JP7255179B2 - 熱線遮蔽合わせガラス - Google Patents

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Description

本発明は、熱線遮蔽合わせガラスに関する。
従来、ビル、住宅等の建築物や電車、自動車等の交通機関の省エネルギー対策の一つとして、熱線遮蔽性能を有した透明材料の開発が進められている。例えば、窓から降り注ぐ太陽光線のうちの可視光線は透過するが、熱線は遮蔽し、一方、屋内の熱を外部へ逃がさないための断熱機能を有した窓板用透明材料が開発されている。
窓板用透明材料に熱線を遮蔽する機能を付与する方法としては、アルミニウム等の金属層をフィルム等の上に均一に形成する方法が広く採用されている。
ところが、このような均一な金属層は、一般に電磁波を反射するため、屋内、車内等において、携帯電話やテレビ等を使用することが困難になるといった問題が生じることがある。そこで、熱線は遮蔽するが、電磁波は透過させるといった機能を有したガラス板やフィルムの開発が進められてきている。
例えば、特許文献1には、金属酸化物層と金属層の積層構造部を有する透明積層フィルムを2枚の透明基材で挟んだ構造体であって、該積層構造部に溝部が形成された遮熱性合わせ構造体が開示されている。さらに、特許文献2には、ガラス等の基材上に金属層および誘電体層が交互に積層された交互積層体を有する熱反射構造体が開示されている。
特開2013-209230号公報 特開2013-256104号公報
特許文献1には、積層構造部の溝部を形成するための方法がいくつか開示されているが、金属層の分断化の程度の制御が不十分であるため、可視光線透過性能や電磁波透過性能において、改良の余地を有するものであった。また、特許文献2には、誘電体層におけるクラックについての記載はあるものの、クラックの面内方向の大きさは制限されず、可視光線透過性能や電磁波透過性能において、必ずしも優れた性能とはならず、改良の余地を有するものであった。
また、近年、特に自動車等の交通機関においては、電磁波を利用した外部との通信機能が数多く付与される傾向にあり、熱線遮蔽合わせガラスには、熱線遮蔽性能及び可視光線透過性能と共に、電磁波透過性能の更なる向上が求められている。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、熱線遮蔽性能及び可視光線透過性能に優れ、さらに、電磁波透過性能に特に優れた遮熱合わせガラスを提供することを主な目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、熱線遮蔽フィルムを2枚のガラス板で挟んだ構成を有する熱線遮蔽合わせガラスにおいて、熱線遮蔽フィルムが、少なくとも、基材フィルムと、当該基材フィルムの一方面側に積層された金属積層部とを備えており、金属積層部が、基材フィルムの一方面側において、島状に複数配置されており、さらに、基材フィルムの一方面において、金属積層部が配置されている部分の面積率を所定の範囲に設定することによって、熱線遮蔽性能及び可視光線透過性能に優れ、さらに、電磁波透過性に特に優れた性能は発揮されることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいてさらに検討を重ねることにより完成したものである。
すなわち、本発明には、以下のものが含まれる。
[1] 熱線遮蔽フィルムを2枚のガラス板で挟んだ構成を有する熱線遮蔽合わせガラスであって、
前記熱線遮蔽フィルムは、少なくとも、基材フィルムと、前記基材フィルムの一方面側に積層された金属積層部とを備えており、
前記金属積層部は、前記基材フィルムの一方面側において、島状に複数配置されており、
前記基材フィルムの一方面において、前記金属積層部が配置されている部分の面積率が、80%超、95%以下である、熱線遮蔽合わせガラス。
[2] 島状に複数配置されている前記金属積層部の個々の面積が、0.025~0.217mm2である、項1に記載の熱線遮蔽合わせガラス。
[3] 電磁波遮蔽率が、5dB以下である、項1又は2に記載の熱線遮蔽合わせガラス。
[4] 可視光線透過率が70%以上であり、可視光線反射率が10%以下であり、遮熱性能Ttsが51以下であり、ヘイズが1.3以下である、項1~3のいずれか1項に記載の熱線遮蔽合わせガラス。
[5] 前記金属積層部は、厚み方向に5層以上の積層体である、項1~4のいずれか1項に記載の熱線遮蔽合わせガラス。
[6] 前記金属積層部は、金属層を少なくとも1層含んでいる、項1~5のいずれか1項に記載の熱線遮蔽合わせガラス。
[7] 前記金属層の総厚みが、20~25nmである、項6に記載の熱線遮蔽合わせガラス。
[8] 前記金属積層部は、金属酸化物層を少なくとも1層含んでいる、項1~7のいずれか1項に記載の熱線遮蔽合わせガラス。
[9] 前記金属酸化物層の総厚みが、100~150nmである、項8に記載の熱線遮蔽合わせガラス。
[10] 前記金属酸化物層が、インジウムを含む導電材料により形成されている、項7又は8に記載の熱線遮蔽合わせガラス。
[11] 前記熱線遮蔽合わせガラスを平面視した場合に、前記個々の島状の金属積層部の外縁形状は、曲線を含んでいる、項1~10のいずれか1項に記載の熱線遮蔽合わせガラス。
[12] 前記熱線遮蔽合わせガラスを平面視した場合に、前記個々の島状の金属積層部の外縁形状は、同一又は異なる円弧の組み合わせによって形成されている、項1~11のいずれか1項に記載の熱線遮蔽合わせガラス。
本発明によれば、熱線遮蔽性能及び可視光線透過性能に優れ、さらに、電磁波透過性能に特に優れた遮熱合わせガラスを提供することができる。
本発明の実施形態に係る熱線遮蔽合わせガラスの層構成を示す模式的断面図の一例である。 本発明の実施形態に係る熱線遮蔽合わせガラスの製造方法の一例を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る熱線遮蔽フィルムの島状の金属積層部の配置の仕方の例であり、円形千鳥型配置である。 本発明の実施形態に係る熱線遮蔽フィルムの島状の金属積層部の配置の仕方の例であり、角穴並列型配置である。 本発明の実施形態に係る熱線遮蔽フィルムの島状の金属積層部の配置の仕方の例であり、六角形千鳥型配置である。 本発明の実施形態に係る熱線遮蔽フィルムの島状の金属積層部の配置の仕方の例であり、同一のR値(半径)を有する円弧を6つ組み合わせた外縁形状の島状部(金属積層部)が、等間隔で多数繰り返し形成されたパターン状配置である。 本発明の実施形態に係る熱線遮蔽フィルムの島状の金属積層部の配置の仕方の例であり、2種類の島状部(外縁形状が円形状の島状部(金属積層部)と、その間を埋める島状部(金属積層部))が等間隔で多数繰り返し形成されたパターン状配置である。 本発明の実施形態に係る熱線遮蔽フィルムの島状の金属積層部の配置の仕方の例であり、外縁形状が菱形の2種類の島状部(金属積層部)が等間隔で多数繰り返し形成されたパターン状配置である。
本発明の熱線遮蔽合わせガラスは、熱線遮蔽フィルムを2枚のガラス板で挟んだ構成を有する熱線遮蔽合わせガラスであって、熱線遮蔽フィルムは、少なくとも、基材フィルムと、前記基材フィルムの一方面側に積層された金属積層部とを備えており、金属積層部は、基材フィルムの一方面側において、島状に複数配置されており、基材フィルムの一方面において、前記金属積層部が配置されている部分の面積率が、80%超、95%以下であることを特徴とする。本発明の熱線遮蔽合わせガラスは、当該構成を備えていることにより、熱線遮蔽性能及び可視光線透過性能に優れ、さらに、電磁波透過性能に特に優れた性能を発揮する。
以下、本発明の実施形態に係る遮熱合わせガラスについて詳述する。なお、本明細書において、数値範囲の「~」とは、以上と以下とを意味する。即ち、α~βという表記は、α以上β以下、或いは、β以上α以下を意味し、範囲としてα及びβを含む。
本発明の実施形態に係る熱線遮蔽合わせガラスは、建物、交通車輛、船舶などの窓板として設置されるものであり、2枚のガラス板と熱線遮蔽フィルムとを有している。熱線遮蔽合わせガラスは、熱線を遮蔽する層として、熱線遮蔽フィルム上の金属積層部を有している。熱線遮蔽フィルム上の金属積層部は、基材フィルムの一方の面に島状に設けられている。
(電磁波、可視光線、近赤外線、遠赤外線、紫外線)
本実施形態において、電磁波とは、波長10mm~10km、周波数30KHz~30GHz程度の狭義の電磁波のことをいう。ラジオ放送、テレビ放送、無線通信、携帯電話、衛星通信等に使用される電磁波領域のものである。なお広義には、下記の可視光線、近赤外線、遠赤外線、紫外線等も電磁波に含まれる。
本実施形態において、可視光線とは、電磁波のうち肉眼で認識することができる光のことであり、一般に波長380~780nmの電磁波のことを指している。近赤外線とは、およそ波長800~2500nmの電磁波であり、赤色の可視光線に近い波長を有する。近赤外線は、太陽光の中に含まれており、物体を加熱する作用がある。これに対して、遠赤外線は、およそ波長5~20μm(5000~20000nm)の電磁波であり、太陽光の中には含まれず、室温付近の物体から放射される波長に近いものである。また、紫外線とは、およそ波長10~380nmの電磁波である。本実施形態において、熱線とは、主に、紫外線から近赤外線のことを意味する。
本実施形態の熱線遮蔽合わせガラスは、電磁波、可視光線、近赤外線、遠赤外線、紫外線の5つの波長の電磁波を意識して扱う構成となっている。すなわち、本発明の熱線遮蔽合わせガラスは、電磁波を室外・室内に透過させて、屋内、室内、車内等(以下、「屋内、室内、車内等」を合わせて「屋内等」といい、「屋外、室外、車外等」を合わせて「屋外等」という)において携帯電話や携帯テレビなどの電磁波を利用した機器等を使用することを可能とする。また、本発明の熱線遮蔽合わせガラスは、可視光線を屋外等から屋内等に部分的に透過させて、室内を明るく保つようにする。近赤外線は、金属積層部等によって反射・吸収させて、屋外等から屋内等に入らないように遮蔽し、夏季等に室内が暑くならないようにする。遠赤外線は、屋内等から発せられるものであり、金属積層部等によって反射させることによって、冬季等に屋内等の熱が屋外等へ出ていかないようにする。紫外線は、金属積層部等によって反射・吸収させて、屋外等から屋内等に入らないように遮蔽し、屋内等の物品が経時的に劣化を引き起こすことがないようにする。
図1は、本実施形態に係る熱線遮蔽合わせガラスの層構成を示す模式的断面図の一例である。本実施形態の熱線遮蔽合わせガラス10において、2枚のガラス板5A、5Bの間には、熱線遮蔽フィルム4が挟まれている。熱線遮蔽フィルム4は、透明樹脂からなる基材フィルム1と、その一方の面に金属積層部2が設けられている。さらに基材フィルム1の他方の面および金属積層部2上のそれぞれに、接着層3B、3Aが設けられている。そして、熱線遮蔽フィルム4は、その接着層3A、3Bによって2枚のガラス板5A、5Bとそれぞれ貼合されている。図1においては、上方が屋内等側であり、下方が屋外等側である。以下、本実施形態の熱線遮蔽合わせガラス10を構成する各層について、詳細に説明する。
(ガラス板)
本実施形態の熱線遮蔽合わせガラス10において、ガラス板5A、5Bとは、建築物や交通車輛や船舶等の内部に外界から太陽光を取り込むための透明な板である。一般的には、いわゆる無機のガラス板や有機樹脂からなる樹脂板が用いられる。無機のガラスとしては、ソーダ石灰ガラスが代表的なものである。透明な有機樹脂としては、アクリル系、スチレン系、水添環状樹脂、ポリカーボネート系、ポリエステル系など種々の樹脂を使用することができる。
熱線の遮蔽性能の向上を図るために、近赤外線の波長領域(800~2500nm)の透過率を低下させるガラス板として、鉄イオンを含有しているガラス板を用いることができる。鉄イオンを含有するガラス板としては、二酸化けい素(SiO2)、酸化ナトリウム(Na2O)、酸化カルシウム(CaO)を主成分とするソーダ石灰ガラスであって、鉄分をFe23として0.3~0.9質量%含有し、鉄分を高い還元率で還元したガラス板が好ましい。鉄分の高い還元率の目安としては、Fe2+/Fe3+で50~250%であるものをいう。鉄分を還元して2価の鉄イオンの含有量を増大させることによって、赤外線領域の吸収率を高めることができる。鉄分を還元する方法としては、ソーダ石灰ガラス原料としての珪砂、長石、ソーダ灰、ベンガラ等の粉末と、還元剤としてカーボンを用いて、電気溶融窯等で溶融させることによって調製することができる。また鉄分の還元率は、レドックス測定装置によって測定することができる。
ガラス板1枚の厚みとしては、特に制限されないが、例えば0.1~10mm程度、好ましくは1~5mm程度が挙げられる。
(基材フィルム1)
基材フィルム1は、熱線遮蔽フィルム4の形態を維持するための基材であり、金属積層部2、接着層3A、3B等を保持する機能を有している。そのため、基材フィルム1は、機械的強度、可視光線透過率、加工性等に優れていることが好ましい。また、基材フィルム1は、可視光線を透過させるように透明樹脂から構成されている。基材フィルム1として使用される透明樹脂としては、アクリル系、ポリカーボネート系、スチレン系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、水添環状樹脂、フッ素系、シリコーン系、ウレタン系など種々の樹脂が使用でき、用途や目的に応じて、使い分けることができる。これらの透明樹脂の中では、加工性の観点から、1軸および2軸延伸したポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル系の樹脂が好ましい。延伸したフィルムは、位相差を7000nm以上にすることで、太陽光を反射させた際の虹(干渉)ムラを解消することができる。
基材フィルム1は、透明樹脂の機械的物性等にもよるが、厚さは、8~800μmであることが好ましい。より好ましくは12~400μmである。
(金属積層部2)
金属積層部2は、屋外等から照射される太陽光のうち、熱線と紫外線を主に反射によって遮蔽するとともに、屋内等から発せられる遠赤外線を主に反射によって遮蔽する層である。熱線、紫外線、遠赤外線の反射は、金属内の多数の自由電子が電磁波の振動電場に合わせて集団振動するために起きると考えられている。
金属積層部2は、基材フィルム1の一方の面に設けられた、金属を含む部分である。金属積層部2は、基材フィルム1の屋内等側または屋外等側のいずれかに設置することができるが、基材フィルム1の屋内等側にある方が、熱線の遮蔽性能の向上効果に優れているため、好ましい。金属積層部2は、基材フィルム1の一方の面上に直接形成してもよいし、他の基材層上に形成して、その後、基材フィルム1と接着層等によって貼合してもよい。
金属積層部2は、後述の通り、金属により構成された金属層(金属皮膜)を少なくとも1層備えていることが好ましい。また、金属積層部2は、後述の通り、金属酸化物により構成された金属酸化物層(金属酸化物皮膜)を少なくとも1層備えていることが好ましい。
金属層は、金属により構成されているため、通常、可視光線の透過性能が十分ではない。そのため、以下に述べるように、金属積層部2を島状として、基材フィルム1の一方面側に多数配置させることによって構成して、可視光線と電磁波の透過性能を付与させる。
金属積層部2は、基材フィルム1の一方面側において、島状に複数配置されている。金属積層部2の径は、好ましくは170~500μm、より好ましくは190~450μm、さらに好ましくは190~400μm、より好ましくは200~390μm、特に好ましくは300~390μmである。ここで、金属積層部2の径とは、島状の金属積層部2の最大差し渡し長さの平均値のことをいう。金属積層部2の径が170μm未満であると、熱線等の遮蔽性能が不十分となる。金属積層部2の径が500μmを超えると、肉眼で金属積層部2が認識し易くなり、金属光沢が強くなり、外観の商品性が低下する。
また、金属積層部2間の距離(隙間)は、好ましくは7~32μm、より好ましくは13~30μm、さらに好ましくは20~30μm、特に好ましくは25~28μmである。ここで、金属積層部2間の距離とは、島状の金属積層部2の端部と隣り合う島状の金属積層部2の端部との最短距離のことをいう。金属積層部2間の距離が7μm未満であると、可視光線透過率が低下し、電磁波透過性が低下する可能性がある。また製造上もエッチングによる製造が困難となる可能性がある。金属積層部2間の距離が32μmを超えると、肉眼で金属積層部2が認識し易くなり、外観の商品性が低下する。また、熱線等の遮蔽性能が不十分となる。
また、熱線遮蔽性能及び可視光線透過性能に優れ、さらに、電磁波透過性能に特に優れた遮熱合わせガラスとする観点から、島状に複数配置されている金属積層部2の個々の面積は、好ましくは0.025~0.217mm2、より好ましくは0.034~0.200mm2、さらに好ましくは0.034~0.165mm2、特に好ましくは0.090~0.130mm2である。
島状の金属積層部2の形状については、特に制約はなく、円形、正方形、長方形、正多角形(三角形、四角形、五角形、六角形など)、楕円形、不定形等が可能である。また、熱線遮蔽合わせガラス10に光(特に太陽光など)が当たった際の輝線の発生を抑制する観点から、熱線遮蔽合わせガラス10を平面視した場合に、個々の島状の金属積層部2の外縁形状は、曲線を含んでいることが好ましい。当該輝線の発生をより効果的に抑制する観点からは、当該外縁形状は曲線の組み合わせで形成されている(例えば、外縁形状は曲線のみで構成されている)ことが好ましく、特に、同一又は異なる円弧の組み合わせによって形成されていることが好ましい。図6には、外縁形状が同一のR値(半径)を有する円弧を6つ組み合わせた形状の島状部(金属積層部)が、等間隔で多数繰り返し形成されたパターン状配置を図示している。製造上の容易さや金属積層部2の形状の管理のし易さからは、円形、正方形、多角形、長方形、円弧を組み合わせた形状などが好ましい。また、複数の島状の金属積層部2の配置の仕方は、規則的に配置してもよいし、不規則的に配置してもよい。製造上の容易さや金属積層部2の形状の管理のし易さからは、規則的に配置させることが好ましい。また、複数の島状の金属積層部2の形状は、1種類(すなわち、同一形状)であってもよく、2種類以上であってもよいが、好ましくは1種類又は2種類であり、より好ましくは1種類である。特に、複数の島状の金属積層部2は、それぞれ、同一形状であって、かつ、等間隔で配置できる形状(例えば、図5、図6など)が好ましい。図6のように、個々の島状の金属積層部2の外縁形状が曲線を含み、かつ、複数の金属積層部2を等間隔で配置できる外縁形状とすることが、輝線を抑制しつつ、製造上の容易さや金属積層部2の形状の管理のし易さの観点から特に好ましい。
図3~8は、本実施形態に係る熱線遮蔽フィルムの島状の金属積層部2の配置の仕方の例である。図3は円形千鳥型配置である。円形千鳥型配置では、円形の金属積層部2の中心が正三角形の頂点に位置するように、規則正しく配置している。金属積層部2の径はD(μm)であり、金属積層部2間の距離はP(μm)である。
図4は角穴並列型配置である。角穴並列型配置では、正方形の金属積層部2の中心が長方形の頂点に位置するように、規則正しく配置している。金属積層部2の径は、正方形の対角線の長さであり、約1.41×W(μm)である。金属積層部2の距離は、縦方向がSP1(μm)であり、横方向がSP2(μm)である。
図5は六角形千鳥型配置である。六角形千鳥型配置では、正六角形の金属積層部2の中心が正三角形の頂点に位置するように、規則正しく配置している。金属積層部2の径は、対向する2辺間の距離であり、約1.15×W(μm)である。金属積層部2間の距離はP(μm)である。
図6~図8の模式図の配置については前述の通りである。図3~5と同様、図6~図8の模式図に示すような島状部(金属積層部2)についても、規則正しく配置している。また、これらの金属積層部2の径や金属積層部2間の距離などは、CADシステムなどを用いて設計することができる。
熱線遮蔽フィルム4において、金属積層部2が配置されている部分の面積率は、80%超、95%以下である。金属積層部2が配置されている部分の面積率が当該範囲内にあることにより、熱線遮蔽性能及び可視光線透過性能に優れ、さらに、電磁波透過性能に特に優れた遮熱合わせガラスとなる。当該面積率は、好ましくは85.3~95.0%、より好ましくは85.3~91.0%、さらに好ましくは85.5~88.0%である。
例えば、図3の円形千鳥型配置において、金属積層部2が配置されている部分の面積率R1(%)は、以下の式(1)によって算出することができる。
1=(90.6×D2)/(P+D)2・・・(1)
また、例えば、図4の角穴並列型配置において、金属積層部2が配置されている部分の面積率R2(%)は、以下の式(2)によって算出することができる。
2={100×W2}/{(W+SP1)×(W+SP2)}・・・(2)
また、例えば、図5の六角形千鳥型配置において、金属積層部2が配置されている部分の面積率R3(%)は、以下の式(3)によって算出することができる。
3=100×{W2/(W+P)2}・・・(3)
図3~図8の模式図のような配置における金属積層部2の面積率は、CADシステムなどを用いて設計することができる。
金属積層部2に含まれる金属としては、Al、Ag、Sn、Ni、Cu、Cr、In、Pd、Pt、Au等が挙げられる。これらの金属は、導電性に優れ、熱線、遠赤外線、紫外線を反射することが可能である。また、これらの金属は、気相法によって基材フィルム1等の上に皮膜を形成することが可能であり、エッチング等によって島状の金属積層部2を形成することが可能である。これらの金属は、単独で使用してもよいし、性能的に問題がなければ、合金として使用してもよい。
金属積層部2に含まれる金属としては、銀またはアルミニウムまたはこれらの合金から構成されていることが好ましい。導電性に優れ、気相法による金属皮膜の形成とエッチングが容易であることから、銀、または銀と他の金属からなる化合物を含有する層を採用することが好ましい。すなわち、銀合金がより好ましい。銀合金としては、銀にAu、Pt、Pd、Cu、Niを数質量%含有させた合金等がある。
本発明の金属積層部2は、金属層を少なくとも1層備えていることが好ましい。金属層は、前記の金属により構成することができる。金属層は、例えば気相法によって基材フィルム1等の上に金属皮膜として好適に形成することが可能であり、エッチング等によって、金属層を除去することにより、島状の金属積層部2を形成することが可能である。
また、金属積層部2は、単一の金属層から構成されていてもよいし、複数の金属層から構成されていてもよい。金属積層部2としての性能が安定化し、透明性に優れた層とすることが容易であることから、複数の金属層から構成されていることが好ましい。
本発明の金属積層部2は、金属酸化物により構成された金属酸化物層を少なくとも1層備えていることが好ましい。金属酸化物層を構成する金属酸化物としては、チタンドープ酸化亜鉛(酸化亜鉛・チタン、SZO)、錫ドープ酸化インジウム(酸化インジウム・錫、ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム(酸化インジウム・亜鉛、IZO)、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫、酸化タングステン、酸化チタン、酸化ニオブ等を挙げることができる。これらの中でも、インジウムを含む導電材料により形成されていることが好ましく、具体的には、錫ドープ酸化インジウム(酸化インジウム・錫、以下「ITO」と記載する。)、亜鉛ドープ酸化インジウム(酸化インジウム・亜鉛、以下「IZO」と記載する。)が透明性、安定性の観点から好ましい。金属酸化物層として、高屈折の材料を用いることによって、金属積層部2の可視光線透過性能を高めることが可能となる。また、これらの金属酸化物は、導電性を有しており、成膜時の成膜速度が速く、量産性に優れている。
金属積層部2は、厚み方向に5層以上の積層体であることが好ましい。特に、金属層と金属酸化物層が交互に形成されており、金属層と金属酸化物層の層数の合計が5以上であり、更に金属層が金属酸化物層に挟まれることによって、光学特性を最適化することができる。金属積層部2が金属層と金属酸化物層との積層体である場合の好ましい具体例としては、IZO/AgPd/IZO/AgPd/IZOが順に積層された積層体;IZO/Ag/IZO/Ag/IZOが順に積層された積層体;ITO/Ag/ITO/Ag/ITOが順に積層された積層体等の5層構成が挙げられる。
金属積層部2の総厚みとしては、好ましくは92~202nm、より好ましくは120~182nmが挙げられる。また、金属層の総厚みとしては、好ましくは12~32nm、より好ましくは20~30nmが挙げられる。また、金属酸化物層の総厚みとしては、好ましくは80~170nm、より好ましくは100~150nmが挙げられる。金属積層部2、金属層、及び金属酸化物層の総厚みが、それぞれ、これらの範囲にあると、熱線、遠赤外線、紫外線の反射性能に優れ、さらに、熱線遮蔽性能及び可視光線透過性能に優れ、さらに、電磁波透過性能に特に優れた遮熱合わせガラスが好適に得られる。
また、金属積層部2には、基材との密着性向上として、SiOx層やTiOx層などの非導電性層を形成してもよい。xとしては1.8~2.0が好ましく、その厚さは2~40nmが好ましく、更に好ましくは3~15nmである。2nmに満たないときは後記のSiOx層の形成効果が僅かであり、40nmを超えるときはフィルム屈曲時のひび割れなどの問題が生じ、経済的にも得策でない。該SiOx層のバリヤー性によると考えられる金属層の劣化を抑制する等、耐久性も向上する。
また、金属積層部2の最上層に、耐久性や耐耐擦傷性傷を改善するため、トップ層を形成してもよい。エッチング性の良好な材料としては、非晶性のガリウム、インジウム、錫をそれぞれ含有する酸化物などが挙げられる。その厚さは2~50nmが好ましく更に好ましくは4~20nmである。2nmに満たないときは層の形成効果が僅かであり、20nmを超えるときは経済的にも得策でない。
(接着層3A、3B)
本実施形態の熱線遮蔽合わせガラス10では、熱線遮蔽フィルム4は、一方の面に金属積層部2が設けられた基材フィルム1の他方の面および前記金属積層部2上のそれぞれに接着層3B、3Aが設けられた構成を有している。熱線遮蔽フィルム4は、これらの接着層3A、3Bによってそれぞれ、ガラス板5A、5Bと貼合されている。
接着層3A、3Bとしては合わせガラスの中間膜として汎用的に使用される樹脂膜であれば特に制限されないが、可視光領域や赤外線領域に吸収が無いものが好ましい。
接着層3A、3Bに使用される接着剤は、例えば、室温では粘着性のない接着剤として基材フィルム1等に塗布や積層され、熱線遮蔽合わせガラス10を構成する各材料を積層させた後に、加熱処理することによって、粘着性・接着性が発現し、各層間を接着させることを可能とする接着剤である。
接着層3A、3Bに使用される接着剤は、具体的には、ポリビニルブチラール系樹脂(PVB系樹脂)等のポリビニルアセタール樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体系樹脂(EVA系樹脂)等が挙げられる。
接着層3A、3Bに使用される接着剤は公知の方法を用いて製造したものでもよいが、市販品を利用してもよい。市販品としては、例えば、積水化学工業社製や三菱樹脂社製の可塑化PVB、デュポン社製や武田薬品工業社製のEVA樹脂、東ソー社製の変性EVA樹脂等がある。
接着層3A、3Bの厚さは、それぞれ100~1000μmであることが好ましい。
接着層3A、3Bに使用される接着剤には、紫外線吸収剤、抗酸化剤、帯電防止剤、熱安定剤、滑剤、充填剤、着色剤、接着調整剤、熱線吸収/反射剤等を適宜添加配合してもよい。接着層3A、3Bと金属積層部2とが接して存在しているときには、接着層3A、3Bに用いられる接着剤としては、金属積層部2を劣化させないために、pHが中性のものが好ましい。具体的には、化学構造としてカルボン酸を含まないものが好ましい。また、防錆材を添加してもよい。
(保護層)
熱線遮蔽フィルム4には、製造中の外力等によって金属積層部2が破損されることを防止するため、基材フィルム1上の金属積層部2と接着層3Aとの間に、保護層を設けてもよい。
保護層としては、コーティング法や保護フィルムの接着法等がある。コーティング法では、有機系ハードコート剤、無機系ハードコート剤、シリコーン系ハードコート剤等を塗布して、硬化させて形成することができる。中でも、紫外線硬化型のアクリル樹脂が好ましい。保護層の厚さは0.5~20μmであることが好ましい。
保護フィルムの接着法では、保護フィルムを接着層によって金属積層部2上に貼合する方法がある。保護フィルムとしては、基材フィルム1と同様に、PETフィルム等の材料を使用することができる。接着層の接着剤としては、アクリル系、シリコーン系、ウレタン系、ブタジエン系、天然ゴム系等が挙げられる。これらの中では、耐久性の観点から、アクリル系およびシリコーン系が好ましい。接着層の厚さは0.5~20μmであることが好ましい。
ガラス板としては、無機ガラス及び有機ガラスが挙げられる。上記無機ガラスとしては、フロート板ガラス、熱線吸収板ガラス、熱線反射板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、線入り板ガラス及びグリーンガラス等が挙げられる。上記有機ガラスは、無機ガラスに代用される合成樹脂ガラスである。上記有機ガラスとしては、ポリカーボネート板及びポリ(メタ)アクリル樹脂板等が挙げられる。上記ポリ(メタ)アクリル樹脂板としては、ポリメチル(メタ)アクリレート板等が挙げられる。上記合わせガラス部材の厚みは、好ましくは1mm以上、好ましくは5mm以下、より好ましくは3mm以下である。
当該合わせガラスは、自動車、鉄道車両、航空機、船舶及び建築物等に使用できる。上記合わせガラスは、これらの用途以外にも使用できる。上記合わせガラスは、車両用又は建築用の合わせガラスであることが好ましい。
[熱線遮蔽合わせガラスの性能]
以下、本実施形態の熱線遮蔽合わせガラス10が有する各種性能について説明する。
(可視光線透過率)
本実施形態の熱線遮蔽合わせガラス10は、波長380~780nmの可視光線を透過させる。熱線遮蔽合わせガラス10の可視光線透過率は、70%以上であることが好ましい。可視光線透過率が70%以上であると、視野的に特に優れたものとなる。可視光線透過率は、JIS A5759に準拠して、例えば株式会社日立ハイテクノロジーズ社製紫外可視近赤外分光光度計U-4100を用いて測定することができる。可視光線透過率の数値は、ガラス板5A、5Bの材質や厚さ、熱線遮蔽フィルム4を構成する基材フィルム1、金属積層部2、接着層3A、3Bの構成素材や厚さ等によって調整することができる。
(可視光線反射率)
本実施形態の熱線遮蔽合わせガラス10は、可視光線反射率が10%以下であることが好ましい。可視光線反射率が10%以下であると、金属光沢が少なく、商品としての外観に特に優れたものとなる。可視光線反射率は、JIS A5759(2008)に準拠して、例えば株式会社日立ハイテクノロジーズ社製紫外可視近赤外分光光度計U-4100を用いて測定することができる。可視光線反射率の数値は、前記した可視光線透過率の場合と同様に、構成する各層の素材や厚さ等によって調整することができる。
(ヘイズ)
本実施形態の熱線遮蔽合わせガラス10は、ヘイズが1.3以下であることが好ましい。ヘイズが1.3以下であると、視野的に特に優れたものとなる。ヘイズは、JIS K7136(2000)に準拠して、例えば日本電色工業株式会社社製ヘイズメータ(曇り度計)NDH5000を用いて測定することができる。ヘイズの数値は、前記した可視光線透過率の場合と同様に、構成する各層の素材や厚さ等によって調整することができる。
(遮熱性能Tts
熱線遮蔽フィルム4および遮熱合わせガラス10の遮熱性能の指標として、Ttsを用いる。Ttsは、ISO13837:2008に準拠して測定する。具体的には、Tts=27.6+0.724×(日射透過率)-0.276×(日射反射率)の式から算出される。この透過及び反射スペクトルは分光光度計を用いて測定する。Ttsは、60%以下であることが好ましく、55%以下であることがより好ましく、50%以下であることがさらに好ましい。
(透過光及び反射光の色度)
本実施形態の熱線遮蔽合わせガラス10において、反射光が赤色を帯びていると、外観上の商品性が低下する。そのため、赤色を帯びていない方が好ましい。すなわち、JIS Z8729に記載のL***表色系の色度図において、反射光における色相a*値が少ないことが好ましい。具体的には、いずれも12以下であることが好ましく、9以下であることがより好ましく、8以下であることがさらに好ましい。
(電磁波遮蔽率)
本実施形態の熱線遮蔽合わせガラス10は、電磁波の透過性能を定量化して評価するために、電磁波遮蔽率という指標を用いている。評価方法としては、KEC法を採用した。電磁波の測定範囲は、30MHz~1GHzである。電磁波遮蔽率は、周波数800MHzにおける数値(dB)を用いる。
電磁波遮蔽率は、5dB以下であることが好ましい。電磁波遮蔽率が5dB以下であるときに、屋内等における携帯電話や携帯テレビ等の使用時において、特に支障の少ないものとすることができる。電磁波遮蔽率は、より好ましくは3dB以下である。
電磁波遮蔽率の数値は、熱線遮蔽合わせガラス10を構成する各層の素材や厚さ等に加えて、金属積層部2が配置されている部分の前記面積率によって好適に調整することができる。
本実施形態の熱線遮蔽合わせガラス10は、電磁波を透過させるので、屋内等において携帯電話や携帯テレビ等の電磁波を利用する機器を好適に使用することができる。屋外等から照射される可視光線をある程度は透過させるので、屋内等を明るくすることができる。一方、熱線遮蔽合わせガラス10は、熱線を遮蔽するので、屋内等の気温の上昇を抑制することができる。また、屋内等から放射される遠赤外線は屋外等へ逃げないようにすることができる。さらに、紫外線は遮蔽して、屋内等の物品が紫外線によって経時的に劣化することを防止することができる。
また、本実施形態の熱線遮蔽合わせガラス10は、2枚のガラス板5によって挟まれた構成であるため、いずれの側が屋外等側になっても、雨風等による劣化を低減することができる。
[熱線遮蔽合わせガラスの製造方法]
本実施形態の熱線遮蔽合わせガラス10を作製する方法について説明する。まず、熱線遮蔽フィルム4の製造方法について説明する。基材フィルム1上に金属積層部2を形成する。最初に、基材フィルム1の表面全体に気相法によって、所定の皮膜を形成する。気相法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法など公知の方法を適宜選択することができる。
次に、基材フィルム1の表面全体に形成された金属積層部2の上に、所定の島状の金属積層部2の配置の仕方でレジスト(感光性樹脂)膜を形成する。レジスト膜の形成方法としては、印刷法、フォトリソグラフ法等の公知の方法を選択することができる。印刷法としては、グラビア印刷、スクリーン印刷等の公知の方法を選択することができる。
次に、レジスト膜が存在しない部分の金属積層部2を酸やアルカリによってエッチングして、除去する。その後、レジスト膜を溶剤や水等で剥離することによって、所定の島状の金属積層部2の配置を有する金属積層部2を形成することができる。
次に、金属積層部2が設けられた基材フィルム1の両面にそれぞれ接着層3A、3Bを形成する。粘着剤高分子を溶剤に適当量混合し、適切な粘度の溶液を調整する。その溶液を基材フィルム1または金属積層部2の上にコーティングする。その後乾燥させることによって、接着層3A、3Bを形成することができる。また前記したように、金属積層部2と接着層3Aとの間に保護層を設けてもよい。
熱線遮蔽フィルム4とガラス板5とを貼合する方法は特に制限されず、一般的な合わせガラスの製造方法を用いればよい。具体例を次に説明する。図2は、本発明の本実施形態に係る熱線遮蔽合わせガラスの製造方法を示す模式図である。
まず、図2(a)に示すように、2枚のガラス板5の間に、両面に接着層を有する熱線遮蔽フィルム4を積層する。積層されたガラス板5と熱線遮蔽フィルム4は、ローラー21上を移動して、次の工程に移る。
次に、図2(b)に示すように、密閉されたチャンバ22内で、積層されたガラス板5と熱線遮蔽フィルム4は、ヒータ23によって90℃程度に加熱される。続いて、1対の圧着ロール24を通過させることによって、積層されたガラス板5と熱線遮蔽フィルム4は仮圧着される。
次に、図2(c)に示すように、仮圧着された熱線遮蔽合わせガラス10は、オートクレーブ25中に収納される。オートクレーブ25中で、約1MPaに加圧され、130℃程度に加熱されることによって、仮圧着後に残った気泡は取り除かれ、熱線遮蔽フィルム4の接着層がガラス板5と十分に貼合されて、熱線遮蔽合わせガラス10が製造される。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。但し、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、特記しない限り、部及び%はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
<熱線遮蔽フィルムの製造>
それぞれ、表1に記載の積層構成A~Fとなるように、基材フィルムとしてのポリエチレンテレフタレートフィルム(易接着性2軸延伸PETフィルム、東洋紡社製コスモシャインA4300、厚み50μm)の一方面側に、スパッタリング法を用いて、金属酸化物層としてのIZO膜(出光興産(株)社製)、金属層としてのAgPd膜(パラジウムを1原子%含有する銀)、IZO膜、AgPd膜、IZO膜をこの順に全面に積層して、各積層フィルムを得た。表1の積層構成EおよびFに使用した基材は、位相差を制御したポリエチレンテレフタレートフィルム(易接着性1軸延伸PETフィルム、80および100μm)を用い、上記同様に各積層フィルムを得た。
スパッタリング法の条件は、0.4Paの真空下とした。
次に、得られた各積層フィルムの最表面(IZO膜表面)の上に、溶剤に溶解したレジストをグラビア印刷によって、実施例1-8及び比較例2,4-6については図5の模式図に示すように、外縁形状が同一の平面視正六角形状の島状部(金属積層部)が等間隔で多数繰り返し形成されたパターン状配置となるように印刷した。また、実施例9-11,14,15については、図6の模式図に示すように、同一のR値(半径)を有する円弧を6つ組み合わせた外縁形状の島状部(金属積層部)が、等間隔で多数繰り返し形成されたパターン状配置となるように印刷した。実施例12については図7の模式図に示すように、2種類の島状部(外縁形状が円形状の島状部(金属積層部)と、その間を埋める島状部(金属積層部))が等間隔で多数繰り返し形成されたパターン状配置となるように印刷した。実施例13については図8の模式図に示すように、外縁形状が菱形の2種類の島状部(金属積層部)が等間隔で多数繰り返し形成されたパターン状配置となるように印刷した。なお、2種類の菱形のうち、1種類の菱形は内角が72°と112°の組み合わせであり、もう1種類の菱形は36°と44°の組み合わせである。各島状部の径(対向する2辺間の距離μm)、隙間(μm)、面積(μm2)、島状部が配置されている部分の面積率(%)は、それぞれ、表2及び表3に記載の値となるように設定した。なお、表2及び表3の各島状部の径、隙間、面積、面積率は、それぞれ、5層構造(金属層及び金属酸化物層)の島状部(金属積層部)の実測値(後述の平均値)である。
次に、レジストを200℃で乾燥させた後、塩化第二鉄水溶液を用いて、レジストが印刷されていない部分のAgPd膜(金属層)及びIZO膜(金属酸化物層)を溶解・除去し、PETフィルムの表面を部分的に露出させた。次に、その後、レジストを水酸化ナトリウムの水溶液を用いて溶解して、IZO膜表面から剥離した。水洗・乾燥して、上記PETフィルム上に、所定形状の5層構造(金属層及び金属酸化物層)の島状部(金属積層部)が多数配置された各熱線遮蔽フィルムを得た。
なお、後述の比較例1,3,7,9においては、金属積層部を島状とせず、金属積層部が全面に積層された前記の各積層フィルムをそのまま各熱線遮蔽フィルムとして用いた。
Figure 0007255179000001
<実施例1-15及び比較例1-9>
ソーダ石灰ガラスのフロートガラス板(厚さ2mm、以下「ガラス板」と記載する。)上に、接着層としての380μm厚のPVB(ポリビニルブチラールフィルム、積水化学工業社製、S-LEC PVB 0.38mm)のシート(以下「PVBシート」と記載する。)を置いた。その上に、上記遮熱フィルムを、金属積層部を下側にして置き、さらに接着層としてのPVBシートを置き、最後にガラス板を置いて、遮熱フィルムを接着層で挟み込んだ積層板を得た。
この積層板を図2に記載した製造ラインに通した。すなわち、密閉されたチャンバ22内で、ヒータ23を用い、得られた積層板を約90℃に加熱した。その後、1対の圧着ロール24を通過させることによって、積層されたガラス板5と熱線遮蔽フィルム4とを仮圧着させた。
次に、仮圧着された熱線遮蔽合わせガラス10をオートクレーブ25中に収納した。オートクレーブ25中で、約1MPaに加圧し、約130℃で30分間加熱することによって、仮圧着後に残った気泡を取り除き、熱線遮蔽フィルム4が接着層によってガラス板5と十分に貼合された熱線遮蔽合わせガラス10を製造した。図1に示した構成に準じた構成を有する熱線遮蔽合わせガラスを得た。
<比較例8>
グリーンガラスのフロートガラス板(厚さ2mm、以下「遮熱ガラス板」と記載する。)上に、接着層としての遮熱PVB(遮熱材含有ポリビニルブチラールフィルム、積水化学工業社製、S-LEC SCF PVB 0.76mm)のシート(以下「PVBシート」と記載する。)を置いて、接着層を有するガラス板を得た。接着層の上に、もう一枚の遮熱ガラス板を置いて積層板を得た。その後の工程は、実施例1-15及び比較例1-9と同様にして、遮熱ガラス板/遮熱接着層/遮熱ガラス板が順に積層された熱線遮蔽合わせガラスを得た。
<性能評価方法>
実施例、比較例において、面内位相差R0、島状部の径、島状部の隙間、可視光線透過率、可視光線反射率、遮熱性能Tts、ヘイズ、透過光及び反射光の色度、電磁波遮蔽率、及び外観について、それぞれ、以下に記載の条件にて性能の評価を行った。なお、評価は、屋外等側から所定の光線を照射して、その透過光、反射光について行った。それぞれ、結果を表2及び表3に示す。
(面内位相差R0)
王子計測機器株式会社KOBRA-HBを用いて測定した。
(島状部の径と隙間の平均値)
島状部の径と隙間の長さは、キーエンス社製デジタルマイクロスコープVHX-1000を用いて測定し、10点の平均値について表記した。
(可視光線透過率)
JIS A5759に準拠する。本実施例では、株式会社日立ハイテクノロジーズ社製紫外可視近赤外分光光度計U-4100を使用した。
(可視光線反射率)
JIS A5759に準拠する。本実施例では、株式会社日立ハイテクノロジーズ社製紫外可視近赤外分光光度計U-4100を使用した。
(ヘイズ)
ヘイズは、JIS K7136に準拠して、日本電色工業株式会社社製ヘイズメータ(曇り度計)NDH5000を用いて測定した。
(遮熱性能Tts
遮熱性能Ttsは、ISO13837:2008に準拠して測定した。TTS=27.6+0.724×(日射透過率)-0.276×(日射反射率)の式から算出した。なお、日射透過率、日射反射率については、まず、株式会社日立ハイテクノロジーズ社製紫外可視近赤外分光光度計U-4100を用いて分光透過率および分光反射率を測定し、JIS R3106:1998に基づいてそれぞれ算出した。
(透過光及び反射光の色度)
透過光及び反射光の色度は、それぞれ、JIS Z8730(2009)に記載のL***表色系の色度図から、色度a*、b*を算出した。透過光については、JIS Z8722(2009)に準拠して、光源D65を使用して、熱線遮蔽合わせガラスを透過した光について測定を行った。反射光については、JIS Z8722(2009)に準拠して、光源D65を使用して、熱線遮蔽合わせガラスを反射した光について測定を行った。測定装置として、株式会社日立ハイテクノロジーズ社製紫外可視近赤外分光光度計U-4100を使用した。
(電磁波遮蔽率)
15cm×15cmのサンプルを使用して、KEC法によって、30MHz~1GHzの周波数範囲で電磁波遮蔽率を測定した。電磁波遮蔽率の数値は、周波数800MHzの値(dB)とした。
(外観)
熱線遮蔽合わせガラスの外観を目視で観察し、下記の評価基準によって評価した。
◎:室内で1m離した距離から島状部が全く見えない
〇:部分的に微かに確認できる。
△:全体的に微かに確認できる。
×:全体的に確認できる。
(反射光の輝線)
熱線遮蔽合わせガラスを太陽光に当て、反射光の輝線を目視で観察した。なお、観察は、屋外において、熱線遮蔽合わせガラスを手で持った状態で行い、裏側には何も積層せずに評価を行った。
◎:輝線が全く見えない。
〇:輝線が部分的に僅かに確認できる。
△:輝線が全体的に僅かに確認できる。
×:輝線が全体的にはっきりと確認できる。
Figure 0007255179000002
Figure 0007255179000003
表2及び表3に示される結果から明らかなとおり、実施例1-15の熱線遮蔽合わせガラスは、基材フィルムの一方面において、金属積層部が配置されている部分の面積率が、80%超95%以下の範囲内にあり、熱線遮蔽性能及び可視光線透過性能に優れ、さらに、電磁波透過性能に特に優れていることが分かる。
また、表2及び表3に示される結果から明らかなとおり、実施例9-12および14-15の熱線遮蔽合わせガラスは、熱線遮蔽合わせガラスを平面視した場合に、個々の島状の金属積層部の外縁形状が曲線を含んでいることから、輝線の発生が効果的に抑制されていることが分かる。さらに、実施例14-15の熱線遮蔽合わせガラスは、
太陽光を反射させた際に見える虹ムラが解消していた。
1 基材フィルム
2 金属積層部
3A、3B 接着層
4 熱線遮蔽フィルム
5、5A、5B ガラス板
10 熱線遮蔽合わせガラス

Claims (11)

  1. 熱線遮蔽フィルムを2枚のガラス板で挟んだ構成を有する熱線遮蔽合わせガラスであって、
    前記熱線遮蔽フィルムは、少なくとも、基材フィルムと、前記基材フィルムの一方面側に積層された金属積層部とを備えており、
    前記金属積層部は、前記基材フィルムの一方面側において、島状に複数配置されており、
    前記基材フィルムの一方面において、前記金属積層部が配置されている部分の面積率が、80%超、95%以下であり、
    前記熱線遮蔽合わせガラスを平面視した場合に、個々の島状の前記金属積層部の外縁形状は、同一又は異なる円弧の組み合わせによって形成されている、熱線遮蔽合わせガラス。
  2. 島状に複数配置されている前記金属積層部の個々の面積が、0.025~0.217mm2である、請求項1に記載の熱線遮蔽合わせガラス。
  3. 電磁波遮蔽率が、5dB以下である、請求項1又は2に記載の熱線遮蔽合わせガラス。
  4. 可視光線透過率が70%以上であり、可視光線反射率が10%以下であり、遮熱性能Ttsが51以下であり、ヘイズが1.3以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の熱線遮蔽合わせガラス。
  5. 前記金属積層部は、厚み方向に5層以上の積層体である、請求項1~4のいずれか1項に記載の熱線遮蔽合わせガラス。
  6. 前記金属積層部は、金属層を少なくとも1層含んでいる、請求項1~5のいずれか1項に記載の熱線遮蔽合わせガラス。
  7. 前記金属層の総厚みが、20~25nmである、請求項6に記載の熱線遮蔽合わせガラス。
  8. 前記金属積層部は、金属酸化物層を少なくとも1層含んでいる、請求項1~7のいずれか1項に記載の熱線遮蔽合わせガラス。
  9. 前記金属酸化物層の総厚みが、100~150nmである、請求項8に記載の熱線遮蔽合わせガラス。
  10. 前記金属酸化物層が、インジウムを含む導電材料により形成されている、請求項8又は9に記載の熱線遮蔽合わせガラス。
  11. 前記熱線遮蔽合わせガラスを平面視した場合に、個々の島状の前記金属積層部の外縁形状は、曲線を含んでいる、請求項1~10のいずれか1項に記載の熱線遮蔽合わせガラス。
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