
56…接続端子、
70…密閉容器、
72…固定治具、
74…導電ゴム、
76…電源装置、
78…導線、
80…酸素ガス供給装置、
82…ガス配管、
84…バルブ、
86…真空ポンプ、
90…絶縁性基板、
92,98…下部金属板、
94…導線、
96A,96B…導電性接着剤、
100…保護膜、
102…テープ。
16A,16B…電極、
20…半導体層、
30A,30B…金属膜、
32…導電性酸化物、
34…非導電性反応物、
42…分割電極、
44…分割溝、
46…導電性接着剤、
50…配線基板、
52…内部配線、
54…貫通孔、
56…接続端子、
70…密閉容器、
72…固定治具、
74…導電ゴム、
76…電源装置、
78…導線、
80…酸素ガス供給装置、
82…ガス配管、
84…バルブ、
86…真空ポンプ、
90…絶縁性基板、
92,98…下部金属板、
94…導線、
96A,96B…導電性接着剤、
100…保護膜、
102…テープ。
Claims (15)
- 放射線検出素子であって、
半導体層と、
この半導体層の1つの面に形成された第1金属膜と、
前記半導体層の前記第1金属膜が形成された面に対向する面に形成された第2金属膜とを備え、
前記第1金属膜と前記第2金属膜とのうち少なくともいずれか一方の金属膜は、前記半導体層と接する表層部分に導電性酸化物および非導電性反応物を有する
ことを特徴とする放射線検出素子。 - 請求項1に記載の放射線検出素子において、
前記第1金属膜と前記第2金属膜とのうち少なくともいずれか一方の金属膜は、前記半導体層と接する表層部分の他の表層部分に導電性酸化物が形成された
ことを特徴とする放射線検出素子。 - 請求項1に記載の放射線検出素子において、
前記半導体層は、タリウムハロゲン化物である臭化タリウム、フッ化タリウム、塩化タリウム、ヨウ化タリウムのいずれかからなる
ことを特徴とする放射線検出素子。 - 請求項1に記載の放射線検出素子において、
前記第1金属膜および前記第2金属膜は、イリジウムまたはロジウムのいずれかにより構成される
ことを特徴とする放射線検出素子。 - 請求項1に記載の放射線検出素子において、
前記導電性酸化物は、酸化イリジウムまたは酸化ロジウムのいずれかにより構成される
ことを特徴とする放射線検出素子。 - 請求項1に記載の放射線検出素子において、
前記非導電性反応物は、半導体層に含有されるハロゲン元素を含有したイリジウムハロゲン化物またはロジウムハロゲン化物のいずれかである
ことを特徴とする放射線検出素子。 - 請求項1に記載の放射線検出素子において、
前記第1金属膜と前記第2金属膜とのうち少なくともいずれか一方の金属膜は少なくとも2以上に分割されており、
この分割された各々の電極から独立して信号を取り出す配線基板を更に備え、
前記分割された各々の電極と前記配線基板とが導電性接着剤により電気的に接続されている
ことを特徴とする放射線検出素子。 - 請求項1に記載の放射線検出素子において、
前記半導体層、前記第1金属膜および前記第2金属膜を覆う非晶質フッ素樹脂による保護膜を更に備えた
ことを特徴とする放射線検出素子。 - 請求項1に記載の放射線検出素子と、
前記第1金属膜と前記第2金属膜のいずれか一方から出力された放射線検出信号を処理する信号処理装置とを備えた
ことを特徴とする放射線検出器。 - 複数の放射線検出器が取り付けられるとともに、被検体を支持するベッドが挿入される計測領域を取り囲み、前記計測領域の周囲に配置された基板と、
前記基板の前記複数の放射線検出器から出力された放射線検出信号を基に得られた情報を用いて画像を生成する画像情報作成装置とを備え、
前記放射線検出器として、請求項9に記載の放射線検出器を備えた
ことを特徴とする核医学診断装置。 - 半導体層を作製する工程と、
作製した前記半導体層の第1面に第1金属膜を、前記第1面に対抗する第2面に第2金属膜を形成する工程と、
前記第1金属膜と前記第2金属膜とのうち少なくともいずれか一方の金属膜と前記半導体層と接する表層部分に導電性酸化物および非導電性反応物を形成する工程とを備える
ことを特徴とする放射線検出素子の製造方法。 - 請求項11に記載の放射線検出素子の製造方法において、
前記導電性酸化物および非導電性反応物を形成する工程では、前記金属膜の前記半導体層と接する表層部分の他の表層部分に導電性酸化物を形成する
ことを特徴とする放射線検出素子の製造方法。 - 請求項11に記載の放射線検出素子の製造方法において、
前記導電性酸化物および非導電性反応物を形成する工程は、前記半導体層に対して電圧を印加する工程である
ことを特徴とする放射線検出素子の製造方法。 - 請求項13に記載の放射線検出素子の製造方法において、
前記電圧印加工程は、大気または酸素ガス雰囲気で行う
ことを特徴とする放射線検出素子の製造方法。 - 請求項11に記載の放射線検出素子の製造方法において、
前記第1金属膜および第2金属膜を形成する工程は、前記半導体層の第1面および第2面にナノ粒子溶液を塗布することで行う
ことを特徴とする放射線検出素子の製造方法。
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