JPWO2015105027A1 - 発光デバイス、及び発光デバイスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

透明基板1上に陽極2、正孔注入層3、正孔輸送層4、発光層5、電子輸送層6、及び陰極7が形成されている。発光層5は、多数の量子ドット8が分散されてなり、正孔輸送性材料9が量子ドット8の間隙に分散状に存在している。量子ドット8を分散させた量子ドット分散溶液と、該量子ドット分散溶液に可溶な正孔輸送性を有する可溶性正孔輸送性材料を含有した正孔輸送性溶液を作製し、正孔輸送性溶液を正孔注入層3上に塗布して正孔輸送性塗布膜を形成した後、該正孔輸送性塗布膜上に量子ドット分散溶液を塗布し、可溶性正孔輸送性材料を量子ドット分散溶液に溶解させ、正孔輸送層4と発光層5とを同時に作製する。これにより低コストで量子ドット内での再結合確率を向上させることができ、発光効率や発光色純度が良好でかつ駆動電圧の低電圧化が可能な発光デバイスとその製造方法を実現する。

Description

本発明は、発光デバイス、及び発光デバイスの製造方法に関し、より詳しくはナノ粒子材料からなる多数の量子ドットを有する発光層に電流を注入し、発光させるEL素子(EL:Electro Luminescence)等の発光デバイスとその製造方法に関する。
粒径が10nm以下のナノ粒子である量子ドットは、キャリア(電子、正孔)の閉じ込め性に優れていることから、電子−正孔の再結合により励起子を容易に生成することができる。このため自由励起子からの発光が期待でき、発光効率が高く発光スペクトルの鋭い発光を実現することが可能である。また、量子ドットは、量子サイズ効果を利用した広い波長範囲での制御が可能であることから、EL素子、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ等の発光デバイスへの応用が注目されている。
この種の発光デバイスでは、キャリアを高効率で量子ドット(ナノ粒子)内に閉じ込めて再結合させ、発光効率を高めるのが重要とされている。そして、量子ドットを作製する方法としては、ドライプロセスで量子ドットを作製するセルフアセンブル(自己組織化)法が知られている。
セルフアセンブル法は、格子不整合となるような特定の条件下で半導体層を気相エピタキシャル成長させ、三次元的な量子ドットを自己形成させる方法であり、例えば、n型半導体基板とp型半導体基板との間の格子定数の差から歪みを生じさせ、エピタキシャル成長ができなくなると歪みが生じた箇所に量子ドットが形成される。
しかしながら、上記セルフアセンブル法では、量子ドットがn型半導体基板上で離散的に分布することから、隣接する量子ドット間に隙間が生じる。このため、p型半導体基板から輸送されてきた正孔は量子ドットに注入されずにn型半導体基板側に輸送されたり、或いはn型半導体基板から輸送されてきた電子は量子ドットに注入されずにp型半導体基板に輸送されるおそれがあり、発光効率の低下を招くおそれがある。
さらに、上記セルフアセンンブル法では、量子ドットに注入されなかったキャリアが量子ドットの外部で再結合して発光するおそれもある。そして、このようにキャリアが量子ドットの外部で再結合して発光すると発光色純度の低下を招くおそれがある。また、量子ドット内に注入されなかったキャリアが量子ドット外で再結合しても発光せずにいわゆる非発光再結合中心となる場合もあり、斯かる場合は、電気エネルギーが光エネルギーに変換されずに熱エネルギーとして放出されることから、発光効率の更なる低下を招くおそれがある。
そこで、特許文献1では、第1の半導体からなる主表面を有する基板と、前記主表面の上に離散的に分布する複数の量子ドットと、前記量子ドットの分布する面の上に形成された第2の半導体からなる被覆層と、前記量子ドットの分布する面内のうち、前記量子ドットの配置されていない領域の少なくとも一部に配置され、前記第1及び第2の半導体のバンドギャップよりも大きなバンドギャップを有する第3の半導体もしくは絶縁材料で形成された障壁層とを有する半導体装置が提案されている。
すなわち、特許文献1では、図13に示すように、n型GaAs(第1の半導体)を使用して基板101を形成すると共に、p型GaAs(第2の半導体)を使用して被覆層102を形成している。また、セルフアセンブル法を使用してInGaAsからなる量子ドット103を基板101上に離散的に分布させ、さらに分子線エピタキシ法を使用し、GaAsよりも大きなバンドギャップエネルギーを有するAlAs(第3の半導体)を基板101上にエピタキシャル成長させ、その後、該AlAsを酸化させて絶縁性を有する障壁層104を形成している。
このように特許文献1では、絶縁性を有する障壁層104で量子ドット103間の隙間を充填することにより、キャリアを量子ドット103に注入し易くし、量子ドット103内での電子−正孔の再結合を促進し、これにより発光効率の向上を図っている。
一方、ウェットプロセスでコロイダル量子ドットを作製した技術としては、特許文献2や特許文献3が知られている。
特許文献2には、量子ドットでなり、電子と正孔の再結合によって発光する発光層と、前記発光層へ前記電子を輸送するn型の無機半導体層と、前記発光層へ前記ホールを輸送するp型の無機半導体層と、前記n型の無機半導体層に前記電子を注入するための第1の電極と、前記p型の無機半導体層に前記ホールを注入するための第2の電極とを具備した発光デバイスが提案されている。
この特許文献2では、図14に示すように、n型半導体層111及びp型半導体層112をキャリア輸送性の良好なバンド構造を有する無機材料で形成し、これらn型半導体層111とp型半導体層112との間に発光層となる量子ドット層113が介装されている。
そして、n型半導体層111から輸送されてきた電子、及びp型半導体層112から輸送されてきた正孔は、トンネル効果により量子ドット層113とキャリア輸送層(n型半導体層111及びp型半導体層112)との間のポテンシャル障壁を通過して量子ドット層113に注入され、これによりキャリアの量子ドット層113への注入効率を向上させている。
また、特許文献3には、第1の電極と第2の電極との間に量子ドット層が介装され、前記量子ドット層は、表面が正孔輸送性を有する第1の界面活性剤と電子輸送性を有する第2の界面活性剤とで被覆されたナノ粒子材料で形成された光電変換デバイスが提案されている。
すなわち、この特許文献3は、図15に示すように、基板121上に形成された陽極(第1の電極)122上に正孔輸送層123が形成され、該正孔輸送層123上に発光層124が形成されている。さらに、発光層(量子ドット層)124上に電子輸送層125が形成され、該電子輸送層125上に陰極(第2の電極)126が形成されている。
また、発光層124は、コア部127とシェル部128とを有するコアーシェル構造の量子ドット(ナノ粒子材料)129の集合体で形成されており、量子ドット129の表面は正孔輸送性を有する第1の界面活性剤131と電子輸送性を有する第2の界面活性剤132とで被覆されている。
そして、この特許文献3では、電圧の印加により陽極122及び陰極126にキャリアが注入されると、注入されたキャリアのうち、正孔はバルクへテロ的なネットワークを形成した第1の面活性剤131を介して量子ドット129に注入される。一方、電子も同様、バルクへテロ的なネットワークを形成した第2の面活性剤132を介して量子ドット129に注入される。すなわち、第1の界面活性剤131は正孔のみを輸送し、第2の界面活性剤132は電子のみを輸送することができることから、界面活性剤中で正孔と電子が再結合することもなく、電圧印加により陽極122及び陰極126に注入されたキャリアは効率良く量子ドット129内に注入され、正孔と電子とは量子ドット129内で再結合して高効率に発光させようとしている。
また、この特許文献3では、量子ドットを非極性溶媒中に分散させた量子ドット分散溶液を作製し、量子ドット分散溶液に第1の界面活性剤131を注入して量子ドットの表面を第1の界面活性剤131で被覆し、これにより正孔輸送性付き分散溶液を作製している。そして、この分散溶液を正孔輸送層123上に塗布して正孔輸送性付き量子ドット層を成膜した後、第2の界面活性剤132を含有した置換溶液に浸漬し、これにより第1の界面活性剤131の一部を第2の界面活性剤132で置換し、正孔輸送性及び電子輸送性を有する2種類の界面活性剤が併存するようにしている。
特開2002−184970号公報(請求項1、図1) 特開2006−185985号公報(請求項1、図1) 国際公開2010/065814号(請求項1、7、段落番号〔0034〕、〔0035〕、〔0089〕〜〔0103〕、〔0123〕等)
しかしながら、特許文献1(図13)は、量子ドット103を構成するInGaAsをエピタキシャル成長させて形成しているため、結晶の表面欠陥は少ないものの、InGaAsは、Inの一部をGaで置換したものであり、したがって基板101や被覆層102を形成するGaAsとバンドギャップエネルギーに大差がなく、キャリアの閉じ込め性能に劣っていた。
すなわち、量子ドットを発光デバイスの発光層に使用した場合、正孔及び電子を量子ドット103内に効果的に閉じ込めて、正孔と電子とを量子ドット103内で再結合させて励起子発光させる必要がある。
しかしながら、特許文献1では、量子ドット103を形成するInGaAsと基板101及び被覆層102を形成するGaAsとではバンドギャップエネルギーの差が小さく、このため、正孔輸送層から輸送されてきた正孔及び電子輸送層から輸送されてきた電子が量子ドット103内で再結合することなく、正孔は電子輸送層側に輸送され、また電子は正孔輸送層側に輸送されるおそれがあり、量子ドット103内へのキャリアの閉じ込め性能に劣っていた。
また、特許文献2(図14)は、トンネル効果を利用することにより量子ドット層113へのキャリアの注入効率を向上させているものの、キャリアを量子ドット層113に効果的に閉じ込めるのが困難であり、したがってキャリアの再結合確率に劣り、十分な発光効率を得ることができないという問題があった。
また、特許文献3(図15)は、正孔輸送性及び電子輸送性を有する2種類の界面活性剤(第1及び第2の界面活性剤131、132)を併存させるために、第1の界面活性剤131の一部を第2の界面活性剤132で置換しており、このため浸漬工程等が必要となり、製造工程の煩雑化を招くおそれがある。
しかも、特許文献3では、第1及び第2の界面活性剤を得るために、正孔輸送性材料及び電子輸送性材料にチオール基やアミノ基等の配位子を導入しなければならず、したがって、煩雑で特殊な有機化合物の合成工程が必要となり、高コスト化を招くおそれがある。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、低コストで量子ドット内での再結合確率を向上させることができ、発光効率や発光色純度が良好でかつ駆動電圧の低電圧化が可能な発光デバイス、及び発光デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
発光デバイスの発光効率を向上させるためには、電子輸送層から量子ドットに注入される電子と正孔輸送層から量子ドットに注入される正孔とのキャリアバランスを改善し、良好な再結合確率を得るのが望ましい。
すなわち、正孔輸送層及び電子輸送層は、通常、異なる材料で形成されることから、正孔輸送層及び電子輸送層をそれぞれ通過する正孔移動度及び電子移動度が異なる。例えば、電子輸送層中の電子移動度が正孔輸送層中の正孔移動度よりも大きい場合は、量子ドットへの正孔の注入量が電子の注入量に比べて少なくなることから、良好なキャリアバランスを得ることできず、電子と正孔との再結合確率の低下を招くおそれがある。また、電子と正孔との移動度の差異に起因して量子ドットの外部で正孔と電子とが再結合すると、発光色純度の低下を招くおそれがある。
そこで、本発明者らは、キャリアバランスを改善すべく鋭意研究を行ったところ、キャリア移動度の異なる2種類のキャリア輸送層のうち、キャリア移動度の小さいキャリア輸送層と同一のキャリア輸送性を有するキャリア輸送性材料を量子ドット間に分散状に存在させることにより、前記キャリア移動度が小さいキャリアの量子ドットへの注入効率を向上させることができ、これによりキャリアバランスが改善されて量子ドット内での再結合確率が向上し、発光効率や発光色純度が良好でかつ駆動電圧の低電圧化が可能な発光デバイスを得ることができるという知見を得た。
本発明はこのような知見に基づきなされたものであって、本発明に係る発光デバイスは、第1のキャリア輸送層と、該第1のキャリア輸送層よりもキャリア移動度の大きい第2のキャリア輸送層と、前記第1のキャリア輸送層と前記第2のキャリア輸送層に挟持された発光層とを備え、前記発光層に電流が注入されて発光する発光デバイスにおいて、前記発光層は、ナノ粒子材料からなる多数の量子ドットが分散されてなると共に、前記第1のキャリア輸送層と同一のキャリア輸送性を有するキャリア輸送性材料が前記量子ドットの間隙に分散状に存在していることを特徴としている。
また、本発明の発光デバイスは、前記第1のキャリア輸送層は、正孔輸送層であり、前記第2のキャリア輸送層は、電子輸送層であり、前記キャリア輸送性材料は、正孔輸送性材料であるのが好ましい。
これにより正孔輸送層での正孔の移動度が電子輸送層での電子の移動度より小さくても、正孔は、発光層中に存在する正孔輸送性材料を介して量子ドットへの注入が促進され、正孔の量子ドット内への注入効率が向上する。そしてその結果、量子ドット内での電子−正孔の再結合確率が向上し、発光効率や発光色純度が良好で駆動電圧の低電圧化が可能な発光デバイスを得ることができる。
また、本発明の発光デバイスは、前記キャリア輸送性材料が、低分子化合物からなるのが好ましい。
また、本発明の発光デバイスは、前記量子ドットは、表面が界面活性剤で被覆されているのが好ましい。
すなわち、界面活性剤がキャリア輸送性を有さず、表面欠陥の不活性化や分散性が良好な長鎖アミン等の嵩高い界面活性剤を使用しても、正孔−電子対を容易に量子ドット内に注入することができる。
また、本発明の発光デバイスは、前記キャリア輸送性材料が、前記量子ドットの表面に配位することなく、前記量子ドット間に存在するのが好ましい。
さらに、本発明の発光デバイスは、前記量子ドットが、コア部とシェル部とを備えたコアーシェル構造を有しているのが好ましい。
そして、上記発光デバイスは、量子ドットを分散させた量子ドット分散溶液と、該量子ドット分散溶液に可溶なキャリア輸送性を有する可溶性キャリア輸送性材料を含有したキャリア輸送性溶液を作製し、キャリア輸送性溶液を基板上に塗布してキャリア輸送性塗布膜を形成した後、該キャリア輸送性塗布膜上に量子ドット分散溶液を塗布することにより製造することができる。
すなわち、本発明に係る発光デバイスの製造方法は、ナノ粒子材料からなる量子ドットが分散した量子ドット分散溶液を作製する分散溶液作製工程と、キャリア輸送性を有しかつ前記量子ドット分散溶液に可溶な可溶性キャリア輸送性材料を含有したキャリア輸送性溶液を作製するキャリア輸送性溶液作製工程と、前記キャリア輸送性溶液を基板上に塗布してキャリア輸送性塗布膜を形成した後、該キャリア輸送性塗布膜上に前記量子ドット分散溶液を塗布し、前記キャリア輸送性材料が前記量子ドットの間隙に分散状に存在するように、前記可溶性キャリア輸送性材料の少なくとも一部を前記量子ドット分散溶液に溶解させ、キャリア輸送層及び発光層を同時に作製するキャリア輸送層・発光層作製工程とを含むことを特徴としている。
これにより、可溶性キャリア輸送性材料が量子ドット分散溶液に溶解して量子ドット間に分散状に存在させることができることから、薄層化されたキャリア輸送層と、量子ドットの間隙に分散状に存在するキャリア輸送性材料を備えた発光層を同時に作製することができ、低コストで発光効率や発光色純度の良好な発光デバイスを製造することができる。
また、本発明の発光デバイスの製造方法は、前記可溶性キャリア輸送性材料を低分子化合物であるのが好ましい。
これにより可溶性キャリア輸送性材料は、量子ドット分散溶液に容易に溶解して量子ドットの間隙に分散状に存在させることができる。
さらに、本発明の発光デバイスの製造方法は、前記可溶性キャリア輸送性材料が可溶性正孔輸送性材料であるのが好ましい。
また、本発明の発光デバイスの製造方法は、前記量子ドットの表面を界面活性剤で被覆し、前記可溶性キャリア輸送性材料が前記量子ドットの表面に配位せずに該量子ドットの間隙に分散状に存在するのが好ましい。
これにより量子ドットの表面にキャリア輸送性を有する界面活性剤が配位しないことから、界面活性剤にキャリア輸送性配位子を導入する合成工程も不要となる。さらに輸送性の異なる複数種の界面活性剤を併存させるための置換工程等も不要となり、置換工程に伴う配位子の界面活性剤からの脱離が生じることもない。したがって、界面活性剤の表面被覆率が低下することもなく、表面欠陥の不活性化を維持することができ、膜質が変質することもない。
また、本発明の発光デバイスの製造方法は、前記キャリア輸送性溶液は、キャリア輸送性材料の総計に対する前記可溶性キャリア輸送性材料の含有量が、50wt%以上であるのが好ましく、特に、前記キャリア輸送性材料の含有量は、75〜90wt%であるのが好ましい。
これによりキャリア輸送性溶液中に可溶性キャリア輸送性材料以外の高分子系キャリア輸送性材料が含有されていても、高分子系キャリア輸送性材料は架橋を形成してキャリア輸送層を形成する一方、可溶性キャリア輸送性材料は量子ドット分散溶液に溶解して発光層の一部となる。そして、量子ドットへのキャリアの注入効率が向上して再結合確率が良好となることから、発光効率や発光色純度が良好でかつ駆動電圧の低電圧化が可能な発光デバイスを得ることができる。
本発明の発光デバイスによれば、第1のキャリア輸送層と、該第1のキャリア輸送層よりもキャリア移動度の大きい第2のキャリア輸送層と、前記第1のキャリア輸送層と前記第2のキャリア輸送層に挟持された発光層とを備え、前記発光層に電流が注入されて発光する発光デバイスにおいて、前記発光層は、ナノ粒子材料からなる多数の量子ドットが分散されてなると共に、前記第1のキャリア輸送層と同一のキャリア輸送性を有するキャリア輸送性材料が前記量子ドットの間隙に分散状に存在しているので、キャリア移動度の小さいキャリアの輸送性を向上させることができ、これによりキャリアの量子ドット内への輸送性が改善されて再結合確率が向上し、良好な発光効率及び発光色純度を有しかつ駆動電圧の低電圧化が可能な発光デバイスを得ることができる。
また、本発明の発光デバイスの製造方法によれば、ナノ粒子材料からなる量子ドットが分散した量子ドット分散溶液を作製する分散溶液作製工程と、キャリア輸送性を有しかつ前記量子ドット分散溶液に可溶な可溶性キャリア輸送性材料を含有したキャリア輸送性溶液を作製するキャリア輸送性溶液作製工程と、前記キャリア輸送性溶液を基板上に塗布してキャリア輸送性塗布膜を形成した後、該キャリア輸送性塗布膜上に前記量子ドット分散溶液を塗布し、前記キャリア輸送性材料が前記量子ドットの間隙に分散状に存在するように、前記可溶性キャリア輸送性材料の少なくとも一部を前記量子ドット分散溶液に溶解させ、キャリア輸送層及び発光層を同時に作製するキャリア輸送層・発光層作製工程とを含むので、可溶性キャリア輸送性材料を量子ドット分散溶液に溶解させて量子ドット間に分散状に存在させることができ、これによりキャリア輸送層と共に所望の発光層を作製することが可能となる。
しかも、特許文献3のようにキャリア輸送性の異なる2種類の界面活性剤を併存させる必要もなく、したがって、界面活性剤の一部を置換するための浸漬処理等も不要となり、製造工程の簡略化を図ることができる。
また、キャリア輸送性を有する界面活性剤を使用する必要がないことから、キャリア輸送性配位子を導入するための有機化合物の合成過程が不要となり、したがって、低コストで高効率な発光デバイスを得ることができる。
本発明に係る発光デバイスとしてのEL素子の一実施の形態を模式的に示す断面図である。 発光層に含有される量子ドットを模式的に示した断面図である。 上記EL素子の製造方法を示す製造工程図(1/2)である。 上記EL素子の製造方法を示す製造工程図(2/2)である。 試料番号1のTEM画像である。 試料番号1の拡大TEM画像である。 試料番号4のTEM画像である。 試料番号4の拡大TEM画像である。 試料番号1〜4の発光スペクトルを示す図である。 試料番号1〜4の電流密度特性を示す図である。 試料番号5〜8の発光スペクトルを示す図である。 試料番号5〜8の電流密度特性を示す図である。 特許文献1に記載された先行技術を説明するための断面図である。 特許文献2に記載された先行技術を説明するための断面図である。 特許文献3に記載された先行技術を説明するための断面図である。
次に、本発明の実施の形態を詳説する。
図1は、本発明に係る発光デバイスとしてのEL素子を模式的に示す断面図である。
このEL素子は、ガラス基板等の透明基板1上に陽極2が形成され、該陽極2の表面に正孔輸送性材料からなる正孔注入層3及び正孔輸送層4が順次形成され、該正孔輸送層4の表面には発光層5が形成されている。さらに、発光層5の表面には電子輸送性材料からなる電子輸送層6が形成され、該電子輸送層6の表面には陰極7が形成されている。
そして、上記発光層5は、ナノ粒子材料からなる多数の量子ドット8と、量子ドット8間に均一乃至略均一に分散して存在する正孔輸送性材料(キャリア輸送性材料)9とを備えている。
量子ドット8は、図2に示すように、コア部10と該コア部10を保護するシェル部11とを有するコアーシェル構造からなり、該シェル部11の表面が界面活性剤12で被覆されている。
コア部10を形成するコア材料としては、可視光領域で発光する材料であれば特に限定されるものではなく、CdZnS,CdS、CdTe、ZnSe、ZnTe、InP、InAs、GaP、GaAs、ZnS:CuInS、ZnS:CuInGaS、Si、Ge等を使用することができる。
また、シェル部11は、コア部10の表面欠陥を不活性化することを主目的として形成される。このためシェル部11を形成するシェル材料としては、コア材料よりもバンドギャップエネルギーEgが大きく、真空準位を基準とした価電子帯のエネルギー準位VB1が、コア材料の価電子帯のエネルギー準位VB2よりも低位にある材料を使用するのが好ましい。
このようなシェル材料としては、例えば、ZnSやCdS等の硫化物、ZnO、SiO、TiO、Al等の酸化物、GaNやAlN等の窒化物、ZnSeやCdSe等のセレン化物を適宜選択して使用することができる。
また、界面活性剤12としては、分散性やコア部10の表面欠陥をより一層効率良く不活性化する観点から、嵩高い極性基を有する有機化合物、例えば、ヘキサデシルアミン(以下、「HDA」という。)やオクタデシルアミン等の長鎖アミン、トリオクチルホスフィン、トリオクチルホスフィンオキシド、オレイン酸、ミリスチン酸等のアルキル基に極性基が結合した界面活性剤を好んで使用することができる。
すなわち、嵩の低い配位子を有する界面活性剤12でシェル部11の表面を被覆すると、十分な分散性を得るのが困難である。しかも、界面活性剤12の分子量も小さくなることから、融点や沸点が低く、常温で液体のものが多い。そして、常温で液体の界面活性剤12は、分子運動が激しく、コア部10の表面欠陥を不活性化する確率が小さくなる。
したがって、界面活性剤12としては、上述したHDA等の嵩高い極性基を有する界面活性剤を使用するのが好ましく、斯かる極性基を配位子としてシェル部11の表面に配位させるのが好ましい。
尚、図1では、発光層5は、界面活性剤12を省略して図示している。
そして、本実施の形態では、上述したように量子ドット8の間隙に正孔輸送性材料9が分散状に存在している。
すなわち、本EL素子では、陽極2及び陰極7間に電圧が印加されると、陽極2に注入された正孔は、正孔注入層3及び正孔輸送層4を介して量子ドット8に注入される。一方、陰極7に注入された電子は、電子輸送層6を介して量子ドット8に注入される。そして、量子ドット8のコア部10内では、正孔と電子とが再結合し、これにより励起子発光する。
ところが、この場合、電子輸送層6を通過する電子移動度と、正孔注入層3及び正孔輸送層4を通過する正孔移動度とに差がある場合は、所望の十分な発光効率を得ることができず、更には発光色純度の低下を招くおそれがある。例えば、電子移動度が正孔移動度よりも大きい場合、コア部10内には正孔が不足することから電子が無駄に消費され、発光効率の低下を招くおそれがある。また、電子が量子ドット8に注入されずに量子ドット8の外部を通過し、正孔輸送層4に到達して該正孔輸送層4で正孔と再結合するおそれがあり、発光色純度の低下を招くおそれがある。特に、界面活性剤12が、上述したようにHDA等の嵩高い極性基を有する場合は、量子ドット8同士の間隙が大きくなり、このため電子が量子ドット8内に供給されずに量子ドット8同士の間隙を通過し、正孔輸送層4でキャリアが再結合し、発光色純度が低下するおそれがある。
したがって、発光効率及び発光色純度が良好なEL素子を得るためには、コア部10に注入される電子の注入量と正孔の注入量とが極力等量となるようにキャリアバランスを改善する必要がある。
そこで、本実施の形態では、電子移動度が正孔移動度よりも大きな電子輸送層用材料を使用して電子を効率良く量子ドット8に注入すると共に、正孔輸送性材料9を量子ドット8の間隙に分散状に存在させて正孔の量子ドット8への注入を促進させ、これによりキャリアバランスを改善し、発光効率の向上を図っている。このようにして大量の正孔が量子ドット8に注入されることから、エネルギー障壁も低くなり、駆動電圧を低下させることが可能となる。さらに、量子ドット8の間隙に正孔輸送性材料9が分散状に存在することから、HDA等の嵩高い界面活性剤12を使用しても、電子が量子ドット8の外部を通過するのが抑制され、該電子は量子ドット8内に効率良く注入される。そして、正孔輸送性材料9を介して注入された正孔と量子ドット8内で効果的に再結合し、これにより発光色純度が向上する。
本実施の形態で使用される電子輸送層用材料としては、電子を高速で陰極7から発光層5に輸送できるのであれば特に限定されるものではなく、例えば、電子移動度が10-3〜10-6cm/V・sの電子輸送層用材料を好んで使用することができる。
具体的には、電子輸送層用材料としては、例えば、ケミプロ化成社製KLET−03や、化学式(1)で表される2,2′,2″−(1,3,5−ベンジニトリル)−トリス(1−フェニル−1−H−ベンゾイミダゾール(以下、「TPBi」という。)、化学式(2)で表される2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(以下、「BCP」という。)、化学式(3)で表される2,5−ビス(2′,2″−ビピリジン−6−イル)−1,1−ジメチル、3,4−ジフェニルシラシクロペンタジエン(以下、「PyPySPyPy」という。)、化学式(4)で表わされるトリアジン−アセチレン化合物等を挙げることができる。
また、発光層5中に存在する正孔輸送性材料9としては、少なくとも一部が後述する量子ドット分散溶液に可溶な低分子系の正孔輸送性材料(以下、「可溶性正孔輸送性材料」という。)を使用するのが好ましい。
そして、このような可溶性正孔輸送性材料としては、例えば、化学式(5)で表されるN,N′−ジカルバゾイル−4,4′−ビフェニル、(以下、「CBP」という。)、化学式(6)で表されるN,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミン(以下、「TPD」という。)、化学式(7)で表わされる4,4′−ビス[N-(1-ナフチル)−N-フェニル−アミノ]ビフェニル(以下、「α−NPD」という。)、化学式(8)で表わされる低分子のポリビニルカルバゾール(以下「PVK」という。)等を挙げることができる。
正孔輸送層4は、少なくとも上述した可溶性正孔輸送性材料を含有していればよく、他の高分子系の正孔輸送性材料、例えば、ポリ−TPD等を含有していてもよい。ただし、2種以上の正孔輸送性材料を使用する場合は、両者が混じり合う必要があることから、例えば、正孔輸送性材料として、クロロベンゼン等の非極性溶媒に溶解するCBPを使用した場合は、高分子系正孔輸送性材料についても、ポリ−TPD等の非極性溶媒に分散する正孔輸送性材料を使用する必要がある。
また、正孔注入層3は、特に限定されるものではないが、正孔輸送層4に使用した材料と混ざり合わないようにするのが好ましい。例えば、正孔輸送層4として非極性溶媒に分散するCBPやポリ−TPDを使用した場合は、正孔注入層3にはポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン):ポリ(スチレンスルフォネート)(以下、「PEDOT:PSS」という。)等の極性溶媒(例えば、純水)に分散する材料を使用するのが好ましい。
尚、陽極2や陰極7についても特に限定されるものではなく、陽極2には、例えばITO(酸化インジウムスズ)を使用することができ、陰極7には、例えばAlを使用することができ、また、LiF/Alの二層構造とすることもできる。
そして、本EL素子は、量子ドットを分散させた量子ドット分散溶液と可溶性正孔輸送性材料を含有した正孔輸送性溶液と用意し、正孔注入層3上に正孔輸送性溶液を塗布し、乾燥させて正孔輸送性塗布膜を形成した後、量子ドット分散溶液を塗布し、乾燥させることによって製造することができる。
すなわち、本EL素子を作製する場合、単に正孔輸送性材料と量子ドットとを混合させた分散溶液を正孔輸送層4上に塗布しても、正孔輸送性材料の分散溶液への可溶性を十分に確保できないことから、量子ドット8と量子ドット8の間隙に正孔輸送性材料9を分散状に存在させるのが困難である。
このため本実施の形態では、量子ドットを分散させた量子ドット分散溶液と、可溶性正孔輸送性材料が量子ドット分散溶液に含有された正孔輸送性溶液とをそれぞれ別個に作製し、該正孔輸送性溶液を基板上に塗布して正孔輸送性塗布膜を形成した後、該正孔輸送性塗布膜上に量子ドット分散溶液を塗布している。すなわち、正孔輸送性塗布膜上に量子ドット分散溶液を塗布することにより、正孔輸送性塗布膜中の可溶性正孔輸送性材料が前記量子ドット分散溶液に溶解し、これにより量子ドット8と量子ドット8との間隙に正孔輸送性材料9を分散状に存在させることができ、かつ正孔輸送層4と発光層5とを同時に作製することが可能となる。
以下、上記EL素子の製造方法について詳述する。
まず、量子ドット分散溶液を作製する。
量子ドット8としては、上述したように種々の材料を使用することができるが、本実施の形態では、コア部10にCdZnS、シェル部11にZnSを使用した場合を例に説明する。
すなわち、まず、所定量の酸化カドミウム、酢酸亜鉛をオレイン酸中で混合し、減圧下、所定温度(例えば、150℃)に加熱しながら溶解させる。次いで、この溶液をオクタデセンに注入し,還元雰囲気下,所定温度(例えば、300℃)に加熱し、酸化カドミウム−酢酸亜鉛混合溶液を作製する。一方、イオウをオクタデセンに溶解させたイオウ溶液を用意し、該イオウ溶液を加熱中の前記酸化カドミウム−酢酸亜鉛混合溶液に注入し、更に所定温度(例えば、310℃)で所定時間(例えば、8分)加熱し、これによりコア部10をCdZnS、シェル部11をZnSとしたコアーシェル構造の量子ドットを得る。
次いで、この量子ドットをアセトンやクロロホルム等を使用して沈殿させ、遠心分離操作を行って溶液中の上澄液を除去する。同様の操作を複数回繰り返し、遠心分離操作を行って沈殿物を分離し、その後、HDA等の界面活性剤を添加しつつ、非極性溶媒、例えばトルエン中に分散させ、これにより量子ドット分散溶液を作製する。
次に、正孔輸送性溶液を作製する。
すなわち、少なくとも量子ドット分散溶液に溶解する可溶性正孔輸送性材料を含有した正孔輸送性材料を非極性溶媒に溶解させ、これにより正孔輸送性溶液を作製する。
この正孔輸送性溶液は、上述したように可溶性正孔輸送性材料を含有していればよく、可溶性正孔輸送性材料の他、高分子系正孔輸送性材料を含有していてもよい。
ただし、正孔輸送性材料の総量(可溶性正孔輸送性材料+高分子系正孔輸送性材料)に対する可溶性正孔輸送性材料の含有量は、良好な発光効率を得る観点からは、50wt%以上が好ましく、駆動電圧の低電圧化を図る観点からは75wt%以上が好ましい。
また、正孔輸送性材料の総量に対する可溶性正孔輸送性材料の含有量の上限は、100wt%、すなわち全量が可溶性正孔輸送性材料であってもよいが、正孔の注入効率を考慮すると、高分子系正孔輸送材料との混合物が望ましく、含有量の上限は90wt%程度が好ましい。
すなわち、正孔輸送性材料の総量に対する可溶性正孔輸送性材料の含有量は、特に限定されるものではないが、50wt%以上が好ましく、75〜90wt%がより好ましい。
図3及び図4は上記EL素子の製造方法を示す製造工程図である。
まず、図3(a)に示すように、スパッタ法等の薄膜形成法を使用し、ガラス基板等の透明基板1上にITO等の導電性透明材料を成膜し、UVオゾン処理を行い、膜厚100nm〜150nmの陽極2を形成する。
次に、正孔注入層溶液を用意し、スピンコート法等を使用して正孔注入層溶液を陽極2上に塗布し乾燥させ、図3(b)に示すように、膜厚20nm〜30nmの正孔注入層3を形成する。
次に、上述した正孔輸送性溶液を用意し、スピンコート法等を使用して正孔輸送性溶液を正極注入層3上に塗布し乾燥させ、図3(c)に示すように、膜厚60nm〜70nmの正孔輸送性塗布膜14を形成する。
次に、上述した量子ドット分散溶液を用意する。
そして、スピンコート法等を使用し、量子ドット分散溶液を正孔輸送性塗布膜14上に塗布し、還元雰囲気下、乾燥させる。このとき正孔輸送性塗布膜14中の可溶性正孔輸送性材料が量子ドット分散溶液に溶解して正孔輸送性塗布膜14は40〜50nm程度に薄層化して正孔輸送層4を形成する。そしてこれと同時に、可溶性正孔輸送性材料が量子ドットの間隙に分散状に存在することとなり、これにより図4(d)に示すように、正孔輸送層4及び発光層5が同時に作製される。
次に、KELT−03(ケミプロ化成社製)等の電子移動度の大きな電子輸送性材料を使用し、図4(e)に示すように、真空蒸着法等の薄膜形成法を使用し、発光層5の表面に膜厚50nm〜70nmの電子輸送層6を形成する。
そして、図4(f)に示すように、LiF、Al等を使用し、真空蒸着法等の薄膜形成法で膜厚100nm〜300nmの陰極7を形成し、これによりEL素子が作製される。
このように本EL素子の製造方法によれば、ナノ粒子材料からなる量子ドット8が分散した量子ドット分散溶液を作製する分散溶液作製工程と、正孔輸送性を有しかつ前記量子ドット分散溶液に可溶な可溶性正孔輸送性材料を含有した正孔輸送性溶液を作製する正孔輸送性溶液作製工程と、前記正孔輸送性溶液を正孔注入層3に塗布して正孔輸送性塗布膜14を形成した後、該正孔輸送性塗布膜14上に前記量子ドット分散溶液を塗布し、前記正孔輸送性材料9が量子ドット8の間隙に分散状に存在するように、可溶性正孔輸送性材料の少なくとも一部を前記量子ドット分散溶液に溶解させ、正孔輸送層4及び発光層5を同時に作製する正孔輸送層・発光層作製工程とを含むので、可溶性正孔輸送性材料を量子ドット分散溶液に溶解させて量子ドット間に分散状に存在させることができ、これにより正孔輸送層と共に所望の発光層を作製することが可能となる。
しかも、特許文献3のようにキャリア輸送性の異なる2種類の界面活性剤を併存させる必要もなく、したがって、界面活性剤の一部を置換するための浸漬処理等も不要となり、製造工程の簡略化を図ることができる。
また、可溶性正孔輸送性材料が量子ドット8の表面に配位せず該量子ドット8の間隙に分散状に存在することから、正孔輸送性を有する界面活性剤を使用する必要がなく、したがって正孔輸送性配位子を導入するための有機化合物の合成過程が不要となり、したがって、低コストで高効率な発光デバイスを得ることができる。
さらに、ドライプロセスのような複数の煩雑な成膜プロセスを要することなく、安価で効率良く製造することができる。
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものでない。上記実施の形態では、電子移動度が正孔移動度よりも大きな電子輸送性材料及び正孔輸送性材料を使用し、量子ドットの間隙に分散状に正孔輸送性材料を存在させたが、正孔移動度が電子移動度よりも大きな正孔輸送性材料及び電子輸送性材料を使用し、量子ドットの間隙に分散状に電子輸送性材料を存在させてもよい。例えば、電子輸送性材料として広く知られているAlq3(トリス(8−ヒドロキキノリン)アルミニウム)は電子移動度が10-7cm/V・Sと小さいが、このような電子移動度の小さい電子輸送性材料と正孔移動度の大きな正孔輸送性材料との組み合わせも可能である。
また、上記実施の形態では、各量子ドットとしてCdZnS/ZnSからなる化合物半導体を使用したが、その他の化合物半導体や、酸化物、単体半導体でも同様である。
また、上記実施の形態では、正孔輸送層4や電子輸送層6を有機化合物で形成しているが、無機化合物で形成してもよく、量子ドット内での再結合確率が良好な高品質の発光デバイスを安価かつ高効率で製造することができる。
また、上記実施の形態では、コアーシェル構造の量子ドットについて説明したが、シェル部が二層構造のコアーシェルーシェル構造や、シェル部を有さない場合にも同様に適用することができるのはいうまでもない。
また、本発明は、EL素子の他、発光ダイオード、半導体レーザや各種表示装置等の各種発光デバイスに使用できるのはいうまでもない。
また、上記実施の形態では、電子輸送層6は真空蒸着法を使用したドライプロセスで作製しているが、スピンコート法等のウェットプロセスで作製してもよい。ただし、この場合は、浸漬工程で使用した分散溶液と同じ極性の分散溶媒を使用する必要がある。
次に、本発明の実施例を具体的に説明する。
〔試料の作製〕
(試料番号1〜4)
コア部がCdZnS(LUMO準位:4.4eV、HOMO準位:7.2eV)、シェル部がZnS(LUMO準位:3.9eV、HOMO準位:7.4eV)でそれぞれ形成され、かつシェル部の表面をHDAで被覆したコアーシェル構造の量子ドットをトルエン(非極性溶媒)に分散させた量子ドット分散溶液を用意した。
また、可溶性正孔輸送性材料としてCBP(LUMO準位:2.9eV、HOMO準位:6.0eV)、及び高分子系正孔輸送請材料としてポリ−TPD(LUMO準位:3.1eV、HOMO準位:5.4eV)をそれぞれ用意した。そいて、CBP及びポリ−TPDの総量に対するCBPの含有量が0wt%、25wt%、50wt%、及び75wt%となるように、これらCBP及びポリ−TPDを秤量してクロロベンゼン(非極性溶媒)中に溶解させ、試料番号1(CBP含有量:0wt%)、試料番号2(CBP含有量:25wt%)、試料番号3(CBP含有量:50wt%)、及び試料番号4(CBP含有量:75wt%)の各々正孔輸送性溶液を作製した。
次いで、縦:25mm、横:25mmのガラス基板を用意し、スパッタ法によりガラス基板上にITO膜(仕事関数:4.8eV)を成膜し、UVオゾン処理を行い、膜厚120nmの陽極を作製した。
次に、極性溶媒としての純水中にPEDOT:PSS(LUMO準位:3.1eV、HOMO準位:5.2eV)を溶解させた正孔注入層溶液を作製した。そしてスピンコート法を使用し、陽極上に正孔注入層溶液を塗布し、乾燥させて膜厚20nmの正孔注入層を形成した。
この後、スピンコート法を使用し、上述した正孔輸送性溶液を正孔注入層上に塗布し、乾燥させて膜厚65nmの正孔輸送性塗布膜を形成した。
次に、スピンコート法を使用し、上記量子ドット分散溶液を正孔輸送性塗布膜上に塗布し、乾燥させた。具体的には、正孔輸送性塗布膜上に上記量子ドット分散溶液を0.1mL滴下し、回転数:3000rpmで60秒間回転させ、窒素雰囲気中、100℃に加熱して乾燥させた。そしてこれにより、正孔輸送性塗布膜中のCBPは量子ドット分散溶液に溶解して量子ドットの間隙に分散状に存在するようになり、膜厚が45nmに薄層化された正孔輸送層と膜厚60nmの発光層が同時を作製した。
次いで、真空蒸着法を使用して発光層の表面にケミプロ化成社製KLET−03(LUMO準位:3.0eV、HOMO準位:6.7eV)を成膜し、膜厚50nmの電子輸送層を形成した。
最後に、真空蒸着法を使用してLiF/Al(仕事関数:4.3eV)を成膜し、膜厚100nmの陰極を形成し、これにより試料番号1〜4の試料を作製した。
(試料の評価)
CBPを含有していない試料番号1とCBP含有量が75wt%の試料番号4について、TEM(透過型電子顕微鏡)で試料断面を観察した。
図5は試料番号1のTEM画像を示し、図6は同試料の拡大TEM画像である。
また、図7は試料番号4のTEM画像を示し、図8は同試料の拡大TEM画像である。
この図5及び図6と、図7及び図8との対比から明らかなように、正孔輸送性溶液中にCBPを含有した試料番号4は、正孔輸送性溶液中にCBPを含有していない試料番号1に比べ、正孔輸送層の膜厚が薄く、膜厚の厚い発光層が得られていることが分かる。これは試料番号4では、正孔輸送性塗布膜中のCBPが量子ドット分散溶液中のトルエンに溶解し、その結果、正孔輸送性材料が量子ドットの間隙に分散状に存在し、正孔輸送層の膜厚が薄くなる一方で、発光層の膜厚が厚くなったものと思われる。
次に、試料番号1〜4の各試料について、以下の方法で発光スペクトルを測定した。
すなわち、各試料を積分球内に配し、定電流電源(ケースレー・インスツルメント社製2400)を使用し、直流電圧を印加して試料を100cd/mの輝度で発光させ、発光した光を積分球で集光し、マルチチャンネル検出器(浜松ホトホニックス社製PMA−11)で発光スペクトルを測定した。
図9は、試料番号1〜4の発光スペクトルを示す図であり、横軸が波長(nm)、縦軸が発光強度(a.u.)である。尚、この発光スペクトルは、いずれも測定結果を0〜1の間で正規化して示している。
試料番号1では、発光スペクトルはポリ−TPDの吸収波長域である400〜450nm付近の強度ピーク位置から600nm付近に架けて緩やかな曲線を描いている。これは電子輸送層を介して陰極から輸送されてきた電子の一部が量子ドットに注入されずに正孔輸送層に輸送され、正孔輸送層でも正孔と電子が再結合して励起子発光したためと考えられる。すなわち、試料番号1では、400〜450nmのみならず600nm付近でも発光し、発光色純度が低下していることが分かる。
これに対し試料番号2〜4は、試料番号1に比べ、400〜450nm付近での発光スペクトルが急峻で強度ピークの半値幅が小さくなっており、かつ600nm付近での発光強度も抑制されている。
すなわち、試料番号2(CBP含有量:25%)は、試料番号1に比べ、400〜450nm付近での強度ピークの半値幅が若干小さくなっており、その分、600nm付近での発光強度も若干抑制されている。
試料番号3(CBP含有量:50%)は、試料番号1に比べ、400〜450nm付近での強度ピークの半値幅が更に小さくなっており、その分、600nm付近での発光強度も更に抑制されている。
試料番号4(CBP含有量:75%)は、試料番号1に比べ、400〜450nm付近の発光スペクトルが急峻で強度ピークの半値幅も明らかに小さくなっており、600nm付近では殆ど発光していない。
このように正孔輸送性材料中のCBP含有量が増加するのに伴い、400〜450nm付近での発光スペクトルが急峻となって強度ピークの半値幅も小さくなり、600nm付近での発光を抑制することができる。特に、CBPの含有量が、好ましくは50%以上、より好ましくは75%以上で良好な発光色純度が得られることが分かる。
次に、試料番号1〜4の各試料について、上記マルチチャンネル検出器を使用し、直流電圧をステップ状に印加し、電流密度を測定した。
図10は、印加電圧と電流密度との関係を示す図であり、横軸は電圧(V)、縦軸は電流密度(mA/cm)である。図中、◆印は試料番号1(CBP含有量:0wt%)、●印は試料番号2(CBP含有量:25wt%)、△印は試料番号3(CBP含有量:50wt%)、〇印は試料番号4(CBP含有量:75wt%)を示している。
この図10から明らかなように、可溶性正孔輸送性材料であるCBP含有量が75wt%の試料番号4は、CBPを含有していない試料番号1に比べ、駆動電圧を顕著に低下させることができた。
すなわち、駆動電圧の低電圧化を図る観点からは、正孔輸送性材料の総量に対する可溶性正孔輸送性材料の含有量は75wt%以上が好ましいことが確認された。
比較例
量子ドット分散溶液中に0mmol/L、0.01mmol/L、0.1mmol/L、及び1mmol/LのCBPを含有させ、正孔輸送層溶液にCBPを含有させなかった以外は、上記試料と同様の方法・手順で、試料番号5〜8の試料を作製した。
次に、試料番号5〜8の各試料について、上述と同様の方法・手順で発光スペクトルを測定した。
図11は、試料番号5〜8の発光スペクトルを示す図であり、横軸が波長(nm)、縦軸が発光強度(a.u.)である。尚、この発光スペクトルは、測定結果を0〜1の間で正規化して示している。
この図11から明らかなように、量子ドット分散溶液にCBPを含有させて発光層を形成した場合は、量子ドット分散溶液中にCBPを含有させなかった場合と略同様の発光スペクトルを有しており、いずれもポリ−TPDの吸収波長域である400〜450nm及び600nm付近で発光している。すなわち、正孔と電子は正孔輸送層でも再結合して励起子発光し、発光色純度が低下することが分かった。
以上より量子ドット分散溶液中にCBPを含有しても、発光効率や発光色純度は改善されず、上述した実施例のように、正孔輸送性溶液中にCBPを含有させることにより、発光効率や発光色純度が改善されることが確認された。
次に、試料番号5〜8の各試料について、上述と同様の方法・手順で電流密度を測定した。
図12は、印加電圧と電流密度との関係を示す図であり、横軸は電圧(V)、縦軸は電流密度(mA/cm)である。図中、◆印は試料番号5(CBP含有量:0mmol/L)、●印は試料番号6(CBP含有量:0.01mmol/L)、△印は試料番号7(CBP含有量:0.1mmol/L)、〇印は試料番号8(CBP含有量:1mmol/L)を示している。
この図12から明らかなように、量子ドット分散溶液にCBPを含有させて発光層を形成した場合は、量子ドット分散溶液中にCBPを含有させなかった場合に比べても駆動電圧は殆ど変らないことが確認された。
正孔及び電子の量子ドットへの注入効率を向上させて発光効率や発光色純度の向上し、低電圧駆動が可能なEL素子等の発光デバイスの実現を可能とする。
4 正孔輸送層(第1のキャリア輸送層)
5 発光層
8 量子ドット
9 正孔輸送性材料(キャリア輸送性材料)
10 コア部
11 シェル部
12 界面活性剤
14 正孔輸送性塗布膜(キャリア輸送性塗布膜)

Claims (12)

  1. 第1のキャリア輸送層と、該第1のキャリア輸送層よりもキャリア移動度の大きい第2のキャリア輸送層と、前記第1のキャリア輸送層と前記第2のキャリア輸送層に挟持された発光層とを備え、前記発光層に電流が注入されて発光する発光デバイスにおいて、
    前記発光層は、ナノ粒子材料からなる多数の量子ドットが分散されてなると共に、前記第1のキャリア輸送層と同一のキャリア輸送性を有するキャリア輸送性材料が前記量子ドットの間隙に分散状に存在していることを特徴とする発光デバイス。
  2. 前記第1のキャリア輸送層は、正孔輸送層であり、前記第2のキャリア輸送層は、電子輸送層であり、
    前記キャリア輸送性材料は、正孔輸送性材料であることを特徴とする請求項1記載の発光デバイス。
  3. 前記キャリア輸送性材料は、低分子化合物からなることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の発光デバイス。
  4. 前記量子ドットは、表面が界面活性剤で被覆されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発光デバイス。
  5. 前記キャリア輸送性材料は、前記量子ドットの表面に配位することなく、前記量子ドット間に存在することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の発光デバイス。
  6. 前記量子ドットは、コア部とシェル部とを備えたコアーシェル構造を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の発光デバイス。
  7. ナノ粒子材料からなる量子ドットが分散した量子ドット分散溶液を作製する分散溶液作製工程と、
    キャリア輸送性を有しかつ前記量子ドット分散溶液に可溶な可溶性キャリア輸送性材料を含有したキャリア輸送性溶液を作製するキャリア輸送性溶液作製工程と、
    前記キャリア輸送性溶液を基板上に塗布してキャリア輸送性塗布膜を形成した後、該キャリア輸送性塗布膜上に前記量子ドット分散溶液を塗布し、前記キャリア輸送性材料が前記量子ドットの間隙に分散状に存在するように、前記可溶性キャリア輸送性材料の少なくとも一部を前記量子ドット分散溶液に溶解させ、キャリア輸送層及び発光層を同時に作製するキャリア輸送層・発光層作製工程とを含むことを特徴とする発光デバイスの製造方法。
  8. 前記可溶性キャリア輸送性材料は低分子化合物であることを特徴とする請求項7記載の発光デバイスの製造方法。
  9. 前記可溶性キャリア輸送性材料は可溶性正孔輸送性材料であることを特徴とする請求項7又は請求項8記載の発光デバイスの製造方法。
  10. 前記量子ドットの表面を界面活性剤で被覆し、前記可溶性キャリア輸送性材料が前記量子ドットの表面に配位せずに該量子ドットの間隙に分散状に存在することを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれかに記載の発光デバイスの製造方法。
  11. 前記キャリア輸送性溶液は、キャリア輸送性材料の総計に対する前記可溶性キャリア輸送性材料の含有量が、50wt%以上であることを特徴とする請求項7乃至請求項10のいずれかに記載の発光デバイスの製造方法。
  12. 前記キャリア輸送性材料の含有量は、75〜90wt%であることを特徴とする請求項11記載の発光デバイスの製造方法。
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