JP6586518B2 - 透明スクリーンおよび画像表示システム - Google Patents

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Description

本発明は、透明スクリーン、および、この透明スクリーンを用いる画像表示システムに関する。
近年、投影型の表示装置を構成するスクリーンの一つとして、プロジェクターからの投影光を拡散および/または反射して画像を表示すると共に、表裏面からの光を透過する透明スクリーンが知られている。
例えば、特許文献1には、投影型の液晶プロジェクションシステムとして、右または左円偏光の赤色光、緑色光および青色光を反射するコレステリック液晶を用いる透明スクリーンを用い、この透明スクリーンに投影する赤色光、緑色光および青色光をλ/4板によって右あるいは左円偏光に偏光することにより、透明スクリーンに照射される外部光の右または左円偏光成分を透過するようにした、投影型液晶プロジェクションシステムが記載されている。
特開平5−107660号公報
ところで、プロジェクターを用いる画像表示では、ホットスポットが生じるという問題が有る。ホットスポットとは、例えば、特許文献1に記載されるような透明スクリーンを用いる画像表示システムでは、透明スクリーンのプロジェクターとは逆側で、プロジェクターの出射光の直進方向において、プロジェクターの光源が観察される現象である。このような透明スクリーンを透過した透過光によるホットスポットが生じると、透明スクリーンのプロジェクターとは逆側から観察した際に、眩しく感じる。
特許文献1に示されるような透明スクリーンでは、スクリーンの透明性が高い場合には、ホットスポットは非常に眩しい。特に、透明スクリーンを用い、レーザーを光源として用いるレーザープロジェクターでは、ホットスポットは極めて眩しい。
通常の非透明なスクリーンでは、プロジェクターの出射光の直進方向の正反射光がホットスポットとなる。このような非透明のスクリーンでは、スクリーンの最表面に凹凸構造を付与することで、光を拡散させて、正反射光によるホットスポットを低減させている。
しかしながら、特許文献1に示されるような透明スクリーンでは、最表面に凹凸構造を付与すると、透明性が著しく低下するため、この対応策は利用できない。
すなわち、透明スクリーンを用いる画像表示システムでは、良好な透明性を確保し、かつ、透過光によるホットスポットを低減した透明スクリーンの出現が望まれている。
本発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決することにあり、良好な透明性を有し、かつ、透過光によるホットスポットも低減できる透明スクリーン、および、この透明スクリーンを用いる画像表示システムを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、第1のλ/4板と、コレステリック液晶相を固定してなる構造を有し入射光の一部を反射する反射層と、厚み方向に吸収軸を有する偏光膜と、をこの順に有することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、以下の構成により上記目的を達成することができることを見出した。
[1] 第1のλ/4板と、
コレステリック液晶相を固定してなる構造を有し、入射光の一部を反射する反射層と、
厚み方向に吸収軸を有する偏光膜と、をこの順に有する透明スクリーン。
[2] 反射層と偏光膜との間に第2のλ/4板を有する[1]に記載の透明スクリーン。
[3] 第1のλ/4板の遅相軸と第2のλ/4板の遅相軸とが直交している[2]に記載の透明スクリーン。
[4] 反射層が、コレステリック液晶相を固定してなる反射ドットを二次元的に配列した構造を有し、
反射ドットが第1のλ/4板側に凸状である[1]〜[3]のいずれかに記載の透明スクリーン。
[5] 偏光膜が、2色性色素を垂直配向した構造を有する[1]〜[4]のいずれかに記載の透明スクリーン。
[6] [1]〜[5]のいずれかに記載の透明スクリーンと、
透明スクリーンに第1のλ/4板側から光を投影する短焦点プロジェクターと、を有し、
短焦点プロジェクターが出射する光が直線偏光である画像表示システム。
本発明によれば、良好な透明性を有し、透過光によるホットスポットを低減できる透明スクリーン、および、この透明スクリーンを用いる、透過光によるホットスポットを低減した画像表示システムを実現できる。
本発明の画像表示システムの一例を概念的に示す図である。 本発明の透明スクリーンの作用を説明するための概念図である。 本発明の透明スクリーンの作用を説明するための概念図である。 本発明の透明スクリーンの他の一例を概念的に示す図である。 本発明の透明スクリーンの他の一例を概念的に示す図である。 反射層の他の一例を概念的に示す図である。 反射層の他の一例を概念的に示す図である。 本発明の実施例におけるコレステリック構造の評価方法を説明するための概念図である。 本発明の実施例における評価方法を説明するための概念図である。 本発明の実施例における評価方法を説明するための概念図である。
以下、本発明の透明スクリーンおよび画像表示システムについて、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、例えば、「45°」、「平行」、「垂直」あるいは「直交」等の角度は、特に記載がなければ、厳密な角度との差異が5°未満の範囲内であることを意味する。厳密な角度との差異は、4°未満であるのが好ましく、3°未満であるのがより好ましい。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレートおよびメタクリレートのいずれか一方または双方」の意味で使用される。
本明細書において、「同一」は、技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含むものとする。また、本明細書において、「全部」、「いずれも」または「全面」などというとき、100%である場合のほか、技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含み、例えば99%以上、95%以上、または90%以上である場合を含むものとする。
本明細書において、可視光は、電磁波のうち、ヒトの目で見える波長の光であり、380nm〜780nmの波長域の光を示す。非可視光は、380nm未満の波長域または780nmを超える波長域の光である。
またこれに限定されるものではないが、可視光のうち、420nm〜490nmの波長域の光は青色光であり、495nm〜570nmの波長域の光は緑色光であり、620nm〜750nmの波長域の光は赤色光である。
本明細書において、再帰反射は、入射した光が入射方向に反射される反射を意味する。
本明細書において、「ヘイズ」は、日本電色工業株式会社製のヘーズメーターNDH−2000を用いて測定される値を意味する。
理論上は、ヘイズは、以下式で表される値を意味する。
(380nm〜780nmの自然光の散乱透過率)/(380nm〜780nmの自然光の散乱透過率+自然光の直透過率)×100%
散乱透過率は分光光度計と積分球ユニットを用いて、得られる全方位透過率から直透過率を差し引いて算出することができる値である。直透過率は、積分球ユニットを用いて測定した値に基づく場合、0°での透過率である。つまり、ヘイズが低いということは、全透過光量のうち、直透過光量が多いことを意味する。
屈折率は、波長589.3nmの光に対する屈折率である。
本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は、各々、波長λにおける面内のレターデーション、および、厚さ方向のレターデーションを表す。特に記載がないときは、波長λは、550nmとする。
本明細書において、Re(λ)、Rth(λ)は、AxoScan OPMF−1(オプトサイエンス社製)において、波長λで測定した値である。AxoScanにて平均屈折率((Nx+Ny+Nz)/3)と膜厚(d(μm))を入力することにより、
遅相軸方向(°)
Re(λ)=R0(λ)
Rth(λ)=((Nx+Ny)/2−Nz)×d
が算出される。
なお、R0(λ)は、AxoScanで算出される数値として表示されるものであるが、Re(λ)を意味している。
本明細書において、屈折率Nx、Ny、Nzは、アッベ屈折計(NAR−4T、アタゴ(株)製)を使用し、光源にナトリウムランプ(λ=589nm)を用いて測定する。また波長依存性を測定する場合は、多波長アッベ屈折計DR−M2(アタゴ(株)製)にて、干渉フィルタとの組み合わせで測定できる。
また、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することもできる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。
本明細書において、選択反射波長とは、対象となる物(部材)における透過率の極小値をTmin(%)とした場合、下記の式で表される半値透過率:T1/2(%)を示す2つの波長の平均値のことを言う。
半値透過率を求める式: T1/2=100−(100−Tmin)÷2
また、複数の物の選択反射波長が「等しい」とは、厳密に等しいことを意味するものではなく、光学的に影響のない範囲の誤差は許容される。具体的には、複数の物の選択反射波長が「等しい」とは、それぞれの物同士における選択反射波長の差が20nm以下であることを意図し、この差は15nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがより好ましい。
本発明の透明スクリーンは、第1のλ/4板と、
コレステリック液晶相を固定してなる構造を有し、入射光の一部を反射する反射層と、
厚み方向に吸収軸を有する偏光膜と、をこの順に有する透明スクリーンである。
また、本発明の画像表示システムは、本発明の透明スクリーンと、
透明スクリーンに第1のλ/4板側から光を投影する短焦点プロジェクターと、を有し、
短焦点プロジェクターが出射する光が直線偏光である画像表示システムである。
図1に、本発明の透明スクリーンの一例を用いる、本発明の画像表示システムの一例を概念的に示す。
図1に示す画像表示システム10は、本発明の透明スクリーン12aと、出射光が直線偏光であるプロジェクター14とを有する。
画像表示システム10において、透明スクリーン12aは、第1のλ/4板16と、反射層30と、第2のλ/4板20と、偏光膜18とをこの順に積層した構成を有する。なお、透明スクリーン12aの構成を明確に示すために、第1のλ/4板16、第2のλ/4板20、および、後述する支持体32には斜線を付し、また、偏光膜18中の吸収軸を太線で模式的に示す。
なお、以下の説明は、特に断りが無い場合には、図1に示す画像表示システム10の透明スクリーンのみならず、後述する各種の本発明の画像表示システムに用いられる各種の本発明の透明スクリーンも、同様である。
また、図示は省略するが、第1のλ/4板16と反射層30と第2のλ/4板20と偏光膜18とは、いずれも、各層間に設けられた貼合層によって貼り合わされている。
本発明において、貼合層は、対象となる板状物(シート状物)を貼り合わせられる物であれば、公知の各種の材料からなるものが利用可能である。貼合層としては、貼り合わせる際には流動性を有し、その後、固体になる、接着剤からなる層でも、貼り合わせる際にゲル状(ゴム状)の柔らかい固体で、その後もゲル状の状態が変化しない、粘着剤からなる層でも、接着剤と粘着剤との両方の特徴を持った材料からなる層でもよい。従って、貼合層は、光学透明接着剤(OCA(Optical Clear Adhesive))、光学透明両面テープ、および、紫外線硬化型樹脂等の、光学装置および光学素子でシート状物の貼り合わせに用いられる公知のものを用いればよい。
あるいは、貼合層で貼り合わせるのではなく、第1のλ/4板16と反射層30と第2のλ/4板20と偏光膜18とを積層して、枠体または治具等で保持して、本発明の透明スクリーンを構成してもよい。
<反射層>
反射層30は、支持体32と、支持体32の一方の表面に二次元的に配列される反射ドット34と、反射ドット34を包埋して支持体32に積層されるオーバーコート層36と、を有する。
<<支持体>>
反射層30が有する支持体32は、後述するコレステリック液晶相を固定してなるドットである反射ドットを支持するものである。
支持体32は、反射ドット34が反射する光の波長において、光の反射率が低いのが好ましく、反射ドット34が反射する光の波長において光を反射する材料を含んでいないのが好ましい。
また、支持体32は可視光領域において、透明であるのが好ましい。また、支持体32は、着色していてもよいが、着色していないか、着色が少ないのが好ましい。さらに支持体32は屈折率が1.2〜2.0程度であるのが好ましく、1.4〜1.8程度であるのがより好ましい。
なお、本明細書において透明というとき、具体的には波長380nm〜780nmの非偏光透過率(全方位透過率)が50%以上であればよく、70%以上であるのが好ましく、85%以上であるのがより好ましい。
また、支持体32のヘイズ値は、30%以下が好ましく、0.1%〜25%がより好ましく、0.1%〜10%がさらに好ましい。さらに、AG(アンチグレア)支持体のようにヘイズの高い支持体32を用いることで、透明性を悪化させ、正面輝度および視野角特性を良化させるような調節も可能となる。
支持体32の厚さは、用途に応じて選択すればよく、特に限定されないが、5μm〜1000μm程度であればよく、好ましくは10μm〜250μmであり、より好ましくは15μm〜150μmである。
ここで、後述するが、本発明の透明スクリーンを用いる画像表示システムにおいては、プロジェクターとして出射光が直線偏光の短焦点プロジェクターを用い、λ/4板16で円偏光にした光を、反射層30に入射する。
従って、この場合には、偏光を維持するために、反射層30の支持体32は、Re(λ)およびRth(λ)が低い方が好ましい。
具体的には、支持体32は、Re(550)が0nm〜20nmであるのが好ましく、0nm〜10nmであるのがより好ましい。また、支持体32は、Rth(550)が0nm〜50nmであるのが好ましく、0nm〜40nmであるのがより好ましい。
支持体32は単層であっても、多層であってもよい。単層である場合の支持体32としては、ガラス、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、アクリル、ポリオレフィン等からなる支持体が挙げられる。多層である場合の支持体32の例としては、前述の単層の支持体のいずれかなどを基板として含み、この基板の表面に他の層を設けたものなどが挙げられる。
なお、支持体32と後述する反射ドット34との間には、下地層を設けてもよい。下地層は樹脂層であるのが好ましく、透明樹脂層であるのがより好ましい。下地層の例としては、反射ドット34を形成する際の反射ドット34の形状を調節するための層、支持体32と反射ドット34との接着特性を改善するための層、反射ドット34形成の際の重合性液晶化合物の配向を調節するための配向膜などが挙げられる。
また、下地層は、反射ドット34が反射する光の波長において、光の反射率が低いのが好ましく、反射ドット34が反射する光の波長において光を反射する材料を含んでいないのが好ましい。また、下地層は透明であるのが好ましい。さらに下地層は屈折率が1.2〜2.0程度であるのが好ましく、1.4〜1.8程度であるのがより好ましい。下地層は、支持体32表面に直接塗布された重合性化合物を含む組成物の硬化により得られた樹脂を含む層であることも好ましい。重合性化合物の例としては、(メタ)アクリレートモノマー、ウレタンモノマーなどの非液晶性の化合物が挙げられる。
下地層の厚さは、特に限定されないが、0.01μm〜50μmであるのが好ましく、0.05μm〜20μmであるのがより好ましい。
<<反射ドット>>
反射層30の反射ドット34は、所定の波長域、すなわち、選択反射波長の右円偏光または左円偏光のいずれか一方の光を反射して、それ以外の光を透過するドットである。
例えば、反射ドット34は、後に詳述する図5の透明スクリーン12cが有する赤色右円偏光反射ドット34rRのように、赤色の波長を選択反射波長として赤色の右円偏光を反射してそれ以外の光を透過するものであってもよいし、緑色右円偏光反射ドット34gRのように、緑色の波長を選択反射波長として緑色の右円偏光を反射してそれ以外の光を透過するものであってもよいし、あるいは、青色右円偏光反射ドット34bRのように、青色の波長を選択反射波長として青色の右円偏光を反射してそれ以外の光を透過するものであってもよい。また、図5に示す例では反射ドットは選択反射波長の右円偏光を反射するものとしたが、これに限定はされず、選択反射波長の左円偏光を反射するものであってもよい。
反射ドットは、コレステリック液晶相を固定してなるドットである。すなわち、反射ドットは、コレステリック構造を有する液晶材料からなるドットである。
ここで、反射ドットとなるコレステリック液晶相は、走査型電子顕微鏡にて観測される反射ドットの断面において、明部と暗部との縞模様を与え、反射ドットの端部から中心に向かう方向で最大高さまで連続的に増加する高さを有する部位を含み、この部位において、支持体32と反対側の反射ドットの表面から1本目の暗部が成す線の法線と反射ドットの表面との成す角度は70°〜90°の範囲であるのが好ましい。
この点については後に詳述する。
反射層30において、反射ドット34は、二次元的に配列されていれば、規則的に配列されても、不規則に配列されてもよい。
また、反射層30における反射ドット34の配列密度は、全面的に均一でも、配列密度が異なる領域を有してもよい。
ここで、反射層30における反射ドット34の配置密度には特に限定はなく、透明スクリーンに求められる拡散性(視野角)、および、透明性等に応じて適宜設定すればよい。
ホットスポットが抑制できる、広い視野角が得られる、高い透明性を得られる等の観点と、製造時に反射ドットの合一または欠損などの欠陥なく製造できる適切な密度等の観点から、支持体32の主面の法線方向から見た際の、支持体32に対する反射ドット34の面積率は、1%〜90.6%であるのが好ましく、2%〜50%であるのがより好ましく、4%〜30%であるのがさらに好ましい。
なお、反射ドット34の面積率は、レーザー顕微鏡、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)などの顕微鏡で得られる画像において、1mm×1mmの大きさの領域で面積率を測定し、例えば5箇所の平均値をドットの面積率とすればよい。
同様に、ホットスポットを抑制できる点、広い視野角が得られる点、および、高い透明性が得られる点で、隣接する反射ドット34のピッチは、20μm〜500μmが好ましく、20μm〜300μmがより好ましく、20μm〜150μmがさらに好ましい。反射ドットのピッチとは、反射ドットの中心と中心との距離である。
反射層30において、反射ドット34の直径および/または形状はすべて同一であってもよく、互いに異なるものが含まれていてもよいが、同一であるのが好ましい。例えば、同一の直径および形状のドット形成を意図して、同条件で形成された反射ドット34であるのが好ましい。
本明細書において、反射ドットについて説明されるとき、その説明は、本発明の透明スクリーン中のすべての反射ドットについて適用できるが、説明される反射ドットを含む本発明の透明スクリーンが、本技術分野で許容される誤差またはエラーなどにより同説明に該当しないドットを含むことを許容するものとする。
反射ドット34は、支持体32の主面の法線方向(以下、支持体法線方向とも言う)から見たとき円形であるのが好ましく、例えば、半球状(略半球状)、球欠状(略球欠状)、球台形状、円錐状、円錐台状等の形状を有するドットである。
円形は正円でなくてもよく、略円形であればよい。反射ドット34について中心というときは、この円形の中心または重心を意味する。反射ドット34は、平均的形状が円形であればよく、一部に円形に該当しない形状の反射ドット34が含まれていてもよい。
反射ドット34は支持体法線方向から見たときの平均直径が10μm〜200μmであるのが好ましく、20μm〜120μmであるのがより好ましい。
反射ドット34の直径は、レーザー顕微鏡、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)などの顕微鏡で得られる画像において、端部(反射ドットのへりまたは境界部)から端部までの直線であって、反射ドット34の中心を通る直線の長さを測定することにより得ることができる。なお、反射ドット34の数、反射ドット間距離もレーザー顕微鏡、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡などの顕微鏡画像で確認できる。
支持体法線方向から見た際の反射ドット34の形状が円形以外の場合には、この反射ドット34の投影面積と等しい円面積を持つ円の直径(円相当径)を反射ドット34の直径とする。
上記平均直径は、無作為に選択した10個の反射ドット34の直径を上記方法により測定し、それらを算術平均して求める。
反射ドット34の高さは、レーザー顕微鏡による焦点位置スキャン、またはSEMもしくはTEMなどの顕微鏡を用いて得られるドットの断面図から確認することができる。
反射ドット34の平均最大高さは、1μm〜40μmが好ましく、3μm〜30μmがより好ましく、5μm〜20μmがさらに好ましい。
<<<反射ドットの光学的性質>>>
反射ドット34は波長選択反射性を有する。
本発明の透明スクリーンは、基本的に、短焦点プロジェクター14から出射される映像光による画像と、透明スクリーンの裏面側の背景とを重畳して観察できるスクリーンとして使用されるので、反射ドット34が選択反射性を示す光は、可視光であるのが好ましく、また、短焦点プロジェクター14から出射される光の波長に従って選択されるのが好ましい。
例えば、短焦点プロジェクター14から出射される光が緑色である場合には、反射ドット34は、緑色の波長領域を選択反射波長とすればよい。
前述のように、反射ドット34は、コレステリック液晶相を固定してなるドットである。
反射ドット34が選択反射性を示す光の波長は、反射ドット34を形成するコレステリック液晶相の螺旋ピッチを調節することにより調節(選択)できる。
また、本発明の透明スクリーンにおいて反射ドット34を形成するコレステリック液晶相は、後述するように螺旋軸方向が制御されている。そのため、反射ドットに入射した光は、正反射だけでなく、種々の方向に反射される。
反射ドット34は着色していてもよいが、着色していないか、着色が少ないのが好ましい。これにより、透明スクリーンの透明性を向上できる。
<<<コレステリック液晶相>>>
コレステリック液晶相は、特定の波長において選択反射性を示すことが知られている。選択反射の中心波長λは、コレステリック液晶相における螺旋構造のピッチP(=螺旋の周期)に依存し、コレステリック液晶相の平均屈折率nとλ=n×Pの関係に従う。そのため、この螺旋構造のピッチを調節することによって、選択反射波長を調節することができる。コレステリック液晶相のピッチは重合性液晶化合物と共に用いるキラル剤の種類、またはその添加濃度に依存するため、これらを調節することによって所望のピッチを得ることができる。
なお、ピッチの調節については富士フイルム研究報告No.50(2005年)p.60−63に詳細な記載がある。螺旋のセンスおよびピッチの測定法については「液晶化学実験入門」日本液晶学会編 シグマ出版2007年出版、46頁、および「液晶便覧」液晶便覧編集委員会 丸善 196頁に記載の方法を用いることができる。
コレステリック液晶相は走査型電子顕微鏡によって観測される反射ドットの断面図において、明部と暗部との縞模様を与える。明部2つおよび暗部2が、螺旋1ピッチに相当する。このことから、ピッチは、SEM断面図から測定することができる。反射ドットにおいては、上記縞模様の各線の法線がコレステリック液晶相の螺旋軸方向となる。
なお、コレステリック液晶相の反射光は円偏光である。すなわち、本発明の透明スクリーン12aにおいて、反射層30の反射ドット34は、円偏光を反射する。反射光が右円偏光であるか左円偏光であるかは、コレステリック液晶相は螺旋の捩れ方向による。コレステリック液晶相による円偏光の選択反射は、コレステリック液晶相の螺旋の捩れ方向が右の場合は右円偏光を反射し、螺旋の捩れ方向が左の場合は左円偏光を反射する。
従って、図5に示す例の透明スクリーン12cにおいては、赤色右円偏光反射ドット34rR、緑色右円偏光反射ドット34gR、および、青色右円偏光反射ドット34bRはいずれも右捩れのコレステリック液晶相を固定してなるドットである。
なお、コレステリック液晶相の旋回の方向は、反射ドット(反射層)を形成する液晶化合物の種類または添加されるキラル剤の種類によって調節できる。
また、選択反射を示す選択反射帯域(円偏光反射帯域)の半値幅Δλ(nm)は、コレステリック液晶相のΔnと螺旋のピッチPとに依存し、Δλ=Δn×Pの関係に従う。そのため、選択反射帯域の幅の制御は、Δnを調節して行うことができる。Δnは、反射ドットを形成する液晶化合物の種類およびその混合比率、ならびに、配向固定時の温度により調節できる。反射波長帯域の半値幅は透明スクリーンの用途に応じて調節され、例えば50nm〜500nmであればよく、好ましくは100nm〜300nmであればよい。
コレステリック液晶相を固定してなる反射ドット34は、断面において、明部と暗部との縞模様を与える。このようなコレステリック液晶相を固定してなる反射ドット34は、走査型電子顕微鏡で観察される断面図で確認した際、支持体32と反対側の反射ドット34の表面から1本目の暗部が成す線の法線と、支持体32と反対側の反射ドット34の表面とが成す角度が70°〜90°の範囲であるのが好ましい。
以下の説明では、『支持体と反対側の反射ドットの表面』を、単に『反射ドットの表面』とも言う。
図2に反射ドット34の断面の概略図を示す。図2では、暗部が成す線を太線で示す。図2に示すように、1本目の暗部が成す線Ld1の法線(破線)と、反射ドットの表面とが成す角度θ1が、70°〜90°であるのが好ましい。
ここで、反射ドット34の表面の位置を、反射ドット34の中心を通る支持体32表面の垂線(一点鎖線)に対する角度α1で表したとき、角度α1が30°の位置および60°の位置において、反射ドット34の表面から1本目の暗部が成す線Ld1の法線と反射ドットの表面とが成す角度が70°〜90°の範囲であるのが好ましく、反射ドット34の表面の全ての位置において、反射ドット34の表面から1本目の暗部が成す線Ld1の法線と反射ドット34の表面とが成す角度が70°〜90°の範囲であるのがより好ましい。
すなわち、反射ドット34は、反射ドット34の表面の一部において上記角度を満たすもの、例えば、反射ドット34の表面の一部において断続的に上記角度を満たすものでなはく、連続的に上記角度を満たすものであるのが好ましい。なお、断面図において、反射ドット34の表面が曲線であるときは、暗部が成す線の法線と反射ドット34の表面とが成す角度は、反射ドット34の表面の接線と法線とが成す角度を意味する。また、上記角度は鋭角で示されており、法線と反射ドット34の表面とが成す角度を0°〜180°の角度で表すときの、70°〜110°の範囲を意味する。
反射ドット34は、断面図において、反射ドット34の表面から2本目の暗部が成す線Ld2の法線と反射ドット34の表面とが成す角度θ2が70°〜90°の範囲であるのが好ましく、反射ドット34の表面から3〜4本目までの暗部が成す線が、いずれも、その法線と反射ドット34の表面とが成す角度が70°〜90°の範囲であるのがより好ましく、反射ドット34の表面から5〜12本目以上の暗部が成す線が、いずれも、その法線と反射ドット34とが成す角度が70°〜90°の範囲であるのがさらに好ましい。
さらに、この暗部が成す線の法線と、反射ドット34の表面とが成す角度は、80°〜90°であるのがより好ましく、85°〜90°であるのがさらに好ましい。
このようなSEMによる反射ドット34の断面図は、反射ドット34の表面において、コレステリック液晶相の螺旋軸が、反射ドット34の表面(その接線)と70°〜90°の範囲の角度を成すことを示している。
このような構造により、反射ドット34に入射する光は、支持体32の法線方向に対して角度を有する方向から入射する光を、反射ドット34の表面において、コレステリック液晶相の螺旋軸方向と平行に近い角度で入射させることができる。そのため、反射ドット34に入射する光を様々な方向に反射させることができる。
また、反射ドット34はコレステリック液晶相の螺旋軸を基準として、入射光を正反射させる。そのため、図3に概念的に示すように、支持体32の法線方向から入射する光Inに対して、反射ドット34の中心付近で反射される反射光Irは支持体の法線方向に平行に反射される。一方、反射ドット34の中心からずれた位置(コレステリック液晶相の螺旋軸が支持体32の法線方向に対して傾いている位置)では、反射光Irは支持体32の法線方向とは異なる方向に反射される。したがって、反射ドット34に入射する光を様々な方向に反射させることができ、広視野角化することができる。また、反射ドット34を透過する光Ipは、入射光Inと同方向に透過するので、透過光が散乱されることを抑制してヘイズを小さくすることができ、透明性を高くすることができる。
また、支持体32の法線方向から入射する光を、全方位に反射できるのが好ましい。特に、正面輝度(ピーク輝度)の半分の輝度となる角度(半値角)が35°以上にでき、高い反射性を有することが好ましい。
コレステリック液晶相の螺旋軸が、反射ドット34の表面と70〜90°の範囲の角度を成すことにより、表面から1本目の暗部が成す線の法線方向と支持体の法線方向との成す角度は、上記高さが連続的に増加するにしたがって連続的に減少していることが好ましい。
なお、断面図は、ドットの端部から中心に向かう方向で最大高さまで連続的に増加する高さを有する部位を含む任意の方向の断面図であり、典型的にはドットの中心を含み支持体に垂直な任意の面の断面図であればよい。
<<<反射ドットの作製方法>>>
反射ドット34は、コレステリック液晶相をドット状に固定して得ることができる。
コレステリック液晶相を固定した構造は、コレステリック液晶相となっている液晶化合物の配向が保持されている構造であればよく、典型的には、重合性液晶化合物をコレステリック液晶相の配向状態としたうえで、紫外線照射、加熱等によって重合、硬化し、流動性が無い層を形成して、同時に、外場または外力によって配向形態に変化を生じさせることない状態に変化した構造であればよい。
なお、コレステリック液晶相を固定した構造においては、コレステリック液晶相の光学的性質が保持されていれば十分であり、液晶化合物は、液晶性を示さなくてもよい。例えば、重合性液晶化合物は、硬化反応により高分子量化して、液晶性を失っていてもよい。
コレステリック液晶相を固定してなる反射ドット34の形成に用いる材料としては、一例として、液晶化合物を含む液晶組成物が挙げられる。液晶化合物は重合性液晶化合物であるのが好ましい。
反射ドット34の形成に用いる液晶化合物を含む液晶組成物は、さらに界面活性剤を含むのが好ましい。また、反射ドット34の形成に用いる液晶組成物は、さらにキラル剤、重合開始剤を含んでいてもよい。
−−重合性液晶化合物−−
重合性液晶化合物は、棒状液晶化合物であっても、円盤状液晶化合物であってもよいが、棒状液晶化合物であるのが好ましい。
コレステリック液晶相を形成する棒状の重合性液晶化合物の例としては、棒状ネマチック液晶化合物が挙げられる。棒状ネマチック液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。低分子液晶化合物だけではなく、高分子液晶化合物も用いることができる。
重合性液晶化合物は、重合性基を液晶化合物に導入することで得られる。重合性基の例には、不飽和重合性基、エポキシ基、およびアジリジニル基が含まれ、不飽和重合性基が好ましく、エチレン性不飽和重合性基がより好ましい。重合性基は種々の方法で、液晶化合物の分子中に導入できる。重合性液晶化合物が有する重合性基の個数は、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜3個である。重合性液晶化合物の例は、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、同5622648号明細書、同5770107号明細書、国際公開WO95/22586号公報、同95/24455号公報、同97/00600号公報、同98/23580号公報、同98/52905号公報、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号公報、同11−80081号公報、および特開2001−328973号公報などに記載の化合物が含まれる。2種類以上の重合性液晶化合物を併用してもよい。2種類以上の重合性液晶化合物を併用すると、配向温度を低下させることができる。
重合性液晶化合物の具体例としては、下記式(1)〜(11)に示す化合物が挙げられる。
[化合物(11)において、X1は2〜5(整数)である]
また、上記以外の重合性液晶化合物としては、特開昭57−165480号公報に開示されているようなコレステリック相を有する環式オルガノポリシロキサン化合物等を用いることができる。さらに、前述の高分子液晶化合物としては、液晶を呈するメソゲン基を主鎖、側鎖、あるいは主鎖および側鎖の両方の位置に導入した高分子、コレステリル基を側鎖に導入した高分子コレステリック液晶、特開平9−133810号公報に開示されているような液晶性高分子、特開平11−293252号公報に開示されているような液晶性高分子等を用いることができる。
また、液晶組成物中の重合性液晶化合物の添加量は、液晶組成物の固形分質量(溶媒を除いた質量)に対して、75〜99.9質量%であるのが好ましく、80〜99質量%であるのがより好ましく、85〜90質量%であるのがさらに好ましい。
−−界面活性剤−−
本発明者らは、反射ドットを形成する際に用いる液晶組成物に界面活性剤を加えることにより、反射ドット形成時に重合性液晶化合物が空気界面側で水平に配向し、螺旋軸方向が上述のように制御された反射ドットが得られることを見出した。
一般的に、ドットの形成のためには、印刷の際の液滴形状を保つため、表面張力を低下させない必要がある。そのため界面活性剤を加えても反射ドットの形成が可能であり、かつ、多方向からの再帰反射性の高い反射ドットが得られたことは驚くべきことであった。本発明者らの検討によれば、界面活性剤を用いた場合、反射ドットの端部で、反射ドットの表面と支持体32とが成す角度が40°以上のドットが形成されている。すなわち、反射ドットを形成する際に界面活性剤を加えることにより、反射ドットと支持体32との接触角を、広い視野角と、高い透明性とを両立することができる角度範囲に形成することができる。
界面活性剤は、安定的にまたは迅速にプレーナー配向のコレステリック液晶相とするために寄与する配向制御剤として機能できる化合物が好ましい。界面活性剤としては、例えば、シリコ−ン系界面活性剤およびフッ素系界面活性剤が挙げられ、フッ素系界面活性剤が好ましく例示される。
界面活性剤の具体例としては、特開2014−119605号公報の段落[0082]〜[0090]に記載の化合物、特開2012−203237号公報の段落〔0031〕〜〔0034〕に記載の化合物、特開2005−99248号公報の段落[0092]および[0093]中に例示されている化合物、特開2002−129162号公報の段落[0076]〜[0078]および段落[0082]〜[0085]中に例示されている化合物、特開2007−272185号公報の段落〔0018〕〜〔0043〕等に記載のフッ素(メタ)アクリレート系ポリマー、などが挙げられる。
なお、水平配向剤としては1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
フッ素系界面活性剤として、特開2014−119605号公報の段落[0082]〜[0090]に記載の下記一般式(I)で表される化合物が好ましい。
一般式(I)において、L11、L12、L13、L14、L15、および、L16は、それぞれ独立して、単結合、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−COS−、−SCO−、−NRCO−、−CONR−(一般式(I)中におけるRは水素原子または炭素数が1〜6のアルキル基を表す)を表し、−NRCO−、−CONR−は溶解性を減ずる効果があり、ドット作製時にヘイズが上昇する傾向があることからより好ましくは−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−COS−、−SCO−であり、化合物の安定性の観点からさらに好ましくは−O−、−CO−、−COO−、−OCO−である。上記のRがとりうるアルキル基は、直鎖状であっても分枝状であってもよい。炭素数は1〜3であるのがより好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基を例示することができる。
Sp11、Sp12、Sp13、および、Sp14は、それぞれ独立して、単結合または炭素数1〜10のアルキレン基を表し、より好ましくは単結合または炭素数1〜7のアルキレン基であり、さらに好ましくは単結合または炭素数1〜4のアルキレン基である。但し、アルキレン基の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。アルキレン基には、分枝があっても無くてもよいが、好ましいのは分枝がない直鎖のアルキレン基である。合成上の観点からは、Sp11とSp14が同一であり、かつ、Sp12とSp13が同一であるのが好ましい。
11、A12は1〜4価の芳香族炭化水素基である。芳香族炭化水素基の炭素数は6〜22であるのが好ましく、6〜14であるのがより好ましく、6〜10であるのがさらに好ましく、6であるのがさらにより好ましい。A11、A12で表される芳香族炭化水素基は置換基を有していてもよい。そのような置換基の例として、炭素数1〜8のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基またはエステル基を挙げることができる。これらの基の説明と好ましい範囲については、下記のTの対応する記載を参照することができる。A11、A12で表される芳香族炭化水素基に対する置換基としては、例えばメチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、臭素原子、塩素原子、および、シアノ基などを挙げることができる。パーフルオロアルキル部分を分子内に多く有する分子は、少ない添加量で液晶を配向させることができ、ヘイズ低下につながることから、分子内にパーフルオロアルキル基を多く有するようにA11、A12は4価であるのが好ましい。合成上の観点からは、A11とA12は同一であるのが好ましい。
11は、下記の
で表される二価の基または二価の複素環基を表す(上記T11中に含まれるXは炭素数1〜8のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基またはエステル基を表し、Ya、Yb、Yc、Ydはそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す)のが好ましく、より好ましくは、
であり、さらに好ましくは、
である。
上記T11中に含まれるXがとりうるアルキル基の炭素数は1〜8であり、1〜5であるのが好ましく、1〜3であるのがより好ましい。アルキル基は、直鎖状、分枝状、および、環状のいずれであってもよく、直鎖状または分枝状であるのが好ましい。好ましいアルキル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基などを例示することができ、その中でもメチル基が好ましい。上記T11中に含まれるXがとりうるアルコキシ基のアルキル部分については、上記T11中に含まれるXがとりうるアルキル基の説明と好ましい範囲を参照することができる。上記T11中に含まれるXがとりうるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができ、塩素原子、臭素原子が好ましい。上記T11中に含まれるXがとりうるエステル基としては、R’COO−で表される基を例示することができる。R’としては炭素数1〜8のアルキル基を挙げることができる。R’がとりうるアルキル基の説明と好ましい範囲については、上記T11中に含まれるXがとりうるアルキル基の説明と好ましい範囲を参照することができる。エステルの具体例として、CH3COO−、C25COO−を挙げることができる。Ya、Yb、Yc、Ydがとりうる炭素数1〜4のアルキル基は、直鎖状であっても分枝状であってもよい。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基などを例示することができる。
二価の複素環基は、5員、6員または7員の複素環を有することが好ましい。5員環または6員環がより好ましく、6員環がさらに好ましい。複素環を構成する複素原子としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原子が好ましい。複素環基は、芳香族複素環基であるのが好ましい。複素環の例には、フラン環、チオフェン環、ピロール環、ピロリン環、ピロリジン環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、イミダゾリン環、イミダゾリジン環、ピラゾール環、ピラゾリン環、ピラゾリジン環、トリアゾール環、フラザン環、テトラゾール環、ピラン環、チイン環、ピリジン環、ピペリジン環、オキサジン環、モルホリン環、チアジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペラジン環およびトリアジン環が含まれる。二価の複素環基は置換基を有していてもよい。そのような置換基の例の説明と好ましい範囲については、上記のA1とA2の1〜4価の芳香族炭化水素が取り得る置換基に関する説明と記載を参照することができる。
Hb11は炭素数2〜30のパーフルオロアルキル基を表し、より好ましくは炭素数3〜20のパーフルオロアルキル基であり、さらに好ましくは3〜10のパーフルオロアルキル基である。パーフルオロアルキル基は、直鎖状、分枝状、および、環状のいずれであってもよいが、直鎖状または分枝状であるのが好ましく、直鎖状であるのがより好ましい。
m11、n11はそれぞれ独立に0から3であり、かつm11+n11≧1である。このとき複数存在する括弧内の構造は互いに同一であっても異なっていてもよいが、互いに同一であるのが好ましい。一般式(I)のm11、n11は、A11、A12の価数によって定まり、好ましい範囲もA11、A12の価数の好ましい範囲によって定まる。
11中に含まれるoおよびpはそれぞれ独立に0以上の整数であり、oおよびpが2以上であるとき複数のXは互いに同一であっても異なっていてもよい。T11中に含まれるoは1または2であるのが好ましい。T11中に含まれるpは1〜4のいずれかの整数であるのが好ましく、1または2であるのがより好ましい。
一般式(I)で表される化合物は、分子構造が対称性を有するものであってもよいし、対称性を有しないものであってもよい。なお、ここでいう対称性とは、点対称、線対称、および、回転対称のいずれかひとつに少なくとも該当するものを意味し、非対称とは点対称、線対称、および、回転対称のいずれにも該当しないものを意味する。
一般式(I)で表される化合物は、以上述べたパーフルオロアルキル基(Hb11)、連結基−(−Sp11−L11−Sp12−L12)m11−A11−L13−および−L14−A12−(L1 5−Sp13−L16−Sp14−)n11−、ならびに好ましくは排除体積効果を持つ2価の基であるTを組み合わせた化合物である。分子内に2つ存在するパーフルオロアルキル基(Hb11)は互いに同一であるのが好ましく、分子内に存在する連結基−(−Sp11−L11−Sp12−L12)m11−A11−L13−および−L14−A12−(L15−Sp13−L16−Sp14−)n11−も互いに同一であるのが好ましい。末端のHb11−Sp11−L11−Sp12−および−Sp13−L16−Sp14−Hb11は、以下のいずれかの一般式で表される基であるのが好ましい。
(Ca2a+1)−(Cb2b)−
(Ca2a+1)−(Cb2b)−O−(Cr2r)−
(Ca2a+1)−(Cb2b)−COO−(Cr2r)−
(Ca2a+1)−(Cb2b)−OCO−(Cr2r)−
上式において、aは2〜30であるのが好ましく、3〜20であるのがより好ましく、3〜10であるのがさらに好ましい。bは0〜20であるのが好ましく、0〜10であるのがより好ましく、0〜5であるのがさらに好ましい。a+bは3〜30である。rは1〜10であるのが好ましく、1〜4であるのがより好ましい。
また、一般式(I)の末端のHb11−Sp11−L11−Sp12−L12−および−L15−Sp13−L16−Sp14−Hb11は、以下のいずれかの一般式で表される基であるのが好ましい。
(Ca2a+1)−(Cb2b)−O−
(Ca2a+1)−(Cb2b)−COO−
(Ca2a+1)−(Cb2b)−O−(Cr2r)−O−
(Ca2a+1)−(Cb2b)−COO−(Cr2r)−COO−
(Ca2a+1)−(Cb2b)−OCO−(Cr2r)−COO−
上式におけるa、bおよびrの定義は直上の定義と同じである。
液晶組成物中における、界面活性剤の添加量は、重合性液晶化合物の全質量に対して0.01〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましく、0.02〜1質量%がさらに好ましい。
−−キラル剤(光学活性化合物)−−
キラル剤はコレステリック液晶相の螺旋構造を誘起する機能を有する。キラル化合物は、化合物によって誘起する螺旋の捩れ方向または螺旋ピッチが異なるため、目的に応じて選択すればよい。
キラル剤としては、特に制限はなく、公知の化合物(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN(twisted nematic)、STN(Super Twisted Nematic)用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載)、イソソルビド、イソマンニド誘導体を用いることができる。
キラル剤は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物または面性不斉化合物もキラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファンおよびこれらの誘導体が含まれる。キラル剤は、重合性基を有していてもよい。キラル剤と液晶化合物とがいずれも重合性基を有する場合は、重合性キラル剤と重合性液晶化合物との重合反応により、重合性液晶化合物から誘導される繰り返し単位と、キラル剤から誘導される繰り返し単位とを有するポリマーを形成することができる。この態様では、重合性キラル剤が有する重合性基は、重合性液晶化合物が有する重合性基と、同種の基であるのが好ましい。従って、キラル剤の重合性基も、不飽和重合性基、エポキシ基またはアジリジニル基であるのが好ましく、不飽和重合性基であるのがより好ましく、エチレン性不飽和重合性基であるのがさらに好ましい。
また、キラル剤は、液晶化合物であってもよい。
キラル剤が光異性化基を有する場合には、塗布、配向後に活性光線などのフォトマスク照射によって、発光波長に対応した所望の反射波長のパターンを形成することができるので好ましい。光異性化基としては、フォトクロッミック性を示す化合物の異性化部位、アゾ基、アゾキシ基、シンナモイル基が好ましい。具体的な化合物として、特開2002−80478号公報、特開2002−80851号公報、特開2002−179668号公報、特開2002−179669号公報、特開2002−179670号公報、特開2002−179681号公報、特開2002−179682号公報、特開2002−338575号公報、特開2002−338668号公報、特開2003−313189号公報、特開2003−313292号公報に記載の化合物を用いることができる。
キラル剤の具体例としては以下の式(12)で表される化合物が挙げられる。
式中、Xは2〜5(整数)である。
液晶組成物における、キラル剤の含有量は、重合性液晶化合物量の0.01モル%〜200モル%が好ましく、1モル%〜30モル%がより好ましい。
−−重合開始剤−−
液晶組成物が重合性化合物を含む場合は、液晶組成物は重合開始剤を含有しているのが好ましい。紫外線照射により重合反応を進行させる態様では、使用する重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であるのが好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)等が挙げられる。
液晶組成物中の光重合開始剤の含有量は、重合性液晶化合物の含有量に対して0.1〜20質量%であるのが好ましく、0.5〜12質量%であるのがより好ましい。
−−架橋剤−−
液晶組成物は、硬化後の膜強度向上、耐久性向上のため、任意に架橋剤を含有していてもよい。架橋剤としては、紫外線、熱、湿気等で硬化するものが好適に使用できる。
架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の多官能アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物;2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、4,4−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等のアジリジン化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、ビウレット型イソシアネート等のイソシアネート化合物;オキサゾリン基を側鎖に有するポリオキサゾリン化合物;ビニルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物などが挙げられる。また、架橋剤の反応性に応じて公知の触媒を用いることができ、膜強度および耐久性向上に加えて生産性を向上させることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
架橋剤の含有量は、液晶組成物の固形分質量に対して、3〜20質量%が好ましく、5〜15質量%がより好ましい。架橋剤の含有量が上記範囲内であれば、架橋密度向上の効果が得られやすく、コレステリック液晶相の安定性がより向上する。
−−その他の添加剤−−
反射ドットの形成に、後述するインクジェット法を用いる場合には、一般的に求められるインク物性を得るために、液晶組成物には単官能重合性モノマーが含まれていてもよい。単官能重合性モノマーとしては、2−メトキシエチルアクリレート、イソブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソデシルアクリレート、オクチル/デシルアクリレート等が挙げられる。
また、液晶組成物中には、必要に応じて、さらに重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、色材、金属酸化物微粒子等を、光学的性能等を低下させない範囲で添加することができる。
液晶組成物は、反射ドットを形成する際には、液体として用いられることが好ましい。
液晶組成物は溶媒を含んでいてもよい。溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、有機溶媒が好ましく用いられる。
有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、アルキルハライド類、アミド類、スルホキシド類、ヘテロ環化合物、炭化水素類、エステル類、エーテル類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、環境への負荷を考慮した場合にはケトン類が好ましい。上述の単官能重合性モノマーなどの上述の成分が溶媒として機能していてもよい。
液晶組成物は、支持体32上にドット状に塗布されて、その後、硬化され反射ドット34を形成する。
反射ドット34を形成する際には、支持体32上への液晶組成物の塗布は、好ましくは打滴により行われる。印刷法は特に限定はされず、インクジェット法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法などを用いることができるが、インクジェット法が好ましい。反射ドットのパターン形成も、公知の印刷技術を応用して形成することができる。
支持体32上に塗布された液晶組成物は、必要に応じて乾燥または加熱され、その後、硬化され、反射ドット34を形成する。この乾燥および/または加熱の工程で、液晶組成物中の重合性液晶化合物が配向していればよい。加熱を行う場合、加熱温度は、200℃以下が好ましく、130℃以下がより好ましい。
配向させた液晶化合物は、さらに重合させればよい。重合は、熱重合、および、光照射による光重合のいずれでもよいが、光重合が好ましい。光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、10〜3000mJ/cm2が好ましく、100〜1,500mJ/cm2がより好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下または窒素雰囲気下で光照射を実施してもよい。照射紫外線波長は250nm〜430nmが好ましい。重合反応率は安定性の観点から、高いのが好ましく70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。
重合反応率は、重合性の官能基の消費割合を、IR(赤外線)吸収スペクトルを用いて決定することができる。
<<オーバーコート層>>
反射層30は、反射ドット34を包埋して、支持体32に積層されるオーバーコート層36を有する。
オーバーコート層36は、支持体32の反射ドット34が形成された面側に設けられていればよく、表面を平坦化しているのが好ましい。
オーバーコート層36は、特に限定されないが、反射ドット34の屈折率との差が小さいほど好ましく、屈折率の差が0.04以下であるのが好ましい。反射ドット34の屈折率は1.6程度であるので、屈折率が1.4〜1.8程度の樹脂層であるのが好ましい。
反射ドット34の屈折率に近い屈折率を有するオーバーコート層36を用いることによって、反射ドット34に入射する光の法線からの角度(極角)を小さくすることができる。例えば、屈折率が1.6のオーバーコート層36を用い、極角45°で透明スクリーンに光を入射させたとき、反射ドット34に実際に入射する極角は27°程度とすることができる。そのため、オーバーコート層36を用いることによっては透明スクリーン12aが再帰反射性を示す光の極角を広げることが可能であり、反射ドット34の表面と支持体32とが成す角度が小さい場合であっても、より広い範囲で、高い再帰反射性が得られる。また、オーバーコート層36は、反射防止層、ハードコート層としての機能を有していてもよい。
オーバーコート層36の例としては、モノマーを含む組成物を、支持体32の反射ドット34が形成された面側に塗布し、その後、塗布膜を硬化して得られる樹脂層などが挙げられる。
オーバーコート層36に利用される樹脂は、特に限定されず、支持体32や反射ドット34との密着性などを考慮して選択すればよい。例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等を用いることができる。耐久性、耐溶剤性等の点からは、架橋により硬化するタイプの樹脂が好ましく、特に、短時間での硬化が可能である紫外線硬化性樹脂が好ましい。オーバーコート層36の形成に用いることができるモノマーとしては、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン、ポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
オーバーコート層36の厚さは、特に限定されず、反射ドット34の最大高さを考慮して決定すればよく、5μm〜100μm程度であればよく、好ましくは10μm〜50μmであり、より好ましくは20μm〜40μmである。厚さは、ドットが無い部分の支持体のドット形成表面から対向する面にあるオーバーコート層表面までの距離である。
<第1のλ/4板および第2のλ/4板>
反射層30の反射ドット34が形成される側の面(以下、反射層の表面ともいう)には、第1のλ/4板16が積層されている。すなわち、反射ドット34の凸側に第1のλ/4板16が積層されている。また、反射層30の支持体32側の面(以下、反射層の裏面ともいう)には、第2のλ/4板20が積層されている。
第1のλ/4板16および第2のλ/4板20はいずれも従来公知のλ/4板であり、λ/4板に入射する光が直線偏光の場合には円偏光にして出射し、λ/4板に入射する光が円偏光の場合には直線偏光にして出射する。
後述するように、本発明の透明スクリーンは、直線偏光を出射する短焦点プロジェクターと好適に組み合わされるので、短焦点プロジェクターからの光を投影される側(表面側)に配置される第1のλ/4板16は、入射する直線偏光を円偏光にして円偏光を反射層30に入射させる。また、反射層30の裏面側に配置される第2のλ/4板20は、反射層30を透過した円偏光を直線偏光にして後述する偏光膜18に入射させる。
第1のλ/4板16は、出射光が反射層30の反射ドット34が反射する方向の円偏光になるように遅相軸を合わせて配置される。
第2のλ/4板20は、反射層30を透過した円偏光が直線偏光になるように遅相軸を合わせて配置される。また、第2のλ/4板20は、透明スクリーン12aに垂直な方向から見た際に、第2のλ/4板20から出射される光の偏光方向が、後述する偏光膜18の吸収軸に平行な方向となるように配置される。
また、第1のλ/4板16と第2のλ/4板20とは、第1のλ/4板16の遅相軸と第2のλ/4板20の遅相軸とが平行、もしくは、直交するように配置するが、直交するように配置されるのが好ましい。
第1のλ/4板16と第2のλ/4板20とそれらの遅相軸が平行または直交するように配置することで、第1のλ/4板16により円偏光にされた光を第2のλ/4板20で直線偏光にできる。ここで、平行に配置した場合には、第1のλ/4板16に入射する前の直線偏光を90°回転した直線偏光となり、また、波長分散の影響で、例えば、550nmの光はぴったり直線偏光に戻っても、他の波長は楕円偏光になるため、色味の変化が生じる。一方、垂直に配置した場合には、第1のλ/4板16に入射する前の直線偏光と同じ方向の直線偏光となり、また、波長分散をキャンセルできるため、色味の変化を好適に抑制できる。
第1のλ/4板16および第2のλ/4板20は、配置が異なる以外は同様の構成を有するので、以下の説明ではまとめて、λ/4板として説明する。
λ/4板(λ/4機能を有する板)とは、ある特定の波長の直線偏光を円偏光に、または、円偏光を直線偏光に変換する機能を有する板である。より具体的には、所定の波長λnmにおける面内レターデーション値がRe(λ)=λ/4(または、この奇数倍)を示す板である。この式は、可視光域のいずれかの波長(例えば、550nm)において達成されていればよい。
なお、λ/4板は、λ/4機能を有する光学異方性層のみからなる構成であっても、支持体にλ/4機能を有する光学異方性層を形成した構成であってもよいが、λ/4板が支持体を有する場合には、支持体と光学異方性層との組み合わせが、λ/4板であることを意図する。
λ/4板は、公知のλ/4板が利用可能である。従って、波長550nmの面内レターデーションRe(550)は特に限定はないが、115nm〜165nmが好ましく、120nm〜150nmがより好ましく、125nm〜145nmがさらに好ましい。なお、λ/4板が、支持体等の光学異方性層以外の層を含んでいる場合であっても、λ/4板は、この面内レターデーションの範囲を示すのが好ましい。
また、本発明の透明スクリーンにおいては、λ/4板は、厚さ方向のレターデーションであるRth(550)が少ないのが好ましい。
具体的には、Rth(550)が−50nm〜50nmであるのが好ましく、−30nm〜30nmであるのがより好ましく、Rth(λ)がゼロであるのがさらに好ましい。これにより、λ/4板に対して斜めに入射する直線偏光を円偏光に変換できる点で好ましい結果を得る。
<偏光膜>
偏光膜18は、第2のλ/4板20の反射層30側とは反対側の面に積層されるものであり、反射層30および第2のλ/4板20を透過した光の一部を遮光する層である。具体的には、偏光膜18は、偏光膜18の膜面に対して小さい入射角で、すなわち、略垂直に入射する光は透過し、大きな入射角で入射する光は遮光することで、透明スクリーン12aを透過した透過光によるホットスポットを低減するものである。
偏光膜18は、その厚み方向に吸収軸を有する膜である。言い換えれば、偏光膜18は、膜表面の法線方向と平行な吸収軸を有する膜である。
偏光膜18に垂直方向から光が入射すると、光の進行方向が偏光膜18の吸収軸と交差しないので、光は吸収されずに透過する。
一方、偏光膜18に斜め方向から光が入射すると、光が吸収軸と交差する方向に進行するので、吸収軸に平行な方向の偏光成分は吸収され、吸収軸に直交する方向の偏光成分は透過される。これにより、偏光膜18は光の一部を遮光する。
偏光膜18の吸収軸は、偏光膜面に対し略垂直に配向している。このように吸収軸を偏光膜の主面(最大面 以下、偏光膜面ともいう)に対し略垂直に配向させることによって、正面からは透過率が高い膜であるが、斜めに視点を傾けるほど縦波光を吸収するようになるので透過率が低い膜となる。
また、「略垂直方向」とは、吸収軸が、偏光膜面に対し80°〜90°の角度に配向していることを意味し、85°〜90°に配向していることが好ましく、垂直(90°)に配向していることがより好ましい。吸収軸の偏光膜面に対する角度が80°未満であると、正面からの透過率が低くなってしまうことがある。
ここで、吸収軸が偏光膜面に対し略垂直方向に配向していることは、例えば、偏光膜の断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察することにより確認することができる。
偏光膜18は、その吸収軸が厚み方向に有していれば、その構成は特に制限されない。なかでも、複屈折性材料(複屈折性を有する材料)が含まれ、その複屈折性材料が所定の方向に配向されてなる偏光膜18が好ましい。より具体的には、例えば、複屈折性材料として後述する2色性色素が用いられる場合は、2色性色素の長軸が偏光膜18の厚み方向と平行になるように配置される。
複屈折性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、無機粒子、2色性色素、異方性金属ナノ粒子、カーボンナノチューブ、金属錯体などが挙げられる。これらの中でも、2色性色素、異方性金属ナノ粒子、カーボンナノチューブ、が特に好ましい。
−2色性色素−
2色性色素としては、例えば、アゾ系色素、アントラキノン系色素などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明において、2色性色素とは、光を吸収する機能を有する化合物と定義される。2色性色素としては、吸収極大及び吸収帯については、いかなるものであってもよいが、イエロー域(Y)、マゼンタ域(M)、あるいはシアン域(C)に吸収極大を有する場合が好ましい。また、2色性色素は2種類以上を用いてもよく、Y、M、Cに吸収極大を有する2色性色素の混合物を用いるのが好ましく、可視域(400nm〜750nm)の範囲を全て吸収するように2色性色素を混合して用いるのがより好ましい。ここで、イエロー域とは420nm〜490nmの範囲、マゼンタ域とは495nm〜570nmの範囲、シアン域とは620nm〜750nmの範囲である。
ここで、2色性色素に用いられる発色団について説明する。2色性色素の発色団としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アゾ色素、アントラキノン色素、ペリレン色素、メロシアニン色素、アゾメチン色素、フタロペリレン色素、インジゴ色素、アズレン色素、ジオキサジン色素、ポリチオフェン色素、フェノキサジン色素などが挙げられる。これらの中でも、アゾ色素、アントラキノン色素、フェノキサジン色素が好ましく、アントラキノン色素、フェノキサゾン色素(フェノキサジン−3−オン)がより好ましい。
なお、上記色素の具体例としては、特開2008−275976号公報の段落0022〜段落0075に記載の色素が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
−異方性金属ナノ粒子−
異方性金属ナノ粒子は、数nm〜100nmのナノサイズの棒状金属微粒子である。棒状金属微粒子とは、アスペクト比(長軸長さ/短軸長さ)が1.5以上である粒子を意味する。
このような異方性金属ナノ粒子は、表面プラズモン共鳴を示し、紫外〜赤外領域に吸収を示す。例えば短軸長さが1nm〜50nm、長軸長さが10nm〜1,000nm、アスペクト比が1.5以上の異方性金属ナノ粒子は、短軸方向と、長軸方向とで吸収位置を変えることができるので、このような異方性金属ナノ粒子を膜の水平面に対し斜め方向に配向させた偏光膜は、異方性吸収膜となる。
−カーボンナノチューブ−
カーボンナノチューブは、繊維径が1nm〜1,000nm、長さが0.1μm〜1,000μm、アスペクト比が100〜10,000の細長いチューブ状の炭素である。カーボンナノチューブの作製方法としては、例えばアーク放電法、レーザー蒸発法、熱CVD法、プラズマCVD法などが知られている。アーク放電法及びレーザー蒸発法により得られるカーボンナノチューブには、グラフェンシートが一層のみの単層カーボンナノチューブ(SWNT:Single Wall Nanotube)と、複数のグラフェンシートからなる多層カーボンナノチューブ(MWNT:Maluti Wall Nanotube)とが存在する。
また、熱CVD法及びプラズマCVD法では、主としてMWNTが作製できる。SWNTは、炭素原子同士がSP2結合と呼ばれる最も強い結合により6角形状につながったグラフェンシート一枚が筒状に巻かれた構造を有する。
偏光膜における複屈折性材料の含有量は、0.1質量%〜90.0質量%が好ましく、1.0質量%〜30.0質量%がより好ましい。複屈折性材料の含有量が、0.1質量%以上であると、十分な偏光性を得ることができる。一方、90質量%以下であると、偏光膜の成膜を支障なく行うことができ、偏光膜の透過率を維持することができる。
偏光膜は、複屈折性材料以外にも偏光膜の形成方法(配向方法)に応じて、分散剤、溶媒、バインダー樹脂等のその他の成分を含有してなる。
<<偏光膜の製造方法>>
偏光膜の製造方法としては、基材面(偏光膜面)に対し吸収軸が略垂直方向となるようにできれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、(1)液晶配向場における金属ナノロッド析出法、(2)ゲスト−ホスト液晶法、(3)陽極酸化アルミナ法、などが挙げられる。これらの中でも、ゲスト−ホスト液晶法が特に好ましい。
上記方法は、特開2008−275976号公報の段落0087〜段落0108に記載の方法が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
偏光膜の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.1μm〜10μmが好ましく、0.3μm〜3μmがより好ましい。
本発明の画像表示システム10は、このような第1のλ/4板16、反射層30、第2のλ/4板20および偏光膜18を積層してなる透明スクリーン12aと、短焦点プロジェクター14とを有する。
短焦点プロジェクター14は、必要に応じて台形補正(歪み補正)を行って、画像を担持する投影光を透明スクリーン12aに投影することにより、透明スクリーン12aに画像を表示させる、公知の短焦点プロジェクターである。
ここで、本発明の画像表示システム10では、短焦点プロジェクター14は、出射光が直線偏光のプロジェクターを用いる。
言い換えれば、本発明においては、短焦点プロジェクター14の出射光が直線偏光であり、透明スクリーン12aは、短焦点プロジェクター14の出射光の直線偏光を円偏光にする第1のλ/4板16と、右あるいは左の円偏光を反射する反射層30とを有する構成である。
短焦点プロジェクター14は、出射光が直線偏光のものであれば、LCOS(Liquid crystal on silicon)プロジェクターおよびレーザープロジェクター等、公知の各種のプロジェクターが利用可能である。
また、短焦点プロジェクターとは、透明スクリーンに投影する光の入射角(透明スクリーンの投影面の法線に対する角度)が大きく、プロジェクターから透明スクリーンまでの距離(焦点距離)が短いものである。
また、本発明の画像表示システム10は、反射層30の反射ドット34の凸側をプロジェクター14側に向けて配置するのが好ましく、かつ、プロジェクター14側で画像を観察する、いわゆるフロント投影型であるのが好ましい。
なお、以下の説明においては、短焦点プロジェクター14を単にプロジェクター14ともいう。
本発明において、短焦点プロジェクターとは、透明スクリーン12aの法線に対して、プロジェクターからの出射光の入射角度が30°〜70°となるように、配置されるものである。
本発明の画像表示システム10においては、透明スクリーン12aの法線に対して、プロジェクター14からの出射光の入射角度が40°〜60°となるように、プロジェクター14を配置するのが好ましい。
また、後述するが、出射光が直線偏光であるプロジェクター14は、出射光を透明スクリーン12aに対してP波とし、かつ、透明スクリーン12aの法線に対して、プロジェクター14からの光の入射角度を56°±10°とするのも好ましい。
前述のように、本発明の透明スクリーン12aは、コレステリック液晶相を固定してなる反射ドットによって光を反射するものであり、好ましくは、図2に示すように、コレステリック液晶相の螺旋軸が、反射ドットの表面と70〜90°の範囲の角度を成す。これにより、透明スクリーン12aは、図3に示すように、反射ドットに入射した光を、再帰反射のみならず、光の入射側の様々な方向に反射できる。
そのため、本発明の画像表示システム10は、透明スクリーンの法線方向からの投影ではなく、プロジェクターのように、透明スクリーンの下方(または、上方)にプロジェクターを配置して、投影スクリーンの法線に対して大きな角度で光を投影しても、プロジェクター側から、広い視野角で好適に画像を視認できる。
従って、本発明の画像表示システム10は、フロント投影型にして、かつ、透明スクリーン12aの法線に対するプロジェクター14の入射角度を30°〜70°とすることにより、プロジェクター14を透明スクリーンの近くに配置して、画像表示システムを小型化できる。また、フロント投影形とすることにより、プロジェクター14から観察者までの光路を透明スクリーンによる折り返しの光路にできるので、全体的な光学距離を短くして、小型化できる。
また、プロジェクター14は、透明スクリーン12aの反射ドット34の選択反射波長の光を出射するものである。したがって、図1に示す画像表示システム10においては、透明スクリーン12aは1種類の反射ドット34を有するものであるので、モノクロの画像表示を行う。
以下、画像表示システム10の作用を説明することにより、本発明の透明スクリーン12aおよび画像表示システム10について、より詳細に説明する。
プロジェクター14から出射された画像を担持する直線偏光の光は、まず、第1のλ/4板16によって、円偏光にされる。
第1のλ/4板16によって円偏光にされた光は、反射層30に入射する。
反射層30に入射した円偏光の光は、選択反射波長の円偏光のみが反射ドット34によって反射され、選択反射波長以外の光、および、反射ドット34以外の部分に入射した光は、反射層30を通過する。
この反射ドット34によって反射された選択反射波長の円偏光の光によって、透明スクリーン12aに画像が表示(投影)される。
反射層30を通過した円偏光は、次いで、第2のλ/4板20に入射する。
第2のλ/4板20に入射した円偏光の光は直線偏光にされて偏光膜18に入射する。
ここで、前述のとおり、偏光膜18は、吸収軸を厚さ方向に有する。したがって、偏光膜18は、偏光膜18の膜面に対して小さい入射角で入射する光(略垂直に入射する光)は透過し、大きな入射角で入射する光は遮光する。これにより、透明スクリーン12aを透過した透過光によるホットスポットを低減する。
前述のように、透明スクリーンにおいては、反射層によって反射された光によって画像が表示される。また、画像の表示に供されなかった光は、透明スクリーンを通過する。
すなわち、反射層によって画像を表示する透明スクリーンの場合には、反射層を通過した光は、透明スクリーンを通過して、透明スクリーンのプロジェクターとは逆側の面(裏面)から観察される。
そのため、裏面側において、透明スクリーンを介してプロジェクターの出射光を出射光の直進方向から見た場合に、プロジェクターの光源が観察され、ホットスポットが生じる。ホットスポットは、非常に眩しく、特に、光源としてレーザーを用いるレーザープロジェクターの場合には、ホットスポットは、極めて眩しい。
これに対して、本発明の透明スクリーン12aは、反射層30の裏面側に、吸収軸が膜面に対し略垂直である偏光膜18を有する。
そのため、反射層30を透過し第2のλ/4板20により直線偏光にされた光のうち、偏光膜18の膜面に略垂直に入射する光は、その進行方向が偏光膜18の吸収軸に平行であるので吸収されずに偏光膜18を透過する。一方、偏光膜18の膜面に斜めに入射する光は、その進行方向が偏光膜18の吸収軸と交差し、また、前述のとおり、この入射する光は、偏光膜18の吸収軸に平行な方向に偏光された直線偏光であるので偏光膜18に吸収される。これにより、正面の透過率は高くなり、斜めになるほど透過率が低くなる。
したがって、このような透明スクリーン12aを、透明スクリーン12aに対する光の入射角が大きい短焦点プロジェクター14と組み合わせることにより、短焦点プロジェクター14からの出射光の直進方向、すなわち、透明スクリーン12aの斜め方向の、透明スクリーン12aの裏面側に生じるホットスポットを大幅に抑制することができる。
また、前述のとおり、本発明の透明スクリーンの反射層は、コレステリック液晶相を固定してなる構造を有し、選択反射波長域の光を反射するものである。すなわち、反射層は、可視光の全波長域を反射する訳ではなく、光を反射しない波長帯域もある。そのため、良好な透明性も確保できる。さらに、反射層のコレステリック液晶相を固定してなる構造は、通過する光は散乱しないでそのまま透過するので、ヘイズも小さい。
加えて、本発明においては、好ましくは、コレステリック液晶相を固定した反射ドットによって光を反射することにより、さらに好ましくは、図2に示すようにコレステリック液晶相の螺旋軸が、反射ドットの表面と70〜90°の範囲の角度を成す反射ドットによって、光を反射することにより、透明スクリーン12aに画像を表示する。
そのため、透明スクリーン12aの反射ドットは、図3に示すように、入射した光を、再帰反射のみならず、光の入射側の様々な方向に反射できる。従って、短焦点プロジェクター14を透明スクリーン12aに近接して配置して、透明スクリーン12aの法線に対して大きな角度で投影光を透明スクリーン12aに入射した場合でも、広視野角化を図れる。
これにより、本発明によれば、フロント投影型の小型の画像表示システムによって、広い視野角で、十分な光量の反射光で、高画質な画像を観察することが可能である。
ここで、プロジェクター14から出射して透明スクリーン12aに入射する光を、透明スクリーン12aに対してP波とし、かつ、プロジェクター14から透明スクリーン12aへの光の入射角度を、透明スクリーン12aの法線に対して56°±10°とするのが好ましい。
透明スクリーンを用いた画像表示システムにおけるホットスポットは、透明スクリーンを透過してプロジェクターの光源が観察される場合のみならず、プロジェクターの出射光がスクリーンの表面で正反射される位置でも、プロジェクターの光源が間接的に観察され、ホットスポットとなる場合がある。
ここで、周知のように、直線偏光の反射率は、反射面への入射角度によって異なり、反射面に対してP波の場合には、反射面の法線に対して56°の角度で光が入射すると、光の反射率が、ほぼ、ゼロになる。
従って、出射光が直線偏光のプロジェクター14から出射して透明スクリーン12aに入射する光を、透明スクリーン12aに対してP波とし、かつ、プロジェクター14からの光の入射角度すなわちプロジェクター14の光軸を、透明スクリーン12aの法線に対して56°±10°とすることにより、プロジェクター14からの光が透明スクリーン12aによって正反射されて生じるホットスポットを大幅に低減できる。
なお、プロジェクター14から出射する直線偏光を透明スクリーン12aに対してP波とする方法は、プロジェクター14の光源を、光軸を中心に回転する方法等、公知の方法が、各種、利用可能である。
ここで、図1に示す透明スクリーン12aにおいては、反射層30と偏光膜18との間に、第2のλ/4板20を有する構成としたがこれに限定はされない。
図4に、本発明の透明スクリーンの他の一例の概念図を示す。
図4に示す透明スクリーン12bは、第1のλ/4板16と、反射層30と、偏光膜18とをこの順に積層した構成を有する。すなわち、反射層30の支持体32側に偏光膜18が積層されている。
なお、図4に示す透明スクリーン12bは、第2のλ/4板20を有さない以外は、図1に示す透明スクリーン12aと同様の構成を有するので、同じ部位には同じ符号を付して示す。
このような透明スクリーン12bに斜め方向から、短焦点プロジェクター14の光を投影すると、プロジェクター14から出射された画像を担持する直線偏光の光は、まず、第1のλ/4板16によって、円偏光にされる。
第1のλ/4板16によって円偏光にされた光は、反射層30に入射する。
反射層30に入射した円偏光の光は、選択反射波長の円偏光のみが反射ドット34によって反射され、選択反射波長以外の光、および、反射ドット34以外の部分に入射した光は、反射層30を通過する。
この反射ドット34によって反射された選択反射波長の円偏光の光によって、透明スクリーン12aに画像が表示(投影)される。
反射層30を通過した円偏光は、次いで、偏光膜18に入射する。
偏光膜18は、入射した光のうち偏光膜18の膜面に対して小さい入射角で(略垂直な方向から)入射する光は透過し、大きな入射角で(斜め方向から)入射する光は遮光する。その際、入射する光は円偏光であるので、その一部が偏光膜18に吸収され残りの一部は透過する。すなわち、偏光膜18に斜め方向から入射する光のうち、偏光膜18の吸収軸に平行な方向の偏光成分は吸収される。
したがって、短焦点プロジェクター14から出射され、透明スクリーン12bに斜め方向から入射する光の直進方向の、透明スクリーン12bの裏面側に生じるホットスポットの光量を低減することができる。
また、図1に示す透明スクリーンにおいては、反射層30は、反射ドットを2次元的に配列した層を1層有する構成としたがこれに限定はされず、反射ドットを2次元的に配列した層を複数層有する構成としてもよい。
図5に、本発明の透明スクリーンの他の一例の概念図を示す。
図5に示す透明スクリーン12cは、第1のλ/4板16、青色右円偏光ドット積層体31bRと緑色右円偏光ドット積層体31gRと赤色右円偏光ドット積層体31rRとを有する反射層30b、第2のλ/4板20、および、偏光膜18をこの順に積層した構成を有する。
なお、図5に示す透明スクリーン12cは、反射層30に代えて反射層30bを有する以外は、図1に示す透明スクリーン12aと同様の構成を有するので、同じ部位には同じ符号を付し以下の説明は異なる部位を主に行う。
反射層30bは、青色右円偏光ドット積層体31bRと緑色右円偏光ドット積層体31gRと赤色右円偏光ドット積層体31rRとを積層してなる層である。
赤色右円偏光ドット積層体31rRは、支持体32と、支持体32の一方の表面に二次元的に配列される赤色右円偏光反射ドット34rRと、赤色右円偏光反射ドット34rRを包埋して支持体32に積層されるオーバーコート層36と、を有する。
緑色右円偏光ドット積層体31gRは、支持体32と、支持体32の一方の表面に二次元的に配列される緑色右円偏光反射ドット34gRと、緑色右円偏光反射ドット34gRを包埋して支持体32に積層されるオーバーコート層36と、を有する。
青色右円偏光ドット積層体31bRは、支持体32と、支持体32の一方の表面に二次元的に配列される青色右円偏光反射ドット34bRと、青色右円偏光反射ドット34bRを包埋して支持体32に積層されるオーバーコート層36と、を有する。
赤色右円偏光反射ドット34rRは、赤色の波長を選択反射波長として赤色の右円偏光を反射してそれ以外の光を透過する反射ドットである。
緑色右円偏光反射ドット34gRは、緑色の波長を選択反射波長として緑色の右円偏光を反射してそれ以外の光を透過する反射ドットである。
青色右円偏光反射ドット34bRは、青色の波長を選択反射波長として青色の右円偏光を反射してそれ以外の光を透過する反射ドットである。
すなわち、これらの反射ドットは、互いに選択反射波長が異なる。
このように、赤色光を反射する反射ドット、緑色光を反射する反射ドット、および青色光を反射する反射ドットを形成することで、透明スクリーンに入射される光の赤色光、緑色光および青色光を反射することができ、透明スクリーンに投影される映像をカラー表示することができる。またプロジェクターから出射される光が赤色光であっても緑色光であっても青色光であっても利用可能である。
以下、透明スクリーン12cの作用を説明する。
透明スクリーン12cにプロジェクター14から出射された画像を担持する直線偏光の光が投影されると、まず、第1のλ/4板16によって、右円偏光にされる。
第1のλ/4板16によって右円偏光にされた光は、反射層30bに入射する。
反射層30bに入射した右円偏光の光は、まず、青色右円偏光ドット積層体31bRに入射して、先と同様に、青色右円偏光反射ドット34bRに入射した青色の右円偏光のみが青色右円偏光反射ドット34bRによって反射され、青色右円偏光反射ドット34bRに入射した青色の右円偏光の以外の光、および、青色右円偏光反射ドット34bR以外の部分に入射した光は、青色右円偏光ドット積層体31bRを通過する。
青色右円偏光ドット積層体31bRを通過した光は、次いで、緑色右円偏光ドット積層体31gRに入射する。
緑色右円偏光ドット積層体31gRに入射した光は、同様に、緑色右円偏光反射ドット34gRに入射した緑色の右円偏光のみが緑色右円偏光反射ドット34gRによって反射され、緑色右円偏光反射ドット34gRに入射した緑色の右円偏光以外の光、および、緑色右円偏光反射ドット34gR以外の部分に入射した光は、緑色右円偏光ドット積層体31gRを通過する。
緑色右円偏光ドット積層体31gRを通過した光は、次いで、赤色右円偏光ドット積層体31rRに入射する。
赤色右円偏光ドット積層体31rRに入射した光は、同様に、赤色右円偏光反射ドット34rRに入射した赤色の右円偏光のみが赤色右円偏光反射ドット34rRによって反射され、赤色右円偏光反射ドット34rRに入射した赤色の右円偏光以外の光、および、赤色右円偏光反射ドット34rR以外の部分に入射した光は、赤色右円偏光ドット積層体31rRを通過して、反射層30bを通過する。
この青色右円偏光反射ドット34bR、緑色右円偏光反射ドット34gRおよび緑色右円偏光反射ドット34gRによって反射された青色、緑色および赤色の右円偏光の光によって、透明スクリーン12cに画像が表示(投影)される。
反射層30bを通過した右円偏光は、次いで、第2のλ/4板20に入射する。
第2のλ/4板20に入射した円偏光の光は、直線偏光にされて偏光膜18に入射する。
偏光膜18は、偏光膜18の膜面に対して小さい入射角で入射する光(略垂直に入射する光)は透過し、大きな入射角で入射する光は遮光する。これにより、透明スクリーン12cを透過した透過光によるホットスポットを低減する。
以上のように、本例においても、反射層30bを通過した、表示に供されなかった光は、偏光膜18によって吸収されるので、ホットスポットを大幅に低減できる。さらに、反射ドットによる拡散性の高い光反射によって、広視野角の画像を表示できるのも、先の例と同様である。
また、反射層30bは、可視光の全波長域を反射する訳ではなく、赤色光と緑色光との間および緑色光と青色光との間や、可視光の長波長および短波長の領域では、光を反射しない波長帯域も有る。そのため、透明スクリーン12cは、良好な透明性も確保できる。
なお、図5に示す例のように、反射層を複数のドット積層体(赤色右円偏光ドット積層体31rR、緑色右円偏光ドット積層体31gRおよび青色右円偏光ドット積層体31bR)を積層した構成とする場合には、オーバーコート層36によって、ドット積層体同士を貼り合わせてもよいし、前述の各フィルムを貼合する貼合層と同様に、貼合層によってドット積層体を貼り合わせてもよい。
また、図1に示す例では、各反射ドット34はそれぞれ、1つの波長域の光を反射する構成としたが、これに限定はされず、1つの反射ドットが、複数の波長域の光を反射する構成としてもよい。すなわち、1つのドット内に互いに異なる波長域の光を反射する領域を2以上有するドットを含む構成としてもよい。
図6に反射層の他の一例の概略図を示す。
図6に示す反射層30Tは、複数のドットとして、1つのドット内に、赤色光の右円偏光を反射する赤色右円偏光反射領域35rRと、緑色光の右円偏光を反射する緑色右円偏光反射領域35gRと、青色光の右円偏光を反射する青色右円偏光反射領域35bRとを有する三色反射ドット34Tを支持体32上に2次元的に配列してなる構成を有する。
具体的には、三色反射ドット34Tは、支持体32側の、半球状に形成された赤色右円偏光反射領域35rRと、赤色右円偏光反射領域35rRの表面に積層された緑色右円偏光反射領域35gRと、緑色右円偏光反射領域35gRの表面に積層された青色右円偏光反射領域35bRとの3層を支持体32の法線方向に積層した構成を有する。
このような三色反射ドット34Tは、赤色光を反射する層、緑色光を反射する層および青色光を反射する層を有するので、1つのドットで、入射した光の赤色光、緑色光および青色光を反射することができる。
なお、図6に示す例では、赤色光、緑色光および青色光をそれぞれ反射する3層を有する構成としたが、これに限定はされず、互いに異なる波長域の光を反射する2層からなるものであってもよく、あるいは、4層以上からなるものであってもよい。
また、図6に示す例では、三色反射ドット34Tは、支持体32側から赤色右円偏光反射領域35rR、緑色右円偏光反射領域35gRおよび青色右円偏光反射領域35bRの順に積層する構成としたがこれに限定はされず、各層の積層順はどのような順番であってもよい。
また、図1に示す例においては、1つドット積層体における反射ドット34は、全ての反射ドット34が同じ波長域の光を反射するものとしたが、これに限定はされず、互いに異なる波長域の光を反射するドットを2種以上含む構成としてもよい。
例えば、図7に示す反射層30Pのように、同じ層内に赤色光の右円偏光を反射する赤色右円偏光反射ドット34rRと、緑色光の右円偏光を反射する緑色右円偏光反射ドット34gRと、青色光の右円偏光を反射する青色右円偏光反射ドット34bRとを複数、2次元的に配列した構成を有する構成としてもよい。
なお、図7に示す例では、赤色光、緑色光および青色光をそれぞれ反射する反射ドットを含む構成としたが、これに限定はされず、互いに異なる波長域の光を反射する2種の反射ドットを有するものであってもよく、あるいは、4種以上の反射ドットを有するものであってもよい。
また、互いに異なる波長域の光を反射するドットを2種以上有する場合には、ドットの配列には特に限定はなく、例えば、交互に配列してもよいし、あるいは、ランダムに配列してもよい。
前述のように、本発明において、出射光が直線偏光であるプロジェクター14を用いる。ここで、プロジェクター14として、レーザープロジェクターを用いる画像表示システムでは、レーザー光の高い干渉性に起因して、光同士が強め合ったり、弱め合ったりして、表示画像に微細な明暗部が、多数、形成され、キラキラした感じの画像のチラつきを生じる、スペックルという現象が問題になる場合がある。
これに対し、本発明の透明スクリーンは、反射ドットによって、表示画像となる光を高い拡散性で拡散するので、レーザープロジェクターを用いた場合に、スペックルの発生を抑制できる。
また、プロジェクター14としてレーザープロジェクターのように出射光の波長帯域が狭いプロジェクターを用いた場合には、反射層の反射ドットを形成するコレステリック液晶相を構成する液晶として、Δnが低い液晶化合物(低ΔnLC(liquid crystal))を用いて、反射ドット(反射層)が、レーザープロジェクターの出射光の波長帯域に対応する狭い波長帯域の円偏光のみを反射するようにするのが好ましい。
このような構成とすることにより、反射層を透過できる光の波長域を広くして、透明スクリーンの透明性を、より高くできると共に、反射ドットに入射したプロジェクター14が出射する波長帯域の光を、確実に反射して適正な画像を表示できる。
具体的には、プロジェクターとしてレーザープロジェクターを用いる場合には、反射ドットを構成する液晶化合物のΔnは、0.02〜0.1であるのが好ましく、0.04〜0.06であるのがより好ましい。
また、図示例の画像表示システムは、出射光が偏光であるプロジェクター14を用いて、直線偏光の光を第1のλ/4板16に入射しているが、本発明は、これに限定はされない。
例えば、右円偏光のみ(あるいは左円偏光のみ)を反射する反射層を有する透明スクリーンを用いる本発明の画像表示システムにおいて、プロジェクターとして、出射光が無偏光のプロジェクターを用い、プロジェクターが出射した光を直線偏光板に入射して直線偏光とし、直線偏光板によって直線偏光にした光を第1のλ/4板16に入射してもよい。
また、図1に示す例では、反射層は、コレステリック液晶相を固定してなる反射ドットを二次元的に配列した構成を有するものとしたが、これに限定はされず、コレステリック液晶相を固定してなる一様な層を有する構成とし、選択反射波長の一方向の円偏光を反射して、それ以外の光を透過するものとしてもよい。すなわち、反射層を、全面的に均一な層(膜)、いわゆるベタ層(ベタ膜)を有する構成としてもよい。
これらのベタ膜を形成する液晶化合物は、前述の反射ドットを形成する液晶化合物と同じ物、好ましくは重合性液晶化合物と同じ物を用いることができる。
従って、これらのベタ膜は、反射ドットと同様、対応する波長帯域に応じた螺旋ピッチおよび反射する円偏光に応じた螺旋の捩れ方向を有するコレステリック液晶相を固定するように、液晶化合物を含む液晶組成物を調製して、各ベタ膜を形成して作製すればよい。
また、反射層は、コレステリック液晶相を固定してなるベタ膜を1層有する構成であっても2層以上有する構成であってもよい。ベタ膜を2層以上有する構成の場合には、各ベタ膜の選択反射波長は異なるものであってもよいし同じであってもよい。
また、反射層は、コレステリック液晶相を固定してなる反射ドットを二次元的に配列した層(ドット積層体)とコレステリック液晶相を固定してなるベタ膜とをそれぞれ1層以上有する構成であってもよい。
反射ドットとベタ膜を有する構成の場合には、反射ドットを支持体に形成するのではなく、コレステリック液晶相を固定してなるベタ膜の表面に、二次元的に配列して反射ドットを形成してもよい。
以上、本発明の透明スクリーンおよび画像表示システムについて詳細に説明したが、本発明は上述の例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのは、もちろんである。
以下に実施例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、使用量、物質量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1]
<下地層の作製>
下記に示す成分を、25℃に保温された容器中にて、攪拌、溶解させ、下地層溶液を調製した。
(下地層溶液)
下記の棒状液晶化合物の混合物A 100質量部
IRGACURE 819 (BASF社製) 3質量部
下記の化合物A 0.6質量部
メチルエチルケトン 932.4質量部
棒状液晶化合物の混合物A
数値は質量%である。また、Rは酸素で結合する基である。
化合物A
支持体32として、厚さ75μmの透明なPETフィルム(東洋紡株式会社製、コスモシャインA4100)を用意した。
この支持体32に、調製した下地層溶液を#2.6のバーコーターを用いて塗布した。その後、塗膜面温度が50℃になるように塗膜を加熱し、60秒間乾燥した後に、酸素濃度100ppm以下の窒素パージ下で、紫外線照射装置により、500mJ/cm2の紫外線を塗膜に照射して、架橋反応を進行させ、下地層を作製した。
なお、下地層を形成した支持体32のヘイズ値を測定したところ、0.8%であった。
<コレステリック液晶ドットの形成>
下記に示す成分を、25℃に保温された容器中にて、攪拌、溶解させ、コレステリック液晶インク液gR(液晶組成物)を調製した。
(コレステリック液晶インク液gR)
シクロペンタノン 139.6質量部
前述の棒状液晶化合物の混合物A 100質量部
IRGACURE 907 (BASF社製) 3.0質量部
カヤキュアDETX(日本化薬社製) 1質量部
下記のキラル剤A 5.78質量部
下記の界面活性剤 0.08質量部
キラル剤A
界面活性剤
コレステリック液晶インク液gRは、選択反射波長550nmの光を反射するドットを形成する材料である。また、コレステリック液晶インク液gRは、右円偏光を反射するドットを形成する材料である。すなわち、コレステリック液晶インク液gRは、緑色右円偏光反射ドット34gRを形成するための材料である。
調製したコレステリック液晶インク液gRを、プラテンを60℃に加熱しておいたインクジェットプリンター(FUJIFILM Dimatix社製、DMP−2831)にて、下地層を作製した支持体32の下地層上に、ドット中心間距離(ピッチ)60μmで100×100mmの領域全面に打滴した。プラテン上で60℃、30秒以上乾燥した後に、紫外線照射装置により、室温で500mJ/cm2の紫外線を照射して硬化させ、表面に緑色右円偏光反射ドット34gRを形成した支持体32を得た。
<ドット形状、コレステリック構造評価>
作製した緑色右円偏光反射ドット34gRのうち、無作為に10個を選択して、ドットの形状をレーザー顕微鏡(キーエンス社製)にて観察した。その結果、ドットは平均直径30μm、平均最大高さ6μm、ドット端部のドット表面と下地層表面とが両者の接触部でなす角度(接触角)は平均44°であり、ドット端部から中心に向かう方向で、連続的に高さが増加していた。
支持体32の中央に位置する1つの緑色右円偏光反射ドット34gRについて、ドット中心を含む面で、支持体32に垂直に切削し、断面を走査型電子顕微鏡で観察した。その結果、ドット内部に図2および図3に示すような明部と暗部の縞模様が確認された。
さらに、断面図から、図2に示すように、ドットの中心を通る支持体32の表面の垂線(一点鎖線)に対する角度α1が30°の位置および60°の位置において、ドットの暗部が成す線の法線方向と、ドットの表面とが成す角度θ1およびθ2を測定した。測定は、図8に概念的に示すように、ドットの最も外側の暗部が成す線(図2における1本目の暗部が成す線Ld1(ドット端部))、ドットの最も内側の暗部が成す線(ドット中央)、および、ドット端部とドット中央との中間の暗部が成す線(ドット端部と中央の間)の、3本の暗部が成す線に対して行った。
その結果、ドット端部、ドット端部と中央の間、ドット中央の順に、90°、89°および90°であった。すなわち、このドットは、ドットの暗部が成す線の法線方向と、ドットの表面とが成す角度が、ドットの表面近傍でも、ドットの中央(最内部)でも、ドットの中間部でも、ほぼ同じであった。
<ドット面積率>
緑色右円偏光反射ドット34gRを形成した支持体32から、無作為に5箇所を選択して、レーザー顕微鏡(キーエンス社製)にて観察し、1mm×1mmの領域において、ドットの面積率を測定した。その結果、5箇所におけるドットの面積率の平均値は、20.2%であった。
<オーバーコート層36の形成>
下記に示す成分を、25℃に保温された容器中にて、攪拌、溶解させ、オーバーコート用塗布液を調製した。
(オーバーコート用塗布液)
メチルエチルケトン 103.6質量部
KAYARAD DPCA-30(日本化薬社製) 40質量部
下記の化合物L 60質量部
前述の化合物A 0.6質量部
IRGACURE 127(BASF社製) 3質量部
化合物L
調製したオーバーコート用塗布液を、緑色右円偏光反射ドット34gRを形成した支持体32(下地層)の上に、#8のバーコーターを用いて塗布した。
その後、塗膜面温度が50℃になるように塗膜を加熱し、60秒間乾燥した後に、紫外線照射装置により、500mJ/cm2の紫外線を塗膜に照射し、架橋反応を進行させ、オーバーコート層36を作製し、緑色右円偏光ドット積層体31gRを得た。
<コレステリック液晶インク液rRおよびコレステリック液晶インク液bRの調製>
キラル剤Aの添加量を4.7質量部とする以外は、コレステリック液晶インク液gRと同様にして、コレステリック液晶インク液rRを調製した。また、キラル剤Aの添加量を7.02質量部とする以外はコレステリック液晶インク液gRと同様にして、コレステリック液晶インク液bRを調製した。
コレステリック液晶インク液rRは、選択反射波長650nmの右円偏光を反射する赤色右円偏光反射ドット34rRを形成するための材料である。また、コレステリック液晶インク液bRは、選択反射波長450nmの右円偏光を反射する青色右円偏光反射ドット34bRを形成するための材料である。
<ドット積層体の作製>
コレステリック液晶インク液gRに変えて、調製したコレステリック液晶インク液rRおよびコレステリック液晶インク液bRを用いた以外は、緑色右円偏光ドット積層体31gR同様にして、赤色右円偏光ドット積層体31rRおよび青色右円偏光ドット積層体31bRを作製した。
<保護フィルム01の作製>
特開2012−18396の実施例([0267]〜[0270])を参考に、セルロースアセテートフィルムを作製した。これを保護フィルム01とする。
<配向膜の作製>
保護フィルム01の表面に、下記の組成の配向膜塗布液を#16のワイヤーバーコーターで28mL/m2塗布した。その後、60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒乾燥した。形成された膜表面に、ラビングロールで搬送方向に平行な方向に1000回転/分で回転させてラビング処理を行い、配向膜付き保護フィルム01を作製した。(配向膜塗布液)
下記の変性ポリビニルアルコール 10質量部
水 370質量部
メタノール 120質量部
グルタルアルデヒド(架橋剤) 0.5質量部
<λ/4板の作製>
特開2012−18396の実施例([0272]〜[0282])を参考に、配向膜付き保護フィルム01上に光学異方性層を形成し、λ/4板を作製した。Re(550)およびRth(550)は、それぞれ、138nmおよび5nmであった。
このようにして作製した2枚のλ/4板をそれぞれ第1のλ/4板16および第2のλ/4板20として用いた。
<偏光膜の作製>
光重合性基を有する液晶化合物(BASF社製、商品名:PALIOCOLOR LC242)3.04g、高分子界面活性剤(メガファックF780F、大日本インキ化学工業株式会社製)0.1gをメチルエチルケトン(MEK)5.07gに溶解した液晶溶液に、開始剤溶液〔イルガキュア907(チバスペシャルティケミカルズ社製)0.90g、及びカヤキュアDETX(日本化薬株式会社製)0.30gをメチルエチルケトン(MEK)8.80gに溶解した溶液〕1.11gを添加し、5分間攪拌することにより完全に溶解させた。
次に、得られた溶液に、株式会社林原生物化学研究所製2色性アゾ色素G241を0.023g、株式会社林原生物化学研究所製2色性アゾ色素G472を0.005g加えて5分間超音波分散することにより、偏光膜塗布液を調製した。
次に、第2のλ/4板の光学異方性層を形成していない保護フィルム01上に、回転数500rpm、15秒間の条件で10質量%のポリビニルアルコール(PVA、商品名:MP203、株式会社クラレ製)水溶液をスピンコートして乾燥させ、PVA垂直配向膜を形成した。
次に、そのPVA垂直配向膜上に、上記偏光膜塗布液を回転数1,000rpm、20秒間の条件でスピンコートし、90℃に設定された恒温槽の中で2分間加熱した後、加熱した状態で紫外線(UV)照射(水銀キセノンランプ、200W、73mJ/cm)することにより、PVA垂直配向膜表面で、硬化性液晶分子とともに2色性色素が垂直配向した偏光膜を、λ/4板上に作製した。
<透明スクリーンの作製>
粘着剤(総研化学製SKダイン)を用いて、作製した各ドット積層体、第1のλ/4板および偏光膜が形成された第2のλ/4板を貼り合わせて、図5に示すような透明スクリーンを作製した。
積層順は、第1のλ/4板16、赤色右円偏光ドット積層体31rR、緑色右円偏光ドット積層体31gR、青色右円偏光ドット積層体31bR、第2のλ/4板20および偏光膜18の順番とした。また、ドット積層体は、ドットが第1のλ/4板16側の面となるように積層した。
[比較例1]
偏光膜18を有さない以外は、実施例1と同様に透明スクリーンを作製した。
すなわち、この透明スクリーンは、第1のλ/4板、反射層、第2のλ/4板からなる透明スクリーンである。
[評価]
<プロジェクターと配置>
プロジェクターは、LSPX−P1(SONY社製)を用いて、作製した透明スクリーンの中心で5cm角の白が表示されるように、透明スクリーン下部より画像を照射した。
このプロジェクターはレーザープロジェクターであり、出射光は直線偏光である。
<ホットスポット(透過直進光)の評価>
図9および図10に示されるように、プロジェクターHの出射光と透明スクリーンSの中心の延長線上に硫酸バリウム製の完全拡散板Dを配置し、完全拡散板Dの法線方向から色彩輝度計B(トプコン社製、BM−5)を用いて輝度を測定した。
なお、図9は上面図、図10は側面図である。
比較例1の透明スクリーンを用いた輝度測定結果を100として規格化したところ、実施例1の透明スクリーンでは輝度測定結果は10であり、ホットスポットが大幅に抑制されていることが分かった。
以上の結果より、本発明の効果は明らかである。
10 画像表示システム
12a〜12c 透明スクリーン
14 短焦点プロシェクター
16 第1のλ/4板
18偏光膜
20 第2のλ/4板
30 反射層
30T 三色右円偏光反射層
30P 三色右円偏光反射層
31rR 赤色右円偏光ドット積層体
31gR 緑色右円偏光ドット積層体
31bR 青色右円偏光ドット積層体
32 支持体
34 反射ドット
34rR 赤色右円偏光反射ドット
34gR 緑色右円偏光反射ドット
34bR 青色右円偏光反射ドット
34T 三色反射ドット
35rR 赤色右円偏光反射領域
35gR 緑色右円偏光反射領域
35bR 青色右円偏光反射領域
36 オーバーコート層

Claims (6)

  1. 第1のλ/4板と、
    コレステリック液晶相を固定してなる構造を有し、入射光の一部を反射する反射層と、
    厚み方向に吸収軸を有する偏光膜と、をこの順に有する透明スクリーン。
  2. 前記反射層と前記偏光膜との間に第2のλ/4板を有する請求項1に記載の透明スクリーン。
  3. 前記第1のλ/4板の遅相軸と前記第2のλ/4板の遅相軸とが直交している請求項2に記載の透明スクリーン。
  4. 前記反射層が、コレステリック液晶相を固定してなる反射ドットを二次元的に配列した構造を有し、
    前記反射ドットが前記第1のλ/4板側に凸状である請求項1〜3のいずれか一項に記載の透明スクリーン。
  5. 前記偏光膜が、2色性色素を垂直配向した構造を有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の透明スクリーン。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の透明スクリーンと、
    前記透明スクリーンに前記第1のλ/4板側から光を投影する短焦点プロジェクターと、を有し、
    前記短焦点プロジェクターが出射する光が直線偏光である画像表示システム。
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