JPWO2015145479A1 - 湿式塗装ブース循環水処理剤及び処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】湿式塗装ブースにおける、水性塗料の大幅な使用増加と運転形式の複雑化や多様化によるブース循環水の深刻な悪臭や高濃度の濁質成分による障害を解決できる湿式塗装ブース処理剤及び処理方法を提供する。
【解決手段】下記一般式で表されるα−クロロベンズアルドキシム化合物を含有する湿式塗装ブース循環水の処理剤及び処理方法。
【化1】

Description

本発明は、湿式塗装ブース循環水の処理剤及び処理方法に関する。更に詳しくは、湿式塗装ブース循環水の悪臭防止及び清澄化に優れた効果を示す、特定のα−クロロベンズアルドキシム化合物を含有する湿式塗装ブース循環水の処理剤及び処理方法に関する。
従来、自動車や電気製品等の塗装法の一種として、塗料を被塗装物に噴霧するスプレー塗装法がある。スプレー塗装法では塗料品質の保持及び作業環境の保全のため、湿式塗装ブース内で塗料の噴霧が行われている。
この湿式塗装ブースは、被塗装物に塗料を噴霧するための塗装室と、塗装室の空気を吸引するためのファンを有するダクトと、吸引した空気とブース循環水とを接触させるための接触部と、ブース循環水を貯留可能なピットとが備えられている。この湿式塗装ブースでは、被塗装物に塗着しなかった未塗着塗料がファンによって空気とともにダクト内に吸引される。この際、未塗着塗料は接触部においてブース循環水と接触して捕集され、未塗着塗料を沈殿あるいは浮上させることにより分離される。こうして分離された未塗着塗料は回収され、廃棄処分される。
しかし、未塗着塗料の一部は分離されることなくブース循環水中に浮遊して循環し、配管内面等に付着してブース循環水の循環水量を低下させる。さらに、その循環水量の低下が著しい場合には、塗装作業を停止しなければならないことさえある。こうした不具合を防止するため、ブース循環水にあらかじめ塗料処理剤を添加しておき、ブース循環水内に浮遊する未塗着塗料を不粘着化するとともに固液分離を容易にすることが行われている。
このような塗料処理剤として、油性塗料に関して、例えば苛性ソーダ等のアルカリ剤、カチオン性ポリマー、無機凝集剤、メラミン−アルデヒド樹脂酸コロイド(特許文献1参照)等が挙げられる。アルカリ剤は未塗着油性塗料の表面をケン化し、不粘着化することによって、配管への未塗着油性塗料の付着を防ぐものである。また、カチオン性ポリマー、無機凝集剤及びメラミン−アルデヒド樹脂酸コロイドは、未塗着塗料の表面に付着し、不粘着化して固液分離を容易化するものである。
また、未塗着水性塗料に対しては、ポリエチレンイミンを成分として含む塗料処理剤(特許文献2参照)や、カチオン性有機化合物とアニオン性有機化合物とを含む塗料処理剤(特許文献3参照)等が用いられている。これらの塗料処理剤は、ブース循環水中に均一に分散あるいは溶解した未塗着水性塗料の固液分離を容易にするものである。
このように、従来のブース循環水の処理方法では、ブース循環水中の未塗着塗料の種類に応じた、適切な塗料処理剤を選択することにより、未塗着塗料の固液分離を容易に行うことができる。しかし、近年では、環境目標として産廃排出量削減、リサイクル推進を進める企業が増え、ブース循環水についても水入れ替え頻度の減少、長期に渡る繰り返し使用が行われ、そのため、ブース循環水の汚染度は高まり、濁質成分が濃縮する傾向にある。また、有機溶剤の環境への影響を考慮して、従来から多用されている油性塗料の他、水性塗料の使用も大幅に増加し、その結果、油性塗料単独の塗装ブース、水性塗料単独の塗装ブース、更に水性塗料と油性塗料の混合使用の塗装ブースなど、塗装ブースの運転形式は複雑で多様になってきており、それに伴い、ブース循環水に溶解もしくは分散する塗料成分や溶剤成分もますます複雑化し、かつ増加しているため、この状況に起因する新たな諸問題が発生してきた。
このような新たな問題の第一が悪臭の深刻化であり、第二が濁質成分の高濃度化である。水性塗料の使用の増加に伴って、前記の通り、ブース循環水に溶解もしくは分散する塗料成分や溶剤成分もますます複雑化し、かつ増加しているため、ブース循環水のCODは飛躍的に増加しており、油性塗料を使用していた従来の有機溶剤臭を主とする悪臭とは全く異なる複雑で深刻な様相を呈している。また、ブース循環水の濁質成分の濃縮及び増加は、チョウバエやユスリカなどの害虫の発生を促し、作業環境の悪化ならび塗装不良の増加をもたらす。さらには、水中の濁質成分が沈降すると、清掃時の産廃処理量が増加し清掃費用がかかることになる。また、高濃度の濁質成分を有するブース循環水は悪臭を生じやすく作業環境ならびに周辺環境の悪化ももたらす。
従来より、油性塗料中に含まれる有機溶剤して多量に使用されるトルエン、キシレン、酢酸エチル及びメチルイソブチルケトンなどが、ブース循環水に混入、溶解して、有機溶剤臭、アルデヒド臭、カルボン酸臭等を発生させ、その結果、作業環境の悪化を招き周辺住民からの苦情の原因にもなっていた。その対策として、殺菌剤である、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−S−トリアジンを含有する塗料処理剤(特許文献4参照)やテトラアルキルホスホニウム塩を含有する塗料処理剤(特許文献5参照)が提案されており、また、オゾンの使用(特許文献6参照)などが提案されている。
しかしながら、上記のような近年の水性塗料の大幅な使用増加と塗装ブースの運転形式の複雑化、多様化に対しては、従来の主に油性塗料を対象とした悪臭対策では効果が不十分であり、また、高濃度の濁質成分の除去についても効果的な対策が得られていない。
特公平6−2259号公報 特開昭61−74607号公報 特開昭63−42706号公報 特開平6−31281号公報 特開2007−238537号公報 特開平8−323255号公報
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであり、近年の水性塗料の大幅な使用増加と塗装ブースの運転形式の複雑化、多様化の状況において発生している悪臭の深刻化や濁質成分の高濃度化に対応できる湿式塗装ブース処理剤及び処理方法を提供することを解決すべき課題としている。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意研究の結果、特定のα−クロロベンズアルドキシム化合物が湿式塗装ブース循環水の悪臭を防止する優れた効果を有することに加えて、更に湿式塗装ブース循環水の濁質成分を除去して清澄化する効果をも有することを見出し、また、この特定のα−クロロベンズアルドキシム化合物は、油性塗料単独、水性塗料単独及び水性塗料と油性塗料の混合使用の、運転形式の異なる塗装ブースにおいても、安定して前記の効果を発揮できることも確認して本発明を完成するに至った。
α−クロロベンズアルドキシム化合物は一般的に水系の殺菌剤として用いられるため、本発明者らは、本発明で用いられる特定のα−クロロベンズアルドキシム化合物の、油性塗料単独使用条件下での悪臭防止効果は予想できたが、水性塗料単独使用条件下及び水性塗料と油性塗料の混合使用条件下でも安定した悪臭防止効果が得られ、更に、いずれの条件下においても、ブース循環水の濁質成分を除去して清澄化する効果をも発揮することは予想もできないことであった。
すなわち、本願発明は、下記一般式(1)で表されるα−クロロベンズアルドキシム化合物を含有することを特徴とする湿式塗装ブース循環水処理剤に関するものである。
Figure 2015145479
(ただし、式中、Rは水素原子または塩素原子を示し、Rは水素原子またはアセチル基を示す。)
本願発明は、前記一般式(1)で表される化合物が、α−クロロ−p−クロロベンズアルドキシムである湿式塗装ブース循環水処理剤を提供するものである。
本願発明は、下記一般式(1)で表されるα−クロロベンズアルドキシム化合物を、湿式塗装ブース循環水に添加することを特徴とする湿式塗装ブース循環水処理方法に感するものである。
Figure 2015145479
(ただし、式中、Rは水素原子または塩素原子を示し、Rは水素原子またはアセチル基を示す。)
本願発明は、前記一般式(1)で表されるα−クロロベンズアルドキシム化合物を、湿式塗装ブース循環水中の濃度が、0.1〜100mg/Lとなるように添加することを特徴とする湿式塗装ブース循環水処理方法を提供するものである。
本願発明は、また、前記一般式(1)で表されるα−クロロベンズアルドキシム化合物が、α−クロロ−p−クロロベンズアルドキシムである湿式塗装ブース循環水処理方法を提供するものである。
本発明の湿式塗装ブース循環水処理剤及び処理方法の適用によって、使用する塗料の種類に関係なく、ブース循環水の悪臭防止と清澄化の優れた効果を得ることができる。
実施例及び比較例に用いた試験用湿式塗装ブースの模式図である。
本発明の湿式塗装ブース循環水処理剤及び処理方法が処理対象とする湿式塗装ブースの形式には特に制限はなく、ウォーターカーテン式、ベンチュリー式、ノーポンプ式及びこれらの形式の変形形式、並びにこれらの形式の塗装ブースに各種付帯設備を接続した塗装ブースも含まれる。
本発明の湿式塗装ブース循環水処理剤及び処理方法において、処理の対象となる油性塗料は、特に限定はなく、例えばエポキシ樹脂塗料、ポリエステル樹脂塗料、ウレタン樹脂塗料、アルキド樹脂塗料、アミノ樹脂塗料、ビニル樹脂塗料、アクリル樹脂塗料、フェノール樹脂塗料、セルロース誘導体塗料、酒精塗料等が挙げられる。また、処理の対象となる水性塗料も、特に限定はなく、例えば水性アルキッド樹脂塗料、水性ポリエステル樹脂塗料、水性アクリル樹脂塗料、水性ポリウレタン樹脂塗料等が挙げられる。
本発明の湿式塗装ブース循環水処理剤及び処理方法が処理対象とする湿式塗装ブースでの塗料の使用形態には特に制限はなく、油性塗料単独使用、水性塗料単独使用及び水性塗料と油性塗料の混合使用のいずれの使用形態のブースであっても適用できる。
本発明の湿式塗装ブース循環水処理剤及び処理方法に用いられる特定のα−クロロベンズアルドキシム化合物としては、例えば、α−クロロベンズアルドキシム、α−クロロ−p−クロロベンズアルドキシム、α−クロロ−ベンズアルドキシムアセテート、及びα−クロロ−p−クロロベンズアルドキシムアセテート等が挙げられ、中でもα−クロロ−p−クロロベンズアルドキシムが清澄化効果の点で好適である。
本発明の湿式塗装ブース循環水処理剤は、有効成分である特定のα−クロロベンズアルドキシム化合物が水に難溶性であるため、親水性溶媒に溶解して調製する溶液の形態、又は微粒子にして水に分散させて調製する分散剤の形態となる。親水性溶媒としては、メタノール、エタノールなどのアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類、メチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類、炭素数8までのアルコール類もしくはメチルアセテート、エチルアセテート、3−メトキシジブチルアセテート、2−エトキシメチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、プロピレンカーボネート等のエステル類、ジメチルホルムアミド等のアミド類が挙げられる。
分散剤の形態では、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤又は両性界面活性剤を用いて、有効成分である特定のα−クロロベンズアルドキシム化合物を水に分散させる。なかでも、ノニオン性界面活性剤が好ましく、高級アルコールのエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸のエチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドのエチレンオキサイド付加物、グリセリンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトール及びソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルキロールアミド等が挙げられる。
湿式塗装ブースにおける本発明の湿式塗装ブース循環水処理剤の添加場所は特に限定されないが、処理剤がブース循環水中に混合され易い箇所であれば良く、循環ポンプの手前等が好ましい。また、添加方法についても特に限定はないが、定量ポンプで連続的に添加したり、間欠的に添加したりするなど適宜選択することができる。
本発明の湿式塗装ブース循環水処理剤の添加量は、処理対象の塗装ブースの形式、使用塗料、運転条件等によって異なるが、通常、ブース循環水に対して、特定のα−クロロベンズアルドキシム化合物の濃度として0.1〜100mg/Lであり、好ましくは1〜20mg/Lである。0.1mg/Lより少ない場合は十分な悪臭防止及び清澄化効果が得られない場合があり、また、100mg/Lより多い場合は、得られる効果は十分であるが、処理剤の添加量の増加に見合う効果の向上が得られない場合があり、経済的見地から好ましくない。
本発明の湿式塗装ブース循環水処理剤には、本発明の効果を損なわない範囲で公知の他の成分を含むこともできる。公知の他の成分としては、製剤の安定性に寄与する粘度調整剤、消泡剤や殺菌剤などが挙げられる。
本発明の湿式塗装ブース循環水処理方法は、特定のα−クロロベンズアルドキシム化合物を、湿式塗装ブース循環水に添加することを特徴とする湿式塗装ブース循環水処理方法であり、その添加方法は前記の特定のα−クロロベンズアルドキシム化合物を含有する塗装ブース循環水処理剤を用いても良いし、特定のα−クロロベンズアルドキシム化合物を、直接、湿式塗装ブース循環水に添加しても良いが、ブース循環水へのα−クロロベンズアルドキシム化合物の分散性を考慮すると、前記の塗装ブース循環水処理剤を使用することが好ましい。
前記の塗装ブース循環水処理剤を使用する場合の添加箇所、添加方法及び添加濃度については前記のとおりであり、特定のα−クロロベンズアルドキシム化合物を、直接、湿式塗装ブース循環水に添加する場合も同様である。
本発明の湿式塗装ブース循環水処理方法においては、従来から湿式塗装ブースの処理剤として使用されている、塗料不粘着化剤、カチオン凝結剤、凝集剤等の公知の塗料処理剤や公知の消泡剤や殺菌剤等を併用できる。
塗料不粘着化剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、亜鉛酸ナトリウム、アルミナゾル、シリカゾル、アルミン酸ナトリウム、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化第二鉄、ポリ硫酸第二鉄、メラミン−ホルムアルデヒド縮合物、フェノール−ホルムアルデヒド縮合物、ベントナイト、セピオライト、高級アルコールもしくはその誘導体、高級脂肪酸もしくはその誘導体、ポリエチレンワックスもしくはその誘導体、パラフィンワックスもしくはその誘導体、ポリスチレンもしくはその誘導体、ポリビニルアルコールもしくはその誘導体、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体等が挙げられる。中でも、アルミナゾル、アルミン酸ナトリウム、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、メラミン−ホルムアルデヒド縮合物、フェノール−ホルムアルデヒド縮合物、高級脂肪酸もしくはその誘導体、ポリエチレンワックスもしくはその誘導体が、不粘着化効果ならびに清澄化効果を補う効果の上で好ましい。
カチオン凝結剤としては、例えば(メタ)アクリル酸エステル(炭素数1〜4のアルコールのエステル)・(メタ)アクリルアミノエチルトリメチルアンモニウム共重合体、(メタ)アクリルアミド・(メタ)アクリルアミノエチルトリメチルアンモニウム共重合体、(メタ)アクリルアミノジアルキル(炭素数1〜4のアルキル基)・(メタ)アクリルアミノエチルトリメチルアンモニウム共重合体、ポリ(メタ)アクリルアミノエチルトリメチルアンモニウム等の(メタ)アクリルアミノエチルトリメチルアンモニウム共重合体;ジシアンジアミド−ホルムアルデヒド縮合物、ジシアンジアミド−ジエチレントリアミン縮合物等のジシアンジアミド系縮合物;ジメチルアミン−エピクロロヒドリン縮合物、ジエチルアミン−エピクロロヒドリン縮合物、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン−アンモニア縮合物、ジエチルアミン−エピクロルヒドリン−アンモニア縮合物等のジアルキルアミン−エピハロヒドリン縮合物;ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−二酸化硫黄共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−(メタ)アクリルアミド共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−(メタ)アクリル酸共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリルアミド共重合体等のジアリルジメチルアンモニウムクロライド共重合体;ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン等のポリアルキルアミンが挙げられる。
これらの中でも、ポリアクリルアミノエチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジシアンジアミド−ホルムアルデヒド縮合物、ジシアンジアミド−ジエチレントリアミン縮合物、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン縮合物、ジメチルアミン−エピクロルヒドリン−アンモニア縮合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−二酸化硫黄共重合体、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミンは、カチオン強度が高いために好適である。
カチオン凝結剤の分子量は、本発明に特に制限を加えるものでないが、2,000〜500,000の範囲が好ましい。分子量がこの範囲であれば、特に水性塗料の凝結効果に優れているからである。
凝集剤は、水溶性のアニオン系、カチオン系及び非イオン系高分子で、分子量が1,500,000〜20,000,000、好ましくは2,000,000〜15,000,000の水溶性高分子である。凝集剤は、塗料不粘着化剤及び/またはカチオン凝結剤によって、凝結・不粘着化させて固液分離した塗料粒子を架橋して粗大化し、回収をさらに容易にする効果を奏する。
凝集剤としては、例えばポリアクリルアミド、アクリルアミド−アクリル酸共重合体、アクリルアミド−アクリルアミノエチルトリメチルアンモニウムクロライド共重合体、アクリルアミド−メタクリルアミノエチルトリメチルアンモニウムクロライド共重合体、アクリルアミド−[2−(アクリロイルオキシ)エチル]ベンジルジメチルアンモニウムクロライド・[2−(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウム共重合体、アクリルアミド−ビニルスルフォン酸共重合体及びその塩、ポリビニルイミダゾリン、ポリエチレンオキシド等が挙げられる。
これらの中でも、ポリアクリルアミド、アクリルアミド−アクリル酸共重合体、アクリルアミド−アクリルアミノエチルトリメチルアンモニウムクロライド共重合体、アクリルアミド−メタクリルアミノエチルトリメチルアンモニウムクロライド共重合体、アクリルアミド−[2−(アクリロイルオキシ)エチル]ベンジルジメチルアンモニウムクロライド・[2−(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウム共重合体が好適である。
塗料不粘着化剤や凝集剤は、油性塗料単独使用、水性塗料単独使用及び水性塗料と油性塗料の混合使用のいずれの使用形態のブースにおいても使用でき、対象ブースの運転状況や設備状況に合わせて、適宜、薬剤の種類と組み合わせ、添加方法や添加量を選択できる。カチオン凝結剤は、主に水性塗料単独使用や水性塗料と油性塗料の混合使用の形態のブースにおいて使用され、カチオン凝結剤の添加量をブース循環水中の電荷量によって管理することも好ましい。ブース循環水中の電荷量はカチオン凝結剤の添加量によって大きく変化し、ブース循環水中の電荷量が−200〜+200μeq/Lとなるように添加すれば、塗料粒子が水中か分離しやすく、回収が極めて容易となる。
カチオン凝結剤の添加量をブース循環水中の電荷量によって管理する場合、コロイド滴定法、粒子電荷測定法(PCD法)、電気泳動法等の方法で測定することができ、これらの方法は公知であるのでその詳細な記載は省略する。
湿式塗装ブース循環水で使用する消泡剤や殺菌剤は、各種工業の工程水や排水等の水系で使用される一般的な公知の消泡剤や殺菌剤を適用できる。
本発明の湿式塗装ブース循環水処理方法において、前記の塗料処理剤、消泡剤、殺菌剤等は、本発明の特定のα−クロロベンズアルドキシム化合物の適用に係わらず、従来からの適用方法を用いることができる。
以下に本発明を具体化した実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、また、特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
(試験に用いる装置)
実施例及び比較例には、図1に示す試験用湿式塗装ブースを用いた。このブースは一般的な大型湿式塗装ブースを模しており、塗装室1と循環水ピット2と濃縮回収槽3を備える。塗装室1では塗料4が噴霧され、未塗着塗料は接触部5にて塗装室1に供給されたブース循環水6と接触して捕集され、循環水ピット2に流下する。尚、この試験用湿式塗装ブースでは、被塗装物は無く、噴霧された塗料は、全量、未塗着塗料となる。接触部5にてブース循環水6に捕集された未塗着塗料は循環水ピット2でスラッジ状に浮上分離し、ブース循環水と共に濃縮回収槽送りポンプ7で吸引されて濃縮回収槽3に送られる。濃縮回収槽3では加圧浮上作用により未塗着塗料のスラッジが濃縮され、濃縮スラッジ8は回収されて系外に搬出される。一方、濃縮回収槽3においてスラッジと分離した処理水9は循環水ピット2に戻る。循環水ピット2に貯留されたブース循環水は、循環ポンプ10によってブース循環水6として塗装室に送出される。11、12、13は実施例及び比較例における薬剤の添加箇所であり、添加箇所11では本発明の処理剤やカチオン凝結剤が添加され、添加箇所12では塗料不粘着化剤が添加され、添加箇所13では凝集剤が添加される。この試験用湿式塗装ブースの保有水量は500Lであり、循環ポンプ10によるブース循環水の循環水量は100L/分、濃縮回収槽送りポンプ7による濃縮回収槽3への送水量は30L/分の運転条件で、全ての実施例、比較例の試験を行った。
(実施例及び比較例に使用した薬剤)
(A)本発明の処理剤及び従来公知の悪臭防止剤
A−1:α−クロロ−p−クロロベンズアルドキシム2重量部をジエチレングリコール
98重量部に溶解して調製した薬剤(本発明の処理剤)
A−2:α−クロロベンズアルドキシム2重量部をジエチレングリコール98重量部に
溶解して調製した薬剤(本発明の処理剤)
A−3:α−クロロベンズアルドキシムアセテート2重量部をジエチレングリコール
98重量部に溶解して調製した薬剤(本発明の処理剤)
A−4:ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−S−トリアジン
2重量部と水酸化ナトリウム5重量部を純水93重量部に溶解して調製した薬剤
(従来公知の悪臭防止剤)
A−5:トリ−n−ブチル−n−ヘキサデシルホスホニウムクロライド2重量部を純水
98重量部に溶解して調製した薬剤(従来公知の悪臭防止剤)
(B)塗料不粘着化剤
B−1:メラミン−ホルムアルデヒド縮合物〔伯東(株)製「ハクトロンS−830」〕
B−2:ポリ塩化アルミニウム液(有効成分:Alとして10〜11%含有)
B−3:硫酸アルミニウム液(有効成分:Alとして8%含有)
B−4:アルミナゾル〔伯東(株)製「ハクトロンS−600」〕
B−5:ポリエチレンワックス乳化物〔明成化学工業(株)製「メイカテックスPEC−
270」〕
(C)カチオン凝結剤
C−1:ジメチルアミン−エピクロルヒドリン縮合物〔長瀬産業(株)製「ワイステック
スT−101−50」〕
C−2:ポリエチレンイミン〔日本触媒(株)製「エポミンP−1000」〕
C−3:ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体〔センカ
(株)製「センカフロックDC−7513」〕
(D)凝集剤
D−1:アクリルアミド−アクリルアミノエチルトリメチルアンモニウムクロライド共重
合体〔MTアクアポリマー(株)製「アロンフロック3390」〕
D−2:アクリルアミド−アクリル酸共重合体〔MTアクアポリマー(株)製「アコフロ
ック2360」〕
1.実機ブース循環水の悪臭防止及び清澄化試験
(実施例1)
某自動車工場の、水性塗料と油性塗料の混合使用湿式塗装ブースの循環水を使用した。この塗装ブースでは、水性塗料の自動車用水性上塗り塗料(日本ペイント(株)製)と、油性塗料の自動車用溶剤クリア塗料(関西ペイント(株)製)を使用しており、そのブース循環水は半年間入れ替えを行っておらず、強烈な悪臭と高濃度の濁質を有していた。このブース循環水500Lを図1に示す試験用湿式塗装ブースの循環水ピット2に投入し、循環ポンプ10によって100L/分でブース循環水を循環させ、また、濃縮回収槽送りポンプ7によって濃縮回収槽3へ30L/分で送水し、濃縮回収槽3で加圧浮上作用により循環水中の濁質を濃縮し、濃縮スラッジ8を回収して系外に搬出する。この系に、本発明の処理剤として、A−1を、1日に1回、ブース循環水に対して、有効成分として10mg/Lになるように、添加箇所11から添加した。本試験では塗料は噴霧せず、また、本発明の処理剤以外の薬剤も添加しなかった。試験中の揮発や飛散及びスラッジに同伴して系外に除去される水分については、循環水ピット2の水位を維持するように清水を補充した。試験用湿式塗装ブースを3日間継続運転した後、ブース循環水を採取し、濁度を測定するとともに、臭気の官能評価を行い、6段階臭気強度表示法にて臭気強度を判定した。
(比較例1)
比較例1では、添加する薬剤を、A−1に代えて、A−4を、1日に1回、有効成分としてブース循環水に対して10mg/Lになるように、添加箇所11から添加した以外は、実施例1と同様に試験を行った。
(比較例2)
比較例2では、添加する薬剤を、A−1に代えて、A−5を、1日に1回、有効成分としてブース循環水に対して10mg/Lになるように、添加箇所11から添加した以外は、実施例1と同様に試験を行った。
(比較例3)
比較例3では、本発明の処理剤を添加せず、また、他の薬剤も添加せず、実施例1と同様に試験を行った。即ち、無処理の例である。
実施例1、比較例1〜3の試験終了後のブース循環水の濁度測定結果と臭気強度の判定結果を表1に示した。
Figure 2015145479
(*)臭気強度の官能評価は表2に従った。
Figure 2015145479
表1の結果より、本発明の、特定のα−クロロベンズアルドキシム化合物を含有する湿式塗装ブース循環水処理剤は、従来公知の悪臭防止剤に比べて、悪臭防止効果も優れているが、特に従来公知の悪臭防止剤では得られない、顕著なブース循環水の清澄化効果を示すことが明らかになった。
2.ブース循環水の処理試験(1)(水性塗料、油性塗料混合条件)
(実施例2)
図1に示す試験用湿式塗装ブースの循環水ピット2に清水500Lを投入し、循環ポンプ10によって100L/分でブース循環水を循環させ、また、濃縮回収槽送りポンプ7によって濃縮回収槽3へ30L/分で送水し、濃縮回収槽3で加圧浮上作用により循環水中の濁質を濃縮し、濃縮スラッジ8を回収して系外に搬出する。この系に、表3の実施例2に示す添加薬剤を表3の実施例2に示す添加量で添加しながら、塗装室1内で、ブース循環水に向けて水性塗料と油性塗料とを各5g/分で連続して1日5時間噴霧した。水性塗料としては、自動車用水性上塗り塗料(日本ペイント(株)製)を用い、油性塗料としては、自動車用溶剤クリア塗料(日本ペイント(株)製)を用いた。ここで、本発明の処理剤である、添加薬剤A−1は、1日に1回、ブース循環水に対して、有効成分として10mg/Lになるように、添加箇所11から添加した。また、添加薬剤B−1は、塗装ブースで噴霧された総塗料(=水性塗料+油性塗料)重量に対して、有効成分として1重量%を、噴霧の間、添加箇所12から添加した。添加薬剤C−1は、塗装ブースで噴霧された水性塗料重量に対して、有効成分として1重量%を、噴霧の間、添加箇所11から添加した。添加薬剤D−1は、塗装ブースで噴霧された総塗料(=水性塗料+油性塗料)重量に対して、有効成分として0.3重量%を、噴霧の間、添加箇所13から添加した。尚、塗料を噴霧している間、ブース循環水の電荷を測定し、電荷が−200〜+200(μeq/L−ブース循環水)になるようにカチオン凝結剤を添加したが、この添加量は、予備試験によって、ブース循環水の電荷が所定の電荷範囲に入るカチオン凝結剤の添加量を予め確認し、表3に示すカチオン凝結剤の添加量を決めている。ブース循環水の電荷はコロイド滴定により測定した。試験中の揮発や飛散及びスラッジに同伴して系外に除去される水分については、循環水ピット2の水位を維持するように清水を補充した。試験用湿式塗装ブースを14日間継続運転した後、ブース循環水を採取し、濁度を測定するとともに、臭気の官能評価を行い、6段階臭気強度表示法にて臭気強度を判定した。
(実施例3〜13、比較例4〜6)
実施例3〜13、比較例4〜6では、表3の各実施例及び各比較例に示す添加薬剤を表3の各実施例及び各比較例に示す添加量で添加した以外は、実施例2と同様にブース循環水の処理試験(1)を行って、試験結果を得た。
(比較例7)
比較例7では、薬剤を添加せずに、ブース循環水の処理試験(1)を行って、試験結果を得た。即ち、無処理の例である。
実施例2〜13、比較例4〜7の試験終了後のブース循環水の濁度測定結果と臭気強度の判定結果、及び試験中のブース循環水の電荷の平均値を表3に示した。
Figure 2015145479
(1)添加量:添加薬剤Aは、mg/L対循環水保有水量、薬剤BとDは重量%対総塗料重量、薬剤Cは重量%対水性塗料重量を示す。
(2)臭気強度の官能評価は表2に従った。
表3に示すように、本発明の処理剤と、塗料不粘着化剤及び/またはカチオン凝結剤及び/または凝集剤を添加して、ブース循環水の電荷が−200〜+200(μeq/L−ブース循環水)になるようにカチオン凝結剤の添加量を調節した実施例2〜13では、濁度が110度以下、臭気強度が2以下の優れた効果を示した。
一方、比較例4は、本発明の処理剤を添加せず、塗料不粘着化剤、カチオン凝結剤及び凝集剤を添加して、ブース循環水の電荷を適正範囲に調節したものであるが、濁度が285度と高いうえ、臭気強度も3〜4と高く、ブース循環水の清澄性が十分でなく、臭いことが判る。また、比較例5あるいは比較例6は、従来公知の悪臭防止剤と、塗料不粘着化剤、カチオン凝結剤及び凝集剤を添加して、ブース循環水の電荷を適正範囲に調節したものであるが、濁度が282〜310度と高いうえ、臭気強度も3〜4と高く、ブース循環水の清澄性が十分でなく、臭いことが判る。
以上の実施例2〜13と比較例4〜7の結果比較から、本発明の、湿式塗装ブース循環水に対する優れた清澄化効果及び悪臭防止効果が明確に示された。
3.ブース循環水の処理試験(2)(油性塗料単独条件)
(実施例14〜18、比較例8〜10)
実施例14〜18、比較例8〜10では、噴霧する塗料とその噴霧量を「水性塗料と油性塗料とを各5g/分」から「油性塗料を10g/分」に変更し、かつ、表4の各実施例及び各比較例に示す添加薬剤を表4の各実施例及び各比較例に示す添加量で添加した以外は、実施例2と同様に試験を行って、ブース循環水の処理試験(2)の試験結果を得た。表4に示すカチオン凝結剤の添加量を決め方も実施例2に準じた。油性塗料としては、自動車用溶剤中塗り塗料(関西ペイント(株)製)を用いた。
(比較例11)
比較例11では、薬剤を添加せずに、ブース循環水の処理試験(2)を行って、試験結果を得た。即ち、無処理の例である。
実施例14〜18、比較例8〜11の試験終了後のブース循環水の濁度測定結果と臭気強度の判定結果、及び試験中のブース循環水の電荷の平均値を表4に示した。
Figure 2015145479
(1)添加量:添加薬剤Aは、mg/L対循環水保有水量、薬剤BとDは重量%対総塗料重量、薬剤Cは重量%対水性塗料重量を示す。
(2)臭気強度の官能評価は表2に従った。
表4に示すように、本発明の実施例14〜18では、濁度が60度以下、臭気強度が2以下の優れた効果を示した。一方、本発明の処理剤を添加しない比較例8〜10では、濁度が180度以上、臭気強度が3であり、ブース循環水の清澄性が十分でなく、臭いことが判る。以上の実施例14〜18と比較例8〜11の結果比較から、本発明の、湿式塗装ブース循環水に対する優れた清澄化効果及び悪臭防止効果が明確に示された。
4.ブース循環水の処理試験(3)(水性塗料単独条件)
(実施例19〜22、比較例12〜14)
実施例19〜22、比較例12〜14では、噴霧する塗料とその噴霧量を「水性塗料と油性塗料とを各5g/分」から「水性塗料を10g/分」に変更し、かつ、表5の各実施例及び各比較例に示す添加薬剤を表5の各実施例及び各比較例に示す添加量で添加した以外は、実施例2と同様に試験を行って、ブース循環水の処理試験(3)の試験結果を得た。表5に示すカチオン凝結剤の添加量を決め方も実施例2に準じた。水性塗料としては、自動車用水性上塗り塗料(関西ペイント(株)製)を用いた。
(比較例15)
比較例15では、薬剤を添加せずに、ブース循環水の処理試験(3)を行って、試験結果を得た。即ち、無処理の例である。
実施例19〜22、比較例12〜15の試験終了後のブース循環水の濁度測定結果と臭気強度の判定結果、及び試験中のブース循環水の電荷の平均値を表5に示した。
Figure 2015145479
(1)添加量:添加薬剤Aは、mg/L対循環水保有水量、薬剤BとDは重量%対総塗料重量、薬剤Cは重量%対水性塗料重量を示す。
(2)臭気強度の官能評価は表2に従った。
表5に示すように、本発明の実施例19〜22では、濁度が40度以下、臭気強度が1以下の優れた効果を示した。一方、本発明の処理剤を添加しない比較例12〜14では、濁度が230度以上、臭気強度が3〜4であり、ブース循環水の清澄性が十分でなく、臭いことが判る。以上の実施例19〜22と比較例12〜15の結果比較から、本発明の、湿式塗装ブース循環水に対する優れた清澄化効果及び悪臭防止効果が明確に示された。
本発明は、特に水性塗料の使用によりブース循環水の悪臭や濁質問題が深刻化している湿式塗装ブースに適用して、優れた悪臭防止効果と清澄化効果を得ることができる。
1.塗装室
2.循環水ピット
3.濃縮回収槽
4.塗料
5.接触部
6.ブース循環水
7.濃縮回収槽送りポンプ
8.濃縮スラッジ
9.処理水
10.循環ポンプ
11.12.13.薬剤添加箇所
すなわち、本願発明は、下記一般式(1)で表されるα−クロロベンズアルドキシム化合物を含有することを特徴とする湿式塗装ブース循環水処理剤に関するものである。
Figure 2015145479
(ただし、式中、Rは水素原子または塩素原子を示し、Rは水素原子またはアセチル基を示す。)
本願発明は、下記一般式(1)で表されるα−クロロベンズアルドキシム化合物を、湿式塗装ブース循環水に添加することを特徴とする湿式塗装ブース循環水処理方法にするものである。
Figure 2015145479
(ただし、式中、Rは水素原子または塩素原子を示し、Rは水素原子またはアセチル基を示す。)

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表されるα−クロロベンズアルドキシム化合物を含有することを特徴とする湿式塗装ブース循環水処理剤。
    Figure 2015145479
    (ただし、式中、Rは水素原子または塩素原子を示し、Rは水素原子またはアセチル基を示す。)
  2. 前記一般式(1)で表される化合物が、α−クロロ−p−クロロベンズアルドキシムである請求項1記載の湿式塗装ブース循環水処理剤。
  3. 下記一般式(1)で表されるα−クロロベンズアルドキシム化合物を、湿式塗装ブース循環水に添加することを特徴とする湿式塗装ブース循環水処理方法。
    Figure 2015145479
    (ただし、式中、Rは水素原子または塩素原子を示し、Rは水素原子またはアセチル基を示す。)
  4. 前記一般式(1)で表されるα−クロロベンズアルドキシム化合物を、湿式塗装ブース循環水中の濃度が、0.1〜100mg/Lとなるように添加することを特徴とする請求項3記載の湿式塗装ブース循環水処理方法。
  5. 前記一般式(1)で表されるα−クロロベンズアルドキシム化合物が、α−クロロ−p−クロロベンズアルドキシムである請求項3又は4に記載の湿式塗装ブース循環水処理方法。
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