JP2000216331A - パワ―半導体モジュ―ルおよびそれを用いた電力変換装置 - Google Patents

パワ―半導体モジュ―ルおよびそれを用いた電力変換装置

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JP2000216331A
JP2000216331A JP1579099A JP1579099A JP2000216331A JP 2000216331 A JP2000216331 A JP 2000216331A JP 1579099 A JP1579099 A JP 1579099A JP 1579099 A JP1579099 A JP 1579099A JP 2000216331 A JP2000216331 A JP 2000216331A
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power semiconductor
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English (en)
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Goji Horiguchi
剛司 堀口
Takeshi Oi
健史 大井
Hirotaka Muto
浩隆 武藤
Toshiyuki Kikunaga
敏之 菊永
Shinichi Kinouchi
伸一 木ノ内
Osamu Usui
修 碓井
Tatsuya Okuda
達也 奥田
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 IGBT素子がケース19内に収納され、該
IGBT素子と接続する主電極20、21の外部端子2
0a、21aが上記ケース19上面に配置されて外部配
線導体24と接続されるIGBTモジュール18におい
て、主電極20、21と外部配線導体24との接続部お
よびその周辺領域において、寄生インダクタンスの低減
を図る。 【解決手段】 主電極20、21を、外部端子20a、
21a配置領域外でケース19上面と平行に対向する平
板状の第1の部位20b、21bを有して構成し、第1
の部位20b、21bと、これに平行に対向する外部配
線導体24の領域とで流れる電流の向きが逆になるよう
にして、磁束を相殺させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、パワー半導体モ
ジュールに関し、特にパワー半導体モジュールの電極や
外部配線導体における寄生インダクタンスの低減に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】図13は、例えば文献(タイトル:IGBT
Inveters、著者:Dr.-lng. Th. Schuetze、出典:PCIM
AUGUST 1998 p28-41)に記載された、従来のパワー半
導体モジュールの外観斜視図である。ここでは、パワー
半導体モジュールとして、パワー半導体素子IGBTを
用いた高電圧用IGBTモジュールの例を示す。図に示
すように、IGBT素子(図示せず)はケース1内に収
納され、このIGBT素子のコレクタおよびエミッタに
それぞれ接続されてIGBTモジュール2の主電極を構
成するコレクタ電極、エミッタ電極が、それぞれケース
1の上面からその端部を突出してケース1上面と平行に
なるように折り曲げられ、ケース1上面にて保持され、
外部端子3a、4aを構成している。この外部端子3
a、4aが外部配線と接続されて回路を構成することに
より、IGBTモジュール2は電力変換器などに用いら
れる。
【0003】ところで、パワー半導体素子としてスイッ
チング速度の速いIGBT素子を用いたIGBTモジュ
ール2では、ターンオン、ターンオフ時の電流の変化率
di/dtが非常に高いものである。モジュール主回路
の配線には寄生インダクタンスLが存在するために、タ
ーンオフ時には、Ldi/dtで表される跳ね上がり電
圧が発生し、その大きさによっては、IGBT素子を破
壊する可能性がある。そのため、ターンオフ時に発生す
る跳ね上がり電圧による破壊からIGBT素子を保護す
るためには、配線インダクタンスを低減するか、あるい
は、電流変化率を下げることが必要となる。しかし、電
流変化率を下げることは、スイッチング時間の増加並び
にスイッチング損失の増大となり、高速スイッチング性
能を低下させる要因となる。そのため、IGBTモジュ
ール2には寄生インダクタンスの低い配線構造が望まれ
る。一般にインダクタンスを低減する方法として、電流
が逆方向に流れる2つの導体を対向させ、各電流により
発生する磁束を相殺させる方法が用いられている。この
場合、逆方向の電流の大きさは同程度が効果的であり、
対向する導体間の距離が短いほど、また、対向面積が大
きいほど、その低減効果は大きくなる。
【0004】図14は図13に示した従来のIGBTモ
ジュール2の一対の主電極3、4の主要部の斜視図であ
る。コレクタ、エミッタ両主電極3、4は、幅広の平板
状の導体から成り、外部端子3a、4aを構成する部位
を除き、その大半がケース1内で互いに所定の距離を保
って対向する形で平行に配置されている。なお、この様
に両主電極3、4が互いに所定の距離を保って平行をな
している部位(以下、平行平板部5と称す)は、更にI
GBT素子、あるいはIGBT素子と同電位である部材
と電気的に接続されるが、これらの部分は便宜上図示を
省略する。この様に、ケース1内において主電極3、4
に平行平板部5を有することにより、上述したように電
流が逆方向に流れる2つの導体を対向させることにな
り、各電流により発生する磁束を相殺させて、ケース1
内の配線インダクタンスが低減できる。
【0005】図15は、複数のIGBTモジュールを直
並列に接続して構成したブリッジ回路と直流平滑用コン
デンサとを接続することにより構成される3相フルブリ
ッジインバータの回路図である。図において、6は正極
アーム、7は負極アームであり、6a、6b、6cはそ
れぞれU相、V相、W相の正極側モジュール、7a、7
b、7cはそれぞれU相、V相、W相の負極側モジュー
ルである。また、8は直流平滑用コンデンサ、9は負荷
である。例えば、U相の正極側モジュール6aがオン状
態で、V相、W相の正極側モジュール6b、6cがオフ
状態の時、U相の負極側モジュール7aはオフ状態で、
V相、W相の負極側モジュール7b、7cがオン状態に
ある。このとき、U相の正極側モジュール6aのエミッ
タ電極から負荷9へと電流は流れていき、負荷9からの
電流がV相およびW相の負極側モジュール7b、7cの
コレクタ電極へと電流は流れていく。
【0006】図16はインバータなどの電力変換装置に
おけるIGBTモジュール2a、2bと直流平滑用コン
デンサ8とを接続する従来例の外観斜視図である。図1
5の回路図では、正極側モジュール6a、6b、6cお
よび負極側モジュール7a、7b、7cによる3相のイ
ンバータを説明したが、この場合、それぞれ1個づつの
正極側モジュール2aおよび負極側モジュール2bによ
る1相分のインバータについて説明する。なお、IGB
Tモジュール2a、2bと直流平滑用コンデンサ8との
外部の配線導体による接続状態を把握しやすいよう分解
図で表している。図において、10aは正極側モジュー
ル2aのコレクタ電極外部端子3aと直流平滑用コンデ
ンサ8の正極8aを接続する平板状のコレクタ配線導
体、10bは負極側モジュール2bのエミッタ電極外部
端子4aと直流平滑用コンデンサ8の負極8bを接続す
る平板状のエミッタ配線導体、10cは正極側モジュー
ル2aのエミッタ電極外部端子4aと負極側モジュール
2bのコレクタ電極外部端子3a、および負荷9(図示
せず)を接続する平板状の出力用配線導体である。
【0007】図16に示すように、コレクタ配線導体1
0a、エミッタ配線導体10bおよび出力用配線導体1
0cが、絶縁物(図示せず)を介して積層されて平行平
板である積層導体10を構成している。積層導体10は
IGBTモジュール2a、2bのケース1上に平行に載
置され、ボルト11により積層導体10の上部から外部
端子3a、4aに接続するように取り付けられる。従っ
て、積層導体10を構成するコレクタ配線導体10a、
エミッタ配線導体10b、および出力用配線導体10c
には、ボルト11で接続するための接続穴12と絶縁の
ための比較的大きな絶縁距離保持用穴13とがそれぞれ
所定の箇所に設けられている。
【0008】直流平滑用コンデンサ8並びに負荷9は正
極側モジュール2aのコレクタ電極3(3a)側に位置
するものとする。このような配置としたとき、コレクタ
配線導体10a、エミッタ配線導体10b、および出力
用配線導体10cを流れる電流経路について以下に説明
する。例えば正極側モジュール2aがオン状態にあると
き、直流平滑用コンデンサ8の正極8aからコレクタ配
線導体10aを矢印14に示すように電流が流れ、正極
側モジュール2aのコレクタ電極3(3a)から正極側
モジュール2a内に電流が流入し、モジュール2a内の
主回路を流れた後、エミッタ電極4(4a)から出力用
配線導体10cを実線の矢印15に示すように流れ、負
荷9へと電流が流れていく。逆に、負極側モジュール2
bがオン状態の時には、電流は負荷9から出力用配線導
体10cを点線の矢印16に示すように流れ、負極側モ
ジュール2bのコレクタ電極3(3a)から負極側モジ
ュール2b内に電流が流入し、モジュール2b内の主回
路を流れた後、エミッタ電極4(4a)からエミッタ配
線導体10bを矢印17に示すように流れていく。
【0009】このように、電力変換装置を構成するIG
BTモジュール2a、2bと直流平滑用コンデンサ8と
を接続する外部配線に、複数枚の外部配線導体10a、
10b、10cから成る積層導体10を採用することに
より、IGBTモジュール2a、2bへの入力電流の向
き14、16とIGBTモジュール2a、2bからの出
力電流の向き15、17は位置的に互いに逆向きとな
る。このため、平行に配設された外部配線導体10a、
10b、10cの近接する導体間において、発生する磁
束が互いに逆方向の電流により相殺され、外部配線導体
10a、10b、10cの寄生インダクタンスが低減さ
れる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来のパワー半導体モ
ジュール2および電力変換装置は、以上のように構成さ
れており、主電極3、4に幅広の平板状導体を用い、し
かも互いに平行に対向させる平行平板部5を備えて、互
いの電流により生ずる磁束を相殺させることにより、ケ
ース1内部において寄生インダクタンスの小さな主回路
構成を可能にしている。また、電力変換装置を構成する
ためのモジュール2外部の配線においても、上記のよう
な積層導体10を用いることにより、モジュール2外部
の寄生インダクタンスを低減できるものである。しかし
ながら、回路電圧が高いモジュール2においては、上記
外部配線導体10a、10b、10cに設けた絶縁距離
保持用穴13を大きくしたり、パワー半導体モジュール
2の外部端子3a、4a間の距離を大きくする必要があ
り、その分電流経路が長くなり寄生インダクタンスが増
大する。従って、上記のような、モジュール2の内部の
みあるいは外部のみの寄生インダクタンスの低減対策で
は、十分低減することは困難であった。
【0011】従来のパワー半導体モジュール2および電
力変換装置においては、モジュール2の内部のみあるい
は外部のみの寄生インダクタンスの低減がなされている
が、外部配線とパワー半導体モジュール2との接続部お
よびその周辺領域では、磁束の相殺効果が小さく、寄生
インダクタンスの十分な低減ができないものであった。
このため、上述のような回路の寄生インダクタンスの低
減技術が進歩してくると、回路全体のインダクタンスに
占めるこの接続部およびその周辺領域の寄生インダクタ
ンスの割合が大きくなり、全体の寄生インダクタンスを
低減する上で、これらの接続部およびその周辺領域にお
ける寄生インダクタンスの存在が深刻な問題となってき
た。
【0012】この発明は、上記のような問題点を解消す
るために成されたものであって、パワー半導体モジュー
ルの主電極と該モジュール外部の配線導体との接続部お
よびその周辺領域での寄生インダクタンスの低減を可能
にして、全体の配線インダクタンスが低減された信頼性
の高いパワー半導体モジュールおよび電力変換装置の構
造を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明に係わる請求項
1記載のパワー半導体モジュールは、パワー半導体素子
が筐体内に収納され、上記パワー半導体素子と接続する
主電極と、上記筐体上面に配置された上記主電極の外部
端子とを備え、上記筐体外部で該筐体上面に平行に配さ
れる平板状の外部配線導体に上記外部端子を介して接続
される構成であって、上記主電極が、上記外部端子配置
領域外で上記筐体上面と平行に対向する平板状の第1の
部位を上記筐体内に有するものである。
【0014】この発明に係わる請求項2記載のパワー半
導体モジュールは、請求項1において、主電極がパワー
半導体素子の一対の電極とそれぞれ接続する第1の導体
および第2の導体で構成され、該第1の導体および第2
の導体が、互いに平行に対向する平板状の第2の部位を
筐体内に有するものである。
【0015】この発明に係わる請求項3記載のパワー半
導体モジュールは、請求項1または2において、主電極
がパワー半導体素子の一対の電極とそれぞれ接続する第
1の導体および第2の導体で構成され、該第1の導体お
よび第2の導体の双方がそれぞれ筐体上面と平行な第1
の部位を有し、該双方の第1の部位が、上記筐体上面か
らの距離が等しく、動作時の電流の向きが同じものであ
る。
【0016】この発明に係わる請求項4記載のパワー半
導体モジュールは、請求項1〜3のいずれかにおいて、
筐体上面と第1の部位との離間距離をLとするとき、上
記第1の部位の下面に距離Lだけ離間させた位置から上
記筐体上面までの領域内に、上記第1の部位と平行に配
設される電極および配線導体が存在しないものである。
【0017】この発明に係わる請求項5記載の電力変換
装置は、請求項1〜4のいずれかに記載のパワー半導体
モジュールと直流平滑用コンデンサとが筐体上面に平行
に配される平板状の外部配線導体により接続されて成る
装置構成であって、上記外部配線導体が、上記パワー半
導体モジュールの主電極の第1の部位と対向する領域を
有し、該領域における動作時の電流が上記第1の部位に
おける動作時の電流と逆方向である。
【0018】この発明に係わる請求項6記載の電力変換
装置は、請求項1〜4のいずれかに記載のパワー半導体
モジュールと直流平滑用コンデンサとが、外部端子と接
続する複数枚の平板状の外部配線導体を絶縁物を介して
積層して筐体上面に平行に配した積層導体により接続さ
れて成る装置構成であって、上記積層導体の最下層の上
記外部配線導体が、上記パワー半導体モジュールの主電
極の第1の部位と対向する領域を有し、該領域における
動作時の電流が上記第1の部位における動作時の電流と
逆方向である。
【0019】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、この発明の
実施の形態を図について説明する。図1は、この発明の
実施の形態1によるパワー半導体モジュールの簡略化し
た斜視図である。図において、18はパワー半導体モジ
ュールとしてのIGBTモジュール、19はIGBT素
子(図示せず)が収納された筐体としてのケース、20
および21はケース19内のIGBT素子と接続してI
GBTモジュール18の主電極を構成する平板状の第1
の導体としてのコレクタ電極および第2の導体としての
エミッタ電極、20a、21aはケース19上面に配置
された、コレクタ電極20、エミッタ電極21の外部端
子である。また、20b、21bはケース19内でケー
ス19上面と平行に配されたコレクタ電極20、エミッ
タ電極21の第1の部位、20c、21cはケース19
内で互いに平行に対向して配されたコレクタ電極20、
エミッタ電極21の第2の部位である。さらにまた、2
2は外部端子20a、21aの中央部に設けられ、外部
端子20a、21aとIGBTモジュール18外部の配
線導体とをボルト等で接続するための穴である。
【0020】図1に示すように、IGBTモジュール1
8の主電極であるコレクタ電極20、エミッタ電極21
は、それぞれケース19の上面からその端部を突出して
ケース19上面と平行になるように折り曲げられ、ケー
ス19上面にて保持され、外部端子20a、21aを構
成している。また、第2の部位20c、21cにより、
ケース19内で互いに平行に対向する平行平板部を構成
し、この第2の部位20c、21cと外部端子20a、
21aとを接続するように第1の部位20b、21b
が、外部端子20a、21aの形成領域と異なる領域に
おけるケース19上面と平行に、例えば2〜3mm程度
の距離を保って対向するようにケース19内に配設され
る。これら外部端子20a、21a、第1の部位20
b、21bおよび第2の部位20c、21cは幅広の平
板状導体により一体的に形成されてコレクタ電極20お
よびエミッタ電極21をそれぞれ構成する。
【0021】この実施の形態では、平行平板部を構成す
る第2の部位20c、21cと外部端子20a、21a
とを接続するように第1の部位20b、21bが、外部
端子20a、21aの形成領域と異なる領域におけるケ
ース19上面と平行に対向してケース19内に配設され
る。この様に構成されたIGBTモジュール18に、外
部配線導体24であるエミッタ配線導体24aおよびコ
レクタ配線導体24bを接続した例を図2に示す。な
お、IGBTモジュール18と外部配線導体24との接
続状態を把握しやすいよう分解図で表している。IGB
Tモジュール18はこれら外部配線導体24により図示
しない直流平滑用コンデンサ25と接続されて、電力変
換装置として用いられる。IGBTモジュール18がオ
ン状態の時、モジュール18のコレクタ電極20からモ
ジュール18内に流入してモジュール18内の主回路を
流れた後、エミッタ電極21から外部に流れる電流は、
第1の部位20b、21bを矢印23の向きに流れる。
このため、直流平滑用コンデンサ25がモジュール18
のコレクタ電極20側に位置するものとすると、図2に
示すように、エミッタ電極外部端子21aと接続される
平板状のエミッタ配線導体24aを、ケース19内の第
1の部位20b、21bと平行に対向するように配する
ことにより、電流はエミッタ配線導体24aを矢印26
の向き、即ち、第1の部位20b、21bを流れる電流
と位置的に逆方向に流れる。また、コレクタ電極外部端
子20aと接続される平板状のコレクタ配線導体24b
を流れる電流の向きは矢印27に示すものである。
【0022】この様に、主電極20、21の第1の部位
20b、21bとエミッタ配線導体24aとが平行に対
向する平行平板をなし、それぞれを流れる電流が位置的
に互いに逆方向となる。上述したように、電流が逆方向
に流れる2つの導体を対向させ、各電流により発生する
磁束を相殺させることによりインダクタンスを低減でき
る。逆方向の電流の大きさは同程度が効果的であり、対
向する導体間の距離が短いほど、また、対向面積が大き
いほど、その低減効果は大きくなる。このため、主電極
20、21の第1の部位20b、21bとエミッタ配線
導体24aとは、互いの磁束を相殺し、寄生インダクタ
ンスは低減される。この寄生インダクタンスの低減は、
従来のようなモジュール18の内部のみあるいは外部の
みの寄生インダクタンスの低減ではなく、モジュール1
8外部の外部配線導体24のエミッタ配線導体24aと
ケース19内の第1の部位20b、21bとによりなさ
れたものであるため、モジュール18と外部配線導体2
4との接続部およびその周辺領域においても寄生インダ
クタンスの十分な低減が可能になる。ケース19内で平
行平板部を構成する第2の部位20c、21cにおいて
は、従来のものと同様に、それぞれを流れる電流が互い
に逆向きで、モジュール18内において寄生インダクタ
ンスを低減する。
【0023】上述したように、この実施の形態によるI
GBTモジュール18では、平行平板部を構成する第2
の部位20c、21cと外部端子20a、21aとを接
続するように第1の部位20b、21bが、外部端子2
0a、21aの形成領域と異なる領域におけるケース1
9上面と平行に対向してケース19内に配設される。こ
の様に構成されたIGBTモジュール18では、ケース
19上面に平行に平板状の外部配線導体24を外部端子
20a、21aに接続して配設する際、第1の部位20
b、21bと対向して平行であり、流れる電流の向きが
第1の部位20b、21bと逆になるような領域を有す
る外部配線導体24(エミッタ配線導体24a)を容易
に配設でき、モジュール18と外部配線導体24との接
続部およびその周辺領域においても寄生インダクタンス
の十分な低減が可能になる。これにより、寄生インダク
タンスの低い電力変換装置が得られ、ターンオフ時に発
生する跳ね上がり電圧が抑制され、モジュール18およ
び電力変換装置が安定に動作することができる。
【0024】なお、第1の部位20b、21bは、ケー
ス19上面に近いほど対向する外部配線導体24と近づ
けることができて寄生インダクタンス低減の効果があ
り、ケース19内では第1の部位20b、21bの直上
領域に他の配線および電極が平行に形成されないように
する。また、第1の部位20b、21bとケース19上
面とが距離Lで離間するとすると、第1の部位20b、
21bの下層においても、直下領域における距離Lより
も近い位置に、他の配線および電極が平行に形成されな
いようにするのが望ましい。これにより、寄生インダク
タンス低減効果が、他の配線および電極の悪影響を受け
るのを防止できる。IGBT素子のコレクタ電極も通常
平板状であるため、第1の部位20b、21bとケース
19上面との距離Lは、ケース19上面とIGBT素子
との距離の半分以下にするのが望ましい。
【0025】また、この実施の形態では、コレクタ電極
20の第1の部位20bとエミッタ電極21の第1の部
位21bとは、ケース19内において同じ高さに配設さ
れ、流れる電流の向き(矢印23)が同じである。この
ため、第1の部位20b、21bとケース19上面との
距離を効果的に低減でき、また、第1の部位20b、2
1bと対向して平行であり、流れる電流の向きが第1の
部位20b、21bと逆になるような領域を有する外部
配線導体24が容易に配設できる。
【0026】実施の形態2.上記実施の形態1では、主
電極20、21の第1の部位20b、21bと対向して
平行であり、流れる電流の向きが第1の部位20b、2
1bと逆になるような領域を有する外部配線導体24と
してエミッタ配線導体24aを配設したが、直流平滑用
コンデンサ25の位置および外部配線導体24の形状に
より、コレクタ配線導体24b、あるいは双方の外部配
線導体24が用いられる。図3は、図1に示したIGB
Tモジュール18と接続する外部配線導体の別例を示す
ものである。なお、この場合もIGBTモジュール18
と外部配線導体28との接続状態を把握しやすいよう分
解図で表している。図3において、28a、28bはそ
れぞれケース19上面に平行に配される平板状の外部配
線導体28であるエミッタ配線導体およびコレクタ配線
導体である。この外部配線導体28は、エミッタ配線導
体28aとコレクタ配線導体28bとが、モジュール1
8の主電極20、21間において、モジュール18の外
部端子20a、21a近傍まで、図示しない絶縁物を介
して積層されて平行平板をなし、エミッタ電極外部端子
21a、コレクタ電極外部端子20aにそれぞれ接続さ
れる。なお、この場合、直流平滑用コンデンサ25は図
3においてモジュール18の手前側に位置するものとす
る。エミッタ配線導体28aとコレクタ配線導体28b
とは、図に示すように、第1の部位20b、21bと対
向して平行である領域を有し、その領域を流れる電流の
向きは、矢印29に示すもの、即ち、第1の部位20
b、21bを流れる電流と位置的に逆方向となる。
【0027】このため、上記実施の形態1と同様に、モ
ジュール18と外部配線導体28との接続部およびその
周辺領域において寄生インダクタンスの十分な低減が可
能になる。また、エミッタ配線導体28aとコレクタ配
線導体28bとが、絶縁物を介して積層されて平行平板
を構成する領域を有し、その領域では互いに逆方向の電
流が流れるため、外部配線導体28の寄生インダクタン
スが低減できる。また、ケース19内においても主電極
20、21が平行平板部を構成する第2の部位20c、
21cを有するため、モジュール18内において寄生イ
ンダクタンスを低減する。これにより、寄生インダクタ
ンスの低い電力変換装置が得られる。
【0028】実施の形態3.なお、上記実施の形態1お
よび2で示したような、IGBTモジュール18の主電
極20、21の構成以外にも、多様な構成が可能であ
り、以下に示す。平行平板部を構成する第2の部位20
c、21cは、図1では両主電極20、21の外部端子
20a、21a間の中央で、ケース19上面と垂直な幅
広面が平行平板をなすものを示したが、図4(a)ある
いは図4(b)に示すように、エミッタ電極21側、あ
るいはコレクタ電極20側に変位した位置で、ケース1
9上面と垂直な幅広面が平行平板をなすように構成して
も良く、この場合も、主電極20、21の寄生インダク
タンスを低減できると共に、上記実施の形態1および2
に示した同様の外部配線導体24、28を用いることに
より、第1の部位20b、21bと外部配線導体24、
28の一部とが平行に対向して、しかも流れる電流が互
いに逆向きとなるため、モジュール18と外部配線導体
24、28との接続部およびその周辺領域において寄生
インダクタンスの十分な低減が可能になる。
【0029】また、図4(c)あるいは図4(d)に示
すように、第2の部位20c、21cは、ケース19上
面と幅広面が平行をなすように平行平板を構成しても良
い。図4(c)では、コレクタ電極20における第1の
部位20bとエミッタ電極21における第1の部位21
bとが同一平面上にはなく、ケース19上面からの距離
が異なるように構成したものである。また、図4(d)
では、コレクタ電極20における第1の部位20bと第
2の部位20cとの高さを異なるようにして、コレクタ
電極20とエミッタ電極21との第1の部位20b、2
0c同士を同一平面上に構成したものである。この場合
も、主電極20、21の寄生インダクタンスを低減でき
ると共に、上記実施の形態1および2に示した同様の外
部配線導体24、28を用いることにより、第1の部位
20b、21bと外部配線導体24、28の一部とが平
行に対向して、しかも流れる電流が互いに逆向きとなる
ため、モジュール18と外部配線導体24、28との接
続部およびその周辺領域において寄生インダクタンスの
十分な低減が可能になる。なお、ケース19上面と幅広
面が平行をなすように平行平板を構成する第2の部位2
0c、21cが、図4(a)あるいは図4(b)に示す
ように、エミッタ電極21側、あるいはコレクタ電極2
0側に変位させても良い。
【0030】さらに、上記図1および図4に示したIG
BTモジュール18では、主電極20、21は、ケース
19内で平行平板をなす第2の部位20c、21cが外
部端子20a、21a間に位置するものであったが、そ
れに限るものではなく、図5に示すように第1の部位2
0b、21bの直下領域内で第2の部位20c、21c
が平行平板を構成していてもよい。また、この例では、
第2の部位20c、21cは、第1の部位20b、21
bの幅広面の中央で平行平板を構成しているが、外部端
子20a、21a側、あるいは外部端子20a、21a
から遠方側に変位した位置で平行平板を構成していても
良い。
【0031】実施の形態4.図6は、IGBTモジュー
ル18の主電極20、21の第1の部位20b、21b
が幅広の弧を描く形状をした例である。ケース19内で
平行平板を構成する第2の部位20c、21cが外部端
子20a、21a間に位置し、ケース19上面と垂直を
なしている。第2の部位20c、21cと外部端子20
a、21aとを接続するように第1の部位20b、21
bが、外部端子20a、21aの形成領域と異なる領域
におけるケース19上面と平行に、例えば2〜3mm程
度の距離を保って対向するようにケース19内で弧を描
く形状に配設される。これら外部端子20a、21a、
第1の部位20b、21bおよび第2の部位20c、2
1cは幅広の平板状導体により一体的に形成されてコレ
クタ電極20およびエミッタ電極21をそれぞれ構成す
る。なお、第2の部位20c、21cは、上記実施の形
態3で示したように、ケース19上面と平行であって
も、また、形成位置が一方の主電極20、21側に変位
していても良く、さらにまた、第1の部位20b、21
bの直下領域で平行平板を構成していてもよい。
【0032】この様に構成されたIGBTモジュール1
8に、外部配線導体を接続した例を図7に示す。なお、
IGBTモジュール18と外部配線導体との接続状態を
把握しやすいよう分解図で表している。IGBTモジュ
ール18はこれら外部配線導体により図示しない直流平
滑用コンデンサ25と接続されて、電力変換装置として
用いられる。図において、30aはIGBTモジュール
18のエミッタ電極外部端子21aと接続する平板状の
外部配線導体としてのエミッタ配線導体、30bはIG
BTモジュール18のコレクタ電極外部端子20aと接
続する平板状の外部配線導体としてのコレクタ配線導
体、30はこれらの外部配線導体30a、30bを図示
しない絶縁物を介してエミッタ配線導体30aを下方に
して高さ方向に積層し一体成型された積層導体である。
積層導体30はIGBTモジュール18のケース19上
に平行に載置され、ボルト31により積層導体30の上
部から外部端子20a、21aに接続するように取り付
けられる。従って、積層導体30を構成するエミッタ配
線導体30a、コレクタ配線導体30bには、ボルト3
1で接続するための接続穴32と、ボルト31との絶縁
距離を保つための比較的大きな絶縁距離保持用穴33と
がそれぞれ所定の箇所に設けられている。
【0033】IGBTモジュール18がオン状態の時、
モジュール18のコレクタ電極20からモジュール18
内に流入してモジュール18内の主回路を流れた後、エ
ミッタ電極21から外部に流れる電流は、幅広の弧を描
く形状の第1の部位20b、21bをその形状に沿って
矢印34の向きに流れる。図示しない直流平滑用コンデ
ンサ25がモジュール18のコレクタ電極20側に位置
するものとすると、エミッタ電極21からエミッタ配線
導体30aを通じて出力される電流は、エミッタ配線導
体30aに絶縁距離保持用穴33が設けられているた
め、絶縁距離保持用穴33の周囲を矢印35の向きに、
迂回して流れることになる。従って、エミッタ配線導体
30aを流れる電流の向き35とエミッタ電極21の第
1の部位21bを流れる電流の向き34は互いに位置的
に逆方向となる。
【0034】エミッタ配線導体30aは、積層導体30
の最下層の外部配線導体であり、ケース19上面に載置
されて取り付けられている。一方、主電極20、21の
第1の部位20b、21bは外部端子20a、21aの
形成領域と異なる領域におけるケース19上面と平行に
対向するように近接してケース19内に配置されてい
る。この様に、エミッタ配線導体30aは、エミッタ電
極21の第1の部位21bと対向して平行であり、流れ
る電流の向きが逆になるような領域を有する。従って、
エミッタ配線導体30aを流れる電流により発生する磁
束とエミッタ電極21の第1の部位21bを流れる電流
により発生する磁束が相殺され、寄生インダクタンスが
低減される。これによりIGBTモジュール18と外部
配線を構成する積層導体30との接続部およびその周辺
領域においても寄生インダクタンスの十分な低減が可能
になる。またエミッタ配線導体30aとコレクタ配線導
体30bとは互いに平行に対向し、両外部配線導体30
a、30bを流れる電流は互いに位置的に逆向きとなる
ため、積層導体30の寄生インダクタンスを低減するこ
とができる。さらに、モジュール18内においても、平
行平板部を構成する主電極20、21の第2の部位20
c、21cを流れる電流が互いに逆向きであるため、主
電極20、21の寄生インダクタンスが低減される。
【0035】なお、直流平滑用コンデンサ25がIGB
Tモジュール18のエミッタ電極21側に位置するもの
とすると、コレクタ配線導体30bが、コレクタ電極2
0の第1の部位20bと対向して平行であり、流れる電
流の向きが逆になるような領域を有するものとなり、コ
レクタ配線導体30bを積層導体30の最下層に配置す
る。
【0036】実施の形態5.上記実施の形態1〜4で
は、IGBTモジュール18のケース19の上面に保持
されている主電極20、21の外部端子20a、21a
が1対だけの例を示したが、図8に示すように、外部端
子が20a、21aが2対以上あり、それぞれがケース
19内部または外部配線導体により並列に接続されてい
ても良い。なお、図8では、外部端子20a、21aを
3対備えているIGBTモジュール18の主電極20、
21の構造の一部のみを示したものであり、ケース19
内でケース19上面と対向して平行に配設される第1の
部位20b、21bは上記実施の形態1と同様のものと
する。
【0037】この様に構成されたIGBTモジュール1
8に、外部配線導体を接続した例を図9に示す。上記実
施の形態4と同様に、エミッタ電極外部端子21aに接
続するエミッタ配線導体30aとコレクタ電極外部端子
20aに接続するコレクタ配線導体30bとを、図示し
ない絶縁物を介して高さ方向にエミッタ配線導体30a
を下方にして積層し積層導体30を構成する。このと
き、図示しない直流平滑用コンデンサ25がIGBTモ
ジュール18のコレクタ電極20側に位置するものとす
る。この積層導体30はIGBTモジュール18のケー
ス19上に平行に載置され、ボルト31により積層導体
30の上部から外部端子20a、21aに接続するよう
に取り付けられる。エミッタ配線導体30aとコレクタ
配線導体30bとには、ボルト31で接続するための接
続穴32と、ボルト31との絶縁距離を保つための比較
的大きな絶縁距離保持用穴33とがそれぞれ所定の外部
端子20a、21aに対応する位置に設けられている。
この場合も上記実施の形態4と同様に、主電極20、2
1および積層導体30の寄生インダクタンスを低減する
ことができるとともに、IGBTモジュール18と外部
配線を構成する積層導体30との接続部およびその周辺
領域においても寄生インダクタンスの十分な低減が可能
になる。
【0038】なお、外部端子20a、21aが2対以上
ある高電圧用のIGBTモジュール18は、通常同一極
性の端子が直線上に配置されている。この様な並列接続
される外部端子20a、21aを2対以上有するIGB
Tモジュール18に外部配線導体30a、30bを接続
する場合、この実施の形態で示したように、モジュール
18を流出入する電流が、各並列端子20a、21aの
配列に対して、垂直になるように配線することにより直
流平滑用コンデンサ25及び負荷(ともに図示せず)と
各外部端子20a、21aとの距離がほぼ等しくなるよ
うに配線できる。これにより各端子20a、21aに流
れる電流を均一にして素子破壊を防止し信頼性を高め
る。
【0039】実施の形態6.次に、外部端子20a、2
1aが2対以上ある高電圧用IGBTモジュール18を
用いた電力変換装置として、正極側モジュール18aお
よび負極側モジュール18bによる1相分のインバータ
について説明する。図10および図11は、IGBTモ
ジュール18a、18bと外部配線導体との配置状態を
示す平面図および分解して示した斜視図である。なお、
図10においては、IGBTモジュール18a、18b
の主電極20、21と外部配線導体の位置関係が分かり
やすいように、パワー半導体モジュールの主電極の一部
の平面図も図示している。また、外部配線導体として
は、エミッタ配線導体30a、コレクタ配線導体30b
および出力用配線導体30cが絶縁物を介して積層され
た積層導体30を用いるものとし、図10では、積層導
体30のうち最下層のエミッタ配線導体30aのみを図
示している。直流平滑用コンデンサ25並びに負荷(図
示せず)はともに正極側モジュール18aのコレクタ電
極20側に位置するものとする。エミッタ配線導体30
aは、負極側モジュール18bのエミッタ電極21と電
気的に接続される。なお、36、37は直流平滑用コン
デンサ25の負極、正極でそれぞれエミッタ配線導体3
0a、コレクタ配線導体30bに接続される。
【0040】上記実施の形態で示したように、積層導体
30と外部端子20a、21aとは、積層導体30の上
からボルト31により接続する。例えばエミッタ配線導
体30aには、コレクタ電極外部端子20aとコレクタ
配線導体30bとを接続するボルト31との絶縁距離を
保つために絶縁距離保持用穴33を設けなければならな
い。特に高電圧用のIGBTモジュール18a、18b
においては、絶縁距離が大きいため、絶縁距離保持用穴
33の径は、例えば20〜30mm程度の大きなものと
なる。図10に示すように、エミッタ電極21からエミ
ッタ配線導体30aを通じて出力される電流は、絶縁距
離保持用穴33の周囲を迂回するように矢印35の向き
に流れる。このとき絶縁距離保持用穴33が大きくな
り、その径がコレクタ電極外部端子20aの径と近くな
ってくると、コレクタ電極外部端子20aと接続される
コレクタ電極20の第1の部位20bの上層領域を、絶
縁距離保持用穴33の周囲を迂回する電流(矢印35)
が流れる。即ち、エミッタ配線導体30aは、この絶縁
距離保持用穴33の周囲において、対向する位置に平行
に配設される第1の部位20bを流れる電流と逆方向の
電流が流れる。これにより、高電圧用のIGBTモジュ
ール18a、18bと外部配線を構成する積層導体30
との接続部およびその周辺領域において、寄生インダク
タンスが効果的に低減できる。
【0041】実施の形態7.上記実施の形態6で示した
インバータにおいて、IGBTモジュール18a、18
bと外部配線導体との配置状態の別例を図12の平面図
を用いて以下に示す。この場合、正極側モジュール18
aと負極側モジュール18bは、正極側モジュール18
aのコレクタ電極20と負極側モジュール18bのエミ
ッタ電極21が対向するように配置し、最下層を出力用
配線導体30cとして構成された積層導体30により直
流平滑用コンデンサ25および負荷と接続され電力変換
装置を構成している。また、図12では、積層導体30
のうち出力用配線導体30cだけを図示し、図示しない
直流平滑用コンデンサ25並びに負荷は、ともに正極側
モジュール18aのコレクタ電極20側に位置するもの
とする。
【0042】図において矢印38および矢印39は図示
しないコレクタ配線導体30bおよびエミッタ配線導体
30aを流れる電流経路を、模式的に示したものであ
る。また、40a、40bは出力用配線導体30cを流
れる電流経路である。正極側モジュール18aがオン状
態の時、直流平滑用コンデンサ25からの電流は、コレ
クタ配線導体30bを矢印38の方向に流れ、正極側モ
ジュール18aのコレクタ電極20を介して正極側モジ
ュール18a内を流れ、エミッタ電極21を介し出力用
配線導体30cを矢印40aの方向に流れて負荷へと電
流が流れる。一方、負極側モジュール18bがオン状態
の時、負荷からの電流が出力用配線導体30cを矢印4
0bの方向に流れ、負極側モジュール18bのコレクタ
電極20を介して負極側モジュール18b内を流れ、エ
ミッタ電極21を介しエミッタ配線導体30aを矢印3
9に示す方向に電流が流れ、直流平滑用コンデンサ25
へと電流は流れていく。
【0043】このように、出力用配線導体30cを流れ
る電流は、正極側モジュール18aのコレクタ電極2
0、および、負極側モジュール18bのエミッタ電極2
1との絶縁距離保持用穴33の周囲を迂回するように矢
印40a、40bの方向に流れる。これにより、出力用
配線導体30cは、この絶縁距離保持用穴33の周囲に
おいて、対向する位置に平行に配設される主電極20、
21の第1の部位20b、21bを流れる電流と逆方向
の電流が流れることになり、上記実施の形態6と同様
に、高電圧用のIGBTモジュール18a、18bと外
部配線を構成する積層導体30との接続部およびその周
辺領域において、寄生インダクタンスが効果的に低減で
きる。
【0044】なお、実施の形態1〜7はパワー半導体モ
ジュールとしてIGBTモジュール18を用いたが、他
のパワー半導体素子をケース19内に収納したパワー半
導体モジュールでも良く、同様の効果が得られる。
【0045】
【発明の効果】以上のように、この発明に係わる請求項
1記載のパワー半導体モジュールは、パワー半導体素子
が筐体内に収納され、上記パワー半導体素子と接続する
主電極と、上記筐体上面に配置された上記主電極の外部
端子とを備え、上記筐体外部で該筐体上面に平行に配さ
れる平板状の外部配線導体に上記外部端子を介して接続
される構成であって、上記主電極が、上記外部端子配置
領域外で上記筐体上面と平行に対向する平板状の第1の
部位を上記筐体内に有するため、上記外部配線導体と上
記第1の部位とで磁束を相殺して寄生インダクタンスの
低減を容易に可能にし、安定に動作するパワー半導体モ
ジュールを提供できる。
【0046】またこの発明に係わる請求項2記載のパワ
ー半導体モジュールは、請求項1において、主電極がパ
ワー半導体素子の一対の電極とそれぞれ接続する第1の
導体および第2の導体で構成され、該第1の導体および
第2の導体が、互いに平行に対向する平板状の第2の部
位を筐体内に有するため、筐体内の主電極の寄生インダ
クタンスを低減でき、全体の寄生インダクタンスを一層
低減できて信頼性の高いパワー半導体モジュールを提供
できる。
【0047】またこの発明に係わる請求項3記載のパワ
ー半導体モジュールは、請求項1または2において、主
電極がパワー半導体素子の一対の電極とそれぞれ接続す
る第1の導体および第2の導体で構成され、該第1の導
体および第2の導体の双方がそれぞれ筐体上面と平行な
第1の部位を有し、該双方の第1の部位が、上記筐体上
面からの距離が等しく、動作時の電流の向きが同じであ
るため、外部配線導体と上記第1の部位とで効果的に磁
束を相殺して寄生インダクタンスの低減が図れる。
【0048】またこの発明に係わる請求項4記載のパワ
ー半導体モジュールは、請求項1〜3のいずれかにおい
て、筐体上面と第1の部位との離間距離をLとすると
き、上記第1の部位の下面に距離Lだけ離間させた位置
から上記筐体上面までの領域内に、上記第1の部位と平
行に配設される電極および配線導体が存在しないため、
他の電極および配線導体に影響されることなく効果的に
寄生インダクタンスの低減が図れる。
【0049】またこの発明に係わる請求項5記載の電力
変換装置は、請求項1〜4のいずれかに記載のパワー半
導体モジュールと直流平滑用コンデンサとが筐体上面に
平行に配される平板状の外部配線導体により接続されて
成る装置構成であって、上記外部配線導体が、上記パワ
ー半導体モジュールの主電極の第1の部位と対向する領
域を有し、該領域における動作時の電流が上記第1の部
位における動作時の電流と逆方向であるため、寄生イン
ダクタンスが低減され、安定に動作する信頼性の高い電
力変換装置を提供できる。
【0050】またこの発明に係わる請求項6記載の電力
変換装置は、請求項1〜4のいずれかに記載のパワー半
導体モジュールと直流平滑用コンデンサとが、外部端子
と接続する複数枚の平板状の外部配線導体を絶縁物を介
して積層して筐体上面に平行に配した積層導体により接
続されて成る装置構成であって、上記積層導体の最下層
の上記外部配線導体が、上記パワー半導体モジュールの
主電極の第1の部位と対向する領域を有し、該領域にお
ける動作時の電流が上記第1の部位における動作時の電
流と逆方向であるため、寄生インダクタンスが低減さ
れ、安定に動作する信頼性の高い電力変換装置を提供で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるパワー半導体
モジュールの斜視図である。
【図2】 この発明の実施の形態1によるパワー半導体
モジュールと外部配線との接続状態を示す斜視図であ
る。
【図3】 この発明の実施の形態2によるパワー半導体
モジュールと外部配線との接続状態を示す斜視図であ
る。
【図4】 この発明の実施の形態3によるパワー半導体
モジュールの斜視図である。
【図5】 この発明の実施の形態3の別例によるパワー
半導体モジュールの斜視図である。
【図6】 この発明の実施の形態4によるパワー半導体
モジュールの斜視図である。
【図7】 この発明の実施の形態4によるパワー半導体
モジュールと外部配線との接続状態を示す斜視図であ
る。
【図8】 この発明の実施の形態5によるパワー半導体
モジュールの斜視図である。
【図9】 この発明の実施の形態5によるパワー半導体
モジュールと外部配線との接続状態を示す斜視図であ
る。
【図10】 この発明の実施の形態6による電力変換装
置におけるパワー半導体モジュールと外部配線との接続
状態を示す平面図である。
【図11】 この発明の実施の形態6による電力変換装
置におけるパワー半導体モジュールと外部配線との接続
状態を示す斜視図である。
【図12】 この発明の実施の形態7による電力変換装
置におけるパワー半導体モジュールと外部配線との接続
状態を示す平面図である。
【図13】 従来のパワー半導体モジュールの斜視図で
ある。
【図14】 従来のパワー半導体モジュールの主電極の
構造を示す斜視図である。
【図15】 電力変換装置の回路図である。
【図16】 従来の電力変換装置におけるパワー半導体
モジュールと外部配線との接続状態を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
18,18a,18b パワー半導体モジュールとしての
IGBTモジュール、19 筐体としてのケース、20
主電極を構成する第1の導体としてのコレクタ電極、
20a 外部端子、20b 第1の部位、20c 第2
の部位、21 主電極を構成する第2の導体としてのエ
ミッタ電極、21a 外部端子、21b 第1の部位、
21c 第2の部位、23 矢印(電流の向き)、24
外部配線導体、24a 外部配線導体としてのエミッ
タ配線導体、25 直流平滑用コンデンサ、26 矢印
(電流の向き)、28 外部配線導体、29 矢印(電
流の向き)、30 積層導体、30a 外部配線導体と
してのエミッタ配線導体、30b 外部配線導体として
のコレクタ配線導体、30c 外部配線導体としての出
力用配線導体、34,35,40a,40b 矢印(電
流の向き)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武藤 浩隆 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 菊永 敏之 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 木ノ内 伸一 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 碓井 修 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 奥田 達也 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パワー半導体素子が筐体内に収納され、
    上記パワー半導体素子と接続する主電極と、上記筐体上
    面に配置された上記主電極の外部端子とを備え、上記筐
    体外部で該筐体上面に平行に配される平板状の外部配線
    導体に上記外部端子を介して接続されるパワー半導体モ
    ジュールにおいて、上記主電極が、上記外部端子配置領
    域外で上記筐体上面と平行に対向する平板状の第1の部
    位を上記筐体内に有することを特徴とするパワー半導体
    モジュール。
  2. 【請求項2】 主電極がパワー半導体素子の一対の電極
    とそれぞれ接続する第1の導体および第2の導体で構成
    され、該第1の導体および第2の導体が、互いに平行に
    対向する平板状の第2の部位を筐体内に有することを特
    徴とする請求項1記載のパワー半導体モジュール。
  3. 【請求項3】 主電極がパワー半導体素子の一対の電極
    とそれぞれ接続する第1の導体および第2の導体で構成
    され、該第1の導体および第2の導体の双方がそれぞれ
    筐体上面と平行な第1の部位を有し、該双方の第1の部
    位が、上記筐体上面からの距離が等しく、動作時の電流
    の向きが同じであることを特徴とする請求項1または2
    記載のパワー半導体モジュール。
  4. 【請求項4】 筐体上面と第1の部位との離間距離をL
    とするとき、上記第1の部位の下面に距離Lだけ離間さ
    せた位置から上記筐体上面までの領域内に、上記第1の
    部位と平行に配設される電極および配線導体が存在しな
    いことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のパ
    ワー半導体モジュール。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のパワー
    半導体モジュールと直流平滑用コンデンサとが筐体上面
    に平行に配される平板状の外部配線導体により接続され
    て成る電力変換装置において、上記外部配線導体が、上
    記パワー半導体モジュールの主電極の第1の部位と対向
    する領域を有し、該領域における動作時の電流が上記第
    1の部位における動作時の電流と逆方向であることを特
    徴とする電力変換装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載のパワー
    半導体モジュールと直流平滑用コンデンサとが、外部端
    子と接続する複数枚の平板状の外部配線導体を絶縁物を
    介して積層して筐体上面に平行に配した積層導体により
    接続されて成る電力変換装置において、上記積層導体の
    最下層の上記外部配線導体が、上記パワー半導体モジュ
    ールの主電極の第1の部位と対向する領域を有し、該領
    域における動作時の電流が上記第1の部位における動作
    時の電流と逆方向であることを特徴とする電力変換装
    置。
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