JPWO2015025963A1 - 熱線遮蔽材 - Google Patents

熱線遮蔽材 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2015025963A1
JPWO2015025963A1 JP2015532922A JP2015532922A JPWO2015025963A1 JP WO2015025963 A1 JPWO2015025963 A1 JP WO2015025963A1 JP 2015532922 A JP2015532922 A JP 2015532922A JP 2015532922 A JP2015532922 A JP 2015532922A JP WO2015025963 A1 JPWO2015025963 A1 JP WO2015025963A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat ray
ray shielding
layer
shielding material
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015532922A
Other languages
English (en)
Inventor
強臣 宮古
強臣 宮古
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Oji Paper Co Ltd
Oji Holdings Corp
Original Assignee
Oji Holdings Corp
Oji Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oji Holdings Corp, Oji Paper Co Ltd filed Critical Oji Holdings Corp
Publication of JPWO2015025963A1 publication Critical patent/JPWO2015025963A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B15/00Layered products comprising a layer of metal
    • B32B15/04Layered products comprising a layer of metal comprising metal as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material
    • B32B15/08Layered products comprising a layer of metal comprising metal as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material of synthetic resin
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/20Filters
    • G02B5/208Filters for use with infrared or ultraviolet radiation, e.g. for separating visible light from infrared and/or ultraviolet radiation
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/20Filters
    • G02B5/26Reflecting filters
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2307/00Properties of the layers or laminate
    • B32B2307/20Properties of the layers or laminate having particular electrical or magnetic properties, e.g. piezoelectric
    • B32B2307/212Electromagnetic interference shielding
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2307/00Properties of the layers or laminate
    • B32B2307/30Properties of the layers or laminate having particular thermal properties
    • B32B2307/306Resistant to heat
    • B32B2307/3065Flame resistant or retardant, fire resistant or retardant
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2419/00Buildings or parts thereof
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2605/00Vehicles

Abstract

可視光線の透過性能、熱線の遮蔽性能および電磁波の透過性能に優れ、外観にも優れた、窓板等として使用し得る熱線遮蔽材を提供する。基材(2、5)と金属層(4a)とを備える熱線遮蔽材(1A)であって、前記金属層(4a)が島状の金属皮膜を多数配置して形成されており、前記金属皮膜の径が0.05〜0.50mmであり、前記金属皮膜間の距離が0.02〜0.23mmであり、前記金属皮膜に被覆されていない部分の面積率が11〜80%であり、可視光線透過率が45%以上であり、電磁波遮蔽率が10dB以下であることを特徴とする熱線遮蔽材(1A)である。

Description

本発明は、窓板等として使用し得る熱線遮蔽材に関するものである。
従来から、ビル、住宅等の建築物や電車、乗用車、船舶等の交通機関の省エネルギー対策の一つとして、熱線遮蔽性能を有した透明材料の開発が進められている。例えば、窓から降り注ぐ太陽光線のうちの可視光線は透過するが、熱線は遮蔽し、一方、室内の熱を外部へ逃がさないための断熱機能を有したガラス板やフィルムなどが開発されている。
ガラス板やフィルムに熱線を遮蔽する機能を付与する方法としては、アルミニウム等の金属層をフィルム等の上に均一に形成する方法が広く採用されている。
ところが、このような均一な金属層は、一般に電磁波を反射するため、屋内や車内において携帯電話や携帯テレビ等を使用することが困難になるといった問題が生じることがある。そこで、熱線は遮蔽し、電磁波は透過させるといった機能を有したガラス板やフィルムの開発が進められてきている。
例えば、特許文献1には、絶縁性透明基板上に複数のストライプ状や格子状に分割された導電性被膜が被覆された電波透過性熱線反射板が開示されている。また、特許文献2には、電波の波長λの1/20倍以下になるように分割して分割溝を形成した電波低反射特性を有する熱線反射ガラスが開示されている。また、特許文献3には、特定周波数の波長を遮断する遮断層が積層されてなる基材フィルムが開示されている。
特開平7−242441号公報 特開平5−50548号公報 特開2008−68519号公報
しかしながら、特許文献1に記載の電波透過性熱線反射板は、導電体被膜部の寸法が大きいため、商品としての外観上問題となり得るものであった。また、開示された実施例は、透明導電性皮膜に被覆されていない部分の面積率が小さかったり、導電体被膜部間の距離が小さかったりして、電磁波の透過性や工業的な生産性にやや劣るものであった。
また、特許文献2に記載の熱線反射ガラスは、電波反射率の低減を主たる課題とするものであり、開示された実施例では、ストライプ状被覆膜の幅がかなり大きいため、商品としての外観上問題となり得るものであった。
また、特許文献3に記載の基材フィルムは、特定波長の電磁波を選択的に透過させるためのものであり、遮蔽層の間に存在するスリットの幅や間隔が大きいため、商品としての外観上問題となるものであった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、可視光線の透過性能、熱線の遮蔽性能、電磁波の透過性能に優れ、外観にも優れた熱線遮蔽材を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために、基材上に設けた金属層の形態について検討を進めた。金属層として、金属皮膜が全面に均一に形成された基材は、電磁波を透過させることができない。そこで金属層として、島状の金属皮膜を多数配置して形成された層とすると、基材全体としての導電性は失われた。その結果、島状の金属皮膜間の隙間を電磁波が透過することが可能となり、基材に電磁波透過性能を付与することが可能となった。また、島状の金属皮膜間に隙間を設けることによって基材の可視光線透過性能を高めることができた。
しかし、島状の金属皮膜の隙間を狭くし過ぎると、表面抵抗値が小さくなり、基材の電磁波透過性能が低下することとなった。一方、島状の金属皮膜を小さくして、島状の金属皮膜の隙間を広げ過ぎると、基材の電磁波透過性能は向上するものの、基材の熱線遮蔽性能が低下することとなった。さらに、島状の金属皮膜を大きくし過ぎたり、島状の金属皮膜の形状や配置の仕方によっては、金属皮膜が肉眼で見え易くなって、基材の外観の商品性を損なう懸念があった。
このような状況を踏まえて、本発明者は、可視光線透過性能、熱線遮蔽性能、電磁波透過性能および外観のいずれをも満足し得る島状の金属皮膜の配置の仕方を特定することに成功して、本発明を完成するに至ったものである。すなわち、本発明は以下のような構成を有するものである。
(1)基材と金属層とを備える熱線遮蔽材であって、前記金属層が島状の金属皮膜を多数配置して形成されており、前記金属皮膜の径が0.05〜0.50mmであり、前記金属皮膜間の距離が0.02〜0.23mmであり、前記金属皮膜に被覆されていない部分の面積率が11〜80%であり、可視光線透過率が45%以上であり、電磁波遮蔽率が10dB以下であることを特徴としている。
(2)熱線遮蔽材は、前記基材の一方の面に金属層を備え、他方の面に多層構造を有する樹脂層を備え、前記多層構造の1層当たりの厚さが50〜1000nmであることが好ましい。
(3)熱線遮蔽材は、前記基材が、多層構造を有する樹脂材であり、前記多層構造の1層当たりの厚さが50〜1000nmであることが好ましい。
(4)前記基材が2枚あり、当該2枚の基材で前記金属層を挟む構成を有することが好ましい。
(5)可視光線反射率が25%以下であることが好ましい。
(6)熱線遮蔽係数が0.9以下であることが好ましい。
(7)前記金属層が複数の金属層から構成されていることが好ましい。
(8)前記金属層が銀を含有することが好ましい。
(9)熱貫流率が5.9W/mK未満であることが好ましい。
(10)紫外線透過率が5%以下であることが好ましい。
(11)前記金属皮膜の径が0.15〜0.50mmであり、前記金属皮膜間の距離が0.04〜0.23mmであることが好ましい。
本発明の熱線遮蔽材は、可視光線の透過性能、熱線の遮蔽性能および電磁波の透過性能に優れ、外観にも優れている。
比較例の構成と物性を示す表である。 比較例の性能を示す表である。 実施例、比較例の構成と物性を示す表である。 実施例、比較例の性能を示す表である。 実施例、比較例の構成と物性を示す表である。 実施例、比較例の性能を示す表である。 実施例、参考例の構成と物性を示す表である。 実施例、参考例の性能を示す表である。 実施例、比較例の構成と物性を示す表である。 実施例、比較例の性能を示す表である。 実施例、比較例の構成と物性を示す表である。 実施例、比較例の性能を示す表である。 実施例、比較例の構成と物性を示す表である。 実施例、比較例の性能を示す表である。 第1実施形態の熱線遮蔽材1Aの層構成を示す模式的断面図である。 第1実施形態の熱線遮蔽材1Bの層構成を示す模式的断面図である。 第1実施形態の熱線遮蔽材1Cの層構成を示す模式的断面図である。 第2実施形態の熱線遮蔽材10の層構成を示す模式的断面図である。 第1実施形態の熱線遮蔽材の島状の金属皮膜の配置の仕方の例であり、円形千鳥型配置である。 第1実施形態の熱線遮蔽材の島状の金属皮膜の配置の仕方の例であり、正方形並列型配置である。 第1実施形態の熱線遮蔽材の島状の金属皮膜の配置の仕方の例であり、六角形千鳥型配置である。 第2実施形態の熱線遮蔽材10の製造方法を示す模式図である。 第3実施形態の熱線遮蔽材20Aの層構成を示す模式的断面図である。 第3実施形態の比較例の熱線遮蔽材20Bの層構成を示す模式的断面図である。 第3実施形態の比較例の熱線遮蔽材20Cの層構成を示す模式的断面図である。 第3実施形態の熱線遮蔽材20Dの層構成を示す模式的断面図である。 第3実施形態の熱線遮蔽材20Eの層構成を示す模式的断面図である。 第4実施形態の熱線遮蔽材30の層構成を示す模式的断面図である。 第5実施形態の熱線遮蔽材40の層構成を示す模式的断面図である。 第2実施形態の実施例と比較例の熱線遮蔽材の透過率・反射率のスペクトル図である。 第2実施形態の実施例と比較例の熱線遮蔽材の透過率・反射率のスペクトル図である。 第2実施形態の実施例と比較例の熱線遮蔽材の透過率・反射率のスペクトル図である。 第2実施形態の実施例と比較例の熱線遮蔽材の透過率・反射率のスペクトル図である。 第2実施形態の実施例と比較例の熱線遮蔽材の透過率・反射率のスペクトル図である。 第2実施形態の実施例と比較例の熱線遮蔽材の透過率・反射率のスペクトル図である。 第3実施形態の実施例と比較例の熱線遮蔽材の透過率・反射率のスペクトル図である。 第3実施形態の実施例と比較例の熱線遮蔽材の透過率・反射率のスペクトル図である。 第3実施形態の比較例の熱線遮蔽材の透過率・反射率のスペクトル図である。 第3実施形態の比較例の熱線遮蔽材の透過率・反射率のスペクトル図である。
本発明の実施形態について説明する。但し、本発明の実施形態は、以下の実施形態に限定されるものではない。
(電磁波、可視光線、近赤外線、遠赤外線、紫外線)
本実施形態において、電磁波とは、波長10mm〜10km、周波数30KHz〜30GHz程度の電磁波のことをいう。ラジオ放送、テレビ放送、無線通信、携帯電話、衛星通信等に使用される電磁波領域のものである。
本実施形態において、可視光線とは、電磁波のうち肉眼で認識することができる光のことであり、一般に波長380〜780nmの電磁波のことを指している。近赤外線とは、およそ波長800〜2500nmの電磁波であり、赤色の可視光線に近い波長を有する。近赤外線は、太陽光の中に含まれており、物体を加熱する作用がある。これに対して、遠赤外線は、およそ波長5〜20μm(5000〜20000nm)の電磁波であり、太陽光の中には含まれず、室温付近の物体から放射される波長に近いものである。また、紫外線とは、およそ波長10〜380nmの電磁波である。
本実施形態において、熱線とは、近赤外線のことを意味する。
本実施形態の熱線遮蔽材は、電磁波、可視光線、近赤外線、遠赤外線、紫外線の5つの波長の電磁波を意識して扱う構成となっている。すなわち、本実施形態の熱線遮蔽材は、電磁波を室外・室内間に透過させて、屋内や車内において携帯電話や携帯テレビ等を使用することを可能とする。また、本実施形態の熱線遮蔽材は、可視光線を室外から室内に部分的に透過させて、室内を明るく保つようにする。近赤外線は、金属層によって反射・吸収させて、室外から室内に入らないように遮蔽し、夏季等に室内が暑くならないようにする。遠赤外線は、室内から発せられるものであり、金属層によって反射させることによって、冬季等に室内の熱が室外へ出ていかないようにする。紫外線は、金属層によって反射・吸収させて、室外から室内に入らないように遮蔽し、室内の物品が経時的に劣化を引き起こすことがないようにする。
本実施形態の熱線遮蔽材は、主として窓板等として使用し得るものである。本実施形態の熱線遮蔽材は、基材と金属層とを備えている。前記金属層は、島状の金属皮膜を多数配置して形成されており、前記金属皮膜の径が0.05〜0.50mmであり、前記金属皮膜間の距離が0.02〜0.23mmであり、前記金属皮膜に被覆されていない部分の面積率が11〜80%である。そして、本実施形態の熱線遮蔽材は、可視光線透過率が45%以上であり、電磁波遮蔽率が10dB以下であることを特徴としている。
本実施形態の熱線遮蔽材とは、基材と金属層とを備えて、窓板として使用し得るものである。ここで、基材は、1枚であってもよいし、2枚以上であってもよい。基材を2枚以上用いるときは、個々の基材は材質、厚さ、形状は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
そのため、本実施形態の熱線遮蔽材は、通常窓板として使用し得る基材に直接金属層を形成させた形式のものであってもよいし、薄いシート状の基材に金属層を形成させて、接着剤等で窓板としての基材に貼り合せた形式のものであってもよい。
さらに、基材の形態は、特に限定されるわけではない。ガラスシート、ガラス板、樹脂フィルム、樹脂板、布帛、不織布、透明乃至半透明紙、成形品等の種々の形態とすることができる。但し、基材の表面に島状の金属皮膜を多数、整然と配置して形成させるためには、表面がフラットなフィルムやシートであることが好ましい。窓板としての基材は、ガラス板、樹脂板であることが好ましい。
また、本実施形態の熱線遮蔽材は、基材と金属層以外に、接着層、ハードコート層、保護層等の種々の機能性層を積層させることができる。そのことによって、さらに有効な特性を付与することが可能となる。
以下に、本実施形態について、さらに具体的な実施形態に分類して説明する。すなわち、第1実施形態〜第5実施形態およびこれらの変形例について説明する。
<第1実施形態の熱線遮蔽材>
第1実施形態の熱線遮蔽材は、前記したように、基材と金属層とを備えて、金属層は、島状の金属皮膜を多数配置して形成されている。基材として2種類の基材を有しており、第1の基材の表面に金属層を形成し、第2の基材である窓板に接着層等を介して設置する形式の熱線遮蔽材である。第1実施形態の熱線遮蔽材をさらに3つの具体例を示しつつ説明する。
図15〜図17は、第1実施形態の熱線遮蔽材の層構成の異なる3つの具体例を示す模式的断面図である。図15は第1実施形態の熱線遮蔽材1Aの層構成を示している。図16は第1実施形態の熱線遮蔽材1Bの層構成を示している。図17は第1実施形態の熱線遮蔽材1Cの層構成を示している。
以下、第1実施形態の熱線遮蔽材1A、第1実施形態の熱線遮蔽材1Bおよび第1実施形態の熱線遮蔽材1Cについて説明する。但し、多くの説明内容は、第1実施形態の熱線遮蔽材1A、第1実施形態の熱線遮蔽材1Bおよび第1実施形態の熱線遮蔽材1Cにおいて共通するものである。
[第1実施形態の熱線遮蔽材の構成]
(層構成)
第1実施形態の熱線遮蔽材1Aは、透明樹脂からなる第1の基材5の室内側に、ハードコート層6を有している(図15参照)。また、第1の基材5の室外側表面には、島状の金属皮膜を多数配置して形成された金属層4aと第2の基材である窓板2に密着させるための接着層3と第2の基材である窓板2を有している。金属層4aの島状の金属皮膜は、単層のアルミニウムから構成されている。
第1実施形態の熱線遮蔽材1Bは、透明樹脂からなる第1の基材5の室内側に、ハードコート層6を有している(図16参照)。また、第1の基材5の室外側表面には、島状の金属皮膜を多数配置して形成された金属層4bと第2の基材である窓板2に密着させるための接着層3と第2の基材である窓板2を有している。金属層4bの島状の金属皮膜は、ITO/Ag/ITOの3層の導電層から構成されている。ここで、ITOとは、酸化インジウム・スズ(スズドープ酸化インジウム)の略称である。ITO/Ag/ITOの3層は、第1の基材5上にITO、Ag、ITOを順番にスパッタリングすることによって形成される。
第1実施形態の熱線遮蔽材1Cは、透明樹脂からなる第1の基材5の室内側表面には、島状の金属皮膜を多数配置して形成された金属層4cとハードコート層6とを有している(図17参照)。また、第1の基材5の室外側には、第2の基材である窓板2に密着させるための接着層3と第2の基材である窓板2を有している。金属層4cの島状の金属皮膜は、単層のアルミニウムから構成されている。
以下、上記の「熱線遮蔽材1A」、「熱線遮蔽材1B」および「熱線遮蔽材1C」をまとめて、適宜「熱線遮蔽材1」と記載する。また、上記の「金属層4a」、「金属層4b」、「金属層4c」および後記する「金属層4d」等を総称して、適宜「金属層4」と記載する。
熱線遮蔽材1の金属層4は、第2の基材である窓板2の室内側に設置されているため、雨風等による劣化を低減できる。なお、熱線遮蔽材1の金属層4は、第2の基材である窓板2の室外側に設置することもできる。その場合の層構成は、図15、図16、図17の各図において、「室内」(Indoor)との記載を「室外」(Outdoor)、「室外」(Outdoor)との記載を「室内」(Indoor)と読み替えたものとなる。この場合、第2の基材である窓板2の室外側に設置された熱線遮蔽材1の室外の最外層には、ハードコート層6が存在することとなる。
[第1実施形態の熱線遮蔽材の材料]
以下、第1実施形態の熱線遮蔽材1を構成する各材料について、詳細に説明する。
尚、特に断らない限り、後記する第2実施形態の熱線遮蔽材、第3実施形態の熱線遮蔽材、第4実施形態の熱線遮蔽材、第5実施形態の熱線遮蔽材、およびこれらの変形例を構成する各材料についての説明も、同様であり、同様に適用できるものであるので、その説明を省略する。
(窓板2)
窓板2とは、外界から建築物や交通車輛や船舶等の内部に太陽光を取り込むための透明な板である。熱線遮蔽材1の基材となり得る。一般的には、ガラス板や樹脂板が窓板2として使われる。樹脂板には、アクリル系、スチレン系、水添環状樹脂、ポリカーボネート系、ポリエステル系など種々の樹脂を使用することができる。
(基材)
基材とは、熱線遮蔽材1としての形態を維持するための材料であり、熱線遮蔽材を構成する金属層4をその表面に形成させたり、保持するために使用され得るものである。金属層4以外にも、ハードコート層6、接着層3等を保持する機能を有している。基材は、窓板2(第2の基材)であったり、窓板とは異なる基材5(第1の基材)であったりする。
基材は、可視光線を透過させるように透明材料から構成されていることが好ましい。基材は、金属層を安定して保持し得るだけの機械的強度、耐久性、可視光線透過率、取扱性等に優れていることが好ましい。
基材として使用される材料としては、無機系のガラスや有機系の樹脂がある。無機系のガラスとしては、ソーダ石灰ガラスが代表的なものである。有機系の樹脂としては、アクリル系、ポリカーボネート系、スチレン系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、水添環状樹脂、フッ素系、シリコーン系、ウレタン系など種々の樹脂が使用できる。これらの有機系樹脂は、用途や目的に応じて、使い分けることができる。これらの有機系樹脂の中では、成形性、取扱性、耐候性等の観点から、ポリエステル系が好ましい。
第1の基材5は、窓板2上に接着層3等を介して接着させて使用する場合には、材料の機械的物性等にも因るが、厚さは8〜800μmであることが好ましい。より好ましくは12〜400μmである。
(金属層4)
金属層4は、室外から照射される太陽光のうち、熱線と紫外線を主に反射によって遮蔽するとともに、室内から発せられる遠赤外線を主に反射によって遮蔽する層である。熱線、紫外線、遠赤外線の反射は、金属内の多数の自由電子が電磁波の振動電場に合わせて集団振動するために起きると考えられている。
金属層4は、基材の少なくとも片面に設けられた層である。基材の室内側の表面もしくは室外側の表面のいずれか、または室内側の表面と室外側の表面の両方に設置することができる。但し、金属層4が、基材の室内側の表面にある方が、遠赤外線の反射性能(後記する熱貫流率)に優れているため、好ましい。
金属層4を構成する金属としては、Al、Ag、Sn、Ni、Cu、Cr、In、Pd、Pt、Au等を使用することができる。これらの金属は、導電性能に優れ、熱線、遠赤外線、紫外線を反射することが可能である。また、気相法によって基材上に皮膜を形成することが可能であり、エッチング等によって島状の金属皮膜を形成することが可能である。これらの金属は、単独で使用してもよいし、性能的に問題がなければ、合金として使用してもよい。
これらの金属からなる金属皮膜は、通常、可視光線の透過性能が十分ではない。そのため、以下に述べるように、島状の金属皮膜を多数配置させることによって、可視光線と電磁波の透過性能を付与することができる。
金属層4は、島状の金属皮膜を多数配置して形成されている。金属皮膜の径は、0.05〜0.50mmである。好ましくは0.15〜0.50mmであり、さらに好ましくは0.20〜0.45mmである。ここで、金属皮膜の径とは、島状の金属皮膜の最大差し渡し長さの平均値のことをいう。金属皮膜の径が0.05mm未満であると、熱線等の遮蔽性能が不十分となる。金属皮膜の径が0.50mmを超えると、肉眼で金属皮膜が認識し易くなり、金属光沢が強くなり、外観の商品性が低下する。
また、金属皮膜間の距離は、0.02〜0.23mmである。好ましくは0.04〜0.23mmであり、さらに好ましくは0.05〜0.2mmである。ここで、金属皮膜間の距離とは、島状の金属皮膜の端部と隣り合う島状の金属皮膜の端部との最短距離のことをいう。金属皮膜間の距離が0.02mm未満であると、可視光線透過率が低下し、電波透過性が低下する可能性がある。また製造上もエッチングによる製造が困難となる可能性がある。金属皮膜間の距離が0.23mmを超えると、肉眼で金属皮膜が認識し易くなり、外観の商品性が低下する。また、熱線等の遮蔽性能が不十分となる。
島状の金属皮膜の形状については、特に制約はなく、円形、正方形、長方形、正多角形、楕円形、不定形等が可能である。製造上の容易さや金属皮膜の形状の管理のし易さからは、円形、正方形、長方形、正多角形が好ましい。また多数の島状の金属皮膜の配置の仕方は、規則正しく配置してもよいし、ランダムに配置してもよい。製造上の容易さや金属皮膜の形状の管理のし易さからは、規則正しく配置させる方が好ましい。
(表面抵抗値)
遠赤外線を反射する能力は、金属層4の金属皮膜の導電性能に依存している。金属皮膜の導電性能は、表面抵抗値として定量化することができる。表面抵抗値は、JIS K7194に準拠して、4端子4探針法によって測定することができる。第1実施形態においては、表面抵抗値はエッチング等によって島状の金属皮膜を形成する前に測定する。
金属皮膜の表面抵抗値は、100Ω/□以下であることが好ましく、20Ω/□以下であることがより好ましい。金属皮膜の表面抵抗値を100Ω/□以下にすると、遠赤外線を反射する能力が優れたものとなり、熱貫流率が低い熱線遮蔽材1を得ることができる。表面抵抗値の数値は、金属層4の金属の種類や厚さ等によって調整することができる。
図19〜21は、島状の金属皮膜の配置の仕方の例である。図19は円形千鳥型配置である。円形の金属皮膜の中心が正三角形の頂点に位置するように、規則正しく配置している。金属皮膜の径はD(mm)であり、金属皮膜間の距離はP(mm)である。
図20は正方形並列型配置である。正方形の金属皮膜の中心が長方形の頂点に位置するように、規則正しく配置している。金属皮膜の径は約1.41×W(mm)である。金属皮膜間の距離は、縦方向がSP(mm)であり、横方向がSP(mm)である。
図21は六角形千鳥型配置である。正六角形の金属皮膜の中心が正三角形の頂点に位置するように、規則正しく配置している。金属皮膜の径は約1.15×W(mm)であり、金属皮膜間の距離はP(mm)である。
金属層4において、金属皮膜に被覆されていない部分の面積率(開口面積率)は、11〜80%である。金属皮膜に被覆されていない部分の面積率が11〜80%であるときに、電磁波の透過性能、熱線の遮蔽性能、可視光線の透過性能、遠赤外線の反射性能(後記する熱貫流率)をいずれもバランスよく満足することができる。金属皮膜に被覆されていない部分の面積率は、好ましくは15〜75%であり、より好ましくは18〜70%であり、更に好ましくは20〜65%である。
図19の円形千鳥型配置において、金属皮膜に被覆されていない部分の面積率R(%)は、以下の式(1)によって算出することができる。
=100−{(90.6×D)/(P+D)}・・(1)
図20の正方形並列型配置において、金属皮膜に被覆されていない部分の面積率R(%)は、以下の式(2)によって算出することができる。
=100−100×W/{(W+SP)×(W+SP)}・・(2)
図21の六角形千鳥型配置において、金属皮膜に被覆されていない部分の面積率R(%)は、以下の式(3)によって算出することができる。
=100−100×{W/(W+P)}・・(3)
金属層4は、単一の金属層4から構成されていてもよいし、複数の金属層4から構成されていてもよい。金属層4としての性能が安定化し、透明性に優れた層とすることが容易であることから、複数の金属層から構成されていることが好ましい。
金属層4を構成する金属としては、アルミニウムまたは銀から構成されていることが好ましい。銀は、導電性に優れ、気相法による金属皮膜の形成とエッチングが容易であることから、より好ましい。
金属層4を複数の導電層から構成する場合には、ITO(酸化インジウム・スズ)、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化タングステン、酸化チタン、窒化アルミ等の高屈折の材料を組み合わせて用いることによって、金属層4の可視光線透過性を高めることが可能となる。第1実施形態の熱線遮蔽材1Bは、金属層4として、ITO/Ag/ITOの3層からなる導電層を用いている(図16参照)。また、後記する第2実施形態の熱線遮蔽材10は、金属層4として、ITO/Ag/ITO/Ag/ITOの5層からなる導電層を用いている(図18参照)。
金属層4を構成する金属皮膜の厚さは、2〜120nmであることが好ましく、4〜70nmであることがより好ましく、5〜30nmであることがさらに好ましい。ここで、金属皮膜の厚さとは、AgやAl等の金属のみからなる層の厚さの合計のことをいう。金属皮膜の厚さがこの範囲にあると、熱線、遠赤外線、紫外線の反射性能に優れ、耐久性と取扱性にも優れている。
(接着層3)
第1実施形態の熱線遮蔽材1では、第1の基材5と第2の基材である窓板2とを接着するために、接着層3が設けられている。
接着層3は、例えば、熱線遮蔽材製品の購入者が第1の基材5を第2の基材である窓板2に自ら接着する際に、両者を貼着させるために使用する接着層とすることができる。この場合、接着層は粘着性を有しており、粘着層と称することも可能である。この接着層には、取扱性向上のために、必要に応じて、離型シートが貼付されており、第2の基材である窓板2に設置するときには、この離型シートを剥がしてから貼着させる。
接着層3に用いられる材料としては、一般にガラス貼着用等に使用されている接着剤や粘着剤を使用することができる。例えば、アクリル系、シリコーン系、ウレタン系、ブタジエン系、天然ゴム系等が挙げられる。これらの中では、耐久性の観点から、アクリル系およびシリコーン系が好ましい。
接着層3の厚さは、5〜50μmであることが好ましい。
(ハードコート層6)
第1実施形態の熱線遮蔽材1において、外力によって熱線遮蔽材1の表面が傷付いたり、内層部が破壊されることを防止するため、最外層にハードコート層6を設けている。
ハードコート層6に用いられる材料としては、一般に、無機系ハードコート層、有機系ハードコート層、有機無機系ハードコート層、シリコーン系ハードコート層等を使用することができる。中でも、紫外線硬化型のアクリル系樹脂が好ましい。
ハードコート層6の厚さは、0.5〜20μmであることが好ましい。
(保護層)
第1実施形態の熱線遮蔽材1は、製造中の外力等によって金属層4が破損されることを防止するため、基材上の金属層4と接着層3との間に、保護層を設けてもよい。
保護層としては、コーティング法や保護フィルムの接着法等がある。コーティング法では、有機系ハードコート剤、無機系ハードコート剤、シリコーン系ハードコート剤等を塗布して、硬化させて形成することができる。中でも、紫外線硬化型のアクリル系樹脂が好ましい。保護層の厚さは0.5〜20μmであることが好ましい。
保護フィルムの接着法では、保護フィルムを接着層によって金属層4上に貼合する方法がある。保護フィルムとしては、基材と同様に、PETフィルム等の材料を使用することができる。保護フィルムの接着層の接着剤としては、アクリル系、シリコーン系、ウレタン系、ブタジエン系、天然ゴム系等が挙げられる。これらの中では、耐久性の観点から、アクリル系およびシリコーン系が好ましい。接着層の厚さは0.5〜20μmであることが好ましい。
(熱線を吸収する金属化合物)
第1実施形態の熱線遮蔽材1の熱線遮蔽性能をさらに向上させるために、可視光線透過率や他の性能に影響を与えない範囲で、熱線を吸収する金属化合物を、基材5、ハードコート層6、接着層3、窓板2のいずれかの層に添加してもよい。また、熱線を吸収する金属化合物を含有する層を別途設けてもよい。この場合、熱線を吸収する金属化合物を含有する層は、熱線遮蔽材1の室内側に配置することが性能上好ましい。
ここで、熱線を吸収する金属化合物とは、800〜2500nmに最大吸収波長ピークを有する金属化合物である。熱線を吸収する金属化合物の具体例としては、セシウム含有酸化タングステン、六ホウ化ランタン、アンチモン含有酸化錫、スズ含有酸化インジウム、ガリウム含有酸化亜鉛などを挙げることができる。中でも、セシウム含有酸化タングステン、六ホウ化ランタンおよびアンチモン含有酸化錫から選ばれるいずれか1種以上であることが好ましい。さらに、熱線を吸収する能力に優れたセシウム含有酸化タングステンが、特に好ましい。
第1実施形態の熱線遮蔽材1は、第2の基材である窓板2を除く、第1の基材5、金属層4、ハードコート層6および接着層3を含む合計の厚さが、10〜800μmであることが好ましく、16〜500μmであることがより好ましい。
[第1実施形態の熱線遮蔽材の性能]
以下、第1実施形態の熱線遮蔽材1が有する各種性能について説明する。
尚、特に断らない限り、後記する第2実施形態の熱線遮蔽材、第3実施形態の熱線遮蔽材、第4実施形態の熱線遮蔽材、第5実施形態の熱線遮蔽材、およびこれらの変形例が有する各種性能についての説明も、同様であり、同様に適用できるものであるので、その説明を省略する。
(可視光線透過率)
第1実施形態の熱線遮蔽材1は、室内を明るくするために、波長380〜780nmの可視光線を透過させる。具体的には、熱線遮蔽材1の可視光線透過率は、45%以上である。60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。可視光線透過率は、JIS A5759に準拠して、赤外反射測定機を用いて測定することができる。可視光線透過率の数値は、前記した金属層4の金属皮膜の形状、厚さ、金属の種類、基材やハードコート層6の素材や厚さ等によって調整することができる。
(電磁波遮蔽率)
第1実施形態の熱線遮蔽材1は、電磁波の透過性能を定量化して評価するために、電磁波遮蔽率という指標を用いている。評価方法としては、KEC法を採用した。電磁波の測定範囲は、30MHz〜1GHzである。電磁波遮蔽率は、周波数800MHzにおける数値(dB)を用いた。
電磁波遮蔽率は、10dB以下である。電磁波遮蔽率が10dB以下であるときに、屋内や車内における携帯電話や携帯テレビ等の使用時において、支障のないものとすることができる。電磁波遮蔽率は、好ましくは5dB以下、より好ましくは3dB以下であり、さらに好ましくは1dB以下である。
電磁波遮蔽率の数値は、前記した金属層4の金属皮膜の形状、厚さ、金属の種類等によって調整することができる。
(可視光線反射率)
第1実施形態の熱線遮蔽材1の可視光線反射率は、特に限定するものではないが、数値が低いほうが好ましい。具体的には、可視光線反射率が25%以下であることが好ましい。可視光線反射率が25%以下であると、金属光沢が少なく、商品としての外観に優れたものとなる。可視光線反射率は、20%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましい。可視光線反射率は、JIS A5759に準拠して、赤外反射測定機を用いて測定することができる。可視光線反射率の数値は、前記した金属層4の金属皮膜の形状、厚さ、金属の種類等によって調整することができる。
(日射透過率)
第1実施形態の熱線遮蔽材1は、波長300〜2500nmの範囲の可視光線と近赤外線の透過を抑制する。熱線遮蔽材1の日射透過率は、60%以下であることが好ましい。日射透過率が60%以下であると、熱線遮蔽性に優れたものとなる。50%以下がより好ましい。日射透過率は、JIS A5759に準拠して、赤外反射測定機を用いて測定することができる。日射透過率の数値は、前記した可視光透過率の場合と同様に、構成する各層の素材や厚さ等によって調整することができる。
(日射反射率)
第1実施形態の熱線遮蔽材1は、日射反射率が25%以上であることが好ましい。日射反射率が25%以上であると、熱線遮蔽性に優れたものとなる。日射反射率は、30%以上がより好ましい。日射反射率は、JIS A5759に準拠して、赤外反射測定機を用いて測定することができる。日射反射率の数値は、前記した可視光透過率の場合と同様に、構成する各層の素材や厚さ等によって調整することができる。
(日射吸収率)
第1実施形態の熱線遮蔽材1は、日射吸収率が40%以下であることが好ましい。日射吸収率が40%以下であると、熱線遮蔽材1の温度が上昇して性能が劣化することを抑制し、窓板2を損傷させる弊害も抑制する。日射吸収率は、35%以下がより好ましい。日射吸収率は、JIS A5759に準拠して、赤外反射測定機を用いて測定することができる。日射吸収率の数値は、前記した可視光透過率の場合と同様に、構成する各層の素材や厚さ等によって調整することができる。
なお、日射透過率と日射反射率と日射吸収率の数値を合計すると、100%となる。
(反射光の色度・彩度)
第1実施形態の熱線遮蔽材1において、反射光が色彩を帯びていると、外観上の商品性が低下する。そのため、色彩を帯びていない方が好ましい。すなわち、JIS Z8729に記載のL表色系の色度図において、反射光における色相a値、b値および彩度C値がいずれも数値が少ないことが好ましい。具体的には、いずれも10以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましい。
(熱線遮蔽係数)
第1実施形態では、金属層4による熱線の遮蔽性能を定量化して評価するために、熱線遮蔽係数という指標を用いている。熱線遮蔽係数は、JIS A5759に準拠して、分光光度計を用いて測定される。Ni値は0.34として、熱線遮蔽係数を求める。
第1実施形態の熱線遮蔽材1の熱線遮蔽係数は、0.9以下であることが好ましい。熱線遮蔽係数が0.9を超えると、近赤外線の遮蔽効率が環境省のグリーン購入法基準等に照らして、不十分となる。熱線遮蔽係数は、より好ましくは0.8以下であり、さらに好ましくは0.7以下、特に好ましくは0.6以下である。
熱線遮蔽係数の数値は、前記した金属層4の金属皮膜の形状、厚さ、金属の種類等によって調整することができる。
(紫外線透過率)
熱線遮蔽材1を透過した太陽光は、室内の物品に照射されることとなるが、室内の物品が紫外線によって劣化しないように、紫外線透過率を低減させることが好ましい。第1実施形態では、紫外線透過率の目安として、波長が380nmの光を用いて、紫外線透過率を評価する。紫外線透過率(380nm透過率)は、JIS A5759に準拠して、分光光度計を用いて測定することができる。
第1実施形態の熱線遮蔽材1の紫外線透過率(380nm透過率)は5%以下であることが好ましい。紫外線透過率の数値は、前記した金属層4の金属皮膜の形状、厚さ、金属の種類等によって調整することができる。
(熱貫流率)
第1実施形態では、金属層4による遠赤外線の反射効率を定量化して評価するために、熱貫流率という指標を用いている。熱貫流率は、JIS A5759に準拠して、赤外反射測定機を使用して、測定することができる。
第1実施形態の熱線遮蔽材1の熱貫流率が、5.9W/mK未満であることが好ましい。遠赤外線の反射効率に優れた熱線遮蔽材1は、遠赤外線を吸収させないようできるだけ表層に配置することが好ましい。
(ヘイズ)
第1実施形態の熱線遮蔽材1は、ヘイズが1.5%以下であることが好ましい。ヘイズが1.5%以下であると、視野的に優れたものとなる。ヘイズは、JIS K7136に準拠して、ヘイズメータ(曇り度計)を用いて測定することができる。ヘイズの数値は、前記した可視光透過率の場合と同様に、構成する各層の素材や厚さ等によって調整することができる。
(外観)
第1実施形態の熱線遮蔽材1の外観は、熱線遮蔽材としての商品性を左右するものである。熱線遮蔽材1の外観は、金属層4を形成する金属皮膜の径が0.50mmを超えて大きいものであったり、金属皮膜間の距離が0.23mmを超えたりすると、肉眼で金属皮膜が認識し易くなり、外観の商品性が低下する。熱線遮蔽材1の外観は、肉眼による目視によって判定される。
[第1実施形態の熱線遮蔽材の製造方法]
第1実施形態の熱線遮蔽材1は、第1の基材5上に熱線遮蔽材1を構成する各層を順次形成することによって、製造することができる。以下に各層を形成するための製造方法について、代表的な例を説明する。
尚、特に断らない限り、後記する第2実施形態の熱線遮蔽材、第3実施形態の熱線遮蔽材、第4実施形態の熱線遮蔽材、第5実施形態の熱線遮蔽材、およびこれらの変形例の製造方法についての説明も、同様であり、同様に適用できるものであるので、その説明を省略する。
金属層4を形成する方法について説明する。まず、基材5の表面全体に気相法によって、所定の金属の皮膜を形成する。気相法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法など公知の方法を適宜選択することができる。
次に、基材5の表面全体に形成された金属皮膜の上に、所定の島状の金属皮膜の配置の仕方でレジスト(感光性樹脂)膜を形成する。レジスト膜の形成方法としては、印刷法、フォトリソグラフ法等の公知の方法を選択することができる。印刷法としては、グラビア印刷、スクリーン印刷等の公知の方法を選択することができる。
次に、レジスト膜が存在しない部分の金属皮膜を酸やアルカリによってエッチングして、除去する。その後レジスト膜を溶剤や水等で剥離することによって、所定の島状の金属皮膜の配置を有する金属層4を形成することができる。
また、所定の島状の金属皮膜を形成する方法としては、上記のレジスト法以外にも、レーザー光を金属皮膜上にパターン状に照射して、特定の位置の金属皮膜を加熱除去するというレーザー法を用いることもできる。
接着層3を形成する方法について説明する。接着剤や粘着剤の高分子等を溶剤に適当量混合し、適切な粘度の溶液を調製する。その溶液を基材5上にコーティングする。その後乾燥させることによって、接着層3を形成することができる。
ハードコート層6を形成する方法について説明する。熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂を溶剤に適当量混合し、適切な粘度の溶液を調製する。その溶液を基材5上にコーティングする。乾燥させた後、熱または光を用いて硬化反応をさせることによって、ハードコート層6を形成することができる。
[第1実施形態の熱線遮蔽材の用途]
第1実施形態の熱線遮蔽材1は、電磁波を透過させるので、室内において携帯電話や携帯テレビ等を使用することができる。屋外から照射される可視光線をある程度は透過させるので、室内を明るくすることができる。一方、第1実施形態の熱線遮蔽材1は、熱線を遮蔽するので、室内の気温の上昇を抑制することができる。また、室内から放射される遠赤外線は室外へ逃げないようにすることができる。さらに、紫外線は遮蔽して、室内の物品が紫外線によって経時的に劣化することを防止することができる。
尚、特に断らない限り、後記する第2実施形態の熱線遮蔽材、第3実施形態の熱線遮蔽材、第4実施形態の熱線遮蔽材、第5実施形態の熱線遮蔽材、およびこれらの変形例の用途についても、同様であり、同様に適用できるものであるので、その説明を省略する。
<第1実施形態の熱線遮蔽材の変形例>
第1実施形態の熱線遮蔽材は、第1の基材の表面に金属層を形成し、第2の基材である窓板に接着層等を介して設置する形式の熱線遮蔽材である。しかし、当該第1の基材を使用せずに、基材として窓板のみを用いて、窓板に直接金属層を形成させる形式のものであってもよい。例えば、仮の支持体の表面に金属層を形成し、これを基材の金属層を形成する面に積層、圧着し、仮の支持体を剥がしとることにより、基材に金属層を転写する方法や、基材に金属を含有するインクで直接印刷してもよい。基材としての窓板としては、前記したように、透明ガラス板や透明樹脂板等を使用することができる。
また、第1実施形態の熱線遮蔽材は、第1の基材と第2の基材である窓板の2種類の基材を用いている。しかし、第1の基材が、金属層を安定して保持し得るだけの機械的強度、耐久性、取扱性等を有したものであれば、第2の基材である窓板を貼合させなくともよい。この場合は、基材としては第1の基材のみを使用することとなる。
また、第1実施形態の熱線遮蔽材は、表面に金属層を形成した第1の基材と窓板である第2の基材とは、接着層を介して貼着されている。しかし、第1の基材と第2の基材とを積層するにあたって、接着層を使用しないで、そのまま重ね合わせたり、機械的にはめ込んだり、両側から圧接したりする方法を取ることもできる。
<第2実施形態の熱線遮蔽材>
第2実施形態の熱線遮蔽材は、第1実施形態の熱線遮蔽材に比べて、窓板としての基材を2枚以上有しており、これら2枚以上の基材で金属層を挟む構成を有している熱線遮蔽材である。窓板としての基材は、少なくとも2枚あればよく、3枚以上であってもよい。
[第2実施形態の熱線遮蔽材の構成]
図18は第2実施形態の熱線遮蔽材10の層構成を示す模式的断面図である。
第2実施形態の熱線遮蔽材10は、透明樹脂からなる第1の基材5の室内側表面には、島状の金属皮膜を多数配置して形成された金属層4dと第2の基材である窓板2aに密着させるための接着層3aとを有している(図18参照)。また、基材フィルム5の室外側には、第3の基材である窓板2aに密着させるための接着層3aを有している。そのため、熱線遮蔽材10は、金属層4dが、接着層等を介して、両側から基材である2枚の窓板2aで挟まれたサンドイッチ構造を有している。金属層4dの島状の金属皮膜は、ITO/Ag/ITO/Ag/ITOの5層の導電層から構成されている。ITO/Ag/ITO/Ag/ITOの5層は、第1の基材5上にITO、Ag、ITO、Ag、ITOを順番にスパッタリングすることによって形成される。
第2実施形態の熱線遮蔽材10は、金属層4dが基材5上に形成され、さらに2層の接着層3aを介して、2枚の基材である窓板2aによって挟まれた構成であるため、いずれの側が室外側になっても、雨風等による劣化を低減することができる。
[第2実施形態の熱線遮蔽材の材料]
第2実施形態の熱線遮蔽材10において、基材である2枚の窓板2aの材料として、ガラス板を用いたときは、いわゆる合わせガラスを構成することとなる。2層の接着層3aを用いて、合わせガラスを構成する各材料が強力に接着されると、合わせガラスに優れた耐貫通性能、耐衝撃性能、飛散防止効果を付与することができる。接着層3aとしては合わせガラスの中間膜として汎用的に使用される樹脂膜であれば特に制限されず、可視光線領域や赤外線領域に吸収が無いものが好ましい。
第2実施形態の熱線遮蔽材10の接着層3aに用いられる材料は、前記の第1実施形態の熱線遮蔽材の接着層3に用いられる材料とは種類が異なっている。第2実施形態の熱線遮蔽材10の接着層3aは、例えば、室温では粘着性のない樹脂として基材に塗布や積層され、熱線遮蔽材を構成する各材料を積層させた後に、加熱処理することによって、粘着性や接着性が発現して、各層間を接着させることを可能とする接着剤である。
このような接着剤の例としては、ポリビニルブチラール系樹脂(PVB系樹脂)、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂(EVA系樹脂)等が挙げられる。接着層3aを形成する樹脂には、紫外線吸収剤、抗酸化剤、帯電防止剤、熱安定剤、滑剤、充填剤、着色、接着調整剤等を適宜添加配合してもよい。これらの樹脂は単独で用いても良いし、2種類以上を併用してもよい。接着層3aは公知の方法を用いて製造したものでもよいが、市販品を利用してもよい。市販品としては、例えば、積水化学工業社製や三菱樹脂社製の可塑化PVB、デュポン社製や武田薬品工業社製のEVA樹脂、東ソー社製の変性EVA樹脂等がある。接着層3aは、上記の樹脂膜の単層で構成してもよいし、2層以上を積層させた状態で構成してもよい。
第2実施形態の熱線遮蔽材10の接着層3aの厚さは、100〜1000μmであることが好ましい。第2実施形態の合わせガラスを作製する方法としては特に制限されず、一般的な合わせガラスの製造方法を用いればよい。具体的には、第2実施形態の合わせガラスは、ガラス板の間に、接着層3a、金属層が形成された基材、接着層3aを積層して予備接着した後に、予備接着後に残った気泡を高温高圧で圧着することにより取り除く工程によって製造することができる。
前記した第1実施形態や第2実施形態等のように、接着層3、3aと金属層4とが接して存在しているときには、接着層3、3aに用いられる材料としては、金属皮膜を劣化させないために、pHが中性のものが好ましい。具体的には、化学構造としてカルボン酸を含まないものが好ましい。また、接着層3、3aに用いられる材料に防錆材を添加してもよい。
[第2実施形態の熱線遮蔽材の製造方法]
第2実施形態の熱線遮蔽材10を作製する方法について説明する。
基材5上に金属皮膜を形成する方法、所定の島状の金属皮膜を形成する方法については、第1実施形態の熱線遮蔽材の製造方法の場合と同様であるので、その説明を省略する。
次に、金属層4が設けられた基材5の両面に、それぞれ接着層3aを形成する。高分子粘着剤を溶剤に適当量混合し、適切な粘度の溶液を調製する。その溶液を基材5または金属層4の上にコーティングする。その後乾燥させることによって、接着層3aを形成することができる。また前記したように、金属層4と接着層3aとの間に保護層を設けてもよい。
金属層4と接着層3aが設けられた基材5とガラス板2aとを貼合する方法は特に制限されず、一般的な合わせガラスの製造方法を用いればよい。具体例を次に説明する。
図22は、第2実施形態に係る熱線遮蔽材10の製造方法を示す模式図である。
まず、図22(a)に示すように、2枚のガラス板2aの間に、両面に接着層を有する基材9を積層する。積層されたガラス板2aと両面に接着層を有する基材9は、ローラー21上を移動して、次の工程に移る。
次に、図22(b)に示すように、密閉されたチャンバ22内で、積層されたガラス板2aと両面に接着層を有する基材9は、ヒータ23によって90℃程度に加熱される。続いて、1対の圧着ロール24を通過させることによって、積層されたガラス板2aと両面に接着層を有する基材9は仮圧着される。
次に、図22(c)に示すように、仮圧着された熱線遮蔽材10は、オートクレーブ25中に収納される。オートクレーブ25中で、約1MPaに加圧され、130℃程度に加熱されることによって、仮圧着後に残った気泡は取り除かれ、熱線遮蔽材10の接着層がガラス板と十分に貼合されて、熱線遮蔽材10が製造される。
<第2実施形態の熱線遮蔽材の変形例>
本発明者は、熱線遮蔽材の熱線の遮蔽性能をさらに高めるために、光の波長との関係について検討を進めたところ、可視光線に近い近赤外線以上の波長領域(800〜2500nm)の透過率を低下させることが有効であることを見出した。そして、当該波長領域の透過率を低下させるためには、鉄イオンを含有したガラス板または熱線吸収性金属化合物微粒子を含有した接着層を設けることが有効であることを見出した。
すなわち、第2実施形態の熱線遮蔽材の第1の変形例は、熱線遮蔽材の基材である2枚のガラス板のうち、室内側のガラス板が鉄イオンを含有している。800〜2500nmの波長領域における遮蔽性能を高めるためには、2枚のガラス板のうち室内側のガラス板が鉄イオンを含有していることが有効である。
また、第2実施形態の熱線遮蔽材の第2の変形例は、熱線遮蔽材を構成する室内側の接着層が熱線吸収性金属化合物微粒子を含有している。この場合も、800〜2500nmの波長領域における遮蔽性能を高めるためには、熱線遮蔽材が有する複数の接着層のうち室内側の接着層が熱線吸収性金属化合物微粒子を含有していることが有効である。
(第2実施形態の熱線遮蔽材の第1の変形例)
図18は、第2実施形態の熱線遮蔽材10の第1の変形例の層構成を示す模式的断面図であり、上方が室内側であり、下方が室外側である。第2実施形態の熱線遮蔽材10の第1の変形例においては、基材である2枚のガラス板2aのうち、室内側のガラス板2aが鉄イオンを含有している(不図示)。
(鉄イオン含有ガラス板)
鉄イオンを含有するガラス板としては、二酸化けい素(SiO)、酸化ナトリウム(NaO)、酸化カルシウム(CaO)を主成分とするソーダ石灰ガラスであって、鉄分をFeとして0.3〜0.9質量%含有し、鉄分を高い還元率で還元させたガラス板が好ましい。鉄分の高い還元率の目安としては、3価の鉄イオンに対する2価の鉄イオンの含有量比(Fe2+/Fe3+)が50〜250%であることをいう。鉄分を還元して2価の鉄イオンの含有量比を増大させることによって、赤外線領域の吸収率を高めることができる。鉄分を還元する方法としては、ソーダ石灰ガラス原料としての珪砂、長石、ソーダ灰、ベンガラ等の粉末と、還元剤としてカーボンを用いて、電気溶融窯等で溶融させることによって調製することができる。また鉄分の還元率は、レドックス測定装置によって測定することができる。
鉄イオンを含有するガラス板を室内側のガラス板2aとして使用することによって、800〜2500nmの波長領域における遮蔽性能の向上を図ることが可能となる。その結果、熱線遮蔽材10の金属層4dとの複合効果によって、熱線遮蔽材10としての熱線遮蔽係数を押し下げることが可能となる。
(第2実施形態の熱線遮蔽材の第2の変形例)
図18は、第2実施形態の熱線遮蔽材10の第2の変形例の層構成を示す模式的断面図である。第2実施形態の熱線遮蔽材10の第2の変形例においては、熱線遮蔽材10の室内側の接着層3aが熱線吸収性金属化合物微粒子を含有している(不図示)。すなわち、接着層3aに使用される接着剤中に下記に記載の熱線吸収性金属化合物微粒子が均一に含有されている。
(熱線吸収性金属化合物微粒子)
熱線吸収性金属化合物とは、赤外線領域に最大吸収波長ピークを有する金属化合物である。熱線吸収性金属化合物の具体例としては、セシウム含有酸化タングステン、六ホウ化ランタン、六ホウ化セリウム、アンチモン含有酸化錫、スズ含有酸化インジウム、アルミニウム含有酸化亜鉛、インジウム含有酸化亜鉛、スズ含有酸化亜鉛、ケイ素含有酸化亜鉛ガリウム含有酸化亜鉛などを挙げることができる。中でも、セシウム含有酸化タングステン、六ホウ化ランタン、アンチモン含有酸化錫、スズ含有酸化インジウムから選ばれるいずれか1種以上であることが好ましく、スズ含有酸化インジウムが特に好ましい。
上記の熱線吸収性金属化合物は、微粒子として、接着層3aに含有されている。微粒子の平均粒子径は100nm以下であることが好ましい。100nmを超えると、微粒子による可視光線の散乱が顕著になり、透明性が低下することがある。より好ましくは10〜80nmである。
熱線吸収性金属化合物微粒子の含有量は、接着剤に対して0.1〜3質量%であることが好ましい。0.1質量%未満であると、熱線遮蔽性能が十分に発揮されない。一方、3質量%を超えると、可視光線透過性が低下したり、ヘイズが大きくなったりする。
上記の熱線吸収性金属化合物微粒子を含有する接着層を室内側の接着層3aとして使用することによって、熱線遮蔽性能の向上を図ることが可能となる。その結果、熱線遮蔽材10の金属層4dとの複合効果によって、熱線遮蔽材10としての熱線遮蔽係数を押し下げることが可能となる。
第2実施形態の第1の変形例では、熱線遮蔽材10の室内側のガラス板2aが鉄イオンを含有している場合を例示した。また、第2実施形態の第2の変形例では、熱線遮蔽材10の室内側の接着層3aが熱線吸収性金属化合物微粒子を含有している場合を例示した。そこで、これら2つの変形例を組み合わせてもよい。すなわち、熱線遮蔽材10の室内側のガラス板2aに鉄イオンを含有させ、かつ室内側の接着層3aに熱線吸収性金属化合物微粒子を含有させる。かかる熱線遮蔽材10は、両方の変形例の効果をいずれも発揮させることが可能となり、より好ましい。
前記したように、本発明者は、熱線の遮蔽性能をさらに高めるために、可視光線に近い近赤外線の波長領域(800〜1200nm)の反射率を高めることが有効であることを見出した。そのために、第2実施形態の前記の変形例に示した方法とは別の方法として、多層構造を有する透明樹脂層を設置する方法が有効であることを見出した。さらに、本発明者は、800〜1200nmの波長領域において、反射率を高めるためには、多層構造を有する透明樹脂層であって、1層当たりの厚さが50〜1000nmであるものが有効であることを見出した。
すなわち、熱線遮蔽材を構成する要素の1つとして、多層フィルムや液晶樹脂のコーティング等によって、多層構造を有する透明樹脂層を導入することによって、熱線の遮蔽性能をさらに高めることが可能となることを見出した。
ここで、多層構造を有する透明樹脂層を熱線遮蔽材に導入する方法としては、基材の一方の面に多層構造を有する樹脂層を積層する方法と、基材自体を多層構造を有する樹脂材とする方法がある。そこで、これらの2つの実施形態をそれぞれ第3実施形態、第4実施形態として、以下に説明する。
<第3実施形態の熱線遮蔽材>
第3実施形態の熱線遮蔽材は、基材と金属層とを備えており、前記基材の一方の面には金属層を備え、前記基材の他方の面には多層構造を有する樹脂層を備えている。そして、前記多層構造の1層当たりの厚さが50〜1000nmであることを特徴としている。
[第3実施形態の熱線遮蔽材の構成]
図23は、第3実施形態の熱線遮蔽材20Aの層構成を示す模式的断面図である。
第3実施形態の熱線遮蔽材20Aにおいて、第1の基材5の室外側には、順番に、接着層3、多層構造を有する透明樹脂層8、接着層3、第2の基材である窓板2が積層されている。一方、第1の基材5の室内側には、金属層4が形成されている。金属層4は、島状の金属皮膜を多数配置して形成されている。
[第3実施形態の熱線遮蔽材の材料]
(多層構造を有する透明樹脂層8)
多層構造を有する透明樹脂層8は、室外から照射される太陽光のうち、可視光線に近い近赤外線の波長領域(800〜1200nm)において、特異的に優れた反射率を有する層である。
基材5上に多層構造を有する透明樹脂層8を形成するためには、いくつかの方法が存在する。具体的には、多層フィルムによる方法や液晶樹脂のコーティングによる方法等がある。
多層フィルムは、屈折率の異なる、同種または異種のポリマーを交互に積層させた構造を有するフィルムである。共押出する際の押出厚さや延伸率等を変更することによって、多層構造の1層当たりの厚さを調整することができる。
かかる構造の多層フィルムを製造する方法は、例えば、特表平9−506837号公報、特開2007−307893号公報、特開2008−273186号公報、特開2013−209246号公報等に記載されている。多層フィルムを構成する樹脂としては、アクリル系、ポリカーボネート系、スチレン系、ポリエステル系、ポリオレフィン系などの樹脂を使用することができる。特に、PET、PBT、PEN等のポリエステル系樹脂が好ましい。
液晶樹脂は、基材フィルム上に溶液をコーティングすることによって、多層化した層を形成することが知られている。例えば、アクリル樹脂系のネマチィック液晶にキラル化剤を添加してUV硬化させるとコレステリック液晶の層が形成される。キラル化剤の添加量を変えることによって1層当たりの厚さを調整することができる。かかる構造の液晶樹脂の層を製造する方法は、例えば、特開2010−286643号公報、特開2012−13963号公報等に記載されている。
多層構造を有する透明樹脂層8は、多層構造の1層当たりの厚さが50〜1000nmであることによって、800〜1200nmの波長領域において、高い反射率を有するものとなる。多層構造を有する透明樹脂層8に熱線が照射されたとき、通常、屈折率が異なる多層構造の各界面において、熱線は反射されることとなる。そして、多層薄膜構造において、個々の層から反射が生じ、各反射光の位相が揃って反射率を高めるためには、多層構造の1層当たりの厚さが上記範囲にあることが有効である。多層構造の1層当たりの厚さは、好ましくは70〜300nmである。
また、800〜1200nmの波長領域において、特異的に高い反射率を有するものとするために、多層構造の層数は、50〜600層であることが好ましく、100〜400層であることがより好ましい。多層構造の層数が、600層を超えると、高い反射率を有する波長領域が広がり、可視光の領域の光をも反射することとなる。そのため、可視光線の透過率が低下してしまう。
多層フィルムの熱収縮率は130〜150℃の乾燥オーブン中で30分放置した際、1%以下であることが好ましい。この値が1%を超えると、基材フィルム5との接着の際や後記する合わせガラスとの接着の際にしわが入り易くなったり、金属層に亀裂が入ったり、剥がれてしまう要因となる。
<第3実施形態の熱線遮蔽材の比較例・変形例>
図24は、第3実施形態の比較例の熱線遮蔽材20Bの層構成を示す模式的断面図である。第1の基材5の一方の面に金属層4を有するものであるが、金属層は、島状の金属皮膜を多数配置して形成されてない。また、多層構造を有する透明樹脂層8を有していない。第2の基材である窓板2に接着層3で貼合されて、全体として、熱線遮蔽材20Bを構成している。
図25は、第3実施形態の比較例の熱線遮蔽材20Cの層構成を示す模式的断面図である。熱線遮蔽材20Cは、多層構造を有する透明樹脂層8を有するものであるが、金属層4を有していない。多層構造を有する透明樹脂層8は接着層3によって基材である窓板2に貼合されている。
図26は、第3実施形態の変形例の熱線遮蔽材20Dの層構成を示す模式的断面図である。熱線遮蔽材20Dは、図23の熱線遮蔽材20Aの層構成に加えて、室内側の最外層に、ハードコート層6を有している。
図27は、第3実施形態の変形例の熱線遮蔽材20Eの層構成を示す模式的断面図である。熱線遮蔽材20Eは、熱線遮蔽材20Dの層構成のうち、金属層4、基材5、接着層3、多層構造を有する透明樹脂層8からなる4層の室内・室外に対する向きが逆になっている。このとき、熱線遮蔽材20Dは、熱線遮蔽材20Eと異なり、金属層4が多層構造を有する透明樹脂層8の室内側にあるため、熱線の遮蔽性能の向上効果により優れており、好ましい。
<第4実施形態の熱線遮蔽材>
第4実施形態の熱線遮蔽材は、基材と金属層とを備えており、前記基材が多層構造を有する樹脂材である。そして、前記多層構造の1層当たりの厚さが50〜1000nmであることを特徴としている。
[第4実施形態の熱線遮蔽材の構成]
図28は第4実施形態の熱線遮蔽材30の層構成を示す模式的断面図である。
第4実施形態の熱線遮蔽材30において、基材である多層構造を有する透明樹脂層8aの室外側には、順番に、接着層3、第2の基材である窓板2が積層されている。一方、基材である多層構造を有する透明樹脂層8aの室内側には順番に、金属層4、ハードコート層6が積層されている。金属層4は、島状の金属皮膜を多数配置して形成されている。
熱線遮蔽材30に対して、金属層4と多層構造を有する透明樹脂層8aの配置を逆にして、多層構造を有する透明樹脂層8aの室外側に金属層4を形成するという第4実施形態の変形例(不図示)が存在する。このとき、金属層4は、多層構造を有する透明樹脂層8aの室内側にある方が、熱線の遮蔽性能の向上効果により優れているため、好ましい。また、室内と室外とを逆に読み替えることが可能であることも第1実施形態の場合と同様である。
但し、第4実施形態の多層構造を有する透明樹脂層8aは、第3実施形態とは異なり、基材としての機能も併せ持つ層である。そのため、第4実施形態の多層構造を有する透明樹脂層8aは、金属層4、接着層3等を保持する機能も有し、機械的強度、可視光線透過率、加工性等に優れていることが好ましい。したがって、多層構造を有する透明樹脂層8aは、液晶樹脂のコーティングによる方法よりも多層フィルムによる方法で製造する方が好ましい。
<第5実施形態の熱線遮蔽材>
第5実施形態の熱線遮蔽材は、第2実施形態の熱線遮蔽材と同様に、窓板としての基材を2枚以上有しており、これら2枚以上の窓板としての基材で金属層を挟む構成を有している。さらに、第3実施形態や第4実施形態において使用した多層構造を有する透明樹脂層8、8aをその構成要素として有している。すなわち、第2実施形態に対して、第3実施形態と第4実施形態において特徴的な多層構造を有する透明樹脂層8、8aを組み合わせた構成を有するものである。
[第5実施形態の熱線遮蔽材の構成]
図29は、第5実施形態の熱線遮蔽材40の層構成を示す模式的断面図である。
第2実施形態に対して、第3実施形態または第4実施形態を組み合わせる構成としては、種々の組み合わせのものが存在する。図29に示した熱線遮蔽材40は、その一例を示したものであり、基材が多層構造を有する樹脂材である場合の例である。
第5実施形態の熱線遮蔽材40において、基材である多層構造を有する透明樹脂層8aの室外側には、順番に、接着層3a、第2の基材である窓板2aが積層されている。一方、基材である多層構造を有する透明樹脂層8aの室内側には、順番に、金属層4、接着層3a、第3の基材である窓板2aが積層されている。そのため、熱線遮蔽材40は、金属層4が、接着層等を介して、両側から基材である2枚の窓板2aで挟まれたサンドイッチ構造を有している。金属層4は、島状の金属皮膜を多数配置して形成されている。
熱線遮蔽材40は、金属層4が基材である多層構造を有する透明樹脂層8a上に形成され、さらに2層の接着層3aを介して、2枚の基材である窓板2aによって挟まれた構成であるため、いずれの側が室外側になっても、雨風等による劣化を低減することができる。
第5実施形態は、窓板2aの素材として、ガラス板を用いたときは、いわゆる合わせガラスを構成することとなる。接着層3aを用いて、合わせガラスを構成すると、合わせガラスに優れた耐貫通性能、耐衝撃性能、飛散防止効果を付与することができる。
その他、熱線遮蔽材40を構成する材料、製造方法、変形例等については、第2実施形態の熱線遮蔽材等の場合と同様であるので、それらの説明を省略する。
本実施形態を下記の実施例によって、さらに具体的に説明する。
(実施例1)
下記配合の組成物Aを易接着PETフィルム(東レ社製、U40、100μm厚さ)の一方の面にバーコーターを用いて塗工し、100℃の熱風オーブン中で2分間乾燥させた。その後、塗工面に高圧水銀灯にて紫外線(積算光量300mJ/cm)を照射することで硬化させ、約4μm厚さのハードコート層を形成した。
<組成物A>
ジペンタエリスリトールポリアクレート系紫外線硬化型樹脂(荒川化学社製、ビームセット700) 83.3質量部
光重合開始剤(BASF社製、イルガキュア184) 1質量部
トルエン 320質量部
PETフィルムのハードコート層とは反対側の面に、5×10−5Torrの真空下で、蒸着法を用いてアルミニウムを蒸着した。作製したアルミニウム皮膜の上に、溶剤に溶解したレジストをグラビア印刷によって、図3に記載した所定の島状の配置となるように印刷した。各図の金属皮膜の形状において、円形とは円形千鳥型(図19参照)、正方形とは正方形並列型(図20参照)、六角形とは六角形千鳥型(図21参照)を意味する。レジストを200℃で乾燥させた後、塩酸水溶液を用いて、レジストが印刷されていない部分のアルミニウム皮膜を溶解・除去した。その後、レジストを水酸化ナトリウムの水溶液を用いて溶解して、アルミニウム皮膜表面から剥離した。水洗・乾燥して、PETフィルムのハードコート層とは反対側の面に、所定の島状の金属皮膜が配置された金属層を形成した。
一方、シリコーンで処理されたセパレータ(三菱樹脂社製、MRQ#38、38μm厚さ)上に下記配合の組成物Bをアプリケータを用いて塗工した。その後100℃の熱風オーブン中で2分間乾燥させて、約22μm厚さの接着層を形成した。
<組成物B>
アクリル系中性粘着剤(綜研化学社製、SKダイン2975) 100質量部
硬化剤(綜研化学社製、Y−75) 0.2質量部
トリアジン系紫外線吸収剤(BASF社製、Tinuvin477) 3質量部
トルエン 100質量部
さらに、上記接着層を、上記PETフィルムの金属層を形成した面とラミネートした。7日間放置後、セパレータを剥離し、接着層を3mm厚のアルカリガラス板に貼り合せて、熱線遮蔽材を作製し、各種性能の評価を行った。
(実施例2〜5)
金属層(アルミニウム皮膜)の厚さ、金属皮膜の形状、金属皮膜の径、金属皮膜間の距離、開口面積率(金属皮膜に被覆されていない部分の面積率)を図3に記載した数値に変更した以外は実施例1と同様にして、熱線遮蔽材を作製し、各種性能の評価を行った。
(実施例6、7)
実施例1と同様にして、ハードコート層を片面に形成した易接着PETフィルムを作製した。PETフィルムのハードコート層とは反対側の面に、5×10−5Torrの真空下で、スパッタリング法を用いて、30nm厚さのITO皮膜、10nm厚さのAg皮膜、30nm厚さのITO皮膜を順次積層して、3層構造の金属皮膜を形成した。
作製した金属皮膜の上に、レジスト(感光性樹脂)フィルムを熱ラミネートし、フォトリソグラフィー法にて、露光、現像して、レジストを図3に記載した所定の島状の配置となるように形成した。レジストを120〜160℃で乾燥させた後、塩化第二鉄の水溶液を用いて、レジストが印刷されていない部分の金属皮膜を溶解・除去した。その後、レジストを水酸化ナトリウムの水溶液を用いて溶解して、金属皮膜表面から剥離した。水洗・乾燥して、PETフィルムのハードコート層とは反対側の面に、所定の島状の金属皮膜が配置された金属層を形成した。
その後は、実施例1と同様にして、熱線遮蔽材を作製し、各種性能の評価を行った。
(実施例8、9)
易接着PETフィルム(帝人社製、HB、100μm厚さ)の片面に、5×10−5Torrの真空下で、スパッタリング法を用いて、40nm厚さのITO皮膜、10nm厚さのAg皮膜、70nm厚さのITO皮膜、12nm厚さのAg皮膜、35nm厚さのITO皮膜を順次積層して、5層構造の金属皮膜を形成した。
作製した金属皮膜の上に、レジストフィルムを熱ラミネートし、フォトリソグラフィー法にて、露光、現像して、レジストを図3に記載した所定の島状の配置となるように形成した。レジストを120〜160℃で乾燥させた後、塩化第二鉄の水溶液を用いて、レジストが印刷されていない部分の金属皮膜を溶解・除去した。その後、レジストを水酸化ナトリウムの水溶液を用いて溶解して、金属皮膜表面から剥離した。水洗・乾燥して、PETフィルムの片面上に、所定の島状の金属皮膜が配置された金属層を形成した。
一方、2枚の3mm厚のアルカリガラス板上にそれぞれ、接着層として380μm厚のPVB(ポリビニルブチラールフィルム、積水化学工業社製、S−LEC TB)のシートを置いた。その後100℃の熱風オーブン中で2分間乾燥させて、アルカリガラス板とPVBとを接着させて、片面に接着層を有するアルカリガラス板を2枚作製した。
平らなテーブル上に、接着層を有する1枚のアルカリガラス板を接着層を上側にして置いた。その上に、上記のPETフィルムを金属層が形成された層を上側にして置いた。さらにその上に、接着層を有するもう1枚のアルカリガラス板を接着層を下側にして置いた。得られた多層シートを60℃加熱された金属ロールを有するロールラミネーターに通して仮圧着した。その後、仮圧着した多層シートをオートクレーブに入れ、130℃、13気圧、1時間の条件にてオートクレーブすることによって、本圧着して、合わせガラスの形式の熱線遮蔽材を作製した(図18参照)。その後、各種性能の評価を行った。
(実施例10)
実施例1と同様にして、まず、易接着PETフィルムの一方の面に、5×10−5Torrの真空下で、蒸着法を用いてアルミニウムを蒸着した。次に、作製したアルミニウム皮膜の上に、実施例1と同様にして、レジストを図3に記載した所定の島状の配置となるように印刷して、同様の手順を行って、所定の島状の金属皮膜が配置された金属層を形成した。
次いで、PETフィルムの島状の金属皮膜が配置された金属層を形成した面に、組成物Aをバーコーターを用いて塗工して、実施例1に記載した手順を行って、約4μm厚さのハードコート層を形成した。PETフィルムの金属層とハードコート層を形成した面とは反対側の面に、実施例1と同様にして、接着層をラミネートした。その後、実施例1と同様にして、熱線遮蔽材を作製し、各種性能の評価を行った。
(実施例11、13、14)
金属層(アルミニウム皮膜)の厚さ、金属皮膜の径、金属皮膜間の距離、開口面積率を図3に記載した数値に変更した以外は実施例10と同様にして、熱線遮蔽材を作製し、各種性能の評価を行った。
(実施例12、15)
組成物Aを下記の組成物Cに変更した以外は、実施例12は実施例11と同様にして、実施例15は実施例14と同様にして、熱線遮蔽材を作製し、各種性能の評価を行った。
<組成物C>
ジペンタエリスリトールポリアクレート系紫外線硬化型樹脂(荒川化学社製、ビームセット700) 83.3質量部
Cs0.33WO(住友金属鉱山社製、YMF−02A、平均粒径20nm)の固形分20質量%トルエン分散液 固形分として9.0質量部
光重合開始剤(BASF社製、イルガキュア184) 1質量部
トルエン 320質量部
(実施例16、17)
実施例16は、金属皮膜の径、金属皮膜間の距離、開口面積率を図3に記載した数値に変更した以外は実施例7と同様にして、熱線遮蔽材を作製し、各種性能の評価を行った。実施例17は、金属層の構成を実施例9と同様のものに変更した以外は、実施例6と同様にして、熱線遮蔽材を作製し、各種性能の評価を行った。
(比較例1〜14)
比較例1〜13はそれぞれ、実施例1〜6、実施例8、実施例10〜15において、金属皮膜をレジストを用いて所定の島状の金属皮膜に形成することをしないで作製した熱線遮蔽材である。比較例14は、実施例1において、金属皮膜を形成することなしに作製された熱線遮蔽材である。それぞれ各種性能の評価を行った。
(比較例15〜17)
比較例15、16は、金属皮膜の径、金属皮膜間の距離、開口面積率を図3に記載した数値に変更した以外は実施例1と同様にして、熱線遮蔽材を作製した熱線遮蔽材である。比較例17は、金属層を実施例16と同様に形成しながら、金属皮膜をレジストを用いて所定の島状の金属皮膜に形成することをしないで作製した熱線遮蔽材である。それぞれ各種性能の評価を行った。
(実施例18〜34、比較例18〜20)
実施例18〜23、25〜27、29〜34はそれぞれ、実施例1〜15において、アルカリガラス板に貼り合せることをしないで作製した熱線遮蔽材である。これらは、第1実施形態の変形例に相当する構成のものである。同様に、実施例24、28は、金属層の構成が一部異なるが、他は実施例18〜23等と同様にして、アルカリガラス板に貼り合せることをしないで作製した熱線遮蔽材である。同様に、比較例18、19は、それぞれ、比較例15、16において、アルカリガラス板に貼り合せることをしないで作製した熱線遮蔽材である。同様に、比較例20は、金属層の構成が一部異なるが、他は実施例23等と同様にして、アルカリガラス板に貼り合せることをしないで作製した熱線遮蔽材である。それぞれ各種性能の評価を行った。
<性能評価方法>
実施例、比較例において、表面抵抗値、電磁波遮蔽率、可視光線透過率、可視光線反射率、日射透過率、日射反射率、日射吸収率、反射光の色度・彩度、熱線遮蔽係数、紫外線透過率、熱貫流率、ヘイズ、外観について、以下に記載の条件にて性能の評価を行った。尚、評価は、熱線遮蔽材の室外側から所定の光線を照射して、その透過光、反射光について行った。
(表面抵抗値)
JIS K7194 4端子4探針法(ダイヤインスツルメンツ社製、ロレスタMCP−T610)によって測定した。
(電磁波遮蔽率)
15cm×15cmのサンプルを使用して、KEC法によって、30MHz〜1GHzの周波数範囲で電磁波遮蔽率を測定した。電磁波遮蔽率の数値は、周波数800MHzのときの値(dB)とした。
(可視光線透過率)
JIS A5759に準拠する。本実施例では、分光光度計(島津製作所社製、UV3160)を使用した。
(可視光線反射率)
JIS A5759に準拠する。本実施例では、分光光度計(島津製作所社製、UV3160)を使用した。
(日射透過率)
JIS A5759に準拠する。本実施例では、分光光度計(島津製作所社製、UV3160)を使用した。
(日射反射率)
JIS A5759に準拠する。本実施例では、分光光度計(島津製作所社製、UV3160)を使用した。
(日射吸収率)
JIS A5759に準拠する。本実施例では、分光光度計(島津製作所社製、UV3160)を使用した。
(反射光の色度、彩度)
JIS Z8729に記載のL表色系の色度図から、色度a、b、彩度Cを算出した。彩度Cは、下記式によって算出される。
={(a+(b1/2
JIS Z8722に準拠して、光源D65を使用して、熱線遮蔽材を反射した光について測定を行った。測定装置として、日本電色社製、SE2000を使用した。
(熱線遮蔽係数)
熱線遮蔽係数は、JIS A5759に準拠して、分光光度計を用いて測定される。Ni値を0.34として、熱線遮蔽係数を求めた。本実施例では、分光光度計(島津製作所社製、UV3160)を使用した。
(紫外線透過率)
JIS A5759に準拠して、波長380nmの光の透過率を測定した。本実施例では、分光光度計(島津製作所社製、UV3160)を使用した。
(熱貫流率)
熱貫流率は、JIS A5759に準拠して、赤外反射測定機を使用して測定する。熱貫流率が、5.9W/mK未満のとき、遠赤外線の反射効率は優れていると判定される。本実施例では、赤外反射測定機(島津製作所社製、FTIR8700)を使用した。
(ヘイズ)
ヘイズは、JIS K7136に準拠して、ヘイズメータ(日本電色社製、NDH7000)を用いて測定した。
(外観)
熱線遮蔽材の外観は、肉眼による目視によって判定される。肉眼で金属皮膜が認識できないときは○、肉眼で金属皮膜が認識できるときは×と判定した。
実施例、比較例で得られた結果を図1〜6に示す。参考として、アルカリガラス板の単体の性能を比較例14として示した。表面抵抗値の欄において、「over」と記載された欄は、金属層が島状の金属皮膜で形成されていたり、金属層がないために、測定用端子間が電気的に絶縁性であることを示している。図1〜6において「−」を記載した欄は、測定ができなかったことを示している。図7〜14においても同様である。
図3、図4において、実施例1〜5の熱線遮蔽材は、第1実施形態(図15、1A)の層構成を有し、金属層の厚さ、金属皮膜の配置、開口面積率、金属皮膜の径、金属皮膜間の距離において異なるものである。いずれの実施例も請求項1の規定を満足しており、可視光線の透過性能、熱線の遮蔽性能、電磁波の透過性能、紫外線の遮蔽性能に優れ、外観に優れた熱線遮蔽材となっている。
実施例6、7、16、17の熱線遮蔽材は、第1実施形態(図16、1B)の層構成を有し、ITO/Ag/ITOの3層またはITO/Ag/ITO/Ag/ITOの5層からなる多層の金属層を有するものである。また、実施例8、9は、第2実施形態(図18、10)の層構成を有し、ITO/Ag/ITO/Ag/ITOの5層からなる多層の金属層を有し、2枚の窓板に挟まれる構成を有するものである。実施例6〜9、16、17は、実施例1〜5と比べて、可視光線透過率、可視光線反射率により優れたものとなっている。
実施例10〜15の熱線遮蔽材は、第1実施形態(図17、1C)の層構成を有したものである。実施例1〜5と比べて、熱貫流率に優れ、遠赤外線の反射効率に優れた熱線遮蔽材となっている。特に、実施例12と実施例15は、それぞれ対応する実施例11と実施例14と比べて、ハードコート層にセシウム含有酸化タングステンを含有しているため、熱線遮蔽係数により優れたものとなっている。
比較例1〜13は、金属層が島状の金属皮膜を多数配置して形成されていないものであり、いずれも電磁波遮蔽率において数値が過大なものであった。
比較例15と比較例16は、第1実施形態(図15、1A)の層構成を有しているが、開口面積率、金属皮膜の径、金属皮膜間の距離において本発明の規定を満足していない。比較例15は可視光線透過性能と外観に劣り、比較例16は熱線遮蔽性能に劣っていた。比較例17は、金属層が島状の金属皮膜を多数配置して形成されていないものであり、電磁波遮蔽率において数値が過大なものであった。
図5、図6の実施例18〜34、比較例18〜20はいずれも、アルカリガラス板と貼合させていない熱線遮蔽材である、図3、図4の実施例1〜17や比較例15、16とほぼ対応する性能を有するものであった。
(積層フィルムB1)
易接着PETフィルム(東レ社製、U40、50μm厚さ、以下「PETフィルム」と記載する。)の一方の面に、5層構造の金属層を形成した。具体的には、5×10−5Torrの真空下で、スパッタリング法を用いて、40nm厚さのITO皮膜、10nm厚さのAg皮膜、70nm厚さのITO皮膜、12nm厚さのAg皮膜、35nm厚さのITO皮膜を順次積層して、5層構造の金属層を形成した。
その後、作製した金属層の上に、溶剤に溶解したレジストをグラビア印刷によって、図21に記載した島状の配置となるように印刷した。ここで、金属皮膜の径は360μmであり、金属皮膜間の距離は40μmであり、開口面積率は19%とした。
レジストを200℃で乾燥させた後、塩化第二鉄水溶液を用いて、レジストが印刷されていない部分の金属皮膜を溶解・除去した。その後、レジストを水酸化ナトリウムの水溶液を用いて溶解して、金属皮膜表面から剥離した。水洗・乾燥して、上記PETフィルム上に、所定形状の5層構造の金属皮膜が配置された金属層を形成した。
一方、シリコーンで処理されたセパレータ(三菱樹脂社製、MRQ#38、38μm厚さ、以下「セパレータ」と記載する。)上に下記配合の組成物Dをアプリケータを用いて塗工した。その後100℃の熱風オーブン中で2分間乾燥させて、約1μm厚さの接着層を形成した。
<組成物D>
アクリル系中性粘着剤(綜研化学社製、SKダイン2975) 100質量部
硬化剤(綜研化学社製、Y−75) 0.2質量部
トルエン 100質量部
さらに、上記接着層を、上記PETフィルムの金属層が形成された側の面とラミネートした。セパレータを剥離し、露出させた接着層と保護フィルムとしての50μm厚のPETフィルムとを貼り合せて、積層フィルムB1を作製した。
(積層フィルムB2)
PETフィルムの一方の面に、5層構造の金属層を形成した。具体的には、5×10−5Torrの真空下で、スパッタリング法を用いて、35nm厚さのITO皮膜、9nm厚さのAg皮膜、60nm厚さのITO皮膜、9nm厚さのAg皮膜、30nm厚さのITO皮膜を順次積層して、5層構造の金属層を形成した。その後、作製した金属層の上に、B1と同様に、エッチングを行って、図21に記載した所定形状の5層構造の金属皮膜が配置された金属層を形成した。ここで、金属皮膜の径は250μmであり、金属皮膜間の距離は60μmであり、開口面積率は35%とした。
PETフィルムの金属層が形成された面上に、組成物Aをバーコーターを用いて塗工し、80℃の熱風オーブン中で2分間乾燥させた。その後、塗工面に高圧水銀灯にて紫外線(積算光量500mJ/cm)を照射することで硬化させ、約4μm厚さの保護層を形成して、積層フィルムB2を作製した。
(実施例36)
ソーダ石灰ガラスのフロートガラス板(厚さ2mm)上に、接着層としての380μm厚のPVB(ポリビニルブチラールフィルム、積水化学工業社製、S−LEC PVB0.38)のシート(以下「PVBシート」と記載する。)を置いた。
一方、ソーダ石灰ガラスの代わりに、鉄イオン含有したソーダ石灰ガラスのガラス板(厚さ2mm)を用い、上記と同様にして、鉄イオン含有ガラス板上に接着層としてのPVBシートを置いた。
平らなテーブル上に、接着層を有するガラス板を接着層が上側となるように置いた。その上に、積層フィルムB1を金属層が上側となるようにして置いた。さらにその上に、接着層を有する鉄イオン含有ガラス板を接着層が下側となるように置いた。得られた積層板を図22に記載した製造ラインに通した。すなわち、密閉されたチャンバ22内で、得られた積層板をヒータ23を用いて約90℃に加熱した。その後、1対の圧着ロール24を通過させることによって、積層されたガラス板2aと両面に接着層を有する基材9とを仮圧着させた。
次に、仮圧着された熱線遮蔽材10をオートクレーブ25中に収納した。オートクレーブ25中で、約1MPaに加圧し、約130℃で30分間加熱することによって、仮圧着後に残った気泡を取り除き、両面に接着層を有する基材9が接着層によってガラス板2aと十分に貼合された熱線遮蔽材10を製造した。図18に示した構成に準じた構成を有したものとした。
(実施例37)
実施例36とは異なり、鉄イオン含有ガラス板を使わずに、2枚のガラス板として、いずれもソーダ石灰ガラスのフロートガラス板(厚さ2mm)を用いた。一方のガラス板上に、接着層としての380μm厚のPVBシートを置いた。
他方のガラス板上に、接着層として、スズ含有酸化インジウム微粒子を含有するPVBポリビニルブチラールフィルム(積水化学工業社製、S−LEC SCF(L)、780μm厚)のシートを置いた。
平らなテーブル上に、接着層を有するガラス板を接着層を上側にして置いた。その上に、積層フィルムB1を金属層が上側となるようにして置いた。さらにその上に、熱線吸収性金属化合物微粒子を含有する接着層を有するガラス板を接着層を下側にして置いた。得られた積層板を図22に記載した製造ラインに通した。すなわち、密閉されたチャンバ22内で、得られた積層板をヒータ23を用いて約90℃に加熱した。その後、1対の圧着ロール24を通過させることによって、積層されたガラス板2aと両面に接着層を有する基材9を仮圧着させた。
次に、仮圧着された熱線遮蔽合わせガラス10をオートクレーブ25中に収納した。オートクレーブ25中で、約1MPaに加圧し、約130℃で30分間加熱することによって、仮圧着後に残った気泡を取り除き、両面に接着層を有する基材9が接着層によってガラス板2aと十分に貼合された熱線遮蔽材10を製造した。図18に示した構成に準じた構成を有したものとした。
(実施例38)
実施例37において、積層フィルムB1の代わりに、積層フィルムB2を用いた以外は、実施例37と同様に製造して、熱線遮蔽材10を製造した。
(実施例39)
実施例36において、鉄イオン含有ガラス板を使わずに、2枚のガラス板として、いずれもソーダ石灰ガラスのフロートガラス板(厚さ2mm)を用いた以外は、実施例36と同様に製造して、熱線遮蔽材10を製造した。
(実施例35)
実施例36において、鉄イオン含有ガラス板を使わずに、2枚のガラス板として、いずれもソーダ石灰ガラスのフロートガラス板(厚さ2mm)を用い、金属層の構成を一部変更したこと以外は、実施例36と同様に製造して、熱線遮蔽材10を製造した。
(参考例B1、参考例B2)
なお、参考として、上記の積層フィルムB1と積層フィルムB2についても、性能を評価した。
実施例35〜39、参考例B1、B2について、得られた結果を図7、図8に示した。
図7、8において、実施例36〜38の熱線遮蔽材は、鉄イオンを含有するガラス板または熱線吸収性金属化合物微粒子を含有する接着層を金属層の室内側に有するものである。実施例35と実施例39の熱線遮蔽材は、鉄イオンを含有するガラス板または熱線吸収性金属化合物微粒子を含有する接着層を有しないものである。いずれも、熱線遮蔽係数、可視光透過率、可視光反射率、日射透過率、日射反射率、日射吸収率、電磁波遮蔽率においても、良好な性能を有するものであった。特に、実施例36〜38の熱線遮蔽材は、熱線遮蔽係数が0.60以下と極めて優れるものであった。
なお、参考例の積層フィルムB1、積層フィルムB2は、鉄イオンを含有するガラス板または熱線吸収性金属化合物微粒子を含有する接着層を有しないものであり、実施例36〜38に比べると熱線遮蔽係数に劣るものであった。
図30〜図35は、実施例と参考例の熱線遮蔽材の透過率・反射率のスペクトル図である。実線は、透過光のスペクトルであり、破線は反射光のスペクトルである。図30、31はそれぞれ、実施例36、実施例37のスペクトルである。これに対して、図32は実施例39のスペクトルであり、島状の金属皮膜を有する金属層のみの特性を示している。可視光線に近い近赤外線以の波長領域(800〜1800nm)の透過率がやや高いものであり、熱線遮蔽係数にやや劣る結果となった。
一方、図33、34、35はそれぞれ、参考例のスペクトルである。図33は、2枚の鉄イオン含有ガラス板(厚さ2mm)の間に、接着層として、380μm厚のPVBシートのみを挟んで、貼合させただけの構成の合わせガラスのスペクトルである。図34は、2枚のソーダ石灰ガラスのフロートガラス板(厚さ2mm)の間に、接着層として、スズ含有酸化インジウム微粒子を含有するPVB(ポリビニルブチラールフィルム、760μm厚)のシートのみを挟んで、貼合させただけの構成の合わせガラスのスペクトルである。図35は、2枚の鉄イオン含有ガラス板(厚さ2mm)の間に、スズ含有酸化インジウム微粒子を含有するPVB(760μm厚)のシートのみを挟んで、貼合させただけの構成の合わせガラスのスペクトルである。これらの参考例は、鉄イオンを含有するガラス板のみか、熱線吸収性金属化合物微粒子を含有する接着層のみか、または両者を有するものであって、金属層を有していない。いずれも、可視光線から近赤外線領域に至るまで吸収する特性を有しており、反射光がわずかであった。
実施例36、実施例37では、金属層だけでは遮蔽が不十分な可視光線に近い近赤外線以上の波長領域において、鉄イオンや熱線吸収性金属化合物微粒子を用いて吸収させることによって、熱線遮蔽係数の改善がなされている。
(比較例21)
易接着PETフィルム(東レ社製、U40、100μm厚さ、以下「PETフィルム」と記載する。)の一方の面に、3層構造の金属層を形成した。具体的には、5×10−5Torrの真空下で、スパッタリング法を用いて、50nm厚さのITO皮膜、11nm厚さのAg皮膜、50nm厚さのITO皮膜をPETフィルムの一面に順次積層して、3層構造の金属層を形成した。
一方、シリコーンで処理されたセパレータ(三菱樹脂社製、MRQ#38、38μm厚さ、以下「セパレータ」と記載する。)上に組成物Bをアプリケータを用いて塗工した。その後100℃の熱風オーブン中で2分間乾燥させて、約22μm厚さの接着層を形成した。
さらに、上記接着層を、上記PETフィルムの金属層を形成した側の面とラミネートした。7日間放置後、セパレータを剥離し、接着層を3mm厚のアルカリガラス板(以下「ガラス板」と記載する。)に貼り合せて、熱線遮蔽材F1を作製し、各種性能の評価を行った(図24、20B参照)。
(多層フィルムC、多層フィルムD)
本実施形態に使用する多層構造を有する透明樹脂層としての多層フィルムには、市販されているものがあり、それらを入手して、実験に用いた。
厚さ方向に交互に200層積層された多層フィルムとして、3M社製nano90(未粘着品)がある。これは、多層フィルムの厚さが50μmであり、多層構造の1層当たりの平均厚さは250nmである(以下「多層フィルムC」と記載する。)。
厚さ方向に交互に1000層積層された多層フィルムとして、東レ社製ピカサスGL−30がある。これは、多層フィルムの厚さが100μmであり、多層構造の1層当たりの平均厚さは100nmである(以下「多層フィルムD」と記載する。)。
(比較例22)
PETフィルムの一方の面に、5×10−5Torrの真空下で、スパッタリング法を用いて、50nm厚さのITO皮膜、11nm厚さのAg皮膜、50nm厚さのITO皮膜を順次積層して、3層構造の金属層を形成した。
さらに、上記PETフィルムの金属層を形成した方の面上に、組成物Aをバーコーターを用いて塗工し、100℃の熱風オーブン中で2分間乾燥させた。その後、塗工面に高圧水銀灯にて紫外線(積算光量300mJ/cm)を照射することで硬化させ、約4μm厚さのハードコート層を形成した。
一方、2枚のセパレータ上に組成物Aをアプリケータを用いて塗工した。その後100℃の熱風オーブン中で2分間乾燥させて、2枚の約22μm厚さの接着層を形成した。
そのうちの1枚の接着層を、上記PETフィルムの金属層とハードコート層を形成していない側の面とラミネートした。
また、もう1枚の接着層を、多層フィルムCの一方の面とラミネートした。
7日間放置後、上記PETフィルムのセパレータを剥離し、上記多層フィルムCの接着層を形成していない側の面と貼り合せた。さらに、上記多層フィルムCのセパレータを剥離し、接着層をガラス板に貼り合せて、熱線遮蔽材F3を作製し、各種性能の評価を行った(図24、20B参照)。
(実施例46)
PETフィルムの一方の面に、5×10−5Torrの真空下で、スパッタリング法を用いて、50nm厚さのITO皮膜、11nm厚さのAg皮膜、50nm厚さのITO皮膜を順次積層して、3層構造の金属層を形成した。
その後、作製した金属層の上に、溶剤に溶解したレジストをグラビア印刷によって、図19に記載した島状の配置となるように印刷した。ここで、金属皮膜の径は300μmであり、金属皮膜間の距離は33μmであり、開口面積率は19%とした。
レジストを120℃で乾燥させた後、塩化第二鉄水溶液を用いて、レジストが印刷されていない部分の金属皮膜を溶解・除去した。その後、レジストを水酸化ナトリウムの水溶液を用いて溶解して、金属皮膜表面から剥離した。水洗・乾燥して、上記PETフィルム上に、所定形状の3層構造の金属皮膜が配置された金属層を形成した(以下、「円形千鳥型配置3層金属層」と記載する)。
一方、セパレータ上に組成物Aをアプリケータを用いて塗工した。その後100℃の熱風オーブン中で2分間乾燥させて、約22μm厚さの接着層を形成した。
さらに、上記接着層を、上記PETフィルムの金属層を形成した側の面とラミネートした。7日間放置後、セパレータを剥離し、接着層をガラス板に貼り合せて、熱線遮蔽材F4を作製し、各種性能の評価を行った。
(実施例40)
金属層を形成したPETフィルムとして、熱線遮蔽材F4において作成した、円形千鳥型配置3層金属層を有するPETフィルムを用いた以外は、熱線遮蔽材F3と同様にして作製した。
さらに、多層フィルムCのセパレータを剥離し、接着層をガラス板に貼り合せて、熱線遮蔽材F5を作製し、各種性能の評価を行った(図26、20D参照)。
(実施例47)
多層フィルムCの代わりに多層フィルムDを用いた以外は、熱線遮蔽材F5と同様にして作製した。
さらに、多層フィルムDのセパレータを剥離し、接着層をガラス板に貼り合せて、熱線遮蔽材F7を作製し、各種性能の評価を行った(図26、20D参照)。
(実施例48)
PETフィルムの一方の面に、5×10−5Torrの真空下で、スパッタリング法を用いて、40nm厚さのITO皮膜、10nm厚さのAg皮膜、70nm厚さのITO皮膜、12nm厚さのAg皮膜、35nm厚さのITO皮膜を順次積層して、5層構造の金属層を形成した。
その後、作製した金属層の上に、溶剤に溶解したレジストをグラビア印刷によって、図19に記載した島状の配置となるように印刷した。ここで、金属皮膜の径は360μmであり、金属皮膜間の距離は40μmであり、開口面積率は19%とした。得られた金属層を「円形千鳥型配置5層金属層」と記載する。
その他の製造条件は、熱線遮蔽材F4と同様にして作製した。7日間放置後、セパレータを剥離し、接着層をガラス板に貼り合せて、熱線遮蔽材F8を作製し、各種性能の評価を行った。
(実施例41)
金属層を形成したPETフィルムとして、熱線遮蔽材F8において作成した、円形千鳥型配置5層金属層を有するPETフィルムを用いた以外は、熱線遮蔽材F5と同様にして作製した。
さらに、多層フィルムCのセパレータを剥離し、接着層をガラス板に貼り合せて、熱線遮蔽材F9を作製し、各種性能の評価を行った(図26、20D参照)。
(実施例42)
下記に記載した内容以外は、熱線遮蔽材F3および熱線遮蔽材F8に記載した製造条件に準じて行った。
多層フィルムCの一方の面上に、ハードコート層を形成した。さらに、当該多層フィルムCのハードコート層を形成していない側の面に、セパレータ上に形成された接着層をラミネートした。
熱線遮蔽材F8において作成した、円形千鳥型配置5層金属層を有するPETフィルムの金属層の上に、もう1枚のセパレータ上に形成された接着層をラミネートした。
7日間放置後、上記多層フィルムCのセパレータを剥離し、上記PETフィルムの接着層を形成していない側の面と貼り合せた。さらに、上記PETフィルムのセパレータを剥離し、接着層をガラス板に貼り合せて、熱線遮蔽材F10を作製し、各種性能の評価を行った(図27、20E参照)。
(実施例43)
多層フィルムCの一方の面に、5×10−5Torrの真空下で、スパッタリング法を用いて、47nm厚さのITO皮膜、11nm厚さのAg皮膜、47nm厚さのITO皮膜を順次積層して、3層構造の金属層を形成した。
その後、作製した金属層の上に、溶剤に溶解したレジストをグラビア印刷によって、図19に記載した島状の配置となるように印刷した。ここで、金属皮膜の径は150μmであり、金属皮膜間の距離は45μmであり、開口面積率は41.0%とした。
レジストを120℃で乾燥させた後、塩化第二鉄水溶液を用いて、レジストが印刷されていない部分の金属皮膜を溶解・除去した。その後、レジストを水酸化ナトリウムの水溶液を用いて溶解して、金属皮膜表面から剥離した。水洗・乾燥して、上記多層フィルムC上に、所定形状の3層構造の金属皮膜が配置された金属層を形成した。
さらに、上記多層フィルムCの金属層を形成した方の面上に、組成物Bをバーコーターを用いて塗工し、100℃の熱風オーブン中で2分間乾燥させた。その後、塗工面に高圧水銀灯にて紫外線(積算光量300mJ/cm)を照射することで硬化させ、約4μm厚さのハードコート層を形成した。
一方、セパレータ上に組成物Aをアプリケータを用いて塗工した。その後100℃の熱風オーブン中で2分間乾燥させて、約22μm厚さの接着層を形成した。
さらに、上記接着層を、上記多層フィルムCの金属層を形成していない側の面とラミネートした。7日間放置後、セパレータを剥離し、接着層をガラス板に貼り合せて、熱線遮蔽材F11を作製し、各種性能の評価を行った(図28、30参照)。
(実施例44)
熱線遮蔽材F5において、多層フィルムCのガラス板側に接着層を設けていない熱線遮蔽シートを作製した。
一方、2枚のガラス板上にそれぞれ、第2の接着層としての380μm厚のPVB(ポリビニルブチラールフィルム、積水化学工業社製、S−LECTB)のシートを置いた。その後100℃の熱風オーブン中で2分間乾燥させて、ガラス板とPVBとを接着させて、片面に接着層を有するガラス板を2枚作製した。
平らなテーブル上に、接着層を有する1枚のアルカリガラス板を接着層を上側にして置いた。その上に、上記の熱線遮蔽シートを多層フィルムCが貼合された側を上にして置いた。さらにその上に、接着層を有するもう1枚のアルカリガラス板を接着層を下側にして置いた。得られた多層シートを60℃加熱された金属ロールを有するロールラミネーターに通して仮圧着した。その後、仮圧着した多層シートをオートクレーブに入れ、130℃、13気圧、1時間の条件にてオートクレーブすることによって、本圧着して、熱線遮蔽シートが中間に挟まれた合わせガラスを作製した。その後、各種性能の評価を行った(図29、40参照)。
(実施例45)
熱線遮蔽材F9において、多層フィルムCのガラス板側に接着層を設けていない熱線遮蔽シートを作製した。
他は、実施例38と同様の条件で、熱線遮蔽シートが中間に挟まれた合わせガラスを作製した。その後、各種性能の評価を行った(図29、40参照)。
実施例40〜48および比較例21、比較例22で得られた結果を図9、図10に示した。
図36、図37は、第3実施形態と比較例の熱線遮蔽材の透過率・反射率のスペクトル図である。
T1とR1は、それぞれ多層フィルムCとガラス板を接着層で貼り合せた積層材の透過率・反射率のスペクトル図である。多層フィルムCは、多層構造の1層当たりの厚さは250nmであるが、850〜1050nmの波長領域において、特異的に透過率が低く、反射率が高いことが示されている。T2とR2は、それぞれ熱線遮蔽材F4(実施例46)の透過率・反射率のスペクトル図である。円形千鳥型配置3層金属層のみを有する熱線遮蔽材は、可視光線に近い近赤外線の波長領域(800〜1200nm)において、透過率が高く、反射率は低いことが示されている。
T3とR3は、それぞれ熱線遮蔽材F5(実施例40)の透過率・反射率のスペクトル図である。多層フィルムCと円形千鳥型配置3層金属層を組み合わせることによって、可視光線に近い近赤外線の波長領域(800〜1200nm)において、透過率が低く抑えられ、反射率を高めていることが示されている。
図38、図39は、比較例の熱線遮蔽材の透過率・反射率のスペクトル図である。T4とR4は、それぞれ多層フィルムDとガラス板を接着層で貼り合せた積層材の透過率・反射率のスペクトル図である。多層フィルムDは、多層構造の1層当たりの厚さは100nmであるが、多層フィルムCに見られたような可視光線に近い近赤外線の波長領域(800〜1200nm)において透過率が低下するという特異的な特性は見られないものであった。
図9、図10において、実施例40〜48の熱線遮蔽材は、島状の金属皮膜を多数配置して形成された金属層と多層構造を有する透明樹脂層(多層フィルム)とを有するものである。いずれも、熱線遮蔽係数が0.60以下と優れており、可視光線透過率、可視光線反射率、日射透過率、日射反射率、日射吸収率、反射光の色度・彩度、電磁波遮蔽率においても、良好な性能を有するものであった。
実施例40と実施例41との対比から分かるように、円形千鳥型配置3層金属層と円形千鳥型配置5層金属層との比較では、5層金属層を有する実施例41の方が、熱線遮蔽係数や可視光線反射率等において優れていた。
実施例41と実施例42との対比から分かるように、室内側に金属層を有し、室外側に多層構造を有する透明樹脂層を有する構成の方が、熱線遮蔽係数や日射反射率において優れていた。
実施例43は、第4実施形態に係る実施例である。第3実施形態に係る実施例であり、類似の構成を有する実施例40と対比すると、ほぼ同等の性能を有していた。
図9、図10において、実施例44と実施例45は、合わせガラスの構成を有するものであるが、いずれも熱線遮蔽係数が0.60以下と優れており、可視光線透過率、可視光線反射率、日射透過率、日射反射率、日射吸収率、電磁波遮蔽率においても、良好な性能を有するものであった。
比較例21と比較例22は、金属層が熱線遮蔽材の全面に存在するため、電磁波遮蔽率が過大なものとなっている。実施例46と実施例48は、多層構造を有する透明樹脂層を有しないものであり、実施例40と比べると、熱線遮蔽係数にやや劣っているものであった。実施例47は、島状の金属皮膜を多数配置して形成された金属層と多層構造を有する透明樹脂層(多層フィルムD)とを有するものである。しかし、多層フィルムDの光学特性に起因して、熱線遮蔽係数は相対的に低いものの、可視光線透過率がかなり低く、可視光線反射率が比較的高いものであった。
(実施例49〜52、比較例23〜30)
実施例49〜52、比較例23〜30はいずれも、実施例23〜28、比較例20と同様に、アルカリガラス板に貼り合せることをしないで作製した熱線遮蔽材である。これらは、第1実施形態の変形例に相当する構成のものである。製造方法は、実施例23〜28、比較例20に準じて行い、図11に記載された内容の金属層を有する熱線遮蔽材を作製した。但し、金属層に用いるITOの代わりにSZO(スズ含有酸化亜鉛)を用いて製造した。それぞれ各種性能の評価を行った。
実施例49〜52、比較例23〜30で得られた結果を図11、図12に示した。
図11、図12から分かるように、本発明の規定を満足する実施例は、熱線遮蔽係数、可視光線透過率、可視光線反射率、電磁波遮蔽率、外観等において、良好な性能を有するものであった。一方、金属皮膜の形状等において本発明の規定を満足しない比較例は、電磁波遮蔽率や外観等において劣るものであった。
(実施例53〜60、比較例31、比較例32)
実施例53〜60、比較例31、比較例32はいずれも、実施例23〜28、比較例20と同様に、アルカリガラス板に貼り合せることをしないで作製した熱線遮蔽材である。これらは、第1実施形態の変形例に相当する構成のものである。製造方法は、実施例23〜28、比較例20に準じて行い、図13に記載された内容の金属層を有する熱線遮蔽材を作製した。但し、金属層に用いるITOの代わりにIZO(インジウム含有酸化亜鉛)を用いて製造した。それぞれ各種性能の評価を行った。
実施例53〜60、比較例31、比較例32で得られた結果を図13、図14に示した。
図13、図14から分かるように、本発明の規定を満足する実施例は、熱線遮蔽係数、可視光線透過率、可視光線反射率、反射光の色度・彩度、電磁波遮蔽率、外観において、良好な性能を有するものであった。一方、金属層において、島状の金属皮膜を多数配置して形成されていない比較例は、電磁波遮蔽率において劣るものであった。
1A、1B、1C、10、20A、20B、20C、20D、30、40 熱線遮蔽材
2、2a 基材(窓板)
3、3a 接着層
4、4a、4b、4c、4d 金属層
5 基材
6 ハードコート層
8、8a 多層構造を有する透明樹脂層

Claims (11)

  1. 基材と金属層とを備える熱線遮蔽材であって、
    前記金属層が島状の金属皮膜を多数配置して形成されており、
    前記金属皮膜の径が0.05〜0.50mmであり、
    前記金属皮膜間の距離が0.02〜0.23mmであり、
    前記金属皮膜に被覆されていない部分の面積率が11〜80%であり、
    可視光線透過率が45%以上であり、
    電磁波遮蔽率が10dB以下であることを特徴とする熱線遮蔽材。
  2. 前記基材の一方の面に金属層を備え、他方の面に多層構造を有する樹脂層を備え、前記多層構造の1層当たりの厚さが50〜1000nmであることを特徴とする請求項1に記載の熱線遮蔽材。
  3. 前記基材が、多層構造を有する樹脂材であり、前記多層構造の1層当たりの厚さが50〜1000nmであることを特徴とする請求項1に記載の熱線遮蔽材。
  4. 前記基材が2枚あり、当該2枚の基材で前記金属層を挟む構成を有することを特徴とする請求項1に記載の熱線遮蔽材。
  5. 可視光線反射率が25%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱線遮蔽材。
  6. 熱線遮蔽係数が0.9以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱線遮蔽材。
  7. 前記金属層が複数の金属層から構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱線遮蔽材。
  8. 前記金属層が銀を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱線遮蔽材。
  9. 熱貫流率が5.9W/mK未満であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱線遮蔽材。
  10. 紫外線透過率が5%以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の熱線遮蔽材。
  11. 前記金属皮膜の径が0.15〜0.50mmであり、
    前記金属皮膜間の距離が0.04〜0.23mmであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の熱線遮蔽材。
JP2015532922A 2013-08-23 2014-08-22 熱線遮蔽材 Pending JPWO2015025963A1 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013172894 2013-08-23
JP2013172894 2013-08-23
JP2014087297 2014-04-21
JP2014087297 2014-04-21
PCT/JP2014/072056 WO2015025963A1 (ja) 2013-08-23 2014-08-22 熱線遮蔽材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2015025963A1 true JPWO2015025963A1 (ja) 2017-03-02

Family

ID=52483733

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015532922A Pending JPWO2015025963A1 (ja) 2013-08-23 2014-08-22 熱線遮蔽材

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPWO2015025963A1 (ja)
WO (1) WO2015025963A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111587179A (zh) * 2018-01-12 2020-08-25 日东电工株式会社 电波透过性金属光泽构件、使用该构件的物品、及其制造方法

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017056588A (ja) * 2015-09-15 2017-03-23 大日本印刷株式会社 電波透過性赤外線反射積層体、閉鎖部材、および電波透過性赤外線反射積層体の製造方法
JP6796443B2 (ja) * 2016-09-27 2020-12-09 株式会社日本触媒 光選択吸収樹脂積層体
KR102570124B1 (ko) * 2016-10-18 2023-08-23 삼성전자 주식회사 필름 적층물 및 이를 포함하는 윈도우 제조물
JP6400062B2 (ja) * 2016-10-24 2018-10-03 日東電工株式会社 電磁波透過性金属光沢部材、これを用いた物品、及び、金属薄膜
EP3738766A4 (en) * 2018-01-12 2021-10-20 Nitto Denko Corporation ELECTROMAGNETIC WAVES TRANSMITTING METALLIC GLOSS FOIL
CA3112544A1 (en) * 2018-09-14 2020-03-19 AGC Inc. Radio wave transmissive substrate
WO2024014417A1 (ja) * 2022-07-13 2024-01-18 Agc株式会社 熱線反射基板及びその製造方法、並びに窓ガラス

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2881460B2 (ja) * 1989-12-15 1999-04-12 タキロン株式会社 熱線遮蔽板
DE19503892C1 (de) * 1995-02-07 1996-10-24 Sekurit Saint Gobain Deutsch Mit einer elektrischen Leitschicht versehene Autoglasscheibe
DE19817712C1 (de) * 1998-04-21 2000-02-03 Sekurit Saint Gobain Deutsch Transparente Platte, insbesondere Glasscheibe mit einer Beschichtung und einem Strahlungsfenster
US20080292820A1 (en) * 2007-05-23 2008-11-27 3M Innovative Properties Company Light diffusing solar control film
JP2012126578A (ja) * 2009-04-13 2012-07-05 Asahi Glass Co Ltd 自動車ガラス用積層体、その製造方法、およびフロントガラス
JP2012037634A (ja) * 2010-08-05 2012-02-23 Asahi Glass Co Ltd 日射調整フィルムおよびこれを用いたフィルム付きガラス
JP5640906B2 (ja) * 2011-06-22 2014-12-17 日産自動車株式会社 合わせガラス

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111587179A (zh) * 2018-01-12 2020-08-25 日东电工株式会社 电波透过性金属光泽构件、使用该构件的物品、及其制造方法
CN111587179B (zh) * 2018-01-12 2023-12-15 日东电工株式会社 电波透过性金属光泽构件、使用该构件的物品、及其制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2015025963A1 (ja) 2015-02-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2015025963A1 (ja) 熱線遮蔽材
WO2017099167A1 (ja) 合わせガラス
KR100939747B1 (ko) 전자파 실드성 광투과 창재, 그 제조 방법 및 표시 패널
JP6287533B2 (ja) 熱線遮蔽合わせガラス
WO2014007313A1 (ja) ガラス樹脂積層体
US20090237782A1 (en) Near Infrared Ray Reflective Substrate And Near Infrared Ray Reflective Laminated Glass Employing That Substrate, Near Infrared Ray Reflective Double Layer Glass
WO2016125823A1 (ja) 遮熱フィルム、遮熱合わせガラスおよびその製造方法
JP2014518837A5 (ja)
JP2007148330A (ja) 近赤外線反射基板およびそれを用いた近赤外線反射合わせガラス
JP5640906B2 (ja) 合わせガラス
WO2014208745A1 (ja) 光透過性積層体
JP6064869B2 (ja) 熱線遮蔽フィルム
JP6549044B2 (ja) 自動車用遮熱合わせガラス
JP2016144930A (ja) 遮熱フィルム、遮熱合わせガラス、遮熱フィルムの製造方法および遮熱合わせガラスの製造方法
KR102007723B1 (ko) 열차단 필름
WO2014191234A1 (en) An electrophoretic solar control device
JP2014240907A (ja) 熱線遮蔽フィルム
JP2017185669A (ja) 遮熱フィルムと遮熱合わせガラス
JP6167986B2 (ja) 熱線遮蔽フィルム
CN111770834A (zh) 热射线屏蔽结构体和包含热射线屏蔽结构体的夹层玻璃以及它们的制造方法
JP2013171099A (ja) ホログラム付き遮熱フィルム
KR20200009786A (ko) 스마트 윈도우 필름 및 이의 제조방법
JP2021062991A (ja) 車両用窓ガラス
JP2007145689A (ja) 近赤外線反射基板およびその基板を用いた近赤外線反射合わせガラス、近赤外線反射複層ガラス
JP7255179B2 (ja) 熱線遮蔽合わせガラス