JP4972926B2 - 液晶表示装置 - Google Patents
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Description
そして、本発明者らは、上記目的を解決すべく鋭意検討した結果、VAモードの液晶表示装置において、特定の二軸性光学異方板と、斜め方向における特定波長の光を適度に透過する光学素子とを組み合わせて用いると、その表示画面をどの方向から観察しても、色バランスがとれた画像を表示できることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)出射側偏光子の両面に保護フィルムを有する出射側偏光板、液晶セル、入射側偏光子の両面に保護フィルムを有する出射側偏光板、光源、をこの順に有するバーティカルアライメントモードの液晶表示装置において、
該出射側偏光子と該液晶セルとの間、または該入射側偏光子と該液晶セルとの間に、1枚または2枚の二軸性光学異方板を有し、
該入射側偏光子と該光源との間に、光学素子を有し、
二軸性光学異方板の面内方向の主屈折率をnx、ny、及び厚さ方向の主屈折率をnzとしたとき、二軸性光学異方板の全てがnx>ny>nzの関係を満たし、
該出射側偏光板の該液晶セル側の保護フィルム、該入射側偏光板の該液晶セル側の保護フィルム、該二軸性光学異方板の全て、及び該液晶セルとを積層してなる光学積層板において、電圧無印加時に波長550nmの光が入射角0度で入射したときのレターデーションをR0、波長550nmの光が入射角40度で入射したときのレターデーションをR40としたときに、|R40−R0|≦35nmの関係を満たし、
該光学素子が、
(A)入射角0度における光を反射する波長帯域の下限λLが、該光源が発する光の中で600〜700nmの波長帯域で最大発光強度を示す光の波長λR1よりも長く、
(B)入射角0度における波長600〜700nmの光の平均透過率が60%以上であり、且つ、
(C)入射角60度における波長600〜700nmの光の平均透過率が、入射角0度における波長600〜700nmの光の平均透過率の0.3倍以上0.9倍以下である、
液晶表示装置、
(2)前記光学素子が、
(D)入射角60度における波長600〜700nmの光の平均透過率が20%以上80%以下である、(1)に記載の液晶表示装置、
(3)前記光学素子が、コレステリック規則性を持つ樹脂層を有し、
該樹脂層のヘリカルピッチが400nm以上である、(1)〜(2)のいずれかに記載の液晶表示装置、
(4)波長450nm、及び波長550nmの光が入射角0度で入射したときの、前記二軸性光学異方板の面内方向のレターデーションをそれぞれRe450、及びRe550としたとき、0.9≦Re450/Re550≦1.05の関係を満たす、(1)〜(3)のいずれかに記載の液晶表示装置、
(5)前記光源が、発光ダイオード、及びエレクトロルミネセンスから選択されるものである、(1)〜(4)のいずれかに記載の液晶表示装置、
が提供される。
本発明に用いる出射側偏光子及び入射側偏光子は、液晶表示装置に用いられている公知の偏光子である。本発明に用いる偏光子は直角に交わる二つの直線偏光の一方を透過するものである。例えば、ポリビニルアルコールフィルムやエチレン酢酸ビニル部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムにヨウ素や二色性染料などの二色性物質を吸着させて一軸延伸させたもの、前記親水性高分子フィルムを一軸延伸して二色性物質を吸着させたもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン配向フィルムなどが挙げられる。その他に、グリッド偏光子、多層偏光子などの直線偏光を反射光と透過光に分離する機能を有する偏光子が挙げられる。これらのうちポリビニルアルコールを含有する偏光子が好ましい。
本発明に用いる液晶セルは、VAモードの液晶セルである。VAモードの液晶セルとは、電圧無印加状態において液晶分子が基板面に対して略垂直に配向し、電圧印加すると液晶分子が基板面に略水平に配向するものである。具体的には、MVA(Multi−domain Vertical Alignment)方式、PVA(Patterned Vertical Alignment)方式などが知られている。
二軸性光学異方板を形成する材料としては特に制限はないが、熱可塑性樹脂からなることが好ましい。熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル樹脂、脂環構造を有するオレフィンポリマーなどが挙げられる。これらの中で、脂環構造を有するオレフィンポリマーは、本発明の液晶表示装置の表示画像を、正面及び斜めからの観察において同様の色バランスがとれたものにすることができるため、好適に用いることができる。
ノルボルネン系樹脂としては、ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体若しくはノルボルネン構造を有する単量体と他の単量体との開環共重合体またはそれらの水素化物、ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合体若しくはノルボルネン構造を有する単量体と他の単量体との付加共重合体またはそれらの水素化物等を挙げることができる。
レターデーションRe450、及びRe550は、高速分光エリプソメーター〔J.A.Woolam社、M−2000U〕を用いて、波長450nm、及び波長550nmの光を入射させて測定した値である。
前記反射帯域は、入射角によって、波長範囲が変化する。
(A)入射角0度における光を反射する波長帯域の下限λLが、前記光源が発する光の中で600〜700nmの波長帯域で最大発光強度を示す光の波長λR1よりも長い。このような関係を満たすと、本発明の液晶表示装置を表示画像を、正面及び斜めからの観察において同様の色バランスがとれたものにすることができる。
図2ではλR1は約627nmであるので、λLは627nmよりも長い波長にすることが必要である。図1の実線30で示す反射帯域のλLは約680nmである。反射帯域の幅(λHとλLとの差)は、好ましくは50nm以上、特に好ましくは80nm以上である。
(B)入射角0度における波長600〜700nmの光の平均透過率が、60%以上、好ましくは70%以上である。
青色光(波長400〜500nm)及び緑色光(波長500〜600nm)の入射角0度における光線透過率は、赤色光(波長600〜700nm)に対する光量バランスを考慮して適宜選択できる。入射角0度における青色光及び緑色光の平均透過率は、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上である。なお、本明細書において平均透過率とは、10nmの波長間隔で測定した透過率の算術平均値である。
(D)その入射角60度における波長600〜700nmの光の平均透過率が、好ましくは20%以上80%以下、より好ましくは30%以上70%以下、さらに好ましくは40%以上60%以下である。このような関係を満たすと、本発明の液晶表示装置の表示画像を、正面及び斜めからの観察において同様の色バランスがとれたものにすることができる。
(C)入射角60度における波長600〜700nmの光の平均透過率が、入射角0度における波長600〜700nmの光の平均透過率の0.3倍以上0.9倍以下であり、好ましくは0.4倍以上0.8倍以下、より好ましくは0.5倍以上0.7倍以下である。このような関係を満たすと、本発明の液晶表示装置表示画像を、正面及び斜めからの観察において同様の色バランスがとれたものにすることができる。倍率が上記範囲未満になると、斜めから観察したときの表示画像が青みを帯びる。倍率が上記範囲を超えると、斜めから観察したときの表示画像が赤みを帯びる。
また、前記光学素子は、入射角60度における波長600〜700nmの光の平均透過率が、入射角60度における青色光(波長400〜500nm)及び緑色光(波長500〜600nm)の平均透過率よりも小さいこと、具体的には入射角60度における青色光(波長400〜500nm)及び緑色光(波長500〜600nm)の平均透過率よりも5〜30%小さいことが好ましい。
この円偏光反射板は、シート状の透明基材1に、必要に応じて配向膜2を形成し、さらにその上にコレステリック規則性を持つ樹脂(以下、コレステリック樹脂ということがある)層3を形成することによって得ることができる。
前記透明基材は、光学的に透明な基材であれば特に限定されない。かかる透明基材としては、透明樹脂フィルム、ガラス基板等が挙げられ、効率よく製造することができる観点から、長尺の透明樹脂フィルムがより好ましい。透明樹脂フィルムは、単層のフィルムであっても、複層フィルムであってもよいが、1mm厚で全光線透過率が80%以上のものが好ましい。
前記配向膜は、コレステリック樹脂層を面内で一方向に配向規制するために透明基材の表面に必要に応じて形成される。配向膜は、例えば、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミドなどのポリマーを含有するものである。配向膜は、このようなポリマーを含有する溶液(配向膜用組成物)を膜状に積層し、乾燥させ、そして一方向にラビングすることで、得ることができる。
ラビングの方法は、特に制限されないが、例えばナイロンなどの合成繊維、木綿などの天然繊維からなる布やフェルトを巻き付けたロールで一定方向に配向膜を擦る方法が挙げられる。ラビングした時に発生する微粉末(異物)を除去して配向膜の表面を清浄な状態とするために、形成された配向膜をイソプロピルアルコールなどによって洗浄することが好ましい。配向膜にコレステリック規則性を持つ樹脂を面内で一方向に配向規制する機能を持たせるために、ラビングする方法以外に、配向膜の表面に偏光紫外線を照射する方法が挙げられる。
配向膜の厚さは0.01〜5μmであることが好ましく、0.05〜1μmであることがさらに好ましい。
前記円偏光反射板は、コレステリック規則性を持つ樹脂層を含むものである。コレステリック規則性とは、該樹脂層平面の法線方向に進むに従って、該樹脂の分子軸の角度が次々にずれて(ねじれて)いく構造を示すことである。このように分子軸の方向がねじれてゆく構造はヘリカルな構造と呼ばれる。該樹脂層平面の法線(ヘリカル軸)は、コレステリック樹脂層の厚み方向に略平行になっていることが好ましい。コレステリック樹脂層の厚みは、1μm〜10μmが好ましく、1μm〜5μmが特に好ましい。
コレステリック樹脂層を形成する材料としては、先ず、液晶ポリマーが挙げられる。液晶ポリマーとは、液晶性を有するポリマーのことであるが、この液晶ポリマーとしては、メソゲン構造を有するポリマーが挙げられる。メソゲンは、液晶配向性を付与する共役性の直線状原子団である。この液晶ポリマーを配向膜上に膜状に積層することでコレステリック樹脂層を得ることができる。
前記スペーサー部としては、ポリメチレン鎖やポリオキシメチレン鎖等が挙げられる。スペーサー部を形成する構造単位に含まれる炭素数は、メソゲン部の化学構造等により適宜に決定され、一般にはポリメチレン鎖の場合には、1〜20、好ましくは2〜12であり、ポリオキシメチレン鎖の場合には、炭素数が1〜10、好ましくは1〜3である。
さらに、アゾメチン形、アゾ形、アゾキシ形、エステル形、ビフェニル形、フェニルシクロヘキサン形、ビシクロヘキサン形のようなパラ置換芳香族単位やパラ置換シクロヘキシル単位等からなるネマチック配向性を付与するパラ置換環状化合物を有するものに、不斉炭素を有する化合物等からなる適宜なカイラル成分や低分子カイラル剤等を導入する方法等により、コレステリック規則性を付与したもの(特開昭55-21479号公報、米国特許第5332522号等を参照)も挙げることができる。なお、パラ置換環状化合物におけるパラ位の末端置換基としては、シアノ基やアルキル基、アルコキシル基等が挙げられる。
液晶ポリマーに導入または含有させるカイラル剤としては、従来公知のものを使用することができる。例えば、特開平6-281814号公報に記載されたカイラルモノマー、特開平8-209127号公報に記載されたカイラル剤、特開2003-131187号公報に記載の光反応型カイラル化合物等が挙げられる。
またカイラル剤としては、カイラル剤の添加によって意図しない相転移温度の変化を避けるために、カイラル剤自身が液晶性を示すものが好ましい。さらに、経済性の観点からは、液晶ポリマーを捩じる効率を表す指標であるHTP(=1/P・c)の大きなものが好ましい。ここで、Pはヘリカル構造のピッチ長を表し、cはカイラル剤の濃度を表す。
コレステリック樹脂層を形成する好適な材料として、重合性液晶化合物を含有する重合性組成物、好ましくは重合性液晶化合物、重合開始剤、及びカイラル剤を含有する重合性組成物が挙げられる。この材料を用いてコレステリック樹脂層を形成する方法の例としては、重合性液晶化合物、重合開始剤及びカイラル剤、さらに必要に応じて界面活性剤、配向調整剤等を溶剤に溶解させた塗布液を得、これを基材に膜状に積層し、乾燥させ、その乾燥させた膜を重合させる方法がある。
前記重合性液晶化合物としては、棒状液晶化合物が好ましく用いられる。
棒状液晶化合物としては、式(1)で表される化合物を挙げることができる。
R1-B1-A1-B3-M-B4-A2-B2-R2 式(1)
なお、式(1)中のA1及びA2は、後述するようにスペーサー基であるが、このスペーサー基を省いて、直接にB1とB3又はB4とB2が結合していてもよい。
前記重合開始剤には、熱重合開始剤と光重合開始剤とがあるが、重合反応が速いことから光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては、多核キノン化合物(米国特許3046127号公報、同2951758号公報)、オキサジアゾール化合物(米国特許4212970号公報)、α-カルボニル化合物(米国特許2367661号公報、同2367670号公報)、アシロインエーテル(米国特許2448828号公報)、α-炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号公報)、トリアリールイミダゾールダイマーとp-アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号公報)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60-105667号公報、米国特許4239850号公報)などが挙げられる。
前記重合性組成物に含有させるカイラル剤としては、特開2003-66214号公報、特開2003-313187号公報、米国特許第6468444、WO98/00428等に掲載されるものを適宜使用することが出来るが、液晶化合物を捩じる効率を表す指標であるHTPの大きなものが経済性の観点から好ましい。HTPは、式:HTP=1/P・cで表される。ここで、Pはヘリカル構造のピッチ長を表し、cはカイラル剤の濃度を表す。また、カイラル剤の添加による意図しない相転移温度の変化を避けるために、カイラル剤自身が液晶性を示すものを用いることが好ましい。
前記塗布液および重合前の前記塗布液の膜の表面張力を調整するために界面活性剤を使用し得る。特に好ましくはノニオン系の界面活性剤であり、分子量が数千程度のオリゴマーであることが好ましい。このような界面活性剤としては、セイミケミカル社製KH-40等が挙げられる。
λ=n×P×cosθ2 式(2)
従って、ピッチ長Pのコレステリック樹脂層で反射される円偏光の反射帯域は、式(3)で表される。
no×P×cosθ2≦λ≦ne×P×cosθ2 式(3)
ここで、n=(ne+no)/2(式中、noは重合性液晶化合物の短軸方向の屈折率を表し、neは重合性液晶化合物の長軸方向の屈折率を表し、Pはヘリカル構造のピッチ長を表す。)である。
レターデーションR0、及びR40は、高速分光エリプソメーター〔J.A.Woolam社、M−2000U〕を用いて、波長550nmの光を、AまたはBの位置からから入射させて測定した値である。
なお部及び%は特に断りのない限り重量基準である。
本実施例における評価は、以下の方法によって行う。
(1)厚さ
スナップゲージ(ミツトヨ社製、ID−C112BS)を用いて、二軸性光学異方板の幅方向に5cm間隔で厚みを測定して平均値を求める。
(2)屈折率
温度20℃、湿度60%の条件下で、高速分光エリプソメーター〔J.A.Wooolam社製、M−2000U〕を用いて、波長550nmにおいて二軸性光学異方板の面内の遅相軸方向の屈折率nxi、面内で遅相軸に垂直な方向の屈折率nyi、厚さ方向の屈折率nziを、二軸性光学異方板の幅方向に等間隔で10点測定して平均値を求める。
(3)レターデーションR0、及びR40
温度20℃、湿度60%の条件下で、高速分光エリプソメーター〔J.A.Wooolam社製、M−2000U〕を用いて、波長550nmの光において、光学積層板の幅方向に等間隔で10点測定し、平均値を算出する。
(4)レターデーションRe450、及びRe550
温度20℃、湿度60%の条件下で、高速分光エリプソメーター〔J.A.Wooolam社製、M−2000U〕を用いて、波長450nm、及び波長550nmの光において、二軸性光学異方板の幅方向に等間隔で10点測定し、平均値Re450、及び平均値Re550を算出する。
(円偏光反射板1の作製)
ノルボルネン系重合体からなる、光学的に等方性のフィルム(日本ゼオン社製、商品名「ゼオノアフィルムZF14」、厚み100μm)を透明基材として用いた。この透明基材の両面を濡れ指数が56dyne/cmになるようにプラズマ処理した。ポリビニルアルコール5部及び水95部からなる配向膜用組成物を透明基材の片面に塗布し、乾燥して、膜を形成した。次いで、透明基材の長手方向に平行な方向に、フェルトのロールでラビングして、平均厚さ0.1μmの配向膜を得た。
円偏光反射板1の断面をSEM観察したところ、コレステリック樹脂層の螺旋ピッチ(ヘリカルピッチ)は470nmであった。
(二軸性光学異方板2Aの作製)
ノルボルネン系重合体からなる、厚さ100μmの光学的に等方性のフィルム(日本ゼオン社製、商品名「ゼオノアフィルムZF14」)をテンター延伸機を使用して、延伸温度138℃、縦延伸倍率1.41倍、横延伸倍率1.41倍で同時二軸延伸を行い、さらに、そのフィルムの片面をコロナ処理(該フィルムの片面を、高周波発信機(春日電機社製 高周波電源AGI−024)を用いて、出力0.8KWでコロナ放電処理して、フィルムの表面張力を0.072N/mとする処理)して、厚み50μmの二軸性光学異方板2Aを得た。
得られた二軸性光学異方板1の屈折率は、nx=1.53137、ny=1.53037、nz=1.52827であった。また、二軸性光学異方板2AのRe450/Re550は1.01であった。
(二軸性光学異方板2Bの作製)
延伸温度を134℃とした他は製造例2と同様にして、厚み50μmの二軸性光学異方板2Bを得た。
得られた二軸性光学異方板2Bの屈折率は、nx=1.53213、ny=1.53073、nz=1.52713であった。また、二軸性光学異方板2BのRe450/Re550は1.01であった。
(偏光子の作製)
厚さ75μmのPVAフィルム(クラレ社製、ビニロン#7500)をチャックに装着しヨウ素0.2g/l、ヨウ化カリウム60g/lからなる水溶液中に30℃にて240秒間浸漬した。次いでホウ酸70g/l、ヨウ化カリウム30g/lの組成の水溶液中で6.0倍に一軸延伸し5分間ホウ酸処理を行った。最後に室温で24時間乾燥することにより、平均厚さ30μmで、偏光度99.97%の偏光子を得た。
(光学積層板3Aの作製)
偏光子の保護フィルム(出射側偏光子の両面の保護フィルム、及び入射側偏光子の光源側の面の保護フィルム)として、トリアセチルセルロースフィルム(コニカミノルタ社製、商品名「KC8UX2M」)を準備した。そして、このフィルムの片面をケン化処理(該フィルムの片面に、1.5規定水酸化カリウムのイソプロピルアルコール溶液を25ml/m2塗布し、25℃で5秒間乾燥した後、流水で10秒洗浄し、次いで25℃の空気を吹き付ける処理)して、トリアセチルセルロースフィルムFを得た。
そして、該トリアセチルセルロースフィルムF、VAモードの液晶セル(厚さ2.74μm、誘電異方性が正、波長550nmでの複屈折差Δn=0.09884、プレチルト角90度)、及び製造例2で得られた二軸性光学異方板2Aを、この順に積層して、光学積層板3Aを作製した。
得られた光学積層板3Aの|R40−R0|は、22nmであった。
製造例4で得られた偏光子の両面に上記トリアセチルセルロースフィルムFをポリビニルアルコール系接着剤を用いて貼り合わせて、出射側偏光板4Aを作製した。このとき、トリアセチルセルロースフィルムFのケン化処理面が該偏光子に向くようにした。
また、製造例4で得られた偏光子の一方の面に上記トリアセチルセルロースフィルムFを、もう一方の面に製造例2で得られた二軸性光学異方板2Aを、貼り合わせて、入射側偏光板5Aを作製した。このとき、トリアセチルセルロースフィルムFのケン化処理面が該偏光子に向くようにし、且つ、二軸性光学異方板2Aのコロナ処理面が該偏光子に向くようにした。
図2に示す発光スペクトルを有する光源装置の上に、製造例1で得られた円偏光反射板1、上記入射側偏光板5A(入射側偏光子5aの両面に保護フィルムが貼り合わせられている)、上記VAモードの液晶セル、及び上記出射側偏光板4A(出射側偏光子4aの両面に保護フィルムが貼り合わせられている)を、この順に積層して、図5に示す構成の液晶表示装置Aを作製した。なお、図5の矢印は、偏光子については偏光透過軸を、二軸性光学異方板については遅相軸を表す。
このとき、入射側偏光板5Aの二軸性光学異方板2Aが液晶セルに向くように配置した。また、出射側偏光子4aの偏光透過軸と入射側偏光子5aの偏光透過軸とが垂直となるようにした。さらに、二軸性光学異方板2Aの面内の遅相軸と入射側偏光子5Aの偏光透過軸とが平行となるようにした。
得られた液晶表示装置Aの観察角度による色度変化を目視評価したところ、液晶表示装置Aの表示画像は、表示画面の左右0〜80度の範囲でほとんど色度変化が認められなかった。
(光学積層板3Bの作製)
製造例3で得られた二軸性光学異方板2B(二軸性光学異方板2b1と称す)、VAモードの液晶セル(厚さ2.74μm、誘電異方性が正、波長550nmでの複屈折差Δn=0.09884、プレチルト角90度)、製造例3で得られた二軸性光学異方板2B(二軸性光学異方板2b2と称す)を、この順に積層して、光学積層板3Bを作製した。
このとき、二軸性光学異方板2b1の遅相軸と、二軸性光学異方板2b2の遅相軸とが垂直になるように配置した。
得られた光学積層板3Bの|R40−R0|は19nmであった。
製造例4で得られた偏光子の一方の面に上記トリアセチルセルロースフィルムFを、もう一方の面に製造例3で得られた二軸性光学異方板2b1を、貼り合わせて、出射側偏光板4Bを作製した。このとき、トリアセチルセルロースフィルムFのケン化処理面が該偏光子に向くようにし、且つ、二軸性光学異方板2b1のコロナ処理面が該偏光子に向くようにした。
また、製造例4で得られた偏光子の一方の面に上記トリアセチルセルロースフィルムFを、もう一方の面に製造例3で得られた二軸性光学異方板2b2を、貼り合わせて、入射側偏光板5Bを作製した。このとき、トリアセチルセルロースフィルムFのケン化処理面が該偏光子に向くようにし、且つ、二軸性光学異方板2b2のコロナ処理面が該偏光子に向くようにした。
図2に示す発光スペクトルを有する光源装置の上に、製造例1で得られた円偏光反射板1、入射側偏光板5B(入射側偏光子5bの両面に保護フィルムが貼り合わせられている)、上記VAモードの液晶セル、及び出射側偏光板4B(出射側偏光子4bの両面に保護フィルムが貼り合わせられている)を、この順に積層して、図6に示す構成の液晶表示装置Bを作製した。なお、図6の矢印は、偏光子については偏光透過軸を、二軸性光学異方板については遅相軸を表す。
このとき、出射側偏光板4Bの二軸性光学異方板2b1が液晶セルに向くように、且つ、入射側偏光板5Bの二軸性光学異方板2b2が液晶セルに向くように、配置した。また、出射側偏光子4bの偏光透過軸と入射側偏光子5bの偏光透過軸とが垂直となるようにした。さらに、該二軸性光学異方板2b1の面内の遅相軸と出射側偏光子4bの偏光透過軸とが平行、且つ、該二軸性光学異方板2b2の面内の遅相軸と入射側偏光子5bの偏光透過軸とが平行となるようにした。
得られた液晶表示装置Bの観察角度による色度変化を目視評価したところ、液晶表示装置Bの表示画像は、表示画面の左右0〜80度の範囲でほとんど色度変化が認められなかった。
ノルボルネン系重合体からなる未延伸フィルム(日本ゼオン社製、商品名「ゼオノアフィルムZF14」、厚み100μm)を用いて、実施例1と同様に光線透過率を測定した。選択反射帯域は確認されず、平行化された白色光を入射角0度で入射した場合の波長600〜700nmの光の平均透過率は90%であった。平行化された白色光を入射角60度で入射した場合の波長600〜700nmの光の平均透過率は82%(入射角0度における波長600〜700nmの光の平均透過率の0.91倍)であった。
実施例1で用いた円偏光反射板1に代えて、この未延伸フィルムを用いた他は、実施例1と同様にして、図7に示す構成の液晶表示装置Cを作製し、観察角度による色度変化を目視評価した。得られた液晶表示装置Cは、その表示画面の左右に60度以上傾けた方向から観察すると、画像が全体に薄赤色を呈していた。
2:配向膜
3:コレステリック樹脂層
4:コレステリック樹脂層の螺旋軸
Claims (5)
- 出射側偏光子の両面に保護フィルムを有する出射側偏光板、液晶セル、入射側偏光子の両面に保護フィルムを有する入射側偏光板、光源、をこの順に有するバーティカルアライメントモードの液晶表示装置において、
該出射側偏光子と該液晶セルとの間、または該入射側偏光子と該液晶セルとの間に、1枚または2枚の二軸性光学異方板を有し、
該入射側偏光子と該光源との間に、光学素子を有し、
二軸性光学異方板の面内方向の主屈折率をnx、ny、及び厚さ方向の主屈折率をnzとしたとき、二軸性光学異方板の全てがnx>ny>nzの関係を満たし、
該出射側偏光板の該液晶セル側の保護フィルム、該入射側偏光板の該液晶セル側の保護フィルム、該二軸性光学異方板の全て、及び該液晶セルとを積層してなる光学積層板において、電圧無印加時に波長550nmの光が入射角0度で入射したときのレターデーションをR0、波長550nmの光が入射角40度で入射したときのレターデーションをR40としたときに、|R40−R0|≦35nmの関係を満たし、
該光学素子が、
(A)入射角0度における光を反射する波長帯域の下限λLが、該光源が発する光の中で600〜700nmの波長帯域で最大発光強度を示す光の波長λR1よりも長く、
(B)入射角0度における波長600〜700nmの光の平均透過率が60%以上であり、且つ、
(C)入射角60度における波長600〜700nmの光の平均透過率が、入射角0度における波長600〜700nmの光の平均透過率の0.3倍以上0.9倍以下である、
液晶表示装置。 - 前記光学素子が、
(D)入射角60度における波長600〜700nmの光の平均透過率が20%以上80%以下である、請求項1に記載の液晶表示装置。 - 前記光学素子が、コレステリック規則性を持つ樹脂層を有し、
該樹脂層のヘリカルピッチが400nm以上である、請求項1〜2のいずれかに記載の液晶表示装置。 - 波長450nm、及び波長550nmの光が入射角0度で入射したときの、前記二軸性光学異方板の面内方向のレターデーションをそれぞれRe450、及びRe550としたとき、0.9≦Re450/Re550≦1.05の関係を満たす、請求項1〜3のいずれかに記載の液晶表示装置。
- 前記光源が、発光ダイオード、及びエレクトロルミネセンスから選択されるものである、請求項1〜4のいずれかに記載の液晶表示装置。
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