JPWO2015002255A1 - 糖液の処理方法、水素化処理糖液、有機化合物の製造方法および微生物の培養方法 - Google Patents
糖液の処理方法、水素化処理糖液、有機化合物の製造方法および微生物の培養方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2015002255A1 JPWO2015002255A1 JP2015525268A JP2015525268A JPWO2015002255A1 JP WO2015002255 A1 JPWO2015002255 A1 JP WO2015002255A1 JP 2015525268 A JP2015525268 A JP 2015525268A JP 2015525268 A JP2015525268 A JP 2015525268A JP WO2015002255 A1 JPWO2015002255 A1 JP WO2015002255A1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sugar solution
- sugar
- hydrotreated
- mass
- concentration
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12P—FERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
- C12P7/00—Preparation of oxygen-containing organic compounds
- C12P7/40—Preparation of oxygen-containing organic compounds containing a carboxyl group including Peroxycarboxylic acids
- C12P7/44—Polycarboxylic acids
- C12P7/46—Dicarboxylic acids having four or less carbon atoms, e.g. fumaric acid, maleic acid
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N1/00—Microorganisms, e.g. protozoa; Compositions thereof; Processes of propagating, maintaining or preserving microorganisms or compositions thereof; Processes of preparing or isolating a composition containing a microorganism; Culture media therefor
- C12N1/14—Fungi; Culture media therefor
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N1/00—Microorganisms, e.g. protozoa; Compositions thereof; Processes of propagating, maintaining or preserving microorganisms or compositions thereof; Processes of preparing or isolating a composition containing a microorganism; Culture media therefor
- C12N1/14—Fungi; Culture media therefor
- C12N1/16—Yeasts; Culture media therefor
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N1/00—Microorganisms, e.g. protozoa; Compositions thereof; Processes of propagating, maintaining or preserving microorganisms or compositions thereof; Processes of preparing or isolating a composition containing a microorganism; Culture media therefor
- C12N1/20—Bacteria; Culture media therefor
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12P—FERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
- C12P7/00—Preparation of oxygen-containing organic compounds
- C12P7/02—Preparation of oxygen-containing organic compounds containing a hydroxy group
- C12P7/04—Preparation of oxygen-containing organic compounds containing a hydroxy group acyclic
- C12P7/06—Ethanol, i.e. non-beverage
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12P—FERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
- C12P7/00—Preparation of oxygen-containing organic compounds
- C12P7/02—Preparation of oxygen-containing organic compounds containing a hydroxy group
- C12P7/04—Preparation of oxygen-containing organic compounds containing a hydroxy group acyclic
- C12P7/18—Preparation of oxygen-containing organic compounds containing a hydroxy group acyclic polyhydric
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E50/00—Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
- Y02E50/10—Biofuels, e.g. bio-diesel
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- Zoology (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Biotechnology (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Microbiology (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Tropical Medicine & Parasitology (AREA)
- Mycology (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Virology (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Botany (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
- Furan Compounds (AREA)
- Saccharide Compounds (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Abstract
Description
現在、これら発酵生産プロセスおよび化学変換プロセスの原料として使用される糖として、サトウキビ、デンプン、テンサイ、とうもろこし、いも、キャッサバ、サトウカエデなどの可食原料に由来するものが挙げられる。
しかし、上記特許文献3や非特許文献1に記載の木質系炭化物や活性炭を用いた除去方法では、選択的に発酵阻害物質だけを除去することは困難であり、また糖類の吸着による糖濃度の低下や、木質系炭化物や活性炭の生産や再生にコストがかかるといった問題もある。また、上記特許文献4に記載の合成樹脂を用いた除去方法では、クロマトグラフ方式での除去となるため、プロセス設計に制約が生じる問題がある。
また、上記非特許文献2に記載の還元剤を用いた還元除去方法は、還元剤の反応性の低さに加え、発酵阻害物質と同時に糖類も還元され、さらに還元体と等モルで副生する金属塩の除去が必要である等の問題がある。
[1]糖類以外のカルボニル化合物および不飽和アルコールからなる群より選ばれる少なくとも1つを含む糖液を水素化反応に供し、該糖液中に含まれる前記カルボニル化合物および/または不飽和アルコールを水素化することを特徴とする糖液の処理方法、
[2]前記糖類が、炭素数3以上7以下の単糖を構成成分として含む糖を1つ以上含む上記[1]に記載の処理方法、
[3]前記糖液が、非可食原料に由来する上記[1]または[2]に記載の処理方法、
[4]前記水素化反応を、金属触媒の存在下で行なう上記[1]〜[3]のいずれかに記載の処理方法、
[5]前記糖類以外のカルボニル化合物が、アルデヒド化合物およびケトン化合物から選ばれる少なくとも1つである上記[1]〜[4]のいずれかに記載の処理方法、
[6]前記不飽和アルコールが、脂肪族共役アルコールである、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の処理方法、
[7]上記[1]〜[6]のいずれかに記載の処理方法により得られることを特徴とする水素化処理糖液、
[8]前記水素化処理糖液中のフルフラールの含有率が、水素化処理糖液全量に対して0.01質量%以下である上記[7]に記載の水素化処理糖液、
[9]前記水素化処理糖液中のグリコールアルデヒドの含有率が、水素化処理糖液全量に対して0.03質量%以下である上記[7]または[8]に記載の水素化処理糖液、
[10]糖類以外のカルボニル化合物および不飽和アルコールからなる群より選ばれる少なくとも1つを含む糖液を水素化反応に供する水素化処理工程、および
水性媒体中で、前記水素化処理工程後の糖液を含有する有機原料に有機物生産能を有する微生物を作用させて有機化合物を得る、有機物生産工程、を含むことを特徴とする有機化合物の製造方法、
[11]水性媒体中で、前記[7]〜[9]のいずれかに記載の水素化処理糖液を含有する有機原料に有機物生産能を有する微生物を作用させて有機化合物を得る、有機物生産工程を有することを特徴とする有機化合物の製造方法、
[12]前記有機物生産工程を、嫌気的雰囲気下で行う上記[10]または[11]に記載の有機化合物の製造方法、
[13]前記有機物生産工程で得られた有機化合物を精製する工程を、さらに有する上記[10]〜[12]のいずれかに記載の有機化合物の製造方法、
[14]前記水性媒体が、炭酸イオン、重炭酸イオン、および二酸化炭素ガスから選ばれる少なくとも1つを含有する上記[10]〜[13]のいずれかに記載の有機化合物の製造方法、
[15]前記有機化合物がアルコール類、アミン類、カルボン酸類、およびフェノール類から選ばれる少なくとも1つである上記[10]〜[14]のいずれかに記載の有機化合物の製造方法、
[16]前記アルコール類が、炭素数2〜10の脂肪族アルコールである上記[15]に記載の有機化合物の製造方法、
[17]前記カルボン酸類が、炭素数2〜10の脂肪族カルボン酸である上記[15]に記載の有機化合物の製造方法、
[18]有用物質生産能力を有する微生物の培養方法であって、上記[7]〜[9]のいずれかに記載の水素化処理糖液を炭素源として用いることを特徴とする微生物の培養方法、
[19]前記微生物が、コリネ型細菌、大腸菌、アナエロビオスピリラム(Anaerobiospirillum)属細菌、アクチノバチルス(Actinobacillus)属細菌、マンヘミア(Mannheimia)属細菌、バスフィア(Basfia)属細菌、ザイモモナス(Zymomonas)属細菌、ザイモバクター(Zymobacter)属細菌、糸状菌、および酵母菌からなる群より選ばれる少なくとも1つである上記[10]〜[18]のいずれかに記載の方法、
[20]前記微生物がペントース利用能を有する上記[10]〜[19]のいずれかに記載の方法、
[21]前記ペントースがキシロースである上記[20]に記載の方法、
[22]前記微生物がキシロースイソメラーゼ活性を付与または増強された微生物である上記[21]に記載の方法、
[23]前記微生物がキシルロキナーゼ活性を付与または増強された微生物である上記[22]に記載の方法、に存する。
また本発明の水素化処理糖液を含む有機原料を用いれば、発酵生産プロセスによる有機化合物の製造の生産効率を向上させることができる。
また化学変換プロセスに利用した際に生成物である有機化合物の着色を抑制することができる。
また、本発明の培養方法であれば、発酵生産プロセスにおける発酵阻害物質量を減少させることができるため、微生物の増殖量と増殖速度を向上させ、もって発酵生産性を向上させることができる。
本発明の第1の発明は、糖類を含む液(以下、「糖液」という。)を水素化反応に供し、該糖液中に含まれる、糖類以外のカルボニル化合物および不飽和アルコールからなる群より選ばれる少なくとも1つを水素化することを特徴とする。
第1の発明における糖液、並びに後述する第2の発明、第3の発明、および第4の発明(第1ないし第4の発明をまとめて「本発明」ということがある。)で用いられる「糖液」とは、上述の通り糖類を含有する液を意味し、好ましくは糖類を含有する水溶液である。以下、糖液中に含まれる糖類から順に説明する。
本発明で用いる糖液に含まれる糖類は、特に限定はされず、いわゆる糖類一般を用いることができるが、微生物が炭素源として活用することができる糖が好ましい。具体的にはグリセルアルデヒド等の炭素数3の単糖(トリオース);エリトロース、トレオース、エリトルロース等の炭素数4の単糖(テトロース);、リボース、リキソース、キシロース、アラビノース、デオキシリボース、キシルロース、リブロース等の炭素数5の単糖(ペントース);アロース、タロース、グロース、グルコース、アルトロース、マンノース、ガラクトース、イドース、フコース、フクロース、ラムノース、プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトース等の炭素数6の単糖(ヘキソース);、セドヘプツロース等の炭素数7の単糖(ヘプトース);スクロース、ラクトース、マルトース、トレハノース、ツラノース、セロビオース等の二糖類;ラフィノース、メレジトース、マルトトリオース等の三糖類;フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、マンナオリゴ糖などのオリゴ糖類;デンプン、デキストリン、セルロース、ヘミセルロース、グルカン、ペントサン等の多糖類;等が挙げられる。
本発明で用いる糖類としては、炭素数3以上、7以下の単糖を構成成分として含む糖を1つ以上含むことが好ましい。これらの糖は微生物の炭素源として活用しやすいためである。より好ましくは、糖類がこのような糖を主成分として含む。主成分とは、糖類の合計質量に対し、通常50質量%以上を占める成分をいい、より好ましくは70質量%以上100質量%以下を占める成分をいう。
なお、「炭素数3以上、7以下の単糖を構成成分として含む糖」とは、炭素数3以上、7以下の単糖、炭素数3以上、7以下の単糖を構成成分として含む多糖類、またはこれらの混合物をいう。中でも、ヘキソース、ペントース、およびこれらを構成成分とする二糖類がより好ましい。これらは自然界、植物の構成成分となっていることから豊富に存在し、原料の入手が容易であるためである。
本発明で用いる糖液の製法は、特に限定はされないが、例えば上記の糖類の1種類以上を水に溶解して製造する方法や、上記の糖類を構成成分として含む原料(以下、「糖原料」ということがある。)を、その構成単位である糖類まで分解して製造する方法が挙げられる。糖原料は、特に限定されないが、具体的には、セルロース、ヘミセルロース、デンプン等の多糖類や、多糖類を構成成分とする植物等が挙げられる。また澱粉糖化液または糖蜜なども使用され、具体的にはサトウキビ、甜菜またはサトウカエデ等の植物から搾取した糖液が挙げられる。
可食原料としては、サトウキビ、デンプン、テンサイ、とうもろこし、いも、キャッサバ、サトウカエデ等が挙げられる。
非可食原料としては、具体的には、バガス、スイッチグラス、ネピアグラス、エリアンサス、コーンストーバー、稲わら、麦わら、米ぬか、樹木、木材、植物油カス、ササ、タケ、パルプ類、古紙、食品廃棄物、水産物残渣、家畜廃棄物等が挙げられる。
このうち、非可食原料は、可食原料と異なり、食用用途と競合せず、また通常であれば廃棄、焼却処理をされるものが多いため、安定的な供給、資源の有効利用が図れる点で好ましい。
本発明で用いる糖液は、上記糖類を含有する液であり、水と糖類以外に他の成分を含んでいてもよい。他の成分は、特に限定されないが、例えば糖原料から糖類を得た際に生じる、糖類以外の副生成物や不純物を含んでいてもよい。具体的には、後述する糖類以外のカルボニル化合物、不飽和アルコール等のアルコール化合物;リグニン由来のフェノール化合物;や、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、窒素化合物、硫黄化合物、ハロゲン化合物、硫酸イオン等の無機化合物;が挙げられる。
本発明で用いる糖液には、糖液を製造する工程および保管した際に生成する、糖類以外のカルボニル化合物が通常含まれている。カルボニル化合物としては、構造内にカルボニル基を有するものであれば特に限定はされず、脂肪族カルボニル化合物でも、芳香族基を有するものであってもよい。好ましくは炭素数1以上、20以下、より好ましくは炭素数16以下、さらに好ましくは炭素数12以下のカルボニル化合物である。上記範囲のカルボニル化合物は水溶性が比較的高く、糖液、特に糖を含む水溶液中に含まれることが多いためである。このようなカルボニル化合物の具体例としては、例えばフルフラール、ヒドロキシメチルフルフラール、グリコールアルデヒド、蟻酸、ヒドロキシベンズアルデヒド、シリンガアルデヒド、バニリン、イソバニリン、オルトバニリン、コニフェニルアルデヒド等のアルデヒド化合物;1,4−ベンゾキノン等のケトン化合物;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等の不飽和エステル化合物、好ましくは不飽和共役エステル化合物;等が挙げられ、アルデヒド化合物、ケトン化合物が好ましく、より好ましくはアルデヒド化合物である。
本発明で用いる糖液には、糖液を製造する工程および保管した際に生成する、不飽和アルコールが通常含まれている。不飽和アルコールとしては、構造内に脂肪族の炭素−炭素二重結合(オレフィン)を有するものであれば特に限定はされず、脂肪族不飽和アルコールであっても、芳香族基を有するものであってもよい。好ましくは炭素数1以上、20以下、より好ましくは炭素数16以下、さらに好ましくは炭素数12以下の不飽和アルコールである。上記範囲のアルコールは水溶性が比較的高く、糖液、特に糖を含む水溶液中に含まれることが多いためである。また不飽和アルコールはその構造内で共役構造を有していてもよい。典型的には脂肪族共役アルコールが挙げられる。不飽和アルコールの具体例としては、2−アルケニルアルコールであり、具体的にはアリルアルコール、クロチルアルコール、2−ペンテン−1−オール、2−ヘキセン−1−オール、2−ヘプテン−1−オール等が挙げられ、好ましくはアリルアルコールやクロチルアルコールである。
また化学変換プロセスを経て有機化合物を生産する工程において、カルボニル化合物や不飽和アルコールは、その反応性の高さから生成物の着色を起こすことを見出した。着色についてはカルボニル化合物、典型的にはフルフラール等のアルデヒド化合物による着色が著しいため、これらのカルボニル化合物、好ましくはアルデヒド化合物、より好ましくはフルフラールを除去することで生成物の着色が抑制できる。
第1の発明では、上記の糖液中に含まれる前記カルボニル化合物および不飽和アルコールから選ばれる少なくとも1つを水素化反応に供して還元する。これにより前記カルボニル化合物および不飽和アルコールは、それぞれが水素化された物質に変換されることで、その含有量を低減させることができる。なお、第1の発明における「水素化反応」とは、上記の糖液中に含まれる糖類以外のカルボニル化合物および不飽和アルコールからなる群から選ばれる少なくとも1つを、水素雰囲気下に供し、水素化された物質に変換する化学反応をいう。
なおここでいう「対応する水素化物」とは、前記カルボニル化合物、および/または不飽和アルコールが水素化により変換され、好ましくは水素化前に比べて発酵阻害性が低減されたものの総称である。
本発明の処理方法では、前記カルボニル化合物および不飽和アルコールからなる群から選ばれる少なくとも1つが水素化されて対応する水素化物に変換されていればよく、糖液を、前記発酵生産に用いる際の発酵阻害性が低減されていることが好ましい。好ましくは、糖液中に含まれる前記カルボニル化合物および不飽和アルコール、またはその水素化物の含有量を指標として、糖液の発酵阻害性の程度を評価することができ、これについては後述する。
また水素化反応により、不飽和アルコール類は、炭素−炭素二重結合が水素化されたアルコール類に変換され、好ましくは飽和アルコールに変換される。
第1の発明における水素化反応は、触媒の存在下で行なうことが好ましい。触媒の種類は、特に限定されないが、上記の糖類以外のカルボニル化合物のカルボニル基や、不飽和アルコール及び不飽和エステル化合物等が有する炭素−炭素二重結合を水素化する能力を持つものであればよく、例えば金属触媒、有機分子触媒等が挙げられる。
前記金属触媒の金属の形態は、本発明における水素化反応を行なう際に、金属状態であれば特に限定されない。
具体的にはルテニウム、パラジウム、ロジウム、白金、ニッケル、銅、イリジウム、金などであり、好ましくはルテニウム、パラジウム、ロジウム、白金、ニッケル、銅であり、より好ましくはルテニウム、パラジウムである。
上記の金属は、本発明の効果を妨げない限り、1種類を用いても、2種類以上の金属を用いてもよく、使用する比率も制限されない。
本発明において用いられる触媒の形状は、特に限定されるものではく、固定床方式、流動床方式、液相反応、気相反応に従って、適宜選択されるものであり、具体的には粉末状、破砕状、ペレット状などの状態で使用される。
第1の発明における水素化反応の条件は、糖液中の発酵阻害物質である、糖類以外のカルボニル化合物および不飽和アルコールのカルボニル基や炭素−炭素二重結合が水素化されれば特に限定されない。
糖液中に含まれる糖類もアルデヒド基等を有しており、これらが同様に水素化されると糖アルコールが生成する。具体的にグルコースからはソルビトールに、キシロースからキシリトールが生成する。すなわち前記の糖アルコールが生成しても、後述する有用化合物を発酵生産する工程や、微生物の培養工程において問題がない限りは、水素化反応条件は限定されない。そのため糖類以外のカルボニル化合物のカルボニル基及び、不飽和アルコールや不飽和エステル化合物が有する炭素−炭素二重結合は水素化でき、グルコースやキシロースなどの糖類は水素化されにくい、選択的な水素化条件を選択することが好ましい。
前記第1の発明における水素化反応において、糖液に含有される糖類以外のカルボニル化合物および不飽和アルコールからなる群より選ばれる少なくとも1つが水素化反応によって還元されるため、得られる糖液中の前記カルボニル化合物および/または不飽和アルコールの濃度は、最初の糖液中の濃度より低い。なお、上記の水素化反応に供した後の糖液を、以下「水素化処理糖液」ということがある。
また、第2の発明の水素化処理糖液に含まれる糖類以外のカルボニル化合物および/または不飽和アルコールの中でも、微生物に対し、発酵阻害能が高い他の物質として、グリコールアルデヒドが挙げられる。グリコールアルデヒドとしては、モノマー体でもダイマー体でもよく、また水溶液の場合は水和された化合物でもよい。通常、これら化合物の平衡混合物となる。水素化処理糖液中のグリコールアルデヒドの含有率は、水素化処理糖液全量に対して、0.03質量%以下が好ましく、好ましくは0.01質量%以下であることがより好ましい。
上記の糖類以外のカルボニル化合物および不飽和アルコールを上記範囲まで除去することにより、後述する発酵プロセスにおいて、微生物の増殖や有用化合物の発酵生産の効率を向上させることができる。
他方、活性が低下した触媒は、水素圧力を上げる、反応温度を上げる等の操作条件により活性を維持することも可能である。ただし、糖アルコールの生成を抑制しつつ、発酵阻害成分を水素化する活性に制御される必要がある。
ここでいう化学変換プロセスとは、水素化処理糖液中に含まれる糖を原料として、各種有機化合物に変換することができる化学反応一般をいう。化学反応の種類は特に限定はされないが、具体的には、糖が有するカルボニル基が酸化されたアルドン酸や、更にヒドロキシメチル基がカルボキシル基に変換されるアルダル酸等を得る酸化反応、糖が有するカルボニル基が還元された糖アルコールを得る還元反応、酸、アルカリ、各種触媒を作用させ各種の有機化合物に変換する反応等が挙げられる。
本発明の第3の発明は、糖液を含有する有機原料に有用物質生産能力を有する微生物を作用させて有機化合物を製造する方法である。
第3の発明において、糖類以外のカルボニル化合物および不飽和アルコールからなる群より選ばれる少なくとも1つを含む糖液を使用する場合、第3の発明は、先ず該糖液を水素化反応に供し、該糖液中に含まれる糖類以外のカルボニル化合物および不飽和アルコールからなる群より選ばれる少なくとも1つを水素化する工程(水素化処理工程)を有する。
上記水素化処理工程における糖類、糖類以外のカルボニル化合物、および不飽和アルコール、並びに水素化処理工程で用いる金属触媒、水素化処理の条件等は、上記第1の発明(糖類の処理方法)で説明したものおよび条件をそのまま用いることができる。
第3の発明は、前記水素化処理後の糖液または第2の発明の水素化処理糖液を含有する有機原料に有機物生産能を有する微生物を作用させて有機化合物を得る、有機物生産工程を含む。有機物生産工程で使用する有機原料は、水素化処理された糖液を含有し、有機化合物を生成する際に、水素化処理された糖液に、糖液の性質、生産する有機化合物または作用させる微生物の種類に応じ、必要に応じ適宜各種成分を添加することができる。第3の発明において水素化処理された糖液にさらに添加することができるものとしては、後述する有用物質生産能力を有する微生物が資化して有機化合物を生成させ得る炭素源が挙げられ、その種類は特に限定されないが、通常、ガラクトース、ラクトース、グルコース、フルクトース、スクロース、デンプンまたはセルロース等の炭水化物;グリセロール、マンニトール、キシリトールまたはリビトール等のポリアルコール類等の発酵性糖質が用いられ、このうちグルコース、スクロースまたはフルクトースが好ましく、特にグルコースまたはスクロースが好ましい。
これらは、単独で添加してもよいし、組み合わせて添加してもよい。
第3の発明で用いる微生物は、有用物質生産能力を有する微生物であれば、特に限定はされない。
なお第3の発明における「有用物質生産能力を有する微生物」とは、該微生物を培地中で培養したときに、該培地中に有用物質を生成蓄積することができる微生物をいう。
微生物が生産する有用物質としては、微生物が培地中に生成蓄積することができる有機化合物であれば限定されないが、具体的には、エタノール、プロパノール、ブタノール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセロール、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール等のアルコール類;1,5−ペンタメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン等のアミン類;酢酸、酪酸、グリコール酸、乳酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、ピルビン酸、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、オキサロ酢酸、シス−アコニット酸、クエン酸、イソクエン酸、2−オキソグルタル酸、2−オキソイソ吉草酸、グルタル酸、イタコン酸、アジピン酸、レブリン酸、キナ酸、シキミ酸、アクリル酸、メタクリル等のカルボン酸類;アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、リジン、アルギニン、メチオニン、ヒスチジン、システイン、セリン、トレオニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、グルタミン、アスパラギン、フェニルアラニン、チロシン、プロリン、トリプトファン等のアミノ酸類;フェノール、カテコール、ハイドロキノン等のフェノール類;安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、プロトカテク酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族カルボン酸類;イノシン、グアノシン等のヌクレオシド類、イノシン酸、グアニル酸等のヌクレオチド;イソブチレン、イソプレン、ブタジエン等の不飽和炭化水素化合物等が挙げられる。
第3の発明で用いる微生物は、有用物質生産能力を有する微生物であれば特に限定されないが、コリネ型細菌、大腸菌、バチルス(Bacillus)属細菌、クレブシエラ(Klebsiella)属細菌、セラチア(Serratia)属細菌、クロストリジウム(Clostridium)属細菌、エンテロバクター(Enterobacter)属細菌、ラルストニア(Ralstonia)属細菌、アナエロビオスピリラム(Anaerobiospirillum)属細菌、アクチノバチルス(Actinobacillus)属細菌、マンヘミア(Mannheimia)属細菌、バスフィア(Basfia)属細菌、ザイモモナス(Zymomonas)属細菌、ザイモバクター(Zymobacter)属細菌、糸状菌、および酵母菌からなる群より選ばれる少なくとも1つの微生物であることが好ましい。
また、第3の発明で使用可能なセラチア(Serratia)属細菌としては、セラチア・マルセッセンス(Serratia marcescens)等が挙げられる。
また、第3の発明で使用可能なラルストニア(Ralstonia)属細菌としては、ラルストニア・ユートロファ(Ralstonia eutropha)等が挙げられる。
また第3の発明に使用可能なマンヘミア(Mannheimia)属細菌としては、バスフィア・サクシニシプロデュセン(Mannheimia succiniciproducens)等が挙げられる。
また、上記シゾサッカロミセス属(Shizosaccharomyces)としては、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)等が挙げられる。
また、上記カンジダ属(Candida)としては、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・ソノレンシス(Candida sonorensis)、カンジダ・グラブラタ(Candida glabrata)等が挙げられる。また、上記ピキア属(Pichia)としては、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)、ピキア・スティピティス(Pichia stipitis)等が挙げられる。
また上記微生物は、本来的に有用物質生産能力を有する微生物であるが、育種により有用物質生産能を付与したものであってもよい。
上記アルコールデヒドロゲナーゼ(以下、ADHとも呼ぶ)活性が増強するように改変された微生物は、上述のPC活性を増強する方法と同様にして作製することができる。
第3の発明で用いる微生物は、有用物質生産能を有し、且つペントース利用能を有する微生物であってもよく、ペントース利用能を有する微生物が好ましい。
本発明において、「ペントース利用能」とは、該微生物がペントースを炭素源として利用し、増殖または有用物質生産することができることをいう。
これらの中でも、アルドペントース類が好ましく、非可食原料として利用されるヘミセルロース系バイオマスに含まれるキシロース、アラビノースがより好ましい。中でも、ヘミセルロース系バイオマス中の含有量が多いキシロースが特に好ましい。
育種によりペントース利用能を付与する手段としては、遺伝子組換え処理などが挙げられ、ペントース代謝経路の酵素遺伝子を導入など公知の方法を採用することができる。例えば、キシロース利用能を付与する場合は、後述するようなキシロースイソメラーゼ遺伝子を導入する方法、またはキシロースリダクターゼ遺伝子およびキシリトールデヒドロゲナーゼ遺伝子を導入する方法などが挙げられる。アラビノース利用能を付与する場合は、後述するようなアラビノースイソメラーゼ遺伝子およびリブロキナーゼ遺伝子およびリブロース5リン酸エピメラーゼ遺伝子を導入する方法などが挙げられる。
キシロース利用能を付与された微生物は、上述した微生物を親株として用い、該親株にキシロースイソメラーゼ(以下、XylAとも呼ぶ)活性を有するタンパク質をコードする遺伝子を導入することによって得ることができる。
XylA活性の付与または増強に用いるxylA遺伝子としては、XylA活性を有するタンパク質をコードする限り特に限定されないが、例えば、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)由来の遺伝子を挙げることができる。
ここで、「XylB活性」とは、キシルロースをリン酸化してキシルロース5リン酸を生成する反応を触媒する活性(EC:2.7.1.17)をいう。XylB活性が付与または増強されたことは、公知の方法、例えばEliassonらの方法(Eliasson A, Boles E, Johansson B, Otensterberg M, Thevelein JM, Spencer-Martins I, Juhnke H, Hahn-Hatengerdal B, Appl. Microbiol. Biotechnol., 2000, Vol.53, p376-82)により、XylB活性を測定することによって確認することができる。
XylB活性の付与または増強に用いるxylB遺伝子としては、XylB活性を有するタンパク質をコードする限り特に限定されないが、例えばエシェリヒア・コリ(Escherichia coli)、コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacteriumglutamicum)由来の遺伝子を挙げることができる。
キシロース利用能を付与された微生物は、上述した微生物を親株として用い、該親株にキシロースリダクターゼ(以下、XRとも呼ぶ)活性を有するタンパク質をコードする遺伝子およびキシリトールデヒドロゲナーゼ(以下、XDHとも呼ぶ)活性を有するタンパク質をコードする遺伝子を導入することによって得ることもできる。
さらに、上記以外の微生物または動植物由来のxr遺伝子を使用することもできる。微生物または動植物由来のxr遺伝子は、既にその塩基配列が決定されている遺伝子、ホモロジー等に基づいてXR活性を有するタンパク質をコードする遺伝子を微生物、動植物等の染色体より単離し、塩基配列を決定したものなどを使用することができる。また、塩基配列が決定された後には、その配列に従って合成した遺伝子を使用することもできる。これらはハイブリダイゼーション法やPCR法により、そのプロモーターおよびORF部分を含む領域を増幅することによって取得することができる。
アラビノース利用能を付与された微生物は、上述した微生物を親株として用い、該親株にアラビノースイソメラーゼ(以下、AraAとも呼ぶ)活性を有するタンパク質をコードする遺伝子およびリブロキナーゼ(以下、AraBとも呼ぶ)活性を有するタンパク質をコードする遺伝子およびリブロース5リン酸エピメラーゼ(以下、AraDとも呼ぶ)活性を有するタンパク質をコードする遺伝子を導入することによって得ることができる。
また、第3の発明に用いる微生物は、有用物質生産能を付与するための改変とペントース利用能を付与するための改変を組み合わせて得られる微生物であってもよい。複数の改変を行う場合、その順番は問わない。
第3の発明で使用する水性媒体とは、水、水を主成分とする水溶液、およびゲル(寒天)等と、糖液を含有する有機原料と、有用物質生産能を有する微生物、並びに有機原料中に含まれる糖類以外のカルボニル化合物および/または不飽和アルコールを水素化して得られるアルコールのほか、微生物の培養に必要な成分を含む液体を意味し、溶解していない液体・固体が分散したものも含まれる。
第3の発明における有機物生産工程の反応時間は、特に限定はされないが、通常1時間以上、好ましくは3時間以上であり、通常168時間以下、好ましくは72時間以下である。
第3の発明における有機物生産工程は、特段の制限はないが、回分反応、半回分反応もしくは連続反応のいずれにも適用することができる。
第3の発明は、上記の有機物生産工程により有機化合物が生成し、水性媒体中に蓄積させることができる。前記有機物生産工程で蓄積させた有機化合物は、常法に従って、水性媒体より回収する工程をさらに含んでいてもよい。具体的には、例えば、蓄積させた有機化合物がコハク酸、フマル酸、リンゴ酸等のカルボン酸である場合には、遠心分離、ろ過等により菌体等の固形物を除去した後、イオン交換樹脂等で脱塩し、回収することができる。
蓄積させた有機化合物がエタノール、ブタノール、ブタンジオール等のアルコールである場合には、遠心分離、ろ過等により菌体等の固形物を除去した後、蒸留等で濃縮し、その溶液を膜脱水するなどして、アルコールを精製することができる。
また、第3の発明において用いられる微生物としては、上記微生物のほか、微生物の処理物を使用することもできる。微生物の処理物としては、例えば、微生物の菌体をアクリルアミド、カラギーナン等で固定化した固定化菌体、菌体を破砕した破砕物、その遠心分離上清、またはその上清を硫安処理等で部分精製した画分等が挙げられる。
第4の発明の培養方法は、本発明の水素化処理糖液を含有する有機原料を炭素源として用いて、有用物質生産能力を有する微生物を培養させる。本発明の培養方法によって得られた微生物は、その後、有機原料に作用させることによって有機化合物を生成させ、これを回収することができる。このときの有機原料としては、前記水素化処理糖液を用いてもよいし、水素化処理糖液中にその他の有機原料を含んでいてもよい。製造し得る有機化合物の種類および好ましい有機化合物の例は上述した通りである。
種培養は、本培養に供する前記微生物の菌体を調製するために行なうものである。種培養に用いる培地は、微生物の培養に用いられる通常の培地を用いることができるが、窒素源や無機塩などを含む培地であることが好ましい。ここで、窒素源としては、本微生物が資化して増殖できる窒素源であれば特に限定されないが、具体的には、アンモニウム塩、硝酸塩、尿素、大豆加水分解物、カゼイン分解物、ペプトン、酵母エキス、肉エキス、コーンスティープリカーなどの各種の有機、無機の窒素化合物が挙げられる。無機塩としては各種リン酸塩、硫酸塩、マグネシウム、カリウム、マンガン、鉄、亜鉛等の金属塩が用いられる。また、ビオチン、チアミン、パントテン酸、イノシトール、ニコチン酸等のビタミン類、ヌクレオチド、アミノ酸などの生育を促進する因子を必要に応じて添加する。
さらに、必要に応じて、前記培地に炭素源として水素化処理糖液を添加してもよいし、グルコース等の有機原料を添加してもよい。
また、種培養の培養時間は、一定量の菌体が得られる時間であれば特段の制限はないが、通常6時間以上96時間以下である。また、好気性微生物の種培養においては、通気や攪拌等の方法により、酸素を供給することが好ましい。
本培養は、後述する有機化合物生産反応に供する前記微生物菌体を調製するために行なうものであり、主として菌体量を増やすことを目的とする。上述の種培養を行う場合は、種培養により得られた菌体を用いて本培養を行う。
また、本培養は、一般的な生育至適pHで行なうことが好ましい。具体的な培養pHとしては、通常pH4〜10であり、pH6〜8が好ましい。コリネ型細菌の場合は、通常pH6〜9であり、pH6.5〜8.5が好ましい。
また、本培養においては、より有機化合物の製造に適した菌体の調製方法として、特開2008−259451号公報に記載の炭素源の枯渇と充足を短時間で交互に繰り返すように培養を行う方法も用いることができる。
また、前記発酵性糖質を含有する澱粉糖化液、糖蜜なども使用され、前記発酵性糖質がサトウキビ、甜菜、サトウカエデ等の植物から搾取した糖液であるものが好ましい。
また、本培養の培養時間は、一定量の菌体が得られる時間であれば特段の制限はないが、通常6時間以上96時間以下である。また、本培養においては、通気や攪拌等の方法により、酸素を供給することが好ましい。
本培養後の菌体は、後述する有機化合物生産反応に用いることができるが、培養液を直接用いてもよいし、遠心分離、膜分離等によって菌体を回収した後に用いてもよい。
GCおよびLCの分析方法を以下に示す。
装置:島津製作所社製 GC−2014
カラム :アジレントテクノロジー社製J&W DB−1 60m×0.25mm、膜圧0.25μm
インジェクション温度:230℃
検出温度 :220℃
スプリット比 :1/25
ガス流量 :1.5mL/分
昇温 :50℃、10分間保持の後、220℃まで、15℃/分で昇温し、220℃で8分間保持
ポンプ :島津製作所社製 LC−20AD
カラムオーブン:島津製作所社製 CTO−10A
UV検出器 :島津製作所社製 SPD−10A
RI検出器 :島津製作所社製 RID−10A
カラム :信和化工社製 ULTRON PS−80H 8.0ID×300mm
装置 :溶離液:0.11質量%過塩素酸溶液 1.0mL/分
検出方法 :UV(210nm),RI
注入量 :10μL
測定装置 :島津製作所社製 UV−1650PC
測定温度 :25℃
測定セル :石英管 10mm
希釈倍率 :測定対象をイオン交換水で希釈
(製造例1)
超純水90.7mLにグルコース8.0g、キシロース1.0g、フルフラール0.1g、ギ酸0.04g、グリコールアルデヒドダイマー0.3gを溶解させ糖液を作製した。以下、糖液−1とする。
糖液−1のLC分析を行ったところ、グルコース8.0質量%、キシロース1.0質量%、ギ酸0.04質量%、グリコールアルデヒドダイマー0.3質量%であった。
同様に糖液−1のGC分析を行ったところ、フルフラール0.1質量%であった。
超純水452mLにグルコース40.1g,キシロース5.1g,フルフラール0.5g、ギ酸0.2g、グリコールアルデヒドダイマー1.5gを溶解させ糖液を作製した。
陰イオン交換樹脂(三菱化学社製、ポーラス型ダイヤイオンPA312LOH)3.6mLをガラスカラムにつめ、上記作製の糖液99gを通過させた糖液のうち、初めの5mLは廃棄し、その後樹脂を通過した糖液を回収した。樹脂に残存している糖液は脱イオン水5mLで洗い出し、回収した糖液(97.1g)に含めた。以下、糖液−2とする。
超純水91.1mLにグルコース8.0g、 キシロース1.0gを溶解させた糖液(以下、糖液−0)を作成した。製造例1で作製した糖液−1を12.0gと上記糖液−0を3.0g混和させ、フルフラール0.1質量%、ギ酸0.03質量%、グリコールアルデヒドダイマー0.2質量%となるような糖液−3を作製した。糖液−3中のアルデヒド類含有量は、糖液−1の0.8等量に相当する。
同様に製造例1で作成した糖液−1を9.0gと上記糖液−0を6.0gを混和させ、フルフラール0.06質量%、ギ酸0.02質量%、グリコールアルデヒドダイマー0.18質量%となるような糖液−4を作製した。糖液−4中のアルデヒド類含有量は、糖液−1の0.6等量に相当する。
同様に製造例1で作成した糖液−1を6.0gと上記糖液−0を9.0g混和させ、フルフラール0.04質量%、ギ酸0.02質量%、グリコールアルデヒドダイマー0.1質量%となるような糖液−5を作成した。糖液−5中のアルデヒド類含有量は、糖液−1の0.4等量に相当する。
(糖液の水素化処理)
70mLミクロオートクレーブに5質量%Ru/C(エヌイーケムキャット社製)を0.1g仕込んだ。これに製造例1で調製した糖液−1を20g加えた。アルゴンを反応器にフローさせた後、オートクレーブを閉じた。水素1MPaで4回系内を水素置換した後、想定の最大反応圧力以上で気密試験を行った。気密試験後は圧力が0.9MPaになるまで水素をパージした。温度を60℃に設定した反応炉にオートクレーブを設置し、1時間水素化反応を行なった後、オートクレーブを反応炉から取り出し、空冷した。23℃まで冷却されたらオートクレーブから内容物を取り出した。前記水素化反応液から触媒をディスポーザブルのシリンジとフィルター(0.45μm)でろ過して、水素化処理糖液−1を得た。
水素化処理糖液−1を上記同様に、LC分析を行ったところ、グルコース8.1質量%、キシロース1.1質量%、ギ酸0.04質量%、グリコールアルデヒドダイマー0.02質量%であった。同様に水素化処理糖液1のGC分析を行ったところ、フルフラールは検出限界以下(0.001質量%未満)、フルフリルアルコール0.01質量%、テトラヒドロフルフリルアルコール0.06質量%であった。
水素化反応によって、発酵阻害成分であるフルフラールが除去されたほか、グリコールアルデヒドに関しても大幅に濃度が減少した。
(糖液の水素化処理)
上記糖液−2を使用すること以外は実施例1と同様の方法で水素化処理を行った。この水素化処理を行った糖液(以下、水素化処理糖液−2とする)のLC分析を行ったところ、グルコース7.8質量%、キシロース1.0質量%、ソルビトール0.05質量%、キシリトール0.04質量%であった。グリコールアルデヒドダイマーは検出されなかった。同様に水素化処理した糖液のGC分析を行ったところ、フルフラールは検出限界以下(0.001質量%未満)、テトラヒドロフルフリルアルコール0.09質量%であった。
水素化処理によって、発酵阻害成分であるフルフラールが除去されたほか、グリコールアルデヒドに関しても大幅に濃度が減少した。
水素化反応時の反応圧力を0.4MPaで実施したこと以外は、実施例2と同様の方法で水素化反応を行った。この水素化処理を行った糖液(以下、水素化処理糖液−3とする)のLC分析を行ったところ、グルコース7.8質量%、キシロース1.0質量%、キシリトール0.009質量%、グリコールアルデヒドダイマー0.005質量%であった。同様に水素化処理した糖液のGC分析を行ったところ、フルフラールは検出限界以下(0.001質量%未満)、フルフリルアルコール0.006質量%、テトラヒドロフルフリルアルコール0.05質量%であった。
水素化反応によって、発酵阻害成分であるフルフラールが除去されたほか、グリコールアルデヒドに関しても大幅に濃度が減少した。
<キシロースイソメラーゼ遺伝子およびキシルロキナーゼ遺伝子導入株の作製>
特願2013−161477明細書、実施例に記載の方法により、ブレビバクテリウム・フラバムMJ233株より、ブレビバクテリウム・フラバムMJ233/XylAB/PC−4/ΔLDH株を作製した。なお、以下にその概要を説明するが、上記出願明細書の内容は、参照により本願に組み込まれるものとする。
(A)大腸菌ゲノムDNAの抽出
大腸菌(Escherichia coli)JM109株をTB培地[Terrific Broth 47g/L、Glycerol 5g/L]10mLで対数増殖期後期まで培養し、集菌した。得られた菌体を10mg/mLの濃度のリゾチームを含む緩衝液[20mM Tris−HCl pH8.0、10mM NaCl、1mM EDTA・2Na]0.15mLに懸濁した。次に、上記懸濁液にプロテナーゼKを、最終濃度が100μg/mLになるように添加し、37℃で1時間保温した。さらにドデシル硫酸ナトリウムを最終濃度が0.5%になるように添加し、50℃で6時間保温して溶菌した。
この溶菌液に、等量のフェノール/クロロホルム溶液を添加し、室温で10分間ゆるやかに振盪した後、全量を遠心分離(5,000×g、20分間、10〜12℃)し、上清画分を分取した。酢酸ナトリウムを0.3Mとなるように添加した後、2倍量のエタノールを加え混合し、遠心分離(15,000×g、2分間)により回収した沈殿物を70%エタノールで洗浄した後、風乾した。得られたDNAにTE緩衝液[10mM Tris−HCl pH7.5、1mM EDTA・2Na]5mLを加え、4℃で一晩静置し、以後のPCRの鋳型DNAに使用した。
大腸菌JM109株のxylABオペロンの取得は、上記(A)で調製したDNAを鋳型とし、全ゲノム配列が報告されている大腸菌K12−MG1655株の該オペロン周辺の配列(GenBank Accession No.U00096)を基に設計した合成DNA:5'-AAAGGATCCATCACCCGCGGCATTACCTG-3'(配列番号1)および5'-TTTGGGCCCGTCGACTGAGATATATAGATGTGAATTATCC-3'(配列番号2)を用いたPCRによって行った。
ブレビバクテリウム・フラバムMJ233株を、2質量%グルコースと、以下の組成の培地[尿素:4g、硫酸アンモニウム:14g、リン酸1カリウム:0.5g、リン酸2カリウム0.5g、硫酸マグネシウム・7水和物:0.5g、硫酸第一鉄・7水和物:20mg、硫酸マンガン・5水和物:20mg、D−ビオチン:200μg、塩酸チアミン:200μg、酵母エキス:1g、カザミノ酸:1g、蒸留水1,000mLに溶解](以下、培地(A)という)10mLで対数増殖期後期まで培養し、集菌した。得られた菌体を10mg/mLの濃度のリゾチームを含む緩衝液[20mM Tris−HCl pH=8.0、10mM NaCl、1mM EDTA・2Na]0.15mLに懸濁した。得られた前記懸濁液にプロテナーゼKを、最終濃度が100μg/mLになるように添加し、37℃で1時間保温後、さらにドデシル硫酸ナトリウムを最終濃度が0.5質量%になるように添加し、50℃で6時間保温して溶菌し、溶菌液とした。前記溶菌液に、等量のフェノール/クロロホルム溶液を添加し、室温で10分間ゆるやかに振盪した後、全量を遠心分離(5000×g、20分間、10〜12℃)し、上清画分を分取した。
前記上清画分に酢酸ナトリウムを0.3Mとなるように添加した後、2倍量のエタノールを加え混合し、遠心分離(15000×g、2分間)により回収した沈殿物を70体積%エタノールで洗浄した後、風乾し、DNAを得た。得られたDNAにTE緩衝液[10mM Tris−HCl pH7.5、1mM EDTA・2Na]5mLを加え、4℃で一晩静置し、以後のPCRの鋳型DNAに使用した。
大腸菌由来XylABオペロンをブレビバクテリウム・フラバムMJ233/PC−4/ΔLDH株(特願2013−161477明細書)の染色体上ldh遺伝子欠損部位に導入するため、ldh遺伝子のクローニングを行った。ブレビバクテリウム・フラバムMJ233株のldh遺伝子の取得は、上記(C)で調製したDNAを鋳型とし、全ゲノム配列が報告されているコリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032株の該遺伝子周辺の配列(GenBank Accession No.BA000036)を基に設計した合成DNA:5'-CGAGGGGTCGAGGATTCTGGGGAGGATCG AGTGGATTC-3’(配列番号3)および5'-TCTAGAGTCGAGGATGGTGA CCATGATGCAGGATGGAG-3’(配列番号4)を用いたPCRによって行った。
鋳型DNA 1μL、PrimeSTAR Max DNAポリメラーゼ(Invitrogen)0.5μL、1倍濃度添付バッファー、0.4μM 各々プライマーを混合し、全量を50μLとした。反応温度条件は、DNAサーマルサイクラーPTC−200(MJ Research)を用い、94℃で15秒、55℃で20秒、72℃で45秒からなるサイクルを30回繰り返した。但し、1サイクル目の94℃での保温は2分とした。
ブレビバクテリウム・フラバムMJ233/PC−4/ΔLDH株の形質転換に用いるプラスミドDNAは、pXylAB3を用いて塩化カルシウム法(Journal of Molecular Biology,1970,53,159)により形質転換した大腸菌JM110株から再調製した。
上記(E)で作製したブレビバクテリウム・フラバムMJ233/XylAB/PC−4/ΔLDH株を20g/Lキシロースを含むMM寒天培地[尿素2g、(NH4)2SO47g、KH2PO4 0.5g、K2HPO40.5g、MgSO4・7H2O 0.5g、FeSO4・7H2O6mg、MnSO4・4−5H2O6mg、ビオチン 200μg、チアミン 200μg、寒天 15g、蒸留水1Lに溶解]に植菌し、30℃で3日間静置培養した。対照として、ブレビバクテリウム・フラバムMJ233/PC−4/ΔLDH株も同様に培養した。その結果、ブレビバクテリウム・フラバムMJ233/XylAB/PC−4/ΔLDH株はキシロースを単一炭素源とした培地において生育できることが確認された。一方、親株であるブレビバクテリウム・フラバムMJ233/PC−4/ΔLDH株は生育することはできなかった。
<水素化処理糖液の発酵生産評価>
(A)種培養
前記培地(A)1,000mLを、121℃、20分間で加熱滅菌し、室温まで冷やした後、200mLの三角フラスコに15mL入れ、あらかじめ滅菌した50%グルコース水溶液を600μl添加した。製造例6の(E)で作製したブレビバクテリウム・フラバムMJ233/XylAB/PC−4/ΔLDH株を接種して30℃で5.1時間振とう培養した。
500mLの三角フラスコに100mLの前記培地(A)を入れ、あらかじめ滅菌した50%グルコース水溶液を4mL添加した後、上記(A)の種培養で得られた培養液を、O.D.(660nm)が0.05となるように接種し、30℃で、19.4時間振とう培養した。
上記(B)の本培養で得られた培養液を5,000×g、7分の遠心分離により集菌し、菌体懸濁液[硫酸マグネシウム・7水和物:1g、硫酸第一鉄・7水和物:40mg、硫酸マンガン・5水和物:40mg、D−ビオチン:400μg、塩酸チアミン:400μg、リン酸一アンモニウム:0.8g、リン酸二アンモニウム:0.8g、塩化カリウム:1g、蒸留水1000mLに溶解]にO.D.(660nm)が20になるように懸濁した。続いて、実施例1で作製した水素化処理糖液−1を3mL、炭酸水素アンモニウムを0.4g、および蒸留水3mLを混合して、基質溶液を調製した。5mL反応器に前記菌体懸濁液0.5mLと、基質溶液0.5mLを混合し、嫌気条件下において40℃で反応させた。その結果、6時間後のコハク酸蓄積濃度は13.4g/L、グルコース濃度は0.1g/L、キシロース濃度は2.1g/Lであった。
コハク酸生産反応において、実施例2で作製した水素化処理糖液−2を使用したこと以外は、実施例4と同様に行った。その結果、6時間後のコハク酸蓄積濃度は12.6g/L、グルコース濃度は0.0g/L、キシロース濃度は1.7g/Lであった。
コハク酸生産反応において、実施例3で作製した水素化処理糖液−3を使用したこと以外は、実施例4と同様に行った。その結果、6時間後のコハク酸蓄積濃度は13.0g/L、グルコース濃度は0.1g/L、キシロース濃度は2.0g/Lであった。
コハク酸生産反応において、製造例1で作製した糖液−1を使用したこと以外は、実施例4と同様に行った。その結果、6時間後のコハク酸蓄積濃度は7.7g/L、グルコース濃度は8.3g/L、キシロース濃度は2.5g/Lであった。
コハク酸生産反応において、製造例3で作製した糖液−3を使用したこと以外は、実施例4と同様に行った。その結果、6時間後のコハク酸蓄積濃度は8.5g/L、グルコース濃度は6.7g/L、キシロース濃度は2.5g/Lであった。
コハク酸生産反応において、製造例4で作製した糖液−4を使用したこと以外は、実施例4と同様に行った。その結果、6時間後のコハク酸蓄積濃度は10.4g/L、グルコース濃度は3.4g/L、キシロース濃度は2.5g/Lであった。
コハク酸生産反応において、製造例5で作製した糖液−5を使用したこと以外は、実施例4と同様に行った。その結果、6時間後のコハク酸蓄積濃度は11.9g/L、グルコース濃度は1.3g/L、キシロース濃度は2.4g/Lであった。
コハク酸生産反応において、製造例3で作製した糖液−0を使用したこと以外は、実施例4と同様に行った。その結果、6時間後のコハク酸蓄積濃度は11.7g/L、グルコース濃度は2.2g/L、キシロース濃度は2.4g/Lであった。
実施例4〜6、比較例1〜5の結果を表1に示す。数値は、6時間後の各成分の濃度を表わす。
以上の結果より、水素化処理を実施してフルフラール、グリコールアルデヒド等が大幅に除去された糖液を使用することで、コハク酸生産速度が向上することが明らかとなった。
以上の結果より、水素化処理を実施してフルフラール、グリコールアルデヒド等が大幅に除去された糖液を使用することで、コハク酸生産速度が向上することが明らかとなった。
以上の結果より、水素化処理を実施してフルフラール、グリコールアルデヒド等が大幅に除去された糖液を使用することで、コハク酸生産速度が向上することが明らかとなった。
以上の結果から、糖類以外のカルボニル化合物および/または不飽和アルコールを含む糖液を水素化反応に供することで、当該物質を水素化し、除去または大幅に低減させることができることがわかる。更に、得られた水素化処理糖液を含む有機原料に微生物を作用させて有機化合物を生産させることで、有機化合物の生産速度が向上することがわかる。
上記糖液−1を使用し、実施例1と同様の方法で水素化処理を行った。この水素化処理を行った糖液(以下、水素化処理糖液−4とする)の各成分濃度は、上記条件によるLC分析から、グルコース7.9質量%、キシロース1.0質量%、キシリトール0.01質量%、ソルビトールは検出限界以下(0.001質量%未満)であった。グリコールアルデヒドダイマー及びフルフラールは検出されなかった。
上記糖液−1を使用し、触媒として5質量%Pd/C(NEケムキャット社製)を用いる以外は、実施例1と同様の方法で水素化処理を行ない、水素化処理糖液(以下、水素化処理糖液−5とする)を得た。水素化処理糖液−5の各成分濃度は、LC分析からグルコース7.9質量%、キシロース1.0質量%、キシリトール0.002質量%、ソルビトールは検出限界以下(0.001質量%未満)であった。また、グリコールアルデヒドダイマーは1390ppmであり、フルフラールは検出されなかった。
実施例4における(A)種培養、(B)本培養を経て、(C)コハク酸生産反応において、水素化処理糖液−1を用いる代わりに、実施例7で作製した水素化処理糖液−4を2.1mL、炭酸水素アンモニウムを0.3g、および蒸留水2.9mLを混合して、基質溶液を調製した以外は、同様にコハク酸生産反応を行なった結果、6時間後のコハク酸蓄積濃度は8.5g/L、グルコース濃度は3.2g/L、キシロース濃度は2.2g/Lであった。
コハク酸生産反応において、実施例8で作製した水素化処理糖液−5を使用したこと以外は、実施例9と同様に行った。その結果、6時間後のコハク酸蓄積濃度は7.7g/L、グルコース濃度は4.3g/L、キシロース濃度は2.4g/Lであった。
コハク酸生産反応において、製造例1で作製した糖液−1を使用したこと以外は、実施例9と同様に行った。その結果、6時間後のコハク酸蓄積濃度は6.4g/L、グルコース濃度は6.6g/L、キシロース濃度は2.0g/Lであった。
コハク酸生産反応において、製造例3で作製した糖液−0を使用したこと以外は、実施例9と同様に行った。その結果、6時間後のコハク酸蓄積濃度は8.5g/L、グルコース濃度は3.4g/L、キシロース濃度は2.4g/Lであった。
実施例9、10、比較例6,7の結果を表2に示す。数値は6時間後の各成分の濃度を表わす。
以上の結果より、異なる水素化処理条件でもカルボニル化合物や不飽和アルコールを水素化反応に供することで、当該物質を除去または大幅に低減させることができることがわかる。 また、得られた水素化処理糖液を含む有機原料に微生物を作用させて有機化合物を生産させることで、有機化合物の生産速度が向上することが分かる
上記糖液−1を使用し、反応温度を90℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法で水素化処理を行ない、水素化処理糖液−6を得た。水素化処理糖液−6中の各成分濃度は、グルコース7.7質量%、キシロース0.8質量%、ソルビトール0.2質量%、キシリトール0.2質量%であり、グリコールアルデヒドダイマー及びフルフラールは検出されなかった。
上記糖液−1を使用し、反応温度を120℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法で水素化処理を行ない、水素化処理糖液−7を得た。水素化処理糖液−7中の各成分濃度は、グルコース6.3質量%、キシロース0.5質量%、ソルビトール1.3質量%、キシリトール0.6質量%であり、グリコールアルデヒドダイマー及びフルフラールは検出されなかった。
上記糖液−1を使用し、反応温度を150℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法で水素化処理を行ない、水素化処理糖液−8を得た。水素化処理糖液−8中の各成分濃度は、グルコース5.5質量%、キシロース0.1質量%、ソルビトール2.5質量%、キシリトール0.9質量%であり、グリコールアルデヒドダイマー及びフルフラールは検出されなかった。
上記糖液−1を使用し、反応温度を90℃に変更した以外は、実施例8と同様の方法で水素化処理を行ない、水素化処理糖液−9を得た。水素化処理糖液−9中の各成分濃度は、グルコース8.0質量%、キシロース1.0質量%、ソルビトール検出限界以下(0.001質量%未満)、キシリトール0.004質量%、グリコールアルデヒドダイマーは2580ppmであり、フルフラールは検出されなかった。
上記糖液−1を使用し、反応温度を120℃に変更した以外は、実施例8と同様の方法で水素化処理を行ない、水素化処理糖液−10を得た。水素化処理糖液−10中の各成分濃度は、グルコース7.9質量%、キシロース1.0質量%、ソルビトール検出限界以下(0.001質量%未満)、キシリトール0.014質量%、グリコールアルデヒドダイマーは1820ppmであり、フルフラールは検出されなかった。
上記糖液−1を使用し、反応温度を150℃に変更した以外は、実施例8と同様の方法で水素化処理を行ない、水素化処理糖液−11を得た。水素化処理糖液−11中の各成分濃度は、グルコース7.5質量%、キシロース1.0質量%、ソルビトール0.03質量%、キシリトール0.07質量%、グリコールアルデヒドダイマーは2310ppmであり、フルフラールは検出されなかった。
上記糖液−1を使用し、反応圧力を3MPaに変更した以外は、実施例1と同様の方法で水素化処理を行ない、水素化処理糖液−12を得た。水素化処理糖液−12中の各成分濃度は、グルコース7.8質量%、キシロース1.0質量%、キシリトール0.01質量%、ソルビトールは検出限界以下(0.001質量%未満)であった。グリコールアルデヒドダイマー及びフルフラールは検出されなかった。
上記糖液−1を使用し、反応圧力を8MPaに変更した以外は、実施例1と同様の方法で水素化処理を行ない、水素化処理糖液−13を得た。水素化処理糖液−13中の各成分濃度は、グルコース7.8質量%、キシロース0.9質量%、ソルビトール0.1質量%、キシリトール0.1質量%であった。グリコールアルデヒドダイマー及びフルフラールは検出されなかった。
コハク酸生産反応において、実施例11で作製した水素化処理糖液−6を使用したこと以外は、実施例9と同様に行った。その結果、6時間後のコハク酸蓄積濃度は11.0g/L、グルコース濃度は0.42g/L、キシロース濃度は2.1g/Lであった。
コハク酸生産反応において、実施例12で作製した水素化処理糖液−7を使用したこと以外は、実施例9と同様に行った。その結果、6時間後のコハク酸蓄積濃度は8.5g/L、グルコース濃度は0.3g/L、キシロース濃度は0.3g/Lであった。
コハク酸生産反応において、実施例13で作製した水素化処理糖液−8を使用したこと以外は、実施例9と同様に行った。その結果、6時間後のコハク酸蓄積濃度は9.8g/L、グルコース濃度は0.3g/L、キシロース濃度は1.0g/Lであった。
コハク酸生産反応において、実施例14で作製した水素化処理糖液−9を使用したこと以外は、実施例9と同様に行った。その結果、6時間後のコハク酸蓄積濃度は8.6g/L、グルコース濃度は4.2g/L、キシロース濃度は1.8g/Lであった。
コハク酸生産反応において、実施例15で作製した水素化処理糖液−10を使用したこと以外は、実施例9と同様に行った。その結果、6時間後のコハク酸蓄積濃度は9.6g/L、グルコース濃度は2.5g/L、キシロース濃度は2.6g/Lであった。
コハク酸生産反応において、実施例16で作製した水素化処理糖液−11を使用したこと以外は、実施例9と同様に行った。その結果、6時間後のコハク酸蓄積濃度は9.4g/L、グルコース濃度は2.1g/L、キシロース濃度は2.6g/Lであった。
コハク酸生産反応において、実施例17で作製した水素化処理糖液−12を使用したこと以外は、実施例9と同様に行った。その結果、6時間後のコハク酸蓄積濃度は10.6g/L、グルコース濃度は1.6g/L、キシロース濃度は2.3g/Lであった。
コハク酸生産反応において、実施例18で作製した水素化処理糖液−13を使用したこと以外は、実施例9と同様に行った。その結果、6時間後のコハク酸蓄積濃度は10.9g/L、グルコース濃度は0.6g/L、キシロース濃度は2.4g/Lであった。
コハク酸生産反応において、製造例1で作製した糖液−1を使用したこと以外は、実施例9と同様に行った。その結果、6時間後のコハク酸蓄積濃度は7.5g/L、グルコース濃度は5.7g/L、キシロース濃度は2.5g/Lであった。
コハク酸生産反応において、製造例3で作製した糖液−0を使用したこと以外は、実施例9と同様に行った。その結果、6時間後のコハク酸蓄積濃度は10.7g/L、グルコース濃度は1.4g/L、キシロース濃度は2.5g/Lであった。
実施例19〜26、比較例8,9の結果を表3に示す。数値は、6時間後の各成分の濃度を表わす。
以上の結果より、温度や反応圧力等が異なる水素化処理条件でもカルボニル化合物や不飽和アルコールを水素化し、除去または大幅に低減させることができることがわかる。さらにこれらの異なる水素化処理条件で得られた水素化処理糖液を使用することで、有機化合物の生産速度が向上することがわかる
超純水181mLにグルコース16.0g、キシロース2.0g、アクリル酸メチル1.0g、ギ酸0.08gを溶解させ糖液を作成した。以下、糖液−6とする。
糖液−6中の各成分濃度は、グルコース8.0質量%、キシロース1.0質量%、ギ酸0.04質量%、アクリル酸メチル0.5質量%であった。
上記糖液−6を使用した以外は、実施例1と同様の方法で水素化処理を行ない、水素化処理糖液−14を得た。水素化処理糖液−14中の各成分濃度は、グルコース7.9質量%、キシロース1.0質量%、ソルビトール検出限界以下(0.001質量%未満)、キシリトール0.03質量%であった。アクリル酸メチルは検出されなかった。
コハク酸生産反応において、実施例27で作製した水素化処理糖液−14を使用したこと以外は、実施例9と同様に行った。その結果、6時間後のコハク酸蓄積濃度は8.3g/L、グルコース濃度は3.7g/L、キシロース濃度は2.4g/Lであった。
コハク酸生産反応において、製造例7で作製した糖液−6を使用したこと以外は、実施例9と同様に行った。その結果、6時間後のコハク酸蓄積濃度は5.8g/L、グルコース濃度は8.0g/L、キシロース濃度は2.6g/Lであった。
コハク酸生産反応において、製造例3で作製した糖液−0を使用したこと以外は、実施例9と同様に行った。その結果、6時間後のコハク酸蓄積濃度は8.5g/L、グルコース濃度は3.4g/L、キシロース濃度は2.4g/Lであった。
実施例28、比較例10、11の結果を表4に示す。数値は、6時間後の各成分の濃度を表わす。
以上の結果より、水素化処理を実施し、不飽和エステル化合物であるアクリル酸メチル濃度が軽減された糖液を使用することで、コハク酸生産速度が向上することが明らかとなった。
これより糖類以外のカルボニル化合物および/または不飽和アルコールを含む糖液を水素化反応に供することで、当該物質を水素化し、除去または大幅に低減させることができることがわかる。更に、得られた水素化処理糖液を含む有機原料に微生物を作用させて有機化合物を生産させることで、有機化合物の生産速度が向上することがわかる。
超純水181mLにグルコース16.0g、キシロース2.0g、クロチルアルコール1.0g、ギ酸0.08gを溶解させ糖液を作成した。以下、糖液−7とする。
前記糖液−7中の各成分濃度は、グルコース7.9質量%、キシロース1.0質量%、ギ酸0.04質量%、クロチルアルコール0.5質量%であった。
上記糖液−7を使用した以外は、実施例1と同様の方法で水素化処理を行ない、水素化処理糖液−15を得た。水素化処理糖液−15中の各成分濃度は、グルコース7.9質量%、キシロース1.0質量%、ソルビトール検出限界以下(0.001質量%未満)、キシリトール0.013質量%であった。クロチルアルコールは検出されなかった。
コハク酸生産反応において、実施例29で作製した水素化処理糖液−15を使用したこと以外は、実施例9と同様に行った。その結果、6時間後のコハク酸蓄積濃度は8.6g/L、グルコース濃度は3.0g/L、キシロース濃度は2.3g/Lであった。
コハク酸生産反応において、製造例8で作製した糖液−7を使用したこと以外は、実施例9と同様に行った。その結果、6時間後のコハク酸蓄積濃度は5.7g/L、グルコース濃度は7.3g/L、キシロース濃度は2.2g/Lであった。
コハク酸生産反応において、製造例3で作製した糖液−0を使用したこと以外は、実施例9と同様に行った。その結果、6時間後のコハク酸蓄積濃度は8.5g/L、グルコース濃度は3.4g/L、キシロース濃度は2.4g/Lであった。
実施例30、比較例12,13の結果を表5に示す。数値は、6時間後の各成分の濃度を表わす。
以上の結果より、水素化処理を実施し、不飽和アルコールであるクロチルアルコールの濃度が軽減された糖液を使用することで、コハク酸生産速度が向上することが明らかとなった。
これより糖類以外のカルボニル化合物および/または不飽和アルコールを含む糖液を水素化反応に供することで、当該物質を水素化し、除去または大幅に低減させることができることが分かる。更に、得られた水素化処理糖液を含む有機原料に微生物を作用させて有機化合物を生産させることで、有機化合物の生産速度が向上することがわかる。
上記糖液−1を使用し、グルコース、キシロースの糖合計質量に対して、1質量%の活性炭マックスソーブ(株式会社MCエバテック製 MSP−20)を添加し、25℃で2時間攪拌した。上記反応液をディスポーザブルのシリンジとフィルター(0.45μm)でろ過して、活性炭処理糖液(以下「活性炭処理糖液−1」)を得た。活性炭処理糖液−1中の各成分濃度は、グルコース8.0質量%、キシロース1.0質量%、ソルビトール0.0質量%、キシリトール0.0質量%であった。また、グリコールアルデヒドダイマーは3200ppmであり、フルフラールは120ppmであった。
上記糖液−1を使用し、活性炭の種類をダイヤソープ(カルゴンカーボンジャパン株式会社製 W10−30)に変更した以外は、比較例14と同様の方法で活性炭処理を実施し活性炭処理糖液−2を得た。活性炭処理糖液−2中の各成分濃度は、グルコース8.00質量%、キシロース1.0質量%、ソルビトール0.0質量%、キシリトール0.0質量%であった。また、グリコールアルデヒドダイマーは3200ppmであり、フルフラールは120ppmであった。
コハク酸生産反応において、比較例14で作製した活性炭処理糖液−1を使用したこと以外は、実施例9と同様に行った。その結果、6時間後のコハク酸蓄積濃度は8.0g/L、グルコース濃度は8.0g/L、キシロース濃度は2.4g/Lであった。
コハク酸生産反応において、比較例15で作製した活性炭処理糖液−2を使用したこと以外は、実施例9と同様に行った。その結果、6時間後のコハク酸蓄積濃度は7.5g/L、グルコース濃度は8.0g/L、キシロース濃度は2.3g/Lであった。
コハク酸生産反応において、製造例1で作製した糖液−1を使用したこと以外は、実施例9と同様に行った。その結果、6時間後のコハク酸蓄積濃度は7.3g/L、グルコース濃度は9.6g/L、キシロース濃度は2.3g/Lであった。
コハク酸生産反応において、製造例3で作製した糖液−0を使用したこと以外は、実施例9と同様に行った。その結果、6時間後のコハク酸蓄積濃度は12.0g/L、グルコース濃度は1.2g/L、キシロース濃度は1.9g/Lであった。
以上の結果から、カルボニル化合物および/または不飽和アルコールを含む糖液を活性炭処理した場合は、当該糖液を水素化反応に供した場合に比べ当該物質を低減させる効果が小さいことがわかる。更に、得られた活性炭処理糖液に微生物を作用させて有機化合物を生産させた場合、有機化合物の生産速度の向上が小さいことがわかる。
非可食原料として、バガスを使用した。まずバガスに硫酸及び水を加えて混合し、バガス混合物を得た。硫酸の添加量は、バガスの乾燥質量に対し2質量%であり、水の添加量は、前記バガス混合物の合計質量に対する含水率が60質量%となるように調製した。次にドラムミキサー(杉山重工株式会社製)にて前記バガス混合物を20分間混合、撹拌の後に取り出し、希硫酸処理混合物を得た。前記希硫酸処理混合物を加水分解装置(株式会社ヤスジマ製)にて、蒸気を投入し、180℃で15分間蒸煮処理した。得られた蒸煮処理物の含水率は64.6質量%であった。前記蒸煮処理物を乾燥質量200g/Lとなるように糖化装置に仕込み、10N−NaOH水溶液を添加し、pHを6.0に調整した。そこに糖化酵素として15FPU分のCTec2(novozyme社製)を添加し、温度50℃、攪拌速度200rpmにて72時間攪拌しながら、加水分解を行った。その後、遠心分離(10000g、10分間)を行い、未分解セルロース及びリグニンを分離除去した。固形分を除去した糖液に対して、48質量%NaOH水溶液を用いてpHを8に調整し、さらに121℃で20分間加熱してバガス糖化液(以下、糖液−8)を作成した。上記HPLC分析により、前記バガス糖化液を測定したところ、各成分の濃度は、グルコース9.0質量%、キシロースとフルクトースの合計が3.0質量%、フルフラールが816ppm、ヒドロキシメチルフルフラールが534ppmであった。
上記糖液−8を使用した以外は、実施例1と同様の方法で水素化処理を行ない、水素化処理糖液−16を得た。水素化処理糖液−16中の各成分濃度は、グルコース9.1質量%、キシロースとフルクトースの合計が3.0質量%、ソルビトール及びキシリトールは検出限界以下(0.001質量%未満)であった。また、フルフラールが74ppm、ヒドロキシメチルフルフラールが126ppmであった。
上記糖液−8を使用した以外は、実施例8と同様の方法で水素化処理を行ない、水素化処理糖液−17を得た。水素化処理糖液−17中の各成分濃度は、グルコース9.1質量%、キシロースとフルクトースの合計が3.0質量%、ソルビトール0.001質量%、キシリトールは検出限界以下(0.001質量%未満)であった。また、フルフラールが82ppm、ヒドロキシメチルフルフラールが130ppmであった。
上記糖液−8を使用した以外は、実施例15と同様の方法で水素化処理を行ない、水素化処理糖液−18を得た。水素化処理糖液−18中の各成分濃度は、グルコース8.3質量%、キシロースとフルクトースの合計が3.3質量%、ソルビトール0.1質量%、キシリトールは検出限界以下(0.001質量%未満)であった。また、フルフラールが225ppm、ヒドロキシメチルフルフラールが228ppmであった。
実施例4における(A)種培養、(B)本培養と同様の工程を経て得られる培養液を、実施例4と同様に集菌し、菌体懸濁液[硫酸マグネシウム・7水和物:320mg、硫酸第一鉄・7水和物:13mg、硫酸マンガン・5水和物:13mg、リン酸(85%):480mg、水酸化カリウム(48%):640mg、蒸留水1000mLに溶解]にO.D.(660nm)が60になるように懸濁して菌体溶液を調製した。続いて実施例31で作製した水素化処理糖液−16を54.5g、蒸留水:11g、培地濃縮液[硫酸マグネシウム・7水和物:25.6g、硫酸第一鉄・7水和物:1g、硫酸マンガン・5水和物:1g、リン酸(85%):38.5g、水酸化カリウム(48%):50.9g、蒸留水1000mLに溶解]:1mL、D−ビオチン水溶液(100mg/L):133mg、塩酸チアミン(100mg/L):133mgを混合して、基質溶液を作成した。基質溶液に炭酸水素アンモニウム:960mg、菌体溶液20mLを加え、嫌気的雰囲気下において40℃で反応させた。中和剤[アンモニア水(28%):117g、炭酸水素アンモニウム:38g、蒸留水300mLに溶解]を加えることでpHは7.3に維持した。その結果、3時間後のコハク酸蓄積濃度は11.3g/Lであった。
コハク酸生産反応において、実施例32で作製した水素化処理糖液−17を使用したこと以外は、実施例34と同様に行った。その結果、3時間後のコハク酸蓄積濃度は11.7g/Lであった。
コハク酸生産反応において、実施例33で作製した水素化処理糖液−18を使用したこと以外は、実施例34と同様に行った。その結果、3時間後のコハク酸蓄積濃度は11.5g/Lであった。
コハク酸生産反応において、製造例9で作製した糖液−8を使用したこと以外は、実施例34と同様に行った。その結果、3時間後のコハク酸蓄積濃度は9.2g/Lであった。
実施例34〜36、比較例20の結果を表7に示す。数値は、3時間後のコハク酸濃度を表わす。
また糖液−8をイオン交換水で75倍(質量)に希釈し、UV-vis測定器にて前記の方法で吸収スペクトルを測定し、測定結果を図1に示した。
以上の結果より、非可食原料であるバガスから得られたバガス糖化液に対し水素化処理を実施することで、糖液中に含まれる糖類以外のカルボニル化合物および/又は不飽和アルコールの濃度を大幅に低減させることができる。更に非可食原料由来の水素化処理糖液に微生物を作用させて有機化合物を生産させることで、有機化合物の生産速度が向上することがわかる。
超純水300mLにグルコース98.6g、キシロース12.3g、フルフラール0.3g、ギ酸0.1g、グリコールアルデヒドダイマー0.3gを溶解させ糖液を作成した。以下、糖液−9とする。
前記糖液−9中の各成分濃度は、グルコース23.9質量%、キシロース3.0質量%、フルフラール0.09質量%、ギ酸0.03質量%、グリコールアルデヒドダイマー0.08質量%であった。
超純水300mLにグルコース98.6g、キシロース12.3g、フルフラール0.4g、ギ酸0.16g、グリコールアルデヒドダイマー0.41gを溶解させ糖液を作成した。以下、糖液−10とする。
糖液−10中の各成分濃度は、グルコース23.9質量%、キシロース3.0質量%、フルフラール0.12質量%、ギ酸0.04質量%、グリコールアルデヒドダイマー0.1質量%であった。
上記糖液−9を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で水素化処理を行ない、水素化処理糖液−19を得た。水素化処理糖液−19中の各成分濃度は、グルコース23.8質量%、キシロース3.0質量%、ソルビトール及びキシリトールは検出限界以下(0.001質量%未満)であった。またグリコールアルデヒド0.05質量%、フルフラール0.0003質量%であった。
上記糖液−10を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で水素化処理を行ない、水素化処理糖液−20を得た。水素化処理糖液−20中の各成分濃度は、グルコース23.7質量%、キシロース3.0質量%、ソルビトール及びキシリトールは検出限界以下(0.001質量%未満)であり、グリコールアルデヒドダイマー及びフルフラールは検出されなかった。
ブレビバクテリウム・フラバムMJ233株について、以下のようにして、ラクテートデヒドロゲナーゼ遺伝子(ldh遺伝子)、ホスホトランスアセチラーゼ遺伝子(pta遺伝子)、アセテートキナーゼ遺伝子(ack遺伝子)、CoAトランスフェラーゼ遺伝子(ctf遺伝子遺伝子)、およびピルベートオキシダーゼ遺伝子(poxB遺伝子)の破壊、さらに、キシロースイソメラーゼ遺伝子(XylA遺伝子)、キシルロキナーゼ遺伝子(XylB遺伝子)、アセトラクテートシンターゼ遺伝子(alsS遺伝子)、アセトラクテートデカルボキシラーゼ遺伝子(alsD)、および2,3−ブタンジオールデヒドロゲナーゼ遺伝子(bdhA遺伝子)の導入を行ない、ブレビバクテリウム・フラバムMJ233/BdhA/AlsSD/XylAB/ΔPoxB/ΔCTF/ΔPTA−ACK/ΔLDH株を作製した。
XylAB増強株作製の供試菌株は、ブレビバクテリウム・フラバムMJ233/ΔPoxB/ΔCTF/ΔPTA−ACK/ΔLDH株(特願2014−114971)を用いた。該菌株の形質転換に用いるプラスミドDNAは、(製造例6)の(C)で構築したpXylAB3を用いて塩化カルシウム法(Journal of Molecular Biology,1970,53,159)により形質転換した大腸菌JM110株から調製した。
ブレビバクテリウム・フラバムMJ233/ΔPoxB/ΔCTF/ΔPTA−ACK/ΔLDH株の形質転換は電気パルス法(Res. Microbiol.,1993,144,p181−5)によって行い、得られた形質転換体を25μg/mLカナマイシンを含むLBG寒天培地[トリプトン10g、イーストエキストラクト5g、NaCl 5g、グルコース20g、および寒天15gを蒸留水1Lに溶解]に塗抹した。
この培地上に生育した株は、pXylAB3がブレビバクテリウム・フラバムMJ233株菌体内で複製不可能なプラスミドであるため、該プラスミドのldh遺伝子とブレビバクテリウム・フラバムMJ233株ゲノム上の同遺伝子との間で相同組換えを起こした結果、ゲノム上に該プラスミドに由来するカナマイシン耐性遺伝子およびsacB遺伝子が挿入されているはずである。
この様にして得られた株の中には、そのldh遺伝子欠損部位にpXylAB3に由来するTZ4プロモーターと連結されたXylABオペロンが挿入されたものと親株と同じ配列に戻ったものが含まれる。TZ4プロモーターと連結されたXylABオペロンが挿入されたか否かの確認は、LBG培地にて培養して得られた菌体を直接PCR反応に供し、TZ4プロモーターと連結されたXylABオペロンの検出を行うことによって容易に確認できる。TZ4プロモーターおよびXylABオペロンをPCR増幅するためのプライマー(配列番号9:AATCAGGAAG TGGGATCGAA AATGおよび配列番号10:CCGCCAACTA GACACCAAAG ATTC)を用いて分析すると、TZ4プロモーターと連結されたXylABオペロンが挿入されたクローンでは4,196bpのDNA断片を認めるはずである。上記方法にてショ糖非感受性となった菌株を分析した結果、TZ4プロモーターと連結されたXylABオペロンが挿入された株を選抜し、該株をブレビバクテリウム・フラバムMJ233/XylAB/ΔPoxB/ΔCTF/ΔPTA−ACK/ΔLDHと命名した。
alsSDおよびBdhA増強株作製の供試菌株は、上記にて作製したブレビバクテリウム・フラバムMJ233/XylAB/ΔPoxB/ΔCTF/ΔPTA−ACK/ΔLDH株を用いた。該菌株の形質転換に用いるプラスミドDNAは、pC3.14F−AlsSDおよびpTZ4F−BdhA(特願2014−114971)を用いて塩化カルシウム法(Journal of Molecular Biology,1970,53,159)により形質転換した大腸菌JM110株から調製した。ブレビバクテリウム・フラバムMJ233/XylAB/ΔPoxB/ΔCTF/ΔPTA−ACK/ΔLDH株の形質転換は、電気パルス法(Res. Microbiol.,1993,144,p181−5)によって行い、得られた形質転換体を50μg/mLカナマイシンおよび10μg/mLストレプトマイシンを含むLBG寒天培地[トリプトン 10g、イーストエキストラクト 5g 、NaCl 5g、グルコース 20g、および寒天 15gを蒸留水1Lに溶解]に塗抹した。この培地上に生育した株は、pC3.14F−AlsSDおよびpTZ4F−BdhAの双方がブレビバクテリウム・フラバムMJ233株菌体内で保持されており、この菌株をブレビバクテリウム・フラバムMJ233/BdhA/AlsSD/XylAB/ΔPoxB/ΔCTF/ΔPTA−ACK/ΔLDH(以下、MBD07とも呼ぶ)と命名した。
(A)種培養
以下の成分を含む溶液[硫酸アンモニウム:20g、尿素:5g、リン酸1カリウム:1g、リン酸2カリウム:1g、硫酸マンガン・七水和物:0.25g、3−モルホリノプロパンスルホン酸:42g、純水:600mLに溶解]に対して、塩化カルシウム溶液[塩化カルシウム・2水和物:1.32g、純水:100mLに溶解]1mLを加え、続いて1N水酸化ナトリウム溶液でpH7に調整し、純水を加えて液量864mLとした後、121℃、20分間で加熱滅菌した。次に、濾過滅菌したトレースエレメント[硫酸第一鉄・7水和物:1g、硫酸マンガン・5水和物:1.42g、硫酸亜鉛・七水和物:0.1g、硫酸銅・5水和物:0.031g、塩化ニッケル・6水和物:0.002g、純水:90mLに対して濃塩酸を加えpH=1に調整]1mL、濾過滅菌したプロトカテクサン溶液[プロトカテクサン:300mg、純水:8mLに対して10N水酸化ナトリウム溶液を1mL添加]1mL、濾過滅菌したビオチン溶液[D−ビオチン:10mg、純水50mLに溶解]1mLを加え、培地を作製した。
200mLの三角フラスコに上記培地17.3mL、加熱滅菌した純水1.1mL、加熱滅菌した500g/Lグルコース溶液1.6mLを加えてCGXII培地を作製した。更に50g/Lカナマイシン溶液20μL、25g/Lストレプとマイシン溶液20μLを加えた後、製造例12で作製したMBD07株を接種し、30℃で24.0時間培養した。
200mLの三角フラスコに滅菌培地に対して、上記培地43.3mL、濾過滅菌した実施例37に記載の水素化反応を実施した水素化処理糖液−19を6.7mL加えてCGXII培地を作製した。更に50g/Lカナマイシン溶液50μL、25g/Lストレプとマイシン溶液50μLを加えた後、種培養液をO.D.(660nm)が0.15となるように接種し、30℃で24.0時間培養した。19.5時間後のO.D.(660nm)、グルコース、キシロース、(meso)−2,3−ブタンジオール、(R,R)もしくは(S,S)−2,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオールの合計濃度((meso)、(R,R)、(S,S)の合計)を表8に示す。
2,3−ブタンジオール生産において、糖液-9を使用したこと以外は、実施例39と同様に行った。19.5時間後のO.D.(660nm)、グルコース、キシロース、(meso)−2,3−ブタンジオール、(R,R)もしくは(S,S)−2,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオールの合計濃度((meso)、(R,R)、(S,S)の合計)を表8に示す。
2,3−ブタンジオール生産において、実施例38の水素化処理糖液−20を使用したこと以外は、実施例39と同様に行った。19.5時間後のグルコース、キシロース、(meso)−2,3−ブタンジオール、(R,R)もしくは(S,S)−2,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオールの合計濃度((meso)、(R,R)、(S,S)の合計)を表8に示す。
2,3−ブタンジオール生産において、糖液−10を使用したこと以外は、実施例39と同様に行った。19.5時間後のグルコース、キシロース、(meso)−2,3−ブタンジオール、(R,R)もしくは(S,S)−2,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオールの合計濃度((meso)、(R,R)、(S,S)の合計)を表8に示す。
上記糖液−8を使用した以外は、実施例1と同様の方法で水素化処理を行ない、水素化処理糖液−21を得た。水素化処理糖液−21中の各成分濃度は、グルコース9.2質量%、キシロースとフルクトースの合計が2.9質量%、ソルビトール0.02質量%、キシリトールは検出限界以下(0.001質量%未満)であった。また、フルフラールが172ppm、ヒドロキシメチルフルフラールが204ppmであった。水素化処理糖液−21は、目視による視認で、糖液−8に比べ着色の度合いが低下した。また水素化処理糖液−21をイオン交換水で75倍(質量)に希釈し、UV-vis測定器にて吸収スペクトルを測定し、測定結果を図1に示した。
上記糖液−8を使用した以外は、実施例8と同様の方法で水素化処理を行ない、水素化処理糖液−22を得た。水素化処理糖液−22中の各成分濃度は、グルコース9.1質量%、キシロースとフルクトースの合計が2.9質量%、ソルビトール0.003質量%、キシリトールは検出限界以下(0.001質量%未満)であった。また、フルフラールが183ppm、ヒドロキシメチルフルフラールが219ppmであった。水素化処理糖液−22は、目視による視認で、糖液−8に比べ着色の度合いが低下した。また水素化処理糖液−22をイオン交換水で75倍(質量)に希釈し、UV-vis測定器にて吸収スペクトルを測定し、測定結果を図1に示した。
(A)種培養
実施例39の(A)種培養において、溶解させる純水量を330mL、pH=7に調整後の液量を492mLとした以外は同様の方法により、種培養をおこなった。
200mLの三角フラスコに滅菌培地に対して、上記培地24.8mL、加熱滅菌した純水8.4mL、実施例41で得た水素化処理糖液−21を16.8mL加えてCGXII培地を作製した。更に50g/Lカナマイシン溶液50μL、25g/Lストレプとマイシン溶液50μLを加えた後、種培養液をO.D.(660nm)が0.20となるように接種し、30℃で24.0時間培養した。19.0時間後のO.D.(660nm)、グルコース、キシロース、(meso)−2,3−ブタンジオール、(R,R)もしくは(S,S)−2,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオールの合計濃度((meso)、(R,R)、(S,S)の合計)を表8に示す。
2,3−ブタンジオール生産において、実施例42で得た水素化処理糖液−22を使用したこと以外は、実施例43と同様に行った。19.0時間後のO.D.(660nm)、グルコース、キシロース、(meso)−2,3−ブタンジオール、(R,R)もしくは(S,S)−2,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオールの合計濃度((meso)、(R,R)、(S,S)の合計)を表8に示す。
2,3−ブタンジオール生産において、糖液‐8を使用したこと以外は、実施例43と同様に行った。19.0時間後のO.D.(660nm)、グルコース、キシロース、(meso)−2,3−ブタンジオール、(R,R)もしくは(S,S)−2,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオールの合計濃度((meso)、(R,R)、(S,S)の合計)を表8に示す。
前記水素化処理糖液−21の使用量を25.2mLに変更した以外は、実施例43と同様に2,3-ブタンジオールを生産した。結果を表8に示す。
2,3−ブタンジオール生産において、前記水素化処理糖液−22を使用したこと以外は、実施例45と同様に行った。結果を表8に示す。
2,3−ブタンジオール生産において、糖液−8を使用したこと以外は、実施例45と同様に行った。結果を表8に示す。
また、実施例40の水素化処理糖液−20を使用した場合は、比較例22の水素化処理していない糖液−10に対してO.D.(660nm)が1.7倍、2,3−ブタンジオール濃度((meso)、(R,R)、(S,S)の合計)が1.3倍に向上した。
以上の結果より、水素化処理を実施してフルフラール、グリコールアルデヒド等が大幅に低減した糖液を使用することで、菌体増殖速度、2,3−ブタンジオール生産速度が向上することが明らかとなった。
また、実施例45の水素化処理糖液−21を使用した場合は、比較例24の水素化処理を実施していない糖液−8に対してO.D.(660nm)が3.5倍、2,3−ブタンジオール濃度((meso)、(R,R)、(S,S)の合計)が10.8倍に向上し、同様に実施例46の水素化処理糖液−22を使用した場合は、比較例24の水素化処理を実施していない糖液−8に対してO.D.(660nm)が3.3倍、2,3−ブタンジオール濃度((meso)、(R,R)、(S,S)の合計)が9.5倍に向上した。
以上の結果より、糖類以外のカルボニル化合物および/または不飽和アルコールを含む糖液を水素化処理し、得られた水素化処理糖液に微生物を作用させて2,3−ブタンジオール生産速度が向上することが明らかとなった。更に当該水素化処理糖液は、菌体増殖の速度を向上させることが明らかになった。
これより当該糖液を水素化反応に供することで、当該物質が水素化により除去または大幅に低減した水素化処理糖液に微生物を作用させ有機化合物を生産させることで、有機化合物の生産速度を向上させることが分かる。更に当該水素化処理糖液は、微生物の培養速度を向上させることが分かる。またこの効果は、非可食原料由来のバガス糖化液を水素化処理し、得られた水素化処理糖液に微生物を作用させた場合も同じであることがわかる。
上記糖液−1を使用し、実施例1と同様の方法で水素化処理を行ない、水素化処理糖液−23を得た。水素化処理糖液−23中の各成分濃度は、グルコース8.0質量%、キシロース1.0質量%、キシリトール0.01質量%、ソルビトールは検出限界以下(0.001質量%未満)であった。また、グリコールアルデヒドダイマーは50ppmであり、フルフラールは検出されなかった。
(A)種培養
培地[ポリペプトン:20g、酵母エキス:10g、純水:500mLに溶解]500mLを試薬ビンに入れ、121℃で20分間、加熱滅菌した。これを室温まで冷やした後、200mLの三角フラスコに10mL入れ、続いて加熱滅菌した500g/Lグルコース水溶液0.8mLと加熱滅菌した純水9.2mLを入れてYPD培地を作製した。次に、Saccharomyces cerevisiae S288C株を接種して16.5時間30℃で培養した。
200mLの三角フラスコに加熱滅菌した培地10mL、孔径0.22μmのフィルターで濾過滅菌した実施例47(糖液の水素化処理)に記載の水素化処理糖液−23を6.7mL、加熱滅菌した脱塩水3.3mLを加え、濾過滅菌したNaOH溶液でpHを6.3に調整した。次に種培養液をO.D.(660nm)が0.4となるように接種し、30℃で24.0時間で培養した。9時間後のエタノール濃度、グルコース濃度、キシロース濃度を表9に示す。
エタノール生産において、水素化処理を実施していない糖液‐1を使用したこと以外は、実施例48と同様に行った。9時間後のO.D.(660nm)、グルコース、キシロース、エタノール濃度を表9に示す。
以上の結果より、糖類以外のカルボニル化合物および/または不飽和アルコールを含む糖液を水素化処理し、得られた水素化処理糖液に微生物を作用させることでエタノールの生産速度が向上することが明らかとなった。更に当該水素化処理糖液は、菌体増殖の速度を向上させることが明らかになった。
これより当該糖液を水素化反応に供することで、当該物質が水素化により除去または大幅に低減した水素化処理糖液に微生物を作用させ有機化合物を生産させることで、有機化合物の生産速度を向上させることが分かる。更に当該水素化処理糖液は、微生物の培養速度を向上させることが分かる。
(A)種培養
培地[リン酸1カリウム:3.0g、リン酸2カリウム7.0g、硫酸アンモニウム:2.0g、硫酸マグネシウム・7水和物:0.2g、塩化ナトリウム:10.0g、酵母エキス:5.0g、トリプトン:10.0g、純水500mLに溶解]500mLを試薬ビンに入れ、121℃で20分間、加熱滅菌した。これを室温まで冷やした後、200mLの三角フラスコに10mL入れ、続いて加熱滅菌した500g/Lグルコース水溶液0.8mLと加熱滅菌した純水9.2mLを入れた。次に、Escherichia coli K12株を接種して30℃で16.5時間振とう培養した。
200mLの三角フラスコに加熱滅菌した上記培地10mL、濾過滅菌した実施例47に記載の水素化処理糖液−23を2.2mL、加熱滅菌した500g/Lグルコース溶液0.36mL、加熱滅菌した100g/Lキシロース溶液0.22mL、加熱滅菌した純水7.2mL、濾過滅菌した1N水酸化ナトリウム溶液25μLを入れた。次に、上記(A)の種培養で得られた培養液を、O.D.(660nm)が0.1となるように接種し、30℃で、24.0時間振とう培養した。3.0時間後のO.D.(660nm)、グルコース、キシロース濃度を表10に示す。
微生物培養において、糖液−1を使用したこと以外は、実施例49と同様に行った。3.0時間後のO.D.(660nm)、グルコース、キシロース濃度を表10に示す。
200mLの三角フラスコに加熱滅菌した上記培地10mL、実施例47に記載の水素化処理糖液−23を4.5mL、加熱滅菌した純水5.5mL、濾過滅菌した1N水酸化ナトリウム溶液50μLを入れた。次に、上記(A)の種培養で得られた培養液を、O.D.(660nm)が0.1となるように接種し、30℃で、24.0時間振とう培養した。3.0時間後のO.D.(660nm)、グルコース、キシロース濃度を表10に示す。
微生物培養において、糖液−1を使用したこと以外は、実施例50と同様に行った。3.0時間後のO.D.(660nm)、グルコース、キシロース濃度を表10に示す。
また、実施例50において水素化処理糖液−23を使用した場合は、比較例27の水素化処理していない糖液−1を使用した場合に対してO.D.(660nm)が45.0倍に向上した。
以上の結果より、糖類以外のカルボニル化合物および/または不飽和アルコールを含む糖液を水素化処理し、得られた水素化処理糖液を用いて微生物を培養した場合、菌体増殖速度を向上させることが明らかになった。
これより当該糖液を水素化反応に供することで、当該物質が水素化により除去または大幅に低減した水素化処理糖液は、微生物の培養速度を向上させることが裏付けられた。
上記の糖液−1を用いて、実施例1と同様の手法で水素化処理を行った。この水素化処理を行った糖液に対して、48%NaOH水溶液でpHを8に調整し、121℃で20分間加熱し滅菌処理を行った。本糖液に関してLC分析を行ったところ、グルコース濃度は7.78質量%であった。
上記の糖液−1を105.2g用いて、亜硫酸ナトリウム0.9g(アルデヒド総量に対して1当量)を加えて、40℃で1時間攪拌した。この還元剤で処理した糖液に対して、48%NaOH水溶液でpHを8に調整し、121℃で20分間加熱し滅菌処理を行った。本糖液に関してLC分析を行ったところ、グルコース濃度は4.7質量%であった。
また本発明の水素化処理糖液は、発酵生産による有機化合物の製造における微生物の生産効率を向上させ、また化学変換プロセスに利用した際に生成物である有機化合物の着色を抑制することができる。
また、本発明の培養方法であれば、発酵生産プロセスにおける発酵阻害物質量を減少させることができるため、微生物の増殖量と増殖速度を向上させ、もって発酵生産性を向上させることができる。
Claims (23)
- 糖類以外のカルボニル化合物および不飽和アルコールからなる群より選ばれる少なくとも1つを含む糖液を水素化反応に供し、前記糖液中に含まれる前記カルボニル化合物および/または不飽和アルコールを水素化することを特徴とする、糖液の処理方法。
- 前記糖類が、炭素数3以上7以下の単糖を構成成分として含む糖を1つ以上含む請求項1に記載の処理方法。
- 前記糖液が、非可食原料に由来する請求項1または2に記載の処理方法。
- 前記水素化反応を、金属触媒の存在下で行なう請求項1〜3のいずれか1項に記載の処理方法。
- 前記糖類以外のカルボニル化合物が、アルデヒド化合物およびケトン化合物から選ばれる少なくとも1つである請求項1〜4のいずれか1項に記載の処理方法。
- 前記不飽和アルコールが、脂肪族共役アルコールである請求項1〜5のいずれか1項に記載の処理方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の処理方法により得られることを特徴とする水素化処理糖液。
- 前記水素化処理糖液中のフルフラールの含有率が、水素化処理糖液全量に対して0.01質量%以下である請求項7に記載の水素化処理糖液。
- 前記水素化処理糖液中のグリコールアルデヒドの含有率が、水素化処理糖液全量に対して0.03質量%以下である請求項7または8に記載の水素化処理糖液。
- 糖類以外のカルボニル化合物および不飽和アルコールからなる群より選ばれる少なくとも1つを含む糖液を水素化反応に供する、水素化処理工程、および
水性媒体中で、前記水素化処理工程後の糖液を含有する有機原料に有機物生産能を有する微生物を作用させて有機化合物を得る、有機物生産工程、
を含むことを特徴とする有機化合物の製造方法。 - 水性媒体中で、請求項7〜9のいずれか1項に記載の水素化処理糖液を含有する有機原料に、有機物生産能を有する微生物を作用させて有機化合物を得る、有機物生産工程、
を有することを特徴とする有機化合物の製造方法。 - 前記有機物生産工程を、嫌気的雰囲気下で行う請求項10または11に記載の有機化合物の製造方法。
- 前記有機物生産工程で得られた有機化合物を精製する工程を、さらに有する請求項10〜12のいずれか1項に記載の有機化合物の製造方法。
- 前記水性媒体が、炭酸イオン、重炭酸イオン、および二酸化炭素ガスから選ばれる少なくとも1つを含有する請求項10〜13のいずれか1項に記載の有機化合物の製造方法。
- 前記有機化合物がアルコール類、アミン類、カルボン酸類、およびフェノール類から選ばれる少なくとも1つである請求項10〜14のいずれか1項に記載の有機化合物の製造方法。
- 前記アルコール類が、炭素数2〜10の脂肪族アルコールである請求項15に記載の有機化合物の製造方法。
- 前記カルボン酸類が、炭素数2〜10の脂肪族カルボン酸である請求項15に記載の有機化合物の製造方法。
- 有用物質生産能力を有する微生物の培養方法であって、請求項7〜9のいずれか1項に記載の水素化処理糖液を炭素源として用いることを特徴とする微生物の培養方法。
- 前記微生物が、コリネ型細菌、大腸菌、アナエロビオスピリラム(Anaerobiospirillum)属細菌、アクチノバチルス(Actinobacillus)属細菌、マンヘミア(Mannheimia)属細菌、バスフィア(Basfia)属細菌、ザイモモナス(Zymomonas)属細菌、ザイモバクター(Zymobacter)属細菌、糸状菌、および酵母菌からなる群より選ばれる少なくとも1つである請求項10〜18のいずれか1項に記載の方法。
- 前記微生物がペントース利用能を有する請求項10〜19のいずれか1項に記載の方法。
- 前記ペントースがキシロースである請求項20に記載の方法。
- 前記微生物がキシロースイソメラーゼ活性を付与または増強された微生物である請求項21に記載の方法。
- 前記微生物がキシルロキナーゼ活性を付与または増強された微生物である請求項22に記載の方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013139141 | 2013-07-02 | ||
JP2013139141 | 2013-07-02 | ||
PCT/JP2014/067719 WO2015002255A1 (ja) | 2013-07-02 | 2014-07-02 | 糖液の処理方法、水素化処理糖液、有機化合物の製造方法および微生物の培養方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018075011A Division JP6624230B2 (ja) | 2013-07-02 | 2018-04-09 | 糖液の処理方法、水素化処理糖液、有機化合物の製造方法および微生物の培養方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2015002255A1 true JPWO2015002255A1 (ja) | 2017-02-23 |
JP6344388B2 JP6344388B2 (ja) | 2018-06-20 |
Family
ID=52143825
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015525268A Active JP6344388B2 (ja) | 2013-07-02 | 2014-07-02 | 糖液の処理方法、水素化処理糖液、有機化合物の製造方法および微生物の培養方法 |
JP2018075011A Active JP6624230B2 (ja) | 2013-07-02 | 2018-04-09 | 糖液の処理方法、水素化処理糖液、有機化合物の製造方法および微生物の培養方法 |
Family Applications After (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018075011A Active JP6624230B2 (ja) | 2013-07-02 | 2018-04-09 | 糖液の処理方法、水素化処理糖液、有機化合物の製造方法および微生物の培養方法 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US10023883B2 (ja) |
JP (2) | JP6344388B2 (ja) |
WO (1) | WO2015002255A1 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015002255A1 (ja) * | 2013-07-02 | 2015-01-08 | 三菱化学株式会社 | 糖液の処理方法、水素化処理糖液、有機化合物の製造方法および微生物の培養方法 |
US10072275B2 (en) * | 2013-11-22 | 2018-09-11 | Toray Industries, Inc. | Method of producing 2,3-butanediol |
WO2015137467A1 (ja) * | 2014-03-13 | 2015-09-17 | 三菱化学株式会社 | 糖液の処理方法、処理糖液の製造方法、処理糖液、有機化合物の製造方法、および微生物の培養方法 |
EP3414218A1 (en) * | 2016-02-08 | 2018-12-19 | Shell International Research Maatschappij B.V. | Process for the hydrogenation of glycolaldehyde |
JP6844535B2 (ja) | 2016-02-17 | 2021-03-17 | 東レ株式会社 | 糖アルコールの製造方法 |
CN111154812B (zh) * | 2020-02-26 | 2022-08-26 | 北京联合大学 | 一种以餐厨垃圾为底物发酵产2,3-丁二醇的方法 |
Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03195491A (ja) * | 1989-10-04 | 1991-08-27 | Roquette Freres | キシリトール及びキシリトールに富んだ生成物の製造方法 |
JPH0614741A (ja) * | 1992-03-19 | 1994-01-25 | Roquette Freres | 低カリエス誘発性の水素化糖類を含む組成物とその製造方法および応用分野 |
US5843760A (en) * | 1994-04-15 | 1998-12-01 | Midwest Research Institute | Single zymomonas mobilis strain for xylose and arabinose fermentation |
JPH11206325A (ja) * | 1997-09-26 | 1999-08-03 | Roquette Freres | マルチトール−リッチなシロップの製造方法 |
WO2002083701A1 (fr) * | 2001-04-12 | 2002-10-24 | Towa Chemical Industry Co., Ltd. | Procede de dessalage d'une solution de sucre et echangeur d'anions |
WO2009110374A1 (ja) * | 2008-03-05 | 2009-09-11 | 東レ株式会社 | 多糖類系バイオマス由来化合物の製造方法 |
WO2010067785A1 (ja) * | 2008-12-09 | 2010-06-17 | 東レ株式会社 | 糖液の製造方法 |
JP2010284120A (ja) * | 2009-06-12 | 2010-12-24 | Ihi Corp | バイオマス処理システム及び方法 |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ATE290097T1 (de) | 1995-06-07 | 2005-03-15 | Arkenol Inc | Verfahren zur hydrolyse mit hilfe einer starken säure |
JP2001095594A (ja) | 1999-09-30 | 2001-04-10 | Meiji Seika Kaisha Ltd | グルコース及びセロオリゴ糖の製造方法 |
JP2005270056A (ja) | 2004-03-26 | 2005-10-06 | Hitachi Zosen Corp | 加水分解物中の発酵阻害物の除去方法 |
JP2007151612A (ja) | 2005-11-30 | 2007-06-21 | Kuraray Co Ltd | 糖液処理用のカルボニル化合物除去材 |
JP2011078327A (ja) | 2009-10-05 | 2011-04-21 | Gunma Univ | 糖溶液からの発酵阻害物質の分離方法 |
EP2336342A1 (en) | 2009-12-21 | 2011-06-22 | Sekab E-Technology AB | Detoxification with reducing agents |
WO2015002255A1 (ja) * | 2013-07-02 | 2015-01-08 | 三菱化学株式会社 | 糖液の処理方法、水素化処理糖液、有機化合物の製造方法および微生物の培養方法 |
-
2014
- 2014-07-02 WO PCT/JP2014/067719 patent/WO2015002255A1/ja active Application Filing
- 2014-07-02 JP JP2015525268A patent/JP6344388B2/ja active Active
-
2015
- 2015-12-30 US US14/984,252 patent/US10023883B2/en active Active
-
2018
- 2018-04-09 JP JP2018075011A patent/JP6624230B2/ja active Active
Patent Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03195491A (ja) * | 1989-10-04 | 1991-08-27 | Roquette Freres | キシリトール及びキシリトールに富んだ生成物の製造方法 |
JPH0614741A (ja) * | 1992-03-19 | 1994-01-25 | Roquette Freres | 低カリエス誘発性の水素化糖類を含む組成物とその製造方法および応用分野 |
US5843760A (en) * | 1994-04-15 | 1998-12-01 | Midwest Research Institute | Single zymomonas mobilis strain for xylose and arabinose fermentation |
JPH11206325A (ja) * | 1997-09-26 | 1999-08-03 | Roquette Freres | マルチトール−リッチなシロップの製造方法 |
WO2002083701A1 (fr) * | 2001-04-12 | 2002-10-24 | Towa Chemical Industry Co., Ltd. | Procede de dessalage d'une solution de sucre et echangeur d'anions |
WO2009110374A1 (ja) * | 2008-03-05 | 2009-09-11 | 東レ株式会社 | 多糖類系バイオマス由来化合物の製造方法 |
WO2010067785A1 (ja) * | 2008-12-09 | 2010-06-17 | 東レ株式会社 | 糖液の製造方法 |
JP2010284120A (ja) * | 2009-06-12 | 2010-12-24 | Ihi Corp | バイオマス処理システム及び方法 |
Non-Patent Citations (3)
Title |
---|
BIOTECHNOLOGY AND BIOENGINEERING, vol. 102, no. 5, JPN6014039949, 1 April 2009 (2009-04-01), pages 1354 - 1360, ISSN: 0003779774 * |
BIOTECHNOLOGY AND BIOENGINEERING, vol. 108, no. 11, JPN6014039952, November 2011 (2011-11-01), pages 2592 - 2599, ISSN: 0003779773 * |
J. FD. TECHNOL., vol. 13, JPN6018003733, 1978, pages 339 - 348, ISSN: 0003779775 * |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2018139590A (ja) | 2018-09-13 |
JP6624230B2 (ja) | 2019-12-25 |
US20160177346A1 (en) | 2016-06-23 |
US10023883B2 (en) | 2018-07-17 |
WO2015002255A1 (ja) | 2015-01-08 |
JP6344388B2 (ja) | 2018-06-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6624230B2 (ja) | 糖液の処理方法、水素化処理糖液、有機化合物の製造方法および微生物の培養方法 | |
US10370684B2 (en) | Treatment method of saccharide solution | |
EP2710117B1 (en) | Recombinant microorganisms and methods of use thereof | |
WO2013137277A1 (ja) | 3-ヒドロキシプロピオン酸の製造方法、遺伝子組換え微生物、並びに前記方法を利用したアクリル酸、吸水性樹脂、アクリル酸エステル、およびアクリル酸エステル樹脂の製造方法 | |
US20160326554A1 (en) | Recombinant microorganisms for producing organic acids | |
Binczarski et al. | Biologically synthesized crude calcium lactate as a substrate for propylene glycol production | |
JP2015228804A (ja) | 2,3−ブタンジオール生産能を有する微生物およびそれを用いた2,3−ブタンジオールの製造方法、1,3−ブタジエンの製造方法 | |
WO2017036740A1 (en) | Biological preparation of 5-aminovalerate | |
JP6446807B2 (ja) | 微生物を用いた有機化合物の製造方法 | |
JP2017192325A (ja) | 有機酸の製造方法 | |
JP2015061524A (ja) | 糖液の精製方法、活性炭処理糖液、有機化合物の製造方法および微生物の培養方法 | |
WO2016088272A1 (ja) | 高効率エタノール発酵菌 | |
JP6221478B2 (ja) | ペントース資化能を有する微生物を用いた有機化合物の製造方法 | |
JP6394221B2 (ja) | 精製糖液の製造方法、有機化合物の製造方法および微生物の培養方法 | |
JP6911835B2 (ja) | 微生物の培養方法、および有機化合物の製造方法 | |
WO2013069786A1 (ja) | コハク酸の製造方法 | |
JP5651989B2 (ja) | コハク酸の製造方法 | |
EP3486323A1 (en) | Microorganism having mucic acid-producing ability, and methods for producing mucic acid, 2,5-furandicarboxylic acid, and 2,5-furandicarboxylic acid diester | |
JP7115075B2 (ja) | ミオ-イノシトール生産能を有する耐酸性微生物 | |
JP7163659B2 (ja) | グルカル酸生産能を有する高耐酸性微生物、及びそれを用いたグルカル酸の製造方法 | |
JPWO2017154955A1 (ja) | グルコース組成物、微生物発酵原料および化学品の製造方法 | |
JPWO2016093294A1 (ja) | アルコールの製造方法 | |
Osorio‐González et al. | Cellular versus Biochemical Control over Microbial Products | |
JP2008067624A (ja) | 非アミノ有機酸の製造方法 | |
JP2011206020A (ja) | N−アルキルコハク酸イミドの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170215 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170215 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20170501 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180206 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180409 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20180424 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20180507 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6344388 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |