JPWO2015087878A1 - ガラス溶融物製造装置、およびガラス物品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
(ガラス溶融物製造装置)
図1に示すように、第1実施形態のガラス溶融物製造装置100は、受入装置110と、排出装置150と、造粒体搬送管154と、振動篩160と、微粉搬送装置170と、粗粉搬送装置174と、ガラス溶融炉180と、を備える。
受入装置110は、ガラス原料である造粒体(図示しない。)を、排出装置150に供給するために受け入れる装置である。受入装置110は、リザーブホッパー140を備える。
造粒体は、コンベアー等によってリザーブホッパー140へと搬送される。
排出装置150は、受入装置110のリザーブホッパー140から供給された造粒体を一定量排出する装置である。言い換えると、排出装置150は、受入装置110に受け入れられた後で、かつ、振動篩160で分級される前の造粒体を、一定量排出する装置である。
排出装置150は、計量ホッパー151と、定量排出フィーダー152と、第1酸素流入管153と、を備えている。
回転板155は、厚み方向が鉛直方向となるように設けられている。回転板155には、中心から等距離の位置に、回転板155を厚み方向に貫通する複数の貫通孔155aが形成されている。
第1実施形態において、酸素AR1の流入量は、たとえば、2Nm3/hである。
なお、定量排出フィーダー152に設けられた制御部は、リザーブホッパー140に設けられた制御部と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
造粒体搬送管154は、図1に示すように、定量排出フィーダー152と、振動篩160とに接続された配管である。定量排出フィーダー152から排出された造粒体は、造粒体搬送管154内を搬送され、振動篩160に供給される。造粒体は、自重による落下と、第1酸素流入管153から流入された酸素AR1とによって、造粒体搬送管154内を搬送される。
振動篩160は、造粒体搬送管154から供給された造粒体、言い換えると、受入装置110に受け入れられた後の造粒体を、造粒体に含まれる粒子の粒子径に応じて、第1粒子と、第2粒子とに分級する。
第1粒子とは、振動篩160によって分級された造粒体のうち、ガラス溶融炉180に搬送される粒子である。また、第2粒子とは、振動篩160によって分級された造粒体のうち、微粉搬送装置170によって後述する微粉貯蓄容器等に搬送される粒子である。
粗粉111aは、製造されるガラス溶融物の形成材料としてガラス溶融炉180に供給する粒子として好ましい平均粒子径を有する粒子である。
第2粒子である微粉111bの平均粒子径は、第1実施形態においては、たとえば、10μm以上、100μm以下である。
また、分級される第2粒子の平均粒子径が100μmより大きくなるように振動篩160が設定される場合においては、振動篩160によって造粒体から分級される第2粒子の質量が大きくなる。このため、ガラス溶融炉180に供給される第1粒子の質量が小さくなり、ガラス物品の歩留が低下する。
分級容器161は、造粒体搬送管154によって搬送された造粒体111が流入する容器である。分級容器161の内部空間は、篩網164によって上部空間161aと、下部空間161bと、に仕切られている。造粒体111は、造粒体搬送管154から、分級容器161の上部空間161aに流入される。
なお、分級目標粒子径は、あくまで分級の目標となる値である。分級される微粉111bには、分級目標粒子径よりも大きい粒子径を有する粒子が含まれる場合がある。
微粉搬送装置170は、振動篩160によって分級された微粉111bを図示しない微粉貯蓄容器等へと搬送する。
図1に示すように、微粉搬送装置170は、搬送管171の途中に圧力置換部172が設けられている。搬送管171は、振動篩160の微粉排出管163と、微粉貯蓄容器等とを接続している。
粗粉搬送装置174は、振動篩160によって分級された粗粉111aをガラス溶融炉180へと搬送する装置である。
粗粉搬送装置174は、接続管175と、第2酸素流入管176と、搬送チューブ177と、を備えている。
接続管175は、振動篩160の粗粉排出管162に接続されている。接続管175の粗粉排出管162側と逆側の端部には、搬送チューブ177が接続されている。搬送チューブ177の接続管175側と逆側の端部は、後述するガラス溶融炉180の気中溶融バーナー182に接続されている。
粗粉搬送装置174の内部の圧力は、造粒体搬送管154および振動篩160の内部と同様に、大気圧よりも大きく保たれている。すなわち、粗粉搬送装置174の内部のゲージ圧力は、正圧である。
ガラス溶融炉180は、図5に示すように、炉体181と、気中溶融バーナー182と、煙道186と、を備えている。
炉体181は、中空の箱型である。炉体181は、たとえば、耐火レンガなどの耐火材で構成され、高温のガラス溶融物Gfを貯留できる。炉体181の底部側(図示下側)は、ガラス溶融物Gfの貯留部185となっている。炉体181は、必要に応じて貯留部185に貯留されているガラス溶融物Gfを目的の温度、たとえば1400℃程度、に溶融状態で保持できるように構成されている。
次に、上記説明したガラス溶融物製造装置100を用いたガラス溶融物の製造方法について説明する。
図4に示すように、第1実施形態のガラス溶融物の製造方法は、造粒体受入工程S11と、造粒体排出工程S12と、造粒体分級工程S13と、粗粉溶融工程S14と、を有する。
造粒体排出工程S12により、排出装置150によって一定量の造粒体が造粒体搬送管154に排出される。造粒体搬送管154に排出された造粒体は、振動篩160に供給される。
造粒体分級工程S13により、造粒体は、粗粉111aと微粉111bとに分級される。粗粉111aは、粗粉搬送装置174を介して、ガラス溶融炉180に搬送される。微粉111bは、微粉搬送装置170を介して、微粉貯蓄容器等に搬送される。
ガラス溶融炉180の気中溶融バーナー182によって、炉体181の内部に高温の雰囲気を形成し、この高温の雰囲気によって、気中溶融バーナー182から噴出された粗粉111aを溶融する。
粗粉溶融工程S14により、粗粉111aが溶融され、ガラス溶融物Gfが貯留部185に貯留される。
スクリューフィーダー252は、駆動部253と、スクリュー254とを備える。
駆動部253は、スクリュー254の回転軸255に、軸回りの回転駆動力を与える。回転軸255が回転すると、回転軸255に設けられたスクリュー羽根256が回転し、スクリューフィーダー252内に供給された造粒体を、たとえば、図では右側へと搬送する。駆動部253は、図示しない制御部によって制御され、計量ホッパー151に蓄積された造粒体の質量に応じて、回転数が制御される。これにより、造粒体搬送管154へ排出される造粒体の単位時間あたりの質量が定量化される。
本体部261は、円筒状の容器から構成される。造粒体を含んだ酸素AR1が、造粒体流入管262から本体部261に流入されると、造粒体を含んだ酸素AR1は、本体部261の内部で渦を巻くように流れる。そして、造粒体に含まれる平均粒子径の大きい粗粉111aは、自重により落下し、本体部261の鉛直方向下方側(図示下側)の端部に接続された粗粉排出管264へと排出される。粗粉排出管264へと排出された粗粉111aは、ロータリーバルブ265を介して、粗粉搬送装置174へと搬送される。
第2実施形態は、第1実施形態に対して、造粒装置210が設けられている点において異なる。
なお、第1実施形態と同様の構成については、図面において同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
第2実施形態においては、微粉搬送装置170の搬送管171は、微粉貯蓄容器173に接続されている。
造粒装置210は、造粒機212と、乾燥機213と、を備えている。
造粒機212は、第2実施形態においては、たとえば、ガラス原料組成物と水とを混合して固めることによって造粒体を製造できるものである。
(ガラス溶融物製造装置)
第3実施形態は、第1実施形態に対して、受入装置110の上流側に供給装置310が設けられている点において異なる。
なお、第1実施形態と同様の構成については、図面において同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
供給装置310は、受入装置110に受け入れられる前の造粒体を、粗粉(第3粒子)と、粗粉の平均粒子径よりも小さい平均粒子径を有する微粉(第4粒子)と、に分級し、粗粉を受入装置110に供給する。
第3実施形態のガラス溶融物製造装置300を用いたガラス溶融物の製造方法は、第1実施形態におけるガラス溶融物の製造方法に対して、造粒体受入工程S11の前に、造粒体分級工程S13と別の分級工程を有している点において異なる。
(ガラス溶融物製造装置)
第4実施形態は、第1実施形態に対して、振動篩160の設けられている位置が異なる。
なお、第1実施形態と同様の構成については、図面において同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
造粒体は、受入装置110、より詳細には、リザーブホッパー140から、振動篩160に供給される。振動篩160に供給された造粒体は、粗粉111aと、微粉111bとに分級される。粗粉111aは、排出装置150へと供給され、微粉111bは、図示しない微粉貯蓄容器等に搬送される。
第4実施形態のガラス溶融物製造装置400を用いたガラス溶融物の製造方法は、第1実施形態におけるガラス溶融物の製造方法に対して、造粒体分級工程S13が、造粒体排出工程S12よりも前に設けられている点において異なる。
図11に示すように、実施形態のガラス物品の製造方法は、ガラス溶融物製造工程S21と、成形工程S22と、徐冷工程S23と、切断工程S24と、を有する。
まず、ガラス溶融物製造工程S21は、第1実施形態、第3実施形態、または第4実施形態において述べたガラス溶融物の製造装置を用いてガラス溶融物Gfを製造する工程である。
次に、成形工程S22は、製造されたガラス溶融物Gfを成形装置によって目的の形状の成形体に成形する工程である。
次に、切断工程S24は、徐冷された成形体を必要な長さに切断する工程である。
以上の工程により、ガラス物品G5が製造される。
また、前述のガラス物品の製造方法としては、公知の方法を用いることができる。ガラス物品の製造方法の例として、主に帯板状のガラスを成形する方法としてフロート法、ダウンドロー法、フュージョン法、スロットダウン法、リドロー法、ロール成形法、ロールアウト法や引き上げ法等を挙げることができ、その他の製造方法としてプレス成形法、プレスブロー成形法、ブローブロー成形法、鋳造法等が挙げられる。
実施例1では、図12に示すガラス溶融物製造装置500の各計測点において、造粒体に含まれる微粉の割合について計測を行った。ガラス溶融物製造装置500は、第1実施形態のガラス溶融物製造装置100に対して、振動篩160と微粉搬送装置170とが設けられていない点において異なる。
実施例2においては、第1実施形態のガラス溶融物製造装置100を稼働させ、振動篩からガラス溶融炉へと供給される造粒体の質量について計測を行った。
ガラス溶融炉へと単位時間あたりに供給する造粒体の目標質量を、190kg/hと、285kg/hとにそれぞれ設定した場合について計測を行った。
排出装置から粗粉搬送装置までにおける内部のゲージ圧力は、4kPaと設定した。第1酸素流入口から流入させる酸素を、2Nm3/hとし、第2酸素流入口から流入させる酸素を、13Nm3/hとした。この際の搬送前の造粒体の平均粒子径は、500μmであり、振動篩によって回収された微粉の平均粒子径は、25μmであった。
図14より、各目標値において、ほぼ一定の供給質量となっていることが確かめられた。また、目標値を190kg/hとした場合の平均供給質量は、190.6kg/hであり、目標値を285kg/hとした場合の平均供給質量は、284.8kg/hであった。これにより、ほぼ目標値の供給質量を実現できていることが確かめられた。
実施例3では、実施例2におけるガラス溶融物製造装置を用いて、ガラス溶融炉に供給される造粒体に含まれる微粉の含有率を、JIS Z8808(2013年)に準じて、煙道からの排気ガスを、ろ紙を通して吸引し、ろ紙に捕集された量を計測して求めた。この際の搬送前の造粒体の平均粒子径は、500μmであった。比較例として、振動篩が設けられていない点においてのみ異なるガラス溶融物製造装置を用いて、上記と同様に、JIS Z8808(2013年)に準じて、微粉の含有率を計測した。計測は、時刻αおよび時刻βとの2回行った。
実施例4では、実施例2におけるガラス溶融物製造装置を長時間稼働させた際における、煙道内の微粉の付着状態について観察を行った。比較例として、振動篩が設けられていない点においてのみ異なるガラス溶融物製造装置を用いて、同様の観察を行った。
なお、2013年12月13日に出願された日本特許出願2013−257955号の明細書、特許請求の範囲、図面および要約書の全内容をここに引用し、本発明の開示として取り入れるものである。
Claims (14)
- ガラス原料を形成材料とする造粒体を受け入れる受入装置と、
前記受入装置に受け入れられた後の前記造粒体を、第1粒子と、該第1粒子の平均粒子径よりも小さい平均粒子径を有する第2粒子と、に分級する分級装置と、
前記第1粒子を炉内の高温雰囲気中で溶融するガラス溶融炉と、
を備えるガラス溶融物製造装置。 - 前記受入装置に受け入れられた後で、かつ、前記分級装置で分級される前の前記造粒体を、一定量排出する排出装置を、さらに備える請求項1に記載のガラス溶融物製造装置。
- 前記受入装置に受け入れられる前の前記造粒体を、第3粒子と、該第3粒子の平均粒子径よりも小さい平均粒子径を有する第4粒子と、に分級し、前記第3粒子を前記受入装置に供給する供給装置を、さらに備える請求項1または2に記載のガラス溶融物製造装置。
- 前記分級装置は、前記第1粒子の平均粒子径が200μm以上、2000μm以下に対して、前記第2粒子の平均粒子径が10μm以上、100μm以下となる装置である請求項1から3のいずれか一項に記載のガラス溶融物製造装置。
- 前記分級装置は、振動篩である請求項1から4のいずれか一項に記載のガラス溶融物製造装置。
- 前記振動篩は、分級可能な単位時間あたりの前記造粒体の分級可能質量が、前記分級装置に供給される前記造粒体の単位時間あたりの供給質量の1.2倍以上、2.5倍以下の装置である請求項5に記載のガラス溶融物製造装置。
- 前記振動篩は、前記造粒体を分級するための篩網を備え、
前記篩網の目開きは、前記第2粒子の分級目標粒子径の2倍以上で、かつ、前記第1粒子の平均粒子径よりも小さい請求項5または6に記載のガラス溶融物製造装置。 - 前記分級装置は、サイクロン分離器である請求項1から4のいずれか一項に記載のガラス溶融物製造装置。
- 前記造粒体を製造する造粒装置をさらに備え、
前記第2粒子は、前記造粒装置に搬送される請求項1から8のいずれか一項に記載のガラス溶融物製造装置。 - 請求項1から9のいずれか一項に記載のガラス溶融物製造装置を用いて、前記造粒体を、前記第1粒子と、前記第1粒子の平均粒子径よりも小さい平均粒子径を有する前記第2粒子と、に分級し、前記第1粒子からガラス溶融物を製造する工程と、
前記ガラス溶融物を成形して成形体とする工程と、
前記成形体を徐冷してガラス物品とする工程と、
を含むガラス物品の製造方法。 - ガラス原料を形成材料とする造粒体を定量する工程と、
前記造粒体を、第1粒子と、該第1粒子の平均粒子径よりも小さい平均粒子径を有する第2粒子と、に分級する工程と、
ガラス溶融炉を用いて、炉内の高温雰囲気中で前記第1粒子を溶融してガラス溶融物を製造する工程と、
前記ガラス溶融物を成形して成形体とする工程と、
前記成形体を徐冷してガラス物品とする工程と、
を含むガラス物品の製造方法。 - 前記第1粒子の平均粒子径が200μm以上、2000μm以下に対して、前記第2粒子は、平均粒子径が10μm以上、100μm以下である請求項10または11に記載のガラス物品の製造方法。
- 前記分級する工程は、前記定量する工程の後である請求項11または12に記載のガラス物品の製造方法。
- 前記分級する工程に加えて、さらに別の分級工程を含む請求項11から13のいずれか一項に記載のガラス物品の製造方法。
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