JPWO2015072569A1 - 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法 - Google Patents

磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2015072569A1
JPWO2015072569A1 JP2015547817A JP2015547817A JPWO2015072569A1 JP WO2015072569 A1 JPWO2015072569 A1 JP WO2015072569A1 JP 2015547817 A JP2015547817 A JP 2015547817A JP 2015547817 A JP2015547817 A JP 2015547817A JP WO2015072569 A1 JPWO2015072569 A1 JP WO2015072569A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polishing
glass substrate
magnetic disk
polishing slurry
main surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015547817A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6280561B2 (ja
Inventor
秀雄 酒井
秀雄 酒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hoya Corp filed Critical Hoya Corp
Publication of JPWO2015072569A1 publication Critical patent/JPWO2015072569A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6280561B2 publication Critical patent/JP6280561B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B24GRINDING; POLISHING
    • B24BMACHINES, DEVICES, OR PROCESSES FOR GRINDING OR POLISHING; DRESSING OR CONDITIONING OF ABRADING SURFACES; FEEDING OF GRINDING, POLISHING, OR LAPPING AGENTS
    • B24B57/00Devices for feeding, applying, grading or recovering grinding, polishing or lapping agents
    • B24B57/02Devices for feeding, applying, grading or recovering grinding, polishing or lapping agents for feeding of fluid, sprayed, pulverised, or liquefied grinding, polishing or lapping agents
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B24GRINDING; POLISHING
    • B24BMACHINES, DEVICES, OR PROCESSES FOR GRINDING OR POLISHING; DRESSING OR CONDITIONING OF ABRADING SURFACES; FEEDING OF GRINDING, POLISHING, OR LAPPING AGENTS
    • B24B37/00Lapping machines or devices; Accessories
    • B24B37/04Lapping machines or devices; Accessories designed for working plane surfaces
    • B24B37/042Lapping machines or devices; Accessories designed for working plane surfaces operating processes therefor
    • B24B37/044Lapping machines or devices; Accessories designed for working plane surfaces operating processes therefor characterised by the composition of the lapping agent
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B24GRINDING; POLISHING
    • B24BMACHINES, DEVICES, OR PROCESSES FOR GRINDING OR POLISHING; DRESSING OR CONDITIONING OF ABRADING SURFACES; FEEDING OF GRINDING, POLISHING, OR LAPPING AGENTS
    • B24B37/00Lapping machines or devices; Accessories
    • B24B37/04Lapping machines or devices; Accessories designed for working plane surfaces
    • B24B37/07Lapping machines or devices; Accessories designed for working plane surfaces characterised by the movement of the work or lapping tool
    • B24B37/08Lapping machines or devices; Accessories designed for working plane surfaces characterised by the movement of the work or lapping tool for double side lapping
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K3/00Materials not provided for elsewhere
    • C09K3/14Anti-slip materials; Abrasives
    • C09K3/1454Abrasive powders, suspensions and pastes for polishing
    • C09K3/1463Aqueous liquid suspensions
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/84Processes or apparatus specially adapted for manufacturing record carriers
    • G11B5/8404Processes or apparatus specially adapted for manufacturing record carriers manufacturing base layers

Abstract

磁気ディスク用ガラス基板の製造方法は、ガラス基板の両側の主表面を、研磨パッドで押圧し、ガラス基板と前記研磨パッドとの間にコロイダルシリカを研磨砥粒として含む研磨スラリを供給しながら、前記主表面と前記研磨パッドとを相対的に移動させることにより、前記主表面を研磨する研磨処理を含む。前記主表面を研磨する前に、前記研磨処理で用いる前記研磨スラリの素となるオリジナル研磨スラリを酸性状態に調整し、さらに前記酸性状態に調整することにより生成された前記オリジナル研磨スラリ中のシリカの析出物をフィルタ処理して除去することにより、前記研磨スラリをつくる。

Description

本発明は、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法に関する。
ハードディスクドライブ装置等の磁気記録装置に搭載される情報記録媒体の一つとして磁気ディスクがある。磁気ディスクは、基板上に磁性層等の薄膜を形成して構成されたものであり、その基板としてガラス基板が用いられている。ガラス基板の表面は磁気記録装置の磁気ヘッドの浮上高さを極力下げることができるように、高精度に研磨して高記録密度化を実現している。近年、ハードディスクドライブ装置の更なる大記録容量化、低価格化の要求に応じて、磁気ディスク用ガラス基板においても更なる高品質化、低コスト化が要求されている。
近年の磁気ディスク用ガラス基板の高品質化として、例えばガラス基板の表面粗さを低くすること、および、表面の線状の傷や微小付着物等による欠陥がないようにすること、が求められている。
このようなガラス基板を用いて作製される磁気ディスクが大記録容量を実現するためには、磁気記録装置の磁気ヘッドのガラス基板表面からの浮上量を低くすることが必要である。この浮上量を低くするためには、ガラス基板の表面の傷や付着物の欠陥の発生を可能な限り抑えることが望まれる。特に、ガラス基板の表面に付着物が付着することは好ましくない。ガラス基板の作製では、仕上げ研磨として、粒径が極めて小さいコロイダルシリカを含む研磨スラリを用いてガラス基板の表面が研磨される。
従来のガラス基板の研磨方法では基板表面に研磨スラリ起因の凹状で線状に延びる傷、すなわち線状痕(スクラッチ)が発生することが知られている。このスクラッチの低減対策として研磨工程において、少なくとも研磨材と水とを含有してなるpHが0.1〜7の研磨液組成物で且つ、0.56μm以上1μm未満の研磨粒子が研磨液組成物1cm当り500,000個以下である研磨液組成物を、定盤を備えた研磨機に基板の被研磨面積1cm2あたり0.06cm3/分以上の流量で供給して基板を研磨する方法が知られている(特許文献1)。
また、このスクラッチの低減対策として、研磨工程において、溶存シリカの全シリカに対する比率を1000ppm以下とする研磨液を用いて研磨する方法も知られている(特許文献2)。
特開2006−102829号公報 特開2010−95568号公報
近年、例えば750ギガバイト等の磁気ディスク向けのガラス基板が求められており、ガラス基板の表面の表面粗さ、および、表面の凹状の線状の傷や微小付着物等による欠陥について従来に比べてより厳しい要求がガラス基板に求められている。このため、従来問題にならなかったような基板上の付着物による凸状の欠陥でも磁気ヘッドが磁気ディスクと接触してクラッシュしてしまうことがある。このことはガラス基板上の付着物の厚さがたとえ数nmであっても問題となることを意味する。上述の特許文献1および2に開示されている研磨方法は、研磨後のガラス基板のスクラッチを低減することはできるが、基板表面の付着物については何ら言及されていない。
そこで、本発明は、ガラス基板上の欠陥となる付着物を低減することできる磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の形態を含む。
(形態1)
磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
ガラス基板の両側の主表面を、研磨パッドで押圧させ、ガラス基板と前記研磨パッドとの間にコロイダルシリカを研磨砥粒として含む研磨スラリを供給しながら、前記主表面と前記研磨パッドとを相対的に移動させることにより、前記主表面を研磨するステップと、
前記主表面を研磨する前に、前記研磨処理で用いる前記研磨スラリの素となるオリジナル研磨スラリを酸性状態に調整し、さらに前記酸性状態に調整することにより生成された前記オリジナル研磨スラリ中のシリカの析出物をフィルタ処理して除去することにより、前記研磨スラリをつくるステップと、を含む、ことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(形態2)
前記オリジナル研磨スラリは、アルカリ性のスラリである、形態1に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(形態3)
前記酸性状態に調整後のオリジナル研磨スラリのpHは、1〜5である、形態1または2に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(形態4)
前記研磨スラリ中における溶存シリカの濃度は0.02質量%以下である、形態1〜3のいずれか1つに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(形態5)
前記コロイダルシリカは、ケイ酸ナトリウム水溶液を陽イオン交換樹脂でイオン交換することにより得られる活性ケイ酸を加熱して得られる、形態1〜4のいずれか1つに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(形態6)
前記研磨スラリは、前記ガラス基板の前記主表面の研磨に用いられた後、回収して、別のガラス基板の主表面の研磨に用いられる、形態1〜5のいずれか1つに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(形態7)
前記コロイダルシリカの平均粒径は、10〜100nmである、形態1〜6のいずれか1つに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(形態8)
前記フィルタ処理は、デプス型フィルタによる濾過を行うことと、前記デプス型フィルタによる濾過後さらに、カチオン化したフィルタによる濾過を行なうことを含む、形態1〜7のいずれか1つに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(形態9)
形態1〜8のいずれか1つに記載の製造方法で作製された磁気ディスク用ガラス基板の前記主表面に少なくとも磁性層を形成することを特徴とする、磁気ディスクの製造方法。
上述の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法によれば、ガラス基板上の欠陥となる付着物を低減することできる。
本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法で行う研磨処理を実行する研磨装置の構成を説明する図である。 本実施形態の研磨装置の要部を説明する図である。
以下、本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法について詳細に説明する。
本発明者は、ガラス基板の主表面上の欠陥となる付着物について鋭意検討を行った結果、コロイダルシリカを含む研磨スラリを用いた時のガラス基板の主表面の付着物は、シリカの凝集体あるいはシリカのゲル状物質であり、ガラス基板の主表面に強固に付着したものであることを見出した。この付着物は、ガラスとシリカのいずれもがSiOを大量に含有しており、お互い似た性質を持っているために発生しやすいと推察される。そこで、研磨中、コロイダルシリカを含む研磨スラリからシリカの凝集体ならびにシリカのゲル状物質の発生を抑制することがガラス基板の主表面の付着物を抑制するのに最も重要であることを見出し、本発明者は、以下に示す実施形態を含む技術を想到した。
以下明細書で記載する表面粗さの指標である算術平均粗さRa、Rmaxは、JIS B0601に規定される表面粗さである。この表面粗さは、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて1μm×1μmの範囲を512×256ピクセルの解像度で測定したデータに基づいて得られるものである。
図1は、本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法で行う研磨処理を実行する研磨装置の構成を説明する図である。図2は、研磨装置1の要部を説明する図である。
図1に示すように、研磨装置1は、研磨本体部18と、研磨本体部18を支持する上部支持台12と下部支持台14、を主に有する。
上部支持台12及び下部支持台14には、研磨本体部18の上部回転シャフト65及び下部回転シャフト66を駆動するための図示されない駆動機構が設けられており、この駆動機構により、上部回転シャフト65及び下部回転シャフト66は自在に回転するようになっている。
研磨本体部18は、上定盤40と、下定盤60と、太陽歯車61と、内歯車62と、供給管63と、上部板材64と、上部回転シャフト65と、下部回転シャフト66と、を主に含む。
研磨装置1において、図2に示すように、下定盤60の上面および上定盤40の底面には、研磨パッド10が貼り付けられている。図2では、研磨パッド10はシート状に記されている。研磨パッド10には、例えば、発泡ウレタン樹脂からなるウレタンパッドを用いることができる。
下定盤60の上面と上定盤40の下面には、円板状のガラス基板Gを2つの定盤で挟んで研磨対象のガラス基板Gの主表面を研磨処理する際に、ガラス基板Gを保持するための保持穴を有するキャリア30が配されている。図2では、1つのキャリア30しか記されていないが、複数のキャリア30が用いられる。具体的には、キャリア30は、外周部に設けられて太陽歯車61及び内歯車62に噛合する歯部31と、ガラス基板Gを収容し保持するための1または複数の保持穴32とを有する。太陽歯車61、外縁に設けられた内歯車62および円板状のキャリア30は全体として、上部回転シャフト65と下部回転シャフト66の回転中心軸Oを中心とする遊星歯車機構を構成する。円板状のキャリア30は、内周側で太陽歯車61に噛合し、かつ外周側で内歯車62に噛合するともに、ガラス基板G(ワーク)を1または複数を収容し保持する。下定盤60上では、キャリア30が遊星歯車として自転しながら公転し、ガラス基板Gと下定盤60とが相対的に移動させられる。例えば、太陽歯車61がCCW(反時計回り)の方向に回転すれば、キャリア30はCW(時計回り)の方向に回転し、内歯車62はCCWの方向に回転する。その結果、下定盤60とガラス基板Gの間に相対運動が生じる。同様にして、ガラス基板Gと上定盤40とを相対的に移動させてもよい。
上記相対運動の動作中には、上定盤40がキャリア30に保持されたガラス基板Gに対して(つまり、鉛直方向に)所定の圧力で押圧し、これによりガラス基板Gに対して研磨パッド10が押圧する。また、研磨中、ポンプ(不図示)によって研磨スラリが、図示されない供給タンクからまたは複数の供給管63を経由してガラス基板Gと研磨パッド10との間に供給される。供給管63は、上部板材64を通して上定盤40に延びている。研磨スラリは、コロイダルシリカの研磨砥粒が水溶液に分散した液体である。
下定盤60には、図示されない駆動モータに接続された下部回転シャフト66が固定されている。上定盤40には、図示されない駆動モータに接続された上部回転シャフト65が固定されている。したがって、上定盤40及び下定盤60は自在に回転することができる。
研磨対象のガラス基板Gは、例えばアルミノシリケートガラスが用いられる。アルミノシリケートガラスは、SiO,Alを成分として含有する。
このような研磨装置1に用いる研磨スラリはコロイダルシリカを研磨砥粒として含むもので、以下のように作られる。具体的には、研磨スラリの素となるコロイダルシリカを含むオリジナル研磨スラリを酸性状態に調整する。その後、オリジナル研磨スラリ中に生成したシリカの大きな析出物やゲル状物質をフィルタ処理して除去する。こうすることにより、オリジナル研磨スラリ中における溶存シリカの量が低減される。すなわち、本実施形態の研磨装置に用いる研磨スラリは、溶存シリカの濃度が比較的高いアルカリ性のオリジナル研磨スラリに対して溶存シリカ低減処理がガラス基板の研磨処理前に施されているものである。オリジナル研磨スラリにおける溶存シリカの濃度は例えば0.03質量%以上である。アルカリ性の状態ではコロイダルシリカを含むオリジナル研磨スラリに溶存するシリカの量は大きい一方、酸性状態では、このオリジナル研磨スラリに溶存するシリカの量は相対的に少ないことを見出した。そこで、研磨処理に用いる前に、予めオリジナル研磨スラリに含まれる溶存シリカの量を低下させ、かつ溶存シリカの析出物やシリカのゲル状物質をフィルタ処理により除去することにより研磨スラリを作製するので、研磨中に溶存シリカからシリカが研磨パッド10やガラス基板Gの主表面に析出することを抑制することができる。コロイダルシリカを含んだオリジナル研磨スラリは分散性の観点から通常pH8〜12のアルカリ性の条件で保管されるため、研磨のために使用する時にpHをアルカリ性から酸性の条件に調整する。
特に、pH1〜5の範囲で、溶存シリカの濃度は0.02質量%以下の範囲で安定して低い水準を維持することが好ましい。なお、このとき溶存シリカの濃度は0.005質量%以上である。このため、酸性状態に調整したオリジナル研磨スラリは、pH1〜5であることが、研磨中シリカの析出を安定的に抑制する点で好ましい。特にガラス基板Gの主表面の粗さを粗くしない点からpH2以上が好ましく、清浄性の点からpH4以下であることが好ましい。なお、例えばpH10以上のアルカリ性状態では、溶存シリカの濃度は0.03質量%以上である。pH10以上になると溶存シリカ濃度は急激に増加する。したがって、pH10以上のアルカリ性のオリジナル研磨スラリを酸性に調整すると、溶存シリカ濃度を大きく低減してシリカの析出物やゲル状物質をより多く除去することができるので好適である。また、アルカリ性から酸性へのpH調整の前後におけるpHの差は、5以上とすることが好ましく、6以上とするとより好ましい。このpHの差が大きいほど、研磨時のシリカの析出物やゲル状物質を少なくして研磨後の基板表面への付着物を低減することができる。
上述の溶存シリカは、固体粒子として研磨スラリ中に存在しているシリカ成分以外のシリカ成分を意味する。具体的には、溶存シリカは、分画分子量が10000である分離膜を有する分離膜付遠沈管を用いて、遠心力4500Gにて90分間研磨スラリを遠心処理したときに、分離膜を通過して遠沈管下部に移行した分散媒中に存在するシリカ成分を指すものであり、例えばシリカオリゴマーがこれに該当するものと推察される。
溶存シリカの濃度は、例えば下記方法で測定することができる。分離膜付遠沈管(分離膜分画分子量10000)を取り付けた遠心分離装置を用いて研磨スラリを遠心処理し、溶存シリカを含む溶液成分とシリカ粒子等を含む固体成分とに分離する。その後、回収された溶液成分について、溶存シリカ量をモリブデン反応にて定量し、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィ分析)によりその分子量を測定する。
コロイダルシリカの溶液を酸性状態にするには、例えば硫酸や硝酸等の無機酸やクエン酸や酒石酸等の有機酸を用いることができる。
研磨処理に用いる本実施形態のコロイダルシリカは、ケイ酸ナトリウム水溶液を陽イオン交換樹脂でイオン交換することにより得られる活性ケイ酸を加熱して得られるものであることが溶存シリカ低減処理の効果を大きく発揮する点で好ましい。この方法で得られるコロイダルシリカの溶液は、低コストではあるものの、アルカリ溶液であるため溶存シリカの量は多い。このため、研磨処理前にコロイダルシリカの溶液を酸性状態にして、溶存シリカの量を低くし、さらに析出したシリカをフィルタ処理により除去する溶存シリカ低減処理を行うことにより、研磨中溶存シリカからシリカが研磨パッド10やガラス基板Gの主表面に析出することを抑制する効果は大きい。
コロイダルシリカの平均粒径(d50)は、10〜100nmであることが、ガラス基板Gの研磨によってガラス基板Gの主表面の表面粗さの算術平均粗さRaを0.2nm以下にする点で好ましい。より好ましくは、平均粒径(d50)は、10〜40nmである。
なお、フィルタ処理は、オリジナル研磨スラリをデプス型フィルタで濾過した後、さらに、プリーツ型フィルタを用いて濾過することが好ましい。特に、オリジナル研磨スラリをデプス型フィルタで濾過した後、さらに、カチオン化したフィルタを用いてオリジナル研磨スラリを濾過することを含むことが、析出した大きなシリカやゲル状物質を除去し、イオンとなって溶存する溶存シリカの量を低下させる点で好ましい。カチオン化したフィルタには、プリーツ型フィルタを用いることができる。
デプス型フィルタとは外側から内側になるほど(フィルタを流れる研磨スラリの上流側から下流側に進むほど)孔径が小さくなるタイプのフィルタをいう。言い換えると、デプス型フィルタは、濾過材の孔構造が入口側(上流側)で粗く、出口側(下流側)で細かく、且つ入口側から出口側へ向かうにつれて連続的に又は段階的に細かくなる特徴を持つ。デプス型フィルタでは、粗大粒子の中でも大きな粒子は入口側付近で捕集され、小さな粒子は出口側付近で捕集されるため、効果的な濾過が可能である。デプス型フィルタの形状は、袋状のバッグタイプでもよく、また、中空円筒形状のカートリッジタイプでもよい。
本実施形態で用いられるプリーツ型フィルタとしては、一般に濾過材をヒダ状(プリーツ状)に成形加工して、中空円筒形状のカートリッジタイプ式にしたものを用いることができる。プリーツ型フィルタは、厚み方向の各部分で捕集するデプス型フィルタと異なり、濾過材の厚みが薄く、フィルタ表面での捕集が主体と言われており、一般的に濾過精度が高いことが特徴である。
デプス型フィルタ及びプリーツ型フィルタの孔径は、一般に99%除去可能な濾過精度として表され、例えば、孔径1.0μmとは、直径1.0μmの粒子を99%除去可能なフィルタを示している。デプス型フィルタの孔径は、粗大粒子除去負荷軽減の観点から、好ましくは1.5μm以下、より好ましくは1.0μm以下である。プリーツ型フィルタの孔径は、粗大粒子低減の観点から1.0μm以下が好ましく、より好ましくは0.8μm以下、さらに好ましくは0.5μm以下である。
このような研磨スラリを、研磨パッド10で押圧されたガラス基板Gと研磨パッド10との間に供給しながら、ガラス基板10と研磨パッド10を相対的に移動させて、ガラス基板Gの両側の主表面が研磨される。
(ガラス基板の製造方法)
このようなコロイダルシリカを用いて研磨処理を行うガラス基板は、以下のガラス基板の製造方法により作製される。本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法では、まず、一対の主表面を有する板状の磁気ディスク用ガラス基板の素材となるガラスブランクの成形処理が行われる。次に、このガラスブランクの粗研削処理が行われる。この後、ガラスブランクに形状加工処理及び端面研磨処理が施される。この後、ガラスブランクから得られたガラス基板に固定砥粒を用いた精研削処理が行われる。この後、第1研磨処理、化学強化処理、及び、第2研磨処理がガラス基板に施される。なお、本実施形態では、上記流れで行うが、上記処理全てがある必要はなく、これらの処理は適宜行われなくてもよい。以下、各処理について説明する。なお、上述した溶存シリカ低減処理を行ったコロイダルシリカを含む研磨スラリを用いたガラス基板Gの研磨処理の対象は、第2研磨処理である。
(a)ガラスブランクの成形処理
ガラスブランクの成形では、例えばプレス成形法を用いることができる。プレス成形法により、円形状のガラスブランクを得ることができる。さらに、ダウンドロー法、リドロー法、フュージョン法、フロート法などの公知の製造方法を用いて製造することができる。これらの公知の製造方法で作られた板状ガラスブランクに対し、適宜形状加工を行うことによって磁気ディスク用ガラス基板の元となる円板状のガラス基板が得られる。
(b)粗研削処理
粗研削処理では、具体的には、ガラスブランクを、周知の両面研削装置に装着される保持部材(キャリア)に設けられた保持穴内に保持しながらガラスブランクの両側の主表面の研削が行われる。この時、上記記載のキャリア30を用いてもよい。研削材として、例えば遊離砥粒が用いられる。粗研削処理では、ガラスブランクが目標とする板厚寸法及び主表面の平坦度に略近づくように研削される。なお、粗研削処理は、成形されたガラスブランクの寸法精度あるいは表面粗さに応じて行われるものであり、場合によっては行われなくてもよい。
(c)形状加工処理
次に、形状加工処理が行われる。形状加工処理では、ガラスブランクの成形処理後、公知の加工方法を用いて円孔を形成することにより、円孔があいた円盤形状のガラス基板を得る。その後、ガラス基板の端面の面取りを実施する。これにより、ガラス基板の端面には、主表面と直交している側壁面と、側壁面と主表面を繋ぐ傾斜面(介在面)が形成される。
(d)端面研磨処理
次にガラス基板の端面研磨処理が行われる。端面研磨処理は、研磨ブラシとガラス基板の端面との間に遊離砥粒を含む研磨液を供給して研磨ブラシとガラス基板とを相対的に移動させることにより研磨を行う処理である。端面研磨では、ガラス基板の内周側端面及び外周側端面を研磨対象とし、内周側端面及び外周側端面を鏡面状態にする。
(e)精研削処理
次に、ガラス基板の主表面に精研削処理が施される。具体的には、周知の両面研削装置を用いて、ガラス基板の主表面に対して研削を行う。この場合、固定砥粒を定盤に設けて研削する。具体的には、ガラス基板を、両面研削装置の保持部材であるキャリアに設けられた保持穴内に保持しながらガラス基板の両側の主表面の研削を行う。
本実施形態の研削処理では、固定砥粒を含んだ研削面とガラス基板の主表面とを接触させてガラス基板の主表面を研削するが、遊離砥粒を用いた研削を行ってもよい。
(f)第1研磨処理
次に、ガラス基板の主表面に第1研磨処理が施される。具体的には、ガラス基板の外周側端面を、図1,2に示される研磨装置と同様の構成の研磨装置のキャリアに設けられた保持穴内に保持しながらガラス基板の両側の主表面の研磨が行われる。第1研磨処理は、遊離砥粒を用いて、定盤に貼り付けられた研磨パッドを用いる。第1研磨は、ガラス基板の板厚を調整しつつ、例えば固定砥粒による研削を行った場合に主表面に残留したクラックや歪みの除去をする。第1研磨では、主表面端部の形状が過度に落ち込んだり突出したりすることを防止しつつ、主表面の表面粗さ、例えば算術平均粗さRaを低減することができる。なお、第1研磨処理では、研磨スラリとしてコロイダルシリカを用いず、例えば、酸化セリウム砥粒、あるいはジルコニア砥粒などが用いられる。このため、第1研磨処理では、溶存シリカ低減処理を施した研磨スラリは用いられない。なお、研磨パッドの種類は特に制限されないが、例えば、硬質発泡ウレタン樹脂ポリッシャが用いられる。
(g)化学強化処理
ガラス基板は適宜化学強化することができる。化学強化液として、例えば硝酸カリウム,硝酸ナトリウム、またはそれらの混合物を加熱して得られる溶融液を用いることができる。そして、ガラス基板を化学強化液に浸漬することによって、ガラス基板の表層にあるガラス組成中のリチウムイオンやナトリウムイオンが、それぞれ化学強化液中のイオン半径が相対的に大きいナトリウムイオンやカリウムイオンにそれぞれ置換されることで表層部分に圧縮応力層が形成され、ガラス基板が強化される。
化学強化処理を行うタイミングは、適宜決定することができるが、化学強化処理の後に研磨処理を行うようにすると、表面の平滑化とともに化学強化処理によってガラス基板の表面に固着した異物を取り除くことができるので特に好ましい。また、化学強化処理は、必要に応じて行われればよく、行われなくてもよい。
(h)第2研磨(鏡面研磨)処理
次に、化学強化処理後のガラス基板に第2研磨が施される。第2研磨は、主表面の鏡面研磨を目的とする。第2研磨においても、図1,2に示される両面研磨装置が用いられる。こうすることで、ガラス基板Gの板厚を微調整しつつ主表面の端部の形状が過度に落ち込んだり突出したりすることを防止しつつ、主表面の粗さを低減することができる。これにより、ガラス基板Gの主表面の算術平均粗さRaを0.2nm以下、好ましくは0.15nm以下にすることができる。このとき、最大粗さRmaxは2.0nm以下であることが好ましい。第2研磨処理では、第1研磨処理に比べて、研磨パッドの樹脂ポリッシャの硬度が軟らかい。第2研磨処理に用いる研磨パッドの硬度は、アスカーC硬度で60以上80以下であることが好ましい。
第2研磨処理に用いる遊離砥粒として、上述した溶存シリカ低減処理の施されたコロイダルシリカが研磨砥粒として用いられる。すなわち、第2研磨処理では、コロイダルシリカを研磨砥粒として含む研磨スラリが用いられる。この研磨スラリでは、溶存シリカ低減処理が施され、溶存シリカの量が少ないので、研磨中に溶存シリカの一部が析出することを抑制することができる。したがって、従来問題となっていたガラス基板の主表面上の欠陥となる付着物を低減することできる。
このような研磨スラリは、ガラス基板の前記主表面の研磨に用いられた後、回収して、別のガラス基板の主表面の研磨に用いられてもよい。このとき、研磨スラリが研磨処理に繰り返し用いられた後、コロイダルシリカを研磨砥粒として含む研磨スラリに、上述した溶存シリカ低減処理が施され、さらに別のガラス基板の研磨に用いられることが好ましい。
研磨スラリを循環させて研磨スラリを用いる場合、上述の溶存シリカ低減処理を用いることは好ましい。研磨処理を繰り返し行うと、研磨パッドとガラス基板との摺動による摩擦熱等により、研磨砥粒の一部が溶解して溶存シリカの濃度が増大する場合がある。このような場合、研磨スラリ中の溶存シリカからシリカの凝集体やゲル状物質が新たに発生する場合がある。このため、研磨スラリを繰り返し用いる場合、研磨開始前に本実施形態のような溶存シリカ低減処理が施されることが好ましい。
こうして作製された磁気ディスク用ガラス基板の主表面には、例えば、付着層、軟磁性層、下地層、垂直磁気記録層、カーボン保護層、潤滑層を順次成膜される。これにより、磁気ディスクが作製される。カーボン保護層は、磁気記録層が磁気ヘッドとの接触によって劣化することを防止するためのもので、例えば、水素化カーボンからなり、耐磨耗性が得られる。また、潤滑層には、例えばアルコール変性パーフルオロポリエーテルの液体潤滑剤が用いられる。
[実験例]
本実施形態の効果を確認するために、第2研磨処理に用いる研磨スラリを作製する前のオリジナル研磨スラリ中の溶存シリカ低減処理の有無、及び溶存シリカ低減処理におけるフィルタ処理の内容を種々変えて研磨スラリを作製し、この研磨スラリを用いて第2研磨処理を行うことによりガラス基板を作製した。さらに、このガラス基板を用いて磁気ディスクを作製した。
まず、アルミノシリケートガラスのガラス基板Gを、上述した(g)の化学強化処理まで行った後、溶存シリカ低減処理の有無とフィルタ処理の内容を種々変えた研磨スラリを用いて第2研磨処理を行った。
以下の各例に用いた研磨パッドは、ポリシャを軟質ポリシャ(スウェード)の研磨パッド(アスカーC硬度で72の発泡ポリウレタン樹脂)である。この第2研磨処理は、上述した第1研磨処理で得られた平坦なガラス基板Gの主表面を維持しつつ、ガラス基板Gの主表面の表面粗さをRmaxで2nm程度以下の平滑な鏡面に仕上げるための鏡面研磨加工である。なお、第2研磨処理における荷重は100g/cm、研磨時間は10分とした。上記第2研磨処理を終えたガラス基板Gを、中性洗剤、純水、純水、IPAの各洗浄槽に順次浸漬して超音波洗浄を行なった後、IPAによる蒸気乾燥を行なった。
(実施例1)
研磨スラリとしては、コロイダルシリカ(平均粒子径(d50)15nm)の研磨剤を15重量%分散した水(pH10)をオリジナル研磨スラリとし、このオリジナル研磨スラリにpH調整用の硫酸を添加して酸性(pH4)に調整した上でデプス型フィルタならびにプリーツ型フィルタをこの順番に用いてフィルタ処理したものを研磨スラリとした。デプス型フィルタには、孔径1μmの条件のフィルタを用いた。プリーツ型フィルタには、孔径0.5μmの条件のフィルタを用いた。
(実施例2)
実施例2においては、実施例1と同様のオリジナル研磨スラリに、pH調整用の硫酸を添加して酸性(pH4)に調整した上で、孔径1μmの条件のデプス型フィルタの後にカチオン化プリーツ型フィルタ、その後上記プリーツ型フィルタを用いてフィルタ処理を行い、研磨スラリとして第2研磨を実施した。カチオン化プリーツ型フィルタは、孔径1μmのプリーツ型フィルタをカチオン化処理したものである。
(実施例3)
実施例3においては、pH調整用の硫酸を添加してpH5の酸性に調整した以外は実施例1と同じ処理をした。
(実施例4)
実施例4においては、pH調整用の硫酸を添加してpH2の酸性に調整した以外は実施例1と同じ処理をした。
(実施例5)
実施例5においては、pH調整用の硫酸を添加してpH1の酸性に調整した以外は実施例1と同じ処理をした。
(実施例6)
実施例6においては、pH調整用の硫酸を添加してpH5の酸性に調整した以外は実施例2と同じ処理をした。
(実施例7)
実施例7においては、pH調整用の硫酸を添加してpH2の酸性に調整した以外は実施例2と同じ処理をした。
(実施例8)
実施例8では、プリーツ型フィルタならびにデプス型フィルタをこの順番に用いてフィルタ処理したものを研磨スラリとし、プリーツ型フィルタには孔径1μmの条件のフィルタを用い、デプス型フィルタには、孔径0.5μmの条件のフィルタを用いた以外は、実施例1と同じ処理をした。
(比較例1)
比較例1においては、実施例1と同様のオリジナル研磨スラリに研磨前にフィルタ処理を実施せず、実施例1と同様に酸性(pH4)に調整したうえで研磨に用いた。
(比較例2)
比較例2においては、実施例1と同様のオリジナル研磨スラリを、上記デプス型フィルタならびに上記プリーツ型フィルタをこの順番に用いてフィルタ処理をした後、実施例1と同様に酸性(pH4)に調整した上で、この研磨スラリを研磨に用いた。
(比較例3)
比較例3においては、実施例1と同様のオリジナル研磨スラリを、デプス型フィルタ(孔径1μmの条件)、その後カチオン化処理された上記カチオン化プリーツ型フィルタ(孔径1μmの条件)、その後プリーツ型フィルタ(孔径0.5μmの条件)を用いてフィルタ処理(フィルタリング)を行った。このフィルタ処理を行った研磨スラリを、水に15重量%分散させ、実施例1と同様に酸性(pH4)に調整した上で研磨に用いた。
上記各例で得られたガラス基板に対して、OSA(Optical Surface Analyzer)で観察し、各欠陥のポイントに対して、SEM(走査型電子顕微鏡)/EDX(エネルギ分散型X線分光法)にて欠陥の詳細分析を行った。
実施例1では、ガラス基板の主表面上において検出された欠陥のうち、シリカ凝集体ならびにゲル状物質の欠陥数は36ポイントであった。以下同様に、実施例2〜8、比較例1、比較例2、及び比較例3の順に、シリカ凝集体ならびにゲル状物質が20、44、29、24,24、10,38、98、71、62ポイント、欠陥として検出された。下記表1はその結果を示す。下記表では、デプス型フィルタをデプスフィルタといい、プリーツ型フィルタをプリーツフィルタといい、カチオン化プリーツ型フィルタをカチオン化プリーツフィルタという。
Figure 2015072569
実施例1及び比較例2の評価の比較結果、及び、実施例2及び比較例3の評価の比較結果より、オリジナル研磨スラリをアルカリ性の状態から酸性状態にした後でフィルタ処理を行うことで得られた研磨スラリが、シリカ凝集体ならびにゲル状物質をガラス基板の主表面に付着させない点で有効であることがわかる。
また、実施例1と比較例1の評価の比較結果より、研磨スラリを酸性状態にして溶存シリカを低下させてもフィルタ処理を行わなければ、シリカ凝集体ならびにゲル状物質をガラス基板の主表面に付着することを抑制できない、こともわかる。
実施例1及び実施例2の評価の比較結果より、研磨スラリをデプス型フィルタで濾過した後、さらに、カチオン化したフィルタを用いて前記研磨スラリを濾過することを含むことがより好ましいこともわかる。
さらに、実施例3〜5の評価の比較結果、及び実施例6,7の評価の比較結果より、pH調整では、pHを低くする程、シリカ凝集体ならびにゲル状物質をガラス基板の主表面に付着することを抑制する点で好ましく、pH5以下とすることが好ましく、pH2以下とすることがより好ましい。
また、実施例1及び実施例8の評価の比較結果より、フィルタ処理では、デプス型フィルタならびにプリーツ型フィルタを、この順番に用いることが好ましいこともわかる。なお、実施例8では、実施例1と比べて、用いたフィルタが詰まり易いことが観察された。
これより、本実施形態の効果は明確である。
以上、本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態および実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
1 研磨装置
10 研磨パッド
12 上部支持台
14 下部支持台
18 研磨本体部
30 キャリア
31 歯部
32 保持穴
40 上定盤
60 下定盤
61 太陽歯車
62 内歯車
63 供給管
64 上部板材
65 上部回転シャフト
66 下部回転シャフト

Claims (9)

  1. 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
    ガラス基板の両側の主表面を、研磨パッドで押圧させ、ガラス基板と前記研磨パッドとの間にコロイダルシリカを研磨砥粒として含む研磨スラリを供給しながら、前記主表面と前記研磨パッドとを相対的に移動させることにより、前記主表面を研磨するステップと、
    前記主表面を研磨する前に、前記研磨処理で用いる前記研磨スラリの素となるオリジナル研磨スラリを酸性状態に調整し、さらに前記酸性状態に調整することにより生成された前記オリジナル研磨スラリ中のシリカの析出物をフィルタ処理して除去することにより、前記研磨スラリをつくるステップと、を含む、ことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  2. 前記オリジナル研磨スラリは、アルカリ性のスラリである、請求項1に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  3. 前記酸性状態に調整後のオリジナル研磨スラリのpHは、1〜5である、請求項1または2に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  4. 前記研磨スラリ中における溶存シリカの濃度は0.02質量%以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  5. 前記コロイダルシリカは、ケイ酸ナトリウム水溶液を陽イオン交換樹脂でイオン交換することにより得られる活性ケイ酸を加熱して得られる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  6. 前記研磨スラリは、前記ガラス基板の前記主表面の研磨に用いられた後、回収して、別のガラス基板の主表面の研磨に用いられる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  7. 前記コロイダルシリカの平均粒径は、10〜100nmである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  8. 前記フィルタ処理は、デプス型フィルタによる濾過を行うことと、前記デプス型フィルタによる濾過後さらに、カチオン化したフィルタによる濾過を行なうことを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法で作製された磁気ディスク用ガラス基板の前記主表面に少なくとも磁性層を形成する、磁気ディスクの製造方法。
JP2015547817A 2013-11-15 2014-11-17 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法 Active JP6280561B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013236491 2013-11-15
JP2013236491 2013-11-15
PCT/JP2014/080373 WO2015072569A1 (ja) 2013-11-15 2014-11-17 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2015072569A1 true JPWO2015072569A1 (ja) 2017-03-16
JP6280561B2 JP6280561B2 (ja) 2018-02-14

Family

ID=53057501

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015547817A Active JP6280561B2 (ja) 2013-11-15 2014-11-17 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP6280561B2 (ja)
CN (1) CN105745708B (ja)
MY (1) MY183852A (ja)
WO (1) WO2015072569A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108747661A (zh) * 2018-06-28 2018-11-06 湖北晶润电子科技有限公司 一种玻璃打磨机

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007098485A (ja) * 2005-09-30 2007-04-19 Hoya Glass Disk Thailand Ltd 磁気記録媒体用のガラス基板および磁気ディスクの製造方法
JP2010519157A (ja) * 2007-02-20 2010-06-03 エボニック デグサ ゲーエムベーハー セリウム酸化物およびコロイド状二酸化ケイ素を含む分散液
WO2012090426A1 (ja) * 2010-12-27 2012-07-05 コニカミノルタオプト株式会社 ハードディスク用ガラス基板の製造方法
JP2012143823A (ja) * 2011-01-07 2012-08-02 Kao Corp 研磨液組成物の製造方法
JP2013091589A (ja) * 2011-10-27 2013-05-16 Nissan Chem Ind Ltd 多孔質2次凝集シリカゾル及びその製造方法
JP2013152775A (ja) * 2011-12-30 2013-08-08 Hoya Corp 基板の製造方法、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、及び磁気ディスクの製造方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
MY160470A (en) * 2010-09-24 2017-03-15 Kao Corp Process for producing polishing liquid composition

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007098485A (ja) * 2005-09-30 2007-04-19 Hoya Glass Disk Thailand Ltd 磁気記録媒体用のガラス基板および磁気ディスクの製造方法
JP2010519157A (ja) * 2007-02-20 2010-06-03 エボニック デグサ ゲーエムベーハー セリウム酸化物およびコロイド状二酸化ケイ素を含む分散液
WO2012090426A1 (ja) * 2010-12-27 2012-07-05 コニカミノルタオプト株式会社 ハードディスク用ガラス基板の製造方法
JP2012143823A (ja) * 2011-01-07 2012-08-02 Kao Corp 研磨液組成物の製造方法
JP2013091589A (ja) * 2011-10-27 2013-05-16 Nissan Chem Ind Ltd 多孔質2次凝集シリカゾル及びその製造方法
JP2013152775A (ja) * 2011-12-30 2013-08-08 Hoya Corp 基板の製造方法、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、及び磁気ディスクの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6280561B2 (ja) 2018-02-14
WO2015072569A1 (ja) 2015-05-21
CN105745708B (zh) 2019-03-19
MY183852A (en) 2021-03-17
CN105745708A (zh) 2016-07-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5813628B2 (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法
JP6126790B2 (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法
JP5849764B2 (ja) シリカ溶液調製方法、該シリカ溶液調製方法により調製されたシリカ溶液を含有する研磨液、及び該研磨液を用いた磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法
JP6280561B2 (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法
JP2010079948A (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法
JP5319095B2 (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法
JP6480611B2 (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法
JP6392610B2 (ja) 磁気ディスク用基板の製造方法
JP6374522B2 (ja) 磁気ディスク用基板の製造方法、磁気ディスクの製造方法、フィルタリング装置、及び研磨液の製造方法
JP2015066657A (ja) ガラス基板の製造方法
JP6255026B2 (ja) シリカ砥粒、シリカ砥粒の製造方法および磁気ディスク用ガラス基板の製造方法
JP6280349B2 (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法、磁気ディスクの製造方法、及び磁気ディスク用基板の製造方法
JP6034580B2 (ja) Hdd用ガラス基板の製造方法
JP6328052B2 (ja) 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法、情報記録媒体の製造方法および研磨パッド
WO2012090755A1 (ja) 記録媒体用ガラス基板を製造する方法
JP5386037B2 (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法
JP5483530B2 (ja) 磁気ディスク用基板の製造方法
JP5702448B2 (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法
WO2012132073A1 (ja) 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法および情報記録媒体
US20100247976A1 (en) Glass substrate for a magnetic disk and method of manufacturing the same
JP6081580B2 (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法
JP2010080026A (ja) 磁気ディスク用基板の製造方法
JP2011062781A (ja) 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法
WO2012042725A1 (ja) 情報記録媒体用ガラス基板、その製造方法、情報記録媒体、及び情報ディスク装置
WO2016038745A1 (ja) 磁気ディスク用基板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170725

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170915

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180109

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180119

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6280561

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250