JP2017065534A - 車両 - Google Patents

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伸彦 平川
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Abstract

【課題】車両の上下方向の大型化を抑制しつつ、最大バンク角と懸架装置のストロークを大きくする。
【解決手段】左後テレスコピック要素722は、車体フレーム21が直立状態の車両1を車体フレーム21の前後方向の前方から見て、左伸縮軸線ELが左操舵軸線SLよりも車体フレーム21の左右方向における左方に位置するように配置されている。右後テレスコピック要素822は、車体フレーム21が直立状態の車両1を車体フレーム21の前後方向の前方から見て、右伸縮軸線ERが右操舵軸線SRよりも車体フレーム21の左右方向における右方に位置するように配置されている。
【選択図】図8

Description

本発明は、傾斜可能な車体フレームと二つの前輪を備える車両に関する。
例えば特許文献1に記載されている車両は、左右旋回時に車両の左右方向に傾斜する車体フレームと、その車体フレームの左右方向に並ぶように配置された二つの前輪を備えている。この種の車両は、車体フレームが鉛直方向に対して傾斜した状態で旋回できる車両である。より具体的には、車体フレームは、右旋回時において車両の右方に傾斜し、左旋回時において車両の左方に傾斜する。この種の車両においては、車体フレームの左右方向に並ぶように配置された二つの前輪の間隔は、一般的な四輪車両のものと比較すると非常に狭い。したがって、この種の車両は、左右方向にコンパクトである。
特許文献1に記載されている車両は、パラレログラム式のリンク機構を備えている。パラレログラム式のリンク機構は、二つの前輪よりも上方に配置されうる。他方、ダブルウィッシュボーン式として知られるリンク機構は、車体フレームの左右方向における二つの前輪の間に配置される。そのため、パラレログラム式のリンク機構を備えた車両は、ダブルウィッシュボーン式のリンク機構を備えた車両よりも、左右方向にコンパクトである。
パラレログラム式のリンク機構は、上クロス部材、下クロス部材、左サイド部材、および右サイド部材を備えている。上クロス部材、下クロス部材、左サイド部材、および右サイド部材は、上クロス部材と下クロス部材が相互に平行な姿勢を保ち、左サイド部材と右サイド部材が相互に平行な姿勢を保つように連結されている。上クロス部材と下クロス部材は、車体フレームの前後方向に延びる軸線を中心として回動可能に、車体フレームに支持されている。左サイド部材は、車体フレームの前後方向に延びる軸線を中心として回動可能に、上クロス部材の左部と下クロス部材の左部に支持されている。右サイド部材は、車体フレームの前後方向に延びる軸線を中心として回動可能に、上クロス部材の右部と下クロス部材の右部に支持されている。すなわち、上クロス部材、下クロス部材、左サイド部材、および右サイド部材は、それぞれ車体フレームの前後方向に延びる軸線を中心に回動する。そのため、パラレログラム式のリンク機構の動作時における上クロス部材、下クロス部材、左サイド部材、および右サイド部材の可動範囲は、車両の前後方向について比較的小さい。
特許文献1に記載されている車両は、テレスコピック式の懸架装置を備えている。テレスコピック式の懸架装置は、左懸架装置と右懸架装置を含んでいる。左懸架装置は、その下部に二つの前輪の一方(左前輪)を支持し、その上部は左サイド部材に支持されている。左懸架装置は、その上部に対する車体フレームの上下方向における左前輪の変位を緩衝する。右懸架装置は、その下部に二つの前輪の他方(右前輪)を支持し、その上部は右サイド部材に支持されている。右懸架装置は、その上部に対する車体フレームの上下方向における右前輪の変位を緩衝する。テレスコピック式の懸架装置は、インナチューブとアウタチューブを備えている。インナチューブとアウタチューブは、車体フレームの上下方向に延びる伸縮軸線に沿って相対変位する。そのため、テレスコピック式の懸架装置の動作時におけるインナチューブとアウタチューブの可動範囲は、車両の前後方向について比較的小さい。
したがって、パラレログラム式のリンク機構とテレスコピック式の懸架装置を備えている車両は、前後方向にコンパクトである。
国際公開第2014/065396号公報
上記のような車両において、懸架装置の最大変位量(以降、ストロークと称する)を大きくしたいという要望がある。インナチューブとアウタチューブを車体フレームの上下方向に長くすれば、ストロークを大きくできる。しかしながら、車両が上下方向に大型化してしまう。
また、上記のような車両において、車体フレームの最大傾斜角(以降、最大バンク角と称する)を大きくしたいという要望がある。左懸架装置および左前輪を含む左部材と、右懸架装置および右前輪を含む右部材の、車体フレームの左右方向における間隔を大きくすることにより、車体フレームが傾斜しても左部材と右部材が干渉しにくくなる。換言すると、車体フレームの左右方向における左部材と右部材の間隔を大きくすることにより、最大バンク角を大きくできる。しかしながら、車体フレームの左右方向における左部材と右部材の間隔を広くすると、左懸架装置を支持する左サイド部材と右懸架装置を支持する右サイド部材の車体フレームの左右方向における間隔が広くなる。これにより、車両が左右方向に大型化してしまう。また、上クロス部材と下クロス部材の車体フレームに対する回動中心から、左サイド部材および右サイド部材までの距離が長くなるため、リンク機構の可動範囲が、車体フレームの左右方向だけでなく上下方向にも大きくなる。したがって、車両が上下方向にも大型化してしまう。
本発明は、車両の上下方向の大型化を抑制しつつ、最大バンク角と懸架装置のストロークを大きくすることを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明がとりうる一態様は、車両であって、
車体フレームと、
前記車体フレームの左右方向に並ぶように配置されている左前輪および右前輪と、
前記左前輪および前記右前輪よりも前記車体フレームの上下方向における上方に配置されており、前記車体フレームに対する前記左前輪および前記右前輪の相対位置を変更して前記車体フレームを前記車両の左方または右方に傾斜させるように構成されているリンク機構と、
前記左前輪を支持しており、前記リンク機構に対する前記左前輪の前記車体フレームの上下方向への変位を緩衝するように構成されているテレスコピック式の左懸架装置と、
前記右前輪を支持しており、前記リンク機構に対する前記右前輪の前記車体フレームの上下方向への変位を緩衝するように構成されているテレスコピック式の右懸架装置と、
を備えており、
前記リンク機構は、
上クロス部材と、
前記上クロス部材よりも前記車体フレームの上下方向における下方に配置されている下クロス部材と、
前記左前輪よりも前記車体フレームの上下方向の上方に配置されており、前記車体フレームの上下方向に延びる左操舵軸線を中心として前記左懸架装置を回動可能に支持している左サイド部材と、
前記右前輪よりも前記車体フレームの上下方向の上方に配置されており、前記車体フレームの上下方向に延びる右操舵軸線を中心として前記右懸架装置を回動可能に支持している右サイド部材と、
を備えており、
前記上クロス部材、前記下クロス部材、前記左サイド部材、および前記右サイド部材は、前記上クロス部材と前記下クロス部材が相互に平行な姿勢を保ち、前記左サイド部材と前記右サイド部材が相互に平行な姿勢を保つように連結されており、
前記左懸架装置は、
前記車体フレームの上下方向に延びる左伸縮軸線に沿って相対変位可能な左インナ部と左アウタ部とを含んでおり、前記左インナ部と前記左アウタ部の一方が前記左前輪を支持しており、前記左インナ部と前記左アウタ部の他方が前記左サイド部材に支持されている左ショックアブソーバと、
前記左伸縮軸線と平行に相対変位可能であり、前記左インナ部と前記左アウタ部の相対回転を規制する左ガイド部と左被ガイド部とを含んでおり、前記左ガイド部と前記左被ガイド部の一方が前記左インナ部と連結されており、前記左ガイド部と前記左被ガイド部の他方が前記左アウタ部と連結されている左回転規制部と、
を備えており、
前記右懸架装置は、
前記車体フレームの上下方向に延びる右伸縮軸線に沿って相対変位可能な右インナ部と右アウタ部とを含んでおり、前記右インナ部と前記右アウタ部の一方が前記右前輪を支持しており、前記右インナ部と前記右アウタ部の他方が前記右サイド部材に支持されている右ショックアブソーバと、
前記右伸縮軸線と平行に相対変位可能であり、前記右インナ部と前記右アウタ部の相対回転を規制する右ガイド部と右被ガイド部とを含んでおり、前記右ガイド部と前記右被ガイド部の一方が前記右インナ部と連結されており、前記右ガイド部と前記右被ガイド部の他方が前記右アウタ部と連結されている右回転規制部と、
を備えており、
前記車体フレームの左右方向における前記左操舵軸線と前記下クロス部材の左端の間の距離は、前記車体フレームが直立状態の前記車両を前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記車体フレームの左右方向における前記左操舵軸線と前記右操舵軸線の間の距離よりも短く、
前記車体フレームの左右方向における前記右操舵軸線と前記下クロス部材の右端の間の距離は、前記車体フレームが直立状態の前記車両を前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記車体フレームの左右方向における前記左操舵軸線と前記右操舵軸線の間の距離よりも短く、
前記左ショックアブソーバは、前記車体フレームが直立状態の前記車両を前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記左伸縮軸線が前記左操舵軸線よりも前記車体フレームの左右方向における左方に位置するように配置されており、
前記右ショックアブソーバは、前記車体フレームが直立状態の前記車両を前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記右伸縮軸線が前記右操舵軸線よりも前記車体フレームの左右方向における右方に位置するように配置されている、
車両。
左ショックアブソーバと右ショックアブソーバが進入可能な凹部(逃げ部)が下クロス部材に形成されている構成が知られている。このような構成によれば、車体フレームの傾斜時において左ショックアブソーバと右ショックアブソーバが下クロス部材に干渉することを回避しつつ、車両の上下方向の大型化を抑制できる。しかしながら、最大バンク角が大きくなるにつれて左ショックアブソーバと右ショックアブソーバが下クロス部材に向かって変位する量が増えるため、より深い凹部を形成する必要がある。ストロークを大きくする場合も同様である。凹部の形成による剛性の低下を回避するためには、下クロス部材の車体フレームの上下方向における寸法を大きくする必要がある。結果として、車両の上下方向の大型化を抑制することが難しい。
発明者は、下クロス部材の形状を工夫する従来の対策に代えて、左ショックアブソーバと右ショックアブソーバの配置を工夫することにより上記の目的を達成できるとの着想を得た。
車体フレームが直立状態の車両を車体フレームの前後方向の前方から見て、左伸縮軸線が左操舵軸線よりも車体フレームの左右方向における右方に位置するように左ショックアブソーバが配置されており、右伸縮軸線が右操舵軸線よりも車体フレームの左右方向における左方に位置するように右ショックアブソーバが配置されている場合、下クロス部材における左ショックアブソーバと右アブソーバと干渉しうる部分は、車体フレームが直立状態の車両を車体フレームの前後方向の前方から見て、左操舵軸線と右操舵軸線の間に位置する部分である。当該部分は、下クロス部材の剛性に関与する度合いが比較的高い部分である。当該部分は、剛性確保の観点から形状選択の自由度が比較的低い部分であるとも言える。
これに対し、車体フレームが直立状態の車両を車体フレームの前後方向の前方から見て、左伸縮軸線が左操舵軸線よりも車体フレームの左右方向における左方に位置するように左ショックアブソーバが配置されている場合、下クロス部材における左ショックアブソーバと干渉しうる部分は、車体フレームが直立状態の車両を車体フレームの前後方向の前方から見て、左操舵軸線と下クロス部材の左端の間に位置する部分である。他方、車体フレームが直立状態の車両を車体フレームの前後方向の前方から見て、右伸縮軸線が右操舵軸線よりも車体フレームの左右方向における右方に位置するように右ショックアブソーバが配置されている場合、下クロス部材における右ショックアブソーバと干渉しうる部分は、車体フレームが直立状態の車両を車体フレームの前後方向の前方から見て、右操舵軸線と下クロス部材の右端の間に位置する部分である。これらの部分は、下クロス部材の剛性に関与する度合いが比較的低い部分である。当該部分は、剛性確保の観点から形状選択の自由度が比較的高い部分であるとも言える。
発明者は、下クロス部材の剛性に関与する度合いが比較的低く、剛性確保の観点から形状選択の自由度が比較的高い部分と干渉しうる位置に、左ショックアブソーバと右ショックアブソーバを配置すれば有利であるとの着想を得た。
この着想に基づき、上記の車両においては、車体フレームが直立状態の車両を車体フレームの前後方向の前方から見て、左ショックアブソーバは、左伸縮軸線が左操舵軸線よりも車体フレームの左右方向における左方に位置するように配置されている。他方、右ショックアブソーバは、右伸縮軸線が右操舵軸線よりも車体フレームの左右方向における右方に位置するように配置されている。このような構成による利点は、以下の通りである。
第一に、車両の左方への傾斜に伴って、左操舵軸線と下クロス部材の左端の間に位置する部分と左ショックアブソーバは離間する。他方、右操舵軸線と下クロス部材の右端の間に位置する部分と右ショックアブソーバは接近する。しかしながら、右操舵軸線の右方は空間の利用自由度が比較的高いため、両者の干渉を避けるような右懸架装置の形状と配置の選択が容易である。そのため、車体フレームの上下方向における右ショックアブソーバと下クロス部材の距離を短くしやすい。同様に、車両の右方への傾斜に伴って、右操舵軸線と下クロス部材の右端の間に位置する部分と右ショックアブソーバは離間する。他方、左操舵軸線と下クロス部材の左端の間に位置する部分と左ショックアブソーバは接近する。しかしながら、左操舵軸線の左方は空間の利用自由度が比較的高いため、両者の干渉を避けるような左懸架装置の形状と配置の選択が容易である。そのため、車体フレームの上下方向における左ショックアブソーバと下クロス部材の距離を短くしやすい。
第二に、下クロス部材に対する左懸架装置の干渉を回避するために、左操舵軸線と下クロス部材の左端の間に位置する部分に左懸架装置の一部が進入できる凹部を形成しても、下クロス部材の剛性低下に及ぼす影響を最小限にできる。同様に、下クロス部材に対する右懸架装置の干渉を回避するために、右操舵軸線と下クロス部材の右端の間に位置する部分に右懸架装置の一部が進入できる凹部を形成しても、下クロス部材の剛性低下に及ぼす影響を最小限にできる。
第三に、下クロス部材の車体フレームの上下方向における寸法を大きくする必要がないため、相互の干渉を避けうる上クロス部材と下クロス部材の車体フレームの上下方向における距離を短くできる。
上記した第一の効果、第二の効果、および第三の効果の相乗作用により、最大バンク角と懸架装置のストロークを大きくしても、車両の上下方向の大型化を抑制できる。
上記した第一の効果に関し、上記の車両は、以下のように構成されうる。
前記車体フレームの左方への傾斜角が最大である状態の前記車両を前記車体フレームの前後方向における前方から見て、前記左操舵軸線を基準として前記左懸架装置の左縁と線対称の位置に前記下クロス部材が位置しており、
前記車体フレームの右方への傾斜角が最大である状態の前記車両を前記車体フレームの前後方向における前方から見て、前記右操舵軸線を基準として前記右懸架装置の右縁と線対称の位置に前記下クロス部材が位置している。
左懸架装置の左縁と線対称の位置は、左ショックアブソーバが左操舵軸線よりも車体フレームの左右方向における右方に配置されている車両の左方への傾斜角が最大である場合に、左懸架装置の右縁が位置する箇所に相当する。すなわち、この場合においては下クロス部材と左懸架装置が干渉することを意味する。干渉を避けるためには、左懸架装置の一部である左ショックアブソーバなどをより下方に配置する必要があり、車体フレームの上下方向における車両の大型化が避けられない。上記の構成によれば、車両の左方への傾斜時において下クロス部材の左端部と左ショックアブソーバは離間する。他方、右操舵軸線の右方は空間利用自由度が高いため、下クロス部材の右端部と右緩衝装置の干渉は回避しやすい。したがって、車体フレームの上下方向における下クロス部材と左ショックアブソーバの距離を小さくしやすい。
右懸架装置の右縁と線対称の位置は、右ショックアブソーバが右操舵軸線よりも車体フレームの左右方向における左方に配置されている車両の右方への傾斜角が最大である場合に、右懸架装置の左縁が位置する箇所に相当する。すなわち、この場合においては下クロス部材と右懸架装置が干渉することを意味する。干渉を避けるためには、右懸架装置の一部である右ショックアブソーバなどをより下方に配置する必要があり、車体フレームの上下方向における車両の大型化が避けられない。上記の構成によれば、車両の右方への傾斜時において下クロス部材の右端部と右ショックアブソーバは離間する。他方、左操舵軸線の左方は空間利用自由度が高いため、下クロス部材の左端部と左緩衝装置の干渉は回避しやすい。したがって、車体フレームの上下方向における下クロス部材と右ショックアブソーバの距離を小さくしやすい。
上記の車両は、以下のように構成されうる。
前記下クロス部材の左部は、前記車体フレームの前後方向に延びる下左連結軸線を中心として回動可能となるように、前記左サイド部材の下部に支持されており、
前記下クロス部材の右部は、前記車体フレームの前後方向に延びる下右連結軸線を中心として回動可能となるように、前記右サイド部材の下部に支持されており、
前記下クロス部材は、前記下左連結軸線よりも前記車体フレームの左右方向における左方に位置する左周縁部に左凹部を有しており、
前記下クロス部材は、前記下右連結軸線よりも前記車体フレームの左右方向における右方に位置する右周縁部に右凹部を有しており、
少なくとも前記車体フレームの直立状態からの前記車両の左方への傾斜角が最大であるときに、前記右懸架装置の一部は、前記右凹部に進入可能であり、
少なくとも前記車体フレームの直立状態からの前記車両の右方への傾斜角が最大であるときに、前記左懸架装置の一部は、前記左凹部に進入可能である。
このような構成によれば、下クロス部材と左懸架装置の一部の干渉を避けるために左凹部を形成し、下クロス部材と右懸架装置の一部の干渉を避けるために右凹部を形成しても、下クロス部材の剛性低下に及ぼす影響を抑制できる。したがって、前述の第二の効果と第三の効果への寄与が大きく、最大バンク角と懸架装置のストロークを大きくしても、車両の上下方向の大型化を抑制できる。
この場合、上記の車両は、以下のように構成されうる。
前記車体フレームの上下方向における前記左凹部の上端と前記右凹部の上端は、前記下左連結軸線と前記下右連結軸線を結ぶ直線よりも前記車体フレームの上下方向における上方に位置している。
左凹部は下クロス部材の左周縁部に形成され、右凹部は下クロス部材の右周縁部に形成されているため、左凹部と右凹部の上端の位置を上記のように設定して左懸架装置の一部と右懸架装置の一部の進入深さを大きくしても、下クロス部材の剛性低下に及ぼす影響を抑制できる。したがって、前述の第二の効果と第三の効果への寄与が大きく、最大バンク角と懸架装置のストロークを大きくしても、車両の上下方向の大型化を抑制できる。
上記の車両は、以下のように構成されうる。
前記車体フレームに対して回動軸を中心として回動可能に設けられている操舵部材と、
前記操舵部材の回動に応じて、前記左懸架装置と前記右懸架装置を当該回動の方向に回動させるように構成されている操舵力伝達機構と、
を備えており、
前記左凹部内に進入した前記左懸架装置の一部は、前記左懸架装置の前記左操舵軸線を中心とする回動に伴って前記左凹部内を移動可能であり、
前記左凹部は、前記車体フレームの前記車両の右方への傾斜角が大きくなるにつれて、前記左懸架装置の一部の前記左凹部内における移動可能量を低減するように構成されており、
前記右凹部内に進入した前記右懸架装置の一部は、前記右懸架装置の前記右操舵軸線を中心とする回動に伴って前記右凹部内を移動可能であり、
前記右凹部は、前記車体フレームの前記車両の左方への傾斜角が大きくなるにつれて、前記右懸架装置の一部の前記右凹部内における移動可能量を低減するように構成されている。
すなわち、下クロス部材の剛性確保の観点から形状選択の自由度が比較的高い部分を利用して、車体フレームの傾斜角に応じて操舵部材の回動可能角を規制する機構が設けられる。換言すると、下クロス部材の左操舵軸線と右操舵軸線の間に位置する部位、すなわち下クロス部材の剛性に関与する度合いが比較的高い部分にそのような機構を設ける必要がない。したがって、最大バンク角と懸架装置のストロークを大きくしても、車両の上下方向の大型化を抑制できるだけでなく、下クロス部材の剛性を高める対策を講じやすい。
この場合、上記の車両は、以下のように構成されうる。
前記下クロス部材は、
前記左サイド部材と前記右サイド部材よりも前記車体フレームの前後方向における前方に配置されている前要素と、
前記左サイド部材と前記右サイド部材よりも前記車体フレームの前後方向における後方に配置されている後要素と、
前記前要素の左端部と前記後要素の左端部を連結している左連結部材と、
前記前要素の右端部と前記後要素の右端部を連結している右連結部材と、
を備えており、
前記左凹部は、前記左連結部材により区画されており、
前記右凹部は、前記右連結部材により区画されている。
このような構成によれば、前要素および後要素とは別体である左連結部材により、所望の形状を有する左凹部を容易に形成できる。同様に、前要素および後要素とは別体である右連結部材により、所望の形状を有する右凹部を容易に形成できる。したがって、最大バンク角と懸架装置のストロークを大きくしても、車両の上下方向の大型化を抑制できるだけでなく、車体フレームの傾斜角に応じて操舵部材の回動可能角を規制する機構を容易に形成できる。
上記の車両は、以下のように構成されうる。
前記下クロス部材の左部は、前記車体フレームの前後方向に延びる下左連結軸線を中心として回動可能となるように、前記左サイド部材の下部に支持されており、
前記下クロス部材の右部は、前記車体フレームの前後方向に延びる下右連結軸線を中心として回動可能となるように、前記右サイド部材の下部に支持されており、
前記車体フレームの直立状態からの前記車両の左方または右方への傾斜角が最大であるとき、前記下左連結軸線および前記下右連結軸線に沿う方向から見て、前記下クロス部材の上縁は、前記上クロス部材の下縁よりも鉛直方向の上方に位置する部分を有している。
下クロス部材の上縁と上クロス部材の下縁の位置関係を上記のように定めることにより、車体フレームの上下方向についてリンク機構の大型化を抑制できる。したがって、最大バンク角と懸架装置のストロークを大きくしても、車両の上下方向の大型化をより抑制できる。
上記の車両は、以下のように構成されうる。
前記下クロス部材の左部は、前記車体フレームの前後方向に延びる下左連結軸線を中心として回動可能となるように、前記左サイド部材の下部に支持されており、
前記下クロス部材の右部は、前記車体フレームの前後方向に延びる下右連結軸線を中心として回動可能となるように、前記右サイド部材の下部に支持されており、
前記車体フレームの直立状態からの前記車両の左方または右方への傾斜角が最大であるとき、前記下クロス部材の前記下左連結軸線および前記下右連結軸線を中心とする回動角は、当該傾斜角よりも小さい。
このような構成によれば、車体フレームの上下方向におけるリンク機構の可動範囲を小さくできる。したがって、最大バンク角と懸架装置のストロークを大きくしても、車両の上下方向の大型化をより抑制できる。
上記の車両は、以下のように構成されうる。
前記左前輪は、前記左ショックアブソーバよりも前記車体フレームの左右方向における右方に配置されており、
前記右前輪は、前記右ショックアブソーバよりも前記車体フレームの左右方向における左方に配置されている。
すなわち、左前輪と右前輪は、左ショックアブソーバと右ショックアブソーバの間に配置されている。このような構成によれば、最大バンク角と懸架装置のストロークを大きくしても、車両の上下方向の大型化を抑制できるだけでなく、車両の左右方向の大型化も抑制できる。
この場合、上記の車両は以下のように構成されうる。
前記左前輪は、前記左回転規制部よりも前記車体フレームの左右方向における右方に配置されており、
前記右前輪は、前記右回転規制部よりも前記車体フレームの左右方向における左方に配置されている。
すなわち、左前輪と右前輪は、左ショックアブソーバ、左回転規制部、右ショックアブソーバ、および右回転規制部の間に配置されている。このような構成によれば、最大バンク角と懸架装置のストロークを大きくしても、車両の上下方向の大型化を抑制できるだけでなく、車両の左右方向の大型化もより抑制できる。
上記の車両は、以下のように構成されうる。
前記車体フレームに対して回動軸を中心として回動可能に設けられている操舵部材と、
前記操舵部材の回動に応じて、前記左懸架装置と前記右懸架装置を当該回動の方向に回動させるように構成されている操舵力伝達機構と、
を備えており、
前記操舵力伝達機構は、
前記操舵部材の回動に応じて、中間操舵軸線を中心として回動可能である中間回動部と、
前記車体フレームの左右方向における前記中間回動部の左方に配置されており、前記左操舵軸線を中心として回動可能に前記左懸架装置に連結されている左回動部と、
前記車体フレームの左右方向における前記中間回動部の右方に配置されており、前記右操舵軸線を中心として回動可能に前記右懸架装置に連結されている右回動部と、
前記中間回動部を前記左回動部および前記右回動部に連結している連結部と、
を備えており、
前記操舵部材が運転者から見て時計回りに最大回動角まで回動されたとき、前記左ショックアブソーバの前端と前記左回転規制部の前端の少なくとも一方は、前記連結部の後端よりも前記車体フレームの前後方向における前方に位置しており、
前記操舵部材が運転者から見て反時計回りに最大回動角まで回動されたとき、前記右ショックアブソーバの前端と前記右回転規制部の前端の少なくとも一方は、前記連結部の後端よりも前記車体フレームの前後方向における前方に位置している。
このような構成によれば、転舵時における左懸架装置および右懸架装置との干渉回避を考慮する必要性が低下するため、車体フレームの前後方向について操舵力伝達機構の大型化を抑制できる。最大バンク角と懸架装置のストロークを大きくしても、車両の上下方向の大型化を抑制できるだけでなく、車両の前後方向の大型化も抑制できる。
上記の車両は、以下のように構成されうる。
前記下クロス部材の左部は、前記車体フレームの前後方向に延びる下左連結軸線を中心として回動可能となるように、前記左サイド部材の下部に支持されており、
前記下クロス部材の右部は、前記車体フレームの前後方向に延びる下右連結軸線を中心として回動可能となるように、前記右サイド部材の下部に支持されており、
前記下左連結軸線と前記下右連結軸線の間に位置する前記下クロス部材の下縁は、前記車体フレームが直立状態の車両を前記下左連結軸線と前記下右連結軸線に沿う方向から見て、前記下左連結軸線と前記下右連結軸線を結ぶ直線よりも前記車体フレームの上下方向における下方に位置している。
このような構成によれば、下クロス部材の下縁を上方に大きく凹ませた逃げ部を下左連結軸線と下右連結軸線の間に形成しなくとも、左懸架装置の一部および右懸架装置の一部との干渉を避けることができる。これにより、下クロス部材の剛性を高めることができる。換言すると、車体フレームの上下方向における下クロス部材の寸法を剛性確保のために大きくする必要がない。したがって、最大バンク角と懸架装置のストロークを大きくしても、車両の上下方向の大型化を抑制できる。
一実施形態に係る車両の全体を左方から見た左側面図である。 図1の車両の前部を拡大して示す左側面図である。 図1の車両の前部を示す正面図である。 図1の車両の前部を示す平面図である。 転舵時における図1の車両の前部を示す平面図である。 傾斜時における図1の車両の前部を示す正面図である。 傾斜および転舵時における図1の車両の前部を示す正面図である。 図1の車両の前部を示す正面図である。 傾斜時における図1の車両の前部を示す正面図である。 転舵時における図1の車両の前部を示す平面図である。 転舵角度を規制する機構の構成を説明する模式図である。 変形例に係る車両の前部を示す正面図である。
添付の図面を参照しつつ、本発明に係る実施形態の例について、以下詳細に説明する。
添付の図面において、矢印Fは、車両の前方向を示している。矢印Bは、車両の後方向を示している。矢印Uは、車両の上方向を示している。矢印Dは、車両の下方向を示している。矢印Rは、車両の右方向を示している。矢印Lは、車両の左方向を示している。
車両は、車体フレームを鉛直方向に対して車両の左右方向に傾斜させて旋回する。そこで車両を基準とした方向に加え、車体フレームを基準とした方向が定められる。添付の図面において、矢印FFは、車体フレームの前方向を示している。矢印FBは、車体フレームの後方向を示している。矢印FUは、車体フレームの上方向を示している。矢印FDは、車体フレームの下方向を示している。矢印FRは、車体フレームの右方向を示している。矢印FLは、車体フレームの左方向を示している。
本明細書において、「車体フレームの前後方向」、「車体フレームの左右方向」、および「車体フレームの上下方向」とは、車両を運転する運転者から見たとき、車体フレームを基準とした前後方向、左右方向、および上下方向を意味する。「車体フレームの側方」とは、車体フレームの左右方向における右方あるいは左方を意味している。
本明細書において、「車体フレームの前後方向に延びる」とは、車体フレームの前後方向に対して傾いて延びることを含み、車体フレームの左右方向および上下方向と比較して、車体フレームの前後方向に近い傾きで延びることを意味する。
本明細書において、「車体フレームの左右方向に延びる」とは、車体フレームの左右方向に対して傾いて延びることを含み、車体フレームの前後方向および上下方向と比較して、車体フレームの左右方向に近い傾きで延びることを意味する。
本明細書において、「車体フレームの上下方向に延びる」とは、車体フレームの上下方向に対して傾いて延びることを含み、車体フレームの前後方向および左右方向と比較して、車体フレームの上下方向に近い傾きで延びることを意味する。
本明細書において、「車両の直立状態」あるいは「車体フレームの直立状態」とは、無転舵状態かつ車体フレームの上下方向が鉛直方向と一致している状態を意味する。この状態においては、車両を基準にした方向と車体フレームを基準にした方向は一致する。車体フレームを鉛直方向に対して左右方向に傾斜させて旋回しているときは、車両の左右方向と車体フレームの左右方向は一致しない。また車両の上下方向と車体フレームの上下方向も一致しない。しかしながら、車両の前後方向と車体フレームの前後方向は一致する。
本明細書において、「車体フレームの左右方向における部材Aの左方」とは、車体フレームの左右方向における左方へ部材Aを平行移動させたときに当該部材Aが通過する空間を指す。部材Aの右方についても同様に定義される。
本明細書において、「部材Aよりも車体フレームの左右方向における左方」とは、車体フレームの左右方向における左方へ部材Aを平行移動させたときに当該部材Aが通過する空間に加え、当該空間から車体フレームの左右方向に直交する向きに広がる空間を含む。部材Aよりも右方についても同様に定義される。
本明細書において、「車体フレームの上下方向における部材Aの上方」とは、車体フレームの上下方向における上方へ部材Aを平行移動させたときに当該部材Aが通過する空間を指す。部材Aの下方についても同様に定義される。
本明細書において、「部材Aよりも車体フレームの上下方向における上方」とは、車体フレームの上下方向における上方へ部材Aを平行移動させたときに当該部材Aが通過する空間に加え、当該空間から車体フレームの上下方向に直交する向きに広がる空間を含む。部材Aよりも下方についても同様に定義される。
本明細書において、「車体フレームの前後方向における部材Aの前方」とは、車体フレームの前後方向における前方へ部材Aを平行移動させたときに当該部材Aが通過する空間を指す。部材Aの後方についても同様に定義される。
本明細書において、「部材Aよりも車体フレームの前後方向における前方」とは、車体フレームの前後方向における前方へ部材Aを平行移動させたときに当該部材Aが通過する空間に加え、当該空間から車体フレームの前後方向に直交する向きに広がる空間を含む。部材Aよりも後方についても同様に定義される。
本明細書において、「回転」とは、部材が軸線を中心として360度以上の角度に変位することを指す。本明細書において、「回動」とは、部材が軸線を中心として360度未満の角度で変位することを指す。
図1から図11を参照しつつ、一実施形態に係る車両1について説明する。図1に示されるように、車両1は、車両本体部2、二つの前輪3、後輪4、リンク機構5、および操舵部材6を備えている。車両1は、傾斜可能な車体フレームと、その車体フレームの左右方向に並ぶように配置されている二つの前輪3を備える車両である。
車両本体部2は、車体フレーム21、車体カバー22、シート23、エンジンユニット24、およびリアアーム25を含んでいる。
図1において、車体フレーム21は直立状態にある。図1を参照する以降の説明は、車体フレーム21の直立状態を前提にしている。図1は、車両1の全体を車体フレーム21の左右方向における左方から見た左側面図である。
図2は、車両1の前部を車体フレーム21の左右方向における左方から見た側面図である。図2において、車体フレーム21は直立状態にある。図2を参照する以降の説明は、車体フレーム21の直立状態を前提にしている。
車体フレーム21は、ヘッドパイプ211、リンク支持部212、およびメインフレーム213を含んでいる。ヘッドパイプ211は、操舵部材6を支持している。リンク支持部212は、リンク機構5を支持している。メインフレーム213は、シート23、エンジンユニット24、およびリアアーム25を支持している。
リアアーム25は、メインフレーム213よりも車体フレーム21の前後方向における後方に配置されている。リアアーム25は、車体フレーム21の前後方向に延びている。リアアーム25の前端部は、メインフレーム213とエンジンユニット24に支持され、車体フレーム21の左右方向に延びる軸線を中心として回動可能とされている。リアアーム25の後端部は、後輪4を支持している。
車体カバー22は、車両1を構成する部品群の少なくとも一部を覆う車体部品である。車体カバー22は、フロントカバー221、左右一対のフロントフェンダ222、およびリアフェンダ223を含んでいる。
図1に示されるように、フロントカバー221は、シート23よりも車体フレーム21の前後方向における前方に配置されている。フロントカバー221は、リンク機構5、操舵部材6、および操舵力伝達機構9の少なくとも一部を覆っている。フロントカバー221は、車体フレーム21に対して変位不能に配置されている。図2においては、フロントカバー221の図示が省略されている。
左右一対のフロントフェンダ222の少なくとも一部は、フロントカバー221の下方にそれぞれ配置されている。左右一対のフロントフェンダ222の少なくとも一部は、左右一対の前輪3の上方にそれぞれ配置されている。
後輪4の少なくとも一部は、シート23よりも車体フレーム21の上下方向における下方に配置されている。後輪4の少なくとも一部は、車体フレーム21の上下方向におけるリアフェンダ223の下方に配置されている。
本実施形態に係る車両1は、運転者が車体フレーム21に跨った姿勢で乗車する車両である。すなわち、運転時において、運転者の着座するシート23よりも車体フレーム21の前後方向における前方に配置される車体フレーム21の一部は、運転者の両脚の間に配置される。運転者は、シート23よりも車体フレーム21の前後方向における前方に位置するメインフレーム213またはフロントカバー221を両脚で挟んだ姿勢で車両1を運転する。
エンジンユニット24は、車体フレーム21の左右方向から車両1を見たとき、後輪4の前端よりも車体フレーム21の前後方向における前方に配置されている。エンジンユニット24は、車体フレーム21に対して変位不能に配置されている。エンジンユニット24は、メインフレーム213に対して変位不能に配置されている。エンジンユニット24は、車両1を駆動する力を生成する。生成された駆動力は、後輪4に伝達される。
ヘッドパイプ211は、車両1の前部に配置されている。車体フレーム21の左右方向における左方から車両1を見たとき、ヘッドパイプ211の上部は、ヘッドパイプ211の下部よりも車体フレーム21の前後方向における後方に配置されている。
操舵部材6は、ハンドルバー61と上流側ステアリングシャフト62を含んでいる。上流側ステアリングシャフト62は、ハンドルバー61の左右方向中央部より、下方に向かって延びている。上流側ステアリングシャフト62は、後中間操舵軸線SIBを中心として回動可能にヘッドパイプ211に支持されている。
リンク支持部212は、車体フレーム21の前後方向におけるヘッドパイプ211の前方に配置されている。車体フレーム21の左右方向における左方から車両1を見たとき、リンク支持部212の上部は、リンク支持部212の下部よりも車体フレーム21の前後方向における後方に配置されている。
図3は、車両1の前部を車体フレーム21の前後方向における前方から見た正面図である。図3において、車体フレーム21は直立状態にある。図3を参照する以降の説明は、車体フレーム21の直立状態を前提にしている。図3においては、フロントカバー221の図示が省略されている。
二つの前輪3は、左前輪31と右前輪32を含んでいる。左前輪31は、車体フレーム21の一部であるヘッドパイプ211およびリンク支持部212よりも車体フレーム21の左右方向における左方に配置されている。右前輪32は、ヘッドパイプ211およびリンク支持部212よりも車体フレーム21の左右方向における右方に配置されている。左前輪31と右前輪32は、車体フレーム21の左右方向に並ぶように配置されている。
本実施形態に係る車両1においては、平行四節リンク(パラレログラムリンクとも呼ばれる)方式のリンク機構5を採用している。
リンク機構5は、左前輪31と右前輪32よりも車体フレーム21の上下方向における上方に配置されている。リンク機構5は、上クロス部材51、下クロス部材52、左サイド部材53、および右サイド部材54を含んでいる。リンク機構5は、ハンドルバー61の操作に伴う上流側ステアリングシャフト62の後中間操舵軸線SIBを中心とする回動に連動しない。すなわち、リンク機構5は、当該後中間操舵軸線SIBを中心として、車体フレーム21に対して回動しない。
リンク支持部212は、上中間連結部212aを有している。上クロス部材51の中間部は、上中間連結部212aを介してリンク支持部212に支持されている。上クロス部材51は、上中間連結部212aを通り車体フレーム21の前後方向に延びる上中間連結軸線CUIを中心として、リンク支持部212に対して回動可能である。
リンク支持部212は、下中間連結部212bを有している。下クロス部材52の中間部は、下中間連結部212bを介してリンク支持部212に支持されている。下クロス部材52は、下中間連結部212bを通り車体フレーム21の前後方向に延びる下中間連結軸線CDIを中心として、リンク支持部212に対して回動可能である。
左サイド部材53は、上左連結部53aを有している。上クロス部材51の左端部は、上左連結部53aを介して左サイド部材53に連結されている。上クロス部材51は、上左連結部53aを通り車体フレーム21の前後方向に延びる上左連結軸線CULを中心として、左サイド部材53に対して回動可能である。
右サイド部材54は、上右連結部54aを有している。上クロス部材51の右端部は、上右連結部54aを介して右サイド部材54に連結されている。上クロス部材51は、上右連結部54aを通り車体フレーム21の前後方向に延びる上右連結軸線CURを中心として、右サイド部材54に対して回動可能である。
左サイド部材53は、下左連結部53bを有している。下クロス部材52の左端部は、下左連結部53bを介して左サイド部材53に連結されている。下クロス部材52は、下左連結部53bを通り車体フレーム21の前後方向に延びる下左連結軸線CDLを中心として、左サイド部材53に対して回動可能である。
右サイド部材54は、下右連結部54bを有している。下クロス部材52の右端部は、下右連結部54bを介して右サイド部材54に連結されている。下クロス部材52は、下右連結部54bを通り車体フレーム21の前後方向に延びる下右連結軸線CDRを中心として、右サイド部材54に対して回動可能である。
図4は、車両1の前部を車体フレーム21の上下方向における上方から見た平面図である。図4において、車体フレーム21は直立状態にある。図4を参照する以降の説明は、車体フレーム21の直立状態を前提にしている。図4においては、フロントカバー221の図示が省略されている。
上クロス部材51は、リンク支持部212よりも車体フレーム21の前後方向における前方に配置されている。上クロス部材51は、車体フレーム21の前後方向には湾曲することなく、車体フレーム21の左右方向に延びている板状部材である。
図2と図4に示されるように、下クロス部材52は、上クロス部材51よりも車体フレーム21の上下方向における下方に配置されている。下クロス部材52は、前要素521と後要素522を含んでいる。前要素521は、リンク支持部212、左サイド部材53、および右サイド部材54よりも車体フレーム21の前後方向における前方に配置されている。後要素522は、リンク支持部212、左サイド部材53、および右サイド部材54よりも車体フレーム21の前後方向における後方に配置されている。前要素521と後要素522は、車体フレーム21の前後方向には湾曲することなく、車体フレーム21の左右方向に延びている。
図4に示されるように、下クロス部材52は、左連結部材523と右連結部材524を含んでいる。左連結部材523は、前要素521の左端部と後要素522の左端部を連結している。右連結部材524は、前要素521の右端部と後要素522の右端部を連結している。
図3と図4に示されるように、左サイド部材53は、車体フレーム21の左右方向におけるリンク支持部212の左方に配置されている。左サイド部材53は、左前輪31よりも車体フレーム21の上下方向における上方に配置されている。左サイド部材53は、リンク支持部212が延びる方向に延びている。左サイド部材53の上部は、その下部よりも車体フレーム21の前後方向における後方に配置されている。
図3と図4に示されるように、右サイド部材54は、車体フレーム21の左右方向におけるリンク支持部212の右方に配置されている。右サイド部材54は、右前輪32よりも車体フレーム21の上下方向における上方に配置されている。右サイド部材54は、リンク支持部212が延びる方向に延びている。右サイド部材54の上部は、その下部よりも車体フレーム21の前後方向における後方に配置されている。
上クロス部材51、下クロス部材52、左サイド部材53、および右サイド部材54は、上クロス部材51と下クロス部材52が相互に平行な姿勢を保ち、左サイド部材53と右サイド部材54が相互に平行な姿勢を保つように、リンク支持部212に支持されている。
図2から図4に示されるように、車両1は、左懸架装置7を備えている。左懸架装置7は、左ブラケット71と左緩衝装置72を含んでいる。
左ブラケット71は、その上部に図示しない左回動部材を備えている。左回動部材は、左サイド部材53の内部に配置され、左サイド部材53が延びる方向と同じ向きに延びている。左回動部材は、左サイド部材53に対して、左操舵軸線SLを中心として回動可能である。すなわち、左ブラケット71は、左サイド部材53に対して、左操舵軸線SLを中心として回動可能に連結されている。左操舵軸線SLは、左サイド部材53が延びる方向に延びている。図3に示されるように、左操舵軸線SLは、上流側ステアリングシャフト62の後中間操舵軸線SIBと平行に、車体フレーム21の上下方向に延びている。図4に示されるように、左操舵軸線SLは、上流側ステアリングシャフト62の後中間操舵軸線SIBと平行に、車体フレーム21の上下方向に延びている。
左緩衝装置72は、いわゆるテレスコピック式の緩衝機構である。左緩衝装置72は、リンク機構5に対する左前輪31の車体フレーム21の上下方向への変位を緩衝するように構成されている。図2に示されるように、左緩衝装置72は、左前テレスコピック要素721、左後テレスコピック要素722、左上連結部材723、左下連結部材724、および左車軸725を含んでいる。
左前テレスコピック要素721は、左前アウタチューブ721a(左ガイド部の一例)と左前インナチューブ721b(左被ガイド部の一例)を含んでいる。左前アウタチューブ721aの外径は、左前インナチューブ721bの外径より大きい。左前アウタチューブ721aは、左ブラケット71に支持されている。左前インナチューブ721bは、左前アウタチューブ721aに対して左伸縮軸線ELに沿って摺動可能に連結されている。
左後テレスコピック要素722は、左後アウタチューブ722a(左アウタ部の一例)と左後インナチューブ722b(左インナ部の一例)を含んでいる。左後アウタチューブ722aの外径は、左後インナチューブ722bの外径よりも大きい。左後アウタチューブ722aは、車体フレーム21の前後方向における左前アウタチューブ721aの後方に配置されている。左後アウタチューブ722aは、左ブラケット71に支持されている。左後インナチューブ722bは、車体フレーム21の前後方向における左前インナチューブ721bの後方に配置されている。左後インナチューブ722bは、左後アウタチューブ722aに対して左伸縮軸線ELに沿って摺動可能に連結されている。
左上連結部材723は、左前アウタチューブ721aと左後アウタチューブ722aを連結している。
左下連結部材724は、左前インナチューブ721bと左後インナチューブ722bを連結している。
左車軸725の一端(左端)は、左下連結部材724を介して左前インナチューブ721bと左後インナチューブ722bに支持されている。左車軸725の他端(右端)は、左前輪31を支持している。
左緩衝装置72は、リンク機構5に対する左前輪31の車体フレーム21の上下方向への変位を緩衝するように構成されている。特に、左後テレスコピック要素722は、左ショックアブソーバとして機能するように構成されている。左前テレスコピック要素721、左上連結部材723、および左下連結部材724は、左回転規制部として機能し、左後アウタチューブ722aと左後インナチューブ722bの相対回転を規制している。
図2から図4に示されるように、車両1は、右懸架装置8を備えている。右懸架装置8は、右ブラケット81と右緩衝装置82を含んでいる。なお、右懸架装置8の構成は、車両1を車体フレーム21の左右方向における左方から見た左懸架装置7の構成と対称である。よって別途の図示は省略し、参照符号のみを図2に示す。
右ブラケット81は、その上部に図示しない右回動部材を備えている。右回動部材は、右サイド部材54の内部に配置され、右サイド部材54が延びる方向と同じ向きに延びている。右回動部材は、右サイド部材54に対して、右操舵軸線SRを中心として回動可能である。すなわち、右ブラケット81は、右サイド部材54に対して、右操舵軸線SRを中心として回動可能に連結されている。右操舵軸線SRは、右サイド部材54が延びる方向に延びている。図3に示されるように、右操舵軸線SRは、上流側ステアリングシャフト62の後中間操舵軸線SIBと平行に、車体フレーム21の上下方向に延びている。図4に示されるように、右操舵軸線SRは、上流側ステアリングシャフト62の後中間操舵軸線SIBと平行に、車体フレーム21の上下方向に延びている。
右緩衝装置82は、いわゆるテレスコピック式の緩衝機構である。図2に示されるように、右緩衝装置82は、右前テレスコピック要素821、右後テレスコピック要素822、右上連結部材823、右下連結部材824、および右車軸825を含んでいる。
右前テレスコピック要素821は、右前アウタチューブ821a(右ガイド部の一例)と右前インナチューブ821b(右被ガイド部の一例)を含んでいる。右前アウタチューブ821aの外径は、右前インナチューブ821bの外径より大きい。右前アウタチューブ821aは、右ブラケット81に支持されている。右前インナチューブ821bは、右前アウタチューブ821aに対して右伸縮軸線ERに沿って摺動可能に連結されている。
右後テレスコピック要素822は、右後アウタチューブ822a(右アウタ部の一例)と右後インナチューブ822b(右インナ部の一例)を含んでいる。右後アウタチューブ822aの外径は、右後インナチューブ822bの外径よりも大きい。右後アウタチューブ822aは、車体フレーム21の前後方向における右前アウタチューブ821aの後方に配置されている。右後アウタチューブ822aは、右ブラケット81に支持されている。右後インナチューブ822bは、車体フレーム21の前後方向における右前インナチューブ821bの後方に配置されている。右後インナチューブ822bは、右後アウタチューブ822aに対して右伸縮軸線ERに沿って摺動可能に連結されている。
右上連結部材823は、右前アウタチューブ821aと右後アウタチューブ822aを連結している。
右下連結部材824は、右前インナチューブ821bと右後インナチューブ822bを連結している。
右車軸825の一端(右端)は、右下連結部材824を介して右前インナチューブ821bと右後インナチューブ822bに支持されている。右車軸825の他端(左端)は、右前輪32を支持している。
右緩衝装置82は、リンク機構5に対する右前輪32の車体フレーム21の上下方向への変位を緩衝するように構成されている。特に、右後テレスコピック要素822は、右ショックアブソーバとして機能するように構成されている。右前テレスコピック要素821、右上連結部材823、および右下連結部材824は、右回転規制部として機能し、右後アウタチューブ822aと右後インナチューブ822bの相対回転を規制している。
図2から図4に示されるように、車両1は、操舵力伝達機構9を備えている。操舵力伝達機構9は、下流側ステアリングシャフト91、連結装置92、中間伝達プレート93、左伝達プレート94、右伝達プレート95、中間ジョイント96、左ジョイント97、右ジョイント98、およびタイロッド99を含んでいる。
下流側ステアリングシャフト91は、前中間操舵軸線SIFを中心として回動可能にリンク支持部212に支持されている。前中間操舵軸線SIFは、上流側ステアリングシャフト62の回動中心としての後中間操舵軸線SIBと平行に延びている。
連結装置92は、上流側ステアリングシャフト62と下流側ステアリングシャフト91を連結している。連結装置92は、上流側ステアリングシャフト62の回動に伴って変位するように構成されている。下流側ステアリングシャフト91は、連結装置92の変位に伴って回動するように構成されている。すなわち、連結装置92は、上流側ステアリングシャフト62の回動動作を下流側ステアリングシャフト91に伝達するように構成されている。
中間伝達プレート93(中間回動部の一例)は、下流側ステアリングシャフト91の下部に接続されている。中間伝達プレート93は、下流側ステアリングシャフト91に対して相対回動不能である。中間伝達プレート93は、リンク支持部212に対して、前中間操舵軸線SIFを中心として回動可能である。
左伝達プレート94(左回動部の一例)は、車体フレーム21の左右方向における中間伝達プレート93の左方に配置されている。左伝達プレート94は、左ブラケット71の下部に接続されている。左伝達プレート94は、左ブラケット71に対して相対回動不能である。左伝達プレート94は、左サイド部材53に対して、左操舵軸線SLを中心として回動可能である。
右伝達プレート95(右回動部の一例)は、車体フレーム21の左右方向における中間伝達プレート93の右方に配置されている。右伝達プレート95は、右ブラケット81の下部に接続されている。右伝達プレート95は、右ブラケット81に対して相対回動不能である。右伝達プレート95は、右サイド部材54に対して、右操舵軸線SRを中心として回動可能である。
図4に示されるように、中間ジョイント96は、車体フレーム21の上下方向に延びる軸部を介して中間伝達プレート93の前部に連結されている。中間伝達プレート93と中間ジョイント96は、当該軸部を中心として相対回動可能とされている。
左ジョイント97は、中間ジョイント96よりも車体フレーム21の左右方向における左方に配置されている。左ジョイント97は、車体フレーム21の上下方向に延びる軸部を介して左伝達プレート94の前部に連結されている。左伝達プレート94と左ジョイント97は、当該軸部を中心として相対回動可能とされている。
右ジョイント98は、中間ジョイント96よりも車体フレーム21の左右方向における右方に配置されている。右ジョイント98は、車体フレームの上下方向に延びる軸部を介して右伝達プレート95の前部に連結されている。右伝達プレート95と右ジョイント98は、当該軸部を中心として相対回動可能とされている。
中間ジョイント96の前部には、車体フレーム21の前後方向に延びる軸部が設けられている。左ジョイント97の前部には、車体フレーム21の前後方向に延びる軸部が設けられている。右ジョイント98の前部には、車体フレーム21の前後方向に延びる軸部が設けられている。
タイロッド99(連結部の一例)は、車体フレーム21の左右方向に延びている。タイロッド99は、これらの軸部を介して、中間ジョイント96、左ジョイント97、および右ジョイント98に連結されている。タイロッド99と中間ジョイント96は、中間ジョイント96の前部に設けられた軸部を中心として相対回動可能とされている。タイロッド99と左ジョイント97は、左ジョイント97の前部に設けられた軸部を中心として相対回動可能とされている。タイロッド99と右ジョイント98は、右ジョイント98の前部に設けられた軸部を中心として相対回動可能とされている。
左伝達プレート94は、左ジョイント97、タイロッド99、および中間ジョイント96を介して、中間伝達プレート93と連結されている。右伝達プレート95は、右ジョイント98、タイロッド99、および中間ジョイント96を介して、中間伝達プレート93と連結されている。左伝達プレート94と右伝達プレート95は、左ジョイント97、タイロッド99、および右ジョイント98を介して、相互に連結されている。換言すると、タイロッド99は、中間伝達プレート93を左伝達プレート94と右伝達プレート95に連結している。
次に、図4と図5を参照しつつ、車両1の操舵動作について説明する。図5は、左前輪31と右前輪32を左転舵させた状態における車両1の前部を、車体フレーム21の上下方向における上方から見た平面図である。図5においては、フロントカバー221の図示が省略されている。
運転者がハンドルバー61を操作すると、上流側ステアリングシャフト62は、後中間操舵軸線SIBを中心としてヘッドパイプ211に対して回動する。上流側ステアリングシャフト62の回動動作は、連結装置92を介して下流側ステアリングシャフト91に伝達される。これにより、下流側ステアリングシャフト91は、前中間操舵軸線SIFを中心としてリンク支持部212に対して回動する。図5に示される左転舵の場合、下流側ステアリングシャフト91は、矢印Tの方向に回動する。下流側ステアリングシャフト91の回動に伴って、中間伝達プレート93は、リンク支持部212に対して、前中間操舵軸線SIFを中心として矢印Tの方向へ回動する。
中間伝達プレート93の矢印Tの方向への回動に伴って、中間ジョイント96は、中間伝達プレート93に対して矢印S方向に回動する。これにより、タイロッド99は、その姿勢を維持したまま、車体フレーム21の左右方向における左方かつ車体フレーム21の前後方向における後方へ移動する。
上記のタイロッド99の移動に伴って、左ジョイント97と右ジョイント98は、それぞれ左伝達プレート94と右伝達プレート95に対して矢印S方向に回動する。これにより、タイロッド99はその姿勢を維持したまま、左伝達プレート94と右伝達プレート95が、矢印Tの方向に回動する。
左伝達プレート94が矢印Tの方向に回動すると、左伝達プレート94に対して相対回動不能である左ブラケット71が、左サイド部材53に対して、左操舵軸線SLを中心として、矢印Tの方向に回動する。
右伝達プレート95が矢印Tの方向に回動すると、右伝達プレート95に対して相対回動不能である右ブラケット81が、右サイド部材54に対して、右操舵軸線SRを中心として、矢印Tの方向に回動する。
左ブラケット71が矢印Tの方向に回動すると、左ブラケット71に支持されている左緩衝装置72が、左サイド部材53に対して、左操舵軸線SLを中心として、矢印Tの方向に回動する。左緩衝装置72が矢印Tの方向に回動すると、左緩衝装置72に支持されている左前輪31が、左サイド部材53に対して、左操舵軸線SLを中心として、矢印Tの方向に回動する。
右ブラケット81が矢印Tの方向に回動すると、右ブラケット81に支持されている右緩衝装置82が、右サイド部材54に対して、右操舵軸線SRを中心として、矢印Tの方向に回動する。右緩衝装置82が矢印Tの方向に回動すると、右緩衝装置82に支持されている右前輪32が、右サイド部材54に対して、右操舵軸線SRを中心として、矢印Tの方向に回動する。
右転舵するように運転者がハンドルバー61を操作すると、上述した各要素は、左転舵時とは逆方向に回動する。各要素の動きは左右が逆になるのみであるため、詳細な説明は省略する。
以上説明したように、操舵部材6は、運転者によるハンドルバー61の操作に応じて、操舵力を左前輪31と右前輪32に伝達する。左前輪31と右前輪32は、それぞれ左操舵軸線SLと右操舵軸線SRを中心として、運転者によるハンドルバー61の操作方向に応じた方向に回動する。
次に、図3と図6を参照しつつ、車両1の傾斜動作について説明する。図6は、車体フレーム21が車両1の左方に傾斜した状態における車両1の前部を、車体フレーム21の前後方向における前方から見た正面図である。図6においては、フロントカバー221の図示が省略されている。
図3に示されるように、直立状態における車体フレーム21の前方から車両1を見たとき、リンク機構5は長方形状をなしている。図6に示されるように、傾斜状態における車体フレーム21の前方から車両1を見たとき、リンク機構5は平行四辺形状をなしている。リンク機構5の作動と車体フレーム21の左右方向への傾斜は連動する。リンク機構5の作動とは、上クロス部材51と下クロス部材52が、それぞれ上中間連結軸線CUIと下中間連結軸線CDIを中心としてリンク支持部212に対して回動し、上クロス部材51、下クロス部材52、左サイド部材53、および右サイド部材54が、それぞれ上左連結軸線CUL、上右連結軸線CUR、下左連結軸線CDL、および下右連結軸線CDRを中心として相対回動することにより、リンク機構5の形状が変化することを意味する。
例えば、図6に示されるように、運転者が車両1を左方に傾斜させると、ヘッドパイプ211とリンク支持部212が鉛直方向に対して左方に傾斜する。ヘッドパイプ211とリンク支持部212が傾斜すると、上クロス部材51は、上中間連結部212aを通る上中間連結軸線CUIを中心として、リンク支持部212に対して、車両1の前方から見て反時計回りに回動する。同様に、下クロス部材52は、下中間連結部212bを通る下中間連結軸線CDIを中心として、ヘッドパイプ211に対して、車両1の前方から見て反時計回りに回動する。これにより、上クロス部材51は、下クロス部材52に対して、車体フレーム21の左右方向における左方に移動する。
この移動により、上クロス部材51は、上左連結部53aを通る上左連結軸線CULと上右連結部54aを通る上右連結軸線CURを中心として、それぞれ左サイド部材53と右サイド部材54に対して、車両1の前方から見て反時計回りに回動する。同様に、下クロス部材52は、下左連結部53bを通る下左連結軸線CDLと下右連結部54bを通る下右連結軸線CDRを中心として、それぞれ左サイド部材53と右サイド部材54に対して、車両1の前方から見て反時計回りに回動する。これにより、左サイド部材53と右サイド部材54は、ヘッドパイプ211およびリンク支持部212と平行な姿勢を保ったまま、鉛直方向に対して車両1の左方に傾斜する。
このとき、下クロス部材52は、タイロッド99に対して、車体フレーム21の左右方向における左方に移動する。この移動により、中間ジョイント96、左ジョイント97、および右ジョイント98の各前部に設けられた軸部がタイロッド99に対して回動する。これにより、タイロッド99は、上クロス部材51および下クロス部材52と平行な姿勢を保つ。
車両1の左方への左サイド部材53の傾斜に伴い、左回動部材を介して左サイド部材53に支持されている左ブラケット71は、車両1の左方に傾斜する。この傾斜に伴い、左ブラケット71に支持されている左緩衝装置72も、車両1の左方に傾斜する。これにより、左緩衝装置72に支持されている左前輪31が、ヘッドパイプ211およびリンク支持部212と平行な姿勢を保ったまま、車両1の左方に傾斜する。
車両1の左方への右サイド部材54の傾斜に伴い、右回動部材を介して右サイド部材54に支持されている右ブラケット81は、車両1の左方に傾斜する。この傾斜に伴い、右ブラケット81に支持されている右緩衝装置82も、車両1の左方に傾斜する。これにより、右緩衝装置82に支持されている右前輪32が、ヘッドパイプ211およびリンク支持部212と平行な姿勢を保ったまま、車両1の左方に傾斜する。
上記の左前輪31と右前輪32の傾斜動作に係る説明は、鉛直方向を基準としている。しかしながら、車両1の傾斜動作時(リンク機構5の作動時)においては、車体フレーム21の上下方向と鉛直上下方向は一致しない。車体フレーム21の上下方向を基準とした場合、リンク機構5の作動時において、左前輪31と右前輪32は、車体フレーム21の上下方向における相対位置が変化している。換言すると、リンク機構5は、車体フレーム21の上下方向における左前輪31と右前輪32の相対位置を変更することにより、鉛直方向から車両1の左方または右方に車体フレーム21を傾斜させる。
運転者が車両1を右方に傾斜させると、各要素は右方に傾斜する。各要素の動きは左右が逆になるのみであるため、詳細な説明は省略する。
図7は、車両1を傾斜させ、かつ転舵させた状態における車両1の前部を車体フレーム21の前後方向における前方から見た正面図である。車両1が左方に傾斜した状態で左方に転舵した状態を示している。図7においては、フロントカバー221の図示が省略されている。
操舵動作により、左前輪31は左操舵軸線SLを中心として反時計回りに回動され、右前輪32は右操舵軸線SRを中心として反時計回りに回動されている。傾斜動作により、左前輪31と右前輪32は、車体フレーム21とともに車両1の左方に傾斜している。すなわち、この状態においては、リンク機構5は平行四辺形状を呈している。タイロッド99は、車体フレーム21の直立状態における位置から、車体フレーム21の左右方向における左方、かつ車体フレーム21の前後方向における後方に移動している。
左ショックアブソーバと右ショックアブソーバが進入可能な凹部(逃げ部)が下クロス部材に形成されている構成が知られている。このような構成によれば、車体フレームの傾斜時において左ショックアブソーバと右ショックアブソーバが下クロス部材に干渉することを回避しつつ、車両の上下方向の大型化を抑制できる。しかしながら、最大バンク角が大きくなるにつれて左ショックアブソーバと右ショックアブソーバが下クロス部材に向かって変位する量が増えるため、より深い凹部を形成する必要がある。ストロークを大きくする場合も同様である。凹部の形成による剛性の低下を回避するためには、下クロス部材の車体フレームの上下方向における寸法を大きくする必要がある。結果として、車両の上下方向の大型化を抑制することが難しい。
発明者は、下クロス部材の形状を工夫する従来の対策に代えて、左ショックアブソーバと右ショックアブソーバの配置を工夫することにより上記の目的を達成できるとの着想を得た。
車体フレームが直立状態の車両を車体フレームの前後方向の前方から見て、左伸縮軸線が左操舵軸線よりも車体フレームの左右方向における右方に位置するように左ショックアブソーバが配置されており、右伸縮軸線が右操舵軸線よりも車体フレームの左右方向における左方に位置するように右ショックアブソーバが配置されている場合、下クロス部材における左ショックアブソーバと右アブソーバと干渉しうる部分は、車体フレームが直立状態の車両を車体フレームの前後方向の前方から見て、左操舵軸線と右操舵軸線の間に位置する部分である。当該部分は、下クロス部材の剛性に関与する度合いが比較的高い部分である。当該部分は、剛性確保の観点から形状選択の自由度が比較的低い部分であるとも言える。
これに対し、車体フレームが直立状態の車両を車体フレームの前後方向の前方から見て、左伸縮軸線が左操舵軸線よりも車体フレームの左右方向における左方に位置するように左ショックアブソーバが配置されている場合、下クロス部材における左ショックアブソーバと干渉しうる部分は、車体フレームが直立状態の車両を車体フレームの前後方向の前方から見て、左操舵軸線と下クロス部材の左端の間に位置する部分である。他方、車体フレームが直立状態の車両を車体フレームの前後方向の前方から見て、右伸縮軸線が右操舵軸線よりも車体フレームの左右方向における右方に位置するように右ショックアブソーバが配置されている場合、下クロス部材における右ショックアブソーバと干渉しうる部分は、車体フレームが直立状態の車両を車体フレームの前後方向の前方から見て、右操舵軸線と下クロス部材の右端の間に位置する部分である。これらの部分は、下クロス部材の剛性に関与する度合いが比較的低い部分である。当該部分は、剛性確保の観点から形状選択の自由度が比較的高い部分であるとも言える。
発明者は、下クロス部材の剛性に関与する度合いが比較的低く、剛性確保の観点から形状選択の自由度が比較的高い部分と干渉しうる位置に、左ショックアブソーバと右ショックアブソーバを配置すれば有利であるとの着想を得た。
図8は、車両1の前部を車体フレーム21の前後方向における前方から見た正面図である。図8において、車体フレーム21は直立状態にある。図8を参照する以降の説明は、車体フレーム21の直立状態を前提にしている。図8においては、フロントカバー221の図示が省略されている。
図9は、車体フレーム21の左方への傾斜角が最大である状態の車両1の前部を、車体フレーム21の前後方向における前方から見た正面図である。図9においては、フロントカバー221の図示が省略されている。
図8に示されるように、本実施形態に係る車両1においては、車体フレーム21の左右方向における左操舵軸線SLと下クロス部材52の左端LCLの間の距離LLは、車体フレーム21が直立状態の車両1を車体フレーム21の前後方向の前方から見て、車体フレーム21の左右方向における左操舵軸線SLと右操舵軸線SRの間の距離LIよりも短い。他方、車体フレーム21の左右方向における右操舵軸線SRと下クロス部材52の右端LCRの間の距離LRは、車体フレーム21が直立状態の車両1を車体フレーム21の前後方向の前方から見て、車体フレーム21の左右方向における左操舵軸線SLと右操舵軸線SRの間の距離LIよりも短い。
さらに、本実施形態に係る車両1においては、上記の着想に基づき、車体フレーム21が直立状態の車両1を車体フレーム21の前後方向における前方から見て、左ショックアブソーバとして機能する左後テレスコピック要素722は、左伸縮軸線ELが左操舵軸線SLよりも車体フレームの左右方向における左方に位置するように配置されている。他方、右ショックアブソーバとして機能する右後テレスコピック要素822は、右伸縮軸線ERが右操舵軸線SRよりも車体フレームの左右方向における右方に位置するように配置されている。このような構成による利点は、以下の通りである。
第一に、車両1の左方への傾斜に伴って、左操舵軸線SLと下クロス部材52の左端LCLの間に位置する部分と左ショックアブソーバ(左後テレスコピック要素722)は離間する。他方、右操舵軸線SRと下クロス部材52の右端LCRの間に位置する部分と右ショックアブソーバ(右後テレスコピック要素822)は接近する。しかしながら、右操舵軸線SRの右方は空間の利用自由度が比較的高いため、両者の干渉を避けるような右懸架装置8の形状と配置の選択が容易である。そのため、車体フレーム21の上下方向における右ショックアブソーバ(右後テレスコピック要素822)と下クロス部材52の距離を短くしやすい。同様に、車両1の右方への傾斜に伴って、右操舵軸線SRと下クロス部材52の右端LCRの間に位置する部分と右ショックアブソーバ(右後テレスコピック要素822)は離間する。他方、左操舵軸線SLと下クロス部材52の左端LCLの間に位置する部分と左ショックアブソーバ(左後テレスコピック要素722)は接近する。しかしながら、左操舵軸線SLの左方は空間の利用自由度が比較的高いため、両者の干渉を避けるような左懸架装置7の形状と配置の選択が容易である。そのため、車体フレーム21の上下方向における左ショックアブソーバ(左後テレスコピック要素722)と下クロス部材52の距離を短くしやすい。
具体的には、図9に示されるように、車体フレーム21の左方への傾斜角が最大である状態の車両1を車体フレーム21の前後方向における前方から見て、左操舵軸線SLを基準として左ブラケット71の左端71aと線対称の位置71a’に下クロス部材52が位置するように、左懸架装置7の形状と配置が選択されている。左ブラケット71の左端71aは、車体フレーム21の左方への傾斜角が最大である状態の車両1を車体フレーム21の前後方向における前方から見た左懸架装置7の左縁を形成する点の一例である。
線対称の位置71a’は、左後テレスコピック要素722が左操舵軸線SLよりも車体フレーム21の左右方向における右方に配置されている車両の左方への傾斜角が最大である場合に、左ブラケット71の右端が位置する箇所に相当する。すなわち、この場合においては下クロス部材52と左ブラケット71が干渉することを意味する。干渉を避けるためには、左ショックアブソーバ(左後テレスコピック要素722)を支持している左ブラケット71をより下方に配置する必要があり、車体フレーム21の上下方向における車両1の大型化が避けられない。本実施形態の構成によれば、車両1の左方への傾斜時において下クロス部材52の左端部と左ショックアブソーバ(左後テレスコピック要素722)は離間する。他方、右操舵軸線SRの右方は空間利用自由度が高いため、下クロス部材52の右端部と右緩衝装置82の干渉は回避しやすい。したがって、車体フレーム21の上下方向における下クロス部材52と左ショックアブソーバ(左後テレスコピック要素722)の距離を小さくしやすい。
左右対称の構成であるため図示を省略するが、車体フレーム21の右方への傾斜角が最大である状態の車両1を車体フレーム21の前後方向における前方から見て、右操舵軸線SRを基準として右ブラケット81の右端81aと線対称の位置に下クロス部材52が位置するように、右懸架装置8の形状と配置が選択されている。右ブラケット81の右端81aは、車体フレーム21の右方への傾斜角が最大である状態の車両1を車体フレーム21の前後方向における前方から見た右懸架装置8の右縁を形成する点の一例である。
この線対称の位置は、右後テレスコピック要素822が右操舵軸線SRよりも車体フレーム21の左右方向における左方に配置されている車両の右方への傾斜角が最大である場合に、右ブラケット81の左端が位置する箇所に相当する。すなわち、この場合においては下クロス部材52と右ブラケット81が干渉することを意味する。干渉を避けるためには、右ショックアブソーバ(右後テレスコピック要素822)を支持する右ブラケット81をより下方に配置する必要があり、車体フレームの上下方向における車両の大型化が避けられない。本実施形態の構成によれば、車両1の右方への傾斜時において下クロス部材52の右端部と右ショックアブソーバ(右後テレスコピック要素822)は離間する。他方、左操舵軸線SLの左方は空間利用自由度が高いため、下クロス部材52の左端部と左緩衝装置72の干渉は回避しやすい。したがって、車体フレーム21の上下方向における下クロス部材52と右ショックアブソーバ(右後テレスコピック要素822)の距離を小さくしやすい。
第二に、下クロス部材52に対する左懸架装置7の干渉を回避するために、左操舵軸線SLと下クロス部材52の左端LCLの間に位置する部分に左懸架装置7の一部が進入できる凹部を形成しても、下クロス部材52の剛性低下に及ぼす影響を最小限にできる。同様に、下クロス部材52に対する右懸架装置8の干渉を回避するために、右操舵軸線SRと下クロス部材52の右端LCRの間に位置する部分に右懸架装置8の一部が進入できる凹部を形成しても、下クロス部材52の剛性低下に及ぼす影響を最小限にできる。
第三に、下クロス部材52の車体フレーム21の上下方向における寸法を大きくする必要がないため、相互の干渉を避けうる上クロス部材51と下クロス部材52の車体フレーム21の上下方向における距離を短くできる。
上記した第一の効果、第二の効果、および第三の効果の相乗作用により、最大バンク角と懸架装置のストロークを大きくしても、車両1の上下方向の大型化を抑制できる。
図10は、左前輪31と右前輪32を左転舵させた状態における車両1の前部を、車体フレーム21の上下方向における上方から見た平面図である。図10においては、フロントカバー221の図示が省略されている。
図8と図10に示されるように、下クロス部材52における前要素521の左部と後要素522の左部は、左連結部材523により連結されている。下クロス部材52における前要素521の右部と後要素522の右部は、右連結部材524により連結されている。
前要素521の左部、後要素522の左部、および左連結部材523は、下クロス部材52の左周縁部に左凹部525を区画している。下クロス部材52の左周縁部は、下左連結軸線CDLよりも車体フレーム21の左右方向における左方に位置する部分である。
前要素521の右部、後要素522の右部、および右連結部材524は、下クロス部材52の右周縁部に右凹部526を区画している。下クロス部材52の右周縁部は、下右連結軸線CDRよりも車体フレーム21の左右方向における右方に位置する部分である。
図8に示されるように、左懸架装置7は、左転舵規制部材73を備えている。左転舵規制部材73は、左ブラケット71の上部より車体フレーム21の上下方向における上方に延びるピン状の部材である。車両1の直立状態において、左転舵規制部材73は、下クロス部材52の左凹部525に間隔をあけて面している。
他方、右懸架装置8は、右転舵規制部材83を備えている。右転舵規制部材83は、右ブラケット81の上部より車体フレーム21の上下方向における上方に延びるピン状の部材である。車両1の直立状態において、右転舵規制部材83は、下クロス部材52の右凹部526に間隔をあけて面している。
図9に示されるように、車体フレーム21が直立状態から車両1の左方へ所定の角度以上傾斜すると、右転舵規制部材83(右懸架装置の一部の一例)は、下クロス部材52の右凹部526に進入する。他方、図示を省略するが、車体フレーム21が直立状態から車両1の右方へ所定の角度以上傾斜すると、左転舵規制部材73(左懸架装置の一部の一例)は、下クロス部材52の左凹部525に進入する。
このような構成によれば、下クロス部材52と左懸架装置7の一部の干渉を避けるために左凹部525を形成し、下クロス部材52と右懸架装置8の一部の干渉を避けるために右凹部526を形成しても、下クロス部材52の剛性低下に及ぼす影響を抑制できる。したがって、前述の第二の効果と第三の効果への寄与が大きく、最大バンク角と懸架装置のストロークを大きくしても、車両1の上下方向の大型化を抑制できる。
図8に示されるように、車体フレーム21の上下方向における左凹部525の上端LUEと右凹部526の上端RUEは、下左連結軸線CDLと下右連結軸線CDRを結ぶ直線CDCよりも車体フレーム21の上下方向における上方に位置している。
前述のように、左凹部525は下クロス部材52の左周縁部に形成され、右凹部526は下クロス部材52の右周縁部に形成されている。そのため、左凹部525の上端LUEと右凹部526の上端RUEの位置を上記のように設定して左転舵規制部材73と右転舵規制部材83の進入深さを大きくしても、下クロス部材52の剛性低下に及ぼす影響を抑制できる。したがって、前述の第二の効果と第三の効果への寄与が大きく、最大バンク角と懸架装置のストロークを大きくしても、車両1の上下方向の大型化を抑制できる。
次に、図11を参照しつつ、左転舵規制部材73と右転舵規制部材83の機能について説明する。図11は、車体フレーム21の上下方向における下方から見た、右サイド部材54、右転舵規制部材83、および右連結部材524の位置関係を模式的に示している。
右連結部材524は、右前壁524a、右側壁524b、および右後壁524cを有している。右前壁524a、右側壁524b、および右後壁524cは、右凹部526を区画している。右連結部材524は、右前壁524aと右後壁524cの間隔が車体フレーム21の左右方向における右方へ向かうほど小さくなる形状を有している。また、右連結部材524は、右前壁524aと右後壁524cの間隔が車体フレーム21の上下方向における上方へ向かうほど小さくなる形状を有している。
図9を参照して説明したように、車体フレーム21が直立状態から車両1の左方へ所定の角度以上傾斜すると、右転舵規制部材83は、下クロス部材52の右凹部526に進入する。この状態で左方への転舵がなされると、前述した操舵力伝達機構9の動作により、左ブラケット71は左操舵軸線SLを中心として回動し、右ブラケット81は右操舵軸線SRを中心として回動する。このとき、右ブラケット81に設けられている右転舵規制部材83は、下クロス部材52の右凹部526内を移動可能である。
右連結部材524により区画される右凹部526は上記のような形状を有しているため、車体フレーム21の車両1の左方への傾斜角が大きくなるにつれて、右転舵規制部材83の右凹部526内における移動可能量を低減する。例えば、図11の(A)は、車体フレーム21の車両1の左方への傾斜角が比較的小さい状態を示している。ここで左転舵がなされると、不図示の右ブラケット81は、右操舵軸線SRを中心として同図における時計回りに回動する。当該回動角がβ1に至ると、右転舵規制部材83は、右連結部材524の右前壁524aに当接し、右ブラケット81のさらなる回動が規制される。
図11の(B)は、車体フレーム21の車両1の左方への傾斜角が比較的大きい状態を示している。ここで左転舵がなされると、不図示の右ブラケット81は、右操舵軸線SRを中心として同図における時計回りに回動する。当該回動角がβ2に至ると、右転舵規制部材83は、右連結部材524の右前壁524aに当接し、右ブラケット81のさらなる回動が規制される。回動角β2は、上記の回動角β1よりも小さい。
したがって、車体フレーム21の車両1の左方への傾斜角が大きくなるにつれて、左転舵を行なうための操舵部材6の回動可能角度が低減される。
右連結部材524と左右対称の構造であるため図示を省略するが、左連結部材523は、左前壁、左側壁、および左後壁を有している。左前壁、左側壁、および左後壁は、左凹部525を区画している。左連結部材523は、左前壁と左後壁の間隔が車体フレーム21の左右方向における左方へ向かうほど小さくなる形状を有している。また、左連結部材523は、左前壁と左後壁の間隔が車体フレーム21の上下方向における上方へ向かうほど小さくなる形状を有している。
車体フレーム21が直立状態から車両1の右方へ所定の角度以上傾斜すると、左転舵規制部材73は、下クロス部材52の左凹部525に進入する。この状態で右方への転舵がなされると、前述した操舵力伝達機構9の動作により、左ブラケット71は左操舵軸線SLを中心として回動し、右ブラケット81は右操舵軸線SRを中心として回動する。このとき、左ブラケット71に設けられている左転舵規制部材73は、下クロス部材52の左凹部525内を移動可能である。
左連結部材523により区画される左凹部525は上記のような形状を有しているため、車体フレーム21の車両1の右方への傾斜角が大きくなるにつれて、左転舵規制部材73の左凹部525内における移動可能量を低減する。したがって、車体フレーム21の車両1の右方への傾斜角が大きくなるにつれて、右転舵を行なうための操舵部材6の回動可能角度が低減される。
すなわち、下クロス部材52の剛性確保の観点から形状選択の自由度が比較的高い部分を利用して、車体フレーム21の傾斜角に応じて操舵部材6の回動可能角度を規制する機構が設けられる。換言すると、下クロス部材52の左操舵軸線SLと右操舵軸線SRの間に位置する部位、すなわち下クロス部材52の剛性に関与する度合いが比較的高い部分にそのような機構を設ける必要がない。したがって、最大バンク角と懸架装置のストロークを大きくしても、車両1の上下方向の大型化を抑制できるだけでなく、下クロス部材52の剛性を高める対策を講じやすい。
さらに、本実施形態においては、下クロス部材52が前要素521と後要素522を含んでいる。前要素521の左端部と後要素522の左端部は、左連結部材523により連結されている。左凹部525は、この左連結部材523により区画されている。他方、前要素521の右端部と後要素522の右端部は、右連結部材524により連結されている。右凹部526は、この右連結部材524により区画されている。
このような構成によれば、前要素521および後要素522とは別体である左連結部材523により、所望の形状を有する左凹部525を容易に形成できる。同様に、前要素521および後要素522とは別体である右連結部材524により、所望の形状を有する右凹部526を容易に形成できる。したがって、最大バンク角と懸架装置のストロークを大きくしても、車両1の上下方向の大型化を抑制できるだけでなく、車体フレーム21の傾斜角に応じて操舵部材6の回動可能角を規制する機構を容易に形成できる。
図9は、車体フレーム21の直立状態からの車両1の左方への傾斜角が最大である状態を示している。この状態の車両1を下左連結軸線CDLおよび下右連結軸線CDRに沿う方向から見ると、下クロス部材52の上縁52aは、上クロス部材51の下縁51aよりも鉛直方向の上方に位置する部分を有している。そのため、下クロス部材52の一部が上クロス部材51に重なって見える。
図示を省略するが、車体フレーム21の直立状態からの車両1の右方への傾斜角が最大である状態においても同様である。
下クロス部材52の上縁52aと上クロス部材51の下縁51aの位置関係を上記のように定めることにより、車体フレーム21の上下方向についてリンク機構5の大型化を抑制できる。したがって、最大バンク角と懸架装置のストロークを大きくしても、車両1の上下方向の大型化をより抑制できる。
図8に示されるように、左前輪31は、左ショックアブソーバとして機能する左後テレスコピック要素722よりも車体フレーム21の左右方向における右方に配置されている。他方、右前輪32は、右ショックアブソーバとして機能する右後テレスコピック要素822よりも車体フレーム21の左右方向における左方に配置されている。
すなわち、左前輪31と右前輪32は、左ショックアブソーバと右ショックアブソーバの間に配置されている。このような構成によれば、最大バンク角と懸架装置のストロークを大きくしても、車両1の上下方向の大型化を抑制できるだけでなく、車両1の左右方向の大型化も抑制できる。
さらに、左前輪31は、左回転規制部として機能する左前テレスコピック要素721よりも車体フレーム21の左右方向における右方に配置されている。他方、右前輪32は、右回転規制部として機能する右前テレスコピック要素821よりも車体フレーム21の左右方向における左方に配置されている。
すなわち、左前輪31と右前輪32は、左ショックアブソーバ、左回転規制部、右ショックアブソーバ、および右回転規制部の間に配置されている。このような構成によれば、最大バンク角と懸架装置のストロークを大きくしても、車両1の上下方向の大型化を抑制できるだけでなく、車両1の左右方向の大型化もより抑制できる。
図10は、左転舵を行なうために操舵部材6が最大回動角まで回動された状態を示している。換言すると、操舵部材6が運転者から見て反時計回りに最大回動角まで回動された状態を示している。この状態において、右回転規制部として機能する右前テレスコピック要素821の前端821c、および右ショックアブソーバとして機能する右後テレスコピック要素822の前端822cは、タイロッド99の後端99aよりも車体フレーム21の前後方向における前方に配置されている。
図示を省略するが、右転舵を行なうために操舵部材6が最大回動角まで回動された状態、換言すると、操舵部材6が運転者から見て時計回りに最大回動角まで回動された状態においては、右回転規制部として機能する右前テレスコピック要素821の前端、および右ショックアブソーバとして機能する右後テレスコピック要素822の前端は、タイロッド99の後端99aよりも車体フレーム21の前後方向における前方に配置されている。
このような構成によれば、転舵時における左懸架装置7および右懸架装置8との干渉回避を考慮する必要性が低下するため、車体フレーム21の前後方向について操舵力伝達機構9の大型化を抑制可能である。最大バンク角と懸架装置のストロークを大きくしても、車両1の上下方向の大型化を抑制できるだけでなく、車両1の前後方向の大型化も抑制できる。
図8に示されるように、下左連結軸線CDLと下右連結軸線CDRの間に位置する下クロス部材52の下縁52bは、車体フレーム21が直立状態の車両1を下左連結軸線CDLと下右連結軸線CDRに沿う方向から見て、下左連結軸線CDLと下右連結軸線CDRを結ぶ直線CDCよりも車体フレーム21の上下方向における下方に位置している。
このような構成によれば、下クロス部材52の下縁52bを上方に大きく凹ませた逃げ部を下左連結軸線CDLと下右連結軸線CDRの間に形成しなくとも、左懸架装置7の一部および右懸架装置8の一部との干渉を避けることができる。これにより、下クロス部材52の剛性を高めることができる。換言すると、車体フレーム21の上下方向における下クロス部材52の寸法を剛性確保のために大きくする必要がない。したがって、最大バンク角と懸架装置のストロークを大きくしても、車両1の上下方向の大型化を抑制できる。
上記の実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであって、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく変更・改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは明らかである。
上記の実施形態においては、左操舵軸線SLと車体フレーム21の左右方向における左前輪31の中心線が一致しており、右操舵軸線SRと車体フレーム21の左右方向における右前輪32の中心線が一致している。しかしながら、図12に示されるような構成が採用されうる。本変形例に係る車両1Aにおいては、車体フレーム21の左右方向における左前輪31の中心線31Cが、左操舵軸線SLよりも車体フレーム21の左右方向における右方に位置している。他方、車体フレーム21の左右方向における右前輪32の中心線32Cが、右操舵軸線SRよりも車体フレーム21の左右方向における左方に位置している。
このような構成によれば、車体フレーム21が車両1Aの左方へ傾斜すると、下左連結軸線CDLと下右連結軸線CDRを結ぶ直線CDCは、路面と平行な線Hに対して傾斜する。具体的には、下右連結軸線CDRが下左連結軸線CDLよりも上方に位置する。したがって、下クロス部材52の下中間連結軸線CDIを中心とする回動角α1は、車体フレーム21の直立状態からの車両1の左方への傾斜角α2よりも小さくなる。回動角α1は、車体フレーム21の左右方向に平行な直線FLRに対して、直線CDCがなす角度として定義される。傾斜角α2は、路面に垂直な線Vに対して前中間操舵軸線SIFおよび後中間操舵軸線SIBがなす角度として定義される。
左右対称であるため図示を省略するが、車体フレーム21が車両1Aの右方へ傾斜すると、下左連結軸線CDLと下右連結軸線CDRを結ぶ直線CDCは、下左連結軸線CDLが下右連結軸線CDRよりも上方に位置するように、路面と平行な線Hに対して傾斜する。したがって、下クロス部材52の下中間連結軸線CDIを中心とする回動角は、車体フレーム21の直立状態からの車両1の右方への傾斜角よりも小さくなる。
このような構成によれば、車体フレーム21の上下方向におけるリンク機構5の可動範囲を小さくできる。したがって、最大バンク角と懸架装置のストロークを大きくしても、車両1の上下方向の大型化をより抑制できる。
上記の実施形態においては、下クロス部材52が前要素521と後要素522を含んでいる。下クロス部材52の左凹部525は、前要素521の左端部と後要素522の左端部を連結している左連結部材523により区画されている。下クロス部材52の右凹部526は、前要素521の右端部と後要素522の右端部を連結している右連結部材524により区画されている。しかしながら、左凹部525は、別体としての左連結部材523を用いることなく、下クロス部材52の左周縁部に直接形成されうる。同様に、右凹部526は、別体としての右連結部材524を用いることなく、下クロス部材52の右周縁部に直接形成されうる。
上記の実施形態においては、左懸架装置7における左後テレスコピック要素722が左ショックアブソーバとして機能し、左前テレスコピック要素721、左上連結部材723、および左下連結部材724が左回転規制部として機能している。しかしながら、左前テレスコピック要素721が左ショックアブソーバとして機能し、左後テレスコピック要素722、左上連結部材723、および左下連結部材724が左回転規制部として機能する構成が採用されうる。
上記の実施形態においては、右懸架装置8における右後テレスコピック要素822が右ショックアブソーバとして機能し、右前テレスコピック要素821、右上連結部材823、および右下連結部材824が右回転規制部として機能している。しかしながら、右前テレスコピック要素821が右ショックアブソーバとして機能し、右後テレスコピック要素822、右上連結部材823、および右下連結部材824が右回転規制部として機能する構成が採用されうる。
上記の実施形態においては、左懸架装置7において左ショックアブソーバとして機能するテレスコピック要素と左回転規制部として機能するテレスコピック要素の双方が、車体フレーム21の左右方向における左前輪31の左方に配置されている。しかしながら、左回転規制部として機能するテレスコピック要素は、車体フレーム21の左右方向における左前輪31の右方に配置されうる。
上記の実施形態においては、右懸架装置8において右ショックアブソーバとして機能するテレスコピック要素と右回転規制部として機能するテレスコピック要素の双方が、車体フレーム21の左右方向における右前輪32の右方に配置されている。しかしながら、右回転規制部として機能するテレスコピック要素は、車体フレーム21の左右方向における右前輪32の左方に配置されうる。
上記の実施形態においては、操舵部材6が運転者から見て反時計回りに最大回動角まで回動された状態において、右回転規制部として機能するテレスコピック要素の前端と右ショックアブソーバとして機能するテレスコピック要素の前端の双方が、タイロッド99の後端99aよりも車体フレーム21の前後方向における前方に配置されている。しかしながら、右回転規制部として機能するテレスコピック要素の前端と右ショックアブソーバとして機能するテレスコピック要素の前端のうち、前方に配置されているもののみが、同状態においてタイロッド99の後端99aよりも車体フレーム21の前後方向における前方に配置される構成が採用されうる。
上記の実施形態においては、操舵部材6が運転者から見て時計回りに最大回動角まで回動された状態において、左回転規制部として機能するテレスコピック要素の前端と左ショックアブソーバとして機能するテレスコピック要素の前端の双方が、タイロッド99の後端99aよりも車体フレーム21の前後方向における前方に配置されている。しかしながら、左回転規制部として機能するテレスコピック要素の前端と左ショックアブソーバとして機能するテレスコピック要素の前端のうち、前方に配置されているもののみが、同状態においてタイロッド99の後端99aよりも車体フレーム21の前後方向における前方に配置される構成が採用されうる。
上記の実施形態においては、左前アウタチューブ721aと左後アウタチューブ722aが左ブラケット71に支持されている。しかしながら、左前インナチューブ721bと左後インナチューブ722bが左ブラケット71に支持される構成が採用されうる。
上記の実施形態においては、右前アウタチューブ821aと右後アウタチューブ822aが右ブラケット81に支持されている。しかしながら、右前インナチューブ821bと右後インナチューブ822bが右ブラケット81に支持される構成が採用されうる。
図8に示されるように、下左連結部53bと下中間連結部211bの間に位置する下クロス部材52の下部には、上方へわずかに窪んだ左下空間527が形成されている。左下空間527は、車両1の左方へ傾斜への傾斜時において左懸架装置7の一部が進入する逃げ部として利用されてもよい。
他方、下右連結部54bと下中間連結部211bの間に位置する下クロス部材52の下部には、上方へわずかに窪んだ右下空間528が形成されている。右下空間528は、車両1の右方への傾斜時において右懸架装置8の一部が進入する逃げ部として利用されてもよい。
上記の実施形態においては、車両1は、一つの後輪4を備えている。しかしながら、後輪の数は、複数でもよい。
上記の実施形態においては、上クロス部材51が単一の板状部材であり、下クロス部材52が前要素521と後要素522を含んでいる。しかしながら、上クロス部材51も前要素と後要素を含んでいる構成が採用されうる。上クロス部材51と下クロス部材52の少なくとも一方は、リンク支持部212と左サイド部材53に支持される左板状部材、およびリンク支持部212と右サイド部材54に支持される右板状部材を含んでいる構成が採用されうる。
上記の実施形態において、ハンドルバー61は、車体フレームの左右方向に延びる単一の部材で構成されている。しかしながら、ハンドルバー61は、左前輪31および右前輪32を回動させる操舵力の入力が可能であれば、運転者の左手により操作される左ハンドル部と運転者の右手により操作される右ハンドル部が別体として設けられている構成が採用されうる。
上記の実施形態においては、操舵力伝達機構9は、中間伝達プレート93、左伝達プレート94、右伝達プレート95、中間ジョイント96、左ジョイント97、右ジョイント98、およびタイロッド99を含んでいる。しかしながら、ハンドルバー61から入力された操舵力がタイロッド69を経由して左懸架装置7と右懸架装置8に伝達可能であれば、中間伝達プレート93、左伝達プレート94、右伝達プレート95、中間ジョイント96、左ジョイント97、および右ジョイント98は、ユニバーサルジョイントなどの適宜の機構で置き換えられうる。
本明細書で用いられた用語および表現は、説明のために用いられたものであって、限定的に解釈するために用いられたものではない。本明細書に示され、かつ述べられた特徴事項のいかなる均等物をも排除するものではなく、本発明のクレームされた範囲内における各種変形をも許容するものであると認識されねばならない。
本明細書で用いられている「平行」という語は、±40°の範囲で傾斜するが、部材としては交わらない2つの直線も含む意味である。本明細書において方向や部材に関して用いられている「沿う」という語は、±40°の範囲で傾斜する場合も含む意味である。本明細書で用いられている「方向に延びる」という語は、当該方向に対して±40°の範囲で傾斜する場合も含む意味である。
本明細書において、ある部品あるいは部材が、「車体フレーム21に対して変位不能に配置されている」と説明されている場合、車体フレーム21が車両1の左右方向に傾斜したときに、当該部品あるいは部材が車体フレーム21とともに車両1の左右方向に傾斜することを意味する。本明細書において用いられている「車体フレーム21に対して変位不能に配置されている」という表現は、ある部品あるいは部材が車体フレーム21に直接固定されているものだけでなく、車体フレーム21に固定された車両部品(燃料タンク、ブラケット、エンジンユニット24など)に固定されるものを含む。ここで、「固定」とは、防振部材などを介して固定することを含む。
本発明は、多くの異なった形態で具現化され得るものである。本明細書は、本発明の原理の実施形態を提供するものと見なされるべきである。本明細書において記載と図示の少なくとも一方がなされた好ましい実施形態は、当該実施形態に本発明が限定されることを意図するものではないという了解に基づいている。
本発明は、本明細書に開示された実施形態例に基づいて当業者によって認識されうる、均等な要素、修正、削除、組み合わせ(例えば、各種実施形態に跨る特徴の組み合わせ)、改良、変更を含むあらゆる実施形態も包含する。クレームの限定事項はそのクレームで用いられた用語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書あるいは本願のプロセキューション中に記載された実施形態に限定されるべきではない。そのような実施形態は非排他的であると解釈されるべきである。例えば、本明細書において、「好ましくは」、「よい」という用語は非排他的なものであって、「好ましいがこれに限定されるものではない」「よいがこれに限定されるものではない」ということを意味する。
1:車両、21:車体フレーム、31:左前輪、32:右前輪、5:リンク機構、51:上クロス部材、51a:上クロス部材の下縁、52:下クロス部材、52a:下クロス部材の上縁、52b:下クロス部材の下縁、521:前要素、522:後要素、523:左連結部材、524:右連結部材、525:左凹部、526:右凹部、53:左サイド部材、54:右サイド部材、6:操舵部材、7:左懸架装置、721:左前テレスコピック要素、721a:左前アウタチューブ、721b:左前インナチューブ、722:左後テレスコピック要素、722a:左後アウタチューブ、722b:左後インナチューブ、723:左上連結部材、724:左下連結部材、73:左転舵規制部材、8:右懸架装置、821:右前テレスコピック要素、821a:右前アウタチューブ、821b:右前インナチューブ、821c:右前テレスコピック要素の前端、822:右後テレスコピック要素、822a:右後アウタチューブ、822b:右後インナチューブ、822c:右後テレスコピック要素の前端、823:右上連結部材、824:右下連結部材、83:右転舵規制部材、9:操舵力伝達機構、93:中間伝達プレート、94:左伝達プレート、95:右伝達プレート、99:タイロッド、99a:タイロッドの後端、CUL:上左連結軸線、CUR:上右連結軸線、CDL:下左連結軸線、CDR:下右連結軸線、CDC:下左連結軸線と下右連結軸線を結ぶ直線、EL:左伸縮軸線、ER:右伸縮軸線、LCL:下クロス部材の左端、LCR:下クロス部材の右端、LUE:左凹部の上端、RUE:右凹部の上端、SL:左操舵軸線、SR:右操舵軸線、α1:下クロス部材の下中間連結軸線を中心とする回動角、α2:車両の傾斜角

Claims (12)

  1. 車両であって、
    車体フレームと、
    前記車体フレームの左右方向に並ぶように配置されている左前輪および右前輪と、
    前記左前輪および前記右前輪よりも前記車体フレームの上下方向における上方に配置されており、前記車体フレームに対する前記左前輪および前記右前輪の相対位置を変更して前記車体フレームを前記車両の左方または右方に傾斜させるように構成されているリンク機構と、
    前記左前輪を支持しており、前記リンク機構に対する前記左前輪の前記車体フレームの上下方向への変位を緩衝するように構成されているテレスコピック式の左懸架装置と、
    前記右前輪を支持しており、前記リンク機構に対する前記右前輪の前記車体フレームの上下方向への変位を緩衝するように構成されているテレスコピック式の右懸架装置と、
    を備えており、
    前記リンク機構は、
    上クロス部材と、
    前記上クロス部材よりも前記車体フレームの上下方向における下方に配置されている下クロス部材と、
    前記左前輪よりも前記車体フレームの上下方向の上方に配置されており、前記車体フレームの上下方向に延びる左操舵軸線を中心として前記左懸架装置を回動可能に支持している左サイド部材と、
    前記右前輪よりも前記車体フレームの上下方向の上方に配置されており、前記車体フレームの上下方向に延びる右操舵軸線を中心として前記右懸架装置を回動可能に支持している右サイド部材と、
    を備えており、
    前記上クロス部材、前記下クロス部材、前記左サイド部材、および前記右サイド部材は、前記上クロス部材と前記下クロス部材が相互に平行な姿勢を保ち、前記左サイド部材と前記右サイド部材が相互に平行な姿勢を保つように連結されており、
    前記左懸架装置は、
    前記車体フレームの上下方向に延びる左伸縮軸線に沿って相対変位可能な左インナ部と左アウタ部とを含んでおり、前記左インナ部と前記左アウタ部の一方が前記左前輪を支持しており、前記左インナ部と前記左アウタ部の他方が前記左サイド部材に支持されている左ショックアブソーバと、
    前記左伸縮軸線と平行に相対変位可能であり、前記左インナ部と前記左アウタ部の相対回転を規制する左ガイド部と左被ガイド部とを含んでおり、前記左ガイド部と前記左被ガイド部の一方が前記左インナ部と連結されており、前記左ガイド部と前記左被ガイド部の他方が前記左アウタ部と連結されている左回転規制部と、
    を備えており、
    前記右懸架装置は、
    前記車体フレームの上下方向に延びる右伸縮軸線に沿って相対変位可能な右インナ部と右アウタ部とを含んでおり、前記右インナ部と前記右アウタ部の一方が前記右前輪を支持しており、前記右インナ部と前記右アウタ部の他方が前記右サイド部材に支持されている右ショックアブソーバと、
    前記右伸縮軸線と平行に相対変位可能であり、前記右インナ部と前記右アウタ部の相対回転を規制する右ガイド部と右被ガイド部とを含んでおり、前記右ガイド部と前記右被ガイド部の一方が前記右インナ部と連結されており、前記右ガイド部と前記右被ガイド部の他方が前記右アウタ部と連結されている右回転規制部と、
    を備えており、
    前記車体フレームの左右方向における前記左操舵軸線と前記下クロス部材の左端の間の距離は、前記車体フレームが直立状態の前記車両を前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記車体フレームの左右方向における前記左操舵軸線と前記右操舵軸線の間の距離よりも短く、
    前記車体フレームの左右方向における前記右操舵軸線と前記下クロス部材の右端の間の距離は、前記車体フレームが直立状態の前記車両を前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記車体フレームの左右方向における前記左操舵軸線と前記右操舵軸線の間の距離よりも短く、
    前記左ショックアブソーバは、前記車体フレームが直立状態の前記車両を前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記左伸縮軸線が前記左操舵軸線よりも前記車体フレームの左右方向における左方に位置するように配置されており、
    前記右ショックアブソーバは、前記車体フレームが直立状態の前記車両を前記車体フレームの前後方向の前方から見て、前記右伸縮軸線が前記右操舵軸線よりも前記車体フレームの左右方向における右方に位置するように配置されている、
    車両。
  2. 前記車体フレームの左方への傾斜角が最大である状態の前記車両を前記車体フレームの前後方向における前方から見て、前記左操舵軸線を基準として前記左懸架装置の左縁と線対称の位置に前記下クロス部材が位置しており、
    前記車体フレームの右方への傾斜角が最大である状態の前記車両を前記車体フレームの前後方向における前方から見て、前記右操舵軸線を基準として前記右懸架装置の右縁と線対称の位置に前記下クロス部材が位置している、
    請求項1に記載の車両。
  3. 前記下クロス部材の左部は、前記車体フレームの前後方向に延びる下左連結軸線を中心として回動可能となるように、前記左サイド部材の下部に支持されており、
    前記下クロス部材の右部は、前記車体フレームの前後方向に延びる下右連結軸線を中心として回動可能となるように、前記右サイド部材の下部に支持されており、
    前記下クロス部材は、前記下左連結軸線よりも前記車体フレームの左右方向における左方に位置する左周縁部に左凹部を有しており、
    前記下クロス部材は、前記下右連結軸線よりも前記車体フレームの左右方向における右方に位置する右周縁部に右凹部を有しており、
    少なくとも前記車体フレームの直立状態からの前記車両の左方への傾斜角が最大であるときに、前記右懸架装置の一部は、前記右凹部に進入可能であり、
    少なくとも前記車体フレームの直立状態からの前記車両の右方への傾斜角が最大であるときに、前記左懸架装置の一部は、前記左凹部に進入可能である、
    請求項1または2に記載の車両。
  4. 前記車体フレームの上下方向における前記左凹部の上端と前記右凹部の上端は、前記下左連結軸線と前記下右連結軸線を結ぶ直線よりも前記車体フレームの上下方向における上方に位置している、
    請求項3に記載の車両。
  5. 前記車体フレームに対して回動軸を中心として回動可能に設けられている操舵部材と、
    前記操舵部材の回動に応じて、前記左懸架装置と前記右懸架装置を当該回動の方向に回動させるように構成されている操舵力伝達機構と、
    を備えており、
    前記左凹部内に進入した前記左懸架装置の一部は、前記左懸架装置の前記左操舵軸線を中心とする回動に伴って前記左凹部内を移動可能であり、
    前記左凹部は、前記車体フレームの前記車両の右方への傾斜角が大きくなるにつれて、前記左懸架装置の一部の前記左凹部内における移動可能量を低減するように構成されており、
    前記右凹部内に進入した前記右懸架装置の一部は、前記右懸架装置の前記右操舵軸線を中心とする回動に伴って前記右凹部内を移動可能であり、
    前記右凹部は、前記車体フレームの前記車両の左方への傾斜角が大きくなるにつれて、前記右懸架装置の一部の前記右凹部内における移動可能量を低減するように構成されている、
    請求項3または4に記載の車両。
  6. 前記下クロス部材は、
    前記左サイド部材と前記右サイド部材よりも前記車体フレームの前後方向における前方に配置されている前要素と、
    前記左サイド部材と前記右サイド部材よりも前記車体フレームの前後方向における後方に配置されている後要素と、
    前記前要素の左端部と前記後要素の左端部を連結している左連結部材と、
    前記前要素の右端部と前記後要素の右端部を連結している右連結部材と、
    を備えており、
    前記左凹部は、前記左連結部材により区画されており、
    前記右凹部は、前記右連結部材により区画されている、
    請求項5に記載の車両。
  7. 前記下クロス部材の左部は、前記車体フレームの前後方向に延びる下左連結軸線を中心として回動可能となるように、前記左サイド部材の下部に支持されており、
    前記下クロス部材の右部は、前記車体フレームの前後方向に延びる下右連結軸線を中心として回動可能となるように、前記右サイド部材の下部に支持されており、
    前記車体フレームの直立状態からの前記車両の左方または右方への傾斜角が最大であるとき、前記下左連結軸線および前記下右連結軸線に沿う方向から見て、前記下クロス部材の上縁は、前記上クロス部材の下縁よりも鉛直方向の上方に位置する部分を有している、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の車両。
  8. 前記下クロス部材の左部は、前記車体フレームの前後方向に延びる下左連結軸線を中心として回動可能となるように、前記左サイド部材の下部に支持されており、
    前記下クロス部材の右部は、前記車体フレームの前後方向に延びる下右連結軸線を中心として回動可能となるように、前記右サイド部材の下部に支持されており、
    前記車体フレームの直立状態からの前記車両の左方または右方への傾斜角が最大であるとき、前記下クロス部材の前記下左連結軸線および前記下右連結軸線を中心とする回動角は、当該傾斜角よりも小さい、
    請求項1から7のいずれか一項に記載の車両。
  9. 前記左前輪は、前記左ショックアブソーバよりも前記車体フレームの左右方向における右方に配置されており、
    前記右前輪は、前記右ショックアブソーバよりも前記車体フレームの左右方向における左方に配置されている、
    請求項1から8のいずれか一項に記載の車両。
  10. 前記左前輪は、前記左回転規制部よりも前記車体フレームの左右方向における右方に配置されており、
    前記右前輪は、前記右回転規制部よりも前記車体フレームの左右方向における左方に配置されている。
    請求項9に記載の車両。
  11. 前記車体フレームに対して回動軸を中心として回動可能に設けられている操舵部材と、
    前記操舵部材の回動に応じて、前記左懸架装置と前記右懸架装置を当該回動の方向に回動させるように構成されている操舵力伝達機構と、
    を備えており、
    前記操舵力伝達機構は、
    前記操舵部材の回動に応じて、中間操舵軸線を中心として回動可能である中間回動部と、
    前記車体フレームの左右方向における前記中間回動部の左方に配置されており、前記左操舵軸線を中心として回動可能に前記左懸架装置に連結されている左回動部と、
    前記車体フレームの左右方向における前記中間回動部の右方に配置されており、前記右操舵軸線を中心として回動可能に前記右懸架装置に連結されている右回動部と、
    前記中間回動部を前記左回動部および前記右回動部に連結している連結部と、
    を備えており、
    前記操舵部材が運転者から見て時計回りに最大回動角まで回動されたとき、前記左ショックアブソーバの前端と前記左回転規制部の前端の少なくとも一方は、前記車体フレームの前後方向における前記連結部の後端よりも前方に位置しており、
    前記操舵部材が運転者から見て反時計回りに最大回動角まで回動されたとき、前記右ショックアブソーバの前端と前記右回転規制部の前端の少なくとも一方は、前記車体フレームの前後方向における前記連結部の後端よりも前方に位置している、
    請求項1から10のいずれか一項に記載の車両。
  12. 前記下クロス部材の左部は、前記車体フレームの前後方向に延びる下左連結軸線を中心として回動可能となるように、前記左サイド部材の下部に支持されており、
    前記下クロス部材の右部は、前記車体フレームの前後方向に延びる下右連結軸線を中心として回動可能となるように、前記右サイド部材の下部に支持されており、
    前記下左連結軸線と前記下右連結軸線の間に位置する前記下クロス部材の下縁は、前記車体フレームが直立状態の車両を前記下左連結軸線と前記下右連結軸線に沿う方向から見て、前記下左連結軸線と前記下右連結軸線を結ぶ直線よりも前記車体フレームの上下方向における下方に位置している、
    請求項1から11のいずれか一項に記載の車両。
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