JPWO2015087978A1 - 異方性色素膜用組成物、異方性色素膜及び光学素子 - Google Patents
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Abstract
Description
従来、これらの偏光膜(異方性色素膜)にはヨウ素が二色性物質として広く使用されてきた。しかしながら、ヨウ素は昇華性が大きいために、偏光膜を用いた偏光素子として使用した場合、その耐熱性や耐光性が十分ではなかった。また、その消光色が深い青色となるため、全可視スペクトル領域に亘って、理想的な無彩色の偏光素子とは言えなかった。
従来のポリマーに有機系の色素を含浸させた偏光膜を用いる場合、該偏光膜に接着層を設け、接着層の保護フィルムを貼り合わせ、該保護フィルムを貼り合せた偏光膜をディスプレイ製造ラインに移送し、ディスプレイ製造ラインで保護フィルムを剥がし、偏光層を基板等に貼合するというプロセスが取られている。これをガラスや透明フィルム等の基板上に、湿式成膜法を用いて偏光膜を形成する方法に置き換えれば、前記の従来のポリマーに有機系の色素を含浸させた偏光膜を用いる方法と比較して製造プロセスを簡略化でき、生産性向上に寄与するものと考えられる。
湿式成膜法を用いて形成する偏光膜としては、例えば特許文献1に、ガラスや透明フィルム等の基板上に湿式成膜法を用いて色素を含む膜を形成し、分子間相互作用等を利用して色素を配向させることにより偏光膜を得る方法が挙げられている。
湿式成膜法を用いて色素を含む膜を形成する方法においては、異方性色素膜の高い二色比を得るために、アントラキノン環を有するアゾ化合物と、ナフタレン環を有するジスアゾ色素と含む異方性色素膜用組成物が示されている(特許文献2)。
また、ジスアゾ色素とモノアゾ化合物とを組み合わせて用いることにより、異方性色素膜の高い二色比が得られることが示されている(特許文献3)。
さらに、ジスアゾ色素を2種組み合わせて用いて異方性色素膜を得たことも示されている(特許文献4)。
しかしながら、特許文献1〜4で用いられる色素を用いた湿式成膜法を用いて作製する異方性色素膜の偏光膜としての性能は、極大吸収波長においては高い二色比を示すものの、450〜550nmの波長域で色素膜の吸光度が十分でなく、二色比が低いことを本発明者は見出した。
さらに、上記の特定波長域での二色比の低下は、異方性色素膜2枚を直交方向に配置した時に、上記の特定波長域での光漏れを生じることになり、全可視光領域にわたって理想的な無彩色を示さないことを本発明者は見出した。
本発明は、可視光波長域、特に視感度の高い450〜550nmの領域においても高い二色比を示し、異方性色素膜2枚を直交方向に配置した時に、全可視光領域において無彩色に近い色調を示す、異方性色素膜形成に用いられる異方性色素膜用組成物を提供することを課題とする。
すなわち、本発明は以下を要旨とする。
該ジスアゾ色素は、遊離酸型が、一般式(I)で表されるジスアゾ色素1及び一般式(II)で表されるジスアゾ色素2であり、
ジスアゾ色素1の10質量ppmの水溶液は、550nm〜640nmの波長域に極大吸収を有し、
ジスアゾ色素2の10質量ppmの水溶液は、ジスアゾ色素1の10質量ppmの水溶液が有する極大吸収波長より10nm〜100nm短い波長域に極大吸収を有し、
異方性色素膜用組成物中のジスアゾ色素1及び2の濃度が、3質量%以上、40質量%以下であることを特徴とする異方性色素膜用組成物。
R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、又は置換基を有していてもよいアシル基を表し、
n1は、0〜2の整数を表し、
n2は、0又は1を表し、
n3は、0〜2の整数を表す。]
Ar23は、下記一般式(III)又は(IV)を表し、
R20は、1価の基を表し、
a1は、0〜4の整数を表す。
なお、一般式(I)で表されるジスアゾ色素1及び一般式(II)で表されるジスアゾ色素2は同一ではない。]
R10は、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し、
m1は、0〜2の整数を表し、
m2は、0又は1を表し、
m3は、0〜2の整数を表し、
m4は、0又は1を表す。]
k1は、0〜2の整数を表し、
k2は、0又は1を表し、
k3は、0〜2の整数を表す。]
[3] 前記異方性色素膜用組成物中のアゾ色素1に対するアゾ色素2の質量比が、0.03以上、0.5以下である、上記[1]又は[2]に記載の異方性色素膜用組成物。
[4] 上記[1]〜[3]の何れか1項に記載の異方性色素膜用組成物を用いて作製された異方性色素膜。
[5] 上記[4]に記載の異方性色素膜を含む、光学素子。
該ジスアゾ色素は、遊離酸型が、一般式(I)で表されるジスアゾ色素1及び一般式(II)で表されるジスアゾ色素2であり、
ジスアゾ色素1の10質量ppmの水溶液は、550nm〜640nmの波長域に極大吸収を有し、
ジスアゾ色素2の10質量ppmの水溶液は、ジスアゾ色素1の10質量ppmの水溶液が有する極大吸収波長より10nm〜100nm短い波長域に極大吸収を有することを特徴とする、異方性色素膜。
R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、又は置換基を有していてもよいアシル基を表し、
n1は、0〜2の整数を表し、
n2は、0又は1を表し、
n3は、0〜2の整数を表す。]
Ar23は、下記一般式(III)又は(IV)を表し、
R20は、1価の基を表し、
a1は、0〜4の整数を表す。
なお、一般式(I)で表されるジスアゾ色素1、及び一般式(II)で表されるジスアゾ色素2は同一ではない。]
m1は、0〜2の整数を表し、
m2は、0又は1を表し、
m3は、0〜2の整数を表す。]
k1は、0〜2の整数を表し、
k2は、0又は1を表し、
k3は、0〜2の整数を表す。]
[7] 上記[6]に記載の異方性色素膜を含む光学素子。
吸収、屈折等の光学的異方性を有する膜としては、例えば、直線偏光膜、円偏光膜等の偏光膜、位相差膜、導電異方性膜等がある。
本発明の異方性色素膜は、偏光膜、位相差膜及び導電異方性膜に用いられることが好ましく、偏光膜に用いられることがより好ましい。
また、異方性色素膜用組成物中のジスアゾ色素1及び2の濃度を特定の範囲とすることで、異方性色素膜用組成物中で、各ジスアゾ色素がリオトロピック液晶等の好ましい会合体を形成できるため、異方性色素膜を形成した場合に高い二色比が得られる。
本発明は、親和性の高い2種のジスアゾ構造を組み合わせることで、塗布により異方性色素膜を形成するために必要な性能を有し、且つ、可視光波長域全体において、高い二色比を有し、特に視感度の高い450〜550nmの領域において光漏れのない異方性色素膜を得ることを可能としたものである。
具体的には、上記異方性色素膜(A)では、透過率が十分に小さくない領域が存在し、この領域において、異方性色素膜(B)の方が、透過率が小さく、かつ二色比が高いことが確認できる。透過率が十分に小さくない領域とは、異方性色素膜(A)の上記透過率(Tz)が、450〜550nmで極大値になる波長、すなわち吸光度が極小値になる波長(λmin)において確認することが好ましい。
湿式成膜法では、異方性色素膜用組成物を基板上に付与すると、すでに異方性色素膜用組成物中で、又は溶剤が乾燥する過程で、色素自体が自己会合することにより微小面積での配向が起こる。この状態に外場を与えることにより、マクロな領域で一定方向に配向させ、所望の性能を有する異方性色素膜を得ることができる。なお、ここで外場とは、あらかじめ基板上に施された配向処理層の影響、せん断力、磁場等が挙げられ、これらを単独で用いてもよく、複数組み合わせて用いてもよい。
一方、ポリビニルアルコール(PVA)フィルム等を、色素を含む組成物(溶液)で染色して延伸し、延伸工程だけで色素を配向させることを原理とする延伸方法に用いられる色素を含有させる組成物と本発明の異方性色素膜用組成物とは大きく異なるものである。これは、異方性膜を作製する方法が異なるためである。
延伸方法に用いる色素は、延伸時に色素分子が延伸方向に配向する。そのため、一分子のアスペクト比が大きい色素が好ましい。また、色調を補正するために2つ以上の色素を配合する場合も、それぞれの色素には、それぞれ一分子のアスペクト比が高いことが求められ、配合する色素の組合せについては、求められる色調を達成するかによって選択される。さらに、高い二色比を達成するためには、色素分子同士は会合しない方が好ましいため、染色する色素溶液は通常1質量%以下のものが用いられる。
以上のように、延伸方法及び湿式成膜法では、色素及び異方性色素膜用組成物に求められる特性は大きく異なる。
ジスアゾ色素1の10質量ppmの水溶液が、550〜640nmの波長域に二つ以上の極大吸収を有する場合、吸光度の大きい方の極大吸収をその波長域の極大吸収とみなす。本発明のジスアゾ色素1は、10質量ppmの水溶液が580〜600nmの波長域に極大吸収を有することがさらに好ましい。
ジスアゾ色素1及び2の10質量ppmの水溶液の極大吸収波長の差が特定の範囲であることで、ジスアゾ色素2の添加量を少なくすることができ、各色素の好ましい会合状態が得られる傾向にある。
本実施の形態において、異方的な分子集合体とは、ジスアゾ色素が非共有結合により会合し、少なくとも一軸方向に分子配列の秩序性を持つものを指す。
これらの異方的な分子集合体は下記の様な方法にて確認出来る。X線回折法により分子の積層や積層体に相当する回折ピークを観測したり、紫外・可視・赤外吸光度測定装置、ラマン分光光度計等でスペクトル的に確認したりすることができる。また、AFM(原子間力顕微鏡)、SEM(走査型電子顕微鏡)、TEM(透過型電子顕微鏡)、STM(走査型トンネル顕微鏡)や光学顕微鏡観察により、分子積層状態に相当する形態・構造観察したりすることにより確認することができる。
具体的な確認方法としては、組成物(色素溶液)に電場や磁場、剪断力、配向膜等の外場を与え、X線回折法により分子の積層や積層体に相当する回折ピークを観測したり、紫外可視吸光度測定装置、ラマン分光光度計、光学顕微鏡観察などで吸収の異方性を確認したりする方法がある。
異方的な分子集合体の具体例としては、液晶相;ナノロッド、ナノファイバー、ナノチューブ、ナノワイヤー、ナノウィスカー等のカラム状集合体;バイセル構造;ロッド状ミセル等が挙げられる。
また、異方性色素膜用組成物には、必要に応じ、バインダー樹脂、モノマー、硬化剤、添加剤等が配合されてもよい。
異方性色素膜用組成物の態様としては、溶液状であってもよいし、ゲル状であってもよい。異方性色素膜用組成物は、溶剤中にジスアゾ色素等が溶解又は分散している状態であってもよい。
1.ジスアゾ色素1は溶媒中で液晶相を示さないが、ジスアゾ色素1とジスアゾ色素2を混合することにより、液晶相を示す。この場合、ジスアゾ色素2は溶媒中で液晶相を示さなくても、示してもよい。このような形態を取るものとしては、例えば、ジスアゾ色素1とジスアゾ色素2が、それぞれ電子豊富と電子不足な性質を有している等して静電的に引き合って一つの積層体を形成するもの、水素結合等によりジスアゾ色素1とジスアゾ色素2から作られた構造がπ−πスタッキング(stacking)等の分子間相互作用により一つの積層体を形成するものが挙げられる。
2.ジスアゾ色素1は溶媒中で液晶相を示す。この場合、ジスアゾ色素2は溶媒中で液晶相を示さなくても、示してもよい。このような形態を取るものとしては、例えば、ジスアゾ色素1とジスアゾ色素2が、それぞれ電子豊富と電子不足な性質を有している等して静電的に引き合って一つの積層体を形成するもの、ジスアゾ色素1とジスアゾ色素2がπ−πスタッキング等の分子間相互作用により一つの積層体を形成するもの、それぞれの色素からなる積層体や分子集合体が共存して相分離することなく一つの液晶相を形成するもの等が挙げられる。
ジスアゾ色素2は、溶液中で異方的な分子集合体を形成し、それらの中でも、液晶相、カラム状集合体、バイセル構造、ロッド状ミセルであることが好ましい。さらに、液晶性を示すことが好ましい。これらであることで、異方性色素膜が450〜550nmの領域においても高い二色比を示す傾向にある。
特に、液晶相のなかでも、溶剤中でリオトロピック液晶性を示すことが好ましい。
ジスアゾ色素1及び/又は2がリオトロピック液晶性を示す場合、1〜50質量%のいずれかの濃度域で、それぞれリオトロピック液晶相を形成するものであることが好ましく、1〜30質量%のいずれかの濃度域で形成するものであることがさらに好ましい。リオトロピック液晶性を有する化合物を異方性色素膜用組成物中に有することで、色素同士が好ましい会合状態を形成し、異方性色素膜を形成した場合に高い二色比を示す傾向がある。
例えば、日本特開2007−126628号公報に配合用の色素として例示の色素や、日本特開2007−199333号公報、日本特開2008−101154号公報等に記載のアントラキノン化合物等が挙げられる。さらに、日本特開2006−3864号公報に記載の方法や、日本特開2006−323377号公報に記載の方法を用いてもよい。
こうした配合ではpHが低くなり易いので、製造装置の腐食等を防ぐ目的で、必要に応じさらに緩衝物質を添加してもよい。緩衝物質としては、D.D.ペリン、B.デンプシー著「緩衝液の選択と応用」、講談社サイエンティフィク(1981)に記載されているような、一部もしくは全て中和された弱酸や弱塩基が挙げられる。具体的には、例えば、リン酸塩、炭酸塩、有機酸等が挙げられ、有機酸としては、リンゴ酸、クエン酸、シュウ酸、酒石酸、アミノ酸類等が挙げられる。中でもアミノ酸は、異方性膜用アゾ化合物の会合を促進し、配向性を向上させる働きもあるので、好ましく用いられる。また、アミノ酸が複数縮合したアミノ酸オリゴマーは、異方性膜用組成物のレオロジー特性調整剤としての働きも有するので好ましく、添加により流動配向性の向上が期待できる。これらの緩衝物質は、単独で用いて異方性膜上で結晶析出する場合等には、異なる緩衝物質を複数組み合わせて用いることが好ましい。
さらには、紫外線吸収剤や近赤外線吸収剤などを組み合わせて用いることもできる。なお、本発明のジスアゾ色素1及び2と、上記のような他の化合物を併用する場合、ジスアゾ色素1及び2による効果を十分に発揮させるために、他の併用化合物は、本発明のジスアゾ色素1及び2に対して50質量%以下とすることが好ましく、10質量%以下とすることがさらに好ましい。
異方性色素膜用組成物がリオトロピック液晶相を発現していれば、より異方性色素膜中での高い配向が得られるため、さらに好ましい。
有機溶剤の具体例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、グリセリン等のアルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類;等の単独又は2種以上の混合有機溶剤が挙げられる。
上記の中でも、ジスアゾ色素1及び2が有する芳香族環等の有機性の高い部分同士での会合を促進することから、水、メタノール又はエタノールが好ましく、水が特に好ましい。
その添加濃度は、上記の目的の効果を得るために十分であって、且つ、本発明のジスアゾ色素1、ジスアゾ色素2及び必要に応じて用いられるジスアゾ色素1及び2以外の異なる化合物の配向を阻害しない量を添加することができる。具体的には、通常0.05質量%以上、0.5質量%以下が好ましい。
本発明の異方性色素膜用組成物の製造方法は、特に限定されず、溶媒に、ジスアゾ色素を加え、撹拌及び/又は溶解を行うことにより得ることができる。また、撹拌及び/又は溶解させた後、濾過して不溶分を除去してもよい。
溶解及び撹拌の方法は特に限定されないが、例えば、超音波による溶解、撹拌翼による撹拌、回転子による撹拌、羽無攪拌体による撹拌等が挙げられる。
また、これらの撹拌及び溶解方法は、一つ又は複数用いてもよい。
撹拌及び/又は溶解方法を行う際の温度は特に規定しないが、0〜120℃で行うことが好ましい。溶媒が水の場合には、10〜80℃で行う事が特に好ましい。これらの範囲であることで、プロセス性を向上させる傾向があり、溶液の粘度が低下し、溶解・撹拌効率を上げる傾向にある。
本発明の異方性色素膜用組成物に含まれるジスアゾ色素1は、遊離酸型が一般式(I)で表される。
R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、又は置換基を有してもよいアシル基を表し、
n1は、0〜2の整数を表し、
n2は、0又は1を表し、
n3は、0〜2の整数を表す。
一般式(1)のAr11は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。
かかる芳香族炭化水素基としては、単環及び複数の環由来の基が挙げられる。例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等が挙げられる。この中でも、ジスアゾ色素1がリオトロピック液晶相を形成するために、フェニル基又はナフチル基が好ましい。
具体的には、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアシルアミノ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、ニトロ基、カルボキシ基、スルホ基、水酸基、シアノ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
これらの中でも、ジスアゾ色素1がリオトロピック液晶相を形成するために、置換基を有してもよいアシルアミノ基、置換基を有してもよいカルバモイル基、ニトロ基、スルホ基又はシアノ基が好ましい。
Ar11の芳香族炭化水素基は、無置換、又は上述の置換基を1〜5個有していてもよく、好ましくは無置換、又は置換基を1〜2個有していることである。
置換基を有していてもよいアルキル基は、通常、炭素数が1以上、6以下、好ましくは4以下である。置換基としては、炭素数1以上、6以下のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、スルホ基、カルボキシ基等が挙げられる。
前記アルキル基の具体例として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、ヒドロキシエチル基、1,2−ジヒドロキシプロピル基等の低級アルキル基が挙げられる。
置換基を有していてもよいアルコキシ基は、通常、炭素数が1以上、6以下、好ましくは3以下である。置換基としては、炭素数1以上、6以下のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、スルホ基、カルボキシ基等が挙げられる。
前記アルコキシ基の具体例として、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、1,2−ジヒドロキシプロポキシ基等の低級アルコキシ基が挙げられる。
置換基を有していてもよいアシルアミノ基は、−NH−C(=O)R51で表される。R51は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を表す。
前記アシルアミノ基の具体例としては、アセチルアミノ基、アクリルアミノ基、メタクリルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等が挙げられる。
R51のアルキル基、アルケニル基及びフェニル基が有していてもよい置換基としては、炭素数1以上、6以下のアルコキシ基、水酸基、スルホ基、カルボキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
置換基を有していてもよいアミノ基は、通常、−NH2基、−NHR42基、−NR43R44基で表され、R42〜R44はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基を表す。
前記アミノ基の具体例としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジメチルアミノ基、フェニルアミノ基等が挙げられる。
R42〜R44のアルキル基及びフェニル基が有していてもよい置換基としては、炭素数1以上、6以下のアルコキシ基、水酸基、スルホ基、カルボキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
置換基を有していてもよいカルバモイル基は、無置換のカルバモイル基、置換されていてもよいアルキルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基及びナフチルカルバモイル基を表す。カルバモイル基の具体例としては、カルバモイル基、フェニルカルバモイル基、ナフチルカルバモイル基等が挙げられる。
アルキルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基及びナフチルカルバモイル基が有していていもよい置換基としては、炭素数1以上、6以下のアルコキシ基、水酸基、スルホ基、カルボキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
かかる置換基を有していてもよい芳香族複素環基としては、単環又は二環性の複素環由来の1価の基が挙げられる。芳香族複素環基を構成する炭素以外の原子としては、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子が挙げられるが、窒素原子が特に好ましい。芳香族複素環基が炭素以外の環を構成する原子を複数有する場合、これらは同一であっても異なっていてもよい。
芳香族複素環基として具体的には、下式の基が挙げられる。
R61及びR62の置換基を有していてもよいアルキル基は,炭素数が通常1以上、通常4以下、好ましくは2以下である。
アルキル基及びフェニル基が有していてもよい置換基としては、炭素数1以上、6以下のアルコキシ基、水酸基、スルホ基、カルボキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
中でも、水酸基、スルホ基又はカルボキシ基を置換基として有することが、ジスアゾ色素1がリオトロピック液晶相を形成するためには好ましい。
芳香族複素環基は、無置換又は、上述の置換基を1〜5個有していてもよく、好ましくは無置換、又は置換基を1〜2個有していることである。
一般式(1)のAr12は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。
かかる置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基としては、単環及び複数の環由来の2価の基が挙げられる。例えば、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基等が挙げられる。
中でも、ジスアゾ色素1がリオトロピック液晶相を形成するために、1,4−フェニレン基、又は1,4−ナフチレン基が好ましい。
かかる置換基を有していてもよい芳香族複素環基としては、ベンゼン環又はナフタレン環の1個以上の−CH基を、窒素原子に置き換えたものが好ましく、特にキノリン−5,8−ジイル基又はイソキノリン−5,8-ジイル基が好ましい。
R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、又は置換基を有していてもよいアシル基を表す。
アルキルカルボニル基のアルキル部分としては、炭素数が通常1以上であり、通常10以下、好ましくは5以下である。
n1は、0〜2の整数を表し、n2は、0又は1を表し、n3は、0〜2の整数を表す。この中でも、n1とn3の和が1〜3であることが好ましく、1〜2であることが特に好ましい。n1とn3の和が上記範囲であることで、ジスアゾ色素1の溶媒に対する溶解性が向上し、且つ原料調達が容易となる。
また、n2は1であることが、ジスアゾ色素1の580〜600nmの吸収極大波長が得られる傾向となるため好ましい。
−(NR1R2)n2は、式(VI)のナフタレン環の3又は4位に連結する。式(VI)中の3及び4の文字は置換位置を表す。]
本発明の異方性色素膜用組成物に含まれるジスアゾ色素2は、遊離酸型が一般式(II)で表される。
Ar23は、下記一般式(III)又は(IV)を表し、
R20は、1価の基を表し、
a1は、0〜4の整数を表す。]
m1は、0〜2の整数を表し、
m2は、0又は1を表し、
m3は、0〜2の整数を表し、
m4は、0又は1を表す。
k1は、0〜2の整数を表し、
k2は、0又は1を表し、
k3は、0〜2の整数を表す。
Ar21は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。
具体的には、一般式(I)のAr11の置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基とそれぞれ同義であり、有していてもよい置換基及び好ましい範囲もそれぞれ同義である。
R20は、1価の基を表す。
R20は、特に限定はないが、Ar11の芳香族炭化水素基が有していてもよい置換基として前述したものが挙げられる。これらの中でも、置換基を有していてもよいアルキル基が好ましく、特に、炭素数1〜4のアルキル基であることが色素分子の会合を阻害せず、また水に対する親和性が高い傾向となることから好ましい。
a1は、0〜4の整数を表す。好ましくは、0、1又は2の整数であり、これらの範囲であることで、色素分子のねじれが生じずに、色素分子全体の平面性が高く、色素分子間の会合が促進される傾向にある。従って、異方性色素膜とした際に、高い二色比が得られる傾向にある。
Ar23は、上記一般式(III)又は(IV)を表す。
<R3〜R6>
一般式(III)のR3及びR4、並びに一般式(IV)のR5及びR6は、それぞれ一般式(I)のR1及びR2と同義であり、好ましい範囲もそれぞれ同義である。
一般式(III)のR10は、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。R10の置換基を有していてもよいアルキル基は、R1及びR2の置換基を有していてもよいアルキル基と同義であり、好ましい範囲も同義である。
一般式(III)において、m1は0〜2の整数を表し、m2は0又は1を表し、m3は0〜2の整数を表し、m4は0又は1を表す。
この中でも、m1とm3の和が1〜3であることが好ましく、1〜2であることが特に好ましい。m1とm3の和が上記範囲であることで、ジスアゾ色素2の溶媒に対する溶解性が向上し、且つ、原料調達が容易となる。
また、m2とm4の和が0又は1であることが、原料調達の点から好ましい。さらに、m2は0であることが、ジスアゾ色素2の10質量ppmの水溶液が、ジスアゾ色素1が550〜640nmの波長域に有する極大吸収波長よりも、10〜100nm短い波長域に極大吸収を有するために好ましい。
一般式(IV)のk1、k2及びk3は、一般式(III)のm1、m2及びm3とそれぞれ同義であり、好ましい例もそれぞれ同義である。
本発明の異方性色素膜用組成物に用いられる、一般式(I)で表されるジスアゾ色素1と一般式(II)で表されるジスアゾ色素2の組み合わせは、特に限定されない。
これらの中でも、一般式(I)のAr11及び一般式(II)のAr21が、同一の置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基であることが好ましい。同一の基であることで、一般式(I)で表されるジスアゾ色素1と一般式(II)で表されるジスアゾ色素2同士が好ましい会合状態を形成し、異方性色素膜を形成した場合に高い二色比を示す傾向がある。なお、同一の芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基とは、Ar11及びAr21が、同一であればよく、有していてもよい置換基は異なっていてもよい。
本発明の異方性色素膜用組成物中の一般式(I)で表されるジスアゾ色素1の質量(M1)と一般式(II)で表されるジスアゾ色素2の質量(M2)の比(M2/M1)は特に限定されないが、0.003以上であることが好ましく、0.01以上が更に好ましく、0.03以上が特に好ましい。また、1未満であることが好ましく、0.75以下であることが更に好ましく、0.5以下であることが特に好ましい。質量比が上記の範囲にあることで、無彩色に近い色調を示す異方性色素膜を得やすい傾向となる。また、この質量比の範囲にあることによって、ジスアゾ色素1とジスアゾ色素2が一つの会合体を形成しやすい傾向となる。さらに、ジスアゾ色素1とジスアゾ色素2が一つの会合体を形成できない場合にも、それぞれの会合体形成を阻害しないため好ましい。
一般式(I)で表されるジスアゾ色素1と一般式(II)で表されるジスアゾ色素2は、それ自体周知の方法に準じて製造することができる。例えば、日本特開2008−81700号公報、日本特開2007−126628号公報等に記載の方法等で製造できる。
(1) 塩型で得られた色素の水溶液に、塩酸等の強酸を添加し、色素を遊離酸型で酸析せしめた後、所望の対イオンを有するアルカリ溶液(例えば、水酸化リチウム水溶液)で色素酸性基を中和し、塩交換する方法。
(2) 塩型で得られた色素の水溶液に、所望の対イオンを有する大過剰の中性塩(例えば、塩化リチウム)を添加し、塩析ケーキの形で塩交換を行う方法。
(3) 塩型で得られた色素の水溶液を、強酸性陽イオン交換樹脂で処理し、色素を遊離酸型で酸析せしめた後、所望の対イオンを有するアルカリ溶液(例えば、水酸化リチウム水溶液)で色素酸性基を中和し、塩交換する方法。
(4) 予め所望の対イオンを有するアルカリ溶液(例えば、水酸化リチウム水溶液)で処理した強酸性陽イオン交換樹脂に、塩型で得られた色素の水溶液を作用させ、塩交換を行う方法。
上記の塩型の例としては、Na、Li、K等のアルカリ金属の塩、アルキル基もしくはヒドロキシアルキル基で置換されていてもよいアンモニウムの塩、又は有機アミンの塩が挙げられる。
有機アミンの例として、炭素数1〜6の低級アルキルアミン、ヒドロキシ置換された炭素数1〜6の低級アルキルアミン、カルボキシ置換された炭素数1〜6の低級アルキルアミン等が挙げられる。これらの塩型の場合、その種類は1種類に限らず、複数種混在していてもよい。
本発明の異方性色素膜は、前述した湿式成膜法により作製することが好ましい。
湿式成膜法において、異方性色素膜用組成物を基板上に付与し成膜する過程、外場を与えて配向させる過程、溶剤を乾燥させる過程は、逐次行ってもよいし、同時に行ってもよい。
湿式成膜法における異方性色素膜用組成物の基板上への付与する方法としては、例えば、塗布法、ディップコート法、LB膜形成法、公知の印刷法等が挙げられる。また、このようにして得た異方性色素膜を別の基板に転写する方法もある。これらの中でも、本発明は塗布法を用いることが好ましい。
異方性色素膜の配向方向は、通常、塗布方向と一致するが、塗布方向と異なっていてもよい。なお、本実施の形態において異方性色素膜の配向方向とは、例えば、異方性色素膜であれば、偏光の透過軸又は吸収軸であり、位相差膜であれば、進相軸又は遅相軸のことである。
また、この基板表面には、色素の配向方向を制御するために、「液晶便覧」(丸善、平成12年10月30日発行)の226〜239頁等に記載の公知の方法により、配向処理層(配向膜)を施していてもよい。
配向処理層を設けた場合、配向処理層の配向処理の影響と塗布時に異方性色素膜用組成物にかかるせん断力によって色素が配向すると考えられる。
なお、異方性色素膜用組成物の塗布温度としては、通常0℃以上80℃以下、好ましくは40℃以下である。また、異方性色素膜用組成物の塗布時の湿度は、好ましくは10%RH以上、さらに好ましくは30%RH以上であり、好ましくは80RH%以下である。
具体的には、例えば、少ない価数のイオンを、それより大きい価数のイオンに置き換える(例えば、1価のイオンを多価のイオンに置き換える)処理や、イオン基を複数有する有機分子やポリマーに置き換える処理が挙げられる。このような処理方法としては、例えば、細田豊著「理論製造 染色化学」(技報堂、1957年)435〜437頁等に記載されている処理工程等の公知の方法を用いることができる。
これらの中でも、得られた異方性色素膜を、日本特開2007−241267号公報等に記載の方法で処理し、水に対して不溶性の異方性色素膜とすることが、後工程の容易さ、及び耐久性等の点から好ましい。
D=Az/Ay
ここで、Azは異方性色素膜に入射した光の偏光方向が異方性色素の配向方向に平行な場合に観測される吸光度であり、Ayはその偏光方向が垂直な場合に観測される吸光度である。それぞれの吸光度は同じ波長のものを用いれば特に制限なく、目的によっていずれの波長を選択してもよいが、異方性色素膜の配向の度合を表す場合は、異方性色素膜の極大吸収波長における値を用いることが好ましい。
本発明において、光学素子は、光吸収の異方性を利用し、直線偏光、円偏光、楕円偏光等を得る偏光素子、位相差素子、屈折異方性や伝導異方性等の機能を有する素子を表す。これらの機能は、異方性色素膜形成プロセスと基板や有機化合物(色素や透明材料)を含有する組成物の選択により、適宜調整することができる。本発明では、偏光素子として用いることが最も好ましい。
本発明において、偏光素子は、異方性色素膜を有するものであれば、他の如何なる膜(層)を有するものであってもよい。例えば、基板上に配向膜を設け、該配向膜の表面に、異方性色素膜を形成することにより製造することができる。
本発明における偏光素子は、異方性色素膜以外に必要に応じて、オーバーコート層、粘着層或いは反射防止層、配向膜、位相差フィルムとしての機能、輝度向上フィルムとしての機能、反射フィルムとしての機能、半透過反射フィルムとしての機能、拡散フィルムとしての機能等の光学機能をもつ層等、様々な機能をもつ層を塗布や貼合などにより積層形成し、積層体として使用してもよい。
本発明の光学素子は、基板上に塗布等により異方性色素膜を形成することで、偏光素子を得ることができるという点から、フレキシブルディスプレイ等の用途にも好適に使用することができる。
式(I−1)で表されるジスアゾ色素は、特開2010−122670号公報に記載の方法で合成した。具体的には、4−アミノベンゾニトリルをジアゾ化した後、8−アミノ−2−ナフタレンスルホン酸とカップリング反応を行い、モノアゾ化合物を得た。得られたモノアゾ化合物を定法によりジアゾ化し、7−アミノ−1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸とカップリング反応を行い、塩化ナトリウムで塩析した。塩型で得られたアゾ化合物の水溶液を、強酸性イオン交換樹脂で処理して遊離酸の形とした後、水酸化リチウムで中和、濃縮乾燥することで式(I−1)で表されるジスアゾ色素を得た。
式(I−2)、(I−3)、(I−4)、(I−5)、(I−6)、(II−13)及び(II−14)で表されるジスアゾ色素も同様の方法で合成した。
下記式(II−1)、(II−2)、(II−3)、(II−5)、(II−6)、(II−7)、(II−8)及び(II−9)で表されるジスアゾ色素も同様の方法で合成した。
下記式(II−10)、(II−11)及び(II−12)で表されるモノアゾ色素は、対応する芳香族アミンをジアゾ化した後、対応するカップラーとカップリング反応を行い、塩析で得られたモノアゾ化合物の水溶液を強酸性イオン交換樹脂で処理して遊離酸の形とした後、水酸化リチウムで中和、濃縮乾燥することで得た。
実施例で用いた色素の10質量ppm水溶液を調製し、10mm角石英セルを用いて分光光度計 (HITACHI U-4100) により10質量ppm水溶液の吸光度を測定した。 得られた吸光度スペクトルについて、400〜780nmの領域における最大値を極大吸収波長(λmax) とした。
実施例で用いた色素(I−1)〜(I〜6)、及び(II〜1)〜(II〜14)の極大吸収波長を表1に示す。
実施例で用いた色素がリオトロピック液晶性を発現するかは、色素の20質量%水溶液を作製し、スライドガラス上にこの水溶液を一滴垂らし、カバーガラスで覆った試料を偏光顕微鏡にて観察して、液晶相が発現しているか確認することで行った。20質量%水溶液でリオトロピック液晶性が発現しなかった色素については、同様の方法で30質量%水溶液でのリオトロピック液晶性の発現を確認した。リオトロピック液晶性を発現したものを○、しなかったものを×とした。結果を表2に示す。
なお、表2中、「−」は 20質量%水溶液でリオトロピック液晶性を発現したため、30質量%水溶液でのリオトロピック液晶性の発現は確認していないことを表す。
20質量%水溶液でリオトロピック液晶性が発現しなかった色素(II−3)については、下記の方法で異方的な分子集合体であるか確認した。
色素(II−3)の10質量%水溶液を作製し、スライドガラス二枚の間に前記10質量%水溶液を充填後、上下のスライドガラスを左右逆方向にスライドさせることで、10質量%水溶液にせん断応力を与えた。その後、上記試料を偏光顕微鏡にてオープンニコルで観察すると、剪断力を加えた方向と剪断力を加えた方向に対して垂直方向で明暗が反転した。このことから、色素(II−3)は水溶液中で異方的な分子集合体をとっており、それら集合体が剪断力により一軸方向に配向することが示された。
実施例及び比較例において、異方性色素膜の吸収軸方向の偏光に対する透過率及び二色比は、グラムトムソン偏光子を備える分光光度計(大塚電子社製、製品名「RETS-100」)を用いて測定した。
まず、異方性色素膜に直線偏光の測定光を入射し、異方性色素膜の吸収軸方向の偏光に対する透過率、及び偏光軸方向の偏光に対する透過率を測定した後、次式により二色比を計算した。
二色比( D ) = A z / A y
A z = − l o g ( T z )
A y = − l o g ( T y )
T z : 異方性色素膜の吸収軸方向の偏光に対する透過率
T y : 異方性色素膜の偏光軸方向の偏光に対する透過率
水79部に、下記式(I−1)で表されるジスアゾ色素のリチウム塩18部と、下記式(II−1)で表されるジスアゾ色素のリチウム塩3部を加え、撹拌して溶解させた後、濾過して不溶分を除去することにより、異方性色素膜用組成物1を得た。この異方性色素膜用組成物1について、前述した方法で、リオトロピック液晶性の確認を行い、リオトロピック液晶性の発現を確認した。
一方、基板としてポリイミドの配向膜 (LX1400、日立化成デュポンマイクロシステムズ社製)が形成されたガラス基板(150mm×150mm、厚さ1.1mm、膜厚約800Åのポリイミドに、あらかじめ布でラビング処理を施したもの)に、上記の異方性色素膜用組成物1をギャップ2μmのアプリケーター (堀田製作所社製) で塗布した後、自然乾燥することにより異方性色素膜1を得た。
得られた異方性色素膜1について、515nmにおける吸収軸方向の偏光に対する透過率(Tz)と二色比(D)を測定した。その結果を表3に示す。
実施例1の色素(II−1)のリチウム塩を色素(II−2)のリチウム塩に変更し、色素(I−1)のリチウム塩、色素(II−2)のリチウム塩及び水の組成比を表3に示す組成にして、実施例1と同様の方法で異方性色素膜用組成物2〜4をそれぞれ作製した。これらの異方性色素膜用組成物2〜4について、前述した方法で、リオトロピック液晶性の確認を行い、リオトロピック液晶性の発現を確認した。この異方性色素膜用組成物2〜4を、実施例1と同様の基板に、同様の方法で塗布した後、自然乾燥することにより、異方性色素膜2〜4をそれぞれ得た。
得られた異方性色素膜2〜4について、515nmにおける吸収軸方向の偏光に対する透過率(Tz)と二色比(D)を測定した。その結果を表3に示す。
水80部に、下記式(I−1)で表されるジスアゾ色素のリチウム塩20部を加え、撹拌して溶解させた後、濾過して不溶分を除去することにより、異方性色素膜用組成物5を得た。この異方性色素膜用組成物5について、前述した方法で、リオトロピック液晶性の確認を行い、リオトロピック液晶性の発現を確認した。この異方性色素膜用組成物5を、実施例1と同様の基板に、同様の方法で塗布した後、自然乾燥することにより、異方性色素膜5を得た。
得られた異方性色素膜について、吸収軸方向の偏光に対する透過率(Tz)を測定したところ、その透過率が450−550nmで極大値になる波長、すなわち吸光度が極小値になる波長(λmin)は、515nmであった。また、その波長における二色比(D)を測定した。その結果を表3に示す。
水78部に、下記式(I−1)で表されるジスアゾ色素のリチウム塩20部と、下記式(II−14)で表されるジスアゾ色素のリチウム塩2部を加え、撹拌して溶解させた後、濾過して不溶分を除去することにより、異方性色素膜用組成物6を得た。この異方性色素膜用組成物6について、前述した方法で、リオトロピック液晶性の確認を行い、リオトロピック液晶性の発現を確認した。この異方性色素膜用組成物6を、実施例1と同様の基板に、同様の方法で塗布した後、自然乾燥することにより、異方性色素膜6を得た。
得られた異方性色素膜6について、515nmにおける吸収軸方向の偏光に対する透過率(Tz)と二色比(D)を測定した。その結果を表3に示す。
水78部に、下記式(I−1)で表されるジスアゾ色素のリチウム塩13.2部と、下記式(II−14)で表されるジスアゾ色素のリチウム塩8.8部を加えたこと以外は、比較例2と同様の方法で異方性色素膜用組成物7を作製した。これらの異方性色素膜用組成物7について、前述した方法で、リオトロピック液晶性の確認を行い、リオトロピック液晶性の発現を確認した。この異方性色素膜用組成物7を、実施例1と同様の基板に、同様の方法で塗布した後、自然乾燥することにより、異方性色素膜7を得た。
得られた異方性色素膜7について、515nmにおける吸収軸方向の偏光に対する透過率(Tz)と二色比(D)を測定した。その結果を表3に示す。
また、比較例2及び3に示したように、極大吸収波長の差が2である色素(I−1)と色素(II−14)を混合した異方性色素膜用組成物6又は7を用いた場合は、515nmにおける吸収軸方向の偏光に対する透過率(Tz)は十分に小さくならず、光漏れは解消しない。また、二色比(D)も比較例1以下であり、偏光素子としての機能の改善もできない。
水77 部に、下記式(I−2)で表されるジスアゾ色素のリチウム塩20部と、下記式(II−2)で表されるジスアゾ色素のリチウム塩2部と、下記式(VIII)で表される化合物1部を加え、撹拌して溶解させた後、濾過して不溶分を除去することにより、異方性色素膜用組成物8を得た。この異方性色素膜用組成物8について、前述した方法で、リオトロピック液晶性の確認を行い、リオトロピック液晶性の発現を確認した。この異方性色素膜用組成物8を、実施例1と同様の基板に、同様の方法で塗布した後、自然乾燥することにより、異方性色素膜8を得た。
得られた異方性色素膜8について、520nmにおける吸収軸方向の偏光に対する透過率(Tz)と二色比(D)を測定した。その結果を表3に示す。
実施例5の色素(II−2)のリチウム塩を表3のアゾ色素2の欄に示した色素のリチウム塩に変更し、色素(I−2)のリチウム塩、表3のアゾ色素2の欄に示した色素のリチウム塩、下記式(VIII)及び水の組成比を表3に示す組成にして、実施例5と同様の方法で、異方性色素膜用組成物9〜15をそれぞれ作製した。これらの異方性色素膜用組成物8〜15について、前述した方法で、リオトロピック液晶性の確認を行い、リオトロピック液晶性の発現を確認した。この異方性色素膜用組成物9〜15を、実施例1と同様の基板に、同様の方法で塗布した後、自然乾燥することにより、異方性色素膜9〜15をそれぞれ得た。
得られた異方性色素膜9〜15について、520nmにおける吸収軸方向の偏光に対する透過率(Tz)と二色比(D)を測定した。その結果を表3に示す。
実施例5の色素(II−2)のリチウム塩を加えない、又は、表3のアゾ色素2の欄に示した色素のリチウム塩に変更し、色素(I−2)のリチウム塩、表3のアゾ色素2の欄に示した色素のリチウム塩、下記式(VIII)及び水の組成比を表3に示す組成にして、実施例5と同様の方法で、異方性色素膜用組成物16〜18をそれぞれ作製した。これらの異方性色素膜用組成物16〜18について、前述した方法で、リオトロピック液晶性の確認を行い、リオトロピック液晶性の発現を確認した。この異方性色素膜用組成物16〜18を、実施例1と同様の基板に、同様の方法で塗布した後、自然乾燥することにより、異方性色素膜16〜18をそれぞれ得た。
得られた異方性色素膜16について、吸収軸方向の偏光に対する透過率(Tz)を測定したところ、その透過率が450−550nmで極大値になる波長、すなわち吸光度が極小値になる波長(λmin)は、520nmであった。また、その波長における二色比(D)を測定した。その結果を表3に示す。
また、得られた異方性色素膜17及び18について、520nmにおける吸収軸方向の偏光に対する透過率(Tz)と二色比(D)を測定した。その結果を表3に示す。
一方、実施例5〜12に示したように、色素(I−2)と表3のアゾ色素2の欄に示した色素を混合した異方性色素膜用組成物8〜15を用いた場合には、520nmにおける吸収軸方向の偏光に対する透過率(Tz)が小さい、すなわち光漏れを生じない。また、二色比(D)は十分高いため、偏光膜として充分機能しうる。
さらに、比較例5又は6に示したようにモノアゾ色素である色素(II−10)又は(II−11)を用いた場合には、520nmにおける吸収軸方向の偏光に対する透過率(Tz)は十分に小さくならず、光漏れは解消しない。また、二色比(D)も比較例4と同等かそれ以下で、偏光素子としての機能の改善もできない。
水78部に、下記式(I−3)で表されるジスアゾ色素のリチウム塩20部と、下記式(II−3)で表されるジスアゾ色素のリチウム塩2部を加え、撹拌して溶解させた後、濾過して不溶分を除去することにより、異方性色素膜用組成物19を得た。この異方性色素膜用組成物19について、前述した方法で、リオトロピック液晶性の確認を行い、リオトロピック液晶性の発現を確認した。
一方、基板としてポリイミドの配向膜 (LX1400、日立化成デュポンマイクロシステムズ社製)が形成されたガラス基板(150mm×150mm、厚さ1.1mm、膜厚約800Å のポリイミドに、あらかじめ布でラビング処理を施したもの)に、上記の異方性色素膜用組成物19をギャップ4μmのアプリケーター (堀田製作所社製) で塗布した後、自然乾燥することにより異方性色素膜19を得た。得られた異方性色素膜19について、515nmにおける吸収軸方向の偏光に対する透過率(Tz)と二色比(D)を測定した。その結果を表3に示す。
実施例13の色素(II−3)のリチウム塩を、表3のアゾ色素2の欄に示した色素のリチウム塩に変更し、色素(I−3)のリチウム塩、表3のアゾ色素2の欄に示した色素のリチウム塩及び水の組成比を表3に示す組成にして、実施例13と同様の方法で、異方性色素膜用組成物20及び21をそれぞれ作製した。これらの異方性色素膜用組成物20及び21について、前述した方法で、リオトロピック液晶性の確認を行い、リオトロピック液晶性の発現を確認した。この異方性色素膜用組成物20及び21を、実施例13と同様の基板に、同様の方法で塗布した後、自然乾燥することにより、異方性色素膜20及び21を得た。
得られた異方性色素膜20及び21について、515nmにおける吸収軸方向の偏光に対する透過率(Tz)と二色比(D)を測定した。その結果を表3に示す。
水80部に、下記式(I−3)で表されるジスアゾ色素のリチウム塩20部を加え、撹拌して溶解させた後、濾過して不溶分を除去することにより、異方性色素膜用組成物22を得た。この異方性色素膜用組成物22について、前述した方法で、リオトロピック液晶性の確認を行い、リオトロピック液晶性の発現を確認した。この異方性色素膜用組成物22を、実施例13と同様の基板に、同様の方法で塗布した後、自然乾燥することにより、異方性色素膜22を得た。
得られた異方性色素膜について、吸収軸方向の偏光に対する透過率(Tz)を測定したところ、その透過率が450−550nmで極大値になる波長、すなわち吸光度が極小値になる波長(λmin)は、515nmであった。また、その波長における二色比(D)を測定した。その結果を表3に示す。
水80部に、下記式(I−3)で表されるジスアゾ色素のリチウム塩18部と、下記式(II−12)で表されるモノアゾ色素のリチウム塩2部を加え、撹拌して溶解させた水溶液23について、前述した方法で、リオトロピック液晶性の確認を行ったところ、リオトロピック液晶性の発現はなかった。この水溶液23を水65部まで濃縮し、リオトロピック液晶性の確認を行ったところ、リオトロピック液晶性とリオトロピック液晶性でない等方相が混在した。さらに、この水溶液を水54部まで濃縮し、リオトロピック液晶性の確認を行ったところ、リオトロピック液晶性の発現はあったが、水溶液はゲル化し、塗布することができなかった。
水68部に、下記式(I−4)で表されるジスアゾ色素のリチウム塩29.1部と、下記式(II−3)で表されるジスアゾ色素のリチウム塩2.9部を加え、撹拌して溶解させた後、濾過して不溶分を除去することにより、異方性色素膜用組成物24を得た。この異方性色素膜用組成物24について、前述した方法で、リオトロピック液晶性の確認を行い、リオトロピック液晶性の発現を確認した。
この異方性色素膜用組成物24を、実施例1と同様の基板に、同様の方法で塗布した後、自然乾燥することにより、異方性色素膜24を得た。
得られた異方性色素膜24について、535nmにおける吸収軸方向の偏光に対する透過率(Tz)と二色比(D)を測定した。その結果を表3に示す。
水82部に、下記式(I−4)で表わされるジスアゾ色素のリチウム塩18.0部を加え、撹拌して溶解させた後、濾過して不溶分を除去することにより、異方性色素膜用組成物25を得た。この異方性色素膜用組成物25について、前述した方法で、リオトロピック液晶性の確認を行い、リオトロピック液晶性の発現を確認した。この異方性色素膜用組成物25を、実施例13と同様の基板に、同様の方法で塗布した後、自然乾燥することにより、異方性色素膜25を得た。
得られた異方性色素膜について、吸収軸方向の偏光に対する透過率(Tz)を測定したところ、その透過率が450−550nmで極大値になる波長、すなわち吸光度が極小値になる波長(λmin)は、535nmであった。また、その波長における二色比(D)を測定した。その結果を表3に示す。
水82部に、下記式(I−4)で表わされるジスアゾ色素のリチウム塩9.0部と、下記式(II−13)で表わされるジスアゾ色素のリチウム塩9.0部を加え、撹拌して溶解させた後、濾過して不溶分を除去することにより、異方性色素膜用組成物26を得た。前述した方法で、リオトロピック液晶性の確認を行い、リオトロピック液晶性の発現を確認した。
一方、基板としてポリイミドの配向膜 (LX1400、日立化成デュポンマイクロシステムズ社製)が形成されたガラス基板(150mm×150mm、厚さ1.1mm、膜厚約800Åのポリイミドに、あらかじめ布でラビング処理を施したもの)に、上記の異方性色素膜用組成物26をギャップ10μmのアプリケーター (堀田製作所社製) で塗布した後、自然乾燥することにより、異方性色素膜26を得た。
得られた異方性色素膜26について、535nmにおける吸収軸方向の偏光に対する透過率(Tz)と二色比(D)を測定した。その結果を表3に示す。
水87.9部に、下記式(I−5)で表わされるジスアゾ色素のリチウム塩11部と、下記式(II−3)で表わされるジスアゾ色素のリチウム塩1.1部を加え、撹拌して溶解させた後、濾過して不溶分を除去することにより、異方性色素膜用組成物27を得た。この異方性色素膜用組成物27について、前述した方法で、リオトロピック液晶性の確認を行い、リオトロピック液晶性の発現を確認した。
この異方性色素膜用組成物27を、実施例1と同様の基板に、同様の方法で塗布した後、自然乾燥することにより、異方性色素膜27を得た。
得られた異方性色素膜27について、525nmにおける吸収軸方向の偏光に対する透過率(Tz)と二色比(D)を測定した。その結果を表3に示す。
水89.0部に、下記式(I−5)で表わされるジスアゾ色素のリチウム塩11.0部を加え、撹拌して溶解させた後、濾過して不溶分を除去することにより、異方性色素膜用組成物28を得た。この異方性色素膜用組成物28について、前述した方法で、リオトロピック液晶性の確認を行い、リオトロピック液晶性の発現を確認した。この異方性色素膜用組成物28を、実施例1と同様の基板に、同様の方法で塗布した後、自然乾燥することにより、異方性色素膜28を得た。
得られた異方性色素膜について、吸収軸方向の偏光に対する透過率(Tz)を測定したところ、その透過率が450−550nmで極大値になる波長、すなわち吸光度が極小値になる波長(λmin)は、525nmであった。また、その波長における二色比(D)を測定した。その結果を表3に示す。
水80.2部に、下記式(I−6)で表わされるジスアゾ色素のリチウム塩18部と、下記式(II−3)で表わされるジスアゾ色素のリチウム塩1.8部を加え、撹拌して溶解させた後、濾過して不溶分を除去することにより、異方性色素膜用組成物29を得た。この異方性色素膜用組成物29について、前述した方法で、リオトロピック液晶性の確認を行い、リオトロピック液晶性の発現を確認した。
一方、基板としてポリイミドの配向膜 (LX1400、日立化成デュポンマイクロシステムズ社製)が形成されたガラス基板(150mm×150mm、厚さ1.1mm、膜厚約800Åのポリイミドに、あらかじめ布でラビング処理を施したもの)に、上記の異方性色素膜用組成物29をギャップ1μmのアプリケーター (堀田製作所社製) で塗布した後、自然乾燥することにより、異方性色素膜29を得た。
得られた異方性色素膜29について、525nmにおける吸収軸方向の偏光に対する透過率(Tz)と二色比(D)を測定した。その結果を表3に示す。
水82.0部に、下記式(I−6)で表わされるジスアゾ色素のリチウム塩18部を加え、撹拌して溶解させた後、濾過して不溶分を除去することにより、異方性色素膜用組成物30を得た。この異方性色素膜用組成物30について、前述した方法で、リオトロピック液晶性の確認を行い、リオトロピック液晶性の発現を確認した。この異方性色素膜用組成物30を、実施例18と同様の基板に、同様の方法で塗布した後、自然乾燥することにより、異方性色素膜28を得た。
得られた異方性色素膜について、吸収軸方向の偏光に対する透過率(Tz)を測定したところ、その透過率が450−550nmで極大値になる波長、すなわち吸光度が極小値になる波長(λmin)は、525nmであった。また、その波長における二色比(D)を測定した。その結果を表3に示す。
なお、2013年12月13日に出願された日本特許出願2013−258369号の明細書、特許請求の範囲、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。
Claims (7)
- 少なくとも2種のジスアゾ色素及び溶媒を含む、湿式成膜法に用いられる異方性色素膜用組成物であって、
該ジスアゾ色素は、遊離酸型が、一般式(I)で表されるジスアゾ色素1及び一般式(II)で表されるジスアゾ色素2であり、
ジスアゾ色素1の10質量ppmの水溶液は、550nm〜640nmの波長域に極大吸収を有し、
ジスアゾ色素2の10質量ppmの水溶液は、ジスアゾ色素1の10質量ppmの水溶液が有する極大吸収波長より10nm〜100nm短い波長域に極大吸収を有し、
異方性色素膜用組成物中のジスアゾ色素1及び2の濃度が、3質量%以上、40質量%以下であることを特徴とする異方性色素膜用組成物。
R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、又は置換基を有していてもよいアシル基を表し、
n1は、0〜2の整数を表し、
n2は、0又は1を表し、
n3は、0〜2の整数を表す。]
Ar23は、下記一般式(III)又は(IV)を表し、
R20は、1価の基を表し、
a1は、0〜4の整数を表す。
なお、一般式(I)で表されるジスアゾ色素1及び一般式(II)で表されるジスアゾ色素2は同一ではない。]
R10は、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し、
m1は、0〜2の整数を表し、
m2は、0又は1を表し、
m3は、0〜2の整数を表し、
m4は、0又は1を表す。]
k1は、0〜2の整数を表し、
k2は、0又は1を表し、
k3は、0〜2の整数を表す。] - 前記異方性色素膜用組成物が異方的な分子集合体を形成しているものである、請求項1に記載の異方性色素膜用組成物。
- 前記異方性色素膜用組成物中のアゾ色素1に対するアゾ色素2の質量比が、0.03以上、0.5以下である、請求項1又は2に記載の異方性色素膜用組成物。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載の異方性色素膜用組成物を用いて作製された異方性色素膜。
- 請求項4に記載の異方性色素膜を含む、光学素子。
- 少なくとも2種のジスアゾ色素を含み、湿式成膜法により作製される異方性色素膜であって、
該ジスアゾ色素は、遊離酸型が、一般式(I)で表されるジスアゾ色素1及び一般式(II)で表されるジスアゾ色素2であり、
ジスアゾ色素1の10質量ppmの水溶液は、550nm〜640nmの波長域に極大吸収を有し、
ジスアゾ色素2の10質量ppmの水溶液は、ジスアゾ色素1の10質量ppmの水溶液が有する極大吸収波長より10nm〜100nm短い波長域に極大吸収を有することを特徴とする、異方性色素膜。
R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、又は置換基を有していてもよいアシル基を表し、
n1は、0〜2の整数を表し、
n2は、0又は1を表し、
n3は、0〜2の整数を表す。]
Ar23は、下記一般式(III)又は(IV)を表し、
R20は、1価の基を表し、
a1は、0〜4の整数を表す。
なお、一般式(I)で表されるジスアゾ色素1、及び一般式(II)で表されるジスアゾ色素2は同一ではない。]
m1は、0〜2の整数を表し、
m2は、0又は1を表し、
m3は、0〜2の整数を表す。]
k1は、0〜2の整数を表し、
k2は、0又は1を表し、
k3は、0〜2の整数を表す。] - 請求項6に記載の異方性色素膜を含む光学素子。
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