JP2007171383A - 液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 正面及び斜めからの観察において同様の色バランスがとれた画像を表示できるバーティカルアライメントモードの液晶表示装置を提供する。
【解決手段】バーティカルアライメントモードの液晶表示装置において、該出射側偏光子と該液晶セルとの間、または該入射側偏光子と該液晶セルとの間に、特定の屈折率の関係を満たす二軸性光学異方板を1枚または2枚有し、特定のレターデーションの関係を満たし、該光学素子が、(A)入射角0度における光を反射する波長帯域の下限λが、該光源が発する光の中で600〜700nmの波長帯域で最大発光強度を示す光の波長λR1よりも長く、(B)入射角0度における波長600〜700nmの光の平均透過率が60%以上であり、且つ、(C)入射角60度における波長600〜700nmの光の平均透過率が、入射角0度における波長600〜700nmの光の平均透過率の0.3倍以上0.9倍以下である。
【選択図】図5

Description

本発明は、液晶表示装置に関する。具体的には、正面及び斜めからの観察において同様の色バランスがとれた画像を表示できるバーティカルアライメントモードの液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、その液晶セル中の液晶の駆動方式の違いによって種々の表示モードに分別される。中でも、バーチカルアラインメント(Virtical Alignment)モード(以下、「VAモード」ということがある)の液晶表示装置は、大型ディスプレイ用途で現在主流となっている。大型ディスプレイでは、正面から観察したときのカラー画像の色合いと、斜めから観察したときのカラー画像の色合いとの差が小さいことが特に求められる。
液晶表示装置は、光源と、二枚の二色性偏光子(出射側偏光子と入射側偏光子)と、この二色性偏光子に挟まれて配置された液晶セルとを含むものである。青色光(波長410〜470nm)、緑色光(波長520〜580nm)、及び赤色光(波長600〜660nm)がバランスされ白色発光する、冷陰極管、熱陰極管、発光ダイオード(LED)、及び、エレクトロルミネセンス(EL)などの光源からの光は、入射側偏光子で直線偏光に変換される。一般に、入射角0度から入射する光に対して位相を反転できる(すなわち、位相を二分の一波長遅らせる)ものであっても、斜めから入射する光に対しては、位相の遅延を丁度二分の一波長にすることができず、歪みを生じる。この歪みの度合いは波長によって異なってくる。その結果、正面から観察したときのカラー画像の色合いと、斜めから観察したときのカラー画像の色合いが異なる。
また、液晶表示装置には、輝度を向上させるために反射性偏光子が使われることがある。反射性偏光子では、斜めから入射する光を反射する波長帯域(以下、反射帯域ということがある)が正面から入射する光の反射帯域に比べて短波長側にシフトする。正面から入射する光について可視光領域全体を反射できる反射性偏光子であっても、斜めから入射する光については長波長の光(以下、赤色光ということがある)を反射できないことがある。このようなことから、液晶表示装置では、一般に、正面及び斜めからの観察において同様の色バランスがとれた画像を表示できない。
例えば、特許文献1では、法線方向の可視光領域の入射光に対しては透過特性を有し、赤外域に反射波長帯域を有し、法線方向に対する入射角が大きくなるにしたがい、反射波長帯域が短波長側に変化する赤外反射層を備える液晶表示装置が提案されている。特許文献1には該赤外反射層として、入射角45度の波長710nm、640nm又は610nmの光の透過率が10%以下となるものが開示されている。従って、斜めから入射する赤色光は該赤外反射層によってほぼ完全に反射又は吸収されてしまい、特許文献1に記載の液晶表示装置では、その表示画面を正面から観察したときのカラー画像の色合いと、斜めから観察したときのカラー画像の色合いが異なる問題があった。
特開2004−309618号公報
本発明の目的は、正面及び斜めからの観察において同様の色バランスがとれた画像を表示できる液晶表示装置を提供することにある。
本発明者らは、上記特許文献1に開示されている液晶表示装置の表示画面を正面から観察した場合には、青色、緑色及び赤色が良くバランスした画像が得られるが、斜めから観察した場合には、黒表示時に青みを帯びた画像になってしまうことに思い至った。そして、この原因は、特許文献1で用いている赤外反射層が斜めから入射する赤色光を遮断しすぎているからであることに思い至った。
そして、本発明者らは、上記目的を解決すべく鋭意検討した結果、VAモードの液晶表示装置において、特定の二軸性光学異方板と、斜め方向における特定波長の光を適度に透過する光学素子とを組み合わせて用いると、その表示画面をどの方向から観察しても、色バランスがとれた画像を表示できることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、
(1)出射側偏光子の両面に保護フィルムを有する出射側偏光板、液晶セル、入射側偏光子の両面に保護フィルムを有する出射側偏光板、光源、をこの順に有するバーティカルアライメントモードの液晶表示装置において、
該出射側偏光子と該液晶セルとの間、または該入射側偏光子と該液晶セルとの間に、1枚または2枚の二軸性光学異方板を有し、
該入射側偏光子と該光源との間に、光学素子を有し、
二軸性光学異方板の面内方向の主屈折率をn、n、及び厚さ方向の主屈折率をnとしたとき、二軸性光学異方板の全てがn>n>nの関係を満たし、
該出射側偏光板の該液晶セル側の保護フィルム、該入射側偏光板の該液晶セル側の保護フィルム、該二軸性光学異方板の全て、及び該液晶セルとを積層してなる光学積層板において、電圧無印加時に波長550nmの光が入射角0度で入射したときのレターデーションをR、波長550nmの光が入射角40度で入射したときのレターデーションをR40としたときに、|R40−R|≦35nmの関係を満たし、
該光学素子が、
(A)入射角0度における光を反射する波長帯域の下限λが、該光源が発する光の中で600〜700nmの波長帯域で最大発光強度を示す光の波長λR1よりも長く、
(B)入射角0度における波長600〜700nmの光の平均透過率が60%以上であり、且つ、
(C)入射角60度における波長600〜700nmの光の平均透過率が、入射角0度における波長600〜700nmの光の平均透過率の0.3倍以上0.9倍以下である、
液晶表示装置、
(2)前記光学素子が、
(D)入射角60度における波長600〜700nmの光の平均透過率が20%以上80%以下である、(1)に記載の液晶表示装置、
(3)前記光学素子が、コレステリック規則性を持つ樹脂層を有し、
該樹脂層のヘリカルピッチが400nm以上である、(1)〜(2)のいずれかに記載の液晶表示装置、
(4)波長450nm、及び波長550nmの光が入射角0度で入射したときの、前記二軸性光学異方板の面内方向のレターデーションをそれぞれRe450、及びRe550としたとき、0.9≦Re450/Re550≦1.05の関係を満たす、(1)〜(3)のいずれかに記載の液晶表示装置、
(5)前記光源が、発光ダイオード、及びエレクトロルミネセンスから選択されるものである、(1)〜(4)のいずれかに記載の液晶表示装置、
が提供される。
本発明の液晶表示装置は、その表示画面を斜めから観察したときの青色、緑色、及び赤色の色バランスが、正面から観察したときの青色、緑色、及び赤色のバランスと同様のバランスに調整できるため、斜めから観察したときに、赤みを帯びたり、青みを帯びたりすることがなくなり、表示画像の色再現範囲を広くできる。
本発明の液晶表示装置は、出射側偏光板、液晶セル、入射側偏光板、光学素子、光源、をこの順に有する。
本発明に用いる出射側偏光板は、出射側偏光子の両面に保護フィルムを有するものである。また、本発明に用いる入射側偏光板は、入射側偏光子の両面に保護フィルムを有するものである。
本発明に用いる出射側偏光子及び入射側偏光子は、液晶表示装置に用いられている公知の偏光子である。本発明に用いる偏光子は直角に交わる二つの直線偏光の一方を透過するものである。例えば、ポリビニルアルコールフィルムやエチレン酢酸ビニル部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムにヨウ素や二色性染料などの二色性物質を吸着させて一軸延伸させたもの、前記親水性高分子フィルムを一軸延伸して二色性物質を吸着させたもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン配向フィルムなどが挙げられる。その他に、グリッド偏光子、多層偏光子などの直線偏光を反射光と透過光に分離する機能を有する偏光子が挙げられる。これらのうちポリビニルアルコールを含有する偏光子が好ましい。
前記出射側偏光子及び前記入射側偏光子の偏光度は特に限定されないが、好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上である。出射側偏光子及び入射側偏光子の平均厚みは好ましくは5〜80μmである。
本発明に用いる出射側偏光子の保護フィルム及び入射側偏光子の保護フィルムは、透明なフィルムである。透明なフィルムとしては、1mm厚のフィルムにしたときの全光線透過率が80%以上のものであれば特に制限なく使用することができる。液晶セル側の保護フィルムとして、後述する二軸性光学異方板を用いることができる。
前記保護フィルムを構成する材料としては、ノルボルネン樹脂、ポリエステル樹脂、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。
偏光子と保護フィルムとは通常、水系の粘接着剤等を介して密着させる。水系の粘接着剤としては、イソシアネート粘接着剤、ポリビニルアルコール粘接着剤、ゼラチン粘接着剤、ポリウレタン粘接着剤、ポリエステル粘接着剤等を例示できる。保護フィルムは、偏光子と貼り合わせない側に、ハードコート層、反射防止層、低反射層、防眩層、防汚層などの層が形成されていてもよい。
本発明に用いる液晶セルは、数μmのギャップを隔てて対向する透明電極を設けた2枚のガラス基板の間に液晶物質を充填し、この電極に電圧を掛けて液晶の配向状態を変化させて通過する光の量を制御するものである。
本発明に用いる液晶セルは、VAモードの液晶セルである。VAモードの液晶セルとは、電圧無印加状態において液晶分子が基板面に対して略垂直に配向し、電圧印加すると液晶分子が基板面に略水平に配向するものである。具体的には、MVA(Multi−domain Vertical Alignment)方式、PVA(Patterned Vertical Alignment)方式などが知られている。
本発明に用いる光源は、白色光を発するものであればよいが、好ましくは、発光ダイオード、及びエレクトロルミネッセンスから選択されたものである。このような光源を用いることにより、本発明の液晶表示装置の表示画像を、正面及び斜めからの観察において同様の色バランスがとれたものにすることができる。
本発明においては、前記出射側偏光子と前記液晶セルとの間、または前記入射側偏光子と前記液晶セルとの間に、1枚または2枚の二軸性光学異方板を有する。
本発明に用いる二軸性光学異方板は、透明なフィルムである。透明なフィルムとしては、1mm厚のフィルムにしたときの全光線透過率が80%以上のものであれば特に制限なく使用することができる。
二軸性光学異方板を形成する材料としては特に制限はないが、熱可塑性樹脂からなることが好ましい。熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル樹脂、脂環構造を有するオレフィンポリマーなどが挙げられる。これらの中で、脂環構造を有するオレフィンポリマーは、本発明の液晶表示装置の表示画像を、正面及び斜めからの観察において同様の色バランスがとれたものにすることができるため、好適に用いることができる。
脂環構造を有するオレフィンポリマーとしては、ノルボルネン系樹脂、単環の環状オレフィン系樹脂、環状共役ジエン系樹脂、ビニル脂環式炭化水素系樹脂、および、これらの水素化物等を挙げることができる。これらの中で、ノルボルネン系樹脂は、透明性と成形性が良好なため、好適に用いることができる。
ノルボルネン系樹脂としては、ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体若しくはノルボルネン構造を有する単量体と他の単量体との開環共重合体またはそれらの水素化物、ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合体若しくはノルボルネン構造を有する単量体と他の単量体との付加共重合体またはそれらの水素化物等を挙げることができる。
前記熱可塑性樹脂からなるフィルムとしては、公知の成形方法で得られたものを採用することができる。例えば、加熱溶融成形法、溶液流延法により得られたものなどを挙げることができるが、シート中の揮発性成分を低減させる観点から、加熱溶融成形法により得られたものを用いることが好ましい。
加熱溶融成形法は、さらに詳細には、溶融押し出し成形法、プレス成形法、インフレーション法、射出成形法、ブロー成形法、延伸成形法などに分類できる。これらの中で、機械的強度および表面精度などに優れる二軸性光学異方板が得られる観点から、溶融押し出し成形法により得られたものを用いることが好ましい。
本発明に用いる二軸性光学異方板は、前記熱可塑性樹脂からなるフィルムを延伸してなることが好ましい。前記熱可塑性樹脂からなるフィルムを延伸する方法としては、テンターを用いて横方向に一軸延伸する方法等の一軸延伸法;固定するクリップの間隔が開かれて縦方向の延伸と同時にガイドレールの広がり角度により横方向に延伸する同時二軸延伸法や、ロール間の周速の差を利用して縦方向に延伸した後にその両端部をクリップ把持してテンターを用いて横方向に延伸する逐次二軸延伸法などの二軸延伸法;横又は縦方向に左右異なる速度の送り力若しくは引張り力又は引取り力を付加できるようにしたテンター延伸機や、横又は縦方向に左右等速度の送り力若しくは引張り力又は引取り力を付加できるようにして、移動する距離が同じで延伸角度θを固定できるようにした若しくは移動する距離が異なるようにしたテンター延伸機を用いて斜め延伸する方法:が挙げられる。
前記熱可塑性樹脂からなるフィルムを延伸する条件に特に制限はないが、延伸温度としては、熱可塑性樹脂のガラス転移温度をTgとすると、通常Tg〜Tg+20℃の範囲で、総延伸倍率としては、通常1.1〜6.0倍の範囲にて、所望の光学特性を得るために調整すればよい。
本発明においては、前記二軸性光学異方板の面内方向の主屈折率をn、n、及び厚さ方向の主屈折率をnとしたとき、前記二軸性光学異方板の全てが、n>n>nを満たす。二軸性光学異方板が、このような特性でないと、本発明の液晶表示装置の表示画像を、正面から観察したときのカラー画像の色合いと、斜めから観察したときのカラー画像の色合いとが、大きく異なるおそれがある。
本発明においては、波長450nm、及び波長550nmの光が入射角0度で入射したときの、前記二軸性光学異方板の面内方向のレターデーションをRe450、及びRe550としたとき、前記二軸性光学異方板の全てが、0.9≦Re450/Re550≦1.05の関係を満たすことが好ましい。二軸性光学異方板が、このような特性であると、本発明の液晶表示装置の表示画像を、正面及び斜めからの観察において同様の色バランスがとれたものにすることができる。
レターデーションRe450、及びRe550は、高速分光エリプソメーター〔J.A.Woolam社、M−2000U〕を用いて、波長450nm、及び波長550nmの光を入射させて測定した値である。
本発明においては、前記入射側偏光子と前記光源との間に、光学素子を有する。
本発明に用いる光学素子は、光を反射する帯域(反射帯域)を有する。図1の実線30は入射角0度における反射率の波長依存性を示すものである。反射帯域は実線30のように、特定波長域(λからλの間の波長域)において反射率が他の部分よりも大きくなっている部分である。図1では反射帯域と非反射帯域との境界でくっきりと反射率が変化し、グラフが矩形又は台形状を成しているが、反射率が緩やかに変化して、グラフが放物線のような緩やかな山形形状を成していても良い。ここで反射帯域の下限λ及び上限λは反射帯域における最大反射率の1/2倍の反射率を示す波長の中で、それぞれ最も短いもの及び最も長いものである。
図2は、本発明の液晶表示装置に用いる光源の発光スペクトルの一例を示すものである。λR1は光源が発する光の中で600〜700nmの波長帯域で最大発光強度を示す光の波長である。
前記反射帯域は、入射角によって、波長範囲が変化する。
本発明に用いる光学素子は、
(A)入射角0度における光を反射する波長帯域の下限λが、前記光源が発する光の中で600〜700nmの波長帯域で最大発光強度を示す光の波長λR1よりも長い。このような関係を満たすと、本発明の液晶表示装置を表示画像を、正面及び斜めからの観察において同様の色バランスがとれたものにすることができる。
図2ではλR1は約627nmであるので、λは627nmよりも長い波長にすることが必要である。図1の実線30で示す反射帯域のλは約680nmである。反射帯域の幅(λとλとの差)は、好ましくは50nm以上、特に好ましくは80nm以上である。
前記光学素子は、入射角0度における反射帯域の最大反射率が、好ましくは10%〜40%、より好ましくは15%〜35%である。最大反射率が上記範囲にあると、本発明の液晶表示装置の表示画面を斜めから観察した場合において、正面から観察した場合と同様の色バランスがとれた画像を得ることができる。反射率が上記範囲を超えると、斜めから観察したときの表示画像が青みを帯びやすくなるおそれがある。反射率が上記範囲未満になると、斜めから観察したときの表示画像が赤みを帯びやすくなるおそれがある。
前記光学素子は、入射角0度における反射帯域で最大反射率を示す波長の光を入射角60度で入射したときの反射率が、入射角0度における前記最大反射率の、好ましくは50%以上90%以下、より好ましくは60%以上85%以下である。
前記の反射帯域は、光の入射角度が増えると短波長側にシフトすることが好ましい。具体的には入射角60度において反射帯域が前記波長λR1を含むようになることが好ましい。反射帯域が短波長側にシフトすることによって、入射角60度における波長600〜700nmの光の平均透過率を適度に下げることができる。図1の破線31は、入射角60度における反射帯域を示すものである。図1では反射帯域の下限が約610nmになっている。
本発明に用いる光学素子は、
(B)入射角0度における波長600〜700nmの光の平均透過率が、60%以上、好ましくは70%以上である。
青色光(波長400〜500nm)及び緑色光(波長500〜600nm)の入射角0度における光線透過率は、赤色光(波長600〜700nm)に対する光量バランスを考慮して適宜選択できる。入射角0度における青色光及び緑色光の平均透過率は、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上である。なお、本明細書において平均透過率とは、10nmの波長間隔で測定した透過率の算術平均値である。
本発明に用いる光学素子は、
(D)その入射角60度における波長600〜700nmの光の平均透過率が、好ましくは20%以上80%以下、より好ましくは30%以上70%以下、さらに好ましくは40%以上60%以下である。このような関係を満たすと、本発明の液晶表示装置の表示画像を、正面及び斜めからの観察において同様の色バランスがとれたものにすることができる。
本発明に用いる光学素子は、
(C)入射角60度における波長600〜700nmの光の平均透過率が、入射角0度における波長600〜700nmの光の平均透過率の0.3倍以上0.9倍以下であり、好ましくは0.4倍以上0.8倍以下、より好ましくは0.5倍以上0.7倍以下である。このような関係を満たすと、本発明の液晶表示装置表示画像を、正面及び斜めからの観察において同様の色バランスがとれたものにすることができる。倍率が上記範囲未満になると、斜めから観察したときの表示画像が青みを帯びる。倍率が上記範囲を超えると、斜めから観察したときの表示画像が赤みを帯びる。
前記光学素子は、入射角60度における青色光(波長400〜500nm)及び緑色光(波長500〜600nm)の平均透過率が、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上である。
また、前記光学素子は、入射角60度における波長600〜700nmの光の平均透過率が、入射角60度における青色光(波長400〜500nm)及び緑色光(波長500〜600nm)の平均透過率よりも小さいこと、具体的には入射角60度における青色光(波長400〜500nm)及び緑色光(波長500〜600nm)の平均透過率よりも5〜30%小さいことが好ましい。
前記光学素子は、前記のように入射角度に応じて光の透過率又は反射率の特性が変化するものであれば、その構造によって制限されない。本発明の光学素子として、例えば、屈折率の異なる無機酸化物を交互に蒸着した多層薄膜(例えば、コールドフィルターなど);屈折率の異なる樹脂の薄膜を積層した薄膜;屈折率の異なる樹脂の多層膜を2軸延伸して得られる赤外反射フィルム;屈折率の異なる2種の樹脂膜を1軸延伸して赤外反射フィルムを得、それを直交させて積層したもの;コレステリック規則性を持つ樹脂層を含む円偏光反射板の選択反射帯域を赤外域としたもの;前記円偏光反射板の右捻れ品と左捻れ品を積層としたもの;同一捻れ方向のコレステリック規則性を持つ樹脂層を含む円偏光反射板2枚を1/2波長板を介して積層したもの;グリッド偏光子などが挙げられる。
これらのうち、コレステリック規則性を持つ樹脂層を含む円偏光反射板(光学素子)は、反射帯域の調整が比較的容易であり、好ましく用い得る。そこで、コレステリック規則性を持つ樹脂層を含む円偏光反射板について説明する。
図3は、前記コレステリック規則性を持つ樹脂層を含む円偏光反射板(光学素子)の一例の構造を示す図である。
この円偏光反射板は、シート状の透明基材1に、必要に応じて配向膜2を形成し、さらにその上にコレステリック規則性を持つ樹脂(以下、コレステリック樹脂ということがある)層3を形成することによって得ることができる。
〔円偏光反射板の透明基材〕
前記透明基材は、光学的に透明な基材であれば特に限定されない。かかる透明基材としては、透明樹脂フィルム、ガラス基板等が挙げられ、効率よく製造することができる観点から、長尺の透明樹脂フィルムがより好ましい。透明樹脂フィルムは、単層のフィルムであっても、複層フィルムであってもよいが、1mm厚で全光線透過率が80%以上のものが好ましい。
透明樹脂フィルムの樹脂材料としては、脂環式構造含有重合体樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等の鎖状オレフィン系重合体、トリアセチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアリレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルフォン、アモルファスポリオレフィン、変性アクリル系ポリマー、エポキシ系樹脂等が挙げられる。これらは1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、脂環式構造含有重合体樹脂又は鎖状オレフィン系重合体が好ましく、透明性、低吸湿性、寸法安定性、軽量性等の観点から、脂環式構造含有重合体樹脂がより好ましい。
脂環式構造含有重合体樹脂としては、(1)ノルボルネン系重合体、(2)単環の環状オレフィン系重合体、(3)環状共役ジエン系重合体、(4)ビニル脂環式炭化水素重合体、及びこれらの水素添加物などが挙げられる。これらの中でも、透明性や成形性の観点から、ノルボルネン系重合体が好ましい。
ノルボルネン系重合体としては、例えば、ノルボルネン系モノマーの開環重合体、ノルボルネン系モノマーと開環共重合可能なその他のモノマーとの開環共重合体、及びそれらの水素添加物;ノルボルネン系モノマーの付加重合体、ノルボルネン系モノマーと付加共重合可能なその他のモノマーとの付加共重合体などが挙げられる。これらの中でも、透明性の観点から、ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素添加物が最も好ましい。上記の脂環式構造を有する重合体は、例えば特開2002-321302号公報等に開示されている公知の重合体から選ばれる。
前記透明樹脂フィルムの樹脂材料は、そのガラス転移温度が、好ましくは80℃以上、より好ましくは100〜250℃の範囲である。ガラス転移温度がこのような範囲にある樹脂材料からなる透明樹脂フィルムは、高温下での使用における変形や応力が生じることがなく耐久性に優れる。
前記透明樹脂フィルムの樹脂材料の分子量は、溶媒としてシクロヘキサン(樹脂材料が溶解しない場合にはトルエン)を用いたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(以下、「GPC」と略す。)で測定したポリイソプレン(溶媒がトルエンのときは、ポリスチレン換算)の重量平均分子量(Mw)で、通常10,000〜100,000、好ましくは25,000〜80,000、より好ましくは25,000〜50,000である。重量平均分子量がこのような範囲にあるときに、フィルムの機械的強度及び成形加工性が高度にバランスされ好適である。
前記透明樹脂フィルムの樹脂材料の分子量分布(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))は特に制限されないが、通常1.0〜10.0、好ましくは1.0〜4.0、より好ましくは1.2〜3.5の範囲である。
前記透明樹脂フィルムの樹脂材料は、その分子量2,000以下の樹脂成分(すなわち、オリゴマー成分)の含有量が、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下、さらに好ましくは2重量%以下である。オリゴマー成分の量が多いと、表面に微細な凸部が発生したり、厚みむらを生じたりして面精度が悪くなる。オリゴマー成分の量を低減するためには、重合触媒や水素化触媒の選択、重合、水素化等の反応条件、樹脂を成形用材料としてペレット化する工程における温度条件、等を最適化すればよい。オリゴマーの成分量は、シクロヘキサン(樹脂材料が溶解しない場合はトルエン)を用いるGPCによって測定することができる。
前記透明基材の厚みは特に制限されないが、材料コストや薄型・軽量化の観点から、その厚みは、通常1〜1000μm、好ましくは5〜300μm、より好ましくは30〜100μmである。
また、前記透明基材は予め表面処理されているものが好ましい。表面処理を施すことにより、透明基材と前記配向膜との密着性を高めることができる。表面処理の手段としては、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線(UV)処理、火炎処理等が挙げられる。また、透明基材の上に、接着層(下塗り層)を設けることも、透明基材と後述する配向膜との密着性を高める上で好ましい。
〔円偏光反射板の配向膜〕
前記配向膜は、コレステリック樹脂層を面内で一方向に配向規制するために透明基材の表面に必要に応じて形成される。配向膜は、例えば、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミドなどのポリマーを含有するものである。配向膜は、このようなポリマーを含有する溶液(配向膜用組成物)を膜状に積層し、乾燥させ、そして一方向にラビングすることで、得ることができる。
膜状に積層する方法としては、スピンコート法、ロールコート法、フローコート法、プリント法、ディップコート法、流延製膜法、バーコート法、ダイコート法、グラビア印刷法などが挙げられる。
ラビングの方法は、特に制限されないが、例えばナイロンなどの合成繊維、木綿などの天然繊維からなる布やフェルトを巻き付けたロールで一定方向に配向膜を擦る方法が挙げられる。ラビングした時に発生する微粉末(異物)を除去して配向膜の表面を清浄な状態とするために、形成された配向膜をイソプロピルアルコールなどによって洗浄することが好ましい。配向膜にコレステリック規則性を持つ樹脂を面内で一方向に配向規制する機能を持たせるために、ラビングする方法以外に、配向膜の表面に偏光紫外線を照射する方法が挙げられる。
配向膜の厚さは0.01〜5μmであることが好ましく、0.05〜1μmであることがさらに好ましい。
〔円偏光反射板のコレステリック樹脂層〕
前記円偏光反射板は、コレステリック規則性を持つ樹脂層を含むものである。コレステリック規則性とは、該樹脂層平面の法線方向に進むに従って、該樹脂の分子軸の角度が次々にずれて(ねじれて)いく構造を示すことである。このように分子軸の方向がねじれてゆく構造はヘリカルな構造と呼ばれる。該樹脂層平面の法線(ヘリカル軸)は、コレステリック樹脂層の厚み方向に略平行になっていることが好ましい。コレステリック樹脂層の厚みは、1μm〜10μmが好ましく、1μm〜5μmが特に好ましい。
前記円偏光反射板のコレステリック樹脂層は、そのヘリカルピッチが、好ましくは400nm以上、より好ましくは430nm以上である。ヘリカルピッチとは、ヘリカル構造において分子軸の方向が平面を進むに従って少しずつ角度がずれていき、そして再びもとの分子軸方向に戻るまでのヘリカル軸方向の距離のことである。
〔コレステリック樹脂層を形成する材料(1):液晶ポリマー〕
コレステリック樹脂層を形成する材料としては、先ず、液晶ポリマーが挙げられる。液晶ポリマーとは、液晶性を有するポリマーのことであるが、この液晶ポリマーとしては、メソゲン構造を有するポリマーが挙げられる。メソゲンは、液晶配向性を付与する共役性の直線状原子団である。この液晶ポリマーを配向膜上に膜状に積層することでコレステリック樹脂層を得ることができる。
メソゲン構造を有するポリマーとしては、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステルイミド等のポリマー主鎖に、直接に又は屈曲性を付与するスペーサー部を介して、パラ置換環状化合物等からなるメソゲン基を結合した構造を有するもの;ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリシロキサン、ポリマロネート等をポリマー主鎖に、直接に又は共役性の原子団からなるスペーサー部を介して、パラ置換環状化合物等からなる低分子結晶化合物(メソゲン部)を結合した構造を有するものが挙げられる。
前記スペーサー部としては、ポリメチレン鎖やポリオキシメチレン鎖等が挙げられる。スペーサー部を形成する構造単位に含まれる炭素数は、メソゲン部の化学構造等により適宜に決定され、一般にはポリメチレン鎖の場合には、1〜20、好ましくは2〜12であり、ポリオキシメチレン鎖の場合には、炭素数が1〜10、好ましくは1〜3である。
また、前記液晶ポリマーの他の例としては、低分子カイラル剤含有のネマチック液晶ポリマー;カイラル成分導入の液晶ポリマー;ネマチック液晶ポリマーとコレステリック液晶ポリマーの混合物等が挙げられる。カイラル成分導入の液晶ポリマーとは、それ自体がカイラル剤の機能を果たす液晶ポリマーである。ネマチック液晶ポリマーとコレステリック液晶ポリマーの混合物は、それらの混合比率を変えることによって、ネマチック液晶ポリマーのヘリカル構造のピッチを調整することができるものである。
さらに、アゾメチン形、アゾ形、アゾキシ形、エステル形、ビフェニル形、フェニルシクロヘキサン形、ビシクロヘキサン形のようなパラ置換芳香族単位やパラ置換シクロヘキシル単位等からなるネマチック配向性を付与するパラ置換環状化合物を有するものに、不斉炭素を有する化合物等からなる適宜なカイラル成分や低分子カイラル剤等を導入する方法等により、コレステリック規則性を付与したもの(特開昭55-21479号公報、米国特許第5332522号等を参照)も挙げることができる。なお、パラ置換環状化合物におけるパラ位の末端置換基としては、シアノ基やアルキル基、アルコキシル基等が挙げられる。
液晶ポリマーはその製法によって制限されない。液晶ポリマーは、例えば、メソゲン構造を有するモノマーをラジカル重合、カチオン重合又はアニオン重合することによって得られる。メソゲン構造を有するモノマーは、例えばアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルのようなビニル系モノマーに、直接に又はスペーサー部を介してメソゲン基を公知の方法で導入することによって得ることができる。また、液晶ポリマーは、ポリオキシメチルシリレンのSi-H結合を介し白金系触媒の存在下にビニル置換メソゲンモノマーを付加反応させることによって;主鎖ポリマーに付与した官能基を介して相間移動触媒を用いたエステル化反応によりメソゲン基を導入することによって;マロン酸の一部に必要に応じスペーサー部を介してメソゲン基を導入したモノマーとジオールとを重縮合反応させることによって得ることができる。
(液晶ポリマーに導入または含有させるカイラル剤)
液晶ポリマーに導入または含有させるカイラル剤としては、従来公知のものを使用することができる。例えば、特開平6-281814号公報に記載されたカイラルモノマー、特開平8-209127号公報に記載されたカイラル剤、特開2003-131187号公報に記載の光反応型カイラル化合物等が挙げられる。
またカイラル剤としては、カイラル剤の添加によって意図しない相転移温度の変化を避けるために、カイラル剤自身が液晶性を示すものが好ましい。さらに、経済性の観点からは、液晶ポリマーを捩じる効率を表す指標であるHTP(=1/P・c)の大きなものが好ましい。ここで、Pはヘリカル構造のピッチ長を表し、cはカイラル剤の濃度を表す。
〔コレステリック樹脂層を形成する材料(2):重合性組成物〕
コレステリック樹脂層を形成する好適な材料として、重合性液晶化合物を含有する重合性組成物、好ましくは重合性液晶化合物、重合開始剤、及びカイラル剤を含有する重合性組成物が挙げられる。この材料を用いてコレステリック樹脂層を形成する方法の例としては、重合性液晶化合物、重合開始剤及びカイラル剤、さらに必要に応じて界面活性剤、配向調整剤等を溶剤に溶解させた塗布液を得、これを基材に膜状に積層し、乾燥させ、その乾燥させた膜を重合させる方法がある。
(重合性組成物に含有させる重合性液晶化合物)
前記重合性液晶化合物としては、棒状液晶化合物が好ましく用いられる。
棒状液晶化合物としては、式(1)で表される化合物を挙げることができる。
R1-B1-A1-B3-M-B4-A2-B2-R2 式(1)
なお、式(1)中のA1及びA2は、後述するようにスペーサー基であるが、このスペーサー基を省いて、直接にB1とB3又はB4とB2が結合していてもよい。
式(1)中、R1及びR2は重合性基を表す。重合性基であるR1、R2の具体例としては、化1に示す(r-1)〜(r-15)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2007171383

Figure 2007171383
B1、B2、B3及びB4は、それぞれ独立して単結合又は二価の連結基を表す。また、B3、B4の少なくとも一方は、−O−CO−O−であるのが好ましい。
A1及びA2は炭素原子数1〜20のスペーサー基を表す。スペーサー基としては、例えば、ポリメチレン基やポリオキシメチレン基等が挙げられる。スペーサー基を形成する構造単位に含まれる炭素数は、メソゲン基の化学構造等により適宜に決定され、一般にはポリメチレン基の場合には、炭素原子数1〜20、好ましくは2〜12であり、ポリオキシメチレン基の場合には、炭素原子数が1〜10、好ましくは1〜3である。
Mはメソゲン基を表す。メソゲン基Mの形成材料としては特に制限されないが、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類及びアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。
(重合性組成物に含有させる重合開始剤)
前記重合開始剤には、熱重合開始剤と光重合開始剤とがあるが、重合反応が速いことから光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては、多核キノン化合物(米国特許3046127号公報、同2951758号公報)、オキサジアゾール化合物(米国特許4212970号公報)、α-カルボニル化合物(米国特許2367661号公報、同2367670号公報)、アシロインエーテル(米国特許2448828号公報)、α-炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号公報)、トリアリールイミダゾールダイマーとp-アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号公報)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60-105667号公報、米国特許4239850号公報)などが挙げられる。
重合開始剤の量は、重合性液晶化合物100重量部に対して1〜10重量部であることが好ましく、1〜5重量部であることがさらに好ましい。光重合開始剤を用いたときには、重合を開始するための照射光として紫外線を用いることが好ましく、照射エネルギーは、膜状に塗布した重合性組成物の単位面積当たり0.1mJ/cm〜50J/cmであることが好ましく、0.1〜800mJ/cmであることがさらに好ましい。
(重合性組成物に含有させるカイラル剤)
前記重合性組成物に含有させるカイラル剤としては、特開2003-66214号公報、特開2003-313187号公報、米国特許第6468444、WO98/00428等に掲載されるものを適宜使用することが出来るが、液晶化合物を捩じる効率を表す指標であるHTPの大きなものが経済性の観点から好ましい。HTPは、式:HTP=1/P・cで表される。ここで、Pはヘリカル構造のピッチ長を表し、cはカイラル剤の濃度を表す。また、カイラル剤の添加による意図しない相転移温度の変化を避けるために、カイラル剤自身が液晶性を示すものを用いることが好ましい。
(重合性組成物に含有させるその他の配合剤)
前記塗布液および重合前の前記塗布液の膜の表面張力を調整するために界面活性剤を使用し得る。特に好ましくはノニオン系の界面活性剤であり、分子量が数千程度のオリゴマーであることが好ましい。このような界面活性剤としては、セイミケミカル社製KH-40等が挙げられる。
前記配向調整剤は、基材上に形成されたコレステリック樹脂層の空気側表面の配向状態を制御するためのものであり、前記界面活性剤を兼ねる場合もあるが、目的の配向状態によっては適宜樹脂類が用いられる。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、あるいはこれらの変性物が用いられるがこの限りではない。
塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、ケトン類、アルキルハライド類、アミド類、スルホキシド類、ヘテロ環化合物、炭化水素類、エステル類、エーテル類が含まれる。特に環境への負荷を考慮した場合にはケトン類が好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
塗布液を膜状に積層するには、公知の方法、例えば、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法等を実施する。
前記コレステリック樹脂層は非液晶性の樹脂層であることが好ましい。非液晶性のものであると、周囲の温度や電界などによってコレステリック規則性が変化しないからである。非液晶性のコレステリック樹脂層は、前記重合性組成物に含まれる重合性液晶化合物として、重合性基を2以上有する重合性液晶化合物を選択し、それを重合することによって得ることができる。重合性基を2以上有する重合性液晶化合物によって、コレステリック樹脂に比較的剛直な架橋構造が導入され、液晶性を生じない樹脂が得られるのである。
コレステリック樹脂層に、光が入射すると、特定波長領域の左回り又は右回りの何れかの円偏光のみが反射される。反射された円偏光以外の光は透過する。円偏光反射板のコレステリック樹脂層に入射角θ1で入射した白色光は、コレステリック樹脂層表面で屈折して屈折角θ2でコレステリック樹脂層内を通過し、波長λに対応したピッチ長Pを持つコレステリック樹脂層(図3ではP2と表記された層)で一方の円偏光が反射角θ2で反射し、コレステリック樹脂層表面で屈折して出射角θ1で出射する。屈折はスネルの法則に従って行われる。
図3に示すようにヘリカル構造において分子軸が捩れる時の回転軸を表す螺旋軸4と、コレステリック樹脂層の法線とが平行である場合、ヘリカル構造のピッチ長Pと反射される円偏光の波長λとは、式(2)の関係を有する。
λ=n×P×cosθ2 式(2)
従って、ピッチ長Pのコレステリック樹脂層で反射される円偏光の反射帯域は、式(3)で表される。
×P×cosθ2≦λ≦n×P×cosθ2 式(3)
ここで、n=(n+n)/2(式中、nは重合性液晶化合物の短軸方向の屈折率を表し、nは重合性液晶化合物の長軸方向の屈折率を表し、Pはヘリカル構造のピッチ長を表す。)である。
すなわち、反射帯域の中心波長は、コレステリック樹脂層におけるヘリカル構造のピッチ長Pに依存する。このヘリカル構造のピッチ長を変えることによって、円偏光分離機能を発揮する波長を変えることができる。また、反射率はヘリカル構造の積層数に比例する。反射率を調整するために、ヘリカル構造の層数、すなわち厚みを調整する。反射帯域の幅はnとnの差に依存するので、製造しやすい適切な液晶化合物を選択する。
本発明においては、前記出射側偏光板の前記液晶セル側の保護フィルム、前記入射側偏光板の前記液晶セル側の保護フィルム、前記二軸性光学異方板の全て、及び前記液晶セルとを積層してなる光学積層板において、電圧無印加時に、波長550nmの光が入射角0度で入射したときのレターデーションをR、波長550nmの光が入射角40度で入射したときのレターデーションをR40としたときに、|R40−R|≦35nmの関係を満たす。
なお、本発明においてレターデーションRは、図4に示すように、Aの位置(前記光学積層板面の法線方向)から波長550nmの光を入射したときのレターデーションである。R40は、図4に示すように、二軸性光学異方板の面内の遅相軸(x軸)の方向から面内で45度傾いた方向(すなわち、面内の進相軸(y軸)の方向からも45度傾いた方向)で、且つ前記法線から40度傾いた方向であるBの位置からから波長550nmの光を入射したときのレターデーションである。
レターデーションR、及びR40は、高速分光エリプソメーター〔J.A.Woolam社、M−2000U〕を用いて、波長550nmの光を、AまたはBの位置からから入射させて測定した値である。
本発明の液晶表示装置では、通常、前記出射側偏光子の偏光透過軸と前記入射側偏光子の偏光透過軸とは略垂直に配置される。本明細書において、略垂直とは、二つ軸のなす角度が87〜90度、より好ましくは89〜90度であることを意味する。
本発明の液晶表示装置において、前記二軸性光学異方板を1枚備える場合、この二軸性光学異方板を備える態様としては、以下の(I)または(II)の2通りがある。(I)出射側偏光子と液晶セルの間に二軸性光学異方板を1枚備える態様。(II)入射側偏光子と液晶セルの間に二軸性光学異方板を1枚備える態様。
上記(I)または(II)の態様においては、二軸性光学異方板の面内の遅相軸と、二軸性光学異方板の近傍に配置されている方の偏光子の偏光透過軸とが、略平行の位置関係にあることが好ましい。本明細書において、略平行とは、二つ軸のなす角度が0〜3度、より好ましくは0〜1度であることを意味する。
本発明の液晶表示装置において、前記二軸性光学異方板を2枚備える場合、これらの二軸性光学異方板を備える態様としては、以下の(III)〜(V)の3通りがある。(III)出射側偏光子と液晶セルの間に二軸性光学異方板を1枚備え、且つ、液晶表示装置の入射側偏光子と液晶セルの間に二軸性光学異方板を1枚備える態様。(VI)出射側偏光子と液晶セルの間に二軸性光学異方板を2枚備える態様。(V)入射側偏光子と液晶セルの間に二軸性光学異方板を2枚備える態様。これらの中でも、(III)の態様が好ましい。
上記(III)の態様においては、出射側偏光子と液晶セルとの間に配置された二軸性光学異方板の面内の遅相軸と、出射側偏光子の偏光透過軸とが、略平行の位置関係にあり、且つ、入射側偏光子と液晶セルとの間に配置された二軸性光学異方板の面内の遅相軸と、入射側偏光子の偏光透過軸とが、略平行の位置関係にあることが好ましい。
本発明の液晶表示装置においては、出射側偏光子の偏光透過軸または入射側偏光子の偏光透過軸と、電圧無印加状態の液晶セルの遅相軸とが、略平行または略垂直であることが好ましい。
本発明の液晶表示装置においては、前記入射側偏光板と前記光学素子とが一体となっていることが好ましい。一体になることで該入射側偏光板と該光学素子との間に空間が無くなる。一体にする方法は、特に制限されない。例えば、接着剤や粘着剤を用いてこれらを貼りあわせる方法、これらの表面にプラズマを接触させ次いでこれらを圧着する方法などが挙げられる。接着剤や粘着剤は、可視光に対して透明であることが好ましく、また無用な位相差を発生させないものであることが好ましい。該入射側偏光板と該光学素子とを一体にした場合には、該光学素子Cは入射側偏光子の保護フィルムとしても機能するので、該入射側偏光板の、前記光源側の保護フィルムを省略することができる。
本発明の液晶表示装置は、前記出射側偏光子、前記液晶セル、前記入射側偏光子、前記光源、前記二軸性光学異方板、及び前記光学素子の他に、他のフィルムまたは層を設けてもよい、例えば、プリズムアレイシート、レンズアレイシート、光拡散板、導光板、拡散シート、輝度向上フィルムなどを適宜な位置に、1層または2層以上配置することができる。
本発明を、実施例及び比較例を示しながら、さらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
なお部及び%は特に断りのない限り重量基準である。
本実施例における評価は、以下の方法によって行う。
(1)厚さ
スナップゲージ(ミツトヨ社製、ID−C112BS)を用いて、二軸性光学異方板の幅方向に5cm間隔で厚みを測定して平均値を求める。
(2)屈折率
温度20℃、湿度60%の条件下で、高速分光エリプソメーター〔J.A.Wooolam社製、M−2000U〕を用いて、波長550nmにおいて二軸性光学異方板の面内の遅相軸方向の屈折率nxi、面内で遅相軸に垂直な方向の屈折率nyi、厚さ方向の屈折率nziを、二軸性光学異方板の幅方向に等間隔で10点測定して平均値を求める。
(3)レターデーションR、及びR40
温度20℃、湿度60%の条件下で、高速分光エリプソメーター〔J.A.Wooolam社製、M−2000U〕を用いて、波長550nmの光において、光学積層板の幅方向に等間隔で10点測定し、平均値を算出する。
(4)レターデーションRe450、及びRe550
温度20℃、湿度60%の条件下で、高速分光エリプソメーター〔J.A.Wooolam社製、M−2000U〕を用いて、波長450nm、及び波長550nmの光において、二軸性光学異方板の幅方向に等間隔で10点測定し、平均値Re450、及び平均値Re550を算出する。
製造例1
(円偏光反射板1の作製)
ノルボルネン系重合体からなる、光学的に等方性のフィルム(日本ゼオン社製、商品名「ゼオノアフィルムZF14」、厚み100μm)を透明基材として用いた。この透明基材の両面を濡れ指数が56dyne/cmになるようにプラズマ処理した。ポリビニルアルコール5部及び水95部からなる配向膜用組成物を透明基材の片面に塗布し、乾燥して、膜を形成した。次いで、透明基材の長手方向に平行な方向に、フェルトのロールでラビングして、平均厚さ0.1μmの配向膜を得た。
ネマチック液晶化合物(BASF社製、商品名「LC242」)100部、カイラル剤(BASF社製、商品名「LC756」)3.46部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、商品名「Irgacure907」)3.21部、及び界面活性剤(セイミケミカル社製、商品名「KH−40」)0.11部をメチルエチルケトン160部に溶解し、孔径2μmのポリフルオロエチレン製CD/Xシリンジフィルターを用いて濾過することにより、液晶塗工液(重合性組成物)を調製した。
配向膜上に、液晶塗工液を乾燥厚さが3.76μmになるように塗工し、100℃で5分間乾燥した。次いで、紫外線を150mJ/cm2で照射し、コレステリック樹脂層を形成し、円偏光反射板1を得た。
円偏光反射板1の断面をSEM観察したところ、コレステリック樹脂層の螺旋ピッチ(ヘリカルピッチ)は470nmであった。
この円偏光反射板1に、図2に示す発光スペクトルを持つ平行化された白色光を入射角0度で入射し、光線反射率を分光器(相馬光学製、商品名「S−2600」)で測定した。入射角0度における反射帯域は690nm〜850nmにあり、入射角0度における波長600〜700nmの光の平均透過率は88%であった。次に平行化された白色光を入射角60度で入射し、光線透過率を同様に測定した。入射角60度における波長610nmでの透過率は50%であった。入射角60度における波長600〜700nmの光の平均透過率は59%(入射角0度における波長600〜700nmの光の平均透過率の0.67倍)であった。
製造例2
(二軸性光学異方板2Aの作製)
ノルボルネン系重合体からなる、厚さ100μmの光学的に等方性のフィルム(日本ゼオン社製、商品名「ゼオノアフィルムZF14」)をテンター延伸機を使用して、延伸温度138℃、縦延伸倍率1.41倍、横延伸倍率1.41倍で同時二軸延伸を行い、さらに、そのフィルムの片面をコロナ処理(該フィルムの片面を、高周波発信機(春日電機社製 高周波電源AGI−024)を用いて、出力0.8KWでコロナ放電処理して、フィルムの表面張力を0.072N/mとする処理)して、厚み50μmの二軸性光学異方板2Aを得た。
得られた二軸性光学異方板1の屈折率は、n=1.53137、n=1.53037、n=1.52827であった。また、二軸性光学異方板2AのRe450/Re550は1.01であった。
製造例3
(二軸性光学異方板2Bの作製)
延伸温度を134℃とした他は製造例2と同様にして、厚み50μmの二軸性光学異方板2Bを得た。
得られた二軸性光学異方板2Bの屈折率は、n=1.53213、n=1.53073、n=1.52713であった。また、二軸性光学異方板2BのRe450/Re550は1.01であった。
製造例4
(偏光子の作製)
厚さ75μmのPVAフィルム(クラレ社製、ビニロン#7500)をチャックに装着しヨウ素0.2g/l、ヨウ化カリウム60g/lからなる水溶液中に30℃にて240秒間浸漬した。次いでホウ酸70g/l、ヨウ化カリウム30g/lの組成の水溶液中で6.0倍に一軸延伸し5分間ホウ酸処理を行った。最後に室温で24時間乾燥することにより、平均厚さ30μmで、偏光度99.97%の偏光子を得た。
実施例1
(光学積層板3Aの作製)
偏光子の保護フィルム(出射側偏光子の両面の保護フィルム、及び入射側偏光子の光源側の面の保護フィルム)として、トリアセチルセルロースフィルム(コニカミノルタ社製、商品名「KC8UX2M」)を準備した。そして、このフィルムの片面をケン化処理(該フィルムの片面に、1.5規定水酸化カリウムのイソプロピルアルコール溶液を25ml/m塗布し、25℃で5秒間乾燥した後、流水で10秒洗浄し、次いで25℃の空気を吹き付ける処理)して、トリアセチルセルロースフィルムFを得た。
そして、該トリアセチルセルロースフィルムF、VAモードの液晶セル(厚さ2.74μm、誘電異方性が正、波長550nmでの複屈折差Δn=0.09884、プレチルト角90度)、及び製造例2で得られた二軸性光学異方板2Aを、この順に積層して、光学積層板3Aを作製した。
得られた光学積層板3Aの|R40−R|は、22nmであった。
(出射側偏光板4A、入射側偏光板5Aの作製)
製造例4で得られた偏光子の両面に上記トリアセチルセルロースフィルムFをポリビニルアルコール系接着剤を用いて貼り合わせて、出射側偏光板4Aを作製した。このとき、トリアセチルセルロースフィルムFのケン化処理面が該偏光子に向くようにした。
また、製造例4で得られた偏光子の一方の面に上記トリアセチルセルロースフィルムFを、もう一方の面に製造例2で得られた二軸性光学異方板2Aを、貼り合わせて、入射側偏光板5Aを作製した。このとき、トリアセチルセルロースフィルムFのケン化処理面が該偏光子に向くようにし、且つ、二軸性光学異方板2Aのコロナ処理面が該偏光子に向くようにした。
(液晶表示装置Aの作製)
図2に示す発光スペクトルを有する光源装置の上に、製造例1で得られた円偏光反射板1、上記入射側偏光板5A(入射側偏光子5aの両面に保護フィルムが貼り合わせられている)、上記VAモードの液晶セル、及び上記出射側偏光板4A(出射側偏光子4aの両面に保護フィルムが貼り合わせられている)を、この順に積層して、図5に示す構成の液晶表示装置Aを作製した。なお、図5の矢印は、偏光子については偏光透過軸を、二軸性光学異方板については遅相軸を表す。
このとき、入射側偏光板5Aの二軸性光学異方板2Aが液晶セルに向くように配置した。また、出射側偏光子4aの偏光透過軸と入射側偏光子5aの偏光透過軸とが垂直となるようにした。さらに、二軸性光学異方板2Aの面内の遅相軸と入射側偏光子5Aの偏光透過軸とが平行となるようにした。
得られた液晶表示装置Aの観察角度による色度変化を目視評価したところ、液晶表示装置Aの表示画像は、表示画面の左右0〜80度の範囲でほとんど色度変化が認められなかった。
実施例2
(光学積層板3Bの作製)
製造例3で得られた二軸性光学異方板2B(二軸性光学異方板2bと称す)、VAモードの液晶セル(厚さ2.74μm、誘電異方性が正、波長550nmでの複屈折差Δn=0.09884、プレチルト角90度)、製造例3で得られた二軸性光学異方板2B(二軸性光学異方板2bと称す)を、この順に積層して、光学積層板3Bを作製した。
このとき、二軸性光学異方板2bの遅相軸と、二軸性光学異方板2bの遅相軸とが垂直になるように配置した。
得られた光学積層板3Bの|R40−R|は19nmであった。
(出射側偏光板4B、入射側偏光板5Bの作製)
製造例4で得られた偏光子の一方の面に上記トリアセチルセルロースフィルムFを、もう一方の面に製造例3で得られた二軸性光学異方板2bを、貼り合わせて、出射側偏光板4Bを作製した。このとき、トリアセチルセルロースフィルムFのケン化処理面が該偏光子に向くようにし、且つ、二軸性光学異方板2bのコロナ処理面が該偏光子に向くようにした。
また、製造例4で得られた偏光子の一方の面に上記トリアセチルセルロースフィルムFを、もう一方の面に製造例3で得られた二軸性光学異方板2bを、貼り合わせて、入射側偏光板5Bを作製した。このとき、トリアセチルセルロースフィルムFのケン化処理面が該偏光子に向くようにし、且つ、二軸性光学異方板2bのコロナ処理面が該偏光子に向くようにした。
(液晶表示装置Bの作製)
図2に示す発光スペクトルを有する光源装置の上に、製造例1で得られた円偏光反射板1、入射側偏光板5B(入射側偏光子5bの両面に保護フィルムが貼り合わせられている)、上記VAモードの液晶セル、及び出射側偏光板4B(出射側偏光子4bの両面に保護フィルムが貼り合わせられている)を、この順に積層して、図6に示す構成の液晶表示装置Bを作製した。なお、図6の矢印は、偏光子については偏光透過軸を、二軸性光学異方板については遅相軸を表す。
このとき、出射側偏光板4Bの二軸性光学異方板2bが液晶セルに向くように、且つ、入射側偏光板5Bの二軸性光学異方板2bが液晶セルに向くように、配置した。また、出射側偏光子4bの偏光透過軸と入射側偏光子5bの偏光透過軸とが垂直となるようにした。さらに、該二軸性光学異方板2bの面内の遅相軸と出射側偏光子4bの偏光透過軸とが平行、且つ、該二軸性光学異方板2bの面内の遅相軸と入射側偏光子5bの偏光透過軸とが平行となるようにした。
得られた液晶表示装置Bの観察角度による色度変化を目視評価したところ、液晶表示装置Bの表示画像は、表示画面の左右0〜80度の範囲でほとんど色度変化が認められなかった。
比較例1
ノルボルネン系重合体からなる未延伸フィルム(日本ゼオン社製、商品名「ゼオノアフィルムZF14」、厚み100μm)を用いて、実施例1と同様に光線透過率を測定した。選択反射帯域は確認されず、平行化された白色光を入射角0度で入射した場合の波長600〜700nmの光の平均透過率は90%であった。平行化された白色光を入射角60度で入射した場合の波長600〜700nmの光の平均透過率は82%(入射角0度における波長600〜700nmの光の平均透過率の0.91倍)であった。
実施例1で用いた円偏光反射板1に代えて、この未延伸フィルムを用いた他は、実施例1と同様にして、図7に示す構成の液晶表示装置Cを作製し、観察角度による色度変化を目視評価した。得られた液晶表示装置Cは、その表示画面の左右に60度以上傾けた方向から観察すると、画像が全体に薄赤色を呈していた。
本発明に用いる光学素子の反射帯域を説明するための図。 本発明に用いる光源の発光スペクトルの一例を示す図。 本発明に用いる光学素子(円偏光反射板)の一例を示す図。 レターデーションR40の測定方法の説明図である。 本発明の液晶表示装置の一例の構成を示す図である。 本発明の液晶表示装置の一例の構成を示す図である。 比較例1で作製した液晶表示装置の構成を示す図である。
符号の説明
1:透明基材
2:配向膜
3:コレステリック樹脂層
4:コレステリック樹脂層の螺旋軸

Claims (5)

  1. 出射側偏光子の両面に保護フィルムを有する出射側偏光板、液晶セル、入射側偏光子の両面に保護フィルムを有する入射側偏光板、光源、をこの順に有するバーティカルアライメントモードの液晶表示装置において、
    該出射側偏光子と該液晶セルとの間、または該入射側偏光子と該液晶セルとの間に、1枚または2枚の二軸性光学異方板を有し、
    該入射側偏光子と該光源との間に、光学素子を有し、
    二軸性光学異方板の面内方向の主屈折率をn、n、及び厚さ方向の主屈折率をnとしたとき、二軸性光学異方板の全てがn>n>nの関係を満たし、
    該出射側偏光板の該液晶セル側の保護フィルム、該入射側偏光板の該液晶セル側の保護フィルム、該二軸性光学異方板の全て、及び該液晶セルとを積層してなる光学積層板において、電圧無印加時に波長550nmの光が入射角0度で入射したときのレターデーションをR、波長550nmの光が入射角40度で入射したときのレターデーションをR40としたときに、|R40−R|≦35nmの関係を満たし、
    該光学素子が、
    (A)入射角0度における光を反射する波長帯域の下限λが、該光源が発する光の中で600〜700nmの波長帯域で最大発光強度を示す光の波長λR1よりも長く、
    (B)入射角0度における波長600〜700nmの光の平均透過率が60%以上であり、且つ、
    (C)入射角60度における波長600〜700nmの光の平均透過率が、入射角0度における波長600〜700nmの光の平均透過率の0.3倍以上0.9倍以下である、
    液晶表示装置。
  2. 前記光学素子が、
    (D)入射角60度における波長600〜700nmの光の平均透過率が20%以上80%以下である、請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記光学素子が、コレステリック規則性を持つ樹脂層を有し、
    該樹脂層のヘリカルピッチが400nm以上である、請求項1〜2のいずれかに記載の液晶表示装置。
  4. 波長450nm、及び波長550nmの光が入射角0度で入射したときの、前記二軸性光学異方板の面内方向のレターデーションをそれぞれRe450、及びRe550としたとき、0.9≦Re450/Re550≦1.05の関係を満たす、請求項1〜3のいずれかに記載の液晶表示装置。
  5. 前記光源が、発光ダイオード、及びエレクトロルミネセンスから選択されるものである、請求項1〜4のいずれかに記載の液晶表示装置。
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