JP5630570B2 - 放射線検出器 - Google Patents

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Description

この発明は、医療分野、工業分野、さらには原子力分野等に用いられる放射線検出器に係り、特に、2次元あるいは3次元に配列された複数のシンチレータ素子からなるシンチレータアレイの技術に関する。
放射線検出器は、放射線の入射に伴って発光することで放射線から光に変換するシンチレータと、シンチレータで変換された光を電気信号に変換する光電変換素子アレイとを備えている。PET(Positron Emission Tomography)装置などの核医学診断装置に用いられる放射線検出器(PET用放射線検出器)では、空間分解能などの検出器性能を向上させる必要がある。
光電変換素子アレイとしては、従来では、シンチレータで変換された光を増倍させて電気信号に変換する光電子増倍管が採用されてきたが、近年では、アバランシェフォトダイオード(APD: avalanche photodiode)(以下、適宜「APD」と略記する)やガイガーモードで動作させるガイガーモードアバランシェフォトダイオード(以下、適宜「GAPD」と略記する)が採用されている。APDやGAPDは、コンパクトかつ磁場耐性がある受光素子(光電変換素子)であり、PET用放射線検出器の開発に用いられている。
2次元に配列された複数のシンチレータ素子からなるシンチレータアレイ(シンチレータブロック)を例に採って説明する。GAPDの各チップは数mm角程度と非常に小さく、図10の概略側面図に示すように、シンチレータブロック101に対して多数のGAPDのチップ102が必要となる。また、複数のチップを2次元平面状に配列してGAPDは形成されているので、チップとチップとの間に不感領域が存在する。したがって、検出器性能を向上させるためには、GAPDの各チップを密に配列するのが望ましい。
それでも、GAPDの表面には不感領域が存在する。そこで、図11の概略側面図に示すように、シンチレータブロック101とGAPDとの間にライトガイド103を介在させて、不感領域での光をライトガイド103で分散させて、GAPDの受光領域に光が届くように構成している。あるいは、図12の概略側面図に示すように、GAPDの不感領域におけるシンチレータブロック101側の表面に反射材104を貼り、不感領域での光が反射材104によって反射して、GAPDの受光領域に光が届くように構成している(例えば、非特許文献1参照)。
ここで、シンチレータの表面にプラスチックシンチレータでコーティングし、シンチレータから変換された光(シンチレーション光)を長波長側に変換させることで、シンチレータを光電変換素子(受光素子)の感度領域により近くさせる技術が知られている(例えば、非特許文献2参照)。
T. Mitsuhashi, N. Inadama, F. Nishikido et al., "1mm Isotropic Detector Resolution Achieved by X’tal Cube Detector" K. Kamada, T. Yanagida, T. Endo et al., "Read out test of inorganic-organic hybrid scintillator; Pr: LuAG single crystal covered with plastic scintillator"
しかしながら、上記技術を用いても、シンチレータ素子とGAPDとの位置関係によって、すなわち不感領域上にシンチレータ素子があるか否かによって、シンチレータから変換された光(シンチレーション光)がGARDに入射される量に違いが生じる。このために、結晶素子(シンチレータ素子)毎にエネルギー波高値や時間応答にバラツキが生じてしまい、検出器性能を劣化させてしまうという問題がある。
この問題は、シンチレータの種類が全て同じであることに起因する。そこで、チップが配置された領域に相当する有効感度領域に光学的に結合されたシンチレータ素子(すなわち有効感度領域上のシンチレータ素子)に比べて、不感領域に光学的に結合された部分(すなわち不感領域上)に発光量が大きいシンチレータ素子を用いることで、入射されたシンチレーション光(すなわち受光量)を同等に揃えることが可能である。ただし、組成が互いに異なる2種類以上のシンチレータを用いると、発光量以外にも、結晶密度や蛍光減衰時間等のシンチレータ特性も個々に変わってしまうので望ましくない。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、検出器性能を均一に保つことができる放射線検出器を提供することを目的とする。
発明者は、上記の問題を解決するために鋭意研究した結果、次のような知見を得た。
すなわち、上述した非特許文献2の技術に着目した。シンチレータアレイ(シンチレータブロック)全体をプラスチックシンチレータなどに代表される樹脂でコーティングすると、シンチレーション光の波長が長波長側にシフトして、GAPDなどに代表される光電変換素子の感度波長ピークに近くなって、不感領域においても受光される光量(受光量)が多くなることが見込まれる。しかし、全体を樹脂でコーティングすると、有効感度領域においても不感領域よりも受光量が多くなって、バラツキを抑えることができない。そこで、不感領域に光学的に結合されたシンチレータ素子(不感領域上のシンチレータ素子)でのシンチレーション光の波長が長波長側に変換されるように不感領域上のシンチレータ素子のみを構成すれば、不感領域における受光量のみが多くなって、有効感度領域における受光量と同等に揃えることができ、バラツキを抑えることができるという知見を得た。
このような知見に基づくこの発明は、次のような構成をとる。
すなわち、この発明に係る放射線検出器は、2次元あるいは3次元に配列された複数のシンチレータ素子からなるシンチレータアレイと、そのシンチレータアレイに対して光学的にそれぞれ結合され、2次元平面状に配列された複数の光電変換素子からなる光電変換素子アレイとを備えた放射線検出器であって、各々の前記シンチレータ素子を互いに同一組成でそれぞれ形成し、前記光電変換素子アレイの不感領域に光学的に結合されたシンチレータ素子が、前記光電変換素子アレイの有効感度領域に光学的に結合されたシンチレータ素子よりも長波長側に発光波長を有するように、それぞれのシンチレータ素子を形成することを特徴とするものである。
この発明に係る放射線検出器によれば、光電変換素子アレイの不感領域に光学的に結合されたシンチレータ素子が、光電変換素子アレイの有効感度領域に光学的に結合されたシンチレータ素子よりも長波長側に発光波長を有するように、それぞれのシンチレータ素子を形成する。すると、不感領域に光学的に結合されたシンチレータ素子(不感領域上のシンチレータ素子)でのシンチレーション光の波長のみが長波長側に変換されて、光電変換素子の感度波長ピークに近くなって、不感領域において受光量が多くなる。一方、有効感度領域に光学的に結合されたシンチレータ素子(有効感度領域上のシンチレータ素子)でのシンチレーション光の波長はそのままであるので、有効感度領域での受光量もそのままとなって、不感領域における受光量と有効感度領域における受光量とを同等に揃えることができ、光電変換素子アレイで受光される光量(受光量)を均一に保つことができる。また、各々のシンチレータ素子を互いに同一組成でそれぞれ形成しているので、結晶密度や蛍光減衰時間等のシンチレータ特性は変わらず、検出器性能を均一に保つことができる。
また、この発明に係る放射線検出器の一例は、光電変換素子アレイの不感領域に光学的に結合されたシンチレータ素子を樹脂で被覆することで、当該シンチレータ素子が上述の長波長側に発光波長を有することである。有効感度領域に光学的に結合されたシンチレータ素子(有効感度領域上のシンチレータ素子)には樹脂で被覆されない通常のタイプ、不感領域に光学的に結合されたシンチレータ素子(不感領域上のシンチレータ素子)には樹脂で被覆された長波長側に発光波長を有するタイプをそれぞれ用いることで、シンチレータ特性(組成)を変えることなく、光電変換素子アレイで受光される光が均一になることが期待できる。
上述したこれらの発明に係る放射線検出器において、シンチレータアレイと光電変換素子アレイとの間に、光学的に結合されたライトガイドを備えるのが好ましい。ライトガイドを介在させることで、不感領域を含めた各領域に光がより一層届きやすくなる。また、光電変換素子アレイの不感領域におけるシンチレータアレイ側の表面に反射材を配設するのが好ましい。反射材を配設することで、不感領域を含めた各領域に光がより一層届きやすくなる。
光電変換素子アレイの一例は、アバランシェフォトダイオード(APD)またはガイガーモードアバランシェフォトダイオード(GAPD)である。APDやGAPDは感度波長ピークが450nm〜500nmに存在するが、LSO,LYSO,LGSO,LuAG,GSO等のシンチレータの発光波長ピークは300nm〜420nmである。したがって、従来のシンチレータ素子を用いるとAPDやGAPDの性能を活かしきることができてない。そこで、上述のように構成することで、不感領域上のシンチレータ素子でのシンチレーション光の波長がAPDやGAPDの感度波長ピークに近くなって、APDやGAPDの不感領域において受光量が多くなり、有効感度領域上のシンチレータ素子でのシンチレーション光の波長はそのままとなり、APDやGAPDの有効感度領域での受光量もそのままとなる。その結果、APDやGAPDで受光される光量(受光量)を均一に保つことができる。
この発明に係る放射線検出器によれば、不感領域に光学的に結合されたシンチレータ素子(不感領域上のシンチレータ素子)でのシンチレーション光の波長のみが長波長側に変換されて、光電変換素子の感度波長ピークに近くなって、不感領域において受光量が多くなり、有効感度領域に光学的に結合されたシンチレータ素子(有効感度領域上のシンチレータ素子)でのシンチレーション光の波長はそのままとなり、有効感度領域での受光量もそのままとなる。その結果、光電変換素子アレイで受光される光量(受光量)を均一に保つことができる。また、各々のシンチレータ素子を互いに同一組成でそれぞれ形成しているので、結晶密度や蛍光減衰時間等のシンチレータ特性は変わらず、検出器性能を均一に保つことができる。
実施例に係る放射線検出器の概略斜視図である。 実施例に係る放射線検出器の概略側面図である。 実施例に係るプラスチックシンチレータで表面がコーティングされたシンチレータ素子の概略断面図である。 3次元に配列された複数のシンチレータ素子からなるシンチレータアレイを備えた放射線検出器の概略斜視図である。 6面に光電子増倍管(PMT)を光学的に結合して備えた放射線検出器の概略斜視図である。 ライトガイドを介在させた構造の放射線検出器の概略斜視図である。 ライトガイドを介在させた構造の放射線検出器の概略側面図である。 反射材を備えた構造の放射線検出器の概略側面図である。 図6、図7のライトガイドを介在させた構造と、図8の反射材を備えた構造とを組み合わせた放射線検出器の概略側面図である。 従来の放射線検出器の概略側面図である。 従来のライトガイドを介在させた構造の放射線検出器の概略側面図である。 従来の反射材を備えた構造の放射線検出器の概略側面図である。
1 … シンチレータブロック(シンチレータアレイ)
1a,1A,1B … シンチレータ素子
2 … ガイガーモードアバランシェフォトダイオード(GAPD)
2a … 光電変換素子
3 … ライトガイド
4 … 反射材
PS … プラスチックシンチレータ
以下、図面を参照してこの発明の実施例を説明する。図1は、実施例に係る放射線検出器の概略斜視図であり、図2は、実施例に係る放射線検出器の概略側面図であり、図3は、実施例に係るプラスチックシンチレータで表面がコーティングされたシンチレータ素子の概略断面図である。
本実施例では、放射線検出器は、上述したようにPET装置などに用いられ、被検体に投与されて関心部位に蓄積された放射性同位元素(RI)から放出された放射線(例えばγ線)を検出する。PET装置は、その検出された放射線に基づいて関心部位のRI分布の断層画像を得る。
放射線検出器は、図1、図2に示すように、シンチレータブロック(シンチレータアレイ)1と、そのシンチレータブロック1に対して光学的に結合されたガイガーモードアバランシェフォトダイオード(GAPD)2とを備えている。シンチレータブロック1は、2次元に配列された複数のシンチレータ素子1aで構成されている。図1では、x、y方向に13行×13列に配列されたシンチレータ素子1aを図示しているが、シンチレータ素子1aの数については特に限定されない。シンチレータ素子1aは、放射線の入射に伴って発光することで放射線から光に変換する。GAPD2は、数mm角程度のチップ状の光電変換素子2a(図2のみ図示)が2次元平面状に複数に配列されて構成されている。図1、図2では、x、y方向に7行×7列に配列されたチップ状の光電変換素子2a(図2のみ図示)を図示しているが、光電変換素子2aの数についても特に限定されない。シンチレータブロック(シンチレータアレイ)1は、この発明におけるシンチレータアレイに相当し、シンチレータ素子1aは、この発明におけるシンチレータ素子に相当し、ガイガーモードアバランシェフォトダイオード(GAPD)2は、この発明における光電変換素子アレイに相当し、光電変換素子2aは、この発明における光電変換素子に相当する。
シンチレータ素子1aとしては、例えばBiGe12(BGO)、GdSiO(GSO)、LuSiO:Ce(CeがドープされたLuSiOすなわちLSO)、Lu2x2(1−x)SiO:Ce(CeがドープされたLu2x2(1−x)SiOすなわちLYSO)、Lu2xGd2(1−x)SiO:Ce(CeがドープされたLu2xGd2(1−x)SiOすなわちLYSO)、あるいはNaI(ヨウ化ナトリウム)、BaF(フッ化バリウム)、CsF(フッ化セシウム)、LaBr(ランタンブロマイド)などの無機結晶が用いられる。その他、LuAl12(LuAG)やLuAl12:Pr(PrがドープされたLuAG)やLuAl12:Ce(CeがドープされたLuAG)などをシンチレータ素子1aとして用いてもよい。
GAPD2は、チップ状の光電変換素子2aを2次元平面状に複数に配列して形成されているので、光電変換素子2aとそれに隣接する光電変換素子2aとの間に不感領域が存在する。チップ状の光電変換素子2aが配置された領域を有効感度領域とすると、有効感度領域に光学的に結合されたシンチレータ素子(すなわち有効感度領域上のシンチレータ素子)を、本明細書では「シンチレータ素子1A」とする。一方、不感領域に光学的に結合されたシンチレータ素子(すなわち有効感度領域上のシンチレータ素子)を、本明細書では「シンチレータ素子1B」とする(図2では点描のハッチングで図示)。なお、シンチレータ素子1Bは、不感領域のみならず一部の有効感度領域(光電変換素子2aの端部)にも光学的に結合されている。
図1、図2では、x、y方向に7行×7列にチップ状の光電変換素子2a(図2のみ図示)を配列しているので、有効感度領域上のシンチレータ素子1A(図2を参照)がx、y方向に7行×7列に配列され、不感領域上のシンチレータ素子1B(図2を参照)がx、y方向に6行×6列に配列される。したがって、シンチレータ素子1aはx、y方向に合計で上述したように13行×13列に配列される。
各々のシンチレータ素子1A,1Bは互いに同一組成でそれぞれ形成されている。シンチレータ素子1Aについては表面に何も被覆されていないが、シンチレータ素子1Bについては表面に樹脂で被覆されている。本実施例では、樹脂としてプラスチックシンチレータを採用しており、図3に示すように、プラスチックシンチレータPSでシンチレータ素子1Bの表面をコーティングしている。図3では、シンチレータ素子1Bの上面、底面並びに側面をプラスチックシンチレータPSでコーティングする構造を図示したが、実際には、シンチレータ素子1Bの正面および背面にもプラスチックシンチレータPSでコーティングされており、シンチレータ素子1Bの6面全部をプラスチックシンチレータPSでコーティングしている。また、6面全部をプラスチックシンチレータPSで必ずしもコーティングする必要はない。ただ、GAPD2側の面(ここでは底面)をプラスチックシンチレータPSでコーティングするのが好ましい。プラスチックシンチレータPSは、この発明における樹脂に相当する。
プラスチックシンチレータPSとしては、例えば1,4-ビス[2-(5-フェニルオキサゾリル)]ベンゼン(POPOP)、1,4-ビス(2-メチルスチリル)ベンゼン(bis‐MSB)、dimethyl-POPOP(DM‐POPOP)、Coum. 1、TB‐PVDあるいはPPOなどが用いられる。上述のこれらを組み合わせてプラスチックシンチレータPSとして用いてもよい。
本実施例では、プラスチックシンチレータを波長変換材として用いており、シンチレータ素子1Bでのシンチレーション光の波長をGAPD2の感度波長ピークに合わせることが可能である。そして、不感領域上でも、より多くのシンチレーション光をGAPD2で受光することが可能となり、シンチレータブロック1の位置に関わらず、GAPD2の出力を均一に保つことができる。
上述の構成を備えた本実施例に係る放射線検出器によれば、光電変換素子アレイ(本実施例ではガイガーモードアバランシェフォトダイオード(GAPD)2)の不感領域に光学的に結合されたシンチレータ素子1Bが、光電変換素子アレイ(GAPD2)の有効感度領域に光学的に結合されたシンチレータ素子1Aよりも長波長側に発光波長を有するように、それぞれのシンチレータ素子1A,1Bを形成している。すると、不感領域に光学的に結合されたシンチレータ素子1B(不感領域上のシンチレータ素子1B)でのシンチレーション光の波長のみが長波長側に変換されて、光電変換素子(GAPD2の光電変換素子2a)の感度波長ピークに近くなって、不感領域において受光量が多くなる。一方、有効感度領域に光学的に結合されたシンチレータ素子1A(有効感度領域上のシンチレータ素子1A)でのシンチレーション光の波長はそのままであるので、有効感度領域での受光量もそのままとなって、不感領域における受光量と有効感度領域における受光量とを同等に揃えることができ、光電変換素子アレイ(GAPD2)で受光される光量(受光量)を均一に保つことができる。また、各々のシンチレータ素子1A,1Bを互いに同一組成でそれぞれ形成しているので、結晶密度や蛍光減衰時間等のシンチレータ特性は変わらず、検出器性能を均一に保つことができる。
本実施例では、光電変換素子アレイ(GAPD2)の不感領域に光学的に結合されたシンチレータ素子1Bを樹脂(本実施例ではプラスチックシンチレータ)で被覆(コーティング)することで、当該シンチレータ素子1Bが上述の長波長側に発光波長を有している。有効感度領域に光学的に結合されたシンチレータ素子1A(有効感度領域上のシンチレータ素子1A)には樹脂(プラスチックシンチレータ)で被覆されない通常のタイプ、不感領域に光学的に結合されたシンチレータ素子1B(不感領域上のシンチレータ素子1B)には樹脂(プラスチックシンチレータ)で被覆(コーティング)された長波長側に発光波長を有するタイプをそれぞれ用いることで、シンチレータ特性(組成)を変えることなく、光電変換素子アレイ(GAPD2)で受光される光が均一になることが期待できる。
本実施例では、光電変換素子アレイとして、ガイガーモードアバランシェフォトダイオード(GAPD)を採用している。アバランシェフォトダイオード(APD)やGAPDは感度波長ピークが450nm〜500nmに存在するが、LSO,LYSO,LGSO,LuAG,GSO等のシンチレータの発光波長ピークは300nm〜420nmである。したがって、従来のシンチレータ素子を用いるとAPDやGAPDの性能を活かしきることができてない。そこで、本実施例のように構成することで、不感領域上のシンチレータ素子1Bでのシンチレーション光の波長がAPDやGAPDの感度波長ピークに近くなって、APDやGAPDの不感領域において受光量が多くなり、有効感度領域上のシンチレータ素子1Aでのシンチレーション光の波長はそのままとなり、APDやGAPDの有効感度領域での受光量もそのままとなる。その結果、APDやGAPDで受光される光量(受光量)を均一に保つことができる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例では、γ線を検出する放射線検出器を例に採って説明したが、γ線以外の放射線、例えばX線を検出する検出器に適用してもよい。
(2)上述した実施例では、光電変換素子アレイとして、ガイガーモードアバランシェフォトダイオード(GAPD)2を例に採って説明したが、アバランシェフォトダイオード(APD)や光電子増倍管(PMT: Photo Multiplier Tube)などに例示されるように、通常において用いられる光電変換素子アレイであれば、特に限定されない。
(3)上述した実施例では、樹脂として、プラスチックシンチレータを例に採って説明したが、シンチレータ素子を被覆することで当該シンチレータ素子が長波長側に発光波長を有する物質(波長変換材)であれば、合成樹脂や天然樹脂に関わらず、樹脂のみでシンチレータ素子を被覆してもよい。
(4)上述した実施例では、光電変換素子アレイ(実施例ではガイガーモードアバランシェフォトダイオード(GAPD))の不感領域に光学的に結合されたシンチレータ素子を樹脂(実施例ではプラスチックシンチレータ)で被覆することで、当該シンチレータ素子が長波長側に発光波長を有する構造であったが、これに限定されない。すなわち、各々のシンチレータ素子を互いに同一組成でそれぞれ形成し、光電変換素子アレイの不感領域に光学的に結合されたシンチレータ素子(不感領域上のシンチレータ素子)が、光電変換素子アレイの有効感度領域に光学的に結合されたシンチレータ素子(有効感度領域上のシンチレータ素子)よりも長波長側に発光波長を有するように、それぞれのシンチレータ素子を形成する構造であれば、樹脂で被覆する構造に限定されない。例えば、シンチレータ素子を製造するために、シンチレータを形成する物質(蛍光体)を焼結する焼結条件(焼結温度や焼結時間や圧力など)や、蛍光体を溶融する溶融条件(溶融温度や溶融時間や圧力など)を変更することで、波長変換材の機能を持たせてもよい。例えば、LuSiO:Ceを焼結してシンチレータ素子を製造する場合には、8GPa(ギガパスカル)の圧力の下で、500℃で10分間焼結したときには波長は変わらず、1000℃で5分間焼結した後に1500℃で5分間焼結したときには波長が420nmから500nmに変換されたことが確認されている。この場合には、有効感度領域上のシンチレータ素子として500℃で10分間焼結されたLuSiO:Ceを用いて、不感領域上のシンチレータ素子として1000℃で5分間焼結した後に1500℃で5分間焼結されたLuSiO:Ceを用いればよい。
(5)上述した実施例では、図1、図2に示すように、2次元に配列された複数のシンチレータ素子1aからなるシンチレータブロック(シンチレータアレイ)1を例に採って説明したが、図4の概略斜視図に示すように、3次元に配列された複数のシンチレータ素子1aからなるシンチレータアレイ1を備えた放射線検出器に適用することもできる。この場合、相互作用を起こした深さ方向の光源位置(DOI: Depth of Interaction)を弁別することができるDOI検出器に有用である。図4では、z方向(すなわち深さ方向)に4段に配列されたシンチレータ素子1aを図示しているが、シンチレータ素子1aの数については特に限定されない。不感領域に光学的に結合されたシンチレータ素子のうち、z方向(深さ方向)の最下段におけるシンチレータ素子のみを樹脂(例えばプラスチックシンチレータ)で被覆してもよいし、不感領域に光学的に結合されたシンチレータ素子の全段で樹脂(プラスチックシンチレータ)で被覆してもよい。
(6)上述した実施例では、図1に示すように、一面のみに光電変換素子アレイ(実施例ではガイガーモードアバランシェフォトダイオード(GAPD)2)を光学的に結合して備えたが、複数の面に光電変換素子アレイを光学的に結合して備えてもよい。例えば、図5の概略斜視図に示すように、6面に光電子増倍管(PMT)2´を光学的に結合して備えてもよい(図5では上面、右側面並びに正面のみPMT2´を図示)。また、上述のDOI検出器と組み合わせて、DOI検出器の複数の面に光電変換素子アレイを光学的に結合して備えてもよい。
(7)上述した実施例では、図1、図2に示すように、シンチレータブロック(シンチレータアレイ)1と光電変換素子アレイ(実施例ではガイガーモードアバランシェフォトダイオード(GAPD)2)とを直接的に光学的に結合した構造であったが、図6の概略斜視図や図7の概略側面図に示すように、シンチレータブロック1と光電変換素子アレイ(ここではGAPD2)との間に、光学的に結合されたライトガイド3を備えてもよい。ライトガイド3を介在させることで、不感領域を含めた各領域に光がより一層届きやすくなる。図6、図7の場合には、図1、図2の有効感度領域上のシンチレータ素子1A,不感領域上のシンチレータ素子1Bがライトガイド3によってz方向に嵩上げされる。なお、ライトガイド3の側面が斜面状になっている場合には、有効感度領域上のシンチレータ素子1A,不感領域上のシンチレータ素子1Bが必ずしも各領域に一致する必要はなく、光学的に結合されてさえいれば、ずれていてもよい。ライトガイド3は、この発明におけるライトガイドに相当する。
(8)図8の概略側面図に示すように、光電変換素子アレイ(実施例ではガイガーモードアバランシェフォトダイオード(GAPD)2)の不感領域におけるシンチレータブロック(シンチレータアレイ)1側の表面(ここでは上面)に反射材4を配設してもよい。反射材4を配設することで、不感領域を含めた各領域に光がより一層届きやすくなる。反射材4は、この発明における反射材に相当する。
(9)図6、図7のライトガイド3を介在させた構造と、図8の反射材4を備えた構造とを組み合わせて、図9の概略側面図に示すような構造にしてもよい。

Claims (5)

  1. 2次元あるいは3次元に配列された複数のシンチレータ素子からなるシンチレータアレイと、
    そのシンチレータアレイに対して光学的にそれぞれ結合され、2次元平面状に配列された複数の光電変換素子からなる光電変換素子アレイと
    を備えた放射線検出器であって、
    各々の前記シンチレータ素子を互いに同一組成でそれぞれ形成し、
    前記光電変換素子アレイの不感領域に光学的に結合されたシンチレータ素子が、前記光電変換素子アレイの有効感度領域に光学的に結合されたシンチレータ素子よりも長波長側に発光波長を有するように、それぞれのシンチレータ素子を形成する
    ことを特徴とする放射線検出器。
  2. 請求項1に記載の放射線検出器において、
    前記光電変換素子アレイの不感領域に光学的に結合されたシンチレータ素子を樹脂で被覆することで、当該シンチレータ素子が前記長波長側に発光波長を有することを特徴とする放射線検出器。
  3. 請求項1または請求項2に記載の放射線検出器において、
    前記シンチレータアレイと前記光電変換素子アレイとの間に、光学的に結合されたライトガイドを備えることを特徴とする放射線検出器。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の放射線検出器において、
    前記光電変換素子アレイの不感領域における前記シンチレータアレイ側の表面に反射材を配設することを特徴とする放射線検出器。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の放射線検出器において、
    前記光電変換素子アレイは、アバランシェフォトダイオードまたはガイガーモードアバランシェフォトダイオードであることを特徴とする放射線検出器。
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