JPWO2015125908A1 - 投映像表示用部材および投映像表示用部材を含む投映システム - Google Patents

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Abstract

本発明により、コレステリック液晶相を固定した層を少なくとも3層含み、上記の3層のコレステリック液晶相を固定した層は互いに異なる選択反射の中心波長を示し、かつ、コレステリック液晶の螺旋の捩れ方向が右である層と左である層とを含む投映像表示用部材、ならびに直線偏光を投射するプロジェクターと直線偏光を円偏光に変換する波長板と上記投映像表示用部材とを含む投映システムが提供される。本発明の投映像表示用部材を含む投映システムにおいては、明るい環境下でも高品質な画像を与えることが可能である。

Description

本発明は、投映像表示用部材および投映像表示用部材を含む投映システムに関する。
プロジェクターとして投射光が偏光を含むものが数多く市販されている。このようなプロジェクターと組み合わせて用いる投映スクリーンとして、特定の偏光状態の光のみを選択的に反射する投映スクリーンが提案されており、投映光と外光とを区別して反射し、明るい環境下でも高品質の投映像を与えることを可能としている(例えば、特許文献1および特許文献2)。
特許文献2に記載のように投映スクリーンとしてコレステリック液晶相を固定した層を用いる場合、直線偏光を反射させて得られる円偏光の光量は理論上半分に低下するため、効率的な光反射のために、プロジェクターから投射される直線偏光は1/4波長位相差板等によりコレステリック液晶相を固定した層において反射される円偏光に変換して照射することができる。しかし、上記のプロジェクターの多くは、投映する光における、赤、緑、青の光の波長帯域での偏光方向が均一ではないことが知られており(特許文献3)、投射光を1/4波長位相差板により変換して得られる円偏光は赤、緑、青の光の波長帯域によって円偏光のセンスが揃わないことになる(特許文献4)。
特開昭62−266980号公報 特開平5−107660号公報 特開2000−221449号公報 特開2006−208786号公報
本発明の課題は、高品質な画像を与えることが可能である投映像表示用部材を提供することであり、例えば、明るい環境下でも高品質な画像を与えることが可能である投映像表示用部材を提供することである。本発明はまた、投映像表示用部材を含む投映システムを提供することを課題とする。
本発明者は上記課題の解決のため、鋭意検討し、プロジェクターからの投射光の偏光特性に合わせてコレステリック液晶相から形成される層の設計を行うことによりこの問題が解決することに着目して、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は下記の[1]〜[10]を提供するものである。
[1]コレステリック液晶相を固定した層を少なくとも3層含み、
上記3層のコレステリック液晶相を固定した層は互いに異なる選択反射の中心波長を示し、
上記3層のコレステリック液晶相を固定した層はコレステリック液晶の螺旋の捩れ方向が右である層と左である層とを含む
投映像表示用部材。
[2]750―620nmに選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶相を固定した層、630―500nmに選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶相を固定した層、および530―420nmに選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶相を固定した層を含み、上記3層の選択反射の中心波長は互いに50nm以上異なっている[1]に記載の投映像表示用部材。
[3]630―500nmに選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶相を固定した層と他の2層とのコレステリック液晶の螺旋の捩れ方向が逆である[2]に記載の投映像表示用部材。
[4]反射部材である[1]〜[3]のいずれか一項に記載の投映像表示用部材。
[5]いずれか一方の面から測定した波長550nmでのヘイズ値が2.0以上である[1]〜[4]のいずれか一項に記載の投映像表示用部材。
[6]上記投映像表示用部材表面に投映像を実像として表示するスクリーンである[1]〜[5]のいずれか一項に記載の投映像表示用部材。
[7]可視光透過性を有するハーフミラーである[1]〜[4]のいずれか一項に記載の投映像表示用部材。
[8]ヘッドアップディスプレイのコンバイナとして使用される[7]に記載の投映像表示用部材。
[9]直線偏光を投射するプロジェクターと直線偏光を円偏光に変換する波長板と[1]〜[8]のいずれか一項に記載の投映像表示用部材とを含む、投映システム。
[10]直線偏光を円偏光に変換する波長板がλ/4波長位相差板である[9]に記載の投映システム。
本発明により、高品質な画像を与えることが可能である投映像表示用部材が提供される。本発明では、特に、直線偏光を投射するプロジェクターと組み合わせて用いるための投映像表示用部材として、高品質な画像を与えることが可能である投映像表示用部材が提供される。本発明の投映像表示用部材は、投映スクリーン、またはヘッドアップディスプレイのコンバイナ等としての利用に適している。
実施例で用いた投映システムにおける、プロジェクター、1/4波長位相差板、リアプロスクリーン、および投映像表示用部材の配置を示す図である。 実施例で用いた投映システムにおける、プロジェクター、1/4波長位相差板、投映像表示用部材の配置を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。また、本明細書において、角度(例えば「90°」等の角度)、およびその関係(例えば「直交」、「平行」、および「45°で交差」等)については、本発明が属する技術分野において許容される誤差の範囲を含むものとする。例えば、厳密な角度±10°未満の範囲内であることを意味し、厳密な角度との誤差は、5°以下であることが好ましく、3°以下であることがより好ましい。
本明細書において、円偏光につき「選択的」というときは、照射される光の右円偏光成分または左円偏光成分のいずれかの光量が、他方の円偏光成分よりも多いことを意味する。具体的には「選択的」というとき、光の円偏光度は、0.3以上であることが好ましく、0.6以上がより好ましく、0.8以上がさらに好ましい。実質的に1.0であることがさらに好ましい。 ここで、円偏光度とは、光の右円偏光成分の強度をIR、左円偏光成分の強度をILとしたとき、|IR−IL|/(IR+IL)で表される値である。光の円偏光成分の比を表すため、本明細書においては、円偏光度を用いることがある。
本明細書において、円偏光につき「センス」というときは、右円偏光であるか、または左円偏光であるかを意味する。円偏光のセンスは、光が手前に向かって進んでくるように眺めた場合に電場ベクトルの先端が時間の増加に従って時計回りに回る場合が右円偏光であり、反時計回りに回る場合が左円偏光であるとして定義される。
本明細書においては、コレステリック液晶の螺旋の捩れ方向について「センス」との用語を用いることもある。コレステリック液晶による選択反射は、コレステリック液晶の螺旋の捩れ方向(センス)が右の場合は右円偏光を反射し、左円偏光を透過し、センスが左の場合は左円偏光を反射し、右円偏光を透過する。
本明細書において、「光」という場合、特に断らない限り、可視光(自然光)を意味する。可視光線は電磁波のうち、ヒトの目で見える波長の光であり、通常、380nm〜780nmの波長域の光を示す。
本明細書において、光透過率の算出に関連して必要である光強度の測定は、例えば通常の可視スペクトルメータを用いて、リファレンスを空気として、測定したものであればよい。
本明細書において、単に「反射光」または「透過光」というときは、散乱光および回折光を含む意味で用いられる。
なお、光の各波長の偏光状態は、円偏光板を装着した分光放射輝度計またはスペクトルメータを用いて測定することができる。この場合、右円偏光板を通して測定した光の強度がIR、左円偏光板を通して測定した光の強度がILに相当する。また、白熱電球、水銀灯、蛍光灯、LED等の通常光源は、ほぼ自然光を発しているが、これらに装着された投映像表示用部材などの測定対象物の偏光を作り出す特性は、例えば、AXOMETRICS社製の偏光位相差解析装置AxoScanなどを用いて測定することができる。
また、偏光状態は照度計や光スペクトルメータに測定対象物を取り付けても測定することができる。右円偏光透過板をつけ、右円偏光量を測定、左円偏光透過板をつけ、左円偏光量を測定することにより、比率を測定できる。
<投映像表示用部材>
本明細書において、投映像表示用部材とは、反射光または透過光で投映像を表示することができるものであればよく、プロジェクター等から投映された投映像を視認可能に表示することができるものであればよい。投映像表示用部材は、反射部材であればよい。投映像表示用部材の例としては、投映スクリーン、投映像表示用ハーフミラーなどが挙げられる。
(投映像表示用部材の構成)
本発明の投映像表示用部材はコレステリック液晶相を固定した層を少なくとも3層含む。
本明細書においては、コレステリック液晶相を固定した層をコレステリック液晶層または液晶層ということがある。
投映像表示用部材は、コレステリック液晶層の他に後述の反射防止層、配向層、支持体、接着層、基材などの層を含んでいてもよい。
投映像表示用部材が実像として表面に投映像を表示する投映スクリーンである場合は、光を反射または吸収する光遮断層を含んでいてもよい。また、さらに、反射防止層やハードコート層を観察側最表面となる表面側に含んでいてもよい。投映像表示用部材が観察者から見て投映像表示用部材の先に浮かび上がって見える虚像として投映像を表示するハーフミラーである場合は、光を反射または吸収する光遮断層を含まないことが好ましい。周囲風景の視認や投映像表示用部材の反対側の情報の視認のための高い透明性(60%以上、好ましくは70%以上の可視光透過性)を得るためである。
投映像表示用部材は薄膜のフィルム状、シート状、または板状などであればよい。投映像表示用部材は、曲面を有していない平面状であってもよいが、曲面を有していてもよく、全体として凹型または凸型の形状を有し、投映像を拡大または縮小して表示するものであってもよい。また、他の部材に接着して、上記の形状となるものであってもよく、接着前は、薄膜のフィルムとしてロール状等になっていてもよい。
(コレステリック液晶相を固定した層:コレステリック液晶層)
コレステリック液晶層は選択反射帯(選択反射波長域)において、右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に反射させ、他方のセンスの円偏光を透過させる円偏光選択反射層として機能する。すなわち、反射される円偏光のセンスは、透過される円偏光のセンスが右であれば左であり、透過される円偏光のセンスが左であれば右である。コレステリック液晶層の上記の機能により、投射光のうち選択反射を示す波長において、いずれか一方のセンスの円偏光を反射させて、投映像を形成することができる。
円偏光選択反射性を示すフィルムとして、重合性液晶化合物を含む組成物から形成されたフィルムは従来から数多く知られており、コレステリック液晶相を固定した層(コレステリック液晶層)については、それらの従来技術を参照することができる。
コレステリック液晶層は、コレステリック液晶相となっている液晶化合物の配向が保持されている層であればよく、典型的には、重合性液晶化合物をコレステリック液晶相の配向状態としたうえで、紫外線照射、加熱等によって重合、硬化し、流動性が無い層を形成して、同時に、また外場や外力によって配向形態に変化を生じさせることない状態に変化した層であればよい。なお、コレステリック液晶層においては、コレステリック液晶相の光学的性質が層中において保持されていれば十分であり、この層中の液晶化合物はもはや液晶性を示していなくてもよい。例えば、重合性液晶化合物は、硬化反応により高分子量化して、もはや液晶性を失っていてもよい。
コレステリック液晶層は、コレステリック液晶の螺旋構造に由来した円偏光反射を示す。本明細書においては、この円偏光反射を選択反射という。
選択反射の中心波長λは、コレステリック相における螺旋構造のピッチ長P(=螺旋の周期)に依存し、コレステリック液晶層の平均屈折率nとλ=n×Pの関係に従う。なお、本明細書において、コレステリック液晶層が有する選択反射の中心波長λは、当該コレステリック液晶層の法線方向から測定した円偏光反射スペクトルの反射ピークの重心位置にある波長を意味する。上記式から分かるように、螺旋構造のピッチ長を調節することによって、選択反射の中心波長を調整できる。すなわち、n値とP値を調節して、例えば、青色光に対して右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に反射させるために、中心波長λを調節し、見かけ上の選択反射の中心波長が450nm〜495nmの波長域となるようにすることができる。なお、見かけ上の選択反射の中心波長とは実用の際の観察方向から測定したコレステリック液晶層の円偏光反射スペクトルの反射ピークの重心位置にある波長を意味する。コレステリック液晶相のピッチ長は重合性液晶化合物とともに用いるキラル剤の種類、またはその添加濃度に依存するため、これらを調整することによって所望のピッチ長を得ることができる。なお、螺旋のセンスやピッチの測定法については「液晶化学実験入門」日本液晶学会編 シグマ出版2007年出版、46頁、および「液晶便覧」液晶便覧編集委員会 丸善 196頁に記載の方法を用いることができる。
各コレステリック液晶層としては、螺旋のセンスが右または左のいずれかであるコレステリック液晶層が用いられる。コレステリック液晶層の反射円偏光のセンスは螺旋のセンスに一致する。
円偏光選択反射を示す選択反射帯の半値幅Δλ(nm)は、Δλが液晶化合物の複屈折Δnと上記ピッチ長Pに依存し、Δλ=Δn×Pの関係に従う。そのため、選択反射帯の幅の制御は、Δnを調整して行うことができる。Δnの調整は重合性液晶化合物の種類やその混合比率を調整したり、配向固定時の温度を制御したりすることで行うことができる。
選択反射の中心波長が同一の1種のコレステリック液晶層の形成のために、周期Pが同じで、同じ螺旋のセンスのコレステリック液晶層を複数積層してもよい。周期Pが同じで、同じ螺旋のセンスのコレステリック液晶層を積層することによっては、特定の波長で円偏光選択性を高くすることができる。
選択反射帯の幅は、例えば可視光領域において、通常1種の材料では15nm〜100nm程度である。選択反射帯の幅を広げるためには、周期Pを変えた反射光の中心波長が異なるコレステリック液晶層を2種以上積層すればよい。この際、同じ螺旋のセンスのコレステリック液晶層を積層することが好ましい。また、1つのコレステリック液晶層内において、周期Pを膜厚方向に対して緩やかに変化させることで選択反射帯の幅を広げることもできる。選択反射帯の幅は、特に限定されないが、1nm、10nm、50nm、100nm、150nm、または200nmなどの波長幅であってもよい。幅は、100nm幅程度以下であることが好ましい。
本発明の投映像表示用部材は、赤色光、緑色光、および青色光に対してそれぞれ見かけ上の選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶層を含むことが好ましい。具体的には、本発明の投映像表示用部材が、750―620nm、630―500nm、530―420nmのそれぞれの範囲であって、互いに異なる(例えば50nm以上異なる)選択反射の中心波長を3つ有することも好ましい。フルカラーの投映像の表示が可能となるからである。具体的には、周期Pが異なり、故に選択反射の中心波長が異なるコレステリック液晶層を3種以上含む構成とすればよい。好ましくは、本発明の投映像表示用部材は、赤色光に対して右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に反射するコレステリック液晶層(750―620nmに選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶層)、緑色光に対して右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に反射するコレステリック液晶層(630―500nmに選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶層)、青色光に対して右円偏光または左円偏光のいずれか一方を選択的に反射するコレステリック液晶層(530―420nmに選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶層)を含むことが好ましい。
使用するコレステリック液晶層の選択反射の中心波長を、投映に用いられる光源の発光波長域、および投映像表示用部材の使用態様に応じて調整することにより光利用効率良く鮮明な投映像を表示することができる。特に複数のコレステリック液晶層の選択反射の中心波長をそれぞれ投映に用いられる光源の発光波長域などに応じてそれぞれ調整することにより、光利用効率良く鮮明なカラー投映像を表示することができる。投映像表示用部材の使用態様としては、特に投映像表示用部材表面への投射光の入射角、投映像表示用部材表面の投映像観察方向などが挙げられる。
投映像表示用部材に少なくとも3層含まれる、選択反射の中心波長が異なるコレステリック液晶層はコレステリック液晶の螺旋の捩れ方向(センス)が右である層と左である層とを含む。投映像表示用部材が、赤色光、緑色光、および青色光に対してそれぞれ見かけ上の選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶層を3つ含む場合、いずれの層で上記捩れ方向が逆になっていてもよいが、特に緑色光に中心波長を有するコレステリック液晶層と他の2層とのコレステリック液晶の螺旋の捩れ方向が逆であることが好ましい。具体的には630―500nmに選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶層と他の2層とのコレステリック液晶の螺旋の捩れ方向が逆であることが好ましい。本発明者らが確認したところ、市販のプロジェクターの多くは、緑色出射光がその他の出射光(赤色光および青色光)と偏光方向(透過軸方向)が異なっており、具体的には、偏光方向が直交していた。そのため、緑色光に中心波長を有するコレステリック液晶層と他の2層とのコレステリック液晶の螺旋の捩れ方向を逆とする構成で、上記の特性を有するプロジェクターからの投射光による投映に適した投映像表示用部材とすることができる。
複数のコレステリック液晶層の積層の際は、別に作製したコレステリック液晶層を接着剤等を用いて積層してもよく、後述の方法で形成された先のコレステリック液晶層の表面に直接、重合性液晶化合物等を含む液晶組成物を塗布し、配向および固定の工程を繰り返してもよいが、後者が好ましい。先に形成されたコレステリック液晶層の表面に直接次のコレステリック液晶層を形成することにより、先に形成したコレステリック液晶層の空気界面側の液晶分子の配向方位と、その上に形成するコレステリック液晶層の下側の液晶分子の配向方位が一致し、コレステリック液晶層の積層体の偏光特性が良好となるからである。また、通常0.5〜10μmの膜厚で設けられる接着層を用いると、接着層の厚みムラに由来する干渉ムラが観測されることがあるため、接着層を用いないで積層されることが好ましいからである。
(コレステリック液晶相を固定した層の作製方法)
以下、コレステリック液晶層の作製材料および作製方法について説明する。
上記コレステリック液晶層の形成に用いる材料としては、重合性液晶化合物とキラル剤(光学活性化合物)とを含む液晶組成物などが挙げられる。必要に応じてさらに界面活性剤や重合開始剤などと混合して溶剤などに溶解した上記液晶組成物を、基材(支持体、配向膜、下層となるコレステリック液晶層など)に塗布し、コレステリック配向熟成後、固定化してコレステリック液晶層を形成することができる。
重合性液晶化合物
重合性液晶化合物は、棒状液晶化合物であっても、円盤状液晶化合物であってもよいが、棒状液晶化合物であることが好ましい。
コレステリック液晶層を形成する棒状の重合性液晶化合物の例としては、棒状ネマチック液晶化合物が挙げられる。棒状ネマチック液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。低分子液晶化合物だけではなく、高分子液晶化合物も用いることができる。
重合性液晶化合物は、重合性基を液晶化合物に導入することで得られる。重合性基の例には、不飽和重合性基、エポキシ基、およびアジリジニル基が含まれ、不飽和重合性基が好ましく、エチレン性不飽和重合性基が特に好ましい。重合性基は種々の方法で、液晶化合物の分子中に導入できる。重合性液晶化合物が有する重合性基の個数は、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜3個である。重合性液晶化合物の例は、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、同5622648号明細書、同5770107号明細書、国際公開WO95/22586号公報、同95/24455号公報、同97/00600号公報、同98/23580号公報、同98/52905号公報、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号公報、同11−80081号公報、および特開2001−328973号公報などに記載の化合物が含まれる。2種類以上の重合性液晶化合物を併用してもよい。2種類以上の重合性液晶化合物を併用すると、配向温度を低下させることができる。
また、液晶組成物中の重合性液晶化合物の添加量は、液晶組成物の固形分質量(溶媒を除いた質量)に対して、80〜99.9質量%であることが好ましく、85〜99.5質量%であることがより好ましく、90〜99質量%であることが特に好ましい。
キラル剤(光学活性化合物)
キラル剤はコレステリック液晶相の螺旋構造を誘起する機能を有する。キラル化合物は、化合物によって誘起する螺旋のセンスまたは螺旋ピッチが異なるため、目的に応じて選択すればよい。
キラル剤としては、特に制限はなく、公知の化合物(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN、STN用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載)、イソソルビド、イソマンニド誘導体を用いることができる。
キラル剤は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物あるいは面性不斉化合物もキラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファンおよびこれらの誘導体が含まれる。キラル剤は、重合性基を有していてもよい。キラル剤と液晶化合物とがいずれも重合性基を有する場合は、重合性キラル剤と重合性液晶化合物との重合反応により、重合性液晶化合物から誘導される繰り返し単位と、キラル剤から誘導される繰り返し単位とを有するポリマーを形成することができる。この態様では、重合性キラル剤が有する重合性基は、重合性液晶化合物が有する重合性基と、同種の基であることが好ましい。従って、キラル剤の重合性基も、不飽和重合性基、エポキシ基またはアジリジニル基であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基であることが特に好ましい。
また、キラル剤は、液晶化合物であってもよい。
キラル剤が光異性化基を有する場合には、塗布、配向後に活性光線などのフォトマスク照射によって、発光波長に対応した所望の反射波長のパターンを形成することができるので好ましい。光異性化基としては、フォトクロッミック性を示す化合物の異性化部位、アゾ、アゾキシ、シンナモイル基が好ましい。具体的な化合物として、特開2002−80478号公報、特開2002−80851号公報、特開2002−179668号公報、特開2002−179669号公報、特開2002−179670号公報、特開2002−179681号公報、特開2002−179682号公報、特開2002−338575号公報、特開2002−338668号公報、特開2003−313189号公報、特開2003−313292号公報に記載の化合物を用いることができる。
液晶組成物における、キラル剤の含有量は、重合性液晶化合物量の0.01モル%〜200モル%が好ましく、1モル%〜30モル%がより好ましい。
重合開始剤
液晶組成物は、重合開始剤を含有していることが好ましい。紫外線照射により重合反応を進行させる態様では、使用する重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であることが好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)等が挙げられる。
液晶組成物中の光重合開始剤の含有量は、重合性液晶化合物の含有量に対して0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5質量%〜5質量%であることがさらに好ましい。
架橋剤
液晶組成物は、硬化後の膜強度向上、耐久性向上のため、任意に架橋剤を含有していてもよい。架橋剤としては、紫外線、熱、湿気等で硬化するものが好適に使用できる。
架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の多官能アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物;2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、4,4−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等のアジリジン化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、ビウレット型イソシアネート等のイソシアネート化合物;オキサゾリン基を側鎖に有するポリオキサゾリン化合物;ビニルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物などが挙げられる。また、架橋剤の反応性に応じて公知の触媒を用いることができ、膜強度および耐久性向上に加えて生産性を向上させることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
架橋剤の含有量は、3質量%〜20質量%が好ましく、5質量%〜15質量%がより好ましい。架橋剤の含有量が、3質量%未満であると、架橋密度向上の効果が得られないことがあり、20質量%を超えると、コレステリック液晶層の安定性を低下させてしまうことがある。
配向制御剤
液晶組成物中には、安定的にまたは迅速にプレーナー配向のコレステリック液晶層とするために寄与する配向制御剤を添加してもよい。配向制御剤の例としては特開2007−272185号公報の段落〔0018〕〜〔0043〕等に記載のフッ素(メタ)アクリレート系ポリマー、特開2012−203237号公報の段落〔0031〕〜〔0034〕等に記載の式(I)〜(IV)で表される化合物などが挙げられる。
なお、配向制御剤としては1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
液晶組成物中における、配向制御剤の添加量は、重合性液晶化合物の全質量に対して0.01質量%〜10質量%が好ましく、0.01質量%〜5質量%がより好ましく、0.02質量%〜1質量%が特に好ましい。
その他の添加剤
その他、液晶組成物は、塗膜の表面張力を調整し膜厚を均一にするための界面活性剤、および重合性モノマー等の種々の添加剤から選ばれる少なくとも1種を含有していてもよい。また、液晶組成物中には、必要に応じて、さらに重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、色材、金属酸化物微粒子等を、光学的性能を低下させない範囲で添加することができる。
コレステリック液晶層は、重合性液晶化合物および重合開始剤、更に必要に応じて添加されるキラル剤、界面活性剤等を溶媒に溶解させた液晶組成物を、支持体、配向層、または先に作製されたコレステリック液晶層等の上に塗布し、乾燥させて塗膜を得、この塗膜に活性光線を照射してコレステリック液晶組成物を重合し、コレステリック規則性が固定化されたコレステリック液晶層を形成することができる。なお、複数のコレステリック液晶層からなる積層膜は、コレステリック液晶層の製造工程を繰り返し行うことにより形成することができる。
液晶組成物の調製に使用する溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、有機溶媒が好ましく用いられる。
有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばケトン類、アルキルハライド類、アミド類、スルホキシド類、ヘテロ環化合物、炭化水素類、エステル類、エーテル類、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、環境への負荷を考慮した場合にはケトン類が特に好ましい。
基材上への液晶組成物の塗布方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ワイヤーバーコーティング法、カーテンコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、スプレーコーティング法、スライドコーティング法などが挙げられる。また、別途支持体上に塗設した液晶組成物を基材上へ転写することによっても実施できる。塗布した液晶組成物を加熱することにより、液晶分子を配向させる。加熱温度は、200℃以下が好ましく、130℃以下がより好ましい。この配向処理により、重合性液晶化合物が、フィルム面に対して実質的に垂直な方向に螺旋軸を有するようにねじれ配向している光学薄膜が得られる。
配向させた液晶化合物は、更に重合させればよい。重合は、熱重合、光照射による光重合のいずれでもよいが、光重合が好ましい。光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜50J/cm2が好ましく、100mJ/cm2〜1,500mJ/cm2がより好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下または窒素雰囲気下で光照射を実施してもよい。照射紫外線波長は350nm〜430nmが好ましい。重合反応率は安定性の観点から、高いほうが好ましく70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。重合反応率は、重合性の官能基の消費割合を、IR吸収スペクトルを用いて決定することができる。
なお、コレステリック液晶層の膜厚は1μm〜20μmであればよく、2μm〜15μmであることが好ましく、3μm〜10μmであることがより好ましい。
(支持体)
支持体は特に限定されない。コレステリック液晶層の形成のために用いられる支持体は、コレステリック液晶層形成後に剥離される仮支持体であってもよい。支持体が仮支持体である場合は、本発明の投映像表示用部材を構成する層とはならないため、透明性や屈折性などの光学特性に関する制限は特にない。 支持体(仮支持体)としては、プラスチックフィルムの他、ガラス等を用いてもよい。プラスチックフィルムの例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリオレフィン、セルロース誘導体、シリコーンなどが挙げられる。
支持体の膜厚としては、5μm〜1000μm程度であればよく、好ましくは10μm〜250μmであり、より好ましくは15μm〜90μmである。
(配向膜)
配向膜は、有機化合物、ポリマー(ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、変性ポリアミドなどの樹脂)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、またはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例えば、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で、設けることができる。更に、電場の付与、磁場の付与または光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。
特にポリマーからなる配向膜はラビング処理を行ったうえで、ラビング処理面に液晶層形成のための組成物を塗布することが好ましい。形成する配向膜が特に好ましい。ラビング処理は、ポリマー層の表面を、紙、布で一定方向に、数回擦ることにより実施することができる。
配向膜を設けずに支持体表面、または支持体をラビング処理した表面に、液晶組成物を塗布してもよい。
支持体が仮支持体である場合は、配向膜は仮支持体とともに剥離されて本発明の投映像表示用部材を構成する層とはならなくてもよい。
配向層の厚さは0.01〜5μmであることが好ましく、0.05〜2μmであることがさらに好ましい。
(反射防止層)
投映像表示用部材は反射防止層を含んでいてもよい。反射防止層はコレステリック液晶層からみて観察側の面(最表面)に設けられていてもよく後述の基材の面であって、コレステリック液晶層が設けられた面の反対側の件に設けてもよい。
反射防止層は、実用上充分な耐久性、耐熱性を有し、例えば60度入射での反射率を5%以下に抑えることができるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、微細な表面凹凸を形成した膜のほか、高屈折率膜と低屈折率膜を組み合わせた2層膜の構成、中屈折率膜、高屈折率膜、及び低屈折率膜を順次積層した3層膜構成などが挙げられる。
構成例としては、下側から順に、高屈折率層/低屈折率層の2層のものや、屈折率の異なる3層を、中屈折率層(下層よりも屈折率が高く、高屈折率層よりも屈折率の低い層)/高屈折率層/低屈折率層の順に積層されているもの等があり、更に多くの反射防止層を積層するものも提案されている。中でも、耐久性、光学特性、コストや生産性等から、ハードコート層上に、中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層の順に有することが好ましく、例えば、特開平8−122504号公報、特開平8−110401号公報、特開平10−300902号公報、特開2002−243906号公報、特開2000−111706号公報等に記載の構成が挙げられる。また、膜厚変動に対するロバスト性に優れる3層構成の反射防止フィルムは特開2008−262187号公報に記載されている。また、各層に他の機能を付与させてもよく、例えば、防汚性の低屈折率層、帯電防止性の高屈折率層、帯電防止性のハードコート層、防眩性のハードコート層としたもの(例、特開平10−206603号公報、特開2002−243906号公報、特開2007−264113号公報等)等が挙げられる。
高屈折率層の屈折率は、1.65〜2.20であることが好ましく、1.70〜1.80であることがより好ましい。中屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈折率との間の値となるように調整される。中屈折率層の屈折率は、1.55〜1.65であることが好ましく、1.58〜1.63であることが更に好ましい。
反射防止層の膜厚は、特に限定されるものではないが、0.1〜10μm、1〜5μm、2〜4μm程度であればよい。
(基材)
本明細書において、基材とは、コレステリック液晶層の形状の維持のために設けられる層を意味し、コレステリック液晶層の形成の際に用いられる支持体と同一であってもよく、支持体とは別に設けられるものであってもよい。
本発明の投映像表示用部材が投映像表示用ハーフミラーとして用いられる場合、基材は可視光領域で透明であることが好ましい。
投映像表示用部材は基材を含んでいても含んでいなくてもよく、例えば、車両のフロントガラス等の他の物品の少なくとも一部に投映像表示用部材が貼付され、物品の少なくとも一部が基材として機能していてもよい。
基材としては、上記の支持体の例として挙げたものと同様の材料を使用することができる。また、基材の膜厚としては、上記の支持体と同様の膜厚であってもよいが、1000μmより大きくてもよく、10mm以上であってもよい。また、200mm以下、100mm以下、80mm以下、60mm以下、50mm以下、40mm以下、30mm以下、20mm以下などであればよい。
投映像表示用部材においては、基材の片面にコレステリック液晶層が設けられていればよく、他方の面にはコレステリック液晶層が設けられていないことが好ましい。
基材として使用できる高分子樹脂素材の具体例としては、アクリル樹脂(ポリメチル(メタ)アクリレートなどのアクリル酸エステル類など)、ポリカーボネート、シクロペンタジエン系ポリオレフィンやノルボルネン系ポリオレフィンなどの環状ポリオレフィン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、ポリスチレンなどの芳香族ビニルポリマー類、ポリアリレート、セルロースアシレートを挙げることができる。
(接着層)
接着層は接着剤から形成されるものであればよい。
接着剤としては硬化方式の観点からホットメルトタイプ、熱硬化タイプ、光硬化タイプ、反応硬化タイプ、硬化の不要な感圧接着タイプがあり、それぞれ素材としてアクリレート系、ウレタン系、ウレタンアクリレート系、エポキシ系、エポキシアクリレート系、ポリオレフィン系、変性オレフィン系、ポリプロピレン系、エチレンビニルアルコール系、塩化ビニル系、クロロプレンゴム系、シアノアクリレート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリスチレン系、ポリビニルブチラール系などの化合物を使用することができる。作業性、生産性の観点から、硬化方式として光硬化タイプが好ましく、光学的な透明性、耐熱性の観点から、素材はアクリレート系、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系などを使用することが好ましい。
接着層の膜厚は0.5〜10μm、好ましくは1〜5μmであればよい。投映像表示用ハーフミラーの色ムラ等を軽減するため均一な膜厚で設けられることが好ましい。
(投映スクリーン)
投映像表示用部材を部材上に実像を表示する投映スクリーンとして用いる場合、スクリーン上に実像を形成するために、スクリーンが投射光波長に対して散乱反射することが好ましい。散乱が小さいと視野角が狭くなり、逆に大きすぎると周囲光の散乱のために表示のコントラストが低下する。そのため投映像表示用部材のいずれか一方の面から測定したヘイズ値は2.0%以上30%以下であることが好ましい。ヘイズ値が2.0%以上であることにより、投映像表示用部材表面での光の拡散反射が可能となり、広い視野角で投映像の表示が可能である。また30%以下であることによって周囲光による表示画像のコントラスト低下を抑制することが可能となる。ヘイズ値は3.0%以上25%以下であることがより好ましく、4.0%以上20%以下であることがさらに好ましい。
なお、本明細書において、ヘイズ値は、{(自然光の散乱反射率)/(自然光の散乱反射率+自然光の正反射率)×100(%)}である。正反射率は分光光度計で、反射率の全角度測定値は分光光度計に積分球ユニットを組み合わせることで測定できる正反射率は測定の都合上、例えば入射角5°での測定値であればよい。散乱反射率は反射率の全角度測定値から正反射率を差し引いて算出することができる。
ヘイズ値の測定は、日本電飾社製のヘイズメーターNDH−2000を用いて行うことができる。
上記散乱反射性能は、例えば、微粒子をバインダーなどに混合し透明媒体に塗布して形成する拡散層をスクリーンの光入射側に形成する方法や、コレステリック液晶層の配向の均一性を乱す方法によって、付与することができる。
コレステリック液晶層の配向の均一性を乱す方法の例としては、コレステリック液晶層の形成の際に液晶組成物が塗布される下層として、その表面に設けられる液晶組成物中の重合性液晶化合物分子に対して低いプレチルト角を与える材料からなる透明層を用いる方法が挙げられる。このような透明層としては、例えば、(メタ)アクリレートモノマー、ゼラチン、ウレタンモノマーなどを含む非液晶性の重合性組成物を塗布硬化したもの、ポリイミド(日産化学社製ポリイミドワニスのサンエバー130など)、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、変性ポリアミドなどの樹脂があげられる。散乱反射性のコレステリック液晶層の形成のため、液晶組成物を塗布する透明層の表面はラビング処理(例えば、ポリマー層の表面を、紙または布等で一定方向に、擦ることによるラビング処理)を行わないことが好ましい。
上記層の厚さは0.01〜50μmであることが好ましく、0.05〜20μmであることがさらに好ましい。
例えば、(メタ)アクリレートモノマーを含む層を塗布硬化して得られるアクリル層は面内において等方的であるため、アクリル層表面にラビング処理を施さずに液晶層を形成すると、アクリル層に接している液晶の面内配向方位はランダムとなる。そのため、アクリル層表面に液晶組成物を塗布して形成されるコレステリック液晶層を配向欠陥を有する層とすることができ、散乱反射性を付与することができる。
本明細書において、「チルト角」とは、傾斜した液晶分子が層平面となす角度を意味し、液晶化合物の屈折率楕円体において最大の屈折率の方向が層平面となす角度のうち、最大の角度を意味する。従って、正の光学的異方性を持つ棒状液晶化合物では、チルト角は棒状液晶化合物の長軸方向すなわちダイレクター方向と層平面とのなす角度を意味する。プレチルト角はコレステリック液晶層の形成における重合性液晶化合物の配向の際の、下層側表面の液晶分子のチルト角を意味する、プレチルト角は0度〜20度の範囲で分布していることが好ましく、0度〜10度の範囲で分布していることがより好ましい。
なお、本明細書において、液晶分子というとき、液晶組成物においては重合性液晶化合物の分子を意味し、重合性液晶化合物が液晶組成物の硬化反応により高分子化している場合は、上記重合性液晶化合物分子に該当する部分構造を意味する。
プレチルト角を上記のように低く、好ましくは水平にし、且つ液晶分子の配向均一性を低下させるために、液晶組成物を塗布する上述の透明層や支持体の表面にラビングなどの配向処理をしないことが好ましい。また、コレステリック液晶層の空気界面側の液晶分子を水平にするために、液晶組成物において前述の配向制御剤を使用することが好ましい。
(投映像表示用ハーフミラー)
投映像表示用ハーフミラーとは、投映された画像を視認可能に表示することができるとともに、画像が表示されている同じ面側から投映像表示用ハーフミラーの反対の面側にある情報または風景を同時に観察することができる光学部材を意味する。すなわち、投映像表示用ハーフミラーは、外界光と映像光とを重ねあわせて表示する光路コンバイナとしての機能を達成することができる。
投映像表示用ハーフミラーとしての用途の具体例としては、ヘッドアップディスプレイ(HUD)のコンバイナや投映装置に使用される反射ミラー、シースルーディスプレイ用反射スクリーン、ヘッドマウントディスプレイ用の反射ミラーやダイクロイックミラーなど、各種プロジェクターによる虚像形成のための平面鏡、凹面鏡、凸面鏡などが挙げられる。ヘッドアップディスプレイのコンバイナとしての用途に関しては、特開2013−79930号公報, 国際公開WO2005/124431を参照することができる。
投映像表示用部材を投映像表示用ハーフミラーとして用いる場合、投映像表示用部材のいずれか一方の面から測定した波長550nmでのヘイズ値は2.0%未満であることが好ましい。
<投映システム>
投映像表示用部材は直線偏光を投射するプロジェクターと直線偏光を円偏光に変換する波長板とともに、投映像を表示するための投映システムとすることができる。
投映像は、周囲風景ではない、使用するプロジェクターからの光の投射に基づく映像であればよい。投映像は、多色またはフルカラーの映像であればよい。投映像は投映像表示用部材における反射光から形成されていても、透過光から形成されていてもよいが、反射光から形成されていることが好ましい。投映像は投映像表示用部材表面で表示され、かつ表面で表示されているように視認されるものであってもよく、観察者から見て投映像表示用部材の先に浮かび上がって見える虚像であってもよい。投映像表示用部材がハーフミラーである場合にこのような虚像として表示されうる。
投映システムにおいては、プロジェクター、直線偏光を円偏光に変換する波長板、および投映像表示用部材はこの順に配置されていればよい。波長板はプロジェクターと一体になっていてもよく、投映像表示用部材と一体になっていてもよく、いずれからも分離したものであってもよい。
投映システムにおいて、波長板は、プロジェクターの投射光の偏光方向に従って遅相軸方向が調整され、出射光が円偏光となる角度で設置される。さらに、波長板を透過した各波長の投射光の円偏光のセンスが投映像表示用部材の円偏光の選択反射特性に整合するように配置される。
(直線偏光を円偏光に変換する波長板)
直線偏光を円偏光に変換する波長板の例としては1/4波長板として機能する位相差板が挙げられる。1/4波長板の例としては、一層型の1/4波長位相差板、1/4波長位相差板と1/2波長位相差板とを積層した広帯域1/4波長位相差板などが挙げられる。
前者のλ/4波長位相差板の正面位相差は 投影光波長の1/4の長さであればよい。それゆえに例えば投影光の中心波長が450nm、530nm、640nmの場合は、450nmの波長で112.5nm±10nm、好ましくは、112.5nm±5nm、より好ましくは112.5nm、530nmの波長で132.5nm±10nm、好ましくは、132.5nm±5nm、より好ましくは132.5nm、640nmの波長で160nm±10nm、好ましくは、160nm±5nm、より好ましくは160nmの位相差である逆分散性の位相差板がλ/4波長位相差板として最も好ましいが、位相差の波長分散性の小さい位相差板や順分散の位相差板も用いることができる。なお、逆分散性とは長波長になるほど位相差の絶対値が大きくなる性質を意味し、順分散性とは短波長になるほど位相差の絶対値が大きくなる性質を意味する。
後者の積層型の1/4波長位相差板は、1/4波長位相差板と1/2波長位相差板とをその遅相軸を約60度の角度で貼り合わせ、1/2波長位相差板側を直線偏光の入射側に配置して、且つ1/2波長位相差板の遅相軸を入射直線偏光の偏光面に対して15度、または75度に交差することで直線偏光を円偏光に変換するものである。位相差の逆分散性が良好なため好適に用いることができる。
なお、位相差はAXOMETRICS社製の偏光位相差解析装置AxoScanを用いて測定することができる。またはKOBRA 21ADHまたはWR(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定してもよい。
λ/4波長位相差板は、石英などの複屈折材料を用いた市販の製品を用いてもよく、重合性液晶化合物、高分子液晶化合物を配列させて固定して形成することもできる。この形成に用いられる液晶化合物の種類については、特に制限されない。例えば、低分子液晶化合物を液晶状態においてネマチック配向に形成後、光架橋や熱架橋によって固定化して得られる光学異方性層や、高分子液晶化合物を液晶状態においてネマチック配向に形成後、冷却することによって当該配向を固定化して得られる光学異方性層を用いることもできる。
(プロジェクター)
プロジェクターとしては、直線偏光を投射することができるプロジェクターを用いればよい。プロジェクターは、投映像形成の原理上直線偏光を投射しているものであればよい。プロジェクターは直線偏光のみを投射するプロジェクターであってもよく、直線偏光とともに自然光、または他の偏光状態の光を投射するプロジェクターであってもよい。本明細書において、「プロジェクター」は「光または画像を投映する装置」であり、「描画した画像を投映像表示用部材に投射する装置」を含む。本明細書において、投映像表示用部材とは別に、プロジェクターにより描画される画像を表示するスクリーンを「中間像スクリーン」ということがある。プロジェクターは、例えば、小型の中間像スクリーンに描画された画像を投映像表示用部材に拡大投射していてもよい。
プロジェクターとしては、画像を投射する機能を有するものであれば特に限定されない。プロジェクターの例としては、特に、偏光ビームスプリッタなどにより各色毎に偏光分離される構成のプロジェクターが挙げられる。具体的には、液晶プロジェクター、LCOS(Liquid Crystal on Silicon)プロジェクター、CRT (Cathode Ray Tube)プロジェクターなどが挙げられる。
プロジェクターは特に、出射する光の波長の偏光方向が全て同じではないものが好ましい。投映システムにおいては、プロジェクターの出射光の偏光方向に従ってコレステリック液晶層の捩れ方向が調整されていればよい。
プロジェクターの光源としてはレーザー光源、LED、放電管などを用いることができる。
(中間像スクリーン)
投映システムは中間像スクリーンを含んでいてもよい。中間像スクリーンにおいて画像が描画されていればよい。中間像スクリーンはプロジェクターと投映像表示用部材との間に配置されていればよく、またλ/4波長位相差板と投映像表示用部材との間に配置されていればよい。中間像スクリーンは、プロジェクターの構成部材となっていてもよく、プロジェクターと投映像表示用部材との間に独立して配置されていてもよい。
中間像スクリーンの例としては、散乱膜、マイクロレンズアレイ、リアプロジェクション用のスクリーンなどが挙げられる。中間像スクリーンとしてプラスチック材料を用いる場合などにおいて、中間像スクリーンが複屈折性を有すると、中間像スクリーンに入射した偏光の偏光面や光強度が乱され、投映像表示部材において、色ムラ等が生じやすくなるが、所定の位相差を有する位相差膜を用いることにより、この色ムラの問題が低減できる。
中間像スクリーンは、入射光線を広げて透過させる機能を有するものを用いることにより、投映像表示用部材での投映像の視野角の拡大表示が可能であるものであることが好ましい。例えばマイクロレンズアレイで構成されるスクリーンが挙げられる。ヘッドアップディスプレイで用いられるマイクロアレイレンズについては、例えば、特開2012−226303号公報、特開2010−145745号公報、および特表2007−523369号公報に記載がある。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
<投映像表示用部材1の作製>
ラビング処理を施した富士フイルム株式会社製PET上に、表1に示す捩れ方向が右の塗布液R−1を、乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように、室温にてワイヤーバーを用いて塗布した。塗布層を室温にて30秒間乾燥させた後、85℃の雰囲気で2分間加熱し、その後30℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて出力60%で6〜12秒間UV照射し液晶層を得た。この液晶層上に表1に示す捩れ方向が左の塗布液L−2を乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように室温にて塗布し、その後上記と同様に乾燥、加熱、UV照射を行い、2層目の液晶層を形成した。さらにこの液晶層上に表1に示す捩れ方向が右の塗布液R−3を乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように室温にて塗布し、その後上記と同様に乾燥、加熱、UV照射を行い3層目の液晶層を形成して反射フィルムを得た。
この投映像表示用部材の反射ピークは3波長にあり、AXOMETRICS社製のAxoScanを用いて測定したそれぞれの中心波長は、655nm、540nm、および465nmであった。また日本電飾社製ヘイズメーターNDH2000を用いて測定したヘイズは0.3であった。
次に上記で作製した反射フィルムの液晶層側の面上に、DIC株式会社製UV硬化型接着剤Exp.U12034−6を、乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように室温にてワイヤーバーを用いて塗布した。この塗布面と10cm角の厚さ5mmのアクリル製の透明基材の面とを気泡が入らないように貼りあわせ、30℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて出力60%で6〜12秒間UV照射した。その後、投映像表示用部材の支持体となっていた富士フイルム株式会社製PETを剥離し、HUD用投映像表示用部材1を得た。
<投映像表示用部材2の作製>
塗布液R−1を捩れ方向が左のL−1に、塗布液L−2を捩れ方向が右のR−2に、塗布液R−3を捩れ方向が左のL−3にした以外は投映像表示用部材1の作製と同様にして、HUD用投映像表示用部材2を得た。この投映像表示用部材の反射ピークは3波長にあり、投映像表示用部材1の作製と同様に測定したそれぞれの中心波長は、655nm、540nm、および465nmであった。またヘイズは0.3であった。
<投映像表示用部材3の作製>
富士フイルム株式会社製PET面に、表2に示す塗布液Aを乾燥後の乾膜の厚みが8μmになるように室温にてワイヤーバーを用いて塗布した。塗布層を室温にて30秒間乾燥させた後、85℃の雰囲気で2分間加熱し、その後30℃でフュージョン製Dバルブ(ランプ90mW/cm)にて出力60%で6〜12秒間UV照射し、アクリル層(水平ランダム配向膜、上記の透明層)を形成した。このアクリル層上にラビング処理を施さずに表1に示す捩れ方向が右の塗布液R−3を乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように室温にて塗布し、その後上記と同様に乾燥、加熱、UV照射を行い、液晶層を得た。配向欠陥を有する液晶層上に液晶層をさらに形成すると、同様に配向欠陥を有する液晶層となるため、この液晶層上に表1に示す塗布液L−2を乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように室温にて塗布し、その後上記と同様に乾燥、加熱、UV照射を行い、2層目の液晶層を形成した。さらにこの液晶層上に捩れ方向が右の表1に示す塗布液R−1を乾燥後の乾膜の厚みが5μmになるように室温にて塗布し、その後上記と同様に乾燥、加熱、UV照射を行い3層目の液晶層を形成してスクリーン用投映像表示用部材3を得た。
この投映像表示用部材の反射ピークは3波長にあり、AXOMETRICS社製のAxoScanを用いて測定したそれぞれの中心波長は、655nm、540nm、および465nmであった。またヘイズは8.8であった。
<投映像表示用部材4の作製>
塗布液L−2を捩れ方向が右のR−2にした以外は投映像表示用部材1の作製と同様にして、HUD用投映像表示用部材4を得た。この投映像表示用部材4の反射ピークは3波長にあり、実施例と同様に測定したそれぞれの中心波長は、655nm、540nm、および465nmであった。またヘイズは0.2であった。
<投映像表示用部材5の作製>
塗布液L−2を捩れ方向が右のR−2に塗布液にした以外は投映像表示用部材3の作製と同様にして、スクリーン用投映像表示用部材5を得た。この投映像表示用部材の反射ピークは3波長にあり、実施例と同様に測定したそれぞれの中心波長は、655nm、540nm、および465nmであった。またヘイズは8.7であった。
以上作製した投映像表示用部材1〜5の構成および光学特性を表3に示した。
Figure 2015125908
Figure 2015125908
Figure 2015125908
Figure 2015125908
<投映システムの作製>
実施例1
投影装置としてソニー社製のレーザープロジェクターVPL−FHZ55を準備した。この投映光の偏光状態をバンドパスフィルターと吸収型の直線偏光版を用いて確認したところ、赤光、緑光、青光ともに直線偏光であり、赤と青光の偏光面が平行であり、緑光の偏光面がそれらに直交していることが認められた。このプロジェクターのレンズの先にフィルムホルダーを取り付け、帝人社製のλ/4波長位相差板であるピュアエースWR W−142を設置した。この際に、プロジェクターから出射する光を見てその赤光の偏光面に対して時計周りに45度の方位にλ/4板の遅相軸を設置した。さらに実像形成用のスクリーンとしてキクチ科学研究所社製のリアプロ用スクリーン リアハードRHK−HCRを用いてこれに画像を投影し、この画像を投映像表示用部材1で反射させた虚像を見る図1に示す実施例1の投影システムを作製した。
実施例2
λ/4波長位相差板の遅相軸の方位をプロジェクターから出射する光を見てその赤光の偏光面に対して反時計周りに45度の方位に設置し、投映像表示用部材1に換えて投映像表示用部材2を使用した以外は実施例1と同様にして実施例2の投影システムを作製した。
実施例3
投影装置としてEPSON社製EB−W18液晶プロジェクターを準備した。 この投影光の偏光状態をバンドパスフィルターと吸収型の直線偏光版を用いて確認したところ、赤光、緑光、青光ともに直線偏光であり、赤と青光の偏光面が平行であり、緑光の偏光面がそれらに直交していることが認められた。このプロジェクターのレンズの先に実施例1と同様にλ/4波長位相差板を設置した。プロジェクターの画像を投映像表示用部材3に投影し実像を見る図2に示す実施例3の投影システムを作製した。
実施例4
プロジェクターとして日本アビオニクス社製のAvioマルチプロジェクタMP−50を使用した以外は実施例3と同様にして実施例4の投影システムを作製した。このプロジェクターの偏光状態を実施例1と同様にして確認したところ赤光、緑光、青光ともに直線偏光であり、赤と青光の偏光面が平行であり、緑光の偏光面がそれらに直交していることが認められた。
比較例1
投映像表示用部材1に換えて投映像表示用部材4を使用した以外は実施例1と同様にして比較例1の投影システムを作製した。
比較例2
投映像表示用部材3に換えて投映像表示用部材5を使用した以外は実施例3と同様にして比較例2の投影システムを作製した。
比較例3
投影装置としてパナソニック社製のフロントインフォディスプレイCY−DF100Dを準備した。この投影光の偏光状態をバンドパスフィルターと吸収型の直線偏光版を用いて確認したところ、赤光、緑光、青光ともに直線偏光であり、各色の偏光面がすべて平行であることが認められた。このプロジェクターの光出射口に実施例1と同様にしてλ/4波長位相差板を設置した。この投影光を投映像表示用部材1で反射させて虚像を見る比較例3の投影システムを作製した。
比較例4
投影装置としてBenQ社製DLPプロジェクターMX503を準備した。 この投影光の偏光状態をバンドパスフィルターと吸収型の直線偏光版を用いて確認したところ、赤光、緑光、青光ともに非偏光であることが認められた。このプロジェクターのレンズの先に実施例3と同様にλ/4波長位相差板を設置した。プロジェクターの画像を投映像表示用部材3に投影し実像を見る図2に示す比較例4の投影システムを作製した。
測定方法
暗室にて、各プロジェクターの画像を均一な白表示にして投影し、明るさと色味の評価を行った。明るさの評価は、虚像投影の実施例1、2、比較例1、3についてはアルミ蒸着ミラーに対する反射率比を測定し、下記の基準で評価した。
A:0.8以上
B:0.6〜0.8未満
C:0.6未満
また、スクリーン投影の実施例3,4、比較例2,4については、白色コピー用紙に対する輝度比を測定し、下記の基準で評価した。
A:2.0以上
B:1.5〜2.0未満
C:1.5未満
色味については、目視により下記の基準で評価した。
A:全面白と認識できる
B:大部分が白と認められる(許容)
C:色付が明確に認められる
結果を表4に示す。
Figure 2015125908
1 プロジェクター
2 λ/4波長位相差板
3 リアプロスクリーン
4 投映像表示部材

Claims (10)

  1. コレステリック液晶相を固定した層を少なくとも3層含み、
    前記3層のコレステリック液晶相を固定した層は互いに異なる選択反射の中心波長を示し、
    前記3層のコレステリック液晶相を固定した層はコレステリック液晶の螺旋の捩れ方向が右である層と左である層とを含む
    投映像表示用部材。
  2. 750―620nmに選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶相を固定した層、630―500nmに選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶相を固定した層、および530―420nmに選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶相を固定した層を含み、前記3層の選択反射の中心波長は互いに50nm以上異なっている請求項1に記載の投映像表示用部材。
  3. 630―500nmに選択反射の中心波長を有するコレステリック液晶相を固定した層と他の2層とのコレステリック液晶の螺旋の捩れ方向が逆である請求項2に記載の投映像表示用部材。
  4. 反射部材である請求項1〜3のいずれか一項に記載の投映像表示用部材。
  5. いずれか一方の面から測定した波長550nmでのヘイズ値が2.0以上である請求項1〜4のいずれか一項に記載の投映像表示用部材。
  6. 前記投映像表示用部材の表面に投映像を実像として表示するスクリーンである請求項1〜5のいずれか一項に記載の投映像表示用部材。
  7. 可視光透過性を有するハーフミラーである請求項1〜4のいずれか一項に記載の投映像表示用部材。
  8. ヘッドアップディスプレイのコンバイナとして使用される請求項7に記載の投映像表示用部材。
  9. 直線偏光を投射するプロジェクターと前記直線偏光を円偏光に変換する波長板と請求項1〜8のいずれか一項に記載の投映像表示用部材とを含む、投映システム。
  10. 前記直線偏光を円偏光に変換する波長板がλ/4波長位相差板である請求項9に記載の投映システム。
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