JPWO2015002280A1 - R−t−b系焼結磁石 - Google Patents

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Abstract

R2T14B結晶粒を有するR−T−B系焼結磁石であって、隣り合う2つ以上の前記R2T14B結晶粒によって形成された粒界中に、前記R2T14B結晶粒内よりも、R、Co、Cu、Nの濃度がともに高いR−Co−Cu−N濃縮部を有することを特徴とするR−T−B系焼結磁石。【選択図】 図1A

Description

本発明は、希土類元素(R)、FeまたはFeおよびCoを必須とする少なくとも1種以上の遷移金属元素(T)およびホウ素(B)を主成分とするR−T−B系焼結磁石に関する。
R−T−B(Rは1種以上の希土類元素、TはFeまたはFeおよびCoを含む1種以上の遷移金属元素)系焼結磁石は優れた磁気特性を有するものの、主成分として酸化され易い希土類元素を含有していることから耐食性が低い傾向にある。
そのため、R−T−B系焼結磁石の耐食性を向上させるために、一般的には磁石素体の表面上に樹脂塗装やめっき等の表面処理を施して使用されることが多い。一方で、磁石素体の添加元素や内部構造を変えることにより、磁石素体そのものの耐食性を向上させる取り組みも行われている。磁石素体そのものの耐食性を向上させることは、表面処理後の製品の信頼性を高める上で極めて重要であり、またそれにより樹脂塗装やめっきよりも簡易な表面処理の適用が可能となることで、製品のコストを低減できるというメリットもある。
従来、たとえば、特許文献1では、永久磁石合金中の炭素含有量を0.04質量%以下に減らすことで、非磁性Rリッチ相中の希土類元素と炭素との金属間化合物R−Cを1.0質量%以下に抑制し、磁石の耐食性を向上させる技術が提案されている。また、特許文献2では、Rリッチ相中のCo濃度を5質量%〜12質量%とすることで、耐食性を改善する技術が提案されている。
しかしながら、従来から用いられているR−T−B系焼結磁石では、使用環境における水蒸気などの水がR−T−B系焼結磁石中のRを酸化して水素を発生し、その水素を粒界中のRリッチ相が吸収することで、Rリッチ相の腐食が進行し、R−T−B系焼結磁石の磁気特性が低下してしまう。
また、特許文献1で提案されているように、磁石合金中の炭素含有量を0.04質量%以下に減らすためには、磁場中で成形する際に磁場配向性を向上させるために加える潤滑剤の添加量を大幅に減らす必要がある。そのため、成形体中の磁粉の配向度が低下し、焼結後の残留磁束密度Brが低下してしまい、十分な磁気特性を有する磁石が得られない。
また、特許文献2で提案されているように、Rリッチ相中のCo濃度を増加させるためには、原料組成のCo添加量を多くする必要がある。しかし、Coは主相であるR14B相へもFeを置換する形で入るため、Rリッチ相のみのCo濃度を増加させることはできず、Rリッチ相で必要とされる以上のCoを添加する必要がある。そのため、高価なCoの使用量が増えることで製品コストが上昇すると共に、主相中のFeが必要以上にCoで置換されることにより磁気特性が低下してしまう。
特開平4−330702号公報 特開平4−6806号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、優れた耐食性を有すると共に、良好な磁気特性を併せ持つR−T−B系焼結磁石を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明者らは、R−T−B系焼結磁石の腐食のメカニズムについて鋭意研究をした。その結果、まず使用環境下の水蒸気などの水とR−T−B系焼結磁石中のRとによる腐食反応により発生する水素(H)がR−T−B系焼結磁石中の粒界に存在するRリッチ相に吸蔵されることにより、Rリッチ相の水酸化物への変化が加速される。そして、Rリッチ相への水素の吸蔵およびRリッチ相の水酸化物への変化に伴うR−T−B系焼結磁石の体積膨張によってR−T−B系焼結磁石の主相を構成する結晶粒(主相粒子)がR−T−B系焼結磁石から脱落し、Rの腐食が加速度的にR−T−B系焼結磁石の内部に進行していくことを発見した。
そこで、本発明者らは、粒界の水素吸蔵を抑制する方法について鋭意研究し、R−T−B系焼結磁石内の隣り合う2つ以上のR14B結晶粒によって形成された粒界(特に、隣り合う3つ以上のR14B結晶粒によって形成された多結晶粒界部)中に、R14B結晶粒内よりも希土類(R)、コバルト(Co)、銅(Cu)および窒素(N)の濃度が何れも高いR−Co−Cu−N濃縮部を形成することにより、粒界への水素吸蔵を抑制でき、R−T−B系焼結磁石の耐食性を大幅に向上できると共に、良好な磁気特性を有することができることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明に係るR−T−B系焼結磁石は、
14B結晶粒を有し、
隣り合う2つ以上の前記R14B結晶粒によって形成された粒界中に、前記R14B結晶粒内よりも、R、Co、Cu、Nの濃度がともに高いR−Co−Cu−N濃縮部を有することを特徴とする。
R−Co−Cu−N濃縮部とは、粒界中に存在する、R、Co、Cu、Nの濃度がともにR14B結晶粒内よりも高い領域であり、隣り合う2つ以上の結晶粒によって形成される粒界中に存在する。
本発明では、粒界相に存在するRリッチな部分を、R−Co−Cu−N濃縮部に置換することで、腐食反応で発生する水素の粒界への吸蔵を効果的に抑制し、Rの腐食の内部進行を抑制することができ、R−T−B系焼結磁石の耐食性を大幅に向上できると共に、良好な磁気特性を有することができる。なお、Rリッチな部分(Rリッチ相)とは、R14B結晶粒よりRは多いが、Co、Cu、Nの内の少なくともNに関しては、R14B結晶粒と同等以下程度にしか含まないR析出相として定義される。
また、本発明においては、前記粒界中に、前記R14B結晶粒内よりも、R、OおよびCの濃度がともに高いR−O−C濃縮部をさらに有することが好ましい。
R−O−C濃縮部とは、粒界中に存在する、R、OおよびCの濃度がともにR14B結晶粒内よりも高い領域であり、隣り合う2つ以上の結晶粒によって形成される粒界中に存在する。これにより、さらにRの腐食の内部進行を抑制することができ、R−T−B系焼結磁石の耐食性を更に向上できると共に、良好な磁気特性を有することができる。
また、本発明においては、前記粒界中で、前記R−Co−Cu−N濃縮部は、前記R−O−C濃縮部の周囲に形成されることが好ましい。優れた耐食性を有しつつ更に磁気特性を向上させることができる。
また、本発明においては、前記粒界中に、前記R14B結晶粒内よりも、R、O、CおよびNの濃度がともに高いR−O−C−N濃縮部をさらに有していても良い。
R−O−C−N濃縮部とは、粒界中に存在する、R、O、CおよびNの濃度がともにR14B結晶粒内よりも高い領域であり、隣り合う2つ以上の結晶粒によって形成される粒界中に存在する。これにより、さらにRの腐食の内部進行を抑制することができ、R−T−B系焼結磁石の耐食性を更に向上できると共に、良好な磁気特性を有することができる。
また、本発明においては、前記粒界中で、前記R−Co−Cu−N濃縮部は、前記R−O−C−N濃縮部の周囲に形成されることが好ましい。優れた耐食性を有しつつ更に磁気特性を向上させることができる。
本発明によれば、優れた耐食性を有するとともに、良好な磁気特性を併せ持つR−T−B系焼結磁石を得ることができる。
図1Aは、本発明の第1実施形態に係るR−T−B系焼結磁石の複数のR14B結晶粒によって形成された粒界付近の反射電子像を模式的に示す図である。 図1Bは、本発明の第2実施形態に係るR−T−B系焼結磁石の複数のR14B結晶粒によって形成された粒界付近の反射電子像を模式的に示す図である。 図2は、本発明の第1の実施形態に係るR−T−B系焼結磁石を製造する方法の一例を示すフローチャートである。 図3は、モータの一実施形態の構成を簡略に示す断面図である。 図4Aは、本発明の一実施例に係るR−T−B系焼結磁石の複数のR14B結晶粒によって形成された粒界付近をEPMAで分析した際の、各元素の特性X線強度を示すグラフである。 図4Bは、本発明の他の実施例に係るR−T−B系焼結磁石の複数のR14B結晶粒によって形成された粒界付近をEPMAで分析した際の、各元素の特性X線強度を示すグラフである。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
[第1の実施形態]
<R−T−B系焼結磁石>
本発明の実施形態に係るR−T−B系焼結磁石の実施形態について説明する。図1に示すように、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石は、R14B結晶粒から成る粒子(主相)2を有し、隣り合う2つ以上の粒子2によって形成された粒界中に、前記R14B結晶粒内よりも、R、Co、Cu、Nの濃度がともに高いR−Co−Cu−N濃縮部を有する。
粒界とは、2つのR14B結晶粒によって形成される二粒子界面4と、隣り合う3つ以上のR14B結晶粒によって形成される三重点6(多結晶粒界部)とを含むものである。また、R−Co−Cu−N濃縮部とは、隣り合う2つ以上の結晶粒によって形成される粒界中に存在し、R、Co、Cu、Nの各濃度がともにR14B結晶粒内よりも高い領域である。R−Co−Cu−N濃縮部には、R、Co、Cu、Nが主な成分として含まれていれば、これら以外の成分が含まれていてもよい。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石は、R−T−B系合金を用いて形成される焼結体である。本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石は、結晶粒の組成がR14B(Rは希土類元素の少なくとも1種を表し、TはFeまたはFeおよびCoを含む1種以上の遷移金属元素を表し、BはBまたはBおよびCを表す)という組成式で表されるR14B化合物を含む主相と、R14B化合物よりRを多く含む粒界とを有する。
Rは、希土類元素の少なくとも1種を表す。希土類元素とは、長周期型周期表の第3族に属するScとYとランタノイド元素とのことをいう。ランタノイド元素には、例えば、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu等が含まれる。希土類元素は、軽希土類および重希土類に分類され、重希土類元素(以下、RHともいう)とは、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luをいい、軽希土類元素(以下、RLともいう)はそれ以外の希土類元素である。本実施形態においては、製造コストおよび磁気特性の観点から、Rは、RL(Nd、Prの何れか一方または両方を少なくとも含む希土類元素)を含むものが好ましい。さらに磁気特性を向上させる観点からRL(Nd、Prの何れか一方または両方を少なくとも含む希土類元素)とRH(Dy、Tbのいずれか一方または両方を少なくとも含む希土類元素)の両方を含むことがより好ましい。
本実施形態では、Tは、Fe、またはFeおよびCoを含む1種以上の遷移金属元素を示すものである。Tは、Fe単独であってもよく、Feの一部がCoで置換されていてもよい。Feの一部をCoに置換する場合、磁気特性を低下させることなく温度特性を向上させることができる。
FeまたはFeおよびCo以外の遷移金属元素としては、Ti、V、Cu、Cr、Mn、Ni、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wなどが挙げられる。また、Tは、遷移金属元素以外に、例えば、Al、Ga、Si、Bi、Snなどの元素の少なくとも1種の元素を更に含んでいてもよい。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石においては、Bは、Bの一部を炭素(C)に置換することができる。この場合、磁石の製造が容易となるほか、製造コストの低減も図れるようになる。また、Cの置換量は、磁気特性に実質的に影響しない量とする。
また、その他、不可避的にO、C、Ca等が混入してもよい。これらはそれぞれ0.5質量%程度以下の量で含有されていてもよい。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石の主相は、R14B結晶粒であり、R14B結晶粒はR14B型の正方晶からなる結晶構造を有するものである。また、R14B結晶粒の平均粒子径は、通常1μm〜30μm程度である。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石の粒界は、R−Co−Cu−N濃縮部やR14B結晶粒よりRが多いRリッチ相などを含む。粒界には、Rリッチ相の他に、ホウ素(B)原子の配合割合が高いBリッチ相が含まれていてもよい。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石におけるRの含有量は、25質量%以上35質量%以下であり、好ましくは28質量%以上33質量%以下である。Rの含有量が25質量%未満では、R−T−B系焼結磁石の主相となるR2 14B化合物の生成が十分ではない。このため、軟磁性を持つα−Feなどが析出し、磁気特性が低下する可能性がある。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石におけるBの含有量は、0.5質量%以上1.5質量%以下であり、好ましく0.7質量%以上1.2質量%以下であり、より好ましいBの量は0.7質量%以上1.0質量%以下である。Bの含有量が0.5質量%未満となると保磁力HcJが低下する傾向がある。また、Bの含有量が1.5質量%を超えると、残留磁束密度Brが低下する傾向がある。
Tは、上述の通り、Fe、またはFeおよびCoを含む1種以上の遷移金属元素を示すものである。本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石におけるFeの含有量は、R−T−B系焼結磁石の構成要素における実質的な残部であり、Feの一部がCoで置換してもよい。Coの含有量は0.3質量%以上4.0質量%以下の範囲が好ましく、1.0質量%以上2.5質量%以下とすることがより好ましい。Coの含有量が4質量%を超えると、残留磁束密度が低下する傾向がある。また、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石が高価となる傾向がある。また、Coの含有量が0.3質量%未満となるとR−Co−Cu−N濃縮部を形成しにくく、耐食性が低下する傾向にある。FeまたはFeおよびCo以外の遷移金属元素としては、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wなどが挙げられる。また、Tは、遷移金属元素以外に、例えば、Al、Ga、Si、Bi、Snなどの元素の少なくとも1種の元素を更に含んでいてもよい。
本実施形態のR−T−B系焼結磁石においては、Cuが含まれることになり、Cuの含有量は、好ましくは0.01〜1.5質量%、さらに好ましくは0.05〜1.0質量%である。Cuを含有することにより、得られる磁石の高保磁力化、高耐食性化、温度特性の改善が可能となる。Cuの含有量が1.5質量%を超えると、残留磁束密度が低下する傾向がある。また、Cuの含有量が0.01質量%未満となるとR−Co−Cu−N濃縮部を形成しにくく、耐食性が低下する傾向にある。
本実施形態のR−T−B系焼結磁石においては、Alを含有することが好ましい。Alを含有させることにより、得られる磁石の高保磁力化、高耐食性化、温度特性の改善が可能となる。Alの含有量は0.03質量%以上0.4質量%以下であるのが好ましく、0.05質量%以上0.25質量%以下がより好ましい。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石においては、一定量の酸素(O)を含んでもよい。一定量とは、他のパラメータ等で変化し適量決定されるが、酸素量は、耐食性の観点から、500ppm以上が好ましく、磁気特性の観点からは2000ppm以下であることが好ましい。
また、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石中には、炭素(C)が含まれても良く、その炭素量は、他のパラメータ等によって変化し適量決定されるが、炭素量が増えると磁気特性は低下する。
また、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石中の窒素(N)量は、好ましくは100〜2000ppm、さらに好ましくは200〜1000ppm、特に好ましくは300〜800ppmである。R−T−B系焼結磁石中の窒素(N)の添加方法は、特に限定されないが、たとえば後述するように、所定濃度の窒素ガス雰囲気下で第2合金の熱処理により導入しても良い。あるいは、第2合金の粉砕助剤として、窒素を含む助剤などを用いたり、その他、第2合金の処理剤として、窒素を含む物を用いることで、R−T−B系焼結磁石中の粒界に窒素を導入してもよい。
R−T−B系焼結磁石中の酸素量、炭素量、窒素量の測定方法は、従来より一般的に知られている方法を用いることができる。酸素量は、例えば、不活性ガス融解−非分散型赤外線吸収法により測定され、炭素量は、例えば、酸素気流中燃焼−赤外線吸収法により測定され、窒素量は、例えば、不活性ガス融解−熱伝導度法により測定される。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石では、粒界のR−Co−Cu−N濃縮部は、R−Co−Cu−N濃縮部におけるNの原子数が、R、Fe、Co、Cu、Nの原子数の和に対して7〜15%であることが好ましい。このような比率でNを含むR−Co−Cu−N濃縮部が存在することにより、水とR−T−B系焼結磁石中のRとによる腐食反応により発生する水素が内部のRリッチ相へ吸蔵されていくことを効果的に抑制し、R−T−B系焼結磁石の腐食の内部への進行を抑制することができると共に、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石は良好な磁気特性を有することができる。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石は、粒界中に、R2 14B結晶粒内よりも、R、Co、Cu、Nの濃度がともに高いR−Co−Cu−N濃縮部を有する。なお、R−Co−Cu−N濃縮部は、上述の通り、主に、R、Co、Cu、Nで構成されているが、これら以外の成分が含まれていてもよい。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石では、粒界中に、R−Co−Cu−N濃縮部が形成される。R−Co−Cu−N濃縮部が形成されないR−T−B系焼結磁石では、使用環境における水蒸気などによる水に起因した腐食反応で発生する水素の粒界への吸蔵を十分に抑制できなくなり、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石の耐食性が低下する。
本実施形態では、粒界中に、R−Co−Cu−N濃縮部が形成されることで、使用環境における水蒸気などによる水がR−T−B系焼結磁石内に侵入してR−T−B系焼結磁石中のRと反応して発生した水素が粒界全体に吸蔵されるのを効果的に抑制し、R−T−B系焼結磁石の腐食が内部に進行することを抑制することができると共に、良好な磁気特性を有することができる。
すなわち、本実施形態では、R−T−B系焼結磁石内に侵入した水とR−T−B系焼結磁石中のRとによる腐食反応で発生する水素が粒界に吸蔵されるのを更に効果的に抑制できる。そのため、R−T−B系焼結磁石の腐食が更に内部に進行することを抑制することができるので、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石の耐食性を更に向上させることができると共に、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石は良好な磁気特性を有することができる。
R−T−B系焼結磁石の腐食の進行は、使用環境下の水蒸気などによる水とR−T−B系焼結磁石中のRとによる腐食反応で発生する水素が、R−T−B系焼結磁石中の粒界に存在するRリッチ相に吸蔵されることにより、R−T−B系焼結磁石の腐食が加速度的にR−T−B系焼結磁石の内部に進行していく。
すなわち、R−T−B系焼結磁石の腐食は、以下のようなプロセスで進行すると考えられる。まず、粒界に存在するRリッチ相は酸化されやすいことから、粒界に存在するRリッチ相のRが使用環境下の水蒸気などによる水により酸化されてRは腐食され、水酸化物に変わり、その過程で水素を発生する。
2R + 6H2 O → 2R(OH)3 +3H2 ・・・(I)
次に、この発生した水素が、腐食されていないRリッチ相に吸蔵される。
2R + xH2 → 2RH・・・(II)
そして、水素吸蔵することでRリッチ相がより腐食され易くなると共に、水素吸蔵されたRリッチ相と水とによる腐食反応により、Rリッチ相に吸蔵された量以上の水素を発生する。
2RH+ 6HO → 2R(OH)+ (3+x)H…(III)
上記(I)〜(III)の連鎖反応によりR−T−B系焼結磁石の腐食がR−T−B系焼結磁石の内部に進行していき、Rリッチ相がR水酸化物、R水素化物に変化していく。この変化に伴う体積膨張によって応力が蓄積され、R−T−B系焼結磁石の主相を構成する結晶粒(主相粒子)の脱落に至る。そして、主相の結晶粒の脱落によって、R−T−B系焼結磁石の新生面が現れ、R−T−B系焼結磁石の腐食はさらにR−T−B系焼結磁石の内部に進行していく。
そこで、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石は、粒界、特に三重点に、R−Co−Cu−N濃縮部を有する。この濃縮部は、水素を吸蔵しにくいため、腐食反応により発生する水素が内部のRリッチ相へ吸蔵されていくことを防ぐことができ、上記プロセスによる腐食の内部への進行を抑制できる。また、R−Co−Cu−N濃縮部はRリッチ相と比較して酸化され難いため、腐食による水素発生自体も抑制することができる。そのため、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石によれば、R−T−B系焼結磁石の耐食性を大幅に向上することができる。また、本実施形態では、図1Aに示す二粒子界面4では、保磁力HcJの発現に必要なRリッチ相が残っていても良い。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石は、後述するように、主に主相を形成するR−T−B系原料合金(第1合金)以外に、主に粒界相を形成する第2合金を添加し、製造プロセスにおける雰囲気中の窒素濃度等の製造条件を制御することにより製造することができる。あるいは、必要に応じて窒素源となる原料を添加しても良い。なお、本実施形態では、第1合金と第2合金との2合金を混合して原料粉末を作製する2合金法の場合について説明するが、第1合金と第2合金をわけずに単独の合金を使用する1合金法でもよい。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石の粒界に形成されるR−Co−Cu−N濃縮部は、以下のようにして生成されていると考えられる。すなわち、第2合金中に存在するR、Co、Cuと窒素が、粗粉砕工程、および/または焼結工程などで化合物を形成し、R−Co−Cu−N濃縮部という形で粒界に析出すると考えられる。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石は、一般的には任意の形状に加工されて使用される。本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石の形状は特に限定されるものではなく、例えば、直方体、六面体、平板状、四角柱などの柱状、R−T−B系焼結磁石の断面形状がC型の円筒状等の任意の形状とすることができる。四角柱としては、たとえば、底面が長方形の四角柱、底面が正方形の四角柱であってもよい。
また、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石には、当該磁石を加工して着磁した磁石製品と、当該磁石を着磁していない磁石製品との両方が含まれる。
<R−T−B系焼結磁石の製造方法>
上述したような構成を有する本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石を製造する方法の一例について図面を用いて説明する。図2は、本発明の実施形態に係るR−T−B系焼結磁石を製造する方法の一例を示すフローチャートである。図2に示すように、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石を製造する方法は、以下の工程を有する。
(a)第1合金と第2合金とを準備する合金準備工程(ステップS11)
(b)第1合金と第2合金とを粉砕する粉砕工程(ステップS12)
(c)第1合金粉末と第2合金粉末とを混合する混合工程(ステップS13)
(d)混合した混合粉末を成形する成形工程(ステップS14)
(e)成形体を焼結し、R−T−B系焼結磁石を得る焼結工程(ステップS15)
(f)R−T−B系焼結磁石を時効処理する時効処理工程(ステップS16)
(g)R−T−B系焼結磁石を冷却する冷却工程(ステップS17)
(h)R−T−B系焼結磁石を加工する加工工程(ステップS18)
(i)R−T−B系焼結磁石の粒界中に重希土類元素を拡散させる粒界拡散工程(ステップS19)
(j)R−T−B系焼結磁石に表面処理する表面処理工程(ステップS20)
[合金準備工程:ステップS11]
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石における、主に主相を形成する第1合金と主に粒界相を形成する第2合金とを準備する(合金準備工程(ステップS11))。合金準備工程(ステップS11)では、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石の組成に対応する原料金属を、真空またはArガスなどの不活性ガスの不活性ガス雰囲気中で溶解した後、これを用いて鋳造を行うことによって所望の組成を有する第1合金および第2合金を作製する。なお、本実施形態では、第1合金と第2合金との2合金を混合して原料粉末を作製する2合金法の場合について説明するが、第1合金と第2合金をわけずに単独の合金を使用する1合金法でもよい。
原料金属としては、例えば、希土類金属あるいは希土類合金、純鉄、フェロボロン、さらにはこれらの合金や化合物等を使用することができる。原料金属を鋳造する鋳造方法は、例えばインゴット鋳造法やストリップキャスト法やブックモールド法や遠心鋳造法などである。得られた原料合金は、凝固偏析がある場合は必要に応じて均質化処理を行う。原料合金の均質化処理を行う際は、真空または不活性ガス雰囲気の下、700℃以上1500℃以下の温度で1時間以上保持して行う。これにより、R−T−B系焼結磁石用合金は融解されて均質化される。
[粉砕工程:ステップS12]
第1合金および第2合金が作製された後、第1合金および第2合金を粉砕する(粉砕工程(ステップS12))。粉砕工程(ステップS12)では、第1合金および第2合金が作製された後、これらの第1合金および第2合金を別々に粉砕して粉末とする。なお、第1合金および第2合金を共に粉砕してもよい。
粉砕工程(ステップS12)は、粒径が数百μm〜数mm程度になるまで粉砕する粗粉砕工程(ステップS12−1)と、粒径が数μm程度になるまで微粉砕する微粉砕工程(ステップS12−2)とがある。
(粗粉砕工程:ステップS12−1)
第1合金および第2合金を各々粒径が数百μm〜数mm程度になるまで粗粉砕する(粗粉砕工程(ステップS12−1))。これにより、第1合金および第2合金の粗粉砕粉末を得る。粗粉砕は、第1合金および第2合金に水素を吸蔵させた後、異なる相間の水素吸蔵量の相違に基づいて水素を放出させ、脱水素を行なうことで自己崩壊的な粉砕を生じさせる(水素吸蔵粉砕)ことによって行うことができる。
R−Co−Cu−N濃縮部の形成に必要な窒素の添加量は、第2合金の水素吸蔵粉砕において、脱水素処理時の雰囲気の窒素ガス濃度を調節することにより、制御することができる。最適な窒素ガス濃度は原料合金の組成等により変化するが、好ましくは150ppm以上、さらに好ましくは200ppm以上、特に好ましくは300ppm以上とする。なお、第1合金の水素吸蔵粉砕においては、窒素ガス濃度は、好ましくは150ppmよりも小さく、さらに好ましくは100ppm以下、特に好ましくは50ppm以下である。
なお、粗粉砕工程(ステップS12−1)は、上記のように水素吸蔵粉砕を用いる以外に、不活性ガス雰囲気中にて、スタンプミル、ジョークラッシャー、ブラウンミル等の粗粉砕機を用いて行うようにしてもよい。
また、高い磁気特性を得るために、粉砕工程(ステップS12)から焼結工程(ステップS15)までの各工程の雰囲気は、低酸素濃度とすることが好ましい。酸素濃度は、各製造工程における雰囲気の制御等により調節される。各製造工程の酸素濃度が高いと第1合金および第2合金の粉末中の希土類元素が酸化してR酸化物が生成されてしまい、焼結中に還元されずR酸化物の形でそのまま粒界に析出し、得られるR−T−B系焼結磁石のBrが低下する。そのため、例えば、各工程の酸素の濃度を100ppm以下とすることが好ましい。
(微粉砕工程:ステップS12−2)
第1合金および第2合金を粗粉砕した後、得られた第1合金および第2合金の粗粉砕粉末を平均粒子径が数μm程度になるまで微粉砕する(微粉砕工程(ステップS12−2))。これにより、第1合金および第2合金の微粉砕粉末を得る。粗粉砕した粉末を更に微粉砕することで、好ましくは1μm以上10μm以下、より好ましくは3μm以上5μm以下の粒子を有する微粉砕粉末を得ることができる。
なお、本実施形態においては、第1合金および第2合金を別々に粉砕して微粉砕粉末を得るようにしているが、微粉砕工程(ステップS12−2)において第1合金および第2合金の粗粉砕粉末を混合してから微粉砕粉末を得るようにしてもよい。
微粉砕は、粉砕時間等の条件を適宜調整しながら、ジェットミル、ボールミル、振動ミル、湿式アトライター等の微粉砕機を用いて粗粉砕した粉末の更なる粉砕を行なうことで実施される。ジェットミルは、高圧の不活性ガス(たとえば、N2 ガス)を狭いノズルより開放して高速のガス流を発生させ、この高速のガス流により第1合金および第2合金の粗粉砕粉末を加速して第1合金および第2合金の粗粉砕粉末同士の衝突やターゲットまたは容器壁との衝突を発生させて粉砕する方法である。
第1合金および第2合金の粗粉砕粉末を微粉砕する際、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸アミド等の粉砕助剤を添加することにより、成形時に配向性の高い微粉砕粉末を得ることができる。
[混合工程:ステップS13]
第1合金および第2合金を微粉砕した後、各々の微粉砕粉末を低酸素雰囲気で混合する(混合工程(ステップS13))。これにより、混合粉末が得られる。低酸素雰囲気は、例えば、N2 ガス、Arガス雰囲気など不活性ガス雰囲気として形成する。第1合金粉末および第2合金粉末の配合比率は、質量比で80対20以上97対3以下とするのが好ましく、より好ましくは質量比で90対10以上97対3以下である。
また、粉砕工程(ステップS12)において、第1合金および第2合金を一緒に粉砕する場合の配合比率も、第1合金および第2合金を別々に粉砕する場合と同様に、第1合金粉末および第2合金粉末の配合比率は、質量比で80対20以上97対3以下とするのが好ましく、より好ましくは質量比で90対10以上97対3以下である。
本実施形態では、第1合金および第2合金は、相互に、合金組成が異なることが好ましい。たとえば第1合金に比較して、第2合金は、Cu、Coが多く含まれる。
第2合金に含まれるCoの質量%は、好ましくは1%〜80%、さらに好ましくは3%〜60%である。第1合金はCoを含んでも含まなくてもかまわないが、第1合金にCoを含む場合、第1合金に含まれるCoの質量%は、1%以下であることが好ましい。第2合金に含まれるCuの質量%は、好ましくは0.2%〜20%、さらに好ましくは0.5%〜10%である。第1合金はCuを含んでも含まなくてもかまわないが、第1合金にCuを含む場合、第1合金に含まれるCuの質量%は、0.2%以下であることが好ましい。
[成形工程:ステップS14]
第1合金粉末と第2合金粉末とを混合した後、混合粉末を目的の形状に成形する(成形工程(ステップS14))。成形工程(ステップS14)では、第1合金粉末および第2合金粉末の混合粉末を、電磁石に抱かれた金型内に充填して加圧することによって、混合粉末を任意の形状に成形する。このとき、磁場を印加しながら行い、磁場印加によって原料粉末に所定の配向を生じさせ、結晶軸を配向させた状態で磁場中成形する。これにより成形体が得られる。得られる成形体は、特定方向に配向するので、より磁性の強い異方性を有するR−T−B系焼結磁石が得られる。
成形時の加圧は、30MPa〜300MPaで行うことが好ましい。印加する磁場は、950kA/m〜1600kA/mであることが好ましい。印加する磁場は静磁場に限定されず、パルス状磁場とすることもできる。また、静磁場とパルス状磁場を併用することもできる。
なお、成形方法としては、上記のように混合粉末をそのまま成形する乾式成形のほか、原料粉末を油等の溶媒に分散させたスラリーを成形する湿式成形を適用することもできる。
混合粉末を成形して得られる成形体の形状は特に限定されるものではなく、例えば直方体、平板状、柱状、リング状等、所望とするR−T−B系焼結磁石の形状に応じて任意の形状とすることができる。
[焼結工程:ステップS15]
磁場中で成形し、目的の形状に成形して得られた成形体を真空または不活性ガス雰囲気中で焼結し、R−T−B系焼結磁石を得る(焼結工程(ステップS15))。焼結温度は、組成、粉砕方法、粒度と粒度分布の違い等、諸条件により調整する必要があるが、成形体に対して、例えば、真空中または不活性ガスの存在下、1000℃以上1200℃以下で1時間以上10時間以下で加熱する処理を行うことにより焼成する。これにより、混合粉末が液相焼結を生じ、主相の体積比率が向上したR−T−B系焼結磁石(R−T−B系磁石の焼結体)が得られる。成形体を焼結した後は、生産効率を向上させる観点から焼結体は急冷することが好ましい。
[時効処理工程:ステップS16]
成形体を焼結した後、R−T−B系焼結磁石を時効処理する(時効処理工程(ステップS16))。焼成後、得られたR−T−B系焼結磁石を焼成時よりも低い温度で保持することなどによって、R−T−B系焼結磁石に時効処理を施す。時効処理は、例えば、700℃以上900℃以下の温度で1時間から3時間、更に500℃から700℃の温度で1時間から3時間加熱する2段階加熱や、600℃付近の温度で1時間から3時間加熱する1段階加熱等、時効処理を施す回数に応じて適宜処理条件を調整する。このような時効処理によって、R−T−B系焼結磁石の磁気特性を向上させることができる。また、時効処理工程(ステップS16)は加工工程(ステップS18)や粒界拡散工程(ステップS19)の後に行ってもよい。
[冷却工程:ステップS17]
R−T−B系焼結磁石に時効処理を施した後、R−T−B系焼結磁石はArガス雰囲気中で急冷を行う(冷却工程(ステップS17))。これにより、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石を得ることができる。冷却速度は、特に限定されるものではなく、30℃/min以上とするのが好ましい。
[加工工程:ステップS18]
得られたR−T−B系焼結磁石は、必要に応じて所望の形状に加工してもよい(加工工程:ステップS18)。加工方法は、例えば切断、研削などの形状加工や、バレル研磨などの面取り加工などが挙げられる。
[粒界拡散工程:ステップS19]
加工されたR−T−B系焼結磁石の粒界に対して、さらに重希土類元素を拡散させる工程を有してもよい(粒界拡散工程:ステップS19)。粒界拡散は、塗布または蒸着等により重希土類元素を含む化合物をR−T−B系焼結磁石の表面に付着させた後、熱処理を行うことや、重希土類元素の蒸気を含む雰囲気中でR−T−B系焼結磁石に対して熱処理を行うことにより、実施することができる。これにより、R−T−B系焼結磁石の保磁力をさらに向上させることができる。
[表面処理工程:ステップS20]
以上の工程により得られたR−T−B系焼結磁石は、めっきや樹脂被膜や酸化処理、化成処理などの表面処理を施してもよい(表面処理工程(ステップS20))。これにより、耐食性をさらに向上させることができる。
なお、本実施形態では、加工工程(ステップS18)、粒界拡散工程(ステップS19)、表面処理工程(ステップS20)を行っているが、これらの各工程は必ずしも行う必要はない。
このように、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石を製造し、処理を終了する。また、着磁させることで、磁石製品が得られる。
以上のようにして得られる本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石は、粒界中にR−Co−Cu−N濃縮部を有することから、優れた耐食性を有すると共に、良好な磁気特性を有する。
このようにして得られる本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石は、モータなど回転機用の磁石に用いた場合、耐食性が高いため長期に渡って使用することができ、信頼性の高いR−T−B系焼結磁石を得ることができる。本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石は、例えば、ロータ表面に磁石を取り付けた表面磁石型(Surface Permanent Magnet:SPM)モータ、インナーロータ型のブラシレスモータのような内部磁石埋込型(Interior Permanent Magnet:IPM)モータ、PRM(Permanent magnet Reluctance Motor)などの磁石として好適に用いられる。具体的には、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石は、ハードディスクドライブのハードディスク回転駆動用スピンドルモータやボイスコイルモータ、電気自動車やハイブリッドカー用モータ、自動車の電動パワーステアリング用モータ、工作機械のサーボモータ、携帯電話のバイブレータ用モータ、プリンタ用モータ、発電機用モータ等の用途として好適に用いられる。
<モータ>
次に、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石をモータに用いた好適な実施形態について説明する。ここでは、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石をSPMモータに適用した一例について説明する。図3は、SPMモータの一実施形態の構成を簡略に示す断面図であり、図3に示すように、SPMモータ10は、ハウジング11内に、円柱状のロータ12と、円筒状のステータ13と、回転軸14とを有する。回転軸14はロータ12の横断面の中心を貫通している。
ロータ12は、鉄材等からなる円柱状のロータコア(鉄芯)15と、そのロータコア15の外周面に所定間隔で設けられた複数の永久磁石16と、永久磁石16を収容する複数の磁石挿入スロット17とを有する。永久磁石16には本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石が用いられる。この永久磁石16は、ロータ12の円周方向に沿って各々の磁石挿入スロット17内にN極とS極が交互に並ぶように複数設けられている。これによって、円周方向に沿って隣り合う永久磁石16は、ロータ12の径方向に沿って互いに逆の方向の磁力線を発生する。
ステータ13は、その筒壁(周壁)の内部の周方向にロータ12の外周面に沿って所定間隔で設けられた複数のステータコア18とスロットル19とを有している。この複数のステータコア18はステータ13の中心に向けてロータ12に対向するように設けられる。また、各々のスロットル19内にはコイル20が巻装されている。永久磁石16とステータコア18とは互いに対向するように設けられている。
ロータ12は、回転軸14と共にステータ13内の空間内で回動可能に設けられている。ステータ13は電磁気的作用によってロータ12にトルクを与え、ロータ12は円周方向に回転する。
SPMモータ10は、永久磁石16として本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石を用いている。永久磁石16は、耐食性を有しつつ高い磁気特性を有するため、SPMモータ10は、モータのトルク特性などモータの性能を向上させることができ、長期間に亘って高出力を有することができ、信頼性に優れる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係るR−T−B系焼結磁石の実施形態について説明する。本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石は、第1実施形態に係るR−T−B系焼結磁石に比較して、以下の点が相違し、共通する部分の説明は部分的に省略する。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石は、R2 14B結晶粒を有するR−T−B系焼結磁石であって、図1Bに示すように、R14B結晶粒から成る粒子(主相)2を有し、隣り合う2つ以上の粒子2によって形成された粒界中に、サブ濃縮部8を有する。サブ濃縮部8では、粒子2内よりも、R、O、Cの濃度が共に高くなっている。または、サブ濃縮部8では、粒子2内よりも、R、O、CおよびNの濃度が共に高くなっている。
本実施形態では、粒界の内の特に三重点6において、サブ濃縮部8の周囲に位置する粒界において、粒子2内よりも、R、Co、Cu、Nの濃度がともに高いR−Co−Cu−N濃縮部を、さらに有する。サブ濃縮部8は、主に三重点6に形成される。R−Co−Cu−N濃縮部は、三重点6以外に、二粒子界面4にも形成されていても良い。さらに、二粒子界面4では、保磁力HcJの発現に必要なRリッチ相が残っていても良い。
本実施形態では、R−Co−Cu−N濃縮部は、サブ濃縮部8の周囲であって、粒界領域と粒子2との境界近くの粒界領域内に存在する。サブ濃縮部8を有さない粒界領域では、R−Co−Cu−N濃縮部が粒界領域の中央付近に存在していても良い。
サブ濃縮部8におけるR−O−C濃縮部には、R、O、Cが主な成分として含まれていれば、これら以外の成分が含まれていてもよい。また、サブ濃縮部8におけるR−O−C−N濃縮部には、R、O、C、Nが主な成分として含まれていれば、これら以外の成分が含まれていてもよい。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石においては、一定量の酸素(O)を含む必要がある。一定量とは、他のパラメータ等で変化し適量決定されるが、酸素量は、耐食性の観点から、500ppm以上が好ましく、磁気特性の観点からは2000ppm以下であることが好ましい。
また、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石中の炭素(C)量は、他のパラメータ等によって変化し適量決定されるが、炭素量が増えると磁気特性は低下し、炭素量が少ないとR−O−C濃縮部(またはR−O−C−N濃縮部/以下同様)が形成されない。そのため、炭素量は、400ppm以上3000ppm以下が好ましく、より好ましくは400ppm以上2500ppm以下、特に好ましくは400ppm以上2000ppm以下とする。
また、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石では、粒界のR−O−C濃縮部は、R−O−C濃縮部におけるR原子に対するO原子の比率(O/R)が、下記式(1)を満たすように含まれることが好ましい。すなわち、(O/R)は、化学量論比組成のR酸化物(R2 3 、RO2 、ROなど)よりも小さいことが好ましい。なお、本明細書において、R原子に対するO原子の比率は、(O/R)として表記する。粒界中に(O/R)が所定範囲内のR−O−C濃縮部が存在することにより、水とR−T−B系焼結磁石中のRとによる腐食反応により発生する水素が内部のRリッチ相へ吸蔵されていくことを効果的に抑制し、R−T−B系焼結磁石の腐食の内部への進行を抑制することができると共に、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石は良好な磁気特性を有することができる。
0<(O/R)<1 ・・・(1)
また、(O/R)は、下記式(2)を満たすことがより好ましい。(O/R)が0.41より少ないと、水とR−T−B系焼結磁石中のRとによる腐食反応で発生する水素の粒界への吸蔵を十分に抑制できなくなり、R−T−B系焼結磁石の耐食性が低下する傾向がある。また、(O/R)が0.70よりも多くなると、主相粒子との整合性が悪くなり、保磁力HcJが劣化する傾向がある。
0.41≦(O/R)≦0.70・・・(2)
(O/R)は、下記式(3)を満たすことが更に好ましい。(O/R)を下記式(3)の範囲内とすることで、R−T−B系焼結磁石の耐食性を更に向上させることができる。
0.50≦(O/R)≦0.70・・・(3)
また、R−O−C濃縮部は、立方晶系の結晶構造を有することが好ましい。立方晶系の結晶構造を有することにより、さらに粒界に水素が吸蔵されるのを抑制することができ、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石の耐食性を向上させることができる。
R−O−C濃縮部に含まれるRとしては、RL(Nd、Prの何れか一方または両方を少なくとも含む希土類元素)と、RH(Dy、Tbの何れか一方または両方を少なくとも含む希土類元素)とを含むことが好ましい。R−O−C濃縮部にRLとRHの両方が含まれることにより、優れた耐食性を有しつつ更に磁気特性を向上させることができる。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石は、R−T−B系原料合金に対して、R−T−B系原料合金とは異なる、酸素源および炭素源となる原料を所定量添加すると共に、製造プロセスにおける雰囲気中の酸素濃度、窒素濃度等の製造条件を制御することにより製造することができる。
R−O−C濃縮部の酸素源としては、酸化物の標準生成自由エネルギーが希土類元素よりも高い元素Mの酸化物を含む粉末が使用できる。R−O−C濃縮部の炭素源としては、炭化物の標準生成自由エネルギーが希土類元素よりも高い元素M’の炭化物、または黒鉛、カーボンブラック等の炭素を含む粉末、あるいは熱分解により炭素を発生する有機化合物が使用できる。また、酸素源として表面部分を酸化させた金属粒子、炭素源として鋳鉄などのように炭化物を含む金属粒子を使用してもよい。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石の粒界に形成されるR−O−C濃縮部は、以下のようにして生成されていると考えられる。すなわち、添加した酸素源に含まれるMの酸化物は、酸化物の標準生成自由エネルギーが希土類元素Rよりも高い。そのため、R−T−B系原料合金に、酸素源および炭素源を添加して焼結し、焼結体を作製する際、Mの酸化物は、焼結中に発生したRリッチの液相によって還元され、M単体とOを生成する。また、炭素源としてM’(炭化物の標準生成自由エネルギーが希土類元素よりも高い元素)の炭化物を添加したときも同様にして、M’単体とCを生成する。これらのM、M’はR2 14B結晶、またはRリッチ相に取り込まれる一方で、O、CはRリッチ相の一部と反応して、R−O−C濃縮部として粒界、特に多結晶粒界部に析出すると考えられる。
従来のR−T−B系焼結磁石でも、大気中で成形を行う際の原料粉の酸化等により、不可避的不純物としてOが含まれていた。しかし、このときに含まれるOは、原料粉中の希土類元素Rが酸化して、R酸化物の形態となっているため、焼結過程で還元されず、R酸化物の形でそのまま粒界に析出していたと考えられる。
一方、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石は、その製造する工程において、原料合金の粉砕、成形、焼結の各工程を通じて非常に低い酸素濃度(例えば、100ppm以下程度)に制御した雰囲気で行うことで、R酸化物の形成を抑制している。そのため、焼結工程のM酸化物の還元によって生じたOが、炭素源として添加したCと共に、R−O−C濃縮部という形で粒界に析出したと考えられる。すなわち、従来の方法では粒界にR酸化物が析出していたが、本実施形態の方法では粒界のR酸化物の形成を抑制しつつ、所定量のR−O−C濃縮部を析出できる。
また、粒界に含まれるものとして、R−O−C濃縮部以外に、R2 14B結晶粒よりもR濃度およびC濃度が高いR−C濃縮部、R2 14B結晶粒よりもR濃度およびO濃度が高いR−O濃縮部(R酸化物を含む)などが考えられる。また、それら以外にR2 14B結晶粒よりもR濃度が高いRリッチ相が存在する。Rリッチ相は、保磁力HcJの発現のために一定量必要であるが、R−C濃縮部およびR−O濃縮部は少ないほうが好ましい。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石は、粒界にR−O−C濃縮部およびR−Co−Cu−N濃縮部が形成された磁石であり、粒界に水素が吸蔵されるのを抑制することができ、Rの腐食が内部に進行するのを抑制することができる。よって、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石によれば、優れた耐食性を有すると共に、良好な磁気特性を有することができる。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石の製造方法は、以下に示す以外は、第1実施形態と同様である。すなわち、本実施形態では、混合粉末には、原料合金とは異なる、酸素源および炭素源を添加する。混合粉末に原料合金とは異なる、酸素源および炭素源を所定量添加することにより、得られるR−T−B系焼結磁石の隣り合う2つ以上のR2 14B結晶粒によって形成された粒界には目的とするR−O−C濃縮部が形成できる。
酸素源としては、酸化物の標準生成自由エネルギーが希土類元素より高い元素Mの酸化物を含む粉末が使用できる。Mとしては、具体的には、例えばAl、Fe、Co、Zrなどが挙げられるが、これには限定されない。また、表面部分を酸化させた金属粒子を使用してもよい。
炭素源としては、炭化物の標準生成自由エネルギーが希土類元素よりも高い元素M’の炭化物、または黒鉛、カーボンブラック等の炭素を含む粉末、あるいは熱分解により炭素を発生する有機化合物等が使用できる。M’としては、具体的には、例えばSi、Feなどが挙げられるが、これに限定されない。また、鋳鉄などのように炭化物を含む粉末も使用できる。
酸素源および炭素源の添加方法は特に限定されないが、微粉砕粉末を混合する際に添加するか、微粉砕前の粗粉砕粉末に対して添加することが好ましい。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
以下、実施例により発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
まず、表1に示す磁石組成Iを有する焼結磁石が得られるように、ストリップキャスティング法により原料合金を準備した。原料合金としては、主に磁石の主相を形成する第1合金Aと、主に粒界を形成する第2合金aの2種類を、表1に示す組成でそれぞれ作製して準備した。なお、表1(後述する表2および表5〜8も同様)では、bal.は、各合金の全体組成を100質量%とした場合の残りを示し、(T.RE)は、希土類の合計質量%を示す。
Figure 2015002280
次いで、これらの原料合金に対してそれぞれ室温で水素を吸蔵させた後、第1合金は、Ar雰囲気下で、第2合金は、300ppmの窒素ガスを含んだAr雰囲気下で、それぞれ600℃、1時間の脱水素を行う水素粉砕処理(粗粉砕)を行った。特に、粒界相合金を窒素ガスを含んだAr雰囲気下で水素粉砕処理することにより、第2合金と窒素とを反応させた。
なお、本実施例では、この水素粉砕処理から焼結までの各工程(微粉砕および成形)を、50ppm未満の酸素濃度のAr雰囲気下で行った(以下の実施例および比較例において同じ)。
次に、それぞれの合金に対して、水素粉砕後微粉砕を行う前に粗粉砕粉末に粉砕助剤として、ステアリン酸亜鉛0.1質量%を添加し、ナウタミキサを用いて混合した。その後、ジェットミルを用いて微粉砕を行い、平均粒径が4.0μm程度の微粉砕粉末とした。
その後、ナウタミキサを用いて、第1合金の微粉砕粉末と第2合金の微粉砕粉末を95:5の重量割合で混合し、R−T−B系焼結磁石の原料粉末である混合粉末を調製した。
得られた混合粉末を、電磁石中に配置された金型内に充填し、1200kA/mの磁場を印加しながら120MPaの圧力を加える磁場中成形を行い、成形体を得た。
その後、得られた成形体を、真空中1060℃で4時間保持して焼成した後、急冷して、表1に示す磁石組成1を有する焼結体(R−T−B系焼結磁石)を得た。そして、得られた焼結体を、850℃で1時間、および、540℃で2時間(ともにAr雰囲気下)の2段階の時効処理を施し、実施例1のR−T−B系焼結磁石を得た。
(実施例2)
表2に示す磁石組成IIを有する焼結磁石が得られるように、原料合金として、表2に示す組成の第2合金bを用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例2のR−T−B系焼結磁石を得た。
Figure 2015002280
(実施例3)
R−T−B系焼結磁石の原料粉末である混合粉末を調整する際に、第1合金と第2合金を95:5の割合で配合し、さらにアルミナ粒子0.2%とカーボンブラック粒子0.02%を添加して混合した以外は、実施例1と同様にして、実施例3のR−T−B系焼結磁石を得た。
(比較例1)
第2合金を、窒素ガス濃度が100ppm以下のAr雰囲気下で水素粉砕処理した以外は、実施例1と同様にして、比較例1のR−T−B系焼結磁石を得た。
<評価>
[組成分析]
実施例1〜3および比較例1で得られたR−T−B系焼結磁石について、蛍光X線分析法および誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS法)により組成分析した。その結果、いずれのR−T−B系焼結磁石も仕込み組成(表1および2にそれぞれ示す組成)と一致していることが確認できた。
[組織評価]
実施例1〜3および比較例1で得られたR−T−B系焼結磁石について、断面の表面をイオンミリングで削り、最表面の酸化等の影響を除いた後、R−T−B系焼結磁石の断面をEPMA(電子線マイクロアナライザー:Electron Probe Micro Analyzer)で元素分布を観察し、分析した。具体的には、50μm角の領域について、Nd、Co、Cu、およびNの各元素のマッピング分析を行い、Nd、Co、Cu、およびNの各元素が主相粒よりも濃く分布する部分を観察した。
その結果、実施例1〜3のR−T−B系焼結磁石では、粒界に、Nd,Co,Cu、Nの各元素の濃度が主相結晶粒内よりも濃く分布する部分(R−Co−Cu−N濃縮部)が存在することが確認された。しかし、比較例1のR−T−B系焼結磁石の粒界には、R−Co−Cu−N濃縮部は確認できなかった。
さらに、粒界にR−Co−Cu−N濃縮部が観察された実施例1〜3のR−T−B系焼結磁石については、さらにR−Co−Cu−N濃縮部(5点)と、主相の粒内(1点)についてそれぞれ、EPMAでの定量分析を行った。結果を表3に示す。
なお、表中の組成比とは、Nd,Fe,Co,Cu,Nの原子数の合計を100としたときの各元素の割合である。
Figure 2015002280
表3に示すように、EPMAでの定量分析においても、実施例1〜3のR−T−B系焼結磁石の粒界中には、Nd,Co,Cu、Nの各元素の濃度が主相結晶粒内よりも濃く分布する部分(R−Co−Cu−N濃縮部)が存在することが確認された。
また、図4Aおよび図4Bは、それぞれ実施例1および実施例3における粒界付近をEPMAで分析した際の、各元素の特性X線強度分布を示す。図4Aおよび図4Bにおいて、横軸は、粒界付近の各測定位置を示し、図4Aの横軸は、図1Aの測定点α1〜α7に沿った測定位置に対応する。また、図4Bの横軸は、図1Bの測定点β1〜β7に沿った測定位置に対応する。これらの図4Aおよび図4Bにおいて、縦軸は、各元素の特性X線強度を示す。ここで示している特性X線強度の値は、前述の定量分析で測定した各元素の濃度とは異なり、測定時のバックグラウンド等も含まれるため、必ずしも各元素の濃度を正確に表す指標ではないが、各元素の測定位置間での濃度の大小を相対比較することは可能である。また、図4Aおよび図4Bは、各測定位置での各元素の特性X線強度をまとめて記載したものであり、各元素間の組成比を表してはいない。
図4Aにも示すように、実施例1では、粒界相中には、Nd,Co,Cu、Nの各元素の濃度が主相結晶粒内よりも濃く分布する部分(R−Co−Cu−N濃縮部)が存在することが確認された。なお、図4Aに示すように、主相結晶粒内と粒界相との境界では、Feの濃度が大きく変化し、粒界相では、Feの濃度が低い。
また、図4Bに示すように、実施例3では、粒界相中には、Nd,C,O,Nの各元素の濃度が、主相結晶粒内よりも濃く分布する部分(R−O−C濃縮部またはR−O−C−N濃縮部)が存在し、その周囲に位置する粒界相内で、主相結晶粒との界面近くでは、Nd,Co,Cu、Nの各元素の濃度が主相結晶粒内よりも濃く分布する部分(R−Co−Cu−N濃縮部)が存在することが確認された。なお、図4Bに示すように、主相結晶粒内と粒界相との境界では、Feの濃度が大きく変化し、粒界相では、Feの濃度が低い。
[磁気特性]
実施例1〜3および比較例1で得られたR−T−B系焼結磁石の磁気特性をB−Hトレーサーを用いて測定した。磁気特性として、残留磁束密度Brと保磁力HcJとを測定した。結果を表4に示す。
[耐食性]
実施例1〜3および比較例1で得られたR−T−B系焼結磁石を、13mm×8mm×2mmの板状に加工した。この板状磁石を120℃、2気圧、相対湿度100%の飽和水蒸気雰囲気中に200時間放置し、腐食による重量減少量を評価した。結果を表4に示す。
Figure 2015002280
表4に示されるように、実施例1〜3のR−T−B系磁石は、比較例1のR−T−B系焼結磁石と同等の磁気特性を有するとともに、いずれも比較例1の磁石と比較して、大幅に耐食性が向上していることが確認された。
(実施例4)
表5に示す磁石組成III を有する焼結磁石が得られるように、原料合金として、表5に示す組成の第1合金Cおよび第2合金cを用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例4のR−T−B系焼結磁石を得た。
Figure 2015002280
(実施例5)
表6に示す磁石組成IVを有する焼結磁石が得られるように、原料合金として、表6に示す組成の第1合金Dおよび第2合金dを用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例5のR−T−B系焼結磁石を得た。
Figure 2015002280
(実施例6)
表7に示す磁石組成Vを有する焼結磁石が得られるように、原料合金として、表7に示す組成の第1合金Eおよび第2合金eを用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例6のR−T−B系焼結磁石を得た。
Figure 2015002280
(実施例7)
表8に示す磁石組成VIを有する焼結磁石が得られるように、原料合金として、表8に示す組成の第1合金Fおよび第2合金fを用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例7のR−T−B系焼結磁石を得た。
Figure 2015002280
(比較例2)
第2合金cを、窒素ガス濃度が100ppm以下のAr雰囲気下で水素粉砕処理した以外は、実施例4と同様にして、比較例2のR−T−B系焼結磁石を得た。
(比較例3)
第2合金dを、窒素ガス濃度が100ppm以下のAr雰囲気下で水素粉砕処理した以外は、実施例5と同様にして、比較例3のR−T−B系焼結磁石を得た。
(比較例4)
第2合金eを、窒素ガス濃度が100ppm以下のAr雰囲気下で水素粉砕処理した以外は、実施例6と同様にして、比較例4のR−T−B系焼結磁石を得た。
(比較例5)
第2合金fを、窒素ガス濃度が100ppm以下のAr雰囲気下で水素粉砕処理した以外は、実施例7と同様にして、比較例5のR−T−B系焼結磁石を得た。
<評価>
[組成分析]
実施例4〜7および比較例2〜5で得られたR−T−B系焼結磁石について、蛍光X線分析法および誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS法)により組成分析した。その結果、いずれのR−T−B系焼結磁石も仕込み組成(表5〜表8にそれぞれ示す組成)と一致していることが確認できた。
[組織評価]
実施例4〜7および比較例2〜5で得られたR−T−B系焼結磁石について、断面の表面をイオンミリングで削り、最表面の酸化等の影響を除いた後、R−T−B系焼結磁石の断面をEPMA(電子線マイクロアナライザー:Electron Probe Micro Analyzer)で元素分布を観察し、分析した。具体的には、50μm角の領域について、Nd、Co、Cu、およびNの各元素のマッピング分析を行い、Nd、Co、Cu、およびNの各元素が主相粒よりも濃く分布する部分を観察した。
その結果、実施例4〜7のR−T−B系焼結磁石では、粒界に、Nd,Co,Cu、Nの各元素の濃度が主相結晶粒内よりも濃く分布する部分(R−Co−Cu−N濃縮部)が存在することが確認された。しかし、比較例2〜5のR−T−B系焼結磁石の粒界には、R−Co−Cu−N濃縮部は確認できなかった。
さらに、粒界にR−Co−Cu−N濃縮部が観察された実施例4〜7のR−T−B系焼結磁石については、さらにR−Co−Cu−N濃縮部(5点)と、主相の粒内(1点)についてそれぞれ、EPMAでの定量分析を行った。結果を表9に示す。
なお、表中の組成比とは、Nd,Pr,Dy,Tb,Fe,Co,Cu,Nの原子数の合計を100としたときの各元素の割合である。
Figure 2015002280
表9に示すように、EPMAでの定量分析においても、実施例4〜7のR−T−B系焼結磁石の粒界中には、R(Nd+Pr+Dy+Tbの合計),Co,Cu、Nの各元素の濃度が主相結晶粒内よりも濃く分布する部分(R−Co−Cu−N濃縮部)が存在することが確認された。
[磁気特性]
実施例4〜7および比較例2〜5で得られたR−T−B系焼結磁石の磁気特性を、B−Hトレーサーを用いて測定した。磁気特性として、残留磁束密度Brと保磁力HcJとを測定した。結果を表10に示す。
[耐食性]
実施例4〜7および比較例2〜5で得られたR−T−B系焼結磁石を、13mm×8mm×2mmの板状に加工した。この板状磁石を120℃、2気圧、相対湿度100%の飽和水蒸気雰囲気中に200時間放置し、腐食による重量減少量を評価した。結果を表10に示す。
Figure 2015002280
表10に示されるように、実施例4〜7のR−T−B系磁石は、比較例2〜5のR−T−B系焼結磁石と同等の磁気特性を有するとともに、いずれも比較例2〜5の磁石とそれぞれ比較して、大幅に耐食性が向上していることが確認された。
2 粒子(主相)
4 2粒子界面
6 三重点
8 濃縮部
10 SPMモータ
11 ハウジング
12 ロータ
13 ステータ
14 回転軸
15 ロータコア(鉄芯)
16 永久磁石
17 磁石挿入スロット
18 ステータコア
19 スロットル
20 コイル

Claims (5)

  1. 14B結晶粒を有するR−T−B系焼結磁石であって、
    隣り合う2つ以上の前記R14B結晶粒によって形成された粒界中に、前記R14B結晶粒内よりも、R、Co、Cu、Nの濃度がともに高いR−Co−Cu−N濃縮部を有することを特徴とするR−T−B系焼結磁石。
  2. 前記粒界中に、前記R14B結晶粒内よりも、R、OおよびCの濃度がともに高いR−O−C濃縮部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のR−T−B系焼結磁石。
  3. 前記粒界中で、前記R−Co−Cu−N濃縮部は、前記R−O−C濃縮部の周囲に形成されることを特徴とする請求項2に記載のR−T−B系焼結磁石。
  4. 前記粒界中に、前記R14B結晶粒内よりも、R、O、CおよびNの濃度がともに高いR−O−C−N濃縮部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のR−T−B系焼結磁石。
  5. 前記粒界中で、前記R−Co−Cu−N濃縮部は、前記R−O−C−N濃縮部の周囲に形成されることを特徴とする請求項4に記載のR−T−B系焼結磁石。
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