JP2006349972A - 偏光分離シート及びそれを用いた発光ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成、作製方法によって、発光装置からの無偏光の出射光のうち不要な偏光成分を発光装置に戻し、多重反射により所望の偏光に変換し、所望の偏光成分のみを出射できる偏光分離シート及びそれを用いた発光ユニットを提供すること。
【解決手段】本発明の偏光分離シート10は、一方の主面上に複数のプリズム12を有する透明基材11、前記複数のプリズム12上にそれぞれ異なる屈折率を有する少なくとも2種類の材料で構成された層が少なくとも3層積層された積層構造13、及び前記積層構造上に形成された平坦化層14をそれぞれ有する少なくとも2つのプリズムシート101,102を、被偏光分離光の波長よりも十分に長い間隔をおいて配置してなる。
【選択図】図3

Description

本発明は偏光分離シート及びそれを用いた発光ユニットに関し、特に液晶ディスプレイなどの表示装置に使用される偏光分離シート及びそれを用いた発光ユニットに関する。
近年、薄型で大画面のディスプレイが急速に市場を広げている。その中でも特に液晶ディスプレイは低消費電力、高明所コントラストなど優れた特徴を持ち、市場が大きく広がっている。液晶ディスプレイはバックライトから出射された光を偏光板により揃った偏光成分のみを取り出し、液晶層への電圧印加の有無によりスイッチングすることで画像の表示を行っている。通常に使用される偏光板は延伸したポリビニルアルコール(PVA)フィルムに色素やヨウ素などを吸着させたもので、PVAフィルムの延伸方向に平行な電界成分を有する偏光を吸収することにより偏光分離を行う。したがって、バックライトなどの発光装置から出射された光の少なくとも半分は画像の表示には使用されていない。液晶ディスプレイにはブラウン管テレビ、プラズマテレビ、有機ELディスプレイなどに比較して視野角が狭い、動画表示が苦手といった欠点があり、現在その改良が盛んに進められている。これら欠点の改良は液晶の材料や動作モードの改良、バックライトによる黒挿入などでなされつつあるが、ほとんどの場合ディスプレイ表面から出射される光の量(輝度)を減少させてしまう。そこで近年、従来は吸収型の偏光板によって吸収されていた光を有効に利用する方法が幾つか提案されている。例えば、住友3M社製のDBEFや日東電工社製のPCFなどの光学フィルムがその一例である。これら反射型偏光板と呼ばれる部材は、吸収型偏光板が偏光を作り出すために吸収していた一方の偏光成分をバックライト側に反射させ、反射型偏光板とバックライトの反射板間を多重反射させることにより所望の偏光成分に変換させる機能を有する。
また、液晶プロジェクタでは、光源から出射された光を効率よく利用するため、プリズムと光学多層膜と位相差膜を組み合わせた偏光ビームスプリッタ(特許文献1,2参照)が偏光分離・変換に使用されている。
特開平8−15525号公報 特開2004−145305号公報
しかしながら、DBEFやPCFなどの光学フィルムは、数百層もの積層構造の膜厚や、連続的なコレステリック液晶の螺旋ピッチなどの制御などが必要であり、容易に作製することはできなかった。
また、液晶プロジェクタに使用される特許文献1に記載の偏光ビームスプリッタは、片面がのこぎり状の凹凸を有する光学ブロックを光学多層膜を介して接合しなければならないため、大きな面積や微細な凸凹の周期を有する構造体は作れなかった。
特許文献2に記載の偏光ビームスプリッタは、偏光分離のための光学多層膜や反射膜を形成した透明基板と位相差膜を接着剤を介して重ね合わせ、基板法線方向から傾いた角度で切断して形成するため、作製工程が複雑であり、大きな面積の構造体を得ることは非常に困難であった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、簡単な構成、作製方法によって、発光装置からの無偏光の出射光のうち不要な偏光成分を発光装置に戻し、多重反射により所望の偏光に変換し、所望の偏光成分のみを出射できる偏光分離シート及びそれを用いた発光ユニットを提供することを目的とする。
本発明の偏光分離シートは、一方の主面上に複数のプリズムを有する透明基材、前記複数のプリズム上にそれぞれ異なる屈折率を有する少なくとも2種類の材料で構成された層が少なくとも3層積層された積層構造、及び前記積層構造上に形成された平坦化層をそれぞれ有する少なくとも2つのプリズムシートを、被偏光分離光の波長よりも十分に長い間隔をおいて配置してなることを特徴とする。
本発明の偏光分離シートにおいては、一つのプリズムシートにおけるp波透過率の中心波長が400nm以上550nm以下であり、他のプリズムシートにおけるp波透過率の中心波長が前記中心波長よりも100nm以上300nm以下大きいことが好ましい。
本発明の偏光分離シートにおいては、前記間隔が少なくとも1μmであることが好ましい。
本発明の偏光分離シートにおいては、前記積層構造は、前記プリズムに接する側から高屈折率層、低屈折率層の順に交互に積層されてなることが好ましい。
本発明の発光ユニットは、発光装置と、前記発光装置の発光面上に設けられた上記偏光分離シートと、を具備することを特徴とする。
本発明の発光ユニットにおいては、前記発光装置と前記偏光分離シートとの間に配置された四分の一波長板をさらに具備することが好ましい。
本発明によれば、一方の主面上に複数のプリズムを有する透明基材、前記複数のプリズム上にそれぞれ異なる屈折率を有する少なくとも2種類の材料で構成された層が少なくとも3層積層された積層構造、及び前記積層構造上に形成された平坦化層をそれぞれ有する少なくとも2つのプリズムシートを、被偏光分離光の波長よりも十分に長い間隔をおいて配置しているので、簡単な構成、作製方法によって、発光装置からの無偏光の出射光のうち不要な偏光成分を発光装置に戻し、多重反射により所望の偏光に変換し、所望の偏光成分のみを出射できる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る発光ユニットを示す概略構成図である。図1に示す発光ユニットは、平面照明装置である発光装置30と、発光装置30上に配置された光路調整部材20と、光路調整部材20上に配置された偏光分離シート10とから主に構成されている。光路調整部材20は、発光装置30から出射された光の方向を発光装置30の表面の法線方向に向けるための部材であり、特に必須な部材ではない。すなわち、偏光分離シート10は、発光装置30上に直接設けられていてもよく、他の部材を介して設けられていてもよい。
本実施の形態においては、発光装置30として、平面照明装置である冷陰極管31を用いた例について説明しているが、発光装置30として、LEDを多数配置した構造や、有機ELやFEDなどの面発光体などを用いることができる。また、発光装置30として、冷陰極管やLEDなどを導光板の側面(横または角)に設置したサイドライト方式やエッジライト方式のバックライトやフロントライトを使用することもできる。
光路調整部材20としては、プリズムシート、シリンドリカルレンズシート、マイクロレンズアレイシートなどを用いることができる。これらはサイドライト方式やエッジライト方式のバックライトやフロントライトのような発光装置の表面の法線から大きく傾いた方向に出射光が分布する場合に特に有効である。
偏光分離シート10は、後述するように2枚のプリズムシート101,102を有し、それぞれのプリズムシート101,102は、一方の主面上に複数のプリズムを有する透明基材の前記複数のプリズム上にそれぞれ異なる屈折率を有する少なくとも2種類の材料で構成された層を少なくとも3層積層し、この積層構造上に平坦化層を形成することにより製造される。すなわち、プリズムシート101,102は、透明基材11のプリズム12上に設けられた積層構造13と、積層構造13上に設けられた平坦化層14とから主に構成されている。
ここで、本発明の偏光分離シートの原理を図2を用いて説明する。バックライトなどの発光装置30から出射された光41は無偏光状態である。プリズムの傾斜面に形成する後述する積層膜の屈折率や膜厚の組み合わせを適切に調整すると、プリズムと積層膜の界面において紙面に平行な電界成分のp波をほとんど透過させ、紙面に垂直な電界成分のs波はほとんど反射させることができる。p波はそのまま直進して発光装置30側と反対側の面より出射光43として出射される。一方s波は積層膜への入射角と同じ角度で反射され別のプリズムと積層膜との界面でさらに反射されて、発光装置30へと戻される。発光装置30バックライトに戻った光は反射板等で反射され、偏光面が変化して再度発光装置30から出射される(リサイクル光42)。その結果、再度p波成分は透過し、s波成分は反射する。このようにしてプリズムと積層膜の界面で反射されたs波成分は多重反射を繰り返しp波へと変換される。上記機能を有する光学シートを偏光分離シートと呼ぶ。
図3は、本発明の実施の形態に係る偏光分離シートの構成を示す断面図である。それぞれのプリズムシート101,102においては、透明基材(ここでは、透明シート)11上に、稜線が互いに略平行になるように配置されたプリズム12が形成されている。プリズム12上には、積層構造(光学多層膜)13が形成されている。本実施の形態では、積層構造13は、プリズム12に接する側から高屈折率層131と低屈折率層132とが交互に積層されて構成されている。なお、積層構造13の構成は、これに限定されず、屈折率が異なる2種類以上の材料で構成された層を3層以上積層し、偏光分離が可能な層構成であれば特に制限はない。
積層構造13における高屈折率層131、低屈折率層132の層数は、偏光分離シートを通過した光の偏光度を高めるために多いことが望ましい。この場合において、波長帯域を広げるために1層毎に膜厚を厳密に制御することが好ましい。偏光度を十分高くするためには、層数は7層以上であることが望ましい。
また、積層構造13において、偏光分離を効率よく行うためには、高屈折率層131と低屈折率層132との間の屈折率差は大きいほど良く、0.05以上が望ましく、0.1以上がさらに望ましい。高屈折率層131、低屈折率層132を構成する材料としては、各種無機物、有機物を使用することが可能である。高屈折率層131の材料としては、例えばZnS、TiO、Taなどを用いることができ、低屈折率材料132としては、SiOなどの無機物を用いることができる。高屈折率層131、低屈折率層132は、スパッタリング法や蒸着法などの気相法で形成することができる。また、多層同時押出成型や、熱可塑性フィルム上にゾルゲル法、スパッタリング法などの気相法などで多層膜をあらかじめ形成しておき、プリズム形状の型を加熱した状態で前記多層膜に押し当ててプリズム形状の賦形を行うことも可能である。
積層構造13上には、紫外線などのエネルギー線照射や加熱などによって硬化する樹脂又は加熱した熱可塑性樹脂等で構成された透明な平坦化層14が形成される。この平坦化層14により、積層構造13を有するプリズム12が平坦化層14内に埋め込まれて、偏光分離シート10の表面が平坦化される。この平坦化層14は、偏光分離の効率を高め、また別の光学フィルムへの貼り合わせを容易にしたり、偏光分離シート10における発光装置30側と反対側の空気層との界面での全反射によりs波の漏れを減少させたりすることができる。平坦化層14を構成する材料としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂や、ゾルゲル反応により形成したSiOなどを使用することができる。
本発明に係る偏光分離シート10は、図3に示すように、2つのプリズムシート101,102を有する。このプリズムシート101,102間は、被偏光分離光の波長よりも十分に長い間隔が確保されている。このようにプリズムシート101,102を、被偏光分離光の波長よりも十分に長い間隔をおいて配置することにより、それぞれのプリズムシート101,102による偏光分離効果を発揮させることができる。この間隔(プリズムシート101のプリズム12の山とプリズムシート102のプリズム12の山との間の垂直方向における距離)としては、少なくとも1μmであることが好ましい。
そして、被偏光分離光の中心波長をプリズムシート101,102毎に変えておくことにより、広い波長範囲で偏光分離を行うことができる。すなわち、このような構成により、高偏光度の偏光分離と広波長帯域での偏光分離とを両立することができる。例えば、一方のプリズムシート101のp波透過率の第1中心波長が400nm以上550nm以下であり、他方のプリズムシート102のp波透過率の第2中心波長が第1中心波長よりも100nm以上300nm以下大きいことが好ましい。このように、それぞれのプリズムシート101,102のp波透過率の中心波長を変える場合には、積層構造の構成や屈折率などを適宜変更する。すなわち、積層構造における高屈折率層131,133と低屈折率層132,134の層数、層厚、屈折率などを適宜調整する。なお、p波透過率の中心波長とは、p波透過率の最小値より10%高くなる短波長側及び長波長側の波長の平均値をいう。
プリズムシート101,102を所定の間隔をおいて配置する方法としては、特に制限はないが、例えば、プリズムシート101,102をそれぞれ作製し、接着剤を用いて貼り合わせても良く、プリズムシート101,102のそれぞれの平坦化層14を硬化させる前に平坦化層14同士を当接させ、その後平坦化層14を硬化させるようにしても良い。なお、プリズムシート101,102を重ねて配置する場合、それぞれのプリズム12の山と谷又は山と山を位置合わせしても良く、山と谷又は山と山が位置合わせされてなくても良い。また、プリズムシート101,102のプリズム12のそれぞれのピッチは、同じでも良く、異なっていても良い。また、接着剤を用いる場合には、屈折率や透明性などを考慮する必要がある。
透明基材11としては、ガラス板、アクリル板、PETフィルムなどの樹脂フィルムなどを使用することが可能である。プリズム12の材料としては、透明基材11と同様、ガラスやアクリルやPETなどの樹脂などを使用することができる。透明基材11とプリズム12とは異なる材料で構成されていてもよく、同じ材料で構成されていてもよい。ただし、透明基材11とプリズム12との間の界面での反射は偏光分離の効率を低下させるため、できるだけ近い屈折率を有する材料を使用することが望ましく、同じ材料で形成することが最も望ましい。
プリズム12の形成は、透明基材11上に熱硬化樹脂や紫外線硬化樹脂などを塗布し、プリズム12の形状の型を押し当てた後、加熱や紫外線照射により樹脂を硬化させた後に型から取り外す方法や、熱可塑性の透明基材に、加熱したプリズム形状の型を押し当てたりするなどの方法で行うことが可能である。なお、型はロール形状に加工したものを使用することにより長尺の透明基材に連続的に賦形することができる。また、プリズム形状の金型を用い射出成型により形成することもでき、フォトリソグラフィを用いて加工することも可能である。
透明基材11のプリズム12の頂角51は、プリズム12と積層構造13との界面で反射された光を発光装置30に効率よく戻すために、およそ90°±5°であることが望ましい。また、プリズム12の断面形状は、略直角二等辺三角形が好ましい。
発光装置30と偏光分離シート10との間に四分の一波長板を配置してもよい。これにより、発光装置30に戻されるs波は、再度プリズム12に入射する前に、二度四分の一波長板を通過するため、半波長分だけ位相が変化してp偏光成分に効率よく変換される。
透明基材11や平坦化層14の表面にハードコート層を設けてもよい。これにより、透明基材11や平坦化層14が傷つきにくくなり取り扱いが容易になる。ハードコート層の材料としては、アクリル系樹脂、エポキシ系の樹脂などや、シリカゾルが添加されたものなどを使用できる。
また、ハードコート層上に反射防止処理を施すことにより、偏光分離の効率を高めることが可能となる。反射防止処理としては、低屈折率材料の単一層構造や、低屈折率層と高屈折率層の積層構造などの反射防止膜を形成する方法や、モスアイ構造を透明基材11や平坦化層14に形成する方法などを挙げることができる。
発光装置30により無偏光の平行光線を偏光分離シート10に対して垂直に入射させた時、可視光波長全域に渡ってs波反射率を50%以上とし、p波反射率を30%以下にすることができる。また、上記実施の形態の方法によれば、簡単な作製方法によって、発光装置からの無偏光の出射光のうち不要な偏光成分を発光装置に戻し、多重反射により所望の偏光に変換し、所望の偏光成分のみを出射できる偏光分離シートを得ることができる。また、この構成によれば、広い波長範囲で偏光分離を行うことができる。
次に、本発明の効果を明確にするために行った実施例について説明する。
(実施例1)
厚さ100μmのPETフィルム(透明基材)上に紫外線硬化型のアクリル樹脂を塗布した上に、複数の隣り合ったピッチ10μmの略直角二等辺三角形の形状をしたプリズムが形成された金型を押し当て、PETフィルム側から紫外線照射することによりプリズムシートを作製した。このようにして2枚のプリズムシートを作製した。この2枚のプリズムシートのプリズムが形成された面にスパッタリングにより光学多層膜(積層構造)を形成した。光学多層膜においては、高屈折率層としてZnSを用い、低屈折率層としてSiOを用いた。それぞれのプリズムシートにおける光学多層膜の各層の膜厚は、プリズムシート1が60nm(ZnS)/122nm(SiO)/60nm(ZnS)/122nm(SiO)/60nm(ZnS)/122nm(SiO)/60nm(ZnS)であり、プリズムシート2が77nm(ZnS)/157nm(SiO)/77nm(ZnS)/157nm(SiO)/77nm(ZnS)/157nm(SiO)/77nm(ZnS)であった。なお、膜厚は図3に示した矢印53の方向、つまりプリズムの傾斜面52に垂直な方向で測定を行うものとする。上記それぞれのプリズムシートの光学多層膜上に透明平坦化層として、紫外線硬化型のアクリル樹脂を均一な厚みに塗布し、透明平坦化層同士を向かい合うようにして貼り合わせた後、紫外線を照射して硬化した。PETフィルムを含めた全体の厚みは220μmであった。また、プリズムシート1のプリズムの山とプリズムシート2のプリズムの山との間の垂直方向における距離は6μmであった。
作製したサンプルを、液晶モニターに使用されているバックライト上に載せ、吸収型偏光板の吸収軸をプリズムの長手方向に合わせて観察した所、サンプルの位置が周囲に比較して明るくなっていることを確認した。上記構成の偏光分離シートの光学シミュレーションを行った結果を図4に示す。図4より、p波の高い透過率(Tp)とs波の低い透過率(Ts)が可視広波長全域に渡って達成できていることが分かる。
(比較例1)
厚さ100μmのPETフィルム上に紫外線硬化型のアクリル樹脂を塗布した上に、複数の隣り合ったピッチ10μmの略直角二等辺三角形の形状をしたプリズムが形成された金型を押し当て、PETフィルム側から紫外線照射することによりプリズムシートを作製した。このようにして2枚のプリズムシートを作製した。この1枚のプリズムシートのプリズムが形成された面にスパッタリングにより光学多層膜(積層構造)を形成した。光学多層膜においては、高屈折率層としてZnSを用い、低屈折率層としてSiOを用いた。プリズムシートにおける光学多層膜の各層の膜厚は、60nm(ZnS)/122nm(SiO)/60nm(ZnS)/122nm(SiO)/60nm(ZnS)/122nm(SiO)/60nm(ZnS)であった。上記プリズムシートの光学多層膜上に透明平坦化層として、紫外線硬化型のアクリル樹脂を均一な厚みに塗布した。一方、実施例1とサンプルの厚みを合わせるため、厚さ100μmのPETフィルムに10μmの平坦化層を塗布してダミー透明基材を作製し、これとプリズムシートとを平坦化層同士が向かい合うようにして貼り合わせた後、紫外線を照射して硬化した。PETフィルムを含めた全体の厚みは220μmであった。
作製したサンプルを、液晶モニターに使用されているバックライト上に載せ、吸収型偏光板の吸収軸をプリズムの長手方向に合わせて観察した所、サンプルの位置が周囲に比較して明るくなっていることを確認したが、実施例1に比較してやや赤みを帯びていた。上記構成の偏光分離シートの光学シミュレーションを行って見た結果を図5に示す。図5より、600nm以上の長波長側でs波の透過率が増加していることが確認できる。
(比較例2)
頂角を90°とするプリズムの傾斜面に以下に示す膜厚で積層した光学多層膜の光学シミュレーションを行った。光学多層膜の膜厚は、60nm(ZnS)/122nm(SiO)/60nm(ZnS)/122nm(SiO)/60nm(ZnS)/122nm(SiO)/60nm(ZnS)/157nm(SiO)/77nm(ZnS)/157nm(SiO)/77nm(ZnS)/157nm(SiO)/77nm(ZnS)/157nm(SiO)/77nm(ZnS)とした。また、光学多層膜上は屈折率1.6の材料で平坦化したと仮定した。本シミュレーションは実施例1の構成において透明平坦化層を設けなかった場合に相当する。
光学シミュレーションを行った結果を図6に示す。実施例1の図4に比較してp波及びs波の透過率の波長依存性が大きく、特に、波長500nmから600nmでp波透過率が大きく波打っていることが分かる。このように波長に対して透過率に分布がある場合、色のずれを生じさせると考えられる。
(比較例3)
透明平坦化層を設けない場合において、透過率の波長依存性をできるだけ小さくできるよう光学多層膜の膜厚を最適化した場合のシミュレーション結果を図7に示す。頂角を90°とするプリズムの傾斜面に構成された光学多層膜の膜厚は、50nm(ZnS)/101nm(SiO)/50nm(ZnS)/101nm(SiO)/69nm(ZnS)/140nm(SiO)/69nm(ZnS)/140nm(SiO)69nm(ZnS)/140nm(SiO)/69nm(ZnS)/178nm(SiO)/87nm(ZnS)/178nm(SiO)/87nm(ZnS)とした。光学多層膜上は屈折率1.6の材料で平坦化したと仮定した。比較例2の図6に比較してp波及びs波の透過率の波長依存性は小さくなっているが、実施例1の図4に比較するとまだ大きい。このように、透明平坦化層を2枚のプリズムシートの間に所定の間隔を設けることが高い偏光度と広い波長帯域を両立させるために非常に重要であることが確認された。
本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態における材料、数値などは例示であり、適宜変更することができる。また、本発明に係る偏光分離シートは、シート状体に限定されず、本発明の効果を発揮できれば、フィルム状体、板状体などであっても良い。その他、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
本発明の実施の形態に係る発光ユニットを示す概略構成図である。 本発明の実施の形態に係る偏光分離シートにおける偏光分離・変換の原理を説明するための図である。 本発明の実施の形態に係る偏光分離シートの構成を示す断面図である。 実施例1の偏光分離シートの構成の光学計算から求めた透過率の波長依存性を示す図である。 比較例1の偏光分離シートの構成の光学計算から求めた透過率の波長依存性を示す図である。 比較例2の偏光分離シートの構成の光学計算から求めた透過率の波長依存性を示す図である。 比較例3の偏光分離シートの構成の光学計算から求めた透過率の波長依存性を示す図である。
符号の説明
10 偏光分離シート
11 透明基材
12 プリズム
13 積層構造
131,133 高屈折率層
132,134 低屈折率層
14 平坦化層
20 光路調整部材
30 発光装置
31 冷陰極管
41,43 出射光
42 リサイクル光
51 プリズムの頂角
52 プリズムの傾斜面
53 膜厚測定の方向
101,102 プリズムシート

Claims (6)

  1. 一方の主面上に複数のプリズムを有する透明基材、前記複数のプリズム上にそれぞれ異なる屈折率を有する少なくとも2種類の材料で構成された層が少なくとも3層積層された積層構造、及び前記積層構造上に形成された平坦化層をそれぞれ有する少なくとも2つのプリズムシートを、被偏光分離光の波長よりも十分に長い間隔をおいて配置してなることを特徴とする偏光分離シート。
  2. 一つのプリズムシートにおけるp波透過率の中心波長が400nm以上550nm以下であり、他のプリズムシートにおけるp波透過率の中心波長が前記中心波長よりも100nm以上300nm以下大きいことを特徴とする請求項1記載の偏光分離シート。
  3. 前記間隔が少なくとも1μmであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の偏光分離シート。
  4. 前記積層構造は、前記プリズムに接する側から高屈折率層、低屈折率層の順に交互に積層されてなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の偏光分離シート。
  5. 発光装置と、前記発光装置の発光面上に設けられた請求項1から請求項4のいずれかに記載の偏光分離シートと、を具備することを特徴とする発光ユニット。
  6. 前記発光装置と前記偏光分離シートとの間に配置された四分の一波長板をさらに具備することを特徴とする請求項5記載の発光ユニット。
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