JP2007037211A - 配電部品および電気装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 基板とバスバーとの間に発生する応力を緩和または抑制することができる配電部品およびその配電部品を備えた電気装置を提供する。
【解決手段】 バスバーハウジング33の壁間の収容部に収容され、モータ9の配電接続部となるバスバー31と、インバータのスイッチング素子23と壁間の収容部に重なるように位置する接続パッド25とを搭載した基板21と、接続パッドとバスバーとを導通させ、かつ基板およびバスバー間に生じる応力を緩和するための板ばね71と、を備える。
【選択図】 図4
【解決手段】 バスバーハウジング33の壁間の収容部に収容され、モータ9の配電接続部となるバスバー31と、インバータのスイッチング素子23と壁間の収容部に重なるように位置する接続パッド25とを搭載した基板21と、接続パッドとバスバーとを導通させ、かつ基板およびバスバー間に生じる応力を緩和するための板ばね71と、を備える。
【選択図】 図4
Description
本発明は、配電部品およびその配電部品が用いられた電気装置に関するものである。
電気装置には電力を供給するための配電部品が用いられるが、電気装置の高出力化に伴いハイパワーの電力を用いる場合が多くなっている。電気装置のうちモータについては、化石燃料の高騰や、地球温暖化防止のためのCO2排出量の抑制などを背景に、電気自動車やハイブリッド自動車が注目を集め、とくにハイブリッド自動車はその単位燃料当りの走行距離が高いために飛躍的にその台数を増やしている。上記のような電気装置に供給される電力は、各種電力変換装置(以下、「変換装置」と記す)によって電力の形態を変換されて使用される場合が多い。このとき、電気装置には大きな電力が供給されるので、変換装置も大きな電力を扱うことになり、変換装置自体の電力損失を減らし、効率のよい電力変換を行う必要がある。このため変換装置には、オンオフを繰り返すスイッチとして動作する半導体デバイス、すなわちスイッチング素子が用いられる。スイッチング素子は、オン状態で電圧ゼロ、またオフ状態で電流ゼロなので、オンオフの電圧電流のタイムラグが生じなければ消費電力はゼロである。しかし、実際はタイムラグが生じるため、スイッチング素子では、電力の消費はゼロではなく、ロスとして熱が発生する。
スイッチング素子は変換装置の重要な部分を占めるが、変換装置にはスイッチング素子のほかに、そのスイッチング素子の動作を制御する、マイコンやマイコンにモータの回転状態の情報を知らせるセンサなどを含む制御部が備えられる。電気装置には小型化が求められるが、とくに交通手段に用いられるモータなどの電気装置では、小型化の要求が厳しい。このため、スイッチング素子を含む制御部全体をモータの側部にバスバーを介在させて取り付けた、制御部一体型車両用モータ(とくにカーエアコンのコンプレッサ用モータ)が提案された(特許文献1参照)。この方式によれば、耐衝撃性を確保しながら小型化を実現することができる。また、3相の薄型DCブラシレスモータのステータに配電を行うための円環状バスバーの製造歩留まりを向上させる構造について、提案がなされている(特許文献2)。上記円環状バスバーを用いることにより、配電部材は、その製造が比較的簡単となり、低コストでかつ絶縁耐圧を高めることが可能となる。
特開2003−324903号公報
特開2003−134728号公報
しかしながら、制御部の全体をモータと一体化する方式(特許文献1)では、制御部全体と一体化されたモータが所定サイズを超え、車両または機械装置への搭載に支障をきたすケースが多く生じる。たとえばモータやスイッチング素子で発生する熱に起因する熱応力について配慮されていない。
また、上記特許文献2に開示の配電部材によれば、その配電部材中のバスバーの製造歩留り、耐絶縁性能などを向上させることはできるが、車両もしくは機械装置またはモータの小型化などについて触れていない。
上記のように、電気装置が適用される装置に応じて、そこに配置される電気装置およびその変換装置に求められる小型化の要求内容が異なる。このような多様な小型化の要求は、一言で言えば空間利用効率の向上の要求と言い換えることができる。上記の電気装置および変換装置は、このような空間利用効率の向上を得ることが望ましい。
上記に増して、より基本的に重要なことは、上記配電部品の電気装置への搭載の容易性(搭載性)およびその搭載状態の堅固安定性を得ることである。搭載状態の堅固安定性を確保する観点から、電気装置およびスイッチング素子はともに発熱するので、自動車などにおける装置間の間隙等の利用効率を高めるために両者を近接配置した場合に生じる熱応力に対処しておく必要がある。また、熱応力に限らず、基板は剛性が高いために、バスバーなどと互いに押し合って生じる応力は、大きくなる傾向がある。このような基板とバスバーとの間に生じる応力(熱に起因する応力に限定されない)に対処する必要がある。
本発明は、基板とバスバーとの間に発生する応力を緩和または抑制することができる配電部品およびその配電部品を備えた電気装置を提供することを目的とする。
本発明の配電部品は、インバータによりスイッチングされた電力を電気装置に供給する配電部品である。この配電部品は、バスバーハウジングの壁間の収容部に収容され、電気装置の配電接続部となるバスバーと、インバータのスイッチング素子と壁間の収容部に重なるように位置する接続パッドとを搭載した基板と、接続パッドとバスバーとを導通させ、かつ基板およびバスバー間に生じる応力を緩和するための導電性応力緩和部材と、を備える。この導電性応力緩和部材を備えることにより、基板とバスバーとの間に生じる応力、とくに熱応力を緩和することができる。
本発明の別の配電部品は、インバータによりスイッチングされた電力を電気装置に供給する配電部品である。この配電部品は、バスバーハウジングの壁間の収容部に収容され、電気装置の配電接続部を構成するバスバーと、インバータのスイッチング素子と壁間の収容部に重なるように位置する接続パッドとを搭載する基板と、バスバーハウジングの収容部に位置し、基板およびバスバー間に生じる応力を緩和するための応力緩和部材と、を備える。この構成により、接続パッドとバスバーとの間に生じる応力を、バスバーハウジングに位置する応力緩和部材によって緩和することができる。
本発明の電気装置は、インバータによりスイッチングされた電力を供給される電気装置である。この電気装置は、電気装置に外付けされたバスバーハウジングの壁間の収容部に収容され、電気装置の配電接続部を構成するバスバーと、電気装置から見て、バスバーよりも遠くに位置し、インバータのスイッチング素子と壁間の収容部に重なるように位置する接続パッドとを搭載する基板と、接続パッドとバスバーとを導通させ、かつ基板およびバスバー間に生じる応力を緩和するための導電性応力緩和部材と、を備える。
この構成により、基板とバスバーハウジングに収容されたバスバーとを近接配置した場合に、導電性応力緩和部材により、スイッチング素子とバスバーとを導通させながら、基板とバスバーとの間に生じる応力を緩和することができる。とくにスイッチング素子や電気装置に発生した熱に起因する熱応力を緩和することができる。この結果、配電部品一体型電気装置の耐久性を高めることができる。
本発明の別の電気装置は、インバータによりスイッチングされた電力を供給される電気装置である。この電気装置は、電気装置に外付けされたバスバーハウジングの壁間の収容部に収容され、電気装置の配電接続部を構成するバスバーと、電気装置から見て、バスバーよりも遠くに位置し、インバータのスイッチング素子と壁間の収容部に重なるように位置する接続パッドとを搭載する基板と、バスバーハウジングの収容部に位置し、基板およびバスバー間に生じる応力を緩和するための応力緩和部材と、を備える。
この構成により、バスバーハウジングに位置する応力緩和部材により、基板とバスバーとの間に生じる応力を緩和することができる。とくに熱応力を緩和することができる。この結果、バスバーハウジングに位置する部材により、応力を緩和して製品の耐久性を高めることができる。
(実施の形態1)
つぎに図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態1における、モータ用の配電部品およびその配電部品が設けられたモータ10、を示す斜視図である。この配電部品一体型モータ10には、回転軸11に沿って見て、モータ本体9の端部9aに、そのモータ本体9に重なるように、バスバー31が取り付けられ、そのバスバー31をモータ本体9との間に挟むように、半導体スイッチング素子23が配置されている。バスバー31は、3相配電の場合、U,V,Wの3相に対応して3本設けられる。これら3本のバスバーは、絶縁性のバスバーハウジング33の壁および底部に囲まれた溝状スペースに収容され取り付けられている。バスバー31は銅板を打ち抜き、表面にスズめっきが施されている。バスバーハウジング33は、たとえば耐熱性樹脂で形成される。耐熱性樹脂としては、たとえばポリフェニレンスルフィド(PPS)などを用いることができる。強度を確保するために金属部材で強化してもよい。バスバー31のモータ本体9への取付部としては、バスバーハウジング33、バスバーハウジング33のモータ本体9への取付部品(図示せず)、バスバー31のバスバーハウジング33内での固定部材(図示せず)等をあげることができる。
つぎに図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態1における、モータ用の配電部品およびその配電部品が設けられたモータ10、を示す斜視図である。この配電部品一体型モータ10には、回転軸11に沿って見て、モータ本体9の端部9aに、そのモータ本体9に重なるように、バスバー31が取り付けられ、そのバスバー31をモータ本体9との間に挟むように、半導体スイッチング素子23が配置されている。バスバー31は、3相配電の場合、U,V,Wの3相に対応して3本設けられる。これら3本のバスバーは、絶縁性のバスバーハウジング33の壁および底部に囲まれた溝状スペースに収容され取り付けられている。バスバー31は銅板を打ち抜き、表面にスズめっきが施されている。バスバーハウジング33は、たとえば耐熱性樹脂で形成される。耐熱性樹脂としては、たとえばポリフェニレンスルフィド(PPS)などを用いることができる。強度を確保するために金属部材で強化してもよい。バスバー31のモータ本体9への取付部としては、バスバーハウジング33、バスバーハウジング33のモータ本体9への取付部品(図示せず)、バスバー31のバスバーハウジング33内での固定部材(図示せず)等をあげることができる。
スイッチング素子23は基板21に搭載され、その基板21は後で説明する回路を構成するように基板21において配線がなされている(回路、配線について図17〜図19参照)。スイッチング素子23を搭載した基板21をパワーモジュール20と呼ぶ。基板21には、バスバー31と接続するのが容易なように、接続パッド25が設けられる。接続パッド25は、基板裏面側に露出するタイプ(表(おもて)面側露出部はワイヤボンディン配線に必要)でもよいし、表面側にのみ露出するタイプでもよい(図6〜図7参照)。また、基板21には、インバータ制御部40から高圧接続端子29へと、プラス側とマイナス側とに対応して2本の高圧ケーブル41が接続される。高圧接続端子29は、バスバー31と同じ材質で形成され、基板21へは半田付けまたはろう付けで取り付けられる。また、基板21には、コネクタ27が設けられ、コネクタ27は、スイッチング素子23のオンオフなどを制御するためにゲートに信号を伝達するインバータ制御部40からの制御線43と、所定の配線を実現する。コネクタ27は、基板21にねじ止めし、各端子を基板に半田付けまたはろう付けで接続する。なお図1ではスイッチング素子23をバスバー31との間で挟むように位置する放熱部は省略しているが、後で示すように、実際には放熱部は配置される。
図2は、本発明の実施の形態1におけるモータへの配電系統を示す模式図である。バッテリーからの電力は、その電圧をリレーおよび昇圧コンバータにより上げられ、インバータ制御部40およびパワーモジュール20を経てモータに供給される。インバータ制御部40と、スイッチング素子搭載基板(パワーモジュール)20とは別体で構成され、両者の間は2本の高圧ケーブル41で接続される。インバータ制御部40にパワーモジュール20が含まれる構成の場合、高圧ケーブル41は、3相のそれぞれに1本ずつ計3本必要であった。また、本発明の構成を有していても、プラス側に3相に共通の配線バーと、マイナス側に3相に共通の配線バーとを配置しない場合、高圧ケーブルはU相,V相,W相の3本必要である。要するに、プラス側に3相に共通の配線バーと、マイナス側に3相に共通の配線バーとを配置して、U相,V相,W相のスイッチング素子のプラス側端子(ソースまたはドレイン)を3相に共通のプラス側配線バーに、またマイナス側端子(ドレインまたはソース)を3相に共通のマイナス側配線バーに接続することにより、高圧ケーブルを2本にすることができる。上記のU,V,W相に共通の、プラス側配線バーおよびマイナス側配線バーを備えていれば、基板の有無には関係しない。図2では、ここでは図示していない上記配線バーを備えており、インバータ制御部40と、パワーモジュール20とを別体にして、パワーモジュール20をバスバー31に近接配置し、インバータ制御部40とパワーモジュール20とを結ぶ高圧ケーブル41は、プラス側とマイナス側の2本としている。
図3は、モータ端部9a上に位置する配電部品を、軸線に沿って見た正面図である。パワーモジュール20のスイッチング素子23は、U、V、Wの3相のバスバー31に重なるように配置されている。バスバー31は、バスバーハウジング33の絶縁性の壁間および図示していない底部で形成される溝状スペースに収容され固定されており、基板21の接続パッド25と接続されている。スイッチング素子Q1,Q2はU相用であり、Q3,Q4はV相用であり、またQ5,Q6はW相用である。接続パッド25も、U、V、W相に対応して3つあり、各相のバスバーと重なるように、バスバーの真上に、配置されている。高圧接続端子29はプラス端子とマイナス端子の2つが、モータ端部9aから外周側に突き出すように設けられ、図示していない高圧ケーブルと、圧着ボルト孔29aに挿通されるボルト、ナットにより接続される。
基板21には、基板21の配線各部と接続されるコネクタ27aが設けられる。コネクタ27aにコネクトされる相手側のコネクタ27bには、スイッチング素子のゲートに制御信号を送る、インバータ制御部からの制御線43が連結される。コネクタ27a,27bおよび制御線43とは、制御線コネクト部49を形成する。基板21は、モータ9に取り付けられてもよいし、バスバーハウジング33に取り付けられてもよい。また、接続パッドとバスバーとの接続による固定力のみで取り付け、とくに他に取付部を有しなくてもよい。
図4は、図3のIV-IV線に沿った断面図である。バスバー31は、パワーモジュール20と重なる部分(接続部)以外の部分は、バスバーハウジング33に収容された、弧状で帯状の金属板(とくに銅板)として構成される。そして、パワーモジュール20と重なる接続部では、接続パッドと接続を形成するために、板ばね71が配置される。板ばね71は、その端部71aにおいてバスバー31と接続パッド底部25bとに接続され、中間部(湾曲部)71bにおいて弾性変形が行われる。板ばね71は銅で形成され、表層はスズめっき処理されている。板ばね71は、接続パッド底部25bおよびバスバー31と半田付け、ろう付け、溶接またはねじ止めにより接続され、接続パッドとバスバーとの導通を確保している。板ばね71は、その厚みが薄いために、基板側またはバスバー側で生じた熱に起因する応力に対して容易に変形し、基板およびバスバーにおいて熱に起因する応力を増大させない。たとえば、従来のように、剛性のある導電性接続部材で接続した場合、一方の温度上昇に起因する熱膨張はその剛性のある導電性接続部材のためにほとんどそのまま相手方への応力付加として作用し、その結果、バスバーと基板との間に大きな応力を生じていた。しかし、上記のように板ばね71を用いることにより、熱膨張は板ばねの変形としてほとんど吸収され、相手方への応力付加になりにくい。このため熱膨張等に起因する応力発生を、板ばねによって緩和することが可能となる。
なお、上記の板ばね71は、板ばねの長手方向がバスバー31の幅方向に沿うように配置される。このような板ばねの向きの配置を、幅方向配置と呼ぶこととする。板ばねの中間部(湾曲部)は、バスバーハウジングの壁33a,33wから少し離れているが、板ばね71の変形に支障とならなければ必ずしも離間させることは必要ない。
図4において、3本のバスバー31は、バスバーハウジング33の隔壁33w,外壁33a、底部33bで囲まれた各相収容部に収容されている。バスバー31は基板21に設けた接続パッド底部25bと接続される部分以外は絶縁される。ここに示すタイプの接続パッドは、上記裏面側と、ワイヤボンディングされる表面側とに、露出部を有する。基板21やその他の部材、たとえば図示しないパワーモジュール部カバーで囲まれた収容部の空間には、絶縁樹脂が充填されることが望ましい。
基板21の上には基板全体を覆うように放熱部(図示せず)が配置され、モータ9、スイッチング素子23などから生じる熱を放散する。熱は、主に、モータ9およびスイッチング素子23から生じる。上記のようにモータ端部9aにバスバーとスイッチング素子とが近接して配置される場合、スイッチング素子23からの熱がバスバー底辺部31bを伝ってモータ本体表面から放散されることにより、スイッチング素子23の温度上昇を抑制する場合もある。しかし、このような経路の放熱は多くは期待できず、このため、放熱部の役割は重要である。放熱部については、図16において詳しく説明する。
図5は、一つの相におけるバスバー31と板ばね71とを示す模式図である。基板やバスバーハウジングは省略されている。板ばね71は、上述のように、その長手方向がバスバーの幅方向と平行になるように配置される。各相のバスバーが円弧状に形成される場合、板ばね71の円弧状の位置は、短絡や放電を防ぐ意味から、円弧上の対応位置から相互にずらして、相互間の距離を大きくすることが望ましい。
上記の構成により、モータ本体9とスイッチング素子23とは、バスバー31を介在させて回転軸11に沿って見て重なるように、すなわちモータ端部9aにおいて一体化することができる。このため、モータ9と、バスバー31、スイッチング素子23および基板21等を含む配電部品と、の一体化を、モータ側面外形を複雑な形状にすることなく、またモータ側面からはみ出す部分を抑制した上で、実現できる。モータ本体9は、回転体を含み、特有の円筒面状の側面形状を有する。本発明の配電部品におけるバスバー31は、上記円筒面状の形状を有する側面にではなく、側面に交差するモータ端面(端部)9aに取り付けられる。モータ端部9aは、凹凸や段差はあるかもしれないが、十分な広さの平坦部があるため、バスバーハウジングなどを取り付けやすい。このため、相対する互いの面形状を相補的に適合するように工数をかけることなく、自然に空間利用効率を高めることができる。また、バスバー31、スイッチング素子23および基板21等を備える配電部品と、モータとの接続構造が簡単なので、モータへの配電部品の搭載を搭載性よくでき、かつ接続を堅固に耐久性に優れるように形成することができる。
しかし、本発明の配電部品は、モータ端部9aだけでなく、モータ側面9b(図1参照)に取り付けられてもよい。すなわち、搭載性等を考慮するとモータ端部9aにバスバーハウジング33を取り付けることが好ましいが、装置全体の構造から、モータ端部9aへの取り付けが困難な場合、モータ側面9bに取り付けてもよい。それは、パワーモジュールをモータに取り付けた場合、モータ端部に取り付けるほうが熱の発生は大きな問題となるが、モータ側面に取り付けても、熱の発生は問題であり、その熱に起因する応力を緩和する点で、本発明の構成は、どちらの場合でも、十分な効果を有するからである。
図6は、板ばねの変形例を示す図である(図4と同じ断面の部分)。バスバー31の接続部の断面をL字状とし、バスバーの先端部に板ばね71を接続している。バスバー31および板ばね71は銅で形成され、その表層はスズめっきされている。板ばねの端部71aは、半田63により接続パッド底部25bに接続されている。接続は、半田付けに限定されず、ろう付け、溶接またはねじ止めでもよい。上記の接続構造の場合、接続パッド25は基板21の裏面側に露出する部分25bを有することが必須となる。表面側はワイヤボンディングによる接続箇所となる。基板21に貼り付けられる放熱部は省略されている。
また、図7は、板ばねの他の変形例を示す図である(図4と同じ断面の部分)。板ばねはL字状のバスバー接続部の先端に取り付けられ、その端部71aは、基板21と接続パッド25に設けられた孔部を挿通され、接続パッド25を越えた側で半田63により接続パッドと接続される。放熱部50は、接続パッド25を空隙をあけて取り囲むように基板21に貼り付けられている。この構成により、基板裏面側での半田付け等が難しい場合、基板表面側において接続パッドとバスバーとを接続することができる。図7のような接続構造の場合、接続パッド25は基板21の裏面側に露出する部分を持つ必要はなく、短絡等を考慮するとないほうが望ましい。上述のように、上記バスバー接続部以外の部分は、図示していない取付固定部などを除いて、バスバー接続部の底辺部がそのまま弧状に延びた部分から構成される。
図8および図9は、図6〜図7と同様の図である。図8では、板ばね71はS字状の断面を有し、また図9では板ばね71はM字状の断面を有する。これら板ばね71は、湾曲部の数を多く有するため、上述の変形が容易であり、熱に起因する応力をより一層抑制することができる。
(実施の形態2)
図10は、本発明の実施の形態2における配電部品を示す部分断面図である。図10において、板ばねは、実施の形態1における板ばねの向きと異なる向きに配置されている。すなわち、板ばね71の長手方向がバスバー31の長手方向に沿うように配置されている。また、図11は、一つの相におけるバスバー31と板ばね71とを示す模式図である。基板やバスバーハウジングは省略されている。板ばね71は、上述のように、その長手方向がバスバーの長手方向と平行になるように配置される。図10および図11に示す板ばねの向きの配置を、実施の形態1における板ばねの幅方向配置に対比させて、長手方向配置と呼ぶことにする。幅方向配置の変形例を示す図6〜図9に示す板ばねの変形例は、長手方向配置においても用いられることはいうまでもない。
図10は、本発明の実施の形態2における配電部品を示す部分断面図である。図10において、板ばねは、実施の形態1における板ばねの向きと異なる向きに配置されている。すなわち、板ばね71の長手方向がバスバー31の長手方向に沿うように配置されている。また、図11は、一つの相におけるバスバー31と板ばね71とを示す模式図である。基板やバスバーハウジングは省略されている。板ばね71は、上述のように、その長手方向がバスバーの長手方向と平行になるように配置される。図10および図11に示す板ばねの向きの配置を、実施の形態1における板ばねの幅方向配置に対比させて、長手方向配置と呼ぶことにする。幅方向配置の変形例を示す図6〜図9に示す板ばねの変形例は、長手方向配置においても用いられることはいうまでもない。
長手方向配置の板ばね71では、板ばね71が変形してもバスバーハウジングの壁に接触して変形が制限される状態にならない。このため、たとえば接続パッド底部25bとバスバー31との距離が大きい場合などに、湾曲部の張り出しを大きくとることができ、熱に起因する応力をより敏感に抑制するのに望ましい。また、壁間の距離が小さい場合にも、板ばね71の変形許容範囲に制限がないほど大きくできる。壁間の距離が小さい場合には、板ばねの幅もそれに応じて小さくなり(狭くなり)、したがってばね定数は小さくなるが、変形許容範囲に制限がないため問題がなく、むしろ感度がよくなり好ましい。また、ばね定数を大きくするためには厚みを厚くすることで対応可能である。各相のバスバーが円弧状に形成される場合、各相の板ばね71の円弧状の位置は、短絡や放電を防ぐ意味から、円弧上で対応する位置から相互にずらして、相互間の距離を大きくすることが望ましい。他の部分の構成は、実施の形態1における構成と同じである。
(実施の形態3)
図12は、本発明の実施の形態3における配電部品の、一つの相のバスバーと接続パッドとの接続部を示す模式図である。接続パッドを除いた基板やバスバーハウジングは省略されている。本実施の形態では、バスバー31と接続パッド25とは線材73で接続されている。図12には、帯状の線材を例示しているが、帯状に限定されず、断面が円状の細径〜太径の線材、または線を編んだ編み線、もしくはケーブルなどを用いることができる。線材73は、1本以上が用いられ、接続パッド25およびバスバー31と半田63により接続され、導通状態とされる。接続は、半田付けに限定されず、ろう付け、溶接、ねじ止めなどを用いることができる。線材は、図12に示すように直結状に、または「たるませた状態(非直結状)」に配置されることが望ましいが、必ずしも非直結状でなくてもよい。接合パッドおよびバスバーともに温度が上昇するので、製作当初に直結状であっても使用中に温度が上がり、通常たるんだ状態(非直結状)になるからである。
図12は、本発明の実施の形態3における配電部品の、一つの相のバスバーと接続パッドとの接続部を示す模式図である。接続パッドを除いた基板やバスバーハウジングは省略されている。本実施の形態では、バスバー31と接続パッド25とは線材73で接続されている。図12には、帯状の線材を例示しているが、帯状に限定されず、断面が円状の細径〜太径の線材、または線を編んだ編み線、もしくはケーブルなどを用いることができる。線材73は、1本以上が用いられ、接続パッド25およびバスバー31と半田63により接続され、導通状態とされる。接続は、半田付けに限定されず、ろう付け、溶接、ねじ止めなどを用いることができる。線材は、図12に示すように直結状に、または「たるませた状態(非直結状)」に配置されることが望ましいが、必ずしも非直結状でなくてもよい。接合パッドおよびバスバーともに温度が上昇するので、製作当初に直結状であっても使用中に温度が上がり、通常たるんだ状態(非直結状)になるからである。
線材は、一般に、可塑性、可撓性、または完全な可塑性もしくは可撓性はなくても変形可能性を有する。このため、基板またはバスバーもしくはモータにおける応力は、線材73を通って伝達されることがない。このため、たとえば基板のスイッチング素子やモータで発生する熱に起因する応力は、線材73によってほとんど遮断される。このため、熱応力を緩和でき、信頼性を高めることが可能となる。他の部分の構成は、実施の形態1における構成と同じである。
(実施の形態4)
図13は、本発明の実施の形態4における配電部品を示す断面図である。また、図14は、図13の配電部品の一つの相におけるバスバー31の底辺部の裏面側に配置される弾性部材75を示す模式図である。図15はその弾性部材75の断面図である。基板やバスバーハウジングは省略されている。本実施の形態においては、バスバーハウジングの壁33a,33wの間で、その底部33bの上に、弾性部材75が配置されており、バスバー31を支持している点に特徴がある。
図13は、本発明の実施の形態4における配電部品を示す断面図である。また、図14は、図13の配電部品の一つの相におけるバスバー31の底辺部の裏面側に配置される弾性部材75を示す模式図である。図15はその弾性部材75の断面図である。基板やバスバーハウジングは省略されている。本実施の形態においては、バスバーハウジングの壁33a,33wの間で、その底部33bの上に、弾性部材75が配置されており、バスバー31を支持している点に特徴がある。
バスバー31は、その接続部において底辺部31bと壁部31wとトップ部31tとを有し、そのトップ部31tにおいて接続パッド底部25bと接続されている。弾性部材75は、バスバー31の接続部に限定されず、バスバー31の長手方向にわたって配置される。この弾性部材75はバスバー31の全長にわたって連続して配置される必要はなく、間隔をあけて配置されてもよいし、部分的にのみ配置されてもよい。弾性部材75は、弾性復元力を有し、基板、バスバー、またはモータ等の熱膨張に対応して変形しながらバスバーを支持して、バスバーと接続パッドとの接続を維持することができる。すなわち、弾性部材はクッションとして機能する。この弾性部材のクッション作用により、バスバーと接続パッドとの接続は維持されながら、基板やバスバー等に生じた応力は、弾性部材(クッション)75の変形により緩和される。他の部分の構成は、実施の形態1における構成と同じである。
(実施の形態5)
モータおよびスイッチング素子には、上記のように熱対策が必要である。たとえば車両の場合、エンジンには、放熱のために、通常、水冷路が設けられ、放熱を行うが、車両に用いられるモータについても水冷式の放熱を行うのが普通である。また、車両用モータに対する変換装置の場合、スイッチング素子では、上述のように熱が発生するので、放熱部を設ける。とくに、上記のモータでは、モータ端部に、バスバーとスイッチング素子とが重なるように配置されるので、放熱は重要である。図16(a)〜(c)は本発明の実施の形態5における配電部品およびそれを備えるモータを示す図である。放熱部の配置以外の構成は、実施の形態1〜4のいずれでもよい。図16(a)は、パワーモジュール20をバスバー31との間で挟むように配置された放熱部50を示す図である。放熱部50の放熱容量は、パワーモジュールの発熱量、スイッチング素子の耐熱温度などに応じて設定し、その際、自然空冷、強制空冷または水冷を選択する。空冷の場合には空冷用フィンを設け、強制空冷の場合には空気の強制流を、空気流路構造、ファン配置などにより形成する。材質は、基板やスイッチング素子の熱膨張率に合うようにし、熱伝導率の高いもの、たとえばAlNを用いる。水冷の場合には、図16(b)に示すように、内部に冷却水を流す経路を持った放熱部50をパワーモジュール20の基板に接触するように搭載する。放熱部50と基板とは接着剤で貼り合わせ、放熱部とバスバーハウジングとは嵌め込みやねじ止め等、この種のものの固定手段として既知の任意の手段で固定することができる。
モータおよびスイッチング素子には、上記のように熱対策が必要である。たとえば車両の場合、エンジンには、放熱のために、通常、水冷路が設けられ、放熱を行うが、車両に用いられるモータについても水冷式の放熱を行うのが普通である。また、車両用モータに対する変換装置の場合、スイッチング素子では、上述のように熱が発生するので、放熱部を設ける。とくに、上記のモータでは、モータ端部に、バスバーとスイッチング素子とが重なるように配置されるので、放熱は重要である。図16(a)〜(c)は本発明の実施の形態5における配電部品およびそれを備えるモータを示す図である。放熱部の配置以外の構成は、実施の形態1〜4のいずれでもよい。図16(a)は、パワーモジュール20をバスバー31との間で挟むように配置された放熱部50を示す図である。放熱部50の放熱容量は、パワーモジュールの発熱量、スイッチング素子の耐熱温度などに応じて設定し、その際、自然空冷、強制空冷または水冷を選択する。空冷の場合には空冷用フィンを設け、強制空冷の場合には空気の強制流を、空気流路構造、ファン配置などにより形成する。材質は、基板やスイッチング素子の熱膨張率に合うようにし、熱伝導率の高いもの、たとえばAlNを用いる。水冷の場合には、図16(b)に示すように、内部に冷却水を流す経路を持った放熱部50をパワーモジュール20の基板に接触するように搭載する。放熱部50と基板とは接着剤で貼り合わせ、放熱部とバスバーハウジングとは嵌め込みやねじ止め等、この種のものの固定手段として既知の任意の手段で固定することができる。
モータの許容上限温度(大略200℃程度)と、スイッチング素子の許容上限温度(シリコン系素子では大略120℃程度)とでは、スイッチング素子のほうが相当低いので、モータ用水冷路とスイッチング素子用水冷路とは、別系統とされるのが普通である。一つはモータ用水冷路、他の一つは制御部におけるスイッチング素子用水冷路である。インバータ制御部にスイッチング素子が配置される場合(従来例)、エンジンやモータが集中配置される箇所と、そこから離れたインバータ制御部が位置する箇所とに、水冷路を別個にひくことは部品使用量の増大やスペースの有効活用の阻害要因となりやすい。上記本発明の場合には、スイッチング素子とモータとは一体化されるので、たとえ水冷路が別系統であっても、別系統の水冷路を空間利用効率が高くなるように配置することができる。さらに、シリコンより耐熱性に優れた半導体、たとえばSiCをスイッチング素子に用いた場合、スイッチング素子の許容上限温度はモータの許容上限温度に近づく。この場合、モータ用水冷路とスイッチング用水冷路とを連続化することが可能となる。図16(c)はモータ用水冷路とスイッチング用水冷路とを連続化した水冷路を示す図である。図16(c)において、パワーモジュール20に搭載された放熱部50を通る水冷路は、モータ冷却水導入部56と連結され、パワーモジュールの冷却水とモータの冷却水とを連続使用とされている。上記のような冷却水の連続化により、冷却水路の短縮化、部品使用量の減少、軽量化、小型化をはかることが可能となる。上記のような冷却水の連続化は、シリコン素子でも可能な場合もあるが、SiC素子などシリコンよりも耐熱性に優れた半導体素子を用いることにより容易に実現することができる。モータ用水冷路とエンジン用水冷路とは連続とされる場合が多く、そのような場合、スイッチング素子水冷路と、エンジン用水冷路またはモータ用水冷路と連続とされる。
(パワーモジュール回路について)
次に、図17〜図19を参照して、本発明の配電部品およびそれを備えるモータのパワーモジュール回路の一例について説明する。図17は、バスバーおよび基板21上のスイッチング素子の配置を示す図である。また図18はスイッチング素子を示し、(a)は平面図であり、(b)は断面図である。また、図19は、図17に示す配線形態の回路図である。スイッチング素子23は、シリコン(Si)、炭化珪素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)など大電力を制御できる素子を用いる。図17および図18では、スイッチング素子として縦型MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を用いた場合を示しているが、配線パターンを変更することにより横型デバイスを用いてもよい。また、サイリスタ、GTO(Gate Turn-Off Thyristor)、バイポーラトランジスタ、IGBT(Insulated
Gate Bipolar Transistor)など任意のスイッチング素子を用いることができる。縦型MOSFETを用いた場合には、裏面がドレイン(D)になり、図17に示す配線形態となる。基板21の固定ねじ孔21aは、基板のモータへの固定、または放熱部の固定等に用いてもよい。
次に、図17〜図19を参照して、本発明の配電部品およびそれを備えるモータのパワーモジュール回路の一例について説明する。図17は、バスバーおよび基板21上のスイッチング素子の配置を示す図である。また図18はスイッチング素子を示し、(a)は平面図であり、(b)は断面図である。また、図19は、図17に示す配線形態の回路図である。スイッチング素子23は、シリコン(Si)、炭化珪素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)など大電力を制御できる素子を用いる。図17および図18では、スイッチング素子として縦型MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を用いた場合を示しているが、配線パターンを変更することにより横型デバイスを用いてもよい。また、サイリスタ、GTO(Gate Turn-Off Thyristor)、バイポーラトランジスタ、IGBT(Insulated
Gate Bipolar Transistor)など任意のスイッチング素子を用いることができる。縦型MOSFETを用いた場合には、裏面がドレイン(D)になり、図17に示す配線形態となる。基板21の固定ねじ孔21aは、基板のモータへの固定、または放熱部の固定等に用いてもよい。
スイッチング素子23のドレインDは、基板21上の配線パターンまたは基板に貼り付けた配線バー61に半田付けまたはろう付けで取り付けられる。図17では、プラス側に全相に共通の配線バー61と、マイナス側に全相に共通の配線バー61とを配置して、図1または2などに示すように、高圧ケーブルの本数を2本としている。スイッチング素子23のゲートGは、基板に設けられたコネクタ27aにワイヤボンディングされたワイヤ55で接続されている。図17では、1本のワイヤ55で各部分間を接続する場合を示すが、電流の大きさに応じてワイヤ本数を増やしてもよい。すなわち同じ部分間を2本以上のワイヤで接続してもよい。図17および図19では、U、V、Wの各相のハイサイド(スイッチング素子Q1,Q3,Q5)とローサイド(スイッチング素子Q2,Q4,Q6)とに各1つのスイッチング素子を配置した場合を示すが、電流の大きさによっては両サイドとも各2つ以上のスイッチング素子を配置してもよい。
上記のワイヤボンディングされたワイヤ55、スイッチング素子23、バスバー31は、各部分間の電気的な絶縁をはかるために、絶縁物たとえばシリコンゲルで覆ってもよい。パワーモジュール部分は外部からの影響(水、油、塵芥)を受けて劣化しないように、またはパワーモジュール内部で放電しないように、絶縁充填剤で封止して保護してもよい。また、パワーモジュール部には、外部からの影響を受けにくくするために、図示しないパワーモジュール部カバーを設ける。パワーモジュール部カバーは、バスバーハウジング33に嵌め込みするか、接着またはねじ止めにより固定する。
上記のように本発明の実施の形態例について説明したが、その他の変形例については、より一般的に述べるとつぎの態様がある。
本発明の配電部品が用いられる電気装置は、モータに限定されず、他の電気装置、たとえば電気めっき装置、各種電気化学反応装置、各種発電機、変電機器、などに使用することができる。また、本発明が使用されるモータは、自動車に限定されず、電車、エレベータ、圧延機など、産業分野と市民生活分野とを問わず、対象となる。
本発明の導電性応力緩和部材は、基板の接続パッドとバスバーとを導通させ、基板およびバスバー間に生じる応力を緩和する部材であれば、板ばね、線材に限定されない。銅板と線材とを組み合わせた部材であってもよいし、可塑性、可撓性、または完全な可塑性もしくは可撓性を有さないで、外部の応力に応じて変形可能な導電性部材であってもよい。板ばねの配置方向は、任意の向きに配置でき、たとえば幅方向配置または長手方向配置とすることができる。線材については、とくにたるませた状態(非直結状)に配置しなくてよいし、また、非直結状に配置してもよい。
また、本発明の応力緩和部材は、バスバーハウジングの収容部に位置して、基板およびバスバー間に生じる応力を緩和する部材であれば、弾性部材に限定されない。たとえば、弾性部材と剛性の高い部材との組み合わせであってもよい。また、弾性部材の形状はバスバーの底辺部裏面に位置する層状の断面を有するものに限定されない。バスバーハウジングの、バスバーに接する部分が、底部および壁部によらず、クッション作用を有するようにしてもよい。したがって、底部に限定されず壁部においても、バスバーハウジングのバスバー接触面をクッション作用を有する層として、その内層を剛性の高い層で構成してもよい。要は、基板およびバスバーのいずれかで熱膨張等が生じて、相手側に応力が加わる事態になったとき、上記応力緩和部材が、両者の接続を維持させながら変形することにより応力を緩和できればよい。
上記の導電性応力緩和部材および応力緩和部材は、熱に起因して生じる応力に限定されず、基板とバスバーとが接続されていることに起因して生じる応力も緩和することができる。たとえば想定外の衝撃がバスバーに加わったとき、その衝撃応力は上記の導電性応力緩和部材または応力緩和部材により緩和され、基板への衝撃応力は緩和される。
上記において、本発明の実施の形態および実施例について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態および実施例は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
本発明の配電部品および電気装置では、基板とバスバーとの間に導電性応力緩和部材、またはバスバーハウジングの収容部に応力緩和部材を配置するので、基板とバスバーとで生じる応力を緩和でき、これらの耐久性を高めることができる。
9 モータ本体、9a モータ端部、9b モータ側面、10 スイッチング素子一体型モータ(モータ)、11 回転軸、20 スイッチング素子搭載基板(パワーモジュール)、21 基板、21a 固定用ねじ孔、23 スイッチング素子、25,25b 接続パッド、27,27a,27b コネクタ、29 高圧接続端子、29a 圧着ボルト孔、31,31b,31w,31t バスバー、33,33a,33b、33w バスバーハウジング、40 インバータ制御部、41 高圧ケーブル、43 制御線、49 制御線コネクト部、50 放熱部、55 ワイヤー、56 モータ冷却水導入部、61 配線バー、63 半田、71,71a,71b 板ばね(導電性応力緩和部材)、73 線材(導電性応力緩和部材)、75 弾性部材(応力緩和部材)。
Claims (14)
- インバータによりスイッチングされた電力を電気装置に供給する配電部品であって、
バスバーハウジングの壁間の収容部に収容され、前記電気装置の配電接続部となるバスバーと、
前記インバータのスイッチング素子と前記壁間の収容部に重なるように位置する接続パッドとを搭載した基板と、
前記接続パッドと前記バスバーとを導通させ、かつ前記基板および前記バスバー間に生じる応力を緩和するための導電性応力緩和部材とを備える、配電部品。 - 前記導電性応力緩和部材が、板ばねである、請求項1に記載の配電部品。
- 前記導電性応力緩和部材が、線材である、請求項1に記載の配電部品。
- インバータによりスイッチングされた電力を電気装置に供給する配電部品であって、
バスバーハウジングの壁間の収容部に収容され、前記電気装置の配電接続部を構成するバスバーと、
前記インバータのスイッチング素子と前記壁間の収容部に重なるように位置する接続パッドとを搭載する基板と、
前記バスバーハウジングの収容部に位置し、前記基板および前記バスバー間に生じる応力を緩和するための応力緩和部材とを備える、配電部品。 - 前記応力緩和部材が弾性部材である、請求項4記載の配電部品。
- 前記電気装置がモータであり、前記バスバーハウジングがそのモータの端部に適合する形状の底部裏面を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の配電部品。
- 前記バスバーとの間に前記パワーモジュールを挟むように放熱部を備える、請求項1〜6のいずれかに記載の配電部品。
- インバータによりスイッチングされた電力を供給される電気装置であって、
前記電気装置に外付けされたバスバーハウジングの壁間の収容部に収容され、前記電気装置の配電接続部を構成するバスバーと、
前記電気装置から見て、前記バスバーよりも遠くに位置し、前記インバータのスイッチング素子と前記壁間の収容部に重なるように位置する接続パッドとを搭載する基板と、
前記接続パッドと前記バスバーとを導通させ、かつ前記基板および前記バスバー間に生じる応力を緩和するための導電性応力緩和部材とを備える、電気装置。 - 前記導電性応力緩和部材が、板ばねである、請求項8に記載の電気装置。
- 前記導電性応力緩和部材が、線材である、請求項8に記載の電気装置。
- インバータによりスイッチングされた電力を供給される電気装置であって、
前記電気装置に外付けされたバスバーハウジングの壁間の収容部に収容され、前記電気装置の配電接続部を構成するバスバーと、
前記電気装置から見て、前記バスバーよりも遠くに位置し、前記インバータのスイッチング素子と前記壁間の収容部に重なるように位置する接続パッドとを搭載する基板と、
前記バスバーハウジングの収容部に位置し、前記基板および前記バスバー間に生じる応力を緩和するための応力緩和部材とを備える、電気装置。 - 前記応力緩和部材が弾性部材である、請求項11に記載の電気装置。
- 前記電気装置がモータであり、前記バスバーハウジングが前記モータの端部に外付けされている、請求項8〜12のいずれかに記載の、電気装置。
- 前記バスバーとの間に前記基板を挟むように放熱部を備える、請求項8〜13のいずれかに記載の電気装置。
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- 2005-07-22 JP JP2005212165A patent/JP2007037211A/ja active Pending
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