JP3401743B2 - 偏光素子、偏光光源装置及び液晶表示装置 - Google Patents

偏光素子、偏光光源装置及び液晶表示装置

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JP3401743B2
JP3401743B2 JP30940797A JP30940797A JP3401743B2 JP 3401743 B2 JP3401743 B2 JP 3401743B2 JP 30940797 A JP30940797 A JP 30940797A JP 30940797 A JP30940797 A JP 30940797A JP 3401743 B2 JP3401743 B2 JP 3401743B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、光利用効率に優れる偏光
光源装置や明るさに優れて良視認性の液晶表示装置等を
形成しうる偏光素子に関する。
【0002】
【背景技術】従来、側面からの入射光を上下面の片側よ
り出射させるようにしたサイドライト型の導光板の下面
に反射層を設け、出射面にコレステリック液晶層からな
る円偏光分離層を設けて、その円偏光分離層を介し入射
光を左右の円偏光からなる透過光と反射光に分離し、そ
の反射光を下面の反射層を介し反射させて出射面より再
出射させるようにした照明システムが提案されていた
(特開平3−45906号公報、特開平6−32433
3号公報、特開平7−36032号公報)。
【0003】かかる照明システムは、非偏光の通例光で
は偏光板を透過する際に導光板出射光の55%程度が吸
収されて有効利用できる光に乏しいことから、光を偏光
として供給できるようにして偏光板による吸収ロスを防
止し、光の利用効率を向上して液晶表示装置等の輝度の
向上や消費電力の低減を図りうるようにしたものであ
る。
【0004】前記においては通例、円偏光分離層の上に
1/4波長板を設けて、円偏光分離層より出射した円偏
光を1/4波長板を介し直線偏光化し、それにより偏光
板による吸収ロスをより低減する方策が採られている。
すなわちコレステリック液晶層ではその厚さを増すこと
で偏光度(円偏光二色性)を高めうるが、それには理論
上限界のあることが指摘されている。
【0005】すなわち二次以上の反射を無視した理論上
の概略計算では、例えば平均屈折率が1.5で左捩じれ
のコレステリック液晶層に左円偏光が入射すると、左円
偏光の92%と右円偏光の4%が反射され、右円偏光の
4%が透過する。また右円偏光が入射すると、左円偏光
の4%が反射され、右円偏光の92%と左円偏光の4%
が透過する。従って偏光度は、91.7%{(92−
4)/(92+4)}となり、これが限界となる。
【0006】一方、前記において、1/4波長板を介し
コレステリック液晶層の出射光を直線偏光に変換した場
合、コレステリック液晶層を透過する左円偏光に基づく
右円偏光の4%、及び右円偏光に基づく右円偏光の92
%と左円偏光の4%とで100%の偏光度となる(透過
率48%)。
【0007】しかしながら、実際上の円偏光分離層は通
例1mm以下、就中1〜100μm程度のコレステリック
液晶ポリマー層にて形成され、従ってコレステリック液
晶層の厚さ不足のためか1/4波長板を介した場合にも
85%程度の偏光度としかならない問題点があった。コ
レステリック液晶ポリマー層の厚さを増やすことは、配
向処理や配向精度等の点より困難である。
【0008】
【発明の技術的課題】本発明は、コレステリック液晶ポ
リマー層の厚さが1〜10μm程度と薄い場合にも、円
偏光分離層と1/4波長板を介して95%を超える高い
偏光度の直線偏光を得ることができる偏光素子を開発し
て、輝度や視認性に優れる偏光光源装置や液晶表示装置
を得ることを課題とする。
【0009】
【課題の解決手段】 本発明は、1層又は2層以上のコ
レステリック液晶ポリマー層からなる円偏光分離層の上
に、前記コレステリック液晶ポリマー層の平均屈折率n
に対し屈折率がn±0.2の接着層を介して1/4波長
板を有してなり、必要に応じ1/4波長板側のコレステ
リック液晶ポリマー層の表面における液晶ポリマーが
ンダムに配向して無配向状態にあることを特徴とする偏
光素子、及び側面からの入射光を上下面の一方より出射
する導光板の光出射側に前記の偏光素子を有することを
特徴とする偏光光源装置、並びにその偏光光源装置の光
出射側に液晶セルを有することを特徴とする液晶表示装
置を提供するものである。
【0010】
【発明の効果】本発明によれば、薄いコレステリック液
晶ポリマー層からなる円偏光分離層の場合にも1/4波
長板を介して高い偏光度の直線偏光を出射する偏光素子
が得られ、光利用効率に優れて輝度に優れる偏光光源装
置及び明るくて視認性に優れる液晶表示装置を得ること
ができる。また1/4波長板側表面の液晶ポリマーが無
配向状態にある場合には、より輝度に優れて表示ムラが
少なく、斜視方向の色変化や色ムラも少なくて良視認の
視野角に優れる液晶表示装置が得られる。
【0011】前記の輝度向上効果は、特定の屈折率から
なる接着層を介した円偏光分層と1/4波長板との密着
処理に基づく。すなわち本発明者らは、上記の偏光度を
高めるために鋭意研究を重ねた結果、コレステリック液
晶ポリマー層の厚さが薄い場合の透過円偏光は、楕円化
しており、その楕円偏光の向きは、液晶ポリマー層の出
射側表面の液晶ポリマー(メソゲン)の配向方向に依存
していて、前記接着層を介することで楕円偏光を効率よ
く円偏光化して1/4波長板に供給しうることを究明し
た。
【0012】従って輝度の向上は、1/4波長板への円
偏光性に優れる光の供給による偏光度の向上で光の有効
利用効率が向上したことに基づくと考えられる。また光
の有効利用効率の向上の点では、接着層の屈折率に基づ
く界面での反射ロスの低減も寄与していると考えられ
る。
【0013】一方、斜視方向の色変化や色ムラを含む表
示ムラの低減の効果は、ランダムに配向した表面の液晶
ポリマーによる色バランスの調節機能に基づく。すなわ
ち前記の如く液晶ポリマー層出射光の楕円偏光化によ
り、波長毎にその方位角や楕円率が相違することとな
り、1/4波長板を介した場合に偏光度が波長毎に異な
ることとなって液晶セルに適用した場合に色バランスが
崩れ、表示の着色化等でニュートラル性が低下する。
【0014】しかし前記の場合に、液晶ポリマーがラン
ダムに配向した表面を介して光を出射させることによ
り、前記した液晶ポリマーの配向方向に依存した楕円偏
光化による波長毎の方位角や楕円率のバラツキを抑制で
き、1/4波長板を介した場合に広い波長域で偏光度を
一定化できて液晶セルに適用した場合の色バランスの崩
れを抑制でき、偏光素子不使用の場合とほぼ同じニュー
トラルな色相を実現できて斜視方向の色ムラ等の発生が
抑制されると共に、光の有効利用効率の向上で輝度も向
上する。
【0015】
【発明の実施形態】 本発明の偏光素子は、1層又は2
層以上のコレステリック液晶ポリマー層からなる円偏光
分離層の上に、前記コレステリック液晶ポリマー層の平
均屈折率nに対し屈折率がn±0.2の接着層を介して
1/4波長板を有してなり、必要に応じ1/4波長板側
のコレステリック液晶ポリマー層の表面における液晶ポ
リマーがランダムに配向して無配向状態にあるものから
なる。その例を図1、図2に示した。1が円偏光分離
層、2が接着層、3が1/4波長板である。
【0016】円偏光分離層は、グランジャン配向により
自然光を透過光と反射光として左右の円偏光に分離する
適宜なコレステリック液晶ポリマーの1種又は2種以上
を用いて形成しうる。従ってコレステリック液晶ポリマ
ーとしては、液晶配向性を付与する共役性の直線状原子
団(メソゲン)がポリマーの主鎖や側鎖に導入された主
鎖型や側鎖型などの種々のものを用いうる。
【0017】複屈折率差の大きいコレステリック液晶ポ
リマーほど円偏光二色性の波長域が広くなり、大視野角
時の波長シフトに対する余裕などの点より好ましく用い
うる。また液晶ポリマーとしては、取扱い性や実用温度
での配向の安定性などの点より、ガラス転移温度が30
〜150℃のものが好ましく用いうる。
【0018】ちなみに前記した主鎖型のコレステリック
液晶ポリマーの例としては、屈曲性を付与するスペーサ
部を必要に応じ介してパラ置換環状化合物等からなるメ
ソゲン基を結合した構造を有する、例えばポリエステル
系やポリアミド系、ポリカーボネート系やポリエステル
イミド系などのポリマーがあげられる。
【0019】また側鎖型のコレステリック液晶ポリマー
の例としては、ポリアクリレートやポリメタクリレー
ト、ポリシロキサンやポリマロネート等を主鎖骨格と
し、側鎖として共役性の原子団からなるスペーサ部を必
要に応じ介してパラ置換環状化合物等からなる低分子液
晶化合物(メソゲン部)を有するもの、低分子カイラル
剤含有のネマチック系液晶ポリマー、キラル成分導入の
液晶ポリマー、ネマチック系とコレステリック系の混合
液晶ポリマーなどがあげられる。
【0020】前記の如く、例えばアゾメチン形やアゾ
形、アゾキシ形やエステル形、ビフェニル形やフェニル
シクロヘキサン形、ビシクロヘキサン形の如きパラ置換
芳香族単位やパラ置換シクロヘキシル環単位などからな
るネマチック配向性を付与するパラ置換環状化合物を有
するものにても、不斉炭素を有する化合物等からなる適
宜なキラル成分や低分子カイラル剤等を導入する方式な
どによりコレステリック配向性のものとすることができ
る(特開昭55−21479号公報、米国特許明細書第
5332522号等)。なおパラ置換環状化合物におけ
るパラ位における末端置換基は、例えばシアノ基やアル
キル基、アルコキシ基などの適宜なものであってよい。
【0021】またスペーサ部としては、屈曲性を示す例
えばポリメチレン鎖−(CH2n−やポリオキシメチレ
ン鎖−(CH2CH2O)m−などがあげられる。スペー
サ部を形成する構造単位の繰返し数は、メソゲン部の化
学構造等により適宜に決定され、一般にはポリメチレン
鎖の場合にはnが0〜20、就中2〜12、ポリオキシ
メチレン鎖の場合にはmが0〜10、就中1〜3であ
る。
【0022】円偏光分離層の形成は、例えば支持基材上
にポリイミドやポリビニルアルコール、ポリエステルや
ポリアリレート、ポリアミドイミドやポリエーテルイミ
ド等の膜を形成してレーヨン布等でラビング処理した配
向膜、又はSiO2の斜方蒸着層等からなる適宜な配向
膜を設けてその配向膜の上に、あるいは延伸フィルム等
からなる分子配向性の支持基材の上にコレステリック液
晶ポリマーを展開し、それをガラス転移温度以上、等方
相転移温度未満に加熱し、液晶ポリマー分子がグランジ
ャン配向した状態でガラス転移温度未満に冷却してガラ
ス状態とし、当該配向が固定化された固化層とする方法
などにより行うことができる。
【0023】前記の支持基材には、透明なプラスチック
フィルムやガラス板などからなる単層物や複層物等の適
宜なものを用いうる。そのプラスチックについては特に
限定はなく、耐湿性や耐熱性や強度等の使用目的に応じ
た物性などにより適宜に選択することができる。ちなみ
に前記プラスチックの例としては、ポリエチレンやポリ
プロピレンの如きポリオレフィン系、ポリエステル系、
ポリイミド系、ポリカーボネート系、ポリエーテルスル
ホン系、ポリスルホン系、セルロース系、ポリアリレー
ト系、ポリスチレン系、ポリビニルアルコール系、ポリ
塩化ビニル系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリアクリル
系、ポリアミド系、エポキシ系、液晶ポリマー系のもの
などがあげられる。
【0024】液晶ポリマーの展開は、例えば液晶ポリマ
ーの溶媒による溶液をスピンコート法やロールコート
法、フローコート法やプリント法、ディップコート法や
流延成膜法、バーコート法やグラビア印刷法等の適宜な
方法で薄層展開し、それを必要に応じ乾燥処理する方法
などにより行うことができる。前記の溶媒としては、例
えば塩化メチレンやシクロヘキサノン、トリクロロエチ
レンやテトラクロロエタン、N−メチルピロリドンやテ
トラヒドロフランなどの適宜なものを用いうる。
【0025】また液晶ポリマーの加熱溶融物、好ましく
は等方相を呈する状態の加熱溶融物を前記に準じ展開
し、必要に応じその溶融温度を維持しつつ更に薄層に展
開して固化させる方法などの、溶媒を使用しない方法、
従って作業環境の衛生性等が良好な方法によっても液晶
ポリマーを展開させることができる。
【0026】液晶ポリマーの展開層を配向させるための
加熱処理は、上記した如く液晶ポリマーのガラス転移温
度から等方相転移温度までの温度範囲、すなわち液晶ポ
リマーが液晶相を呈する温度範囲に加熱することにより
行うことができる。また配向状態の固定化は、ガラス転
移温度未満に冷却することで行うことができ、その冷却
条件については特に限定はない。通例、前記の加熱処理
を300℃以下の温度で行いうることから、自然冷却方
式や急冷方式が一般に採られる。
【0027】形成するコレステリック液晶ポリマー層
は、可及的に均一に配向していることが好ましい。均一
配向のコレステリック液晶ポリマー層は、散乱のない反
射光を提供して、液晶表示装置等の視野角の拡大に有利
であり、特に斜め方向からも直接観察される直視型液晶
表示装置等の形成に適している。ただし上記した如く、
1/4波長板が配置される側のコレステリック液晶ポリ
マー層の表面においては、液晶ポリマーの配向方向がラ
ンダムな無配向状態にあることが表示ムラの防止等の点
より好ましい。かかる片面が無配向状態のコレステリッ
ク液晶ポリマー層の形成は、配向処理時に片面を空気等
に接触させて配向力を作用させない方式や配向層の再加
熱処理で配向を乱す方式などの適宜な方式で行うことが
できる。
【0028】支持基材上に形成したコレステリック液晶
ポリマー層は、その支持基材に付設したまま、あるいは
支持基材より分離して円偏光分離層の形成に用いうる。
また円偏光分離層を形成するコレステリック液晶ポリマ
ー層は、1層であってもよいし、2層以上であってもよ
い。従って本発明の偏光素子は、図1や図2(a)〜
(e)に例示した如く、1層又は2層以上のコレステリ
ック液晶ポリマー層1,12,13,16の適宜な位置
に、単層若しくは複層の支持基材11,14,15を有
する形態又は支持基材を有しない形態の適宜な層形態を
有するものであってよい。
【0029】前記において2層又は3層以上のコレステ
リック液晶ポリマー層の配置による円偏光分離層の形成
は、反射波長域の拡大等を目的とする。すなわち単層の
コレステリック液晶ポリマー層では通例、円偏光二色性
(選択反射)を示す波長域に限界があり、その限界は約
100nmの波長域に及ぶ広い範囲の場合もあるが、その
波長範囲でも例えば液晶表示装置等に適用する場合に望
まれる可視光の全域には及ばないから、円偏光二色性
(反射波長域)の異なる2層以上のコレステリック液晶
ポリマー層を設けて可視光域の全域ないし可及的に全域
を反射波長域とする場合などの如く、円偏光二色性を示
す波長域を拡大させることを目的とする。
【0030】ちなみに円偏光二色性の中心波長が300
〜900nmのコレステリック液晶ポリマー層を同じ偏光
方向の円偏光を反射する組合せで、かつ円偏光二色性の
中心波長が異なる組合せで用いて、その2〜6種類を重
畳することで可視光域をカバーできる円偏光分離層を効
率的に形成することができる。本発明においては、可視
光の150nm以上の波長域にわたり円偏光二色性を示す
円偏光分離層であることが好ましい。
【0031】円偏光分離層の薄型化等の点よりは、コレ
ステリック液晶ポリマー層の可及的に少ない配置数、就
中2層の配置数で目的の反射波長域を示すものが好まし
い。ちなみに可視光域では、反射光の中心波長が400
〜550nm未満と550以上〜700nmの範囲にある2
層のコレステリック液晶ポリマー層の配置でその全域な
いし可及的に全域を反射波長域とする円偏光分離層を得
ることができる。そのより好ましい組合せは、反射光の
中心波長が450〜540nm、就中480〜520nmの
範囲、特に約500nmのものと、560〜650nm、就
中580〜620nmの範囲、特に約600nmのものとの
2層である。
【0032】前記した2層のコレステリック液晶ポリマ
ー層の組合せは、視角変化、すなわち斜め透過光の出射
角度による色変化が小さい利点なども有している。なお
図2(e)に例示した如き反射波長域の異なる3層以上
のコレステリック液晶ポリマー層12,13,16を設
ける場合には、反射光の中心波長の長短に基づく波長順
序に配置することが、前記視角変化による出射光の色変
化を抑制する点などより好ましい。
【0033】前記した2層以上のコレステリック液晶ポ
リマー層を配置する場合に、同じ偏光方向の円偏光を反
射するものの組合せとする点は、各層で反射される円偏
光の位相状態を揃えて各波長域で異なる偏光状態となる
ことを防止し、利用できる状態の偏光の増量を目的とす
る。
【0034】前記したコレステリック液晶ポリマーにお
ける反射光の中心波長の相違は、クランジャン配向の螺
旋ピッチの相違に基づくが、本発明にては厚さ方向に螺
旋ピッチが変化する円偏光分離層や、螺旋ピッチ相違の
2層以上のコレステリック液晶ポリマー層が反射光の中
心波長に基づいて長短の順序通りに重畳して厚さ方向に
螺旋ピッチが変化する円偏光分離層などの適宜な形態の
円偏光分離層であってよい。
【0035】前記した螺旋ピッチが厚さ方向に変化する
構造も反射光の波長域の拡大などに有効である。その場
合、同じ螺旋ピッチのコレステリック液晶ポリマー層間
に、螺旋ピッチの異なるコレステリック液晶ポリマー層
が前記中心波長の長短の順序通りに1層又は2層以上介
在した形態のものの如く、同じ螺旋ピッチのコレステリ
ック液晶ポリマー層を2層以上含む層構造なども許容さ
れる。
【0036】なお上記した螺旋ピッチが厚さ方向に変化
する円偏光分離層の製造は、例えば配向処理したコレス
テリック液晶ポリマー層の上に、上記したコレステリッ
ク液晶ポリマー層の形成操作に準じて、液晶ポリマーの
展開及びその加熱配向処理を行うことによりコレステリ
ック液晶ポリマー層を順次重畳する方式や、配向処理し
たコレステリック液晶ポリマー層同士の2枚又は3枚以
上の所定数を熱圧着により接着する操作などにより行う
ことができる。
【0037】支持基材との一体物からなる液晶ポリマー
の固化層の場合には、その固化層同士が密接するように
前記に準じて重畳処理することにより厚さ方向に螺旋ピ
ッチが変化する円偏光分離層、ひいては本発明による偏
光素子を得ることができる。なお熱圧着処理には、ロー
ルラミネータ等の適宜な加熱押圧手段を介してコレステ
リック液晶ポリマー層をガラス転移温度以上、等方相転
移温度未満に加熱して圧着処理する方式などの適宜な方
式を採ることができる。
【0038】厚さ方向に螺旋ピッチが変化する円偏光分
離層は、連続した反射光の波長域を示すものであっても
よいし、不連続な反射光の波長域を示すものであっても
よい。色ムラ防止等の点より好ましい円偏光分離層は、
連続した反射光の波長域を示すものである。その製造
は、例えば上記した熱圧着操作等で形成したコレステリ
ック液晶ポリマー層の重畳体をガラス転移温度以上、等
方相転移温度未満に加熱して、その密着界面に上下の層
を形成するコレステリック液晶ポリマーが混合した配向
層を形成する方法などにより行うことができる。
【0039】前記において、上下の層のコレステリック
液晶ポリマーが混合して形成されたコレステリック液晶
ポリマー層は、螺旋ピッチが上下の層とも異なって厚さ
方向に螺旋ピッチが多段階に変化した円偏光分離層を形
成し、通例その螺旋ピッチは上下の層を形成するコレス
テリック液晶ポリマー層の中間値をとって、上下の層と
共に連続した反射光の波長域を示す領域を形成する。
【0040】従って上下の層で反射光の波長域が重複し
ないコレステリック液晶ポリマー層の組合せ、すなわち
反射光の波長域に不連続による欠落域が存在する組合せ
で用いた場合に、上下の層の混合により形成されたコレ
ステリック液晶ポリマー層が前記欠落域を埋めて反射光
の波長域を連続化することができる。
【0041】よって例えば、反射波長域が500nm以下
のものと600nm以上のものの2種のコレステリック液
晶ポリマー層を用いて、反射波長域の不連続域である5
00〜600nmの波長域の光についても反射する円偏光
分離層を得ることができ、これは少ないコレステリック
液晶ポリマー層の重畳で、広い帯域の反射波長域を示す
円偏光分離層を形成しうることを意味する。
【0042】各コレステリック液晶ポリマー層の厚さ
は、配向の乱れや透過率低下の防止、反射光の波長範囲
(反射波長域)の広さなどの点より、0.5〜100μ
m、就中1〜50μm、特に1.5〜10μmが好まし
い。また円偏光分離層の薄型化等の点よりコレステリッ
ク液晶ポリマー層の合計厚が1〜100μm、就中2〜
50μm、特に3〜20μmであることが好ましい。さら
に支持基材を含めたコレステリック液晶ポリマー層の合
計厚は、2〜500μm、就中10〜300μm、特に2
0〜200μmであることが好ましい。
【0043】なおコレステリック液晶ポリマーフィルム
又は液晶ポリマーの固化層と支持基材との一体物の2枚
以上を用いて円偏光分離層を形成するに際しては、図2
(e)に例示の如く必要に応じ接着層21,22を介し
て密着処理することができる。また2層以上のコレステ
リック液晶ポリマー層の積層に際しては、各液晶ポリマ
ー層において1/4波長板側となる表面における液晶ポ
リマーがランダムに配向して無配向状態にあることが輝
度や視認性等の点より好ましい。円偏光分離層の形成に
際しては、コレステリック液晶ポリマー層に安定剤や可
塑剤、あるいは金属類などからなる種々の添加剤を必要
に応じて配合することができる。
【0044】本発明による偏光素子は、図例の如く円偏
光分離層1の上に、それを形成するコレステリック液晶
ポリマー層の平均屈折率nに対し屈折率がn±0.2の
接着層2を介して1/4波長板3を密着処理したもので
ある。輝度や色ムラ防止等の点より好ましい接着層の屈
折率は、n±0.15、就中n±0.10の範囲であ
る。なお前記した2層以上のコレステリック液晶ポリマ
ー層を接着するための接着層としても、前記屈折率を満
足することが輝度や色ムラ防止等の点より好ましい。
【0045】前記の1/4波長板は、直線偏光変換手段
として機能するものであり、円偏光分離層より出射した
円偏光が1/4波長板に入射して位相変化を受け、その
位相変化が1/4波長に相当する波長の光は直線偏光に
変換され、他の波長光は楕円偏光に変換される。変換さ
れた楕円偏光は、前記の直線偏光に変換された光の波長
に近いほど扁平な楕円偏光となる。かかる結果、偏光板
を透過しうる直線偏光成分を多く含む状態の光が1/4
波長板より出射されることとなる。
【0046】直線偏光成分の多い状態に変換することに
より、偏光板を透過しやすい偏光度の高い光とすること
ができる。この偏光板は、例えば液晶表示装置の場合、
液晶セルに対する視野角の変化で発生する偏光特性の低
下を防止して表示品位を維持する光学層や、より高度な
偏光度を実現してよりよい表示品位を達成する光学層な
どとして機能するものである。
【0047】すなわち前記において、偏光板を用いず
に、円偏光分離層と1/4波長板よりの出射偏光をその
まま液晶セルに入射させて表示を達成することは可能で
あるが、偏光板を介することで前記した表示品位の向上
等をはかりうることから必要に応じて偏光板が用いられ
る。その場合に、偏光板に対する透過率の高いほど表示
の明るさの点より有利であり、その透過率は偏光板の偏
光軸(透過軸)と一致する偏光方向の直線偏光成分を多
く含むほど高くなるので、それを目的に1/4波長板を
介して円偏光分離層よりの出射円偏光を直線偏光に変換
するものである。
【0048】ちなみに、通例のヨウ素系偏光板に自然光
や円偏光を入射させた場合、その透過率は約43%程度
であるが、直線偏光を偏光軸を一致させて入射させた場
合には80%を超える透過率を得ることができ、従って
光の利用効率が大幅に向上して明るさに優れる液晶表示
などが可能となる。またかかる偏光板では、99.99
%に達する偏光度も達成できる。円偏光分離層の単独で
は、かかる高偏光度の達成は困難で、特に斜めからの入
射光に対する偏光度が低下しやすい。
【0049】1/4波長板としては、円偏光分離層より
出射した円偏光を、1/4波長の位相差に相当して直線
偏光を多く形成し、かつ他の波長の光を前記直線偏光と
可及的にパラレルな方向に長径方向を有して直線偏光に
近い扁平な楕円偏光に変換しうるものが好ましい。かか
る1/4波長板により、その出射光の直線偏光方向や楕
円偏光の長径方向が偏光板の透過軸と可及的に平行にな
るように配置して、偏光板を透過しうる直線偏光成分の
多い状態の光を得ることができ、液晶表示の明るさを向
上させることができる。
【0050】1/4波長板にて付与する位相差は、円偏
光分離層より出射される円偏光の波長域などに応じて適
宜に決定しうる。ちなみに可視光域では波長範囲や変換
効率等の点より、殆どの位相差板がその材質特性より正
の複屈折の波長分散を示すものであることも加味して、
その位相差が小さいもの、就中100〜180nm、特に
110〜150nmの位相差を与えるものが好ましく用い
うる。
【0051】1/4波長板は、適宜な材質で形成でき、
透明で均一な位相差を与えるものが好ましく、一般には
位相差板が用いられる。また1/4波長板は、図2
(a)に例示の如く1層又は2層以上の位相差層31,
32の重畳層として形成することができる。1層からな
る位相差層の場合には、複屈折の波長分散が小さいもの
ほど波長毎の偏光状態の均一化をはかることができて好
ましい。一方、位相差層の重畳化は、波長域における波
長特性の改良に有効であり、その組合せは波長域などに
応じて適宜に決定してよい。
【0052】なお可視光域を対象に2層以上の位相差層
からなる1/4波長板とする場合、上記の如く100〜
180nmの位相差を与える層を1層以上の奇数層として
含ませることが直線偏光成分の多い光を得る点より好ま
しい。100〜180nmの位相差を与える層以外の層
は、通例200nm以上の位相差を与える層、就中1/2
波長の位相差を与える層で形成することが波長特性の改
良等の点より好ましいが、これに限定するものではな
い。
【0053】前記した位相差層は、上記の支持基材で例
示したプラスチックからなる延伸フィルムや液晶層、就
中、捩じれ配向の液晶層などとして得ることができる。
発光強度や発光色を広い視野角で均一に維持する点より
は、1/4波長板の面内における位相差の誤差が小さい
ほど好ましく、就中、その誤差が±10nm以下であるこ
とが好ましい。
【0054】1/4波長板は、円偏光分離層の光出射側
に配置されるが、その配置位置は、視角変化による出射
光の色変化を抑制する点などより、円偏光分離層のコレ
ステリック液晶ポリマー層における反射光の中心波長の
大きい側(長波長側)であることが好ましい。1/4波
長板の厚さは、その位相差などに応じて適宜に決定しう
るが、一般には2〜300μm、就中10〜200μm、
特に20〜150μmの厚さとされる。
【0055】円偏光分離層と1/4波長板等を密着する
接着層としては、上記した屈折率を満足するものであれ
ばよく、その種類については特に限定はない。透明性に
優れるものが好ましい。一般には、例えばアクリル系ポ
リマーやシリコーン系ポリマー、エステル系ポリマーや
ウレタン系ポリマー、ポリエーテル系ポリマーや合成ゴ
ム系ポリマー、エチレン・酢酸ビニル共重合体系ポリマ
ーやエポキシ系樹脂等の適宜なポリマーを用いてなる接
着剤ないし粘着剤などが用いられる。
【0056】本発明の偏光素子は、図3に例示した如く
それに拡散層4や偏光板5等の適宜な光学層の1種又は
2種以上を配置して、種々の形態に形成することができ
る。偏光板5は、上記した1/4波長板の機能より図例
の如く、1/4波長板3の上方に配置される。偏光板の
配置角は、その透過軸が1/4波長板を透過した直線偏
光の振動面に可及的に一致していることが輝度の向上等
の点より好ましい。なお偏光板を設けた形態の偏光素子
の場合には、液晶セルの光源側に設ける偏光板を省略す
ることができる。
【0057】偏光板としては、適宜なものを用いうるが
一般には、偏光フィルムからなるものが用いられる。偏
光フィルムの例としては、ポリビニルアルコール系や部
分ホルマール化ポリビニルアルコール系、エチレン・酢
酸ビニル共重合体系部分ケン化物の如き親水性高分子の
フィルムにヨウ素及び/又は二色性染料を吸着させて延
伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ
塩化ビニルの脱塩酸処理物の如きポリエン配向フィルム
などがあげられる。
【0058】偏光フィルムの厚さは通例5〜80μmで
あるが、これに限定されない。偏光板は、偏光フィルム
の片面又は両面を透明保護層等で被覆したものなどであ
ってもよい。かかる透明保護層等は、偏光フィルムの補
強や耐熱性の向上、偏光フィルムを湿度等より保護する
ことなどの種々の目的を有するものであってよい。透明
保護層は、樹脂の塗布層や樹脂フィルムのラミネート層
などとして形成でき、拡散化や粗面化用等の微粒子を含
有していてもよい。
【0059】偏光素子に必要に応じて設ける拡散層は、
出射光を平準化して明暗ムラを抑制し、液晶セル等に適
用した場合に画素との干渉でモアレによるギラギラした
視認が生じることの防止などを目的とする。円偏光分離
層や1/4波長板より出射した光の偏光状態の維持性な
どの点より好ましく用いうる拡散層は、位相差が波長6
33nmの垂直入射光、好ましくは入射角30度以内の入
射光に基づいて30nm以下、就中0〜20nmのものであ
る。
【0060】拡散層は、例えば粒子分散樹脂層の形成方
式、サンドブラストや化学エッチング等の表面凹凸化処
理による方式、機械的ストレスや溶剤処理等によるクレ
イズ発生方式、所定の拡散構造を設けた金型による転写
形成方式などの任意な方式で、円偏光分離層や1/4波
長板等への塗布層や拡散シートなどとして適宜に形成す
ることができる。拡散層は、円偏光分離層の片面や両
面、1/4波長板と偏光板の間やそれらの上面などの、
円偏光分離層や1/4波長板や偏光板等に隣接した適宜
な位置に1層又は2層以上を配置することができる。
【0061】本発明による偏光素子は、偏光光源装置や
液晶表示装置の形成などに好ましく用いることができ
る。その例を図4に例示した。図は液晶表示装置7を示
しており、6が偏光光源装置である。この偏光光源装置
6によれば、側面からの入射光を上下面の一方より出射
する導光板61の出射面側に配置した円偏光分離層1に
導光板より出射した光が入射し、左右一方の円偏光が透
過すると共に他方の円偏光が反射され、その反射光は、
戻り光として導光板に再入射する。導光板に再入射した
光は、下面の反射層62等からなる反射機能部分で反射
されて再び円偏光分離板1に入射し、透過光と反射光
(再々入射光)に再度分離される。
【0062】従って前記反射光としての再入射光は、円
偏光分離層を透過しうる所定の円偏光となるまで円偏光
分離層と導光板との間に閉じ込められて反射を繰返すこ
ととなるが、本発明においては再入射光の利用効率等の
点より、可及的に少ない繰返し数で、就中、初回の再入
射光が反射の繰返しなく出射するようにしたものが好ま
しい。
【0063】前記の導光板としては、側面からの入射光
を上下面の一方より出射する適宜なものを用いうる。か
かる導光板は、例えば透明又は半透明の樹脂板の光出射
面又はその裏面にドット状やストライプ状に拡散体を設
けたものや、樹脂板の裏面に凹凸構造、就中、微細プリ
ズムアレイからなる凹凸構造を付与したものなどとして
得ることができる。
【0064】従って導光板は通例、一方が出射面となる
上下面、及び上下面間の少なくとも一側端面からなる入
射面を有する板状物からなる。図4の如く(冷,熱)陰
極管等の線状光源や発光ダイオード等の光源63を側面
に配して光源光を入射させた場合に、板内を伝送される
光を拡散や反射、回折や干渉等により板の片面側に出射
するようにした、液晶表示装置で公知のサイドライト型
バックライトなどにおける導光板61はその例である。
【0065】円偏光分離層を介して再入射した円偏光を
位相差の影響なくその円偏光状態を良好に維持したまま
下面に導き、また下面で反射した帰路光をその円偏光状
態を維持したまま出射させる点などより好ましく用いう
る導光板は、厚さ方向における複屈折による位相差が上
記した拡散層と同様に可及的に小さいものであり、就中
30nm以下、特に0〜20nmのものである。
【0066】前記した一方の面側に光を出射する導光板
は、それ自体で円偏光分離層で反射された光を偏光変換
する機能を有しうるが、導光板の裏面に反射層62を設
けることで反射ロスをほぼ完全に防止することができ
る。拡散反射層や鏡面反射層などの反射層は、円偏光分
離層で反射された光を偏光変換する機能に優れ、本発明
においては好ましい。
【0067】ちなみに凹凸面等で代表される拡散反射層
は、その拡散に基づいて偏光状態がランダムに混在し、
実質的に偏光状態を解消する。またアルミニウムや銀等
の蒸着層、それを設けた樹脂板、金属箔などからなる金
属面で代表される鏡面反射層は、円偏光が反射されると
その偏光状態が反転する。
【0068】導光板の形成に際しては、光の出射方向を
制御するためのプリズムシート、均一な発光を得るため
の拡散板、漏れ光を戻すための反射手段、線状光源から
の出射光を導光板の側面に導くための光源ホルダ64な
どの補助手段を必要に応じ所定位置に1層又は2層以上
配置して適宜な組合せ体とされる。
【0069】なお2層以上のプリズムシートを配置する
場合には、上下の層でプリズムアレイの配列方向が交差
するように配置することが、面全体での光出射方向の制
御による輝度の均一化などの点より好ましい。導光板の
光出射側に配置したプリズムシートや拡散板、あるいは
導光板に付与したドットなどは拡散効果等で反射光の位
相を変化させる偏光変換手段として機能しうる。
【0070】図4に例示の液晶表示装置7は、上記の偏
光光源装置6をバックライトシステムに用いたものであ
り、5が下側の偏光板、71が液晶セル、72が上側の
偏光板、73が拡散板である。下側の偏光板5や拡散板
73は、必要に応じて設けられる。本発明による偏光素
子を用いた偏光光源装置は、光の利用効率に優れて明る
い光を提供し、大面積化等も容易であり、明るくて視認
性に優れる液晶表示装置を形成する。
【0071】液晶表示装置は一般に、液晶シャッタとし
て機能する液晶セルとそれに付随の駆動装置、偏光板、
バックライト、及び必要に応じての補償用位相差板等の
構成部品の組立体などとして形成される。本発明におい
ては、上記した偏光素子による偏光光源装置を用いる点
を除いて特に限定はなく、従来に準じて形成でき、特に
直視型の液晶表示装置を好ましく形成しうる。
【0072】従って用いる液晶セルについては特に限定
はなく、適宜なものを用いうる。就中、偏光状態の光を
液晶セルに入射させて表示を行うものに有利に用いら
れ、例えばツイストネマチック液晶やスーパーツイスト
ネマチック液晶を用いた液晶セル等に好ましく用いうる
が、非ツイスト系の液晶や二色性染料を液晶中に分散さ
せたゲストホスト系の液晶、あるいは強誘電性液晶を用
いた液晶セルなどにも用いうる。液晶の駆動方式につい
ても特に限定はない。
【0073】液晶表示装置の形成に際しては、例えば視
認側の偏光板の上に設ける拡散板やアンチグレア層、反
射防止膜や保護層や保護板、あるいは液晶セルと偏光板
の間に設ける補償用位相差板などの適宜な光学層を適宜
に配置することができる。
【0074】前記の補償用位相差板は、複屈折の波長依
存性などを補償して視認性の向上等をはかることを目的
とするものである。本発明においては、視認側又は/及
びバックライト側の偏光板と液晶セルの間等に必要に応
じて配置される。なお補償用位相差板としては、波長域
などに応じて適宜なものを用いることができ、1層又は
2層以上の重畳層として形成されていてよい。補償用位
相差板は、上記した1/4波長板で例示の延伸フィルム
などとして得ることができる。
【0075】本発明において、上記した偏光素子の偏光
板等や偏光光源装置や液晶表示装置を形成する部品は、
全体的又は部分的に積層一体化されて固着されていても
よいし、分離容易な状態に配置したものであってもよ
い。光学系のズレ防止等の点よりは固着されていること
が好ましい。その固着には、適宜な接着剤を用いうる
が、熱による光学歪の発生防止などの点よりは粘着剤が
好ましく用いうる。また接着対象の両部品に対し中間の
屈折率を示す接着剤が界面反射の抑制などの点より好ま
しい。
【0076】なお液晶表示装置等の形成に際しては、垂
直性や平行光性に優れる出射光を供給し、円偏光分離層
を介した再入射光も散乱等によるロスや角度変化の少な
い状態で、かつ初期出射光との方向の一致性よく再出射
して、視認性の向上に有効な方向の出射光を効率よく供
給する偏光光源装置が好ましく用いうる。
【0077】
【実施例】
実施例1 アクリル系サーモトロピックコレステリック液晶ポリマ
ーの20重量%テトラヒドロフラン溶液を、厚さ80μ
mの三酢酸セルロースフィルムからなる支持基材のポリ
ビニルアルコールラビング処理面(厚さ0.1μm)に
ワイヤバーにて塗工して乾燥後、160℃で5分間加熱
配向処理して冷却する方式で、厚さ3μmで左円偏光を
鏡面的に反射し、メソゲン比率の相違に基づいて選択反
射の波長域が400〜480nm(青系)、480〜58
0nm(緑系)又は580〜700nm(赤系)の3種の液
晶ポリマー層を得た。その各液晶ポリマー層は、支持基
材側では液晶ポリマーがラビング方向に均一性よく配向
し、反対側の表面では液晶ポリマーがランダムな方向に
向いていて無配向の状態にあった。
【0078】次に前記の青系、緑系及び赤系の液晶ポリ
マー層をその順序で、かつ液晶ポリマーの無配向側が1
/4波長板側となるように、しかも前記赤系の液晶ポリ
マー層の上にポリカーボネートからなる位相差115nm
の1/4波長板を有する順序で屈折率が1.54のエポ
キシ系接着剤を介し密着処理して、円偏光分離層の上に
1/4波長板を有する偏光素子を得た。なお円偏光分離
層を形成する3種の液晶ポリマー層の平均屈折率は1.
62であった。
【0079】比較例1 エポキシ系接着剤に代えて、屈折率が1.41のフッ素
系アクリル接着剤を用いたほかは実施例1に準じて偏光
素子を得た。
【0080】比較例2 各液晶ポリマー層の支持基材が1/4波長板側となるよ
うに処理したほかは実施例1に準じて偏光素子を得た。
【0081】評価試験 偏光度、透過率、色相 実施例、比較例で得た偏光素子における1/4波長板透
過光の偏光度、透過率及び色相(a,b)を調べた。
【0082】実施例、比較例で得た偏光素子をその円偏
光分離層側を介し面光源上に配置し、1/4波長板上の
正面方向の輝度と色相、及び左右斜め40度方向の色相
を測定し、偏光素子を用いない場合の輝度を100とし
たときの輝度割合、及び色相変化(△xy)を調べた。
なお色相変化は、偏光素子を用いない場合の色相を
0、y0、前記実施例、比較例による偏光素子による場
合の色相をx1、y1として次式より算出した。 △xy=√{(x0−x12+(y0−y12
【0083】前記の結果を次表に示した。
【図面の簡単な説明】
【図1】偏光素子例の断面図
【図2】他の偏光素子例の断面図
【図3】さらに他の偏光素子例の断面図
【図4】偏光光源装置及び液晶表示装置例の断面図
【符号の説明】
1:円偏光分離層 11,14,15:支持基材 12,13,16:コレステリック液晶ポリマー層 2,21,22:接着層 3:1/4波長板 31,32:位相差層 4:拡散層 5:偏光板 6:偏光光源装置 61:導光板 62:反射層 63:光源 7:液晶表示装置
フロントページの続き (72)発明者 三原 尚史 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日 東電工株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−189811(JP,A) 特開 平6−230221(JP,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1層又は2層以上のコレステリック液晶
    ポリマー層からなる円偏光分離層の上に、前記コレステ
    リック液晶ポリマー層の平均屈折率nに対し屈折率がn
    ±0.2の接着層を介して1/4波長板を有することを
    特徴とする偏光素子。
  2. 【請求項2】 請求項1において、1/4波長板側のコ
    レステリック液晶ポリマー層の表面における液晶ポリマ
    ーがランダムに配向して無配向状態にある偏光素子。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、円偏光分離層
    が可視光の150nm以上の波長域にわたり円偏光二色性
    を示すものである偏光素子。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3において、1/4波長板の
    上方に偏光板を有する偏光素子。
  5. 【請求項5】 側面からの入射光を上下面の一方より出
    射する導光板の光出射側に請求項1〜4に記載の偏光素
    子を有することを特徴とする偏光光源装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の偏光光源装置の光出射
    側に液晶セルを有することを特徴とする液晶表示装置。
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