JPWO2016093294A1 - アルコールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、五炭糖を含む原料から主たる生産物から主たる生産物として、アルコールを製造する方法において、エントナー・ドウドロフ(ED)経路が強化された微生物を用いると、対消費糖収率が向上することを技術的特徴とする。【選択図】なし
Description
本発明は、エントナー・ドウドロフ(ED)経路が強化された微生物を用いて、五炭糖を含む原料からアルコールを製造する方法に関する。
従来、アルコールや有機酸は種々の微生物株を用いた発酵法により工業的に生産されてきた。通常、炭素源としてヘキソース(六炭糖)、ペントース(五炭糖)、トリオースのような各種炭水化物、各種有機酸、アルコール類が使用されている。六炭糖としては、グルコース、フルクトース、マンノース、ソルボース、ガラクトース等が挙げられる。五炭糖としては、アラビノース、キシロース、リボース等が挙げられる。しかし上述の炭水化物、および産業的に現在使用される他の従来の炭素源は、多少高価である。したがってもっと低い価格の代替のアルコール生産源が望まれている。
セルロース系バイオマスは、容易に入手可能であり、炭水化物、トウモロコシ、サトウキビまたは他の炭素源よりも安価であることから、アルコールや有機酸生産用の好適な原料である、バイオマス中のセルロース、ヘミセルロース、およびリグニンの通常の量は、およそセルロース40〜60%、ヘミセルロース20〜40%、リグニン10〜25%、他の構成成分10%である。セルロース画分は、六炭糖、通常はグルコースのポリマーから構成される。ヘミセルロース画分は、キシロースおよびアラビノースを含む五炭糖から主として構成される。上に挙げたような炭水化物を各種アルコールや有機酸のような有用な化合物に変換するためには使用可能な発酵原料であるセルロース系バイオマスの変換効率を上げる必要がある。
アルコール生産に用いられる主な微生物としてはSaccharomyces属の酵母やZymomonas属の細菌が挙げられる。通常、これらの微生物は、グルコースなどの糖からは効率よくアルコールを生産するが、キシロース、アラビノースなどの五炭糖からはアルコールを生産することができない。そのため、バイオマスを原料としたアルコール生産の収率を向上させるためには、アルコール生産に用いられる微生物に五炭糖の代謝に関与する酵素あるいは遺伝子を導入し、五炭糖を基質としてアルコールを生産することができる形質転換微生物を構築する必要がある。特許文献1にはZymomonas属の細菌にキシロース、アラビノースの代謝に関与する遺伝子を形質転換することにより、キシロース、アラビノースからエタノールを生産することができる微生物を構築したことが開示されている。特許文献2にはSaccharomyces属の酵母へ、キシロース代謝に関与する遺伝子を導入し、キシロースを糖源としてエタノールの発酵収率が向上した酵母が開示されている。
ところで腸内細菌をはじめとする多くの微生物は、グルコース代謝経路としてエントナー・ドウドロフ(ED)経路を有している。同経路は6−ホスホグルコン酸から2−ケト−3−デオキシ−6−ホスホグルコン酸の反応を触媒する6−ホスホグルコンサンデヒドラターゼ(EDD)と2−ケト−3−デオキシ−6−ホスホグルコン酸アルドラーゼ(EDA)から成る。
特許文献3では、Saccharomyces属の酵母にエントナー・ドウドロフ(ED)経路に関わる遺伝子を導入して、グルコースの代謝経路を補強し、エントナー・ドウドロフ(ED)経路を介したエタノール発酵を向上させる試みが記載されている。同様に特許文献4にはEscherichia coliにエントナー・ドウドロフ(ED)経路に関わる遺伝子を導入し、グルコースからイソブタノール生産効率を向上させる試みが開示されている。
前述の通り、セルロース系バイオマスを加水分解して得られる主な糖成分としては、六炭糖であるグルコースや、五炭糖であるキシロース、アラビノースが混合して含まれるため、アルコール発酵微生物を改良して五炭糖を含む原料から微生物発酵によってアルコールを製造する方法など、五炭糖の有効利用について検討されてきたが、依然、五炭糖を原料でアルコール発酵した場合にはアルコール生産性が低いことに課題があった。
本発明者らは、エントナー・ドウドロフ(ED)経路が強化された微生物を用いることにより、五炭糖を含む原料からのアルコール生産能を向上させることができることを見出し、本発明を完成させるにいたった。
すなわち本発明は、以下の(1)〜(7)のとおりである。
(1)五炭糖を含む原料から主たる生産物としてアルコールを製造可能な微生物を培養することによるアルコールの製造方法であって、前記微生物がエントナー・ドウドロフ(ED)経路が強化された微生物であり、かつ、アルコールの対消費糖収率が、ED経路の強化前と比較して向上していることを特徴とする、アルコールの製造方法。
(2)前記微生物のアルコールの対消費糖収率が、ED経路の強化前と比較して、5%以上向上していることを特徴とする、(1)に記載のアルコールの製造方法。
(3)前記微生物が、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、6−ホスホグルコノラクトナーゼ、ホスホグルコン酸デヒドラターゼおよび2−デヒドロ−3−デオキシ−6−ホスホグルコン酸アルドラーゼなる郡からから選ばれる少なくとも1種をコードする遺伝子の発現が強化されている微生物であることを特徴とする、(1)または(2)に記載のアルコールの製造方法。
(4)アルコールがエタノールであることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載のアルコールの製造方法。
(5)前記微生物がEschericia属に属する微生物であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のアルコールの製造方法。
(6)前記微生物がEschericia coliであることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のアルコールの製造方法。
(7)前記五炭糖がキシロースまたはアラビノースであることを特徴とする、(1)〜(6)のいずれかに記載のアルコールの製造方法。
(1)五炭糖を含む原料から主たる生産物としてアルコールを製造可能な微生物を培養することによるアルコールの製造方法であって、前記微生物がエントナー・ドウドロフ(ED)経路が強化された微生物であり、かつ、アルコールの対消費糖収率が、ED経路の強化前と比較して向上していることを特徴とする、アルコールの製造方法。
(2)前記微生物のアルコールの対消費糖収率が、ED経路の強化前と比較して、5%以上向上していることを特徴とする、(1)に記載のアルコールの製造方法。
(3)前記微生物が、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、6−ホスホグルコノラクトナーゼ、ホスホグルコン酸デヒドラターゼおよび2−デヒドロ−3−デオキシ−6−ホスホグルコン酸アルドラーゼなる郡からから選ばれる少なくとも1種をコードする遺伝子の発現が強化されている微生物であることを特徴とする、(1)または(2)に記載のアルコールの製造方法。
(4)アルコールがエタノールであることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載のアルコールの製造方法。
(5)前記微生物がEschericia属に属する微生物であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のアルコールの製造方法。
(6)前記微生物がEschericia coliであることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のアルコールの製造方法。
(7)前記五炭糖がキシロースまたはアラビノースであることを特徴とする、(1)〜(6)のいずれかに記載のアルコールの製造方法。
微生物のエントナー・ドウドロフ(ED)経路を強化することによって、五炭糖を含む原料からの効率的なアルコール発酵が可能となり、食糧との競合が不可避のグルコースを主体とした原料(セルロースやでんぷん質)ではなく、食糧と競合せず、かつ容易に手に入るセルロース系バイオマスを加水分解して得られる糖成分に含まれるキシロース、アラビノースを原料とした効率的なアルコール生産法を達成することになり、大きな社会的効果が期待される。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明において用いられる微生物は、五炭糖を含む原料から主たる生産物としてアルコールを製造可能であり、エントナー・ドウドロフ(以下EDと略す)が強化された微生物である。
本発明において、「五炭糖を含む原料」とは、炭素源としてキシロース、アラビノース、リブロース、リボース、キシルロースのような五炭糖に加えて、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトースのような六炭糖、あるいはシュークロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、セロビオースのような二糖類、あるいはグリセロール等の糖類を原料に含むことをいうが、これに限られるものではない。
本発明において、「主たる生産物として」とは、微生物が少なくとも20%以上でアルコールを製造することをいう。
本発明において、「アルコール」とは、例えばエタノール、ブタノール、イソブタノール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオールを含むブタンジオール、メタノール、あるいはエリスリトール、ソルビトール、キシリトールなどの糖アルコール、1,3−プロパンジオール、グリセロールなどが挙げられ、好ましくは、エタノール、イソブタノール、ブタノール、キシリトール、さらに好ましくはエタノールである。
本発明において、五炭糖を含む原料からアルコールを製造可能であるとは、本発明の微生物を培養したときに、培地中に存在する五炭糖を資化し、代謝可能な能力をいう。五炭糖資化能は具体的には、キシロース、アラビノース、リブロース、リボース、キシルロースのような五炭糖の資化性が挙げられるが、これに限定されない。五炭糖資化能は、微生物の生来の性質として有するものであってもよく、本来的には五炭糖資化性を有しない微生物に対して、育種によって付与または増強された性質であってもよい。
本発明で用いる育種は、例えば突然変異、細胞融合、遺伝子組換え等の技術がある。突然変異技術としては薬物処理や紫外線処理などが挙げられる。
育種によって、五単糖の資化性能を付与および/または増強する場合、例えば以下に挙げる五単糖の資化に関する酵素をコードする遺伝子断片を微生物に導入したり、遺伝子のプロモーター等の発現調節配列を強力なものに置換したりすることができる。五炭糖の資化に関する酵素は、例えばキシロースイソメラーゼ(XI)、キシロースレダクダーゼ(XR)、キシロースデハイドロゲナーゼ(XDH)などが候補として挙げられる。
五炭糖の資化能を生来有する微生物は、Escherichia coli,Bacillus subtilis,Bacillus palidus,Bacillus stearothermophilus,Salmonella typhimurium,Mycobacterium smegmatis、Azospirillum brasiliense,Herbaspirillum seropedicae,Bifidobacterium longum,Trichoderma reesei,Lactobacillus plantarum,Ambrosiozyma monospora,Burkholderia uboniae、さらにはPichia Guilliemondii,Scheffersomyces stipitis(Pichia stipitis),Candida arabinofermentans,Candida intermedia,Candida tropicalis, Candida parapsilosis,Kluyveromyces maxianus,Brettanomyces bruxellensis,Bretannomyces naardenensisなどが挙げられる。育種には、突然変異、細胞融合、遺伝子組換え等の技術がある。突然変異技術としては薬物処理や紫外線処理がある。
本発明において、「エントナー・ドウドロフ(ED)経路が強化された微生物」とは、微生物本来の性質として、ED経路に関する遺伝子を有している微生物に対して、育種によってED経路が強化された微生物であっても良いし、本来的にはED経路を有さない微生物に対し、育種によってED経路を付与および/または強化された微生物であってもよい。
ED経路に関する遺伝子とは、6−ホスホグルコン酸デヒドラターゼ(以下、EDDと略す)、2−ケト−3−デオキシ−6−ホスホグルコン酸アルドラーゼ(以下、EDAと略す)、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ(以下、ZWFと略す)、6−ホスホグルコノラクトナーゼ(以下、PGLと略す)をコードする遺伝子である。
ED経路が強化された微生物は、細胞あたりのEDDおよび/またはEDAおよび/またはZWFおよび/またはPGLの活性が、ED経路を強化する前のそれよりも高くなったことをいう。例えば、細胞あたりのEDDまたはEDAまたはZWFまたはPGL分子の数が増加した場合や、EDDまたはEDAまたはZWFまたはPGL分子あたりのEDDまたはEDAまたはZWFまたはPGLの比活性が上昇した場合などが該当する。ED経路の活性測定の方法は、例えば6−ホスホグルコン酸から2−ケト−3−オキシ−6−ホスホグルコン酸を経由して、ピルビン酸を産生する反応の活性を測定することで決定することができる。反応は、菌体破砕液に6−ホスホグルコン酸を反応させ、産生されたピルビン酸を乳酸脱水素酵素で乳酸に変換する際に減少するNADH量によって検出できる。
微生物のEDD活性および/またはEDD活性および/またはZWF活性および/またはPGL活性の強化方法は、特に限定はないが、例えば、EDDおよび/またはEDAおよび/またはZWFおよび/またはPGLをコードする遺伝子断片を、目的とする微生物で機能するベクター、好ましくはマルチコピー型のベクターと連結して組換えDNAを作成し、これを同微生物に導入すればよい。EDD活性およびEDA活性およびZWF活性およびPGL活性のすべてを強化する場合は、EDDおよびEDAおよびZWFおよびPGLをコードする遺伝子断片は、それぞれ別個に異なるベクターに搭載しても良いが、同じベクターに搭載することが好ましい。
ED経路を構成する酵素EDDおよびEDAおよびZWFおよびPGLをそれぞれコードする遺伝子eddおよびedaおよびzwfおよびpglは、ED経路を有する微生物由来の遺伝子のいずれも使用することができる。具体的には、Escherichia coliやZymomonas mobilis等よりクローン化されている。これらの遺伝子の配列に基づいて作成したプライマーを用いたPCR(PCR:white,T.J. et al., Trends Genet.5,185(1989))、または上記遺伝子の配列に基づいて作成したプローブを用いたハイブリダイゼーションによって、eddおよびedaおよびzwfおよびpgl遺伝子を取得することができる。例えばZymomonas属のeddおよびedaおよびzwfおよびpglを含むオペロン断片は、後述のPCR法によって取得することができる。他の微生物のeddおよびedaおよびzwfおよびpglも同様にして取得されうる。前記ハイブリダイゼーションの条件は、1×SSCおよび0.1%SDSに相当する塩濃度で、温度は60℃で洗浄が行われる条件が挙げられる。
染色体DNAは、DNA供与体である微生物から、例えば”Genとるくん”(タカラバイオ社製)等を用いて調製することができる。
PCR法により増幅されたeddおよび/またはedaおよび/またはzwfおよび/またはpgl遺伝子は、Escherichia coli等の細胞内において自律複製可能なベクターDNAに接続して組換えDNAを調整し、これをEscherichia coliに導入しておくと、後の操作がしやすくなる。Escherichia coli細胞内において自律複製可能なベクターとしては、pMW219、pSTV28,pUC18、pUC19、pHSG299、pHSG399、pHSG398、RSF1010、pBR322、pACYC184等が挙げられる。大腸菌の選択マーカーとしては、アンピシリン耐性遺伝子又はカナマイシン耐性遺伝子等の抗生物質耐性遺伝子が挙げられる。
調節配列としては、GAPDH(グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ)プロモーター、ADH(アルコールデヒドロゲナーゼ)プロモーター、GAPDHターミネーターが挙げられる。しかしながら、発現ベクターはこれらに限定されるものではない。上記発現ベクターのプロモーター下流にZymomonas等由来のeddおよび/またはedaおよび/またはzwfおよび/またはpgl遺伝子を導入することにより、該遺伝子を発現可能なベクターが得られる。
上記で得られたED経路の遺伝子発現ベクターまたはPCR断片を微生物に導入するには、形質転換、形質導入、トランスフェクション、コトランスフェクションまたはエレクトロポレーション等の方法を用いることができる。
eddおよび/またはedaおよび/またはzwfおよび/またはpgl遺伝子のコピー数を高めることは、これらの遺伝子を染色体DNA上に多コピー存在させることによっても達成できる。微生物の染色体DNA上にeddおよび/またはedaおよび/またはzwfおよび/またはpgl遺伝子を多コピーで導入するには、染色体DNA上に多コピー存在する配列を標的に利用して相同組換えにより行う。あるいは、特開平2−109985号公報に開示されているように、eddおよび/またはedaおよび/またはzwfおよび/またはpgl遺伝子をトランスポゾンに搭載してこれを転移させて染色体DNA上に多コピー導入することも可能である。
EDDおよび/またはEDAおよび/またはZWFおよび/またはPGL活性の強化は、前記の遺伝子による以外に、染色体DNA上またはプラスミド上のeddおよび/またはedaおよび/またはzwfおよび/またはpgl遺伝子のプロモーター等の発現調節配列を強力なものに置換することによっても達成される。例えば、lacプロモーター、trcプロモーター等が強力なプロモーターとして知られている。これら発現調節配列の改変は、eddおよび/またはedaおよび/またはzwfおよび/またはpgl遺伝子のコピー数を高めることと組み合わせてもよい。
微生物のアルコールを製造する能力は、微生物の生来の性質として有するものであってもよいし、育種によって付与されたり、増強されたりしたものであってもよい。
育種によって、微生物に目的とするアルコールを生産する能力を付与および/または増強する場合、例えば以下に挙げるアルコールの生合成を触媒する酵素をコードする遺伝子断片を微生物に導入したり、遺伝子のプロモーター等の発現調節配列を強力なものに置換したりすることができる。
目的とするアルコールがエタノールである場合には、アルコールデヒドロゲナーゼ、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ(pdc)、ピルビン酸キナーゼ(pyk)、エノラーゼ(eno)、ホスホグリセロムターゼ(gpmA)、ホスホグリセリン酸キナーゼ(pgk)、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(gap)、トリオースリン酸イソメラーゼ(tpi)、フルクトースビスリン酸アルドラーゼ(fba)、ホスホフルクトキナーゼ(pfk)、グルコースリン酸イソメラーゼ(pgi)等の酵素が挙げられる。アルコールがブタノールあるいはイソブタノールである場合には、アセト乳酸シンターゼ、ケトール酸レダクトイソメラーゼ、ジヒドロキシ酸デヒドラターゼ、2−ケト酸デカルボキシラーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、ケトール酸レダクトイソメラーゼ、アセトヒドロキシ酸デヒドラターゼ、バリンデヒドロゲナーゼあるいはトランスアミナーゼ、バリンカルボキシラーゼ、オメガトランスアミナーゼ、分岐鎖アミノ酸アルコールデヒドロゲナーゼ等の酵素が挙げられる。
また、上記の方法以外にも、目的とするアルコールの生合成経路から分岐して他の化合物を生成する反応を触媒する酵素の活性を低下、あるいは欠損させて、アルコールの生性能を付与および/または増強しても良い。
本発明で使用する微生物はED経路が強化された微生物であれば制限はないが、Escherichia属が挙げられる。好ましくはEscherichia coliであって、具体的には、KO11株が好ましい。
本発明のED経路が強化された微生物を培養することにより、対消費糖収率として少なくとも20%以上で培地中にアルコールを製造することができる。対糖消費収率として少なくとも20%以上で培地中にアルコールを製造することは、後の工程であるアルコールの蒸留収率を向上させるなど、エネルギー効率の面からも利点がある。アルコールは、さらに好ましくは、30%以上、さらに好ましくは40%以上で培地中に製造できる。
本発明のED経路が強化された微生物を用いて、五単糖を含む原料からアルコールを製造した場合、ED経路の強化前と比較して、高い対消費糖収率で五単糖を含む原料からアルコールを製造することができるが、その程度として、ED経路の強化前と比較して5%以上向上していることが好ましい。対消費糖収率(%)は、次の式(1)により求められる。
対消費糖収率(g/g)={培養後の培地中のアルコール濃度(g/L)×培地の量(L)}÷{培養前の培地の糖濃度(g/L)×培地の量−培養後の培地の残糖濃度(g)×培地の量(L)}×100・・・(式1)。
本発明のアルコールの製造方法において使用する培地としては、培養する微生物の生育を促し、目的とするアルコールを良好に生産させうるものであれば特に限定はないが、炭素源、窒素源、無機塩類、及び必要に応じてアミノ酸、ビタミンなどの有機微量栄養素を適宜含有する液体培地が好ましい。炭素源としては、上記に示した通りだが、これら糖類を含有する澱粉糖化液、甘藷糖蜜、甜菜糖蜜、ハイテストモラセス、更には酢酸等の有機酸、エタノ−ルなどのアルコ−ル類、グリセリンなども単独、あるいは他の炭素源と併用して使用される。これらの中では、グルコース、キシロース、アラビノースが好ましい。窒素源としてはアンモニアガス、アンモニア水、アンモニウム塩類、尿素、硝酸塩類、その他補助的に使用される有機窒素源が使用される。有機窒素源は、例えば、油粕類、大豆加水分解液、カゼイン分解物、各種アミノ酸、ビタミン類、コーンスティープリカ−、酵母、酵母エキス、肉エキス、ペプトン等のペプチド類、各種発酵菌体またはその加水分解物である。無機塩類としてはリン酸塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、鉄塩、マンガン塩等を適宜添加することができる。本発明に使用する微生物が生育のために特定の栄養素を必要とする場合には、その栄養物を標品もしくはそれを含有する天然物として添加する。また、消泡剤も必要に応じて使用する。
導入する発現ベクターを微生物内に保持させるのであれば、選択マーカーによる選択圧をかけた培地を用いることが好ましい。培地としては、例えば、ベクターの持つ選択マーカーに符号するアミノ酸を除去した合成培地などが挙げられる。
本発明のアルコールの製造方法において微生物の培養方法は、特に限定されないが例えば、以下のような培養方法でアルコールを製造することができる。まず、本発明の微生物を前培養し、前培養液を新しい培地に移して本培養することにより、培養液中にアルコールを製造することができる。培養温度は、菌株の増殖が実質的に阻害されず目的とするアルコール生産し得る範囲であれば特に制限されるものでないが、好ましくは20〜40℃の範囲の温度である。培養には、静置、撹拌または振とうのいずれの方法も採用し得る。菌体は好気条件、嫌気条件いずれの場合も増殖が進行する。反応は、連続式で行っても、フェドバッチ式でもバッチ式で行っても良い。培養開始から適当な時間が経過してから培地を回収してアルコールを分離、精製することができる。分離、精製する方法は、特に限定されないが、アルコールが、エタノール、ブタノール、イソブタノール、2,3−ブタンジオール、メタノールなどの場合、蒸留又は浸透気化膜を用いる方法などが挙げられる。アルコールが、エリスリトール、ソルビトール、キシリトールなどの場合、硫安塩析、水酸化亜鉛吸着などによる除タンパク、活性炭吸着による脱色、イオン交換樹脂による脱塩などの方法が挙げられる。
得られたアルコールの測定法に特に制限はないが、例えば、HPLCを用いる方法や、“F−キット”(ロシュ社製)を用いる方法などがある。
以下、実施例を用いて本発明を説明する。しかし、本発明はこの実施例によって制限されないものとする。また、対消費糖収率は、式(1)に従って値を算出した。
(参考例1 ED経路関連遺伝子強発現用プラスミドpRA17の構築)
ED経路に関連する遺伝子、zwf,edd,eda、pglをZymomonas mobilis subsp.mobilis ZM4よりクローン化した。Zymomonas mobilis subsp.mobilis ZM4より“Genとるくん”(タカラバイオ社製)を用いてゲノムDNAを抽出した後、該ゲノムDNAを鋳型として、PCR法(タカラバイオ社製“KOD Plus”を使用)により各遺伝子zwf−edd、eda、pglを増幅した。Zymomonas mobilis subsp.mobilis ZM4においては、zwfとeddはオペロンを形成している。そこで両遺伝子を同時に増幅できるプライマー、ED005(配列番号5)及びED006(配列番号6)を設計し、PCRにより両遺伝子を含むDNA断片を増幅した。同様に、edaを増幅させるプライマーとしてED007(配列番号7)及びED008(配列番号8)を、pglを増幅させるプライマーとしてED009(配列番号9)及びED010(配列番号10)を設計しそれぞれの遺伝子断片を増幅した。
ED経路に関連する遺伝子、zwf,edd,eda、pglをZymomonas mobilis subsp.mobilis ZM4よりクローン化した。Zymomonas mobilis subsp.mobilis ZM4より“Genとるくん”(タカラバイオ社製)を用いてゲノムDNAを抽出した後、該ゲノムDNAを鋳型として、PCR法(タカラバイオ社製“KOD Plus”を使用)により各遺伝子zwf−edd、eda、pglを増幅した。Zymomonas mobilis subsp.mobilis ZM4においては、zwfとeddはオペロンを形成している。そこで両遺伝子を同時に増幅できるプライマー、ED005(配列番号5)及びED006(配列番号6)を設計し、PCRにより両遺伝子を含むDNA断片を増幅した。同様に、edaを増幅させるプライマーとしてED007(配列番号7)及びED008(配列番号8)を、pglを増幅させるプライマーとしてED009(配列番号9)及びED010(配列番号10)を設計しそれぞれの遺伝子断片を増幅した。
また、Escherichia coli JM109より”Genとるくん”を用いてゲノムDNAを抽出した後、該ゲノムDNAを鋳型として、PCR法によりGAPDH promoterを含む遺伝子断片を2組のプライマーでそれぞれ増幅した。ED001(配列番号1)及びED002(配列番号2)を使用して増幅した遺伝子断片をGAPDH promoter断片1とし、ED003(配列番号3)及びED004(配列番号4)を使用して得られた遺伝子断片を、GAPDH promoter断片2とした。
GAPDH promoter断片1と前述したzwf−eddを鋳型として、プライマーED001及びED006を使用し、GAPDH promoter−zwf−eddを増幅した。また、GAPDH promoter断片2とedaを鋳型として、プライマーED003及びED008を使用し、GAPDH promoter−edaを増幅した。さらに、GAPDH promoter−edaとpglを鋳型として、プライマーにED003及びED010を使用することで、GAPDH promoter−eda−pglを増幅したGAPDH promoter−zwf−edd断片をSacI及びXbaIで処理し、pUC18のマルチクローニングサイトに挿入し、pRA15を作製した。また、GAPDH promoter−eda−pgl断片はXbaI及びSalIで処理し、同じくpUC18のマルチクローニングサイトに挿入し、pRA16を作製した。さらに、pRA15をSacI及びXbaIで処理し、切り出したGAPDH promoter−zwf−edd断片をpRA16に挿入し、pRA17を作製した。
(参考例2 ED経路が強化された大腸菌の作製)
作製したpRA17をエタノール発酵大腸菌KO11に形質転換し、ED経路が強化された大腸菌RA34株とした。また、RA34株のED経路が強化される前の微生物として、pUC18をKO11に形質転換し、RA36株を作製し、ED経路が強化されていない大腸菌を作成し、比較例として用いた。
作製したpRA17をエタノール発酵大腸菌KO11に形質転換し、ED経路が強化された大腸菌RA34株とした。また、RA34株のED経路が強化される前の微生物として、pUC18をKO11に形質転換し、RA36株を作製し、ED経路が強化されていない大腸菌を作成し、比較例として用いた。
(参考例3 ED経路の活性測定)
ED経路が強化された大腸菌のED経路の活性が強化されていることを検証するため、参考例2で作製したRA36株とRA34株の菌体破砕を用いて活性測定を行った。ED経路活性測定に用いた反応経路を図1に示した。ED経路の活性測定方法は、RA36株及びRA34株の菌体破砕液に6−ホスホグルコン酸を反応させ、6−ホスホグルコン酸から2−ケト−3−デオキシ−6−ホスホグルコン酸を経由して、ピルビン酸を産生する反応を利用して測定した。産生されたピルビン酸にL−乳酸脱水素酵素とNADHを反応させL−乳酸に変換する際に減少するNADH量を元に、産生されたピルビン酸量を測定し、間接的にED経路の活性を確認した。
ED経路が強化された大腸菌のED経路の活性が強化されていることを検証するため、参考例2で作製したRA36株とRA34株の菌体破砕を用いて活性測定を行った。ED経路活性測定に用いた反応経路を図1に示した。ED経路の活性測定方法は、RA36株及びRA34株の菌体破砕液に6−ホスホグルコン酸を反応させ、6−ホスホグルコン酸から2−ケト−3−デオキシ−6−ホスホグルコン酸を経由して、ピルビン酸を産生する反応を利用して測定した。産生されたピルビン酸にL−乳酸脱水素酵素とNADHを反応させL−乳酸に変換する際に減少するNADH量を元に、産生されたピルビン酸量を測定し、間接的にED経路の活性を確認した。
以下ED経路の活性測定方法を示す。前培養として、LB培地5mLが入った試験管に1白金耳量のRA36株及びRA34株の菌体を植菌し、37℃、16時間往復振とう培養した(125rpm)。
本培養として、LB培地50mLが入った500mL容の三角フラスコに前培養液500μL(1vol%)を植菌し、37℃、6時間回転振とう培養した(125rpm)。
前処理として、本培養液1mLを採取し、遠心分離装置を用いて菌体を沈殿させ、上清を捨てた後、M9saltで再懸濁した。次に、再び遠心分離装置を用いて菌体を沈殿させ、M9saltで2度洗浄し、ビストリスバッファー(同仁化学研究所製)1mLで再懸濁した。また、ジルコニアビーズが100μL程度入ったビーズ破砕用チューブに菌体懸濁液を添加し、4000rpm、1分間(インターバル3分間)のビーズ破砕を5回行った。また、10000×g 、10分間、4℃で遠心分離を行い、上清を新しいチューブへ移した。
活性測定として、ED経路反応液を次のように調製した。菌破砕液140μLに対し、MgCl2溶液(最終濃度10mM)、6−ポリプロピレングリコール溶液(最終濃度2mM)となるように混合した200μLの溶液をED経路反応液として、30℃、30分間インキュベートした。なお、破砕液の残りはタンパク量測定に使用した。タンパク量測定には、Quick Start Bradfordプロテインアッセイ(BIORAD社製)を使用した。LDH反応の各溶液の添加量は、ED経路反応液100μLに対し、NADH溶液(最終濃度1mM)、LDH(最終濃度0.63U/mL)となるようにビストリスバッファー(同仁化学研究所製)で調製して反応させた。
ビストリスバッファーは30℃に保温しておき、反応直前にNADH、ED経路反応液を混合し、L−乳酸脱水素酵素液(Leuconostoc meseuteroids由来, オリエンタル酵母社製)の入ったキュベットに添加し、NADHの減少に伴う340nmでの吸光度の減少を反応開始から10分間経時的に測定した。このときのNADHの減少量がピルビン酸産生量と等しく、ED経路活性が得られる。なお、活性はタンパク量で標準化した。RA34株についても同様の測定を行った。RA36株はED経路の活性が検出されなかったのに対し、RA34はED経路の活性が検出され、ED経路が強化されていることが確認された。
(参考例4 培地中の生成物の定量方法)
以下に高速液体クロマトグラフィー(HPLC、株式会社島津製作所製)による培養液中の成分の濃度測定条件を示す。
以下に高速液体クロマトグラフィー(HPLC、株式会社島津製作所製)による培養液中の成分の濃度測定条件を示す。
培養液中のキシロース、アラビノース、エタノールの濃度は、下記に示すHPLC条件で、標品との比較により定量した。
カラム:Shodex SH1011(株式会社昭和電工製)
移動相:5mM 硫酸(流速0.6mL/分)
反応液:なし
検出方法:RI(示差屈折率)
温度:65℃。
移動相:5mM 硫酸(流速0.6mL/分)
反応液:なし
検出方法:RI(示差屈折率)
温度:65℃。
培養液中の乳酸、酢酸、ギ酸を下記に示すHPLC条件で標品との比較により定量した。
カラム:Shim−Pack SPR−H(株式会社島津製作所製)
移動相:5mM p−トルエンスルホン酸(流速0.8mL/min)
反応液:5mM p−トルエンスルホン酸、20mM ビストリス、0.1mM EDTA・2Na(流速0.8mL/min)
検出方法:電気伝導度
温度:45℃。
カラム:Shim−Pack SPR−H(株式会社島津製作所製)
移動相:5mM p−トルエンスルホン酸(流速0.8mL/min)
反応液:5mM p−トルエンスルホン酸、20mM ビストリス、0.1mM EDTA・2Na(流速0.8mL/min)
検出方法:電気伝導度
温度:45℃。
(実施例1 好気条件下でのキシロース原料とするED経路が強化された大腸菌によるエタノール生産)
ED経路の強化が五炭糖を原料とするエタノール生産に与える影響を検討するために参考例2で作製したRA34株のエタノール生産性について、培養評価した。評価培地には20g/L キシロース、20g/L (NH4)2SO4、1g/L NH4Cl、0.4g/LMgSO4・7H2O、0.525g/L NaCl、3g/L KH2PO4、6g/L Na2HPO4・12H2O、7.35mg/L CaCl2・2H2O、20mg/L FeSO4・7H2O、2mg/L MnSO4・4H2O、0.02mg/L ZnSO4・7H2O、0.54mg/L CuSO4・5H2O、0.08mg/L (NH4)6Mo7O24・4H2O、0.176mg/L Na2MoO4・2H2O、0.176mg/L Na2B4O7・7H2O、1.74mg/L FeCl3・6H2O、0.0144mg/L MnCl2・4H2O、0.03mg/L Biotine、1mg/LThiamine・HClを含む培地を調製した。培地はクエン酸−リン酸バッファーによりpHを6.0付近に保った。培養は、攪拌120rpmで行った。
ED経路の強化が五炭糖を原料とするエタノール生産に与える影響を検討するために参考例2で作製したRA34株のエタノール生産性について、培養評価した。評価培地には20g/L キシロース、20g/L (NH4)2SO4、1g/L NH4Cl、0.4g/LMgSO4・7H2O、0.525g/L NaCl、3g/L KH2PO4、6g/L Na2HPO4・12H2O、7.35mg/L CaCl2・2H2O、20mg/L FeSO4・7H2O、2mg/L MnSO4・4H2O、0.02mg/L ZnSO4・7H2O、0.54mg/L CuSO4・5H2O、0.08mg/L (NH4)6Mo7O24・4H2O、0.176mg/L Na2MoO4・2H2O、0.176mg/L Na2B4O7・7H2O、1.74mg/L FeCl3・6H2O、0.0144mg/L MnCl2・4H2O、0.03mg/L Biotine、1mg/LThiamine・HClを含む培地を調製した。培地はクエン酸−リン酸バッファーによりpHを6.0付近に保った。培養は、攪拌120rpmで行った。
前培養として、LB培地5mLが入った試験管に1白金耳量のRA34株の菌体を植菌し、37℃、16時間、125rpmで往復振とう培養した。
本培養として、上述の評価培地20mLを50 mL容の三角フラスコに入れ、前培養液500μLを植菌し培養を行った。培養24時間後における培地中のキシロース濃度、エタノール濃度を参考例4に示した方法により測定した。残糖濃度、消費糖あたりのエタノール収率、エタノール生産速度を表1に示す。
(比較例1 好気条件下におけるキシロースを原料とするED経路を強化していない大腸菌によるエタノール生産)
RA34株の代わりに参考例2で作製したRA36株を用いた以外は、実施例1と同様の条件で培養評価を行った。培養24時間後の結果を表1に示す。この結果、ED経路を強化していない大腸菌によるエタノールの生産は、実施例1と比べて、五炭糖であるキシロースの消費量が低下すると同時に、エタノール生産性も低下することが示された。
RA34株の代わりに参考例2で作製したRA36株を用いた以外は、実施例1と同様の条件で培養評価を行った。培養24時間後の結果を表1に示す。この結果、ED経路を強化していない大腸菌によるエタノールの生産は、実施例1と比べて、五炭糖であるキシロースの消費量が低下すると同時に、エタノール生産性も低下することが示された。
(実施例2 嫌気条件下でのキシロースを原料とするED経路が強化された大腸菌によるエタノール生産)
前培養として、LB培地5mLが入った試験管に1白金耳量のRA34株の菌体を植菌し、37℃、16時間、125rpmで往復振とう培養した。本培養として、20g/Lキシロースとなるよう上述の評価培地50mL容の三角フラスコに50mL入れ、前培養液500μLを植菌し培養を行った。培養中は、逆止弁をつけて嫌気状態を保った。培養24時間後における培養液中のキシロース濃度、エタノール濃度を参考例4に示した方法により測定した。残糖濃度、消費糖あたりのエタノール収率、エタノール生産速度を表1に示す。
前培養として、LB培地5mLが入った試験管に1白金耳量のRA34株の菌体を植菌し、37℃、16時間、125rpmで往復振とう培養した。本培養として、20g/Lキシロースとなるよう上述の評価培地50mL容の三角フラスコに50mL入れ、前培養液500μLを植菌し培養を行った。培養中は、逆止弁をつけて嫌気状態を保った。培養24時間後における培養液中のキシロース濃度、エタノール濃度を参考例4に示した方法により測定した。残糖濃度、消費糖あたりのエタノール収率、エタノール生産速度を表1に示す。
(比較例2 嫌気条件下におけるキシロースを原料とするED経路を強化していない大腸菌によるエタノール生産)
RA34株の代わりに参考例2で作製したRA36株を用いた以外は実施例2と同様の条件で培養評価を行った。培養24時間後の結果を表1に示す。この結果、ED経路を強化していない大腸菌によるエタノールの生産は、実施例2と比べて、五単糖であるキシロースの消費量が低下すると同時に、エタノール生産性も低下することが示された。
RA34株の代わりに参考例2で作製したRA36株を用いた以外は実施例2と同様の条件で培養評価を行った。培養24時間後の結果を表1に示す。この結果、ED経路を強化していない大腸菌によるエタノールの生産は、実施例2と比べて、五単糖であるキシロースの消費量が低下すると同時に、エタノール生産性も低下することが示された。
(実施例3 好気条件下でのアラビノースを原料とするED経路が強化された大腸菌によるエタノール生産)
キシロース 20g/Lの代わりにアラビノース 20g/Lとなるよう評価培地を調製したした以外は、実施例1と同様の条件で培養を行った。培養24時間後における培養液中のアラビノース濃度を参考例4に示す方法により測定した。培養24時間後における培養液中のアラビノース濃度、エタノール濃度を参考例4に示した方法により測定した。残糖濃度、消費糖あたりのエタノール収率、エタノール生産速度を表1に示す。
キシロース 20g/Lの代わりにアラビノース 20g/Lとなるよう評価培地を調製したした以外は、実施例1と同様の条件で培養を行った。培養24時間後における培養液中のアラビノース濃度を参考例4に示す方法により測定した。培養24時間後における培養液中のアラビノース濃度、エタノール濃度を参考例4に示した方法により測定した。残糖濃度、消費糖あたりのエタノール収率、エタノール生産速度を表1に示す。
(比較例3 好気条件下におけるアラビノースを原料とするED経路を強化していない大腸菌によるエタノール生産)
RA34株の代わりに参考例2で作製したRA36株を用いた以外は、実施例3と同様の条件で培養評価を行った。培養24時間後の結果を表1に示す。この結果、ED経路を強化していない大腸菌によるエタノールの生産は、実施例3と比べて、五単糖であるアラビノースの消費量が低下すると同時に、エタノール生産性も低下することが示された。
RA34株の代わりに参考例2で作製したRA36株を用いた以外は、実施例3と同様の条件で培養評価を行った。培養24時間後の結果を表1に示す。この結果、ED経路を強化していない大腸菌によるエタノールの生産は、実施例3と比べて、五単糖であるアラビノースの消費量が低下すると同時に、エタノール生産性も低下することが示された。
(実施例4 嫌気条件下でのアラビノースを原料とするED経路が強化された大腸菌によるエタノール生産)
キシロース 20g/Lの代わりにアラビノース 20g/Lとなるよう評価培地を調製したした以外は、実施例2と同様の条件で培養を行った。培養24時間後における培養液中のアラビノース濃度、エタノール濃度を参考例4に示した方法により測定した。残糖濃度、消費糖あたりのエタノール収率、エタノール生産速度を表1に示す。
キシロース 20g/Lの代わりにアラビノース 20g/Lとなるよう評価培地を調製したした以外は、実施例2と同様の条件で培養を行った。培養24時間後における培養液中のアラビノース濃度、エタノール濃度を参考例4に示した方法により測定した。残糖濃度、消費糖あたりのエタノール収率、エタノール生産速度を表1に示す。
(比較例4 嫌気条件下におけるアラビノースを原料とするED経路を強化していない大腸菌によるエタノール生産)
RA34株の代わりに参考例2で作製したED経路の強化前のRA36株を用いた以外は、実施例4と同様の条件で培養評価を行った。培養24時間後の結果を表1に示す。この結果、ED経路を強化していない大腸菌によるエタノールの生産は、実施例4と比べて、五単糖であるアラビノースの消費量が低下すると同時に、エタノール生産性も低下することが示された。
RA34株の代わりに参考例2で作製したED経路の強化前のRA36株を用いた以外は、実施例4と同様の条件で培養評価を行った。培養24時間後の結果を表1に示す。この結果、ED経路を強化していない大腸菌によるエタノールの生産は、実施例4と比べて、五単糖であるアラビノースの消費量が低下すると同時に、エタノール生産性も低下することが示された。
(実施例5 ED経路が強化された大腸菌によるエタノール発酵において産生する副産物)
実施例1、実施例2、実施例3及び実施例4で得られた培養液中の酢酸、乳酸、ギ酸を参考例4に示す方法により測定した。表2に消費糖あたりの酢酸、乳酸及びギ酸の収率を示した。
実施例1、実施例2、実施例3及び実施例4で得られた培養液中の酢酸、乳酸、ギ酸を参考例4に示す方法により測定した。表2に消費糖あたりの酢酸、乳酸及びギ酸の収率を示した。
(比較例5 ED経路を強化していない大腸菌によるエタノール発酵において産生する副産物)
比較例1、比較例2、比較例3及び比較例4で得られた培養液中の酢酸、乳酸及びギ酸を参考例4に示す方法により測定した。表2に消費糖あたりの酢酸、乳酸、ギ酸の収率を示した。この結果、ED経路を強化していない大腸菌によるエタノールの生産は、エタノール以外の副産物が増加することが示された。
比較例1、比較例2、比較例3及び比較例4で得られた培養液中の酢酸、乳酸及びギ酸を参考例4に示す方法により測定した。表2に消費糖あたりの酢酸、乳酸、ギ酸の収率を示した。この結果、ED経路を強化していない大腸菌によるエタノールの生産は、エタノール以外の副産物が増加することが示された。
実施例1〜5、比較例1〜5の結果より、ED経路が強化された微生物を用いて、五炭糖を含む原料からアルコールを製造すると、ED経路の強化前と比較して、対消費糖収率が5%以上向上することがわかった。
(実施例6 五炭糖を原料とするED経路が強化された大腸菌の培養液から産生したエタノールの蒸留)
発酵工程だけでは濃度が数%であるエタノールを、燃料として使用可能な濃度にまで高めるため、実施例1、実施例2、実施例3及び実施例4で得られた培養液の蒸留を行った。操作は特許文献(特開2008−182925号)等に開示されている手法に従った。結果を表3に示す。
発酵工程だけでは濃度が数%であるエタノールを、燃料として使用可能な濃度にまで高めるため、実施例1、実施例2、実施例3及び実施例4で得られた培養液の蒸留を行った。操作は特許文献(特開2008−182925号)等に開示されている手法に従った。結果を表3に示す。
(比較例6 五炭糖を原料とするED経路を強化していない大腸菌の培養液から産生したエタノールの蒸留)
実施例6と同様の条件で比較例1、比較例2、比較例3及び比較例4で得られた培養液の蒸留を実施例6と同じ方法で行った。結果を表3に示す。この結果、実施例5と比較例5で示されたように、ED経路を強化していない大腸菌によるエタノールの発酵では、培養液中の副産物量が多いため、エタノールの蒸留収率も低下することが示された。
実施例6と同様の条件で比較例1、比較例2、比較例3及び比較例4で得られた培養液の蒸留を実施例6と同じ方法で行った。結果を表3に示す。この結果、実施例5と比較例5で示されたように、ED経路を強化していない大腸菌によるエタノールの発酵では、培養液中の副産物量が多いため、エタノールの蒸留収率も低下することが示された。
本発明は、五炭糖を含む原料よりアルコールを製造する方法に利用される。
Claims (7)
- 五炭糖を含む原料から主たる生産物としてアルコールを製造可能な微生物を培養することによるアルコールの製造方法であって、前記微生物がエントナー・ドウドロフ(ED)経路が強化された微生物であり、かつ、アルコールの対消費糖収率が、ED経路の強化前と比較して向上していることを特徴とする、アルコールの製造方法。
- 前記微生物のアルコールの対消費糖収率が、ED経路の強化前と比較して、5%以上向上していることを特徴とする、請求項1に記載のアルコールの製造方法。
- 前記微生物が、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、6−ホスホグルコノラクトナーゼ、ホスホグルコン酸デヒドラターゼおよび2−デヒドロ−3−デオキシ−6−ホスホグルコン酸アルドラーゼなる郡からから選ばれる少なくとも1種をコードする遺伝子の発現が強化されている微生物であることを特徴とする、請求項1または2に記載のアルコールの製造方法。
- アルコールがエタノールであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のアルコールの製造方法。
- 前記微生物がEschericia属に属する微生物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のアルコールの製造方法。
- 前記微生物がEschericia coliであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のアルコールの製造方法。
- 前記五炭糖がキシロースまたはアラビノースであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のアルコールの製造方法。
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