JP2004233666A - 光学積層体原反の製造方法、光学積層体、バックライトユニット及び液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】拡散光を平行光に集光可能で、コリメータとして機能する光学積層体の原反を生産性よく製造する方法、光学積層体及びそれを用いた液晶表示装置用バックライトユニットと液晶表示装置を提供する。
【解決手段】長尺の1/4波長板62上に、組み合わされて使用される光源からの拡散光を平行光に集光可能なコリメータ機能を有するグランジャン配向されたコレステリック液晶層61R、61G、61Bを連続的に積層し、一体化する光学積層体原反の製造方法、この方法で得た原反を裁断してなる光学積層体、該光学積層体を有する液晶表示装置用バックライトユニット、及びこのバックライトユニットを有する液晶表示装置である。
【選択図】 図3
【解決手段】長尺の1/4波長板62上に、組み合わされて使用される光源からの拡散光を平行光に集光可能なコリメータ機能を有するグランジャン配向されたコレステリック液晶層61R、61G、61Bを連続的に積層し、一体化する光学積層体原反の製造方法、この方法で得た原反を裁断してなる光学積層体、該光学積層体を有する液晶表示装置用バックライトユニット、及びこのバックライトユニットを有する液晶表示装置である。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学積層体原反の製造方法、光学積層体、バックライトユニット及び液晶表示装置に関する。さらに詳しくは、本発明は、光源からの拡散光を平行光に集光可能で、コリメータとして機能する光学積層体の原反を連続的に生産性よく製造する方法、この方法で得られた光学積層体原反を所定の形状及び寸法に裁断してなる、液晶表示装置のバックライトユニットなどに好適に用いられるコリメータとして機能する光学積層体、該光学積層体を有し、正面指向性よく発光する液晶表示装置用バックライトユニット、及びこのバックライトユニットを有し、輝度に優れ、かつ表示コントラスト及び視野角依存性などの表示特性を向上させた液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、CRT表示装置に比べて、小型でコンパクトな液晶表示装置を備えた様々な機器が普及してきている。例えばパーソナルコンピュータあるいはビデオカメラ等民生用機器を始めとして各種機器の小型化に対する市場ニーズは高く、具体的には、ラップトップ型コンピュータあるいは液晶モニタ付カメラと呼ばれる小型化された携帯可能な機器が広く普及してきた。これらの機器において、液晶表示装置を具備することは必須となっており、あわせてカラー表示化、高輝度化など高機能高性能化への要求は強い。
この液晶表示装置は、液晶層を背面から照らして発光させるバックライト方式が普及し、液晶層の下面側にバックライトユニットが装備されている。バックライトユニットは、一般に、冷陰極管などの光源と、入射端面が光源の近傍に位置するように配置した導光板と、導光板の出射側の面(表面側)に配設された光学シートと、導光板の光学シートとは反対側(裏面側)に配設した光反射シートとで構成されている。そして、導光板の光反射シート側の面又は出射側の面には、均一な拡散光を得るために、所定形状の微細パターンが形成されている。導光板の表面側に配設された光学シートとしては、光拡散シートや、その表面側に設けられるプリズムシートなどを挙げることができる。
しかしながら、液晶表示装置においては、液晶の配向に起因する複屈折性や旋光性などにより、その表示コントラスト及び表示色の視野角特性は、CRT表示装置に比べて劣る問題がある。このため、例えば位相差板を組み込むことによって視野角を改善することが提案されており(例えば、特許文献1参照)、また、液晶の配向を制御することで、液晶の複屈折性による悪影響を低減することが試みられているが、CRT表示装置の表示特性にはまだ及ばないのが実状である。
また、液晶表示装置において、表示特性が低下する原因の一つとして、液晶セルに入射する光が完全な平行光でなく、広がりをもった拡散光であることが挙げられる。液晶セルに垂直方向以外の種々の角度で入射した光は、着色による表示品質の低下をもたらす原因となる。したがって、液晶セルに平行光を入射できれば、液晶の複屈折性に起因する表示特性の低下を抑制することができ、表示特性を向上させることができる。
一般的なバックライトユニットにおける前記プリズムシートは、拡散光を集光し、できるだけ平行光化するための部材である。しかしながら、このプリズムシートは、透過光の平行度が低い上、作製工程が煩雑で高価であったり、輝度を損なうおそれがあるなどの欠点を有し、実用上十分に満足し得るものではない。
一方、液晶表示装置などの高輝度化を図る手段として、面光源上にグランジャン構造を有するコレステリック液晶層と1/4波長板からなる光学素子を配置する方式が知られている(例えば、特許文献2参照)。この方式は、前記コレステリック液晶層が示す入射自然光を反射光と透過光として左右の円偏光成分に分離する性質を利用して、面光源による出射光を円偏光化し、それを1/4波長板を介して直線偏光化して偏光板に供給することにより、偏光板による吸収ロスを抑制して輝度を向上させるようにしたものである。したがって、面光源による拡散光の正面指向性の向上には寄与しない。また、低屈折率フィルムと高屈折率フィルムを交互に積層した多層積層フィルムを配置する方式も知られている(例えば、特許文献3参照)。この多層積層フィルムは、所定偏光軸の直線偏光を透過して、他の光は反射する特性を有し、その透過光をそのまま偏光板に偏光軸を揃えて入射させることにより、偏光板による吸収ロスを抑制して輝度を向上させるようにしたものである。したがって、この方式も、前記と同様に面光源による拡散光の正面指向性の向上には寄与しない。
拡散光を平行光に集光可能で、液晶表示装置のバックライトユニットなどに用いることのできる部材として、最近例えば(1)垂直入射光に対して波長λ1〜λ2(λ1<λ2)に選択反射波長帯域を示すコレステリック液晶層からなり、組み合わされて使用される光源の発光スペクトルの極大波長λ0に対してλ0<λ1を満たすコリメータ(例えば、特許文献4参照)、(2)グランジャン構造を有する1層又は2層以上のコレステリック液晶層よりなる円偏光分離板A、Bを少なくとも有する積層体からなり、その円偏光分離板Aが200nm以上の波長範囲で左右が同じ円偏光を選択反射し、かつその反射光に520〜580nmの波長範囲を含むものであると共に、円偏光分離板Bが前記円偏光分離板Aとは選択反射する円偏光の左右が逆転し、かつ選択反射波長範囲の短波長側の端が550〜580nmの波長域に位置するものである光学素子(例えば特許文献5参照)が提案されている。
しかしながら、前記(1)のコリメータにおいては、1/4波長板との組合わせ及び該コリメータを製造する方法については言及されておらず、また、前記(2)の光学素子においては、好ましい態様として、円偏光分離板の外側の一方に粘着剤を介して1/4波長板が接着された光学素子が開示されているが、このような光学素子を効率的に製造できるような具体的な方法については知られていなかった。
【特許文献1】
特許第2565644号
【特許文献2】
特開平6−281814号公報
【特許文献3】
特表平9−506837号公報
【特許文献4】
特開2002−169026号公報
【特許文献5】
特開2002−258048号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、拡散光を平行光に集光可能で、コリメータとして機能する光学積層体の原反を生産性よく製造する方法、この方法で得られた原反を裁断してなるコリメータとして機能する光学積層体、該光学積層体を有し、正面指向性よく発光する液晶表示装置用バックライトユニット、及びこのバックライトユニットを有し、輝度に優れ、かつ表示コントラスト及び視野角依存性などの表示特性を向上させた液晶表示装置を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、長尺の1/4波長板、好ましくは広帯域1/4波長板上に、コリメータ機能を有するグランジャン配向されたコレステリック液晶層を連続的に積層することにより、拡散光を平行光に集光可能で、コリメータとして機能する光学積層体の原反が生産性よく得られることを見出した。
また、このようにして得られた光学積層体原反を用いることにより、前記の機能を有する光学積層体、液晶表示装置用バックライトユニット及び液晶表示装置が得られることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)長尺の1/4波長板上に、組み合わされて使用される光源からの拡散光を平行光に集光可能なコリメータ機能を有するグランジャン配向されたコレステリック液晶層を連続的に積層し、一体化することを特徴とする光学積層体原反の製造方法、
(2)コリメータ機能を有するグランジャン配向されたコレステリック液晶層が、垂直入射光に対して波長λ1〜λ2(λ1<λ2)に選択反射波長帯域を示すと共に、組み合わされて使用される光源の発光スペクトルの極大波長λ0に対してλ0<λ1を満たすコレステリック液晶層を少なくとも有する第1項記載の光学積層体原反の製造方法、
(3)コリメータ機能を有するグランジャン配向されたコレステリック液晶層が、垂直入射光に対して波長λ11〜λ12(λ11<λ12)に選択反射波長帯域を示す第1のコレステリック液晶層と、垂直入射光に対して波長λ21〜λ22(λ21<λ22)に選択反射波長帯域を示す第2のコレステリック液晶層と、垂直入射光に対して波長λ31〜λ32(λ31<λ32)に選択反射波長帯域を示す第3のコレステリック液晶層とを積層したものを少なくとも有すると共に、組み合わされて使用される光源の発光スペクトルが波長λB、λG及びλRに極大波長を有し、かつ下記の関係式
410nm≦λB≦470nm
520nm≦λG≦580nm
600nm≦λR≦660nm
λB<λ11<λ12<λG<λ21<λ22<λR<λ31<λ32
を満たす第1項記載の光学積層体原反の製造方法、
(4)長尺の1/4波長板が広帯域1/4波長板である第1項、第2項又は第3項記載の光学積層体原反の製造方法、
(5)長尺の広帯域1/4波長板が、斜め延伸処理で得られた位相差フィルムを少なくとも有するものである第4項記載の光学積層体原反の製造方法、
(6)長尺の広帯域1/4波長板が、(A)固有複屈折値が正の材料を一軸延伸配向させて得られたフィルムからなる層と、(B)固有複屈折値が負の材料を一軸延伸配向させて得られたフィルムからなる層を少なくとも1層ずつ有し、かつ前記(A)層と(B)層の延伸方向が一致するように積層してなるものである第4項記載の光学積層体原反の製造方法、
(7)第1項ないし第6項のいずれかに記載の方法で得られた光学積層体原反を、所定の形状及び寸法に裁断してなる光学積層体、
(8)液晶表示装置のバックライトユニットに用いられる第7項記載の光学積層体、
(9)第8項記載光学積層体を有することを特徴とする液晶表示装置用バックライトユニット、及び
(10)第9項記載のバックライトユニットを有することを特徴とする液晶表示装置、
を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の光学積層体原反の製造方法について説明する。
本発明の光学積層体原反の製造方法においては、長尺の1/4波長板上に、コリメータ機能を有するグランジャン配向されたコレステリック液晶層を連続的に積層し、一体化することにより、光学積層体原反を製造する。
本発明の方法においては、1/4波長板として長尺体が用いられる。この1/4波長板は、上記コレステリック液晶層を透過した円偏光を直線偏光化する機能を有するものである。該1/4波長板としては、特に広帯域1/4波長板が好適である。ここで、広帯域1/4波長板とは、波長410〜660nmを含む可視光域全体で位相差(レターデーション)がほぼ1/4波長になる1/4波長板のことである。
本発明で用いる長尺の広帯域1/4波長板としては、長尺であって、前記機能を有するものであればよく、特に制限はないが、例えば(1)斜め延伸処理で得られた位相差フィルムを少なくとも有する1/4波長板、及び(2)(A)固有複屈値が正の材料を一軸延伸配向させて得られたフィルムからなる層と、(B)固有複屈折値が負の材料を一軸延伸配向させて得られたフィルムからなる層を少なくとも1層ずつ有し、かつ前記(A)層と(B)層の延伸方向が一致するように積層してなる1/4波長波を好ましく挙げることができる。
【0006】
前記(1)の位相差フィルムを積層してなる長尺の広帯域1/4波長板は、例えば単色光に対して1/2波長の位相差を与える長尺の斜め延伸位相差フィルム(以下、1/2波長の位相差を与える位相差フィルムを1/2波長位相差フィルムと称す。)と、単色光に対して1/4波長の位相差を与える長尺の斜め延伸位相差フィルム(以下、1/4波長の位相差を与える位相差フィルムを1/4波長位相差フィルムと称す。)との組合わせで、複数の長尺の位相差フィルムを用い、それらの位相差フィルムの遅相軸(面内で屈折率が最大になる方向)を交差させて積層することにより得ることができる。各位相差フィルムの積層数や、1/2波長位相差フィルムと1/4波長位相差フィルムの配置位置については任意であるが、例えば1/2波長位相差フィルムと1/4波長位相差フィルムを、それぞれ1枚ずつ用い、それらの遅相軸を交差させることにより、広帯域1/4波長板を得ることができる。
具体的には、斜め延伸処理により、その幅方向と遅相軸とのなす角度が15〜45度程度に調整された長尺の1/2波長位相差フィルムと、斜め延伸処理により、その幅方向と遅相軸とのなす角度が15〜45度に調整された長尺の1/4波長位相差フィルムとを、それぞれの遅相軸が60±3度程度で交差するように、かつそれぞれの長手方向が実質的に一致するように積層することによって、長尺の広帯域1/4波長板を得ることができる。
各位相差フィルムの積層は、通常透明粘着剤を介して行われる。この透明粘着剤としては、光学用途に好適なアクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤などを用いることができる。
【0007】
前記位相差フィルムを構成する材料としては特に制限はなく、従来位相差フィルムの材料として使用されている公知の材料の中から任意のものを適宜選択して用いることができる。このような材料としては、例えばオレフィン系重合体、脂環式構造を有する重合体、ポリカーボネート系重合体、ポリエステル系重合体、ポリスルホン系重合体、ポリエーテルスルホン系重合体、ポリスチレン系重合体、ポリビニルアルコール系重合体、酢酸セルロース系重合体、ポリ塩化ビニル系重合体、ポリメタクリレート系重合体などの熱可塑性樹脂を用いることができるが、これらの中でもオレフィン系重合体及び脂環式構造を有する重合体が好ましく、特に脂環式構造を有する重合体が好ましい。
脂環式構造を有する重合体は、重合体の繰り返し単位中に脂環式構造を有するものであり、主鎖中に脂環式構造を有する重合体及び側鎖に脂環式構造を有する重合体のいずれも用いることができる。脂環式構造としては、例えば、シクロアルカン構造、シクロアルケン構造などが挙げられるが、熱安定性などの観点からシクロアルカン構造が好ましい。脂環式構造を構成する炭素数に特に制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは6〜15個である。
【0008】
脂環式構造を有する重合体中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択されるが、通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。脂環式構造を有する繰り返し単位が過度に少ないと、耐熱性が低下するおそれがある。
脂環式構造を有する重合体としては、(1)ノルボルネン系重合体、(2)単環の環状オレフィン系重合体、(3)環状共役ジエン系重合体、(4)ビニル脂環式炭化水素重合体、及びこれらの水素添加物などが挙げられる。これらの中でも、透明性や成形性の観点から、ノルボルネン系重合体がより好ましい。
ノルボルネン系重合体としては、具体的にはノルボルネン系モノマーの開環重合体、ノルボルネン系モノマーと開環共重合可能なその他のモノマーとの開環共重合体、及びそれらの水素添加物、ノルボルネン系モノマーの付加重合体、ノルボルネン系モノマーと共重合可能なその他のモノマーとの付加型共重合体などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性及び透明性の観点から、ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素添加物が最も好ましい。
上記の脂環式構造を有する重合体は、例えば特開2002−321302号公報などに開示されている公知の重合体である。
【0009】
本発明においては、前記熱可塑性樹脂からなる未延伸フィルムを斜め延伸処理することにより、位相差フィルムを作製する。
未延伸フィルムは、樹脂をフィルム状に成形することにより得ることができる。樹脂をフィルム状に成形する方法としては特に制約されず、公知の成形法を採用することができる。例えば、加熱溶融成形法、溶液流延法のいずれも採用することができるが、シート中の揮発性成分を低減させる観点から、加熱溶融成形法を用いるのが好ましい。
この加熱溶融成形法には、例えば溶融押出成形法、プレス成形法、インフレーション法、射出成形法、ブロー成形法などがあるが、これらの中で、機械的強度及び表面精度などに優れる位相差フィルムを得るためには、溶融押出成形法を用いるのが好ましい。
成形条件は使用目的や成形方法により適宜選択されるが、溶融押出成形法による場合は、シリンダー温度が、好ましくは100〜600℃、より好ましくは150〜350℃の範囲で適宜設定される。
未延伸フィルムの厚みは、得られる位相差フィルムの使用目的などに応じて適宜決定することができる。フィルムの厚みは、安定した延伸処理による均質な位相差フィルムが得られる観点から、好ましくは10〜300μm、より好ましくは30〜200μmである。
また、未延伸フィルムを製造する場合には、本発明の目的を阻害しない範囲内で、各種添加剤を添加することができる。各種添加剤としては、例えば、可塑剤や劣化防止剤、酸化防止剤などが挙げられる。
【0010】
以上のようにして得られる未延伸フィルムをその幅方向に対して任意の角度θの方向に連続的に斜め延伸処理することにより、フィルムの幅方向に対して角度θの遅相軸を有する長尺の位相差フィルムを得ることができる。すなわち、角度θを任意の値に設定することにより、面内の遅相軸方向の屈折率、面内の遅相軸に垂直な方向の屈折率、及び厚み方向の屈折率を所望の値となるようにすることができ、所定の波長に対して1/2波長の位相差を与える位相差フィルム(1/2波長位相差フィルム)、及び1/4波長の位相差を与える位相差フィルム(1/4波長位相差フィルム)が得られる。
斜め延伸処理する方法としては、その幅方向に対して角度15〜45度の方向に連続的に延伸処理して、ポリマーの配向軸を所望の角度に傾斜させるものであればよく、特に制約されず、公知の方法を採用することができる。本発明に用いることができる斜め延伸処理の方法としては、例えば、特開昭50−83482号公報、特開平2−113920号公報、特開平3−182701号公報、特開2000−9912号公報、特開2002−86554号公報、特開2002−22944号公報などに記載されたものが挙げられる。
未延伸フィルムを斜め延伸処理する際の温度は、前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度をTgとすると、好ましくはTg−30℃からTg+60℃の間、より好ましくはTg−10℃からTg+50℃の温度範囲である。また、延伸倍率は、通常、1.01〜30倍、好ましくは1.01〜10倍、より好ましくは1.01〜5倍である。
【0011】
本発明においては、このようにして得られた幅方向と遅相軸とのなす角度が15〜45度程度に調整されてなる長尺の1/2波長位相差フィルムと、幅方向と遅相軸とのなす角度が15〜45度程度に調整されてなる長尺の1/4波長位相差フィルムとを、それぞれの遅相軸が60±3度程度で交差するように、かつそれぞれの長手方向が実質的に一致するように積層することによって、長尺の広帯域1/4波長板を得ることができる。
1/2波長位相差フィルムと1/4波長位相差フィルムとを積層した場合に、それぞれの遅相軸の交差角が57度[(60−3)度]未満又は63度[(60+3)度]を超える場合には、得られる長尺の積層体は「広帯域1/4波長板」として機能するものとはなりにくい。また、1/2波長位相差フィルム及び1/4波長位相差フィルムのそれぞれの遅相軸が互いに(60±3)度で交差するように貼り合わせた際に、それぞれの長手方向が実質的に一致していなければ、広帯域1/4波長板の長尺化を図ることができにくい。
【0012】
図1は、1/2波長位相差フィルムと1/4波長位相差フィルムとを積層して、広帯域1/4波長板を作製する方法の1例を示す説明図である。図1に示す広帯域1/4波長板50は、斜め延伸処理により矢印Aで表す方向に遅相軸を有する長尺の1/2波長位相差フィルム51と、斜め延伸処理により矢印Bで表す方向に遅相軸を有する長尺の1/4波長位相差フィルム52とを、それぞれの遅相軸が互いに所定の角度(θ2)で交差するように積層したものである。1/2波長位相差フィルム及び1/4波長位相差フィルムにおいて、幅方向と遅相軸とのなす角度は、斜め延伸処理する際の処理条件を制御することによって適宜調整することができる。
この広帯域1/4波長板を構成する1/2波長位相差フィルムにおいて、その幅方向と遅相軸とのなす角度(鋭角部分)は15〜45度とし、図1に示す1/2波長位相差フィルム51の幅方向と遅相軸とのなす角度(α)は15度に調整されている。また、1/4波長位相差フィルムにおいて、その幅方向と遅相軸とのなす角度(鋭角部分)は15〜45度とし、図1に示す1/4波長位相差フィルム52の幅方向と遅相軸とのなす角度(β)は45度に調整されている。
【0013】
長尺の1/2波長位相差フィルムと長尺の1/4波長位相差フィルムとを積層する方法としては特に制限はなく、従来公知の積層方法を採用することができるが、生産効率の高いロールトゥロール方式を採用するのが好ましい。この方式では、ロール状に巻き取った1/2波長位相差フィルム及び1/4波長位相差フィルムをそれぞれ引き出し、例えば粘着剤などを接合面に塗布して両者を積層し、この積層体を加圧ローラのニップに供給して圧着することにより連続的に貼り合わせる。得られた長尺の広帯域1/4波長板は、ロール状に巻き取って回収・保存することができる。
このようにして得られた長尺の広帯域1/4波長板の厚みは、好ましくは10〜300μm、より好ましくは30〜200μmである。
一方、前記(2)の固有複屈折値が正の材料及び負の材料それぞれの延伸フィルムを積層した長尺の広帯域1/4波長板について説明する。
ここで、(A)層に用いられる固有複屈折値が正の材料(以下、単に正の材料ということがある。)は、分子が一軸性の秩序をもって配向した際に、光学的に正の一軸性を示す特性を有するものをいう。すなわち、分子が一軸性の配向をとって形成された層に光が入射した際、前記配向方向の光の屈折率が、該配向方向に直交する方向の光の屈折率よりも大きくなる特性を有する材料である。
また、(B)層に用いられる固有複屈折値が負の材料(以下、単に負の材料ということがある。)は、分子が一軸性の秩序をもって配向した際に、光学的に負の一軸性を示す特性を有するものをいう。すなわち、分子が一軸性の配向をとって形成された層に光が入射した際、前記配向方向の光の屈折率が、該配向方向に直交する方向の光の屈折率よりも小さくなる特性を有する材料である。
【0014】
(A)層に用いられる固有複屈折値が正の材料としては、例えば、棒状液晶、棒状液晶ポリマー、オレフィン系重合体、脂環式構造を有する重合体、ポリエステル系重合体、ポリアリ−レンサルファイド系重合体、ポリビニルアルコール系重合体、ポリカーボネート系重合体、ポリアリレート系重合体、セルロースエステル系重合体、ポリエーテルスルホン系重合体、ポリスルホン系重合体、ポリアリルスルホン系重合体、ポリ塩化ビニル系重合体、あるいはこれらの多元(二元、三元等)共重合体などが挙げられる。これらは1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明においては、これらの中でも、オレフィン系重合体、及び脂環式構造を有する重合体が好ましく、光透過率特性、耐熱性、寸度安定性、光弾性特性等の観点から、特に脂環式構造を有する重合体が好ましい。
この脂環式構造を有する重合体については、前述の1/2波長位相差フィルムや1/4波長位相差フィルムの材料として説明したとおりである。
【0015】
一方、(B)層に用いられる固有複屈折値が負の材料としては、ディスコティック液晶、ディスコティック液晶ポリマー、芳香族ビニル系重合体、ポリアクリロニトリル系重合体、ポリメタクリレート系重合体、セルロースエステル系重合体、これらの多元(二元、三元等)共重合体などが挙げられる。これらは1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、芳香族ビニル系重合体、ポリアクリロニトリル系重合体及びポリメチルメタクリレート系重合体の中から選択される少なくとも1種が好ましい。中でも複屈折発現性が高いという観点から、芳香族ビニル系重合体がより好ましい。
芳香族ビニル系重合体とは、芳香族ビニル単量体の単独重合体、これらの2種以上の共重合体、又は芳香族ビニル単量体とこれと共重合可能な単量体との共重合体のことをいう。芳香族ビニル単量体としては、スチレン;4−メチルスチレン、4−クロロスチレン、3−メチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−tert−ブトキシスチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン誘導体;などが挙げられる。これらを単独若しくは2種以上組み合わせて使用してもよい。
芳香族ビニル単量体と共重合可能な単量体としては、プロピレン、ブテン;アクリロニトリル;(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸;(メタ)アクリル酸エステル;マレイミド;酢酸ビニル、塩化ビニル;などが挙げられる。
芳香族ビニル系重合体の中でも、耐熱性が高い観点から、スチレン及び/又はスチレン誘導体と無水マレイン酸との共重合体が好ましい。
本発明に用いる芳香族ビニル系重合体のガラス転移温度は、優れた光学特性が得られる観点から、好ましくは110℃以上、より好ましくは120℃以上である。
【0016】
本発明に用いる長尺の広帯域1/4波長板を製造する方法は特に制限はなく、例えば、(X)A層とB層とを別々に成膜し、接着剤層(C層)を介してドライラミネーションにより積層して積層体とする方法、(Y)共押出法により成膜して積層体を得る方法などが挙げられる。これらの中でも、層間剥離強度が大きい積層体を得ることができ、かつ、生産効率に優れることから、(Y)の共押出法による成膜法が好ましい。共押出法により積層体を得る方法は、具体的には、複数基の押出機を用い、固有複屈折値が正の材料と固有複屈折値が負の材料とを多層ダイから押出すことにより成膜するものである。
このようにして得られる積層体の厚みは、得られる積層体の使用目的などに応じて適宜決定することができる。フィルムの厚みは、安定した延伸処理による均質な延伸フィルムが得られる観点から、好ましくは10〜300μm、より好ましくは30〜200μmである。
また、この場合には、本発明の目的を阻害しない範囲内で、各種添加剤及び他の熱可塑性樹脂やエラストマーを添加することができる。各種添加剤としては、例えば、可塑剤や劣化防止剤、酸化防止剤などが挙げられる。
この長尺の広帯域1/4波長板は、固有複屈折値が正の材料からなる層(A層)と固有複屈折値が負の材料からなる層(B層)を、遅相軸が直交するように積層することにより得ることができる。前記(A)層と(B)層を遅相軸を直交させて積層するには、各層の分子鎖の配向方向を等しくさせればよい。すなわち、この長尺の広帯域1/4波長板は、固有複屈折値が異符号の材料からなる層(A層とB層)の積層体であるため、A層とB層との延伸方向を一致させれば、2層の遅相軸を必然的に直交させることができる。
このような長尺の広帯域1/4波長板は、前記積層体を延伸処理することにより製造することができる。
積層体を延伸する方法は特に制限はなく、従来公知の方法を採用できる。延伸する方法としては、例えば、ロール側の周速の差を利用して縦方向に一軸延伸する方法、テンターを用いて横方向に一軸延伸する方法等が挙げられる。これらの中で、縦方向の一軸延伸が好適である。一軸延伸の延伸倍率に特に制限はないが、1.1〜3倍であることが好ましく、1.2〜2.2倍であることがより好ましい。
【0017】
前記積層体を延伸する際の温度は、前記A層及びB層を構成する樹脂のガラス移転温度をTgとすると、好ましくは(Tg−30)℃から(Tg+60)℃の間、より好ましくは(Tg−10)℃から(Tg+50)℃の温度範囲である。また、延伸倍率は、通常、1.01〜30倍、好ましくは1.01〜10倍、より好ましくは1.01〜5倍である。
また、前記積層体を前述した共押出法により製造した場合には、従来の1/4波長板の製造時に必要であった、延伸フィルムのチップの切り出しや、切り出したチップの貼り合わせなどの作業が不要となり、いわゆるロールトゥロール方式により、連続的に長尺の広帯域1/4波長板を生産することができる。
広帯域1/4波長板は、A層を少なくとも1層と、B層を少なくとも1層有し、前記A層とB層における分子鎖の配向が等しい光学積層体であれば、その層構成に特に制限されないが、A層/B層/A層、又はB層/A層/B層の層構成を有するのが好ましい。また、前記A層とB層との層間にC層(接着剤層)をさらに有し、A層−C層−B層の3層構造、又はA層−C層−B層−C層−A層若しくはB層−C層−A層−C層−B層の5層構造とすることができ、特にA層−C層−B層−C層−A層の5層構造とすることが好ましい。
【0018】
接着剤層(C層)は、A層に用いる固有複屈折値が正の材料とB層に用いる固有複屈折値が負の材料との双方と親和性があるものから形成することができる。例えば、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体などのエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−スチレン共重合休などのエチレン系共重合体が挙げられる。
前記接着剤層(C層)の厚さは、好ましくはl〜50μm、さらに好ましくは5〜30μmである。
本発明の光学積層体原反の製造方法においては、該光学積層体原反を生産性よく製造するために、前記長尺の1/4波長板を用い、その上にコリメータ機能を有するグランジャン配向されたコレステリック液晶層を連続的に積層する。
前記コレステリック液晶層としては、組み合わされて使用される光源からの拡散光を平行光に集光可能なコリメータ機能を有するグランジャン配向されたものであればよく、特に制限されず、単層又は2層以上のいかなる構成のものであってもよい。
コリメータ機能を有するグランジャン配向されたコレステリック液晶層としては、様々な光学特性や構成を有するものがあり、以下にこれらについて説明する。
【0019】
まず、前記コレステリック液晶層として、垂直入射光に対して波長λ1〜λ2(λ1<λ2)に選択反射波長帯域を示すと共に、組み合わされて使用される光源の発光スペクトルの極大波長λ0に対してλ0<λ1を満たす光学特性を有するコレステリック液晶層を挙げることができる。
このようなコレステリック液晶層においては、該コレステリック液晶層に波長λ1〜λ2(λ1<λ2)の光が垂直入射しても、該コレステリック液晶層の選択反射効果により、波長λ1〜λ2(λ1<λ2)の光は左右円偏光成分のうちの一方の円偏光成分が反射される。一方、前記選択反射波長帯域に含まれない光源の極大波長λ0の光が該コレステリック液晶層に垂直入射すると、選択反射はなく、左右いずれの円偏光成分も平行光となってコレステリック液晶層から出射する。しかし、該コレステリック液晶層が有する選択反射波長帯域は、螺旋軸に対する光の入射角度αに依存し、垂直からずれると短波長側にシフトする。その結果、短波長側にシフトした選択反射波長帯域に波長λ0が含まれ、波長λ0の光が入射角度α(α>0)でコレステリック液晶層に入射すると、前記一方の円偏光成分がコレステリック液晶層の選択反射効果により反射される。したがって前記光源から前記コレステリック液晶層に垂直入射した波長λ0の光が、コレステリック液晶層を透過し、平行光として出射すると共に、斜め入射光はもう一方の円偏光成分のみが出射することになる。
このような光学特性のコレステリック液晶層においては、光源の光が左右いずれかの円偏光の場合、該コレステリック液晶層から出射される光は、実質上円偏光の平行光とすることができる。しかし、光源の光が無偏光の場合、斜め入射した光の左右一方の円偏光成分は反射されカットされるが、他方の円偏光成分は該コレステリック液晶層を透過し、出射される。したがって、平行光化率はあまり高くない。また、垂直方向に出射した光は左右円偏光成分を含み無偏光となる。
【0020】
光源の光が無偏光の場合、平行光化率を高めるために、コレステリック液晶層を以下に示す積層構造とすることができる。
すなわち、上記の光学特性を有し、かつ螺旋ピッチ、平均屈折率及び複屈折値は実質上等しいが、螺旋の回転方向がたがいに異なる2つのコレステリック液晶層を積層した構造のコレステリック液晶層である。
このような構成のコレステリック液晶層を用いることにより、右回り円偏光成分及び左回り円偏光成分の双方を含む拡散光を効果的に平行光化することができる。コレステリック液晶層の積層順については特に制限はない。各コレステリック液晶層について、その螺旋ピッチ、平均屈折率及び複屈折値Δnを一致させると、たがいの選択反射波長帯域及びその入射角度依存性が等しくなるので、右回り及び左回りの円偏光成分の平行光化の程度を同等とすることができるので好ましい。
【0021】
また、コリメータ機能を有するコレステリック液晶層として、垂直入射光に対して波長λ11〜λ12(λ11<λ12)に選択反射波長帯域を示す第1のコレステリック液晶層と、垂直入射光に対して波長λ21〜λ22(λ21<λ22)に選択反射波長帯域を示す第2のコレステリック液晶層と、垂直入射光に対して波長λ31〜λ32(λ31<λ32)に選択反射波長帯域を示す第3のコレステリック液晶層とを積層したものを少なくとも有すると共に、組み合わされて使用される光源の発光スペクトルが波長λB、λG及びλRに極大波長を有し、かつ下記の関係式
410nm≦λB≦470nm
520nm≦λG≦580nm
600nm≦λR≦660nm
λB<λ11<λ12<λG<λ21<λ22<λR<λ31<λ32
を満たす光学特性を有する積層構造のコレステリック液晶層を挙げることができる。この場合、各コレステリック液晶層の積層順序については特に制限はない。また、光源としては三波長型冷陰極管などが用いられ、この光源は青、緑及び赤にそれぞれ対応したλB、λG及びλRのピーク波長が前記の範囲にある発光スペクトルを示す。なお、前記第1、第2及び第3のコレステリック液晶層は、後述の円偏光分離部材である広帯域コレステリック液晶層と組み合わせて、円偏光の平行光を出射するために、螺旋の回転方向が同一であることが好ましい。
【0022】
このような積層構造のコレステリック液晶層においては、該コレステリック液晶層に、波長λ11〜λ12(λ11<λ12)、λ21〜λ22(λ21<λ22)及びλ31〜λ32(λ31<λ32)の光が入射しても、該コレステリック液晶層の選択反射効果により、波長λ11〜λ12、λ21〜λ22及びλ31〜λ32の光は、左右円偏光成分のうちの一方の円偏光成分がそれぞれ反射される。一方、前記選択反射波長帯域に含まれない光源の極大波長λB、λG及びλRが該コレステリック液晶層に垂直入射すると、左右いずれの円偏光成分も平行光となってコレステリック液晶層から出射する。しかし、該コレステリック液晶層が有する選択反射波長帯域は、螺旋軸に対する光の入射角αに依存し、垂直からずれると短波長側にシフトする。その結果、短波長側にシフトした選択反射波長帯域に、それぞれ波長λB、λG及びλRが含まれる。したがって、波長λB、λG及びλRにピークをもつ発光スペクトルを有する光が入射角度α(α>0)で該コレステリック液晶層に入射すると、このコレステリック液晶層の選択反射効果により、前記一方の円偏光成分が反射される。その結果、該コレステリック液晶層に垂直に入射した波長λB、λG及びλRの光が、コレステリック液晶層をそれぞれ透過し、平行光として出射すると共に、斜め入射光はもう一方の円偏光成分のみがそれぞれ出射することになる。
このような光学特性のコレステリック液晶層においては、光源の光が左右いずれかの円偏光の場合、該コレステリック液晶層から出射される光は、実質上円偏光の平行光となる。しかし、光源の光が無偏光の場合、斜め入射した光の左右一方の円偏光成分は反射されカットされるが、他方の円偏光成分は該コレステリック液晶層を透過し、出射される。したがって、平行光化率はあまり高くない。また、垂直方向に出射した光は左右円偏光成分を含み無偏光となる。
【0023】
光源の光が無偏光の場合、平行光化率を高めるために、コレステリック液晶層を以下に示す6層の積層構造とすることができる。
すなわち、第4、第5及び第6のコレステリック液晶層として、それぞれ上記3層積層構造の第1、第2及び第3のコレステリック液晶層と同様の光学特性を有し、また組み合わされて使用される光源も同様であるが、螺旋ピッチ、平均屈折率及び複屈折値は実質上等しいものの、螺旋の回転方向がたがいに異なる3つのコレステリック液晶層を、上記第1、第2及び第3のコレステリック液晶層と組み合わせた6層積層構造のコレステリック液晶層である。なお、各コレステリック液晶層の積層順序については特に制限はない。
図2は、前記6層積層構造のコレステリック液晶層の構成の1例を示す模式的断面図である。コレステリック液晶層5aは、右回りの螺旋配向をとるコレステリック液晶層15R、25R及び35Rと、左回りの螺旋配向をとるコレステリック液晶層15L、25L及び35Lとを積層した6層構造を有している。コレステリック液晶層15Rと15L、25Rと25L及び35Rと35Lは、その螺旋ピッチ、平均屈折率及び複屈折値Δnがそれぞれ実質上一致しており、したがって、選択反射波長帯域もそれぞれ実質上一致することになる。
このような6層構造のコレステリック液晶層においては、角度αで斜め入射した光の波長λB、λG及びλRの右回りの円偏光成分は、それぞれコレステリック液晶層15R、25R及び35Rによって反射され、一方波長λB、λG及びλRの左回りの円偏光成分は、それぞれコレステリック液晶層15L、25L及び35Lによって反射される。
すなわち、波長λB、λG及びλRの右回りの円偏光成分は、それぞれコレステリック液晶層15R、25R及び35Rで平行光化され、波長λB、λG及びλRの左回りの円偏光成分は、それぞれコレステリック液晶層15L、25L及び35Lによって平行光化される。その結果、コレステリック液晶層5aからは、青、緑及び赤に対応する3波長光の平行光が出射される。
以上に述べたように、コレステリック液晶層の積層体を用いることで、光の平行光化率を高めることが可能である。ただしこの場合、該平行光は左右円偏光成分を含む無偏光であり、1/4波長板と組み合わせても直線偏光とすることはできず、このままでは光利用効率が悪い。本発明におけるコレステリック液晶層の構成としては、1/4波長板と組み合わせることで直線偏光とすることができる、円偏光のコリメート光を出射するものとする必要がある。そのためには、前述のコリメータ機能を有するコレステリック液晶層に入射する光を円偏光化するか、あるいは該コレステリック液晶層を出射する光を円偏光化すればよい。
【0024】
このような円偏光化に用いる部材(以下、円偏光分離部材と称す。)としては、例えば可視光の全波長領域にわたって円偏光分離機能を有するもの、すなわち、波長410〜660nmのいずれの波長域を含む可視光領域のいずれの波長の光についても円偏光分離機能を有する広帯域円偏光分離層を、好ましく用いることができる。このような広帯域円偏光分離層としては、(i)選択的に反射する光の中心波長が異なるコレステリック液晶層を組み合わせたもの、(ii)一つのコレステリック液晶層からなり、厚み方向に対して螺旋のピッチが連続的に変化するものなどが挙げられる。
上記(i)のタイプのものの場合には、各層で反射される円偏光の位相状態をそろえて各波長領域で異なる偏光状態となることを防止し、利用できる状態の偏光を増量する観点より、同じ方向の円偏光を反射するもの同士を組み合わせるのが好ましい。またこの場合には、反射光の中心波長に基づき波長順序で各コレステリック液晶層が積層されていることがより好ましい。
反射光の中心波長に基づき波長順序でコレステリック液晶層を積層する方法としては、例えば、選択反射光の中心反射が470nm、550nm、640nm、770nmであるコレステリック液晶層をそれぞれ作製し、これらのコレステリック液晶層を任意に選択して、選択反射光の中心波長の順序で3〜7層積層する方法が挙げられる。
【0025】
選択反射光の中心波長が異なる複数のコレステリック液晶層を積層する方法については、後で詳述する。
上記(ii)のコレステリック液晶層は、例えば次のようにして形成することができる。先ず、特定波長の紫外線照射により異性化してキラル化剤となる化合物、液晶及び紫外線吸収剤とを含有してなる液晶層に、表面(紫外線照射面)側から深さ方向に連続的に照射光強度が減衰するように、前記特定波長の紫外線を照射する。これにより、キラル化剤の存在量が表面側から深さ方向に連続的に減少した状態、すなわち、液晶の螺旋ピッチが液晶層の厚み方向に連続的に変化した状態の液晶層が得られる。次いで、前記特定波長の紫外線とは異なる波長の紫外線を液晶層に照射して、液晶層全体を硬化させることにより、この螺旋ピッチの傾斜的変化した状態を固定化させる。このようにして得られるコレステリック液晶層は、深さ方向に対して連続的に螺旋構造のピッチが変化しているものであり、可視光域すべての波長帯域で円偏光分離機能を有する。
【0026】
このような円偏光分離部材を用いた本発明の光学積層体としては、図3に示す構成を例示することができる。
図3においては、光源側から順に、円偏光分離部材としての広帯域コレステリック液晶層60、コリメータ機能を有するコレステリック液晶層61及び広帯域1/4波長板62が配設されており、そしてコリメータ機能を有するコレステリック液晶層(以下コリメータという)61は、コレステリック液晶層61B、61G及び61Rの3層積層構造を有している。
例えば、広帯域コレステリック液晶層60として、左回り円偏光用を用い、コリメータ61として右回り円偏光用を用いた場合、赤(R)、緑(G)及び青(B)を含む光源光の左円偏光成分(RGBL)は、広帯域コレステリック液晶層60によって、垂直光及び斜め光のいずれも反射される。一方、右円偏光成分(RGBR)の垂直光は、広帯域コレステリック液晶層60及びコリメータ61を透過し、広帯域1/4波長板62に入射され、直線偏光化されて出射する。広帯域コレステリック液晶層60を透過した右円偏光成分の斜め光は、コリメータ61のコレステリック液晶層61Bによって青の波長の光BRが反射され、次いでコレステリック液晶層61Gによって緑の波長の光GRが反射され、さらにコレステリック液晶層61Rによって赤の波長の光RRが反射される。これらの反射された光は、光源部で再反射され、平行光として利用される。
すなわち、コリメータ61を透過した光は、ほぼ完全な右円偏光の平行光となって1/4波長板に入射し、直線偏光となる。
【0027】
本発明においては、前記コリメータ機能を有するコレステリック液晶層の選択反射波長帯域などの光学特性は、材料の選択や配向を制御することにより、容易に調整することができる。
本発明におけるコリメータ機能を有するコレステリック液晶層は、1種の液晶材料から構成されていても、2種以上の液晶材料から構成されていてもよく、2種以上の液晶材料から構成されている場合には、1種単独でコレステリック液晶層を形成し得ない材料を含んでいてもよい。また、前記コレステリック液晶層において、液晶材料は所望の配向(所望の螺旋ピッチ)に固定化されていることが好ましい。
本発明に用いるコレステリック液晶の材料としては液晶ポリマーが好ましく、この液晶ポリマーには特に制限はなく、液晶配向性を付与する共役性の直線状原子団(メソゲン)がポリマーの主鎖に導入された液晶ポリマー、該メソゲンがポリマーの側鎖に導入されたタイプの液晶ポリマーなど、種々のものを使用することができる。
【0028】
前記メソゲンがポリマーの主鎖に導入された液晶ポリマーとしては、例えば、屈曲性を付与するスペーサ部を必要に応じ介してパラ置換環状化合物などからなるメソゲン基を結合した構造を有する、例えばポリエステル系やポリアミド系、ポリカーボネート系やポリエステルイミド系などのポリマーが挙げられる。
また、前記メソゲンがポリマーの側鎖に導入された液晶ポリマーとしては、例えば、ポリアクリレートやポリメタクリレート、ポリシロキサンやポリマロネートなどを主鎖骨格とし、側鎖として必要に応じて共役性の原子団からなるスペーサ部を介してパラ置換環状化合物などからなる低分子結晶化合物(メソゲン部)を有するもの、低分子カイラル剤含有のネマチック系液晶ポリマー、キラル成分導入の液晶ポリマー、ネマチック系とコレステリック系の混合液晶ポリマーなどが挙げられる。
また、例えば、アゾメチン形やアゾ形、アゾキシ形やエステル形、ビフェニル形やフェニルシクロヘキサン形、ビシクロヘキサン形のようなパラ置換芳香族単位やパラ置換シクロヘキシル単位などからなるネマチック配向性を付与するパラ置換環状化合物を有するものに、不斉炭素を有する化合物などからなる適宜なキラル成分や低分子カイラル剤などを導入する方法などにより、コレステリック配向性のものとすることもできる(特開昭55−21479号公報、米国特許第5332522号明細書など)。ここで、パラ置換環状化合物におけるパラ位の末端置換基としては、例えば、シアノ基やアルキル基、アルコキシル基などが挙げられる。
【0029】
また、前記スペーサ部としては、例えば、ポリメチレン鎖やポリオキシメチレン鎖などが挙げられる。スペーサ部を形成する構造単位に含まれる炭素数は、メソゲン部の化学構造などにより適宜に決定され、一般にはポリメチレン鎖の場合には、1〜20、好ましくは2〜12であり、ポリオキシメチレン鎖の場合には、炭素数が1〜10、好ましくは1〜3である。
前記メソゲンがポリマーの主鎖に導入されたタイプのポリマーを製造する方法としては、例えば、成分モノマーをラジカル重合、カチオン重合又はアニオン重合などにより重合する方法が挙げられる。また、前記メソゲンがポリマーの側鎖に導入されたタイプのポリマーを製造する方法としては、例えば、アクリル酸やメタクリル酸のエステルのようなビニル系モノマーに、所望によりスペーサ部を介してメソゲン基を導入したモノマーを、ラジカル重合法などにより重合する方法、ポリオキシメチルシリレンのSi−H結合を介し白金系触媒の存在下にビニル置換メソゲンモノマーを付加反応させる方法、主鎖ポリマーに付与した官能基を介して相間移動触媒を用いたエステル化反応によりメソゲン基を導入する方法、マロン酸の一部に必要に応じスペーサ基を介してメソゲン基を導入したモノマーとジオールとを重縮合反応させる方法などが挙げられる。
【0030】
本発明において、長尺の1/4波長板上に前記コレステリック液晶層を連続的に積層する方法としては特に制限はなく、従来公知の様々な方法を用いることができる。例えば、(1)長尺の1/4波長板上に配向膜を設け、その上に、直接液晶ポリマーの溶媒溶液を塗工する方法、(2)長尺の1/4波長板上に配向膜を設け、その上に、直接液晶ポリマーの加熱溶融物を塗工する方法、(3)配向処理された長尺のベースフィルム上に、前記(1)又は(2)の方法でコレステリック液晶層を形成し、これを該ベースフィルムを介して長尺の1/4波長板上に接着剤により積層する方法、(4)剥離処理及び配向処理された長尺のベースフィルム上に、前記(1)又は(2)の方法でコレステリック液晶層を形成し、このコレステリック液晶層を接着剤により長尺の1/4波長板上に転写する方法、(5)長尺の1/4波長板上に配向膜を設け、その上にコレステリック液晶層形成用材料からなる塗布液を塗工し、紫外線などの活性光線を照射して重合、硬化させる方法などを採用することができる。
前記(1)、(2)及び(5)の方法における配向膜は、例えばポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミドなどの膜を成膜した後、レーヨン布などでラビング処理することにより形成することができる。また、配向膜はSiOの斜方蒸着層又は延伸処理により形成することもできる。
前記(1)の方法においては、長尺の1/4波長板上に設けられた配向膜上に、液晶ポリマーの溶媒溶液を、ダイコート法、ロールコート法、フローコート法、プリント法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法等の公知の塗工方法で塗膜を形成し、乾燥処理する方法等が挙げられる。液晶ポリマーの溶媒としては、例えば、塩化メチレン、シクロヘキサノン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
また、前記(2)の方法においては、長尺の1/4波長板上に設けられた配向膜上に、液晶ポリマーの加熱溶融物、好ましくは等方相を呈する状態の加熱溶融物を、上述した塗工方法に応じた方法により塗膜を形成し、必要に応じて溶融温度を維持しつつ、さらに薄層に展開して固化させる方法を採用することができる。
【0031】
さらに、前記(3)及び(4)の方法で用いられるベースフィルムとしては、例えばトリアセチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアリレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、アモルファスポリオレフィン、変性アクリル系ポリマー、エポキシ系樹脂などの合成樹脂からなる単層又は積層のフィルム、ガラス板などが挙げられる。薄膜化の観点からは、合成樹脂フィルムが好ましく、偏光状態の変化の防止により光の利用効率の向上の観点から、複屈折による位相差の小さいものが好ましい。このベースフィルムの配向処理は、公知の方法、例えば前記配向膜を設けるなどの方法により、行うことができる。
前記(3)及び(4)の方法において用いられる接着剤としては、感圧接着剤(粘着剤)が好ましく、この感圧接着剤としては、光学用途のもの、例えばアクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが好ましく用いられる。
液晶層を形成するために行なう加熱処理の温度は、液晶ポリマーのガラス転移温度から等方相転移温度までの温度範囲、すなわち液晶ポリマーが液晶を呈する温度範囲である。また、配向状態は、ガラス転移温度未満に冷却することで固定化することができる。
【0032】
前記(5)の方法においては、アクリル基などの重合性基、メソゲン基及び不斉炭素を分子中に有する光学活性モノマーと、重合性基及びメソゲン基を分子中に有するモノマーと、必要に応じて用いられる光重合開始剤を含む塗布液を、長尺の1/4波長板上に設けられた配向膜上に塗工して塗膜を形成させ、これに紫外線などの活性光線を照射することにより、重合、硬化させ、所望の光学特性を有するコレステリック液晶層を形成することができる。
この方法においては、分子内に2個以上の重合性基を有するモノマーを用いることにより、形成される共重合体は架橋構造により所望の配向に確実に固定化されるので、高温度で使用した場合にも光学特性が損なわれないので好ましい。前記モノマー及びコレステリック液晶層の形成方法については、特開平6−281814号公報にその詳細が記載されている。
この活性光線照射方法は、1層で広帯域の円偏光分離機能を有するコレステリック液晶層を形成させる場合に、特に有利である。
【0033】
また、コレステリック液晶層が2層以上の積層構造の場合には、積層方法については特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。例えば(a)前記(1)、(2)又は(5)の方法を適用し、配向膜が設けられた長尺の1/4波長板上に第1層目のコレステリック液晶層を設け、さらに必要により配向膜を介在させて、順次同じ方法によりコレステリック液晶層を積層する方法、(b)前記(3)の方法を適用し、配向処理された各長尺のベースフィルム上に形成されたコレステリック液晶層を、長尺の1/4波長板上にそれぞれベースフィルムを介して接着剤によりそれぞれ順次積層する方法、(c)前記(4)の方法を適用し、剥離処理及び配向処理された各長尺のベースフィルム上に形成されたコレステリック液晶層を、長尺の1/4波長板上に接着剤を介してそれぞれ順次転写し、積層する方法、あるいはコレステリック液晶層と転写すべきコレステリック液晶層とを直接当接させ、熱圧着によりそれぞれ順次転写し、積層する方法、(d)前記(a)〜(c)の方法を適宜組み合わせて積層する方法などを用いることができる。
本発明においては、長尺の1/4波長板上に設けられるコレステリック液晶層の厚さは、特に制限はないが、通常0.5〜100μm、好ましくは1〜50μm、より好ましくは2〜20μmの範囲である。
このようにして、長尺の1/4波長板、好ましくは長尺の広帯域1/4波長板上に、所望の光学特性を有するコレステリック液晶層を連続して積層し、一体化することにより、所望の機能を有する光学積層体の原反を、生産性よく製造することができる。
【0034】
本発明の光学積層体は、その用途に応じて、前述のようにして製造された光学積層体原反を、所定の形状及び寸法に裁断することにより得られたものである。
本発明の光学積層体は、光源からの拡散光を平行光に集光可能なコリメータ機能と、直線偏光化可能な機能を有している。すなわち、光源からの拡散光は、該光学積層体のコレステリック液晶層を透過することで、平行光に近づき、さらに1/4波長板を透過することにより、直線偏光化することができる。そして、液晶の偏光膜の方向を一致するようにすれば輝度が高くなる。
本発明の光学積層体は、このような機能を有することから、光学素子として、該機能が要求される種々の用途に用いることができるが、特に液晶表示装置のバックライトユニットにおける部材として好適である。
本発明の光学積層体を有する液晶表示装置用バックライトユニットは、正面指向性よく発光し、輝度に優れ、表示コントラスト及び視野角依存性などの表示特性の向上した液晶表示装置を与えることができる。
【0035】
本発明はまた、前述の本発明の光学積層体を有する液晶表示装置用バックライトユニットをも提供するものである。
次に、本発明の液晶表示装置用バックライトユニットについて添付図面に従って説明する。
図4は、本発明の液晶表示装置用サイドライト型バックライトユニットの1例を示す概略断面図である。バックライトユニット20においては、裏面側に光反射層2が設けられた導光板1の入射端面側に光源4が配置されており、該導光板1の出射面側には、光拡散シート3と、1/4波長板6上にコレステリック液晶層(広帯域コレステリック液晶層とコリメータ機能を有するコレステリック液晶層とを組み合わせたものなど)5が積層され、一体化されてなる本発明の光学積層体7が順次配設された構造を有している。なお、符号8は光源ホルダである。
導光板1の入射端面側に配置された光源4からの光は、導光板1に入射し、光拡散シート3側に出射する。光拡散シート3を透過して光学積層体7のコレステリック液晶層5に入射した光は、正面光のみが透過し、斜め入射光は選択反射して導光板1に再入射する。導光板1に再入射した光は、導光板1の裏面側に設けられた光反射層2で反射して、再びコレステリック液晶層5に入射し、透過光と反射光に再度分離される。これが繰り返されることにより、光源4から出射した光の有効利用が図られ、輝度向上の効果を得ることができる。コレステリック液晶層5を透過した円偏光の平行光は、光学積層体7の1/4波長板6により直線偏光となって、液晶表示部に設けられた偏光板(図示せず)を透過する。なお、光拡散シート3は省略することもできる。
【0036】
導光板1としては、その形状が入射面に対向する側端部の厚さが入射面のそれよりも薄い形状(くさび型)のものが好ましい。また、出射面よりの出射効率に優れ、その出射面に対する垂直性に優れて出射光の有効利用を図ることなどの観点から、微細なプリズム状凹凸を有する構造のものが好ましい。導光板1は、ノルボルネン系重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレンなどの透明性を有する材料で形成することができる。また、光反射層2は、例えば、メッキ層、金属蒸着層、金属箔、金属蒸着シート、メッキシートなどにより適宜に形成することができる。この光反射層は、導光板の出射面に対向する面に一体化されていても良いし、光反射シートなどとして導光板と重ね合わせて形成することもできる。
なお、光源としては、図4に示すようなサイドライト型でなく、直下型の面光源も用いることができる。この場合、導光板を必要としない。
前記面光源としては、特に制限はなく、従来公知のもの、例えば冷陰極管、エレクトロルミネッセンス素子(ELD)、発光ダイオード(LED)などを用いることができるが、冷陰極管が好ましく、特に三波長型冷陰極管が好適である。
【0037】
本発明の液晶表示装置は、前記本発明のバックライトユニットを有するものであって、その構成については特に制限はない。
図5は、本発明の液晶表示装置の1例の構成を示す概略断面図である。液晶表示装置30は、バックライトユニット20が、液晶セル10の背面側に配置されており、そして、該液晶セル10の表面側に偏光板11及び光拡散シート12が順に配設され、また裏面に偏光板9が配設された構造を有している。なお、偏光板9及び光拡散シート12は省略することができる。
用いられる液晶モードは特に限定されない。液晶モードとしては、例えば、TN(Twisted nematic)型、STN(Super Twisted Nematic)型、HAN(hybrid Aligned Nematic)型などが挙げられる。
また、偏光板(9、11)としては特に制限されず、従来公知のものを使用することができる。
本発明の液晶表示装置は、正面指向性よく発光するバックライトユニットを有しているので、高輝度を有し、かつ表示コントラスト及び視野角依存性などの表示特性に優れている。
【0038】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
製造例1 長尺の広帯域1/4波長板(I)の製造
固有複屈折値が正の材料としてノルボルネン系樹脂[「ゼオノア1420」;日本ゼオン社製;Tg=136℃]、及び固有複屈折値が負の材料としてスチレン系樹脂[スチレン−無水マレイン酸共重合樹脂;「ダイラーク D332」;ノバケミカル社製;Tg=131℃]を用いた。
3台の単軸溶融押出し機、及びそれらに接続された共押出し多層Tダイからなる多層押出し機を用いて、ノルボルネン系樹脂からなるA層、スチレン系樹脂からなるB層、エチレン−アクリル酸エチル共重合体からなるC層を有する、A層(50μm)−C層(10μm)−B層(50μm)−C層(10μm)−A層(50μm)の積層体を押出し成形にて製造した。なお()内は各層の厚さである。また、積層体は幅230mm、長さ200mであった。
次に、得られた積層体を135℃、延伸倍率1.7倍で一軸延伸したところ、波長λ=450nm、550nm、及び650nmにおけるレターデーションと波長の比が、各々0.235、0.250、0.232である、広帯域1/4波長板(I)が得られた。
製造例2 長尺の広帯域1/4波長板(II)の製造
(1)未延伸樹脂フィルムの作製
ノルボルネン系樹脂[「ゼオノア1420」;日本ゼオン社製;Tg=136℃]を材料として、45mmΦのスクリューを備えた樹脂溶融混練機を有するTダイ式フィルム溶融押出し成形機を使用し、溶融樹脂温度240℃、Tダイの幅300mmの成形条件で、厚さ100μmのフィルムを押出し成形し、未延伸樹脂フィルムを作製した。
(2)斜め延伸位相差フィルム(a)の作製
上記(1)で得られた未延伸樹脂フィルムを、図6に示すテンター延伸機に導入し、延伸温度145℃で連続的に斜め延伸を施して、延伸倍率1.7倍、フィルムの幅方向と配向軸とのなす角度が平均で30°である長尺の斜め延伸位相差フィルム(a)を得た。
図6は、本例で用いたテンター延伸機の概念図である。該テンター延伸機は、左右のテンタークリップ200を等速で移動させ、未延伸フィルム210を幅方向に延伸させながら、フィルムの送り進路220を曲げるようにすることで斜め延伸を行えるようにしたテンター延伸機である。この延伸機は、テンタークリップの移動経路(軌跡)を適宜設定することにより、延伸フィルム230の幅方向に対する配向軸の角度θを任意に得ることができるものである。
この斜め延伸位相差フィルムの波長λ=550nmで測定したレターデーションは275nm、遅相軸とフィルムの幅方向のなす角度は30°であった。
(3)斜め延伸位相差フィルム(b)の作製
上記(2)の斜め延伸位相差フィルム(a)と同様にして、延伸倍率1.4倍、フィルムの幅方向と配向軸とのなす角度が平均で30°である長尺の斜め延伸位相差フィルム(b)を得た。この斜め延伸位相差フィルム(b)の波長550nmで測定したレターデーションは137.5nm、遅相軸とフィルムの幅方向とのなす角度は30°であった。
(4)広帯域1/4波長板(II)の製造
上記(2)及び(3)で得られた位相差フィルム(a)及び(b)を、アクリル系粘着剤を介して、各々の遅相軸のなす角度が60°で、長手方向が一致するようにしてロールトゥロールで積層し、この積層体を加圧ローラーに供給して圧着し、連続的に貼りあわせることにより、長尺の積層体を製造した。
この積層体のレターデーションを測定したところ、波長λ=450nm、550nm、及び650nmにおけるレターデーションと波長の比が、各々0.245、0.250、0.247であり、広帯域1/4波長板の特性を有するものであった。
実施例1
製造例1で得られた長尺の広帯域1/4波長板(I)の片面に対し、コロナ放電処理装置を用いて連続的にコロナ放電処理を行った。次いで、コロナ放電処理した面に、ダイコーターを用いてポリビニルアルコールの水/メタノール溶液を連続的に塗布し、塗布層を60℃の温風で連続的に乾燥処理(平均処理時間が4分間になるように調整)した。続いて、連続ラビング装置を用いて、フィルムの長手方向とラビング方向が平行になるようにラビング処理を行って、厚さ0.5μmの配向膜を形成した。
次に、上記配向膜上に、選択反射波長領域が456〜500nm、570〜602nm及び628〜680nmで右円偏光を反射する3種のコレステリック液晶層を順に積層して、これらをグランジャン配向処理し、コリメータ機能を有するコレステリック液晶層を形成した。
さらに、その上に選択反射波長領域が410〜680nmで左円偏光を反射するコレステリック液晶層を積層してグランジャン配向処理し、広帯域の円偏光分離層を形成して、光学積層体原反を作製した。
発光光の輝線波長が440nm、545nm、及び610nmの3波長である冷陰極管と、光反射層、導光板及び光拡散シートとを組み合わせたサイドライト型面光源(例えば、図4に示すもの)の発光面側に、該発光面の大きさに合わせて、上記原反を切断して得られた光学積層体を、その広帯域の円偏光分離層が接するように配置して、液晶表示装置用バックライトユニットを作製した。
上記バックライトユニットの冷陰極管を点灯させ、光学積層体側からの出光輝度を測定した。測定結果を第1表に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
なお、正面からの角度0〜40度の範囲で出光光を目視観察したところ色つきは見られず、ほぼ白色光であった。
実施例2
実施例1において、製造例1で得られた長尺の広帯域1/4波長板(I)の代わりに、製造例2で得られた長尺の広帯域1/4波長板(II)を用い、その斜め延伸位相差フィルム(b)側に配向膜を形成した以外は、実施例1と同様にして、光積層体原反及びバックライトユニットを作製した。
バックライトユニットの冷陰極管を点灯させ、光学積層体側からの出光輝度を測定した。測定結果を第2表に示す。
【0041】
【表2】
【0042】
なお、正面からの角度0〜40度の範囲で出光光に色つきは見られず、ほぼ白色光であった。
【0043】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、光源からの拡散光を平行光に集光可能で、コリメータとして機能する光学積層体の原反を連続的に生産性よく製造することができる。また、この光学積層体原反を裁断して得られた光学積層体を用いることにより、正面指向性よく発光する液晶表示装置用バックライトユニット、及びこのバックライトユニットを有し、輝度に優れ、かつ表示コントラスト及び視野角依存性などの表示特性を向上させた液晶表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、1/2波長位相差フィルムと1/4波長位相差フィルムとを積層して、広帯域1/4波長板を作製する方法の1例を示す説明図である。
【図2】図2は、本発明の光学積層体におけるコレステリック液晶層の構成の1例を示す模式的断面図である。
【図3】図3は、本発明の光学積層体の1例の構成及び機能を示す説明図である。
【図4】図4は、本発明の液晶表示装置用サイドライト型バックライトユニットの1例の構成を示す概略断面図である。
【図5】図5は、本発明の液晶表示装置の1例の構成を示す概略断面図である。
【図6】図6は、製造例で用いたテンター延伸機の概念図である。
【符号の説明】
1 導光板
2 光反射層
3 光拡散シート
4 光源
5、5a コレステリック液晶層
6 1/4波長板
7 光学積層体
8 光源ホルダ
9 偏光板
10 液晶セル
11 偏光板
12 光拡散シート
15L、15R、25L、25R、35L、35R コレステリック液晶層
20 バックライトユニット
30 液晶表示装置
50 広帯域1/4波長板
51 1/2波長位相差フィルム
52 1/4波長位相差フィルム
60 広帯域コレステリック液晶層
61 コリメータ機能を有するコレステリック液晶層
61R、61G、61B コレステリック液晶層
62 1/4波長板
200 テンタークリップ
210 未延伸フィルム
220 フィルムの送り進路
230 延伸フィルム
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学積層体原反の製造方法、光学積層体、バックライトユニット及び液晶表示装置に関する。さらに詳しくは、本発明は、光源からの拡散光を平行光に集光可能で、コリメータとして機能する光学積層体の原反を連続的に生産性よく製造する方法、この方法で得られた光学積層体原反を所定の形状及び寸法に裁断してなる、液晶表示装置のバックライトユニットなどに好適に用いられるコリメータとして機能する光学積層体、該光学積層体を有し、正面指向性よく発光する液晶表示装置用バックライトユニット、及びこのバックライトユニットを有し、輝度に優れ、かつ表示コントラスト及び視野角依存性などの表示特性を向上させた液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、CRT表示装置に比べて、小型でコンパクトな液晶表示装置を備えた様々な機器が普及してきている。例えばパーソナルコンピュータあるいはビデオカメラ等民生用機器を始めとして各種機器の小型化に対する市場ニーズは高く、具体的には、ラップトップ型コンピュータあるいは液晶モニタ付カメラと呼ばれる小型化された携帯可能な機器が広く普及してきた。これらの機器において、液晶表示装置を具備することは必須となっており、あわせてカラー表示化、高輝度化など高機能高性能化への要求は強い。
この液晶表示装置は、液晶層を背面から照らして発光させるバックライト方式が普及し、液晶層の下面側にバックライトユニットが装備されている。バックライトユニットは、一般に、冷陰極管などの光源と、入射端面が光源の近傍に位置するように配置した導光板と、導光板の出射側の面(表面側)に配設された光学シートと、導光板の光学シートとは反対側(裏面側)に配設した光反射シートとで構成されている。そして、導光板の光反射シート側の面又は出射側の面には、均一な拡散光を得るために、所定形状の微細パターンが形成されている。導光板の表面側に配設された光学シートとしては、光拡散シートや、その表面側に設けられるプリズムシートなどを挙げることができる。
しかしながら、液晶表示装置においては、液晶の配向に起因する複屈折性や旋光性などにより、その表示コントラスト及び表示色の視野角特性は、CRT表示装置に比べて劣る問題がある。このため、例えば位相差板を組み込むことによって視野角を改善することが提案されており(例えば、特許文献1参照)、また、液晶の配向を制御することで、液晶の複屈折性による悪影響を低減することが試みられているが、CRT表示装置の表示特性にはまだ及ばないのが実状である。
また、液晶表示装置において、表示特性が低下する原因の一つとして、液晶セルに入射する光が完全な平行光でなく、広がりをもった拡散光であることが挙げられる。液晶セルに垂直方向以外の種々の角度で入射した光は、着色による表示品質の低下をもたらす原因となる。したがって、液晶セルに平行光を入射できれば、液晶の複屈折性に起因する表示特性の低下を抑制することができ、表示特性を向上させることができる。
一般的なバックライトユニットにおける前記プリズムシートは、拡散光を集光し、できるだけ平行光化するための部材である。しかしながら、このプリズムシートは、透過光の平行度が低い上、作製工程が煩雑で高価であったり、輝度を損なうおそれがあるなどの欠点を有し、実用上十分に満足し得るものではない。
一方、液晶表示装置などの高輝度化を図る手段として、面光源上にグランジャン構造を有するコレステリック液晶層と1/4波長板からなる光学素子を配置する方式が知られている(例えば、特許文献2参照)。この方式は、前記コレステリック液晶層が示す入射自然光を反射光と透過光として左右の円偏光成分に分離する性質を利用して、面光源による出射光を円偏光化し、それを1/4波長板を介して直線偏光化して偏光板に供給することにより、偏光板による吸収ロスを抑制して輝度を向上させるようにしたものである。したがって、面光源による拡散光の正面指向性の向上には寄与しない。また、低屈折率フィルムと高屈折率フィルムを交互に積層した多層積層フィルムを配置する方式も知られている(例えば、特許文献3参照)。この多層積層フィルムは、所定偏光軸の直線偏光を透過して、他の光は反射する特性を有し、その透過光をそのまま偏光板に偏光軸を揃えて入射させることにより、偏光板による吸収ロスを抑制して輝度を向上させるようにしたものである。したがって、この方式も、前記と同様に面光源による拡散光の正面指向性の向上には寄与しない。
拡散光を平行光に集光可能で、液晶表示装置のバックライトユニットなどに用いることのできる部材として、最近例えば(1)垂直入射光に対して波長λ1〜λ2(λ1<λ2)に選択反射波長帯域を示すコレステリック液晶層からなり、組み合わされて使用される光源の発光スペクトルの極大波長λ0に対してλ0<λ1を満たすコリメータ(例えば、特許文献4参照)、(2)グランジャン構造を有する1層又は2層以上のコレステリック液晶層よりなる円偏光分離板A、Bを少なくとも有する積層体からなり、その円偏光分離板Aが200nm以上の波長範囲で左右が同じ円偏光を選択反射し、かつその反射光に520〜580nmの波長範囲を含むものであると共に、円偏光分離板Bが前記円偏光分離板Aとは選択反射する円偏光の左右が逆転し、かつ選択反射波長範囲の短波長側の端が550〜580nmの波長域に位置するものである光学素子(例えば特許文献5参照)が提案されている。
しかしながら、前記(1)のコリメータにおいては、1/4波長板との組合わせ及び該コリメータを製造する方法については言及されておらず、また、前記(2)の光学素子においては、好ましい態様として、円偏光分離板の外側の一方に粘着剤を介して1/4波長板が接着された光学素子が開示されているが、このような光学素子を効率的に製造できるような具体的な方法については知られていなかった。
【特許文献1】
特許第2565644号
【特許文献2】
特開平6−281814号公報
【特許文献3】
特表平9−506837号公報
【特許文献4】
特開2002−169026号公報
【特許文献5】
特開2002−258048号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、拡散光を平行光に集光可能で、コリメータとして機能する光学積層体の原反を生産性よく製造する方法、この方法で得られた原反を裁断してなるコリメータとして機能する光学積層体、該光学積層体を有し、正面指向性よく発光する液晶表示装置用バックライトユニット、及びこのバックライトユニットを有し、輝度に優れ、かつ表示コントラスト及び視野角依存性などの表示特性を向上させた液晶表示装置を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、長尺の1/4波長板、好ましくは広帯域1/4波長板上に、コリメータ機能を有するグランジャン配向されたコレステリック液晶層を連続的に積層することにより、拡散光を平行光に集光可能で、コリメータとして機能する光学積層体の原反が生産性よく得られることを見出した。
また、このようにして得られた光学積層体原反を用いることにより、前記の機能を有する光学積層体、液晶表示装置用バックライトユニット及び液晶表示装置が得られることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)長尺の1/4波長板上に、組み合わされて使用される光源からの拡散光を平行光に集光可能なコリメータ機能を有するグランジャン配向されたコレステリック液晶層を連続的に積層し、一体化することを特徴とする光学積層体原反の製造方法、
(2)コリメータ機能を有するグランジャン配向されたコレステリック液晶層が、垂直入射光に対して波長λ1〜λ2(λ1<λ2)に選択反射波長帯域を示すと共に、組み合わされて使用される光源の発光スペクトルの極大波長λ0に対してλ0<λ1を満たすコレステリック液晶層を少なくとも有する第1項記載の光学積層体原反の製造方法、
(3)コリメータ機能を有するグランジャン配向されたコレステリック液晶層が、垂直入射光に対して波長λ11〜λ12(λ11<λ12)に選択反射波長帯域を示す第1のコレステリック液晶層と、垂直入射光に対して波長λ21〜λ22(λ21<λ22)に選択反射波長帯域を示す第2のコレステリック液晶層と、垂直入射光に対して波長λ31〜λ32(λ31<λ32)に選択反射波長帯域を示す第3のコレステリック液晶層とを積層したものを少なくとも有すると共に、組み合わされて使用される光源の発光スペクトルが波長λB、λG及びλRに極大波長を有し、かつ下記の関係式
410nm≦λB≦470nm
520nm≦λG≦580nm
600nm≦λR≦660nm
λB<λ11<λ12<λG<λ21<λ22<λR<λ31<λ32
を満たす第1項記載の光学積層体原反の製造方法、
(4)長尺の1/4波長板が広帯域1/4波長板である第1項、第2項又は第3項記載の光学積層体原反の製造方法、
(5)長尺の広帯域1/4波長板が、斜め延伸処理で得られた位相差フィルムを少なくとも有するものである第4項記載の光学積層体原反の製造方法、
(6)長尺の広帯域1/4波長板が、(A)固有複屈折値が正の材料を一軸延伸配向させて得られたフィルムからなる層と、(B)固有複屈折値が負の材料を一軸延伸配向させて得られたフィルムからなる層を少なくとも1層ずつ有し、かつ前記(A)層と(B)層の延伸方向が一致するように積層してなるものである第4項記載の光学積層体原反の製造方法、
(7)第1項ないし第6項のいずれかに記載の方法で得られた光学積層体原反を、所定の形状及び寸法に裁断してなる光学積層体、
(8)液晶表示装置のバックライトユニットに用いられる第7項記載の光学積層体、
(9)第8項記載光学積層体を有することを特徴とする液晶表示装置用バックライトユニット、及び
(10)第9項記載のバックライトユニットを有することを特徴とする液晶表示装置、
を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の光学積層体原反の製造方法について説明する。
本発明の光学積層体原反の製造方法においては、長尺の1/4波長板上に、コリメータ機能を有するグランジャン配向されたコレステリック液晶層を連続的に積層し、一体化することにより、光学積層体原反を製造する。
本発明の方法においては、1/4波長板として長尺体が用いられる。この1/4波長板は、上記コレステリック液晶層を透過した円偏光を直線偏光化する機能を有するものである。該1/4波長板としては、特に広帯域1/4波長板が好適である。ここで、広帯域1/4波長板とは、波長410〜660nmを含む可視光域全体で位相差(レターデーション)がほぼ1/4波長になる1/4波長板のことである。
本発明で用いる長尺の広帯域1/4波長板としては、長尺であって、前記機能を有するものであればよく、特に制限はないが、例えば(1)斜め延伸処理で得られた位相差フィルムを少なくとも有する1/4波長板、及び(2)(A)固有複屈値が正の材料を一軸延伸配向させて得られたフィルムからなる層と、(B)固有複屈折値が負の材料を一軸延伸配向させて得られたフィルムからなる層を少なくとも1層ずつ有し、かつ前記(A)層と(B)層の延伸方向が一致するように積層してなる1/4波長波を好ましく挙げることができる。
【0006】
前記(1)の位相差フィルムを積層してなる長尺の広帯域1/4波長板は、例えば単色光に対して1/2波長の位相差を与える長尺の斜め延伸位相差フィルム(以下、1/2波長の位相差を与える位相差フィルムを1/2波長位相差フィルムと称す。)と、単色光に対して1/4波長の位相差を与える長尺の斜め延伸位相差フィルム(以下、1/4波長の位相差を与える位相差フィルムを1/4波長位相差フィルムと称す。)との組合わせで、複数の長尺の位相差フィルムを用い、それらの位相差フィルムの遅相軸(面内で屈折率が最大になる方向)を交差させて積層することにより得ることができる。各位相差フィルムの積層数や、1/2波長位相差フィルムと1/4波長位相差フィルムの配置位置については任意であるが、例えば1/2波長位相差フィルムと1/4波長位相差フィルムを、それぞれ1枚ずつ用い、それらの遅相軸を交差させることにより、広帯域1/4波長板を得ることができる。
具体的には、斜め延伸処理により、その幅方向と遅相軸とのなす角度が15〜45度程度に調整された長尺の1/2波長位相差フィルムと、斜め延伸処理により、その幅方向と遅相軸とのなす角度が15〜45度に調整された長尺の1/4波長位相差フィルムとを、それぞれの遅相軸が60±3度程度で交差するように、かつそれぞれの長手方向が実質的に一致するように積層することによって、長尺の広帯域1/4波長板を得ることができる。
各位相差フィルムの積層は、通常透明粘着剤を介して行われる。この透明粘着剤としては、光学用途に好適なアクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤などを用いることができる。
【0007】
前記位相差フィルムを構成する材料としては特に制限はなく、従来位相差フィルムの材料として使用されている公知の材料の中から任意のものを適宜選択して用いることができる。このような材料としては、例えばオレフィン系重合体、脂環式構造を有する重合体、ポリカーボネート系重合体、ポリエステル系重合体、ポリスルホン系重合体、ポリエーテルスルホン系重合体、ポリスチレン系重合体、ポリビニルアルコール系重合体、酢酸セルロース系重合体、ポリ塩化ビニル系重合体、ポリメタクリレート系重合体などの熱可塑性樹脂を用いることができるが、これらの中でもオレフィン系重合体及び脂環式構造を有する重合体が好ましく、特に脂環式構造を有する重合体が好ましい。
脂環式構造を有する重合体は、重合体の繰り返し単位中に脂環式構造を有するものであり、主鎖中に脂環式構造を有する重合体及び側鎖に脂環式構造を有する重合体のいずれも用いることができる。脂環式構造としては、例えば、シクロアルカン構造、シクロアルケン構造などが挙げられるが、熱安定性などの観点からシクロアルカン構造が好ましい。脂環式構造を構成する炭素数に特に制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは6〜15個である。
【0008】
脂環式構造を有する重合体中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択されるが、通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。脂環式構造を有する繰り返し単位が過度に少ないと、耐熱性が低下するおそれがある。
脂環式構造を有する重合体としては、(1)ノルボルネン系重合体、(2)単環の環状オレフィン系重合体、(3)環状共役ジエン系重合体、(4)ビニル脂環式炭化水素重合体、及びこれらの水素添加物などが挙げられる。これらの中でも、透明性や成形性の観点から、ノルボルネン系重合体がより好ましい。
ノルボルネン系重合体としては、具体的にはノルボルネン系モノマーの開環重合体、ノルボルネン系モノマーと開環共重合可能なその他のモノマーとの開環共重合体、及びそれらの水素添加物、ノルボルネン系モノマーの付加重合体、ノルボルネン系モノマーと共重合可能なその他のモノマーとの付加型共重合体などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性及び透明性の観点から、ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素添加物が最も好ましい。
上記の脂環式構造を有する重合体は、例えば特開2002−321302号公報などに開示されている公知の重合体である。
【0009】
本発明においては、前記熱可塑性樹脂からなる未延伸フィルムを斜め延伸処理することにより、位相差フィルムを作製する。
未延伸フィルムは、樹脂をフィルム状に成形することにより得ることができる。樹脂をフィルム状に成形する方法としては特に制約されず、公知の成形法を採用することができる。例えば、加熱溶融成形法、溶液流延法のいずれも採用することができるが、シート中の揮発性成分を低減させる観点から、加熱溶融成形法を用いるのが好ましい。
この加熱溶融成形法には、例えば溶融押出成形法、プレス成形法、インフレーション法、射出成形法、ブロー成形法などがあるが、これらの中で、機械的強度及び表面精度などに優れる位相差フィルムを得るためには、溶融押出成形法を用いるのが好ましい。
成形条件は使用目的や成形方法により適宜選択されるが、溶融押出成形法による場合は、シリンダー温度が、好ましくは100〜600℃、より好ましくは150〜350℃の範囲で適宜設定される。
未延伸フィルムの厚みは、得られる位相差フィルムの使用目的などに応じて適宜決定することができる。フィルムの厚みは、安定した延伸処理による均質な位相差フィルムが得られる観点から、好ましくは10〜300μm、より好ましくは30〜200μmである。
また、未延伸フィルムを製造する場合には、本発明の目的を阻害しない範囲内で、各種添加剤を添加することができる。各種添加剤としては、例えば、可塑剤や劣化防止剤、酸化防止剤などが挙げられる。
【0010】
以上のようにして得られる未延伸フィルムをその幅方向に対して任意の角度θの方向に連続的に斜め延伸処理することにより、フィルムの幅方向に対して角度θの遅相軸を有する長尺の位相差フィルムを得ることができる。すなわち、角度θを任意の値に設定することにより、面内の遅相軸方向の屈折率、面内の遅相軸に垂直な方向の屈折率、及び厚み方向の屈折率を所望の値となるようにすることができ、所定の波長に対して1/2波長の位相差を与える位相差フィルム(1/2波長位相差フィルム)、及び1/4波長の位相差を与える位相差フィルム(1/4波長位相差フィルム)が得られる。
斜め延伸処理する方法としては、その幅方向に対して角度15〜45度の方向に連続的に延伸処理して、ポリマーの配向軸を所望の角度に傾斜させるものであればよく、特に制約されず、公知の方法を採用することができる。本発明に用いることができる斜め延伸処理の方法としては、例えば、特開昭50−83482号公報、特開平2−113920号公報、特開平3−182701号公報、特開2000−9912号公報、特開2002−86554号公報、特開2002−22944号公報などに記載されたものが挙げられる。
未延伸フィルムを斜め延伸処理する際の温度は、前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度をTgとすると、好ましくはTg−30℃からTg+60℃の間、より好ましくはTg−10℃からTg+50℃の温度範囲である。また、延伸倍率は、通常、1.01〜30倍、好ましくは1.01〜10倍、より好ましくは1.01〜5倍である。
【0011】
本発明においては、このようにして得られた幅方向と遅相軸とのなす角度が15〜45度程度に調整されてなる長尺の1/2波長位相差フィルムと、幅方向と遅相軸とのなす角度が15〜45度程度に調整されてなる長尺の1/4波長位相差フィルムとを、それぞれの遅相軸が60±3度程度で交差するように、かつそれぞれの長手方向が実質的に一致するように積層することによって、長尺の広帯域1/4波長板を得ることができる。
1/2波長位相差フィルムと1/4波長位相差フィルムとを積層した場合に、それぞれの遅相軸の交差角が57度[(60−3)度]未満又は63度[(60+3)度]を超える場合には、得られる長尺の積層体は「広帯域1/4波長板」として機能するものとはなりにくい。また、1/2波長位相差フィルム及び1/4波長位相差フィルムのそれぞれの遅相軸が互いに(60±3)度で交差するように貼り合わせた際に、それぞれの長手方向が実質的に一致していなければ、広帯域1/4波長板の長尺化を図ることができにくい。
【0012】
図1は、1/2波長位相差フィルムと1/4波長位相差フィルムとを積層して、広帯域1/4波長板を作製する方法の1例を示す説明図である。図1に示す広帯域1/4波長板50は、斜め延伸処理により矢印Aで表す方向に遅相軸を有する長尺の1/2波長位相差フィルム51と、斜め延伸処理により矢印Bで表す方向に遅相軸を有する長尺の1/4波長位相差フィルム52とを、それぞれの遅相軸が互いに所定の角度(θ2)で交差するように積層したものである。1/2波長位相差フィルム及び1/4波長位相差フィルムにおいて、幅方向と遅相軸とのなす角度は、斜め延伸処理する際の処理条件を制御することによって適宜調整することができる。
この広帯域1/4波長板を構成する1/2波長位相差フィルムにおいて、その幅方向と遅相軸とのなす角度(鋭角部分)は15〜45度とし、図1に示す1/2波長位相差フィルム51の幅方向と遅相軸とのなす角度(α)は15度に調整されている。また、1/4波長位相差フィルムにおいて、その幅方向と遅相軸とのなす角度(鋭角部分)は15〜45度とし、図1に示す1/4波長位相差フィルム52の幅方向と遅相軸とのなす角度(β)は45度に調整されている。
【0013】
長尺の1/2波長位相差フィルムと長尺の1/4波長位相差フィルムとを積層する方法としては特に制限はなく、従来公知の積層方法を採用することができるが、生産効率の高いロールトゥロール方式を採用するのが好ましい。この方式では、ロール状に巻き取った1/2波長位相差フィルム及び1/4波長位相差フィルムをそれぞれ引き出し、例えば粘着剤などを接合面に塗布して両者を積層し、この積層体を加圧ローラのニップに供給して圧着することにより連続的に貼り合わせる。得られた長尺の広帯域1/4波長板は、ロール状に巻き取って回収・保存することができる。
このようにして得られた長尺の広帯域1/4波長板の厚みは、好ましくは10〜300μm、より好ましくは30〜200μmである。
一方、前記(2)の固有複屈折値が正の材料及び負の材料それぞれの延伸フィルムを積層した長尺の広帯域1/4波長板について説明する。
ここで、(A)層に用いられる固有複屈折値が正の材料(以下、単に正の材料ということがある。)は、分子が一軸性の秩序をもって配向した際に、光学的に正の一軸性を示す特性を有するものをいう。すなわち、分子が一軸性の配向をとって形成された層に光が入射した際、前記配向方向の光の屈折率が、該配向方向に直交する方向の光の屈折率よりも大きくなる特性を有する材料である。
また、(B)層に用いられる固有複屈折値が負の材料(以下、単に負の材料ということがある。)は、分子が一軸性の秩序をもって配向した際に、光学的に負の一軸性を示す特性を有するものをいう。すなわち、分子が一軸性の配向をとって形成された層に光が入射した際、前記配向方向の光の屈折率が、該配向方向に直交する方向の光の屈折率よりも小さくなる特性を有する材料である。
【0014】
(A)層に用いられる固有複屈折値が正の材料としては、例えば、棒状液晶、棒状液晶ポリマー、オレフィン系重合体、脂環式構造を有する重合体、ポリエステル系重合体、ポリアリ−レンサルファイド系重合体、ポリビニルアルコール系重合体、ポリカーボネート系重合体、ポリアリレート系重合体、セルロースエステル系重合体、ポリエーテルスルホン系重合体、ポリスルホン系重合体、ポリアリルスルホン系重合体、ポリ塩化ビニル系重合体、あるいはこれらの多元(二元、三元等)共重合体などが挙げられる。これらは1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明においては、これらの中でも、オレフィン系重合体、及び脂環式構造を有する重合体が好ましく、光透過率特性、耐熱性、寸度安定性、光弾性特性等の観点から、特に脂環式構造を有する重合体が好ましい。
この脂環式構造を有する重合体については、前述の1/2波長位相差フィルムや1/4波長位相差フィルムの材料として説明したとおりである。
【0015】
一方、(B)層に用いられる固有複屈折値が負の材料としては、ディスコティック液晶、ディスコティック液晶ポリマー、芳香族ビニル系重合体、ポリアクリロニトリル系重合体、ポリメタクリレート系重合体、セルロースエステル系重合体、これらの多元(二元、三元等)共重合体などが挙げられる。これらは1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、芳香族ビニル系重合体、ポリアクリロニトリル系重合体及びポリメチルメタクリレート系重合体の中から選択される少なくとも1種が好ましい。中でも複屈折発現性が高いという観点から、芳香族ビニル系重合体がより好ましい。
芳香族ビニル系重合体とは、芳香族ビニル単量体の単独重合体、これらの2種以上の共重合体、又は芳香族ビニル単量体とこれと共重合可能な単量体との共重合体のことをいう。芳香族ビニル単量体としては、スチレン;4−メチルスチレン、4−クロロスチレン、3−メチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−tert−ブトキシスチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン誘導体;などが挙げられる。これらを単独若しくは2種以上組み合わせて使用してもよい。
芳香族ビニル単量体と共重合可能な単量体としては、プロピレン、ブテン;アクリロニトリル;(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸;(メタ)アクリル酸エステル;マレイミド;酢酸ビニル、塩化ビニル;などが挙げられる。
芳香族ビニル系重合体の中でも、耐熱性が高い観点から、スチレン及び/又はスチレン誘導体と無水マレイン酸との共重合体が好ましい。
本発明に用いる芳香族ビニル系重合体のガラス転移温度は、優れた光学特性が得られる観点から、好ましくは110℃以上、より好ましくは120℃以上である。
【0016】
本発明に用いる長尺の広帯域1/4波長板を製造する方法は特に制限はなく、例えば、(X)A層とB層とを別々に成膜し、接着剤層(C層)を介してドライラミネーションにより積層して積層体とする方法、(Y)共押出法により成膜して積層体を得る方法などが挙げられる。これらの中でも、層間剥離強度が大きい積層体を得ることができ、かつ、生産効率に優れることから、(Y)の共押出法による成膜法が好ましい。共押出法により積層体を得る方法は、具体的には、複数基の押出機を用い、固有複屈折値が正の材料と固有複屈折値が負の材料とを多層ダイから押出すことにより成膜するものである。
このようにして得られる積層体の厚みは、得られる積層体の使用目的などに応じて適宜決定することができる。フィルムの厚みは、安定した延伸処理による均質な延伸フィルムが得られる観点から、好ましくは10〜300μm、より好ましくは30〜200μmである。
また、この場合には、本発明の目的を阻害しない範囲内で、各種添加剤及び他の熱可塑性樹脂やエラストマーを添加することができる。各種添加剤としては、例えば、可塑剤や劣化防止剤、酸化防止剤などが挙げられる。
この長尺の広帯域1/4波長板は、固有複屈折値が正の材料からなる層(A層)と固有複屈折値が負の材料からなる層(B層)を、遅相軸が直交するように積層することにより得ることができる。前記(A)層と(B)層を遅相軸を直交させて積層するには、各層の分子鎖の配向方向を等しくさせればよい。すなわち、この長尺の広帯域1/4波長板は、固有複屈折値が異符号の材料からなる層(A層とB層)の積層体であるため、A層とB層との延伸方向を一致させれば、2層の遅相軸を必然的に直交させることができる。
このような長尺の広帯域1/4波長板は、前記積層体を延伸処理することにより製造することができる。
積層体を延伸する方法は特に制限はなく、従来公知の方法を採用できる。延伸する方法としては、例えば、ロール側の周速の差を利用して縦方向に一軸延伸する方法、テンターを用いて横方向に一軸延伸する方法等が挙げられる。これらの中で、縦方向の一軸延伸が好適である。一軸延伸の延伸倍率に特に制限はないが、1.1〜3倍であることが好ましく、1.2〜2.2倍であることがより好ましい。
【0017】
前記積層体を延伸する際の温度は、前記A層及びB層を構成する樹脂のガラス移転温度をTgとすると、好ましくは(Tg−30)℃から(Tg+60)℃の間、より好ましくは(Tg−10)℃から(Tg+50)℃の温度範囲である。また、延伸倍率は、通常、1.01〜30倍、好ましくは1.01〜10倍、より好ましくは1.01〜5倍である。
また、前記積層体を前述した共押出法により製造した場合には、従来の1/4波長板の製造時に必要であった、延伸フィルムのチップの切り出しや、切り出したチップの貼り合わせなどの作業が不要となり、いわゆるロールトゥロール方式により、連続的に長尺の広帯域1/4波長板を生産することができる。
広帯域1/4波長板は、A層を少なくとも1層と、B層を少なくとも1層有し、前記A層とB層における分子鎖の配向が等しい光学積層体であれば、その層構成に特に制限されないが、A層/B層/A層、又はB層/A層/B層の層構成を有するのが好ましい。また、前記A層とB層との層間にC層(接着剤層)をさらに有し、A層−C層−B層の3層構造、又はA層−C層−B層−C層−A層若しくはB層−C層−A層−C層−B層の5層構造とすることができ、特にA層−C層−B層−C層−A層の5層構造とすることが好ましい。
【0018】
接着剤層(C層)は、A層に用いる固有複屈折値が正の材料とB層に用いる固有複屈折値が負の材料との双方と親和性があるものから形成することができる。例えば、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体などのエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−スチレン共重合休などのエチレン系共重合体が挙げられる。
前記接着剤層(C層)の厚さは、好ましくはl〜50μm、さらに好ましくは5〜30μmである。
本発明の光学積層体原反の製造方法においては、該光学積層体原反を生産性よく製造するために、前記長尺の1/4波長板を用い、その上にコリメータ機能を有するグランジャン配向されたコレステリック液晶層を連続的に積層する。
前記コレステリック液晶層としては、組み合わされて使用される光源からの拡散光を平行光に集光可能なコリメータ機能を有するグランジャン配向されたものであればよく、特に制限されず、単層又は2層以上のいかなる構成のものであってもよい。
コリメータ機能を有するグランジャン配向されたコレステリック液晶層としては、様々な光学特性や構成を有するものがあり、以下にこれらについて説明する。
【0019】
まず、前記コレステリック液晶層として、垂直入射光に対して波長λ1〜λ2(λ1<λ2)に選択反射波長帯域を示すと共に、組み合わされて使用される光源の発光スペクトルの極大波長λ0に対してλ0<λ1を満たす光学特性を有するコレステリック液晶層を挙げることができる。
このようなコレステリック液晶層においては、該コレステリック液晶層に波長λ1〜λ2(λ1<λ2)の光が垂直入射しても、該コレステリック液晶層の選択反射効果により、波長λ1〜λ2(λ1<λ2)の光は左右円偏光成分のうちの一方の円偏光成分が反射される。一方、前記選択反射波長帯域に含まれない光源の極大波長λ0の光が該コレステリック液晶層に垂直入射すると、選択反射はなく、左右いずれの円偏光成分も平行光となってコレステリック液晶層から出射する。しかし、該コレステリック液晶層が有する選択反射波長帯域は、螺旋軸に対する光の入射角度αに依存し、垂直からずれると短波長側にシフトする。その結果、短波長側にシフトした選択反射波長帯域に波長λ0が含まれ、波長λ0の光が入射角度α(α>0)でコレステリック液晶層に入射すると、前記一方の円偏光成分がコレステリック液晶層の選択反射効果により反射される。したがって前記光源から前記コレステリック液晶層に垂直入射した波長λ0の光が、コレステリック液晶層を透過し、平行光として出射すると共に、斜め入射光はもう一方の円偏光成分のみが出射することになる。
このような光学特性のコレステリック液晶層においては、光源の光が左右いずれかの円偏光の場合、該コレステリック液晶層から出射される光は、実質上円偏光の平行光とすることができる。しかし、光源の光が無偏光の場合、斜め入射した光の左右一方の円偏光成分は反射されカットされるが、他方の円偏光成分は該コレステリック液晶層を透過し、出射される。したがって、平行光化率はあまり高くない。また、垂直方向に出射した光は左右円偏光成分を含み無偏光となる。
【0020】
光源の光が無偏光の場合、平行光化率を高めるために、コレステリック液晶層を以下に示す積層構造とすることができる。
すなわち、上記の光学特性を有し、かつ螺旋ピッチ、平均屈折率及び複屈折値は実質上等しいが、螺旋の回転方向がたがいに異なる2つのコレステリック液晶層を積層した構造のコレステリック液晶層である。
このような構成のコレステリック液晶層を用いることにより、右回り円偏光成分及び左回り円偏光成分の双方を含む拡散光を効果的に平行光化することができる。コレステリック液晶層の積層順については特に制限はない。各コレステリック液晶層について、その螺旋ピッチ、平均屈折率及び複屈折値Δnを一致させると、たがいの選択反射波長帯域及びその入射角度依存性が等しくなるので、右回り及び左回りの円偏光成分の平行光化の程度を同等とすることができるので好ましい。
【0021】
また、コリメータ機能を有するコレステリック液晶層として、垂直入射光に対して波長λ11〜λ12(λ11<λ12)に選択反射波長帯域を示す第1のコレステリック液晶層と、垂直入射光に対して波長λ21〜λ22(λ21<λ22)に選択反射波長帯域を示す第2のコレステリック液晶層と、垂直入射光に対して波長λ31〜λ32(λ31<λ32)に選択反射波長帯域を示す第3のコレステリック液晶層とを積層したものを少なくとも有すると共に、組み合わされて使用される光源の発光スペクトルが波長λB、λG及びλRに極大波長を有し、かつ下記の関係式
410nm≦λB≦470nm
520nm≦λG≦580nm
600nm≦λR≦660nm
λB<λ11<λ12<λG<λ21<λ22<λR<λ31<λ32
を満たす光学特性を有する積層構造のコレステリック液晶層を挙げることができる。この場合、各コレステリック液晶層の積層順序については特に制限はない。また、光源としては三波長型冷陰極管などが用いられ、この光源は青、緑及び赤にそれぞれ対応したλB、λG及びλRのピーク波長が前記の範囲にある発光スペクトルを示す。なお、前記第1、第2及び第3のコレステリック液晶層は、後述の円偏光分離部材である広帯域コレステリック液晶層と組み合わせて、円偏光の平行光を出射するために、螺旋の回転方向が同一であることが好ましい。
【0022】
このような積層構造のコレステリック液晶層においては、該コレステリック液晶層に、波長λ11〜λ12(λ11<λ12)、λ21〜λ22(λ21<λ22)及びλ31〜λ32(λ31<λ32)の光が入射しても、該コレステリック液晶層の選択反射効果により、波長λ11〜λ12、λ21〜λ22及びλ31〜λ32の光は、左右円偏光成分のうちの一方の円偏光成分がそれぞれ反射される。一方、前記選択反射波長帯域に含まれない光源の極大波長λB、λG及びλRが該コレステリック液晶層に垂直入射すると、左右いずれの円偏光成分も平行光となってコレステリック液晶層から出射する。しかし、該コレステリック液晶層が有する選択反射波長帯域は、螺旋軸に対する光の入射角αに依存し、垂直からずれると短波長側にシフトする。その結果、短波長側にシフトした選択反射波長帯域に、それぞれ波長λB、λG及びλRが含まれる。したがって、波長λB、λG及びλRにピークをもつ発光スペクトルを有する光が入射角度α(α>0)で該コレステリック液晶層に入射すると、このコレステリック液晶層の選択反射効果により、前記一方の円偏光成分が反射される。その結果、該コレステリック液晶層に垂直に入射した波長λB、λG及びλRの光が、コレステリック液晶層をそれぞれ透過し、平行光として出射すると共に、斜め入射光はもう一方の円偏光成分のみがそれぞれ出射することになる。
このような光学特性のコレステリック液晶層においては、光源の光が左右いずれかの円偏光の場合、該コレステリック液晶層から出射される光は、実質上円偏光の平行光となる。しかし、光源の光が無偏光の場合、斜め入射した光の左右一方の円偏光成分は反射されカットされるが、他方の円偏光成分は該コレステリック液晶層を透過し、出射される。したがって、平行光化率はあまり高くない。また、垂直方向に出射した光は左右円偏光成分を含み無偏光となる。
【0023】
光源の光が無偏光の場合、平行光化率を高めるために、コレステリック液晶層を以下に示す6層の積層構造とすることができる。
すなわち、第4、第5及び第6のコレステリック液晶層として、それぞれ上記3層積層構造の第1、第2及び第3のコレステリック液晶層と同様の光学特性を有し、また組み合わされて使用される光源も同様であるが、螺旋ピッチ、平均屈折率及び複屈折値は実質上等しいものの、螺旋の回転方向がたがいに異なる3つのコレステリック液晶層を、上記第1、第2及び第3のコレステリック液晶層と組み合わせた6層積層構造のコレステリック液晶層である。なお、各コレステリック液晶層の積層順序については特に制限はない。
図2は、前記6層積層構造のコレステリック液晶層の構成の1例を示す模式的断面図である。コレステリック液晶層5aは、右回りの螺旋配向をとるコレステリック液晶層15R、25R及び35Rと、左回りの螺旋配向をとるコレステリック液晶層15L、25L及び35Lとを積層した6層構造を有している。コレステリック液晶層15Rと15L、25Rと25L及び35Rと35Lは、その螺旋ピッチ、平均屈折率及び複屈折値Δnがそれぞれ実質上一致しており、したがって、選択反射波長帯域もそれぞれ実質上一致することになる。
このような6層構造のコレステリック液晶層においては、角度αで斜め入射した光の波長λB、λG及びλRの右回りの円偏光成分は、それぞれコレステリック液晶層15R、25R及び35Rによって反射され、一方波長λB、λG及びλRの左回りの円偏光成分は、それぞれコレステリック液晶層15L、25L及び35Lによって反射される。
すなわち、波長λB、λG及びλRの右回りの円偏光成分は、それぞれコレステリック液晶層15R、25R及び35Rで平行光化され、波長λB、λG及びλRの左回りの円偏光成分は、それぞれコレステリック液晶層15L、25L及び35Lによって平行光化される。その結果、コレステリック液晶層5aからは、青、緑及び赤に対応する3波長光の平行光が出射される。
以上に述べたように、コレステリック液晶層の積層体を用いることで、光の平行光化率を高めることが可能である。ただしこの場合、該平行光は左右円偏光成分を含む無偏光であり、1/4波長板と組み合わせても直線偏光とすることはできず、このままでは光利用効率が悪い。本発明におけるコレステリック液晶層の構成としては、1/4波長板と組み合わせることで直線偏光とすることができる、円偏光のコリメート光を出射するものとする必要がある。そのためには、前述のコリメータ機能を有するコレステリック液晶層に入射する光を円偏光化するか、あるいは該コレステリック液晶層を出射する光を円偏光化すればよい。
【0024】
このような円偏光化に用いる部材(以下、円偏光分離部材と称す。)としては、例えば可視光の全波長領域にわたって円偏光分離機能を有するもの、すなわち、波長410〜660nmのいずれの波長域を含む可視光領域のいずれの波長の光についても円偏光分離機能を有する広帯域円偏光分離層を、好ましく用いることができる。このような広帯域円偏光分離層としては、(i)選択的に反射する光の中心波長が異なるコレステリック液晶層を組み合わせたもの、(ii)一つのコレステリック液晶層からなり、厚み方向に対して螺旋のピッチが連続的に変化するものなどが挙げられる。
上記(i)のタイプのものの場合には、各層で反射される円偏光の位相状態をそろえて各波長領域で異なる偏光状態となることを防止し、利用できる状態の偏光を増量する観点より、同じ方向の円偏光を反射するもの同士を組み合わせるのが好ましい。またこの場合には、反射光の中心波長に基づき波長順序で各コレステリック液晶層が積層されていることがより好ましい。
反射光の中心波長に基づき波長順序でコレステリック液晶層を積層する方法としては、例えば、選択反射光の中心反射が470nm、550nm、640nm、770nmであるコレステリック液晶層をそれぞれ作製し、これらのコレステリック液晶層を任意に選択して、選択反射光の中心波長の順序で3〜7層積層する方法が挙げられる。
【0025】
選択反射光の中心波長が異なる複数のコレステリック液晶層を積層する方法については、後で詳述する。
上記(ii)のコレステリック液晶層は、例えば次のようにして形成することができる。先ず、特定波長の紫外線照射により異性化してキラル化剤となる化合物、液晶及び紫外線吸収剤とを含有してなる液晶層に、表面(紫外線照射面)側から深さ方向に連続的に照射光強度が減衰するように、前記特定波長の紫外線を照射する。これにより、キラル化剤の存在量が表面側から深さ方向に連続的に減少した状態、すなわち、液晶の螺旋ピッチが液晶層の厚み方向に連続的に変化した状態の液晶層が得られる。次いで、前記特定波長の紫外線とは異なる波長の紫外線を液晶層に照射して、液晶層全体を硬化させることにより、この螺旋ピッチの傾斜的変化した状態を固定化させる。このようにして得られるコレステリック液晶層は、深さ方向に対して連続的に螺旋構造のピッチが変化しているものであり、可視光域すべての波長帯域で円偏光分離機能を有する。
【0026】
このような円偏光分離部材を用いた本発明の光学積層体としては、図3に示す構成を例示することができる。
図3においては、光源側から順に、円偏光分離部材としての広帯域コレステリック液晶層60、コリメータ機能を有するコレステリック液晶層61及び広帯域1/4波長板62が配設されており、そしてコリメータ機能を有するコレステリック液晶層(以下コリメータという)61は、コレステリック液晶層61B、61G及び61Rの3層積層構造を有している。
例えば、広帯域コレステリック液晶層60として、左回り円偏光用を用い、コリメータ61として右回り円偏光用を用いた場合、赤(R)、緑(G)及び青(B)を含む光源光の左円偏光成分(RGBL)は、広帯域コレステリック液晶層60によって、垂直光及び斜め光のいずれも反射される。一方、右円偏光成分(RGBR)の垂直光は、広帯域コレステリック液晶層60及びコリメータ61を透過し、広帯域1/4波長板62に入射され、直線偏光化されて出射する。広帯域コレステリック液晶層60を透過した右円偏光成分の斜め光は、コリメータ61のコレステリック液晶層61Bによって青の波長の光BRが反射され、次いでコレステリック液晶層61Gによって緑の波長の光GRが反射され、さらにコレステリック液晶層61Rによって赤の波長の光RRが反射される。これらの反射された光は、光源部で再反射され、平行光として利用される。
すなわち、コリメータ61を透過した光は、ほぼ完全な右円偏光の平行光となって1/4波長板に入射し、直線偏光となる。
【0027】
本発明においては、前記コリメータ機能を有するコレステリック液晶層の選択反射波長帯域などの光学特性は、材料の選択や配向を制御することにより、容易に調整することができる。
本発明におけるコリメータ機能を有するコレステリック液晶層は、1種の液晶材料から構成されていても、2種以上の液晶材料から構成されていてもよく、2種以上の液晶材料から構成されている場合には、1種単独でコレステリック液晶層を形成し得ない材料を含んでいてもよい。また、前記コレステリック液晶層において、液晶材料は所望の配向(所望の螺旋ピッチ)に固定化されていることが好ましい。
本発明に用いるコレステリック液晶の材料としては液晶ポリマーが好ましく、この液晶ポリマーには特に制限はなく、液晶配向性を付与する共役性の直線状原子団(メソゲン)がポリマーの主鎖に導入された液晶ポリマー、該メソゲンがポリマーの側鎖に導入されたタイプの液晶ポリマーなど、種々のものを使用することができる。
【0028】
前記メソゲンがポリマーの主鎖に導入された液晶ポリマーとしては、例えば、屈曲性を付与するスペーサ部を必要に応じ介してパラ置換環状化合物などからなるメソゲン基を結合した構造を有する、例えばポリエステル系やポリアミド系、ポリカーボネート系やポリエステルイミド系などのポリマーが挙げられる。
また、前記メソゲンがポリマーの側鎖に導入された液晶ポリマーとしては、例えば、ポリアクリレートやポリメタクリレート、ポリシロキサンやポリマロネートなどを主鎖骨格とし、側鎖として必要に応じて共役性の原子団からなるスペーサ部を介してパラ置換環状化合物などからなる低分子結晶化合物(メソゲン部)を有するもの、低分子カイラル剤含有のネマチック系液晶ポリマー、キラル成分導入の液晶ポリマー、ネマチック系とコレステリック系の混合液晶ポリマーなどが挙げられる。
また、例えば、アゾメチン形やアゾ形、アゾキシ形やエステル形、ビフェニル形やフェニルシクロヘキサン形、ビシクロヘキサン形のようなパラ置換芳香族単位やパラ置換シクロヘキシル単位などからなるネマチック配向性を付与するパラ置換環状化合物を有するものに、不斉炭素を有する化合物などからなる適宜なキラル成分や低分子カイラル剤などを導入する方法などにより、コレステリック配向性のものとすることもできる(特開昭55−21479号公報、米国特許第5332522号明細書など)。ここで、パラ置換環状化合物におけるパラ位の末端置換基としては、例えば、シアノ基やアルキル基、アルコキシル基などが挙げられる。
【0029】
また、前記スペーサ部としては、例えば、ポリメチレン鎖やポリオキシメチレン鎖などが挙げられる。スペーサ部を形成する構造単位に含まれる炭素数は、メソゲン部の化学構造などにより適宜に決定され、一般にはポリメチレン鎖の場合には、1〜20、好ましくは2〜12であり、ポリオキシメチレン鎖の場合には、炭素数が1〜10、好ましくは1〜3である。
前記メソゲンがポリマーの主鎖に導入されたタイプのポリマーを製造する方法としては、例えば、成分モノマーをラジカル重合、カチオン重合又はアニオン重合などにより重合する方法が挙げられる。また、前記メソゲンがポリマーの側鎖に導入されたタイプのポリマーを製造する方法としては、例えば、アクリル酸やメタクリル酸のエステルのようなビニル系モノマーに、所望によりスペーサ部を介してメソゲン基を導入したモノマーを、ラジカル重合法などにより重合する方法、ポリオキシメチルシリレンのSi−H結合を介し白金系触媒の存在下にビニル置換メソゲンモノマーを付加反応させる方法、主鎖ポリマーに付与した官能基を介して相間移動触媒を用いたエステル化反応によりメソゲン基を導入する方法、マロン酸の一部に必要に応じスペーサ基を介してメソゲン基を導入したモノマーとジオールとを重縮合反応させる方法などが挙げられる。
【0030】
本発明において、長尺の1/4波長板上に前記コレステリック液晶層を連続的に積層する方法としては特に制限はなく、従来公知の様々な方法を用いることができる。例えば、(1)長尺の1/4波長板上に配向膜を設け、その上に、直接液晶ポリマーの溶媒溶液を塗工する方法、(2)長尺の1/4波長板上に配向膜を設け、その上に、直接液晶ポリマーの加熱溶融物を塗工する方法、(3)配向処理された長尺のベースフィルム上に、前記(1)又は(2)の方法でコレステリック液晶層を形成し、これを該ベースフィルムを介して長尺の1/4波長板上に接着剤により積層する方法、(4)剥離処理及び配向処理された長尺のベースフィルム上に、前記(1)又は(2)の方法でコレステリック液晶層を形成し、このコレステリック液晶層を接着剤により長尺の1/4波長板上に転写する方法、(5)長尺の1/4波長板上に配向膜を設け、その上にコレステリック液晶層形成用材料からなる塗布液を塗工し、紫外線などの活性光線を照射して重合、硬化させる方法などを採用することができる。
前記(1)、(2)及び(5)の方法における配向膜は、例えばポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミドなどの膜を成膜した後、レーヨン布などでラビング処理することにより形成することができる。また、配向膜はSiOの斜方蒸着層又は延伸処理により形成することもできる。
前記(1)の方法においては、長尺の1/4波長板上に設けられた配向膜上に、液晶ポリマーの溶媒溶液を、ダイコート法、ロールコート法、フローコート法、プリント法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法等の公知の塗工方法で塗膜を形成し、乾燥処理する方法等が挙げられる。液晶ポリマーの溶媒としては、例えば、塩化メチレン、シクロヘキサノン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
また、前記(2)の方法においては、長尺の1/4波長板上に設けられた配向膜上に、液晶ポリマーの加熱溶融物、好ましくは等方相を呈する状態の加熱溶融物を、上述した塗工方法に応じた方法により塗膜を形成し、必要に応じて溶融温度を維持しつつ、さらに薄層に展開して固化させる方法を採用することができる。
【0031】
さらに、前記(3)及び(4)の方法で用いられるベースフィルムとしては、例えばトリアセチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアリレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、アモルファスポリオレフィン、変性アクリル系ポリマー、エポキシ系樹脂などの合成樹脂からなる単層又は積層のフィルム、ガラス板などが挙げられる。薄膜化の観点からは、合成樹脂フィルムが好ましく、偏光状態の変化の防止により光の利用効率の向上の観点から、複屈折による位相差の小さいものが好ましい。このベースフィルムの配向処理は、公知の方法、例えば前記配向膜を設けるなどの方法により、行うことができる。
前記(3)及び(4)の方法において用いられる接着剤としては、感圧接着剤(粘着剤)が好ましく、この感圧接着剤としては、光学用途のもの、例えばアクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが好ましく用いられる。
液晶層を形成するために行なう加熱処理の温度は、液晶ポリマーのガラス転移温度から等方相転移温度までの温度範囲、すなわち液晶ポリマーが液晶を呈する温度範囲である。また、配向状態は、ガラス転移温度未満に冷却することで固定化することができる。
【0032】
前記(5)の方法においては、アクリル基などの重合性基、メソゲン基及び不斉炭素を分子中に有する光学活性モノマーと、重合性基及びメソゲン基を分子中に有するモノマーと、必要に応じて用いられる光重合開始剤を含む塗布液を、長尺の1/4波長板上に設けられた配向膜上に塗工して塗膜を形成させ、これに紫外線などの活性光線を照射することにより、重合、硬化させ、所望の光学特性を有するコレステリック液晶層を形成することができる。
この方法においては、分子内に2個以上の重合性基を有するモノマーを用いることにより、形成される共重合体は架橋構造により所望の配向に確実に固定化されるので、高温度で使用した場合にも光学特性が損なわれないので好ましい。前記モノマー及びコレステリック液晶層の形成方法については、特開平6−281814号公報にその詳細が記載されている。
この活性光線照射方法は、1層で広帯域の円偏光分離機能を有するコレステリック液晶層を形成させる場合に、特に有利である。
【0033】
また、コレステリック液晶層が2層以上の積層構造の場合には、積層方法については特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。例えば(a)前記(1)、(2)又は(5)の方法を適用し、配向膜が設けられた長尺の1/4波長板上に第1層目のコレステリック液晶層を設け、さらに必要により配向膜を介在させて、順次同じ方法によりコレステリック液晶層を積層する方法、(b)前記(3)の方法を適用し、配向処理された各長尺のベースフィルム上に形成されたコレステリック液晶層を、長尺の1/4波長板上にそれぞれベースフィルムを介して接着剤によりそれぞれ順次積層する方法、(c)前記(4)の方法を適用し、剥離処理及び配向処理された各長尺のベースフィルム上に形成されたコレステリック液晶層を、長尺の1/4波長板上に接着剤を介してそれぞれ順次転写し、積層する方法、あるいはコレステリック液晶層と転写すべきコレステリック液晶層とを直接当接させ、熱圧着によりそれぞれ順次転写し、積層する方法、(d)前記(a)〜(c)の方法を適宜組み合わせて積層する方法などを用いることができる。
本発明においては、長尺の1/4波長板上に設けられるコレステリック液晶層の厚さは、特に制限はないが、通常0.5〜100μm、好ましくは1〜50μm、より好ましくは2〜20μmの範囲である。
このようにして、長尺の1/4波長板、好ましくは長尺の広帯域1/4波長板上に、所望の光学特性を有するコレステリック液晶層を連続して積層し、一体化することにより、所望の機能を有する光学積層体の原反を、生産性よく製造することができる。
【0034】
本発明の光学積層体は、その用途に応じて、前述のようにして製造された光学積層体原反を、所定の形状及び寸法に裁断することにより得られたものである。
本発明の光学積層体は、光源からの拡散光を平行光に集光可能なコリメータ機能と、直線偏光化可能な機能を有している。すなわち、光源からの拡散光は、該光学積層体のコレステリック液晶層を透過することで、平行光に近づき、さらに1/4波長板を透過することにより、直線偏光化することができる。そして、液晶の偏光膜の方向を一致するようにすれば輝度が高くなる。
本発明の光学積層体は、このような機能を有することから、光学素子として、該機能が要求される種々の用途に用いることができるが、特に液晶表示装置のバックライトユニットにおける部材として好適である。
本発明の光学積層体を有する液晶表示装置用バックライトユニットは、正面指向性よく発光し、輝度に優れ、表示コントラスト及び視野角依存性などの表示特性の向上した液晶表示装置を与えることができる。
【0035】
本発明はまた、前述の本発明の光学積層体を有する液晶表示装置用バックライトユニットをも提供するものである。
次に、本発明の液晶表示装置用バックライトユニットについて添付図面に従って説明する。
図4は、本発明の液晶表示装置用サイドライト型バックライトユニットの1例を示す概略断面図である。バックライトユニット20においては、裏面側に光反射層2が設けられた導光板1の入射端面側に光源4が配置されており、該導光板1の出射面側には、光拡散シート3と、1/4波長板6上にコレステリック液晶層(広帯域コレステリック液晶層とコリメータ機能を有するコレステリック液晶層とを組み合わせたものなど)5が積層され、一体化されてなる本発明の光学積層体7が順次配設された構造を有している。なお、符号8は光源ホルダである。
導光板1の入射端面側に配置された光源4からの光は、導光板1に入射し、光拡散シート3側に出射する。光拡散シート3を透過して光学積層体7のコレステリック液晶層5に入射した光は、正面光のみが透過し、斜め入射光は選択反射して導光板1に再入射する。導光板1に再入射した光は、導光板1の裏面側に設けられた光反射層2で反射して、再びコレステリック液晶層5に入射し、透過光と反射光に再度分離される。これが繰り返されることにより、光源4から出射した光の有効利用が図られ、輝度向上の効果を得ることができる。コレステリック液晶層5を透過した円偏光の平行光は、光学積層体7の1/4波長板6により直線偏光となって、液晶表示部に設けられた偏光板(図示せず)を透過する。なお、光拡散シート3は省略することもできる。
【0036】
導光板1としては、その形状が入射面に対向する側端部の厚さが入射面のそれよりも薄い形状(くさび型)のものが好ましい。また、出射面よりの出射効率に優れ、その出射面に対する垂直性に優れて出射光の有効利用を図ることなどの観点から、微細なプリズム状凹凸を有する構造のものが好ましい。導光板1は、ノルボルネン系重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレンなどの透明性を有する材料で形成することができる。また、光反射層2は、例えば、メッキ層、金属蒸着層、金属箔、金属蒸着シート、メッキシートなどにより適宜に形成することができる。この光反射層は、導光板の出射面に対向する面に一体化されていても良いし、光反射シートなどとして導光板と重ね合わせて形成することもできる。
なお、光源としては、図4に示すようなサイドライト型でなく、直下型の面光源も用いることができる。この場合、導光板を必要としない。
前記面光源としては、特に制限はなく、従来公知のもの、例えば冷陰極管、エレクトロルミネッセンス素子(ELD)、発光ダイオード(LED)などを用いることができるが、冷陰極管が好ましく、特に三波長型冷陰極管が好適である。
【0037】
本発明の液晶表示装置は、前記本発明のバックライトユニットを有するものであって、その構成については特に制限はない。
図5は、本発明の液晶表示装置の1例の構成を示す概略断面図である。液晶表示装置30は、バックライトユニット20が、液晶セル10の背面側に配置されており、そして、該液晶セル10の表面側に偏光板11及び光拡散シート12が順に配設され、また裏面に偏光板9が配設された構造を有している。なお、偏光板9及び光拡散シート12は省略することができる。
用いられる液晶モードは特に限定されない。液晶モードとしては、例えば、TN(Twisted nematic)型、STN(Super Twisted Nematic)型、HAN(hybrid Aligned Nematic)型などが挙げられる。
また、偏光板(9、11)としては特に制限されず、従来公知のものを使用することができる。
本発明の液晶表示装置は、正面指向性よく発光するバックライトユニットを有しているので、高輝度を有し、かつ表示コントラスト及び視野角依存性などの表示特性に優れている。
【0038】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
製造例1 長尺の広帯域1/4波長板(I)の製造
固有複屈折値が正の材料としてノルボルネン系樹脂[「ゼオノア1420」;日本ゼオン社製;Tg=136℃]、及び固有複屈折値が負の材料としてスチレン系樹脂[スチレン−無水マレイン酸共重合樹脂;「ダイラーク D332」;ノバケミカル社製;Tg=131℃]を用いた。
3台の単軸溶融押出し機、及びそれらに接続された共押出し多層Tダイからなる多層押出し機を用いて、ノルボルネン系樹脂からなるA層、スチレン系樹脂からなるB層、エチレン−アクリル酸エチル共重合体からなるC層を有する、A層(50μm)−C層(10μm)−B層(50μm)−C層(10μm)−A層(50μm)の積層体を押出し成形にて製造した。なお()内は各層の厚さである。また、積層体は幅230mm、長さ200mであった。
次に、得られた積層体を135℃、延伸倍率1.7倍で一軸延伸したところ、波長λ=450nm、550nm、及び650nmにおけるレターデーションと波長の比が、各々0.235、0.250、0.232である、広帯域1/4波長板(I)が得られた。
製造例2 長尺の広帯域1/4波長板(II)の製造
(1)未延伸樹脂フィルムの作製
ノルボルネン系樹脂[「ゼオノア1420」;日本ゼオン社製;Tg=136℃]を材料として、45mmΦのスクリューを備えた樹脂溶融混練機を有するTダイ式フィルム溶融押出し成形機を使用し、溶融樹脂温度240℃、Tダイの幅300mmの成形条件で、厚さ100μmのフィルムを押出し成形し、未延伸樹脂フィルムを作製した。
(2)斜め延伸位相差フィルム(a)の作製
上記(1)で得られた未延伸樹脂フィルムを、図6に示すテンター延伸機に導入し、延伸温度145℃で連続的に斜め延伸を施して、延伸倍率1.7倍、フィルムの幅方向と配向軸とのなす角度が平均で30°である長尺の斜め延伸位相差フィルム(a)を得た。
図6は、本例で用いたテンター延伸機の概念図である。該テンター延伸機は、左右のテンタークリップ200を等速で移動させ、未延伸フィルム210を幅方向に延伸させながら、フィルムの送り進路220を曲げるようにすることで斜め延伸を行えるようにしたテンター延伸機である。この延伸機は、テンタークリップの移動経路(軌跡)を適宜設定することにより、延伸フィルム230の幅方向に対する配向軸の角度θを任意に得ることができるものである。
この斜め延伸位相差フィルムの波長λ=550nmで測定したレターデーションは275nm、遅相軸とフィルムの幅方向のなす角度は30°であった。
(3)斜め延伸位相差フィルム(b)の作製
上記(2)の斜め延伸位相差フィルム(a)と同様にして、延伸倍率1.4倍、フィルムの幅方向と配向軸とのなす角度が平均で30°である長尺の斜め延伸位相差フィルム(b)を得た。この斜め延伸位相差フィルム(b)の波長550nmで測定したレターデーションは137.5nm、遅相軸とフィルムの幅方向とのなす角度は30°であった。
(4)広帯域1/4波長板(II)の製造
上記(2)及び(3)で得られた位相差フィルム(a)及び(b)を、アクリル系粘着剤を介して、各々の遅相軸のなす角度が60°で、長手方向が一致するようにしてロールトゥロールで積層し、この積層体を加圧ローラーに供給して圧着し、連続的に貼りあわせることにより、長尺の積層体を製造した。
この積層体のレターデーションを測定したところ、波長λ=450nm、550nm、及び650nmにおけるレターデーションと波長の比が、各々0.245、0.250、0.247であり、広帯域1/4波長板の特性を有するものであった。
実施例1
製造例1で得られた長尺の広帯域1/4波長板(I)の片面に対し、コロナ放電処理装置を用いて連続的にコロナ放電処理を行った。次いで、コロナ放電処理した面に、ダイコーターを用いてポリビニルアルコールの水/メタノール溶液を連続的に塗布し、塗布層を60℃の温風で連続的に乾燥処理(平均処理時間が4分間になるように調整)した。続いて、連続ラビング装置を用いて、フィルムの長手方向とラビング方向が平行になるようにラビング処理を行って、厚さ0.5μmの配向膜を形成した。
次に、上記配向膜上に、選択反射波長領域が456〜500nm、570〜602nm及び628〜680nmで右円偏光を反射する3種のコレステリック液晶層を順に積層して、これらをグランジャン配向処理し、コリメータ機能を有するコレステリック液晶層を形成した。
さらに、その上に選択反射波長領域が410〜680nmで左円偏光を反射するコレステリック液晶層を積層してグランジャン配向処理し、広帯域の円偏光分離層を形成して、光学積層体原反を作製した。
発光光の輝線波長が440nm、545nm、及び610nmの3波長である冷陰極管と、光反射層、導光板及び光拡散シートとを組み合わせたサイドライト型面光源(例えば、図4に示すもの)の発光面側に、該発光面の大きさに合わせて、上記原反を切断して得られた光学積層体を、その広帯域の円偏光分離層が接するように配置して、液晶表示装置用バックライトユニットを作製した。
上記バックライトユニットの冷陰極管を点灯させ、光学積層体側からの出光輝度を測定した。測定結果を第1表に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
なお、正面からの角度0〜40度の範囲で出光光を目視観察したところ色つきは見られず、ほぼ白色光であった。
実施例2
実施例1において、製造例1で得られた長尺の広帯域1/4波長板(I)の代わりに、製造例2で得られた長尺の広帯域1/4波長板(II)を用い、その斜め延伸位相差フィルム(b)側に配向膜を形成した以外は、実施例1と同様にして、光積層体原反及びバックライトユニットを作製した。
バックライトユニットの冷陰極管を点灯させ、光学積層体側からの出光輝度を測定した。測定結果を第2表に示す。
【0041】
【表2】
【0042】
なお、正面からの角度0〜40度の範囲で出光光に色つきは見られず、ほぼ白色光であった。
【0043】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、光源からの拡散光を平行光に集光可能で、コリメータとして機能する光学積層体の原反を連続的に生産性よく製造することができる。また、この光学積層体原反を裁断して得られた光学積層体を用いることにより、正面指向性よく発光する液晶表示装置用バックライトユニット、及びこのバックライトユニットを有し、輝度に優れ、かつ表示コントラスト及び視野角依存性などの表示特性を向上させた液晶表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、1/2波長位相差フィルムと1/4波長位相差フィルムとを積層して、広帯域1/4波長板を作製する方法の1例を示す説明図である。
【図2】図2は、本発明の光学積層体におけるコレステリック液晶層の構成の1例を示す模式的断面図である。
【図3】図3は、本発明の光学積層体の1例の構成及び機能を示す説明図である。
【図4】図4は、本発明の液晶表示装置用サイドライト型バックライトユニットの1例の構成を示す概略断面図である。
【図5】図5は、本発明の液晶表示装置の1例の構成を示す概略断面図である。
【図6】図6は、製造例で用いたテンター延伸機の概念図である。
【符号の説明】
1 導光板
2 光反射層
3 光拡散シート
4 光源
5、5a コレステリック液晶層
6 1/4波長板
7 光学積層体
8 光源ホルダ
9 偏光板
10 液晶セル
11 偏光板
12 光拡散シート
15L、15R、25L、25R、35L、35R コレステリック液晶層
20 バックライトユニット
30 液晶表示装置
50 広帯域1/4波長板
51 1/2波長位相差フィルム
52 1/4波長位相差フィルム
60 広帯域コレステリック液晶層
61 コリメータ機能を有するコレステリック液晶層
61R、61G、61B コレステリック液晶層
62 1/4波長板
200 テンタークリップ
210 未延伸フィルム
220 フィルムの送り進路
230 延伸フィルム
Claims (10)
- 長尺の1/4波長板上に、組み合わされて使用される光源からの拡散光を平行光に集光可能なコリメータ機能を有するグランジャン配向されたコレステリック液晶層を連続的に積層し、一体化することを特徴とする光学積層体原反の製造方法。
- コリメータ機能を有するグランジャン配向されたコレステリック液晶層が、垂直入射光に対して波長λ1〜λ2(λ1<λ2)に選択反射波長帯域を示すと共に、組み合わされて使用される光源の発光スペクトルの極大波長λ0に対してλ0<λ1を満たすコレステリック液晶層を少なくとも有する請求項1記載の光学積層体原反の製造方法。
- コリメータ機能を有するグランジャン配向されたコレステリック液晶層が、垂直入射光に対して波長λ11〜λ12(λ11<λ12)に選択反射波長帯域を示す第1のコレステリック液晶層と、垂直入射光に対して波長λ21〜λ22(λ21<λ22)に選択反射波長帯域を示す第2のコレステリック液晶層と、垂直入射光に対して波長λ31〜λ32(λ31<λ32)に選択反射波長帯域を示す第3のコレステリック液晶層とを積層したものを少なくとも有すると共に、組み合わされて使用される光源の発光スペクトルが波長λB、λG及びλRに極大波長を有し、かつ下記の関係式
410nm≦λB≦470nm
520nm≦λG≦580nm
600nm≦λR≦660nm
λB<λ11<λ12<λG<λ21<λ22<λR<λ31<λ32
を満たす請求項1記載の光学積層体原反の製造方法。 - 長尺の1/4波長板が広帯域1/4波長板である請求項1、2又は3記載の光学積層体原反の製造方法。
- 長尺の広帯域1/4波長板が、斜め延伸処理で得られた位相差フィルムを少なくとも有するものである請求項4記載の光学積層体原反の製造方法。
- 長尺の広帯域1/4波長板が、(A)固有複屈折値が正の材料を一軸延伸配向させて得られたフィルムからなる層と、(B)固有複屈折値が負の材料を一軸延伸配向させて得られたフィルムからなる層を少なくとも1層ずつ有し、かつ前記(A)層と(B)層の延伸方向が一致するように積層してなるものである請求項4記載の光学積層体原反の製造方法。
- 請求項1ないし6のいずれかに記載の方法で得られた光学積層体原反を、所定の形状及び寸法に裁断してなる光学積層体。
- 液晶表示装置のバックライトユニットに用いられる請求項7記載の光学積層体。
- 請求項8記載光学積層体を有することを特徴とする液晶表示装置用バックライトユニット。
- 請求項9記載のバックライトユニットを有することを特徴とする液晶表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003022372A JP2004233666A (ja) | 2003-01-30 | 2003-01-30 | 光学積層体原反の製造方法、光学積層体、バックライトユニット及び液晶表示装置 |
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