JPWO2014208450A1 - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

プラス側導電部材であるバスバ(4)の平板形状部(4a)、マイナス側導電部材であるバスバ(10)の平板形状部(10a)、及び出力側導電部材であるバスバ(7)の平板形状部(7a)を、第1半導体素子(5)及び第2半導体素子(8)の主面に対して、略平行となるように配置する。こうすることにより、各平板形状部(4a,7a,10a)間の領域と第1半導体素子(5)及び第2半導体素子(8)との間の容量結合を高めることができ、装置全体のインダクタンスを低減することができる。

Description

本発明は、複数のスイッチング素子を作動させるインバータ等に用いられる電力変換装置に係り、特にサージ電圧の発生を防止する技術に関する。
直流電力を交流電力に変換するためのインバータ装置は、スイッチング素子をオン、オフ操作するので、サージ電圧が発生する。従って、サージ電圧の発生を低減させる必要があり、例えば特許文献1に開示された技術が提案されている。
特許文献1には、スイッチング素子から電源側を見たときのインダクタンスを小さくするために、電源に接続される正極(高電位側)のバスバと負極(低電位側)のバスバに追加配線を設けることが記載されている。
特開2002−141452号公報
しかしながら、上述した特許文献1に開示された例では、スイッチング素子の出力側(出力バスバ)については記載が無く、インバータ内のインダクタンスを低減することができない。従って、サージ電圧を効果的に低減することができない。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、装置全体のインダクタンスを低減することが可能な電力変換装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本願発明に係る電力変換装置は、上アームを構成する第1半導体素子と、下アームを構成する第2半導体素子と、上アームにプラス電位を供給するプラス側導電部材と、下アームにマイナス電位を供給するマイナス側導電部材と、上アームと下アームとの接続点の電位を出力する出力側導電部材と、を備え、プラス側導電部材は、半導体素子の主面に対して略平行となるように配置されるプラス側平板形状部を有し、マイナス側導電部材は、主面に対して略平行となるように配置されるマイナス側平板形状部を有し、出力側導電部材は、半導体素子の主面に対して略平行となるように配置される出力側平板形状部を有する。
本願発明に係る電力変換装置は、プラス側平板形状部が、第1半導体素子の主面の全体に対して重複するように配置されること、もしくは、マイナス側平板形状部が、第2半導体素子の主面の全体に対して重複するように配置されること、の少なくとも1つが成立するようにプラス側平板形状部とマイナス側平板形状部とが配置されていることを特徴とするものであってもよい。
本願発明に係る電力変換装置は、第1半導体素子の一端側と第2半導体素子の一端側が接続され、プラス側導電部材は、第1半導体素子の他端側と接続され、マイナス側導電部材は、第2半導体素子の他端側に接続されることを特徴とするものであってもよい。
本願発明に係る電力変換装置は、出力側導電部材が、第1半導体素子、及び第2半導体素子の、少なくとも一方の主面全体に対して重複するように配置されるものであってもよい。
本願発明に係る電力変換装置は、プラス側平板形状部、マイナス側平板形状部、及び出力側平板形状部を、樹脂にて封止することを特徴とするものであってもよい。
本願発明に係る電力変換装置は、プラス側導電部材とマイナス側導電部材との間を接続するコンデンサを更に備え、プラス側平板形状部、マイナス側平板形状部、及び出力側平板形状部に加え、コンデンサを樹脂にて封止することを特徴とするものであってもよい。
本願発明に係る電力変換装置は、第1半導体素子と第2半導体素子とを主面とが反対側の面で支持する支持基板を更に備え、プラス側導電部材、マイナス側導電部材、及び出力側導電部材が、それぞれ支持基板に直接的に固定するための固定面を有し、更に、第1半導体素子が、プラス側導電部材の固定面に設置され、第2半導体素子は、出力側導電部材の固定面に設置され、支持基板の少なくとも一部と、固定面、及び第1半導体素子、第2半導体素子を樹脂にて封止することを特徴とするものであってもよい。
本願発明に係る電力変換装置は、アームが、半導体素子と、半導体素子に主面で接続される第1主電極と、半導体素子に主面とは反対側の面で接続される第2主電極と、を有する半導体モジュールからなり、各アーム内で、第1主電極には、第2主電極よりも高電位の電位が印加され、複数の半導体モジュールが、上下アーム回路を形成するように直列に接続されており、プラス側導電部材、マイナス側導電部材、出力側導電部材のいずれかの一部を構成する第3主電極が、少なくとも第1主電極または第2主電極に平行する部位が垂直方向に重なる部分を有するように、半導体モジュールの冷却面と反対側に配置されること特徴とするものであってもよい。
本願発明に係る電力変換装置は、第3主電極が、複数のアームの間を、少なくとも第1主電極または第2主電極に平行してまたがるように配置されることを特徴とするものであってもよい。
本願発明に係る電力変換装置は、第3主電極が、1つないし複数の半導体素子と垂直方向に重なるように配置されることを特徴とするものであってもよい。
本願発明に係る電力変換装置は、半導体モジュールが、外部と接続する第1主端子部および第2主端子部を更に有し、第1主端子部および第2主端子部が、それぞれ第1主電極および第2主電極と電気的に接続され、共に半導体モジュールの前面に配置されていることを特徴とするものであってもよい。
本願発明に係る電力変換装置は、半導体モジュールが、外部と接続する第1主端子部および第2主端子部を更に有し、第1主端子部および第2主端子部が、それぞれ第1主電極および第2主電極と電気的に接続され、第1主端子部が、半導体モジュールの前面に配置され、第2主端子部は、半導体モジュールの後面に配置されていることを特徴とするものであってもよい。
本願発明に係る電力変換装置は、半導体モジュールが、金型成形で樹脂封止されることを特徴とするものであってもよい。
本願発明に係る電力変換装置は、第3主電極が、半導体モジュールの樹脂表面に面接地している部位を有することを特徴とするものであってもよい。
本願発明に係る電力変換装置は、半導体モジュールが、樹脂封止された少なくとも1つ以上のアームを有し、第3主電極が、半導体モジュール内に樹脂封止されることを特徴とするものであってもよい。
本願発明に係る電力変換装置は、半導体モジュールの冷却面が、絶縁材を介して冷却器に金属接合されることを特徴とするものであってもよい。
本願発明に係る電力変換装置は、複数の第3主電極が、プラス側導電部材の一部を構成する、少なくとも1つの第3主電極と、マイナス側導電部材の一部を構成する、少なくとも1つの第3主電極と、出力側平板形状部の一部を構成する、少なくとも1つの第3主電極と、から構成され、複数の第3主電極が、第1主電極または第2主電極の上に平行して重なる部分を有するように配置されることを特徴とするものであってもよい。
図1は、本発明の第1実施形態に係る電力変換装置の構成を示す斜視図である。 図2は、本発明の実施形態に係る電力変換装置を用いて構成される3相インバータ回路の回路図である。 図3は、本発明の第2実施形態に係る電力変換装置の構成を示す斜視図である。 図4(a)は、本発明の第3実施形態に係る電力変換装置の構成を示す斜視図であり、図4(b)は図4(a)のA線での断面図である。 図5(a)は、本発明の第4実施形態に係る電力変換装置の構成を示す斜視図であり、図5(b)は図5(a)のB線での断面図である。 図6(a)は、本発明の第5実施形態に係る電力変換装置の構成を示す斜視図であり、図6(b)は図6(a)のC線での断面図である。 図7(a)は、本発明の第6実施形態に係る電力変換装置の構成を示す斜視図であり、図7(b)は図7(a)のD線での断面図である。 図8(a)、図8(b)、図8(c)は、本発明の第7実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図であり、図8(a)は、電力変換装置の斜視図、図8(b)は、電力変換装置の平面図、図8(c)は、電力変換装置の動作時における電流経路を示す概略図である。 図9(a)、図9(b)、図9(c)は、本発明の第7実施形態に係る電力変換装置に使用される半導体モジュールを示す図であり、図9(a)は、半導体モジュールの斜視図、図9(b)は、半導体モジュールの内部構造の斜視図、図9(c)は、半導体モジュールの内部構造の平面図を示す図である。 図10は、図8(a)に示す本発明の第7実施形態に係る電力変換装置のX線での断面図である。 図11は、本発明の第7実施形態の変形例1に係る電力変換装置の断面図である。 図12は、本発明の第7実施形態の変形例2に係る電力変換装置の断面図である。 図13は、本発明の第8実施形態に係る電力変換装置の斜視図である。 図14(a)、図14(b)、図14(c)は、本発明の第8実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図であり、図14(a)は、電力変換装置の平面図、図14(b)は、電力変換装置の動作時における電流経路を示す概略図である。また、図14(c)は、本発明の第8実施形態に係る電力変換装置に使用される半導体モジュールの内部構造を示す斜視図である。 図15(a)、図15(b)は、本発明の第9実施形態に係る電力変換装置の構成を示す図であり、図15(a)は、電力変換装置の斜視図、図15(b)は、図15(a)に示す電力変換装置の断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態の説明]
図1は、本発明の第1実施形態に係る電力変換装置101の構成を示す斜視図である。この電力変換装置101は、例えば、3相のインバータ装置の1つの相を構成するものである。図2は、3相インバータ回路の回路図であり、U相、V相、W相の3相からなるスイッチング素子を備えている。図2に示す回路図では、U相は素子Q1,D1,Q2,D2によって構成され、V相は素子Q3,D3,Q4,D4によって構成され、W相は素子Q5,D5,Q6,D6によって構成される場合が表現されている。素子Q1〜Q6はスイッチング動作が可能であり、素子D1〜D6は還流動作が可能である。
そして、図1に示す電力変換装置101は、1つの相(例えば、U相)のスイッチング素子を搭載するパワーモジュールの配置構成を示している。
以下、図1を参照して、第1実施形態に係る電力変換装置101について説明する。図1に示すように、第1実施形態に係る電力変換装置101は、3つのバスバ4,7,10と、支持基板3、及び第1半導体素子5、第2半導体素子8を備えている。そして、各バスバの平板形状部4a,7a,10aからなるバスバ部1と、支持基板3、第1半導体素子5、第2半導体素子8、各バスバの導電部4b,7b,10bからなるパワーモジュール部2に大別して構成されている。
パワーモジュール部2は、絶縁性の支持基板3を備えており、該支持基板3上には、バスバ4(プラス側導電部材)の導電部4b(固定面)と、バスバ10(マイナス側導電部材)の導電部10b(固定面)と、バスバ7(出力側導電部材)の導電部7b(固定面)が設けられている。バスバ4はプラス極となっており、図2のP点でのプラス電位を、後述する第1半導体素子5に供給している。バスバ10はマイナス極となっており、図2のN点(もしくはN側と呼ぶ)でのマイナス電位を、後述する第2半導体素子8に供給している。バスバ7は電力の出力部となっており、図2のS点に対応する電位を、電力変換装置に接続された負荷に対して供給できるようになっている。
電力変換装置のバスバ4およびバスバ10を介して接続された直流の電源VBによって、プラス電位およびマイナス電位は、電力変換装置に供給されている。図2に示すように、本実施形態では、直流の電源の電圧をスイッチング素子によってそのまま出力にスイッチングして繋げる回路構成となっている。
そして、バスバ4の導電部4bには、図2に示すQ1,D1に対応する、平板形状の第1半導体素子5が設けられ、バスバ7の導電部7bには、図2に示すQ2,D2に対応する、平板形状の第2半導体素子8が設けられている。即ち、第1半導体素子5は、支持基板3によりバスバ4を介して間接的に支持されている。また、第2半導体素子8は、支持基板3によりバスバ7を介して間接的に支持されている。なお、間接的に限らず、絶縁性の支持基板3上に直接的に支持される構成としても良い。
第1半導体素子5、第2半導体素子8は共に、スイッチング動作、還流動作の両方の動作が可能である。ここで第1半導体素子5は、図2に示すインバータ装置の1つの相の上アームを形成しており、第2半導体素子8は、インバータ装置の1つの相の下アームを形成している。そして、上アームと下アームの接続点が、図2に示すS点である。
図2に示すように、第1半導体素子5および第2半導体素子8は、コントローラMUに接続されている。コントローラMUからの信号によって、第1半導体素子5、および第2半導体素子8のスイッチング動作が制御される。
図1に示すバスバ7,4,10は、それぞれ側面視「U」字形状に折り曲げられており、バスバ7の、支持基板3と対向する面が平板形状部7a(出力側平板形状部)とされ、バスバ4の、支持基板3と対向する面が平板形状部4a(プラス側平板形状部)とされ、更に、バスバ10の、支持基板3と対向する面が平板形状部10a(マイナス側平板形状部)とされている。そして、3つの平板形状部4a,7a,10aにより、バスバ部1が構成されている。
なお、上記の記載ではバスバ7,4,10は平板状の1枚の部材を折り曲げ加工して、側面視「U」字形状とする旨説明しているが、必ずしも折り曲げ加工で製造する必要はない。例えば、複数枚の平板状の部材を組み合わせることで、バスバ4,7,10が側面視「U」字形状になるように製造しても良い。
従って、図1、図2に示すように、電力変換装置101において、第1半導体素子5は上アームを形成し、第2半導体素子8は下アームを形成している。図1に示すように、上アームにプラス電位を供給するプラス側導電部材であるバスバ4のうち、平板形状部4a(プラス側平板形状部)は、第1半導体素子5及び第2半導体素子8の主面(支持基板3側の面とは反対側となる面)と略平行に配置される。また、下アームにマイナス電位を供給するマイナス側導電部材であるバスバ10のうち、平板形状部10a(マイナス側平板形状部)は、第1半導体素子5及び第2半導体素子8の主面と略平行に配置される。更に、上アームと下アームとの接続点の電位を出力する出力側導電部材であるバスバ7のうち、平板形状部7a(出力側平板形状部)は、第1半導体素子5及び第2半導体素子8の主面と略平行に配置される。また、3つの平板形状部4a,7a,10aについてもそれぞれが互いに略平行に配置されることになる。
この際、第1半導体素子5と各平板形状部4a,7a,10aは、重複するように配置されており、更に、各平板形状部4a,7a,10aの方が、第1半導体素子5よりも広い範囲に亘って配置されている。即ち、平面視したときに、第1半導体素子5全体が各平板形状部4a,7a,10aに覆われるように配置され、且つ、各平板形状部4a,7a,10aの方が広い面積で配置されている。同様に、第2半導体素子8と各平板形状部4a,7a,10aとが重複するように配置され、更に、各平板形状部4a,7a,10aの方が、第2半導体素子8よりも広い範囲に亘って配置されている。
また、第1半導体素子5と導電部7bを接続するように、接続線6が設けられ、第2半導体素子8と導電部10bを接続するように、接続線9が設けられている。即ち、第1半導体素子5の一端側と第2半導体素子8の一端側が接続線6により接続され、バスバ4(プラス側導電部材)は、第1半導体素子5の他端側と接続され、バスバ10(マイナス側導電部材)は、第2半導体素子8の他端側に接続されている。
次に、上述のように構成された第1実施形態に係る電力変換装置101の作用について説明する。上述したように、第1実施形態に係る電力変換装置101は、第1半導体素子5の主面及び第2半導体素子8の主面と、3つの平板形状部4a,7a,10aとが、それぞれ略平行に配置される。
容量結合の大きさは、対向する面同士の重なる部分の面積に比例する傾向にあり、また対向する面同士の間の距離に反比例して増大する傾向がある。
第1半導体素子5の主面及び第2半導体素子8の主面と、3つの平板形状部4a,7a,10aとが、それぞれ略平行に配置され、第1半導体素子5の主面、及び第2半導体素子8の主面の全体が、平板形状部4a,7a,10aと重なるように配置されているため、各バスバの平板形状部4a,7a,10aと第1半導体素子5、及び第2半導体素子8の容量結合が増大する。
また、バスバの平板形状部4a,7a,10aを重ねて配置し、且つ、出力用の平板形状部7aを端部に設けているため、バスバ10の電流経路とバスバ4の電流経路が近接するので、バスバ10の電流経路とバスバ4の電流経路の間の距離が小さいことにより、容量結合が増大する。またバスバ10の電流経路とバスバ4の電流経路の間の距離が小さく、バスバ10の電流経路とバスバ4の電流経路が近接しているため、各バスバ4、10に発生する電流と磁気の相互作用を得易くなる。
更に、第1半導体素子5及び第2半導体素子8の全体と重なる部分よりも広い範囲で、各バスバ4,7,10の平板形状部4a,7a,10aを配置することにより、平板形状部4a,7a,10aと、各バスバ4,7,10の導電部4b,7b,10bとの間の容量結合が増加する構造となる。
そして、第1実施形態に係る電力変換装置101では、上記した各要因により、バスバ部1及びパワーモジュール部2からなる電力変換装置101全体のインダクタンスを低減することが可能となる。その結果、インダクタンスに起因して生じるサージ電圧の発生を抑制することが可能となる。
また、バスバ4の平板形状部4aは、第1半導体素子5の主面(図1において、第1半導体素子5の上側の面)全体に重複するように配置されること、もしくは、バスバ10の平板形状部10aは、第2半導体素子8の主面(図1において、第2半導体素子8の上側の面)全体に重複するように配置されること、の少なくとも1つが成立するように平板形状部4aおよび平板形状部10aが配置されることにより、各バスバ4,7,10に対する第1半導体素子5、及び第2半導体素子8の容量結合が増大させることができる。その結果、インダクタンスを低減させることができる。
更に、第1半導体素子5と第2半導体素子8が接続線6を介して直列に接続されているので、第1半導体素子5及び第2半導体素子8と各バスバ4,7,10との容量結合をより一層増大させることができ、インダクタンスの低減に寄与する。
また、バスバ7(出力側導電部材)の平板形状部7aが、第1半導体素子5及び第2半導体素子8の主面全体に対して重複するように配置されているので、より一層、容量結合を増大させることができ、インダクタンスを低減することができる。
また、各バスバ4,7,10の形状は、対向する面積が広くなる形状であることが望ましく、更に、互いが電気的に導通しない範囲で近接し、各バスバの平板形状部4a,7a,10aと、第1半導体素子5及び第2半導体素子8との距離が短いことが望ましい。なお、図示を省略するが、使用目的に合わせて第1半導体素子5及び第2半導体素子8、導電部4b,7b,10bの変更が可能である。
また、第1半導体素子5及び第2半導体素子8については、その主成分、構造、形状、個数、電気的特性を任意に選択することができる。更に、1つの導電部(4b,7b,10b)に対して複数の半導体素子を搭載する場合には、各半導体素子を電気的に並列或いは直列のいずれか一方、或いは両方になるように設置することが可能である。この場合についても、全ての半導体素子の主面に対して、各平板形状部4a,7a,10aが重複するように配置することが望ましい。また、導電部4b,7b,10b、及び接続線6,9については、その主成分、形状を任意に選択することができる。
導電部4b,7b,10b、接続線6,9の形状は、各平板形状部4a,7a,10aとの間の対向面積が大きく、且つ、対向面間の距離が短いことが望ましい。このことにより、双方の容量結合が増加し、インダクタンス低減効果がさらに得られることになる。
即ち、電動機駆動用のインバータを構成する部材の耐電圧は、インバータ内部で発生するサージ電圧を考慮して耐電圧を決定している。サージ電圧は、電流経路のインダクタンスを低減することにより抑えることができる。本実施形態では、バスバ単体のインダクタンスの低減のみならず、パワーモジュールを含んだインバータ全体でのインダクタンスを低減している。よって、インバータを構成する際の各部材の耐電圧を低下させることができ、コストダウンを図ることができる。
なお、図1に示す電力変換装置101は、図2に示すインバータ装置の1相のみを示しており、3相のインバータを構成するためには、図1に示す電力変換装置101を3系統併設すれば良い。
[第2実施形態の説明]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図3は、本発明の第2実施形態に係る電力変換装置102の構成を示す斜視図である。この電力変換装置102は、前述した第1実施形態と同様に、3相のインバータ装置の1つの相を構成するものである。
以下、図3を参照して、第2実施形態に係る電力変換装置102について説明する。図3に示すように、第2実施形態に係る電力変換装置102は、3つのバスバ4,7,10と、2つの支持基板23a,23b、及び第1半導体素子5、第2半導体素子8を備えている。そして、各バスバの平板形状部4a,7a,10aからなるバスバ部21と、支持基板23a、第1半導体素子5、各バスバの導電部4b,7b1からなるパワーモジュール部22aと、支持基板23b、第2半導体素子8、各バスバの導電部7b2,10bからなるパワーモジュール部22bに大別して構成されている。
パワーモジュール部22a,22bは、絶縁性の支持基板23a,23bを備えており、支持基板23a上には、プラス極(図2のP点に対応)となるバスバ4の導電部4bと、電力の出力部(図2のS点に対応)となるバスバ7の導電部7b1が設けられている。一方、支持基板23b上には、マイナス極(図2のN点に対応)となるバスバ10の導電部10bと、電力の出力部(図2のS点に対応)となるバスバ7の導電部7b2が設けられている。
そして、バスバ4の導電部4bには、第1半導体素子5(図2に示すQ1,D1)が設けられ、バスバ7の導電部7b2には、第2半導体素子8(図2に示すQ2,D2)が設けられている。即ち、第1半導体素子5は、支持基板23aによりバスバ4を介して間接的に支持されている。また、第2半導体素子8は、支持基板23bによりバスバ7を介して間接的に支持されている。なお、間接的に限らず、絶縁性の支持基板23a,23b上に直接的に支持される構成としても良い。
また、バスバ7,4,10は、それぞれ側面視「U」字形状に折り曲げられており、バスバ7の支持基板23a,23bと対向する面が平板形状部7aとされ、バスバ4の支持基板23a,23bと対向する面が平板形状部4aとされ、更に、バスバ10の支持基板23a,23bと対向する面が平板形状部10aとされている。そして、3つの平板形状部4a,7a,10aにより、バスバ部21が構成されている。
従って、図3に示すように、プラス側導電部材であるバスバ4の平板形状部4aは、第1半導体素子5及び第2半導体素子8の主面(支持基板3側の面とは反対側となる面)と略平行に配置される。また、マイナス側導電部材であるバスバ10の平板形状部10aは、第1半導体素子5及び第2半導体素子8の主面と略平行に配置される。更に、出力側導電部材であるバスバ7の平板形状部7aは、第1半導体素子5及び第2半導体素子8の主面と略平行に配置される。また、3つの平板形状部4a,7a,10aについてもそれぞれが互いに略平行に配置されることになる。
この際、第1半導体素子5と各平板形状部4a,7a,10aは、重複配置されており、更に、各平板形状部4a,7a,10aの方が、第1半導体素子5よりも広い範囲に亘って配置されている。即ち、平面視したときに、第1半導体素子5全体が各平板形状部4a,7a,10aに覆われるように配置され、且つ、各平板形状部4a,7a,10aの方が広い面積で配置されている。同様に、第2半導体素子8と各平板形状部4a,7a,10aとが重複して配置され、更に、各平板形状部4a,7a,10aの方が、第1半導体素子5よりも広い範囲に亘って配置されている。
また、第1半導体素子5と導電部7b1を接続するように、接続線6が設けられ、第2半導体素子8と導電部10bを接続するように、接続線9が設けられている。
次に、上述のように構成された第2実施形態に係る電力変換装置の作用について説明する。上述したように、第2実施形態に係る電力変換装置102は、第1半導体素子5の主面及び第2半導体素子8の主面と、3つの平板形状部4a,7a,10aとが、それぞれ略平行に配置される。
このように配置することにより、前述した第1実施形態と同様に、各バスバの平板形状部4a,7a,10aと、第1半導体素子5、及び第2半導体素子8との容量結合が増大する。また、バスバの平板形状部4a,7a,10aを重ねて配置し、且つ、出力用の平板形状部7aを端部に設けているため、バスバ10の電流経路とバスバ4の電流経路が近接することになるので、各バスバ10,4に発生する電流と磁気の相互作用を得易くなる。
更に、第1半導体素子5及び第2半導体素子8の全体と重なる部分よりも広い範囲で、各バスバ4,7,10の平板形状部4a,7a,10aを配置することにより、平板形状部4a,7a,10aと、各バスバ4,7,10の導電部4b,7b1,7b2,10bとの間の容量結合が増加する構造となる。そして、これらの要因により、バスバ部21及びパワーモジュール部22a,22bからなる電力変換装置102全体のインダクタンスを低減することが可能となる。その結果、インダクタンスに起因して生じるサージ電圧の発生を抑制することができる。
また、各バスバ4,7,10の形状は、対向する面積が広くなる形状であることが望ましく、更に、互いが電気的に導通しない範囲で近接し、各バスバの平板形状部4a,7a,10aと、第1半導体素子5及び第2半導体素子8との距離が短いことが望ましい。
なお、図示を省略するが、使用目的に合わせて第1半導体素子5及び第2半導体素子8、導電部4b,7b,10bの変更が可能である。
また、第1半導体素子5及び第2半導体素子8については、その主成分、構造、形状、個数、電気的特性を任意に選択することができる。更に、1つの導電部(4b,7b1,7b2,10b)に対して複数の素子を搭載する場合には、各素子を電気的に並列或いは直列のいずれか一方または両方になるように設置することが可能である。この場合についても、全ての素子の主面に対して、各平板形状部4a,7a,10aが重複するように配置することが望ましい。また、導電部4b,7b1,7b2,10b、及び接続線6,9については、その主成分、形状を任意に選択することができる。
導電部4b,7b1,7b2,10b、接続線6,9の形状は、各平板形状部4a,7a,10aとの間の対向面積が大きく、且つ、対向面間の距離が短いことが望ましい。このことにより、双方の容量結合が増加し、インダクタンスをより一層低減することが可能となる。
[第3実施形態の説明]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図4(a)は、本発明の第3実施形態に係る電力変換装置103の構成を示す斜視図である。この電力変換装置103は、前述した第1実施形態と同様に、3相のインバータ装置の1つの相を構成するものである。
また、第3実施形態に係る電力変換装置103は、第1実施形態で示した電力変換装置101(図1参照)と対比して、バスバ部1側に封止剤24を設けた点で相違する。以下、相違点についてのみ説明し、第1実施形態で示した電力変換装置101と同一部分は同一の符号を付して説明を省略する。
第3実施形態に係る電力変換装置103は、3つの平板形状部4a(プラス側平板形状部)、平板形状部7a(出力側平板形状部)、平板形状部10a(マイナス側平板形状部)からなるバスバ部1を封止剤24で封止する。図4(b)は、図4(a)に示すA線での断面図を示している。図4(b)に示すように、3つの平板形状部4a,7a,10aからなるバスバ部1は、2種類の樹脂24a,24bにより封止されている。
即ち、各平板形状部4a,7a,10a間の領域は、誘電率の高い樹脂24b(樹脂24aよりも相対的に誘電率の高い樹脂)により封止し、その周囲部となる領域は、透磁率の高い樹脂24a(樹脂24bよりも相対的に透磁率の高い樹脂)により封止する。図4(b)では、バスバ部1とパワーモジュール部2の周囲が樹脂24aにより封止されている状態が示されている。
容量結合の大きさは、対向する面同士の重なる部分の面積に比例する傾向にあり、また対向する面同士の間の距離に反比例して増大する傾向がある。また、対向する面の間に樹脂などが充填されることにより、対向する面の間の誘電率が高くなるほど、容量結合の大きさは大きくなる傾向にある。
そのため、このような構成とすることにより、各平板形状部4a,7a,10a間の領域と第1半導体素子5及び第2半導体素子8との間の容量結合を高めることができる。また、樹脂24bにより各平板形状部4a,7a,10a間の領域と第1半導体素子5及び第2半導体素子8との間の空間の誘電率が高く設定されるため、電流経路の相互作用を高めることができる。そして、この2つの効果でバスバ部1とパワーモジュール部2との間に生じるインダクタンスをより一層低減することができる。
さらに、各平板形状部4a,7a,10a間の領域と、その樹脂24bの周囲部となる領域が、樹脂24aにより封止されているため、バスバ部1とパワーモジュール部2は樹脂24aによって磁気遮蔽される。すなわち、バスバ部1とパワーモジュール部2で発生した磁場が樹脂24aによって囲まれた領域の外部に漏れ出すことが抑制され、その結果、電流経路の相互作用を高めることができる。
なお、上述した第3実施形態では、2種類の樹脂24a,24bを用いる例について説明したが、2種類の樹脂のうちいずれか一方の、1種類のみの樹脂を用いる場合でもインダクタンスを低減する効果を得ることができる。
[第4実施形態の説明]
次に、本発明の第4実施形態について説明する。図5(a)は、本発明の第4実施形態に係る電力変換装置104の構成を示す斜視図である。この電力変換装置104は、前述した第1実施形態と同様に、3相のインバータ装置の1つの相を構成するものである。
また、第4実施形態に係る電力変換装置104は、第1実施形態で示した電力変換装置101(図1参照)と対比して、パワーモジュール部2側に封止剤25を設けた点で相違する。以下、相違点についてのみ説明し、第1実施形態で示した電力変換装置101と同一部分は同一の符号を付して説明を省略する。
第4実施形態に係る電力変換装置104は、支持基板3、及び該支持基板3に搭載される導電部4b,7b,10bを封止剤25で封止する。図5(b)は、図5(a)に示すB線での断面図を示している。図5(b)に示すように、支持基板3、及び該支持基板3に搭載される導電部4b,7b,10bからなるパワーモジュール部2は、2種類の樹脂25a,25bにより封止されている。
即ち、各導電部4b,7b,10bの周囲領域は、誘電率の高い樹脂25bにより封止し、その周囲部となる領域は、透磁率の高い樹脂25aにより封止する。
そして、このような構成とすることにより、第1半導体素子5及び第2半導体素子8と、各平板形状部4a,7a,10aとの間の容量結合を高めることができる。また、樹脂25bにより電流経路の相互作用を高めることができる。そして、この2つの効果でバスバ部1とパワーモジュール部2との間に生じるインダクタンスをより一層低減することができる。なお、上述した第4実施形態では、2種類の樹脂25a,25bを用いる例について説明したが、1種類の樹脂を用いる場合でもインダクタンスを低減する効果を得ることができる。
[第5実施形態の説明]
次に、本発明の第5実施形態について説明する。図6(a)は、本発明の第5実施形態に係る電力変換装置105の構成を示す斜視図である。この電力変換装置105は、前述した第1実施形態と同様に、3相のインバータ装置の1つの相を構成するものである。
また、第5実施形態に係る電力変換装置105は、第1実施形態で示した電力変換装置101(図1参照)と対比して、装置全体を覆うように封止剤26を設けた点で相違する。以下、相違点についてのみ説明し、第1実施形態で示した電力変換装置101と同一部分は同一の符号を付して説明を省略する。
第5実施形態に係る電力変換装置105は、3つの平板形状部4a,7a,10aからなるバスバ部1、及び支持基板3,各導電部4b,7b,10bからなるパワーモジュール部2を、封止剤26で封止する。図6(b)は、図6(a)に示すC線での断面図を示している。図6(b)に示すように、バスバ部1及びパワーモジュール部2は、2種類の樹脂26a,26bにより封止されている。
即ち、各平板形状部4a,7a,10aと支持基板3との間の領域は、誘電率の高い樹脂26bにより封止し、その周囲部となる領域は、透磁率の高い樹脂26aにより封止する。
そして、このような構成とすることにより、各平板形状部4a,7a,10a間の領域と第1半導体素子5及び第2半導体素子8との間の容量結合を高めることができる。また、樹脂26bにより電流経路の相互作用を高めることができる。そして、この2つの効果でバスバ部1とパワーモジュール部2との間に生じるインダクタンスをより一層低減することができる。なお、上述した第5実施形態では、2種類の樹脂26a,26bを用いる例について説明したが、1種類の樹脂を用いる場合でもインダクタンスを低減する効果を得ることができる。
[第6実施形態の説明]
次に、本発明の第6実施形態について説明する。図7(a)は、本発明の第6実施形態に係る電力変換装置106の構成を示す斜視図である。この電力変換装置106は、前述した第1実施形態と同様に、3相のインバータ装置の1つの相を構成するものである。
また、第6実施形態に係る電力変換装置106は、第1実施形態で示した電力変換装置101(図1参照)と対比して、バスバ部1の上側にコンデンサ29(図2に示したC1に対応)を搭載し、更に、バスバ部1とコンデンサ29を含む領域全体を覆うように封止剤27を設けた点で相違する。以下、相違点についてのみ説明し、第1実施形態で示した電力変換装置101と同一部分は同一の符号を付して説明を省略する。
第6実施形態に係る電力変換装置106は、平板形状部4aの上側に円筒形状のコンデンサ29が設けられている。また、バスバ4は、平板形状部4aに対して直交するブラケット4cを有しており、バスバ10は、平板形状部10aに対して直交するブラケット10cを有している。そして、コンデンサ29の2つの端子のうちの一方はブラケット4cに接続され、他方はブラケット10cに接続されている。即ち、図2に示すインバータ回路に設けられるコンデンサC1の一端が電源VBの一端に接続され、コンデンサC1の他端が電源VBの他端に接続されることに対応している。
そして、3つの平板形状部4a(プラス側平板形状部)、平板形状部7a(出力側平板形状部)、平板形状部10a(マイナス側平板形状部)からなるバスバ部1に加え、バスバ4(プラス側導電部材)とバスバ10(マイナス側導電部材)との間を接続するコンデンサ29を、封止剤27で封止する。図7(b)は、図7(a)に示すD線での断面図を示している。図7(b)に示すように、3つの平板形状部4a,7a,10a、及びコンデンサ29は2種類の樹脂27a,27bにより封止されている。
即ち、コンデンサ29と、各平板形状部4a,7a,10a間の領域は、誘電率の高い樹脂27bにより封止し、その周囲部となる領域は、透磁率の高い樹脂27aにより封止する。
そして、このような構成とすることにより、各平板形状部4a,7a,10a間の領域と第1半導体素子5及び第2半導体素子8との間の容量結合を高めることができる。また、樹脂24bにより電流経路の相互作用を高めることができる。そして、この2つの効果でバスバ部1とパワーモジュール部2との間に生じるインダクタンスをより一層低減することができる。なお、上述した第6実施形態では、2種類の樹脂27a,27bを用いる例について説明したが、1種類の樹脂を用いる場合でもインダクタンスを低減する効果を得ることができる。
[第7実施形態の説明]
次に、本発明の第7実施形態について説明する。この電力変換装置201は、第1実施形態〜第6実施形態で説明した電力変換装置と同様に、3相インバータ回路の1つの相を構成するものである。
[本実施形態の構造]
まず初めに、電力変換装置201の構造、および電力変換装置201を構成する半導体モジュール208L,208Rの構造について説明する。図8(a)、図8(b)、図8(c)は、本発明の第7実施形態に係る電力変換装置201の構成を示す図である。特に、図8(a)は、電力変換装置201の斜視図、図8(b)は、電力変換装置201の平面図を示している。図8(c)は、図8(a)に示す電力変換装置201の動作時における、電力変換装置201内の電流経路を示す概略図である。
電力変換装置201は、上アームを構成する半導体モジュール208L(第1半導体モジュール)、下アームを構成する半導体モジュール208R(第2半導体モジュール)、第3主電極209(出力側導電部材)とから構成される。第3主電極209は、半導体モジュール208L,208Rを、電気的に直列接続しており、この接続の結果、第3主電極209、半導体モジュール208L,208Rとは、上下アーム回路を形成する。第3主電極209は、上下アーム回路の、上アームと下アームとの接続点の電位を出力する。
電力変換装置201を構成する半導体モジュール208L,208Rは、図9(a)、図9(b)、図9(c)に示す半導体モジュール208と同等の構造を有している。以下では、半導体モジュール208L,208Rは同一の構造を有するものとして説明する。以降の説明において、半導体モジュール208L,208Rを半導体モジュール208として参照する場合がある。
図9(a)、図9(b)、図9(c)は、電力変換装置201を構成する半導体モジュール208を示す図である。図9(a)は、半導体モジュール208の斜視図を示しており、後述するパワー端子207a,207b(それぞれ第1端子部、第2端子部)が半導体モジュール208の外部に露出している様子を示している。図9(b)は、半導体モジュール208の内部構造の斜視図を示している。図9(c)は、半導体モジュール208の内部構造の平面図を示す図である。
半導体モジュール208は、3相インバータ回路の1つのアームに対応する部品であり、1in1パワー半導体モジュールと呼ばれる。2つの1in1パワー半導体モジュールを、上下アーム回路を形成するように直列に接続することにより、3相インバータ回路の1つの相を構成することができる。
半導体モジュール208は、半導体素子210、半導体素子210に電気的に接続される第1主電極203および第2主電極202、そして、第1主電極203、第2主電極202とそれぞれ電気的に接続されるパワー端子207a,207bを有する。図9(b)に示すように、半導体素子210は第1主電極203の上に配置され、半導体素子210の下面において半導体素子210と第1主電極203は接合材206を介して電気的に接続されている。さらに、第2主電極202は半導体素子210の上に配置され、半導体素子210の上面において半導体素子210と第2主電極202は接合材206を介して電気的に接続されている。
図9(b)に示すような内部構造を封止剤205によって封止することにより、図9(a)に示す直方体状の半導体モジュール208を形成する。より詳しく説明すると、半導体素子210、第1主電極203、第2主電極202、接合材206は、封止剤205によって封止されることにより、半導体素子210、第1主電極203、第2主電極202、接合材206は半導体モジュール208の外部から密閉され、絶縁された状態となる。一方、封止剤205はパワー端子207a,207bを部分的に封止する。封止剤205によって封止された状態において、パワー端子207a,207bのそれぞれの一部分が、半導体モジュール208の表面に露出している。
図9(a)、図9(b)に示すように、パワー端子207a,207bは、共に半導体モジュール208の前面に露出するように配置され、半導体素子210は、パワー端子207a,207bの後方に配置されている。
本実施形態では、半導体素子210を制御する信号を伝達するための、半導体素子210に接続される信号端子は省略している。実際には、パワー端子207a,207b以外にも、半導体素子210を制御する信号端子が半導体モジュール208の表面に露出している。信号端子は、図2に示すようにコントローラMUに接続される。
図9(b)、図9(c)では、半導体モジュール208内にある3相インバータ回路の1つのアームを構成するための素子を、1個の半導体素子210で示している。半導体素子210は、スイッチング動作、還流動作の両方の動作が可能である。図示しない信号端子を介して伝達されるコントローラMUからの信号によって、半導体素子210のスイッチング動作が制御される。
パワー端子207a,207bは、それぞれ第1主電極203、第2主電極202を介して半導体素子210に電気的に接続されているので、パワー端子207a,207bに半導体モジュール208の外部より供給された電圧は、第1主電極203、第2主電極202を介して半導体素子210に供給される。本実施形態では、第1主電極203、パワー端子207a(第1端子部)が半導体モジュール208の高電位入力端子となっており、一方、第2主電極202、パワー端子207b(第2端子部)が半導体モジュール208の低電位入力端子となっている。すなわち、半導体モジュール208を3相インバータ回路の1つのアームとして動作させる際には、パワー端子207bよりも高電位の電圧がパワー端子207aに対して供給される。
図8(a)、図8(b)に示すように、第3主電極209は、電力変換装置201の前面側において、上アームを構成する半導体モジュール208Lのパワー端子207bと、下アームを構成する半導体モジュール208Rのパワー端子207aとを接続する。第3主電極209は、ねじ止めなどの手段により半導体モジュール208Lのパワー端子207b、および半導体モジュール208Rのパワー端子207aに接続され、固定される。第3主電極209は、半導体モジュール208L,208Rの上面の樹脂表面に対して面設置している部位を有し、半導体モジュール208L,208Rの上面の、一部あるいは全体を覆うように配置される。特に、半導体モジュール208L,208Rの両方の上面をまたがるように配置される。
第3主電極209による接続の結果、半導体モジュール208Lのパワー端子207bと半導体モジュール208Rのパワー端子207aは同じ電位となる。この電位は、図2のS点における電位に対応する。第3主電極209の、電力変換装置201の後面側には、外部回路を構成するバスバを固定することができる出力用端子が設けられている。電力変換装置201は、この出力用端子を介して、電力変換装置201に接続された負荷に対して出力用の電位を供給できる。すなわち、第3主電極209を介して、半導体モジュール208L,208Rが、上下アーム回路を形成するように電気的に直列接続される。
上記のように構成された上下アーム回路には、バスバ207P,207Nによって、電力変換装置201の外部の電源からの電位が供給される。半導体モジュール208Lのパワー端子207aには、ねじ止めなどの手段によりバスバ207Pを接続し固定できるようになっており、また、半導体モジュール208Rのパワー端子207bは、ねじ止めなどの手段によりバスバ207Nを接続し固定できるようになっている。バスバ207Pを通じて、半導体モジュール208Lのパワー端子207aには、図2のP点でのプラス電位が供給される。そしてバスバ207Nを通じて、半導体モジュール208Rのパワー端子207bには、図2のN点でのマイナス電位が供給される。
図10は、図8(a)に示す電力変換装置201のX線での断面図を示している。この断面図は、半導体モジュール208L,208Rの半導体素子210を通る平面で、且つ、半導体モジュール208L,208Rの下面に垂直な面での断面を示している。第3主電極209は、半導体モジュール208L,208Rの上面に接して、半導体モジュール208L,208Rの上面を覆うように配置されている。すなわち第3主電極209は、半導体モジュール208L,208R内の半導体素子210と垂直方向に重なって配置されている。そして、第3主電極209は、封止剤205で絶縁される領域を挟んで、第2主電極202と近接している。
なお、図10には、電力変換装置201は冷却器RGの上に配置された状態が示されている。電力変換装置201は、半導体モジュール208L,208Rの下面で、冷却器RGと接している。すなわち、半導体モジュール208L,208Rの下面が、電力変換装置201、半導体モジュール208L,208Rの冷却面となっている。冷却器RGは、電力変換装置201が動作する際に電力変換装置201の内部で発生する熱、特に半導体素子210において発生する熱を、電力変換装置201の外部に排熱する。
図10に示すように、第3主電極209は、封止剤205を挟んで第2主電極202と近接した構造となっているため、半導体素子210で発生した熱は、第2主電極202、および封止剤205を介して第3主電極209に伝わる。また、冷却器RGは、封止剤205を挟んで第1主電極203と近接した構造となっているため、半導体素子210で発生した熱は、第1主電極203、および封止剤205を介して冷却器RGに伝わる。
なお、熱伝導性とコストを考慮すると、第1主電極203と第2主電極202は、銅やアルミなどの、比較的安価で熱伝導率が良い金属材料であることが好ましい。
比較のため、本実施形態の各部位を第1〜第6実施形態と比較すると、半導体モジュール208L内の半導体素子210、および半導体モジュール208R内の半導体素子210が、それぞれ第1半導体素子5および第2半導体素子8に対応する。また、第3主電極209は出力側導電部材であるバスバ7の一部に対応する。半導体モジュール208L内の第1主電極203は、プラス側導電部材であるバスバ4の一部に対応する。半導体モジュール208L内の第2主電極202は、接続線6およびバスバ7の一部に対応する。半導体モジュール208R内の第1主電極203は、バスバ7の一部に対応する。半導体モジュール208R内の第2主電極202は、接続線9およびマイナス側導電部材であるバスバ10の一部に対応する。
[本実施形態での電流経路]
次に、電力変換装置201の内部を流れる電流の経路について説明する。図8(c)には、上下アーム回路のP側からN側へ電流が流れるときの電流経路を示している。上下アーム回路のP側、N側は、それぞれ図2のP点、N点に相当する。
点P1は、半導体モジュール208Lのパワー端子207aと、バスバ207Pの接合部位を示している。
点P9は、半導体モジュール208Rのパワー端子207bと、バスバ207Nの接合部位を示している。
点P4は、半導体モジュール208Lのパワー端子207bと、第3主電極209の接合部位を示している。
点P6は、半導体モジュール208Rのパワー端子207aと、第3主電極209の接合部位を示している。
点P2、P7は、それぞれ半導体モジュール208L,208R内における、第1主電極203と半導体素子210の接合部位を示している。
点P3、P8は、それぞれ半導体モジュール208L,208R内における、第2主電極202と半導体素子210の接合部位を示している。
点P5は、第3主電極209において、点P4と点P6の中間付近の位置を示している。
図8(c)に示すように、上下アーム回路のP側からN側へ電流が流れるとき、バスバ207Pから電力変換装置201に導入された電流は、点P1、P2、P3、P4、P5の順に、反時計回りの第1電流経路を流れ、その後、点P5、P6、P7、P8、P9の順に、反時計回りの第2電流経路を流れる。
第1電流回路は、第3主電極209と半導体モジュール208Lによって構成される。より詳しくは、第1電流回路は、第3主電極209と、半導体モジュール208Lのパワー端子207a、第1主電極203、半導体素子210、第2主電極202、パワー端子202bによって構成される。
第2電流回路は、第3主電極209と半導体モジュール208Rによって構成される。より詳しくは、第2電流回路は、第3主電極209と、半導体モジュール208Rのパワー端子207a、第1主電極203、半導体素子210、第2主電極202、パワー端子202bによって構成される。
第1電流経路を電流が流れることにより、第1電流経路で囲まれる領域内に、電力変換装置201の下面から上面に向かう方向の第1磁場が発生する。さらに、第2電流経路を電流が流れることにより、第2電流経路で囲まれる領域内に、電力変換装置201の下面から上面に向かう第2磁場が発生する。第1磁場は、第1電流経路で囲まれる領域の外部において、電力変換装置201の上面から下面に向かう方向となることに注意する。また第2磁場は、第2電流経路で囲まれる領域の外部において、電力変換装置201の上面から下面に向かう方向となることに注意する。そのため、第1磁場と第2磁場とは逆方向を向くため、互いに弱め合うことになる。
[本実施形態による効果]
上述した本実施形態の構造及び本実施形態における電流経路によりもたらされる効果を説明する。
本実施形態では、半導体モジュール208L,208Rが隣り合って配置されており、半導体モジュール208L,208Rに電流が流れる際に発生する、第1磁場と第2磁場は互いに弱め合うようになっている。これは半導体モジュール208L,208Rの相互作用を高めることで電力変換装置201からの磁場の放射を抑制することに相当する。半導体モジュール208L,208Rの相互作用を高め、磁界の打ち消し合いの効果が高まることによって、電力変換装置201の全体でのインダクタンスを低減させることができる。
さらに、第3主電極209が、半導体モジュール208L,208Rの上に、半導体モジュール208L,208Rの両方にまたがるように配置され、上下アーム回路を覆うように配置されているため、半導体モジュール208L,208Rから放射される第1磁場および第2磁場が外部に漏れ出ることが抑制される。そのため、電力変換装置201内での第1磁場、第2磁場の磁界強度が向上するため、第1磁場、第2磁場の間での打ち消し合う効果が高められる。その結果、電力変換装置201の全体でのインダクタンスを低減させることができる。
また、第3主電極209が、半導体モジュール208L,208Rの上に配置されることにより、第3主電極209と、第1主電極203および第2主電極202とが近接する。この結果、第1主電極203または第2主電極202の少なくとも一方と、第3主電極209との間で、相互インダクタンスが大きくなるため、電力変換装置201の全体でのインダクタンスを低減させることができる。
また、半導体モジュール208Lのパワー端子207aと、半導体モジュール208Rのパワー端子207bが隣接しているため、上下アーム回路のP側、N側が隣接している。そのためPN間を隣接したまま外部回路に接続することができる。例えば、バスバ207P,207N同士を重ねたまま回路先のコンデンサやモーター、電池などへ接続させれば、接続先までのインダクタンスも低減させることができる。
さらに、半導体モジュール208L,208R(208)では、パワー端子207a,207bが、共に半導体モジュールの前面に露出するように配置され、半導体素子210は、半導体モジュール208の内部で、パワー端子207a,207bの後方に配置されているため、半導体モジュール208内で、高電位側から低電位側へ(P側からN側へ)流れる電流が、半導体素子210を介して折り返すように流れる。そのため相互インダクタンスによるインダクタンスの低減とともに、半導体モジュール208と第3主電極209との相互インダクタンスによるインダクタンスが低減できる。さらに第3主電極209が、P側からN側に電流が流れるときに生じる磁界を強めることができるので、さらにインダクタンスを低減させる効果が大きくなる。
上述のように、電力変換装置201の全体でのインダクタンスを低減できるため、サージ電圧を効果的に低減することができる。さらに、サージ電圧が抑制されることにより、スイッチング周波数を上げることが可能である。
さらに、第3主電極209および冷却器RGが、第1主電極203および第2主電極202と近接しており、冷却器RGと第1主電極203の間の距離、第3主電極209と第2主電極202の間の距離が短くなっている。そのため電力変換装置201の内部で生じた熱、特に半導体素子210で生じた熱が、第1主電極203および第2主電極202に伝わり、その後、第3主電極209および冷却器RGに伝わるまでの、熱伝導に必要な距離が短くなっている。電力変換装置201の内部で生じた熱は、最終的に第3主電極209および冷却器RGに伝わることにより電力変換装置201から排熱されるため、電力変換装置201の熱抵抗を低減することができる。
第3主電極209が第2主電極202と近接して配置されているため、半導体モジュール208L,208Rと第3主電極209との間で、熱の移動が容易になっている。そのため、上下アーム回路のうち、動作していない側のアームの半導体モジュール208L,208Rへ熱を移動させることもできる。すなわち、インバータ動作によっても熱抵抗を低減させることができる。
本実施形態では、電力変換装置201の全体でのインダクタンス低減と、熱抵抗の低減を同時に実現できるため、さらなる効果を得ることができる。
一般的な3相インバータ回路においてスイッチング周波数を上げた場合、半導体モジュール内部での損失が増大する。そのため熱対策が必要となる場合があり、電力変換装置自体を小型化することが難しかった。
一方、本実施形態では、電力変換装置201の全体でのインダクタンス低減と、熱抵抗の低減を同時に実現できるため、電力変換装置201の高周波化を行った際に、別途の熱対策を必要とすることなく、半導体モジュール208内で発生する熱を容易に外部に逃がすことができる。そのため電力変換装置201を小型化することができる。すなわち、高周波動作が可能な、小型の電力変換装置201を得ることができる。
半導体モジュール208を金型成形で樹脂封止すれば、第1主電極203または第2主電極202の平面に対して精度よく平行して絶縁を保てることができるので、第3主電極209を半導体モジュール208の内外いずれかに用いた際に高い平行度を保つことができる。そのため半導体モジュール208L,208Rの間の相互インダクタンスをより効果的に作用させることができる。このことにより、電力変換装置201の全体のインダクタンスを低減させることができる。
また、樹脂封止されていることで、樹脂内部に実装されている半導体素子210や実装に用いるはんだ材にかかる熱ひずみを軽減することができるので信頼性が向上する。また、半導体モジュール208の反りを抑えることができるので、反りに対する平行度も高くすることができる。
第1主電極203と第2主電極202、第3主電極209との樹脂の肉厚は、必要な絶縁距離を確保しつつできるだけ薄い方が相互インダクタンスの効果が高く、電力変換装置201全体のインダクタンスを低減させる効果が大きくなる。本実施形態のように、第3主電極209を半導体モジュール208L,208Rの樹脂上表面に接地させることで、絶縁距離を最短にしてインダクタンスをより低減することができる。
さらに、本実施形態では、第3主電極209を半導体モジュール208に対して外付けする方式であるため、第3主電極209と第2主電極202の間を確実に絶縁しつつ、同時に第3主電極209と第2主電極202の間の距離を短くすることができる。
一般に、主電極を半導体モジュール内に含めて樹脂封止する場合には、樹脂が主電極間を回り込みづらく、絶縁が保てなかったりプロセスコストがかかったり主電極に穴をあけたりなどの形状工夫が求められることになる。そのため製造上、絶縁距離が確保できず、主電極間の距離を広げなければならないことがある。このような場合と比較して、第3主電極209を外付けする方式では、半導体モジュール208の外装を成形する時に半導体モジュール208の表面と第2主電極の間に存在する封止剤205による層を薄く成形し、その後、第3主電極209を外付けできる。よって、第3主電極209と第2主電極202の間を確実に絶縁しつつ、同時に第3主電極209と第2主電極202の間の距離を短くすることができる。
本実施形態では、第3主電極209と第2主電極202の間の距離を短くすることができるため、第3主電極209と第2主電極202の間の相互インダクタンスの効果を高めることができる。その結果、電力変換装置201全体のインダクタンスを低減させる効果が大きくなる。
半導体モジュール208を冷却器の表面へ絶縁材を介して金属接合する直接冷却構造の場合は、半導体モジュール208や絶縁材、冷却器それぞれの線膨張係数の差があるため、グリース等で冷却器へ接続する間接冷却構造に比べて、熱応力が大きくなり、反り量が大きくなる。しかしながら本実施形態では、第3主電極209による抑えによって、半導体モジュール208の反りを軽減し、確実に半導体モジュール208と冷却器の表面の接触を保つことができ、直接冷却構造の信頼性を向上させることができる。
[第7実施形態の変形例1]
図11は、第7実施形態の変形例1に係る電力変換装置301の断面図を示している。電力変換装置201の説明の際に、図10で示した断面図に対応する位置における電力変換装置301の断面を示している。この電力変換装置301は、前述した第1〜第7実施形態と同様に、3相のインバータ装置の1つの相を構成するものである。
また、変形例1に係る電力変換装置301は、電力変換装置201(図10参照)と対比して、上アームと下アームが1つの半導体モジュール208W1内にパッケージされている点で相違する。以下、相違点についてのみ説明し、第7実施形態で示した電力変換装置301と同一部分は同一の符号を付して説明を省略する。
図11に示すように、半導体モジュール208W1は、半導体モジュール208と異なり、半導体素子210、第1主電極203、第2主電極202をそれぞれ2つずつ有しており、また、パワー端子207a,207bについても、それぞれ2つずつ有している。
半導体モジュール208W1は、2個の半導体モジュール208の構造を有するものであり、1個の半導体モジュール208W1によって、上下アーム回路を構成することができる。半導体モジュール208W1は、3相インバータの2つのアームに対応する部品であり、2in1パワー半導体モジュールと呼ばれる。半導体モジュール208W1自身のパワー端子207a,207bを相互に接続し、上下アーム回路を構成することにより、1個の半導体モジュール208W1によって3相インバータ回路の1つの相を構成することができる。パワー端子207a,207b間の接続方法は電力変換装置201の場合と同じである。
変形例1においても、第3主電極209は、半導体モジュール208W1の上面に接して、半導体モジュール208W1の上面を覆うように配置されているため、第3主電極209は、封止剤205で絶縁される領域を挟んで、半導体モジュール208W1内に位置する2つの第2主電極202と近接する。そのため第1主電極203または第2主電極202の少なくとも一方と、第3主電極209との間で、相互インダクタンスが大きくなるため、電力変換装置301の全体でのインダクタンスを低減させることができる。
変形例1においても、第3主電極209および冷却器RGが、第1主電極203および第2主電極202と近接しており、第3主電極209と第1主電極203の間の距離、冷却器RGと第2主電極202の間の距離が短くなっている。そのため、電力変換装置201と同様に、電力変換装置301の内部で生じた熱は第3主電極209および冷却器RGに伝わって、電力変換装置301から排熱されやすくなっている。よって電力変換装置301の熱抵抗を低減することができる。
[第7実施形態の変形例2]
図12は、第7実施形態の変形例2に係る電力変換装置401の断面図を示している。電力変換装置201の説明の際に図10で示した断面図に対応する位置での、電力変換装置401の断面を示している。この電力変換装置401は、前述した第1〜第7実施形態と同様に、3相のインバータ装置の1つの相を構成するものである。
また、変形例2に係る電力変換装置401は、電力変換装置301(図10参照)と対比して、半導体モジュール208W2内に第3主電極209がパッケージされている点で相違する。以下、相違点についてのみ説明し、第7実施形態で示した電力変換装置301と同一部分は同一の符号を付して説明を省略する。
図12に示す電力変換装置401のように、半導体モジュール208内に第3主電極209を含めた場合は、封止剤205を第3主電極209と第2主電極202の間に確実に充填するため、第3主電極209を半導体モジュール208に外付けする場合と比較して封止剤205を第3主電極209と第2主電極202の間の距離を大きくするなど工夫が必要となる。しかしながら、図12の変形例2によれば、第3主電極209の外付け作業が不要であるため、小型でありながら汎用性と量産性を向上させることができる。
また上アームを構成する部位と下アームを構成する部位間で発生する熱応力や機械的な応力が発生し、封止剤205では抑えきれない反りが発生しうる状況であっても、半導体モジュール208W2内で、上下アーム回路を覆うように設けられた第3主電極209が支えになり、熱応力や機械的な応力による半導体モジュール208W2の反りを軽減することができる。結果として、確実に半導体モジュール208W2と冷却器の表面との接触を保つことができる。
[第8実施形態の説明]
次に、本発明の第8実施形態について説明する。この電力変換装置501は、第1実施形態〜第7実施形態、および第7実施形態の変形例1、変形例2で説明した電力変換装置と同様に、3相インバータ回路の1つの相を構成するものである。
図13は、第8実施形態に係る電力変換装置501の斜視図である。図14(a)、図14(b)、図14(c)は、電力変換装置501の構成を示す図であり、図14(a)は、電力変換装置501の平面図、図14(b)は、電力変換装置501の動作時における電流経路を示す概略図である。また、図14(c)は、電力変換装置501に使用される半導体モジュール208AL,208AR(半導体モジュール208A)の内部構造を示す斜視図である。
電力変換装置501を構成する半導体モジュール208AL,208ARは、同一の構造を有するものとして説明する。以降の説明において、半導体モジュール208AL,208ARを半導体モジュール208Aとして参照する場合がある。
本実施形態に係る電力変換装置501では、図14(c)に示すように、パワー端子207a,207bが、半導体素子210を挟んで、半導体モジュール208Aの対向する面にそれぞれ配置されている。言い換えると、パワー端子207aは、半導体モジュール208Aの前面に配置され、パワー端子207bは半導体モジュール208Aの後面に配置されている。そのため半導体モジュール208A内で、パワー端子207a、半導体素子210、パワー端子207bは、この順で略同一直線状に並んで配置されている。
そして、図13および図14(a)に示すように、上アームを構成する半導体モジュール208ALのパワー端子207aと、下アームを構成する半導体モジュール208ARのパワー端子207bが隣り合うように配置されている。また上アームを構成する半導体モジュール208ALのパワー端子207bと、下アームを構成する半導体モジュール208ARのパワー端子207aが隣り合うように配置されている。
上アームを構成する半導体モジュール208ALのパワー端子207bと、下アームを構成する半導体モジュール208ARのパワー端子207aとが、第3主電極209Aによって電気的に接続され、半導体モジュール208ALと半導体モジュール208ARは、上下アーム回路を形成するように直列に接続されている。
図14(a)に示すように、本実施形態では2つの半導体モジュール208Aのうち片方を180度回転させて並べ、半導体モジュール208AL,208ARとしている。そのため、図14(b)に示す電流経路のように、上下アーム回路のP側からN側に流れる電流の流れは、点P1、P2、P3、P4の順に進み、点P5で折り返して、その後、点P6、P7、P8、P9の順に、流れる経路をたどる。このように電流は折り返すように流れるため、図14(b)の電流経路において、点P4から点P6にかけての辺の長さを短くすることにより、半導体モジュール208AL側の電流経路(点P1から点P4までの辺)と、半導体モジュール208AR側の電流経路(点P6から点P9までの辺)の間の相互インダクタンスを大きくすることができる。その結果、電力変換装置501の全体でのインダクタンスを低減する効果が大きくなる。
半導体モジュール208Aでは、パワー端子207a,207bが、半導体素子210を挟んで、半導体モジュール208Aの対向する面にそれぞれ配置されているため、半導体モジュール208Aの幅を狭くすることができる。また、第7実施形態で示した半導体モジュール208のようにパワー端子207a,207bを同一の側の面(前面)に配置する場合と比較して、半導体モジュール208Aのパワー端子207a,207bの間の絶縁距離を短くしやすいため、半導体モジュール208Aを並べる際の、半導体モジュール208A同士の間の幅も狭くすることができる。これらの特徴により、電力変換装置501の小型化が可能である。
[第9実施形態の説明]
次に、本発明の第9実施形態について説明する。この電力変換装置601は、第1実施形態〜第8実施形態で説明した電力変換装置と同様に、3相インバータ回路の1つの相を構成するものである。
図15に示す電力変換装置601は、特に第8実施形態で説明した電力変換装置501の、第3主電極209Aの上に、絶縁体235を介して別途、2枚の第3主電極209B,209Cが配置された状態を示している。その他の構成は第8実施形態の電力変換装置501と変わらないので説明を省略する。なお、図15において、第3主電極209A,209B,209Cが有する、外部回路との接続用の端子は省略している。
第3主電極209Cは、連結金具221によって、半導体モジュール208ALのパワー端子207aと電気的に接続されている。また第3主電極209Bは、連結金具222によって、半導体モジュール208ARのパワー端子207bと電気的に接続されている。そのため、第3主電極209Cは上下アーム回路のP側に接続され、第3主電極209Bは上下アーム回路のN側に接続されている。
ここで、P側に接続される第3主電極209Cでの電流方向は、半導体モジュール208ALのパワー端子207a(P側)の電流方向と対抗するように設けられているため、電流が折り返す効果によって、第3主電極209Cと半導体モジュール208ALの間で相互インダクタンス効果を発生させることが可能となる。N側に接続される第3主電極209Bでの電流方向は、半導体モジュール208ARのパワー端子207b(N側)の電流方向と対抗するように設けられているため、同様に、第3主電極209Bと半導体モジュール208ARの間においても、相互インダクタンス効果を発生させることが可能となる。
複数の第3主電極209A,209B,209Cの上下の並びは、半導体モジュール208AL,208ARとの構成によって自由に変えることができ、所定の効果が得られるよう最適な並びを選択することができる。また、第3主電極209A,209B,209C同士を重ねたまま回路先のコンデンサやモーター、電池などへ接続させれば、接続先までのインダクタンスも低減させることができる。
[その他の実施の形態]
本発明の第1実施形態〜第9実施形態では、半導体素子5,8,210のそれぞれは単一の素子部品であるものとして説明した。しかしながら、スイッチング動作と還流動作を行うものであれば、必ずしも単一の素子部品として形成される必要はなく、半導体素子5,8,210のそれぞれが、複数の素子部品を組み合わせて形成されるものであっても構わない。例えば、MOSFETは、スイッチング動作と、MOSFETに内蔵されるPNダイオードで還流動作が可能であるため、1個のMOSFETを素子部品として使用することにより半導体素子5,8,210を構成することができる。その他、IGBT等、逆方向に流れづらい素子を素子部品として使用する場合は、FWD(ダイオード)を設けても良い。半導体素子5,8,210はSiやSiC、他からなるものでもよい。
また、直流の電源の電圧をスイッチング素子によってそのまま出力にスイッチングして繋げる回路構成のインバータ、すなわち電圧型インバータを例として説明した。直流の電源からインダクタを介して一定の電流を流し、その電流が流れ込む端子をスイッチングにより切り替える回路構成のインバータ、すなわち電流型インバータに対して適用しても同じ効果を得ることができる。すなわちインバータを構成するバスバと半導体素子の間での容量結合を増大させることで、インバータ全体のインダクタンスを低減させることができ、インダクタンスに起因して生じるサージ電圧の発生を抑制することが可能となる。
本発明の第7実施形態〜第9実施形態では、第3主電極209,209Aは、上下アーム回路の、上アームと下アームとの接続点の電位を出力するものとして説明した。その他、代わりに第3主電極209,209Aは、上下アーム回路のP側の電位を出力、あるいはN側の電位を出力するものであってもよい。この場合においても、第3主電極209,209Aが半導体モジュール208,208W1,208W2,208A内の第2主電極202と近接して設けられ、また上下アーム回路を覆うように配置される場合には、第7実施形態〜第9実施形態と同じ効果をもつ。
半導体モジュール208L,208R、あるいは半導体モジュール208AL,208ARは、互いに同じ構造(半導体モジュール208,208A)を有するものとして説明しているが、3相インバータ回路の相を構成する上アーム、下アームとしての機能を発揮でき、半導体モジュール208Lを流れる電流によって生じる磁気と、半導体モジュール208Rを流れる電流によって生じる磁気とが互いに打ち消し合うような構造であれば、必ずしも同じ構造を有している必要はない。
パワー端子207a,207bは、それぞれ第1主電極203、第2主電極202とは別部材で設けられ、接合材206を介して、それぞれ第1主電極203、第2主電極202と電気的に接続されるものとして説明した。しかしながら、このような構造に限定されるものではなく、パワー端子207aと第1主電極203とは、一体的に形成されたものであってもよい。同様に、パワー端子207bと第2主電極202とは、一体的に形成されたものであってもよい。
パワー端子207a,207bと第3主電極209の間の接続・固定方法、およびパワー端子207a,207bとバスバ207P,207Nの間の接続・固定方法は、ねじ止めによるものとして説明したが、この他にも、溶接したり、はんだなどの接合材によって接合したりする方法によっても実現可能である。バスバ207P,207Nを、それぞれパワー端子207a,207bに接続・固定するものであれば、これらの方法に限られない。
封止剤205としてトランスファーモールド法やコンプレッション法でエポキシなどの熱硬化性樹脂を使用し、半導体モジュール208,208W1,208W2,208Aの外装を成形することが望ましいが、PPSやゲルなどを使用してもよい。また、接合材206には、はんだなど、電気的に導通できるものを用いる。
第1主電極203、第2主電極202、第3主電極、半導体素子210の封止に、磁性体材料や高誘電率材料を用いれば、第1主電極203、第2主電極202、第3主電極、半導体素子210の間に生じる容量結合を高めることができる。その結果、電力変換装置201、301、401、501の全体のインダクタンスを、さらに低減することができる。
半導体素子210は、接合材206で直接、第1主電極203、第2主電極202に接続しているとして説明したが、半導体素子210と第1主電極203の間、あるいは半導体素子210と第2主電極202の間に、銅や銅モリブデンからなる導電性の物質を介して間に挟んで、半導体素子210を接続してもよい。
絶縁材は樹脂などからなる絶縁シートやセラミクスからなる絶縁基板などが挙げられる。また冷却器RGへの接合方法としては、はんだや蝋材などの直接接合やグリースなどの間接接合する方法がある。冷却器RGは空冷でも水冷でもよい。
本発明の第7実施形態において説明した変形例1および変形例2は、その他の第8、第9実施形態に対しても適用可能である。すなわち、1個のアームに対応する半導体モジュール208,208Aの代わりに、2個のアーム回路が1つにパッケージされた半導体モジュール208W1,208W2を利用することが可能である。また、2個以上のアーム回路を1個にパッケージした半導体モジュールを使用することも可能である。
上述した実施形態では、2つのアームに対応する2in1パワー半導体モジュールの場合を示したが、6つのアームに対応して、1部品で3相コンバータ装置のすべての相を構成することができる6in1パワー半導体モジュールなどの構成であってもよい。
本発明の第9実施形態は、その他の第7実施形態、およびその変形例1,2、また第8実施形態に対しても適用可能である。すなわち、上アームおよび下アームの接続点の電位を出力するための第3主電極209に加えて、上下アーム回路のP側、およびN側のそれぞれに電気的に接続される第3主電極を設けてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、これらの実施形態は本発明の理解を容易にするために記載された単なる例示に過ぎず、本発明は当該実施形態に限定されるものではない。本発明の技術的範囲は、上記実施形態で開示した具体的な技術事項に限らず、そこから容易に導きうる様々な変形、変更、代替技術なども含むものである。
本出願は、2013年6月24日に出願された日本国特許願第2013−131713号に基づく優先権を主張しており、この出願の全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
本願発明では、プラス側平板形状部、マイナス側平板形状部、及び出力側平板形状部と、第1半導体素子、及び第2半導体素子の主面が略平行となるように配置されるので、導電部材の間の容量結合、および導電部材と半導体素子との間の容量結合を増大させることができ、電力変換装置全体に存在するインダクタンスを低減することが可能となる。
1,21 バスバ部
2,22a,22b パワーモジュール部
3 支持基板
4,7,10,207N,207P バスバ
4a,7a,10a 平板形状部
4b,7b,10b 導電部
4c,10c ブラケット
5 第1半導体素子
6,9 接続線
8 第2半導体素子
23a,23b 支持基板
24,25,26,27 封止剤
24a,24b,25a,25b,26a,26b,27a,27b 樹脂
29 コンデンサ
101,102,103,104,105,106,201,301,401,501 電力変換装置
202 第2主電極
203 第1主電極
205 封止剤
206 接合材
207a,207b パワー端子(第1主端子部、第2主端子部)
208,208R,208L,208AR,208AL,208W1,208W2 半導体モジュール
209,209A 第3主電極
210 半導体素子
221,222 連結金具
235 絶縁体
RG 冷却器

Claims (17)

  1. 上アームを構成する第1半導体素子と、
    下アームを構成する第2半導体素子と、
    前記上アームにプラス電位を供給するプラス側導電部材と、
    前記下アームにマイナス電位を供給するマイナス側導電部材と、
    前記上アームと前記下アームとの接続点の電位を出力する出力側導電部材と、
    を備え、
    前記プラス側導電部材は、半導体素子の主面に対して略平行となるように配置されるプラス側平板形状部を有し、
    前記マイナス側導電部材は、前記主面に対して略平行となるように配置されるマイナス側平板形状部を有し、
    前記出力側導電部材は、前記半導体素子の主面に対して略平行となるように配置される出力側平板形状部を有すること
    を特徴とする電力変換装置。
  2. 請求項1に記載の電力変換装置であって、
    前記プラス側平板形状部は、前記第1半導体素子の主面の全体に対して重複するように配置されること、もしくは、
    前記マイナス側平板形状部は、前記第2半導体素子の主面の全体に対して重複するように配置されること、
    の少なくとも1つが成立するように前記プラス側平板形状部と前記マイナス側平板形状部とが配置されていること
    を特徴とする電力変換装置。
  3. 請求項1または請求項2のいずれかに記載の電力変換装置であって、
    前記第1半導体素子の一端側と前記第2半導体素子の一端側が接続され、
    前記プラス側導電部材は、前記第1半導体素子の他端側と接続され、
    前記マイナス側導電部材は、前記第2半導体素子の他端側に接続されること
    を特徴とする電力変換装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電力変換装置であって、
    前記出力側導電部材は、前記第1半導体素子、及び前記第2半導体素子の、少なくとも一方の主面全体に対して重複するように配置されること
    を特徴とする電力変換装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電力変換装置であって、
    前記プラス側平板形状部、前記マイナス側平板形状部、及び前記出力側平板形状部を、樹脂にて封止すること
    を特徴とする電力変換装置。
  6. 請求項5に記載の電力変換装置であって、
    前記プラス側導電部材と前記マイナス側導電部材との間を接続するコンデンサを更に備え、
    前記プラス側平板形状部、前記マイナス側平板形状部、及び前記出力側平板形状部に加え、前記コンデンサを前記樹脂にて封止すること
    を特徴とする電力変換装置。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の電力変換装置であって、
    前記第1半導体素子と前記第2半導体素子とを前記主面とは反対側の面で支持する支持基板を更に備え、
    前記プラス側導電部材、前記マイナス側導電部材、及び前記出力側導電部材は、それぞれ前記支持基板に直接的に固定するための固定面を有し、
    更に、
    前記第1半導体素子は、前記プラス側導電部材の前記固定面に設置され、
    前記第2半導体素子は、前記出力側導電部材の前記固定面に設置され、
    前記支持基板の少なくとも一部と、前記固定面、及び前記第1半導体素子、前記第2半導体素子を樹脂にて封止すること
    を特徴とする電力変換装置。
  8. 請求項1に記載の電力変換装置であって、
    アームは、
    前記半導体素子と、
    前記半導体素子に前記主面で接続される第1主電極と、
    前記半導体素子に前記主面とは反対側の面で接続される第2主電極と、
    を有する半導体モジュールからなり、
    各アーム内で、前記第1主電極には、前記第2主電極よりも高電位の電位が印加され、
    複数の半導体モジュールは、上下アーム回路を形成するように直列に接続されており、
    前記プラス側導電部材、前記マイナス側導電部材、前記出力側導電部材のいずれかの一部を構成する第3主電極は、少なくとも前記第1主電極または前記第2主電極に平行する部位が垂直方向に重なる部分を有するように、前記半導体モジュールの冷却面と反対側に配置されること
    を特徴とする電力変換装置。
  9. 請求項8に記載の電力変換装置であって、
    前記第3主電極は、前記複数のアームの間を、少なくとも前記第1主電極または前記第2主電極に平行してまたがるように配置されること
    を特徴とする電力変換装置。
  10. 請求項8または請求項9のいずれかに記載の電力変換装置であって、
    前記第3主電極は、1つないし複数の前記半導体素子と垂直方向に重なるように配置されること
    を特徴とする電力変換装置。
  11. 請求項8〜請求項10のいずれか1項に記載の電力変換装置であって、
    前記半導体モジュールは、外部と接続する第1主端子部および第2主端子部を更に有し、
    前記第1主端子部および前記第2主端子部は、それぞれ前記第1主電極および前記第2主電極と電気的に接続され、共に前記半導体モジュールの前面に配置されていること
    を特徴とする電力変換装置。
  12. 請求項8〜請求項10のいずれか1項に記載の電力変換装置であって、
    前記半導体モジュールは、外部と接続する第1主端子部および第2主端子部を更に有し、
    前記第1主端子部および前記第2主端子部は、それぞれ前記第1主電極および前記第2主電極と電気的に接続され、前記第1主端子部は、前記半導体モジュールの前面に配置され、前記第2主端子部は、前記半導体モジュールの後面に配置されていること
    を特徴とする電力変換装置。
  13. 請求項8〜請求項12のいずれか1項に記載の電力変換装置であって、
    前記半導体モジュールは、金型成形で樹脂封止されること
    を特徴とする電力変換装置。
  14. 請求項13に記載の電力変換装置であって、
    前記第3主電極は、前記半導体モジュールの樹脂表面に面接地している部位を有すること
    を特徴とする電力変換装置。
  15. 請求項13に記載の電力変換装置であって、
    前記半導体モジュールは、樹脂封止された少なくとも1つ以上の前記アームを有し、
    前記第3主電極は、前記半導体モジュール内に樹脂封止されること
    を特徴とする電力変換装置。
  16. 請求項8〜請求項15のいずれか1項に記載の電力変換装置であって、
    前記半導体モジュールの前記冷却面が、絶縁材を介して冷却器に金属接合されること
    を特徴とする電力変換装置。
  17. 請求項8〜請求項16のいずれか1項に記載の電力変換装置であって、
    複数の第3主電極は、
    前記プラス側導電部材の一部を構成する、少なくとも1つの第3主電極と、
    前記マイナス側導電部材の一部を構成する、少なくとも1つの第3主電極と、
    前記出力側平板形状部の一部を構成する、少なくとも1つの第3主電極と、
    から構成され、
    前記複数の第3主電極は、前記第1主電極または前記第2主電極の上に平行して重なる部分を有するように配置されること
    を特徴とする電力変換装置。
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