JP4209421B2 - 電力変換器の主回路構造 - Google Patents
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Description
に、電力変換器の主回路構造に関する。
使用されていた。このような構成では、配線のインダクタンスが大きいため、I
GBTモジュールをオン、オフした際の電流や電圧の跳ね上がりが大きい、とい
う問題がある。また、IGBTモジュールを保護するため、大きな容量のスナバ
回路等を接続する必要があり、装置の小型化の障害となっていた。
ところで、インダクタンスを低減するには、電流の経路である導体をできるだ
け平たい形状とし、かつ、往路と復路の導体をできるだけ近接して設置する、い
わゆる平行平板状にすれば良いことが知られている。これは、往路と復路が作る
磁束の変化が互いに相殺し、見かけ上磁束の変化が殆どなくなるからである。
このような原理を使用した配線方法としては、特許文献2、特許文献3、特許
文献4、特許文献5、特許文献6および特許文献7などに記載の技術があげられ
る。これらはいずれも上述のように絶縁層などを挾んで平板状導体を近接配置し
た平行平板状の配線を用いており、インダクタンス低減を実現している。
しかしながら、導体とIGBTモジュールを固定するボルトなどの固定具の取
付けのため、導体や絶縁層などに貫通穴をあける必要がある。この貫通穴におけ
る絶縁距離を確保するため、穴を大きくとる必要があり、このため導体の面積が
狭くなった部分に電流が集中し、所定のインピーダンス目標を満足できないこと
があり得る。貫通穴のまわりを絶縁物で覆えば、導体の穴自体を小さくできるが、
導体断面を絶縁するために、導体および絶縁物の構造が複雑になりがちである。
また、一方で導体間の間隔が狭いほどインダクタンスは低減するものの、その
低減効果は飽和していく。例えば、導体間隔を10cmから1cmに低減した場
合は、大幅なインダクタンス低減が得られるが、1cmから1mmに低減する場
合には、さほどインダクタンスは低減しないことが知られている。従って、必ず
しも導体間隔を極限まで(例えば、絶縁板板厚程度まで)狭くしなくても、イン
ダクタンスを低減することは可能である。
また、特許文献8および特許文献9には、平板状導体を用いながら、貫通穴の
ない構造が記載され、上述のような貫通穴における複雑な絶縁構造をとる必要は
ない。しかしながら、いずれも導体を曲げるなどの加工が必要な構成である上、
半導体の並列化や、3レベル変換器への適用に関しては考慮がされていない。さ
らに、特許文献10には、導体間に誘電体セラミックスを設けることが記載され
ているため、使用する材料が限定される。
また、半導体モジュールを複数接続した場合(1つの半導体モジュールに複数
組の端子がある場合も含む。)、これらの間の電流がアンバランスになると、電
流の多く流れる素子(もしくは端子)に合わせて最大電流を決めなくてはいけな
い。これらの相互間の電流をバランス化させることが半導体モジュールの能力を
最大限に利用するために重要であるが、一般には低インダクタンス化と電流バラ
ンス化は相矛盾する場合が多く、これらを両立させることが難しかった。
り、かつ、簡単な構成で実現することにあり、さらに、半導体モジュールが複数
接続される場合は、端子電流のバランス化を図ることにある。
また、本発明は、上記電力変換器の主回路構造において、前記正側導体、負側導体、交流側導体の出力端子をそれぞれ同一方向に形成し、前記半導体モジュールの端子側上面から見て、各出力端子を交流側導体、正側導体、負側導体、交流側導体の順に配置する電力変換器の主回路構造である。
スを低減するため、正側クランプダイオードと負側クランプダイオードを接続す
る中間電位導体の出力端子を正側導体の出力端子と負側導体の各出力端子の間ま
たは隣接して配することにより、電流バランスの他に転流インダクタンスの低減
を図ることができる。
また、3レベルインバータ主回路の交流側導体の出力端子を分割し、または、
正側クランプダイオードと負側クランプダイオードを接続する中間電位導体の出
力端子を分割し、それぞれ正側導体、負側導体の左右に配することにより、導体
に流れる電流バランスを図ることができる。
図11を用いて説明する。
変換器の1相分における側面図である。本実施形態は、1相分である正負側の2
個のIGBTモジュールにおいて、各IGBTモジュールのコレクタ端子とエミ
ッタ端子が一列に配置された場合の導体の構成例である。
1はIGBTモジュール(正側)、2はIGBTモジュール(負側)であり、
いわゆるモジュール型と呼ばれる外形をしている。以下では半導体モジュールと
してIGBTモジュールを例に説明するが、MOSトランジスタモジュール、バ
イポーラトランジスタモジュールなど、他のモジュールの型半導体モジュールで
も同様の構成となることは言うまでもない。3は正側導体、4は交流側導体、5
は負側導体、6〜9はボルト、10〜13は端子スペーサである。IGBTモジ
ュール1のコレクタ端子をPC、エミッタ端子をPEと称する。同様にIGBT
モジュール2のコレクタ端子、エミッタ端子をそれぞれNC、NEと称する。
体3は図示しない直流電源の正極とIGBT1の端子PCを、交流側導体4は図
示しない交流出力端子とIGBT1の端子PEとIGBT2の端子NCを、負側
導体5は図示しない直流電源の負極とIGBT2の端子NEを接続する。
遠い方を上層と称することにする。図1では、最下層に正側導体3を配し、ボル
ト6と端子スペーサ10を介してIGBTモジュール1の端子PCに接続する。
本実施形態では、ボルト6と端子スペーサ10は導体でできており、端子PCと
正側導体3を電気的に接続すると共に、正側導体3を機械的に支持する役目を果
たす。
正側導体3のすぐ上層に交流側導体4を配置する。この場合、正側導体3と交
流側導体4の両者の間隔はボルト6の頭の高さよりも大きい。これにより、交流
側導体4にはボルト6の頭を貫通させるための穴をあける必要がない。交流側導
体4は、ボルト7および端子スペーサ11を介してIGBTモジュール1の端子
PEに、また、ボルト8と端子スペーサ12を介してIGBTモジュール2の端
子NCに、それぞれ電気的および機械的に接続する。
交流側導体4より上層に、ボルト7および8の頭の高さより離れたところに負
側導体5を配置し、同様にボルト9と端子スペーサ13を介してIGBTモジュ
ール2の端子NEに電気的および機械的に接続する。これにより、負側導体5に
はボルト7および8の頭を貫通させるための穴をあける必要がない。
なお、図1の実施形態では、導体が下層から順に正側導体3、交流側導体4、
負側導体5と配されている。これを全く逆に、下層から負側導体5、交流側導体
4、正側導体3と配置しても全く同様のインダクタンス低減効果が実現できる。
しかしながら、最上層に電位の高い正側導体3を配置することにより、異物が
侵入した際の短絡事故が起こりやすくなる。このような観点から、最上層には負
側導体5を配置するのが最も良い。
体3、交流側導体4、負側側導体5は、平板状の形状であり、それぞれIGBT
モジュール1、2に接続するボルトのためのIGBT端子ボルト穴32、42、
43、52を設ける。また、上部には図示しない外部回路との接続用に正側導体
3には出力端子30、交流側導体4には出力端子40、負側導体5には出力端子
50を設け、それぞれ同一方向に形成する。この場合、半導体モジュール1、2
の端子上面から見て、出力端子30を正側導体3の中央に、出力端子40を交流
側導体4の右側に、出力端子50を負側導体5の左側に設け、図1のように下層
から順に正側導体3、交流側導体4、負側導体5を配置する場合、正側導体3と
負側導体4の出力端子30、50が隣同士になるように配する。なお、それぞれ
の出力端子30、40、50にはボルト接続用の穴を開ける。
側導体5の各導体を平板状としてしかも平行に配置しているため、従来の細長い
配線を用いた場合に比べると、主回路のインダクタンスを大幅に低減できる。ま
た、交流側導体4、負側側導体5には、ボルト(固定具)6、7、8の頭を貫通
させるための穴が不要な構成であるので、この穴の部分の導体断面の絶縁が不要
である。さらに、各導体3、4、5はいずれも平板状の導体を切って穴を開けた
だけの簡単な構成であるため、加工や組立が容易である。
また、本実施形態では、平板状の各導体3、4、5の出力端子30、40、5
0をいずれもIGBTモジュール1、2の上部側に配置するため、図1の構成を
横方向にいくつか並べて多相の電力変換器を構成した場合にも、横方向に隙間な
く配置でき、全体の大きさを小さくすることができる。
なお、図1の構成では、各導体の平板間の間隔は、スペーサ10〜12の高さ
を調整して電気絶縁が得られる所要の寸法とするが、平板間の間隙に絶縁物を介
在させてもよい。この場合も、導体間隔をより近接させることができ、小型化す
ることができる。
4の形状を示す。ここで、図示していない正側導体3および負側導体5の形状は、
図3に示すものと同様である。図4に示すように、本実施形態では、正側導体3
と交流側導体4を同じ層に並べて配置し、その上層に負側導体5を配置する。
このため、正側導体3と負側導体5を図1の実施形態に比べてより近接させる
ことができ、一層インダクタンスを低減することができる。また、装置の高さも
その分低くできるという利点がある。しかしながら、交流側導体4の出力端子4
0は装置の右側(あるいは、図4とは反対に左側)に出さざるを得ない。他の正
側導体3と負側導体5は上側に出しているのに対し、交流側導体4のみ側方に設
置しなければならず、図4の構成を複数並べて多相の電力変換器を構成する場合、
この端子の部分にはIGBTモジュールをつめて配置できないので、装置の横寸
法が大きくなる。よしんば交流側導体4の端子を正側導体3、負側導体5と同様
に上側に配置しても、交流側導体4と正側導体3、負側導体5間の絶縁距離を確
保する必要から、横方向の寸法が大きくなることは同じである。従って、本実施
形態は、装置の横方向の寸法が大きいため、設定場所に余裕があり、かつ、たて
寸法の低減やインダクタンスの一層の低減が必要な場合に有効な構造である。
また、本実施形態においても、導体5の下層に絶縁板を設置すれば、導体間の
間隔を一層狭くすることができ、小型化することができる。
BTモジュール1、2をたて方向に、即ち両者のコレクタ端子、エミッタ端子が
略1直線状に並ぶように配置したが、本実施形態では、IGBTモジュール1の
コレクタを図面の右、エミッタを図面の左に配し、その図面の下にIGBTモジ
ュール2をコレクタが左、エミッタが右になるように配置する(この説明で、左
右、上下が逆になっても、同様の構成が可能である。)。正側導体3と交流側導
体4は同じ層にあり、その上層に負側導体5を配置する。このように構成しても
インダクタンスの低減が可能である。図1に示した実施形態に比べ、横方向は寸
法が大きくなるが、たて方向は小さくできるという利点がある。
を示す。(a)は2レベル電力変換器の主回路構造の上面図、(b)、(c)は
その側面図である。同図には、、U相、V相、W相の3相分のIGBTモジュー
ルをヒートブロック101に配置し、フィルタコンデンサ102を含む変換器の
主回路全体の構成を示し、さらに、各相は図2に示すIGBTの回路を3並列有
するモジュール構造をなす。すなわち、IGBTモジュール1、2はいずれも1
つのモジュールに3組のコレクタ・エミッタ端子を有する構成であり、電気的に
はIGBTモジュールを3並列に接続のと等価になる。また、各導体の接続状況
がよく解できるように、一部の部品を透過あるいは省略し、便宜上、上面図(a)
のU相部は負側導体5と交流側導体4を取り除いた正側導体3とその接続状況を、
V相部は負側導体5を取り除いた交流側導体4とその接続状況を、W相部は負側
導体5とその接続状況を示す。また、(c)に示すように、フィルタコンデンサ
102を負側導体5のサイドに配置し、そのコンデンサ102の正負端子を正側
導体3、負側導体5とフィルタコンデンサ側正導体103、負導体105により
接続する。なお、同図では、フィルタコンデンサ側正導体103と負導体105
の間に絶縁板104を介在させる。また、ヒートブロック101によってIGB
Tモジュール1、2が発生した熱を冷却し、IGBTモジュール1、2が過熱し
ないようにする。
体3の端部には、所定の深さのスリット3SとIGBTモジュール1と接続する
IGBT端子部35を設ける。また、出力端子30は正側導体3の中央に配置す
る。交流側導体4の端部には、所定の深さのスリット4sとIGBTモジュール
1、2と接続するIGBT端子部48a、48bを設ける。また、出力端子40
は交流側導体4の右に配置する。負側導体5の端部には所定の深さのスリット5
sとIGBTモジュール2と接続するIGBT端子部55を設ける。また、出力
端子50は負側導体5の左に配置する。
正側導体3は、スリット3Sを設けた端部を折り曲げることにより、脚3fを
形成し、IGBT端子部35を脚3fの先に設ける。そして、この端子部35は
ボルト6a〜cによりIGBTモジュール1のコレクタ端子C1、C2、C3と
電気的及び機械的に接続する。
交流側導体4は、スリット4sを設けた端部を折り曲げることにより、脚4f
を形成し、IGBT端子部48a、48bを脚4fの先に設ける。そして、IG
BT端子部48aはボルト7a〜cによりIGBTモジュール1のエミッタ端子
E1、E2、E3と電気的及び機械的に接続し、IGBT端子部48bはボルト
8a〜cによりIGBTモジュール2のコレクタ端子C1、C2、C3と電気的
及び機械的に接続する。脚4fの高さは正側導体3の脚3fよりも高く設定する。
このため、交流側導体4は正側導体3よりも上層に適当な間隔をおいて設置され
ることになる。正側導体3と交流側導体4の間には絶縁板14を設置する。
負側導体5は、スリット5Sを設けた端部を折り曲げることにより、脚5fを
形成し、IGBT端子部55を脚5fの先に設ける。そして、この端子部55は
ボルト9a〜cによりIGBTモジュール2のエミッタ端子E1、E2、E3と
電気的及び機械的に接続する。脚5fの高さは交流側導体4の脚4fより高く設
定する。このため、負側導体5は交流側導体4よりも上層に適当な間隔をおいて
設置されることになる。交流側導体4と負側導体5の間には絶縁板15を設置す
る。
(1)正側導体3、交流側導体4、負側導体5の各導体の端部に所定の深さのス
リット(3s〜5s)を設け、これを折り曲げることにより所定の長さの脚(3
f〜5f)を形成する。なお、脚の先には、IGBTモジュールの端子とボルト
によって接続するための端子部を設ける。
(2)正側導体3、交流側導体4、負側導体5の各導体の間隔は、折り曲げられ
た脚(3f〜5f)の高さで調整し、最下層に正側導体3、中層に交流側導体4、
最上層に負側導体5を配置する。この構造では、正側導体3が一番下層になるの
で、その長さは最も短い。逆に最上層の負側導体5が最も長い。
(3)正側導体3の出力端子は中央に、交流側導体4の出力端子は右に、負側導
体5の出力端子は左にそれぞれ配置する。
(4)正側導体3と交流側導体4の間および交流側導体4と負側導体5の間にそ
れぞれ絶縁板14、15を介在する。
り曲げる必要があるが、端子スペーサを必要としないために部品数を低減するこ
とかでき、構成を単純化し、省スペース化することが可能になる。
また、正側導体3、交流側導体4、負側導体5の各導体のIGBT端子部間に
は、スリット3s、4s、5sをそれぞれ設けるが、これはIGBT端子電流の
バランスを保つために有用である。IGBTモジュールを並列接続した場合(図
6のように、複数端子を持つIGBTモジュールを用いた場合も同じである。)、
各端子の電流をバランス化することが重要である。各端子からみたインダクタン
スのアンバランスがあると、端子電流アンバランスが発生する。正側導体3を例
にとると、IGBTモジュール1内の配線と、導体3によりできるループを横流
電流が流れることになる。例えば、内部配線3f→3→3f→1に横流電流が流
れる。スリット3sを設けることにより、この横流電流の流れるループの長さを
延ばすことができ、ループのインダクタンスが増大し、横流電流が減るので、端
子電流のバランス化が可能となる。交流側導体4、負側導体5についても同様で
ある。
また、上記(2)(3)により、正側導体3が一番下層にあるので、その長さ
は最も短い。逆に最上層の負側導体5が最も長くなる。最下層の正側導体3では、
出力端子30とIGBT端子部35の距離が近いので、それぞれの電流経路長に
差が出やすく、電流がバランスしづらくなる。このため、出力端子30を中央に
配することにより、並列素子間の電流バランスを改善できる。さらに、正側導体
3の出力端子30と負側導体5の出力端子50が隣り合わせで近接しているため、
IGBTモジュール1もしくは2のスイッチング時の転流インダクタンスを最小
化できる。
なお、中層の交流側導体4と最上層の負側導体5の出力端子40、50の左右
が入れ替わっても効果は同じである。また、負側導体5が最下層、正側導体3が
最上層のように導体順が入れ替わっても、最下層の導体の出力端子を中央に配す
ることの利点は同じである。
一方、中層の交流側導体4および最上層の負側導体5では、正側導体3に比べ
て導体長が長く、端子電流がバランスしやすいため、それぞれの出力端子40お
よび50を左または右に配しても、端子電流バランスに与える悪影響は比較的小
さい。
また、上記(4)により、第1、第2の実施形態のように、各導体間を端子接
続のためのボルト(6a〜9c)の高さ以上の間隔を持たせる必要がなくなるの
で、導体間を狭くすることでインダクタンスの低減を図ることができる。
す。図9では、理解を容易にするために、フィルタコンデンサ等、発明に直接関
与しない部分は省いてある。図8に、3レベルインバータの1相分の等価回路を
示す。3レベルインバータは、図示しない直流電源に並列接続された分圧コンデ
ンサ210、211の正、負および中間電位(P、N、C)から3レベル電位の
交流に変換またはその逆変換をする電力変換器である(但し、図8では1相分が
IGBTの3並列を示す。)。
サ210と負側フィルタコンデンサ211が直列に接続される。フィルタコンデ
ンサ210の正側のP点から見て、順にIGBTモジュール201、202、2
03、204が直列に接続される。201〜204は、いずれも図6同様、1モ
ジュールにコレクタ端子とエミッタ端子が3組ある構成である。さらに、フィル
タコンデンサ210、211間の中性点Cから、正側クランプダイオード205
がIGBTモジュール201と202の間に、負側クランプダイオード206が
IGBTモジュール203と204の間にそれぞれ接続される。
正側導体3はP点とIGBTモジュール201のコレクタ端子PC1を、交流
側導体4はIGBTモジュール202のエミッタ端子PE2、IGBTモジュー
ル203のコレクタ端子NC3と図示しない負荷とを、負側導体5はIGBTモ
ジュール204のエミッタ端子NE4とN点とをそれぞれ接続する。
中間電位導体207はIGBTモジュール201のエミッタ端子PE1、IG
BTモジュール202のコレクタ端子PC2と正側クランプダイオード205の
カソード端子PDKを、中間電位導体208はIGBTモジュール203のエミ
ッタ端子NE3、IGBTモジュール204のコレクタ端子NC4と負側クラン
プダイオード206のアノード端子NDAを、中間電位導体209はC点とクラ
ンプダイオード205のアノード端子PDA、クランプダイオード206のカソ
ード端子NDKとをそれぞれ接続する。
その側面図、(c)はIGBTモジュール201、202に関する側面図である。
半導体モジュール201〜204は、(a)のように、同一面上に配置し、正
側導体3、負側導体5、中間電位導体209、交流側導体4の各出力端子をそれ
ぞれ同一方向に形成する。なお、この場合、少なくとも正側導体3、負側導体5、
交流側導体4の各出力端子をそれぞれ同一方向に形成するようにする。
交流側導体4は、(a)のように最上層に配し、IGBTモジュール202に
接続するIGBT端子と、IGBTモジュール203に接続するIGBT端子の
間に大きなスリット49eを設ける。また、この大きなスリット49eによって
分けられた各IGBT端子の先端にはIGBTモジュール202、203にボル
ト9a〜fを介して接続するIGBT端子部を設け、このIGBT端子部相互間
に、図6の実施形態と同様に、スリット4sを設ける。また、出力端子を40a
と40bの2つに分割してそれぞれ正側導体3、負側導体5の各出力端子の左右
に配する。
正側導体3、負側導体5、中間電位導体207、中間電位導体208は、(b)
のように、半導体モジュール202、203に最も近い最下層に配し、その上に
順に中間電位導体209、交流側導体4を階層して配置する。(c)には、最下
層に正側導体3、最上層に交流側導体4、中層に中間電位導体209を配置した
様子を示す。
ここで、図9では、最上層の交流側導体4の形状は分かり易いが、これより下
層の各導体の形状が分かりにくい。このため、図10に、最下層に配される正側
導体3、中間電位導体207、208、負側導体5の概形と配置を示す。また、
図11に、中層に配される中間電位導体209の概形を示す。
図10において、正側導体3、中間電位導体207、208、負側導体5には、
IGBTモジュールと接続するIGBT端子部相互間に、図6の実施形態と同様
に、スリット3s、5s、207s、208sを設ける。正側導体3の出力端子
30と負側導体5の出力端子50は、IGBTモジュール201および204の
端子から見て中央に配する。また、中間電位導体207、208には、導体20
9のダイオード端子2091、2092と導体207、208が接触して短絡を
起こさないように、穴2070、2080をあける。この場合、穴に代えてスリ
ットを採用してもよい。
図11において、中間電位導体209には、クランプダイオード205、20
6とそれぞれ接続するためのクランプダイオード端子2091、2092を設け、
また、正側導体3の出力端子30と隣接させるように、また、負側導体の出力端
子50と同じく隣接させるように出力端子2090を配する。
るIGBT端子部相互間にスリットを設けることによって、図6の実施形態と同
様、IGBT端子電流のバランスを向上させることができる。さらに、交流側導
体4に大きなスリット49eを設けることにより、IGBTモジュール202と
203の間を流れる電流経路長はやや長くなり、インダクタンスが若干増加する
ものの、IGBTモジュール202および203の端子電流のバランス化を図る
ことができる。
また、最下層にあり、電流経路長の短い正側導体3の出力端子30と負側導体
5の出力端子50をIGBTモジュール201および204の端子から見て中央
に配することにより、図6の実施形態と同様に、IGBT端子電流のバランスを
図ることができる。
また、3レベルインバータ主回路の転流インダクタンス低減には、正側導体3
の出力端子30と中間電位導体209の出力端子2090を、また、負側導体の
出力端子50と同じく中間電位導体209の出力端子2090を隣接させること
が有効である。このため、上述のように出力端子30と50をそれぞれ各導体の
中央に配した上で、中間電位導体209の出力端子2090を出力端子30と5
0の間に配することにより、上述の電流バランスの他に転流インダクタンス低減
を実現できる。
また、交流側導体4では、出力端子を40aと40bの2つに分割して、それ
ぞれ正側導体3、負側導体5の左右に配したので、導体に流れる電流バランスが
良くなる。
以上のようにして、3レベル構成においても、低インダクタンス化と電流バラ
ンス化を図る主回路構造を比較的簡単な構成で実現することができる。
なお、上記とは逆に、交流側導体4の出力端子を一つに纏めて正側導体3と負
側導体5の間に配し、中間電位導体209の出力端子を2つに分割して左右両端
に配しても、略同様の効果が得られる。
のIGBTモジュールを例に述べたが、2組、6組など3組以外の端子数のIG
BTモジュールを使用した場合にも、同様の構成が可能である。また、1組しか
端子のないIGBTモジュールを複数個接続した場合にも同様である。
また、本発明の実施形態では、導体がいずれも平板状であるために、特に電車
などの交通機関に搭載されて使用される場合、車体などの振動が原因で騒音を発
したり、部品同士がぶつかりあって破損したりする心配がある。各導体厚さを振
動が生じない程厚くすれば、このような振動や騒音問題は防止できるが、全体の
重量が重くなる。このような場合には、各導体に溝(リブ)を形成したり、導体
間を絶縁支持物で支持したり、導体端部を折り曲げたりすることにより、各導体
の厚さをそれほど厚くしなくとも、振動を防止することができ、騒音や部品の破
損を防止できる。
減するため、正側クランプダイオードと負側クランプダイオードを接続する中間
電位導体の出力端子を正側導体の出力端子と負側導体の各出力端子の間または隣
接して配することにより、電流バランスの他に転流インダクタンスの低減を図る
ことができ、また、3レベルインバータ主回路の交流側導体の出力端子を分割し、
または、正側クランプダイオードと負側クランプダイオードを接続する中間電位
導体の出力端子を分割し、それぞれ正側導体、負側導体の左右に配することによ
り、導体に流れる電流バランスを図ることができるので、鉄道車両用の電力変換
器など電力変換器一般の実装構造に適用して有用である。
f…導体の脚、3s、4s、5s、207s、208s…スリット、4…交流側
導体、40a、40b出力端子、5…負荷導体、6〜9ボルト、10〜13…端
子スペーサ、14〜15…絶縁板、31…正側導体、32、42、43、52…
IGBT端子ボルト穴、6a〜f、7a〜f、8a〜f、9a〜f…ボルト、3
0、40、50…出力端子、35、48a〜b、55…IGBT端子部、101
…ヒートブロック、102…フィルタコンデンサ、103…フィルタコンデンサ
側正導体、104…絶縁板、105…フィルタコンデンサ側負導体、106a〜
d…ボルト、205〜206…クランプダイオード、207〜209…中間電位
導体、210、211…フィルタコンデンサ、2070、2080…導体の穴、
2090…出力端子、2091〜2092…クランプダイオード端子
Claims (2)
- 半導体素子を直列接続した電力変換器であって、前記半導体素子とその素子のコレクタ端子およびエミッタ端子を同一方向側から取り出して一体成型した半導体モジュールを1相分として複数並べて多相とし、一の半導体モジュールのコレクタ端子と直流電源の正極を接続する正側導体と、一の半導体モジュールのエミッタ端子と他の半導体モジュールのコレクタ端子を交流側に接続する交流側導体と、一の半導体モジュールのエミッタ端子と直流電源の負極を接続する負側導体を有し、前記各導体をそれぞれ平板形状とするとともに、階層状に平行に形成する電力変換器の主回路構造において、
前記正側導体、負側導体、交流側導体の出力端子のうち、少なくとも正側導体、負側導体、交流側導体の各導体からの出力端子をそれぞれ同一方向に形成するように前記半導体モジュールを同一面上に配置し、
最下層に前記正側導体と交流側導体を配置し、その上に前記負側導体を配置することを特徴とする電力変換器の主回路構造。 - 請求項1記載の電力変換器の主回路構造において、
前記正側導体、負側導体、交流側導体の出力端子をそれぞれ同一方向に形成し、前記半導体モジュールの端子側上面から見て、各出力端子を交流側導体、正側導体、負側導体、交流側導体の順に配置することを特徴とする電力変換器の主回路構造。
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