JPWO2015080278A1 - 弾性波素子、分波器および通信装置 - Google Patents

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Abstract

本発明の弾性波素子は、圧電基板2と、圧電基板2の上面2Aに位置し、弾性波を発生させる励振電極3と、圧電基板2の上面2Aに位置し、弾性波の伝搬方向において励振電極3を挟む2つの反射器4とを備える。励振電極3は、弾性波の伝搬方向の両端部間に位置する主領域3aとその両側に位置する端部領域3bとを有する。端部領域3bの電極指の数をmとし、主領域3aの電極指間隔をaとし、主領域3aの端部領域3b側の電極指と反射器4の反射器電極指との間隔をxとすると、0.5×a×(m+1)<x<a×(m+1)を満たす。また、反射器4の共振周波数が励振電極3の主領域3aにおける共振周波数よりも低い。

Description

本発明は、弾性波素子、分波器および通信装置に関するものである。
近年、移動体端末等の通信装置において、アンテナから送信・受信される信号をフィルタリングする分波器に弾性波素子が用いられている。弾性波素子は、圧電基板と、圧電基板の主面に形成された励振電極とで構成されている。弾性波素子は、励振電極と圧電基板との関係で電気信号と弾性表面波とを相互に変換することができる特性を利用するものである。
分波器は、複数の弾性波素子を用いることによって、例えば受信フィルタ(Rxフィルタ)または送信フィルタを構成している(特開2007−214902号公報等を参照)。分波器は、複数の弾性波素子を組み合わせることにより、受信帯域または送信帯域の通過帯域が設定される。
このような分波器において、受信帯域または送信帯域の通過帯域内の特性を向上させることが課題の一つとなっている。
そこで、本発明はかかる実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、信号の通過帯域内の特性を向上させることが可能な弾性波素子、分波器および通信装置を提供することにある。
本発明の一実施形態に係る弾性波素子は、圧電基板と、励振電極と、反射器とを備える。前記励振電極は、前記圧電基板の上面に位置し、複数の電極指を有するものであり、弾性波を発生させる。前記反射器は、前記圧電基板の上面に位置し、複数の反射器電極指を有する。この反射器は、前記弾性波の伝搬方向において、前記励振電極を挟むように2つ配置されている。前記励振電極は、前記弾性波の伝搬方向における両端部間に位置し、前記電極指の電極指設計が一様な主領域と、該主領域とは電極指設計が変調する部位から端部まで続く、前記主領域を挟んで両側に位置する2つの端部領域とを有している。前記反射器は、前記反射器電極指の電極指設計で決まる共振周波数が、前記励振電極における前記主領域の前記電極指の電極指設計で決まる共振周波数よりも低くなっている。そして、前記主領域において前記電極指の中心とこれに隣接する前記電極指の中心との間隔をaとし、前記端部領域を構成する前記電極指の数をmとし、前記主領域の前記電極指のうち最も前記端部領域の側に位置する前記電極指の中心と、前記反射器の前記反射器電極指のうち最も前記端部領域の側に位置する前記反射器電極指の中心との距離をxとすると、0.5×a×(m+1)<x<a×(m+1)を満たしている。
本発明の一実施形態に係る分波器は、アンテナ端子と、送信信号をフィルタリングして前記アンテナ端子に出力する送信フィルタと、前記アンテナ端子からの受信信号をフィルタリングする受信フィルタとを備えた分波器であって、前記送信フィルタまたは前記受信フィルタは、上述の弾性波素子を有する。
本発明の一実施形態に係る通信装置は、アンテナと、該アンテナに電気的に接続された、上述の分波器と、該分波器に電気的に接続されたRF−ICとを備える。
本発明の弾性波素子、分波器および通信装置によれば、信号の通過帯域内の特性を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る弾性波素子の構成を示す平面図である。 図1の弾性波素子において、Ic−Ic線で切断した一部の断面に相当する。 図1の弾性波素子において、IDT電極の一部を拡大した拡大平面図である。 図1の弾性波素子において、反射器の一部を拡大した拡大平面図である。 図1の弾性波素子において、IDT電極の一部を拡大した拡大平面図である。 図5において、弾性波共振の主領域と端部領域の繰り返し配列部の位相の関係を模式的に表したものである。 比較例1に係る弾性波素子のシミュレーションをした結果であり、(b)は(a)の一部を拡大したものである。 実施例1に係る弾性波素子のシミュレーションをした結果である。 実施例1に係る弾性波素子のシミュレーションをした結果である。 比較例2に係る弾性波素子のシミュレーションをした結果であり、(b)は(a)の一部を拡大したものである。 比較例3に係る弾性波素子のシミュレーションをした結果であり、(b)は(a)の一部を拡大したものである。 実施例1に係る弾性波素子において、効果を奏する変化部の位置範囲をシミュレーションした結果である。 本発明の一実施形態に係る弾性波素子の変形例(実施例2)を示す平面図である。 実施例2に係る弾性波素子のシミュレーションをした結果である。 実施例2に係る弾性波素子において、効果を奏する変化部の範囲をシミュレーションした結果である。 本発明の一実施形態に係る通信装置を説明する概略図である。 本発明の一実施形態に係る分波器を説明する回路図である。 図14の分波器のシミュレーションをした結果である。 図1の弾性波素子のIDT電極および反射器電極の一部を示す要部拡大図である。 実施例3に係る弾性波素子のシミュレーションをした結果であり、(b)は(a)の一部を拡大したものである。 比較例3に係る弾性波素子のシミュレーションをした結果であり、(b)は(a)の一部を拡大したものである。 比較例4に係る弾性波素子のシミュレーションをした結果であり、(b)は(a)の一部を拡大したものである。 実施例3に係る弾性波素子のシミュレーションをした結果である。 実施例3に係る弾性波素子のシミュレーションをした結果である。 実施例4に係る弾性波素子のシミュレーションをした結果である。
以下、本発明の一実施形態に係る弾性波素子、分波器および通信装置について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いる図は模式的なものであり、図面上の寸法比率等は現実のものとは必ずしも一致していない。
弾性波素子は、いずれの方向が上方または下方とされてもよいものであるが、以下では、便宜的に、直交座標系xyzを定義するとともに、z方向の正側を上方として、上面、下面等の用語を用いるものとする。
<弾性波素子の構成の概要>
図1は、本発明の一実施形態に係る弾性波(SAW:Surface Acoustic Wave)素子1の構成を示す平面図である。図2は図1のIc−Ic切断線における一部の断面図である。SAW素子1は、図1に示すように、圧電基板2、圧電基板2の上面2Aに設けられた励振電極(IDT(Interdigital Transducer)電極)3および反射器4を有している。
SAW素子1は、IDT電極3のうち反射器4側に位置する2つの端部領域3bの電極指設計と、反射器4の電極指設計とにより、信号の通過帯域の特性を向上させることができる。以下、各構成要件について詳述する。
圧電基板2は、ニオブ酸リチウム(LiNbO)結晶またはタンタル酸リチウム(LiTaO)結晶からなる圧電性を有する単結晶の基板によって構成されている。具体的には、例えば、圧電基板2は、36°〜48°Y−XカットのLiTaO基板によって構成されている。圧電基板2の平面形状および各種寸法は適宜に設定されてよい。一例として、圧電基板2の厚み(z方向)は、0.2mm〜0.5mmである。
IDT電極3は、図1に示すように、第1櫛歯電極30aおよび第2櫛歯電極30bを有している。なお、以下の説明では、第1櫛歯電極30aおよび第2櫛歯電極30bを単に櫛歯電極30といい、これらを区別しないことがある。
櫛歯電極30は、図1に示すように、互いに対向する2本のバスバー31と、各バスバー31から他のバスバー31側へ延びる複数の電極指32とを有している。そして、1対の櫛歯電極30は、第1電極指32aと第2電極指32bとが、弾性波の伝搬方向に互いに噛み合うように(交差するように)配置されている。なお、バスバー31には、電極指32と対向するダミー電極が配置されていてもよい。本実施形態は、ダミー電極が配置されていない場合である。
弾性波は、複数の電極指32に直交する方向に発生し、伝搬する。従って、圧電基板2の結晶方位を考慮した上で、2本のバスバー31は、弾性波を伝搬させたい方向に交差する方向において互いに対向するように配置される。複数の電極指32は、弾性波を伝搬させたい方向に対して直交する方向に延びるように形成される。なお、弾性波の伝搬方向は複数の電極指32の向き等によって決まるが、本実施形態では、便宜的に、弾性波の伝搬方向を基準として、複数の電極指32の向き等を説明することがある。
バスバー31は、例えば、概ね一定の幅で直線状に延びる長尺状に形成されている。従って、バスバー31の互いに対向する側の縁部は直線状である。複数の電極指32は、例えば、概ね一定の幅で直線状に延びる長尺状に形成されており、弾性波の伝搬方向に概ね一定の間隔で配列されている。
IDT電極3には、図1に示すように、弾性波の伝搬方向において、両端間に配置された主領域3aと両端から主領域3aまでの2つの端部領域3bとが設定されている。IDT電極3の主領域3aを構成する一対の櫛歯電極30の複数の電極指32は、隣接する電極指32の幅の中心間の間隔が第1ピッチPt1aとなるように設定されている。第1ピッチPt1aは、主領域3aにおいて、例えば、共振させたい周波数での弾性波の波長λの半波長と同等となるように設定されている。波長λ(2×Pt1a)は、例えば1.5μm〜6μmである。ここで第1ピッチPt1aは、図3に示すように、弾性波の伝搬方向において、第1電極指32aの幅の中心から、当該第1電極指32aに隣接する第2電極指32bの幅の中心までの間隔を指すものである。以下、ピッチを説明する際に、「電極指32の幅の中心」を単に「電極指32の中心」として説明することがある。
各電極指32は、弾性波の伝搬方向における幅w1が、SAW素子1に要求される電気特性等に応じて適宜に設定される。電極指32の幅w1は、例えば第1ピッチPt1aに対して0.3倍〜0.7倍である。
複数の電極指32の長さ(バスバー31から先端までの長さ)は、例えば概ね同じ長さに設定される。なお、各電極指32の長さを変えてもよく、例えば弾性波の伝搬方向に進むにつれて長くしたり、短くなるようにしたりしてもよい。具体的には、各電極指32の長さを伝搬方向に対して変化させることによってアポダイズ型のIDT電極3を構成してもよい。この場合には、横モードのスプリアスを低減させたり、耐電力性を向上させたりすることができる。
IDT電極3は、例えば金属からなる導電層15によって構成されている。この金属としては、例えばAlまたはAlを主成分とする合金(Al合金)が挙げられる。Al合金は、例えばAl−Cu合金である。なお、IDT電極3は、複数の金属層から構成されてもよい。IDT電極3の各種寸法は、SAW素子1に要求される電気特性等に応じて適宜に設定される。IDT電極3の厚み(z方向)は、例えば50nm〜600nmである。
IDT電極3は、圧電基板2の上面2Aに直接配置されていてもよいし、別の部材を介して圧電基板2の上面2Aに配置されていてもよい。この別の部材は、例えばTi、Crあるいはこれらの合金等からなる。別の部材を介してIDT電極3を圧電基板2の上面2Aに配置する場合は、この別の部材の厚みはIDT電極3の電気特性に殆ど影響を与えない程度の厚み(例えばTiからなる場合は、IDT電極3の厚みの5%の厚み)に設定される。
また、IDT電極3を構成する電極指32上には、SAW素子1の温度特性を向上させるために、質量付加膜を積層してもよい。質量付加膜としては、例えばSiO等を用いることができる。
IDT電極3は、電圧が印加されると、圧電基板2の上面2A付近においてx方向に伝搬する弾性波を励起する。励起された弾性波は、電極指32の非配置領域(隣接する電極指32間の長尺状の領域)との境界において反射する。そして、主領域3aの電極指32の第1ピッチPt1aを半波長とする定在波が形成される。定在波は、当該定在波と同一周波数の電気信号に変換され、電極指32によって取り出される。このようにして、SAW素子1は、1ポート共振子として機能する。
反射器4は、複数の反射器電極指42の間がスリット状になるように形成されている。すなわち、反射器4は、弾性波の伝搬方向に交差する方向において互いに対向する反射器バスバー41と、これらバスバー41間においてバスバー41同士を繋ぐように弾性波の伝搬方向に直交する方向に延びる複数の反射器電極指42とを有している。反射器バスバー41は、例えば、概ね一定の幅で直線状に延びる長尺状に形成されており、弾性波の伝搬方向に平行に配置されている。隣接する反射器バスバー41の間の間隔は、例えば、IDT電極3の隣接するバスバー31の間の間隔と概ね同一に設定することができる。
複数の反射器電極指42は、IDT電極3で励起される弾性波を反射させるピッチPt2に配置されている。ピッチPt2については後述する。ここでピッチPt2は、図4に示すように、伝搬方向において、反射器電極指42の中心と、これに隣接する反射器電極指42の中心との間隔を指すものである。
また、複数の反射器電極指42は、概ね一定の幅で直線状に延びる長尺状に形成されている。反射器電極指42の幅w2は、例えば電極指32の幅w1と概ね同じに設定することができる。反射器4は、例えば、IDT電極3と同一の材料によって形成されるとともに、IDT電極3と同等の厚みに形成されている。
保護層5は、図2に示すように、IDT電極3および反射器4上を覆うようにして圧電基板2上に設けられている。具体的には、保護層5は、IDT電極3および反射器4の表面を覆うとともに、上面2AのうちIDT電極3および反射器4から露出する部分を覆っている。保護層5の厚みは、例えば1nm〜50nmである。
保護層5は、絶縁性を有する材料からなり、IDT電極3および反射器4を腐食等から保護することに寄与する。好適には、保護層5は、温度が上昇すると弾性波の伝搬速度が速くなるSiOなどの材料によって形成されており、これによって弾性波素子1の温度の変化による電気特性の変化を小さく抑えることもできる。
このような構成のSAW素子1において、主領域3aよりも端部側に位置する端部領域3bの電極指設計と、反射器4の電極指設計とが、次の通り設定されている。
(I)IDT電極3の端部領域3bについて
IDT電極3は、主領域3aと端部領域3bとを備える。主領域3aの電極指設計は一様であり、その電極指設計はIDT電極3全体の励振周波数を決定するものである。すなわち、所望の励振周波数に合わせて、電極指32のピッチ、幅、厚み等の設計パラメーターを一定にした電極指設計をしている。端部領域3bは、この主領域3aの一様な電極指設計から変調する部分から端部まで続く領域を指す。ここで「変調する」とは、電極指32のピッチ(電極指32の中心間の間隔)、ギャップ(電極指32間の隙間)、幅、厚みの設計パラメーターの少なくとも1つを変化させることをいう。主領域3aを構成する電極指32の本数と端部領域3bを構成する電極指32の本数とは、主領域3aの電極指設計による共振周波数がIDT電極3全体の励振周波数を決定するように適宜設定する。具体的には、主領域3aを構成する電極指32の本数を、端部領域3bを構成する電極指32の本数よりも多くすればよい。
図19に、IDT電極3と反射器4との要部拡大断面図を示す。ここで、主領域3aのうち、最も端部領域3bの側に位置する電極指32を電極指Aとし、これに隣り合う電極指32であって、端部領域3bのうちで最も主領域3aの側に位置する電極指32を電極指Bとし、反射器4のうちで最もIDT電極3の側に位置する反射器電極指42を反射器電極指Cとする。また、主領域3aにおける、電極指32の幅の中心とこれに隣り合う電極指32の幅の中心との間隔をaとし(前出の第1ピッチPt1a)、端部領域3bを構成する電極指32の本数をmとし、電極指Aの幅の中心と反射器電極指Cの幅の中心との距離をxとすると、xは0.5×a×(m+1)よりも大きく、a×(m+1)よりも小さい値となっている。
このように構成することで、電極指Aと反射器電極指Cとの距離を、端部領域3bが主領域3aと端部領域3bとの間で電極指設計が変調せずに一様となっている場合に比べて小さくすることができる。これにより、端部領域3bにおけるIDT電極3の電極指32が繰り返し配列された部分(以下、配列部ということがある)を、主領域3aの側に近付けることができる。その結果、弾性波を発生させるIDT電極3の境界条件を変化させることができ、縦モードの発生を抑制することができる。
このような条件を満足する、電極指Aと反射器電極指Cとの距離を変化させる具体的な一例について説明する。例えば、図5に示すように、隣接する第1電極指32aおよび第2電極指32bの隙間であるギャップGpを変化させることによって、電極指Aと反射器電極指Cとの距離を変化させることができる。具体的に、端部領域3bの電極指32の配列部全体を主領域3aに対してシフトさせるためには、主領域3aにおける隣接する電極指32(第1電極指32aおよび第2電極指32b)の隙間である第1ギャップGp1よりも、電極指Aと電極指Bとの隙間である第2ギャップGp2が狭くなるように設定すればよい。この第1ギャップGp1よりも小さい第2ギャップGp2が変化部300となる。
ここで、IDT電極3の繰り返し配列について検討する。図6に示すように、IDT電極3の電極指32の繰り返し配列は、例えば、第1電極指32aの中心と、第2電極指32bを挟んで隣に位置する第1電極指32aの中心とを1周期として繰り返されたものを指す。なお、図6は、第2電極指32bの中心を最大の変位となるように設定した一例である。このような繰り返し配列によって生じる繰り返し周期を仮定する。
図6には、主領域3aのIDT電極3の繰り返し配列をそのままの周期を保って端部側に延長したものと、端部領域3bのIDT電極3の繰り返し配列をそのままの周期を保って主領域3a側に延長したものとが示されている。この2つの繰り返し配列を比較する。端部領域3bのIDT電極3の繰り返し配列によって仮定される繰り返し周期の位相が、主領域3aにおけるIDT電極3の繰り返し配列によって仮定される繰り返し周期の位相に比べて、主領域3a側にシフトしている。この構成によって、弾性波を発生させるIDT電極3の境界条件を変化させることができ、縦モードの発生を抑制することができる。
(II)反射器の電極指設計について
上記電極指Aと反射器電極指Cと位置関係の設定に加えて、反射器4の電極指設計で決まる共振周波数が、IDT電極3の主領域3aの電極指設計で決まる共振周波数よりも低く設定されている。反射器4の共振周波数は、ピッチPt2を狭くすると高くなり、ピッチPt2を広くすると低くなる。そのため、反射器4の共振周波数をIDT電極3の主領域3aの共振周波数よりも低くするには、反射器4の反射器電極指42のピッチPt2を、IDT電極3の主領域3aにおけるピッチPt(第1ピッチPt1a)よりも広くなるように設定すればよい。
ここで、本実施形態において電極指Aと反射器電極指Cとの距離を変化させ、反射器4の共振周波数を所定の値に設定したSAW素子の効果を確かめるために、SAW素子の周波数特性のシミュレーションを行なった。まず比較例1として従来のSAW素子をシミュレーションした条件は次の通りである。
(比較例1のシミュレーション条件)
[圧電基板2]
材料:42°YカットX伝播LiTaO基板
[IDT電極3]
材料:Al−Cu合金(ただし、圧電基板2と導電層15との間には6nmのTiからなる下地層あり。)
厚さ(Al−Cu合金層):324nm
IDT電極3の電極指32:
本数:100本
第1ピッチPt1a:2.19μm
デューティー(w1/Pt1):0.5
交差幅W:65.7μm(15λ)
[反射器4]
材料:Al−Cu合金(ただし、圧電基板2と導電層15との間には6nmのTiからなる下地層あり。)
厚さ(Al−Cu合金層):324nm
反射器電極指42の本数:30本
反射器電極指42のピッチPt2:2.19μm(Pt1a×1.00)
[保護層5]
材料:SiO
厚さ:15nm
このようなシミュレーションの条件で計算した比較例1のSAW素子の結果を図7に示す。図7に示すグラフは、横軸に周波数を、縦軸にインピーダンスの絶対値|Z|またはインピーダンスの位相を示している。また、図7(b)は、図7(a)の一点鎖線で囲んだ箇所を拡大したものである。この結果から、共振周波数である約900MHzよりも低い周波数の890MHz前後にスプリアスが発生していることが分かる。これは、SAW素子において、反射器内で振動強度が大きくなる反射器モードのスプリアスが発生していることが原因の1つであると考えられる。
次に、本実施形態に係るSAW素子(実施例1)が効果を奏することをシミュレーションにより確認した。以下、本実施形態に係るSAW素子(実施例1)の条件を示す。なお、下記の条件は、比較例1のSAW素子と異なる箇所のみを示すものである。
(実施例1のシミュレーション条件)
[IDT電極3]
IDT電極3の電極指32:
第2ギャップGp2の位置:(IDT電極3の端部から)8本目と9本目との間
第2ギャップGp2:第1ギャップGp1×0.90
[反射器4]
反射器電極指42のピッチPt2:第1ピッチPt1a×1.02
このようなシミュレーションの条件で計算した実施例1のSAW素子の結果を図8に示す。図8に示すグラフは、横軸に周波数を、縦軸にインピーダンスの絶対値|Z|またはインピーダンスの位相を示している。また、図8(b)は、図8(a)の一点鎖線で囲んだ箇所を拡大したものである。
この結果から、主領域3aよりも端部側に位置する端部領域3bが変化部300を有することにより、反射器モードのスプリアスを低減し、比較例1では890MHz前後に発生していたインピーダンスのスプリアスを低減することができることが分かる。なおこの例では、IDT電極3の端部から8本の電極指を含み、9本目の電極指の手前までの領域で端部領域3bが構成されているものとなる。
次に、第2ギャップGp2の最適値についてシミュレーションを行なった。シミュレーションの条件は、上述の実施例1の第2ギャップ(Gp2)を変化させている以外同じである。この結果を、図9に示す。
図9に示すグラフは、横軸が第2ギャップGp2であり、縦軸が通過帯域外のスプリアスの最大位相ピークである。ここで、最大位相ピークとは、通過帯域外の最も大きいスプリアスを示す位相の値であり、−90degとの差分が大きいほどスプリアスが大きいこととなる。図9においては、比較例1の最大位相ピークを横軸と平行に伸びる破線で示している。図9に示す結果から、第2ギャップGp2を第1ギャップGp1に対して0.87倍以上であり、且つ1倍よりも小さく設定することにより、上記効果を奏することが分かる。また、図9に示す結果から、第2ギャップGp2を第1ギャップGp1の0.90倍としたときにスプリアスの最大位相ピークを実質的に無くすこと(図9に示す結果では−90degに対応)ができるため、スプリアスを大幅に低減することができることが分かる。
さらに本実施形態に係るSAW素子(実施例1)の効果を確かめるために、比較例1に対して、(I)主領域3aよりも端部側に変化部を含む端部領域を有している場合(比較例2)と、(II)反射器の共振周波数のみ所定の値に設定した場合(比較例3)とについてシミュレーションを行なった。言い換えると、比較例2では反射器の共振周波数は主領域3aと同等であり、比較例3ではIDT電極3は全て一様な電極指設計となっている。実施例1および比較例1〜3の対応表を表1に示す。
Figure 2015080278
表1において、第2ギャップGp2の欄は第1ギャップGp1に対する倍率を示している。具体的に、比較例2のSAW素子は、第2ギャップGp2が、第1ギャップGp1に対して0.90倍に設定されている。また、表1において、反射器4のピッチPt2の欄は、IDT電極3の第1ピッチPt1aに対する倍率を示している。
比較例2のSAW素子の条件でシミュレーションした結果を図10に、比較例3のSAW素子の条件でシミュレーション結果を図11にそれぞれ示す。図10および図11に示すグラフは、横軸に周波数を、縦軸にインピーダンスの絶対値|Z|またはインピーダンスの位相を示している。
比較例2のSAW素子が示すように、変化部300であるギャップGp2のみを所定の値に設定した場合には、図10に示すように、比較例1のSAW素子で発生していた890MHz前後のスプリアスは低減することができるものの、共振周波数近傍の895MHz付近に大きなスプリアスが発生している。これは、IDT電極3内に弾性波の伝搬方向に沿って複数のピークを持つ振動モード(いわゆる縦モード)が発生しているためと考えられる。
一方、比較例3のSAW素子が示すように、反射器の共振周波数のみを所定の値に設定した場合には、図11に示すように、比較例1のSAW素子で発生していた890MHz前後の反射器モードのスプリアスは低減することができるものの、893MHz付近に新たなスプリアス(縦モードのスプリアスと推定される)が発生していることが分かる。
以上のことから、本実施形態のSAW素子によれば、(I)主領域3aよりも端部側の変化部300を含む端部領域3bと、(II)反射器の共振周波数とを所定の設計とすることによって、反射器モードのスプリアスを低減するとともに、縦モードのスプリアスを低減することができることから、通過帯域よりも低い周波数に発生するスプリアスを低減することができる。
また、反射器4の共振周波数を主領域3aにおける共振周波数よりも低く設定することにより、反射器4の反射周波数領域を主領域3aにおける共振周波数よりも低周波側にシフトさせることができる。このため、SAW素子1を主領域3aの共振周波数よりも低い周波数で動作させた時に、主領域3aで発生した弾性波が反射器4から漏洩することを防ぐことができる。これにより、主領域3aの共振周波数よりも低い周波数でのロスを低減することができる。
以上の結果より、後述する図16に示すように、フィルタ特性において、通過帯域中央部のリップルおよび損失を改善することができ、受信帯域または送信帯域内の特性を向上させることができる。
さらに、上述の実施例1のSAW素子1では変化部となる電極指Aと電極指Bとのギャップの変化部を端部から8本目と9本目との間に設定したが、この設定を変更しても上記効果を奏する範囲の検討を行なった。具体的には、実施例1のSAW素子において、電極指Aと電極指Bとの位置を変化させてシミュレーションを行なった。そのシミュレーションの結果を図12に示す。図12に示すグラフは、横軸が電極指Bの位置を端部からの本数m(m本目とm+1本目の間)で示したものであり、縦軸がスプリアスの最大位相ピークである。このグラフにおいて横軸に平行な破線は、比較例1のSAW素子における最大位相ピークを示している。なお、それぞれの本数mについて、スプリアスの最大位相ピークが最小となるように第2ギャップGp2を調整した。換言すると、図12には、それぞれの本数mについてスプリアスの最大位相ピークの最小値が示されている。
この結果から、本数mを70本以上にすると、スプリアスの最大位相ピークが比較例1よりも悪くなっていることから、本数mを70本よりも少なくすることによって上記効果を奏することが分かる。この結果、本数mが8本のときは、スプリアスの最大位相ピークを−90degとすることができるため、スプリアスを大幅に低減できることが分かる。
一方、図12に示す結果から、本数mが0本の場合であっても、比較例1のSAW素子よりもスプリアスの最大位相ピークを低減できていることが分かる。なお、本数mが0本のときは、IDT電極3と反射器4との間隔を減少方向に変化させたものであり、端部領域3bに電極指32が存在しない場合である。この場合であっても、電極指Bと反射器電極指Cとの間隔を本来の間隔よりも近付けたことになる。以上の結果から、電極指Bの位置を端部からの本数mで示した場合に、上記効果を奏するギャップの変化部は、0≦m<70の範囲に設定される。
なお、上述の例では、IDT電極3において電極指設計が変調する部分は第2ギャップGp2のみである。すなわち、端部領域3bにおいて隣接する電極指32のギャップは第1ギャップGp1と等しく、電極指幅、電極指厚みおよびピッチは主領域3aと同等である。このように、端部領域3bの電極指32の配置を主領域3aの電極指32の配置と近くすることで、意図せぬ表面波の損失または漏洩を抑制することができる。また、ギャップが小さくなる部分を少なくすることで、耐電力性が低下することを抑制することができる。
(電極指Aと反射器電極指Cとの距離を制御する他の方法1)
上述の例では、IDT電極3の端部領域3bの電極指設計として、IDT電極3の第2ギャップGp2を変化させる方法を説明したが、変化部300としてIDT電極3の電極指32の幅w1aを変化させてもよい。
具体的には、図13に示すように、変化部300では電極指32(電極指B)の幅w1aが主領域3aでの電極指32の幅w1よりも狭く設定されているとともに、第2ギャップGp2を第1ギャップGp1と同じになるように設定すればよい。このように設定することによっても、変化部300よりも端部の側のIDT電極3の配列部全体を、主領域3aにおけるIDT電極3の配列部の側にシフトさせることができる。
この場合には、電極指Aよりも端部側の領域が端部領域3bとなり、端部領域3bが変化部300を含むものとなる。
このように電極指32の幅w1aを変化させた場合でも本実施形態に係るSAW素子(実施例2)が効果を奏することを、シミュレーションによって確認した。実施例2に係るSAW素子のシミュレーションの条件を示す。なお、下記の条件は、比較例1のSAW素子と異なる箇所のみを示すものである。
(実施例2のシミュレーション条件)
[IDT電極3]
IDT電極3の電極指32:
変化部300の位置(電極指Bの位置):(IDT電極3の端部から)9本目
変化部300の電極指32の幅w1a:主領域3aの電極指32の幅w1×0.90
[反射器4]
反射器電極指42のピッチPt2:第1ピッチPt1a×1.02
このようなシミュレーションの条件で計算した実施例2のSAW素子の結果を図14に示す。図14に示すグラフは、横軸に周波数を、縦軸にインピーダンスの絶対値|Z|またはインピーダンスの位相を示している。また、図14(b)は、図14(a)の一点鎖線で囲んだ箇所を拡大したものである。なお、本シミュレーションは、主領域3aよりも端部側に位置するIDT電極3の電極指32(電極指B)の幅w1aを1つ変化させた場合である。
このように変化部300としてIDT電極3の電極指32の幅w1aを変化させた場合であっても、実施例1と同様に、縦モードのスプリアスを低減し、比較例1では890MHz前後に発生していたインピーダンスのスプリアスを低減することができる。
さらに、電極指32の幅w1aを変化させて、比較例1に対して効果のある範囲をシミュレーションした。その結果を図15に示す。図15において、横軸が主領域3aの電極指32の幅に対する電極指B(変化部300の電極指32)の幅(w1a/w1)を示したものであり、縦軸がスプリアスの最大位相ピークである。また、比較例1のSAW素子における最大位相ピークを横軸と平行な破線で示している。
この結果から、電極指32の幅w1aを主域3aの電極指32の幅w1に対して0.877倍以上であり、且つ1倍よりも小さく設定することにより、比較例1に比べて効果があることが分かる。
(電極指Aと反射器電極指Cとの距離を制御する他の方法2)
上述の実施例1および実施例2では、電極指Aと電極指Bとのギャップを調整したり電極指Bの幅を調整したりすることで、電極指Aと反射器電極指Cとの距離について所望の条件を満たしたが、端部領域3bの電極指設計で決まる共振周波数を、主領域3aの電極指設計で決まる共振周波数よりも高くすることで実現してもよい。
主領域3aおよび端部領域3bに位置するIDT電極3の共振周波数は、IDT電極3のピッチPt1を調整することによって変化させることができる。具体的には、共振周波数を高くするためにはピッチPt1を狭くすればよく、共振周波数を低くするためにはピッチPt1を広くすればよい。そのため、IDT電極3において、主領域3aの共振周波数を端部領域3bの共振周波数よりも低くなるように設定するには、第1ピッチPt1aを第2ピッチPt1bよりも広くなるように設定すればよい。
本実施形態のようにIDT電極3および反射器4の共振周波数が所定の値に設定されたSAW素子の効果を確かめるために、SAW素子の周波数特性のシミュレーションを行なった。
次に、本実施形態に係るSAW素子(実施例3)の条件を示す。なお、下記の条件は、上記比較例1のSAW素子と異なる箇所のみを示すものである。
(実施例3のシミュレーション条件)
[IDT電極3]
IDT電極3の電極指32:
端部領域3bの電極指32の本数:(IDT電極3の端部から)12本
第2ピッチPt1b:第1ピッチPt1a×0.990
[反射器4]
反射器電極指42のピッチPt2:第1ピッチPt1a×1.02
このようなシミュレーションの条件で計算した本実施形態に係るSAW素子の結果を図20に示す。図20に示すグラフは、横軸に周波数を、縦軸にインピーダンスの絶対値|Z|またはインピーダンスの位相を示している。なお、本実施例3では、端部領域3bに位置するIDT電極3を全て第1ピッチPt1aとした場合である。図20(b)は、図20(a)の一点鎖線で囲んだ箇所を拡大したものである。この結果から、比較例1では890MHz前後に発生していたスプリアスが低減できていることが分かる。
さらに本実施形態に係るSAW素子(実施例3)の効果を確かめるために、比較例4として(I)端部領域3bの共振周波数のみを所定の値に設定した場合を、比較例5として(II)反射器の共振周波数のみを所定の値に設定した場合をそれぞれ適用したシミュレーションを行なった。言い換えると、比較例4では反射器の共振周波数はIDT電極3の主領域3aと同等であり、比較例5ではIDT電極3の電極指設計は一様となっている。実施例3および比較例1,4,5の対応表を表2に示す。
Figure 2015080278
表2において、第2ピッチPt1bの欄は第1ピッチPt1aに対する倍率を示している。具体的に、比較例4のSAW素子は、第2ピッチPt1bが、第1ピッチPt1aに対して0.990倍に設定されている。また、表2において、反射器4のピッチPt2の欄は、IDT電極3の第1ピッチPt1aに対する倍率を示している。
比較例4のSAW素子の条件でシミュレーションした結果を図21に、比較例5のSAW素子の条件でシミュレーション結果を図22にそれぞれ示す。図21および図22に示すグラフは、横軸に周波数を、縦軸にインピーダンスの絶対値|Z|またはインピーダンスの位相を示している。
比較例4のSAW素子が示すように、端部領域の共振周波数のみを所定の値に設定した場合には、図21に示すように、比較例1のSAW素子で発生していた890MHz前後のスプリアスは低減することができるものの、共振周波数近傍の895MHz付近に大きなスプリアスが発生している。
一方、比較例5のSAW素子が示すように、反射器の共振周波数のみを所定の値に設定した場合には、図22に示すように、比較例1のSAW素子で発生していた890MHz前後のスプリアスは低減することができるものの、890MHz付近に新たなスプリアス(縦モードのスプリアスと推定される)が発生していることが分かる。
以上のことから、本実施形態のSAW素子によれば、(I)端部領域3bの共振周波数と、(II)反射器の共振周波数とを所定の値に設定することによって、反射器モードのスプリアスを低減するとともに、縦モードのスプリアスを低減することができることから、通過帯域よりも低い周波数に発生するスプリアスを低減することができる。
次に、第2ピッチPt1bの最適値についてシミュレーションを行なった。シミュレーションの条件は次の通りである。なお、下記の条件は、比較例1のSAW素子と異なる箇所のみを示すものである。
(実施例3の第2ピッチPt1bの最適値な条件)
[IDT電極3]
本数:200本
[反射器4]
ピッチPt2:第1ピッチPt1a×1.02
このような条件の下、第2ピッチPt1bを変化させて計算を行なった。その結果を図23に示す。図23に示すグラフは、横軸が第2ピッチPt1bであり、縦軸が通過帯域外のスプリアスの最大位相ピークである。また、比較例1のSAW素子における最大位相ピークを横軸と平行な破線で示している。
図23に示す結果から、第2ピッチPt1bは第1ピッチPt1aに対して0.986倍以上であり、且つ1倍よりも小さく設定することにより、上記効果を奏することが分かる。また、図23に示す結果から、第2ピッチPt1bを0.991×Pt1aとしたときに、スプリアスの最大位相ピークを実質的に無くす(図23に示す結果では−90degに対応)ことができるため、スプリアスを大幅に低減することができることが分かる。
また、上述の実施例3のSAW素子では端部領域3bをIDT電極3の端部から12本と設定したが、この端部領域3bの設定を変更しても上記効果を奏する範囲の検討を行なった。具体的には、実施例3のSAW素子において、端部領域3bの電極指32の本数を変化させてシミュレーションを行なった。そのシミュレーションの結果を図24に示す。図24に示すグラフは、横軸が端部領域3bの電極指32の本数mであり、縦軸がスプリアスの最大位相ピークである。なお、それぞれの本数mについて、スプリアスの最大位相ピークが最小となるように第2ピッチPt1bを調整した。換言すると、図24には、それぞれの本数mについてスプリアスの最大位相ピークの最小値が示されている。
この結果から、端部領域3bの本数mを70本以上にすると、スプリアスの最大位相ピークが比較例1よりも大きくなっており特性が悪くなっていることから、本数mを70本よりも少なくすることによって上記効果を奏することが分かる。この結果、本数mが12本のときは、スプリアスの最大位相ピークを−90degとすることができるため、スプリアスを大幅に低減できることができることが分かる。一方、図24から本数mが0本の場合であっても、比較例1のSAW素子よりもスプリアスの最大位相ピークを低減できていることが分かる。なお、本数mが0本のときとは、IDT電極3と反射器4との間隔を変化させたものである。以上の結果から、SAW素子1における端部領域3bの電極指32の本数mは、0≦m<70の範囲に設定される。
(端部領域の共振周波数を所定の値に設定する他の方法)
IDT電極3の端部領域3bの共振周波数を所定の値に設定する方法として、IDT電極3の第2ピッチPt1bを変化させる方法を説明したが、端部領域3bに位置するIDT電極3のデューティーを変化させてもよい。
IDT電極3のデューティーは、図3に示すように、第2電極指32bの幅w1を、弾性波の伝搬方向における第2電極指32bの一方側の第1電極指32aの端部から第2電極指32bの他方側の端部までの距離Dt1で割った値である。このように電極指32のデューティーを変化させて端部領域3bの共振周波数を変化させる場合には、IDT電極3の共振周波数を高くするにはデューティーを小さくすればよく、IDT電極3の共振周波数を低くするにはデューティーを大きくすればよい。そのため、端部領域3bに位置するIDT電極3は、そのデューティーが主領域3aに位置するIDT電極3のデューティーよりも小さくなるように設定される。
このようにデューティーを変化させた場合でも本実施形態に係るSAW素子(実施例4)が効果を奏することをシミュレーションによって確認した。次に、実施例4に係るSAW素子のシミュレーションの条件を示す。なお、下記の条件は、比較例1のSAW素子と異なる箇所のみを示すものである。
(実施例4のシミュレーション条件)
[IDT電極3]
IDT電極3の電極指32:
端部領域3bの電極指32の本数:(IDT電極3の端部から)20本
端部領域3bの電極指32のデューティー:主領域3aの電極指32のデューティー×0.86
[反射器4]
反射器電極42のピッチPt2:第1ピッチPt1a×1.02
このようなシミュレーションの条件で計算した実施例4のSAW素子の結果を図25に示す。図25に示すグラフは、横軸に周波数を、縦軸にインピーダンスの絶対値|Z|またはインピーダンスの位相を示している。また、図25(b)は、図25(a)の一点鎖線で囲んだ箇所を拡大したものである。なお、本シミュレーションにおいては、端部領域3bに位置するIDT電極3のデューティーを全て変化させた。
このように端部領域3bに位置するIDT電極3のデューティーを変化させた場合であっても、実施例3と同様に、縦モードのスプリアスを低減し、比較例1では890MHz前後に発生していたインピーダンスのスプリアスを低減することができる。
以上の実施例1から実施例4を含む実施形態の説明では、反射器4の共振周波数を変化させる方法としてピッチPt2を変化させる方法について説明したが、他の方法として、反射器電極42のデューティーを変化させる方法、電極指32と反射器電極指42との膜厚sを変化させる方法等を用いることができる。ピッチPt2以外で反射器4の共振周波数を変化させる場合には、IDT電極3の第1ピッチPt1aを弾性波の波長λの半波長に設定した場合であれば、ピッチpt2を第1ピッチPt1aと同じ程度に設定すればよい。ここで、波長λ(2×Pt2)は、例えば1.5μm〜6μmである。
なお、本実施形態では、電極指設計である設計パラメーター(本数、交差幅、ピッチ、デューティー、電極の厚み、周波数等)が特定の場合のみを示したが、本発明はどのようなパラメーターのSAW素子についてもスプリアスを低減する効果を奏する。例えば実施例1の例から、IDT電極の電極指の本数や交差幅を変化させたときでも実施例1と同様の変化部300の位置(端部からの本数)やギャップGp(第1ギャップGp1,第2ギャップGp2)にて良好なスプリアス抑制効果が発揮されることをシミュレーションで確認した。
さらに、実施例1において、第2ギャップGp2を所定の値に調整することに加えて、端部領域3bの電極指設計による共振周波数を主領域3aの電極指設計による共振周波数よりも高くなるように設定してもよい。このように端部領域3bの電極指設計による共振周波数が高くなるように設定することで、前述の第2ギャップGp2を設定したときと同様の効果が得られ、縦モードのスプリアスをさらに低減することができる。
端部領域3bに位置するIDT電極3の共振周波数を主領域3aに位置するIDT電極4の共振周波数よりも高くなるように設定するには、端部領域3bに位置するIDT電極3の第2ピッチPt1bを狭くすればよい。端部領域3bに位置するIDT電極3の第2ピッチPt1bは、例えば、中心領域3aに位置するIDT電極3の第1ピッチPt1aに対して0.986倍以上であり、且つ1倍よりも小さい範囲に設定される。このように構成することで、さらに、電極指Aと反射器電極指Cとの距離を所望の関係にすることができる。
フィルタや分波器では、さまざまな本数、交差幅の共振子を複数組み合わせて特性を発揮させるが、本発明のSAW素子を共振子として使用するに際しては、上記複数の共振子に対して、IDT電極および反射器の設計値を設定することができる。このため、フィルタや分波器に本発明のSAW素子を使った場合でも、設計は従来の弾性波素子を使った場合と同様に行なうことができる。
また、本数、交差幅以外の設計パラメーター(周波数、電極厚み等)を変更した場合は、変化部300の位置(端部からの本数m)、ギャップGp等は適宜最適な値に設定すればよい。これには、モード結合法(COM(Coupling-Of-Modes)法)を用いたシミュレーションを用いればよい。具体的には、共振子の設計パラメーターを設定した上で、変化部300の位置(端部からの本数m)、ギャップGp等を変化させてシミュレーションを行なうことにより、スプリアスが良好に低減される条件を見出すことができる。
端部領域3bを構成する電極指32の本数mは、IDT電極3を構成する電極指32の総本数によって理想的な本数があるが、これはCOM法を用いたシミュレーションによって決定することができる。また、この理想的な本数から外れてもスプリアスを低減することができる。SAW素子1として一般的に設計されるIDT電極3を構成する電極指43の総本数(約50本から500本)の範囲においては、本数mは5本から20本程度で良好な特性を得ることができることを確認している。
<通信装置および分波器の構成の概要>
図16は、本発明の実施形態に係る通信装置101の要部を示すブロック図である。通信装置101は、電波を利用した無線通信を行なうものである。分波器7は、通信装置101において送信周波数の信号と受信周波数の信号とを分波する機能を有している。
通信装置101において、送信すべき情報を含む送信情報信号TISは、RF−IC103によって変調および周波数の引上げ(搬送波周波数の高周波信号への変換)がなされて送信信号TSとされる。送信信号TSは、バンドパスフィルタ105によって送信用の通過帯域以外の不要成分が除去され、増幅器107によって増幅されて分波器7に入力される。分波器7は、入力された送信信号TSから送信用の通過帯域以外の不要成分を除去してアンテナ109に出力する。アンテナ109は、入力された電気信号(送信信号TS)を無線信号に変換して送信する。
通信装置101において、アンテナ109によって受信された無線信号は、アンテナ109によって電気信号(受信信号RS)に変換されて分波器7に入力される。分波器7は、入力された受信信号RSから受信用の通過帯域以外の不要成分を除去して増幅器111に出力する。出力された受信信号RSは、増幅器111によって増幅され、バンドパスフィルタ113によって受信用の通過帯域以外の不要成分が除去される。そして、受信信号RSは、RF−IC103によって周波数の引下げおよび復調がなされて受信情報信号RISとされる。
なお、送信情報信号TISおよび受信情報信号RISは、適宜な情報を含む低周波信号(ベースバンド信号)でよく、例えばアナログの音声信号もしくはデジタル化された音声信号である。無線信号の通過帯域は、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)等の各種の規格に従ったものでよい。変調方式は、位相変調、振幅変調、周波数変調もしくはこれらのいずれか2つ以上の組合せのいずれであってもよい。
図17は、本発明の一実施形態に係る分波器7の構成を示す回路図である。分波器7は、図16において通信装置101に使用されている分波器7である。SAW素子1は、例えば図16に示した分波器7における送信フィルタ11のラダー型フィルタ回路を構成するSAW素子である。
送信フィルタ11は、図17に示すように、圧電基板2と、圧電基板2上に形成された直列共振子S1〜S3および並列共振子P1〜P3とを有する。
分波器7は、アンテナ端子8と、送信端子9と、受信端子10と、アンテナ端子8と送信端子9との間に配置された送信フィルタ11と、アンテナ端子8と受信端子10との間に配置された受信フィルタ12とから主に構成されている。
送信端子9には増幅器107からの送信信号TSが入力され、送信端子9に入力された送信信号TSは、送信フィルタ11において送信用の通過帯域以外の不要成分が除去されてアンテナ端子8に出力される。また、アンテナ端子8にはアンテナ109から受信信号RSが入力され、受信フィルタ12において受信用の通過帯域以外の不要成分が除去されて受信端子10に出力される。
送信フィルタ11は、例えばラダー型SAWフィルタによって構成されている。具体的に送信フィルタ11は、その入力側と出力側との間において直列に接続された3個の直列共振子S1、S2、S3と、直列共振子同士を接続するための配線である直列腕と基準電位部Gとの間に設けられた3個の並列共振子P1、P2、P3とを有する。すなわち、送信フィルタ11は3段構成のラダー型フィルタである。ただし、送信フィルタ11においてラダー型フィルタの段数は任意である。
並列共振子P1〜P3と基準電位部Gとの間には、インダクタLが設けられている。このインダクタLのインダクタンスを所定の大きさに設定することによって、送信信号の通過帯域外に減衰極を形成して帯域外減衰を大きくしている。複数の直列共振子S1〜S3および複数の並列共振子P1〜P3は、それぞれSAW共振子からなる。
受信フィルタ12は、例えば、多重モード型SAWフィルタ17と、その入力側に直列に接続された補助共振子18とを有している。なお、本実施形態において、多重モードは2重モードを含むものである。多重モード型SAWフィルタ17は平衡−不平衡変換機能を有しており、受信フィルタ12は平衡信号が出力される2つの受信端子10に接続されている。受信フィルタ12は多重モード型SAWフィルタ17によって構成されるものに限られず、ラダー型フィルタによって構成してもよいし、平衡−不平衡変換機能を有していないフィルタであってもよい。
送信フィルタ11、受信フィルタ12およびアンテナ端子8の接続点とグランド電位部Gとの間には、インダクタ等からなるインピーダンスマッチング用の回路を挿入してもよい。
このような分波器7のSAW共振子として上述したSAW素子1を用いることにより、分波器7のフィルタ特性を向上させることができる。実施例1のSAW素子の構造を用いたSAW素子1を送信フィルタ11の直列共振子S1〜S3に適用した場合の分波器のフィルタ特性についてシミュレーションで計算を行なった。なお、分波器7の通過帯域は、UMTSのBand2の送信側を想定した。その結果を図18に示す。図18に示すグラフにおいて、横軸は周波数(MHz)を、縦軸は通過特性(dB)を示す。また、破線は比較例1のSAW素子を用いた場合のフィルタ特性を示し、実線は実施例1のSAW素子1を用いた場合のフィルタ特性を示す。図18に示す結果から、送信側の通過帯域内において、1860MHzよりも低い周波数帯の透過特性を向上することができていることが分かる。
図17に示す分波器7の送信側フィルタとして用いられる、いわゆるラダー型フィルタでは、直列共振子S1〜S3の共振周波数はフィルタ通過帯域の中央付近に設定される。また、並列共振子P1〜P3は、その反共振周波数がフィルタ通過帯域の中央付近に設定される。このような周波数配置をとった場合であって、本発明の弾性波素子を直列共振子S1〜S3に用いた場合には、フィルタ通過帯域の中央付近の損失やリップルを改善することができる。
ところで、SAW素子1では、図7および図8に示すように、反共振周波数よりも高周波側に発生するスプリアスピーク(図7(a)では960MHz付近に発生している)が、より低周波側にシフトする(図8(a)では950MHz付近に−10MHzシフトしている)。これは、反射器の共振周波数を低くしたことに伴い、反射器の動作帯域が低周波側にシフトしたことが原因の1つと考えられる。この場合のSAW素子1は、反射器の動作帯域端周辺に発生するスプリアスのために、共振周波数付近の電気特性は改善されるものの、反共振周波数よりも高周波領域での損失は逆に悪化することがある。
ラダー型フィルタでは、並列共振子P1〜P3において、この損失が悪化する周波数がフィルタ通過帯域の中央よりも高周波側に重なる。このため、SAW素子1をラダー型フィルタの並列共振子として使用すると、設計によっては逆にフィルタの損失を悪化させてしまうことがある。よって、ラダー型フィルタにおいては、SAW素子1を直列共振子の一部のみに使用することによって、フィルタ特性の悪化を低減しつつ、通過特性を顕著に改善することができる。なお、ラダー型フィルタの並列共振子の反共振周波数がフィルタの通過帯域内に入らないように設計した場合は、SAW素子1を並列共振子として用いることができる。
1 弾性波素子(SAW素子)
2 圧電基板
2A 上面
3 励振電極(IDT電極)
3a 主領域
3b 端部領域
30 櫛歯電極
30a 第1櫛歯電極
30b 第2櫛歯電極
31 バスバー
31a 第1バスバー
31b 第2バスバー
32 電極指
32a 第1電極指
32b 第2電極指
300 変化部
Pt1 ピッチ
Pt1a 第1ピッチ
Pt1b 第2ピッチ
Gp ギャップ
Gp1 第1ギャップ
Gp2 第2ギャップ
4 反射器
41 反射器バスバー
42 反射器電極指
Pt2 ピッチ
5 保護層
7 分波器
8 アンテナ端子
9 送信端子
10 受信端子
11 送信フィルタ
12 受信フィルタ
15 導電層
17 多重モード型SAWフィルタ
18 補助共振子
101 通信装置
103 RF−IC
105 バンドパスフィルタ
107 増幅器
109 アンテナ
111 増幅器
113 バンドパスフィルタ
S1、S2、S3 直列共振子
P1、P2、P3 並列共振子

Claims (16)

  1. 圧電基板と、
    該圧電基板の上面に位置し、複数の電極指を有する、弾性波を発生させる励振電極と、
    前記圧電基板の上面に位置し、複数の反射器電極指を有し、前記弾性波の伝搬方向において前記励振電極を挟む2つの反射器とを備え、
    前記励振電極は、前記弾性波の伝搬方向の両端部間に位置する前記電極指の電極指設計が一様な主領域と、該主領域とは電極指設計が変調する部位から端部まで続く、前記主領域を挟んで両側に位置する2つの端部領域とを有し、
    前記反射器は、前記反射器電極指の電極指設計で決まる共振周波数が前記主領域の前記電極指の電極指設計で決まる共振周波数よりも低く、
    前記主領域において前記電極指の中心とこれに隣接する前記電極指の中心との間隔をaとし、前記端部領域を構成する前記電極指の数をmとし、前記主領域の前記電極指のうち最も前記端部領域の側に位置する前記電極指の中心と、前記反射器の前記反射器電極指のうち最も前記端部領域の側に位置する前記反射器電極指の中心との距離をxとすると、
    0.5×a×(m+1)<x<a×(m+1)
    を満たしている弾性波素子。
  2. 複数の前記電極指は、複数の第1電極指と複数の第2電極指とを有し、
    前記励振電極は、前記複数の第1電極指を持つ第1櫛歯電極と、前記複数の第1電極指と噛み合う前記複数の第2電極指を持つ第2櫛歯電極とを有する請求項1に記載の弾性波素子。
  3. 前記主領域において隣接する2つの前記電極指の隙間である第1ギャップよりも、前記主領域の前記電極指のうち最も前記端部領域の側に位置する前記電極指と、これに隣接する、前記端部領域の前記電極指のうち最も前記主領域の側に位置する前記電極指との隙間である第2ギャップが狭い請求項1または2に記載の弾性波素子。
  4. 前記第2ギャップが、前記第1ギャップに対して0.87倍以上であり、且つ1倍よりも小さい請求項3に記載の弾性波素子。
  5. 前記端部領域の前記電極指のうち最も前記主領域の側に位置する前記電極指の幅が、前記主領域における前記電極指の幅よりも狭い請求項1または2に記載の弾性波素子。
  6. 前記端部領域の前記電極指のうち最も前記主領域の側に位置する前記電極指の幅が、前記主領域における前記第1電極指または前記第2電極指の幅に対して0.877倍以上であり、且つ1倍よりも小さい請求項5に記載の弾性波素子。
  7. 前記反射器は、前記反射器電極指の中心とこれに隣接する前記反射器電極指の中心との間隔が、前記主領域における前記電極指の中心とこれに隣接する前記電極指の中心との間隔よりも広い、請求項1乃至6のいずれかに記載の弾性波素子。
  8. 前記端部領域は、前記電極指の電極指設計で決まる共振周波数が、前記主領域の前記電極指の電極指設計で決まる共振周波数よりも高い、請求項1または2に記載の弾性波素子。
  9. 前記端部領域は、前記電極指の中心とこれに隣接する前記電極指の中心との間隔である第1ピッチが、前記主領域における前記電極指の中心とこれに隣接する前記電極指の中心との間隔である第2ピッチよりも狭い請求項8に記載の弾性波素子。
  10. 前記励振電極の前記第1ピッチが、前記第2ピッチに対して0.986倍以上であり、且つ1倍よりも小さい請求項9に記載の弾性波素子。
  11. 前記励振電極は、前記端部領域に位置する前記電極指の幅が、前記主領域に位置する前記電極指の幅よりも狭い請求項8乃至10のいずれかに記載の弾性波素子。
  12. 前記端部領域において隣接する2つの前記電極指の隙間は、前記第1ギャップと等しい請求項3または4に記載の弾性波素子。
  13. アンテナ端子と、送信信号をフィルタリングして前記アンテナ端子に出力する送信フィルタと、前記アンテナ端子からの受信信号をフィルタリングする受信フィルタとを備えた分波器であって、
    前記送信フィルタまたは前記受信フィルタは、請求項1乃至12のいずれかに記載の弾性波素子を有する分波器。
  14. 前記送信フィルタは、それぞれが直列に接続した直列共振子と、該直列共振子に対して並列に接続した並列共振子とを有し、前記直列共振子の少なくとも一部が前記弾性波素子で構成されている請求項13に記載の分波器。
  15. 前記送信フィルタは、前記直列共振子のみが前記弾性波素子で構成されている請求項13に記載の分波器。
  16. アンテナと、
    該アンテナに電気的に接続された請求項13乃至15のいずれかに記載の分波器と、
    該分波器に電気的に接続されたRF−ICとを備える通信装置。
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