JPWO2015083480A1 - ガラス積層体及び液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

ガラス積層体(2)は、ガラス(4)と、位相差層(7)と、フィルム(6)とがこの順で積層された構成である。フィルム(6)は、グルコース環の側鎖の少なくとも1つ以上に炭素が置換されている高分子フィルムであり、位相差層(7)とは反対側の表面が親水化処理されて防曇性を有する。

Description

本発明は、ガラス上にフィルムが積層されたガラス積層体と、そのガラス積層体を備えた液晶表示装置に関する。
車載用のカーナビゲーションシステムでは、液晶ディスプレイの前面にタッチパネルが配置されている。このタッチパネルの入力方式は、近年のスマートフォンに見られるようなマルチタッチの要望に応えるべく、抵抗膜式から静電容量方式へと変化してきている。静電容量方式のタッチパネルは、視認側から、カバー支持体とタッチセンサーとを積層して構成されている。
このような車載用途では、タッチパネルは、液晶ディスプレイと粘着層を介して貼り合わせるよりも、空隙層を介して対向配置する手法が有効である。タッチパネルを液晶ディスプレイと粘着層を介して貼り合わせる構成では、液晶ディスプレイの大きさが7インチ以上になると、貼り合わせの際にタッチパネルと液晶ディスプレイとの間に空気を巻き込みやすくなり、均一な貼り合わせが困難となって歩留まりが低下しやすくなるからである。
ところで、上記のように液晶ディスプレイとの間に空隙層を介してタッチパネルを配置する構成では、タッチパネルの液晶ディスプレイ側の面に水滴が付着し、曇りが発生することがある。これは、液晶ディスプレイの点灯時にタッチパネルと液晶ディスプレイとの間で温度差が生じる等により、両者の間の空隙層中の水分が結露するためである。特に、車載環境においては、温度変化などの環境変動が大きく、上記したような結露による曇りが発生しやすい。
一方、液晶ディスプレイの表面保護を目的として、液晶ディスプレイの前面に空隙層を介して透明保護板を配置する構成が提案されている(例えば特許文献1参照)。このような構成では、液晶ディスプレイの点灯時の温度差等により、空隙層中の水分が結露して透明保護板の表面に付着する場合があるが、特許文献1では、透明保護板の液晶ディスプレイ側の面に防曇性を有するセルロースフィルムを形成することで、水滴の付着を抑制するようにしている。また、特許文献2でも同様に、水滴の付着防止(曇り防止)を目的として、透明支持体のディスプレイ側の面に防曇層を設けるようにしている。
液晶ディスプレイと空隙層を介してタッチパネルを配置する液晶表示装置(車載カーナビゲーションシステム)においても、特許文献1のように、タッチパネルの液晶ディスプレイ側の面に防曇機能を有する層を形成することで、水滴の付着による曇りを防止することができるものと考えられる。
また、近年では、偏光サングラスを装着して車を運転する人も増えてきているが、偏光サングラス越しにカーナビゲーションシステムの画面(液晶ディスプレイ)を見る場合は、見る角度によって画面が暗くなったり、歪んで見えることがある。これは液晶ディスプレイの視認側に配置されている偏光板の透過軸と、偏光サングラスの偏光膜の透過軸とのズレによって生ずるものである。
そこで、例えば特許文献2では、液晶ディスプレイの視認側の偏光板のさらに外側に(偏光板に対して液晶層とは反対側に)λ/4フィルムを設け、偏光板を透過した直線偏光をλ/4フィルムによって円偏光に変換することで、偏光サングラス装着時に透過軸のズレに起因して表示画像が見え難くなるのを回避するようにしている。
したがって、タッチパネルと液晶ディスプレイとの間に空隙層を有する車載カーナビゲーションシステムにおいては、タッチパネルの液晶ディスプレイ側の面に、防曇機能を有し、かつ、透過光に位相差を付与する機能を持つ層を設けるようにすれば、水滴の付着による曇り防止と、偏光サングラス装着時の表示画像の視認性向上とを両立させることができると考えられる。
特開2012−145632号公報 特開2008−83307号公報
防曇機能及び位相差機能を有するフィルムを形成する手法としては、例えばセルロースフィルムをアルカリ処理(鹸化処理)して表面を親水化する方法がある。鹸化処理によって防曇性を発現させるためには、偏光板の作製時に保護フィルムとしてのセルロースフィルムを偏光子に貼り合わせるときの鹸化処理よりも長い時間、鹸化処理を行う必要がある。これは、偏光板作製時と同じ鹸化時間では、鹸化処理が弱く、防曇性を発現しにくいためである。
しかし、防曇機能を発現するまで鹸化処理を長くすると、セルロースフィルムの両面に膜厚の大きい吸水層(親水化層)が形成されて、セルロースフィルムの吸湿量(含水率)が大幅に増加する。水は等方性の物質であるため、セルロースフィルムの含水率が増加すると、セルロースフィルムの面内方向のリタデーションRoが大きく低下する。
したがって、上記の防曇機能及び位相差機能を有するセルロースフィルムでは、水滴の付着による曇りを防止することはできても、多量の水分を吸収した際の(鹸化処理による)リタデーションRoの低下のため、偏光サングラス装着時の視認性を向上させることはできない。よって、防曇機能及び位相差機能を有する単層のフィルムを設計することは困難である。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、防曇機能の発現と、偏光サングラス装着時の視認性向上とを同時に図ることができ、また、偏光サングラス非装着時においても視認性を向上させることができるガラス積層体と、それを備えた液晶表示装置とを提供することにある。
本発明の上記目的は以下の構成により達成される。すなわち、本発明のガラス積層体は、ガラスと、位相差層と、フィルムとがこの順で積層されたガラス積層体であって、前記フィルムは、グルコース環の側鎖の少なくとも1つ以上に炭素が置換されている高分子フィルムであり、前記位相差層とは反対側の表面が親水化処理されて防曇性を有する。
上記構成によると、位相差層により偏光サングラス装着時の視認性が向上する。また、防曇性フィルムにより防曇機能が付与されるので、偏光サングラスの装着、非装着に関わらず、曇りによる視認性の低下を防止できる。また、位相差層が防曇性フィルムにより覆われていることにより、湿度が高い環境においても位相差が変化せず、視認性が向上する。
本発明の実施の形態に係る液晶表示装置の概略の構成を示す断面図である。
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば以下の通りである。なお、本明細書において、数値範囲をA〜Bと表記した場合、その数値範囲に下限Aおよび上限Bの値は含まれるものとする。また、本発明は、以下の内容に限定されるものではない。
〔液晶表示装置〕
図1は、本実施形態の液晶表示装置1の概略の構成を示す断面図である。同図に示すように、液晶表示装置1は、ガラス積層体2と、液晶ディスプレイ3とを備えている。ガラス積層体2は、後述するフィルム6と液晶ディスプレイ3との間に空隙層Sが位置するように配置されている。ガラス積層体2は、空隙層Sの周囲において、粘着層(図示せず)を介して液晶ディスプレイ3に貼り合わされていてもよいし、液晶ディスプレイ3と空隙層3を介して対向するように、支持部材や筐体(ともに図示せず)によって支持されていてもよい。
液晶ディスプレイ3は、画像を表示する液晶パネル31と、液晶パネル31を照明するバックライト32とを有している。液晶パネル31は、液晶層を一対の基板で挟持した液晶セル33と、液晶セル33に対して視認側(ガラス積層体2側)およびバックライト32側にそれぞれ配置される偏光板34・35を有している。偏光板34・35は透過軸が互いに直交するように配置されている。
ガラス積層体2は、ガラス4上に、導電部5と、位相差層7と、フィルム6とがこの順で積層されて構成されている。導電部5は、例えば静電容量型のタッチセンサーを構成するものであり、ガラス4側から順に、透明導電膜(例えばITO)からなる第1電極パターン11と、層間絶縁層12と、透明導電膜(例えばITO)からなる第2電極パターン13とをこの順で有している。なお、導電部5は、必要に応じて、ガラスの両面に電極パターンを形成しても良い。また、飛散防止フィルムや電磁波シールド層を有していてもよい。
第1電極パターン11は、ガラス4上で一方向(例えばX方向)に延びるように形成されている。層間絶縁層12は、第1電極パターン11を覆うようにガラス4上に形成されている。第2電極パターン13は、第1電極パターン11の延びる方向とは直交する方向(例えばY方向)に延びるように形成されている。
ガラス4の表面を指で押圧すると、第1電極パターン11と第2電極パターン13とが接触し、第1電極パターン11と第2電極パターン13との間の静電容量が変化する。その静電容量の変化を第1電極パターン11および第2電極パターン13を介して検出することにより、押圧位置(座標)を特定することができる。
なお、導電部5は、ガラス4とは異なる透明基板上に第1電極パターン11等を積層して構成されてもよい。この場合、導電部5の透明基板とガラス4とは、例えば光学テープのような粘着層で接着されればよい。
位相差層7は、直線偏光を円偏光に近い状態に変換する層である。そのため、面内方向のリタデーションRoは、例えば40nm以上200nm以下であることが好ましい。ここで、位相差層7における面内方向のリタデーションRoは、下記式(i)で定義される。
式(i): Ro=(nx−ny)×d
(式中、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率、nyはフィルム面内で遅相軸に直交する方向の屈折率、dはフィルムの厚さ(nm)をそれぞれ表す。)
リタデーションRoの値は、例えばKOBRA−21ADH(王子計測機器(株))を用いて測定することができる。また、リタデーションRoは、樹脂の種類、可塑剤等の添加剤の種類や添加量、フィルムの膜厚や延伸条件などで調整することができる。
位相差層7はフィルムであっても塗布によって形成された層であってもよく、例えば、フィルムであればCOP(環状オレフィンポリマー)等を用いることができ、塗布であれば液晶性化合物等を用いることができる。
また、本実施形態のように、ガラス積層体2を、液晶ディスプレイ3との間に空隙層Sが位置するように配置した構成において、位相差層7の遅相軸と、液晶ディスプレイ3のガラス積層体2側の偏光板34の吸収軸とのなす角度は、10°以上80°以下であることが望ましい。
この場合、液晶ディスプレイ3の偏光板34から出射される直線偏光は、位相差層7にて円偏光または楕円偏光に確実に変換されるため、偏光サングラスの透過軸がどの方向を向いていても(偏光板34の透過軸の方向とズレていても)、偏光サングラスの透過軸に平行な光成分を観察者の眼に導いて、観察者に表示画像を視認させることができ、偏光サングラス装着時の視認性を確実に向上させることができる。
〔液晶性化合物からなる位相差層の詳細〕
次に、上記した液晶性化合物からなる位相差層7の詳細について説明する。液晶性化合物からなる位相差層7は、例えば、低分子液晶性化合物を液晶状態においてネマチック配向に形成後、光架橋や熱架橋によって固定化して得られる位相差層や、高分子液晶性化合物を液晶状態においてネマチック配向に形成後、冷却することによって当該配向を固定化して得られる位相差層を用いることができる。なお本発明では、位相差層7に液晶性化合物が用いられる場合であっても、位相差層7は、該液晶性化合物が重合等によって固定されて形成された層であり、層となった後はもはや液晶性を示す必要はない。重合性液晶性化合物は、多官能性重合性液晶でもよいし、単官能性重合性液晶性化合物でもよい。また、液晶性化合物は、ディスコティック液晶性化合物でもよいし、棒状液晶性化合物でもよい。
位相差層7において、液晶性化合物の分子は、垂直配向、水平配向、ハイブリッド配向及び傾斜配向のいずれかの配向状態に固定化されていることが好ましい。視野角依存性が対称である位相差板を作製するためには、ディスコティック液晶性化合物の円盤面が層平面に対して実質的に垂直であるか、又は、棒状液晶性化合物の長軸が層平面に対して実質的に水平であることが好ましい。ディスコティック液晶性化合物が実質的に垂直とは、層平面とディスコティック液晶性化合物の円盤面とのなす角度の平均値が70°〜90°の範囲内であることを意味する。該角度は、80°〜90°がより好ましく、85°〜90°が更に好ましい。一方、棒状液晶性化合物が実質的に水平とは、層平面と棒状液晶性化合物のダイレクターとのなす角度が0°〜20°の範囲内であることを意味する。該角度は、0°〜10°がより好ましく、0°〜5°が更に好ましい。
液晶性化合物の分子をハイブリッド配向させて視野角依存性が非対称である位相差層を作製する場合、液晶性化合物のダイレクターの平均傾斜角は5〜85°であることが好ましく、10〜80°であることがより好ましく、15〜75°であることが更に好ましい。
位相差層7は、棒状液晶性化合物又はディスコティック液晶性化合物等の液晶性化合物と、所望により、重合開始剤や配向制御剤や他の添加剤を含む塗布液を、フィルム6上に塗布することで形成することができる。フィルム6上に配向膜を形成し、該配向膜表面に塗布液を塗布して形成するのが好ましい。なお、位相差層7は一層のみからなっていてもよいし、二層以上の積層体であってもよい。
(塗布方法)
上記塗布液の塗布は、公知の方法(例、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。中でも、ワイヤーバーコーティング法を利用して塗布するのが好ましく、ワイヤーバーの回転数は下記式を満たすことが好ましい。
0.6<(W×(R+2r)×π)/V<1.4
[W:ワイヤーバーの回転数(rpm)、R:バーの芯の直径(m)、r:ワイヤーの直径(m)、V:支持体の搬送速度(m/min)]
(W×(R+2r)×π)/Vの範囲は、0.7〜1.3であることがより好ましく、0.8〜1.2であることが更に好ましい。
また、ダイコーティング法も好ましく用いられ、特に、スライドコーター又はスロットダイコーターを利用した塗布方法が好ましい。
(配向膜)
位相差層7は、配向膜の表面に上記塗布液を塗布して、液晶性化合物の分子を配向させるのが好ましい。配向膜は液晶性化合物の配向方向を規定する機能を有するため、利用するのが好ましい。しかし、液晶性化合物を配向後にその配向状態を固定してしまえば、配向膜はその役割を果たしているために、位相差層7の構成要素としては必ずしも必須のものではない。即ち、配向状態が固定された配向膜上の液晶性化合物層のみをフィルム6上に転写して作製することも可能である。
配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、あるいはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で設けることができる。更に、電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。中でも、ポリマーのラビング処理により形成することが好ましい。
フィルム6は、グルコース環の側鎖の少なくとも1つ以上に炭素が置換されている高分子フィルムの表面(一方の面又は両面)が親水化処理された防曇性フィルムである。なお、フィルム6において親水化処理された表面部分を親水化層6aとも称し、親水化されていない部分を非親水化層6bとも称する。フィルム6には面内方向のリタデーションRoが数nmでほぼ位相差がないものを用いる。
フィルム6は、表面が親水化処理された防曇性フィルムである。このフィルム6に対して蒸気を当てる前後でのヘイズの変化が小さい(例えば3%以内)ことが好ましい。この場合、蒸気を当てた後のフィルム6の防曇機能の低下が抑えられていると言える。
また、フィルム6において、蒸気を当てた後の防曇機能の低下が抑えられるので、フィルム表面への水滴の付着が抑えられる。これにより、偏光サングラスを装着しない、通常の観察時でも、表示画像の視認性を向上させることができる(表面の水滴によって表示画像の視認性が低下するのを抑えることができる)。
防曇性を付与するための親水化処理は光照射又は鹸化によって行うことができる。光照射によって行う場合、例えば155kcal/mol以上の光子エネルギーを持つ光をフィルム6(高分子フィルム)の表面に照射する。一方、鹸化によって行う場合は、例えばフィルム6表面を、NaOH水溶液を用いて60分間アルカリ鹸化処理し、その後、水洗、乾燥させる。
光照射処理では、フィルム6の表面に均一な防曇性を付与することができるとともに、鹸化処理によって親水性層を形成する場合と比較して、薄い親水性層により充分な防曇性を付与することができる。さらに、光照射処理は、高分子フィルムの片面に対して行うことができるため、得られるフィルム6は、貼り付きが生じにくく、長尺状に巻き取ることができる。また、巻き取り時に、貼り付きを防止するための保護フィルムを挟む必要がなくなるため、コストも削減される。
フィルム6(高分子フィルム)は、セルロースエステルフィルムであることが望ましい。セルロースエステルフィルムに対する上記の光照射により、グルコース環の側鎖に置換されたエステル基が水酸基に容易に変換されると推定しており、フィルム6の表面に親水化層6aを確実に形成できる(フィルム6に防曇性を確実に付与できる)からである。また、セルロースエステル自体が吸湿性を有するため、環境変化で発生した水蒸気もフィルム6の内部(非親水化層6b)に取り込むことができ、防曇効果が得られるため好ましい。
なお、高分子フィルムがセルロースエステルフィルムである場合、このフィルムをメチレンクロライドに浸漬すると、非親水化層6bは溶解し、親水化層6aは溶解せずに粉状として残る。このことから、非親水化層6bはメチレンクロライド可溶層であり、親水化層6aはメチレンクロライド不溶層であるとも言うことができる。
フィルム6は、タッチセンサーとなる上記した導電部5と位相差層7とを介してガラス4上に積層されている。これにより、上記構成のガラス積層体2は、防曇機能とタッチセンサー機能とを兼ね備えたものとなるので、温度変化による結露が生じやすい、車載用のカーナビゲーションシステムのタッチパネルとして用いることが有効となる。
〔フィルムの詳細〕
次に、上記したフィルム6の詳細について説明する。
(親水化処理について)
フィルム6(高分子フィルム)の表面は、上述のように、光照射又は鹸化によって親水化処理されている。通常、光照射は高分子フィルムの片面に対して行われ、一方、鹸化は高分子フィルムの両面に対して行われる。これにより、フィルム表面に存在する高分子フィルムの側鎖のうち炭素が置換されている置換基の一部が水酸基等の酸素含有極性基に置換される。このような親水化処理により、フィルム表面には適度な吸水性が付与される。吸水性が付与されたフィルム表面は、例えば降雨や空気中の湿分が結露することにより水滴が付着する場合であっても、表面が濡れ拡がり、水和層を形成する事でヘイズの上昇がないため、視認性確保という意味での防曇性を発揮する。
本明細書において親水化処理とは、例えば、後述するセルロースエステル中のアシルオキシ基や、セルロースエーテル中のアルコキシ基を、水酸基、カルボニル基、カルボン酸基などの酸素含有極性基へと置換する処理をいい、水酸基に置換することが特に好ましい。親水化処理により、防曇層には親水性基が導入され、親水性および吸水性に優れた層となり、防曇性が発揮される。
光照射の手法としては、真空紫外線を用いた処理などがあり、例えば、(1)窒素環境下で、Ar、Kr、Xeなどを用いた光源(エキシマUVランプ)によりエキシマUVを照射する方法(エキシマUVを照射する方法)や、(2)低圧水銀ランプを使用する方法がある。これらのうち、フィルムの深さ方向への親水化に優れ、フィルム表面に充分な吸水性を付与でき、経時での性能変化が小さいフィルムを簡便に得ることができる観点から、エキシマUVを照射する方法が好ましい。その中でも特にXeを用いた光源で光照射することが好ましい。
これらの光源を用いた光照射は、積算光量がそれぞれの光源ごとに適切に調整されることが好ましい。これにより、フィルムが過度に親水化されることが防がれる。以下、それぞれの方法について説明する。
(1)エキシマUVを照射する方法
エキシマUVを照射する方法について、キセノン(Xe)ランプを使用する場合を例により具体的に説明する。キセノンランプに用いられるXeは希ガスであり、希ガスの原子は化学的に結合して分子を作らない。しかし、放電等によりエネルギーを得た希ガスの原子(励起原子)は他の原子と結合して分子を作ることができる。Xeの場合は、
e+Xe→e+Xe
Xe+Xe+Xe→Xe +Xe
となり、励起されたエキシマ分子であるXe が基底状態に遷移するときに172nmのエキシマUVを発する。
エキシマUVを得るには、誘電体バリア放電を用いる方法が知られている。誘電体バリア放電とは、両電極間に誘電体(エキシマランプの場合は透明石英)を介してガス空間を配し、電極に数10kHzの高周波高電圧を印加することによりガス空間に生じる雷に似た非常に細い微小放電(micro discharge)と呼ばれる放電である。
また、効率よくエキシマUVを得る方法としては、誘電体バリア放電以外には無電極電界放電も知られている。無電極電界放電とは、容量性結合による放電であり、RF放電とも呼ばれる。ランプと電極およびその配置は、基本的には誘電体バリア放電と同じでよいが、両極間に印加される高周波は数MHzとされる。無電極電界放電はこのように空間的にまた時間的に一様な放電が得られる。そして、キセノンランプは、波長の短い172nmのUVを単一波長で放射することから発光効率に優れている。
また、エキシマランプは、光の発生効率が高いため、低い電力の投入で点灯させることが可能である。また、エキシマランプは、光による温度上昇の要因となる波長の長い光を発さず、紫外線領域で単一波長のエネルギーを照射するため、照射対象物の表面温度の上昇が抑えられる。そのため、熱の影響を受けやすい樹脂フィルムへの照射に適している。
エキシマUV処理は、窒素パージや真空化により、酸素濃度を下げた状態(概ね1%より低くする)でエキシマUV光源により光照射する処理方法である。ウシオ電機(株)や(株)エム・ディ・エキシマより市販されているエキシマ照射装置を適宜用いることができる。
Xeを放電ガスとしたピーク波長が165nm〜175nmであるエキシマランプを使用する場合、積算光量を50mJ以上1000mJ以下とすることが好ましく、100mJ以上900mJ以下とすることがより好ましく、300mJ以上600mJ以下とすることがさらに好ましい。このような積算光量となるように光照射を行うことにより、フィルムは、表面が良好に親水化され、充分な吸水性能が発現する。また、このような吸水性能は、経時的に変化しにくい。
(2)低圧水銀ランプを使用する方法
低圧水銀ランプを使用する方法の具体例としては、例えば、ピーク波長が180nm〜190nmである低圧水銀ランプとピーク波長が250nm〜260nmである低圧水銀ランプとを使用する方法が挙げられる。ピーク波長が180nm〜190nmである低圧水銀ランプとピーク波長が250nm〜260nmである低圧水銀ランプとを使用する場合、ピーク波長の積算光量を1000mJ以上10000mJ以下とすることが好ましく、3000mJ以上9000mJ以下とすることがより好ましく、5000mJ以上8000mJ以下とすることがさらに好ましい。このような積算光量となるように光照射を行うことにより、フィルムは、表面が良好に親水化され、充分な吸水性能が発現する。また、このような吸水性能は、経時的に変化しにくい。さらに、低圧水銀ランプでは窒素下及び真空化よりも大気下で照射した際に防曇機能が得られやすい。また、254nmの波長をフィルターでカットすることでフィルムの黄変を防止することができる。
低圧水銀ランプを使用する方法では、例えば、ウシオ電機(株)などから市販されている低圧水銀灯を用いることができる。
なお、上記光照射に加え、コロナ放電処理やプラズマ処理を行ってもよい。コロナ放電処理とは、大気圧下、電極間に1kV以上の高電圧を印加し、放電することで行う処理である。コロナ放電処理によって、フィルム表面に酸素含有極性基(水酸基、カルボニル基、カルボン酸基等)が発生し、表面が親水化される。コロナ放電処理は、春日電機(株)や(株)トーヨー電機などで市販されている装置を用いて行うことができる。また、プラズマ処理は、プラズマ化したガスを基材表面に照射し、基材表面を改質する処理であり、グロー放電処理、フレームプラズマ処理等が挙げられる。これらの処理としては、例えば、特開平6−123062号公報、特開平11−293011号公報、特開平11−005857号公報等に記載された方法を用いることができる。プラズマ処理によって、フィルム表面に酸素含有極性基(水酸基、カルボニル基、カルボン酸基等)が発生し、表面が親水化される。また、グロー放電処理は、相対する電極の間にフィルムを置き、装置中にプラズマ励起性気体を導入し、電極間に高周波電圧を印加することにより、該気体をプラズマ励起させ、電極間においてグロー放電を行うものである。これにより、フィルム表面が処理されて、親水性が高められる。
(高分子フィルムについて)
高分子フィルムは、グルコース環の側鎖の少なくとも1つ以上に炭素が置換されているフィルムである。
高分子フィルムとしては、例えば、セルロースエステルフィルム、セルロースエーテルフィルム、セルロースエステルエーテルフィルムが挙げられる。これらの中でも、上記光源による光照射によって容易にグルコース環の側鎖に置換されたエステル基が水酸基に変換され、フィルムに防曇性が付与される観点から、セルロースエステルフィルムが好ましい。
<セルロースエステルフィルム>
セルロースエステルフィルムは、セルロースエステル樹脂組成物(以下、単にセルロースエステルとも言う)を主成分とし、必要に応じて、後述する可塑剤、紫外線吸収剤、微粒子、染料、糖エステル化合物、アクリル系共重合体などの添加剤を含むフィルムである。本明細書において、セルロースエステルとは、セルロースを構成するβ−1,4結合しているグルコース単位中の2位、3位および6位の水酸基(−OH)の水素原子の一部、または全部がアシル基で置換されたセルロースアシレート樹脂をいう。
セルロースエステルとしては特に限定されず、例えば、セルロースの水酸基部分の水素原子が、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、ラウロイル基、ステアロイル等の炭素数2〜20の脂肪族アシル基で置換されたセルロースエステル樹脂が挙げられる。これらのうち、炭素数2〜4のアシル基を有するものが好ましく、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基がより好ましい。なお、セルロースエステル中のアシル基は単一種であってもよいし、複数のアシル基の組み合わせであってもよい。
具体的な好ましいセルロースエステルとしては、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロースアシレート樹脂が挙げられ、より好ましくは、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースエステルプロピオネート等のセルロースアシレート樹脂が挙げられる。これらのセルロースエステルは単一種を使用してもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、アセチルセルロースが好ましい。
セルロースエステルの原料のセルロースとしては特に限定されないが、綿花リンター、木材パルプ(針葉樹由来、広葉樹由来)、ケナフ等が挙げられる。またこれらから得られたセルロースエステルは、それぞれ任意の割合で混合して使用することができる。
セルロースエステルは、公知の方法により製造することができる。一般的には、原料のセルロースと所定の有機酸(酢酸、プロピオン酸など)と酸無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸など)、触媒(硫酸など)と混合して、セルロースをエステル化し、セルロースのトリエステルができるまで反応を進める。トリエステルにおいてはグルコース単位の三個の水酸基は、有機酸のアシル基で置換されている。同時に2種類の有機酸を使用すると、混合エステル型のセルロースエステル、例えばセルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートを作製することができる。次いで、セルロースのトリエステルを加水分解することで、所望のアシル置換度を有するセルロースエステルを合成することができる。その後、濾過、沈殿、水洗、脱水、乾燥などの工程を経て、最終的にセルロースエステルが製造される。
より具体的には、セルロースエステルは、特開平10−45804号公報、特開2005−281645号公報、特開2003−270442号公報などに記載の方法を参考にして合成することができる。また、市販品のフィルムとしては、コニカミノルタアドバンストレイヤー(株)製のKC4UAW、KC6UAW、N−TAC KC4KR、富士フイルム(株)製のUZ−TAC、TD−80UL、材料としては、(株)ダイセル製のL20、L30、L40、L50、イーストマンケミカルジャパン(株)製のCa398−3、Ca398−6、Ca398−10、Ca398−30、Ca394−60S等が挙げられる。
セルロースエステルのアシル基の置換度は、防曇性および製造工程での生産安定性の観点から2.0以上であることが好ましい。一方、アシル基の置換度は、フィルムの経時耐久性の点から3.0以下が好ましい。なお、本明細書においてアシル基の置換度とは、1グルコース単位あたりのアシル基の平均数を示し、1グルコース単位の2位、3位および6位の水酸基の水素原子のいずれかがアシル基に置換されている割合を示す。すなわち、2位、3位および6位の水酸基の水素原子がすべてアシル基で置換されたとき置換度(最大の置換度)は3.0となる。アシル基の置換度の測定方法は、ASTMのD−817−91に準じて実施することができる。
セルロースエステルの重量平均分子量(Mw)は、フィルムの耐熱性や強度(引っ張りや引裂きに対する耐性)を向上させる点から、75,000以上であることが好ましく、より好ましくは80,000以上であり、さらに好ましくは85,000以上である。一方、分子量が小さいほど、経時でのフィルムの変形力を樹脂分子間で吸収し、シワ、剥がれを抑制できるため、重量平均分子量(Mw)は、300,000以下であることが好ましく、より好ましくは200,000以下であり、さらに好ましくは150,000以下である。
セルロースエステルの重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnの値は、2.0〜3.5であることが好ましい。これらセルロースエステルの重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、例えば、下記の条件により測定することができる。
溶媒: メチレンクロライド
カラム: Shodex K806、K805、K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用する)
カラム温度:25℃
試料濃度: 0.1質量%
検出器: RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ: L6000((株)日立製作所製)
流量: 1.0ml/min
校正曲線: 標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1000000〜500迄の13サンプルによる校正曲線を使用する。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いる。
<セルロースエーテルフィルム>
セルロースエーテルフィルムは、セルロースエーテル樹脂組成物(以下、単にセルロースエーテルともいう)を主成分とし、必要に応じて、後述する可塑剤、紫外線吸収剤、微粒子、染料、糖エステル化合物、アクリル系共重合体などの添加剤を含むフィルムである。
本実施形態で使用されるセルロースエーテルは、セルロースの水酸基が炭素数4以下のアルコキシ基で置換されたものであることが好ましい。具体的には、セルロースの水酸基がメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基のいずれかまたは複数のアルコキシ基によって置換されている。特に、セルロースの水酸基が、メトキシ基とエトキシ基の単独あるいは複数のアルコキシ基によって置換されたものが好ましく、中でもエトキシ置換度が1.8以上2.8以下、より好ましくは1.8以上2.5以下を満たすエチルセルロースを好適に用いることができる。置換度はASTM D4794−94に記載の方法にて定量することができる。
置換度が1.8を下回ると単独で溶解する溶剤の種類が限定される上に、フィルムの吸水率が大きくなり、フィルムの寸法安定性が低下する傾向がある。また、置換度が2.8を超えても溶解する溶剤の種類が限定されるばかりでなく、樹脂自体が高価になる傾向がある。
セルロースエーテルは、それ自体既知の方法で製造することができる。例えばセルロースを強苛性ソーダ溶液で処理してアルカリセルロースとし、これをメチルクロリドやエチルクロリドと反応させることによってエーテル化することによって製造することができる。
セルロースエーテルの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは10万から40万であり、より好ましくは13万から30万であり、さらに好ましくは15万から25万である。Mwが40万よりも大きい場合、溶剤に対する溶解度が低下するだけでなく、得られる溶液の粘度が高くなりすぎて、溶剤キャスト法に適さず、熱成形を困難にし、フィルムの透明性が低下する等の問題を生じる傾向がある。一方、Mwが10万よりも小さい場合、得られるフィルムの機械的強度が低下する傾向がある。
セルロースエーテルとしては、単一の原料から製造されるセルロースエーテルを用いてもよいし、原料の異なるセルロースエーテルを2種以上組み合わせて用いてもよい。
〔フィルムの製造方法〕
次に、防曇性を有するフィルム6の製造方法について説明する。なお、ここでは、高分子フィルムとして、セルロースエステルフィルムを用いた場合を例として説明するが、その他の高分子フィルムを用いた場合も同様に製造できる。
フィルム6は、(a)セルロースエステルを溶液流涎法または溶融流延法により製膜する工程(製膜工程)と、(b)製膜されたフィルムの表面に親水化処理を行う工程とにより製造することができる。なお、フィルム6は市販の高分子フィルムを用いて上記(b)の工程により親水化処理を行うことで製造してもよい。
(a)製膜工程
まず、セルロースエステルを溶液流涎法または溶融流延法により製膜する。以下、溶液流涎法を用いた場合を例に挙げて製膜方法を説明するが、溶融流涎法も従来公知の方法を参照して実施することができる。溶液流涎法により製膜する場合、製膜工程は、好ましくは、(i)ドープ調製工程、(ii)ドープ流延工程、(iii)乾燥工程1、(iv)剥離工程、(v)延伸工程、(vi)乾燥工程2、および(vii)フィルム巻取工程を含む。
(i)ドープ調製工程
ドープ調製工程は、セルロースエステルおよび必要に応じて後述する添加剤を溶剤に溶解させてドープを調製する工程である。ドープ中のセルロースエステルの濃度は、高い方が金属支持体に流延した後の乾燥負荷が低減できて好ましいが、セルロースエステルの濃度が高すぎると濾過時の負荷が増えて、濾過精度が悪くなる。これらを両立する濃度としては、例えば、10〜35質量%であり、好ましくは、15〜25質量%である。
ドープ調製時に用いられる溶剤は、単独でも2種以上を併用してもよい。セルロースエステルを単独で溶解する溶剤(良溶剤)に、単独ではセルロースエステルを膨潤するかまたは溶解しない溶剤(貧溶剤)を混合して使用することが生産効率の点で好ましい。良溶剤としては、好ましくはメチレンクロライドまたは酢酸メチルが挙げられ、貧溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−ブタノール、シクロヘキサン、シクロヘキサノン等が好ましく用いられる。また、ドープ中に水を0.01〜2質量%含有させる形態も好ましい。
セルロースエステルの溶解に用いられる溶媒としては、製膜工程で乾燥によりフィルムから除去された溶媒が回収され、これが再利用されたものを用いることができる。
上記記載のドープを調製するときの、セルロースエステルの溶解方法としては、一般的な方法を用いることができる。また、加熱と加圧を組み合わせることにより、常圧における沸点以上に加熱することができる。
続いて、上記で得たドープを濾紙等の適当な濾過材を用いて濾過することが好ましい。これにより、ドープ内の不純物を除去、低減することができる。濾過材としては、絶対濾過精度0.008mm以下の濾材が好ましく、0.001〜0.008mmの濾材がより好ましく、0.003〜0.006mmの濾材がさらに好ましい。濾材としては特に限定されず、公知の濾材を使用することができる。
(ii)ドープ流延工程
ドープ流延工程は、ドープを無端の金属支持体上に流延(キャスト)する工程である。金属支持体は、表面を鏡面仕上げしたものが好ましく、ステンレススティールベルトもしくは鋳物で表面をメッキ仕上げしたドラムが好ましく用いられる。キャストの幅は、1〜4mとすることができる。金属支持体の表面温度は、−50℃以上で溶剤の沸点未満の温度とすることができ、好ましくは0〜40℃とすることができ、より好ましくは5〜30℃とすることができる。
金属支持体の温度を制御する方法は特に制限されないが、温風または冷風を吹きかける方法や、温水を金属支持体の裏側に接触させる方法がある。温水を用いる方が熱の伝達が効率的に行われるため、金属支持体の温度が一定になるまでの時間が短く好ましい。温風を用いる場合は目的の温度よりも高い温度の風を使う場合がある。
(iii)乾燥工程1
乾燥工程1は、流延したドープをウェブとして乾燥する工程である。金属支持体の表面温度は、ドープ流延工程と同様である。温度が高い方がウェブの乾燥速度が速くできるので好ましいが、高すぎるとウェブが発泡したり、平面性が劣化したりする場合がある。
(iv)剥離工程
剥離工程は、ウェブを金属支持体から剥離する工程である。製膜後のフィルムが良好な平面性を示すためには、金属支持体からウェブを剥離する際の残留溶媒量は、10〜150質量%であることが好ましく、より好ましくは20〜40質量%または60〜130質量%であり、さらに好ましくは、20〜30質量%または70〜120質量%である。
なお、本明細書において、残留溶媒量は下記式で定義される。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
(式中、Mはウェブまたはフィルムを製造中または製造後の任意の時点で採取した試料の質量であり、Nはウェブまたはフィルムを製造中または製造後の任意の時点で採取した試料を115℃で1時間の加熱した後の質量である)
(v)延伸工程
延伸工程は、金属支持体より剥離した直後のウェブを少なくとも一方向に延伸処理する工程である。延伸処理を行うことにより、フィルム内の分子の配向を制御することができる。延伸フィルムは、二軸延伸フィルムであってもよいが、一軸延伸フィルムであることが好ましい。ただし、延伸工程は必須ではなく、セルロースエステルフィルムは未延伸フィルムであってもよい。
延伸を行う場合において、幅手方向(TD方向)に1.05〜1.50倍延伸することが好ましい。このような延伸倍率に基づいて延伸処理を行うことにより、樹脂分子が配向し、配向方向への経時での伸縮が抑制されるとともに、フィルムに弾性が付与される。したがって、フィルムの厚みが小さい場合であっても、高い防曇性が維持されたまま、経時的なシワの発生が抑制されつつ、優れた作業性が付与される。
これに加えて、またはこれに代えて、長手方向(MD方向)に1.01〜1.50倍の延伸倍率で延伸してもよい。幅手方向(TD方向)および長手方向(MD方向)の延伸は、逐次または同時に行うことができる。
延伸時のフィルム中の残留溶媒量は1〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは3〜45質量%である。このような残留溶媒量の場合、生産効率とフィルムの透明性とが両立されやすい。
延伸方法は特に限定されない。延伸方法としては、たとえば、複数のロールに周速差をつけ、その間でロール周速差を利用してMD方向に延伸する方法、ウェブの両端をクリップやピンで固定し、クリップやピンの間隔を進行方向に広げてMD方向に延伸する方法、同様に横方向に広げてTD方向に延伸する方法、MD/TD方向に同時に広げてMD/TD両方向に延伸する方法などが挙げられる。
また、延伸方法は、斜め延伸であってもよい。斜め延伸とは、フィルムの繰り出し方向と巻き取り方向とを交差させ、フィルムの幅手方向の一端部側を他端部側よりも先行して搬送することにより、フィルムを幅手方向に対して斜め方向に延伸する手法である。
延伸温度は、120℃以上200℃以下であることが好ましく、より好ましくは150℃以上200℃以下であり、さらに好ましくは150℃を超えて190℃以下である。
フィルムは、延伸後に熱固定されることが好ましい。熱固定は、その最終TD方向延伸温度より高温で、Tg−20℃以下の温度範囲内で通常0.5〜300秒間行うことが好ましい。この際、2つ以上に分割された領域で温度差が1〜100℃となる範囲で順次昇温しながら熱固定することが好ましい。なお、フィルムのTg(ガラス転移温度)は、フィルムを構成する材料種および構成する材料の比率によって制御され、JIS K7121:1987に記載の方法などによって求めることができる。
(vi)乾燥工程2
乾燥工程2は、延伸後のフィルムをさらに乾燥する工程である。乾燥工程2では、フィルムは、残留溶媒量が1質量%以下になるように乾燥されることが好ましく、より好ましくは0.1質量%以下であり、さらに好ましくは0〜0.01質量%以下である。
(vii)フィルム巻取工程
フィルム巻取工程は、乾燥後のウェブ(仕上がったセルロースエステルフィルム)を巻き取る工程である。フィルムの巻き取りは、残留溶媒量を0.4質量%以下にすることにより寸法安定性の良好なフィルムを得ることができる。
(b)親水化処理工程
製膜したセルロースエステルフィルムを繰り出して、親水化処理によりフィルム表面に防曇性を付与する工程である。この工程の詳細は上述の通りであるため、その説明を省略する。
〔フィルムに含まれる添加剤〕
次に、本実施形態で使用するフィルム(高分子フィルム)が含有し得る添加剤について説明する。本実施形態で使用するフィルムは、防曇性フィルムの性能をさらに向上させる目的で、例えば、以下に示す(a)可塑剤、(b)紫外線吸収剤、(c)微粒子、(d)染料、(e)糖エステル化合物、(f)アクリル系共重合体を含んでもよい。中でも、(a)可塑剤、(b)紫外線吸収剤、(c)微粒子のうち少なくとも1種以上を含むことが好ましく、(a)可塑剤、(b)紫外線吸収剤および(c)微粒子のすべてを含むことがより好ましい。
(a)可塑剤
高分子フィルムは、機械強度や耐水特性を向上させる目的で、可塑剤を含有することが好ましい。可塑剤としては、ポリエステル化合物が好ましい。
ポリエステル化合物としては特に限定されないが、例えば、ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体とグリコールとの縮合反応により得られる、末端が水酸基となる重合体(以下、「ポリエステルポリオール」という)、または、当該ポリエステルポリオールの末端の水酸基がモノカルボン酸で封止された重合体(以下、「末端封止ポリエステル」という)を用いることができる。なお、本明細書において、エステル形成性誘導体とは、ジカルボン酸のエステル化物、ジカルボン酸クロライド、ジカルボン酸の無水物のことである。
上記ポリエステルポリオールや末端封止ポリエステルを用いることにより、フィルムの経時での剥がれやシワ発生が、一層抑制される。このような効果が得られる理由は明確ではないが、上記化合物は、フィルムの製膜時に面方向に配向し、吸湿時の変形応力が厚み方向へ分散されるため、フィルムの経時での剥がれ、シワが抑えられるものと推定される。
ポリエステル化合物の具体例としては、下記一般式(A)で表されるエステル系化合物が挙げられる。
B−(G−A)n−G−B ・・・ (A)
(式中、Bは水酸基、ベンゼンモノカルボン酸残基または脂肪族モノカルボン酸残基であり、Gは炭素数2〜18のアルキレングリコール残基または炭素数6〜12のアリールグリコール残基または炭素数が4〜12のオキシアルキレングリコール残基であり、Aは炭素数4〜12のアルキレンジカルボン酸残基または炭素数6〜16のアリールジカルボン酸残基であり、nは1以上の整数である。)
上記一般式(A)において、Bが水酸基である化合物がポリエステルポリオールに相当し、Bがベンゼンモノカルボン酸残基または脂肪族モノカルボン酸残基である化合物が末端封止ポリエステルに相当する。一般式(A)で表されるポリエステル化合物は、通常のポリエステル系可塑剤と同様の反応により得られるものである。
一般式(A)で表されるポリエステル化合物の脂肪族モノカルボン酸成分としては、例えば、炭素数3以下の脂肪族モノカルボン酸が好ましく、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸(酪酸)が挙げられ、これらはそれぞれ1種または2種以上の混合物として使用することができる。
一般式(A)で表されるポリエステル化合物のベンゼンモノカルボン酸成分としては、例えば、安息香酸、パラターシャリブチル安息香酸、オルソトルイル酸、メタトルイル酸、パラトルイル酸、ジメチル安息香酸、エチル安息香酸、ノルマルプロピル安息香酸、アミノ安息香酸、アセトキシ安息香酸、脂肪族酸等があり、これらはそれぞれ1種または2種以上の混合物として使用することができる。特に、安息香酸、またはパラトルイル酸を含むことが好ましい。
一般式(A)で表されるポリエステル化合物の炭素数2〜18のアルキレングリコール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール(1,2−プロピレングリコール)、1,3−プロパンジオール(1,3−プロピレングリコール)、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−プロパンジオール、2−メチル1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、1,2−シクロペンタンジオール、1,3−シクロペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロールペンタン)、2−n−ブチル−2−エチル−1,3プロパンジオール(3,3−ジメチロールヘプタン)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル1,3−ペンタンジオール、2−エチル1,3−ヘキサンジオール、2−メチル1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−オクタデカンジオール等があり、これらのグリコールは、1種または2種以上の混合物として使用される。なかでもエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、2−メチル1,3−プロパンジオールが好ましく、さらに好ましくは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコールである。特に、炭素数2〜12のアルキレングリコールがフィルムを構成する樹脂との相溶性に優れているため好ましい。より好ましくは炭素数2〜6のアルキレングリコールであり、さらに好ましくは炭素数2〜4のアルキレングリコールである。
一般式(A)で表されるポリエステル化合物の炭素数4〜12のオキシアルキレングリコール成分としては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等があり、これらのグリコールは、1種または2種以上の混合物として使用できる。
一般式(A)で表されるポリエステル化合物の炭素数6〜12のアリールグリコールとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジエタノール、1,4−ベンゼンジメタノール等の環状グリコール類があり、これらのグリコールは、1種または2種以上の混合物として使用できる。
一般式(A)で表されるポリエステル化合物の炭素数4〜12のアルキレンジカルボン酸成分としては、例えば、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等があり、これらは、それぞれ1種または2種以上の混合物として使用される。
一般式(A)で表されるポリエステル化合物の炭素数6〜16のアリールジカルボン酸成分としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,6−アントラセンジカルボン酸等がある。上記アリールジカルボン酸は芳香族環に置換基を有していてもよい。置換基としては、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐状のアルキル基、アルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基が挙げられる。
一般式(A)において、Bが水酸基である場合、すなわち、ポリエステル化合物がポリエステルポリオールである場合には、Aは炭素数10〜16のアリールジカルボン酸残基であることが好ましい。例えばベンゼン環構造、ナフタレン環構造、アントラセン環構造等の芳香族環式構造を有するジカルボン酸を使用することができる。具体的なアリールジカルボン酸成分としては、例えばオルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,6−アントラセンジカルボン酸を挙げることができる。好ましくは、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸であり、さらに好ましくは、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸であり、特に好ましくは、2,6−ナフタレンジカルボン酸である。これらは1種または2種以上を併用することができる。
上記ポリエステルポリオールは、原料として使用するジカルボン酸の炭素数の平均が10〜16の範囲であることが好ましい。ジカルボン酸の炭素数の平均が10以上であれば、フィルムの寸法安定性に優れ、炭素数の平均が16以下であれば、フィルムを構成する樹脂との相溶性に優れ、得られるフィルムの透明性が著しく優れる。ジカルボン酸として、好ましくは炭素数の平均が10〜14であり、さらに好ましくは炭素数の平均が10〜12である。
前記ポリエステルポリオールのジカルボン酸の炭素数の平均とは、単一のジカルボン酸を用いてポリエステルポリオールを重合する場合は該ジカルボン酸の炭素数を意味するが、2種以上のジカルボン酸を用いてポリエステルポリオールを重合する場合、それぞれのジカルボン酸の炭素数とそのジカルボン酸のモル分率の積の合計を意味する。
前記炭素数の平均が10〜16であれば、上記した10〜16個の炭素原子を有するアリールジカルボン酸とそれ以外のジカルボン酸を併用することができる。併用できるジカルボン酸としては、4〜9個の炭素原子を有するジカルボン酸が好ましく、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸やこれらのエステル化物、酸塩化物、酸無水物を挙げることができる。
以下に、ポリエステルポリオールの炭素数が10〜16であるジカルボン酸の具体例を示すが、本実施形態ではこれらに何ら限定されない。
(1)2,6−ナフタレンジカルボン酸
(2)2,3−ナフタレンジカルボン酸
(3)2,6−アントラセンジカルボン酸
(4)2,6−ナフタレンジカルボン酸:コハク酸(75:25〜99:1 モル比)
(5)2,6−ナフタレンジカルボン酸:テレフタル酸(50:50〜99:1 モル比)
(6)2,3−ナフタレンジカルボン酸:コハク酸(75:25〜99:1 モル比)
(7)2,3−ナフタレンジカルボン酸:テレフタル酸(50:50〜99:1 モル比)
(8)2,6−アントラセンジカルボン酸:コハク酸(50:50〜99:1 モル比)
(9)2,6−アントラセンジカルボン酸:テレフタル酸(25:75〜99:1 モル比)
(10)2,6−ナフタレンジカルボン酸:アジピン酸(67:33〜99:1 モル比)
(11)2,3−ナフタレンジカルボン酸:アジピン酸(67:33〜99:1 モル比)
(12)2,6−アントラセンジカルボン酸:アジピン酸(40:60〜99:1 モル比)
本実施形態において用いることができるポリエステル化合物としては、上記のポリエステルポリオール以外に、化合物の水溶性や配向性の観点から、オクタノール−水分配係数(logP(B))が0以上7未満の化合物を用いることも好ましい。
ポリエステルポリオールは、ジカルボン酸またはそれらのエステル形成性誘導体(一般式(A)のAに相当する成分)とグリコール(一般式(A)のGに相当する成分)を必要に応じてエステル化触媒の存在下で、例えば180〜250℃の温度範囲内で、10〜25時間、周知慣用の方法でエステル化反応させることによって製造することができる。
エステル化反応を行う際に、トルエン、キシレン等の溶媒を用いてもよいが、無溶媒もしくは原料として使用するグリコールを溶媒として用いる方法が好ましい。
前記エステル化触媒としては、例えばテトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、p−トルエンスルホン酸、ジブチル錫オキサイド等を使用することができる。前記エステル化触媒は、ジカルボン酸またはそれらのエステル形成性誘導体の全量100質量部に対して0.01〜0.5質量部使用することが好ましい。
ジカルボン酸またはそれらのエステル形成性誘導体とグリコールを反応させる際のモル比は、ポリエステルの末端基が水酸基となるモル比でなければならず、そのためジカルボン酸またはそれらのエステル形成性誘導体1モルに対してグリコールは1.1〜10モルである。好ましくは、ジカルボン酸またはそれらのエステル形成性誘導体1モルに対して、グリコールが1.5〜7モルであり、より好ましくは、ジカルボン酸またはそれらのエステル形成性誘導体1モルに対して、グリコールが2〜5モルである。
上記ポリエステルポリオールの末端基は水酸基であるが、ポリエステルポリオール中には、副生成物としてカルボキシ基末端の化合物も含まれうる。ただし、ポリエステルポリオール中におけるカルボキシ基末端は、湿度安定性を低下させるため、その含有量は低い方が好ましい。具体的には、酸価5.0mgKOH/g以下が好ましく、より好ましくは1.0mgKOH/g以下であり、さらに好ましくは0.5mgKOH/g以下である。なお、ここでいう「酸価」とは、試料1g中に含まれる酸(試料中に存在するカルボキシ基)を中和するために必要な水酸化カリウムのミリグラム数をいう。酸価はJIS K0070:1992に準拠して測定することができる。
前記ポリエステルポリオールは、ヒドロキシ(水酸基)価(OHV)が35mg/g以上220mg/g以下の範囲であることが好ましい。ここで言うヒドロキシ(水酸基)価とは、試料1g中に含まれる水酸基をアセチル化したときに、水酸基と結合した酢酸を中和するために要する水酸化カリウムのミリグラム数をいう。ヒドロキシ(水酸基)価は、無水酢酸を用いて試料中の水酸基をアセチル化し、使われなかった酢酸を水酸化カリウム溶液で滴定し、初期の無水酢酸の滴定値との差より求められる。
前記ポリエステルポリオールの水酸基含有量は、70%以上であることが好ましい。水酸基含有量が少ない場合、ポリエステルポリオールとフィルムを構成する樹脂との相溶性が低下する傾向がある。このため、水酸基含有量は、70%以上が好ましく、より好ましくは90%以上であり、さらに好ましくは99%以上である。本実施形態において、水酸基含有量が50%以下の化合物は、末端基の一方が水酸基以外の基で置換されているためポリエステルポリオールには含まれない。
前記水酸基含有量は、下記の式(B)により求めることができる。
Y/X×100=水酸基含有量(%) ・・・ (B)
X:前記ポリエステルポリオールの水酸基価(OHV)
Y:1/(数平均分子量(Mn))×56×2×1000
前記ポリエステルポリオールは、300〜3000の範囲内の数平均分子量を有することが好ましく、350〜2000の数平均分子量を有することがより好ましい。
また、本実施形態のポリエステルポリオールの分子量の分散度は1.0〜3.0であることが好ましく、1.0〜2.0であることがより好ましい。分散度が上記範囲内であれば、フィルムを構成する樹脂との相溶性に優れたポリエステルポリオールが得られやすい。
また、前記ポリエステルポリオールは、分子量が300〜1800の成分を50%以上含有することが好ましい。数平均分子量を前記範囲とすることにより、相溶性を大幅に向上させることができる。
末端封止ポリエステルは、2つの末端基Bのうちの少なくとも一方がモノカルボン酸残基であればよい。すなわち、2つの末端基Bのうちの一方が水酸基であり、他方がモノカルボン酸残基であってもよい。ただし、2つの末端基Bの両方がモノカルボン酸残基であることが好ましい。
末端基Bとしては、上述したベンゼンモノカルボン酸残基、脂肪族モノカルボン酸残基を使用することができ、好ましくはベンゼンモノカルボン酸残基を使用することができる。すなわち、末端基Bは、芳香族末端ポリエステルであることが好ましい。
上記末端封止ポリエステルは、グリコール(一般式(A)のGに相当する成分)と、ジカルボン酸またはそれらのエステル形成性誘導体(一般式(A)のAに相当する成分)およびモノカルボン酸またはそれらのエステル形成性誘導体(一般式(A)のBに相当する成分)とエステル化反応させることにより得ることができ、例えば、特開2011−52205号公報、特開2008−69225号公報、特開2008−88292号公報、特開2008−115221号公報等を参考にして合成することができる。
本実施形態のエステル化合物は、その合成時点では分子量および分子構造に分布を有する混合物であるが、そのなかに本実施形態に好ましい成分、例えば、一般式(A)のAとしてフタル酸残基およびアジピン酸残基を有するポリエステル化合物を少なくとも1種含有していることが好ましい。
末端封止ポリエステルは、数平均分子量が、好ましくは300〜1500、より好ましくは400〜1000である。また、酸価は、0.5mgKOH/g以下、ヒドロキシ(水酸基)価は25mgKOH/g以下、より好ましくは酸価0.3mgKOH/g以下、ヒドロキシ(水酸基)価は15mgKOH/g以下である。
以下に、本実施形態に用いることのできる一般式(A)で表されるエステル系化合物の具体的化合物を示すが、本実施形態はこれに限定されない。
Figure 2015083480
Figure 2015083480
Figure 2015083480
Figure 2015083480
Figure 2015083480
Figure 2015083480
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本実施形態のフィルムは、ポリエステル化合物を、フィルム全体(100質量%)に対して、0.1〜30質量%含むことが好ましく、特には、0.5〜10質量%含むことが好ましい。また、その他の可塑剤として、国際公開10/026832号の[0102]〜[0155]等に記載の材料などを適宜使用することができる。
(b)紫外線吸収剤
本実施形態のフィルムは、紫外線吸収剤を含有することができる。紫外線吸収剤は400nm以下の紫外線を吸収することで、フィルムの耐久性を向上させることを目的として添加される。紫外線吸収剤は、波長370nmでの透過率が10%以下、好ましくは5%以下、より好ましくは2%以下となるように添加される。
紫外線吸収剤としては特に限定されず、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、トリアジン系化合物、ニッケル錯塩系化合物、無機粉体等が挙げられる。これらの中でも、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤が好ましく使用され、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤がより好ましく使用される。具体的には、例えば、5−クロロ−2−(3,5−ジ−sec−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、(2−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖および側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2,4−ベンジルオキシベンゾフェノン等が挙げられ、市販品としてはチヌビン109、チヌビン171、チヌビン234、チヌビン326、チヌビン327、チヌビン328、チヌビン928等のチヌビン類(以上、チバ・ジャパン社製)が好ましく使用される。この他、1,3,5−トリアジン環を有する化合物等の円盤状化合物も紫外線吸収剤として好ましく用いられる。
本実施形態におけるセルロースエステル溶液は紫外線吸収剤を2種以上含有することが好ましい。また、紫外線吸収剤としては高分子紫外線吸収剤も好ましく用いることができ、特に特開平6−148430号公報に記載のポリマータイプの紫外線吸収剤が好ましく用いられる。
紫外線吸収剤の添加方法としては、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコールやメチレンクロライド、酢酸メチル、アセトン、ジオキソラン等の有機溶媒あるいはこれらの混合溶媒に紫外線吸収剤を溶解してからドープに添加するか、直接ドープ組成中に添加する方法を採用することができる。その際、無機粉体のように有機溶剤に溶解しないものは、有機溶剤とセルロースエステル中にディゾルバーやサンドミルを使用し、分散してからドープに添加することが好ましい。
紫外線吸収剤の使用量としては、紫外線吸収剤の種類、使用条件等により一様ではないが、フィルムの乾燥膜厚が30〜200μmの場合には、フィルムに対して0.5〜10質量%が好ましく、0.6〜4質量%がより好ましい。
(c)微粒子
フィルムは、滑り性、保管安定性の観点から、微粒子を含有することが好ましい。微粒子としては、無機化合物の例として、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムおよびリン酸カルシウム等を挙げることができる。微粒子は珪素を含むものが、濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化珪素が好ましい。
二酸化珪素については、疎水化処理をされたものが滑り性とヘイズを両立する上で好ましい。4個のシラノール基のうち、2個以上が疎水性の置換基で置換わったものが好ましく、3個以上が置換されたものがより好ましい。疎水性の置換基はメチル基であることが好ましい。
二酸化珪素の平均1次粒子径は20nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがより好ましい。なお、微粒子の平均1次粒子径は、透過型電子顕微鏡(倍率50万〜200万倍)で粒子の観察を行い、粒子100個を観察し、粒子径を測定しその平均値をもって、1次平均粒子径とすることができる。
二酸化珪素の微粒子は、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上、日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されているものを使用することができる。
ポリマー微粒子の例として、シリコーン樹脂、フッ素樹脂およびアクリル樹脂を挙げることができる。シリコーン樹脂が好ましく、特に三次元の網状構造を有するものが好ましく、例えば、トスパール103、同105、同108、同120、同145、同3120および同240(以上、東芝シリコーン(株)製)の商品名で市販されているものを使用することができる。
これらの中でも、アエロジル200V、アエロジルR972V、アエロジルR812がフィルムのヘイズを低く保ちながら、摩擦係数を下げる効果が大きいため好ましく、アエロジルR812がより好ましく用いられる。
微粒子の添加量は、セルロースエステル100質量部に対して、0.01質量部〜5.0質量部が好ましい。添加量が多い方が、動摩擦係数に優れ、添加量が少ない方が、凝集物が少なくなる。
本実施形態のフィルムにおいては、少なくとも一方の面の動摩擦係数が0.2〜1.0であることが好ましい。
(d)染料
フィルムには、本実施形態の効果を損なわない範囲内で、色味調整のため染料を添加することもできる。フィルムには、例えば、フィルムの黄色味を抑えるために青色染料を添加してもよい。好ましい染料としてはアンスラキノン系染料が挙げられる。
(e)糖エステル化合物
本実施形態に用いられる糖エステル化合物としては、例えば、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、キシロース、あるいはアラビノース、ラクトース、スクロース、ニストース、1F−フラクトシルニストース、スタキオース、マルチトール、ラクチトール、ラクチュロース、セロビオース、マルトース、セロトリオース、マルトトリオース、ラフィノースあるいはケストース挙げられる。この他、ゲンチオビオース、ゲンチオトリオース、ゲンチオテトラオース、キシロトリオース、ガラクトシルスクロースなども挙げられる。
これらの化合物の中で、特にピラノース構造とフラノース構造を両方有する化合物が好ましい。具体的には、スクロース、ケストース、ニストース、1F−フラクトシルニストース、スタキオースなどが好ましく、より好ましくは、スクロースである。
ピラノース構造またはフラノース構造中の水酸基のすべてもしくは一部をエステル化するのに用いられるモノカルボン酸としては特に限定されず、公知の脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸等を用いることができる。用いられるカルボン酸は1種類でもよく、2種以上を混合してもよい。
好ましい脂肪族モノカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、2−エチル−ヘキサンカルボン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸等の飽和脂肪酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、オクテン酸等の不飽和脂肪酸等が挙げられる。
好ましい脂環族モノカルボン酸としては、例えば、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロオクタンカルボン酸、またはそれらの誘導体を挙げることができる。
好ましい芳香族モノカルボン酸としては、例えば、安息香酸、トルイル酸等の安息香酸のベンゼン環にアルキル基、アルコキシ基を導入した芳香族モノカルボン酸、ケイ皮酸、ベンジル酸、ビフェニルカルボン酸、ナフタリンカルボン酸、テトラリンカルボン酸等のベンゼン環を2個以上有する芳香族モノカルボン酸、またはそれらの誘導体が挙げられる。具体的には、キシリル酸、ヘメリト酸、メシチレン酸、プレーニチル酸、γ−イソジュリル酸、ジュリル酸、メシト酸、α−イソジュリル酸、クミン酸、α−トルイル酸、ヒドロアトロパ酸、アトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、サリチル酸、o−アニス酸、m−アニス酸、p−アニス酸、クレオソート酸、o−ホモサリチル酸、m−ホモサリチル酸、p−ホモサリチル酸、o−ピロカテク酸、β−レソルシル酸、バニリン酸、イソバニリン酸、ベラトルム酸、o−ベラトルム酸、没食子酸、アサロン酸、マンデル酸、ホモアニス酸、ホモバニリン酸、ホモベラトルム酸、o−ホモベラトルム酸、フタロン酸、p−クマル酸が挙げられる。中でも、特に安息香酸、ナフチル酸が好ましい。
オリゴ糖のエステル化合物は、後述の「ピラノース構造又はフラノース構造の少なくとも一種を1〜12個を有する化合物」として適用できる。
オリゴ糖は、澱粉、ショ糖等にアミラーゼ等の酵素を作用させて製造されるものであり、本実施形態に適用できるオリゴ糖としては、たとえば、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖が挙げられる。
また、前記エステル化合物は、下記一般式(B)で表されるピラノース構造またはフラノース構造の少なくとも1種を1個以上12個以下縮合した化合物である。一般式(B)において、R11〜R15、R21〜R25は、炭素数2〜22のアシル基または水素原子を、m、nはそれぞれ0〜12の整数、m+nは1〜12の整数を表す。
Figure 2015083480
11〜R15、R21〜R25は、ベンゾイル基、水素原子であることが好ましい。ベンゾイル基はさらに置換基R26を有していてもよく、R26としては、例えばアルキル基、アルケニル基、アルコキシル基、フェニル基が挙げられ、さらにこれらのアルキル基、アルケニル基、フェニル基は置換基を有していてもよい。オリゴ糖もエステル化合物と同様の方法で製造することができる。
糖エステル化合物のより具体的な例示としては、一般式(1)で表される化合物などを挙げることができる。
Figure 2015083480
式中、R〜Rは、水素原子、置換若しくは無置換の炭素数2〜22のアルキルカルボニル基、又は置換若しくは無置換の炭素数2〜22のアリールカルボニル基を表す。R〜Rは、同じであってもよく、異なっていてもよい。
以下に、一般式(1)で示される化合物を具体的に示すが(化合物1−1〜化合物1−23)、これらには限定されない。なお、下表において平均置換度が8.0未満の場合、R〜Rのうちのいずれかは水素原子を表す。
Figure 2015083480
Figure 2015083480
Figure 2015083480
(f)アクリル系共重合体
本実施形態のフィルムは、重量平均分子量が500以上30000以下であるアクリル系重合体を含有することができる。中でも分子内に芳香環と親水性基を有しないエチレン性不飽和モノマーXaと分子内に芳香環を有さず親水性基を有するエチレン性不飽和モノマーXbとを共重合して得られた重量平均分子量5000以上30000以下のポリマーX、より好ましくは、分子内に芳香環と親水性基を有しないエチレン性不飽和モノマーXaと分子内に芳香環を有さず親水性基を有するエチレン性不飽和モノマーXbとを共重合して得られた重量平均分子量5000以上30000以下のポリマーXと、芳香環を有さないエチレン性不飽和モノマーYaを重合して得られた重量平均分子量500以上3000以下のポリマーYとを含有することが好ましい。
アクリル系共重合体は、セルロースエステル100質量部に対して1〜30質量部の範囲で添加することができる。
〔実施例〕
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
(セルロースエステル樹脂)
セルロースエステル樹脂として、以下のものを用意した。
DAC:セルロースジアセテート(アセチル基置換度2.45、Mw30万)
(セルロースエステルフィルム)
セルロースエステルフィルムとして、以下のものを用意した。
6UA(コニカミノルタ(株)製)
6TD(フジフイルム(株)製)
(COPフィルム)
COPフィルムとして、以下のものを用意した。
環状オレフィンポリマーフィルム(ZF14 日本ゼオン(株)製)
(棒状化合物)
配向膜を形成する棒状化合物として、以下のものを用意した。
Figure 2015083480
(液晶性化合物)
液晶性化合物として、以下のものを用意した。
Figure 2015083480
<実施例1>
(親水化処理)
上記のセルロースエステルフィルム(6UA)の片面に、エキシマ光を500mJ/cmの強度で照射して表面を親水化処理し、防曇性フィルムを作製した。エキシマ光源を備えた改質処理装置および改質処理条件は、以下の通りである。
〈改質処理装置〉
(株)エム・ディ・コム製エキシマ照射装置MODEL:MECL−M−1−200
波長:172nm
ランプ封入ガス:Xe
〈改質処理条件〉
エキシマ光強度 :130mW/cm(172nm)
試料と光源の距離 :2mm
照射装置内の酸素濃度:0.3%
次に、セルロースエステルフィルム(6UA)の親水化処理した面とは反対側の面に配向膜を形成し、その上に液晶性化合物を用いて位相差層を形成した。配向膜及び位相差層の形成方法は以下の通りである。
(配向膜の形成)
セルロースエステルフィルム(6UA)の親水化処理した面とは反対側の面に、下記の組成の配向膜塗布液をワイヤーバーコーターで20ml/m塗布した。60℃の温風で60秒、更に100℃の温風で120秒乾燥し、膜を形成した。次に、形成した膜に、フィルムの長手方向に対して20°方向にラビング処理を施して配向膜を形成した。
〈配向膜塗布液〉
変性ポリビニルアルコール 10質量部
水 371質量部
メタノール 119質量部
グルタルアルデヒド 0.5質量部
(位相差層の形成)
配向膜上に、下記の組成の位相差層塗布液を、ワイヤーバーで塗布した。これを125℃の恒温槽中で3分間加熱し、棒状液晶性化合物を配向させた。次に、120W/cm高圧水銀灯を用いて、30秒間UV照射して棒状液晶性化合物を架橋した。UV硬化時の温度を80℃として、位相差層を得た。位相差層の厚さは、2.0μmであった。その後、室温まで放冷した。
〈位相差層塗布液〉
棒状液晶性化合物 1.8g
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製) 0.2g
光重合開始剤(イルガキュアー907、チバガイギー社製)
0.06g
増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 0.02g
メチルエチルケトン 3.9g
そして、位相差層側の面とガラス板とを接着剤を用いて貼着することで実施例1のガラス積層体を得た。
<実施例2>
実施例1において、光照射処理の代わりに鹸化処理によってセルロースエステルフィルム(6UA)の両面を親水化処理し、棒状液晶性化合物の代わりに上記のCOPフィルムを何れかの面に貼合して位相差層を形成した。それ以外は、実施例1と同様にして実施例2のガラス積層体を得た。
〈鹸化処理条件〉
2規定(2N)のNaOH水溶液を55℃に設定し、この水溶液に作製したセルロースエステルフィルム(6UA)を1時間浸漬し、水洗後乾燥させて防曇性フィルムを作製した。
<実施例3>
実施例1において、光照射処理の代わりに鹸化処理によってセルロースエステルフィルム(6UA)の両面を親水化処理し、配向膜形成時のラビングの角度を60°に変更し、位相差層のRoが100nmになるように調整した。それ以外は、実施例1と同様にして実施例3のガラス積層体を得た。
<実施例4>
実施例1において、配向膜形成時のラビングの角度を55°に変更し、位相差層を膜厚変更によってRoが70nmになるように調整した。それ以外は、実施例1と同様にして実施例4のガラス積層体を得た。
<実施例5>
実施例1において、6UAの代わりに6TDのセルロースエステルフィルムを用い、光照射処理の代わりに鹸化処理によってセルロースエステルフィルム(6TD)の両面を親水化処理し、配向膜形成時のラビングの角度を45°に調整し位相差層を膜厚変更によってRoが30nmになるように調整した。それ以外は、実施例1と同様にして実施例5のガラス積層体を得た。
<比較例1>
(セルロースエステルフィルムA1の作製)
〈微粒子分散液1〉
シリカ微粒子(アエロジル R972V 日本アエロジル(株)製)
11質量部
エタノール 89質量部
以上をディゾルバーで50分間攪拌混合した後、マントンゴーリンで分散を行った。
〈微粒子添加液1〉
メチレンクロライドを入れた溶解タンクに十分攪拌しながら、微粒子分散液1をゆっくりと添加した。更に、二次粒子の粒径が所定の大きさとなるようにアトライターにて分散を行った。これを日本精線(株)製のファインメットNFで濾過し、微粒子添加液1を調製した。
メチレンクロライド 99質量部
微粒子分散液1 5質量部
〈主ドープA〉
下記組成の主ドープAを調製した。まず加圧溶解タンクにメチレンクロライドとエタノールを添加した。次に溶剤の入った加圧溶解タンクにセルロースアセテートを攪拌しながら投入した。これを加熱し、攪拌しながら、完全に溶解した。これを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過し、主ドープAを調製した。
メチレンクロライド 340質量部
エタノール 64質量部
DAC(セルロ−スジアセテート;平均アセチル基置換度2.45、Mw30万)
100質量部
ポリエステル系化合物B−6 6質量部
糖エステル化合物1−3 6質量部
微粒子添加液1 1質量部
次いで、無端ベルト流延装置を用い、ドープを温度33℃、1500mm幅でステンレスベルト支持体上に均一に流延した。ステンレスベルトの温度は30℃に制御した。そして、ステンレスベルト支持体上で、流延(キャスト)したフィルム中の残留溶媒量が75質量%になるまで溶媒を蒸発させ、次いで剥離張力130N/mで、ステンレスベルト支持体上から剥離した。
剥離したセルロースエステルフィルムを、160℃の熱をかけながらテンターを用いて幅手方向に15%延伸した。延伸開始時の残留溶媒量は15質量%であった。次いで、乾燥ゾーンを多数のローラで搬送させながら乾燥を終了させた。乾燥温度は130℃で、搬送張力は100N/mとした。乾燥後、1.5m幅にスリットし、フィルム両端に幅10mm、高さ10μmのナーリング加工を施し、ロール状に巻き取り、乾燥膜厚40μmのセルロースエステルフィルムA1を得た。巻長は5000mであった。
セルロースエステルフィルムA1の面内方向のリタデーションRoは、下記測定法によって測定した結果、50nmであった。また、遅相軸は延伸処理方向と同様に幅手方向にあった。
(リタデーションの測定)
〈遅相軸の方向〉
アッベ屈折率計(1T)によりフィルム試料の、温度23℃、相対湿度55%RHの環境下、光波長590nmでの面内の平均屈折率を測定し、遅相軸の方向を求めた。
〈リタデーションの測定〉
面内方向のリタデーションRoを、自動複屈折率計KOBRA−21ADH(王子計測機器(株))を用いて測定した。なお、Roは、以下の式で表される。
式(i):Ro=(nx−ny)×d(nm)
ここで、dはフィルムの厚さ(nm)、nxは遅相軸方向の屈折率、nyはフィルム面内で遅相軸に直角な方向の屈折率である。
上記のセルロースエステルフィルムA1の片面とガラス板とを接着剤を用いて貼着することで比較例1のガラス積層体を得た。
<比較例2>
実施例2において、位相差層を省略することで比較例2のガラス積層体を得た。
<比較例3>
セルロースエステルフィルムA1の両面を鹸化処理によって親水化処理し、その片面とガラス板とを接着剤を用いて貼着することで比較例3のガラス積層体を得た。なお、セルロースエステルフィルムA1に位相差上昇剤を添加して、Roが140nmになるように調整した。
<評価方法>
(偏光サングラス装着時の視認性)
偏光サングラスを装着して画像を観察する際の視認性について、以下のようにして評価した。
まず、シャーカステン上に偏光板(液晶ディスプレイの視認側の偏光板を想定)を配置し、作製したガラス積層体を偏光板上に貼り付けた。偏光板の吸収軸とガラス積層体の遅相軸とのなす角度は、表1に記載の角度とした。そして、シャーカステンを点灯させ、偏光サングラスを装着して角度を変えながら観察し、以下の評価基準に基づいて視認性を評価した。
〈評価基準〉
◎:観察する角度を変えても明るさが変化しない。
○:観察する角度を変えると明るさが変化するが、十分明るい。
△:観察する角度を変えると明るさが変化し、やや暗くなる角度がある。
×:観察する角度を変えると明るさが変化し、真っ暗になる角度がある。
上記の視認性の評価について補足する。ガラス積層体が所望のRoを有していると、偏光板を透過した直線偏光が、ガラス積層体によって円偏光または楕円偏光に変換されるため、偏光サングラスを光が透過する(光漏れが生じる)。したがって、この場合の評価としては◎、○、△の何れかになる。一方、ガラス積層体が所望のRoを有していない場合は、偏光板を透過した直線偏光が、ガラス積層体によって円偏光または楕円偏光に変換されず、偏光サングラスで遮断される。このため、評価としては×になる。
(蒸気照射後の曇りおよびそれによる視認性)
作製したガラス積層体に対して、23℃55%RHの条件下で40℃の蒸気を所定時間(60秒、45秒、20秒、5秒の何れか)照射し続けた。そして、蒸気照射後の、蒸気照射前に対するヘイズ(曇り度)の変化と、偏光サングラス装着時の視認性とを調べた。なお、ヘイズの測定は、ヘイズメーター NDH2000(日本電色社製)を用いて行った。そして、以下の評価基準に基づいて、蒸気照射後の曇り度について評価した。なお、偏光サングラス装着時の視認性の評価基準は上記と同様である。
〈評価基準〉
◎:60秒照射した後のヘイズ変化が3%以内である。
○:45秒照射した後のヘイズ変化が3%以内である。
△:20秒照射した後のヘイズ変化が3%以内である。
×:5秒照射した後のヘイズ変化が10%以上である。
実施例および比較例の評価結果を表1に示す。
Figure 2015083480
表1の結果より、蒸気を照射していない状態での偏光サングラス装着時の視認性については、比較例2のみ×であり、偏光サングラスでの視認性に不適であると言える。それ以外は◎、○、△の何れかであり、偏光サングラスでの視認性に問題はないと言える。これは、比較例2には位相差層がないため、偏光板を透過した直線偏光が、ガラス積層体によって円偏光または楕円偏光に変換されず、偏光サングラスで遮断されるからである。一方、実施例1〜5は位相差層を有し、比較例1及び3はセルロースエステルフィルムA1自体がRoを有しているので、偏光板を透過した直線偏光が、ガラス積層体によって円偏光または楕円偏光に変換されるため、偏光サングラスを光が透過する。
次に、蒸気照射後の曇り度については、比較例1及び3が×であり、蒸気照射後の防曇機能の低下が抑えられていないと言える。それ以外は◎又は○であり、蒸気照射後の防曇機能の低下が抑えられていると言える。これは、比較例1では防曇機能が付与されていないためであり、比較例3では鹸化処理によってセルロースエステルフィルムA1の両面に膜厚の大きい吸水層(親水化層)が形成され、フィルムの吸湿量(含水率)が大幅に増加したため、蒸気照射によって多量の水分を吸収してリタデーションRoが低下したからであると考えられる。一方、実施例1及び4は光照射による親水化処理がなされているため吸水によるリタデーションRoの低下の懸念がない。また、実施例2、3、5、比較例2は位相差機能を有さないセルロースエステルフィルムを用いているため、リタデーションRoの低下の概念がない。
次に、蒸気照射後の偏光サングラス装着時の視認性については、比較例2のみ×であり、偏光サングラスでの視認性に不適であると言える。それ以外は◎、○、△の何れかであり、偏光サングラスでの視認性に問題はないと言える。これは、元々比較例2には位相差層がないためである。一方、実施例1〜5は位相差層がセルロースエステルフィルムで覆われているのでリタデーションRoの低下の懸念がない。また、比較例1及び3は蒸気照射によって多量の水分を吸収してリタデーションRoが低下するが、その度合いが円偏光または楕円偏光に変換する機能の低下までには至っていないと考えられる。
以上より、評価結果に×のない実施例1〜5のガラス積層体を、液晶ディスプレイと空隙層を介して配置したときには、防曇機能の発現と偏光サングラス装着時の視認性向上とを同時に実現することができ、また、蒸気照射後の防曇機能の低下が抑えられることにより、偏光サングラス非装着時の通常の視認性も向上させることができると言える。
以上で説明した本実施形態のガラス積層体及び液晶表示装置は、以下のように表現することができる。
1.ガラスと、位相差層と、フィルムとがこの順で積層されたガラス積層体であって、
前記フィルムは、グルコース環の側鎖の少なくとも1つ以上に炭素が置換されている高分子フィルムであり、前記位相差層とは反対側の表面が親水化処理されて防曇性を有することを特徴とするガラス積層体。
2.前記高分子フィルムは、セルロースエステルフィルムであることを特徴とする前記1に記載のガラス積層体。
3.前記位相差層は、液晶性化合物であることを特徴とする前記1又は2に記載のガラス積層体。
4.前記位相差層と前記フィルムとの間に、タッチセンサーとなる導電部を備えることを特徴とする前記1〜3の何れかに記載のガラス積層体。
5.前記フィルムにはリン酸系の可塑剤が添加されていないことを特徴とする前記1〜4の何れかに記載のガラス積層体。
6.前記1〜5の何れかに記載のガラス積層体と、液晶ディスプレイとを備え、
前記ガラス積層体は、前記フィルムと前記液晶ディスプレイとの間に空隙層が位置するように配置されていることを特徴とする液晶表示装置。
7.前記位相差層の遅相軸と、前記液晶ディスプレイの前記ガラス積層体側の偏光板の吸収軸とのなす角度が、10°以上80°以下であることを特徴とする前記6に記載の液晶表示装置。
本発明のガラス積層体は、カーナビゲーションシステム等の液晶ディスプレイの前面に空隙層を介して配置されるタッチパネルをはじめ、屋外で使用されるインフォメーションディスプレイなど各種表示装置の保護板として利用することができる。
1 液晶表示装置
2 ガラス積層体
3 液晶ディスプレイ
4 ガラス
5 導電部
6 フィルム
7 位相差層
34 偏光板
S 空隙層

Claims (7)

  1. ガラスと、位相差層と、フィルムとがこの順で積層されたガラス積層体であって、
    前記フィルムは、グルコース環の側鎖の少なくとも1つ以上に炭素が置換されている高分子フィルムであり、前記位相差層とは反対側の表面が親水化処理されて防曇性を有することを特徴とするガラス積層体。
  2. 前記高分子フィルムは、セルロースエステルフィルムであることを特徴とする請求項1に記載のガラス積層体。
  3. 前記位相差層は、液晶性化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス積層体。
  4. 前記位相差層と前記フィルムとの間に、タッチセンサーとなる導電部を備えることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のガラス積層体。
  5. 前記フィルムにはリン酸系の可塑剤が添加されていないことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のガラス積層体。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載のガラス積層体と、液晶ディスプレイとを備え、
    前記ガラス積層体は、前記フィルムと前記液晶ディスプレイとの間に空隙層が位置するように配置されていることを特徴とする液晶表示装置。
  7. 前記位相差層の遅相軸と、前記液晶ディスプレイの前記ガラス積層体側の偏光板の吸収軸とのなす角度が、10°以上80°以下であることを特徴とする請求項6に記載の液晶表示装置。
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