JPWO2015151410A1 - ポリアミド - Google Patents
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Abstract
本発明は、耐熱性、耐水性、および耐衝撃性に優れたポリアミドを提供する。本発明は、芳香族ジカルボン酸に由来する構造単位と脂肪族ジアミンに由来する構造単位とを有するポリアミドであって、ジカルボン酸に由来する構造単位100モル%に対して水酸基とエステル基の合計が0.40〜0.70モル%である、ポリアミドに関する。
Description
本発明は耐熱性、耐水性、および耐衝撃性に優れたポリアミドに関する。
従来からナイロン6、ナイロン66等に代表される結晶性ポリアミドは、その優れた特性と溶融成形の容易さから、衣料用、産業資材用繊維、あるいは汎用のエンジニアリングプラスチックとして広く用いられている。
しかしながら、一方では、耐熱性不足、吸水による寸法安定性不良等の問題点も指摘されている。特に近年の表面実装技術(SMT)の発展に伴うリフローハンダ耐熱性を必要とする電気・電子分野、あるいは年々耐熱性への要求が高まる自動車のエンジンルーム内部品等においては、従来のポリアミドでの使用が困難となってきており、より耐熱性、寸法安定性、機械特性、物理化学特性に優れたポリアミドへの要求が高まっている。
このような世の中の要求に対し、従来のポリアミド6やポリアミド66等の脂肪族ポリアミドよりも耐熱性や耐薬品性に優れる、変性PA6−TやPA9−T等の芳香族ジカルボン酸単位を含むポリアミド(いわゆる、半芳香族ポリアミド)が種々提案されている(特許文献1、2参照)。
しかしながら、半芳香族ポリアミドは耐熱性のみならず特に水やアルコール等の極性溶媒に対する耐性が従来の脂肪族ポリアミドより優れる一方で、耐衝撃性に劣る課題がある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、主として芳香族ジカルボン酸単位と脂肪族ジアミン単位からなり、ジカルボン酸単位に対して特定量の水酸基とエステル基を含むポリアミドが、耐熱性や耐水性に優れると同時に、耐衝撃性にも優れることを見出した。本発明者らはこれらの知見を基にさらに検討を重ねて本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
[1]芳香族ジカルボン酸に由来する構造単位と脂肪族ジアミンに由来する構造単位とを有するポリアミドであって、ジカルボン酸に由来する構造単位100モル%に対して水酸基とエステル基の合計が0.40〜0.70モル%である、ポリアミド;
[2]芳香族ジカルボン酸に由来する構造単位の含有量が25〜52モル%であり、脂肪族ジアミンに由来する構造単位の含有量が30〜53モル%である(但し、芳香族ジカルボン酸に由来する構造単位の含有量と脂肪族ジアミンに由来する構造単位の含有量の合計量は100モル%を超えない。)、前記[1]のポリアミド;
[3]芳香族ジカルボン酸がテレフタル酸である、前記[1]または[2]のポリアミド;
[4]脂肪族ジアミンが炭素数4〜12の脂肪族ジアミンである、前記[1]〜[3]のいずれかのポリアミド;
[5]炭素数4〜12の脂肪族ジアミンが1,6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミンおよび1,10−デカンジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、前記[1]〜[4]のポリアミド;
[6]さらに末端封止剤に由来する構造単位を0.5〜4モル%含有する、前記[1]〜[5]のいずれかのポリアミド;および
[7]ナイロン塩の濃度が50〜90質量%であって、液温が100〜180℃であるナイロン塩水溶液を反応器へ供給する工程(1)と、
該反応器における液温度が230〜260℃であり、かつ該反応器内の圧力が該液温度における水の飽和蒸気圧の0.7〜0.9倍であり、かつ該反応器における平均滞留時間が1時間以下の条件下で重合する工程(2)を含む、
前記[1]〜[6]のいずれかのポリアミドの製造方法;
に関する。
[1]芳香族ジカルボン酸に由来する構造単位と脂肪族ジアミンに由来する構造単位とを有するポリアミドであって、ジカルボン酸に由来する構造単位100モル%に対して水酸基とエステル基の合計が0.40〜0.70モル%である、ポリアミド;
[2]芳香族ジカルボン酸に由来する構造単位の含有量が25〜52モル%であり、脂肪族ジアミンに由来する構造単位の含有量が30〜53モル%である(但し、芳香族ジカルボン酸に由来する構造単位の含有量と脂肪族ジアミンに由来する構造単位の含有量の合計量は100モル%を超えない。)、前記[1]のポリアミド;
[3]芳香族ジカルボン酸がテレフタル酸である、前記[1]または[2]のポリアミド;
[4]脂肪族ジアミンが炭素数4〜12の脂肪族ジアミンである、前記[1]〜[3]のいずれかのポリアミド;
[5]炭素数4〜12の脂肪族ジアミンが1,6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミンおよび1,10−デカンジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、前記[1]〜[4]のポリアミド;
[6]さらに末端封止剤に由来する構造単位を0.5〜4モル%含有する、前記[1]〜[5]のいずれかのポリアミド;および
[7]ナイロン塩の濃度が50〜90質量%であって、液温が100〜180℃であるナイロン塩水溶液を反応器へ供給する工程(1)と、
該反応器における液温度が230〜260℃であり、かつ該反応器内の圧力が該液温度における水の飽和蒸気圧の0.7〜0.9倍であり、かつ該反応器における平均滞留時間が1時間以下の条件下で重合する工程(2)を含む、
前記[1]〜[6]のいずれかのポリアミドの製造方法;
に関する。
本発明によれば、耐熱性や耐水性に優れるとともに、優れた耐衝撃性を有するポリアミド、および該ポリアミドの製造方法を提供できる。
以下に本発明の詳細な説明を行う。
本発明に使用されるポリアミドを構成するモノマー単位は芳香族ジカルボン酸に由来する構造単位(以下、「芳香族ジカルボン酸単位」と称する)を含む。なお、芳香族ジカルボン酸とは、ベンゼン環、ナフタレン環等の芳香族環に二つのカルボキシル基が直接共有結合されている化合物である。さらに、耐水性、耐衝撃性に優れ、融点やガラス転移温度が高く耐熱性に優れるポリアミドが得られる点から、芳香族ジカルボン酸単位の含有量は25〜52モル%が好ましく、30〜51モル%がより好ましく、35〜50モル%がさらに好ましい。芳香族ジカルボン酸単位の含有量の評価方法は、後記する実施例に記載のとおりである。
本発明に使用されるポリアミドを構成するモノマー単位は芳香族ジカルボン酸に由来する構造単位(以下、「芳香族ジカルボン酸単位」と称する)を含む。なお、芳香族ジカルボン酸とは、ベンゼン環、ナフタレン環等の芳香族環に二つのカルボキシル基が直接共有結合されている化合物である。さらに、耐水性、耐衝撃性に優れ、融点やガラス転移温度が高く耐熱性に優れるポリアミドが得られる点から、芳香族ジカルボン酸単位の含有量は25〜52モル%が好ましく、30〜51モル%がより好ましく、35〜50モル%がさらに好ましい。芳香族ジカルボン酸単位の含有量の評価方法は、後記する実施例に記載のとおりである。
上記の芳香族ジカルボン酸単位としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、ジフェン酸、4,4’−オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸等から誘導される単位が挙げられる。中でもテレフタル酸単位が耐熱性と耐水性が高くなるので好ましい。
本発明のポリアミドは、本発明の効果を妨げない限り、ジカルボン酸単位として、芳香族ジカルボン酸単位以外のジカルボン酸単位を含んでいてもよい。芳香族ジカルボン酸単位以外のジカルボン酸単位としては、例えばマロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタル酸、2,2−ジエチルコハク酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸から誘導される単位が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を含むことができる。本発明のポリアミドは、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の多価カルボン酸から誘導される単位を溶融成形が可能な範囲内で含んでいてもよい。
本発明に使用されるポリアミドを構成するモノマー単位は脂肪族ジアミンに由来する構造単位(以下、「脂肪族ジアミン単位」と称する)を含む。さらに、耐衝撃性、耐水性に優れるポリアミドが得られる点から、脂肪族ジアミン単位の含有量は30〜53モル%が好ましく、35〜52モル%がより好ましく、38〜51モル%がさらに好ましい。脂肪族ジアミン単位としては、炭素数4〜12の脂肪族ジアミン単位が好ましい。脂肪族ジアミン単位の含有量の評価方法は、後記する実施例に記載のとおりである。
上記の炭素数4〜12の脂肪族ジアミン単位としては、例えば1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン等の直鎖状脂肪族ジアミン;1−ブチル−1,2−エタンジアミン、1,1−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、1−エチル−1,4−ブタンジアミン、1,2−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、1,3−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、1,4−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、2,3−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,5−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、3,3−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,2−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4−ジエチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,2−ジメチル−1,7−ヘプタンジアミン、2,3−ジメチル−1,7−ヘプタンジアミン、2,4−ジメチル−1,7−ヘプタンジアミン、2,5−ジメチル−1,7−ヘプタンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、3−メチル−1,8−オクタンジアミン、4−メチル−1,8−オクタンジアミン、1,3−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、1,4−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、2,4−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、3,4−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、4,5−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、2,2−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、3,3−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、4,4−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン等の分岐鎖状脂肪族ジアミン等から誘導される単位が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を含むことができる。
上記の脂肪族ジアミン単位に用いるジアミンとしては、耐熱性、耐水性に優れる観点から、1,6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミンおよび1,10−デカンジアミンから選ばれる少なくとも1種が好ましく、1,9−ノナンジアミンおよび/または2−メチル−1,8−オクタンジアミンがより好ましい。
ジアミンとして、1,9−ノナンジアミンおよび2−メチル−1,8−オクタンジアミンを併用する場合、そのモル比は、1,9−ノナンジアミン:2−メチル−1,8−オクタンジアミン=45:55〜90:10であることが好ましい。
上記のジアミン単位は、本発明の効果を損なわない範囲で炭素数4〜12の脂肪族ジアミン単位以外の他のジアミン単位を含んでもよい。該他のジアミン単位としては、例えばエチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン等の脂肪族ジアミン;シクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジメチルアミン、トリシクロデカンジメチルアミン等の脂環式ジアミン;p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル等の芳香族ジアミン等から誘導される単位が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を含むことができる。
また、本発明のポリアミドは、本発明の効果を損なわない範囲でラクタムまたはアミノカルボン酸単位を含んでもよい。具体的には、ε−カプロラクタム、ωーラウリルラクタム等のラクタム;11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等のアミノカルボン酸等から誘導される単位が挙げられる。
本発明のポリアミドは、モノマー単位として末端封止剤に由来する単位を4モル%以下(0モル%を除く)含むことが好ましく、0.5〜4モル%含むことがより好ましく、0.7〜2.5モル%含むことがさらに好ましい。末端封止剤に由来する単位を上記割合で含むと、溶融成形性等の物性がより優れたポリアミドを得ることができる。末端封止剤に由来する単位の含有量の評価方法は、後記する実施例に記載のとおりである。
末端封止剤としては、末端アミノ基もしくは末端カルボキシル基との反応性を有する単官能性の化合物を用いることができる。例えば酸無水物、モノイソシアネート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、モノアルコール類等が挙げられる。反応性および封止末端の安定性等の点から、末端アミノ基に対する末端封止剤としてはモノカルボン酸が好ましく、末端カルボキシル基に対する末端封止剤としてはモノアミンが好ましい。また、取り扱いの容易さ等の観点から末端封止剤としてはモノカルボン酸がより好ましい。
末端封止剤として使用されるモノカルボン酸としては、アミノ基との反応性を有するものであれば特に制限はなく、例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ピバリン酸、イソ酪酸等の脂肪族モノカルボン酸;シクロヘキサンカルボン酸等の脂環式モノカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、α−ナフタレンカルボン酸、β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカルボン酸、フェニル酢酸等の芳香族モノカルボン酸;これらの任意の混合物等が挙げられる。中でも、反応性、封止末端の安定性、価格等の点から、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、安息香酸が好ましい。
末端封止剤として使用されるモノアミンとしては、カルボキシル基との反応性を有するものであれば特に制限はなく、例えばメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン等の脂肪族モノアミン;シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン等の脂環式モノアミン;アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフチルアミン等の芳香族モノアミン;これらの任意の混合物等が挙げられる。中でも、反応性、高沸点、封止末端の安定性および価格等の点から、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリンが好ましい。
本発明のポリアミドにおいて、ジカルボン酸単位に由来する構造単位100モル%に対して水酸基とエステル基の合計含有量は0.40〜0.70モル%であり、好ましくは0.45〜0.60モル%である。水酸基とエステル基を上記割合で含むことにより、耐衝撃性に優れたポリアミドが得られる。水酸基およびエステル基の含有量の評価方法は、後記する実施例に記載のとおりである。
本発明のポリアミドにおいて、ジカルボン酸単位に由来する構造単位100モル%において、水酸基の含有量(モル%)は、0.05〜0.40モル%が好ましく、0.08〜0.35モル%がより好ましく、0.10〜0.30モル%がさらに好ましい。
本発明のポリアミドにおいて、ジカルボン酸単位に由来する構造単位100モル%において、エステル基の含有量(モル%)は、水酸基の含有量(モル%)の0.5〜12倍であることが好ましく、1.0〜5.0倍であることがより好ましく、1.5〜3.0倍であることがさらに好ましい。
水酸基をポリアミドに導入する手法としては、(1)ジオールやアミノアルコールをポリアミド重合の任意の段階で添加する手法、(2)ポリアミド重合の初期を水の存在下に行い主にジアミンに由来するアミノ基を加水分解させて水酸基とする方法、等が挙げられ、(2)が好ましい。ジオールとしては、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールを例示することができる。アミノアルコールとしては、4−アミノ−1−ブタノール、5−アミノ−1−ペンタノール、6−アミノ−1−ヘキサノール、7−アミノ−1−ヘプタノール、8−アミノ−1−オクタノール、9−アミノ−1−ノナノール、10−アミノ−1−デカノール等を例示することができる。また、このように生成した水酸基を重合系内に存在する主にジカルボン酸に由来するカルボキシル基と反応させることでエステル基を生成せしめることができる。水酸基やエステル基のポリアミドに対する含有量は、ジオールやアミノアルコールの添加量、ポリアミド重合時の重合系内の水分・温度・時間等の因子を適度に制御することで上記範囲にすることができる。
ところで、カルボン酸とアミンの脱水によるアミド化反応において、芳香族カルボン酸のカルボキシル基は脂肪族カルボン酸のカルボキシル基に比べてアミンのアミノ基との反応が遅く、またアミド化と加水分解の平衡反応が反応物側に偏っているため、ポリアミド重合系内でのアミノ基濃度が高く、重合系に溶媒として添加された水或いはカルボキシル基とアミノ基のアミド化時に生成する縮合水としての水によりアミノ基が加水分解されて水酸基になりやすい。また、このように生成する水酸基の一部は重合系に存在するジカルボン酸や末端封止剤由来のカルボキシル基と反応してエステル基となる。ポリアミド中の水酸基やエステル基の濃度がジカルボン酸単位に対して0.70モル%を超えると耐衝撃性に劣るポリアミドとなる。その理由としては、ポリアミド分子間のアミド基の水素結合や、ポリアミド分子末端のアミノ基とカルボキシル基との相互作用が阻害されて、分子間力が弱まること等が考えられる。ポリアミド中の水酸基やエステル基の濃度がジカルボン酸単位に由来する構造単位100モル%に対して0.40モル%未満でもポリアミドの耐衝撃性が低下するが、その理由としてはポリアミド分子間の相互作用が強過ぎるために衝撃に対し分子鎖が緩和しにくい等が考えられる。
本発明のポリアミドの吸水率は、特に限定されないが、耐水性に優れ、吸湿による寸法変化を抑制できる等の点から、6.5%以下が好ましく、5.0%以下がより好ましく、4.0%以下がさらに好ましく、3.0%以下が特に好ましい。吸水率の評価方法は、後記する実施例に記載のとおりである。
本発明のポリアミドの融点は、特に限定されないが、280〜350℃が好ましく、290〜345℃がより好ましく、300〜340℃がさらに好ましい。融点の評価方法は、後記する実施例に記載のとおりである。
本発明のポリアミドは、特に限定されないが、耐衝撃性に関して、シャルピー衝撃値が3.0kJ/m2以上のものが好ましく、3.5kJ/m2以上のものがより好ましく、4.0kJ/m2以上のものがさらに好ましい。シャルピー衝撃値の評価方法は、後記する実施例に記載のとおりである。
本発明のポリアミドの重量平均分子量は、特に限定されないが、20×103〜80×103が好ましく、22×103〜70×103がより好ましく、25×103〜60×103がさらに好ましい。重量平均分子量が上述した範囲内にあると、本発明のポリアミドの溶融成形性が優れることに加えて、溶融成形された成形品の強度や耐衝撃性が高い。重量平均分子量の評価方法は、後記する実施例に記載のとおりである。
本発明のポリアミドは、ポリアミドを製造する方法として知られている任意の方法を用いて製造することができるが、本発明に用いられるポリアミドの好ましい製造法の一例を以下に示す。
本発明のポリアミドの製造方法は、ナイロン塩の濃度が50〜90質量%であって、液温が100〜180℃であるナイロン塩水溶液を反応器へ供給する工程(1)と、該反応器における液温度が230〜260℃であり、かつ該反応器内の圧力が該液温度における水の飽和蒸気圧の0.70〜0.90倍であり、かつ該反応器における平均滞留時間が1時間以下の条件下で重合する工程(2)を含む。
[工程(1)]
最初にジアミン、ジカルボン酸、水、必要に応じて末端封止剤、後述する次亜リン酸ナトリウム一水和物や亜リン酸に代表される触媒からなる混合物を、窒素等の不活性ガスおよび/または水蒸気雰囲気下、攪拌下に加熱して均一なナイロン塩水溶液を調整する。ナイロン塩水溶液の加熱温度は、通常100〜180℃であり、好ましくは120〜170℃である。なお、ジアミン、ジカルボン酸、および末端封止剤に含まれるアミノ基のカルボキシル基に対するモル比は0.98〜1.05であり、好ましくは0.99〜1.03である。該モル比が上記範囲を外れると、ポリアミドの分子量が十分に上がらない。水の量は、前記加熱温度の範囲で均一なナイロン塩水溶液となるよう適宜調整でき、前記水溶液のナイロン塩濃度は、50〜90質量%であり、好ましくは60〜90質量%である。ジアミン、ジカルボン酸、末端封止剤等実質的にポリアミドを構成する成分に対して触媒を0.01〜0.3質量%、好ましくは0.02〜0.2質量%添加すると、ゲル化や着色の無いポリアミドが得られる。
最初にジアミン、ジカルボン酸、水、必要に応じて末端封止剤、後述する次亜リン酸ナトリウム一水和物や亜リン酸に代表される触媒からなる混合物を、窒素等の不活性ガスおよび/または水蒸気雰囲気下、攪拌下に加熱して均一なナイロン塩水溶液を調整する。ナイロン塩水溶液の加熱温度は、通常100〜180℃であり、好ましくは120〜170℃である。なお、ジアミン、ジカルボン酸、および末端封止剤に含まれるアミノ基のカルボキシル基に対するモル比は0.98〜1.05であり、好ましくは0.99〜1.03である。該モル比が上記範囲を外れると、ポリアミドの分子量が十分に上がらない。水の量は、前記加熱温度の範囲で均一なナイロン塩水溶液となるよう適宜調整でき、前記水溶液のナイロン塩濃度は、50〜90質量%であり、好ましくは60〜90質量%である。ジアミン、ジカルボン酸、末端封止剤等実質的にポリアミドを構成する成分に対して触媒を0.01〜0.3質量%、好ましくは0.02〜0.2質量%添加すると、ゲル化や着色の無いポリアミドが得られる。
上記のようにして得られたナイロン塩水溶液は、概一定速度で、第1反応器へ供給される。
[工程(2)]
該第1反応器での好適な反応条件として、液温度は230〜260℃であり、235〜258℃が好ましい。また、圧力はその液温度での水の飽和蒸気圧の0.70〜0.90倍であり、0.75〜0.85倍が好ましい。反応条件としては、液温度が230〜260℃であって、圧力がその液温度での水の飽和蒸気圧の0.70〜0.90倍がより好ましく、液温度が235〜258℃であって、圧力がその液温度での水の飽和蒸気圧の0.75〜0.85倍がさらに好ましい。また、該第1反応器での平均滞留時間は通常1時間以下であり、0.8時間以下が好ましい。液温度と圧力、平均滞留時間がこの範囲内にあると、ジカルボン酸単位に対する水酸基とエステル基の合計量を上記範囲に制御しやすくなる。第1反応器へのナイロン塩水溶液の供給速度は、上記平均滞留時間の範囲内に設定できる一定速度であれば特に限定されないが、例えば、0.5L/時間〜10L/時間であってもよい。前記第1反応器は、連続式反応器であれば特に限定されず、例えば管型反応器、連続槽型反応器が好ましい。
該第1反応器での好適な反応条件として、液温度は230〜260℃であり、235〜258℃が好ましい。また、圧力はその液温度での水の飽和蒸気圧の0.70〜0.90倍であり、0.75〜0.85倍が好ましい。反応条件としては、液温度が230〜260℃であって、圧力がその液温度での水の飽和蒸気圧の0.70〜0.90倍がより好ましく、液温度が235〜258℃であって、圧力がその液温度での水の飽和蒸気圧の0.75〜0.85倍がさらに好ましい。また、該第1反応器での平均滞留時間は通常1時間以下であり、0.8時間以下が好ましい。液温度と圧力、平均滞留時間がこの範囲内にあると、ジカルボン酸単位に対する水酸基とエステル基の合計量を上記範囲に制御しやすくなる。第1反応器へのナイロン塩水溶液の供給速度は、上記平均滞留時間の範囲内に設定できる一定速度であれば特に限定されないが、例えば、0.5L/時間〜10L/時間であってもよい。前記第1反応器は、連続式反応器であれば特に限定されず、例えば管型反応器、連続槽型反応器が好ましい。
[工程(3)]
前記条件で得られた反応液は、前記第1反応器から別の反応器(第2反応器)へ導かれて、さらに反応させて、アミド化反応を略平衡状態まで進める。前記第2反応器での反応条件は、例えば液温度は好ましくは230〜260℃であり、235〜258℃がより好ましい。また、圧力はその液温度での水の飽和蒸気圧の0.70〜0.90倍が好ましく、0.75〜0.85倍がより好ましい。反応条件としては、液温度が230〜260℃であって、圧力がその液温度での水の飽和蒸気圧の0.70〜0.90倍がさらに好ましく、液温度が235〜258℃であって、圧力がその液温度での水の飽和蒸気圧の0.75〜0.85倍が特に好ましい。この段階を経て得られるポリアミド前駆体のアミド基濃度を反応前のアミノ基濃度で除することで求めるアミド化転化率が85〜95%の範囲にあると、後重合の段階においてカルボキシル基とアミノ基のモルバランスのずれや重合速度の低下が少なく、さらに分子量分布の小さな、各種物性や成形性に優れたポリアミドが得られる。前記第2反応器は、連続式反応器であれば特に限定されず、例えば管型反応器、連続槽型反応器が好ましい。アミド化転化率の評価方法は、後記する実施例に記載のとおりである。
前記条件で得られた反応液は、前記第1反応器から別の反応器(第2反応器)へ導かれて、さらに反応させて、アミド化反応を略平衡状態まで進める。前記第2反応器での反応条件は、例えば液温度は好ましくは230〜260℃であり、235〜258℃がより好ましい。また、圧力はその液温度での水の飽和蒸気圧の0.70〜0.90倍が好ましく、0.75〜0.85倍がより好ましい。反応条件としては、液温度が230〜260℃であって、圧力がその液温度での水の飽和蒸気圧の0.70〜0.90倍がさらに好ましく、液温度が235〜258℃であって、圧力がその液温度での水の飽和蒸気圧の0.75〜0.85倍が特に好ましい。この段階を経て得られるポリアミド前駆体のアミド基濃度を反応前のアミノ基濃度で除することで求めるアミド化転化率が85〜95%の範囲にあると、後重合の段階においてカルボキシル基とアミノ基のモルバランスのずれや重合速度の低下が少なく、さらに分子量分布の小さな、各種物性や成形性に優れたポリアミドが得られる。前記第2反応器は、連続式反応器であれば特に限定されず、例えば管型反応器、連続槽型反応器が好ましい。アミド化転化率の評価方法は、後記する実施例に記載のとおりである。
引続き所望の重量平均分子量(分子量)のポリアミドにするには二つの方法が挙げられる。一つには、(i)前記工程で得られたポリアミド前駆体を冷却、固化、乾燥、必要に応じて粉砕し、50質量%が通過する篩いの目開きが0.1〜3.0mmの粒子状ポリアミド前駆体とし、減圧下または不活性ガス流動下にポリアミドの融点未満の温度、具体的には200〜270℃の温度で2〜12時間保持する固相重合である。前記篩いの目開きとしては、0.2〜0.9mmがより好ましい。もう一つは、(ii)前重合の反応系圧力を1気圧前後まで低下させるよう反応系気相部蒸気を放出させつつ、反応系温度をポリアミドの融点以上に高める溶融重合である。
ポリアミドを製造するに際して使用することができる触媒としては、例えば、リン酸、亜リン酸または次亜リン酸とカリウム、ナトリウム、マグネシウム、バナジウム、カルシウム、亜鉛、コバルト、マンガン、錫、タングステン、ゲルマニウム、チタン、アンチモン等の金属との塩;リン酸、亜リン酸または次亜リン酸のアンモニウム塩;リン酸、亜リン酸または次亜リン酸のエチルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、ヘキシルエステル、イソデシルエステル、オクタデシルエステル、デシルエステル、ステアリルエステル等が挙げられる。中でも次亜リン酸ナトリウム一水和物または亜リン酸が好ましい。
本発明のポリアミドは、必要に応じて、他の成分、例えば本発明のポリアミド以外の熱可塑性樹脂、相溶化剤、充填材、シランカップリング剤、結晶核剤、銅系熱安定剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオ系酸化防止剤等の酸化防止剤、染料、顔料、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、潤滑剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、難燃助剤、加工助剤等の他の成分を含有して用いてもよい。
本発明のポリアミドや上記成分を含有したポリアミド組成物は、目的とする成形品の種類、用途、形状等に応じて、射出成形、押出成形、プレス成形、ブロー成形、カレンダー成形、流延成形等、熱可塑性樹脂組成物に対して一般に用いられる成形方法を適用することにより、各種の成形品を製造できる。また上記の成形方法を組み合わせた成形方法を採用してもよい。さらに、本発明のポリアミドや上記成分を含有したポリアミド組成物を、各種熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紙、金属、木材、セラミックス等の各種材料と接着、溶着、接合した複合成形体とすることもできる。
本発明のポリアミドや上記成分を含有したポリアミド組成物は、多くの優れた特性を有するため、上述したような成形プロセスを経て、電気電子部品、自動車部品、産業部品、繊維、フィルム、シート、家庭用品、その他の任意の形状および用途の各種成形品の製造に有効に使用することができる。
電気電子部品としては、例えばFPCコネクタ、BtoBコネクタ、USBコネクタ、メモリーカードコネクタ、USBコネクタ、AVコネクタ、同軸コネクタ、FFCコネクタ、スイッチ、リレー、ボビン、CPUソケット、LEDリフレクタ、各種カメラモジュール部品等の表面実装対応部品;IGBTモジュールのケース、SiCパワー半導体モジュールのケース等のパワー半導体のケース、ケーブル電線被覆、光ファイバー部品、AV・OA機器の消音ギア、自動点滅機器部品、各種携帯電話部品、複写機用耐熱ギア、エンドキャップ、コミュテーター、業務用コンセント、コマンドスイッチ、ノイズフィルター、マグネットスイッチ、太陽電池基板、液晶板、LED実装基板、フレキシブルプリント配線板、フレキシブルフラットケーブル等が挙げられる。
自動車部品としては、例えばサーモスタットハウジング、ラジエータータンク、ラジエーターホース、ウォーターアウトレット、ウォーターインレット、リアジョイント、ウォーターポンプハウジング等の冷却部品;インタークーラータンク、レゾネーター、スロットルボディ、インテークマニホールド、テールパイプ等の吸排気系部品;燃料デリバリーパイプ、ガソリンタンク、クイックコネクタ、キャニスター、ポンプモジュール、燃料配管、オイルストレーナー、ロックナット、シール材等の燃料系部品;マウントブラケット、トルクロッド、シリンダヘッドカバー等の構造部品;ベアリングリテイナー、ギアテンショナー、ヘッドランプアクチュエータギア、スライドドアローラー、クラッチ周辺部品等の駆動系部品;エアブレーキチューブ等のブレーキ系統部品;エンジンルーム内のワイヤーハーネスコネクタ、モーター部品、センサー、ABSボビン、コンビネーションスイッチ、車載スイッチ等の車載電装部品;スライドドアダンパー、ドラミラーステイ、ドアミラーブラケット、インナーミラーステイ、ルーフレール、エンジンマウントブラケット、エアクリーナーのインレートパイプ、ドアチェッカー、プラチェーン、エンブレム、クリップ、ブレーカーカバー、カップホルダー、エアバック、フェンダー、スポイラー、ラジエーターサポート、ラジエーターグリル、ルーバー、エアスクープ、フードバルジ、バックドア、フューエルセンダーモジュール等の内外装部品;等が挙げられる。
産業部品としては、例えばガスパイプ、油田採掘用パイプ、ホース、防蟻ケーブル(通信ケーブル、パスケーブル等)、粉体塗装品の塗料部(水道管の内側コーティング)、海底油田パイプ、耐圧ホース、油圧チューブ、ペイント用チューブ、燃料ポンプ、セパレーター、スーパーチャージ用ダクト、バタフライバルブ、搬送機ローラー軸受、鉄道の枕木バネ受け、船外機エンジンカバー、発電機用エンジンカバー、灌漑用バルブ、大型開閉器(スイッチ)、漁網等のモノフィラメント(押出糸)等が挙げられる。
繊維としては、例えばエアバック基布、耐熱フィルター、補強繊維、ブラシ用ブリッスル、釣糸、タイヤコード、人工芝、絨毯、座席シート用繊維等が挙げられる。フィルムやシートとしては、例えば耐熱マスキング用テープ、工業用テープ等の耐熱粘着テープ・カセットテープ、デジタルデータストレージ向けデータ保存用磁気テープ、ビデオテープ等の磁気テープ用材料・レトルト食品のパウチ、菓子の個包装、食肉加工品の包装等の食品包装材料・半導体パッケージ用の包装等の電子部品包装材料等が挙げられる。
その他、本発明のポリアミドや上記成分を含有したポリアミド組成物は、プラスチックマグネット、シューソール、テニスラケット、スキー板、ボンド磁石、メガネフレーム、結束バンド、タグピン、サッシ用クレセント、電動工具モーター用ファン、モーター固定子用絶縁ブロック、芝刈機用エンジンカバー、芝刈機の燃料タンク、超小型スライドスイッチ、DIPスイッチ、スイッチのハウジング、ランプソケット、コネクタのシェル、ICソケット、ボビンカバー、リレーボックス、コンデンサーケース、小型モーターケース、ギヤ、カム、ダンシングプーリー、スペーサー、インシュレーター、ファスナー、キャスター、ワイヤークリップ、自転車用ホイール、端子台、スターターの絶縁部分、ヒューズボックス、エアクリーナーケース、エアコンファン、ターミナルのハウジング、ホイールカバー、ベアリングテーナー、ウォーターパイプインペラ、クラッチレリーズベアリングハブ、耐熱容器、電子レンジ部品、炊飯器部品、プリンターリボンガイド等にも好適に使用することができる。
本発明は、本発明の効果を奏する限り、本発明の技術的範囲内において、上記の構成を種々組み合わせた態様を含む。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。以下の実施例等における各種物性の評価方法は、下記の通りとした。
<ポリアミド前駆体のアミド化転化率>
ポリアミド前駆体1gを35ccのフェノールに110℃で溶解させ、20〜30℃に冷却してから3mlのメタノールとチモールブルー数滴を加え、0.1規定塩酸で滴定してポリアミド前駆体のアミノ基濃度を求めた。反応前のアミノ基濃度は、実施例1の場合を例に取ると45.969モル×2÷(7276.4g+7484.1g+224.55g+14.99g)=6.13×10−3モルのように算出した。ポリアミド前駆体のアミド化転化率はこの場合は1−(ポリアミド前駆体のアミノ基濃度)÷6.13×10−3として求められる。
ポリアミド前駆体1gを35ccのフェノールに110℃で溶解させ、20〜30℃に冷却してから3mlのメタノールとチモールブルー数滴を加え、0.1規定塩酸で滴定してポリアミド前駆体のアミノ基濃度を求めた。反応前のアミノ基濃度は、実施例1の場合を例に取ると45.969モル×2÷(7276.4g+7484.1g+224.55g+14.99g)=6.13×10−3モルのように算出した。ポリアミド前駆体のアミド化転化率はこの場合は1−(ポリアミド前駆体のアミノ基濃度)÷6.13×10−3として求められる。
<ポリアミドのモノマー構成>
ポリアミド20〜30mgを重水素化1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール1mlに溶解し、日本電子株式会社製核磁気共鳴装置JNM−ECX400を用いて、室温、積算回数256回の条件で1H−NMR測定を行い、表1〜3に従ってポリアミドのモノマー構成を算出した。1H−NMRでのポリアミドの帰属を表1に示す。ポリアミド構成単位等のモル比の計算方法を表2に示す。ポリアミドのモノマー構成の計算方法を表3に示す。
ポリアミド20〜30mgを重水素化1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール1mlに溶解し、日本電子株式会社製核磁気共鳴装置JNM−ECX400を用いて、室温、積算回数256回の条件で1H−NMR測定を行い、表1〜3に従ってポリアミドのモノマー構成を算出した。1H−NMRでのポリアミドの帰属を表1に示す。ポリアミド構成単位等のモル比の計算方法を表2に示す。ポリアミドのモノマー構成の計算方法を表3に示す。
<ポリアミドの水酸基とエステル基>
ポリアミド20〜30mgを重水素化1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール1mlに溶解し、日本電子株式会社製核磁気共鳴装置JNM−ECX400を用いて、室温、積算回数256回の条件で1H−NMR測定を行い、表1、表2、表4に従ってポリアミドの水酸基とエステル基を算出した。ポリアミドの水酸基とエステル基の計算方法を表4に示す。
ポリアミド20〜30mgを重水素化1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール1mlに溶解し、日本電子株式会社製核磁気共鳴装置JNM−ECX400を用いて、室温、積算回数256回の条件で1H−NMR測定を行い、表1、表2、表4に従ってポリアミドの水酸基とエステル基を算出した。ポリアミドの水酸基とエステル基の計算方法を表4に示す。
<ポリアミドの融点>
ポリアミド10mgをメトラー・トレド(株)製の示差走査熱量分析装置(DSC822)を使用して、窒素雰囲気下で30℃から350℃へ10℃/分の速度で加熱し、350℃で3分間保持し、10℃/分の速度で50℃へ冷却し1分間保持した。引続き50℃から10℃/分の速度で360℃へ昇温した時に現れる融解ピークのピーク温度を融点とした。融解ピークが複数ある場合は最も高温側の融解ピークのピーク温度を融点とした。
ポリアミド10mgをメトラー・トレド(株)製の示差走査熱量分析装置(DSC822)を使用して、窒素雰囲気下で30℃から350℃へ10℃/分の速度で加熱し、350℃で3分間保持し、10℃/分の速度で50℃へ冷却し1分間保持した。引続き50℃から10℃/分の速度で360℃へ昇温した時に現れる融解ピークのピーク温度を融点とした。融解ピークが複数ある場合は最も高温側の融解ピークのピーク温度を融点とした。
<ポリアミドの吸水率>
ポリアミドをJIS平板(三辺が80mm、80mm、3mm)へ成形し、該成形品を80℃水中に浸漬する前後の重量変化をポリアミドの吸水率とした。
ポリアミドをJIS平板(三辺が80mm、80mm、3mm)へ成形し、該成形品を80℃水中に浸漬する前後の重量変化をポリアミドの吸水率とした。
<ポリアミドの重量平均分子量>
1,1,1,3,3,3,−ヘキサフルオロイソプロパノールに10mMのトリフルオロ酢酸ナトリウム(HFIP)を溶解させた溶液を検液調整および溶離液として用いた。ポリアミド5mgを5mlの先述の溶液に溶解させ、目開き2μmのメンブレンフィルターを通して検液を調製した。検液90μLを1ml/分の溶離液に打ち込み、40℃に保たれたカラム(昭和電工株式会社製HFIP−806M)を通過させた後にRI検出器(昭和電工株式会社製RID−10A)を通して溶出曲線を得た。別途、PMMA標準試料(昭和電工株式会社製 STANDARD M−75、数平均分子量範囲:1,800〜950,000)を用いて作成した構成曲線に照らし合わせることでポリアミドの重量平均分子量を計算した。
1,1,1,3,3,3,−ヘキサフルオロイソプロパノールに10mMのトリフルオロ酢酸ナトリウム(HFIP)を溶解させた溶液を検液調整および溶離液として用いた。ポリアミド5mgを5mlの先述の溶液に溶解させ、目開き2μmのメンブレンフィルターを通して検液を調製した。検液90μLを1ml/分の溶離液に打ち込み、40℃に保たれたカラム(昭和電工株式会社製HFIP−806M)を通過させた後にRI検出器(昭和電工株式会社製RID−10A)を通して溶出曲線を得た。別途、PMMA標準試料(昭和電工株式会社製 STANDARD M−75、数平均分子量範囲:1,800〜950,000)を用いて作成した構成曲線に照らし合わせることでポリアミドの重量平均分子量を計算した。
<ポリアミドの耐衝撃性>
ポリアミドをISO多目的試験片Aへ射出成形し、ISO 179/1eAに準じた23℃でのノッチ付きシャルピー衝撃値を求め、ポリアミドの耐衝撃性の指標とした。
ポリアミドをISO多目的試験片Aへ射出成形し、ISO 179/1eAに準じた23℃でのノッチ付きシャルピー衝撃値を求め、ポリアミドの耐衝撃性の指標とした。
<実施例1>
1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比85:15の混合物を7276.4g(45.969モル)、テレフタル酸7484.1g(45.049モル)、安息香酸224.55g(1.839モル)、次亜リン酸ナトリウム一水和物14.99g、水5000.0gを150℃で攪拌し水分25質量%のナイロン塩水溶液を調整した。この液温150℃のナイロン塩水溶液をオーバーフロー式に内在液量を一定に保つ反応器1(23℃で水がオーバーフローする時の内在液量が0.5L)に1L/時間で供給しながら(滞留時間は0.5L÷1L/時間=0.5時間のように定義する)、液温が250℃(この温度での水の飽和蒸気圧は4.0MPa)で、圧力が3.3MPa(水の飽和蒸気圧の0.83倍)となるよう調整した。その際、圧力を3.3MPaに保つために気相部蒸気を定常的に系外へ抜き、それをコンデンサーで凝縮させ水を主体とする凝縮液を定量すると0.209L/時間であった。反応器1からオーバーフローした液は液温250℃、圧力3.3MPa、滞留時間2.53時間(23℃での水の内在液量2L÷(1−0.209)L/時間=2.53時間)に調整した反応器2へ導いた。反応器2の下部から内容液を120℃の水蒸気で外側から間接加熱し上部に大気開放口のある缶に連続的に供給し、この缶内で脱水・冷却・造粒が行われ、50質量%が通過する篩い目開きが0.5mm、水分3質量%で、アミド化転化率が88%である粒子状ポリアミド前駆体を得た。これをジャケット温度230℃、1torrの回分式反応器で10時間固相重合してポリアミドを得た。ポリアミドの組成と物性を表5に示す。
1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比85:15の混合物を7276.4g(45.969モル)、テレフタル酸7484.1g(45.049モル)、安息香酸224.55g(1.839モル)、次亜リン酸ナトリウム一水和物14.99g、水5000.0gを150℃で攪拌し水分25質量%のナイロン塩水溶液を調整した。この液温150℃のナイロン塩水溶液をオーバーフロー式に内在液量を一定に保つ反応器1(23℃で水がオーバーフローする時の内在液量が0.5L)に1L/時間で供給しながら(滞留時間は0.5L÷1L/時間=0.5時間のように定義する)、液温が250℃(この温度での水の飽和蒸気圧は4.0MPa)で、圧力が3.3MPa(水の飽和蒸気圧の0.83倍)となるよう調整した。その際、圧力を3.3MPaに保つために気相部蒸気を定常的に系外へ抜き、それをコンデンサーで凝縮させ水を主体とする凝縮液を定量すると0.209L/時間であった。反応器1からオーバーフローした液は液温250℃、圧力3.3MPa、滞留時間2.53時間(23℃での水の内在液量2L÷(1−0.209)L/時間=2.53時間)に調整した反応器2へ導いた。反応器2の下部から内容液を120℃の水蒸気で外側から間接加熱し上部に大気開放口のある缶に連続的に供給し、この缶内で脱水・冷却・造粒が行われ、50質量%が通過する篩い目開きが0.5mm、水分3質量%で、アミド化転化率が88%である粒子状ポリアミド前駆体を得た。これをジャケット温度230℃、1torrの回分式反応器で10時間固相重合してポリアミドを得た。ポリアミドの組成と物性を表5に示す。
<実施例2>
1,10−デカンジアミンを7594.5g(44.072モル)、テレフタル酸を7175.3g(43.191モル)、安息香酸を215.28g(1.763モル)用いた以外は実施例1に記載の方法でポリアミドを得た。なお、ポリアミド前駆体のアミド化転化率は87%であった。得られたポリアミドの組成と物性を表5に示す。
1,10−デカンジアミンを7594.5g(44.072モル)、テレフタル酸を7175.3g(43.191モル)、安息香酸を215.28g(1.763モル)用いた以外は実施例1に記載の方法でポリアミドを得た。なお、ポリアミド前駆体のアミド化転化率は87%であった。得られたポリアミドの組成と物性を表5に示す。
<実施例3>
1,6−ヘキサンジアミンを6155.7g(55.880モル)、テレフタル酸を5054.8g(30.427モル)、アジピン酸を3638.1g(24.894モル)、安息香酸を136.48g(1.118モル)用いた以外は実施例1に記載の方法でポリアミドを得た。なお、ポリアミド前駆体のアミド化転化率は87%であった。得られたポリアミドの組成と物性を表5に示す。
1,6−ヘキサンジアミンを6155.7g(55.880モル)、テレフタル酸を5054.8g(30.427モル)、アジピン酸を3638.1g(24.894モル)、安息香酸を136.48g(1.118モル)用いた以外は実施例1に記載の方法でポリアミドを得た。なお、ポリアミド前駆体のアミド化転化率は87%であった。得られたポリアミドの組成と物性を表5に示す。
<実施例4>
1,6−ヘキサンジアミンを5957.9g(54.084モル)、テレフタル酸を6226.6g(37.480モル)、イソフタル酸を2668.5g(16.063モル)、安息香酸を132.09g(1.082モル)用いた以外は実施例1に記載の方法でポリアミドを得た。なお、ポリアミド前駆体のアミド化転化率は87%であった。得られたポリアミドの組成と物性を表5に示す。
1,6−ヘキサンジアミンを5957.9g(54.084モル)、テレフタル酸を6226.6g(37.480モル)、イソフタル酸を2668.5g(16.063モル)、安息香酸を132.09g(1.082モル)用いた以外は実施例1に記載の方法でポリアミドを得た。なお、ポリアミド前駆体のアミド化転化率は87%であった。得られたポリアミドの組成と物性を表5に示す。
<実施例5>
1,6−ヘキサンジアミンを3276.8g(29.746モル)、2−メチル−1,5−ペンタンジアミンを2681.0g(24.338モル)、テレフタル酸を8895.1g(53.543モル)、安息香酸を132.09g(1.082モル)用いた以外は実施例1に記載の方法でポリアミドを得た。なお、ポリアミド前駆体のアミド化転化率は87%であった。得られたポリアミドの組成と物性を表5に示す。
1,6−ヘキサンジアミンを3276.8g(29.746モル)、2−メチル−1,5−ペンタンジアミンを2681.0g(24.338モル)、テレフタル酸を8895.1g(53.543モル)、安息香酸を132.09g(1.082モル)用いた以外は実施例1に記載の方法でポリアミドを得た。なお、ポリアミド前駆体のアミド化転化率は87%であった。得られたポリアミドの組成と物性を表5に示す。
<比較例1>
反応器1の液温を270℃(この温度での水の飽和蒸気圧は5.5MPa)、圧力を4.5MPa(水の飽和蒸気圧の0.82倍)とした以外は実施例1に記載の方法でポリアミドを重合した。得られたポリアミドの組成と物性を表5に示す。
反応器1の液温を270℃(この温度での水の飽和蒸気圧は5.5MPa)、圧力を4.5MPa(水の飽和蒸気圧の0.82倍)とした以外は実施例1に記載の方法でポリアミドを重合した。得られたポリアミドの組成と物性を表5に示す。
<比較例2>
反応器1の23℃で水がオーバーフローする時の内在液量を3.0Lとした以外は実施例1に記載の方法でポリアミドを重合した。得られたポリアミドの組成と物性を表5に示す。
反応器1の23℃で水がオーバーフローする時の内在液量を3.0Lとした以外は実施例1に記載の方法でポリアミドを重合した。得られたポリアミドの組成と物性を表5に示す。
<比較例3>
1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比85:15の混合物を7276.4g(45.969モル)、テレフタル酸7484.1g(45.049モル)、安息香酸224.55g(1.839モル)、次亜リン酸ナトリウム一水和物14.99g、ダウサムA(ジフェニルエーテルとビフェニルの質量比7:3の混合物)15000.0gを内容積50リットルのオートクレーブに入れ、窒素置換した。2時間かけて内部温度を230℃に昇温し、そのまま3時間反応させた。反応は常に攪拌しながら行い、また圧力が0.5MPaを超えない様に適宜放圧した。内容物を室温付近まで冷却した後、オートクレーブから抜き出した。4Gのグラスフィルターを用いてダウサムAを除去した後、200℃、減圧下で12時間乾燥し、ポリアミドを得た。ポリアミドの組成と物性を表5に示す。
1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比85:15の混合物を7276.4g(45.969モル)、テレフタル酸7484.1g(45.049モル)、安息香酸224.55g(1.839モル)、次亜リン酸ナトリウム一水和物14.99g、ダウサムA(ジフェニルエーテルとビフェニルの質量比7:3の混合物)15000.0gを内容積50リットルのオートクレーブに入れ、窒素置換した。2時間かけて内部温度を230℃に昇温し、そのまま3時間反応させた。反応は常に攪拌しながら行い、また圧力が0.5MPaを超えない様に適宜放圧した。内容物を室温付近まで冷却した後、オートクレーブから抜き出した。4Gのグラスフィルターを用いてダウサムAを除去した後、200℃、減圧下で12時間乾燥し、ポリアミドを得た。ポリアミドの組成と物性を表5に示す。
<比較例4>
実施例2のナイロン塩水溶液を、比較例1の条件で反応させてポリアミドを得た。ポリアミドの組成と物性を表5に示す。
実施例2のナイロン塩水溶液を、比較例1の条件で反応させてポリアミドを得た。ポリアミドの組成と物性を表5に示す。
<比較例5>
実施例2のナイロン塩水溶液を、比較例3の条件で反応させてポリアミドを得た。ポリアミドの組成と物性を表5に示す。
実施例2のナイロン塩水溶液を、比較例3の条件で反応させてポリアミドを得た。ポリアミドの組成と物性を表5に示す。
<比較例6>
実施例3のナイロン塩水溶液を、比較例1の条件で反応させてポリアミドを得た。ポリアミドの組成と物性を表5に示す。
実施例3のナイロン塩水溶液を、比較例1の条件で反応させてポリアミドを得た。ポリアミドの組成と物性を表5に示す。
<比較例7>
実施例3のナイロン塩水溶液を、比較例3の条件で反応させてポリアミドを得た。ポリアミドの組成と物性を表5に示す。
実施例3のナイロン塩水溶液を、比較例3の条件で反応させてポリアミドを得た。ポリアミドの組成と物性を表5に示す。
<比較例8>
実施例4のナイロン塩水溶液を、比較例1の条件で反応させてポリアミドを得た。ポリアミドの組成と物性を表5に示す。
実施例4のナイロン塩水溶液を、比較例1の条件で反応させてポリアミドを得た。ポリアミドの組成と物性を表5に示す。
<比較例9>
実施例4のナイロン塩水溶液を、比較例3の条件で反応させてポリアミドを得た。ポリアミドの組成と物性を表5に示す。
実施例4のナイロン塩水溶液を、比較例3の条件で反応させてポリアミドを得た。ポリアミドの組成と物性を表5に示す。
<比較例10>
実施例5のナイロン塩水溶液を、比較例1の条件で反応させてポリアミドを得た。ポリアミドの組成と物性を表5に示す。
実施例5のナイロン塩水溶液を、比較例1の条件で反応させてポリアミドを得た。ポリアミドの組成と物性を表5に示す。
<比較例11>
実施例5のナイロン塩水溶液を、比較例3の条件で反応させてポリアミドを得た。ポリアミドの組成と物性を表5に示す。
実施例5のナイロン塩水溶液を、比較例3の条件で反応させてポリアミドを得た。ポリアミドの組成と物性を表5に示す。
<比較例12>
1,6−ヘキサンジアミンを5920.6g(53.746モル)、アジピン酸を8750.21g(52.671モル)、安息香酸を314.18g(2.150モル)用いた以外は実施例1に記載の方法でポリアミドを得た。なお、ポリアミド前駆体のアミド化転化率は92%であった。得られたポリアミドの組成と物性を表5に示す。
1,6−ヘキサンジアミンを5920.6g(53.746モル)、アジピン酸を8750.21g(52.671モル)、安息香酸を314.18g(2.150モル)用いた以外は実施例1に記載の方法でポリアミドを得た。なお、ポリアミド前駆体のアミド化転化率は92%であった。得られたポリアミドの組成と物性を表5に示す。
比較例1、4、6、8、および10では反応器1の温度を270℃と高くしているが、ポリアミドの水酸基とエステル基の合計量が本発明で規定する範囲を超えており、実施例に比べて耐衝撃性に劣っていた。比較例2では反応器1の平均滞留時間を3時間と長くしているが、ポリアミドの水酸基とエステル基の合計量が本発明で規定する範囲を超えており、実施例に比べて耐衝撃性に劣っていた。比較例3、5、7、9、および11のバッチ式重合ではポリアミドの水酸基とエステル基の合計量が本発明で規定する範囲に含まれず、実施例に比べて耐衝撃性に劣っていた。比較例12では芳香族ジカルボン酸単位を含まないために実施例に比べて融点が低く、また吸水率が大きかった。
本発明のポリアミド樹脂は、耐熱性、耐水性、および耐衝撃性に優れ、電気電子部品、自動車部品、産業部品、繊維、フィルム、シート、家庭用品、その他の任意の形状および用途の各種成形品の製造に有効に使用することができる。また、ポリアミドの製造方法は、耐熱性、耐水性、および耐衝撃性に優れるポリアミドを製造するのに有用である。
Claims (7)
- 芳香族ジカルボン酸に由来する構造単位と脂肪族ジアミンに由来する構造単位とを有するポリアミドであって、
ジカルボン酸に由来する構造単位100モル%に対して水酸基とエステル基の合計が0.40〜0.70モル%である、ポリアミド。 - 芳香族ジカルボン酸に由来する構造単位の含有量が25〜52モル%であり、脂肪族ジアミンに由来する構造単位の含有量が30〜53モル%である(但し、芳香族ジカルボン酸に由来する構造単位の含有量と脂肪族ジアミンに由来する構造単位の含有量の合計量は100モル%を超えない。)、請求項1に記載のポリアミド。
- 芳香族ジカルボン酸がテレフタル酸である、請求項1または2に記載のポリアミド。
- 脂肪族ジアミンが炭素数4〜12の脂肪族ジアミンである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリアミド。
- 炭素数4〜12の脂肪族ジアミンが1,6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミンおよび1,10−デカンジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項4に記載のポリアミド。
- さらに末端封止剤に由来する構造単位を0.5〜4モル%含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリアミド。
- ナイロン塩の濃度が50〜90質量%であって、液温が100〜180℃であるナイロン塩水溶液を反応器へ供給する工程(1)と、
該反応器における液温度が230〜260℃であり、かつ該反応器内の圧力が該液温度における水の飽和蒸気圧の0.70〜0.90倍であり、かつ該反応器における平均滞留時間が1時間以下の条件下で重合する工程(2)を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリアミドの製造方法。
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