JP4342821B2 - 光学素子、液晶セル、照明装置および液晶表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射偏光子を利用した集光素子に係わる光学素子に関する。また本発明は、当該光学素子を用いた、液晶セル、照明装置および液晶表示装置に関する。本発明の光学素子は、光源より出射された拡散光の光利用効率に優れており、高輝度の偏光光源や良好な視認性を有する液晶表示装置を形成しうる。
【0002】
【従来の技術】
従来より、液晶表示装置の視認性向上などの観点から、光源より出射された光を効率的に液晶表示装置などに入射するために、プリズムシートやレンズアレイシート等の表面形状による集光素子などによって出射光を正面方向へ集光し輝度を向上する技術が一般的に用いられている。
【0003】
しかし、これらの表面形状による集光素子を用いた集光の場合には、原理上大きな屈折率差が必要であるため空気層を介して設置する必要がある。そのため、部品点数の増加や不必要な散乱による光損失、さらには表面傷や設置隙間への異物の混入が視認されやすい等の問題を有していた。
【0004】
また偏光の出射輝度を向上する技術として、導光板の下面に反射層を設けて、出射面側に反射偏光子を設ける照明システムが提案されている。ここで言う反射偏光子とは、入射した自然光の光線成分を偏光状態によって透過偏光と反射偏光に分離する機能を有するものである。また反射偏光子は、直線偏光を分離する直線偏光型反射偏光子と、円偏光を分離する円偏光型反射偏光子に大別される。
【0005】
直線偏光型反射偏光子としては、蒸着多層膜による偏光ビームスプリッター(Melles Griot社扱い偏光キューブビームスプリッター等)、複屈折多層膜(スリーエム社製のD−BEF等)やグリッド偏光子(Moxtek社製等)等が知られている。これら直線偏光反射型偏光子は特定方向の直線偏光を透過し、それと直交する方向の直線偏光を反射する。
【0006】
円偏光反射型偏光子としてはコレステリック液晶を用いたもの(Merck社製のTransMax,日東電工社製のNIPOCS等)が知られている。
【0007】
これらの反射偏光子を用いて透過した偏光を液晶表示装置に入射させ、吸収型偏光子による吸収損失を低減し、一方、分離された偏光反射光を下面側の反射層を介して反射させ出射面より再出射させることで再利用する照明システムが提案されている。例えば、コレステリック液晶を用いた円偏光型反射偏光子を利用したもの(たとえば、特許文献1、特許文献2参照。)、また直線偏光型反射偏光子を利用したもの(たとえば、特許文献3、特許文献4、特許文献5参照。)がある。
【0008】
しかし、これら反射偏光子の偏光反射を利用した輝度向上システムは、拡散性の強い光源に適用した場合には、プリズムシートやレンズアレイシート等の表面形状による集光素子に比べて、十分な効果が得にくいという問題点があった。
【0009】
これらの問題点を解決するために、選択反射中心波長の相違が20nm以内で略一致した円偏光型反射偏光子間に、偏光状態を変化させる素子を挟み込んだ光学素子が提案されている(特許文献6参照。)。かかる光学素子は、偏光状態により光線の入射角に対して透過率/反射率が変化するものであり、表面形状によらず機能するため、他の光学素子と貼り合わせて用いることができる。
【0010】
しかし、この種の光学素子では極めて大きな入射角の斜め入射光線に対して機能させる場合には、可視光領域より長大な赤外波長帯域までの反射偏光機能を必要とした。
【0011】
コレステリック液晶の選択反射はBragg反射であり、
選択反射中心波長:λ=npcos {sin-1(sinθ/n)}
n=コレステリック液晶の平均屈折率、p=コレステリック液晶のピッチ長、θ=入射角
であるため、斜めに入射すると垂直入射する場合より短波長側に反射波長帯域がシフトする。このため斜め入射光線を有効にカットするには長波長域で反射偏光機能を有する必要がある。
【0012】
一方、直線偏光型反射偏光子はBrewster角による偏光分離であり、
選択反射中心波長:λi =λo (ne 2 −sin2 i)1/2 /ne
i=入射角、ne =フィルターの屈折率、λo =垂直入射時の中心波長
λi=入射角iの時の中心波長、
であり、コレステリック液晶(円偏光型反射偏光子)の場合と同様に、斜めに入射すると垂直入射する場合より短波長側に反射波長帯域がシフトする。このため斜め入射光線を有効にカットするには長波長域で反射偏光機能を有する必要がある。
【0013】
単純に考えれば、前記光学素子における各反射偏光子の反射波長帯域を拡張することで斜め入射光線を反射することは可能である。しかし、反射偏光子間に挿入する偏光状態を変化させる光学素子の設計難易度が向上してしまう。すなわち、円偏光型反射偏光子の場合、可視光領域で作動する光学層そのものが斜め入射光線の入射時には位相差板として機能するため、透過光線の偏光特性への影響が波長ごとに異なるなどの反射偏光子そのものが複雑な挙動を示し、波長分散効果を補償する必要が生じる等、設計の複雑化と必要特性の把握が難解であることが問題となっている。
【0014】
上記の他に、短波長に反射波長帯域を有する示す光学機能層は長波長側の入射光線に対して位相差層として機能することが開示されている(特許文献6、特許文献7等参照。)。この特性を用いて反射偏光子間に挿入する偏光特性を変化させる光学素子を反射偏光子そのもので機能せしめることは可能である。しかし、垂直入射時の反射偏光子として基本的に必要な機能と、斜め入射時の位相差層としての機能を両立せしめることは難しく、斜め入射光線の遮蔽効率を高めることは困難であった。
【0015】
また直線偏光型反射偏光子の場合には、透過軸/反射軸方向に起因する異方性を有する視野角特性が発生し、等方的な変化を生じにくい特徴を有することから、斜め方向での補償設計の難易度が高いということが問題である。
【0016】
このように円偏光型および直線偏光型のいずれの反射偏光子も、斜め方向での遮蔽能力が不足しており、長波長側の赤色の抜け光線により赤の着色が視認される。したがって、長波長域の斜め方向への遮蔽効果を高める必要があった。しかし、長波長域の位相差補償のためには分散の問題から短波長と比較して大きな位相差が必要であり、この補償設計は難易度が高かった。
【0017】
【特許文献1】
特開平3−45906号公報
【0018】
【特許文献2】
特開平6−324333号公報
【0019】
【特許文献3】
米国特許第5486949号明細書
【0020】
【特許文献4】
米国特許第5612820号明細書
【0021】
【特許文献5】
米国特許第5872653号明細書
【0022】
【特許文献6】
特開平10−321025号公報
【0023】
【特許文献7】
特開2002−258048号公報
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、正面輝度に寄与する垂直入射光線の透過偏光特性を害することなく、長波長域を含む、斜め方向の透過光線を効率的に光源側に反射し、かつその反射偏光を正面輝度の向上に寄与しうる光に変換しうる光学素子を提供することを目的とする。
【0025】
また本発明は、当該光学素子を用いた、液晶セル、照明装置および液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、下記光学素子を見出し本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、下記の通りである。
【0028】
本発明は、少なくとも1種の直交する直線偏光の内の一方を透過し、他方を選択的に反射する直線偏光型反射偏光子(a2)が少なくとも2層以上積層されており、かつ、直線偏光型反射偏光子(a2)の間には、偏光特性を変化させる位相差層(b)が少なくとも1層以上積層されており、直線偏光型反射偏光子と位相差層との組み合わせにより、入射光線の入射角によって入射光線の透過率が異なり、遮蔽された光線は吸収されずに反射するように設計された集光素子(A)に、法線方向の可視光領域の入射光に対しては透過特性を有し、680nm以上の波長領域に反射波長帯域を有し、法線方向に対する入射角が大きくなるにしたがい、反射波長帯域が短波長側に変化する赤外反射層(B)が配置された光学素子に関する。集光素子(A)の位相差層(b)は、正面位相差(法線方向)がほぼゼロで、法線方向に対し30°以上傾けて入射した入射光に対してλ/4以上の位相差値を有する層(b2)を有し、位相差層(b2)の両側には、直線偏光型反射偏光子との間に、正面位相差が略λ/4である層(b3)を有し、入射側の層(b3)は、入射側の直線偏光型反射偏光子(a2)の偏光軸45°(−45°)±5°の角度で配置されており、出射側の層(b3)は、出射側の直線偏光型反射偏光子(a2)の偏光軸−45°(+45°)±5°の角度で配置されている。
【0033】
本発明の光学素子の一実施形態においては、直線偏光型反射偏光子(a2)が、グリッド型偏光子である。
【0034】
本発明の光学素子の一実施形態においては、直線偏光型反射偏光子(a2)が、屈折率差を有する2種以上の材料による、2層以上の多層薄膜積層体である。
【0035】
本発明の光学素子の一実施形態においては、前記多層薄膜積層体が蒸着多層薄膜である。
【0036】
本発明の光学素子の一実施形態においては、直線偏光型反射偏光子(a2)が、複屈折を有する2種以上の材料による、2層以上の多層薄膜積層体である。
【0037】
本発明の光学素子の一実施形態においては、多層薄膜積層体が、複屈折を有する2種以上の樹脂を用いた、2層以上の樹脂積層体を延伸したものである。
【0039】
本発明の光学素子の一実施形態においては、赤外反射層(B)が、法線方向に対し45°以上傾けて入射した入射光に対して可視光領域に反射波長帯域を有し、45°傾けて入射したときの波長710nmの光線透過率が10%以下であり、
かつ反射波長帯域幅が50nm以上を有する。
【0040】
本発明の光学素子の一実施形態においては、赤外反射層(B)が、法線方向に対し45°以上傾けて入射した入射光に対して可視光領域に反射波長帯域を有し、45°傾けて入射したときの波長640nmの光線透過率が10%以下であり、
かつ反射波長帯域幅が50nm以上を有する。
【0041】
本発明の光学素子の一実施形態においては、赤外反射層(B)が、法線方向に対し45°以上傾けて入射した入射光に対して可視光領域に反射波長帯域を有し、45°傾けて入射したときの波長610nmの光線透過率が10%以下であり、
かつ反射波長帯域幅が50nm以上を有する。
【0042】
本発明の光学素子の一実施形態においては、赤外反射層(B)が、多層膜干渉フィルターである。
【0043】
本発明の光学素子の一実施形態においては、多層膜干渉フィルターが、屈折率の異なる2種以上の材料による、2層以上の蒸着無機酸化物多層薄膜である。
【0044】
本発明の光学素子の一実施形態においては、多層膜干渉フィルターが、屈折率の異なる2種以上の樹脂による、2層以上の多層延伸フィルムである。
【0045】
本発明の光学素子の一実施形態においては、多層押出し膜の2軸延伸フィルムである。
【0046】
本発明の光学素子の一実施形態においては、1軸延伸フィルムの光軸が直交するように積層された積層体である。
【0047】
本発明の光学素子の一実施形態においては、多層膜干渉フィルターが、屈折率の異なる樹脂の多層積層塗工薄膜である。
【0048】
本発明の光学素子の一実施形態においては、多層膜干渉フィルターが、コレステリック液晶の円偏光型反射板の右捻れ品と左捻れ品の積層物である。
【0049】
本発明の光学素子の一実施形態においては、多層膜干渉フィルターが、同一捻れ方向のコレステリック液晶の円偏光型反射板を1/2波長板を介して積層したものである。
【0050】
本発明は、液晶セルの両側に偏光板が配置されており、液晶セルの光源側面の偏光板側には、さらに上記の光学素子が、その集光素子(A)側が光源側面の偏光板側になるように配置されていることを特徴とする液晶セルに関する。
【0051】
本発明は、バックライトの出射面側に、上記の光学素子が、その赤外反射層(B)側がバックライトの出射面側になるように配置されていることを特徴とする照明装置に関する。
【0052】
本発明は、液晶セルの両側に偏光板が配置されており、液晶セルの光源側面の偏光板側には、さらに上記の光学素子が、その集光素子(A)側が光源側面の偏光板側になるように配置されており、赤外反射層(B)側がバックライトの出射面側になるように配置されていることを特徴とする液晶表示装置に関する。
【0053】
(作用効果)
上記発明では、特許文献6等に記載された正面方向に可視光線透過特性を有する集光素子(A)により、正面輝度に寄与する垂直入射光線の透過偏光特性を保持している。また、赤外反射層(B)を配置することで、補償が困難な斜め方向の長波長域の入射光線についても効率よく遮蔽することができる。すなわち、斜め方向の漏れだし透過光線についても効率的に遮蔽して、これを光源側に反射し、かつその反射偏光を正面輝度の向上に寄与しうる光に変換することができる。そのため、斜め方向の赤色の抜け光線による赤の着色による色づきを低減できる。
【0054】
また、赤外反射層(B)は、吸収損失が少ない特性を有している。したがって、光源ランプの熱が液晶セルに伝播し特性劣化・寿命短縮などのトラブルを引き起こす危険性を低減でき、液晶表示装置の信頼性向上にも高い効果を有している。
【0055】
サイドライト型バックライトの場合には冷陰極管が配置された辺に近い領域が温度上昇し、液晶表示装置の色調が一時的に変わるだけでなく経時劣化速度が面内で異なるために表示品位が部分的に異なり、視認される問題があった。TVに多く用いられる直下型バックライトでは液晶面直下に冷陰極管が存在する部分と、その間とでは温度分布が異なり、同様な問題を生じていた。これらの問題を本発明では色調変化の低減と同時に解消可能であり、液晶表示装置の表示品位向上のために大きな効果を得ることができる。
【0056】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照しながら本発明を説明する。図1は、反射偏光子(a)が、2層積層されており、これらの組み合わせにより、入射光線の入射角によって入射光線の透過率が異なり、遮蔽された光線は吸収されずに反射するように設計された集光素子(A)に、上記赤外反射層(B)を配置した光学素子の断面図である。
【0057】
上記図1に示す集光素子(A)は、反射偏光子(a)として、直交する直線偏光の内の一方を透過し、他方を選択的に反射する直線偏光型反射偏光子(a2)を用いる。
【0058】
図2は、2層の反射偏光子(a)の間に、偏光特性を変化させる少なくとも1種以上の位相差層(b)が積層されており、これらの組み合わせにより、入射光線の入射角によって入射光線の透過率が異なり、遮蔽された光線は吸収されずに反射するように設計された集光素子(A)に、上記赤外反射層(B)を配置した光学素子の断面図である。以下、図2に示す光学素子について説明する。
【0059】
上記図2に示す集光素子(A)は、特許2561483号公報や特許文献6(特開平10−321025号公報)等に記載されているように、垂直入射方向の位相差値と斜め入射方向の位相差値が特異的に異なるように制御された位相差層(b)を、反射偏光子(a)間に挿入すると透過光線の角度分布は制約を受け、吸収型偏光子を用いれば正面近傍のみ光線が透過し、周辺光線は全て吸収される。一方、反射偏光子(a)を用いれば、正面近傍のみ光線が透過し、周辺光線は全て反射される。このような理論を用いればバックライトの出射光線を吸収損失を伴うことなく集光化・平行光化することが可能である。
【0060】
集光性と輝度向上の同時発現のメカニズムについて、本発明を、以下理想的なモデルで説明すると以下のようになる。
【0061】
光源より出射された自然光は、1枚目の反射偏光子(a)によって透過偏光と偏光反射に分離される。そして、透過した偏光は、配置された正面位相差(法線方向)がほぼゼロで、法線方向に対し30°以上傾けて入射した入射光に対してはλ/8以上の位相差を有する位相差層(b)によって、透過した偏光の法線方向付近の角度の光は、2枚目の反射偏光子(a)の透過する偏光であるためそのまま透過する。法線方向から傾いた角度では、位相差によって偏光状態が変化し、2枚目の反射偏光子(a)で反射される偏光成分が増加し、反射される。特に位相差がλ/2程度の時に効果的に反射される。反射された偏光は再び位相差を受け偏光状態が変化し1枚目の反射偏光子(a)の透過する偏光となるため、1枚目の偏光反射を透過して光源部へと戻される。1枚目の反射偏光子(a)による反射光および2枚目の反射偏光子(a)による反射光は光源の下に設けられた拡散反射板などによって偏光解消するとともに光線方向が曲げられる。戻った光の一部は法線方向付近の反射偏光子の透過する偏光となるまで反射を繰り返し輝度向上に貢献する。
【0062】
反射偏光子(a)として、円偏光型反射偏光子(a1)を用いた本願の参考例の場合は、図3に示すように、位相差層(b)として、正面位相差(法線方向)がほぼゼロで、法線方向に対し30°以上傾けて入射した入射光に対してλ/8以上の位相差値を有する層(b1:以下Cプレートとも呼ぶ)によって、方位角によらず偏光変換される。Cプレートの斜め入射光に対する位相差がλ/2程度の時には丁度入射光とは逆の円偏光となる。前記位相差は理想的にはλ/2が効果的であるが、λ/8以上としたのは、コレステリック液晶層自身が位相差を有するため、これを補正するためにはλ/8以上とする必要があるためである。
【0063】
また本願の参考例においては、図4に示すように、集光素子(A)の側には、さらにλ/4板が積層されていることが好ましい。
【0064】
反射偏光子(a)として、直線偏光型反射偏光子(a2)を用いた場合に、例えば、位相差層(b)として、Cプレートを単独で用いた場合には、Cプレートに斜め方向から入射する光線に対する光軸は常に光線方向と直交するため位相差が発現せず偏光変換されない。そのため、図5に示すように直線偏光を偏光軸と45°または−45°に遅相軸方向を有したλ/4板(b3)で円偏光に変換した後、逆円偏光にCプレートの位相差によって変換し、再び円偏光をλ/4板(b3)で2枚目の直線偏光型反射偏光子(a2)の透過方向の直線偏光へと変換すれば良い。
【0065】
2枚のλ/4板の間にCプレートを挟み込んだ構造のものを用いる代わりに、正面位相差がλ/4であり厚み方向位相差がλ/2以上であるような2軸性位相差フィルムを直交または平行で2枚積層したり、正面位相差がλ/2であり厚み方向位相差がλ/2以上であるような2軸性位相差フィルムを用いても同様の効果が期待できる。
【0066】
上記の法線方向で30°にて逆円偏光に変換される位相差層の場合、実質的には±15〜20度程度の範囲に透過光線は集中する。
【0067】
このようにして集光素子(A)は、薄型であり平行度の高い光源を容易に得られる。しかも本質的に吸収損失を有さない偏光反射による平行光化であるので、反射された非平行光成分はバックライト側に戻り、散乱反射し、その中の平行光成分だけが取り出されるリサイクルが繰り返され、実質的に高い透過率と高い光利用効率を得ることができる。
【0068】
(円偏光型反射偏光子(a1))
円偏光型反射偏光子(a1)としては、たとえば、コレステリック液晶材料が用いられる。輝度向上の観点よりは視感度の高い550nm付近の波長の光に対して、その全反射が達成されることが望ましく、少なくとも550nm±10nmの波長領域で反射偏光子の選択反射波長が重なっていることが望ましい。反射偏光子(a1)においては選択反射の中心波長はλ=npで決定される(nはコレステリック材料の屈折率、pはカイラルピッチ)斜め入射光に対しては、選択反射波長がブルーシフトするため、前記重なっている波長領域はより広い方が好ましい。更に、色付きの観点や、液晶表示装置などにおけるRGB対応の観点よりは可視光全波長領域380nm〜780nmにおいて反射波長帯域が重なっていることがより望ましい。かかる観点より反射偏光子は全く同一の組合せでも良いし、一方が可視光全波長で反射を有するもので、他方が部分的に反射するものでも良い。
【0069】
円偏光型反射偏光子(a1)がコレステリック材料の場合、異なるタイプ(右ねじれと左ねじれ)の組み合わせでも同様の考え方で正面位相差がλ/2で傾けると位相差がゼロまたはλであれば同様の偏光子が得られるが、傾斜する軸の方位角による異方性や色付きの問題が発生するため好ましくない。かかる観点より同じタイプ同士の組み合わせ(右ねじれ同士、左ねじれ同士)が好ましい。
【0070】
本発明において、円偏光型反射偏光子(a1)を構成するコレステリック液晶には、適宜なものを用いてよく、特に限定はない。例えば、高温でコレステリック液晶性を示す液晶ポリマー、または液晶モノマーと必要に応じてのキラル剤および配向助剤を電子線や紫外線などの電離放射線照射や熱により重合せしめた重合性液晶、またはそれらの混合物などがあげられる。液晶性はリオトロピックでもサーモトロピック性のどちらでもよいが、制御の簡便性およびモノドメインの形成しやすさの観点よりサーモトロピック性の液晶であることが望ましい。
【0071】
コレステリック液晶層の形成は、従来の配向処理に準じた方法で行うことができる。例えば、トリアセチルセルロースやアモルファスポリオレフィンなどの複屈折位相差が可及的に小さな支持基材上に、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等の膜を形成してレーヨン布等でラビング処理した配向膜、またはSiOの斜方蒸着層、または延伸処理による配向膜等上に、液晶ポリマーを展開してガラス転移温度以上、等方相転移温度未満に加熱し、液晶ポリマー分子がプラナー配向した状態でガラス転移温度未満に冷却してガラス状態とし、当該配向が固定化された固化層を形成する方法などがあげられる。
【0072】
液晶ポリマーの製膜は、例えば液晶ポリマーの溶媒による溶液をスピンコート法、ロールコート法、フローコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法等で薄層展開し、さらに、それを必要に応じ乾燥処理する方法などにより行うことができる。前記の溶媒としては、例えば塩化メチレン、シクロヘキサノン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフランなどを適宜に選択して用いることができる。
【0073】
また液晶ポリマーの加熱溶融物、好ましくは等方相を呈する状態の加熱溶融物を前記に準じ展開し、必要に応じその溶融温度を維持しつつ更に薄層に展開して固化させる方法などを採用することができる。当該方法は、溶媒を使用しない方法であり、従って作業環境の衛生性等が良好な方法によっても液晶ポリマーを展開させることができる。なお、液晶ポリマーの展開に際しては、薄型化等を目的に必要に応じて配向膜を介したコレステリック液晶層の重畳方式なども採ることができる。
【0074】
さらに必要に応じ、これらの光学層を成膜時に用いる支持基材/配向基材から剥離し、他の光学材料に転写して用いることもできる。
【0075】
(直線偏光型反射偏光子(a2))
直線偏光型反射偏光子(a2)としては、グリッド型偏光子、屈折率差を有する2種以上の材料による2層以上の多層薄膜積層体、ビームスプリッターなどに用いられる屈折率の異なる蒸着多層薄膜、複屈折を有する2種以上の材料による2層以上の複屈折層多層薄膜積層体、複屈折を有する2種以上の樹脂を用いた2層以上の樹脂積層体を延伸したもの、直線偏光を直交する軸方向で反射/透過することで分離するものなどがあげられる。
【0076】
例えばPEN、PET、PCに代表される延伸により位相差を発生する材料やPMMAに代表されるアクリル系樹脂、JSR製アートンに代表されるノルボルネン系樹脂等の位相差発現量の少ない樹脂を交互に多層積層体として一軸延伸して得られるものを用いることができる。
【0077】
(位相差層(b))
円偏光型反射偏光子(a1)の間に配置する位相差層(b1)は、正面方向の位相差がほぼゼロであり、法線方向から30°の角度の入射光に対してλ/8以上の位相差を有するものである。正面位相差は垂直入射された偏光が保持される目的であるので、λ/10以下であることが望ましい。
【0078】
斜め方向からの入射光に対しては効率的に偏光変換されるべく全反射させる角度などによって適宜決定される。例えば、法線からのなす角60°程度で完全に全反射させるには60°で測定したときの位相差がλ/2程度になるように決定すればよい。ただし、参考例における円偏光型反射偏光子(a1)による透過光は、反射偏光子自身のCプレート的な複屈折性によっても偏光状態が変化しているため、通常挿入されるCプレートのその角度で測定したときの位相差はλ/2よりも小さな値でよい。Cプレートの位相差は入射光が傾くほど単調に増加するため、効果的な全反射を30°以上のある角度傾斜した時に起こさせる目安として30°の角度の入射光に対してλ/8以上有すればよい。
【0079】
位相差層(b1)の材質は上記のような光学特性を有するものであれば、特に制限はない。例えば、可視光領域(380nm〜780nm) 以外に反射波長を有するコレステリック液晶のプラナー配向状態を固定したものや、棒状液晶のホメオトロピック配向状態を固定したもの、ディスコチック液晶のカラムナー配向やネマチック配向を利用したもの、負の1軸性結晶を面内に配向させたもの、2軸性配向したポリマーフィルムなどがあげられる。
【0080】
可視光領域(380nm〜780nm)以外に選択反射波長を有するコレステリック液晶のプラナー配向状態を固定したCプレートは、コレステリック液晶の選択反射波長としては、可視光領域に色付きなどがないことが望ましい。そのため、選択反射光が可視領域にない必要がある。選択反射はコレステリックのカイラルピッチと液晶の屈折率によって一義的に決定される。選択反射の中心波長の値は近赤外領域にあっても良いが、旋光の影響などを受けるため、やや複雑な現象が発生するため、350nm以下の紫外部にあることがより望ましい。コレステリック液晶層の形成については、前記した反射偏光子におけるコレステリック層形成と同様に行われる。
【0081】
ホメオトロピック配向状態を固定したCプレートは、高温でネマチック液晶性を示す液晶性熱可塑樹脂または液晶モノマーと必要に応じての配向助剤を電子線や紫外線などの電離放射線照射や熱により重合せしめた重合性液晶、またはそれらの混合物が用いられる。液晶性はリオトロピックでもサーモトロピック性のいずれでもよいが、制御の簡便性やモノドメインの形成しやすさの観点より、サーモトロピック性の液晶であることが望ましい。ホメオトロピック配向は、例えば、垂直配向膜(長鎖アルキルシランなど)を形成した膜上に前記複屈折材料を塗設し、液晶状態を発現させ固定することによって得られる。
【0082】
ディスコティック液晶を用いたCプレートとしては、液晶材料として面内に分子の広がりを有したフタロシアニン類やトリフェニレン類化合物のごとく負の1軸性を有するディスコティック液晶材料を、ネマチック相やカラムナー相を発現させて固定したものである。負の1軸性無機層状化合物としては、たとえば、特開平6−82777号公報などに詳しい。
【0083】
ポリマーフィルムの2軸性配向を利用したCプレートは、正の屈折率異方性を有する高分子フィルムをバランス良く2軸延伸する方法、熱可塑樹脂をプレスする方法、平行配向した結晶体から切り出す方法などにより得られる。
【0084】
直線偏光型反射偏光子(a2)の間に配置する位相差層(b2)は、正面方向の位相差がほぼゼロであり、法線方向から30°の角度の入射光に対してλ/4以上の位相差を有するものである。正面位相差は垂直入射された偏光が保持される目的であるので、λ/10以下であることが望ましい。位相差層(b2)は、上記位相差層(b1)と同様の材料によるCプレートを用いることができる。この場合にはλ/4板(b3)を用いて直線偏光を一度円偏光に変換した後に前述の円偏光板と同様な方法で平行光化することができる。
【0085】
また位相差層(b2)としては、正面位相差が約λ/4であり、Nz係数が2以上である2軸性位相差層の同じ2層を用い、入射側の層の遅層軸方向が、入射側の反射偏光子(a2)の偏光軸と45°(−45°)±5°の角度で、出射側の層は出射側の反射偏光子(a2)の偏光軸−45°(+45°)±5°の角度で配置して形成することができる。または、位相差層(b2)として、正面位相差が約λ/2であり、Nz係数が1.5以上である2軸性位相差層の同じ2層を用い、入射側の層の遅層軸方向が、入射側の反射偏光子(a2)の偏光軸と45°(−45°)±5°の角度で、出射側の層は出射側の反射偏光子(a2)の偏光軸−45°(+45°)±5°の角度で配置して形成することができる。これらの場合、2層の反射偏光子(a2)の軸は平行とする事によって同様な効果を持つ平行光化フィルムを得ることができる。約λ/4、約λ/2の位相差は、実質的にλ/4、λ/2の位相差を有していればよく、λ/4、λ/2±50nmの位相差であるのが好ましい。
【0086】
(赤外反射層(B))
赤外反射層(B)は、法線方向の可視光領域の入射光に対しては透過特性を有し、680nm以上の赤外域に反射波長帯域を有し、法線方向に対する入射角が大きくなるにしたがい、反射波長帯域が短波長側に変化するものである。
【0087】
法線方向の入射光に対する透過特性(420〜680nmの光線透過率は70%以上、さらには80%以上であるのが好ましい。
【0088】
かかる赤外反射層(B)は、法線方向に対し45°以上傾けて入射した入射光に対して可視光領域に反射波長帯域を有し、45°傾けて入射したときの波長610nmの光線透過率が10%以下であることが好ましい。すなわち、45°傾けて入射したときの波長610nm以上にて反射率を有することが好ましい。また、45°傾けて入射したときの波長640nmの光線透過率が10%以下であることがより好ましい。さらには、45°傾けて入射したときの波長710nmの光線透過率が10%以下であることが好ましい。
【0089】
なお、光線透過率は、分光光度計((株)村上色彩技術研究所製,Dot−3C)を用いて測定した値である。なお、透過率はJIS Z8701の2度視野(C光源)により視感度補整したY値である。
【0090】
また、反射波長帯域幅が50nm以上を有することが好ましい。反射波長帯域幅は、100nm以上がより好ましく、200nm以上がさらに好ましい。
【0091】
なお、反射波長帯域幅は、反射スペクトルを分光光度計(大塚電子株式会社製、瞬間マルチ測光システム MCPD−2000)にて測定し、最大反射率の半分の反射率を有する反射波長間を帯域幅とした。
【0092】
可視光領域の長波長側の端部は一般的に780〜830nm程度とされるが、液晶表示装置の光源装置として用いられる冷陰極管の発光輝線波長は610nm前後であることから、45°入射時にこの波長がカットされる赤外反射層(B)を用いれば実用上はおおよそ足りる。しかしながら、発光輝線は波長640nm程度まで裾野を引いており、冷陰極管種によっては波長710nm前後にサブピークを有するものもあるので、望ましくは45°入射時に波長610nmの光線透過率を10%以下にカットでき、より望ましくは45°入射時に波長640nmの光線透過率を10%以下にカットでき、さらには45°入射時に波長710nmの光線透過率を10%以下にカットできることが望まれる。
【0093】
図9乃至図11は、赤外反射層(B)の垂直(法線方向)入射時の反射波長(nm)と、斜め入射により反射波長が短波長側にシフトした反射波長(nm)の関係を示すグラフである。図9乃至図11に示すように、赤外反射層(B)に係わる反射波長の短波長側へのシフトは、表面平均屈折率の影響を受けるが、45°入射時に波長610nmをカットするには垂直入射時に波長680nm近辺で反射波長を有することが望まれる。45°入射時に波長640nmをカットするには垂直入射時に波長720nm近辺で反射波長を有することが望まれる。さらには45°入射時に波長710nmをカットするには垂直入射時に波長790nm近辺で反射波長を有することが望まれる。
【0094】
ただし、この垂直入射時の値は図9乃至図11に示すように表面屈折率の影響を大きく受けるので、空気界面を残して配置する場合、支持に用いる基材が光線入射側にあるか、出射側にあるか、または貼り合わせる場合はその対象の屈折率、積層に用いる接着材/粘着材の屈折率等の隣接界面の影響を大きく受ける。すなわち、上記垂直入射時の反射波長値はあくまでも代表値であって限定を受けるものではない。したがって、赤外反射層(B)は構成部材と構造を考慮し、随時必要な特性の光学素子を用いることができる。
【0095】
さらには、入射角80°程度の斜め入射光線において長波長光線が透過しないようにする場合について述べる。80°入射時に波長610nmをカットするには垂直入射時に波長780nm以上に反射波長を有することが望まれる。80°入射時に波長640nmをカットするには垂直入射時に波長820nm以上に反射波長を有することが望まれる。さらには、80°入射時に波長710nmをカットするには垂直入射時に波長900nm以上に反射波長を有することが望まれる。この垂直入射時の数値も上記と同様に計算によって算出される代表値である。実際の使用においては入射角が大きい場合には計算値から乖離が発生しうることに注意せねばならない。このことからも反射波長帯域幅そのものは広い方がより望ましい。
【0096】
さらにサイドライト型導光体では出射光線が正面より60°程度斜め方向に対して強く出射する傾向がある。これは導光板中を臨界反射にて伝播した光線が導光体表面の印刷・凹凸等の効果による臨界条件崩れから導光体外に出射する作動原理による。
【0097】
したがって、サイドライト型導光体を用いる場合には、特に斜め60°前後での波長610〜710nm帯域カットの確保が必要である。この場合も図9乃至図11から、45°入射時に610nmをカットする赤外反射層(B)が、60°入射時に波長610nmをカットする条件は、垂直入射時の反射波長帯域が680〜730nmの範囲であることが読みとれる。視野角特性を良好にするためには反射波長帯域が広いことが望ましく、広ければ広いほど好ましい。これらからも、少なくとも50nm程度の反射波長帯域幅を有することが好ましいことが分かる。
【0098】
このような入射角度に応じて透過率/反射率の特性が変化する赤外反射層(B)としては一般的に知られている多層膜干渉フィルターを用いることができる。多層膜干渉フィルターとしては、屈折率の異なる2種以上の材料による2層以上の蒸着無機酸化物多層薄膜(蒸着多層膜によるコールドフィルターの他)、屈折率の異なる樹脂の薄膜多層塗工膜、屈折率の異なる樹脂の多層押し出し膜の2軸延伸による赤外反射フィルム、複屈折率の異なる樹脂の押し出し膜の1軸延伸による赤外反射直線偏光フィルムを直交して2枚積層したもの、コレステリック液晶の円偏光反射板の選択反射波長帯域を赤外域としたものを右捻れ品と左捻れ品の積層としたものや、同一捻れ方向のコレステリック液晶の円偏光反射板を1/2波長板を介して積層したものなどがあげられる。
【0099】
(各層の積層)
前記各層の積層は、重ね置いただけでも良いが、作業性や、光の利用効率の観点より各層を接着剤や粘着剤を用いて積層することが望ましい。その場合、接着剤または粘着剤は透明で、可視光領域に吸収を有さず、屈折率は、各層の屈折率と可及的に近いことが表面反射の抑制の観点より望ましい。かかる観点より、例えば、アクリル系粘着剤などが好ましく用いうる。各層は、それぞれ別途配向膜状などでモノドメインを形成し、透光性基材へ転写などの方法によって順次積層していく方法や、接着層などを設けず、配向のために、配向膜などを適宜形成し、各層を順次直接形成して行くことも可能である。
【0100】
各層および(粘)接着層には、必要に応じて拡散度合い調整用に更に粒子を添加して等方的な散乱性を付与することや、紫外線吸収剤、酸化防止剤、製膜時のレベリング性付与の目的で界面活性剤などを適宜に添加することができる。
【0101】
(液晶表示装置)
上記集光素子(A)と赤外反射層(B)が積層された光学素子は、液晶セルの両側に偏光板が配置されている液晶表示装置に適用され、液晶セルの光源側面の偏光板側には、上記光学素子の集光素子(A)側が光源側面の偏光板側になるように配置され、赤外反射層(B)側がバックライトの出射面側になるように配置される。
【0102】
(拡散反射板の配置)
光源たる導光板の下側(液晶セルの配置面とは反対側)には拡散反射板の配置が望ましい。上記光学素子(平行光化フィルム)にて反射される光線の主成分は斜め入射成分であり、光学素子(平行光化フィルム)にて正反射されてバックライト方向へ戻される。ここで背面側の反射板が正反射性が高い場合には反射角度が保存され、正面方向に出射できずに損失光となる。従って反射戻り光線の反射角度を保存せず、正面方向へ散乱反射成分を増大させるため拡散反射板の配置が望ましい。
【0103】
(拡散板の配置)
本発明における光学素子(平行光化フィルム)とバックライト光源の間には適当な拡散板を設置することも望ましい。斜め入射し、反射された光線をバックライト導光体近傍にて散乱させ、その一部を垂直入射方向へ散乱せしめることで光の再利用効率が高まるためである。
【0104】
用いられる拡散板は表面凹凸形状による物の他、屈折率が異なる微粒子を樹脂中に包埋する等の方法で得られる。この拡散板は光学素子(平行光化フィルム)とバックライト間に挟み込んでも良いし、光学素子(平行光化フィルム)に貼り合わせてもよい。
【0105】
光学素子(平行光化フィルム)を貼り合わせた液晶セルをバックライトと近接して配置する場合、フィルム表面とバックライトの隙間でニュートンリングが生じる恐れがあるが、本発明における光学素子(平行光化フィルム)の導光板側表面に表面凹凸を有する拡散板を配置することによってニュートンリングの発生を抑制することができる。また、本発明における光学素子(平行光化フィルム)の表面そのものに凹凸構造と光拡散構造を兼ねた層を形成しても良い。
【0106】
偏光板より外側に視野角拡大フィルムを位置する場合には液晶層−偏光板まで平行光化された光線が透過するのでTN液晶セルの場合は特に視野角補償位相差板を用いなくともよい。STN液晶セルの場合には正面特性のみ良好に補償した位相差フィルムを用いるだけでよい。この場合には視野角拡大フィルムが空気表面を有するので表面形状による屈折効果によるタイプの採用も可能である。
【0107】
一方で偏光板と液晶層間に視野角拡大フィルムを挿入する場合には偏光板を透過する段階では拡散光線となっている。TN液晶の場合、偏光子そのものの視野角特性は補償する必要がある。この場合には偏光子の視野角特性を補償する位相差板を偏光子と視野角拡大フィルムの間に挿入する必要がある。STN液晶の場合にはSTN液晶の正面位相差補償に加えて偏光子の視野角特性を補償する位相差板を挿入する必要がある。
【0108】
従来から存在するマイクロレンズアレイフィルムやホログラムフィルムのように、内部に規則性構造体を有する視野角拡大フィルムの場合、液晶表示装置のブラックマトリクスや従来のバックライトの平行光化システムが有するマイクロレンズアレイ/プリズムアレイ/ルーバー/マイクロミラーアレイ等の微細構造と干渉しモアレを生じやすかった。しかし本発明における平行光化フィルムは面内に規則性構造が視認されず、出射光線に規則性変調が無いので視野角拡大フィルムとの相性や配置順序を考慮する必要はない。従って視野角拡大フィルムは液晶表示装置の画素ブラックマトリクスと干渉/モアレを発生しなければ特に制限はなく選択肢は広い。
【0109】
本発明においては視野角拡大フィルムとして実質的に後方散乱を有さない、偏光を解消しない、特開2000−347006号公報、特開2000−347007号公報に記載されているような光散乱板で、ヘイズ80%〜90%の物が好適に用いられる。その他、ホログラムシート、マイクロプリズムアレイ、マイクロレンズアレイ等、内部に規則性構造を有していても液晶表示装置の画素ブラックマトリクスと干渉/モアレを形成しなければ使用可能である。
【0110】
(その他の材料)
なお、液晶表示装置には、常法に従って、各種の光学層等が適宜に用いられて作製される。
【0111】
前記λ/4波長板は、使用目的に応じた適宜な位相差板が用いられる。1/4波長板は、2種以上の位相差板を積層して位相差等の光学特性を制御することができる。位相差板としては、ポリカーボネート、ノルボルネン系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレンやその他のポリオレフィン、ポリアリレート、ポリアミドの如き適宜なポリマーからなるフィルムを延伸処理してなる複屈折性フィルムや液晶ポリマーなどの液晶材料からなる配向フィルム、液晶材料の配向層をフィルムにて支持したものなどがあげられる。1/4波長板の厚さは、通常0.5〜200μmであることが好ましく、特に1〜100μmであることが好ましい。
【0112】
可視光域等の広い波長範囲で1/4波長板として機能する位相差板は、例えば波長550nmの淡色光に対して1/4波長板として機能する位相差層と他の位相差特性を示す位相差層、例えば1/2波長板として機能する位相差層とを重畳する方式などにより得ることができる。従って、偏光板と輝度向上フィルムの間に配置する位相差板は、1層又は2層以上の位相差層からなるものであってよい。
【0113】
偏光板は、通常、偏光子の片側または両側に保護フィルムを有するものが一般に用いられる。
【0114】
偏光子は、特に制限されず、各種のものを使用できる。偏光子としては、たとえば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等があげられる。これらのなかでもポリビニルアルコール系フィルムとヨウ素などの二色性物質からなる偏光子が好適である。これら偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的に、5〜80μm程度である。
【0115】
ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸した偏光子は、たとえば、ポリビニルアルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸することで作製することができる。必要に応じてホウ酸や硫酸亜鉛、塩化亜鉛等を含んでいてもよいヨウ化カリウムなどの水溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色の前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗してもよい。ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるほかに、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色した後に行っても良いし、染色しながら延伸してもよいし、また延伸してからヨウ素で染色してもよい。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液中や水浴中でも延伸することができる。
【0116】
前記偏光子の片面または両面に設けられる透明保護フィルムを形成する材料としては、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、等方性などに優れるものが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ジアセチルセルロースやトリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマーなどがあげられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系ないしはノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、または前記ポリマーのブレンド物なども前記透明保護フィルムを形成するポリマーの例としてあげられる。透明保護フィルムは、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型、紫外線硬化型の樹脂の硬化層として形成することもできる。
【0117】
また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルム、たとえば、(A)側鎖に置換および/または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、(B)側鎖に置換および/非置換フェニルならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物があげられる。具体例としてはイソブチレンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体とアクリロニトリル・スチレン共重合体とを含有する樹脂組成物のフィルムがあげられる。フィルムは樹脂組成物の混合押出品などからなるフィルムを用いることができる。
【0118】
保護フィルムの厚さは、適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱性等の作業性、薄層性などの点より1〜500μm程度である。特に1〜300μmが好ましく、5〜200μmがより好ましい。
【0119】
また、保護フィルムは、できるだけ色付きがないことが好ましい。したがって、Rth=[(nx+ny)/2−nz]・d(ただし、nx、nyはフィルム平面内の主屈折率、nzはフィルム厚方向の屈折率、dはフィルム厚みである)で表されるフィルム厚み方向の位相差値が−90nm〜+75nmである保護フィルムが好ましく用いられる。かかる厚み方向の位相差値(Rth)が−90nm〜+75nmのものを使用することにより、保護フィルムに起因する偏光板の着色(光学的な着色)をほぼ解消することができる。厚み方向位相差値(Rth)は、さらに好ましくは−80nm〜+60nm、特に−70nm〜+45nmが好ましい。
【0120】
保護フィルムとしては、偏光特性や耐久性などの点より、トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマーが好ましい。特にトリアセチルセルロースフィルムが好適である。なお、偏光子の両側に保護フィルムを設ける場合、その表裏で同じポリマー材料からなる保護フィルムを用いてもよく、異なるポリマー材料等からなる保護フィルムを用いてもよい。前記偏光子と保護フィルムとは通常、水系粘着剤等を介して密着している。水系接着剤としては、イソシアネート系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ゼラチン系接着剤、ビニル系ラテックス系、水系ポリウレタン、水系ポリエステル等を例示できる。
【0121】
前記透明保護フィルムの偏光子を接着させない面には、ハードコート層や反射防止処理、スティッキング防止や、拡散ないしアンチグレアを目的とした処理を施したものであってもよい。
【0122】
ハードコート処理は偏光板表面の傷付き防止などを目的に施されるものであり、例えばアクリル系、シリコーン系などの適宜な紫外線硬化型樹脂による硬度や滑り特性等に優れる硬化皮膜を透明保護フィルムの表面に付加する方式などにて形成することができる。反射防止処理は偏光板表面での外光の反射防止を目的に施されるものであり、従来に準じた反射防止膜などの形成により達成することができる。また、スティッキング防止処理は隣接層との密着防止を目的に施される。
【0123】
またアンチグレア処理は偏光板の表面で外光が反射して偏光板透過光の視認を阻害することの防止等を目的に施されるものであり、例えばサンドブラスト方式やエンボス加工方式による粗面化方式や透明微粒子の配合方式などの適宜な方式にて透明保護フィルムの表面に微細凹凸構造を付与することにより形成することができる。前記表面微細凹凸構造の形成に含有させる微粒子としては、例えば平均粒径が0.5〜50μmのシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン等からなる導電性のこともある無機系微粒子、架橋又は未架橋のポリマー等からなる有機系微粒子などの透明微粒子が用いられる。表面微細凹凸構造を形成する場合、微粒子の使用量は、表面微細凹凸構造を形成する透明樹脂100重量部に対して一般的に2〜50重量部程度であり、5〜25重量部が好ましい。アンチグレア層は、偏光板透過光を拡散して視角などを拡大するための拡散層(視角拡大機能など)を兼ねるものであってもよい。
【0124】
なお、前記反射防止層、スティッキング防止層、拡散層やアンチグレア層等は、透明保護フィルムそのものに設けることができるほか、別途光学層として透明保護フィルムとは別体のものとして設けることもできる。
【0125】
また位相差板を、視角補償フィルムとして偏光板に積層して広視野角偏光板として用いられる。視角補償フィルムは、液晶表示装置の画面を、画面に垂直でなくやや斜めの方向から見た場合でも、画像が比較的鮮明にみえるように視野角を広げるためのフィルムである。
【0126】
このような視角補償位相差板としては、他に二軸延伸処理や直交する二方向に延伸処理等された複屈折を有するフィルム、傾斜配向フィルムのような二方向延伸フィルムなどが用いられる。傾斜配向フィルムとしては、例えばポリマーフィルムに熱収縮フィルムを接着して加熱によるその収縮力の作用下にポリマーフィルムを延伸処理又は/及び収縮処理したものや、液晶ポリマーを斜め配向させたものなどが挙げられる。視角補償フィルムは、液晶セルによる位相差に基づく視認角の変化による着色等の防止や良視認の視野角の拡大などを目的として適宜に組み合わせることができる。
【0127】
また良視認の広い視野角を達成する点などより、液晶ポリマーの配向層、特にディスコティック液晶ポリマーの傾斜配向層からなる光学的異方性層をトリアセチルセルロースフィルムにて支持した光学補償位相差板が好ましく用いうる。
【0128】
前記のほか実用に際して積層される光学層については特に限定はないが、例えば反射板や半透過板などの液晶表示装置等の形成に用いられることのある光学層を1層または2層以上用いることができる。特に、楕円偏光板または円偏光板に、更に反射板または半透過反射板が積層されてなる反射型偏光板または半透過型偏光板があげられる。
【0129】
反射型偏光板は、偏光板に反射層を設けたもので、視認側(表示側)からの入射光を反射させて表示するタイプの液晶表示装置などを形成するためのものであり、バックライト等の光源の内蔵を省略できて液晶表示装置の薄型化を図りやすいなどの利点を有する。反射型偏光板の形成は、必要に応じ透明保護層等を介して偏光板の片面に金属等からなる反射層を付設する方式などの適宜な方式にて行うことができる。
【0130】
反射型偏光板の具体例としては、必要に応じマット処理した保護フィルムの片面に、アルミニウム等の反射性金属からなる箔や蒸着膜を付設して反射層を形成したものなどがあげられる。また前記保護フィルムに微粒子を含有させて表面微細凹凸構造とし、その上に微細凹凸構造の反射層を有するものなどもあげられる。前記した微細凹凸構造の反射層は、入射光を乱反射により拡散させて指向性やギラギラした見栄えを防止し、明暗のムラを抑制しうる利点などを有する。また微粒子含有の保護フィルムは、入射光及びその反射光がそれを透過する際に拡散されて明暗ムラをより抑制しうる利点なども有している。保護フィルムの表面微細凹凸構造を反映させた微細凹凸構造の反射層の形成は、例えば真空蒸着方式、イオンプレーティング方式、スパッタリング方式等の蒸着方式やメッキ方式などの適宜な方式で金属を透明保護層の表面に直接付設する方法などにより行うことができる。
【0131】
反射板は前記の偏光板の保護フィルムに直接付与する方式に代えて、その透明フィルムに準じた適宜なフィルムに反射層を設けてなる反射シートなどとして用いることもできる。なお反射層は、通常、金属からなるので、その反射面が保護フィルムや偏光板等で被覆された状態の使用形態が、酸化による反射率の低下防止、ひいては初期反射率の長期持続の点や、保護層の別途付設の回避の点などより好ましい。
【0132】
なお、半透過型偏光板は、上記において反射層で光を反射し、かつ透過するハーフミラー等の半透過型の反射層とすることにより得ることができる。半透過型偏光板は、通常液晶セルの裏側に設けられ、液晶表示装置などを比較的明るい雰囲気で使用する場合には、視認側(表示側)からの入射光を反射させて画像を表示し、比較的暗い雰囲気においては、半透過型偏光板のバックサイドに内蔵されているバックライト等の内蔵光源を使用して画像を表示するタイプの液晶表示装置などを形成できる。すなわち、半透過型偏光板は、明るい雰囲気下では、バックライト等の光源使用のエネルギーを節約でき、比較的暗い雰囲気下においても内蔵光源を用いて使用できるタイプの液晶表示装置などの形成に有用である。
【0133】
また、偏光板は、上記の偏光分離型偏光板の如く、偏光板と2層又は3層以上の光学層とを積層したものからなっていてもよい。従って、上記の反射型偏光板や半透過型偏光板と位相差板を組み合わせた反射型楕円偏光板や半透過型楕円偏光板などであってもよい。
【0134】
上記の楕円偏光板や反射型楕円偏光板は、偏光板又は反射型偏光板と位相差板を適宜な組合せで積層したものである。かかる楕円偏光板等は、(反射型)偏光板と位相差板の組合せとなるようにそれらを液晶表示装置の製造過程で順次別個に積層することよって形成することができるが、予め積層して楕円偏光板等の光学フィルムとしたのものは、品質の安定性や積層作業性等に優れて液晶表示装置などの製造効率を向上させうる利点がある。
【0135】
本発明の光学素子には、粘着層または接着層を設けることもできる。粘着層は、液晶セルへの貼着に用いることができる他、光学層の積層に用いられる。前記光学フィルムの接着に際し、それらの光学軸は目的とする位相差特性などに応じて適宜な配置角度とすることができる。
【0136】
接着剤や粘着剤としては特に制限されない。例えばアクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルエーテル、酢酸ビニル/塩化ビニルコポリマー、変性ポリオレフィン、エポキシ系、フッ素系、天然ゴム、合成ゴム等のゴム系などのポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。特に、光学的透明性に優れ、適度な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性などに優れるものが好ましく用いうる。
【0137】
前記接着剤や粘着剤にはベースポリマーに応じた架橋剤を含有させることができる。また接着剤には、例えば天然物や合成物の樹脂類、特に、粘着性付与樹脂や、ガラス繊維、ガラスビーズ、金属粉、その他の無機粉末等からなる充填剤や顔料、着色剤、酸化防止剤などの添加剤を含有していてもよい。また微粒子を含有して光拡散性を示す接着剤層などであってもよい。
【0138】
接着剤や粘着剤は、通常、ベースポリマーまたはその組成物を溶剤に溶解又は分散させた固形分濃度が10〜50重量%程度の接着剤溶液として用いられる。溶剤としては、トルエンや酢酸エチル等の有機溶剤や水等の接着剤の種類に応じたものを適宜に選択して用いることができる。
【0139】
粘着層や接着層は、異なる組成又は種類等のものの重畳層として偏光板や光学フィルムの片面又は両面に設けることもできる。粘着層の厚さは、使用目的や接着力などに応じて適宜に決定でき、一般には1〜500μmであり、5〜200μmが好ましく、特に10〜100μmが好ましい。
【0140】
粘着層等の露出面に対しては、実用に供するまでの間、その汚染防止等を目的にセパレータが仮着されてカバーされる。これにより、通例の取扱状態で粘着層に接触することを防止できる。セパレータとしては、上記厚さ条件を除き、例えばプラスチックフィルム、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シートや金属箔、それらのラミネート体等の適宜な薄葉体を、必要に応じシリコーン系や長鏡アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜な剥離剤でコート処理したものなどの、従来に準じた適宜なものを用いうる。
【0141】
なお本発明において、上記光学素子等、また粘着層などの各層には、例えばサリチル酸エステル系化合物やべンゾフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で処理する方式などの方式により紫外線吸収能をもたせたものなどであってもよい。
【0142】
【実施例】
以下に本発明を実施例および比較例をあげて具体的に説明する。なお、各例において、各層の積層には、直接塗工等の特記ない限り、粘着/接着材を用いた。
【0143】
なお、正面位相差は、面内屈折率が最大となる方向をX軸、X軸に垂直な方向をY軸、フィルムの厚さ方向をZ軸とし、それぞれの軸方向の屈折率をnx、ny、nzとして、590nmにおける屈折率nx、ny、nzを自動複屈折測定装置(王子計測機器株式会社製,自動複屈折計KOBRA21ADH)により計測した値と、位相差層の厚さd(nm)から、正面位相差:(nx−ny)×d、を算出した。
【0144】
傾斜させて測定したときの位相差は、上記自動複屈折測定装置により測定できる。傾斜位相差は:傾斜時の(nx−ny)×dである。上記自動複屈折測定装置は入射角0〜50°まで測定できる。入射角60°での位相差値は、フィティングから計算した値である。
【0145】
参考例1
NIPOCS−PCF400(日東電工社製,コレステリック液晶の円偏光型反射偏光子,反射波長帯域は400〜850nm)2層の間に、ネガCプレート(日東電工社製,正面位相差0,45°入射時の位相差値150nm)を挿入し、貼り合わせて集光素子(A)を作製した。
【0146】
液晶セルの両側に偏光板(日東電工社製,SEG1425DU)を貼り合わせたものに対し、上記集光素子(A)を、液晶セルの下面側偏光板に、1/4波長板(日東電工社製,NRFフィルム,TR130)を介して貼り合わせた。貼り合わせ角度は、集光素子(A)から透過する円偏光が1/4波長板で直線偏光に変換され、この直線偏光の方向が下面側偏光板の透過軸に一致する方向で貼り合わせた。
【0147】
赤外反射層(B)として、エドマンド社製のIRカットフィルター(50%カットオフ波長約700nm,長波長側端1200nm以上)を用いた。上記赤外反射層(B)は垂直入射時には波長420〜680nmにてほとんどニュートラルな透過特性を有しており表示特性に影響はなかった。また、斜め45°入射時の反射波長帯域幅は約600nmであり、その短波長側端は約630nmであった。斜め80°入射時の反射波長帯域幅は約400nmであり、その長波長側端は不明瞭ながら約900nm以上であった。
【0148】
集光素子(A)を一体化した液晶セルとバックライト導光板の間に、上記赤外反射層(B)を配置した液晶表示装置を得た。当該液晶表示装置は図6に示す通りである。
【0149】
上記液晶表示装置を、45°傾斜させ斜め透過光線を観察したところ、赤色の漏れ光線は観察されず、色調の変化は感じられなかった。さらに傾斜させ80°まで観察したが赤の漏れ光線は認められなかった。
【0150】
実施例1
D−BEF(3M社製,薄膜積層の直線偏光型反射偏光子)2層の間に、1/4波長板(日東電工社製,NRFフィルム,正面位相差140nm)〜ネガCプレート(日東電工社製,正面位相差0、45°入射時の位相差値150nm)〜1/4波長板(日東電工社製,NRFフィルム,正面位相差140nm)の順に挿入し貼り合わせて得られる集光素子(A)を作製した。貼り合わせ角度は反射偏光子の透過軸に対して各1/4波長板を45°の角度で積層し、反射偏光子、次いで1/4波長板の順に透過した光線が円偏光に変換される構成とした。
【0151】
液晶セルの両側に偏光板(日東電工社製,SEG1425DU)を貼り合わせたものに対し、上記集光素子(A)を液晶セルの下面側偏光板に貼り合わせた。貼り合わせ角度は、集光素子(A)から透過する直線偏光の方向が下面側偏光板の透過軸に一致する方向で貼り合わせた。
【0152】
集光素子(A)を一体化した液晶セルとバックライト導光板の間に、赤外反射層(B)として、エドマンド社製のIRカットフィルター(50%カットオフ波長約700nm,長波長側端1200nm以上)を配置した液晶表示装置を得た。当該液晶表示装置は図7に示す通りである。
【0153】
上記液晶表示装置を、45°傾斜させ斜め透過光線を観察したところ、赤色の漏れ光線は観察されず、色調の変化は感じられなかった。さらに傾斜させ80°まで観察したが赤の漏れ光線は認められなかった。
【0154】
参考例2
重合性液晶材料として、4−[2−[2−[(1−オキソ−2−プロペニル)エトキシ]エトキシ]−4−[(4−シアノフェニル)エチニル]−2−フルオロフェニル]安息香酸エステル94重量部、BASF社製LC756(キラル剤)6重量部およびチバスペシャルティケミカルズ社製イルガキュア369(光反応開始剤)0.5重量部からなる液晶組成物を、シクロヘプタンに溶解して20重量%溶液を調製した。当該溶液を、ポリエチレンテレフタレート(PET)基材上(東レ製,S27,厚さ75μm)上にワイヤーバーにて7μm厚に塗布した後、液晶温度以上で乾燥・配向後に紫外線重合してコレステリック液晶による円偏光型反射偏光子を作製した。反射波長帯域は420〜700nmであった。円偏光型反射偏光子の2層間に、ネガCプレート(日東電工社製,正面位相差0、45°入射時の位相差値150nm)を挿入し、貼り合わせて集光素子(A)を作製した。
【0155】
液晶セルの両側に偏光板(日東電工社製,SEG1425DU)を貼り合わせたものに対し、上記集光素子(A)を、液晶セルの下面側偏光板に、1/4波長板(日東電工社製,NRFフィルム,TR130)を介して貼り合わせた。貼り合わせ時には基材として用いたPETフィルムは剥離し偏光解消影響を排した。貼り合わせ角度は、集光素子(A)から透過する円偏光が1/4波長板で直線偏光に変換され、この直線偏光の方向が下面側偏光板の透過軸に一致する方向で貼り合わせた。
【0156】
BASF社製LC242(重合性液晶)97.5重量部、BASF社製LC756(キラル剤)2.5重量部およびチバスペシャルティケミカルズ社製イルガキュア907(光反応開始剤)1重量部からなる液晶組成物を、シクロヘキサンに溶解して20重量%溶液を調製した。当該溶液を、PET基材上(東レ製,S27,厚さ75μm)上にワイヤーバーにて塗布し、液晶温度以上で乾燥・配向後に紫外線重合してコレステリック液晶層(約2.5μm厚)の円偏光反射板を作製した。一方、キラル剤として、逆ねじれを発生させる鏡像対象構造のキラル剤を用いて、捻れ方向が逆の円偏光反射板を同様にして作製した。この2層を日東電工社製,NO.7粘着剤(アクリル系厚み23μm)にて積層し、赤外反射層(B)を得た。
【0157】
上記赤外反射層(B)は垂直入射時には420〜680nmにてほとんどニュートラルな透過特性を有しており表示特性に影響はなかった。また上記赤外反射層(B)の赤外線の垂直入射成分に対する選択反射中心波長は約710nm、反射波長帯域は約60nmであった。斜め45°入射時の反射波長帯域幅は約50nmであり、その短波長端は約610nmであった。斜め80°入射時の反射波長帯域幅は約50nmであり、その短波長端は不明確ながら約530nmであった。
【0158】
集光素子(A)を一体化した液晶セルとバックライト導光板の間に、上記赤外反射層(B)を配置した液晶表示装置を得た。当該液晶表示装置は図6に示す通りである。
【0159】
上記液晶表示装置を、45°傾斜させ斜め透過光線を観察したところ、赤色の漏れ光線は観察されず、色調の変化は感じられなかった。さらに傾斜させ60°前後までは十分に赤の漏れ光線をカットしており色調変化は見られなかった。しかしながら、80°まで傾斜すると若干の漏れ光線が認められた。しかしながら光源の出射光線の強度が弱く、実用上は特に問題とはならなかった。
【0160】
実施例2
上記集光素子(A)として、実施例1で作製したものを用いた。上記集光素子(A)を、液晶セルの両側に偏光板(日東電工社製,SEG1425DU)を貼り合わせたものに対し、液晶セルの下面側偏光板に貼り合わせた。貼り合わせ角度は、集光素子(A)から透過する透過する直線偏光の方向が下面側偏光板の透過軸に一致する方向で貼り合わせた。
【0161】
選択反射波長の中心波長が750nm、反射波長帯域幅約80nmのコレステリック液晶層として、右螺旋ねじれ層と左螺旋ねじれ層の左右円偏光反射板をそれぞれ作製した。円偏光反射板の作製は、参考例2において、液晶組成物として、配合部重量部数をLC242:LC756=98:2としたこと以外は参考例2と同様に行った。塗布硬化後の厚みは各々約3μmであった。得られた左右円偏光反射板をイソシアネート系接着剤(コニシ製,アロンアルファ塗布厚み2μm)にて積層し、赤外反射層(B)を得た。
【0162】
上記赤外反射層(B)は垂直入射時には420〜680nmにてほとんどニュートラルな透過特性を有しており表示特性に影響はなかった。また上記赤外反射層(B)は垂直入射光線に対しては、波長約710〜790nmに対して全反射を示した。この赤外反射層(B)の45°入射時の反射波長帯域幅は約70nmであり、その短波長端は約630nmであった。
【0163】
集光素子(A)を一体化した液晶セルとバックライト導光板の間に、上記赤外反射層(B)を配置した液晶表示装置を得た。配置する前に液晶層の塗布基材として用いたPETフィルムを除去した。当該液晶表示装置は図7に示す通りである。
【0164】
上記液晶表示装置に用いる赤外反射層(B)の45°入射時の波長640nmの光透過率は8%であった。本サンプルは3波長冷陰極管の発光スペクトルの波長630nm程度から急激に透過率が低下し、波長640nm近傍では透過光の赤色は視認されにくかった。このため赤色の漏れ光線による色調の変化は感じられなかった。さらに傾斜させ入射角60°では波長600〜660nm程度の範囲で反射機能を有しているため60°近傍で強いサイドライト型導光板を組み合わせても十分に赤色をカットしており色調変化は認めにくかった。80°まで傾斜させると波長620nm以上の長波長光線が若干漏れ出るが、光源の出射光線の強度が弱く、実用上は特に問題とはならなかった。
【0165】
実施例3
上記集光素子(A)として、実施例1で作製したものを用いた。上記集光素子(A)に、選択反射波長の中心波長が790nm、波長帯域幅200nmのコレステリック液晶層として、右螺旋ねじれ層と左螺旋ねじれ層の左右円偏光反射板をそれぞれ直接積層し、赤外反射層(B)を作製して光学素子を得た。
【0166】
なお、円偏光反射板の作製は、重合性液晶材料として、4−[2−[2−[(1−オキソ−2−プロペニル)エトキシ]エトキシ]−4−[(4−シアノフェニル)エチニル]−2−フルオロフェニル]安息香酸エステル97重量部、BASF社製LC242(キラル剤)2.5重量部およびチバスペシャルティケミカルズ社製イルガキュア907(光反応開始剤)0.5重量部からなる液晶組成物を、シクロペンタノンに溶解して20重量%溶液を調製し、当該溶液を、集光素子(A)の片側にワイヤーバーにて塗布し、液晶温度以上で乾燥・配向後に紫外線重合してコレステリック液晶による円偏光型反射層を作製した。硬化後の厚みは約3μmであった。これの上に、上記キラル剤とは逆捻れを発生する鏡像異性体のキラル剤を配合して、逆円偏光特性を有する液晶組成物を用いたこと以外は、上記同様の液晶組成物を塗布、液晶温度以上で乾燥・配向後、紫外線硬化させ、円偏光型反射層を積層して赤外反射層(B)を作製した。
【0167】
上記赤外反射層(B)は別途同じものを作製して測定に供した。垂直入射時には420〜680nmにて殆どニュートラルな透過特性を有しており表示特性に影響はなかった。また上記光学素子は垂直入射光線に対しては波長約690〜890nmに対して全反射を示した。45°斜め入射光線の反射波長帯域幅は約180nmであり、その短波長端は約610nmであった。80°入射時の反射波長帯域幅は約160nmであり、その長波長側端は約690nmであった。
【0168】
液晶セルの両側に偏光板(日東電工社製,SEG1425DU)を貼り合わせたものに対し、上記光学素子の集光素子(A)側を貼り合わせた。貼り合わせ角度は、集光素子(A)から透過する透過する直線偏光の方向が下面側偏光板の透過軸に一致する方向で貼り合わせた。一方、上記赤外反射層(B)側にはバックライト導光板を配置して液晶表示装置を得た。当該液晶表示装置は図7に示す通りである。
【0169】
上記液晶表示装置を、45°傾斜させ斜め透過光線を観察したところ、赤色の漏れ光線は観察されず、色調の変化は感じられなかった。さらに傾斜させ80°傾斜時にも漏れ光線は感じられず、良好な表示品位を有していた。
【0170】
参考例3
上記集光素子(A)として、参考例1で作製したものを用いた。上記集光素子(A)に対して、実施例5と同様の処理を行い、左右円偏光反射板をそれぞれ積層し、赤外反射層(B)を作製して光学素子を得た。
【0171】
得られた光学素子の赤外線の垂直入射光線に対する全反射の中心波長は700nm、選択反射波長帯域は約50nmであった。45°斜め入射光線の反射波長帯域幅は約45nmであり、その短波長端は約600nmであった。80°入射時の反射波長帯域幅は約40nmであり、その長波長側端は約570nmであった。
【0172】
液晶セルの両側に偏光板(日東電工社製,SEG1425DU)を貼り合わせたものに対し、上記光学素子の集光素子(A)側を1/4波長板(日東電工社製,NRFフィルム,TR130)を介して貼り合わせた。貼り合わせ角度は、集光素子(A)から透過する円偏光が1/4波長板で直線偏光に変換され、この直線偏光の方向が下面側偏光板の透過軸に一致する方向で貼り合わせた。一方、上記赤外反射層(B)側にはバックライト導光板を配置して液晶表示装置を得た。当該液晶表示装置は図6に示す通りである。
【0173】
上記液晶表示装置を、45°傾斜させ斜め透過光線を観察したところ、赤色の漏れ光線は観察されず、色調の変化は感じられなかった。さらに傾斜させ60°前後までは十分に赤の漏れ光線をカットしており色調変化は見られなかった。一方で80°まで傾斜すると若干の漏れ光線が認められた。しかしながら光源の出射光線の強度が弱く、実用上は特に問題とはならなかった。
【0174】
参考例4
上記集光素子(A)として、参考例1で作製したものを用いた。上記集光素子(A)を、液晶セルの両側に偏光板(日東電工社製,SEG1425DU)を貼り合わせたものに対し、液晶セルの下面側偏光板に1/4波長板(日東電工社製,NRFフィルム,TR130)を介して貼り合わせた。貼り合わせ角度は、集光素子(A)から透過する円偏光が1/4波長板で直線偏光に変換され、この直線偏光の方向が下面側偏光板の透過軸に一致する方向で貼り合わせた。
【0175】
PEN−coPENを交互に約80層積層したものを、2軸延伸機にてx、y軸に等倍率にて延伸して赤外反射フィルムを得た。上記赤外反射フィルムは垂直入射時には420〜680nmにて殆どニュートラルな透過特性を有しており表示特性に影響はなかった。赤外線の垂直入射成分に対する反射波長帯域は680〜800nmであった。45°斜め入射光線の反射波長帯域幅は約110nmであり、その短波長端は約620nmであった。80°入射時の反射波長帯域幅は約90nmであり、その長波長側端は約640nmであった。
【0176】
集光素子(A)を一体化した液晶セルとバックライト導光板の間に、赤外反射層(B)として、上記赤外反射フィルムを配置した液晶表示装置を得た。貼り合わせ角度は、集光素子(A)から透過する円偏光が1/4波長板で直線偏光に変換され、この直線偏光の方向が下面側偏光板の透過軸に一致する方向で貼り合わせた。当該液晶表示装置は図6に示す通りである。
【0177】
上記液晶表示装置を、45°傾斜させ斜め透過光線を観察したところ、赤色の漏れ光線は観察されず、色調の変化は感じられなかった。60°傾斜時には赤の抜け光線は認められなかったが、80°傾斜時には若干の抜けと共に延伸ムラと見られる波長特性のばらつきがわずかに視認された。光源種の選択を行えば実用に耐えると見られた。
【0178】
参考例5
集光素子(A)として、参考例1で作製したものを用いた。上記集光素子(A)を、液晶セルの両側に偏光板(日東電工社製,SEG1425DU)を貼り合わせたものに対し、液晶セルの下面側偏光板に1/4波長板(日東電工社製,NRFフィルム,TR130)を介して貼り合わせた。貼り合わせ角度は、集光素子(A)から透過する円偏光が1/4波長板で直線偏光に変換され、この直線偏光の方向が下面側偏光板の透過軸に一致する方向で貼り合わせた。
【0179】
実施例2で得られた左円偏光反射板2枚の間に1/2波長板を配置し、日東電工社製,No.7粘着剤(アクリル系,厚み23μm)にて積層し、赤外反射層(B)を得た。
【0180】
上記赤外反射層(B)は垂直入射時には波長420〜680nmにてほとんどニュートラルな透過特性を有しており表示特性に影響はなかった。得られた赤外反射層(B)は選択反射中心波長は約750nm、選択反射波長帯域幅は約80nmであった。45°斜め入射光線の反射波長帯域幅は約70nmであり、その短波長端は約630nmであった。80°入射時の反射波長帯域幅は約60nmであり、その長波長側端は約620nmであった。
【0181】
集光素子(A)を一体化した液晶セルとバックライト導光板の間に、上記赤外反射層(B)を配置した液晶表示装置を得た。当該液晶表示装置は図6に示す通りである。
【0182】
上記液晶表示装置を、45°傾斜させ斜め透過光線を観察したところ、赤色の漏れ光線は観察されず、色調の変化は感じられなかった。さらに傾斜させ60°前後までは十分に赤の漏れ光線をカットしており色調変化は見られなかった。一方で、80°まで傾斜すると若干の漏れ光線が認められた。しかしながら光源の出射光線の強度が弱く、実用上は特に問題とはならなかった。
【0183】
参考例6
集光素子(A)として、参考例1で作製したものを用いた。上記集光素子(A)を、液晶セルの両側に偏光板(日東電工社製,SEG1425DU)を貼り合わせたものに対し、液晶セルの下面側偏光板に1/4波長板(日東電工社製,NRFフィルム,TR130)を介して貼り合わせた。貼り合わせ角度は、集光素子(A)から透過する円偏光が1/4波長板で直線偏光に変換され、この直線偏光の方向が下面側偏光板の透過軸に一致する方向で貼り合わせた。
【0184】
PET基材(東レ製,S27,75μm)上へ屈折率1.40(フッ素系アクリル樹脂)と屈折率1.71(高屈折率ナノ粒子含有ゾルゲル反応ハードコート樹脂)から成る29層の薄層多層塗工膜を作製した。得られた薄層多層塗工膜の透過率波長特性は図12に示す。これを赤外反射層(B)とした。
【0185】
この赤外反射層(B)は垂直入射時には波長420〜600nmにてほとんどニュートラルな透過特性を有しており表示特性に影響はなかった。また赤外反射層(B)は選択反射波長帯域は680〜760nm程度であった。45°斜め入射光線の反射波長帯域幅は約70nmであり、その短波長端は約620nmであった。80°入射時の反射波長帯域幅は約70nmであり、その長波長側端は約620nmであった。
【0186】
集光素子(A)を一体化した液晶セルとバックライト導光板の間に、上記赤外反射層(B)を配置して、液晶表示装置を得た。当該液晶表示装置は図6に示す通りである。
【0187】
上記液晶表示装置を、45°傾斜させ斜め透過光線を観察したところ、赤色の漏れ光線は観察されず、色調の変化は感じられなかった。さらに80°入射時でもおおよそ赤色の遮蔽を有しており赤色の抜け光線は感じなかった。
【0188】
参考例7
選択反射波長の中心波長が約820nm、反射波長帯域幅約100nmのコレステリック液晶層として、右螺旋ねじれ層と左螺旋ねじれ層の左右円偏光反射板をそれぞれ作製した。円偏光反射板の作製は、参考例2において、液晶組成物として、配合部重量部数をLC242:LC756=95.1:4.9としたこと以外は参考例2と同様に行った。塗布硬化後の厚みは各々約4μmであった。得られた左右円偏光反射板をイソシアネート系接着剤(コニシ製,アロンアルファ塗布厚み2μm)にて積層し、赤外反射層(B)を得た。
【0189】
垂直入射時の選択反射波長帯域は780〜880nmで可視光線に対して透明で色調に変化を与えなかった。斜め45°入射時の選択反射波長帯域は700〜780nmであり、冷陰極管の長波長側に続く輝線の710nm近傍の透過率が5%程度にまで低下し、赤色の漏れ光線が若干改善された。
【0190】
参考例2で作製した集光素子(A)を一体化した液晶セルとバックライト導光板の間に、上記赤外反射層(B)を配置した液晶表示装置を得た。当該液晶表示装置は図6に示す通りである。
【0191】
上記液晶表示装置を、45°傾斜させ斜め透過光線を観察したところ、赤色の漏れ光線は観察されず、色調の変化は感じられなかった。さらに傾斜させ60°前後までは十分に赤の漏れ光線をカットしており色調変化は見られなかった。しかしながら、80°まで傾斜すると若干の漏れ光線が認められた。しかしながら光源の出射光線の強度が弱く、実用上は特に問題とはならなかった。
【0192】
参考例8
選択反射波長の中心波長が約660nm、反射波長帯域幅約70nmのコレステリック液晶層として、円偏光反射板を作製した。円偏光反射板の作製は、参考例2において、液晶組成物として、配合部重量部数をLC242:LC756=94:6としたこと以外は参考例2と同様に行った。塗布硬化後の厚みは約3μmであった。また選択反射波長の中心波長が約740nm、反射波長帯域幅約90nmのコレステリック液晶層として、円偏光反射板を作製した。円偏光反射板の作製は、参考例2において、液晶組成物として、配合部重量部数をLC242:LC756=94.5:5.5としたこと以外は参考例2と同様に行った。塗布硬化後の厚みは約3μmであった。これらを積層して、選択反射波長帯域が約630〜790nm、選択反射波長帯域幅160nmの広帯域円偏光反射板を得た。
【0193】
また、キラル剤として逆捻れ方向の鏡像異性体を用いたこと以外は、上記と全く同じ構成の円偏光反射板を作製した。得られた左右円偏光反射板をイソシアネート系接着剤(コニシ製,アロンアルファ 塗布厚み2μm)にて積層し、赤外反射層(B)を得た。
【0194】
上記赤外反射層(B)は垂直入射時には420〜610nmにてほとんどニュートラルな透過特性を有しており表示特性に影響はなかった。斜め45°入射時の選択反射波長帯域幅は約150nmで短波長端は570nm、長波長端は700nm、波長610nmでの透過率が2%であった。
【0195】
参考例2で作製した集光素子(A)を一体化した液晶セルとバックライト導光板の間に、上記赤外反射層(B)を配置した液晶表示装置を得た。当該液晶表示装置は図6に示す通りである。
【0196】
上記液晶表示装置を、45°傾斜させ斜め透過光線を観察したところ、赤色の漏れ光線は全く観察されず、色調の変化はなかった。斜め入射80°の選択反射波長帯域幅は約150nmで長波長端は630nmであった。このため斜め入射80°時でも波長610nmの光線透過率は5%程度であり、赤色の抜けは殆ど感じす、視野角による着色の変化はみられなかった。
【0197】
比較例1
参考例1において、赤外反射層(B)を設けなかったこと以外は、参考例1と同様にして液晶表示装置を得た。当該液晶表示装置は図8に示す通りである。
【0198】
上記液晶表示装置を、60°傾斜させ斜め透過光線を観察したところ、赤色の漏れ光線が強く感じられた。
【0199】
比較例2
集光素子(A)として、参考例1で作製したものを用いた。上記集光素子(A)を、液晶セルの両側に偏光板(日東電工社製,SEG1425DU)を貼り合わせたものに対し、液晶セルの下面側偏光板に1/4波長板(日東電工社製,NRFフィルム,TR130)を介して貼り合わせた。貼り合わせ角度は、集光素子(A)から透過する円偏光が1/4波長板で直線偏光に変換され、この直線偏光の方向が下面側偏光板の透過軸に一致する方向で貼り合わせた。
【0200】
BASF社製LC242(重合性液晶)96.5重量部、BASF社製LC756(キラル剤)3.5重量部およびチバスペシャルティケミカルズ社製イルガキュア907(光反応開始剤)1重量部をシクロヘキサノンからなる液晶組成物を、シクロヘプタンに溶解して20重量%溶液を調製した。当該溶液を、PET基材上(厚さ35μm)上にワイヤーバーにて塗布し、液晶温度以上で乾燥・配向後に紫外線重合してコレステリック液晶層(約2.5μm厚)の円偏光反射板を作製した。一方、キラル剤として、逆ねじれを発生させる鏡像対象構造のキラル剤を用いて、捻れ方向が逆の円偏光反射板を同様にして作製した。この2層を日東電工社製,NO.7粘着剤(アクリル系厚み23μm)にて積層し、赤外反射層(B)を得た。
【0201】
得られた赤外反射層(B)の赤外線の垂直入射成分に対する選択反射中心波長は約650nm、選択反射波長帯域は約50nmであった。斜め45°入射時の反射波長の短波長端は約560nmであった。
【0202】
集光素子(A)を一体化した液晶セルとバックライト導光板の間に、上記赤外反射層(B)を配置した液晶表示装置を得た。当該液晶表示装置は図6に示す通りである。
【0203】
上記液晶表示装置を45°傾斜させ斜め透過光線を観察したところ、赤の出射光線が無くなり、緑の輝度も落ち、カラーバランスと色調共々不良であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学素子の断面図の一例である。
【図2】本発明の光学素子の断面図の一例である。
【図3】本発明の参考例の光学素子の断面図の一例である。
【図4】本発明の参考例の光学素子の断面図の一例である。
【図5】本発明の光学素子の断面図の一例である。
【図6】本発明の参考例の液晶表示装置の断面図の一例である。
【図7】本発明の参考例の液晶表示装置の断面図の一例である。
【図8】比較例1の液晶表示装置の断面図である。
【図9】赤外反射層(B)に関し、垂直入射時の反射波長に対して、入射角により反射波長が短波長側にシフトする関係を示すグラフである。
【図10】赤外反射層(B)に関し、垂直入射時の反射波長に対して、入射角により反射波長が短波長側にシフトする関係を示すグラフである。
【図11】赤外反射層(B)に関し、垂直入射時の反射波長に対して、入射角により反射波長が短波長側にシフトする関係を示すグラフである。
【図12】参考例6で用いた赤外反射層(B)の斜め45°入射時の波長に対する光線透過率の関係を示すグラフである。
Claims (20)
- 少なくとも1種の直交する直線偏光の内の一方を透過し、他方を選択的に反射する直線偏光型反射偏光子(a2)が少なくとも2層以上積層されており、かつ、直線偏光型反射偏光子(a2)の間には、偏光特性を変化させる位相差層(b)が積層されており、直線偏光型反射偏光子と位相差層との組み合わせにより、入射光線の入射角によって入射光線の透過率が異なり、遮蔽された光線は吸収されずに反射するように設計された集光素子(A)に、
法線方向の可視光領域の入射光に対しては透過特性を有し、680nm以上の波長領域に反射波長帯域を有し、法線方向に対する入射角が大きくなるにしたがい、反射波長帯域が短波長側に変化する赤外反射層(B)が配置されており、
集光素子(A)の位相差層(b)は、正面位相差(法線方向)がほぼゼロで、法線方向に対し30°以上傾けて入射した入射光に対してλ/4以上の位相差値を有する層(b2)を有し、位相差層(b2)の両側には、直線偏光型反射偏光子との間に、正面位相差が略λ/4である層(b3)を有し、
入射側の層(b3)は、入射側の直線偏光型反射偏光子(a2)の偏光軸45°(−45°)±5°の角度で配置されており、
出射側の層(b3)は、出射側の直線偏光型反射偏光子(a2)の偏光軸−45°(+45°)±5°の角度で配置されていることを特徴とする光学素子。 - 直線偏光型反射偏光子(a2)が、グリッド型偏光子であることを特徴とする請求項1記載の光学素子。
- 直線偏光型反射偏光子(a2)が、屈折率差を有する2種以上の材料による、2層以上の多層薄膜積層体であることを特徴とする請求項1記載の光学素子。
- 多層薄膜積層体が蒸着多層薄膜であることを特徴とする請求項3記載の光学素子。
- 直線偏光型反射偏光子(a2)が、複屈折を有する2種以上の材料による、2層以上の多層薄膜積層体であることを特徴とする請求項1記載の光学素子。
- 多層薄膜積層体が、複屈折を有する2種以上の樹脂を用いた、2層以上の樹脂積層体を延伸したものであることを特徴とする請求項5記載の光学素子。
- 赤外反射層(B)が、法線方向に対し45°以上傾けて入射した入射光に対して可視光領域に反射波長帯域を有し、45°傾けて入射したときの波長710nmの光線透過率が10%以下であり、
かつ反射波長帯域幅が50nm以上を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光学素子。 - 赤外反射層(B)が、法線方向に対し45°以上傾けて入射した入射光に対して可視光領域に反射波長帯域を有し、45°傾けて入射したときの波長640nmの光線透過率が10%以下であり、
かつ反射波長帯域幅が50nm以上を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光学素子。 - 赤外反射層(B)が、法線方向に対し45°以上傾けて入射した入射光に対して可視光領域に反射波長帯域を有し、45°傾けて入射したときの波長610nmの光線透過率が10%以下であり、
かつ反射波長帯域幅が50nm以上を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光学素子。 - 赤外反射層(B)が、多層膜干渉フィルターであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の光学素子。
- 多層膜干渉フィルターが、屈折率の異なる2種以上の材料による、2層以上の蒸着無機酸化物多層薄膜であることを特徴とする請求項10記載の光学素子。
- 多層膜干渉フィルターが、屈折率の異なる2種以上の樹脂による、2層以上の多層延伸フィルムであることを特徴とする請求項10記載の光学素子。
- 多層延伸フィルムが、多層押出し膜の2軸延伸フィルムであることを特徴とする請求項12記載の光学素子。
- 多層延伸フィルムが、1軸延伸フィルムの光軸が直交するように積層された積層体であることを特徴とする請求項12記載の光学素子。
- 多層膜干渉フィルターが、屈折率の異なる樹脂の多層積層塗工薄膜であることを特徴とする請求項10記載の光学素子。
- 多層膜干渉フィルターが、コレステリック液晶の円偏光型反射板の右捻れ品と左捻れ品の積層物であることを特徴とする請求項10記載の光学素子。
- 多層膜干渉フィルターが、同一捻れ方向のコレステリック液晶の円偏光型反射板を1/2波長板を介して積層したものであることを特徴とする請求項10記載の光学素子。
- 液晶セルの両側に偏光板が配置されており、液晶セルの光源側面の偏光板側には、さらに請求項1〜17のいずれかに記載の光学素子が、その集光素子(A)側が光源側面の偏光板側になるように配置されていることを特徴とする液晶セル。
- バックライトの出射面側に、請求項1〜17のいずれかに記載の光学素子が、その赤外反射層(B)側がバックライトの出射面側になるように配置されていることを特徴とする照明装置。
- 液晶セルの両側に偏光板が配置されており、液晶セルの光源側面の偏光板側には、さらに請求項1〜17のいずれかに記載の光学素子が、その集光素子(A)側が光源側面の偏光板側になるように配置されており、赤外反射層(B)側がバックライトの出射面側になるように配置されていることを特徴とする液晶表示装置。
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