JP2012096941A - 気中溶融バーナー、ガラス原料の溶融方法、溶融ガラスの製造方法、ガラスビーズの製造方法、ガラス製品の製造方法、気中溶融装置およびガラス製品の製造装置 - Google Patents

気中溶融バーナー、ガラス原料の溶融方法、溶融ガラスの製造方法、ガラスビーズの製造方法、ガラス製品の製造方法、気中溶融装置およびガラス製品の製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、ガラス原料粒子の付着を抑制できる気中溶融バーナーの提供を第1の目的とする。
【解決手段】本発明の気中溶融バーナー10は、ガラス原料粒子を気相雰囲気中で溶融する気中溶融法に用いられるバーナーであって、複数のノズルの少なくとも一部が同心円状に配置された多重管構造であり、これら複数のノズルにより隣接するノズル間又は各ノズルの内部にガラス原料粒子供給路2、燃焼ガス供給路3、4および燃料ガス供給路1が形成され、ガラス原料粒子供給路2を形成するノズル11、12の先端部が、他のノズルの先端部よりも先方に突出していることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、気中溶融バーナー、ガラス原料の溶融方法、溶融ガラスの製造方法、ガラスビーズの製造方法、ガラス製品の製造方法、気中溶融装置およびガラス製品の製造装置に関する。
現在、板ガラス、瓶ガラス、繊維ガラスを始めとして表示装置用ガラスに至るまで、量産規模のガラスの多くはガラス原料を溶融炉にて溶融するというF.シーメンスが開発したシーメンス窯に基づき生産されている。シーメンス窯による溶融法では、粉末状ガラス原料の混合物を、シーメンス窯で先に溶融したガラス融液面上に投入し、それが塊(バッチ山、batch pileともいう。)となったものをバーナーなどによって加熱し、その塊の表面から融解を進行させ、徐々にガラス融液とする。このとき、融液上のバッチは、反応あるいは溶融しやすい物質から順次溶け出るため、融点あるいは粘性の高い珪砂あるいは珪砂分を多く含む粒子が取り残され、また、それらが相互に結合するなどして原料層内に難溶融性物質が形成されやすい。さらに、同様の理由で、融液形成の初期状態においては、局所的に見るとバッチと組成が異なったガラス融液が生じ、融液の不均一化が生じやすい。さらにまた、シーメンス窯によるガラス溶融炉は大量のエネルギーを必要とするため、産業エネルギー消費構造改革の面からガラス溶融炉の消費エネルギー削減が望まれている。最近では、表示装置用途のガラス板として高品質、高付加価値化ガラスの需要が増大の一途にあり、エネルギー消費も増大しており、ガラスの製造にかかる省エネルギー技術の開発は重要かつ緊急の課題とされている。
このような背景から、省エネルギー型ガラス製造技術の一例として、ガラス原料の混合物からなる微細粒子(造粒体)を高温の気相雰囲気中で加熱し溶かして溶融ガラス粒子とし、次いで溶融ガラス粒子を集積して液体相(ガラス融液)を形成する気中溶融法と呼ばれるガラス製品の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
図10は特許文献1に記載のガラス溶融炉を示す断面模式図である。特許文献1のガラス溶融炉100は、高温気相雰囲気101を形成する加熱手段として、複数本のアーク電極102および/または酸素燃焼ノズル103を備えている。これら複数のアーク電極102が形成する熱プラズマアークおよび/または酸素燃焼ノズル103による酸素燃焼炎(フレーム)105によって炉体106内に約1600℃以上の高温気相雰囲気101が形成されている。この高温気相雰囲気101中に、ガラス原料粒子104を投入することにより、高温気相雰囲気101内でガラス原料粒子104を液状ガラス粒子107に変化させる。液状ガラス粒子107は落下して炉体106の炉底部106Aに溜まり、ガラス融液G100となる。
特許文献2のガラス溶融炉は、加熱手段として、ガラス溶融炉の天井壁に下向きに取り付けられた酸素バーナーを備えている。この酸素バーナーには、酸素濃度90容量%以上の支燃ガスとガラス原料が供給されるように、ガス供給系と燃料供給系とが接続されている。よって、このガラス溶融炉によれば、酸素バーナーを燃焼させ下向きに火炎を形成するとともに、酸素バーナーからガラス原料粒子をその火炎中に下向きに供給し、火炎中で液状ガラス粒子を生成させ、生成した液状ガラス粒子を火炎直下の炉底部に集積させてガラス融液を形成している。
上述のガラス溶融炉は、ガラス原料粒子を高温気相雰囲気中で溶融して溶融ガラス粒子を形成し、溶融ガラス粒子をガラス溶融炉底部に集積させて溶融ガラスを形成する装置である。気中溶融法によれば、従来のシーメンス窯による溶融法と比較して、ガラス溶融工程の消費エネルギーを1/3程度まで低減できると言われており、短時間で溶融が可能になり、溶融炉の小型化、蓄熱室の省略、品質の向上、COの削減、ガラス品種の変更時間の短縮化を図ることができる技術として注目されている。
ところで、従来のシーメンス窯を用いたガラス溶融炉としては、例えば、図11に示すように、ガラス溶融炉200の側壁201に火炎噴出方向を水平方向とするように酸素バーナー202が横向きに設置されたものが知られている(例えば、特許文献3参照。)。この例のガラス溶融炉200では、炉200内のガラス融液G200の上面に堆積したバッチB200が、酸素バーナー202から噴出される燃焼炎202Aの輻射熱により溶融される。
また、シーメンス窯を用いたガラス溶融炉の他の例としては、例えば、図12に示すように、ガラス溶融炉300の天井壁301に、火炎噴出方向を下向きとするように酸素バーナー302が鉛直下向き方向に設置されたものが知られている(例えば、特許文献4参照。)。この例のガラス溶融炉300では、炉300内のガラス融液G300の表面に、酸素バーナー302からの燃焼炎302Aを噴き付けることにより、ガラス融液G300の上面に堆積したバッチB300が溶融される。
図13に、従来のガラス溶融炉に使用される酸素バーナーの一例構造を示す(特許文献3参照)。図13に示す酸素バーナー400は、中心管401と、この中心管401の外側に配置される内管402と、この内管402の外側に配置される外管403とを同心状に重ねた三重管構造のバーナーである。中心管401の内部が一次酸素流路406、中心管401と内管402との間が燃料ガス流路407、内管402と外管403との間が二次酸素流路408とされている。また、燃料ガス流路407および二次酸素流路408には、多数の小通孔を有する多孔板404、405がそれぞれ設けられている。図13に示す酸素バーナー400において、中心管401、内管402および外管403のそれぞれの先端401a、402a、403aは、同一平面となるように形成されている。
上述した特許文献1および2に記載の気中溶融法において、加熱手段として酸素バーナーを用いる場合、この酸素バーナーの燃焼火炎中にガラス原料粒子を投入して、火炎中で液状ガラス粒子を形成している。そのため、ガラス原料粒子を供給する原料供給路と、燃焼ガスおよび燃料ガスをそれぞれ供給するガス供給路を備える酸素バーナーが使用される。図14に、気中溶融法で使用される酸素バーナーの一例構造として、特許文献5に記載のバーナーの断面図を示す。図14に示すバーナー500は、中心側から順に配置された第1の管501、第2の管502、第3の管503、第4の管504、第5の管505からなる5重管構造とされ、中心から順に、原料粉体を供給する原料粉体供給路501Aと、この原料粉体供給路501Aの外周に配置された燃料ガス供給路502Aと、この燃料ガス供給路502Aの外周に配置された酸素供給路503Aと、この酸素供給路503Aの外周に設けられた冷却水通路504A、505Aとを有する同心5重構造に構成されている。バーナー500の先端部には、原料粉体供給路501A、燃料ガス供給路502Aおよび酸素供給路503Aにそれぞれ噴出口501a、502a、503aを介して接続する燃焼室506が設けられている。中心部の原料粉体供給路501Aの噴出口501aは、燃料ガス供給路502Aおよび酸素供給路503Aの噴出口502a、503aより、バーナー内部側に位置するように設定されている。
また、気中溶融法用ではないが、合成石英ガラス製造用のバーナーとして、5重管と、この5重管を囲む外殻管と、5重管と外殻管との間に設けられた複数のノズルとを備え、これらの管およびノズルから合成炉の内部に原料ガスおよび燃焼ガスを噴射する円筒形状のバーナーであって、これらの5重管、外殻管およびノズルのそれぞれの先端が同一平面上にそろえて設けられたバーナーが開示されている(特許文献6、7参照)。さらに、気相反応法による微粒子合成用のバーナーとして、微粒子原料ガス吹き出し口と、燃焼ガス吹き出し口と、不活性ガス吹き出し口と、燃焼支援ガス吹き出し口とを、バーナー中心部から外側に向かってこの順に備え、微粒子原料ガス吹き出し口の先端部の高さが、他の吹き出し口の先端の高さよりも低いものが開示されている(特許文献8参照)。
特開2007−297239号公報 特開2008−290921号公報 特開平9−243028号公報 特開2002−356331号公報 特開平7−48118号公報 特開平10−236828号公報 特開平10−236835号公報 特開2008−74651号公報
しかしながら、本発明者らがガラスの気中溶融法の研究を進める過程において、上述した従来構造のバーナーをそのまま気中溶融法に適用すると、製造されるガラスの品質が不均一になってしまう場合があることが明らかとなった。特許文献6および7に記載のバーナーは、原料の噴出口と燃料ガスや燃焼ガスの噴出口とが同一平面上に揃えて設けられているが、このような構造のバーナーを気中溶融法に適用すると、直径数10〜数100μm程度の微細なガラス原料粒子が、原料の噴出口先端部付近で発生する渦流の影響により、バーナー先端部付近に部分的に滞留して、バーナー先端部に付着することがある。そして、バーナー先端部に付着したガラス原料が徐々に肥大化して大きな塊となることがあると、この塊がバーナー下方のガラス融液へと落下する場合がある。その結果、落下した塊とガラス融液との組成差に起因して、製造される溶融ガラスおよびガラスが不均質になり、ガラスの品質が低下するおそれがある。
また、特許文献5、8に記載のバーナーのように、原料供給路の噴出口が最もバーナー内部側に位置している場合、火炎中での原料の滞留時間を長くすることができるが、その反面、バーナー先端部に原料が滞留するため、ノズル先端部にガラスが付着しやすい問題がある。
従来のシーメンス窯によるガラス溶融炉では、バーナーは横向きまたは下向きに設置されるが、バーナーから燃焼炎のみを噴射する構成であるため、上記のようなバーナーの先端にガラス原料が滞留、付着する問題は起こっていない。このような問題は、本発明者らが気中溶融法を検討する過程で新たに見出されたものである。
また、通常、気中溶融法は長期間の連続稼働で行われるため、気中溶融用バーナーも長期間連続使用される。そのため、バーナーにガラス原料粒子が付着して肥大化するようであると、バーナーを停止して清掃を行う必要があるため、生産性の面においてもバーナーへの付着物の低減が望まれる。
以上のような背景から本発明は、ガラス原料粒子の付着を抑制できる気中溶融バーナー、および該バーナーを用いるガラス原料の溶融方法の提供を目的とする。
また、本発明は、上述のガラス原料の溶融方法を用いる溶融ガラスの製造方法、ガラスビーズの製造方法およびガラス製品の製造方法の提供を目的とする。
さらに、本発明は、上述の気中溶融バーナーを用いる気中溶融装置およびガラス製品の製造装置の提供を目的とする。
本発明は、ガラス原料粒子を気相雰囲気中で溶融する気中溶融法に用いられるバーナーであって、複数のノズルの少なくとも一部が同心円状に配置された多重管構造であり、これら複数のノズルにより隣接するノズル間又は各ノズルの内部にガラス原料粒子供給路、燃焼ガス供給路および燃料ガス供給路が形成され、前記ガラス原料粒子供給路を形成するノズルの先端部が、他のノズルの先端部よりも先方に突出していることを特徴とする気中溶融バーナーを提供する。
本発明の気中溶融バーナーにおいて、前記ガラス原料粒子供給路に隣接するガス供給路の先端部に、該ガス供給路から噴出されたガスの流れの一部を、前記ガラス原料粒子供給路側に向ける方向制御手段が形成されてなることが好ましい。
本発明の気中溶融バーナーにおいて、前記方向制御手段が、ガス供給路を形成するノズルの先端部の内面又は外面に形成されたテーパー部であることが好ましい。
本発明の気中溶融バーナーにおいて、バーナー中心から外側に向かって、前記燃料ガス供給路前記、前記ガラス原料粒子供給路、燃焼ガス供給路がこの順に同心円状に形成されてもよい。
本発明の気中溶融バーナーにおいて、バーナー中心から外側に向かって、前記ガラス原料粒子供給路、前記燃料ガス供給路、前記燃焼ガス供給路がこの順に同心円状に形成されてもよい。
本発明の気中溶融バーナーにおいて、バーナー中心から外側に向かって、前記燃料ガス供給路、前記燃焼ガス供給路、前記ガラス原料粒子供給路がこの順に同心円状に形成されてもよい。この場合、さらに外周に燃焼ガス供給路を設けることもできる。
本発明の気中溶融バーナーにおいて、前記ガラス原料粒子供給路を形成するノズルの先端部が、他のノズルの先端部よりも3〜10mm突出していることも好ましい。
本発明は、上記気中溶融バーナーにより加熱気相雰囲気を形成し、この加熱気相雰囲気中にガラス原料粒子を送ることにより該ガラス原料粒子を溶融させる気中溶融法により、ガラス原料を溶融ガラス粒子とするガラス原料の溶融方法を提供する。
また、本発明は、上記溶融ガラス粒子を貯留する溶融ガラスの製造方法を提供する。
さらに、本発明は、上記溶融ガラス粒子を冷却することによりガラスビーズとするガラスビーズの製造方法を提供する。
さらにまた、本発明は、上記ガラス原料の溶融方法を用いて前記ガラス原料粒子を加熱して溶融ガラス粒子とするガラス溶融工程と、前記溶融ガラス粒子からなる溶融ガラスを成形する工程と、成形後のガラスを徐冷する工程と、を含むガラス製品の製造方法を提供する。
本発明のガラス製品の製造方法において、上記ガラス原料粒子を溶融ガラス粒子とする工程が、前記溶融ガラス粒子を貯留してガラス融液とする工程、を含むことが好ましい。
本発明は、ガラス原料粒子を気相雰囲気中で加熱溶融して溶融ガラス粒子にする気中溶融装置であって、前記ガラス原料粒子を加熱溶融する加熱気相雰囲気を形成する原料加熱部と、前記加熱気相雰囲気に前記ガラス原料粒子を供給するための原料供給部と、を備える気中溶融バーナーが、上記気中溶融バーナーである気中溶融装置を提供する。
本発明の気中溶融装置において、前記原料加熱部に連通するように溶融ガラス粒子の貯留部が設けられてもよい。
本発明の気中溶融装置において、前記原料加熱部に連通するように冷却部とガラスビーズの貯留部が設けられてもよい。
また、本発明は、上記気中溶融装置と、該気中溶融装置により製造された溶融ガラスを成形する成形手段と、成形後のガラスを徐冷する徐冷手段とを備えるガラス製品の製造装置を提供する。
本発明の気中溶融バーナーは、ガラス原料粒子供給路を形成するノズルの先端部が他のノズルの先端部よりも先方に突出して形成されていることにより、ガラス原料粒子供給路の噴出口周縁に渦流が発生することを抑止でき、ガラス原料粒子がバーナー先端部に滞留して付着することを抑制できる。したがって、本発明の気中溶融バーナーによれば、ガラス原料粒子がバーナー先端に付着後に肥大化して大きな塊となって溶融ガラスに落下することを抑止できるので、製造される溶融ガラスおよびガラス製品が不均質になることがない。また、ガラス原料粒子供給路を形成するノズルの先端にテーパー部(方向制御手段)を設けて、ガラス原料粒子供給路に隣接するガス供給路より噴出されるガスがガラス原料粒子供給路側へと流れるようにすることにより、ガラス原料粒子がバーナー先端付近に滞留して付着することをより効果的に抑止することができる。
本発明のガラス原料の溶融方法は、上述の気中溶融バーナーを用いてガラス原料粒子を溶融することにより、均質な溶融ガラス粒子を製造することができる。
また、本発明の溶融ガラスの製造方法、ガラスビーズの製造方法およびガラス製品の製造方法は、上述のガラス原料の溶融方法を用いることにより、均質で高品質な溶融ガラス、ガラスビーズおよびガラス製品を提供できる。
さらに、本発明の気中溶融装置およびガラス製品の製造装置は、上述の気中溶融バーナーを備えることにより、均質で高品質な溶融ガラス粒子、溶融ガラス、ガラスビーズおよびガラス製品を製造できる。
図1(a)は本発明に係る気中溶融バーナーの一実施形態を模式的に示す断面斜視図であり、図1(b)は図1(a)に示す気中溶融バーナーの断面図である。 図2は図1に示す気中溶融バーナーの変形例を示す断面図である。 図3(a)は本発明に係る気中溶融バーナーの第2実施形態を模式的に示す断面図であり、図3(b)は図3(a)に示す気中溶融バーナーの変形例を示す断面図である。 図4(a)は本発明に係る気中溶融バーナーの第3実施形態を模式的に示す断面図であり、図4(b)は図4(a)に示す気中溶融バーナーの変形例を示す断面図である。 図5は本発明に係るガラス原料の溶融方法、溶融ガラスの製造方法およびガラス製品の製造方法を実施するために使用される製造装置の一例構造を模式的に示す断面図である。 図6は本発明に係るガラス原料の溶融方法を用いてガラス製品を製造する方法の一例を示すフロー図である。 図7は本発明に係るガラス原料の溶融方法を用いて溶融ガラスおよびガラス製品を製造する装置の他例を示す構成図である。 図8は本発明に係るガラス原料の溶融方法を実施してガラスビーズを製造する装置の一実施形態を示す構成図である。 図9は本発明に係るガラスビーズの製造装置の他例を示す構成図である。 図10は特許文献1に記載のガラス溶融炉を示す断面模式図である。 図11は従来のシーメンス窯を用いたガラス溶融炉の一例を示す部分断面模式図である。 図12はシーメンス窯を用いたガラス溶融炉の他例を示す断面模式図である。 図13はシーメンス窯を用いたガラス溶融炉に使用される酸素バーナーの一例構造を示す断面模式図である。 図14は特許文献5に記載のバーナーの断面模式図である。
以下、本発明に係る気中溶融バーナー、ガラス原料の溶融方法、溶融ガラスの製造方法、ガラスビーズの製造方法、ガラス製品の製造方法、気中溶融装置およびガラス製品の製造装置の一実施形態について説明するが、本発明は以下の実施形態に制限されるものではない。
図1(a)は本発明に係る気中溶融バーナーの一実施形態を模式的に示す断面斜視図であり、図1(b)は図1(a)に示す気中溶融バーナーの断面図である。
図1に示す気中溶融バーナー10は、複数の管状のノズル11、12、13、14および外管15が同心円状に配置された多重管構造とされ、中央部に配置された第1ノズル11と、この第1ノズル11の外方に第1ノズル11を取り囲むように順次配置された第2ノズル12と第3ノズル13と第4ノズル14と外管15とから構成されている。
第1ノズル11の内部に燃料ガスを通過させるための燃料ガス供給路1が形成され、第1ノズル11と第2ノズル12との間にガラス原料粒子を通過させるためのガラス原料粒子供給路2が形成されている。また、第2ノズル12と第3ノズル13との間に燃焼ガスを通過させるための1次燃焼ガス供給路3が形成され、第3ノズル13と第4ノズル14との間に燃焼ガスを通過させるための2次燃焼ガス供給路4が形成され、第4ノズル14と外管15との間に冷却水などの冷媒を流通させるための冷媒流路5が形成されている。気中溶融バーナー10において、バーナー中心部から外側に向かって、燃料ガス供給路1、ガラス原料粒子供給路2、1次燃焼ガス供給路3、2次燃焼ガス供給路4、冷媒流路5がこの順に同心円状に形成されている。なお、以下の説明において、気中溶融バーナー10をバーナー10と略称することがある。
本実施形態のバーナー10において、プロパン、ブタン、メタン、LPG(液化石油ガス)、水素、重油、軽油、灯油などの燃料ガスが図1(b)の矢印FGに示す如く燃料ガス供給路1に導入され、酸素や酸素富化ガスなどの燃焼ガスが図1(b)の矢印BG1およびBG2に示す如く1次燃焼ガス供給路3および2次燃焼ガス供給路4に導入され、後述するガラス原料粒子が図1(b)の矢印GMに示す如くガラス原料粒子供給路2に供給され、バーナー10の先端から酸素燃焼炎を噴射するとともに、ガラス原料粒子を吹き出すことができる。本実施形態のバーナー10により噴射される酸素燃焼炎により形成される加熱気相雰囲気の中心部の温度は、燃焼炎が例えば水素酸素燃焼炎の場合約2000〜3000℃である。
第4ノズル14と外管15は、それらの先端部において接続部16により接続されており、冷媒流路5の先端側はこの接続部16により閉じられている。冷媒流路5は各ノズル11〜14を十分に冷却できるように、各ノズル11〜14の先端部近傍にまで設けられている。これにより、各ノズル11〜14が過熱状態になることを防止できる。
ガラス原料供給路2を形成する第1ノズル11の先端部11aおよび第2ノズル12の先端部12aは、第3ノズル13の先端部13aおよび第4ノズル14と外管15の接続部16の先端部16aよりも先方に突出するように形成されており、ガラス原料供給路2の噴出口2aは、1次燃焼ガス供給路3の噴出口3aおよび2次燃焼ガス供給路4の噴出口4aよりもバーナーの先方側に位置するように形成されている。第3ノズル13の先端部13aの位置と、第4ノズル14と外管15の接続部16の先端部16aの位置は揃えられ、第1ノズル11の先端部11aの位置と、第2ノズル12の先端部12aの位置も揃えられている。
これにより、ガラス原料粒子供給路2の噴出口2aの周縁面に戻る渦流の発生を後に詳述する如く抑止できるため、ガラス原料粒子供給路2から噴出されたガラス原料粒子が噴出口2a付近に滞留することを抑止できる。したがって、本実施形態の気中溶融バーナー10によれば、バーナーの先端部にガラス原料粒子が滞留して付着することを抑止することができるため、ガラス原料粒子の付着物の塊が大きく成長することがなく、大きな塊としてバーナー下方のガラス融液に落下することを防ぎ、付着物の塊とガラス融液との組成差によりガラスが不均質化することがなく、均一な組成の高品質のガラスを製造することができる。
ガラス原料粒子供給路2の噴出口2aは、1次燃焼ガス供給路3、2次燃焼ガス供給路4および接続部16の各先端部よりも、3〜10mm突出するように設けられていることが好ましい。突出量が3mm以上の場合、ガラス原料粒子供給路2の噴出口2aの周縁付近で渦流が発生しにくくなり、バーナーの先端部(ガラス原料粒子供給路2の噴出口2a近傍)にガラス原料粒子が滞留して付着するおそれが少ない。突出量が10mm以下の場合、ガラス原料供給路2を形成する第1ノズル11および第2ノズル12が、冷媒流路5を流通する冷却水などの冷媒により充分に冷却され、過熱状態になるおそれが少ない。また、突出量が10mm以下の場合、ガラス原料供給路2を形成する第1ノズル11および第2ノズル12自体が、バーナー10より噴射される酸素燃焼炎により炙られにくいため、第1ノズル11および第2ノズル12の先端部にガラス原料粒子が付着しやすくなるおそれが少ない。
第1ノズル11のガラス原料粒子供給路2側の面11Pは先端部側まで縦断面ストレート形状となるように形成されており、他方の面(内面)11Q(燃料ガス供給路1側の面)の先端は、先端部手前側から先端部11aにかけて徐々に燃料ガス供給路1が拡径するようにテーパー部11T(方向制御手段)が形成されている。これにより、燃料ガス供給路1から噴出される燃料ガスが、隣接するガラス原料粒子供給路2側に流れるようになるため、ガラス原料供給路2から噴出される相対的に飛翔速度の遅いガラス原料粒子を、相対的に飛翔速度の速い燃料ガス流により吹き飛ばし、ノズル先端付近にガラス原料粒子が滞留することをより効果的に抑制できる。
第2ノズル12のガラス原料粒子供給路2側の面12Pは先端部側まで縦断面ストレート形状となるように形成されており、他方の面(外面)12Q(1次燃焼ガス供給路3側の面)の先端は、先端部手前側から先端部12aにかけて徐々に第2ノズル12の肉厚が薄くなるようにテーパー部12T(方向制御手段)が形成されている。これにより、燃焼ガス供給路3から噴出される燃焼ガスの流れが内向きに絞られて、隣接するガラス原料粒子供給路2側に流れるようになるため、ガラス原料供給路2から噴出される相対的に飛翔速度の遅いガラス原料粒子を、相対的に飛翔速度の速い燃焼ガス流により吹き飛ばし、ノズル先端付近にガラス原料粒子が滞留することをより効果的に抑制できる。
ガラス原料粒子が溶融してノズルおよびバーナー先端付近に付着するメカニズムとしては、他に、ガラス原料粒子供給路2を形成する各ノズル11、12の壁面にガラス原料粒子が付着し、温度が高い各ノズル11、12の先端部に近い箇所で熱せられてガラス化し垂れ落ちることが考えられる。このような場合には、ガラス原料粒子供給路2の先端部2aが溶融したガラスで塞がれることも起こり得るが、本実施形態のバーナー10によれば、ガラス原料粒子供給路2の先端部2aから垂れ落ちつつあるガラスを、隣接するガス流(燃料ガス流および燃焼ガス流)により吹き飛ばすことができ、付着したガラス塊が粗大化する前にノズル先端部から除去することができる。
本発明によるバーナーの材質は、SUS430等のフェライト系ステンレス鋼、SUS308、SUS309、SUS309S、SUS309Cb、SUS310、SUS310S、SUS310Cb、SUS310Mo等の耐熱性オーステナイト系ステンレス鋼、またはFe基耐熱合金、Co基耐熱性合金もしくはNi基耐熱合金等の超耐熱合金、または石英ガラス、またはCr、Nb、MoもしくはWと高融点金属との合金であることが好ましい。
燃料ガスとしては、プロパン、ブタン、メタン、LPG(液化石油ガス)、水素、重油、軽油、灯油を使用することができる。燃焼ガスとしては、酸素や酸素富化ガスなど、酸素を含有するガスであればいかなるガスも使用することができる。なお、ガラス原料粒子については、後述する。
本実施形態のバーナー10において、酸素などの燃焼ガス供給路を1次酸素供給路3と2次酸素供給路4とで構成し、各燃焼ガス供給路3、4から供給する酸素量を個別に制御することにより、ガラス原料粒子を溶融するのに最適な酸素燃焼炎が得られる。例えば、1次酸素供給路3から供給する1次酸素の比率を上げると、燃料ガスと酸素ガスの反応が早まるため酸素燃焼炎の直径は細くなりバーナーに近いところだけでなく全体にわたって温度が高い火炎が得られるが火炎の長さは短くなる。逆に1次酸素の比率を下げると燃料ガスと酸素ガスの反応が緩慢となるため酸素燃焼炎の直径は太くなるが長い火炎を得ることができる。なお、2次燃焼ガス供給路4は省略してもよい。
本実施形態のバーナー10において、ガラス原料粒子はたとえば、フィーダー等の定量供給装置から供給され、酸素又は酸素富化空気などをキャリアガスとしてガラス原料粒子供給路2から噴出口2aを介して噴出される。このときのキャリアガスの流量とガラス原料粒子との供給比率は、原料粉体の嵩比重、粒度分布などにより異なるが、一般的には、バーナーから噴出する時点で振動を生じない程度にキャリアガスの流量を調整すればよい。
図1において、ガラス原料粒子供給路2を形成する第1ノズル11および第2ノズル12の先端にテーパー部11T、12Tが形成された例を示しているが、本発明はこの例に限定されない。図1に示す気中溶融バーナー10のようにテーパー部11T、12Tが形成されることが好ましいが、図2に示す気中溶融バーナー10Bのようにテーパー部が形成されていなくてもよい。図2は図1に示すバーナー10の変形例を示す断面図である。この例のバーナー10Bは、ガラス原料粒子供給路2を形成する第1ノズル11Bおよび第2ノズル12Bの先端部11b、12bにテーパー部が形成されておらず、ガラス原料粒子供給路2および燃料ガス供給路1はその先端側まで縦断面ストレート形状である。図2に示すバーナー10Bは、ガラス原料粒子供給路2の噴出口2bが1次燃焼ガス供給路3、2次燃焼ガス供給路4の噴出口3b、4bよりも先方に突出しているため、図1に示すバーナー10と同様に、ガラス原料供給路2の噴出口2bの周縁面に戻る渦流の発生を抑止できるため、ガラス原料粒子が噴出口2b付近に滞留して付着することを抑止できる。したがって、ガラス原料粒子の付着物の塊が成長し難く、大きな塊としてバーナー下方のガラス融液に落下することを防ぎ、付着物の塊とガラス融液との組成差によりガラスが不均質化することがなく、均一な組成の高品質のガラスを製造することができる。
本発明に係る気中溶融バーナーは、上述した図1に示すバーナー10および図2に示すバーナー10Bに限定されない。以下、本発明に係る気中溶融バーナーの他の形態を図3および図4に基づき説明する。なお、図3および図4に示す気中溶融バーナーにおいて、図1に示すバーナー10と同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。また、以下の説明においても「気中溶融バーナー」を「バーナー」と略称することがある。
図3(a)は本発明に係る気中溶融バーナーの第2実施形態を模式的に示す断面図である。
図3(a)に示す気中溶融バーナー20は、中央部に配置された第1ノズル21と、この第1ノズル21の外方に第1ノズル21を取り囲むように順次配置された第2ノズル22と第3ノズル13と第4ノズル14と外管15とから構成されている。本実施形態のバーナー20は、第1ノズル21の内部にガラス原料粒子供給路2が形成され、第1ノズル21と第2ノズル22との間に燃料ガス供給路1が形成されている。また、第2ノズル22と第3ノズル13との間に1次燃焼ガス供給路3が形成され、第3ノズル13と第4ノズル14との間に2次燃焼ガス供給路4が形成され、第4ノズル14と外管15との間に冷媒流路5が形成されている。気中溶融バーナー20において、バーナー中心部から外側に向かって、ガラス原料粒子供給路2、燃料ガス供給路1、1次燃焼ガス供給路3、2次燃焼ガス供給路4、冷媒流路5がこの順に同心円状に形成されている。
本実施形態のバーナー20において、ガラス原料供給路2を形成する第1ノズル21の先端部21aは、それぞれ先端位置を揃えた第2ノズル22の先端部22a、第3ノズル13の先端部13aおよび第4ノズル14と外管15の接続部16の先端部16aよりも先方に突出するように形成されている。そして、ガラス原料供給路2の噴出口2aは、燃焼ガス供給路1の噴出口1a、1次燃焼ガス供給路3の噴出口3aおよび2次燃焼ガス供給路4の噴出口4aよりもバーナーの先方側に位置するように形成されている。
これにより、ガラス原料粒子供給路2の噴出口2aの周縁面に戻る渦流の発生を抑止できるため、ガラス原料粒子供給路2から噴出されたガラス原料粒子が噴出口2a付近に滞留することを抑止できる。したがって、本実施形態の気中溶融バーナー20によれば、バーナーの先端部にガラス原料粒子が滞留して付着することを抑止することができるため、ガラス原料粒子の付着物の塊が成長し難く、大きな塊としてバーナー下方のガラス融液に落下することを防ぎ、付着物の塊とガラス融液との組成差によりガラスが不均質化することがなく、均一な組成の高品質のガラスを製造することができる。
図3(a)に示すバーナー20は、前述の第1実施形態のバーナー10と同様に、ガラス原料供給路2を形成するノズルの先端にテーパー部(方向制御手段)が形成されていることが好ましい。図3(b)は第2実施形態のバーナー20の変形例を示す断面図である。
図3(b)に示すバーナー20Bにおいて、第1ノズル21Bのガラス原料粒子供給路2側の面(内面)21Pは先端部側まで縦断面ストレート形状となるように形成されており、他方の面(外面)21Q(燃料ガス供給路1側の面)の先端は、先端部手前側から先端部21aにかけて徐々に第1ノズル21の肉厚が薄くなるようにテーパー部21T(方向制御手段)が形成されている。これにより、燃料ガス供給路1から噴出される燃料ガスの流れが内向きに絞られて、隣接するガラス原料粒子供給路2側に流れるようになるため、ガラス原料供給路2から噴出されるガラス原料粒子を、燃料ガス流により吹き飛ばし、ノズル先端付近にガラス原料粒子が滞留して付着することをより効果的に抑制できる。
図4(a)は本発明に係る気中溶融バーナーの第3実施形態を模式的に示す断面図である。
図4(a)に示す気中溶融バーナー30は、中央部に配置された第1ノズル31と、この第1ノズル31の外方に第1ノズル31を取り囲むように順次配置された第2ノズル32と第3ノズル33と第4ノズル14と外管15とから構成されている。本実施形態のバーナー30は、第1ノズル31の内部に燃料ガス供給路1が形成され、第1ノズル31と第2ノズル32との間に1次燃焼ガス供給路3が形成されている。また、第2ノズル32と第3ノズル33との間にガラス原料粒子供給路2が形成され、第3ノズル33と第4ノズル14との間に2次燃焼ガス供給路4が形成され、第4ノズル14と外管15との間に冷媒流路5が形成されている。気中溶融バーナー30において、バーナー中心部から外側に向かって、燃料ガス供給路1、1次燃焼ガス供給路3、ガラス原料粒子供給路2、2次燃焼ガス供給路4、冷媒流路5がこの順に同心円状に形成されている。
本実施形態のバーナー30は、ガラス原料供給路2を形成する第2ノズル32の先端部32aおよび第3ノズル33の先端部33aは、第1ノズル31の先端部31aおよび第4ノズル14と外管15の接続部16の先端部16aよりも先方に突出するように形成されており、ガラス原料供給路2の噴出口2aは、燃焼ガス供給路1の噴出口1a、1次燃焼ガス供給路3の噴出口3aおよび2次燃焼ガス供給路4の噴出口4aよりもバーナーの先方側に位置するように形成されている。これにより、ガラス原料粒子供給路2の噴出口2aの周縁面に戻る渦流の発生を抑止できるため、ガラス原料粒子供給路2から噴出されたガラス原料粒子が噴出口2a付近に滞留することを抑止できる。したがって、本実施形態の気中溶融バーナー30によれば、バーナーの先端部にガラス原料粒子が滞留して付着することを抑止することができるため、ガラス原料粒子の付着物の塊が成長しにくく、大きな塊としてバーナー下方のガラス融液に落下することを防ぎ、付着物の塊とガラス融液との組成差によりガラスが不均質化することがなく、均一な組成の高品質のガラスを製造することができる。
図4(a)に示すバーナー30は、前述の第1実施形態のバーナー10と同様に、ガラス原料供給路2を形成するノズルの先端にテーパー部(方向制御手段)が形成されていることが好ましい。図4(b)は第2実施形態のバーナー30の変形例を示す断面図である。
図4(b)に示すバーナー30Bにおいて、第2ノズル32のガラス原料粒子供給路2側の面(外面)32Pは先端部側まで縦断面ストレート形状となるように形成されており、他方の面(内面)32Q(1次燃焼ガス供給路3側の面)の先端は、先端部手前側から先端部32aにかけて徐々に1次燃焼ガス供給路3が拡径するようにテーパー部32T(方向制御手段)が形成されている。また、図4(b)に示すバーナー30Bにおいて、第3ノズル33Bのガラス原料粒子供給路2側の面(内面)33Pは先端部側まで縦断面ストレート形状となるように形成されており、他方の面(外面)33Q(2次燃焼ガス供給路4側の面)の先端は、先端部手前側から先端部33aにかけて徐々に第3ノズル33Bの肉厚が薄くなるようにテーパー部33Tが形成されている。これにより、1次燃焼ガス供給路3および2次燃焼ガス供給路4から噴出される燃焼ガスが内向きとなるか外向きとなって4、隣接するガラス原料粒子供給路2側に流れるようになるため、ガラス原料供給路2から噴出されるガラス原料粒子を、燃焼ガス流により吹き飛ばし、ノズル先端付近にガラス原料粒子が滞留して付着することをより効果的に抑制できる。
図5は本発明に係るガラス原料の溶融方法、溶融ガラスの製造方法およびガラス製品の製造方法を実施するために使用される製造装置の一例構造を模式的に示す断面図である。
本実施形態の気中溶融装置40は、中空型の炉体41と、ガラス原料粒子GM2を噴出するとともに酸素燃焼炎Fを形成するために炉体41の天井部41Aを貫通して下向きに配置された上述の本発明に係る気中溶融バーナー10(原料加熱部)と、炉体41bの底部に形成された溶融ガラスGの貯留部41Bとを備え、このバーナー10の噴射方向先端側(図5では下方側)に加熱気相雰囲気Kを形成できるようになっている。
本実施形態の気中溶融装置40において、加熱気相雰囲気Kを形成する加熱手段は本発明に係る気中溶融バーナーからなる。加熱気相雰囲気Kは、バーナー10から噴射される酸素燃焼炎Fおよび酸素燃焼炎F近傍の高温部から構成される。なお、図5においては、気中溶融バーナーとして、図1に示すバーナー10を用いているが、本発明はこれに限定されず、前記した本発明に係る気中溶融バーナー10B、20、20B、30、30Bのいずれかであれば好適である。
バーナー10の上部側には供給管49を介してガラス原料粒子GM2を収容したホッパからなる原料供給器48が接続されており、供給管49にはガラス原料粒子GM2をバーナー10のガラス原料粒子供給路2へと搬送するためのキャリアガスを供給するキャリアガス供給源(図示略)が接続されている。原料供給器48と供給管49とバーナー10のガラス原料粒子供給路2は原料供給部を成している。また、バーナー10は、供給管47a、47b、47cを介してガス供給源46に接続されており、供給管47aを介して燃料ガス供給路1に燃料ガスが、供給管47bを介して1次燃焼ガス供給路3に燃焼ガスが、供給管47cを介して2次燃焼ガス供給路4に燃焼ガスが、導入される。
炉体41の底部側は溶融ガラスGの貯留部41Bとされており、炉体41の側壁底部側に形成された排出口44を介して炉体41から溶融ガラスGを外部に排出できるように構成されている。なお、本実施形態の気中溶融装置40を備えたガラス製品の製造装置は、炉体41から溶融ガラスGを排出する方向の下流側に、一例として、成形装置45などが接続され、形成した溶融ガラスGを成形装置45により目的の形状に成形してガラス製品を得ることができるように構成されている。なお、泡品質によっては、成形装置の前に減圧脱泡装置を設ける場合もありうる。
炉体41は耐火レンガなどの耐火材からなり、高温の溶融ガラスGを貯留できるように構成されている。炉体41の貯留部41Bには図示していないが加熱ヒータが設置され、必要に応じて貯留部41Bに貯留されている溶融ガラスGを目的の温度(たとえば1400℃程度)に溶融状態で保持できるように構成されている。貯留部41Bの側壁部に排気口42および排気管42aを介し排ガス処理装置43が接続されている。
本実施形態の気中溶融装置40において、原料供給部48から供給管49を介して供給されるガラス原料粒子GM2は、バーナー10から噴射された酸素燃焼炎Fにより形成される加熱気相雰囲気K中を通過し、加熱され、溶融ガラス粒子Uを形成し、貯留部41Bに貯留する溶融ガラスG上に降下する。
本実施形態で使用される加熱気相雰囲気Kの中心部の温度は、酸素燃焼炎Fがたとえば水素燃焼炎の場合約2000〜3000℃である。
本実施形態の気中溶融装置40を用いて製造する溶融ガラスGは、気中溶融法により製造されるガラスである限り、組成的には制限されない。したがって、ソーダライムガラス、混合アルカリ系ガラス、ホウケイ酸ガラス、あるいは、無アルカリガラスのいずれであってもよい。また、製造されるガラス製品の用途は、建築用や車両用に限定されず、フラットパネルディスプレイ用、その他の各種用途が挙げられる。
建築用または車両用の板ガラスに使用されるソーダライムガラスの場合には、酸化物基準の質量百分率表示で、SiO:65〜75%、Al:0〜3%、CaO:5〜15%、MgO:0〜15%、NaO:10〜20%、KO:0〜3%、LiO:0〜5%、Fe:0〜3%、TiO:0〜5%、CeO:0〜3%、BaO:0〜5%、SrO:0〜5%、B:0〜5%、ZnO:0〜5%、ZrO:0〜5%、SnO:0〜3%、SO:0〜0.5%、という組成を有することが好ましい。
液晶ディスプレイ用または有機ELディスプレイ用の基板に使用される無アルカリガラスの場合には、酸化物基準の質量百分率表示で、SiO:39〜75%、Al:3〜27%、B:0〜20%、MgO:0〜13%、CaO:0〜17%、SrO:0〜20%、BaO:0〜30%、という組成を有することが好ましい。
プラズマディスプレイ用の基板に使用される混合アルカリ系ガラスの場合には、酸化物基準の質量百分率表示で、SiO:50〜75%、Al:0〜15%、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO:6〜24%、NaO+KO:6〜24%、という組成を有することが好ましい。
その他の用途として、耐熱容器または理化学用器具等に使用されるホウケイ酸ガラスの場合には、酸化物基準の質量百分率表示で、SiO:60〜85%、Al:0〜5%、B:5〜20%、NaO+KO:2〜10%、という組成を有することが好ましい。
本実施形態で行う気中溶融法においては、前記いずれかの組成のガラスの原料、たとえば上述の各成分の粒子状の原料粉末粒子を目的のガラスの組成比に合わせて混合し、造粒体としたガラス原料粒子GM2を用意する。
基本的に気中溶融法は、複数(通常3成分以上)の成分から成るガラスを製造するためにガラス原料粒子GM2を溶融してガラスを製造する方法である。
また、たとえば、前述のガラス原料粒子GM2の一例として、無アルカリガラスの一例を適用する場合、珪砂、アルミナ(Al)、ホウ酸(HBO)、水酸化マグネシウム(Mg(OH))、炭酸カルシウム(CaCO)、炭酸ストロンチウム(SrCO)、炭酸バリウム(BaCO)などの原料粉末粒子を目的のガラスの組成比に合致するように調合し、たとえばスプレードライ造粒法により30〜1000μm程度の造粒体として、ガラス原料粒子GM2を得ることができる。
前記ガラス原料粉末粒子からガラス原料粒子GM2を調製する方法としては、スプレードライ造粒法などの方法が使用でき、ガラス原料を分散溶解させた水溶液を高温雰囲気中に噴霧させて乾燥固化させる造粒法が好ましい。また、この造粒体は目的とするガラスの成分組成に対応する混合比の原料のみで構成してもよいが、その造粒体に更に同一組成のガラスカレット微粉を混合して、これをガラス原料粒子GM2として用いることもできる。
スプレードライ造粒によりガラス原料粒子GM2を得るための一例方法として、上述の各成分のガラス原料粉末粒子として2〜500μmの範囲のガラス原料粉末粒子を蒸留水などの溶媒中に分散してスラリーを構成し、このスラリーをボールミルなどの攪拌装置で所定時間攪拌し、混合し、粉砕したのちにスプレードライ造粒することで上述の各成分のガラス原料粉末粒子がほぼ均一に分散されたガラス原料粒子GM2が得られる。
なお、前述のスラリーを攪拌装置で攪拌する際、原料粉末粒子の均一分散と造粒原料の強度を向上させる目的で2−アミノエタノール、PVA(ポリビニルアルコール)などのバインダーを混合してから攪拌することが好ましい。
本実施形態において用いるガラス原料粒子GM2は、上述のスプレードライ造粒法の他に、転動造粒法、攪拌造粒法などの乾式造粒法により形成することもできる。
ガラス原料粒子GM2の平均粒径(重量平均)は30〜1000μmの範囲が好ましい。より好ましくは、平均粒径(重量平均)が50〜500μmの範囲内のガラス原料粒子GM2が使用され、さらに70〜300μmの範囲内のガラス原料粒子GM2が好ましい。このガラス原料粒子GM2の一例を拡大して図5に示すが、1つのガラス原料粒子GM2において最終目的とするガラスの組成比にほぼ合致するか近似した組成比となっていることが好ましい。
ガラス原料粒子GM2が溶融した溶融ガラス粒子Uの平均粒径(重量平均)は、通常ガラス原料粒子GM2の平均粒径の80%程度となることが多い。ガラス原料粒子GM2の粒径は、短時間で加熱でき、発生ガスの放散が容易である点、および粒子間の組成変動の低減の点から、前述の範囲を選択することが好ましい。
また、これらのガラス原料粒子GM2は、必要に応じて、副原料として清澄剤、着色剤、溶融助剤、乳白剤等を含むことができる。また、これらのガラス原料粒子GM2中のホウ酸などは、高温時の蒸気圧が比較的高いため加熱により蒸発しやすいことから、最終製品であるガラスの組成よりも余分に混合しておくことができる。
本実施形態において、副原料として清澄剤を含有する場合、塩素(Cl)、硫黄(S)、フッ素(F)の中から1種または2種以上の元素を選択して含む清澄剤を必要量添加することができる。
また、従来から用いられているSb、As酸化物などの清澄剤は、泡削減効果が生じたとしても、これら清澄剤の元素は環境負荷低減の面で望ましくない元素であり、それらの利用は環境負荷低減の方向性から見て削減することが好ましい。
図5に示す製造装置(気中溶融装置)40によれば、ガラス原料粒子GM2を気中溶融バーナー10の酸素燃焼炎Fにより形成された加熱気相雰囲気Kに投入することで、ガラス原料粒子GM2を気相雰囲気中で溶融させて溶融ガラス粒子Uとすることができ、この溶融ガラス粒子Uを耐火レンガ製の炉体41の貯留部41B方向に落下させて溶融ガラスGとして貯留することができる。本実施形態の製造装置40は、前述の本発明に係る気中溶融バーナーを備えた構成であるため、バーナーの先端部にガラス原料粒子GM2が滞留、付着し難く、塊として成長し難く、大きな塊として溶融ガラスGに落下することがないため、ガラスの組成が不均質になることがなく、高品質の溶融ガラスGを得ることができる。
この溶融ガラスGを所定の速度で排出口44から排出し、必要に応じ減圧脱泡装置に導入し、減圧状態で強制的にさらに脱泡した後、成形装置45に移送して目的の形状に成形し、ガラス製品を製造できる。
以上のように製造されたガラス製品は、上述の如く高品質の溶融ガラスGより形成されているため、高い品質のガラス製品を得ることができる。
図6は本発明に係るガラス原料の溶融方法を用いてガラス製品を製造する方法の一例を示すフロー図である。
図6に示す方法に従い、ガラス製品を製造するには、上述の気中溶融装置40を用いた上述のガラス溶融工程S1により溶融ガラスGを得たならば、溶融ガラスGを成形装置45に送って目的の形状に成形する成形工程S2を経た後、徐冷工程S3にて徐冷し、切断工程S4において必要な長さに切断することでガラス製品を得ることができる。
なお、必要に応じて、成形後の溶融ガラスを研磨する工程を設けて、ガラス製品G5を製造できる。
本発明の気中溶融装置およびガラス製品の製造装置は図5に示す例に限定されない。たとえば、加熱気相雰囲気を形成する加熱手段として、本発明に係る気中溶融バーナー10、10B、20、20B、30、30Bのいずれかと、他の加熱手段を併用することもできる。
図7は本発明に係るガラス原料の溶融方法を用いて溶融ガラスおよびガラス製品を製造する装置の他の例を示すもので、本実施形態の製造装置50は、加熱手段として本発明に係る気中溶融バーナーに加えて、熱プラズマ発生装置を備える点、溶融ガラスを貯留する炉体の天井部の形状が異なる点で、図5に示す装置とは相違している。
本実施形態の製造装置50において、高周波プラズマ発生装置(熱プラズマ発生装置)57は、プラズマ発生コイル52と枠54と供給源53とプラズマ発振器55と操作盤56とを具備して構成され、高周波プラズマ発生装置57を作動させること、すなわち、プラズマ発振器55からプラズマ発生コイル41に高周波を印加することで枠54の内部に高周波熱プラズマを生成できるように構成されている。
プラズマ発生コイル52は、縦筒型の枠54の外周部に沿って配置され、この枠54の上部側にバーナー10が鉛直に支持され、バーナー10がその下端を枠54の上部側の中心部を望むように下向きに配置されている。
枠54の下部側は下向きラッパ型の接続壁58を介し炉体51の天井部51Aの開口部に接続され、枠54の内部空間が炉体51の内部空間に連通されている。また、プラズマ発生コイル52を備えた枠54とその下の接続壁58とその下の炉体51は、一体に連続形成されていて、供給源53から枠54の内側にアルゴンガス等の作動ガスを供給し、プラズマ発生コイル52から高周波を印加し、作動ガスを電離してプラズマ点火することで、枠54の中心側に高周波熱プラズマフレームを発生できるように構成されている。
図7に示す製造装置50は、必要に応じバーナー10から発生させる酸素燃焼炎に加えて、プラズマ発生コイル41で発生させる高周波熱プラズマを使い、酸素燃焼炎または酸素燃焼炎と高周波熱プラズマからなる加熱気相雰囲気を用いてガラス原料粒子GM2を溶融し、溶融ガラス粒子とすることができるように構成されている。この例の製造装置50も、本発明に係る気中溶融バーナー10を備えているので、前述の製造装置40と同様の効果を奏することができる。熱プラズマ発生装置は高周波プラズマ発生装置57の代わりに多相プラズマアーク発生装置であっても良い。
図8は本発明に係るガラス原料の溶融方法を実施してガラスビーズ(ガラス粒体)を製造する装置の一実施形態を示すもので、本実施形態の製造装置60は、収容部64と、収容部64の天井部64Aを貫通するように酸素燃焼炎が下向きに噴射されるように配置されたガラス気中溶融バーナー10とを備えて構成されている。図8に示す製造装置60は、先の実施形態の製造装置40と類似の構造であり、先の装置の炉体41を収容部64に変更した点が異なる。その他の構成は先の図5に示す製造装置40の構成と同等であり、同一の要素には同一の符号を付し、同一要素の説明は省略する。
本実施形態の製造装置60において、収容部64の内部には、ステンレス製のバケツ状の貯留部61を備えた搬送台車62が収容されている。また、図示されていないが収容部64の筐体表面は冷却水で冷却されている。さらに、収容部64の側壁部に排気管63を介し排ガス装置65が接続されている。
なお、図8では略しているが、収容部64の側壁部には収容部64を密閉状態とすることが可能な開閉扉が形成されていて、搬送台車62は開閉扉を開けることで収容部64の外部に移動できるようになっている。
先に説明した実施形態の場合と同様に、ガラス原料粒子GM2をバーナー10の酸素燃焼炎からなる加熱気相雰囲気に投入することで、ガラス原料粒子GM2を気相雰囲気中で溶融させて溶融ガラス粒子Uとすることができ、この溶融ガラス粒子Uをステンレス製の貯留部61に落下させて冷却することで、ガラスビーズGBを得ることができる。したがって、貯留部61が本実施形態の装置60において溶融ガラス粒子を冷却する冷却部とされている。なお、本実施形態の装置60において、貯留部61と搬送台車62は必須ではなく、これらを略して収容部64の床部64Bにおいて溶融ガラス粒子を受ける構造としてもよく、その場合は収容部64の内部空間と床部64Bが溶融ガラス粒子を冷却する冷却部を構成する。
図8に示す製造装置60により製造したガラスビーズGBは、前述の本発明に係る気中溶融バーナーを備えた構成であるため、バーナー10の先端部にガラス原料粒子GM2が滞留して付着することがなく、付着物が肥大化した後に落下することがないため、均一な品質のガラスビーズGBが得られる。
このようにして得られたガラスビーズGBは、ガラスビーズとしてそのまま利用されたり、他の原料と混合されて利用されたり、その他の溶融炉の中に投入されて利用される。
本発明のガラスビーズの製造装置は図8に示す例に限定されない。例えば、先の製造装置と同様に、加熱気相雰囲気を形成する加熱手段として、本発明に係る気中溶融バーナー10、10B、20、20B、30、30Bのいずれかと、他の加熱手段を併用することもできる。
図9は本発明に係るガラスビーズの製造装置の他の例を示すもので、本実施形態の製造装置70は、加熱手段として本発明に係る気中溶融バーナー10に加えて、高周波プラズマ発生装置(熱プラズマ発生装置)を備える点で、図8に示す装置とは相違している。図9に示す製造装置70の高周波プラズマ発生装置57の構成は、図7に示す製造装置と同様である。本実施形態の製造装置70において、高周波プラズマ発生装置57の枠54の下部側は下向きラッパ型の接続壁58を介し収容部64の天井部64Aの開口部に接続され、枠54の内部空間が収容部64の内部空間に連通されている。
図9に示す製造装置70は、必要に応じバーナー10から発生させる酸素燃焼炎に加えて、プラズマ発生コイル41で発生させる高周波熱プラズマを使い、酸素燃焼炎または酸素燃焼炎と高周波熱プラズマからなる加熱気相雰囲気を用いてガラス原料粒子GM2を溶融して溶融ガラス粒子とした後、この溶融ガラス粒子を冷却することによりガラスビーズとすることができるように構成されている。この例の製造装置70も、本発明に係るガラス気中溶融バーナー10を備えているので、前述の製造装置60と同様の効果を奏することができる。
なお、上記実施形態の気中溶融バーナーとしては、バーナーを構成する複数のノズルが全て同心円状に配置された多重管構造の場合について説明したが、本発明はこの例に限定されない。たとえば、図1(a)に示すバーナー10の場合、1次燃焼ガス供給路3および2次燃焼ガス供給路4を、第2ノズル12と第4ノズル14との間に、小径のノズルを円周上に複数配置することにより形成してもよい。すなわち、本発明のバーナーにおいて、ガラス原料粒子供給路を形成するノズルの先端部が、他のノズルの先端部よりも先方に突出している構成であれば、複数のノズルが同心円状に配置された多重管構造と、小径のノズルが円周上に複数配置された構造を組み合わせることもできる。また、同心円のスリット状のノズルは全周にわたって開口している必要は必ずしもなく、スリット間隙の確保と冷却の促進のため開口部を円周上断続的に構成することができる。
また、本発明の気中溶融バーナーにおいて、ガス供給路の先端部に形成される方向制御手段としては、乱流による粒子の付着が実質的に防止できれば良く、ガス供給路を形成するノズルの先端部の内面又は外面に形成されたテーパー部に限定されない。たとえば、テーパー面と先端が飛行機の翼のように乱流が生じにくい曲面となっているものなどが挙げられる。また、テーパー部などの方向制御手段は、当該ノズル先端部の全周に亘って形成されていてもよく、当該ノズル先端部の周縁の一部に形成されていてもよい。
本発明の技術は、建築用ガラス、車両用ガラス、光学用ガラス、医療用ガラス、表示装置用ガラス、ガラスビーズ、その他一般のガラス製品の製造に広く適用できる。
1…燃料ガス供給路、2…ガラス原料粒子供給路、3…1次燃焼ガス供給路、4…2次燃焼ガス供給路、5…冷媒流路、11、11B、21、21B、31…第1ノズル、12、12B、22、32、32B…第2ノズル、13、33、33B…第3ノズル、14…第4ノズル、15…外管、16…接続部、10、10B、20、20B、30、30B…気中溶融バーナー、40…気中溶融装置(製造装置)、41…炉体、42…排気口、42a…排気管、43…排ガス処理装置、44…排出口、45…成形装置、46…ガス供給源、47a、47b、47c…供給管、48…原料供給器、49…供給管、50…気中溶融装置(製造装置)、51…炉体、52…プラズマ発生コイル、57…高周波プラズマ発生装置(熱プラズマ発生装置)、60…製造装置、61…貯留部(冷却部)、63…排気管、64…収容部、65…排ガス処理装置、70…製造装置、K…加熱気相雰囲気、G…溶融ガラス、GM2…ガラス原料粒子、U…溶融ガラス粒子、F…酸素燃焼炎、GB…ガラスビーズ。

Claims (16)

  1. ガラス原料粒子を気相雰囲気中で溶融する気中溶融法に用いられるバーナーであって、
    複数のノズルの少なくとも一部が同心円状に配置された多重管構造であり、これら複数のノズルにより隣接するノズル間又は各ノズルの内部にガラス原料粒子供給路、燃焼ガス供給路および燃料ガス供給路が形成され、前記ガラス原料粒子供給路を形成するノズルの先端部が、他のノズルの先端部よりも先方に突出していることを特徴とする気中溶融バーナー。
  2. 前記ガラス原料粒子供給路に隣接するガス供給路の先端部に、該ガス供給路から噴出されるガスの流れの一部を、前記ガラス原料粒子供給路側に向ける方向制御手段が形成されてなる請求項1に記載の気中溶融バーナー。
  3. 前記方向制御手段が、ガス供給路を形成するノズルの先端部の内面又は外面に形成されたテーパー部である請求項2に記載の気中溶融バーナー。
  4. バーナー中心から外側に向かって、前記燃料ガス供給路前記、前記ガラス原料粒子供給路、燃焼ガス供給路がこの順に同心円状に形成されてなる請求項1〜3のいずれか一項に記載の気中溶融バーナー。
  5. バーナー中心から外側に向かって、前記ガラス原料粒子供給路、前記燃料ガス供給路、前記燃焼ガス供給路がこの順に同心円状に形成されてなる請求項1〜3のいずれか一項に記載の気中溶融バーナー。
  6. バーナー中心から外側に向かって、前記燃料ガス供給路、前記燃焼ガス供給路、前記ガラス原料粒子供給路がこの順に同心円状に形成されてなる請求項1〜3のいずれか一項に記載の気中溶融バーナー。
  7. 前記ガラス原料粒子供給路を形成するノズルの先端部が、他のノズルの先端部よりも3〜10mm突出している請求項1〜6のいずれか一項に記載の気中溶融バーナー。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の気中溶融バーナーにより加熱気相雰囲気を形成し、この加熱気相雰囲気中にガラス原料粒子を送ることにより該ガラス原料粒子を溶融させ、該ガラス原料粒子を溶融ガラス粒子とするガラス原料の溶融方法。
  9. 請求項8に記載の前記溶融ガラス粒子を貯留する溶融ガラスの製造方法。
  10. 請求項8に記載の前記溶融ガラス粒子を冷却することによりガラスビーズとするガラスビーズの製造方法。
  11. 請求項8に記載のガラス原料の溶融方法を用いて前記ガラス原料粒子を加熱して溶融ガラス粒子とするガラス溶融工程と、前記溶融ガラス粒子からなる溶融ガラスを成形する工程と、成形後のガラスを徐冷する工程と、を含むガラス製品の製造方法。
  12. 請求項11に記載のガラス原料粒子を溶融ガラス粒子とする工程が、前記溶融ガラス粒子を貯留してガラス融液とする工程、を含むガラス製品の製造方法。
  13. ガラス原料粒子を気相雰囲気中で加熱溶融して溶融ガラス粒子にする気中溶融装置であって、
    前記ガラス原料粒子を加熱溶融する加熱気相雰囲気を形成する原料加熱部と、
    前記加熱気相雰囲気に前記ガラス原料粒子を供給するための原料供給部と、
    を備える気中溶融バーナーが、請求項1〜7のいずれか一項に記載の気中溶融バーナーである気中溶融装置。
  14. 前記原料加熱部に連通するように溶融ガラス粒子の貯留部が設けられる請求項13に記載の気中溶融装置。
  15. 前記原料加熱部に連通するように冷却部とガラスビーズの貯留部が設けられる請求項13に記載の気中溶融装置。
  16. 請求項13または14に記載の気中溶融装置と、該気中溶融装置により製造された溶融ガラスを成形する成形手段と、成形後のガラスを徐冷する徐冷手段とを備えるガラス製品の製造装置。
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