JPWO2015146653A1 - 鞍乗型車両 - Google Patents

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Abstract

所定の条件が成立したらリンク機構の動作を素早く規制することができ、かつ、乗員の意思をより反映させやすい鞍乗型車両を提供する。鞍乗型車両10は、リンク機構36と、ロック機構80と、制御部86と、操作部104とを備える。リンク機構36は、一対の前輪14L,14Rを車体フレーム12に接続する。ロック機構80は、リンク機構36の動作を規制することでリンク機構36をロック状態にし、リンク機構36の動作を許容することでリンク機構36をロック解除状態にする。操作部104は、乗員による操作が入力されている間、操作信号D6を制御部86に対して継続して出力する。制御部86は、リンク機構36のロックを許容するロック条件が成立した時点で操作信号D6が入力されている場合に、ロック機構80を制御し、リンク機構36をロック状態にする。

Description

本発明は、鞍乗型車両に関し、詳しくは、一対の前輪を備える鞍乗型車両に関する。
鞍乗型車両には、例えば、一対の前輪と、一対の前輪を車体フレームに接続するリンク機構とを備える三輪車両がある。このような三輪車両においては、リンク機構の動作により、車両を傾斜させて、旋回することができる。
特開2005−313876号公報には、三輪車両用のアンチロール装置が開示されている。アンチロール装置は、リンク機構の1つの要素と一体的に設けられたブレーキディスクと、車体フレームに取り付けられたキャリパとを備える。アンチロール装置においては、キャリパにより、ブレーキディスクを車体フレームに対して固定する。これにより、リンク機構の動作を規制することができる。その結果、車両のロール運動を阻止できる。
特開2009−286266号公報には、鞍乗型車両が開示されている。鞍乗型車両は、支持機構と、ロック機構と、センサと、制御部とを備える。支持機構は、一対の車輪を車体に対して上下動可能に支持する。ロック機構は、支持機構に接続して一対の車輪の上下動を制限する。センサは、車両の状態を検出する。制御部は、センサの検出結果に基づいて、ロック機構を制御する。一対の車輪の上下動の制限またはその解除は、制御部により、自動的に行われる。そのため、所定の条件が成立した場合には、支持機構の動作を素早く規制することができる。
しかしながら、支持機構の動作を自動で規制する場合には、乗員の意思を完全に反映させることは難しい。例えば、乗員が支持機構の動作を規制したくなくても、支持機構の動作が規制されてしまうおそれがある。このような不具合を回避するためには、例えば、支持機構の動作が規制されるときの条件を適当に設定する必要がある。しかしながら、当該条件の設定等が煩雑になるおそれがある。
本発明の目的は、所定の条件が成立したらリンク機構の動作を素早く規制することができ、かつ、乗員の意思をより反映させやすい鞍乗型車両を提供することである。
本発明の第1の態様に係る鞍乗型車両は、車体フレームと、一対の前輪と、リンク機構と、ロック機構と、制御部と、操作部とを備える。リンク機構は、一対の前輪を車体フレームに接続する。ロック機構は、リンク機構の動作を規制することでリンク機構をロック状態にし、リンク機構の動作を許容することでリンク機構をロック解除状態にする。制御部は、ロック機構によるリンク機構のロック及びロック解除を制御する。操作部は、乗員による操作が入力されている間、操作信号を制御部に対して継続して出力する。制御部は、リンク機構のロックを許容するロック条件が成立した時点で操作信号が入力されている場合に、ロック機構を制御し、リンク機構をロック状態にする。
操作部が設けられているので、乗員の意思を反映させやすい。乗員が操作部を操作したときにロック条件が成立していれば、乗員が操作部を操作したときにリンク機構をロック解除状態からロック状態に移行することができる。操作部を操作しているときには、操作信号が出力され続ける。そのため、例えば、ロック条件が成立する前から乗員が操作部を操作していれば、操作部を操作した時点ではロック条件が成立していなくても、ロック条件が成立した時点で素早くリンク機構をロック解除状態からロック状態に移行することができる。
本発明の第2の態様に係る鞍乗型車両は、第1の態様に係る鞍乗型車両において、制御部は、今回のロック条件成立時点で入力されている操作信号が前回のロック条件成立時点から継続して入力されている場合には、ロック機構によるリンク機構のロック解除を維持する。
上記態様においては、乗員に対して、リンク機構をロックした後に操作部の操作をやめるという動作を促すことができる。乗員の意思をより反映させ易くなる。
本発明の第3の態様に係る鞍乗型車両は、第1又は第2の態様に係る鞍乗型車両において、ロック報知部をさらに備える。ロック報知部は、ロック機構によりリンク機構がロックされていることを報知する。
上記態様においては、乗員がリンク機構のロック状態を認識できる。リンク機構のロック状態を乗員に報知する方法としては、例えば、インジケータによる表示や、スピーカによる効果音の出力等がある。
本発明の第4の態様に係る鞍乗型車両は、第1〜第3の態様の何れか1つに係る鞍乗型車両において、ロック条件の成立を報知する条件成立報知部をさらに備える。
上記態様においては、乗員がロック条件の成立を認識できる。そのため、例えば、ロック条件の成立前から操作部を操作していない場合において、乗員は、適当なタイミングで操作部を操作できるようになる。
本発明の第5の態様に係る鞍乗型車両は、第1の態様に係る鞍乗型車両において、車両の状態を検出する検出部をさらに備える。制御部は、ロック条件判断部と、信号入力判断部と、ロック制御部とを含む。ロック条件判断部は、検出部によって検出された車両の状態に基づいて、ロック条件を満たすか判断する。信号入力判断部は、ロック条件を満たす状態で、操作信号が入力されているかを判断する。ロック制御部は、ロック条件を満たす状態で操作信号が入力されている場合に、ロック機構を制御し、リンク機構をロック状態にする。
本発明の第6の態様に係る鞍乗型車両は、第5の態様に係る鞍乗型車両において、異常判断部をさらに備える。異常判断部は、検出部に異常が発生しているかを判断する。検出部に異常が発生している場合、ロック条件判断部は、ロック条件を満たすか否かを判断しない。
上記態様においては、ロック条件をより正確に判断することができる。
本発明の第7の態様に係る鞍乗型車両は、第5又は第6の態様に係る鞍乗型車両において、信号入力判断部は、入力期間判断部を含む。入力期間判断部は、今回のロック条件を満たす状態で入力されている操作信号が、前回のロック条件を満たした時点から継続して入力されているかを判断する。ロック制御部は、ロック解除維持部を含む。ロック解除維持部は、今回のロック条件を満たす状態で入力されている操作信号が、前回のロック条件を満たした時点から継続して入力されている場合に、ロック機構によるリンク機構のロック解除状態を維持する。
本発明の第8の態様に係る鞍乗型車両は、第5〜第7の態様の何れか1つに係る鞍乗型車両において、検出部を複数備える。ロック条件判断部は、複数の検出部によって検出された車両の状態に基づいて、ロック条件を満たすか判断する。
上記態様においては、車両の状態を検出する精度がより向上する。
本発明の第9の態様に係る鞍乗型車両は、第8の態様に係る鞍乗型車両において、複数の検出部は、リンク機構の状態を検出する状態検出部と、スロットル開度を検出するスロットル開度検出部と、車速を検出する車速検出部とを含む。
本発明の第10の態様に係る鞍乗型車両は、第9の態様に係る鞍乗型車両において、複数の検出部は、エンジン回転速度を検出するエンジン回転速度検出部をさらに含む。
本発明の第11の態様に係る鞍乗型車両は、第9又は第10の態様に係る鞍乗型車両において、複数の検出部は、車速変化率を検出する車速変化率検出部をさらに含む。
本発明の第12の態様に係る鞍乗型車両は、第11の態様に係る鞍乗型車両において、車速変化率検出部は、車速検出部によって第1時間に検出された車速と、車速検出部によって第2時間に検出された車速との差分を、車速変化率として出力する。
上記態様においては、車速を微分して車速変化率を求める場合と比べて、車速変化率を求め易くなる。
本発明の第13の態様に係る鞍乗型車両は、第1〜第12の態様の何れか1つに係る鞍乗型車両において、ダンパをさらに備える。ダンパは、一対の前輪に生じる逆位相の振動を減衰する。ロック機構は、ダンパの動作を規制することでリンク機構をロック状態にし、ダンパの動作を許容することでリンク機構をロック解除状態にする。
上記態様においては、ロック機構を別途設けなくてもよい。そのため、コンパクトな鞍乗型車両を実現できる。
本発明の実施の形態による鞍乗型車両の概略構成を示す左側面図である。 リンク機構の概略構成を示す正面図である。 ダンパの油圧回路を示す図である。 制御装置に入力される信号及び制御装置から出力される信号を説明するためのブロック図である。 ロック機構制御部によるロック制御を示すフローチャートである。 リンク機構がロックされる場合において、ロック条件が成立する前から操作信号が入力されている場合を示すタイムチャートである。 リンク機構がロックされる場合において、ロック条件が成立した後に操作信号が入力される場合を示すタイムチャートである。 今回のロック条件を満たす状態で入力されている操作信号が、前回のロック条件を満たした時点から継続して入力されている場合を示すタイムチャートである。 今回のロック条件を満たす状態で入力されている操作信号が、前回のロック条件を満たした時点から継続して入力されていない場合を示すタイムチャートである。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態による鞍乗型車両について説明する。図中同一または相当部分には、同一符号を付して、その説明は繰り返さない。なお、鞍乗型車両には、スクータタイプの車両が含まれる。
図1は、本発明の実施の形態による鞍乗型車両10の概略構成を示す左側面図である。図2は、鞍乗型車両10が備えるリンク機構の概略構成を示す正面図である。以下の説明において、前後左右とは、鞍乗型車両10のシート32に着座した乗員から見た前後左右を意味する。図1において、矢印Fは鞍乗型車両10の前方向を示し、矢印Uは鞍乗型車両10の上方向を示す。図2において、矢印Lは鞍乗型車両10の左方向を示し、矢印Uは鞍乗型車両10の上方向を示す。
[鞍乗型車両の全体構成]
鞍乗型車両10は、図1及び図2に示すように、車体フレーム12、一対の前輪14L、14R及び後輪16を備える。
車体フレーム12は、図1に示すように、車両カバー18で覆われる。車体フレーム12は、図1に示すように、ヘッドパイプ20を備える。
ヘッドパイプ20は、図1に示すように、車体フレーム12の前部に配置される。ヘッドパイプ20には、図1及び図2に示すように、ステアリングシャフト26が挿通される。ステアリングシャフト26の上端には、図1及び図2に示すように、ハンドル28が配置される。
ヘッドパイプ20の前方には、図1に示すように、前輪支持機構30が配置される。前輪支持機構30は、図2に示すように、一対の前輪14L、14Rを支持する。前輪支持機構30の詳細については、後述する。
図1に示すように、後輪16は、シート32よりも下方に配置される。シート32は、車体フレーム12よりも上方に配置される。エンジン94(図5参照)の駆動力が伝達されることにより、後輪16が回転する。
[前輪支持機構]
図2を参照しながら、前輪支持機構30について説明する。前輪支持機構30は、リンク機構36、サスペンション38及びダンパ40を備える。
[リンク機構]
リンク機構36は、一対の前輪14L、14Rを車体フレーム12(例えば、ヘッドパイプ20の前方に配置されるフロントフレーム)に接続する。リンク機構36は、左上アーム42L、右上アーム42R、左下アーム44L、右下アーム44R、左ナックルアーム46L及び右ナックルアーム46Rを備える。
左上アーム42L及び右上アーム42Rの一方は、他方に対して、車両の前後方向に延びる揺動中心軸線周りで揺動可能である。左下アーム44Lは、左上アーム42Lの下方に配置される。右下アーム44Rは、右上アーム42Rの下方に配置される。左下アーム44L及び右下アーム44Rの一方は、他方に対して、車両の前後方向に延びる揺動中心軸線周りで揺動可能である。
左ナックルアーム46Lは、車両の上下方向に延び、左上アーム42Lの左端部と、左下アーム44Lの左端部とを接続する。左ナックルアーム46Lは、左上アーム42L及び左下アーム44Lのそれぞれに対して、車両の前後方向に延びる揺動中心軸線周りで揺動可能に配置される。そのため、左ナックルアーム46Lは、上下方向に移動できる。
右ナックルアーム46Rは、車両の上下方向に延び、右上アーム42Rの右端部と、右下アーム44Rの右端部とを接続する。右ナックルアーム46Rは、右上アーム42R及び右下アーム44Rのそれぞれに対して、車両の前後方向に延びる揺動中心軸線周りで揺動可能に配置される。そのため、右ナックルアーム46Rは、上下方向に移動できる。
左ナックルアーム46Lの下端部には、前輪支持部材52Lが、車両の上下方向に延びる揺動中心軸線周りで、揺動可能に配置される。前輪支持部材52Lは、前輪14Lを回転可能に支持する。
右ナックルアーム46Rの下端部には、前輪支持部材52Rが、車両の上下方向に延びる揺動中心軸線周りで、揺動可能に配置される。前輪支持部材52Rは、前輪14Rを回転可能に支持する。
前輪支持部材52L及び前輪支持部材52Rは、ハンドル28の操作に伴って、平面視で回転する。これにより、鞍乗型車両10は、左右に旋回可能となる。
[サスペンション]
図2に示すように、サスペンション38は、リンク機構36に配置される。サスペンション38は、シリンダ54と、ピストン56とを備える。
シリンダ54は、ブラケット60を介して、右上アーム42Rの右端部に取り付けられる。ここで、ブラケット60は、右上アーム42Rに固定される。シリンダ54は、ブラケット60に対して揺動可能に配置される。そのため、シリンダ54は、右上アーム42Rに対して揺動可能に配置される。シリンダ54は、作動油を収容する。
ピストン56は、ブラケット58を介して、左上アーム42Lの左端部に取り付けられる。ここで、ブラケット58は、左上アーム42Lに固定される。ピストン56は、ブラケット58に対して揺動可能に配置される。そのため、ピストン56は、左上アーム42Lに対して揺動可能に配置される。
ピストン56は、シリンダ54の軸方向に移動可能に配置される。ピストン56は、シリンダ54内に配置される本体部(図示せず)を有する。左上アーム42L及び右上アーム42Rの間の相対位置が変化するような振動が入力されると、ピストン56は、シリンダ54内を進退することにより、シリンダ54の軸方向に移動する。このとき、ピストン56の本体部がシリンダ54内を移動することにより、減衰力が得られる。その結果、リンク機構36に生じる変位の振動が減衰する。例えば、左上アーム42Lと右上アーム42Rとに同位相の振動が生じる場合、つまり、一対の前輪14L、14Rに同位相の振動が生じる場合には、サスペンション38により、振動が減衰する。
[ダンパ]
図2に示すように、ダンパ40は、リンク機構36に配置される。ダンパ40は、ピストン62と、シリンダ64とを備える。ピストン62は、左下アーム44Lに対して、揺動可能に取り付けられる。シリンダ64は、右上アーム42Rに対して、揺動可能に取り付けられる。
図3を参照しながら、ダンパ40の動作を制御する油圧回路について説明する。図3は、ダンパ40の油圧回路を示す図である。
ピストン62は、ピストン本体62Aと、ピストンロッド62Bとを備える。ピストン本体62Aは、ピストンロッド62Bの軸方向中央部分に配置される。ピストン本体62Aは、シリンダ64内を移動可能に配置される。ピストンロッド62Bは、シリンダ64を軸方向に貫通して配置される。つまり、ダンパ40は、所謂スルーロッドタイプのダンパである。
シリンダ64内には、作動油が収容される。シリンダ64内は、ピストン本体62Aにより、2つの空間(第1空間66A及び第2空間66B)に区画される。第1空間66A及び第2空間66Bは、減衰回路68により、相互に接続される。そのため、作動油は、減衰回路68を介して、第1空間66A及び第2空間66Bの間を移動できる。
減衰回路68は、4つの流路70A、70B、70C、70Dと、2つの流量調整部72A、72Bと、1つの温度補償室74とを備える。流量調整部72Aは、流路70Aを介して、第1空間66Aに接続される。流量調整部72Aは、流路70Bを介して、流量調整部72Bに接続される。流量調整部72Bは、流路70Cを介して、第2空間66Bに接続される。温度補償室74は、流路70Dを介して、流路70Bに接続される。
流量調整部72A、72Bは、それぞれ、弁体及びばねを備える。弁体は、ばねの付勢力により、流量調整部72A、72B内の流路を閉塞する位置に配置される。そのため、作動油が減衰回路66内を流れることが阻止される。つまり、ダンパ40の動作が規制される。ダンパ40の動作が規制されると、リンク機構36の動作が規制される。つまり、リンク機構36がロック状態になる。
アクチュエータ78は、例えば、モータである。アクチュエータ78は、弁体をばねの付勢力に抗して移動させる。このとき、弁体は、流量調整部72A、72B内の流路を閉塞しない位置に配置される。そのため、作動油が減衰回路66内を流れることが許容される。つまり、ダンパ40の動作が許容される。ダンパ40の動作が許容されると、振動が減衰する。例えば、左下アーム44Lと右上アーム42Rとに逆位相の振動が生じる場合、つまり、一対の前輪14L、14Rに逆位相の振動が生じる場合には、ダンパ40により、振動が減衰する。また、ダンパ40の動作が許容されると、リンク機構36の動作が許容される。つまり、リンク機構がロック解除状態になる。
上述の説明から明らかなように、本実施形態では、ダンパ40、減衰回路66及びアクチュエータ78を含んで、ロック機構80が実現される。
なお、図3に示す例では、リリーフバルブ82が、流量調整部72Aと並列に配置される。リリーフバルブ82は、ダンパ40の動作が規制されているときに、シリンダ64の内圧が上昇するのを阻止する。
[制御装置]
図4を参照しながら、鞍乗型車両10が備える制御装置84について説明する。図4は、制御装置84に入力される信号及び制御装置84から出力される信号を説明するためのブロック図である。
制御装置84は、制御部としてのロック機構制御部86と、エンジン制御部88とを備える。
ロック機構制御部86は、ロック機構80によるリンク機構36のロック及びロック解除を制御する。ロック機構制御部86は、ロック条件判断部86Aと、信号入力判断部86Bと、ロック制御部86Cとを備える。
ロック条件判断部86Aは、スロットル開度信号D1と、エンジン回転速度信号D2と、車速信号D3と、車速変化率信号D4と、位置信号D5とに基づいて、所定のロック条件を満たすか否かを判断する。ロック条件については、後述する。
スロットル開度信号D1は、スロットル開度検出部90が出力する信号であって、スロットル開度を示す。スロットル開度信号D1は、エンジン制御部88を介して、ロック機構制御部86に入力される。
エンジン回転速度信号D2は、エンジン回転速度検出部92が出力する信号であって、エンジン94の回転数を示す。エンジン回転速度信号D2は、エンジン制御部88を介して、ロック機構制御部86に入力される。
車速信号D3は、車速検出部96が出力する信号であって、車速を示す。車速検出部96は、例えば、車輪速センサである。本実施形態では、鞍乗型車両10がアンチロックブレーキシステム(ABS)を備える。そのため、車速信号D3は、ABSの動作を制御するABS制御ユニット98を介して、ロック機構制御部86に入力される。
車速変化率信号D4は、ABS制御ユニット98が出力する信号であって、車速の変化率を示す。つまり、本実施形態において、ABS制御ユニット98は、車速変化率検出部として機能する。
車速の変化率は、例えば、車速検出部96によって検出された車速の微分値、つまり、車両の加速度であってもよいし、車速検出部96によって第1時間に検出された車速と、車速検出部96によって第2時間(第1時間よりも後の時間)に検出された車速との差分であってもよい。車速の変化率が第1時間の車速と第2時間の車速との差分である場合には、車速の変化率が車速の微分値である場合よりも、車速の変化率の計算量が少なくなる。
位置信号D5は、位置検出部100が出力する信号であって、流量調整部72A、72Bが備える弁体の位置を示す。つまり、位置検出部100は、リンク機構36がロック状態であるか否かを検出する。要するに、位置検出部100は、リンク機構36の状態を検出する状態検出部として機能する。弁体が流量調整部72A、72B内の流路を閉塞する位置にある場合、位置検出部100は、位置信号D5として、ロック位置信号D5を出力する。弁体が流量調整部72A、72B内の流路を閉塞しない位置にある場合、位置検出部100は、位置信号D5として、ロック解除位置信号D5を出力する。位置信号D5は、ロック機構制御部86に入力される。位置検出部100は、例えば、流量調整部72A、72Bが備える弁体の位置やアクチュエータ78の位置、さらには、アクチュエータ78を駆動する際の電圧等を検出することにより、弁体の位置を検出する。
ロック条件判断部86Aは、異常判断部102を含む。異常判断部102は、車両の状態を検出する検出部、つまり、スロットル開度検出部90、エンジン回転速度検出部92、車速検出部96、位置検出部100及び車速変化率検出部としてのABS制御ユニット98に異常が発生しているか否かを判断する。
スロットル開度検出部90、エンジン回転速度検出部92、車速検出部96、位置検出部100及び車速変化率検出部としてのABS制御ユニット98の何れかに異常が発生している場合、鞍乗型車両10が備える異常報知部114により、乗員に異常が報知される。異常報知部114による報知は、異常が解消されるまで継続される。異常報知部114による報知は、乗員の視覚で認識可能なものであってもよいし、乗員の聴覚で認識可能なものであってもよい。乗員の視覚で認識可能な報知の場合には、例えば、インジケータが用いられる。インジケータは、例えば、ハンドル28の近傍に配置されるメータに設けられる。乗員の聴覚で認識可能な報知の場合には、スピーカが用いられる。スピーカは、例えば、ハンドル28の近傍に配置されるメータに設けられる。
ロック条件が成立した場合、鞍乗型車両10が備える条件成立報知部110により、ロック条件の成立が乗員に報知される。条件成立報知部110による報知は、例えば、リンク機構36がロック状態になるまで継続してもよいし、ロック条件が成立してから所定の期間が経過するまで継続してもよい。条件成立報知部110による報知は、異常報知部114による報知と同様に、乗員の視覚で認識可能なものであってもよいし、乗員の聴覚で認識可能なものであってもよい。
信号入力判断部86Bは、ロック条件を満たす状態で、操作信号が入力されているかを判断する。この判断には、ロック条件判断部86Aの判断結果と、ロック機構制御部86に入力される操作信号D6とが用いられる。
操作信号D6は、操作部104が出力する信号である。操作部104は、乗員による操作が行われているときには、操作信号D6をロック機構制御部86に対して継続して出力する。操作信号D6は、連続して出力されてもよいし、間欠的に出力されてもよい。操作部104は、運転中の乗員による操作が可能な位置に配置される。操作部104は、例えば、ハンドル28に配置される操作スイッチによって実現される。
信号入力判断部86Bは、入力期間判断部106を含む。入力期間判断部106は、今回のロック条件を満たす状態で入力されている操作信号D6が、前回のロック条件を満たした時点から継続して入力されているかを判断する。
ロック制御部86Cは、ロック条件を満たす状態で操作信号D6が入力されている場合に、ロック機構80を制御し、リンク機構36をロック状態にする。ロック条件を満たす状態で操作信号D6が入力されているか否かの判断には、信号入力判断部86Bの判断結果が用いられる。本実施形態では、今回のロック条件を満たす状態で入力されている操作信号D6が前回のロック条件を満たした時点から継続して入力されていない場合に、ロック制御部86Cがロック機構80を制御する。具体的には、ロック制御部86Cは、アクチュエータ78を駆動して、流量調整部72A、72Bが備える弁体を移動させる。これにより、弁体が流量調整部72A、72B内の流路を閉塞する。その結果、リンク機構36がロック状態になる。
ロック制御部86Cは、所定のロック解除条件を満たす場合には、リンク機構36をロック解除状態にする。ロック解除条件は、例えば、乗員がロック解除スイッチを操作することであってもよいし、ロック条件が成立しなくなることであってもよい。ロック解除スイッチは、例えば、操作部104によって実現されてもよい。
鞍乗型車両10が備えるロック報知部112により、リンク機構36のロック状態が乗員に報知される。ロック報知部112による報知は、例えば、車両が停止するまで継続される。ロック報知部112による報知は、異常報知部114による報知や条件成立部110による報知と同様に、乗員の視覚で認識可能なものであってもよいし、乗員の聴覚で認識可能なものであってもよい。
ロック制御部86Cは、ロック解除維持部108を含む。ロック解除維持部108は、今回のロック条件を満たす状態で入力されている操作信号D6が前回のロック条件を満たした時点から継続して入力されている場合に、ロック機構80によるリンク機構36のロック解除状態を維持する。
[ロック機構制御部によるロック制御]
続いて、ロック機構制御部86がリンク機構36をロック状態にするための制御(ロック機構制御部86によるロック制御)について説明する。
ロック機構制御部86は、リンク機構36のロックを許容するロック条件が成立した時点で操作信号D6が入力されている場合に、ロック機構80を制御し、リンク機構36をロック状態にする。ロック条件は、以下の条件1〜5を全て満たす場合に成立する。
条件1:リンク機構36がロック解除状態である。
条件2:現在のスロットル開度がゼロである。
条件3:現在のエンジン回転速度が所定のエンジン回転速度よりも低い。
条件4:現在の車速が所定の車速よりも遅い。
条件5:現在の車速変化率が所定の車速変化率よりも小さい。
以下、図5を参照しながら、ロック機構制御部86によるロック制御について説明する。図5は、ロック機構制御部86によるロック制御を示すフローチャートである。
先ず、ロック機構制御部86(具体的には、異常判断部102)は、ステップS1において、スロットル開度検出部90、エンジン回転速度検出部92、車速検出部96、位置検出部100及び車速変化率検出部としてのABS制御ユニット98に異常が発生しているか否かを判定する。異常判断部102は、ロック機構制御部86に入力される信号、つまり、検出部90,92,96,100,98の出力に基づいて、異常が発生しているか否かを判定する。具体的には、例えば、検出部90,92,96,100,98の出力が予め設定された範囲外である場合や、検出部90,92,96,100,98の出力を変化させる制御が行われたにもかかわらず、検出部90,92,96,100,98の出力が変化しない場合には、異常が発生していることになる。
異常が発生している場合(ステップS1:YES)、ロック機構制御部86は、ステップS7において、発生している異常を報知する。具体的には、異常判断部102が、異常報知部104を介して、異常を報知する。その後、ロック機構制御部86は、ロック制御を終了する。
一方、異常が発生していない場合(ステップS1:NO)、ロック機構制御部86は、ステップS2において、車両の状態を判定する。具体的には、ロック条件判断部86Aが上記条件1〜5を全て満たすか否かを判定する。
ロック条件判断部86Aは、入力されている位置信号D5を参照して、リンク機構36がロック解除状態であるか否かを判断する。ロック解除位置信号D5が入力されている場合には、条件1が成立する。
ロック条件判断部86Aは、入力されているスロットル開度信号D1を参照して、現在のスロットル開度がゼロであるか否かを判断する。スロットル開度がゼロである場合、つまり、スロットルバルブが閉じられている場合には、条件2が成立する。
ロック条件判断部86Aは、入力されているエンジン回転速度信号D2を参照して、現在のエンジン回転速度が所定のエンジン回転速度(例えば、2500rpm)よりも低いか否かを判断する。ここで、所定のエンジン回転速度は、例えば、エンジンの駆動力が無段変速機(CVT)を介して後輪16に伝達される場合において、エンジンの駆動力が後輪16に伝わるときのエンジン回転速度である。現在のエンジン回転速度が所定のエンジン回転速度よりも低い場合には、条件3が成立する。例えば、下り坂であれば、スロットルが全閉であっても、車両が動き出す。そのため、車速以外の条件を用いて、車両の状態を判断することが好ましい。そこで、条件3が成立するか否かが判断される。
ロック条件判断部86Aは、入力されている車速信号D3を参照して、現在の車速が所定の車速(例えば、10km/h)よりも遅いか否かを判断する。現在の車速が所定の車速よりも遅い場合には、条件4が成立する。
ロック条件判断部86Aは、入力されている車速変化率信号D4を参照して、現在の車速変化率が所定の車速変化率(例えば、15%)よりも小さいか否かを判断する。現在の車速変化率が所定の車速変化率よりも小さい場合には、条件5が成立する。例えば、スロットルが全閉であっても、下り坂を走行しているときには、車速変化率が大きくなる。このような場合に、リンク機構36がロックされないようにするために、条件5が成立するか否かが判断される。例えば、数msの周期で平均車速を演算し、直前に演算した平均車速と今回演算した平均車速との差分が1km/hであって、かつ、この状態が100ms継続していない場合に、現在の車速変化率が所定の車速変化率よりも小さいと判断してもよい。
条件1〜5の少なくとも1つを満たさない場合、ロック機構制御部86は、ロック制御を終了する。一方、条件1〜5を全て満たす場合、ロック機構制御部86は、ステップS3において、乗員にロック条件が成立したことを報知する。具体的には、ロック条件判断部68Aは、条件成立報知部110を介して、ロック条件が成立したことを乗員に報知する。
続いて、ロック機構制御部86は、ステップS4において、乗員がリンク機構36をロック状態にする意思を有しているか否かを判定する。具体的には、信号入力判断部86Bが入力条件を満たすか否かを判断する。入力条件は、以下の条件6,7を全て満たす場合に成立する。
条件6:操作信号D6が入力されている。
条件7:今回のロック条件を満たす状態で入力されている操作信号D6が、前回のロック条件を満たした時点から継続して入力されていない。
信号入力判断部86Bは、操作信号D6が入力されているか否かを判断する。操作信号D6が入力されている場合には、条件6が成立する。
操作信号D6は、図6に示すように、ロック条件が成立する前から入力されていてもよいし、図7に示すように、ロック条件が成立した後に入力されてもよい。なお、図6及び図7では、ロック条件が成立した時点でリンク機構36がロック状態になっている。これは、ロック条件が成立した時点でリンク機構36をロック状態にするための動作が開始されることを示している。また、図6及び図7では、ロック条件が成立しなくなった時点でリンク機構36がロック解除状態となっている。これは、ロック条件が成立しなくなった時点でリンク機構36をロック解除状態にするための動作が開始されることを示している。
信号入力判断部86B(具体的には、入力期間判断部106)は、今回のロック条件を満たす状態で入力されている操作信号D6が、前回のロック条件を満たした時点から継続して入力されているか否かを判断する。図8に示すように、今回のロック条件を満たす状態で入力されている操作信号D6が前回のロック条件を満たした時点から継続して入力されていない場合には、条件7が成立する。一方、図9に示すように、今回のロック条件を満たす状態で入力されている操作信号D6が前回のロック条件を満たした時点から継続して入力されている場合には、条件7は成立しない。なお、図8及び図9では、ロック条件が成立した時点でリンク機構36がロック状態になっている。これは、ロック条件が成立した時点でリンク機構36をロック状態にするための動作が開始されることを示している。また、図8及び図9では、ロック条件が成立しなくなった時点でリンク機構36がロック解除状態となっている。これは、ロック条件が成立しなくなった時点でリンク機構36をロック解除状態にするための動作が開始されることを示している。
条件6,7の何れか一方を満たさない場合、ロック機構制御部86は、ロック制御を終了する。一方、条件6,7を両方とも満たす場合、ロック機構制御部86は、ステップS5において、リンク機構36をロック状態にする。具体的には、ロック制御部86Cは、アクチュエータ78を駆動することにより、リンク機構36をロック状態にする。
続いて、ロック機構制御部86は、ステップS6において、リンク機構36がロック状態であることを乗員に報知する。具体的には、ロック制御部86Cは、ロック報知部112を介して、リンク機構36がロック状態であることを乗員に報知する。その後、ロック機構制御部86は、ロック制御を終了する。
鞍乗型車両10は、車体フレーム12と、一対の前輪14L,14Rと、リンク機構36と、ロック機構80と、制御部としてのロック機構制御部86と、操作部104とを備える。リンク機構36は、一対の前輪14L,14Rを車体フレーム12に接続する。ロック機構80は、リンク機構36の動作を規制することでリンク機構36をロック状態にし、リンク機構36の動作を許容することでリンク機構36をロック解除状態にする。ロック機構制御部86は、ロック機構80によるリンク機構36のロック及びロック解除を制御する。操作部104は、乗員による操作が入力されている間、操作信号D6をロック機構制御部86に対して継続して出力する。ロック機構制御部86は、リンク機構36のロックを許容するロック条件が成立した時点で操作信号D6が入力されている場合に、ロック機構80を制御し、リンク機構36をロック状態にする。
操作部104が設けられているので、乗員の意思を反映させやすい。乗員が操作部104を操作したときにロック条件が成立していれば、乗員が操作部104を操作したときにリンク機構36をロック解除状態からロック状態に移行することができる。操作部104を操作しているときには、操作信号D6が出力され続ける。そのため、例えば、ロック条件が成立する前から乗員が操作部104を操作していれば、操作部104を操作した時点ではロック条件が成立していなくても、ロック条件が成立した時点で素早くリンク機構104をロック解除状態からロック状態に移行することができる。
鞍乗型車両10において、ロック機構制御部86は、今回のロック条件成立時点で入力されている操作信号D6が前回のロック条件成立時点から継続して入力されている場合には、ロック機構80によるリンク機構36のロック解除を維持する。乗員に対して、リンク機構36をロックした後に操作部104の操作をやめるという動作を促すことができる。乗員の意思をより反映させ易くなる。
鞍乗型車両10は、ロック報知部112をさらに備える。ロック報知部112は、ロック機構80によりリンク機構36がロックされていることを報知する。この場合、乗員がリンク機構36のロック状態を認識できる。
鞍乗型車両10は、ロック条件の成立を報知する条件成立報知部110をさらに備える。この場合、乗員は、ロック条件の成立を認識できる。そのため、例えば、ロック条件の成立前から操作部104を操作していない場合において、乗員は、適当なタイミングで操作部を操作できるようになる。
鞍乗型車両10は、異常判断部102をさらに備える。異常判断部は、複数の検出部90,92,96,100,98の何れかに異常が発生しているかを判断する。異常が発生している場合、ロック条件を満たすか否かの判断は行われない。この場合、ロック条件をより正確に判断することができる。
上記実施の形態では、現在のスロットル開度がゼロである場合に条件2が成立したが、例えば、現在のスロットル開度が所定のスロットル開度よりも小さい場合や所定のスロットル開度以下である場合に条件2が成立してもよい。或いは、所定の期間内の平均スロットル開度が所定のエンジン回転速度よりも小さい場合や所定のエンジン回転速度以下である場合に条件2が成立してもよい。
上記実施の形態では、現在のエンジン回転速度が所定のエンジン回転速度よりも小さい場合に条件3が成立したが、例えば、現在のエンジン回転速度が所定のエンジン回転速度以下である場合に条件3が成立してもよい。或いは、所定の期間内において、エンジン回転速度が所定のエンジン回転速度よりも小さい場合や所定のエンジン回転速度以下である場合に条件3が成立してもよいし、所定の期間内における平均エンジン回転速度が所定の平均エンジン回転速度よりも小さい場合や所定の平均エンジン回転速度以下である場合に条件3が成立してもよい。
上記実施の形態では、現在の車速が所定の車速よりも遅い場合に条件4が成立したが、例えば、現在の車速が所定の車速以下である場合に条件4が成立してもよい。或いは、所定の期間内において、車速が所定の車速よりも遅い場合や所定の車速以下である場合に条件4が成立してもよいし、所定の期間内における平均車速が所定の平均車速よりも遅い場合や所定の平均車速以下である場合に条件4が成立してもよい。
上記実施の形態では、現在の車速変化率が所定の車速変化率よりも小さい場合に条件5が成立したが、例えば、現在の車速変化率が所定の車速変化率以下である場合に条件5が成立してもよい。或いは、所定の期間内において、車速変化率が所定の車速変化率よりも小さい場合や所定の車速変化率以下である場合に条件5が成立してもよいし、所定の期間内における平均車速変化率が所定の平均車速変化率よりも小さい場合や所定の平均車速変化率以下である場合に条件5が成立してもよい。
上記実施の形態では、条件1〜5を全て満たす場合にロック条件が成立したが、例えば、条件1,2,4を全て満たす場合にロック条件が成立してもよい。
上記実施の形態では、ロック機構制御部86が入力期間判断部106及びロック解除維持部108を備える場合について説明したが、ロック機構制御部86は入力期間判断部106及びロック解除維持部108を備えていなくてもよい。つまり、条件6のみを満たす場合に入力条件が成立してもよい。
上記実施の形態では、車速信号D3がABS制御ユニット98を介してロック機構制御部86に入力されていたが、車速信号D3はABS制御ユニット98を介さないでロック機構制御部86に入力されてもよい。
上記実施の形態では、鞍乗型車両10が条件成立報知部110及びロック報知部112を備えていたが、鞍乗型車両10は条件成立報知部110及びロック報知部112を備えていなくてもよい。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。

Claims (13)

  1. 車体フレームと、
    一対の前輪と、
    前記一対の前輪を前記車体フレームに接続するリンク機構と、
    前記リンク機構の動作を規制することで前記リンク機構をロック状態にし、前記リンク機構の動作を許容することで前記リンク機構をロック解除状態にするロック機構と、
    前記ロック機構による前記リンク機構のロック及びロック解除を制御する制御部と、
    乗員による操作が入力されている間、操作信号を前記制御部に対して継続して出力する操作部とを備え、
    前記制御部は、前記リンク機構のロックを許容するロック条件が成立した時点で前記操作信号が入力されている場合に、前記ロック機構を制御し、前記リンク機構をロック状態にする、鞍乗型車両。
  2. 請求項1に記載の鞍乗型車両であって、
    前記制御部は、今回のロック条件成立時点で入力されている前記操作信号が前回のロック条件成立時点から継続して入力されている場合には、前記ロック機構による前記リンク機構のロック解除を維持する、鞍乗型車両。
  3. 請求項1又は2に記載の鞍乗型車両であって、
    前記ロック機構により前記リンク機構がロックされていることを報知するロック報知部をさらに備える、鞍乗型車両。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の鞍乗型車両であって、
    前記ロック条件の成立を報知する条件成立報知部をさらに備える、鞍乗型車両。
  5. 請求項1に記載の鞍乗型車両であって、
    車両の状態を検出する検出部をさらに備え、
    前記制御部は、
    前記検出部によって検出された車両の状態に基づいて、前記ロック条件を満たすか判断するロック条件判断部と、
    前記ロック条件を満たす状態で、前記操作信号が入力されているかを判断する信号入力判断部と、
    前記ロック条件を満たす状態で前記操作信号が入力されている場合に、前記ロック機構を制御し、前記リンク機構をロック状態にするロック制御部とを含む、鞍乗型車両。
  6. 請求項5に記載の鞍乗型車両であって、
    前記検出部に異常が発生しているかを判断する異常判断部をさらに備え、
    前記検出部に異常が発生している場合、前記ロック条件判断部は、前記ロック条件を満たすか否かを判断しない、鞍乗型車両。
  7. 請求項5又は6に記載の鞍乗型車両であって、
    前記信号入力判断部は、
    今回の前記ロック条件を満たす状態で入力されている前記操作信号が、前回の前記ロック条件を満たした時点から継続して入力されているかを判断する入力期間判断部を含み、
    前記ロック制御部は、
    今回の前記ロック条件を満たす状態で入力されている前記操作信号が、前回の前記ロック条件を満たした時点から継続して入力されている場合に、前記ロック機構による前記リンク機構のロック解除状態を維持するロック解除維持部を含む、鞍乗型車両。
  8. 請求項5〜7の何れか1項に記載の鞍乗型車両であって、
    前記検出部を複数備え、
    前記ロック条件判断部は、前記複数の検出部によって検出された車両の状態に基づいて、前記ロック条件を満たすか判断する、鞍乗型車両。
  9. 請求項8に記載の鞍乗型車両であって、
    前記複数の検出部は、
    前記リンク機構の状態を検出する状態検出部と、
    スロットル開度を検出するスロットル開度検出部と、
    車速を検出する車速検出部とを含む、鞍乗型車両。
  10. 請求項9に記載の鞍乗型車両であって、
    前記複数の検出部は、
    エンジン回転速度を検出するエンジン回転速度検出部をさらに含む、鞍乗型車両。
  11. 請求項9又は10に記載の鞍乗型車両であって、
    前記複数の検出部は、
    車速変化率を検出する車速変化率検出部をさらに含む、鞍乗型車両。
  12. 請求項11に記載の鞍乗型車両であって、
    前記車速変化率検出部は、前記車速検出部によって第1時間に検出された車速と、前記車速検出部によって第2時間に検出された車速との差分を、前記車速変化率として出力する、鞍乗型車両。
  13. 請求項1〜12の何れか1項に記載の鞍乗型車両であって、
    前記一対の前輪に生じる逆位相の振動を減衰するダンパをさらに備え、
    前記ロック機構は、前記ダンパの動作を規制することで前記リンク機構をロック状態にし、前記ダンパの動作を許容することで前記リンク機構をロック解除状態にする、鞍乗型車両。
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