JPWO2015019450A1 - 電流電圧変換回路、光受信器及び光終端装置 - Google Patents

電流電圧変換回路、光受信器及び光終端装置 Download PDF

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Abstract

受光素子(111)が出力する電流信号を電圧信号に変換するトランスインピーダンスアンプ(112)は電流電圧変換利得が可変である。トランスインピーダンスアンプ(112)が出力する電圧信号に対して、利得制御回路(114)がボトム電圧を検出し、この検出結果に基づいてトランスインピーダンスアンプ(112)の変換利得を制御する。収束判定回路(115)は利得の制御が収束状態であるか非収束状態であるかを判定し、判定結果を示す判定信号を利得制御回路(114)に出力する。利得制御回路(114)は、判定信号が非収束状態から収束状態に遷移したことを示すときに変換利得を遷移時の値に保持する。

Description

本発明は、バースト電流信号を電圧信号に変換する電流電圧変換回路、バースト光信号を受信する光受信器、光終端装置に関する。
近年、マルチメディアサービス(Multimedia Service)を各家庭に提供するためのアクセス系ネットワーク(Access Network)では、光ファイバを用いた公衆回路網で実現するPON(Passive Optical Network)システムと呼ばれるポイント・トゥ・マルチポイント(Point to Multi-point)のアクセス系光通信システムが広く用いられている。
PONシステムは、局側装置である1台のOLT(Optical Line Terminal:光加入者線終端装置)と、光スターカプラ(Star Coupler)を介して接続される複数の加入者側端末装置であるONU(Optical Network Unit:光ネットワーク装置)により構成される。多数のONUに対して、OLTと伝送路である光ファイバの大部分を共有できるため運用コストの低減が期待できることや、受動部品である光スターカプラには給電が必要なく屋外設置が容易であり、信頼性も高いという利点がある。これらの利点から、ブロードバンドネットワークを実現する光通信システムとして活発に導入が進められている。
例えば、ITU−Tの国際標準規格G.984シリーズで規格化されている、伝送速度が下り2.5Gbit/s、上り1.25Gbit/sのG−PONシステムにおいては、OLTからONUへの下り方向は、光波長1480〜1500nm帯を用いた同報通信方式を用いている。各ONUは、OLTより送信された光信号から割り当てられたタイムスロットのデータのみ取り出す。一方、各ONUからOLTへの上り方向は、光波長1290〜1330nm帯を用い、各ONUが送信したデータが衝突しないように送出タイミングを制御する時分割多重通信方式を用いている。なお、送出タイミングは一定ではなく各ONUが送信するデータ間に無信号期間もあるため、OLTが受信する信号はバースト光信号である。
また、ITU−Tの国際標準規格G.987シリーズで規格化されている、伝送速度が下り10Gbit/s、上り2.5Gbit/sのXG−PONシステムにおいては、OLTからONUへの下り方向は、光波長1575〜1580nm帯を用いた同報通信方式を用いている。各ONUは、OLTより送信された光信号から割り当てられたタイムスロットのデータのみ取り出す。一方、各ONUからOLTへの上り方向は、光波長1260〜1280nm帯を用い、各ONUが送信したデータが衝突しないように送出タイミングを制御する時分割多重通信方式を用いている。
このようなPONシステムにおいて、各ONUはOLTから異なる距離に位置するため、各ONUが送信した光信号のOLTにおける受光レベルは、各ONUからOLTが受信する受信パケット毎に異なる。よって、OLTの光受信器には異なる受光レベルのパケットを安定、かつ、高速に再生する広ダイナミックレンジ特性(Wide Dynamic Range)が求められる。このため、OLT用の光受信器には、光電流を電圧信号に変換するトランスインピーダンスアンプの変換利得を受光レベルに応じた適切な利得に高速変化させるAGC(Automatic Gain Control:自動利得調整)回路が備えられている。
AGC回路は、パケット信号を受信開始した後に、変換利得が収束するまでの時定数を有しているために、OLT用の光受信器は、パケット信号を受信開始した後安定的にデータ再生するまでに所定の時間を必要とする。ここで、変換利得が収束するまでに要する時間には、システムの伝送速度に応じた制限がある。G−PONシステムやXG−PONシステムの場合には、数十ns以下で変換利得を収束させる必要があり、高速のAGC機能が要求される。
ここで、各パケット信号は、オーバヘッド領域とデータ領域とによって構成され、オーバヘッド領域は“01”交番の固定符号列、データ領域はランダムな符号列である。OLT用の光受信器のAGC機能は、オーバヘッド領域で高速に収束し、かつ、データ領域では固定の利得を保持することが理想的な動作である。
高速応答性を有し、データ領域で適切な利得で安定化させるAGC回路には様々な方式が提案されている(例えば特許文献1)。特許文献1に記載の自動利得調整回路は、ピークレベル検出回路の検出結果に基づいて変換利得を制御する機能を備えており、受信するパケット信号の先頭付近でのみ自動利得調整回路の応答速度が高速になるようにしている。
特開平5−75544号公報
特許文献1に記載の自動利得調整回路は、オーバヘッド領域で過渡応答が完了するように、ピークレベル検出回路にコンデンサ等からなる時定数回路を備えている。これにより、自動利得調整回路は、オーバヘッド領域における高速応答性を有し、一定時間経過後のデータ領域においては安定した利得で動作させることができると説明されている。この自動利得調整回路は、パケット信号の終了時には、パルス列が一定時間途絶えたことを検出することにより、ピークレベル検出回路の時定数回路のコンデンサの電荷がリセット信号により放電され、高速応答可能な初期状態に戻す。
ここで、G−PONシステムやXG−PONシステムにおける各パケット信号は、データ領域にランダムな符号列であり同符号連続パターンを含んでいる。自動利得調整回路の利得帯域がビットレートに対して適切でない場合には、パケット信号内のデータ領域でピークレベル検出値が変動することにより、データ領域の途中であるにもかかわらず自動利得調整回路の増幅利得が変化する可能性があり、安定した受信信号再生が困難となるという問題があった。つまり、過渡応答が収束するまでに必要とする時間と、データ領域に含まれる同符号連続パターンに対する耐性とがトレードオフの関係にあり、高速応答性とデータ領域における利得の安定化との両立が課題であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、パケット受信開始時には変換利得を高速に応答させ、かつ、データ領域においては適切な変換利得に安定させることが可能な電流電圧変換回路等を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の電流電圧変換回路は、電流信号を電圧信号に変換し、変換利得が可変であるトランスインピーダンスアンプと、トランスインピーダンスアンプが出力する電圧信号のボトム電圧に基づいて変換利得を制御する利得制御回路と、利得制御回路が収束状態であるか非収束状態であるかを判定し、判定信号を利得制御回路に出力する収束判定回路と、を備え、利得制御回路は、判定信号が非収束状態から収束状態に遷移したことを示したときに、変換利得を遷移時の値に保持する。
本発明によれば、パケット受信開始時には変換利得を高速に応答させ、かつ、データ領域においては適切な変換利得に安定させることが可能となる。
実施の形態に係る光通信システムの構成を示すブロック図である。 光受信器の回路構成を示す図である。 実施の形態に係る光受信器における各部の信号のタイミングチャートを示す図である。 収束判定回路がない場合の各部の信号のタイミングチャートを示す図である。
実施の形態.
本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
実施の形態に係る光通信システム1は、ポイント・トゥ・マルチポイント(Point to Multi-point)の形式を採ったPON(Passive Optical Network)システムである。光通信システム1は、図1に示すように、局側装置である1台のOLT(Optical Line Terminal:光加入者線終端装置)10と、複数の加入者側端末装置であるONU(Optical Network Unit:光ネットワーク装置)20と、光信号を受動的に分岐・合流する光スターカプラ30と、を備えている。全てのONU20は、1以上の光スターカプラ30と、光ファイバ32を介して、OLT10に接続されている。
OLT10は、光受信器11、光送信器12、波長多重カプラ13、伝送制御部14から構成される。波長多重カプラ13は、光波長の異なる下り信号と上り信号を所定の方向に出力するためのものである。ONU20から出力され光ファイバ32を伝送してきた光信号を光受信器11側に出力し、光送信器12から出力される光信号を、ONU20が接続されている光ファイバ32側に出力している。
伝送制御部14は、インターネット等の外部ネットワーク40から入力されたベースバンド信号に基づいて変調信号を生成して光送信器12に入力する。光送信器12は、半導体レーザ等の発光素子が発光する光を、伝送制御部14から入力される変調信号で変調する。変調された光信号は下り信号として波長多重カプラ13を介して出力され、光ファイバ32を伝送し、各ONU20で受光される。
ONU20から送信され光ファイバ32を伝送してきた上り信号の光信号は波長多重カプラ13を介して光受信器11に入力される。光受信器11は、入力された光信号を光電変換し、電圧信号の受信信号に復調し、伝送制御部14に出力する。伝送制御部14は、入力された受信信号をベースバンド信号に変換し、外部ネットワーク40に出力する。
ここで、各ONU20から送信される光信号は、複数のパケット信号が間欠的に連続するバースト(burst)信号であり、複数のパケット信号を時分割多重した光信号がOLT10に入力される。各ONU20は、任意の長さの光ファイバ32と、任意の個数の光スターカプラ30を介してOLT10に接続されているため、OLT10の光受信器11が受光する光信号の強度はパケット毎に大きく異なる。つまり、このような光信号から安定して受信信号を得るためには、光受信器11が、広幅なダイナミックレンジに対応可能な構成である必要がある。
OLT10の光受信器11は、図2に示すように、受光した光信号に対応する電流信号を出力する受光素子111と、受光素子111が出力する電流信号を電圧信号に変換するトランスインピーダンスアンプ(Trance-impedance-Amplifier:TIA)112と、トランスインピーダンスアンプ112が出力する電圧信号を略同一振幅に増幅した受信信号を出力するリミッティングアンプ(Limiting Amplifier:LIM)113と、を備える。また、光受信器11は、トランスインピーダンスアンプ112が出力する電圧信号のボトム電圧を検出し、それに基づいてトランスインピーダンスアンプ112の利得を制御する利得制御回路114と、利得制御回路114が出力する利得制御信号の収束状態を判定する収束判定回路115を更に備える。
トランスインピーダンスアンプ112は、固定抵抗1121と、抵抗可変素子1122を備えており、これらの抵抗値によって、トランスインピーダンス112の電流/電圧変換利得が決定される。抵抗可変素子1122は、例えばFET(field-effect transistor)等から構成され、入力電圧により抵抗値を制御することが可能な回路素子である。抵抗可変素子1122には、利得制御回路114が電圧信号のボトム電圧に基づいて生成した利得制御信号が入力される。これにより、トランスインピーダンスアンプ112は、ボトム電圧に基づいて制御された変換利得で電流電圧変換された電圧信号を出力することができる。
利得制御回路114は、オペアンプ1141の出力部にダイオード1142のカソード側端子を接続し、ダイオード1142のアノード側端子をオペアンプ1141の反転入力部に接続した構成を有している。ダイオード1142のアノード端子には、アノード端子電圧により充電されるキャパシタ1143も接続している。また、キャパシタ1143と並列に、キャパシタ1143に充電された電荷を、外部リセット信号に応じて放電するためのスイッチ1144が配設されている。ここで、外部リセット信号は、パケット信号の終わりを検出する任意の回路から出力されるパルス信号であり、例えば、伝送制御部14から出力される。
収束判定回路115は、オペアンプ1141の出力電圧と予め設定しておいた閾値電圧とを比較して、比較結果をHigh/Lowの電圧で出力する比較器1151と、比較器1151の出力信号と外部リセット信号に基づいて収束判定信号を生成するロジック回路1152により構成される。
収束判定回路115のロジック回路1152が出力する収束判定信号はオペアンプ1141のシャットダウン端子に入力される。利得制御回路114は、収束判定信号に基づいて、非収束状態時には入力電圧波形に追従してボトム電圧を検出するように動作し、収束状態時には追従動作を停止して、入力電圧波形によらず非収束状態から収束状態へ遷移するとき時点のボトム電圧検出結果を保持するよう動作する。
以上のように構成された光受信器11の各部の動作について、図3のタイミングチャートを用いて説明する。光受信器11が受信するパケット信号は、図3(a)に示すように、“01”交番の固定符号列から成るオーバヘッド領域と、同符号連続パターンを含むランダムパターンから成るデータ領域から構成されている。
各ONU20からOLT10に入力されるパケット信号は時分割多重によりそれぞれが衝突しないよう送信されるが、図3(b)に示すような外部リセット信号がそれぞれのパケット信号間に挿入される。この外部リセット信号により、スイッチ1144がON状態となり、キャパシタ1143に充電された電荷が放電される。これにより、図3(c)に示すように、利得制御回路114の出力電圧(C点電圧)は初期化されてHighとなり、抵抗可変素子1122の抵抗値は最大となる。つまり、トランスインピーダンスアンプ112の電流電圧変換利得は最大利得の状態で、次に入力されるパケット信号に備える。
次のパケット信号を受光すると、図3(c)に示すように、オーバヘッド領域の先頭では、反転アンプであるトランスインピーダンスアンプ112の出力部(A点)は、最大利得で増幅された電圧信号を出力する。同時に、利得制御回路114の出力部(C点)の電圧は下がり始め、A点の電圧波形のボトム電圧と同一電圧になるように利得制御回路114は追従動作を開始する。
C点の電圧が下がると、抵抗可変素子1122の抵抗値が下がり、トランスインピーダンスアンプ112の変換利得も低下するため、A点における電圧波形の振幅は過渡的に小さくなるよう動作する。C点の電圧がA点のボトム電圧と同等になると、ダイオード1142に電流が流れずに利得制御回路114のキャパシタ1143に電荷が充電されなくなるため、C点の電圧はそれ以上下がらなくなる。
また、ダイオード1142のアノード側端子(C点)がオペアンプ1141の反転入力端子に接続されているため、オペアンプ1141の出力部(B点)の電圧は、C点と同様にパケット信号受光後に低下する。そして、C点の電圧とA点のボトム電圧値とが同等になると、B点の電圧は上昇を始める。
収束判定回路115の比較器1151は、入力電圧(B点)が閾値電圧(D点)より高いか否かによってHigh、Lowの電圧を出力する。ここで比較器1151の閾値電圧(D点)をB点電圧の変動範囲内の所望の電圧に設定している。図3(d)に示すように、比較器1151の出力部(E点)の電圧は、B点の電圧が低下している場合にはHighからLowへ、B点の電圧が上昇している場合にはLowからHighに遷移する。
ロジック回路1152は、図3(e)に示すような、外部リセット信号の立ち上がりエッジでHighからLowへ、E点電圧の立ち上がりエッジでLowからHighに遷移するゲート信号(F点)を生成する。ロジック回路1152が出力するゲート信号(F点)は、利得制御回路114が収束しているか否かを表しており、非収束状態のときはLowとなり、収束状態のときにHighとなる信号である。
収束判定回路115のロジック回路1152の出力(F点)は、利得制御回路114のオペアンプ1141のシャットダウン回路部に接続されている。オペアンプ1141は、F点電圧がLowのとき(非収束状態)通常動作し、F点電圧がHighのとき(収束状態)シャットダウンし定電圧を出力する。これにより、C点電圧は、F点電圧がLowのとき、オペアンプ1141に入力される電圧信号のボトム電圧と同じになるまで下がる動きをし、オペアンプ1141がシャットダウンされるとF点電圧がLowからHighに遷移する時点の値を保持する。
つまり、利得制御回路114は、非収束状態時には入力電圧波形に追従してボトム電圧を検出するよう動作し、収束状態時には入力電圧波形によらず、非収束状態から収束状態に遷移する時点のボトム電圧検出結果を保持するよう動作する。トランスインピーダンスアンプ112の利得は、図3(f)に示すように非収束状態時には、高利得から徐々に利得を下げ、収束状態では一定の利得を保持する。
そして、当該パケット信号の受信が終わり、次のパケット信号を受信する前に、伝送制御部14等外部から外部リセット信号が入力されることにより、スイッチ1144がON状態となり、キャパシタ1143に充電された電荷が放電される。これにより、利得制御回路114の出力電圧は初期化されてHighとなり、抵抗可変素子1122の抵抗値は最大となる。トランスインピーダンスアンプ112の変換利得は最大利得の状態で、次のパケット信号受信に備える。
本実施の形態に係る光受信器11の効果を説明するために、収束判定回路115を備えない場合の動作について、図4のタイミングチャートを用いて説明する。
オーバヘッド領域における、A点及びC点の動作は本実施の形態の光受信器11の動作(図3)と同様である。しかし、例えば、トランスインピーダンスアンプ112の利得帯域がビットレートに対して不十分である場合には、データ領域において図4(c)に示すようにA点及びC点が異なる動作をする。
“01”交番に対して、相対的に高周波成分を多く含むためトランスインピーダンスアンプ112の出力振幅は小さくなる。一方、例えば“00001111”のような同符号が連続するパターン列に対しては、相対的に低周波成分を多く含むためトランスインピーダンスアンプ112の出力振幅は大きくなる。
つまり、トランスインピーダンスアンプ112の出力振幅にパターン依存性が生じることなり、“01”交番の固定符号列から成るオーバヘッド領域と、同符号連続パターンを含むランダムパターンから成るデータ領域とで、トランスインピーダンスアンプ112の出力部(A点)の出力振幅、及び出力波形の最小ボトム電圧が異なることとなる。
この場合、本実施の形態のように収束判定回路115の判定信号に基づいてボトム電圧の保持を行うことがないため、オーバヘッド領域で一旦利得制御回路114による利得制御動作が完了後、データ領域で再度ボトム電圧検出動作を開始することにより、図4(d)に示すようにトランスインピーダンスアンプ112の利得が変動する可能性があり、安定した受信信号再生が困難となる。
これに対し、本実施の形態に係る光受信器11は、収束判定回路115を備えることにより、利得制御回路114が非収束状態時には入力電圧波形に追従してボトム電圧を検出するよう動作し、収束状態時には入力電圧波形によらず、非収束状態から収束状態へ遷移する時点のボトム電圧検出結果を保持するよう動作する。このため、例えトランスインピーダンスアンプ112の利得帯域がビットレートに対して不十分であっても、“01”交番の固定符号列から成るオーバヘッド領域においてボトム電圧検出動作が収束した後は、トランスインピーダンスアンプ112の電流電圧変換利得は適切な値に固定される。よって、光受信器11は、ランダムパターンから成るデータ領域でも変換利得が変動することはなく、安定した受信信号再生動作が可能となる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、電流電圧変換するトランスインピーダンスアンプ112が出力する電圧信号に対して、利得制御回路114がボトム電圧を検出し、この検出結果に基づいてトランスインピーダンスアンプ112の変換利得を制御し、収束判定回路115が利得の制御が収束状態であるか非収束状態であるかを判定し、判定信号が非収束状態から収束状態に遷移したことを判定したときに利得制御回路114は変換利得を遷移時の値に保持するようにした。これにより、オーバヘッド領域における利得制御を高速に応答させることができ、かつ、データ領域においては、同符号連続データに対する耐性の高めることができる。
このように本発明は、電流信号を電圧信号に変換し、変換利得が可変であるトランスインピーダンスアンプと、トランスインピーダンスアンプが出力する電圧信号のボトム電圧を検出し、この検出結果に基づいてトランスインピーダンスアンプの変換利得を制御する利得制御回路と、利得制御回路が収束状態であるか非収束状態であるかを判定する収束判定回路と、を備え、利得制御回路は、非収束状態から収束状態に遷移したときに、変換利得を遷移時の値に保持するようにした。これにより、パケット受信開始時には変換利得を高速に応答させ、かつ、データ領域においては適切な変換利得に安定させることが可能となる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の変更は勿論可能である。
例えば、上記実施の形態においては、利得制御回路114が検出したボトム電圧に基づいて、利得制御すると共に収束状態を判定することとしたが、ピーク電圧検出回路を備え、検出したピーク電圧に基づいて利得を制御すると共に収束状態を判定しても良い。
また、上記の実施の形態においては、受光素子111から出力される光電流を電圧信号に変換して出力する構成としたが、これに限られず、ダイナミックレンジの大きいバースト状の電流信号が入力され、それに基づく電圧信号を出力する、任意の電流電圧変換回路に適用することが可能である。
1 光通信システム、10 OLT、20 ONU、30 光スターカプラ、32 光ファイバ、40 外部ネットワーク、11 光受信器、111 受光素子、112 トランスインピーダンスアンプ、1121 固定抵抗、1122 抵抗可変素子、113 リミッティングアンプ、114 利得制御回路、1141 オペアンプ、1142 ダイオード、1143 キャパシタ、1144 スイッチ、115 収束判定回路、1151 比較器、1152 ロジック回路、12 光送信器、13 波長多重カプラ、14 伝送制御部

Claims (9)

  1. 電流信号を電圧信号に変換し、変換利得が可変であるトランスインピーダンスアンプと、
    前記トランスインピーダンスアンプが出力する前記電圧信号のボトム電圧を検出し、この検出結果に基づいて前記トランスインピーダンスアンプの前記変換利得を制御する利得制御回路と、
    前記利得制御回路が収束状態であるか非収束状態であるかを判定し、判定結果を示す判定信号を前記利得制御回路に出力する収束判定回路と、を備え、
    前記利得制御回路は、前記判定信号が前記非収束状態から前記収束状態に遷移したことを示したときに、前記変換利得を前記遷移時の値に保持する、
    電流電圧変換回路。
  2. 前記利得制御回路は、前記トランスインピーダンスアンプが出力する前記電圧信号を入力するオペアンプと、カソード側端子が前記オペアンプの出力端子に接続されアノード側端子が前記オペアンプの反転入力端子に接続されるダイオードと、前記ダイオードの前記アノード側端子に接続されるキャパシタと、を有し、前記ダイオードの前記アノード側端子の電圧値に基づいて前記トランスインピーダンスアンプの前記変換利得を制御し、
    前記収束判定回路は、前記オペアンプの出力電圧と基準電圧とを比較した結果に基づいて、前記利得制御回路が前記収束状態であるか前記非収束状態であるかを判定する、
    請求項1に記載の電流電圧変換回路。
  3. 前記利得制御回路の前記オペアンプは、前記判定信号が前記非収束状態を示すとき入力される前記電圧信号に基づいて動作させ、前記判定信号が前記収束状態を示すときは出力電圧を一定に保持する、
    請求項2に記載の電流電圧変換回路。
  4. 前記収束判定回路は、リセット信号の入力により、前記判定信号を前記収束状態から前記非収束状態に遷移させ、
    前記利得制御回路の前記オペアンプは、前記非収束状態に遷移した前記判定信号に基づいて動作を開始する、
    請求項3に記載の電流電圧変換回路。
  5. 光信号を電流信号に変換する受光素子と、
    前記受光素子から出力される電流信号を電圧信号に変換し、変換利得が可変であるトランスインピーダンスアンプと、
    前記トランスインピーダンスアンプが出力する前記電圧信号を増幅して予め定めた振幅を有する受信信号を出力するリミッティングアンプと、
    前記トランスインピーダンスアンプが出力する前記電圧信号のボトム電圧を検出し、この検出結果に基づいて前記トランスインピーダンスアンプの前記変換利得を制御する利得制御回路と、
    前記利得制御回路が収束状態であるか非収束状態であるかを判定し、判定結果を示す判定信号を前記利得制御回路に出力する収束判定回路と、を備え、
    前記利得制御回路は、前記判定信号が前記非収束状態から前記収束状態に遷移したことを示したときに、前記変換利得を前記遷移時の値に保持する、
    光受信器。
  6. 前記利得制御回路は、前記トランスインピーダンスアンプが出力する前記電圧信号を入力するオペアンプと、カソード側端子が前記オペアンプの出力端子に接続されアノード側端子が前記オペアンプの反転入力端子に接続されるダイオードと、前記ダイオードの前記アノード側端子に接続されるキャパシタと、を有し、前記ダイオードの前記アノード側端子の電圧値に基づいて前記トランスインピーダンスアンプの前記変換利得を制御し、
    前記収束判定回路は、前記オペアンプの出力電圧と基準電圧とを比較した結果に基づいて、前記利得制御回路が前記収束状態であるか前記非収束状態であるかを判定する、
    請求項5に記載の光受信器。
  7. 前記利得制御回路の前記オペアンプは、前記判定信号が前記非収束状態を示すとき入力される前記電圧信号に基づいて動作させ、前記判定信号が前記収束状態を示すときは出力電圧を一定に保持する、
    請求項6に記載の光受信器。
  8. 前記収束判定回路は、リセット信号の入力により、前記判定信号を前記収束状態から前記非収束状態に遷移させ、
    前記利得制御回路の前記オペアンプは、前記非収束状態に遷移した前記判定信号に基づいて動作を開始する、
    請求項7に記載の光受信器。
  9. 請求項5乃至8のいずれか1項に記載の光受信器を備えた光終端装置。
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